IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フリードリヒ ボイゼン ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲーの特許一覧

<>
  • 特開-混合装置 図1
  • 特開-混合装置 図2
  • 特開-混合装置 図3
  • 特開-混合装置 図4
  • 特開-混合装置 図5
  • 特開-混合装置 図6
  • 特開-混合装置 図7
  • 特開-混合装置 図8
  • 特開-混合装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024308
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】混合装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20230209BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20230209BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20230209BHJP
   B01F 23/213 20220101ALI20230209BHJP
   B01F 25/10 20220101ALI20230209BHJP
   B01F 25/31 20220101ALI20230209BHJP
   B01F 35/90 20220101ALI20230209BHJP
【FI】
F01N3/20 K ZAB
F01N3/08 B
B01D53/94 222
B01D53/94 400
B01F23/213
B01F25/10
B01F25/31
B01F35/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022113770
(22)【出願日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】10 2021 120 423.2
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】504353305
【氏名又は名称】フリードリヒ ボイゼン ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】デニス ザイラー
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3G091AB01
3G091AB09
3G091AB15
3G091CA03
3G091CA15
3G091HA45
4D148AA06
4D148AB01
4D148AB02
4D148AC03
4D148CA01
4D148CC23
4D148CC32
4D148CC47
4D148CC52
4D148CC61
4D148CD05
4G035AB04
4G035AC22
4G035AC44
4G035AC55
4G035AE15
4G037CA11
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】ガス流れに付加物を導入し、ガス流れ内で付加物を分配するより効率的な方法を見つける。
【解決手段】本発明は、特に内燃機関の排気ガスシステム用の、ガス流れに液体付加物を導入および分配する混合装置に関する。混合装置は、ガス流れを案内するガス案内セクションと、該ガス案内セクションの計量領域に付加物を導入する計量装置と、を備える。さらに、ガス案内セクションの少なくとも1つの加熱セクションを能動的に加熱する加熱装置が設けられている。ガス案内セクションは、ガス流れの流れおよび従って付加物の準備に影響を及ぼすようにガス流れへと径方向に突出した少なくとも1つの持ち上げ部分を、加熱セクションに備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に内燃機関の排気ガスシステム用の、ガス流れ(G)に液体付加物を導入および分配する混合装置であって、この混合装置は、
前記ガス流れを案内するガス案内セクション(12)と、
前記ガス案内セクションの計量領域に前記液体付加物を導入する計量装置(14)と、
前記ガス案内セクションの少なくとも1つの加熱セクション(16)を能動的に加熱する加熱装置(18)と、
を備え、
前記加熱セクションは、前記計量領域におよび/または前記計量領域の下流に配置され、前記ガス案内セクションは、前記ガス流れの流れに影響を及ぼすように前記ガス流れへと径方向に突出した少なくとも1つの持ち上げ部分(24,24-1~24-4)を、前記加熱セクションに備えることを特徴とする混合装置。
【請求項2】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の周囲方向に延び、特に、前記ガス流れ(G)の方向に見て互いに並んで配置される少なくとも2つの持ち上げ部分が設けられることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の軸方向に延び、特に、前記加熱セクション(16)の周囲方向に配置および分配される少なくとも2つの持ち上げ部分が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、前記ガス流れの方向における少なくとも部分的な平面に形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の混合装置。
【請求項5】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、前記ガス流れの方向において少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の混合装置。
【請求項6】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)は、前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)よりも少なくとも部分的に急勾配であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の混合装置。
