IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Co-Studio株式会社の特許一覧

特開2023-24188情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024188
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230209BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130344
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】520127960
【氏名又は名称】Co-Studio株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小宮 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】今林 知柔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】複数の対象者の内面を考慮したうえで、当該複数の対象者の関係性を定量化する技術を実現する。
【解決手段】同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第1の反応を取得する取得部(12)と、第1の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部(13)と、を備えている情報処理装置(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得部と、
前記取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、
を備えている情報処理装置。
【請求項2】
前記同一の対象を前記1又は複数の対象者に提示する提示部
を更に備えている請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記導出部が導出した指標を提示する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記第1の反応として、前記1又は複数の対象者から、テキストデータ、音声データ、画像データ、及び選択情報の少なくとも何れかを取得する
請求項1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記1又は複数の対象者からの第1の反応を前記1又は複数の対象者に提示したうえで、
前記1又は複数の対象者からの第1の反応の少なくとも何れかに対する第2の反応であって、前記1又は複数の対象者からの第2の反応を更に取得し、
前記導出部は、前記第2の反応を参照して前記関係性に関する指標を導出する
請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者からの第1の反応を、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者に提示したうえで、
前記第1の対象者からの第1の反応に対する第2の反応であって、前記第2の対象者からの第2の反応と、前記第2の対象者からの第1の反応とをさらに取得し、
前記第2の対象者からの第1の反応を前記第1の対象者に提示したうえで、
前記第2の対象者からの第1の反応に対する第2の反応であって、前記第1の対象者からの第2の反応をさらに取得し、
前記導出部は、前記第2の対象者からの第2の反応と、前記第1の対象者からの第2の反応とを参照して、前記第1の対象者と前記第2の対象者との関係性に関する指標を導出する
請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記第1の反応を、当該第1の反応を行った人物を特定する情報を提示することなく提示する
請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記同一の対象を異ならせつつ、複数回提示することによって、前記複数回の各々における前記第2の反応を取得し、
前記導出部は、前記取得部が取得した前記第2の反応を参照して前記関係性に関する指標を導出する
請求項5~7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記導出部は、前記取得部が取得した第2の反応であって、前記複数回の各々における前記第2の反応毎に、前記関係性に関する指標を更新する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記導出部は、
前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者の前記第1の反応に対して、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者の反応が肯定的な反応であった場合、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性に関する指標を、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性が向上したことを示す値に更新し、
前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者の前記第1の反応に対して、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者の反応が否定的な反応であった場合、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性に関する指標を、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性が低下したことを示す値に更新する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記第2の反応として、提示された前記第1の反応に対する感想を示す情報を前記1又は複数の対象者から取得する
請求項5~10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出工程と、
を含んでいる情報処理方法。
【請求項13】
端末装置と情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記端末装置は、
同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する端末装置取得部と、
前記端末装置取得部が取得した第1の反応を前記情報処理装置に出力する出力部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から前記第1の反応を取得する情報処理装置取得部と、
前記情報処理装置取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、
