(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024218
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】自転車の屋根
(51)【国際特許分類】
B62J 17/083 20200101AFI20230209BHJP
【FI】
B62J17/083
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021147201
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】713007558
【氏名又は名称】川崎 隆治
(72)【発明者】
【氏名】川崎 隆治
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の固定型傘差し運転で、立設した傘のフラツキを無くし、乗員を雨滴・日差しから守る自転車の屋根を安価に提供する。
【解決手段】自転車の前方から後方にかけて設けられる屋根であって、自転車に立設された傘の上面を自転車の前方から後方にかけて覆うシート1と、前記シート1の前方に設けられ、該シート1と自転車の前方部位を接続する前方接続具と、前記シートの後方に設けられ、該シート1と自転車の後方部位を接続する後方接続具とを備え、前記シート1の中央部に前記傘の石突きを突出させる孔2、又は石突きを固定する窪みを有することを特徴とする自転車の屋根。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の前方から後方にかけて設けられる屋根であって、自転車に立設された傘の上面を自転車の前方から後方にかけて覆うシートと、前記シートの前方に設けられ、該シートと自転車の前方部位を接続する前方接続具と、前記シートの後方に設けられ、該シートと自転車の後方部位を接続する後方接続具とを備え、前記シートの中央部に前記傘の石突きを突出させる孔、又は石突きを固定する窪みを有することを特徴とする自転車の屋根。
【請求項2】
シートの前部に透明な窓を設けてある請求項1に記載の自転車の屋根。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車に立設した傘のフラツキを無くし、乗員を雨滴・日差しから守る自転車の屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
雨天の自転車運転で、自転車に傘立て具(特許文献1)を固定し、傘をハンドルに立設固定する固定型傘差し運転を
図1に示す。
固定型傘差し運転は、立設した傘のフラツキで前方の視野を遮り、露先が歩行者と接触し怪我するため禁止されている。又、道路交通法で車両に固定された傘の傘幅は60cm以下と規定されている。しかしこの傘の大きさは、通常の傘(傘幅120cm)の1/4であるため、雨滴から乗員を十分に守ることができない問題がある。
【0003】
特許文献2は、遮光性傘カバーであり、自転車の乗員を雨滴から守るものではない。
【0004】
非特許文献1は、ハンドル操作の負荷が大きく、自転車への設置が困難で時間を要し、保管場所が必要で高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-324751
【特許文献2】実登3203811
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://www.coropokkuru.jp
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記固定型傘差し運転で立設した傘のフラツキを無くし、乗員を雨滴・日差しから守る自転車の屋根を安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、自転車の前方から後方にかけて設けられる屋根であって、自転車に立設された傘の上面を自転車の前方から後方にかけて覆うシートと、前記シートの前方に設けられ、該シートと自転車の前方部位を接続する前方接続具と、前記シートの後方に設けられ、該シートと自転車の後方部位を接続する後方接続具とを備え、前記シートの中央部に前記傘の石突きを突出させる孔、又は石突きを固定する窪みを設けた。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、自転車に立設した傘のフラツキを無くし、雨滴・日差しから乗員を守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 固定型傘差し運転の一実施形態の側面図である。