【請求項7】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、湾曲したセクション(24s)によって互いへと合流することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の混合装置。
【請求項8】
前記持ち上げ部分(24)は、前記ガス案内セクション(12)の再形成プロセスによって製造され、特に、前記持ち上げ部分はビードであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の混合装置。
【請求項9】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の壁の局所的に厚くなった部分によって形成されることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の混合装置。
【請求項10】
前記ガス案内セクション(12)は、前記加熱セクション(16)において少なくとも第1持ち上げ部分自由セクション(50-1)および第2持ち上げ部分自由セクション(50-2)を有し、両者の間には、前記持ち上げ部分(24-1)が配置され、特に、前記第2持ち上げ部分自由セクションは、前記第1持ち上げ部分自由セクションよりも小さい断面を有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の混合装置。
【請求項11】
少なくとも1つの静止した混合機が、前記ガス流れ(G)に渦成分(D)を適用するように前記計量装置(14)の上流および/または下流に配置されることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の混合装置。
【請求項12】
前記ガス案内セクション(12)は、混合チャンバ(24)を備え、該混合チャンバ(24)は、前記ガス案内セクションのガス入口(28)を有した第1端部領域と、該第1端部領域とは反対側に配置され、前記計量領域(E)を有した第2端部領域と、を備え、前記ガス案内セクションは、浸漬管(44)をさらに有し、該浸漬管(44)は、前記ガス案内セクションのガス出口(40)を形成し、前記第1端部領域から前記混合チャンバへと突出し、特に、前記混合チャンバの長手方向軸と、前記浸漬管の長手方向軸とは、平行に、好ましくは同軸に配置されることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の混合装置。
【請求項13】
前記加熱装置(18)は、前記浸漬管(44)に配置されることを特徴とする請求項12に記載の混合装置。
【請求項14】
前記加熱装置(18)は、前記第2端部領域に配置されることを特徴とする請求項12または13に記載の混合装置。
【請求項15】
前記ガス入口(28)は、前記ガス流れ(G)が前記混合チャンバの長手方向軸を横切る、特に直交し、前記混合チャンバの長手方向軸から横方向にオフセットする方向に、前記混合チャンバ(42)に導入されることができるように、設計および配置されることを特徴とする請求項12~14のいずれかに記載の混合装置。
【請求項16】
径方向間隙(46)が、前記混合チャンバ(42)と前記浸漬管(44)との間に設けられ、前記径方向間隙(46)を通して、ガスが前記第1端部領域から前記第2端部領域に流れ、特に、流れ案内装置(48)が前記径方向間隙に配置されることを特徴とする請求項12~15のいずれかに記載の混合装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の混合装置を有する、内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置。
【請求項18】
前記混合装置は、少なくとも1つのSCR触媒ユニット(36)の下流に配置され、特に、少なくとも1つの微粒子フィルタユニット(32)および/または1つの酸化触媒ユニット(30)が、前記混合装置の上流に付加的に配置されることを特徴とする請求項17に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項19】
前記混合装置は、該混合装置が前記SCR触媒ユニットを出た排気ガスの少なくとも一部によって少なくとも部分的に作用されることができるように、前記SCR触媒ユニット(36)に関係したチャンバ(26)に配置されることを特徴とする請求項18に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項20】
前記SCR触媒ユニット(36)は、前記チャンバ(26)に配置されることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内燃機関の排気ガスシステム用の、ガス流れに液体付加物を導入および分配する混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、付加物の成分とガス流れの成分との化学反応を可能にするために、適切な態様でガス流れに液体を信頼をもって導入および分配するという問題が、多くの用途領域で生じる。排気ガス工学では、人は、例えば、尿素水溶液が例えば計量ポンプおよびインジェクタによってモータ車両の排気トレインに導入されるSCRプロセス(「選択的触媒による還元」)と関連した上記問題に直面する。アンモニアおよび二酸化炭素が、熱分解および加水分解を通して尿素水溶液から生じる。このように生成されたアンモニアは、適切な触媒において、窒素酸化物と反応することができ、この窒素酸化物は、排気ガス中に含まれ、従って、排気ガスから効率的に取り除かれる。上述のプロセスは、特に、絶えず厳しくなる汚染物の限界の背景に対抗して、ますます重要となっている。
【0003】
排気ガスに含まれる窒素酸化物の量に適切な割合で尿素水溶液が供給されることが、SCRプロセスに特に関連している。排気ガス流れに導入される尿素水溶液が可能な限り完全に蒸発され、排気ガス流れに均一に分配されることがさらに非常に重要である。また、排気ガスの浄化に関係する成分が可能な限り迅速に適切な動作温度に達することが重要であり、これは、このときにのみ、効率的な排気ガスの浄化が始まるからである。
