(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024375
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】電気的非接触スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
H01H36/00 K
H01H36/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022124362
(22)【出願日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】21306088.2
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ、カスティージョ、ブエナベントゥラ
(72)【発明者】
【氏名】インディラ、プラカサム
【テーマコード(参考)】
5G046
【Fターム(参考)】
5G046AA01
5G046AB02
5G046AC10
5G046AC52
5G046AD03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造が容易な、簡素で低コストの電気的非接触スイッチを得る。
【解決手段】可動要素3は、強磁性材料で形成され、ハウジング2内に摺動可能に取り付けられる。可動要素3は、静止位置と係合位置との間でハウジング2に対して移動するように適合され、可動要素3は、静止位置に向かって弾性的に付勢される。可動要素3は、互いに離間した複数の磁化脚部4,6を備え、磁化脚部4,6の少なくとも一部は、ハウジング2内で摺動可能に案内される。磁界センサ7は、ハウジング2に固定され、複数の磁化脚部4,6に面するように配置される。磁界センサ7は、可動要素3が係合位置にあるときに磁化脚部4,6によって生成される磁界を検出するように構成される。可動要素3は、静止位置にあるときよりも係合位置にあるときのほうが磁界センサ7に近い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2,24)と、
強磁性材料で形成され、前記ハウジング内に摺動可能に取り付けられた可動要素(3,18)であって、静止位置と係合位置との間で前記ハウジングに対して移動するように適合され、前記静止位置に向かって弾性的に付勢され、互いに離間した複数の磁化脚部(4,5,6,16,19,21)を備え、前記磁化脚部の少なくとも一部が前記ハウジング内で摺動可能に案内される、可動要素と、
前記ハウジングに固定され、前記複数の磁化脚部に面するように配置された磁界センサ(7,14)であって、前記可動要素が前記係合位置にあるときに前記磁化脚部によって生成された磁界を検出するように構成され、前記静止位置にあるときより前記係合位置にあるときのほうが前記可動要素が前記磁界センサに近い、磁界センサと、
を備える、電気的非接触スイッチ(1,13,25)。
【請求項2】
前記複数の磁化脚部の脚部(4,5,6,16,19,21)が、前記可動要素の片側から平行に突出する、請求項1に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項3】
前記複数の磁化脚部が、前記複数の磁化脚部のうちの少なくとも1つの脚部が他の前記複数の磁化脚部と逆方向に磁化されるように、磁化される、請求項1又は2に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項4】
前記複数の磁化脚部が、2つの側脚部(47,46)と前記2つの側脚部の間の中央脚部(45)とを備え、前記中央脚部が、前記2つの側脚部と逆方向に磁化される、請求項2又は3に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項5】
前記2つの側脚部の各々が、横方向外側に突出するフック(26,29)によって終端される、請求項4に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記可動要素を摺動可能に案内するスロット(27,28)を備え、前記側脚部が、前記スロットにスナップ嵌めされ、前記スロットに属する当接部(17,20)と協働する前記フックによって前記スロット内に保持される、請求項5に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項7】
前記スイッチが、前記複数の磁化脚部と前記磁界センサとの間に少なくとも部分的に配置された弾性要素(9,22)をさらに備え、前記弾性要素が、前記可動要素を前記静止位置に向かって弾性的に付勢し、前記静止位置から前記係合位置への前記可動要素の移動を抑制するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項8】
前記弾性要素が、圧縮型コイルばね(22)である、請求項7に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項9】