を備えている情報処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記取得部、及び前記導出部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人と人とのマッチングにおいて、適切な人をマッチングさせる技術が求められている。特許文献1には、オンラインゲームにおいて、ユーザの国籍及び人種といった環境要素を利用して複数のユーザのうち2名のユーザをマッチングさせる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-46139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、類似する環境に置かれているユーザ同士をマッチングさせることはできても、ユーザの内面まで考慮したマッチングを行うという観点において、改善の余地がある。
【0005】
本発明の一態様は、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化する技術を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得部と、前記取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、を備えている。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得工程と、前記取得工程において取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出工程と、を含んでいる。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、端末装置と情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記端末装置は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する端末装置取得部と、前記端末装置取得部が取得した第1の反応を前記情報処理装置に出力する出力部と、を備え、前記情報処理装置は、前記端末装置から前記第1の反応を取得する情報処理装置取得部と、前記情報処理装置取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、を備えている。
【0009】
本発明の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置のプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る取得部が第1の反応を取得するための画像の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る導出部が判定処理を行った結果の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図5】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態2に係る取得部が第2の反応を取得するための画像の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態2に係る導出部が第1の反応に対して共感した対象者を特定した結果の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態2に係る導出部が第1の反応に対して敬意を表した対象者を特定した結果の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態2に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図10】本発明の実施形態2に係る導出部が提示する指標を含む画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
(情報処理システム100の概要)
本実施形態における情報処理システム100は、複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出するシステムである。
【0014】
情報処理システム100は、一例として、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する。そして、情報処理システム100は、取得した第1の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。
【0015】
ここで、同一の対象とは、1又は複数の対象者に提示されるコンテンツであり、例えば、
・静止画像
・動画像
・音楽
・絵画
・文章
などが挙げられる。本実施形態では、同一の対象として静止画像(対象画像)を用いた場合の形態について説明するが、これは本実施形態を限定するものではない。
【0016】
また、第1の反応とは、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者の反応であって、同一の対象に対する反応を表現したものであり、例えば、
・対象者が静止画像を観て感じたこと
・対象者が考える静止画像のテーマ
・対象者が動画像を観て感じたこと
・対象者が考える動画像のテーマ
・対象者が音楽を聴いて感じたこと
・対象者が考える音楽のテーマ
などがあり得るが、これは本実施形態を限定するものではない。
【0017】
また、1または複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標とは、第1の反応を行った対象者を含む複数の対象者の間の関係性の良し悪しを定量化したものである。指標の一例として、対象者の間の関係性を距離で示し、対象者の間の距離が短い程、対象者の間の関係性は向上したことを示し、対象者の間の距離が長い程、対象者の間の関係性は低下したことを示す構成が挙げられる。また、指標の他の例として、数値及び方向性を有するベクトルが挙げられる。例えば、第1の対象者から第2の対象者へのベクトルが第1の対象者から第2の対象者へ向いている場合、第2の対象者に対する第1の対象者の関係性は向上したことを示す。一方、第1の対象者から第2の対象者へのベクトルが第2の対象者から第1の対象者への向きと逆に向いている場合、第1の対象者に対する第2の対象者の関係性は低下したことを示す構成であってもよい。
【0018】
また、情報処理システム100が適用される範囲は限定されないが、例えば、プロジェクトを実行するチームのチームビルディング、入社時の研修におけるチームビルディング、及びお見合い等に使用され得る。
【0019】
(情報処理システム100の構成)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。また、図1に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置1、端末装置2-1、及び端末装置2-2を含んで構成される。
【0020】
情報処理装置1、端末装置2-1、及び端末装置2-2は、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。例えば、情報処理装置1はサーバ、端末装置2-1は第1の対象者が使用する端末装置、端末装置2-2は第2の対象者が使用する端末装置である。
【0021】
