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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024244
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ピロー型包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/10 20170101AFI20230209BHJP
   B31B 70/64 20170101ALI20230209BHJP
   B65B 9/06 20120101ALI20230209BHJP
【FI】
B31B70/10
B31B70/64
B65B9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004085
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2021129009
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396023328
【氏名又は名称】株式会社タケトモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 信介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大地
(72)【発明者】
【氏名】古越 敏之
【テーマコード(参考)】
3E050
3E075
【Fターム(参考)】
3E050AA08
3E050AB08
3E050BA11
3E050BA12
3E050BA20
3E050CA02
3E050CA10
3E050CB07
3E050CC07
3E050DC01
3E050DC08
3E050DG08
3E050GB01
3E050HA09
3E050HB10
3E075AA05
3E075AA10
3E075BA68
3E075BB09
3E075BB14
3E075CA02
3E075DA03
3E075DA04
3E075DA05
3E075DA15
3E075DA23
3E075DA32
3E075DA42
3E075DB03
3E075DB14
3E075DB19
3E075DD12
3E075DD43
3E075DD47
3E075DE12
3E075FA03
3E075FA23
3E075GA01
(57)【要約】
【課題】ピロー型包装袋の包装ラインにおいて、フィルムに切れ込みが設けてあっても切り裂けにくくし、さらに、製造効率を改善するピロー型包装袋の製造方法を提供する。
【解決手段】開封するための切り裂き線11を有するピロー型包装袋7の製造方法は、長尺状のフィルム1を送り出し、フィルム1に切り裂き線11を形成した後、フィルム1を搬送ベルト3に吸引しながら搬送し、熱接着をして被包装物5を包装することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開封するための切り裂き線を有するピロー型包装袋の製造方法であって、長尺状のフィルムを送り出し、該フィルムに該切り裂き線を形成した後、該フィルムを搬送ベルトに吸引しながら搬送し、熱接着をして被包装物を包装する、ピロー型包装袋の製造方法。
【請求項2】
前記フィルムの前記搬送ベルトへの吸引力が、-1kPa~-4kPaの範囲内である請求項1に記載のピロー型包装袋の製造方法。
【請求項3】
前記フィルムの前記搬送ベルトへの吸引力を、前記被包装物を載せる中央部分とその他の両端部分とで相違させた請求項1又は2に記載のピロー型包装袋の製造方法。
【請求項4】
前記フィルムは両縁部に前記切り裂き線を形成してあり、前記搬送ベルトの前記両端部分の吸引力を前記中央部分よりも弱めて前記フィルムを搬送し、前記フィルムの両縁部を熱接着する請求項3に記載のピロー型包装袋の製造方法。
【請求項5】
前記搬送ベルトが複数の吸引孔を有する請求項1~4のいずれかに記載のピロー型包装袋の製造方法。
【請求項6】
前記搬送ベルトの前記両端部分の前記吸引孔を塞ぐように板状部材を挿入して搬送ベルトへの吸引力を調整する請求項5に記載のピロー型包装袋の製造方法。
【請求項7】
前記ピロー型包装袋は背面側に熱接着した合掌部を有し、前記切り裂き線が少なくとも該合掌部に設けてある請求項1~6のいずれかに記載のピロー型包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封するための切り裂き線を有するピロー型包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロー型包装袋は、背面側を合掌状に合わせて筒状にし、上下端部を接着して密封したものであり、食料品、医薬品、化粧品など様々なものを包装するのに用いられている。ピロー型包装袋は、扁平状にしたものが多いが、厚みがあるものを包装できるようにし、側端面部にマチを設けたガゼットタイプのピロー型包装袋にすることもある。