前記可動要素が、アニール処理された半硬質強磁性金属又は硬質強磁性金属で形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項10】
前記アニール処理された強磁性金属が、コバルト系金属である、請求項9に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項11】
前記磁界センサが、ホール効果センサ又は磁気抵抗センサを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項12】
前記磁界センサが、ホール効果スイッチである、請求項11に記載の電気的非接触スイッチ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の電気的非接触スイッチ(1,13,25)用の可動要素(3,62,66)を製造する方法(65)であって、
強磁性材料で形成され、互いに離間した複数の脚部(16,19,21)を備える前記可動要素を提供すること(66)と、
前記脚部のうちの1つに磁石(37)を当接させることによって可動要素を磁化すること(67)と、
を含む方法。
【請求項14】
前記複数の磁化脚部が、2つの側脚部(46,47)と、前記2つの側脚部の間の中央脚部(45)とを含み、前記脚部を磁化することが、前記磁石を前記中央脚部のみに当接させることによって実施される、請求項13に記載の可動要素を製造する方法。
【請求項15】
前記磁石が、永久磁石であり、前記可動要素が、アニール処理された半硬質強磁性金属又は硬質強磁性金属で形成される、請求項13又は14に記載の可動要素を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、押しボタン及びセレクタに適した磁気ベースの非接触スイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションでは、必ずしも従来技術ではないが、本開示に関連している背景情報を記載する。
【0003】
従来、スイッチング装置は機械的に制御される接点を利用するが、そのような接点は、一定回数の動作後に摩耗し、スイッチング装置の寿命を制限する。また、機械的に制御される接点は、湿度の侵入にさらされて早期に劣化するため、そのようなスイッチング装置は、高湿度環境での動作には適さない。
【0004】
技術の進歩に伴い、スイッチング装置の機械的に制御される接点は、磁界又は電界によって制御される非接触固体スイッチに徐々に置き換えられてきた。場合によっては、そのような非接触固体スイッチは、スイッチング制御のための磁界源を提供するために永久磁石を利用する。スイッチング装置の中~大量生産で従来の永久磁石を磁界源として利用することは、永久磁石の取り扱い及び組立てにおける課題に起因する製造上の欠点があり、全体的な製品コストを押し上げる。
【0005】
したがって、製造が容易な、簡素で低コストの非接触スイッチング装置を有することが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、電気的非接触スイッチに関する。電気的非接触スイッチは、ハウジングと、磁界センサと、可動要素とを備える。可動要素は、強磁性材料で形成され、ハウジング内に摺動可能に取り付けられる。可動要素は、静止位置と係合位置との間でハウジングに対して移動するように適合されている。可動要素は、静止位置に向かって弾性的に付勢される。可動要素は、互いに離間した複数の磁化脚部を備え、磁化脚部の少なくとも一部は、ハウジング内で摺動可能に案内される。
【0007】
磁界センサは、ハウジングに固定され、複数の磁化脚部に面するように配置される。磁気センサは、可動要素が係合位置にあるときに磁化脚部によって生成される磁界を検出するように構成される。可動要素は、静止位置にあるときより係合位置にあるときのほうが磁界センサに近い。
【0008】
また、複数の磁化脚部の脚部が可動要素の片側から平行に突出してもよい。
【0009】
また、複数の磁化脚部は、複数の磁化脚部のうちの少なくとも1つの脚部が他の複数の磁化脚部と逆方向に磁化されるように、磁化されてもよい。
【0010】
また、複数の磁化脚部が2つの側脚部と該2つの側脚部の間の中央脚部とを備えてもよく、中央脚部は2つの側脚部と逆方向に磁化される。
【0011】
また、2つの側脚部の各々が、横方向外側に突出するフックによって終端されてもよい。
【0012】
また、ハウジングが可動要素を摺動可能に案内するスロットを備え、側脚部が、スロットにスナップ嵌めされ、スロットに属する当接部と協働するフックによってスロット内に保持されてもよい。
【0013】
また、スイッチが、複数の磁化脚部と前記磁界センサとの間に少なくとも部分的に配置された弾性要素をさらに備えてもよく、弾性要素は、可動要素を静止位置に向かって弾性的に付勢し、静止位置から係合位置への可動要素の移動を抑制するように構成されてもよい。
【0014】
また、弾性要素が圧縮型コイルばねであってもよい。
【0015】
また、可動要素が、アニール処理された半硬質強磁性金属又は硬質強磁性金属で形成されてもよい。