【0004】
熱の入力が排気ガス自体を通して実質的に生じる周知のSCR混合セクションでは、導入された付加物のフィルムが混合セクションの壁に生じることができ、最後に、不穏な堆積物の形成が生じる。この堆積物は、実際のSCR触媒の前にある偏向の領域で頻繁に生じる。
【0005】
排気ガスの後処理では、抵抗加熱によって加熱される能動的な加熱触媒の使用にますます焦点が合わされる。従って、説明した触媒は、高温の排気ガスによって単独で受動的に加熱されるだけでなく、能動的に加熱される。付加的なエンタルピの入力のために、汚染物および/または計量された付加物の向上した変換が達成される。しかし、上記触媒に関連した不利な点は、より高い対圧および他の不利な流れの影響である。触媒への噴射された付加物(例えば、還元剤)の不利な質量分布では、堆積物が、エッジの数の多さのためにますます生じることができ、とりわけ対圧を付加的に増加させる。従って、この堆積物は、触媒の効率を減少させる。
【0006】
最後に、上述の概念は、目的の熱力学の対立にさらされる。一方では、高い熱入力が、還元剤(例えば、尿素水溶液)の迅速な蒸発と、排気ガスとの還元剤の混合のために望まれており、他方では、好ましくない条件下での過大な熱入力が、堆積物の形成を局所的に生じさせ得る。熱入力が非常に高いと直ぐに、局所的に向上した水の気化および蒸発は、フィルムで生じることができ、これは、イソシアン酸の濃度の望ましくない局所的な増加に加えて、堆積生成物の形成も生じさせる。この堆積物は、付加物の混合をさらに悪化させ、二次的な放出を生じさせ得るので、混合セクションの堆積物は特に不利である。さらに、混合装置に関連した対圧が増加し、これにより、最後に、燃料消費の増加が生じる。別の否定的な側面は、腐食による構成要素の損傷である。
【0007】
上述の効果は、低温始動からの一時的なサイクルの場合に特定の程度で問題となる。そして、混合装置の構成要素の表面温度は、非常に低すぎて、付加物の満足な変換を達成することができないことが多い。SCRシステムの場合には、これは、導入された尿素水溶液が、現在の比較的低い温度のために、十分良好に蒸発されず、結果として、非常に少量のアンモニアが、排気ガスに含まれるNOxの完全な変換を確実にするのに利用可能である。さらに、SCR触媒におけるNOxの選択的触媒による還元が、過度に低い温度のために、最適以下の範囲で生じる。
【0008】
また、同等の問題が、排気技術の他の領域で、または用途の完全に異なる領域でさえも見られ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、ガス流れに液体接着剤(liquid adhesive)を導入し、ガス流れ内で液体接着剤を分配するより効率的な方法を見つけることである。この目的のために、簡潔な設計構造および機能を有した適切な混合装置が効率的に設けられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴部を有した混合装置によって満足される。
【0011】
本発明によれば、混合装置は、ガス流れを案内するガス案内セクションを有している。さらに、ガス案内セクションの計量領域に付加物を導入する計量装置が設けられている。加熱装置が、ガス案内セクションの少なくとも1つの加熱セクションの能動的な加熱のために作用する。加熱セクションは、計量領域に、または計量領域の下流に配置されている。さらに、ガス案内セクションは、ガス流れの流れに影響を及ぼすようにガス流れへと径方向に突出した少なくとも1つの持ち上げ部分を、加熱セクションに備えている。
【0012】
本発明によれば、計量領域におよび/または計量領域の下流におけるガス案内セクションの一部の能動的な加熱と、加熱領域において径方向内側に突出する持ち上げ部分によるガス流れの意図的な影響とを組み合わせることによって、導入された付加物の向上した蒸発および混合が達成されることが認識された。さらに、必要な堆積物限界の計量割合が維持されることができる。堆積物限界の計量割合は、計量割合(つまり、時間の単位毎の導入された付加物の量)であり、この計量割合より高いと、堆積物の形成が一定の動作点で始まる。本発明は、SCRシステムの骨組み内で還元剤としての尿素水溶液の使用を本当に実質的に目的としている。しかし、本発明に従う概念は、多くの他の領域、例えばHCIシステムの一部として排気ガスシステムへの燃料の導入について利用可能である。
【0013】
最終的に、ガス案内セクションの壁の対応した領域で導入された流体の接触時間が増加し、まさにこの領域での熱流れは、少なくとも1つの持ち上げ部分によって同時に導入される。これにより、付加物の蒸発の程度が増加する。2つの側面は、相乗的に一緒に作用し、このため、付加物の実質的に向上した取り込みが達成され、堆積物の形成がかなり減少される。
【0014】
本発明の別の実施例は、請求項、説明および包含された図面で説明される。
【0015】
実施例によれば、持ち上げ部分は、ガス案内セクションの周囲方向に延びている。持ち上げ部分は、周囲の一部にわたって延びることができ、または周囲方向に閉じられることができる。前述の接触時間をさらに増加させるために、ガス流れの流れ方向に互いに並んで配置された少なくとも2つの持ち上げ部分が特に設けられる。
【0016】
持ち上げ部分は、ガス案内セクションの軸方向に延びることもできる。加熱セクションの周囲方向に配置および分配された少なくとも2つの持ち上げ部分が特に設けられる。この持ち上げ部分は、実質的に互いに平行に延びることが好ましい。
【0017】
多くの場合には、ガス流れの方向および/またはガス案内セクションの長手方向軸と直交する、または平行な方向の持ち上げ部分の範囲は有利である。しかし、少なくとも1つの持ち上げ部分が斜めに延びる用途も考えられる。
【0018】
一般に、望ましい効果を達成するために、軸方向に延びる持ち上げ部分と、周囲方向に延びる持ち上げ部分とを組み合わせることも可能である。
【0019】
