(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024229
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】二酸化塩素発生装置、二酸化塩素発生システムおよび二酸化塩素放出方法
(51)【国際特許分類】
C01B 11/02 20060101AFI20230209BHJP
A61L 9/12 20060101ALI20230209BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
C01B11/02 F
A61L9/12
A61L9/01 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166670
(22)【出願日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2021129865
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テレスコ
(71)【出願人】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】原田 士郎
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA06
4C180EA57X
4C180GG08
4C180GG10
4C180GG11
4C180GG20
4C180HH05
4C180KK02
4C180LL06
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】発生する二酸化塩素ガスの量を増減するころで濃度のコントロールをするできる二酸化塩素発生装置を提供する。
【解決手段】純粋二酸化塩素水7が入る純粋二酸化塩素水用の容器3と、純粋二酸化塩素水用の容器3の内部に入っている純粋二酸化塩素水7からたとえばバブリングによって二酸化塩素を分離して、純粋二酸化塩素水7が内部に入って純粋二酸化塩素水用の容器3の外部に出す二酸化塩素分離装置5とを有する二酸化塩素発生装置1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
純粋二酸化塩素水が入る純粋二酸化塩素水用の容器と、
前記純粋二酸化塩素水用の容器の内部に入っている純粋二酸化塩素水から二酸化塩素を分離して前記純粋二酸化塩素水の外部に出す二酸化塩素分離装置と、
を有する二酸化塩素発生装置。
【請求項2】
前記二酸化塩素分離装置は、前記純粋二酸化塩素水用の容器の内部に入っている純粋二酸化塩素水をバブリングするバブリング装置である請求項1に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項3】
二酸化塩素が透過する材料で構成されており、二酸化塩素と二酸化塩素以外の物質とが内部に入っており、前記純粋二酸化塩素水用の容器内に入る第1の容器を有する請求項1または請求項2に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項4】
前記第1の容器の内部空間に収容されている第2の容器を有し、
前記第2の容器の内部空間には、第1の薬剤が収容されており、前記第1の容器の内部空間であって前記第2の容器の内部空間の外側の空間には、第2の薬剤が収容されており、
前記第2の容器が破壊されることによって、前記第1の薬剤と前記第2の薬剤とが前記第1の容器内で化学反応を起こし、二酸化塩素が発生するように構成されている請求項3に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項5】
前記二酸化塩素分離装置によって純粋二酸化塩素水から出てきた二酸化塩素を、空気中に拡散させる二酸化塩素拡散装置を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項6】
前記純粋二酸化塩素水用の容器からは、前記純粋二酸化塩素水用の容器内の二酸化塩素を吐出する吐出用配管が延出しており、
長さの調整が自在な棒状部材を有し、
前記吐出用配管は、前記棒状部材に沿って設置されており、前記棒状部材の長さにかかわらず、前記吐出用配管の先端が前記棒状部材の上端もしくは上端の近傍に位置するように構成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項7】
純粋二酸化塩素水用の容器を撮影するWebカメラを有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項8】
柱状部位と、前記柱状部位の上端部から水平方向に延伸している上側部位とを備えて構成されている筐体を有し、
前記容器が、前記上側部位の下側で前記柱状部位とならぶようにして、前記筐体に設置されるように構成されており、
前記バブリング装置のうちの圧縮空気を発生する圧縮空気発生部が、前記柱状部位内に収容されており、前記圧縮空気発生部で生成された圧縮空気が、前記筐体内と前記筐体に設置されている前記容器内とで延びている配管を通って、前記容器内に供給されるように構成されており、
前記容器から出てきた二酸化塩素が、前記筐体の上側部位を通って、外部に放出されるように構成されている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置。
【請求項9】
部屋内に設置される請求項1から請求項5、請求項8のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置と、
空気中の二酸化塩素の濃度を測定する二酸化塩素濃度測定センサーと、前記二酸化塩素濃度測定センサーが検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに、前記二酸化塩素発生装置の稼働を停止する二酸化塩素発生装置制御部とを備えて構成されており、前記部屋内に設置される二酸化塩素発生装置制御装置と、
有する二酸化塩素発生システム。
【請求項10】
携帯端末から受け取った信号によって、前記二酸化塩素発生装置が稼働し始めるように構成されているか、前記二酸化塩素発生装置が停止するように構成されているかの少なくともいずれかの構成になっている請求項9に記載の二酸化塩素発生システム。
【請求項11】
純粋二酸化塩素水からバブリングにより二酸化塩素を分離して、この分離された二酸化塩素を部屋内に放出する二酸化塩素放出方法であって、
前記部屋内への二酸化塩素の吐出を開始する二酸化塩素吐出段階と、
前記部屋内の空気中の二酸化塩素の濃度を測定する二酸化塩素測定段階と、
前記二酸化塩素測定段階で検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに、前記部屋内への二酸化塩素の吐出を停止する二酸化塩素停止段階と、
を有する二酸化塩素放出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化塩素発生装置、二酸化塩素発生システムおよび二酸化塩素放出方法に係り、特に、純粋二酸化塩素水を用いて二酸化塩素を発生させるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1の薬剤(たとえば亜塩素酸ナトリウム)と第2の薬剤(たとえばクエン酸)とを混ぜたときの化学反応によって二酸化塩素を発生させる二酸化塩素発生器(二酸化塩素発生装置)が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の二酸化塩素発生器では、化学反応を容易に止めることはでない。また、従来の二酸化塩素発生器では、化学反応の速度を調整することも困難である。
【0005】