【0016】
また、アニール処理された強磁性金属がコバルト系金属であってもよい。
【0017】
また、可動要素が厚さ1mm~3mmのプレート形状を有してもよい。
【0018】
また、磁界センサは、ホール効果センサ又は磁気抵抗センサを含み得る。
【0019】
さらなる態様は、上に定義した電気的非接触スイッチ及び/又はその代替物のための可動要素を製造する方法に関する。この方法は、強磁性材料で形成され、互いに離間した複数の脚部を備える可動要素を提供することと、脚部のうちの1つに永久磁石を当接させることによって脚部を磁化することとを含む。
【0020】
複数の磁化脚部が、2つの側脚部と、該2つの側脚部の間の中央脚部とを含んでもよく、脚部の磁化が、磁石を中央脚部のみに当接させることによって実施されてもよい。
【0021】
また、磁石が永久磁石であってもよく、可動要素がアニール処理された半硬質強磁性金属又は硬質強磁性金属で形成されてもよい。
【0022】
さらなる適用領域は、本明細書の説明から明らかになるであろう。発明の概要における説明及び具体的な実施例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0023】
本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例として与えられるその実施形態のいくつかの以下の詳細な説明から、及び、添付の図面を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】電気的非接触スイッチの第1の実施形態を示す図である。
【
図2】係合位置にある、電気的非接触スイッチの第2の実施形態を示す図である。
【
図3】静止位置にある、電気的非接触スイッチの第2の実施形態を示す図である。
【
図6】磁界センサ近傍の磁化後の可動要素を示す例示的な図である。
【
図8】電気的非接触スイッチ用の可動要素を製造するための方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
上記の概要及び特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、より深く理解されるだろう。本明細書で使用される場合、単数形で記載された、「a」又は「an」という単語に続く要素又はステップは、複数の要素又はステップを除外すると明示的に記載されていない限り、そのような除外を行わないと理解されるべきである。また、「一実装形態(one embodiment)」への言及は、記載される機能も組み込んだ追加の実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。さらに、そうでないことが明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つ又は複数の要素を「備える」又は「有する」実施形態は、その特性を有しない追加の要素を含み得る。
【0026】
図中、同じ参照符号は、特に明記しない限り、同一又は類似の要素を示す。図面では、説明の便宜上及び明瞭化のために、各要素又は要素を構成する特定の部分の大きさが誇張されたり、省略されたり、概略的に示されたりしている。したがって、各構成要素のサイズが実際のサイズを全く反映しない場合がある。関連する公知の構成又は機能に関する詳細な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、そのような説明を省略する
図1には、電気的非接触スイッチ1の第1の実施形態が示されている。第1の実施形態は、ハウジング2と、可動要素3と、磁界センサ7とを備える。可動要素は、矢印12で示されるように、静止位置と係合位置との間でハウジングに対して移動し得る。可動要素は、ハウジング2内のスロット11、10内で摺動することができる。可動要素3は、間に間隙5を有することによって互いに離間している複数の磁化脚部4及び6を形成し得る複数の磁化突出部を有し得る。
図1に示されているのは、複数の磁化脚部である2つ脚部であるが、可動要素3は3つ以上の脚部を有してもよい。磁化脚部4及び6は、可動要素3の片側から平行に突出してもよい。磁界センサ7は、ハウジングに固定され、複数の磁化脚部4及び6に面するように配置されてもよい。磁界センサ7は、ハウジング2に装着(不図示)され得るプリント回路基板8に結合されてもよい。磁界センサ7は、可動要素3が係合位置にあるときに、複数の磁化脚部4,6によって生成された磁界を検出する。可動要素3は、静止位置にあるときよりも係合位置にあるときのほうが磁界センサ7に近い。磁界センサ14は、ホール効果センサ又は磁気抵抗センサを備えてもよい。磁界センサ14はホール効果スイッチであってもよい。可動要素は、複数の磁化脚部4及び6と磁界センサ7との間に少なくとも部分的に配置され得る弾性要素9を介して静止位置に向かって弾性的に付勢される。弾性要素9は、静止位置から係合位置への可動要素の動きに抑制してもよい。弾性要素9は、エラストマ製であってもよく、様々な形状を有し得る。
【0027】
図2及び