ネットワークNの具体的構成は本実施形態を限定するものではないが、一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらのネットワークの組み合わせを用いることができる。
【0022】
なお、図1に示す例では、端末装置として端末装置2-1及び端末装置2-2の2つを例示しているが、これは本実施形態を限定するものではなく、情報処理システム100は、任意の個数の端末装置を含む構成とすることができる。また、本例示的実施形態において、これら複数の端末装置は、互いに同様な要部構成を備えている。また、端末装置2-1及び端末装置2-2の何れかを指す場合、単に端末装置2と称する。
【0023】
(端末装置2)
図1に示すように、端末装置2は、制御部20、入力部24、提示部25、及び通信部26を備えている。
【0024】
入力部24は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力部24は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、又はこれらの組み合わせ等が用いられる。
【0025】
提示部25は、後述する制御部20から供給されるデータを提示する。一例として、提示部25は、対象画像を提示する。一例として、提示部25は表示パネルを備えて構成され、当該表示パネルに上記データが示す画像を表示する。他の例として、提示部25はスピーカを備えて構成され、当該スピーカから上記データが示す音声を出力する。
【0026】
通信部26は、ネットワークNを介した通信をするための通信モジュールである。通信部26は、ネットワークNを介して情報処理装置1から取得したデータを制御部20に出力したり、制御部20から取得したデータをネットワークNを介して情報処理装置1に出力したりする。
【0027】
制御部20は、端末装置2の各構成要素を制御する。制御部20は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)が、メモリ(例えばRAM(random access memory)やROM(read only memory)など)に記憶されているプログラムを実行することによって、端末装置2の各構成要素を制御する。制御部20は、入力部24を介して第1の反応を取得したり、取得した第1の反応を通信部26を介して情報処理装置1に出力したりする。
【0028】
(情報処理装置1)
図1に示すように、情報処理装置1は、制御部10、提示部15、通信部16、及び記憶部17を備えている。
【0029】
提示部15は、後述する制御部10から供給されるデータを提示する。一例として、提示部15は、対象画像を提示する。一例として、提示部15は表示パネルを備えて構成され、当該表示パネルに上記データが示す画像を表示する。他の例として、提示部15はスピーカを備えて構成され、当該スピーカから上記データが示す音声を出力する。
【0030】
通信部16は、ネットワークNを介した通信をするための通信モジュールである。通信部16は、ネットワークNを介して端末装置2から取得したデータを制御部10に出力したり、制御部10から取得したデータをネットワークNを介して端末装置2に出力したりする。
【0031】
記憶部17は、制御部10によって参照されるデータを記憶するメモリである。記憶部17は、一例として、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM(登録商標)、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。図1に示すように、記憶部17は、第1の反応RE1、対象画像TP、及び指標IXを記憶する。
【0032】
(制御部10)
制御部10は、情報処理装置1の各構成要素を制御する。制御部10は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、メモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することによって、情報処理装置1の各構成要素を制御する。
【0033】
また、図1に示すように、制御部10は、取得部12及び導出部13としても機能する。
【0034】
取得部12は、通信部16を介して、端末装置2から出力される第1の反応RE1を取得する。取得部12は、取得した第1の反応RE1を、記憶部17に格納する。取得部12が第1の反応RE1を取得する処理例は後述する。
【0035】
導出部13は、取得部12が取得した第1の反応を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標IXを導出する。導出部13は、導出した指標を記憶部17に格納する。導出部13が指標IXを導出する処理例は後述する。
【0036】
また、導出部13は、導出した指標を提示する。例えば、導出部13は、導出した指標を提示部15を介して提示してもよい。換言すると、提示部15は、導出部13が導出した指標を提示してもよい。また、導出部13は、導出した指標を通信部16を介して端末装置2に出力することによって、提示してもよい。
【0037】
(取得部12が第1の反応RE1を取得する処理例)
取得部12が第1の反応RE1を取得する処理例について説明する。
【0038】
取得部12は、対象画像TPを提示することにより、第1の反応RE1を取得する。具体的には、まず取得部12は、記憶部17に記憶されている対象画像TPを取得し、通信部16を介して端末装置2に出力する。端末装置2の制御部20は、情報処理装置1から出力された対象画像TPを通信部26を介して取得する。制御部20は、取得した対象画像TPを含む画像を提示部25に提示する。対象画像TPを含む画像の例を、図2に示す。
【0039】
図2は、本実施形態に係る取得部12が第1の反応RE1を取得するための画像P1の一例を示す図である。図2に示すように、画像P1には、対象画像TP1及び第1の反応RE1の入力を受け付けるボックスIBが含まれている。図2に示す例では、端末装置2の制御部20は、入力部24を介して、ボックスIBに入力されたテキスト「ヤバスギ」を示すテキストデータを第1の反応RE1として取得する。制御部20は、取得した第1の反応RE1を、通信部26を介して情報処理装置1に出力する。情報処理装置1の取得部12は、通信部16を介して、端末装置2から出力された第1の反応RE1を取得する。取得部12は、取得した第1の反応RE1を、記憶部17に格納する。
【0040】
なお、取得部12は、第1の反応RE1として、テキストデータ、音声データ、画像データ、及び選択情報の少なくとも何れかを取得する構成であってもよい。この場合、端末装置2は、第1の反応RE1の入力を受け付けるボックスIBに替えて(又は加えて)、音声データを取得するための録音ボタン、画像データを受け付けるための画像選択ボタン、及び選択情報を受け付けるための選択ボタンの少なくとも何れかを含む画像P1を、提示部25に提示してもよい。
【0041】
また、情報処理装置1Aが情報処理装置1と同様に提示部15を備える場合、取得部12Aは、提示部15を介して、1又は複数の対象者からの第1の反応を前記1又は複数の対象者に提示する構成であってもよい。
【0042】