したがって、従来の二酸化塩素発生器では、出てくる二酸化塩素の濃度が濃くなりすぎ、もしくは、薄くなりすぎるという問題がある。すなわち、従来の二酸化塩素発生器では、発生する二酸化塩素ガスの濃度のコントロールでうまくできないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、発生する二酸化塩素ガスの濃度のコントロールをするできる二酸化塩素発生装置、二酸化塩素発生システムおよび二酸化塩素放出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、純粋二酸化塩素水が入る純粋二酸化塩素水用の容器と、前記純粋二酸化塩素水用の容器の内部に入っている純粋二酸化塩素水から二酸化塩素を分離して前記純粋二酸化塩素水の外部に出す二酸化塩素分離装置とを有する二酸化塩素発生装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記二酸化塩素分離装置は、前記純粋二酸化塩素水用の容器の内部に入っている純粋二酸化塩素水をバブリングするバブリング装置である請求項1に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、二酸化塩素が透過する材料で構成されており、二酸化塩素と二酸化塩素以外の物質とが内部に入っており、前記純粋二酸化塩素水用の容器内に入る第1の容器を有する請求項1または請求項2に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記第1の容器の内部空間に収容されている第2の容器を有し、前記第2の容器の内部空間には、第1の薬剤が収容されており、前記第1の容器の内部空間であって前記第2の容器の内部空間の外側の空間には、第2の薬剤が収容されており、前記第2の容器が破壊されることによって、前記第1の薬剤と前記第2の薬剤とが前記第1の容器内で化学反応を起こし、二酸化塩素が発生するように構成されている請求項3に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記二酸化塩素分離装置によって純粋二酸化塩素水から出てきた二酸化塩素を、空気中に拡散させる二酸化塩素拡散装置を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記純粋二酸化塩素水用の容器からは、前記純粋二酸化塩素水用の容器内の二酸化塩素を吐出する吐出用配管が延出しており、長さの調整が自在な棒状部材を有し、前記吐出用配管は、前記棒状部材に沿って設置されており、前記棒状部材の長さにかかわらず、前記吐出用配管の先端が前記棒状部材の上端もしくは上端の近傍に位置するように構成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、純粋二酸化塩素水用の容器を撮影するWebカメラを有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、柱状部位と、前記柱状部位の上端部から水平方向に延伸している上側部位とを備えて構成されている筐体を有し、前記容器が、前記上側部位の下側で前記柱状部位とならぶようにして、前記筐体に設置されるように構成されており、前記バブリング装置のうちの圧縮空気を発生する圧縮空気発生部が、前記柱状部位内に収容されており、前記圧縮空気発生部で生成された圧縮空気が、前記筐体内と前記筐体に設置されている前記容器内とで延びている配管を通って、前記容器内に供給されるように構成されており、前記容器から出てきた二酸化塩素が、前記筐体の上側部位を通って、外部に放出されるように構成されている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、部屋内に設置される請求項1から請求項5、請求項8のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置と、空気中の二酸化塩素の濃度を測定する二酸化塩素濃度測定センサーと、前記二酸化塩素濃度測定センサーが検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに、前記二酸化塩素発生装置の稼働を停止する二酸化塩素発生装置制御部とを備えて構成されており、前記部屋内に設置される二酸化塩素発生装置制御装置とを有する二酸化塩素発生システムである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、携帯端末から受け取った信号によって、前記二酸化塩素発生装置が稼働し始めるように構成されているか、前記二酸化塩素発生装置が停止するように構成されているかの少なくともいずれかの構成になっている請求項9に記載の二酸化塩素発生システムである。
【0017】
請求項11に記載の発明は、純粋二酸化塩素水からバブリングにより二酸化塩素を分離して、この分離された二酸化塩素を部屋内に放出する二酸化塩素放出方法であって、前記部屋内への二酸化塩素の吐出を開始する二酸化塩素吐出段階と、前記部屋内の空気中の二酸化塩素の濃度を測定する二酸化塩素測定段階と、前記二酸化塩素測定段階で検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに、前記部屋内への二酸化塩素の吐出を停止する二酸化塩素停止段階とを有する二酸化塩素放出方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発生する二酸化塩素ガスの濃度のコントロールをするできる二酸化塩素発生装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図である。
【
図2】1つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図である。
【
図3】2つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図である。
【
図4】3つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図である。
【
図5】4つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置で使用される純粋二酸化塩素水の生成装置を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置で使用される純粋二酸化塩素水の生成装置を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置で使用される純粋二酸化塩素水の生成装置を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生システムの概略構成を示す図である。
【
図10】5つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置の概略構成を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生システムの二酸化塩素発生装置制御装置を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生システムの二酸化塩素検出装置の設置態様を示す例示する図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生システムの二酸化塩素拡散装置を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置(二酸化塩素ガス発生装置)1は、純粋二酸化塩素水7を用いて二酸化塩素を発生させるものであり、
図1で示すように、純粋二酸化塩素水用の容器3と二酸化塩素分離装置5とを備えて構成されている。
【0021】
純粋二酸化塩素水用の容器3には、純粋二酸化塩素水7(たとえば純粋二酸化塩素水7のみ)が中に入るようになっている。純粋二酸化塩素水7は、二酸化塩素と水(たとえば純水)のみで生成されており、二酸化塩素が水に溶存している。なお、純粋二酸化塩素水7に、不純物が一切含まれていないということではない。純粋二酸化塩素水7であっても不可避な不純物がごく微量だが含まれている。
【0022】
二酸化塩素分離装置5は、純粋二酸化塩素水用の容器3の内部に入っている純粋二酸化塩素水7から二酸化塩素(二酸化塩素ガス;気体の二酸化塩素)を発生させるためものである。すなわち、二酸化塩素分離装置5は、純粋二酸化塩素水用の容器3の内部に入っている純粋二酸化塩素水7から二酸化塩素を分離して純粋二酸化塩素水7の外部に出すようになっている。
【0023】
二酸化塩素分離装置5として、たとえば、純粋二酸化塩素水用の容器3の内部に入っている純粋二酸化塩素水7をバブリングするバブリング装置が採用されている。
【0024】
バブリング装置5は、たとえば、空気ポンプ9と、この空気ポンプ9から延出している空気用配管11と、この空気用配管11の先端に設けられているバブリングストーン13とを備えて構成されている。空気ポンプ9から吐出される空気は、空気用配管11内を通ってバブリングストーン13に至り、バブリングストーン13から純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7内に放出されるようになっている。
【0025】
すなわち、バブリングストーン13を含む空気用配管11の先端部が、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7内に入っている状態で、空気ポンプ9を稼働する。これにより、バブリングストーン13から多数の小さな気泡15が純粋二酸化塩素水7内に吐出される(エアレーションがされる)ようになっている。
【0026】
そして、吐出された小さな気泡15が純粋二酸化塩素水7内で上昇し、純粋二酸化塩素水7の液面(上面)から純粋二酸化塩素水7の外に出てくるようになっている。純粋二酸化塩素水7の外に出てきた気泡15は、純粋二酸化塩素水用の容器3内の、純粋二酸化塩素水7の上の空間17に入り、やがて、純粋二酸化塩素水用の容器3の外部に出てくるようになっている。
【0027】
また、バブリングストーン13から吐出された多数の小さな気泡15によって、純粋二酸化塩素水7から二酸化塩素が分離されるようになっている。この分離された二酸化塩素も、純粋二酸化塩素水用の容器3内の、純粋二酸化塩素水7の上の空間17に入り、やがて、純粋二酸化塩素水用の容器3の外部に出てくるようになっている。