図3は、電気的非接触スイッチ13,25の第2の実施形態を示す。
図2は、係合位置にある電気的非接触スイッチ13の第2の実施形態を示し、
図3は、静止位置にある電気的非接触スイッチ13の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、ハウジング24、可動要素18と、磁界センサ14とを備える。可動要素は、矢印30で示されるように、静止位置と係合位置との間でハウジングに対して移動し得る。可動要素18は、間に間隙を有することによって互いに離間している複数の磁化脚部16、19、及び21を形成し得る複数の磁化突出部を有してもよい。
図2及び
図3に示す可動要素18は3つの脚部を有するが、可動要素は3つ以外の数の脚部を有してもよい。磁化脚部16,19,及び21は、可動要素18の片側から平行に突出してもよい。可動要素18は、2つの側脚部16,21と、2つの側脚部の間に位置する中央脚部19とを有してもよい。2つの側脚部16、21の各々は、
図3に示すように横方向外側に突出するフック29及び26によって終端してもよい。ハウジング24は、可動要素18が摺動可能に案内されるスロット28、27を有してもよい。側脚部16と21は、スロットにスナップ嵌めされ、スロットに属する当接部20,17と協働するフック26、29によってスロット内に保持されてもよい。
【0028】
磁界センサ14は、ハウジングに固定され、複数の磁化脚部16、19、及び21に面するように配置されてもよい。磁界センサ14は、ハウジング24に装着(不図示)され得るプリント回路基板15に結合されてもよい。磁界センサ14は、可動要素18が係合位置23にあるときに、複数の磁化脚部16、19、及び21によって生成された磁界を検出する。可動要素18は、静止位置にあるときよりも、間隙として示される係合位置23にあるときのほうが磁界センサ14に近くてもよい。磁界センサ14は、ホール効果センサ又は磁気抵抗センサを備えてもよい。磁界センサ14はホール効果スイッチであってもよい。
【0029】
可動要素18が係合位置23にあるとき、複数の磁化脚部16,19、及び21によって生成された磁界の感知に冗長性を持たせるために、ハウジングに固定された複数の磁界センサがあってもよい。例えば、追加の磁界センサ31を同じプリント回路基板15に結合してもよい。プリント回路基板15は、片面又は両面プリント回路基板15であってもよく、磁界センサ14は、プリント回路基板15の片側にはんだ付けされてもよい。追加の磁界センサ32は、有利には、プリント回路基板15の、第1の磁界センサ14とは反対の側に結合されてもよい。両方の磁界センサ14、32は、可動要素18が係合位置23に移動すると複数の磁化脚部16。19.及び21によって生成される磁界を両方の磁界センサが検出するように、間にプリント回路基板のみを有する実質的に同じ位置に配置されてもよい。両方の磁界センサは、同一のセンサから構成されてもよいし、異なるタイプのセンサ、例えばホール効果センサと磁気抵抗センサとから構成されてもよい。
【0030】
プリント回路基板15は、限定はしないが、処理及び/又は保護回路、通信及び/又は接続回路などの他の電子部品13を担持してもよい。
【0031】
可動要素18は、複数の磁化脚部16、19、及び21と磁界センサ7との間に少なくとも部分的に配置され得る弾性要素22を介して、静止位置に向かって弾性的に付勢されてもよい。弾性要素22、静止位置から係合位置への可動要素の動きに抑制してもよい。
図2及び
図3に示す弾性要素22は、圧縮型コイルばねであってもよい。ただし、他のタイプの弾性要素が使用されてもよい。そのような弾性要素の非限定的な例は、様々な形状を有するエラストマ、板ばね、渦巻きばね、引っ張りばねなどであってもよい。
【0032】
可動要素18は、強磁性材料で形成されていてもよい。強磁性材料は金属であってもよい。金属は、半硬質又は硬質強磁性金属であってもよい。金属は、コバルト系金属で形成されていてもよい。可動要素18は、最初は磁化されていなくてもよい。半硬質又は硬質強磁性金属は、例えば、25~700A/mの保磁力Hcを有する材料から選択されてもよい。強磁性材料は、金属シート又は金属プレートの形状であってもよい。強磁性材料は、延性で、スタンピング又はパンチングによって可動要素を製造するのに適したものであってもよい。そのようなタイプの生産の利点の1つは、可動要素の低コスト生産である。そのような製造の別の利点は、磁化されていない金属シートから打ち抜かれたときの可動要素によってその輸送と取り扱いを簡素化することである。一般に、延性は、塑性変形に屈しない及び/又は耐える能力を表す材料特性に関連している。
【0033】
金属シート又は金属プレートで形成される場合、可動要素18は、そのようなプレート形状63の可動要素62の例示的な斜視図を示す
図7に描かれているように、1mm~3mmの間に含まれる厚さを備えるプレート形状を形成してもよい。スタンピング又はパンチングにより、例えば可動要素62の脚部を終端させる突起61などの造作の生成が可能となる。可動要素はまた、例えば金属射出成形を介して例えば粉末プレスされた金属から別の方法によって形成されてもよいし、異なるタイプの金属アディティブ製法又は金属サブトラクティブ製法を含む他の方法によって形成されてもよい。