また、情報処理装置1の提示部15が、対象画像TPを1又は複数の対象者に提示する構成であってもよい。また、対象画像TPを、紙媒体によって1又は複数の対象者に提示してもよい。換言すると、対象画像TPは、情報処理装置1又は端末装置2によって提示される画像に限定されない。
【0043】
(導出部13が指標IXを導出する処理例)
導出部13が指標IXを導出する処理例について説明する。
【0044】
導出部13は、1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を参照して、指標IXを導出する。
【0045】
一例として、取得部12が対象者Aから第1の反応RE1を取得した場合、導出部13は、対象者Aの第1の反応RE1と、予め取得した対象者Bに関する情報とを参照する。ここで、対象者Bに関する情報の例として、対象者Bの出身地、対象者Bの生年月日、対象者Bの血液型、及び対象者Bの趣味嗜好などが挙げられるが、これらは本実施形態を限定するものではない。予め取得した対象者Bに関する情報は、記憶部17が記憶してもよい。
【0046】
次に、導出部13は、対象者Aと対象者Bとはお互いに共感できる可能性が高いか否かを判定する。導出部13が当該判定処理を行う方法の一例として、導出部13は、対象者Aの第1の反応RE1と対象者Bに関する情報とが、共通の単語又は類義語を含んでいるかどうかを判定する構成が挙げられるが、これは本実施形態を限定するものではない。導出部13は、対象者Aの第1の反応RE1と対象者Bに関する情報とが、共通の単語又は類義語を含んでいる場合、対象者Aと対象者Bとはお互いに共感できる可能性が高いと判定する。
【0047】
他の例として、取得部12が対象者A及び対象者Bから第1の反応RE1を取得した場合、導出部13は、取得部12が取得した対象者Aの第1の反応RE1と、対象者Bの第1の反応RE1とを参照する。
【0048】
この場合、導出部13は同様に、対象者Aと対象者Bとはお互いに共感できる可能性が高いか否かを判定する。導出部13が当該判定処理を行う方法の一例として、導出部13は、対象者Aの第1の反応RE1と対象者Bの第1の反応RE1とが、共通の単語又は類義語を含んでいるかどうかを判定する構成が挙げられるが、これは本実施形態を限定するものではない。取得部12が対象者A及び対象者B以外の対象者からも第1の反応RE1を取得した場合、導出部13は、当該判定処理を、全ての対象者の第1の反応RE1に対して実行する。
【0049】
取得部12が、対象者A~対象者Fから第1の反応RE1を取得し、導出部13が全ての対象者の第1の反応RE1に対して判定処理を行った場合に導出される結果について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る導出部13が判定処理を行った結果の一例を示す図である。図3では、対象者の第1の反応RE1において、お互いに共感できる可能性が高いと判定された対象者同士を、矢印で示している。例えば、対象者Aは、対象者D及び対象者Eと共感できる可能性が高いことを示している。
【0050】
導出部13は、図3に示すような判定処理における結果を導出すると、対象者の間の関係性に関する指標である値を更新する。一例として、導出部13は、対象者の間の関係性に関する指標として距離を用いる。導出部13は、対象者がお互いに共感できる可能性が高いと判定した場合、当該距離を縮める(距離の値を小さくする)ことにより、対象者の間の関係性に関する指標IXを導出する。
【0051】
例えば、導出部13は、最初に対象者の間の距離を「6」に設定する。次に、導出部13は、矢印の向きを参照し、ある対象者から他の対象者に矢印が向いている場合、当該ある対象者と当該他の対象者との距離を「1」マイナスする。例えば、図3においては、対象者Aから対象者Eに矢印が向いているため、導出部13は対象者Aと対象者Eとの間の距離を「5」に更新する。一方、対象者Aから対象者Bには矢印が向いていないため、導出部13は対象者Aと対象者Bとの間の距離を「6」のままにする。
【0052】
当該構成により、導出部13は、対象者間の距離の値によって、対象者間の関係性が向上しているのか、対象者間の関係性が低下しているのかを示すことができる。
【0053】
(情報処理システム100における処理の流れ)
情報処理システム100における処理の流れについて、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0054】
(ステップS102)
ステップS102において、情報処理装置1の取得部12は、記憶部17に格納されている対象画像TPを取得する。取得部12は、取得した対象画像TPを、通信部16を介して端末装置2に出力する。
【0055】
(ステップS103)
ステップS103において、端末装置2の制御部20は、通信部26を介して、情報処理装置1から出力された対象画像TPを取得する。
【0056】
(ステップS104)
ステップS104において、制御部20は、提示部25を介して、取得した対象画像TPを提示する。
【0057】
(ステップS105)
ステップS105において、制御部20は、入力部24を介して、対象者の第1の反応RE1を取得する。
【0058】
(ステップS106)
ステップS106において、制御部20は、取得した対象者の第1の反応RE1を、通信部26を介して情報処理装置1に出力する。
【0059】
(ステップS107)
ステップS107において、情報処理装置1の取得部12は、端末装置2から出力された第1の反応RE1を、通信部16を介して取得する。
【0060】
(ステップS108)
ステップS108において、導出部13は、取得部12が取得した第1の反応RE1を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。
【0061】
このように、情報処理システム100において、情報処理装置1は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第1の反応を取得し、第1の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。情報処理装置1は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者の第1の反応を参照するため、1又は複数の対象者の内面を考慮することができる。また、情報処理装置1は、第1の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出するので、複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0062】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0063】
(情報処理システム100Aの概要)
情報処理システム100Aは、上述した第1の反応に加えて、第2の反応を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。具体的には、情報処理システム100Aは、1又は複数の対象者からの第1の反応を1又は複数の対象者に提示する。次に、情報処理システム100Aは、1又は複数の対象者の第1の反応の少なくとも何れかに対する第2の反応であって、1又は複数の対象者からの第2の反応を更に取得する。そして、情報処理システム100Aは、第2の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。