このようなピロー型包装袋は、上下端部の接着部にノッチ(刻み目)を入れて開封しやすくしたものが多くみられる。また、ガゼットタイプのピロー型包装袋は、背面側の合掌部にノッチを入れて開封できるようにしたものもある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、「内面に熱接着性樹脂層を有する多層構成の積層フィルムからなり合掌熱接着部と前記合掌熱接着部の両端の端縁熱接着部により形成されたピロータイプ袋であって、一方の前記端縁熱接着部に近い前記合掌熱接着部の側端に切込が形成されるとともに、前記切込から一方の前記端縁熱接着部の方向に斜めに広がる切目線が、前記積層フィルムを構成する少なくとも1層に形成された構成からなることを特徴とする易開封性包装袋」が開示され、合掌熱接着部の切込から切目線に沿い開封できるようにしてある。
【0004】
また、下記特許文献2には、「最内層にヒートシール性樹脂層を有する積層体からなる包材の両側端部を合掌状に熱接着して背貼りシール部を形成し、ボトムシール部とトップシール部を形成してなる筒状構造を有する包装袋であって、前記背貼りシール部の所定部位に設けられた、開封のきっかけとなる開封ノッチと、前記背貼りシール部に対向する包材の中心線に対して、略対称に配置され、包材の引き裂きを誘導する2本の開封誘導線を有し、該開封誘導線は、前記開封ノッチより下方に開始点を有し、開封ノッチの近傍を通過して上昇し、前記開始点よりも前記中心線に近い位置に配置された終止点に至るものであることを特徴とする包装袋」が開示され、背貼りシール部の開封ノッチから開封誘導線に沿い開封できるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-31114号公報
【特許文献2】特開2014-987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来から、ピロー型包装袋は開封しやすくするためノッチなどの切れ込みや開封を誘導する切り裂き線を設けてあるものが多くある。
ピロー型包装袋を製造するには、例えば、ロール状に巻いた長尺状の積層フィルムに予め該当箇所に切れ込みを入れておき、それを包装ラインに流し、被包装物を包装しながら適宜大きさに裁断し、熱接着させて製造することになる。
【0007】
しかし、積層フィルムに切れ込みを設けておくと、包装ラインにおいて、積層フィルムにテンションがかかり、切れ込みから裂けてしまい、フィルムを損失するなどの問題が生じることがあった。
また、積層フィルムを製造してロール状に巻き上げた後、該積層フィルムの該当箇所に切れ込みを入れ、再度巻き上げてロール状にするなど製造効率の観点からも問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ピロー型包装袋の包装ラインにおいて、フィルムに切れ込みが設けてあっても切り裂けにくくし、さらに、製造効率を改善するピロー型包装袋の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態のピロー型包装袋の製造方法は、開封するための切り裂き線を有するピロー型包装袋の製造方法であって、長尺状のフィルムを送り出し、該フィルムに切り裂き線を形成した後、フィルムを搬送ベルトに吸引しながら搬送し、熱接着をして被包装物を包装することを特徴とする。
【0010】
フィルムを搬送ベルトに吸引しながら搬送するため、フィルム面に対して垂直方向にも引かれながら搬送され、フィルムに切り裂き線が設けてあっても切り裂かれにくくなり、フィルムの損失を防ぐことができる。また、フィルムに切り裂き線を予め形成しておくのではなく、包装と同じラインで形成することにより、製造効率を高め、コストを低減することができる。
【0011】
上記一形態のピロー型包装袋の製造方法において、フィルムの搬送ベルトへの吸引力が-1kPa~-4kPaの範囲内であるのが好ましく、さらには、吸引力を、被包装物を載せる中央部分とその他の両端部分とで相違させ、例えば、両縁部に切り裂き線を形成したフィルムを、搬送ベルトの両端部分の吸引力を中央部分よりも弱めて搬送し、フィルムの両縁部を熱接着するのが好ましい。
【0012】
このようにすることにより、被包装物を搬送する場合は強い吸引力で吸引して搬送されるが、それよりも弱い吸引力で引くことにより被包装物を搬送し、かつ、フィルムを切り裂くことなく搬送することができる。また、中央部分と両端部分とで吸引力を相違させることにより、被包装物を確実に搬送ベルトで搬送しながらフィルムの切り裂きを防ぐことができる。
【0013】
上記一形態のピロー型包装袋の製造方法において、搬送ベルトが複数の吸引孔を有する構成とし、搬送ベルトの両端部分の吸引孔を塞ぐように板状部材を挿入して搬送ベルトへの吸引力を調整するのが好ましい。
【0014】
このようにすることにより、フィルムの搬送ベルトへの吸引力を適宜に調整することができる。
【0015】
上記一形態のピロー型包装袋の製造方法において、ピロー型包装袋は背面側に熱接着した合掌部を有し、切り裂き線を少なくとも合掌部に設けることが好ましい。
ピロー型包装袋を製造する際に長尺状フィルムの両縁部が背面側の合掌部になるため、長尺状フィルムを包装ラインに流す際には両縁部から切り裂かれやすくなる。本発明の製造方法では、両縁部に切り裂き線を形成したとしてもフィルムが切り裂かれにくくなり、フィルムの損失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のピロー型包装袋の製造方法における工程を説明するための図である。
