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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024222
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】猫用の毛玉ケアペースト
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/48 20160101AFI20230209BHJP
   A23K 10/22 20160101ALI20230209BHJP
   A23K 10/20 20160101ALI20230209BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20230209BHJP
   A23K 20/174 20160101ALI20230209BHJP
【FI】
A23K50/48
A23K10/22
A23K10/20
A23K10/30
A23K20/174
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148602
(22)【出願日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】202110889644.0
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521403410
【氏名又は名称】深▲せん▼市紅瑞生物科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Redray Biotechnology Corp., Ltd.
【住所又は居所原語表記】6/F, Building No. 1, No. 6, Jinlong 1st Road, Baolong Industrial Area, Longgang District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 蕊莉
(72)【発明者】
【氏名】李 敏虹
(72)【発明者】
【氏名】鄭 粤▲ち▼
(72)【発明者】
【氏名】王 軍軍
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA04
2B150AA06
2B150AB10
2B150AE12
2B150AE32
2B150AE33
2B150CD05
2B150CD19
2B150DC09
2B150DD42
2B150DE02
2B150DE04
2B150DE05
2B150DE07
2B150DE08
2B150DE12
2B150DE14
2B150DE15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】長期間使用できる猫用の毛玉ケアペーストを提供する。
【解決手段】本発明は、コラーゲン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、オセオコラ、鶏肝臓粉末、鶏粉末、食用油、フルクトオリゴ糖、加水分解魚タンパク質粉末、マルチトール、醸造用酵母抽出物、グリセリン、大麦草粉、ビタミンナノリポソーム、タンパク質キレート化ミネラル、ヨウ化カリウム、タウリン、および水を含む猫用の、本発明によって提案される猫用の毛玉ケアペーストはミネラルオイルを含まず、長期間使用しても胃腸の栄養素吸収に影響を与えることなく、食用油、フルクトオリゴ糖および大麦草粉の相乗作用によって、猫が糞便を通して胃の毛を排出するのを助け、毛玉症の発生を効果的に予防し猫の便秘状况を改善することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、コラーゲン 0.1~0.5%、カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8~2.5%、オセオコラ 1~5%、鶏肝臓粉末 3~5%、鶏粉末 3~5%、食用油 5~16%、フルクトオリゴ糖 4~10%、加水分解魚タンパク質粉末 0.5~0.9%、マルチトール 8~20%、醸造用酵母抽出物 1~5%、グリセリン 0.5~1%、大麦草粉 0.1~0.8%、ビタミンナノリポソーム 3~4%、タンパク質キレート化ミネラル 0.23~1%、ヨウ化カリウム 0.001~0.005%、タウリン 0.2~0.75%、水 30.1~50.5%という原料を含み、前記各原料の質量%の合計は100%である、ことを特徴とする猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項2】