【0028】
純粋二酸化塩素水用の容器3の外部に出てきた二酸化塩素は、たとえば、二酸化塩素発生装置1が設置されている部屋の燻蒸に使用される。
【0029】
なお、二酸化塩素分離装置5としてバブリング装置を採用する代わりに、純粋二酸化塩素水7に振動を与えて二酸化塩素を放出するようにしてもよい。たとえば、純粋二酸化塩素水7内に振動する物体を沈めて、二酸化塩素を放出するようにしてもよい。
【0030】
また、純粋二酸化塩素水7を攪拌することで二酸化塩素を放出するようにしてもよい。たとえば、純粋二酸化塩素水7内に羽根を沈め回転させて、二酸化塩素を放出するようにしてもよい。
【0031】
また、超音波によって二酸化塩素を放出するようにしてもよい。たとえば、純粋二酸化塩素水7内に超音波振動子を沈めて、二酸化塩素を放出するようにしてもよい。さらに、純粋二酸化塩素水7を加熱することで、二酸化塩素を放出するようにしてもよい。
【0032】
また、純粋二酸化塩素水7の溶存している二酸化塩素を空気中に排出する目的で、何らかの発泡剤(例えばクエン酸+重曹など)を用いてもよい。すなわち、純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7中に何らかの発泡剤を投入し、発生する発泡によって二酸化塩素の溶存状態を崩し、速やかに空気中に二酸化塩素を輩出するようにしてもよい。
【0033】
また、二酸化塩素発生装置1は、第1の容器19を備えて構成されている。第1の容器19は、二酸化塩素(たとえば、二酸化塩素等の気体のみ)が透過する材料で構成されている。第1の容器19には、二酸化塩素と二酸化塩素以外の物質とが内部に入っている。また、第1の容器19は、純粋二酸化塩素水用の容器3の純粋二酸化塩素水7内に入っている。
【0034】
純粋二酸化塩素水用の容器3内に純粋二酸化塩素水7のみもしくは純水のみが入っている状態で、第1の容器19を純粋二酸化塩素水7もしくは純水内に入れる。これにより、二酸化塩素のみが第1の容器19から出てきて、純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7もしくは純水に溶けるようになっている。
【0035】
また、二酸化塩素発生装置1は、第2の容器21を備えて構成されている。第2の容器21は、第1の容器19の内部空間に収容されている。第2の容器21の内部空間(内部の閉空間)には、第1の薬剤23が収容されており、第1の容器19の内部空間(内部の閉空間)であって第2の容器21の内部空間の外側の空間には、第2の薬剤25が収容されている。
【0036】
そして、第2の容器21が破壊されることによって、第1の薬剤23と第2の薬剤25とが第1の容器19内で化学反応を起こし、二酸化塩素と二酸化塩素以外の物質とが発生するようになっている。
【0037】
また、二酸化塩素発生装置1には、二酸化塩素拡散装置27を備えて構成されている。二酸化塩素拡散装置27は、バブリング装置5によるバブリングによって純粋二酸化塩素水7から出てきた二酸化塩素を、純粋二酸化塩素水用の容器3の外部の空気中に拡散させるようになっている。
【0038】
ここで、二酸化塩素発生装置1についてさらに詳しく説明する。
【0039】
バブリング装置5の空気ポンプ9は、たとえば、直方体状に形成されており、純粋二酸化塩素水用の容器3と二酸化塩素拡散装置27とが、空気ポンプ9の上に載置されている。空気ポンプ9からは、空気用配管11が延出している。
【0040】
なお、二酸化塩素拡散装置27は、基台27Aと羽根支持体27Bとを備えて構成されている。羽根支持体27Bは、水平な所定の一方向に延びた軸C1まわりで旋回し、または、旋回位置決め自在になっている。これにより、羽根37の回転によって発生する空気の流れ方向を変えることができきる。なお、上記旋回は、たとえば手動でされるが、上記旋回が、モータ等のアクチュエータによって、自動的にしかもたとえば周期的に揺動する態様(扇風機の首振りようような態様)でされてもよい。
【0041】
純粋二酸化塩素水用の容器3からは、純粋二酸化塩素水用の容器3内の二酸化塩素を純粋二酸化塩素水用の容器3の外部に吐出する吐出用配管29が延出している。
【0042】
さらに説明すると、純粋二酸化塩素水用の容器3は、容器本体部31と蓋部33とを備えて構成されている。容器本体部31の上端には、開口部35が形成されており、容器本体部31内に純粋二酸化塩素水7が入っている。蓋部33は、容器本体部31の開口部35を塞ぐようにして容器本体部31に設置されるようになっている。なお、蓋部33は容器本体部31に対して着脱自在になっている。
【0043】
空気用配管11は、蓋部33の肉部を貫通している。空気用配管11の基端は、空気ポンプ9の空気吐出口の接続されており、バブリングストーン13を含む空気用配管11の先端部が容器本体部31内の純粋二酸化塩素水7に入り込んでいる。バブリングストーン13は、容器本体部31の底側に位置している。
【0044】
吐出用配管29は、蓋部33から純粋二酸化塩素水用の容器3の外側で延出している。なお、空気用配管11が閉じており、かつ、吐出用配管29が閉じていると仮定すると、純粋二酸化塩素水用の容器3内の空間は閉空間になっている。純粋二酸化塩素水用の容器3内の空間は、吐出用配管29を通じて純粋二酸化塩素水用の容器3の外部と通じている。
【0045】
純粋二酸化塩素水用の容器3は、気体も液体も透過しない材料で構成されている。純粋二酸化塩素水用の容器3に第1の容器19と純粋二酸化塩素水7とが収容されている状態では、第1の容器19の総てが純粋二酸化塩素水7中に沈んでいる。なお、
図1では、純粋二酸化塩素水用の容器3として広口瓶のようなものを掲げているが、これに限らず、様々な形状のものを純粋二酸化塩素水用の容器3として採用してもよい。たとえば、純粋二酸化塩素水用の容器3として浴槽や水槽を採用してもよい。
【0046】
第2の容器21は、たとえばアンプルで構成されており、第1の容器19の内部空間に収容されている。
【0047】
そして、第2の容器21が、たとえば、加えられた力によって破壊されることによって、第1の薬剤23と第2の薬剤25とが第1の容器19内で化学反応を起こし、二酸化塩素が発生するように構成されている。この発生した二酸化塩素が、第1の容器19の肉部を透過して純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7に溶存するようになっている。
【0048】
第1の容器19は、弾性を備えており耐薬品性があり気体のみを透過させるポリプロピエン、ポリエチレン、シリコン等の合成樹脂等で構成されている。純粋二酸化塩素水用の容器3や第2の容器21は、耐薬品性があり気体や液体を透過しない合成樹脂やガラス等で構成されている。
【0049】
いずれにしても、第1の薬剤23と第2の薬剤25とが化学反応することで、常温常圧下では、気体として二酸化塩素が生成されるようになっている。
【0050】
さらに具体的には、第1の薬剤23は亜塩素酸ナトリウムを含んでおり(たとえば、亜塩素酸ナトリウム水溶液であり)、第2の薬剤25はクエン酸を含んでいる(たとえば、粉末状もしくはタブレット状のクエン酸になっている)。
【0051】
なお、第1の薬剤23と第2の薬剤25とが入れ替わっていてもよい。すなわち、第2の容器21の内部空間にクエン酸が収容されており、第1の容器19の内部空間であって第2の容器21の外側の空間に亜塩素酸ナトリウムが収容されていてもよい。
【0052】
第2の容器21が壊れることで、第1の容器19内で、亜塩素酸ナトリウムとクエン酸との化学反応が起こり二酸化塩素とクエン酸ナトリウムと塩化ナトリウムと水とが生成されるようになっている。これを反応式で示すと、「15NaClO2+4C(OH)(CH2COOH)2COOH→12ClO2+4C6H5Na3O7+3NaCl+2H2O」となる。
【0053】
そして、二酸化塩素のみが、第1の容器19の肉部を透過し、純粋二酸化塩素水用の容器3内に蓄えられている純粋二酸化塩素水7に溶存するようになっている。
【0054】
二酸化塩素拡散装置27は、羽根37を備えて構成されている。羽根37は、吐出用配管29の吐出口の下側に位置している。羽根37が回転することで、羽根37の下側から上側に向かう空気流が発生するようになっている。この発生した空気流によって、吐出用配管29の吐出口から出てきた二酸化塩素が拡散されるようになっている。
【0055】
次に、二酸化塩素発生装置1の動作について説明する。
【0056】
初期状態として、第2の容器21が破壊されており、純粋二酸化塩素水用の容器3内には、純粋二酸化塩素水7が入っており、空気ポンプ9と二酸化塩素拡散装置27とが停止しているものとする。
【0057】
上記初期状態において、空気ポンプ9と二酸化塩素拡散装置27とを稼働させると、吐出用配管29の吐出口から二酸化塩素が出てきて、この出てきた二酸化塩素が、二酸化塩素拡散装置27で拡散される。
【0058】