【0064】
ここで、情報処理システム100Aが取得する第2の反応とは、提示された第1の反応に対する1または複数の対象者の各々の感想を示す情報である。第2の反応の例として、肯定的な反応と否定的な反応とがある。
【0065】
肯定的な反応の例として、
・ある対象者の第1の反応に対して、共感していることを示す情報
・ある対象者の第1の反応に対して、敬意を表していることを示す情報
が挙げられる。
【0066】
否定的な反応の例として、
・ある対象者の第1の反応に対して、理解できないことを示す情報
が挙げられる。ただし、これらは本実施形態を限定するものではなく、対象物の第1の反応に対して、1又は複数の対象者が抱いた感想であれば、情報処理システム100Aは第2の反応として取得する。
【0067】
(情報処理システム100Aの構成)
図5は、本実施形態に係る情報処理システム100Aの構成を示すブロック図である。情報処理システム100Aは、上述した情報処理システム100における情報処理装置1に替えて、情報処理装置1Aを含んで構成される。なお、端末装置2については、上述した通りであるため、説明を省略する。
【0068】
(情報処理装置1A)
図5に示すように、情報処理装置1Aは、制御部10A、通信部16、及び記憶部17Aを備えている。通信部16については、上述した通りであるため、説明を省略する。
【0069】
記憶部17Aは、上述した記憶部17の機能に加えて、第2の反応RE2を記憶する機能を有している。
【0070】
制御部10Aは、上述した制御部10と同様に、情報処理装置1Aの各構成要素を制御する。また、図5に示すように、制御部10Aは、取得部12A及び導出部13Aとしても機能する。
【0071】
取得部12Aは、上述した取得部12の機能に加えて、1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を1又は複数の対象者に提示したうえで、1又は複数の対象者の第2の反応RE2を更に取得する。取得部12Aが第2の反応RE2を取得する処理例は後述する。
【0072】
導出部13Aは、取得部12Aが取得した第2の反応を参照して、1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。導出部13Aは、導出した指標を、記憶部17Aに格納する。導出部13Aが指標IXを導出する処理例は後述する。
【0073】
また、導出部13Aは、導出した指標を提示する。例えば、情報処理装置1Aが情報処理装置1と同様に提示部15を備える構成の場合、導出部13Aは、導出した指標を提示部15を介して提示してもよい。すなわち、提示部15は、導出部13Aが導出した指標を提示してもよい。この場合、取得部12Aは、1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を提示部15を介して1又は複数の対象者に提示したうえで、1又は複数の対象者の第2の反応RE2を更に取得する。
【0074】
また、導出部13Aは、導出した指標を通信部16を介して端末装置2に出力することによって、提示してもよい。この場合、端末装置2の提示部25は、導出部13Aが導出した指標を提示する。この場合、取得部12Aは、1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を提示部25を介して1又は複数の対象者に提示したうえで、1又は複数の対象者の第2の反応RE2を更に取得する。以下においても、導出部13Aが導出した指標を提示するとは、提示部15又は提示部25が、導出部13Aが導出した指標を提示することを意味している。また、取得部12Aが第1の反応RE1を提示するとは、提示部15又は提示部25が提示することを意味している。
【0075】
(取得部12Aが第2の反応RE2を取得する処理例)
取得部12Aが第2の反応RE2を取得する処理例について説明する。
【0076】
取得部12Aは、1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を前記1又は複数の対象者に提示したうえで、1又は複数の対象者から第2の反応RE2を取得する。取得部12Aが第1の反応RE1を取得する構成は、上述した実施形態における処理と同じであるため、説明を省略する。
【0077】
取得部12Aは、記憶部17に記憶されている1又は複数の対象者から第1の反応RE1を取得し、通信部16を介して端末装置2に出力する。端末装置2の制御部20は、情報処理装置1から出力された1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を通信部26を介して取得する。制御部20は、取得した1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を提示部25に提示する。1又は複数の対象者からの第1の反応RE1を提示する例を図6に示す。
【0078】
図6は、本実施形態に係る取得部12Aが第2の反応RE2を取得するための画像P2の一例を示す図である。図6に示すように、画像P2には、1又は複数の対象者からの第1の反応である第1の反応RE1-1、第1の反応RE1-2、及び第1の反応RE1-3が含まれている。
【0079】
また、画像P2には、各第1の反応RE1に対応するボタンBT1-1、ボタンBT1-2、及びボタンBT1-3が含まれている。図6におけるボタンBT1-1、ボタンBT1-2、及びボタンBT1-3は、それぞれ第2の反応を受け付けるボタンである。例えば、ボタンBT1-1、ボタンBT1-2、及びボタンBT1-3は、それぞれ、以下の第2の反応RE2を受け付けるボタンである。
・ボタンBT1-1:対象者が第1の反応RE1に共感していることを受け付けるボタン
・ボタンBT1-2:対象者が第1の反応RE1に敬意を表していることを受け付けるボタン
・ボタンBT1-3:対象者が対応する第1の反応RE1に理解できないことを受け付けるボタン
なお、第1の反応を提示する方法は、画像にて提示する方法に限定されない。例えば、第1の反応を音声にて提示してもよい。また、第2の反応を受け付けるボタンの数及び種類は上記に限定されない。また、第2の反応を受け付ける方法は、上記方法に限定されず、テキストで入力することによって第2の反応を受け付ける構成であってもよい。
【0080】
一例として、端末装置2の制御部20は、入力部24を介して、第1の反応RE1-1に対してボタンBT1-1が押されたことを示す情報を取得した場合、制御部20は、第1の反応RE1-1に対して共感していることを示す情報を、第2の反応RE2として通信部26を介して情報処理装置1Aに出力する。情報処理装置1Aの取得部12Aは、通信部16を介して、端末装置2から出力された第2の反応RE2を取得する。
【0081】
また、取得部12Aは、第1の反応RE1を、当該第1の反応RE1を行った人物を特定する情報を提示することなく提示してもよい。例えば、画像P2では、第1の反応RE1-1を行った人物の表示RPは、「回答者非表示」になっている。当該構成により、ある対象者が特定の対象者との関係性を意図的に向上又は低下させようとしても、何れの第1の反応RE1が特定の対象者の第1の反応RE1であるのか特定することができないので、意図的に特定の対象者との関係性を向上又は低下させることを防ぐことができる。