前記ビタミンナノリポソームは、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、D-パントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、レシチン、コレステロール、およびトゥイーン80を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項3】
前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、ビタミンAの含有量が0.01~0.05%であり、ビタミンD3の含有量が0.001~0.005%であり、ビタミンEの含有量が0.08~0.15%であり、ビタミンB1の含有量が0.005~0.015%であり、ビタミンB2の含有量が0.005~0.015%であり、D-パントテン酸カルシウムの含有量が0.005~0.015%であり、ナイアシンの含有量が0.01~0.1%であり、ビタミンB6の含有量が0.0015~0.007%であり、葉酸の含有量が0.0015~0.007%であり、ビタミンB12の含有量が0.005~0.015%であり、レシチンの含有量が1.8~2.4%であり、コレステロールの含有量が0.2~0.75であり、トゥイーン80の含有量が0.75~1.35%である、ことを特徴とする請求項2に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項4】
前記タンパク質キレート化ミネラルは、タンパク質鉄、タンパク質銅、タンパク質マンガン、およびタンパク質亜鉛を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項5】
前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、タンパク質鉄の含有量が0.1~0.5%であり、タンパク質銅の含有量が0.01~0.07%であり、タンパク質マンガンの含有量が0.02~0.08%であり、タンパク質亜鉛の含有量が0.1~0.35%である、ことを特徴とする請求項4に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項6】
前記食用油は、鶏油、魚油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、クルミ油、サフラワー種子油、ヒマワリ油、アマニ油、月見草種子油、シーバックソーン種子油中の1つまたは複数である、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットフードの分野に関し、特に猫用の毛玉ケアペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットの餌付けが人気のトレンドになって、それぞれの家族でペットの重要性がますます大きくなっている。3,500年間人間が飼いならした動物として、猫は、世界中で広く飼育されているペットになっているため、人々は今、猫の健康にますます注意を払っている。よく知られているように、猫は清潔で整頓されるのが大好きな動物であり、髪をなめることは猫の人生の本能になり、寝る以外は半日近く髪をなめ、髪をなめることは、ストレスを和らげ、暖かく保ち、熱を放散し、汚れ、無駄な髪、代謝した皮屑細胞を取り除き、臭いを減らして天敵の追跡を避ける作用を果たす。しかしながら、なめる過程で、猫の舌のとげが抜けた髪を消化管に引き込んで、これらの髪は消化しにくいので、腸や胃に蓄積し、徐々に毛玉に集まり、毛玉が十分に大きいと、動物の正常な活動を妨げ、さまざまな病気(腸梗塞、腸の重なり、その他の胃腸疾患など)を引き起こし、この状態は毛玉症と呼ばれる。毛玉がある程度溜まり、糞便から抜け出せなくなると、猫が頻繁に毛玉を吐き出し、しかし、毛玉が嘔吐によって吐き出されると、猫は長期的で不規則な胃の逆流のために慢性胃腸疾患になりやすくなり、猫が慢性胃腸疾患に苦しむと、栄養素は通常、猫の消化器系に吸収されて利用されなくなり、栄養素が不足すると猫の免疫力が低下し、一般的な病気にかかりやすくなる。
【0003】
毛玉症は通常、春と秋の脱毛期に発生し、この時期、猫は髪をなめる頻度が高く、通常よりも多くの髪を食べ、この病気にかかりやすくなる。毛玉症の症状には、(1)頻繁な嘔吐をする(特に食べ物を食べた直後)、(2)円筒形の表面が粘液で覆われた毛玉を吐き出すことがあるが、何も吐き出しないこともある、(3)糞便は乾燥していて硬く、中に毛がある、(4)状態がひどい場合、精神状態が悪く、食欲がなく、髪がざらざらしてくすんでいて、便秘があり、腹部膨満を伴うことが含まれる。