なお、純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7に二酸化塩素が十分に溶存しているときには、純粋二酸化塩素水7は黄色状の発色をしており、二酸化塩素の溶存量が少なくなると、純粋二酸化塩素水7は無色透明になる。
【0059】
純粋二酸化塩素水7が無色透明になったら、新しい第1の容器19(第2の容器21が破壊された第1の容器19)を、それまでに入って古い第1の容器19と交換する。
【0060】
二酸化塩素発生装置1は、純粋二酸化塩素水が入る純粋二酸化塩素水用の容器3と、純粋二酸化塩素水用の容器3の内部に入っている純粋二酸化塩素水7から二酸化塩素を分離して純粋二酸化塩素水7の外部に出す二酸化塩素分離装置5とを備えて構成されている。
【0061】
ここで、二酸化塩素分離装置5の稼働状態を適宜調整することで、二酸化塩素発生装置1から出てくる(放出される)二酸化塩素の濃度が、濃くなりすぎたり薄くなりすぎたりすることを防止することができる。すなわち、二酸化塩素分離装置5から出る空気量(気泡15の量)を調整することで、発生する二酸化塩素ガスの濃度のコントロールをすることができる。
【0062】
また、二酸化塩素発生装置1は、純粋二酸化塩素水7から二酸化塩素を分離して二酸化塩素を放出する構成になっているので、複数種類の薬剤の化学反応で二酸化塩素を放出する場合に比べて装置の構成が簡素になっている。また、第1の容器19と第2の容器21とを用いず、純粋二酸化塩素水用の容器3内に単に純粋二酸化塩素水7を入れている態様にすれば、化学反応をさせないので、化学反応によって生成される副生成物のよる腐食等の心配がなくなる。部屋等の人が近くにいる場所への二酸化塩素発生装置1の設置を心配なくすることができる。
【0063】
また、二酸化塩素発生装置1では、二酸化塩素が水に溶存しているので、二酸化塩素の保管が容易になっているとともに、安全性が確保されている。なお、水は蓄電池のような働きを示し、省スペースに二酸化塩素を保存することに寄与している。
【0064】
なお、本件では、二酸化塩素を発生させることにしているが、仮に、二酸化塩素の代わりに起爆性のガスを用いる場合、水に溶かした方が、起爆性のガスをそのまま扱うよりもはるかに安全である。
【0065】
また、二酸化塩素発生装置1では、二酸化塩素分離装置5としてバブリング装置を採用しているので、構成が一層簡素になっているとともに、バブリング装置5の稼働開始から二酸化塩素が放出されるまでの時間を極力短くすることができる。
【0066】
また、二酸化塩素発生装置1では、第1の容器19が、二酸化塩素のみが透過する材料で構成されており、二酸化塩素と二酸化塩素以外の物質とが内部に入っている第1の容器19が純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている。
【0067】
これにより、純粋二酸化塩素水用の容器3内で、安全にしかも快適に純粋二酸化塩素水7を生成することができる。また、バブリングで二酸化塩素が放出され、純粋二酸化塩素水7中の二酸化塩素の濃度が低くなったときに、平衡状態が破られる。これにより、第1の容器19から二酸化塩素を純粋二酸化塩素水7中に補給することができ、平衡状態を再構築することができる。すなわち、純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7における二酸化塩素の濃度を、長時間にわたってほぼ一定に保つことができる。
【0068】
また、二酸化塩素発生装置1では、第2の容器21が破壊されることによって、第1の薬剤23と第2の薬剤25とが第1の容器19内で化学反応を起こし、二酸化塩素が発生するように構成されている。これにより、第2の容器21が破壊されるまでは化学反応が起こることがなく、第2の容器21が第1の容器19内に入っていることで構成されている第2の容器21入り第1の容器19の長期保存が可能になっている。すなわち、二酸化塩素の発生する源となる機器(第2の容器21入り第1の容器19)の長期保存が可能になっている。
【0069】
また、純粋二酸化塩素水用の容器3内での二酸化塩素の濃度が飽和状態になると、第1の容器19の肉部を透過して第1の容器19の内部から純粋二酸化塩素水用の容器3内に出てくる二酸化塩素の量がほとんどなくなる。これにより、第1の容器19内での化学反応も抑制され、第1の容器19内での二酸化塩素の発生が抑制される。そして、長期間にわたって、第1の容器19内から純粋二酸化塩素水用の容器3内の純粋二酸化塩素水7への、適宜な量の二酸化塩素の補給をすることができる。
【0070】
また、二酸化塩素発生装置1では、二酸化塩素拡散装置27によって、純粋二酸化塩素水7から出てきた二酸化塩素を空気中に拡散させるようになっている。これにより、空気よりも重たい二酸化塩素ガスを空気中で適切に拡散することができる。
【0071】
次に、1つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1aについて、
図2を参照しつつ説明する。1つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1aは、二酸化塩素拡散装置27として空気ポンプ9から吐出される空気と用いている点が、本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生装置1と異なっており、その他の点は、二酸化塩素発生装置1と同様に構成されている。
【0072】
さらに説明すると、二酸化塩素発生装置1aは、空気用配管11、吐出用配管29とは別の吐出用配管39を備えて構成されている。
【0073】
吐出用配管29の先端は、たとえば、配管部品の一種であるティー41の1つ目の開口口に接続されている。吐出用配管39の基端は、空気ポンプ9に接続されており、吐出用配管39の先端は、ティー41の2つ目の開口口に接続されている。ティー41の3つ目の開口口は大気開放されている。
【0074】
そして、空気ポンプ9が稼働すると、吐出用配管39を空気が流れるようになっている。吐出用配管39を通ってティー41まで流れてきた空気は、ティー41の3つ目の開口口から大気に放出されるようになっている。このときに、吐出用配管29から出てきた二酸化塩素も大気に放出される。そして、二酸化塩素の拡散がされる。この方式を用いることで、二酸化塩素発生装置1aから離れた箇所に、ほぼ集中的に二酸化塩素を供給することができる。
【0075】
なお、
図2では、吐出用配管29、吐出用配管39の途中に逆止弁43が設けられているが、逆止弁43が削除されていてもよい。さらに、ティー41を用いることなく、吐出用配管39から吐出される空気流のベンチェリ効果によって、吐出用配管29から出てきた二酸化塩素を大気に放出するようにしてもよい。
【0076】
次に、2つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1bについて、
図3を参照しつつ説明する。2つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1bは、棒状部材45を備えている点が、二酸化塩素発生装置1、二酸化塩素発生装置1aと異なり、その他の点は、二酸化塩素発生装置1、1aと同様に構成されている。
【0077】
棒状部材45は、この長さの調整が自在な構成になっており、長さを所定の値にした後、この長さの値を維持するようになっている。棒状部材45の長手方向は、たとえば上下方向(上下方向に対して僅かに傾いている斜めの方向を含む)になっている。
【0078】
さらに説明すると、棒状部材45は、たとえば、複数の棒状部材構成部材45A、45B、45Cで構成されたテレスコタイプになっている。
図3(a)は、棒状部材45の長さ寸法の値が最大になった状態を示しており、
図3(b)は、棒状部材45の長さ寸法の値が最小になった状態を示している。
【0079】
純粋二酸化塩素水用の容器3、二酸化塩素分離装置5、空気ポンプ9および吐出用配管29等は、たとえば一番上の棒状部材構成部材45Cに設置されている。
【0080】
吐出用配管29は、少なくとも先端部の長手方向が上下方向になるようにして設置されており、吐出用配管29の上端は、棒状部材構成部材45Cの上端よりも上側に位置している。
【0081】
なお、棒状部材45の下端部には、棒状部材45を床面49上で起立させるための、三脚等の棒状部材起立装置47が設けられている。
【0082】
次に、3つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1cについて、
図4を参照しつつ説明する。3つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1cは、純粋二酸化塩素水用の容器3、二酸化塩素分離装置5および空気ポンプ9等が、棒状部材45の近傍における床面49もしくは棒状部材45の下端部に設けられている。これらの点が、2つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1bと異なり、その他の点は、二酸化塩素発生装置1bと同様に構成されている。