特に、周囲方向に延びる持ち上げ部分の場合には、持ち上げ部分の上流フランクおよび/または持ち上げ部分の下流フランクは、ガス流れの方向における少なくとも部分的な平面に形成される。壁に近い領域に望ましい流れパターンを生成するために、および/またはハウジング案内セクションの壁に生じ得る付加物フィルムに適切に影響を及ぼすために、上記フランクは、部分的に湾曲することもできる。フランクは、異なる勾配または異なる曲率を有したセクションをそれぞれ有することができる。同様に、平面のセクションと湾曲したセクションとの組み合わせが可能である。軸方向に延びる持ち上げ部分の場合には、「上流」および「下流」という用語は、排気ガス流れの可能な現在の渦成分、つまりガス案内セクションの周囲方向に流れる流れの成分を表している。
【0020】
流れの崩壊を防止するために、持ち上げ部分の上流フランクおよび/または持ち上げ部分の下流フランクは、湾曲したセクションによって互いへと合流することができる。
【0021】
少なくとも1つの持ち上げ部分は、ガス案内セクションの再形成プロセスによって生成されることができる。多くの場合には、ガス案内セクションはシート金属部分によって形成され、ここで、ガス案内セクションの断面形状は、一般に、つまりガス案内セクションの設計から独立して、必要とされる(例えば、円形、楕円形または多角形)ように選択される。ビードが、簡潔な態様で上記シート金属部分に挿入され、そして、ガス流れへと突出する持ち上げ部分を形成することができる。
【0022】
代替的に、ガス案内セクションの壁の局所的に厚くなった部分によって持ち上げ部分を形成することが可能である。壁の厚さの意図的な変更のために、混合装置の熱特性が局所的に適合されることができ、これは、異なる厚さの壁領域が、異なる熱入力または熱出力および/または蓄熱特性を有するからである。
【0023】
また、対応した寸法とされ、かつ設計された加熱装置と協同する適切な持ち上げ部分を提供し、堆積物が減少される付加物の必要な導入を可能とするために、変化する壁厚さを有した領域と、再形成された領域とを組み合わせることも可能である。
【0024】
ガス案内セクションは、加熱セクションにおいて少なくとも第1持ち上げ部分自由セクションおよび第2持ち上げ部分自由セクションを有することができ、両者の間には、持ち上げ部分が配置され、特に、第2持ち上げ部分自由セクションは、第1持ち上げ部分自由セクションよりも小さい断面を有している。例えば、持ち上げ部分の前にあるガス案内セクションの断面は、持ち上げ部分の背後よりも大きい。
【0025】
付加物の向上した混合のために、少なくとも1つの静止混合機が、計量装置の上流および/または下流に配置されることができる。例えば、この混合機は、該混合機がガス流れの少なくとも一部に渦成分を与えるように配置および設計される。
【0026】
混合装置の実施例によれば、ガス案内セクションは、混合チャンバを備えており、該混合チャンバは、ガス案内セクションのガス入口を有した第1端部領域を備えている。さらに、第2端部領域が設けられており、この第2端部領域は、第1端部領域とは反対側に配置され、計量領域を有している。ガス案内セクションは、浸漬管をさらに有し、該浸漬管は、ガス案内セクションのガス出口を形成し、第1端部領域から混合チャンバへと突出する。混合チャンバの長手方向軸と、浸漬管の長手方向軸とは、平行に、好ましくは同軸に特に配置される。従って、混合装置へと流れるガス流れは、ガス案内セクションの第1端部領域へ、つまり混合チャンバへ流入し、反対側に配置された端部に流れ、この端部には、計量領域が配置されている。そして、付加物によって作用されたガス流れは、第1端部セクションから混合チャンバへと突出する浸漬管を通して、ガス案内セクションから出る。このような設計は、混合装置のコンパクトな設計と同時に、付加物の特に効率的な導入を可能にする。
【0027】
堆積物を防止するために、および、蒸発力を増加させるために、加熱装置が、浸漬管に配置されることができる。また、第2端部領域に、つまり、計量装置を有した計量領域を備えてなる領域に加熱装置を配置することが可能である。
【0028】
また、浸漬管および第2端部領域の双方に加熱装置を設けることが可能である。そして、この場合には、2つの加熱装置、つまり、計量領域の加熱装置と、(浸漬管の)計量領域の下流の加熱装置とが設けられる。少なくとも1つの持ち上げ部分が、2つの加熱セクション、好ましくは加熱セクションの双方の領域に配置される。
【0029】
ガス入口は、ガス流れが混合チャンバの長手方向軸と特に直交し、混合チャンバの長手方向軸から横方向にオフセットする方向に、混合チャンバに導入されることができるように、設計および配置される。上記混合チャンバの長手方向軸を横切り、該長手方向軸から横方向にオフセットする、混合チャンバへのガス流れの導入のために、ガス流れは、とりわけ、浸漬管と混合チャンバの内壁の形状並びに入口開口の配置および設計に基づいた渦成分によって作用される。上記形状の変化のために、混合チャンバの内部のガス流れおよび従って混合装置の特性は、それぞれの現在の要求に適用されることができる。
【0030】
径方向間隙が、混合チャンバと浸漬管との間に特に設けられ、径方向間隙を通して、排気ガスが第1端部領域から第2端部領域に流れる。流れ案内装置が、径方向間隙に配置されることができる。例えば、渦がガス入口の設計および配置によって生成されない場合には、流れ案内装置が、ガス流れに渦を生成することができる。しかし、各用途で有利である場合には、流れ案内装置が、ガス流れを「整流」するように作用することが可能である。
【0031】
さらに、本発明は、上述の実施例の任意の1つに従う混合装置を有する、排気ガスの浄化用の排気ガス浄化装置に関する。
【0032】
排気ガス浄化装置の実施例によれば、混合装置は、少なくとも1つのSCR触媒ユニットの上流に配置されている。少なくとも1つの微粒子フィルタユニットおよび/または1つの酸化触媒ユニットが、混合装置の上流に付加的に配置されることができる。
【0033】
混合装置は、SCR触媒ユニット、特に該SCR触媒ユニットの出口側端部に流体的に接続されたチャンバに配置されることができ、このため、混合装置は、SCR触媒ユニットから出た排気ガス流れの少なくとも一部によって少なくとも部分的に作用されることができる。SCR触媒ユニットは、チャンバに配置されることが好ましい。この設計では、排気ガスの熱は、混合装置および/またはSCR触媒ユニットを外側から少なくとも部分的に加熱し、従って、これを適切な動作点により迅速にもっていくように付加的に用いられる。