【0004】
毛玉症を予防または治療し、猫が体から脱毛するのを助けるために、定期的に猫に毛玉ケアペーストを与える必要がある。しかしながら、既存の毛玉ケアペーストの主な有効成分はミネラルオイルであり、ミネラルオイルは潤滑効果を発揮し、猫が糞便を通して胃や腸の毛を排出するのを促進できるが、ミネラルオイルは腸や胃で吸収・消化されず、体内の脂溶性ビタミンをすべて取り除いてしまうため、脂溶性ビタミンが体内に吸収されなくなり、長期間の使用は、胃や腸での栄養素の吸収に影響を与え、猫の健康を深刻に危険にさらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決することができる猫用の毛玉ケアペーストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の技術的解決策によって実現され得る。
本発明によって提出される猫用の毛玉ケアペーストは、質量%で、コラーゲン 0.1~0.5%、カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8~2.5%、オセオコラ 1~5%、鶏肝臓粉末 3~5%、鶏粉末 3~5%、食用油 5~16%、フルクトオリゴ糖 4~10%、加水分解魚タンパク質粉末 0.5~0.9%、マルチトール 8~20%、醸造用酵母抽出物 1~5%、グリセリン 0.5~1%、大麦草粉 0.1~0.8%、ビタミンナノリポソーム 3~4%、タンパク質キレート化ミネラル 0.23~1%、ヨウ化カリウム 0.001~0.005%、タウリン 0.2~0.75%、および水 30.1~50.5%を含み、前記の各原料の質量%の合計は100%である。
【0007】
さらに、前記ビタミンナノリポソームは、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、D-パントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、レシチン、コレステロール、およびトゥイーン80を含む。
【0008】
さらに、前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、ビタミンAの含有量が0.01~0.05%であり、ビタミンD3の含有量が0.001~0.005%であり、ビタミンEの含有量が0.08~0.15%であり、ビタミンB1の含有量が0.005~0.015%であり、ビタミンB2の含有量が0.005~0.015%であり、D-パントテン酸カルシウムの含有量が0.005~0.015%であり、ナイアシンの含有量が0.01~0.1%であり、ビタミンB6の含有量が0.0015~0.007%であり、葉酸の含有量が0.0015~0.007%であり、ビタミンB12の含有量が0.005~0.015%であり、レシチンの含有量が1.8~2.4%であり、コレステロールの含有量が0.2~0.75であり、トゥイーン80の含有量が0.75~1.35%である。
さらに、前記タンパク質キレート化ミネラルは、タンパク質鉄、タンパク質銅、タンパク質マンガン、およびタンパク質亜鉛を含む。
【0009】
さらに、前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、タンパク質鉄の含有量が0.1~0.5%であり、タンパク質銅の含有量が0.01~0.07%であり、タンパク質マンガンの含有量が0.02~0.08%であり、タンパク質亜鉛の含有量が0.1~0.35%である。
【0010】
さらに、前記食用油は、鶏油、魚油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、クルミ油、サフラワー種子油、ヒマワリ油、アマニ油、月見草種子油、シーバックソーン種子油中の1つまたは複数である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以下の有益な効果を有する。
1.本発明によって提出される猫用の毛玉ケアペーストは、食用油、フルクトオリゴ糖と大麦草粉を組み合わせて使用することで、相乗効果があり、ミネラルオイルを含まず、長期間使用しても胃腸の栄養素吸収に影響を与えることなく、食用油胃と腸の摩擦を減らして胃腸の運動性を促進し、フラクトオリゴ糖は、腸と胃を調節し、胃腸の運動性を促進することができ、フラクトオリゴ糖は胃や小腸に吸収されず、胃や小腸の髪の毛を動かして糞便と結合させることができ、大麦草粉の最も高い含有量の栄養素は不溶性食物繊維であり、不溶性食物繊維の含有量は34.4~39.1%と高く、不溶性食物繊維は胃や腸のPH値を下げることができ、高い保水力もあり、保水力の高い不溶性食物繊維が胃腸にペースト状になって、胃腸の毛髪に付着してゲル塊を形成することができ、さらに腸と胃を刺激し、排便を促進し、そして胃腸の動きの時間を短縮し、食用油、フラクトオリゴ糖、大麦草粉の相乗効果により、猫が糞便を介して胃や腸の毛を排出するのに役立ち、毛玉症の発生を効果的に防ぎ、猫の便秘を改善することができる。