【0082】
取得部12Aが第1の反応RE1と第2の反応RE2を取得する順番は、上述した順番に限定されない。
【0083】
例えば、取得部12Aは、ある対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した第1の対象者からの第1の反応を、第2の対象者に提示したうえで、第2の対象者から第2の反応を取得する。次に、取得部12Aは、前記ある対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した第2の対象者からの第1の反応を、取得する。さらに、取得部12Aは、第2の対象者からの第1の反応を第1の対象者に提示したうえで、第1の対象者から第2の反応を取得する構成であってもよい。
【0084】
一例として、取得部12Aはまず、8月4日の夜に、対象画像を観た対象者Aから第1の反応を取得する。次に、取得部12Aは、8月5日の夜に、対象者Aからの第1の反応を、対象者Bに提示したうえで、対象者Bから第2の反応を取得する。併せて、取得部12Aは、対象画像を観た対象者Bから第1の反応を取得する。さらに、取得部12Aは、8月6日の夜に、対象者Bからの第2の反応を対象者Aに提示したうえで、対象者Aから第2の反応を取得する構成であってもよい。
【0085】
(導出部13Aが指標IXを導出する処理例)
導出部13Aが指標IXを導出する処理について説明する。
【0086】
導出部13Aは、1又は複数の対象者からの第2の反応RE2を参照して、指標IXを導出する。具体的には、導出部13Aは、第1の対象者の第1の反応RE1に対して、第2の対象者の反応が肯定的な反応であった場合、第1の対象者と第2の対象者との間の関係性に関する指標を、第1の対象者と第2の対象者との関係性が向上したことを示す値に更新する。また、導出部13Aは、第1の対象者の第1の反応RE1に対して、第2の対象者の反応が否定的な反応であった場合、第1の対象者と第2の対象者との間の関係性に関する指標を、第1の対象者と第2の対象者との関係性が低下したことを示す値に更新する。
【0087】
ここで、取得部12Aは、対象者一人から、第1の反応を取得する構成であればよい。例えば、取得部12Aは、対象者Aから第1の反応RE1を取得し、対象者Bからは第1の反応RE1を取得しない。そして、取得部12Aは、対象者Bから、対象者Aからの第1の反応RE1に対する第2の反応RE2を取得する。当該構成において、対象者Bから取得した第2の反応RE2が、対象者Aの第1の反応RE1に対して肯定的な反応であった場合、導出部13Aは、第1の対象者と第2の対象者との間の関係性に関する指標を、第1の対象者と第2の対象者との関係性が向上したことを示す値に更新する。また、対象者Bから取得した第2の反応RE2が、対象者Aの第1の反応RE1に対して否定的な反応であった場合、導出部13Aは、第1の対象者と第2の対象者との間の関係性に関する指標を、第1の対象者と第2の対象者との関係性が低下したことを示す値に更新する構成であってもよい。
【0088】
ここで、第1の対象者と第2の対象者との関係性がよいほど上記指標として小さい値を用いる構成の場合、第1の対象者と第2の対象者との関係性が向上したことを示す値とは、更新前の指標よりも小さい値のことを指す。
【0089】
また、第1の対象者と第2の対象者との関係性がよいほど上記指標として大きい値を用いる構成の場合、第1の対象者と第2の対象者との関係性が向上したことを示す値とは、更新前の指標よりも大きい値のことを指す。
【0090】
以下では、第1の対象者と第2の対象者との関係性がよいほど上記指標として小さい値を用いる構成の場合を例に挙げるが、これは本実施形態を限定するものではない。
【0091】
一例として、まず導出部13Aは、取得部12Aが取得した対象者Aの第1の反応RE1に対して、第2の反応として共感を示した対象者を特定する。例えば、対象者Aの第1の反応RE1に対して、対象者Dが共感を示す第2の反応をした場合、導出部13Aは、対象者Aの第1の反応RE1に対して共感した対象者は対象者Dであることを特定する。
【0092】
同様に、導出部13Aは、取得部12が取得した対象者Aの第1の反応RE1に対して、第2の反応として敬意を表していることを示した対象者、及び第2の反応として理解できないことを示した対象者を、それぞれ特定する。導出部13Aは、全ての対象者の第1の反応RE1について、同様の特定処理を実行する。
【0093】
導出部13Aが全ての対象者の第1の反応RE1について特定処理を行った場合に導出される結果について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る導出部13Aが第1の反応RE1に対して共感した対象者を特定した結果の一例を示す図である。図7では、対象者の第1の反応RE1に対して共感した対象者を、矢印で示している。例えば、対象者Aは、対象者Fの第1の反応RE1に対して共感したことを示している。
【0094】
また、図8は、本実施形態に係る導出部13Aが第1の反応RE1に対して敬意を表した対象者を特定した結果の一例を示す図である。図8では、対象者の第1の反応RE1に対して敬意を表した対象者を、矢印で示している。例えば、対象者Bは、対象者Fの第1の反応RE1に対して敬意を表したことを示している。
【0095】
導出部13Aは、図7及び図8に示すような結果を導出すると、対象者の間の関係性に関する指標である値を更新する。上述した実施形態と同様、一例として導出部13Aは、対象者の間の関係性に関する指標として距離を用いる。
【0096】
例えば、導出部13Aは、最初に対象者の間の距離を「6」に設定する。次に、導出部13は、矢印の向きを参照し、ある対象者から他の対象者に矢印が向いている場合、当該ある対象者と当該他の対象者との距離を「1」マイナスする。例えば、図7において、対象者Aから対象者Fに矢印が向いているため、導出部13Aは、お互いが共感する関係性において、対象者Aと対象者Fとの間の距離を「5」に更新する。また、図7において、対象者Cと対象者Fとは、互いに矢印が向き合っているため、導出部13Aは、お互いが共感する関係性において、対象者Cと対象者Fとの距離を「4」に更新する。
【0097】
また、図8において、対象者Bから対象者Fに矢印が向いているため、導出部13Aは、お互いが敬意を表する関係性において、対象者Bと対象者Fとの間の距離を「5」に更新する。また、図8において、対象者Aと対象者Eとは、互いに矢印が向き合っているため、導出部13Aは、お互いが敬意を表する関係性において、対象者Aと対象者Eとの間の距離を「4」に更新する。
【0098】
(取得部12Aが第2の反応RE2を複数回取得する処理例)
取得部12Aは、同一の対象を異ならせつつ、複数回提示することによって、複数回の各々における第2の反応を取得してもよい。この場合、導出部13Aは、取得部12Aが取得した複数回の各々における第2の反応を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する。
【0099】