【0034】
本発明は、有利な実施例および包含された図面を参照した例によって以下に純粋に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】能動的な加熱装置を有した従来の混合装置を示す図である。
図2】本発明に従う混合装置の第1の実施例を示す図である。
図3】本発明に従う混合装置の第2の実施例を示す図である。
図4】本発明に従う混合装置の第3の実施例を示す図である。
図5】本発明に従う混合装置の第4の実施例を示す図である。
図6】本発明に従う混合装置の第5の実施例を示す図である。
図7】本発明に従う混合装置の第6の実施例を示す図である。
図8】本発明に従う混合装置の第7の実施例を示す図である。
図9】本発明に従う混合装置の第8の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、従来の混合装置10を示しており、該混合装置10は、平滑管として実質的に設計されるガス案内セクションを備えている。ガス案内セクション12の左側では、ガス案内セクション12は、内燃機関の排気ガスシステムに接続されている。この側では、排気ガスGが、ガス案内セクション12へ流入し、2つの黒い矢印によって示されている。また、インジェクタ14が配置されており、このインジェクタ14を通して、尿素水溶液が排気ガス流れGへ導入される。対応する噴射コーンSが概略的に描かれている。インジェクタ14の上流および/またはガス案内セクション12自体において、図示せぬ渦発生装置が配置されており、この渦発生装置によって、ガス流れGは、該ガス流れG内に尿素をより良く分配することができるように、渦成分により作動された。渦成分は、渦Dによって概略的に表されている。
【0037】
ガス案内セクションのセクション16が、加熱装置18を備えている。加熱装置18により、(加熱セクションとしても設計される)セクション16の能動的な加熱が、導入された尿素の蒸発を補助することができる。
【0038】
尿素は、パルス幅変調の様式でガス流れGへ導入されることが多い。これは、計量が断続的に生じることを意味する。排気ガスおよび混合装置は、特に低温始動の後に冷たい。これは、導入された尿素が完全に蒸発されないが、ガス案内セクション12の内壁にフィルムを形成するという結果を有している。加熱装置18は作動点の到達を実際に加速させるが、多くの場合に、フィルムの形成が、効果的に防止され得ない。
【0039】
図1には、計量プロセス中に生成されたフィルムがインジェクタ14の閉時間中に移行したことが示されている。フィルムは、排気ガス流れGによってガス案内セクション12の出口側端部へ輸送される。これは、不完全な混合が混合装置10の下流端部で生成されるという結果を有している。壁の近傍の領域では、尿素の濃度が中央の領域よりも大きくなっており、尿素プロファイル20によって概略的に示されている。
【0040】
尿素液滴22がガス案内セクション12の内壁に衝突するときにどのプロセスが生じるかが、図1に同様に概略的に示されている。一方では、いわゆる「跳ね返り」効果が生じる。尿素液滴22がある角度でセクション12の内壁に衝突し、内壁から跳ね返り、ここで、尿素液滴は、ガス流れGに起因して、流れ方向に沿って運ばれる。一定の状況下では、液滴22は、ガス流れGによって同様に取られる二次液滴になる。しかし、いくつかの場合には、いわゆる「固着」効果も、セクション12の内壁との液滴22の衝突時に生じる。液滴22は衝突後に壁に留まったままとなり、他の液滴22と一緒にフィルムFを形成し、フィルムFは、(図1の左から右への)ガス流れGの効果に起因して移行する。
【0041】
ガス案内セクションの内壁の十分に高い温度(約210℃よりも大きい)では、永久的なフィルムFが、形成されないことが多い。むしろ、脈動フィルムの形成が期待されている、つまり、セクション12の内壁がインジェクタパルス後に湿っており、ここで、フィルムFは形成され、次に、流れ方向へ移行する。これは、次のインジェクタパルスで繰り返される。
【0042】
既に述べたように、フィルムFの比較的迅速な移行が、ガス流れGにおける尿素の不均一な分配を生じさせる。さらに、堆積物の形成が、好ましくない温度条件の下に生じ得る。
【0043】
本発明によれば、加熱セクション16においてフィルムFをより長く維持することが有利であることが認識された。この目的のために、図2の混合装置10-1に基づいて示されるように、ガス流れへと径方向に突出する複数の持ち上げ部分24が設けられている。従って、ガス案内セクション12の内壁は、従来の混合装置(図1参照)のように、平滑面を、少なくとも加熱セクション16において、少なくとも部分的に有していない。混合装置10-1は、比喩的に言えば、持ち上げ部分24を通したフィルムFに対する抵抗を提供しており、この抵抗により、フィルムFは、その移行中に打ち勝たなければならない。持ち上げ部分24は、例えば、ガス案内セクション12へと導かれるビードであり得る。この持ち上げ部分の配置および数は、それぞれの現在の要求プロファイルに従って選択されることができる。例えば、持ち上げ部分は、セクション12の周囲方向に完全に延びる。しかし、周囲方向の一部のみに持ち上げ部分を設計する、例えば軸方向にオフセットさせて配置された持ち上げ部分を設けることも可能である。持ち上げ部分24の非対称の配置または形成が、ガス案内セクション12の非対称設計において特に有利となり得る。
【0044】
図2は、フィルムFの移行を打ち消す抵抗を明確に示している(「固着」効果参照)。この抵抗は、持ち上げ部分の上流フランク24aを引き上げなければならない。いわゆる「跳ね返り」効果については、持ち上げ部分24に起因して、結果として有利になる。セクション12の内側へと傾斜した持ち上げ部分24の上流フランク24aに液滴22が衝突する場合には、液滴22は、平滑面と比較して、流れの方向においてより少なくそらせられる。この幾何学的な効果のために、ガス案内セクションの中央領域における追加された尿素のより良い分配がもたらされ、これにより、向上した蒸発の役立つ効果が、フィルムFのより遅い移行のために補助される。
【0045】