【0012】
2.本発明によって提出される猫用の毛玉ケアペーストは、ビタミンナノリポソーム、およびタンパク質キレート化ミネラルを含み、ビタミンナノリポソームは、高温高圧処理中のビタミンの深刻な分解を回避でき、ビタミンナノリポソームは、体内での処理および消化と吸収の間のビタミンの安定性を確保することができ、猫のビタミン需要を満たすことができ、ビタミンナノリポソームとタンパク質キレート化ミネラルは、体の正常な代謝プロセスを確実にし、完全な栄養補助食品の効果を達成することができ、ビタミンやミネラルの不足により体の正常な排便機能に影響を与え、毛の排出効果に対する悪影響を引き起こすことを回避することができる。
【0013】
3.本発明によって提出される猫用の毛玉ケアペーストは、猫の腸および胃の毛の排出を助けるのには、胃の中の毛を糞便から完全に排出し、嘔吐によっても排出することではないため、猫の消化器系の健康に影響を与えない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の技術的解決策をより明確かつ完全に説明するために、本発明を添付の図面を参照して以下にさらに説明する。
一、調製
<実施例1>
レシピ組成:コラーゲン 0.1KG、カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.5KG、オセオコラ 2KG、鶏肝臓粉末 5KG、鶏粉末 3.5KG、ゴマ油 10KG、魚油 1KG、フルクトオリゴ糖 10KG、加水分解魚タンパク質粉末 0.9KG、マルチトール 8KG、醸造用酵母抽出物 5KG、グリセリン 1KG、大麦草粉 0.8KG、ビタミンナノリポソーム 4KG、タンパク質鉄 0.1KG、タンパク質銅 0.01KG、タンパク質マンガン 0.02KG、タンパク質亜鉛 0.1KG、ヨウ化カリウム 0.001KG、タウリン 0.2KG、水 46.5KG。
【0015】
ビタミンナノリポソームのレシピ組成:ビタミンA 0.05KG、ビタミンD3 0.005KG、ビタミンE 0.15KG、ビタミンB1 0.015KG、ビタミンB2 0.015KG、D-パントテン酸カルシウム0.015KG、ナイアシン0.1KG、ビタミンB6 0.007 KG;葉酸0.007 KG、ビタミンB12 0.015KG、レシチン1.8KG、コレステロール0.75KG、トゥイーン80 1.071KG。
【0016】
調製方法
S1:ビタミンナノリポソーム以外の原料を蒸気加熱乳化攪拌タンク内に添加し、乳化攪拌速度を1500~2500r/minとし、低速攪拌速度を20~30r/minとし、乳化攪拌と低速攪拌を30分間同時に行って、第1の混合物を得る。
S2:蒸気加熱乳化攪拌タンクの蒸気入口スイッチをオンにして、蒸気で第1の混合物を攪拌しながら100℃に加熱して、第2の混合物を得る。
S3:第2の混合物を85±2℃に冷却すると、ビタミンナノリポソームを加え、均一に攪拌した後タンクに入れて、前記猫用の毛玉ケアペーストを得る。
【0017】
<実施例2>
レシピ組成:コラーゲン 0.5KG、カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8KG、オセオコラ 5KG、鶏肝臓粉末 3KG、鶏粉末 5KG、ゴマ油 4KG、魚油 6KG、フルクトオリゴ糖 4KG、加水分解魚タンパク質粉末 0.5KG、マルチトール 20KG、醸造用酵母抽出物 1KG、グリセリン 0.5KG、大麦草粉 0.1KG、ビタミンナノリポソーム 3KG、タンパク質鉄 0.5KG、タンパク質銅 0.07KG、タンパク質マンガン 0.08KG、タンパク質亜鉛 0.35KG、ヨウ化カリウム 0.005KG、タウリン 0.75KG、水 45.1KG。
【0018】
ビタミンナノリポソームのレシピ組成:ビタミンA 0.01KG、ビタミンD3 0.001KG、ビタミンE 0.08KG、ビタミンB1 0.005KG、ビタミンB2 0.005KG、D-パントテン酸カルシウム0.005KG、ナイアシン0.01KG、ビタミンB6 0.0015KG、葉酸0.0015 KG、ビタミンB12 0.005KG、レシチン1.926KG、コレステロール0.2KG、トゥイーン80 0.75KG。
【0019】