【0034】
可動要素18が成形されたら、熱処理を実行してもよい。熱処理は、アニール処理であってもよい。アニール処理の利点の1つは、アニール処理前よりも可動要素18の強磁性材料を硬くすることであり、アニール処理された状態では、可動要素18の強磁性材料が、はっきりした堅牢で再現性のある磁気特性を示し得る。
【0035】
図4、
図5、及び
図8は、2つの実施形態のいずれかに記載された可動要素18の例示的な磁化プロセスを示す。
図4は、最初は非磁化状態にある可動要素18と、永久磁石37によって構成されてもよい磁界36の源とを示す。あるいは、磁界源は電磁石(不図示)であってもよい。永久磁石37は、その第1の端部38にS極の磁極を有し、第1の端部38とは反対側の第2の端部にN極の磁極を有してもよい。
【0036】
永久磁石37の第1の端部38は、可動要素18の中央脚部19の端部39に面するようにセットされてもよい。
図5に示すように、永久磁石の第1の端部38は、可動要素18の中央脚部45の端部39に向かって
図4の矢印40の方向に、永久磁石37の第1の端部38が可動要素48の中央脚部45の端部39に当接するまで、移動され得る。その結果、可動要素48は、永久磁石37によって生成された永久磁石の磁界36によって磁化されてもよい。このような磁化作の利点の1つは、その簡素さと、自動工業プロセスにさせる能力にある。
【0037】
脚部の磁化は、磁石を中央脚部のみに当接67させることによって行われてもよい。すると、磁力線は可動要素48の側脚部46,47を通過して、可動要素48の中央脚部45を通って磁気回路を閉じることができる。したがって、磁化された可動要素48の中央脚部45は、磁化された可動要素48の側脚部46、47と逆方向に磁化され得る。
図4及び
図5に示すように、永久磁石の第1の端部38が南磁極を有する場合、磁化された可動要素48の中央脚部45は北磁極として磁化され、側脚部は南磁極を有するように磁化され得る。
【0038】
図6は、上述したように、永久磁石37を可動要素48の中央脚部45のみに当接67させることによって可動要素48が磁化されるときに生成され得る磁力線を示している。磁力線51は、次いで、磁化された可動要素48の中央脚部45から側脚部46及び47に流れ得る。可動要素48の中央脚部45と各側脚部46、47との間の間隙52、53を通って流れる磁力線は、磁界センサ14を介して中央脚部45と各側脚部46、47との間を閉じる磁力線51よりも、高密度であり得る。
【0039】
可動要素48のこのような平坦で集束した形状の利点の1つは、コンパクトなサイズでありながら堅牢な電気的非接触スイッチを設計できることである。
【0040】
上記の説明は例示を意図しており、限定を意図していないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用してもよい。また、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の様々な実施形態の教示に特定の状況又は材料を適合させるために、多くの改変を行うことができる。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施形態は決して限定のためのものではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を精査することによって、当業者には他の多くの実施形態例が自明であろうしたがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲とともに、それら特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」という語は、それぞれ「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語に相当する平易な英語の同等語として使用される。さらに、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」等の用語は、単に符号として使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。
【0041】
本明細書では、最良の形態を含む本開示の様々な実施形態を開示するために、また、いかなる当業者にも、任意のデバイス又はシステムの作製及び使用、並びに包含された任意の方法の実施を含む本開示の様々な実施形態の実施を可能にするために、実施例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。そのような他の例は、その例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又はその例が特許請求の範囲の文言とのごくわずかな相違しか有しない同等の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【外国語明細書】