図3は、混合装置10-1に実質的に対応した混合装置10-2を示している。これの下では、代替的な混合装置10-3,10-4が図4および図5に示されている。この表現は、異なる実施例の比較を容易にする。
【0046】
図4に従う実施例10-3では、より狭い噴射コーンSが設けられている。さらに、単一の持ち上げ部分24が設けられており、この持ち上げ部分24は、実質的に対称に設計され、ガス案内セクション12の内壁全体を実質的に形成する。加熱装置18が、持ち上げ部分24の頂点および隣接した領域に配置されている。従って、加熱セクション16は、ガス案内セクション12の実質的に中央領域を有している。
【0047】
持ち上げ部分24は、ノズルのような収縮を形成する。収縮の上流セクションは、簡潔の理由のために図2図9に示されていないインジェクタの作動時に尿素によって湿っている。そして、生成されたフィルムFは、収縮へと移行し、加熱セクション16へ流入し、加熱セクション16では、フィルムFは、非常に効率的に蒸発される。持ち上げ部分24によって生成された収縮に起因して、ガス流れGは加速され、特に渦成分Dがガス流れGに存在するために、向上した混合に同様に寄与することができる。
【0048】
これは、混合装置10-4においても事実である。ここでは、持ち上げ部分24は、加熱セクション16の下流端領域に配置されている。この例では、持ち上げ部分24は、回転方向に対称である。持ち上げ部分24の上流フランク24aの上流セクションは、比較的浅く傾斜している。この上流セクションは、より急勾配のセクションへ合流している。この急勾配のセクションの頂点では、持ち上げ部分24の上流フランク24aは、湾曲したセクション24s(頂点セクション)にわたって実質的に平面の傾斜へと合流し、この傾斜は、持ち上げ部分24の上流フランク24aの2つのセクションのうち急勾配のセクションよりも設計上はいくらか平らである。平面の傾斜は、持ち上げ部分24の下流フランク24bを形成する。上流フランク24aと下流フランク24bとの間の湾曲した頂点セクション24sは、流れの離脱を防止し、これは、混合装置10-4によって生成される対圧に役立つ効果を有している。
【0049】
持ち上げ部分の幾何学的形状が必要とされるように選択され得ることが理解される。互いに上述された幾何学的形状の個々の側面を結合することが是非とも可能である。また、持ち上げ部分の位置および/または数が、必要とされるように適合されることができる。
【0050】
図6は、排気ガスシステムのチャンバ26を示しており、該チャンバ26はまた、例えば音響室として機能することができる。チャンバ26は、ガス入口セクション28を有しており、このガス入口セクション28は、技術的な流れ態様において、酸化触媒ユニット30(例えば、DOC触媒)に接続されている。そして、触媒ユニット30から流れる排気ガスは、微粒子フィルタ32へ供給される。引き続いて、排気ガスは、偏向セクション34を介して混合装置10-5のガス案内セクション12に流れる。このガス案内セクション12は、噴射コーンSおよび加熱セクション16を生成する図示せぬインジェクタを有している。この領域では、少なくとも1つの持ち上げ部分がさらに設けられており、この持ち上げ部分は、ガス流れGへと突出している。しかし、上記少なくとも1つの持ち上げ部分は、明瞭の理由のために、図6に示されていない。例えば、混合装置10-5は、上述の任意の実施例に従って設計されることができる。
【0051】
混合装置10-5から出た後に、排気ガスは、別の偏向セクション34によってSCR触媒ユニット36へ流れる。そして、ここから出た排気ガスは、チャンバ26の内部に流入する。対応したガス出口38は、混合装置10-5が排気ガスによって少なくとも部分的に直接流されるように配置され、構成されている。従って、上記混合装置10-5の加熱は補助され、これは、内燃機関の低温始動時に特に有利である。
【0052】
出口38から出た排気ガスGは、排気ガスシステムの別の構成要素に接続されるチャンバ26のガス出口セクション40に、直接的に完全に流れることはない。この排気ガスの一部は、チャンバ26で分配され、二次流れGsecを形成し、この二次流れGsecはまた、外側から触媒30,32,36に熱を適用し、このため、触媒はその動作点にさらに迅速に到達する。
【0053】
図6を参照して説明された配置の他の利点は、混合装置10-5の加熱装置18の出力された熱Wが外部空間において使用されないで径方向外側に「立ち消え」しないことである。この熱は、チャンバ26のガス流Gの加熱に寄与し、これにより、構成要素全ての動作温度の速い到達が達成される。
【0054】
チャンバ26は、音響室としても作用することができ、音の放出に意図的に影響を及ぼす、特にその減衰のための構成要素を有することができる。
【0055】
図7は、混合装置10-6を示しており、混合装置10-6には、排気ガスがガス入口セクション28を通して供給される。排気ガス入口セクション28は、混合装置10-6の長手方向軸Lとほぼ直交するように配置されている。入口セクション28は、横方向の排気ガス流れが装置10-5の長手方向軸からオフセットされるようにさらに配置されている。
【0056】
装置10-6のガス案内セクション12は混合チャンバ42を有しており、該混合チャンバ42には、浸漬管44が突出している。排気ガスが導入される径方向間隙46が、混合チャンバ42の内壁と浸漬管44との間に設けられている。導入の横方向オフセットのために、間隙46のガス流れGは、軸方向成分を有するだけでなく、渦成分を有する。換言すれば、ガス入口セクション28とは反対に配置される混合チャンバの端部領域に配置された計量領域へ排気ガスが流入する前に、排気ガスは、浸漬管44の周囲において螺旋の形態で外側で流れる。ここで、渦により作用されるガス流れGは、図示せぬインジェクタによって噴射コーンSにより作用される。加熱装置が計量領域Eに配置されるので、加熱セクション16および計量領域Eは実質的に一致する。
【0057】
付加された尿素の蒸発を向上させるために、周囲方向に配置および分配され、かつ軸方向領域を有する持ち上げ部分(図示せず)は、加熱セクション16に設けられている。従って、渦により作用される排気ガスは、上記持ち上げ部分にわたって流れなければならない。この点では、図2を参照して最初に説明したのと実質的に同じ効果が生じる。
