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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024207
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ノズルクリーナ
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/32 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
B23K9/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021145787
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】392014760
【氏名又は名称】新光機器株式会社
(72)【発明者】
【氏名】蕗澤 武夫
(72)【発明者】
【氏名】浅井 直樹
(57)【要約】
【課題】シールドノズルの内部に研磨部材を押し込まなくてもスパッタを除去することができるノズルクリーナを提供すること。
【解決手段】本体1に供給される圧縮空気にて本体1に収納されたコア部材7、31を往復動させシールドノズル21の側面に振動を与える。コア部材7が他方側に位置するとき垂直な通風路8が本体1の給気口3に連通し、コア部材7が一方側に移動したとき本体1の排気口5と連通し、コア部材7の基端の端面と他方の蓋13との間に第1の空気室19を形成し、コア部材7と本体1の貫通孔2を形成する内周壁にて第2の空気室20を形成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に供給される圧縮空気にて本体に収納されたコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えることを特徴としたノズルクリーナ。
【請求項2】
貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の一方の開口を塞ぎ表面側にシールドノズルの側面を当接する突起を形成した一方の蓋と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えるようにしたことを特徴としたノズルクリーナ。
【請求項3】
貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、一方側に貫通孔の一方開口から突出したハンマー部材を設け、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させハンマー部材にてシールドノズルの側面をたたきシールドノズルに振動を与えるようにしたことを特徴としたノズルクリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスシールドアーク溶接に用いられるトーチのシールドノズルに付着したスパッタを除去するノズルクリーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールドノズルに超極圧潤滑剤等のスパッタ付着防止剤のコーテング層を形成しスパッタの付着を抑制するだけではなく、付着したスパッタがコーテング層の上に軽く付着しているのみで、スパッタが弱い力で容易に剥離できるシールドノズルがあり、従来、この種のシールドノズルのノズルクリーナとして、特開2019-0310057号公報に示すように、シールドノズルの内部にシールドノズルより軟質な材料であるアルミニュウム、合成樹脂等にて形成した円筒形の研磨部材を押し込むことによりシールドノズルに付着したスパッタを除去するものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-0310057公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のものでは、研磨部材をシールドノズルの内部に押し込んでスパッタを剥離するため、シールドノズルのコーテング層を剥がしたり、研磨部材の角部が当たりシールドノズルの内部を傷つけたりしてシールドノズルのスパッタの付着防止性能を損なう恐れがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、前記の問題を解決し、シールドノズルの内部に研磨部材を押し込まなくてもスパッタを除去することができるノズルクリーナを提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明のノズルクリーナは、本体に供給される圧縮空気にて本体に収納されたコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えることを特徴とするものである。
【0007】
貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の一方の開口を塞ぎ表面側にシールドノズルの側面を当接する突起を形成した一方の蓋と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えるようにしたものであることが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
【0008】
貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、一方側に貫通孔の一方開口から突出したハンマー部材を設け、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させハンマー部材にてシールドノズルの側面をたたきシールドノズルに振動を与えるようにしたものであることが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、本体に供給される圧縮空気にて本体に収納されたコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えることにより、シールドノズルを振動させシールドノズルの内部に研磨部材を押し込まなくてもスパッタを除去することができシールドノズルの内部を傷つける恐れがなくスパッタの付着防止性能を損なう恐れがないという効果がある。
【0010】
請求項2の発明では、貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の一方の開口を塞ぎ表面側にシールドノズルの側面を当接する突起を形成した一方の蓋と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させシールドノズルの側面に振動を与えるようにしたことにより、圧縮空気の制御が容易になるという効果がある。
【0011】
請求項3の発明では、貫通孔を形成し、外部より貫通孔に貫通する給気口と排気口を形成した本体と、中間部に軸方向と垂直の通風路を形成するとともに、この垂直な通風路に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路を形成し、一方側に貫通孔の一方開口から突出したハンマー部材を設け、本体の貫通孔に往復動可能に収納したコア部材と、貫通孔の他方の開口を塞ぐ他方の蓋とからなり、コア部材が他方側に位置するとき垂直な通風路が本体の給気口に連通し、コア部材が一方側に移動したとき本体の排気口と連通し、コア部材の基端の端面と他方の蓋との間に第1の空気室を形成し、コア部材と本体の貫通孔を形成する内周壁にて第2の空気室を形成し、本体の給気口から供給される圧縮空気にてコア部材を往復動させハンマー部材にてシールドノズルの側面をたたきシールドノズルに振動を与えるようにしたことにより圧縮空気の制御が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態の正断面図である。