【
図2】 本発明に係る自転車の屋根の平面図である。
【
図4】 親骨12のだぼ15で折合わせた2段式折り畳み傘の構造縦断面模式図である。
【
図5】 シート1の側面6の作成方法の説明図である。
【
図6】
図3の傘10を外した自転車の形態側面図である。
【
図7】
図3の後籠22をチャイルドシート23に変更した実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の自転車の屋根について説明する。
図2は屋根の平面図である。
図2に示す自転車の屋根のシート1は、略長方形で前部に透明な窓3と、中央部に傘10の石突き11を突出させる孔2と、自転車の前方部位である前籠21と係合する前方接続具4と、後方部位である後籠22と係合する後方接続具5を備える。前記孔2は、孔でなく窪みでも良い。
シート1は軽量であり、コンパクトに折り畳むことができるので、容易に携帯することができる。
【0012】
図3は、自転車前後荷台に籠を備えた本発明の一実施形態の側面図である。
本発明は、シート1で自転車の前籠21から後籠22にかけ立設した傘幅60cmの傘10の上面を覆い、中央部の孔2に傘10の石突き11を突出させ、傘10を展開する。
シート1の前方接続具4と後方接続具5はカラビナ・フックなどで、自転車の前籠21を前方接続具4で、後籠22は後方接続具4で係合し張設固定する。
本発明によれば、前方からの雨滴および後方からの雨滴を防滴し、乗員と前籠21と後籠22を雨滴・日差しから守ることができる。
【0013】
図3で立設した傘10は、ワンポールテントのポールと同様、傘10の上下両端が固定されるため、強風に煽られてもフラツクことが無い。
【0014】
市販されている2段式折り畳み傘(親骨12が60cmの8本で傘幅120cm)を、傘幅60cmにする方法を
図4の構造縦断面模式図で説明する。
図4-Aは、市販の親骨12が60cmの8本で傘幅120cmの2段式折り畳み傘を展開した構造縦断面模式図である。
図4-Bは、親骨12の先親骨13と元親骨14をだぼ15で折り合わせて展開した構造縦断面模式図である。
図4-Aの傘10の親骨12を、だぼ15で折り合わせば傘幅が120cmから半分の60cmとなるので、この傘10を自転車に立設すれば、車両幅が60cm以下となるので道路交通法の車両幅規制に抵触しないので交通違反に至らない。
【0015】
図5は、シート1の側面6の作成方法の説明図である。
側面6は、シート1と傘10の重ね合わせ方で作成される。
図5のように、傘幅60cmの8角形の傘10の傘布17の上面に、幅60cmの長方形のシート1を中央で重ね、シート1の4辺と、傘布17の8辺のうち4辺が並行になるように配置する。結果シート1の両側辺は、傘布17の側辺より各2.3cmオーバーハングし、下方に垂れ下がり側面6が形成される。
この側面6は、シートのズレ防止と、だぼ15の先端を覆う防護壁となり歩行者への怪我防止になる。
尚、シート幅を60cm以上にすれば、側面6の幅が広がり側面からの雨滴・日差し防止が強化され、又、リフレクターを設ければ夜間の視認性が高まり、側面からの衝突事故防止となる。
【0016】
図6は、
図3の傘10を外した自転車の形態側面図である。
傘立て具20から立設した傘10を取り外した自転車は、シート1が上部から覆い被さり自転車カバーとして雨滴・日差しから守られる。又、車高が低くなるので、立体駐輪場に駐輪することも可能となる。
一方、取り外した傘10は、取り外す前の4倍に拡大して差すことができる。又、折り畳めば携帯することもできる。
【0017】
図7は、
図3の後籠22をチャイルドシート23に変更した実施形態の側面図である。
自転車の後籠22をチャイルドシート23に変更し、本発明のシート1を前方部位である自転車の前籠21からチャイルドシート23にかけ立設した傘幅60cmの傘10の上部を覆い、中央部の孔2に傘10の石突き11を突出させ、傘10を展開後、シート1に設けられた前方接続具4と後方接続具5のカラビナ・フックなどで、前籠21を前方接続具4で、チャイルドシート23を後方接続具5で係合し張設固定する。
本発明によれば、前方と後方からの雨滴を防滴し、乗員と前籠21とチャイルドシート23(着座の子供)を雨滴と日差しから守ることができる。
【符号の説明】
【0018】
1 シート
2 孔
3 窓
4 前方接続具
5 後方接続具
6 側面
10 傘
11 石突き
12 親骨
13 先親骨
14 元親骨
15 だぼ
16 露先
17 傘布
20 傘立て具
21 前籠
22 後籠
23 チャイルドシート