【0058】
排気ガスが入口セクション28から永久的に供給されるので、排気ガスがガス出口セクション40を介して混合装置10-6から出る前に、尿素によって作用され、かつ渦成分Dをさらに有する排気ガスが浸漬管44へと促される。そして、排気ガスは、SCR触媒ユニット36に供給される。
【0059】
別の混合装置10-7が図8を参照して説明される。ここでも、ガス入口セクション28は、いわゆるスクリュ入口として設計されることができ、これにより、ガス流れGは、渦によって最初に作用される。穴あき金属シート48または機能的に同様の流れ案内構成要素のために、ガス流れGは、該ガス流れGが1つの軸方向流れ成分のみを実質的に有するように整流される。本実施例では能動的に加熱されない計量領域Eでは、ガス流れGへの尿素水溶液の適用が生じる。この点では、排気ガスが装置10-7から浸漬管44を通してSCR触媒ユニット36へ反対方向に流れるため、流れの偏向が生じる。浸漬管44は、加熱装置18を有している。従って、装置10-7の加熱セクション16は浸漬管44で形成される。また、浸漬管44の周囲方向に延びることが好ましい少なくとも1つの持ち上げ部分が、加熱セクション16の領域に設けられる。
【0060】
また、尿素水溶液のより一層良好な蒸発を確実にするために、一般に、混合装置10-7の計量領域Eに他の加熱装置を配置することが可能である。そして、必要であれば、図7を参照して説明された軸方向の持ち上げ部分が、この領域に設けられることもできる。
【0061】
また、これにより、それぞれの混合装置の最も変更された位置に能動的な加熱がもたらされることができることが明らかとなるはずである。本発明によれば、最初に説明された相乗効果を達成するために、ガス流れへと突出する少なくとも1つの持ち上げ部分が少なくとも1つの加熱セクションに設けられることが必要不可欠であるだけである。しかし、最後に、どのように持ち上げ部分が正確に設計されるか、もしくは同じまたは異なる形式の複数の持ち上げ部分が設けられるかどうかは、それぞれの用途に基づいている。
【0062】
図9は、断面図としての別の混合装置10-8を示している。図の上側半部では、3つの加熱コイル18sを有した加熱装置18が示されている。併せて、加熱コイルは、能動的に加熱された加熱セクション16を画定する。
【0063】
加熱装置18の図示は、加熱セクション16の領域においてガス案内セクション12の設計をより良く認識することができるために、図9の下側部分では省略された。噴射コーンSの下流では、ガス案内セクション12は、第1持ち上げ部分自由セクション50-1を最初に有する。この第1持ち上げ部分自由セクションは、上流フランク24aを有した第1持ち上げ部分によって隣接されており、上流フランク24aは、第1の比較的急勾配なセクションと、第2のより浅く傾斜したセクションとを有している。持ち上げ部分24-1の下流フランク24bは、同様に比較的弱く傾斜している。真の断面収縮を最後に生じさせる第2持ち上げ部分24-2が続いている。第2持ち上げ部分24-2に続く第2持ち上げ部分自由セクション50-2が、持ち上げ部分自由セクション50-1よりも小さい直径を有している。持ち上げ部分自由セクション50-2の下流では、別の持ち上げ部分24-3が配置されており、この持ち上げ部分24-3は、比較的急勾配な上流フランク24aと、比較的平らな下流フランク24bとを有している。一方で、尿素フィルムの移行を抑制するために、他方で、同時に最適化された流れダイナミクスで尿素の良好な蒸発を達成するために、移行部24sは、細長くかつ湾曲している。
【0064】
持ち上げ部分24-3は、別の持ち上げ部分24-4によって直接に隣接されており、持ち上げ部分24-4は、比較的急勾配なセクションと、持ち上げ部分の上流フランク24aにおいて軸方向にいくらか長いが平らなセクションと、を有している。下流フランク24bは、比較的急勾配であり、幅広出口セクション40へ合流しており、幅広出口セクション40には、例えば排気ガスシステムの管状接続セクションが挿入されることができる。
【0065】
持ち上げ部分がシートの金属部の部分的な再成形によって製造される実施例とは対照的に、持ち上げ部分は、装置10-8の場合のガス案内セクション12の壁の材料の厚さを変更することによって形成される。より厚いセクションは、熱的により不活性であり、より多くの熱エネルギを蓄え、このため、ここで、導入された付加物の特に良好な蒸発が生じる。再成形によって製造されたビードおよび持ち上げ部分が固体材料から結合されることができることが理解される。
【符号の説明】
【0066】
10,10-1~10-8 混合装置
12 ガス案内セクション
14 インジェクタ
16 加熱セクション
18 加熱装置
18s 加熱コイル
20 尿素プロファイル
22 液滴
24,24-1~24-4 持ち上げ部分
24a 上流フランク
24s 頂点セクション
24b 下流フランク
26 チャンバ
28 ガス入口セクション
30 酸化触媒ユニット
32 微粒子フィルタ
34 偏向セクション
36 SCR触媒ユニット
38 ガス出口
40 ガス出口セクション
42 混合チャンバ
44 浸漬管
46 径方向間隙
48 穴あき金属シート
50-1,50-2 持ち上げ部分自由セクション
G 排気ガス流れ
L 長手方向軸
Gsec 二次流れ
S 噴射コーン
D 渦成分/渦
F フィルム
E 計量領域
W 熱流れ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に内燃機関の排気ガスシステム用の、ガス流れ(G)に液体付加物を導入および分配する混合装置であって、この混合装置は、
前記ガス流れを案内するガス案内セクション(12)と、
前記ガス案内セクションの計量領域に前記液体付加物を導入する計量装置(14)と、
前記ガス案内セクションの少なくとも1つの加熱セクション(16)を能動的に加熱する加熱装置(18)と、
を備え、
前記加熱セクションは、前記計量領域におよび/または前記計量領域の下流に配置され、前記ガス案内セクションは、前記ガス流れの流れに影響を及ぼすように前記ガス流れへと径方向に突出した少なくとも1つの持ち上げ部分(24,24-1~24-4)を、前記加熱セクションに備えることを特徴とする混合装置。