調製方法
S1:ビタミンナノリポソーム以外の原料を蒸気加熱乳化攪拌タンク内に添加し、乳化攪拌速度を1500~2500r/minとし、低速攪拌速度を20~30r/minとし、乳化攪拌と低速攪拌を30分間同時に行って、第1の混合物を得る。
S2:蒸気加熱乳化攪拌タンクの蒸気入口スイッチをオンにして、蒸気で第1の混合物を攪拌しながら100℃に加熱して、第2の混合物を得る。
S3:第2の混合物を85±2℃に冷却すると、ビタミンナノリポソームを加え、均一に攪拌した後タンクに入れて、前記猫用の毛玉ケアペーストを得る。
【0020】
二、有効性評価試験
1.試験動物
研究対象として、健康で、髪の毛の量と長さが近い猫40匹を選択し、40匹の猫はこれまで毛玉ケアペーストを食べたことがなく、それぞれの猫は、活動のための独立したスペースと無限の飲料水を備えた単一のケージに入れられ、正式な実験の前に同じ条件下で3日間飼われた。
【0021】
2.組分け
40匹の猫をランダムに2つの組に分け、各組に20匹の猫を入れ、それぞれ試験組とネガティブコントロール組として、以下の表1に示される。
【0022】
【表1】
【0023】
3.試験方法
(1)試験期間は28日であり、(2)試験組の20匹の猫に同時に同じ量の実施例1に記載の前記猫用の毛玉ケアペーストを投与し、投与量は1日あたり4gであり、(3)ネガティブコントロール組の20匹猫になんの毛玉排出製品を投与せず、(4)毎日40匹の猫の指標を観察して記録し、毛の嘔吐、糞便中の毛の量、猫の精神状態、消費された食物の量、および各猫の糞便を記録した。
【0024】
4.試験結果
4.1試験期間の精神状態及食物摂取量の変化
実験の初日から28日目まで、すべての猫の精神状態と食物摂取量は正常であった。
【0025】
4.2毛玉排出効果の比較
試験中、40匹の猫の毛嘔吐と糞便の毛含有量を毎日記録し、試験から28日以内の猫の毛嘔吐と糞便の毛含有量に関する統計データを取得した。試験の2日前は事前試験であり、記録されたデータは安定していないため、上記の統計は試験の3日目から計算された。
【0026】
4.2.1試験中毛嘔吐状況の記録および統計
試験組の20匹猫は、試験期間異常な嘔吐現象がなく、ネガティブコントロール組は5日目と10日目に合計12匹の猫は嘔吐があり、嘔吐物の観察と分析により、嘔吐物に毛玉が含まれていないことを示した。
【0027】
4.2.2試験期間毛排出量比較
試験期間中、3日目から28日目までの合計26日間、40匹の猫の糞便統計によりデータを収集し、猫ごとに、髪の毛がない日数、髪の毛が少ない日数、髪の毛が多い日数を得て、以下の表2~表4に示される。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
表2~4から分かるように、試験組の毛排出に対応する日数が最も多く(297/520)、割合が57.11%で、糞便中に多くの毛が含まれる日数も最も多く(131/520)、割合が25.19%であり、ネガティブコントロール組の毛排出に対応する日数が最も少なく(25/520)、割合が4.8%で、糞便中に多くの毛が含まれる日数も最も少なく(3/520)、割合が0.58%であった。
【0032】
4.2.3試験期間の毛排出継続時間の比較
試験期間中、3日目から28日目まで40匹の猫の糞便を統計して、毛排出の継続期間を求め、以下の表5に示される。
【0033】
【表5】
【0034】
4.2.4 試験期間の糞便レベルの比較
試験期間中の3日目から28日目までの40匹の猫の糞便を観察し、以下の表6を参照したところ、試験組とネガティブコントロール組の猫の糞便はすべて正常であり、糞便は基本的に2~3級であった。
【0035】
【表6】
4.3まとめ
【0036】
1.食用油、フルクトオリゴ糖と大麦草粉を組み合わせて使用することで、相乗効果があり、ミネラルオイルを含まず、長期間使用しても胃腸の栄養素吸収に影響を与えることなく、食用油胃と腸の摩擦を減らして胃腸の運動性を促進し、フラクトオリゴ糖は、腸と胃を調節し、胃腸の運動性を促進することができ、フラクトオリゴ糖は胃や小腸に吸収されず、胃や小腸の髪の毛を動かして糞便と結合させることができ、大麦草粉の最も高い含有量の栄養素は不溶性食物繊維であり、不溶性食物繊維の含有量は34.4~39.1%と高く、不溶性食物繊維は胃や腸のPH値を下げることができ、高い保水力もあり、保水力の高い不溶性食物繊維が胃腸にペースト状になって、胃腸の毛髪に付着してゲル塊を形成することができ、さらに腸と胃を刺激し、排便を促進し、そして胃腸の動きの時間を短縮し、食用油、フラクトオリゴ糖、大麦草粉の相乗効果により、猫が糞便を介して胃や腸の毛を排出するのに役立ち、毛玉症の発生を効果的に防ぎ、猫の便秘を改善することができる。