図2図1に示したピロー型包装袋の製造方法において搬送ベルト付近を示した図である。
図3図2に示した搬送ベルトの一変形例を示した図である。
図4図1に示したピロー型包装袋の製造方法で製造されたピロー型包装袋の一例を示した図である。
図5図1に示したピロー型包装袋の製造方法で製造されたピロー型包装袋の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態のピロー型包装袋の製造方法を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の一実施形態のピロー型包装袋の製造方法は、図1に示すように、長尺状のフィルム1を送り出し、ロータリーカッター2で刃によりフィルム1に切り裂き線11を形成した後、フィルム1を搬送ベルト3に吸引しながら搬送し、ヒートシール機4で熱接着をして被包装物5を包装し、切断機6で適宜大きさに切断してピロー型包装袋7を製造することができる。
【0019】
フィルム1は、長尺状としてあり、一層からなる単層フィルム又は複数層からなる積層フィルムのいずれでもよいが、様々な機能を付与する観点から積層フィルムにするのが好ましい。
フィルム1は、ロール状に巻き回した原反から送り出すようにしても、成形しながら送り出すようにしてもよい。
フィルム1の各層には、樹脂フィルムの他、アルミニウム箔などの金属箔、樹脂フィルムにアルミニウムやシリカなどの金属を蒸着した蒸着フィルムを用いることができる。また、樹脂粒子をコーティングした樹脂コーティング層としてもよい。フィルム1は、被包装物5を視認できる観点からは透明フィルムにするのが好ましく、ガスバリア性を付与する観点からはアルミニウム箔を積層するのが好ましい。
【0020】
樹脂フィルム又は樹脂コーティング層に用いることができる樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体系樹脂、ナイロン系樹脂などを用いることができ、より詳しくは、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ナイロン(NY)樹脂などを用いることができる。
積層フィルムは、例えば、従来公知の共押出やラミネーションなどにより作製でき、包装袋7の内面になる層には、熱接着するフィルム又はコーティング層を設けることが好ましい。また、包装袋7の外面になる層としてポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートして形成した層を設けてもよく、各層間に印刷層を設けてもよい。
【0021】
フィルム1の好ましい積層例としては、外側から順にPETフィルム/必要に応じて印刷層/EVOHフィルム/PEフィルム、PETフィルム/PEフィルム/アルミニウム箔/PEフィルムなどを挙げることができる。EVOHフィルムに代えてアルミニウム箔又はアルミ蒸着フィルムにしてもよい。
フィルム1の厚みは、特に限定するものではないが、15μm~150μm、特に30μm~100μmにするのが好ましい。
【0022】
ロータリーカッター2は、ロールの周面に突き出す刃を適宜間隔で設けてあり、刃先がフィルム1に切れ込みを入れてハーフカット加工し、切り裂き線11を形成できるようにしてある。
切り裂き線11は、包装袋7を開封しやすくするために設けてあり、包装袋7のガスバリア性を確保する観点から、フィルム1の厚みよりも浅い切れ込みを入れるハーフカット加工して設けるのが好ましい。
ハーフカット加工は、フィルム1の厚みにもよるが、フィルム1の厚みに対して20%~70%の深さ、特に30%~50%の深さにするのが好ましく、具体的には、10μm~30μmの深さ、特に15μm~20μmの深さにするのが好ましい。
【0023】
本実施形態では、ロータリーカッター2により切り裂き線11を設けるが、これに限定されるもではなく、フィルム1の厚みよりも浅い切れ込みを入れるハーフカット加工ができればいずれの方法でもよく、例えば、フィルム1にレーザーを照射してレーザー加工により切り裂き線11を作成してもよい。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザーなどを用いることができる。
なお、ハーフカット加工の切れ込み深さは、レーザーの出力や刃のカット圧などを調整することにより行うことができる。
【0024】
切り裂き線11は、フィルム1の切り裂き方向を誘導して包装体7を開封しやすいように形成してあり、形成位置は特に限定するものではないが、フィルム1の幅方向の両縁部に形成するのが好ましい。フィルム1の幅方向の両縁部は、ピロー型包装袋7にした場合に背面側の合掌部71になる箇所であり、合掌部71に切り裂き線11を少なくとも設けることにより、包装体7が開封しやすくなる。
【0025】
フィルム1に切り裂き線11を形成した後、フィルム1を搬送ベルト3に吸引しながら搬送する。このようにフィルム1を搬送ベルト3に引き付けながら搬送することにより、フィルム1が流れ方向に引かれてテンションがかかっても面に対して垂直方向にも引かれるので切り裂き線11から切り裂かれることを防ぐことができる。