【0083】
さらに説明すると、吐出用配管29が、棒状部材45に沿って設置されており、棒状部材45の長さにかかわらず、吐出用配管29の先端が棒状部材45の上端もしくは上端の近傍に位置するように構成されている。
【0084】
さらに説明すると、円筒状の棒状部材45の内部を吐出用配管29が通り抜けている。吐出用配管29は、たとえば、棒状部材45よりも上側に突出している。
【0085】
二酸化塩素発生装置1cでは、棒状部材45の長さにかかわらず、吐出用配管29の先端が棒状部材45の上端もしくは上端の近傍に位置するように構成されている。これにより、空気よりも重たい二酸化塩素ガスをたとえば部屋の高所から部屋の空気中に放出することができ、二酸化塩素ガスを適切に拡散することができる。
【0086】
次に、4つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1dについて、
図5を参照しつつ説明する。4つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1dは、Webカメラ51等が設けられている点が、2つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1bと異なり、その他の点は、二酸化塩素発生装置1bやその他の二酸化塩素発生装置と同様に構成されている。
【0087】
さらに説明すると、二酸化塩素発生装置1dには、純粋二酸化塩素水用の容器3、二酸化塩素分離装置5、空気ポンプ9、二酸化塩素拡散装置27、棒状部材45、Webカメラ51および制御装置53等を備えて構成されている。
【0088】
Webカメラ51は、少なくとも、純粋二酸化塩素水用の容器3を撮影するようになっている。そして、インターネット等の通信回線を介して、Webカメラ51で撮影している映像を通信端末(タブレット端末、携帯端末等の映像受信装置)55にたとえばリアルタイムで映し出すことができるようになっている。
【0089】
なお、Webカメラ51は、棒状部材45の上端に設けられているが、棒状部材45の長手方向の中間部やその他の箇所に設けてもよい。
【0090】
また、二酸化塩素発生装置1dには、第1の二酸化塩素濃度センサー57と、第2の二酸化塩素濃度センサー59と、純粋二酸化塩素水量検出センサー61と、高濃度純粋二酸化塩素水供給装置63とが設けられている。
【0091】
第1の二酸化塩素濃度センサー57は、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7に溶存している二酸化塩素の濃度を測定するようになっている。第2の二酸化塩素濃度センサー59は、純粋二酸化塩素水用の容器3の近傍もしくは周辺で純粋二酸化塩素水用の容器3の外の空気中の二酸化塩素の濃度を測定するようになっている。なお、第2の二酸化塩素濃度センサー59が複数設けられていてもよい。これらの複数の第2の二酸化塩素濃度センサー59お互いが離れて設置されている。
【0092】
純粋二酸化塩素水量検出センサー61は、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7の量を検出するようになっている。高濃度純粋二酸化塩素水供給装置63は、溶存している二酸化塩素の濃度が高い(濃い)高濃度純粋二酸化塩素水を、純粋二酸化塩素水用の容器3内に供給するようになっている。なお、高濃度純粋二酸化塩素水に溶存している二酸化塩素の濃度は、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7に溶存している二酸化塩素の濃度よりも高くなっている。
【0093】
純粋二酸化塩素水量検出センサー61で検出した純粋二酸化塩素水の量は、インターネット等の通信回線を介して、通信端末55にたとえばリアルタイムで表示されるようになっている。
【0094】
制御装置53は、たとえば、メモリとCPUとを備えて構成されている。制御装置53は、第1の二酸化塩素濃度センサー57で検出した二酸化塩素の濃度に応じて、高濃度純粋二酸化塩素水供給装置63から所定量の高濃度純粋二酸化塩素水を純粋二酸化塩素水用の容器3内に供給する制御をするようになっている。
【0095】
すなわち、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7の二酸化塩素の濃度の値が、第1の閾値よりも小さいときに、高濃度純粋二酸化塩素水を純粋二酸化塩素水用の容器3内に供給し始めるようになっている。一方、純粋二酸化塩素水用の容器3内に入っている純粋二酸化塩素水7の二酸化塩素の濃度の値が、第2の閾値よりも大きいとき、高濃度純粋二酸化塩素水の純粋二酸化塩素水用の容器3内への供給を停止するようになっている。なお、第2の閾値は第1の閾値よりも大きいのである。また、純粋二酸化塩素水量検出センサー61で検出した純粋二酸化塩素水7の量が、所定の値を超えたとき、高濃度純粋二酸化塩素水の供給を停止してもよい。そして、通信端末55からアラームを発するようにしてもよい。
【0096】
また、制御装置53は、第2の二酸化塩素濃度センサー59で検出した二酸化塩素の濃度に応じて、空気ポンプ9から吐出される空気量を調整(空気量が「0」、すなわち、空気ポンプ9を停止する場合を含む)する制御するようになっている。
【0097】
すなわち、純粋二酸化塩素水用の容器3の外の空気中の二酸化塩素の濃度の値が、第3の閾値よりも小さいときに、空気ポンプ9を稼働し始めるようになっている。一方、純粋二酸化塩素水用の容器3の外の空気中の二酸化塩素の濃度の値が、第4の閾値よりも大きいときに、空気ポンプ9を停止するようになっている。なお、第4の閾値は第3の閾値よりも大きいのである。
【0098】
二酸化塩素拡散装置27は、棒状部材45に設けられている。そして、二酸化塩素拡散装置27吐出用配管29が、の吐出口から出てきた二酸化塩素を、上側に向かう方向に誘導する空気流を発生するようになっている。
【0099】
二酸化塩素発生装置1dでは、純粋二酸化塩素水用の容器3を撮影するWebカメラ51を有するので、二酸化塩素発生装置1dを遠隔地から観察することができ、純粋二酸化塩素水用の容器3等に発生した不具合を目視で知ることができる。
【0100】
ところで、発生した二酸化塩素を燻蒸に使用する場合、燻蒸では二酸化塩素に水分が入含むことを良しとしない。このことから、水蒸気を分離する分離装置(フィルターや冷却による水蒸気の液化等を利用した装置)を二酸化塩素発生装置1d(1~1c)に設け、水気が除かれた二酸化塩素を、吐出用配管29から吐出するようにしてもよい。
【0101】
二酸化塩素発生装置1dは、第1の二酸化塩素濃度センサー57と、第2の二酸化塩素濃度センサー59と、純粋二酸化塩素水量検出センサー61と、高濃度純粋二酸化塩素水供給装置63とを備えて構成されている。
【0102】
これにより、二酸化塩素発生装置1dが設置されている部屋内における二酸化塩素の濃度、自動的に適切な値にすることができる。
【0103】
なお、二酸化塩素発生装置1d等において、制御装置53等を設けることに代えてもしくは加えて、タイマーを用いて二酸化塩素分離装置の稼働時間を決めてもよい。これにより、センサーが壊れた場合であってもタイマー設定で二酸化塩素の濃度が濃くなりすぎることを防止でき、安全性を確保することができる。
【0104】
ここで、第1の容器19、第2の容器21を設けることなく純粋二酸化塩素水用の容器3内に純粋二酸化塩素水7もしくは高濃度純粋二酸化塩素水を直接供給する場合がある。この場合に使用される純粋二酸化塩素水7もしくは高濃度純粋二酸化塩素水の製造装置について、
図6から
図8を参照しつつ説明する。
【0105】
本発明の第1の実施形態に係る純粋二酸化塩素水の製造装置101は、
図7、
図8で示すように、第1の器物103と第2の器物105とを備えて構成されている。
【0106】
第1の器物103は、所定の物質(たとえば二酸化塩素115)が透過する材料で構成されており、二酸化塩素115と二酸化塩素以外の物質117とが内部に入っている。第2の器物105には、水107と、第1の器物103とが内部に入っている。そして、第1の器物103を透過して第1の器物103の外部に出てきた二酸化塩素115が、第2の器物105内の水107に溶解(溶存)するようになっている。なお、水107としてたとえば、日本薬局方に定められている「精製水」等の純水を掲げることができる。
【0107】
また、純粋二酸化塩素水の製造装置101には、
図6~
図8で示すように、物質合わせ部109が設けられている。物質合わせ部109では、第1の反応前物質(たとえば、亜塩素酸)111と第2の反応前物質(たとえば、クエン酸)113とが合わせられるようになっている。
【0108】
物質合わせ部109によって合わせされた亜塩素酸111とクエン酸113とが化学反応を起こすことによって、二酸化塩素115が生成されるようになっている。亜塩素酸111とクエン酸113とはたとえば水溶液の形態で存在している。
【0109】