この構成の場合、取得部12Aは、第1の同一の対象に対する第1の反応RE1を取得し、当該第1の反応RE1に対する第2の反応を取得すると、第1の同一の対象とは異なる第2の同一の対象を、1又は複数の対象者に提示する。そして、取得部12Aは、第2の同一の対象に対する第1の反応RE1を取得し、当該第1の反応RE1に対する第2の反応を取得する。導出部13Aは、取得部12Aが取得した第2の反応毎に、複数の対象者の間の関係性に関する指標を更新する。当該構成により、情報処理装置1は、複数の対象者の間の関係性に関する指標をより正確に導出することができる。
【0100】
なお、取得部12Aが第2の反応RE2を取得する回数は特に限定されないが、上述した導出部13Aが指標IXを導出する処理例を例に挙げると、最初に設定した対象者の間の距離「6」が、何れかの対象者の間において「0」になるまで、取得部12Aは第2の反応RE2を取得する構成であってもよい。
【0101】
(情報処理システム100Aにおける処理の流れ)
情報処理システム100Aにおける処理の流れについて、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【0102】
(ステップS102~ステップS107)
情報処理装置1Aが対象画像を出力し、端末装置2から第1の反応を取得する処理であるステップS102~ステップS107については、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0103】
(ステップS202)
ステップS202において、情報処理装置1Aの取得部12Aは、複数の対象者の各々からの第1の反応RE1を、通信部16を介して出力する。なお、上述したように、取得部12Aは、第1の反応RE1を、一人の対象者から取得する構成であってもよいので、ステップS202において、取得部12Aは、一人の対象者の第1の反応RE1を、通信部16を介して出力する構成であってもよい。
【0104】
(ステップS203)
ステップS203において、端末装置2の制御部20は、情報処理装置1から出力された複数の対象者の各々からの第1の反応RE1(又は、一人の対象者からの第1の反応RE1)を、通信部26を介して取得する。
【0105】
(ステップS204)
ステップS204において、制御部20は、取得した複数の対象者の各々からの第1の反応RE1(又は、一人の対象者からの第1の反応RE1)を、提示部25を介して提示する。
【0106】
(ステップS205)
ステップS205において、制御部20は、入力部24を介して、対象者の第2の反応RE2を取得する。
【0107】
(ステップS206)
ステップS206において、制御部20は、取得した対象者の第2の反応RE2を、通信部26を介して情報処理装置1に出力する。
【0108】
(ステップS207)
ステップS207において、情報処理装置1の取得部12Aは、端末装置2から出力された対象者の第2の反応RE2を、通信部16を介して取得する。
【0109】
(ステップS208)
ステップS208において、導出部13Aは、取得部12Aが取得した第2の反応RE2を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標IXを導出する。
【0110】
(ステップS209)
ステップS209において、導出部13Aは、導出した指標IXを提示する。導出部13Aが提示する指標IXについて、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る導出部13Aが提示する指標を含む画像P3の一例を示す図である。
【0111】
情報処理装置1Aが情報処理装置1と同様に提示部15を備える構成の場合、提示部15は、図10に示すように、対象者の間の関係性を示す指標IX1、指標IX2、及び指標IX3を含む画像P3を提示する。例えば、導出部13Aは、画像P3において、対象者「Yama」と対象者「たなか」との間の関係性を示す指標IX1は「3」であることを提示している。同様に、導出部13Aは、画像P3において、対象者「Toshi」と対象者「Yama」との間の関係性を示す指標IX2は「3」であり、対象者「Toshi」と対象者「たなか」との間の関係性を示す指標IX3は「5」であることを提示している。また、導出部13Aは、指標IXを端末装置2に出力し、端末装置2の提示部25が指標IXを提示してもよい。
【0112】
また、導出部13Aは、図10において例示的にRE2を示したように、画像P3に各対象者の第2の反応RE2を含めて提示する構成であってもよい。また、導出部13Aは、図10に示すように、画像P3に含まれる第2の反応RE2が、何れの同一の対象に対する反応であるかを提示するため、同一の対象である画像TP3を画像P3に含めて提示する構成であってもよい。
【0113】
このように、情報処理システム100Aにおいて、情報処理装置1Aは、1又は複数の対象者からの第1の反応を複数の対象者に提示したうえで、1又は複数の対象者からの第1の反応の少なくとも何れかに対する第2の反応であって、1又は複数の対象者からの第2の反応を更に取得し、前記第2の反応を参照して前記関係性に関する指標を導出する。そのため、情報処理装置1Aは、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者からの第1の反応に対する第2の反応を参照するため、1又は複数の対象者の内面を考慮することができる。また、情報処理装置1Aは、第2の反応を参照して、複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出するので、複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0114】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1、1A、及び端末装置2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部10、10A、20に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0115】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0116】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0117】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0118】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0119】
[まとめ]
本発明の態様1に係る情報処理装置は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得部と、前記取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、を備えている。
【0120】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0121】
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記同一の対象を前記1又は複数の対象者に提示する提示部を更に備えている。
【0122】
上記の構成によれば、第1の反応を取得するための同一の対象を複数の対象者のそれぞれに対して提示することができる。