図2図1のコアが移動した状態の正断面図である。
図3】第1の実施の形態の平面図である。
図4】第1の実施の形態の側面図である。
図5】第2の実施の形態の正断面図である。
図6図5のコアが移動した状態の正断面図である。
図7】第2の実施の形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態について図1から図4に基づいて説明する。
【0014】
1は、長辺方向を水平方向とした四角柱形の本体であり、本体1には段差を設けて一方を小径部2aとし、他方を大径部2bとした貫通孔2が水平軸方向形成され、大径部2bの段差近傍に上面より貫通する給気口3が穿設されるとともに、小径部2aの中間の内周壁に、全周に渡って設けた凹部4に上面より貫通する排気口5が穿設されている。尚本体1の下端には取付け板6が設けられている。
【0015】
7は、段差をもって細径部7aの基端を太径部7bとした略円柱形のコア部材であり、コア部材7の細径部7aの中間部に軸と直角方向に通気路8を穿設するとともに、通気路8の中間部に一方が開口し、基端の太径部7bの端面に他方が開口する通気路9が穿設されている。
【0016】
10は、ボルト11にて本体1の一方の側面に開いた開口2cを塞ぐように取付けられた一方の蓋であり、蓋10の表面側には先端が開いた略V字形の切欠き12aが形成された突起12が突設されている。
【0017】
13はボルト14にて本体1の他方の側面に開いた開口2dを塞ぐように取付けられた他方の蓋であり、15は蓋13と本体1との間から、16は蓋10と本体1との間からの空気の漏れを防止するパッキンである。
【0018】
17は上下両側にボルトを突設した防振ゴムであり、防振ゴム17はノズルクリーナの取付け板6と設置板18との間に介在し、ノズルクリーナの振動を設置板18に伝達するのを防止している。
【0019】
次に前記実施の形態におけるノズルクリーナの組立方法を説明すると、コア部材7を本体1の他方側の開口2dより細径部7aの先端を貫通孔2の大径部2bに挿入し、基端の太径部7bを貫通孔2の大径部2bに嵌入し、コア部材7の細径部7aが本体1の貫通孔2の小径部2aの内周壁面に、太径部7bが大径部2bの内周壁面に摺動するように本体1の貫通孔2内にコア部材7は収納され、図1に示すコア部材7が他方の位置にある時コア部材7の軸と直角方向の通気路8は給気口3に連通し、図2に示すコア部材7が一方の位置にある時通気路8は排気口5に連通するようになっている。
【0020】
この後、一方の蓋10をボルト11にて本体1の一方の側面の開口2cを塞ぐように本体1に取付けるとともに、他方の蓋13をボルト15にて本体1の一方の側面の開口2cを塞ぐように本体1に取付け、コア部材7の太径部7bの端面と他方の蓋13との間で第1の空気室19が形成され、コア部材6の細径部7aと本体1の貫通孔2を形成する内周壁にて第2の空気室20が形成される。
【0021】
さらに、前記実施の形態におけるノズルクリーナの動作を説明すると、図1に示すように、コア部材7が他方側に位置し、一点鎖線で示すようにシールドノズル21をその側面が一方の蓋10の突起12の略V字形の切欠き12aに当接させた状態にて、給気口3から圧縮空気を供給すると、供給された圧縮空気はコア部材7の垂直の通気路8から水平の通気路9を通って第1の空気室19に供給され、コア部材7を摺動し図2に示すコア部材7を一方側に移動する。
【0022】
このとき、第2の空気室20の空気は本体1の貫通孔2の小径部2aの周壁とコア部材7の細径部7aとの間を通って排気口5から排気される。
【0023】
さらに圧縮空気の供給を続けると、圧縮空気は第2の空気室20に供給され、コア部材7を他方側に移動する。
【0024】
このとき第1の空気室内18の空気はコア部材7の水平の通気路9から垂直の通気路8を通って排気孔5から排気される。
【0025】
以上のように、コア部材7は圧縮空気を供給されている間は他方側から一方側へ、一方側から他方側へと往復動を繰り返すのでノズルクリーナは振動し、このノズルクリーナの振動が一方の蓋10の突起12よりシールドノズル21に伝達しシールドノズル21に付着しているスパッタを除去する。
【0026】
次に第2の実施の形態について図5から図7に基づいて説明すると、コア部材の動作する原理は第1の実施の形態と同じであるので、第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明すると、コア部材31の細径部31aの端面の中央に、ハンマー部材32を本体1の貫通孔2の一方の開口2cから突出するように螺着する。
【0027】
次に、第2の実施の形態の動作について説明すると、図5に示すように、一点鎖線で示すシールドノズル21の側面をハンマー部材32から離した状態にて対応させる。
【0028】
その後圧縮空気を給気口3から供給すると、前記第1の実施の形態と同様にコア部材31を一方に移動し、図6で示すようにハンマー部材32にてシールドノズル21の側面をたたきシールドノズル21に振動を与え、その後も第1の実施の形態と同様に、圧縮空気の供給を止めるまでコア部材31は往復動しハンマー部材32はシールドノズル21をたたき続けシールドノズル21に振動を与えシールドノズル21からスパッタを除去する。
【0029】
以上のように本発明によれば、本体1に供給される圧縮空気にて本体1に収納されたコア部材7、31を往復動させシールドノズル21の側面に振動を与えることにより、シールドノズル21の内部に研磨部材を押し込まなくてもスパッタを除去することができシールドノズルの内部を傷つける恐れがなくスパッタの付着防止性能を損なう恐れがない。
【0030】
また、貫通孔2を形成し、外部より貫通孔3に貫通する給気口3と排気口5を形成した本体1と、中間部に軸方向と垂直の通風路8を形成するとともに、この垂直な通風路8に一方を開口し、他方を基端の端面に開口した水平な通風路9を形成し、本体1の貫通孔2に往復動可能に収納したコア部材7と、貫通孔2の他方の開口2dを塞ぐ他方の蓋13とからなり、コア部材7が他方側に位置するとき垂直な通風路8が本体1の給気口3に連通し、コア部材7が一方側に移動したとき本体1の排気口5と連通し、コア部材7の基端の端面と他方の蓋13との間に第1の空気室19を形成し、コア部材7と本体1の貫通孔2を形成する内周壁にて第2の空気室20を形成したので、圧縮空気を1つの給気口3から供給するだけでコア部材7は往復動するので、コア部材7の運動方向により給気口3を変更する必要がないので圧縮空気の制御が容易になる。
【符号の説明】
【0031】
1 本体
2 貫通孔
2a 小径部
2b 大径部
2c 開口
2d 開口
3 給気口
4 凹部
5 排気口
6 取付け板
7 コア部材
7a 細径部
7b 太径部
8 通気路
9 通気路
10 蓋
12 突起
12a 略V字形の切欠き
13 蓋
19 第1の空気室
20 第2の空気室
21 シールドノズル
31 コア部材
31a 細径部
32 ハンマー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7