【0037】
2.前記猫用の毛玉ケアペーストは、ビタミンナノリポソーム、およびタンパク質キレート化ミネラルを含み、ビタミンナノリポソームは、高温高圧処理中のビタミンの深刻な分解を回避でき、ビタミンナノリポソームは、体内での処理および消化と吸収の間のビタミンの安定性を確保することができ、猫のビタミン需要を満たすことができ、ビタミンナノリポソームとタンパク質キレート化ミネラルは、体の正常な代謝プロセスを確実にし、完全な栄養補助食品の効果を達成することができ、ビタミンやミネラルの不足により体の正常な排便機能に影響を与え、毛の排出効果に対する悪影響を引き起こすことを回避することができる。
【0038】
3.前記猫用の毛玉ケアペーストは、猫が腸および胃の毛を排出するのを助けるには、胃の中の毛を糞便から完全に排出し、嘔吐によっても排出することではないため、猫の消化器系の健康に影響を与えない。
【0039】
もちろん、本発明はまた、他の多くの形態で実施され得、本実施形態に基づいて、当業者によって創造的な労働をすることなく得られた他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、コラーゲン 0.1~0.5%、カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8~2.5%、骨コラーゲン 1~5%、鶏肝臓粉末 3~5%、鶏粉末 3~5%、食用油 5~16%、フルクトオリゴ糖 4~10%、加水分解魚タンパク質粉末 0.5~0.9%、マルチトール 8~20%、醸造用酵母抽出物 1~5%、グリセリン 0.5~1%、大麦草粉 0.1~0.8%、ビタミンナノリポソーム 3~4%、タンパク質キレート化ミネラル 0.23~1%、ヨウ化カリウム 0.001~0.005%、タウリン 0.2~0.75%、水 30.1~50.5%という原料を含み、前記各原料の質量%の合計は100%である、ことを特徴とする猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項2】
前記ビタミンナノリポソームは、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、D-パントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、レシチン、コレステロール、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項3】
前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、ビタミンAの含有量が0.01~0.05%であり、ビタミンD3の含有量が0.001~0.005%であり、ビタミンEの含有量が0.08~0.15%であり、ビタミンB1の含有量が0.005~0.015%であり、ビタミンB2の含有量が0.005~0.015%であり、D-パントテン酸カルシウムの含有量が0.005~0.015%であり、ナイアシンの含有量が0.01~0.1%であり、ビタミンB6の含有量が0.0015~0.007%であり、葉酸の含有量が0.0015~0.007%であり、ビタミンB12の含有量が0.005~0.015%であり、レシチンの含有量が1.8~2.4%であり、コレステロールの含有量が0.2~0.75であり、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートの含有量が0.75~1.35%である、ことを特徴とする請求項2に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項4】
前記タンパク質キレート化ミネラルは、タンパク質鉄、タンパク質銅、タンパク質マンガン、およびタンパク質亜鉛を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項5】
前記猫用の毛玉ケアペーストにおいて、質量%で、タンパク質鉄の含有量が0.1~0.5%であり、タンパク質銅の含有量が0.01~0.07%であり、タンパク質マンガンの含有量が0.02~0.08%であり、タンパク質亜鉛の含有量が0.1~0.35%である、ことを特徴とする請求項4に記載の猫用の毛玉ケアペースト。
【請求項6】
前記食用油は、鶏油、魚油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、クルミ油、サフラワー種子油、ヒマワリ油、アマニ油、月見草種子油、シーバックソーン種子油中の1つまたは複数である、ことを特徴とする請求項1に記載の猫用の毛玉ケアペースト。