【0123】
本発明の態様3に係る情報処理装置において、上記態様2における前記提示部は、前記導出部が導出した指標を提示する。
【0124】
上記の構成によれば、導出した指標を複数の対象者のそれぞれに対して提示することができる。
【0125】
本発明の態様4に係る情報処理装置において、上記態様1~3における前記取得部は、前記第1の反応として、前記1又は複数の対象者から、テキストデータ、音声データ、画像データ、及び選択情報の少なくとも何れかを取得する。
【0126】
上記の構成によれば、複数の対象者の内面を考慮するための第1の反応を取得することができる。
【0127】
本発明の態様5に係る情報処理装置において、上記態様1~4における前記取得部は、前記1又は複数の対象者からの第1の反応を前記1又は複数の対象者に提示したうえで、前記1又は複数の対象者からの第1の反応の少なくとも何れかに対する第2の反応であって、前記1又は複数の対象者からの第2の反応を更に取得し、前記導出部は、前記第2の反応を参照して前記関係性に関する指標を導出する。
【0128】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0129】
本発明の態様6に係る情報処理装置において、上記態様1~4における前記取得部は、前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者からの第1の反応を、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者に提示したうえで、前記第1の対象者からの第1の反応に対する第2の反応であって、前記第2の対象者からの第2の反応と、前記第2の対象者からの第1の反応とをさらに取得し、前記第2の対象者からの第1の反応を前記第1の対象者に提示したうえで、前記第2の対象者からの第1の反応に対する第2の反応であって、前記第1の対象者からの第2の反応をさらに取得し、前記導出部は、前記第2の対象者からの第2の反応と、前記第1の対象者からの第2の反応とを参照して、前記第1の対象者と前記第2の対象者との関係性に関する指標を導出する。
【0130】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0131】
本発明の態様7に係る情報処理装置において、上記態様5または6における前記取得部は、前記第1の反応を、当該第1の反応を行った人物を特定する情報を提示することなく提示する。
【0132】
上記の構成によれば、特定の対象者の間における関係性に関する指標を意図的に向上又は低下させるのを防ぐことができる。
【0133】
本発明の態様8に係る情報処理装置において、上記態様5~7の何れかにおける前記取得部は、前記同一の対象を異ならせつつ、複数回提示することによって、前記複数回の各々における前記第2の反応を取得し、前記導出部は、前記取得部が取得した前記第2の反応を参照して前記関係性に関する指標を導出する。
【0134】
上記の構成によれば、複数の対象者の間の関係性に関する指標をより正確に導出することができる。
【0135】
本発明の態様9に係る情報処理装置において、上記態様8における前記導出部は、前記取得部が取得した第2の反応であって、前記複数回の各々における前記第2の反応毎に、前記関係性に関する指標を更新する。
【0136】
上記の構成によれば、複数の対象者の間の関係性に関する指標をより正確に導出することができる。
【0137】
本発明の態様10に係る情報処理装置において、上記態様9における前記導出部は、前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者の前記第1の反応に対して、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者の反応が肯定的な反応であった場合、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性に関する指標を、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性が向上したことを示す値に更新し、前記1又は複数の対象者に含まれる第1の対象者の前記第1の反応に対して、前記1又は複数の対象者に含まれる第2の対象者の反応が否定的な反応であった場合、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性に関する指標を、前記第1の対象者と前記第2の対象者との間の関係性が低下したことを示す値に更新する。
【0138】
上記の構成によれば、複数の対象者の間の関係性に関する指標をより正確に導出することができる。
【0139】
本発明の態様11に係る情報処理装置において、上記態様5~10の何れかにおける前記取得部は、前記第2の反応として、提示された前記第1の反応に対する感想を示す情報を前記1又は複数の対象者から取得する。
【0140】
上記の構成によれば、複数の対象者の内面を考慮するための第2の反応を取得することができる。
【0141】
本発明の態様12に係る情報処理方法は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する取得工程と、前記取得工程において取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出工程と、を含んでいる。
【0142】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0143】
本発明の態様13に係る情報処理システムは、端末装置と情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記端末装置は、同一の対象を五感の少なくとも何れかを介して知覚した1又は複数の対象者から第一の反応を取得する端末装置取得部と、前記端末装置取得部が取得した第1の反応を前記情報処理装置に出力する出力部と、を備え、前記情報処理装置は、前記端末装置から前記第1の反応を取得する情報処理装置取得部と、前記情報処理装置取得部が取得した第1の反応を参照して、前記1又は複数の対象者を含む複数の対象者の間の関係性に関する指標を導出する導出部と、を備えている。
【0144】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0145】
本発明の態様14に係るプログラムは、上記態様1に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記取得部、及び前記導出部としてコンピュータを機能させる。
【0146】
上記の構成によれば、対象者の内面を考慮したうえで、当該対象者を含む複数の対象者の関係性を定量化することができる。
【0147】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0148】
1、1A 情報処理装置
2、2-1、2-2 端末装置
10、10A、20 制御部
12、12A 取得部
13、13A 導出部
15、25 提示部
16、26 通信部
17、17A 記憶部
24 入力部
100、100A 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10