搬送ベルト3は、例えば、複数の吸引孔31を設け、真空ポンプなどで吸引するようにするのが好ましく、ステンレス鋼などの金属板から形成するのが好ましい。
【0026】
搬送ベルト3の一例は、図2に示すように、複数の吸引孔31を設けた金属板32を連結し、吸引孔31から真空ポンプなどを備えた真空吸引装置33で吸引してフィルム1を引き付けながら搬送するようにしてある。
この吸引力は、特に限定するものではないが、-1kPa~-4kPaが好ましく、-1.2kPa~-3kPaがより好ましく、-1.5kPa~-2kPaが特に好ましい。吸引力が-4kPaを超えると、フィルム1が切り裂き線11から切り裂かれやすくなり、また、搬送ベルト3に金属片などの異物があるとフィルム1に異物の跡がつきやすくなる。なお、吸引力は市販の風圧計で測定することができる。
フィルム1をPETフィルム/アルミニウム箔/PEフィルムの仕様(厚み50μm)とした場合には、吸引力は、-1.2kPa~-1.5kPaが好ましい。
【0027】
吸引孔31は、特に限定するものではないが、円形状にするのが好ましく、孔径を10μm~50μm、特に20μm~30μmにするのが好ましい。孔径がこれより大きいとフィルム1に吸引跡が残り、これより小さいと吸引しにくくなる。
吸引孔31は、0.5mm~10mm、特に1mm~5mmの間隔で格子状又は斜格子状に設けるのが好ましい。
【0028】
また、搬送ベルト3は、被包装物5を載せる中央部分と、その他の両端部分とでフィルム1の吸引力を相違させてもよい。例えば、両縁部に切り裂き線11を形成したフィルム1を搬送する場合、搬送ベルト3の両端部分の吸引力を中央部分よりも弱めてフィルム1を搬送し、フィルム1の両縁部を熱接着することができる。中央部分は吸引力が強いため、被包装物5を吸引して搬送し、両端部分は吸引力が弱いため、フィルム1の両縁部を熱接着する際に切り裂き線11からフィルム1が切り裂かれることを防ぐことができる。
【0029】
搬送ベルト3の中央部分と両端部分とでフィルム1の吸引力を相違させるには、例えば、図3に示すように、搬送ベルト3と真空吸引装置33との間に出入自在の板状部材34を設け、搬送ベルト3の適宜箇所の吸引孔31を塞ぐことにより調整し、吸引力を弱めることができる。板状部材34は、ステンレス板などで形成することができる。
【0030】
フィルム1上に被包装物5を載せ、ヒートシール機4で熱接着をする。熱接着は適宜箇所に行えばよいが、本実施形態では、包装袋7の背面側の合掌部71と上下端部の熱接着部72,73とを設けてある。ヒートシール機4としては、従来公知のヒートシール機を用いることができる。
被包装物5としては、食料品、医薬品、化粧品などを挙げることができる。
【0031】
熱接着をしたフィルム1を切断機6の切断刃で裁断してピロー包装体7を製造することができる。本実施形態では、上下端部の熱接着部72,73部分を切断するようにしてある。切断機6としては、従来公知の切断機を用いることができる。
【0032】
ピロー型包装袋7は、図4に示すように、背面側の合掌部71及び上下端部の熱接着部72,73を接着した縦型扁平状の包装体としてあるが、これに限定されるものではなく、横型にしてもよく、また、側端面部にマチを設けたガセットピロー型包装袋にしてもよい。
【0033】
包装袋7の大きさは、特に限定するものではないが、縦長さを100mm~200mmの範囲内、特に130mm~170mmの範囲内にするのが好ましく、横幅を30mm~80mmの範囲内、特に40mm~60mmの範囲内にするのが好ましく、厚みを5mm~40mmの範囲内、特に15mm~30mmの範囲内にするのが好ましい。
【0034】
本発明のピロー型包装袋の製造方法は、フィルム1に切り裂き線11を入れて搬送する際に、搬送ベルト3に吸引しながら搬送することにより、切り裂き線11から切り裂かれることを防ぐことができ、フィルム1の損失を防ぐことができる。また、被包装物5の包装と同じラインで切り裂き線11を形成することにより製造効率を高めることができる。
【0035】
図5は、ピロー型包装袋7の他の例を示しており、切り裂き線11を包装袋7の背面にも設け、V字状に開口するようにしてある。このように切り裂き線11を長くしても、切り裂き線11から切り裂かれにくくなり、フィルム1の損失を防ぐことができる。
【0036】
(試験)
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を片面にコートしたPETフィルム(厚み50μm)を用いて、搬送試験を行った。この搬送試験に用いた搬送ベルトはステンレス製のベルトに直径25μmの孔を0.95mmの間隔で格子状に開けたものであり、幅20cm、長さ80cmの回転ベルトである。
このフィルムには両縁部にカッターで長さ5mmの切れ込みを入れてあり、吸引力-2.8kPaにて搬送ベルトに吸引しながら搬送したところ切り裂きの発生なく搬送できた。
【符号の説明】
【0037】
1…フィルム
11…切り裂き線
2…ロータリーカッター
3…搬送ベルト
31…吸引孔
32…金属板
33…真空吸引装置
34…板状部材
4…ヒートシール機
5…被包装物
6…切断機
7…ピロー型包装袋
71…合掌部
72…上端部熱接着部
73…下端部熱接着部
図1
図2
図3
図4
図5