亜塩素酸111とクエン酸113との化学反応を反応式で示すと、上述したように、「15NaClO2+4C(OH)(CH2COOH)2COOH→12ClO2+4C6H5Na3O7+3NaCl+2H2O」となる。ここで、上記反応式で生成された「C6H5Na3O7」、「NaCl」、「H2O」は、二酸化塩素以外の物質117を構成している副生成物(不要物質)ということになる。
【0110】
また、第1の器物103は、耐薬品性があり気体のみを透過させるポリプロピエン、ポリエチレン、シリコン等の合成樹脂等で構成されている。これにより、上記化学反応で生成された二酸化塩素115のみが、第1の器物103を透過し、第2の器物105内の水に溶けるようになっている。一方、第2の器物105は、ガラスや所定のコーティングがされている合成樹脂等の、水107や二酸化塩素115や副生成物117は透過しない材料で構成されている。
【0111】
図7、
図8で示すように、第1の器物103は第1のチューブで構成されている。第2の器物105は第2のチューブで構成されている。また、第2のチューブ105は、上述したようにコーティング等が適宜されている合成樹脂等で構成されている。これにより、上記反応式に記載されている物質は、第2のチューブ105を透過しないようになっている。第1の器物103および第2のチューブ105はたとえば可撓性を備えている。
【0112】
第1のチューブ103は第2のチューブ105内に入っている。そして、第1のチューブ103内を二酸化塩素115と二酸化塩素以外の物質117とが流れるように構成されている。また、第2のチューブ105内であって第1のチューブ103の外側の空間119を水が流れるように構成されている。
【0113】
第1のチューブ103は、円筒状等の細長い筒状に形成されており、第2のチューブ105も、円筒状等の細長い筒状に形成されている。第1のチューブ103の外径は、第2のチューブ105の内径よりも小さくなっている。
【0114】
第1のチューブ103の長手方向と第2のチューブ105の長手方向とはお互いが一致しており、第1のチューブ103が第2のチューブ105内で延びている。第1のチューブ103を除く第2のチューブ105内の部位には、筒状の空間119が形成されており、この筒状の空間119に水107が流れるようになっている。
【0115】
二酸化塩素115と二酸化塩素以外の物質117とが流れる方向は、第1のチューブ103の長手方向と一致しており、水107が流れる方向は、第2のチューブ105の長手方向と一致している。
【0116】
第1のチューブ103内での、二酸化塩素115と二酸化塩素以外の物質117とが流れる方向に対して、第2のチューブ105内であって第1のチューブ103の外側での、水107が流れる方向は、逆方向になっている(
図7の矢印参照)。
【0117】
純粋二酸化塩素水の製造装置101についてさらに詳しく説明する。
【0118】
純粋二酸化塩素水の製造装置101は、
図6で示すように、架台121と第1の反応前物質用タンク123と第2の反応前物質用タンク125と水用タンク127と水溶液用タンク129と副生成物用タンク131とを備えて構成されている。
【0119】
また、純粋二酸化塩素水の製造装置101には、
図6で示すように、第1の反応前物質用ポンプ(たとえば亜塩素酸用チューブポンプ)133と、第2の反応前物質用ポンプ(たとえばクエン酸用チューブポンプ)135と、水用ポンプ137とが設けられている。
【0120】
さらに、純粋二酸化塩素水の製造装置101には、所定の物質透過部(たとえば二酸化塩素透過部)139と温度調整部141と制御部(図示しないCPUとメモリとを備えている制御部)143とが設けられている。
【0121】
各タンク123、125、127、129、131や各ポンプ133、135、137等は、架台121に載置されている。なお、各ポンプ133、135、137として、たとえば、可変吐出量チューブポンプが採用されている。
【0122】
亜塩素酸用タンク123には、亜塩素酸111の水溶液が蓄えられており、クエン酸用タンク125には、クエン酸113の水溶液が蓄えられており、水用タンク127には、水107が蓄えられている。二酸化塩素115の水溶液用タンク129には、二酸化塩素115の水溶液102が蓄えられるようになっており、副生成物用タンク131には、副生成物117が蓄えられるようになっている。
【0123】
亜塩素酸用チューブポンプ133の吸入口からは、吸入用チューブ145が延びている。吸入用チューブ145の先端部は亜塩素酸用タンク123内に入っている。亜塩素酸用チューブポンプ133の吐出口からは、吐出用チューブ147が延びている。
【0124】
クエン酸用チューブポンプ135の吸入口からは、吸入用チューブ149が延びている。吸入用チューブ149の先端部はクエン酸用タンク125内に入っている。クエン酸用チューブポンプ135の吐出口からは、吐出用チューブ151が延びている。
【0125】
吐出用チューブ147の先端と吐出用チューブ151の先端とがお互いが接続されており、この接続されている箇所等で物質合わせ部109が形成されている。物質合わせ部109から第1のチューブ103が副生成物用タンク131に向かって延びている。
【0126】
物質合わせ部109によって、亜塩素酸111の水溶液とクエン酸113の水溶液とがお互いに混じり合って化学反応が起こり、二酸化塩素115と副生成物117とが生成されるようになっている。この二酸化塩素115と副生成物117とは、第1のチューブ103内を副生成物用タンク131に向かって流れるようになっている。
【0127】
水用ポンプ137の吸入口からは吸入用チューブ153が延びている。吸入用チューブ153の先端部は水用タンク127内に入っている。水用ポンプ137の吐出口からは、吐出用チューブ155が延びている。
【0128】
吐出用チューブ155の先端は第2のチューブ105に接続されており、この接続がされている箇所から第2のチューブ105が二酸化塩素115の水溶液用タンク129に向かって延びている。なお、第2のチューブ105の先端からは排出用チューブ130が延びている。
【0129】
そして、排出用チューブ130の先端が二酸化塩素115の水溶液用タンク129内に入っている。これにより水107や二酸化塩素115の水溶液2が、水用タンク127から二酸化塩素115の水溶液用タンク129に向かって流れるようになっている。
【0130】
第1のチューブ103の長手方向の一部(たとえば、中間部の大部分)は、
図7や
図8で示すように、第2のチューブ105の内部で長く延びている。第1のチューブ103の、第2のチューブ105の内部で長く延びている部位が、二酸化塩素透過部139になっている。二酸化塩素透過部139では、二酸化塩素115が第1のチューブ103から出てきて、第2のチューブ105内の水107に溶け込むようになっている。
【0131】
図6で示す温度調整部141は、二酸化塩素透過部139の長手方向の一部(たとえば、中間部の大部分)で、第1のチューブ103と第2のチューブ105との温度を調整するようになっている。すなわち、温度調整部141は、亜塩素酸111の水溶液、クエン酸113の水溶液、二酸化塩素115、副生成物117、水107の温度を調整するようになっている。第1のチューブ103と第2のチューブ105との温度は、たとえば、―9℃~60℃の範囲で適宜調整されるようになっている。また、温度調整部141のところでは、
図6で示すように、二酸化塩素透過部139を形成している第1のチューブ103と第2のチューブ105とがコイル状(螺旋状)になって延びている。なお、温度調整部141で、二酸化塩素透過部139が、蛇行等の他の形態で曲がって延びていてもよい。
【0132】
図6を参照しつつ温度調整部141についてさらに説明する。温度調整部141は容器142とこの容器142内入っている不凍液等の所定の液体144と、この所定の液体の温度を調節する温度調節器46とを備えて構成されている。そして、コイル状の二酸化塩素透過部139が、所定の液体144内に収まっている。
【0133】
第2のチューブ105の長手方向の一端(水用ポンプ137側の端)は、
図8(b)で示すように、ティー157の1つ目の接続部159に接続されている。ティー157の2つ目の接続部161は、吐出用チューブ155に接続されている。
【0134】
第2のチューブ105の長手方向の他端(二酸化塩素115の水溶液用タンク129側の端)は、
図8(c)で示すように、ティー163の1つ目の接続部165に接続されている。ティー163の2つ目の接続部167は、排出用チューブ130に接続されている。
【0135】
ティー157の3つ目の接続部169には、
図8(b)で示すように、ブッシュ171が設置されている。ティー157の3つ目の接続部173には、
図8(c)で示すように、ブッシュ175が設置されている。
【0136】
そして、各ブッシュ171、175を貫通して、第2のチューブ105内を第1のチューブ103が貫通している。なお、
図8(b)(c)に参照符号177で示すものは、第1のチューブ103の変形を防止するための変形防止部材である。変形防止部材177は円筒状に形成されているとともに、剛性が高くなっている。