【請求項2】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の周囲方向に延び、特に、前記ガス流れ(G)の方向に見て互いに並んで配置される少なくとも2つの持ち上げ部分が設けられることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の軸方向に延び、特に、前記加熱セクション(16)の周囲方向に配置および分配される少なくとも2つの持ち上げ部分が設けられることを特徴とする請求項に記載の混合装置。
【請求項4】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、前記ガス流れの方向における少なくとも部分的な平面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項5】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、前記ガス流れの方向において少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項6】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)は、前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)よりも少なくとも部分的に急勾配であることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項7】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)の上流フランク(24a)および/または前記持ち上げ部分の下流フランク(24b)は、湾曲したセクション(24s)によって互いへと合流することを特徴とする請求項に記載の混合装置。
【請求項8】
前記持ち上げ部分(24)は、前記ガス案内セクション(12)の再形成プロセスによって製造され、特に、前記持ち上げ部分はビードであることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項9】
前記持ち上げ部分(24,24-1~24-4)は、前記ガス案内セクション(12)の壁の局所的に厚くなった部分によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項10】
前記ガス案内セクション(12)は、前記加熱セクション(16)において少なくとも第1持ち上げ部分自由セクション(50-1)および第2持ち上げ部分自由セクション(50-2)を有し、両者の間には、前記持ち上げ部分(24-1)が配置され、特に、前記第2持ち上げ部分自由セクションは、前記第1持ち上げ部分自由セクションよりも小さい断面を有することを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項11】
少なくとも1つの静止した混合機が、前記ガス流れ(G)に渦成分(D)を適用するように前記計量装置(14)の上流および/または下流に配置されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項12】
前記ガス案内セクション(12)は、混合チャンバ(24)を備え、該混合チャンバ(24)は、前記ガス案内セクションのガス入口(28)を有した第1端部領域と、該第1端部領域とは反対側に配置され、前記計量領域(E)を有した第2端部領域と、を備え、前記ガス案内セクションは、浸漬管(44)をさらに有し、該浸漬管(44)は、前記ガス案内セクションのガス出口(40)を形成し、前記第1端部領域から前記混合チャンバへと突出し、特に、前記混合チャンバの長手方向軸と、前記浸漬管の長手方向軸とは、平行に、好ましくは同軸に配置されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項13】
前記加熱装置(18)は、前記浸漬管(44)に配置されることを特徴とする請求項12に記載の混合装置。
【請求項14】
前記加熱装置(18)は、前記第2端部領域に配置されることを特徴とする請求項12に記載の混合装置。
【請求項15】
前記ガス入口(28)は、前記ガス流れ(G)が前記混合チャンバの長手方向軸を横切る、特に直交し、前記混合チャンバの長手方向軸から横方向にオフセットする方向に、前記混合チャンバ(42)に導入されることができるように、設計および配置されることを特徴とする請求項12に記載の混合装置。
【請求項16】
径方向間隙(46)が、前記混合チャンバ(42)と前記浸漬管(44)との間に設けられ、前記径方向間隙(46)を通して、ガスが前記第1端部領域から前記第2端部領域に流れ、特に、流れ案内装置(48)が前記径方向間隙に配置されることを特徴とする請求項12に記載の混合装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の混合装置を有する、内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置。
【請求項18】
前記混合装置は、少なくとも1つのSCR触媒ユニット(36)の下流に配置され、特に、少なくとも1つの微粒子フィルタユニット(32)および/または1つの酸化触媒ユニット(30)が、前記混合装置の上流に付加的に配置されることを特徴とする請求項17に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項19】
前記混合装置は、該混合装置が前記SCR触媒ユニットを出た排気ガスの少なくとも一部によって少なくとも部分的に作用されることができるように、前記SCR触媒ユニット(36)に関係したチャンバ(26)に配置されることを特徴とする請求項18に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項20】
前記SCR触媒ユニット(36)は、前記チャンバ(26)に配置されることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス浄化装置。
【外国語明細書】