【0137】
図8(b)で示す状態では、ティー157の3つ目の接続部69と変形防止部材177とによって、ブッシュ171と第1のチューブ103とが所定の圧力をもって挟み込まれている。
図8(c)で示す状態でも、ティー157の3つ目の接続部173と変形防止部材177とによって、ブッシュ175と第1のチューブ103とが所定の圧力をもって挟み込まれている。
【0138】
そして、各ポンプ133、135、137を駆動すると、
図6~
図8に矢印で示すように、二酸化塩素115、副生成物117、水107等が、第1のチューブ103や第2のチューブ105から漏れ出すことなく、流れるようになっている。なお、第1のチューブ103のうちの第2のチューブ105の外に出ている部位については、第2のチューブ105と同様に、コーティングがされていることで水107や二酸化塩素115や副生成物117が透過しないようになっていることが望ましい。
【0139】
次に、純粋二酸化塩素水の製造装置101の動作について説明する。
【0140】
初期状態では、亜塩素酸用タンク123内に亜塩素酸111の水溶液が入っており、クエン酸用タンク125内にはクエン酸113の水溶液が入っている。また、水用タンク127内には水107が入っており、水溶液用タンク129、副生成物用タンク131は空になっている。各ポンプ133、135、137は停止している。
【0141】
上記初期状態で制御部143の制御の下、まず温度調整部141で温度を調整する。続いて、各ポンプ133、135、137を稼働させる。ポンプ133、135の稼働は、たとえば、間欠的にされる。所定時間あたりの二酸化塩素115の生成量は、微量でよいからである。これに対して水ポンプ137は、たとえば、連続的に稼働する。
【0142】
これにより、二酸化塩素115の水溶液用タンク129内に二酸化塩素115の水溶液2がたくわえられ、副生成物用タンク131内に副生成物117が蓄えられる。
【0143】
純粋二酸化塩素水の製造装置101では、第1のチューブ103と、水107とが、第2のチューブ105に入っている状態で、第1のチューブ103を透過して二酸化塩素115が第1のチューブ103の外部に出てくるようになっている。さらに、第1のチューブ103の外部に出てきた二酸化塩素115が第2のチューブ105内の水107に溶解するようになっている。これにより、必要とする二酸化塩素(副生成物等の不純物を含まない二酸化塩素)を得ることができるとともに、得られた二酸化塩素の使い勝手を良くすることができる。
【0144】
たとえば、二酸化塩素115が水107に溶存していることで、二酸化塩素115の分散速度が遅くなり、二酸化塩素115の使い勝手が良くなる。たとえば、二酸化塩素115のみが溶存している水107を殺菌対象であるテーブル上に霧状に散布すれば、二酸化塩素115が水107から徐々に放出され、殺菌作用を持続させることができる。
【0145】
また、純粋二酸化塩素水の製造装置101では、亜塩素酸111とクエン酸113とを合わせたときの化学反応で、二酸化塩素115を生成するようになっている。これにより、不安定な二酸化塩素115を必要に応じてタイムリーに得ることができる。
【0146】
また、純粋二酸化塩素水の製造装置101では、第1のチューブ103が第2のチューブ105内に入っている。また、第1のチューブ103内を二酸化塩素115とこれ以外の物質117とが流れ、第2のチューブ105内であって第1のチューブ103の外側を水107が流れるようになっている。これによって、連続した態様で、二酸化塩素115の水溶液2を効率良く得ることができる。
【0147】
純粋二酸化塩素水の製造装置101では、第1のチューブ103内を二酸化塩素115とこれ以外の物質117とが流れる方向と、第2のチューブ105内での水107が流れる方向とが逆になっている。これにより、二酸化塩素115の水溶液102を一層効率良く得ることができる。
【0148】
すなわち、二酸化塩素115とこれ以外の物質117とが流れる方向の上流側では二酸化塩素115の濃度が高く、二酸化塩素115とこれ以外の物質117とが流れる方向の下流側では二酸化塩素115の濃度が低くなっている。また、水107の流れる方向の上流側では二酸化塩素115の濃度が低く、水107の流れる方向の下流側では二酸化塩素115の濃度が高くなっている。
【0149】
また、第1のチューブ103と第2のチューブ105との長手方向での一方の側では、第1のチューブ103内および第2のチューブ105内での二酸化塩素115の濃度が高くなっている。第1のチューブ103と第2のチューブ105との長手方向での他方の側では、第1のチューブ103内および第2のチューブ105内での二酸化塩素115の濃度が低くなっている。
【0150】
これにより、第1のチューブ103と第2のチューブ105との長手方向での、第1のチューブ103を透過する二酸化塩素115の量の偏りを極力少なくすることができ、二酸化塩素115の水溶液2を一層効率良く得ることができる。
【0151】
なお、上記説明では、二酸化塩素115の水溶液2を得る場合を例に掲げて説明したが、二酸化塩素以外の水溶液を得る場合にも、純粋二酸化塩素水の製造装置101を、そのまま、もしくは、一部を適宜変形した態様で、使用することができる。たとえば、香料と香料以外の物質が混ざっているものから、香料の水溶液を得ることができる。
【0152】
ここで、5つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1eについて、
図10を参照しつつ説明する。5つ目の変形例に係る二酸化塩素発生装置1eは、筐体181を有している。筐体181は、たとえば、上下方向に長い柱状部位183と、水平方向に長い上側部位185とを備えて構成されている。
【0153】
上側部位185は、柱状部位183の上端部から水平方向に延伸している。これにより、筐体181は、側面視で「L」字状(より精確には、上下が逆になっている「L」字状)に形成されている。
【0154】
容器3は、上側部位185の下側で柱状部位183とならぶようにして、筐体181に設置されるように構成されている。容器3は有底筒状(たとえば、有底円筒状)に形成されており、上端の開口部が上側部位185に係合するようにして、筐体181に設置されるようになっている。
【0155】
バブリング装置5のうちの圧縮空気を発生する圧縮空気発生部(空気ポンプ)9は、柱状部位183内に収容されている。そして、圧縮空気発生部9で生成された圧縮空気が、筐体181内と筐体181に設置されている容器3内とで延びている配管187を通って、容器3内(純粋二酸化塩素水7内)に供給されるように構成されている。
【0156】
これにより、容器3内の純粋二酸化塩素水7から分離されて容器3から出てきた二酸化塩素が、筐体181の上側部位185を通って、筐体181の外部に放出されるように構成されている。なお、
図10に参照符号189で示すものは、分離された二酸化塩素が、筐体181の外部に出るための流路である。
【0157】
二酸化塩素発生装置1eでは、筐体181の上側部位185の下側で柱状部位183とならぶようにして、容器3が筐体181に、たとえば着脱自在なようにして、設置されるように構成されている。これにより、容器3が設置されている二酸化塩素発生装置1eの外観が、出っ張りのほとんど無い直方体状のすっきりした形状になっている。そして、見た目の美しさを醸し出しており、持ち運びしやすくなっており、設置が容易になっており、また、設置に要するスペースを小さくすることができるようになっている。
【0158】
次に、本発明の実施形態に係る二酸化塩素発生システム201について、
図9、
図11から
図13を参照しつつ説明する。
【0159】
二酸化塩素発生システム201は、
図9で示すように、二酸化塩素発生装置(たとえば複数台の二酸化塩素発生装置)1eと、二酸化塩素発生装置制御装置203とを備えて構成されている。なお、二酸化塩素発生装置1e以外の二酸化塩素発生装置として二酸化塩素発生装置1等の他の二酸化塩素発生装置を採用してもよい。
【0160】
二酸化塩素発生装置1eは、部屋205内(建屋207のほぼ密閉されている1つの部屋205内)に設置されるようになっている。複数台の二酸化塩素発生装置1eからの二酸化塩素の放出(吐出)は、部屋205内の複数箇所で行われるようになっている。部屋205内の複数箇所は、部屋205内における二酸化塩素の濃度をできるだけ均一化するために、お互いが適宜離れている。
【0161】
二酸化塩素発生装置制御装置203は、
図11で示すようにたとえば直方体状に形成されており、部屋205内に設置されるようになっている。二酸化塩素発生装置制御装置203は、二酸化塩素濃度測定センサー209と、二酸化塩素発生装置制御部211と、通信部(たとえば無線通信部)213と、モニター部(たとえば、LCDで構成された情報表示部)215とを備えて構成されている。
【0162】
二酸化塩素濃度測定センサー209は、空気中(部屋205内の空気中)の二酸化塩素の濃度を測定するようになっている。なお、
図11で示す二酸化塩素発生装置制御装置203の突出部217の開口部を通って、二酸化塩素が二酸化塩素発生装置制御装置203内の二酸化塩素濃度測定センサー209に至るようになっている。
【0163】
二酸化塩素発生装置制御部211は、図示しないCPUとメモリとを備えて構成されている。また、二酸化塩素発生装置制御部211は、二酸化塩素発生装置1eが稼働を開始して二酸化塩素を発生し始めた後、二酸化塩素発生装置1eの稼働を停止するようになっている。さらに説明すると、二酸化塩素濃度測定センサー209が検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値(部屋205の除菌を十分にできる濃度;たとえば0.5ppm)を超える。このときに、二酸化塩素発生装置制御部211が二酸化塩素発生装置1eの稼働を停止するようになっている。
【0164】
二酸化塩素発生装置制御装置203(二酸化塩素濃度測定センサー209)は、複数台の二酸化塩素発生装置1eから適宜離れた位置であって、たとえば、平面視では複数台の二酸化塩素発生装置1eの中央となる箇所に設置されている。また、上下方向では、部屋205の床上、部屋205の床よりも所定の距離(たとえば、0.3m~3m)のところに配置されている。
【0165】
二酸化塩素発生装置1eには、
図9で示すように、通信部(たとえば無線通信部)219と、図示しないCPUとメモリとを備えて構成されている制御部221とが設けられている。二酸化塩素発生装置制御装置203の二酸化塩素発生装置制御部211と二酸化塩素発生装置1eの通信部219とは、無線LAN等の無線通信手段(電波以外の赤外線や超音波でもよい)を用いてお互いが通信できるようになっている。そして、二酸化塩素発生装置制御部211が、無線通信手段を用いて、二酸化塩素発生装置1eの稼働を停止するようになっている。
【0166】
また、二酸化塩素発生システム201では、たとえば、携帯端末223から受け取った信号によって、二酸化塩素発生装置制御装置203が二酸化塩素発生装置1eの稼働を始めさせるように構成されている。さらに、二酸化塩素発生システム201で、たとえば、携帯端末223から受け取った信号によって、二酸化塩素発生装置制御装置203が二酸化塩素発生装置1eを停止させるように構成されていてもよい。すなわち、携帯端末223から受け取った信号によって、二酸化塩素発生装置制御装置203が、二酸化塩素発生装置1eに稼働を開始させる態様、二酸化塩素発生装置1eを停止させる態様の少なくともいずれかの態様になっていてもよい。なお、二酸化塩素発生装置制御装置203を介することなく、携帯端末223から受け取った信号によって、二酸化塩素発生装置1eが稼働し始め、また、停止するように構成されていてもよい。
【0167】
また、二酸化塩素濃度測定センサー209で読み取った二酸化塩素の濃度は、モニター部215で表示されるようになっているが、二酸化塩素濃度測定センサー209で読み取った二酸化塩素の濃度が携帯端末223で表示されるように構成されていてもよい。
【0168】
また、二酸化塩素発生装置1eにおいて、二酸化塩素発生装置1と同様に、容器3内に第1の容器19、第2の容器21、第1の薬剤23、第2の薬剤25を入れることで、化学反応で二酸化塩素を生成してもよい。
【0169】
また、
図3で示す態様と同様にして、
図12で示すように、棒状部材45を備えた棒状部材起立装置47とを用いて、二酸化塩素を発生させてもよい。なお、
図12に参照符号27で示すものは、二酸化塩素拡散装置である。
【0170】
図12で示す二酸化塩素拡散装置27は、
図13で示すように、有底円筒状の筐体225と、筐体225の内部に配置されているファン(図示せず)とを備えて構成されている。ファンが回転することで、二酸化塩素発生装置1eで発生した二酸化塩素が図示しない配管を通って、筐体225の内部入り込むようになっている。また、ファンが回転することで、筐体225内の二酸化塩素が、筐体225の上端から外(部屋205)に出てくるようになっている。
【0171】
ここで、二酸化塩素発生システム201の動作について説明する。
【0172】
まず、二酸化塩素発生装置1eと、二酸化塩素発生装置制御装置203とを、除菌対象である部屋205内に適宜設置する。
【0173】
続いて、たとえば夜間等、部屋205内に人が立ち入らないときに、二酸化塩素発生装置1eの稼働を開始し、部屋205内に二酸化塩素を放出する。
【0174】
続いて、部屋205内の二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたたきに、二酸化塩素発生装置1eの稼働を停止する。
【0175】
この後、時間の経過とともに部屋205内の二酸化塩素の濃度が自然分解で徐々に低下し、所定時間が経過することで、二酸化塩素の濃度が人にとって安全な濃度(たとえば0.1ppm)まで下がる。上記所定時間が経過した時刻は、たとえば、早朝である。上記所定時間が経過した時刻後に部屋205に人が立ち入ることにする。
【0176】
二酸化塩素発生システム201をこのように運用をすることで、安全性を確保しつつ部屋205の除菌を適切行いつつ部屋を有効利用することができる。
【0177】
二酸化塩素発生システム201は、二酸化塩素発生装置1eと、二酸化塩素濃度測定センサー209が検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに二酸化塩素発生装置1eの稼働を停止する二酸化塩素発生装置制御部211とを備えて構成されている。
【0178】
これにより、タイマーを用いて二酸化塩素発生装置1eを停止させる場合に比べて、部屋205内の二酸化塩素の濃度を確実に除菌のための適切な値にすることができる。
【0179】
また、複数台の二酸化塩素発生装置1eを用いることで、部屋205内に早くしかも均一に二酸化塩素を放出することができる。部屋205内に設置される二酸化塩素発生装置制御装置203が1台であるので、高価である二酸化塩素濃度測定センサー209も1つでよく、二酸化塩素発生システム201を安価に構築することができる。
【0180】
二酸化塩素発生システム201では、携帯端末223から受け取った信号によって、二酸化塩素発生装置制御装置203が二酸化塩素発生装置1eの稼働を始めさせるように構成されている。これにより、部屋205内に二酸化塩素発生システム201(二酸化塩素発生装置1e、二酸化塩素発生装置制御装置203)を設置しておけば、この後、遠隔操作で二酸化塩素発生装置1eの稼働を開始することができる。そして、部屋205の管理者にかかる労力を低減することができる。
【0181】
なお、二酸化塩素発生システム201が、カレンダー機能を備えており、予め定められた周期で予め定められた時刻(たとえば、決まった曜日や決まった時刻)に稼働する(稼働を開始しこの後停止する)ことができるようになっていてもよい。カレンダー機能は、二酸化塩素発生装置1eもしくは二酸化塩素発生装置制御装置203、または、二酸化塩素発生装置1eと二酸化塩素発生装置制御装置203との両方に設けられているものとする。
【0182】
ところで、上述した二酸化塩素発生システム201に関する記載内容を、純粋二酸化塩素水からバブリングにより二酸化塩素を分離して、この分離された二酸化塩素を除菌対象である部屋内に放出する二酸化塩素放出方法として把握してもよい。
【0183】
二酸化塩素放出方法は、前記部屋内への二酸化塩素の吐出を開始する二酸化塩素吐出段階と、二酸化塩素吐出段階での二酸化塩素の吐出を開始後、前記部屋内の空気中の二酸化塩素の濃度を測定する二酸化塩素測定段階と、前記二酸化塩素測定段階で前記検出した二酸化塩素の濃度が所定の閾値を超えたときに、記部屋内への二酸化塩素の吐出を停止する二酸化塩素停止段階とを有する。
【0184】
二酸化塩素放出方法では、純粋二酸化塩素水からの二酸化塩素の分離が部屋内の複数箇所で行われるようになっている。また、分離された二酸化塩素の放出も、部屋内の複数箇所で行われるようになっている。部屋内の複数箇所は、部屋内のおける二酸化塩素の濃度をできるだけ均一化するために、お互いが適宜離れている。
【0185】
また、二酸化塩素放出方法では、二酸化塩素測定段階での二酸化塩素の測定が、複数の二酸化塩素の放出箇所から適宜離れた位置であって、たとえば、平面視では、複数の二酸化塩素の放出箇所の中央となる箇所でなされる。また、上下方向では、部屋の床上、部屋の床よりも所定の距離(たとえば、0.3m~3m)のところでなされる。
【符号の説明】
【0186】
1 二酸化塩素発生装置
3 純粋二酸化塩素水用の容器
5 二酸化塩素分離装置(バブリング装置)
7 純粋二酸化塩素水
9 圧縮空気発生部
19 第1の容器
21 第2の容器
23 第1の薬剤
25 第2の薬剤
27 二酸化塩素拡散装置
29 吐出用配管
45 棒状部材
51 Webカメラ
181 筐体
183 柱状部位
185 上側部位
187 配管
201 二酸化塩素発生システム
203 二酸化塩素発生装置制御装置
205 部屋
209 二酸化塩素濃度測定センサー
211 二酸化塩素発生装置制御部
223 携帯端末