(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024392
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】車両用の給電制御方法、車両、制御ユニット及び媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20230209BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230209BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
H02J1/00 306B
H02J1/00 306L
H02J7/00 P
H02J7/00 S
B60R16/02 645D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125284
(22)【出願日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】202110902736.8
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Smart Media
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】何小康
(72)【発明者】
【氏名】計平元
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165BB10
5G165BB11
5G165CA01
5G165GA09
5G165HA01
5G165HA07
5G165HA17
5G165JA07
5G165KA02
5G165LA01
5G165MA10
5G165NA10
5G165PA05
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503DA04
5G503EA02
5G503EA09
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA16
5G503FA17
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両用の給電制御方法、車両、制御ユニット、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両は、電気機器、リレー及び電源インターフェースを含み、電源インターフェースは、リレーを介して電気機器に電気的に接続される。方法は、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することと、電源インターフェースに外部電源が投入されていることに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することと、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレーを閉じるように制御することと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の給電制御方法であって、
前記車両は、電気機器、リレー及び前記リレーを介して前記電気機器に電気的に接続された電源インターフェースを含み、前記方法は、
前記電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することと、
前記電源インターフェースに外部電源が投入されていることに応えて、前記外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することと、
前記外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、前記リレーを閉じるように制御することと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記車両は、エンジンをさらに含み、
前記方法は、
前記リレーを閉じるように制御した後、前記エンジンが作動状態にあるか否かを決定することと、
前記エンジンが作動状態にあることに応えて、エンジンを停止することを指示するように命令を送信することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両は、前記リレーと前記電気機器との間に位置する配電モジュールをさらに含み、
前記方法は、
前記リレーを閉じるように制御した後又はそれと同時に、前記配電モジュールが前記外部電源からの電力を前記電気機器に配分するように制御することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両は、エンジン、制御ユニット、配電モジュール、バッテリー及び発電機をさらに含み、前記配電モジュールは、前記リレーと前記電気機器との間に位置し、
前記方法は、
前記制御ユニットがアクティブ化されることに応えて、前記エンジンが起動しているか否かを決定することと、
前記エンジンが起動していることに応えて、前記配電モジュールが前記バッテリー又は発電機からの電力を前記電気機器に配分するように制御することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記車両は、エンジン及び制御ユニットをさらに含み、
前記方法は、
前記制御ユニットがアクティブ化されることに応えて、前記エンジンが起動しているか否かを決定することをさらに含み、
前記電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することは、
前記エンジンが起動していないことに応えて、前記電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記外部電源の電圧が前記所定の範囲内にないことを決定することに応えて、電圧異常を提示するように命令を送信することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記車両は、前記リレーと前記電気機器との間に位置する配電モジュールをさらに含み、
前記方法は、
前記リレー及び前記配電モジュールの電圧及び電流が故障したことを指示するか否かを決定することと、
前記リレー及び/又は前記配電モジュールの電圧及び/又は電流が故障したことを指示することに応えて、
前記リレーを切断するように制御する操作、及び
前記配電モジュールが電力を前記電気機器に配分することを停止するように制御する操作のうちの少なくとも1つを実行することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記故障に対応する情報を記憶することをさらに含み、前記故障は、過電圧故障と低電圧故障のうちの1つを含む電圧故障及び過電流故障を含む電流故障のうちの少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電圧又は電流が所定の持続時間で所定の範囲にある場合、故障の発生を指示する、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記電気機器は、センサ、車載通信機器及びコンピューティング装置のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記リレーは、前記電源インターフェースに電気的に接続された第1端と、前記電気機器に電気的に接続された第2端と、を含み、
前記電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定することに応えて、前記外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することは、
前記電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定することに応えて、前記リレーの第1端上の電圧の検出を開始することと、
前記リレーの第1端上の電圧が前記所定の範囲内にあるか否かを判断することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電気機器と、
リレーと、
前記リレーを介して前記電気機器に電気的に接続された電源インターフェースと、
制御ユニットと、を含む車両であって、前記制御ユニットは、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのメモリと、を含み、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセ
ッサによって実行される時、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~11のいず
れか1項に記載の方法を実行させる命令が記憶されている、
車両。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのメモリと、を含む制御ユニットであって、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令が記憶されている、
制御ユニット。
【請求項14】
プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記命令が制御ユニットのプロセッサによって実行される時、前記制御ユニットに請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行させる、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実現する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御技術分野に関し、特に車両給電制御技術分野に関し、具体的には、車両用の給電制御方法、車両、制御ユニット、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が駐車状態にある時も、車両内の電気機器は動作する必要がある場合がある。この場合、電気機器は通常、車両内の車両電源により電力が供給され、即ち、車両内のエンジン又はバッテリーにより電力が供給される。しかし、エンジンにより電力が供給されると、駐車時にエンジンが継続的に作動状態にある必要があり、これにより、車両の駐車場(特に、屋内駐車場)の環境汚染を招く。バッテリーにより電力が供給されると、バッテリーが過剰に放電し、車両を再起動できなくなる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、車両用の給電制御方法を提供する。その中で、車両は、電気機器、リレー及びリレーを介して電気機器に電気的に接続された電源インターフェーを含む。この方法は、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することと、電源インターフェースに外部電源が投入されていることに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することと、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレーを閉じるように制御することと、を含む。
【0004】
本開示の別の態様によれば、電気機器と、リレーと、リレーを介して電気機器に電気的に接続された電源インターフェースと、制御ユニットと、を含む車両を提供する。制御ユニットは、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定し、電源インターフェースに外部電源が投入されていることに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定し、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレーを閉じるように制御するように配置されている。
【0005】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、を含む制御ユニットを提供する。メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、少なくとも1つのプロセッサに本開示に記載の方法を実行させる命令が記憶されている。
【0006】
本開示の別の態様によれば、プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。その中で、命令が制御ユニットのプロセッサによって実行される時、制御ユニットに本開示に記載の方法を実行させる。
【0007】
本開示の別の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラムを提供する。その中で、上記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、本開示に記載の方法を実現する。
【0008】
本開示の1つ又は複数の実施例によれば、エンジン又はバッテリーからの電力を使用する必要がなく、外部電源を使用して電気機器に電力を供給する。
【0009】
この部分で説明される内容は、本開示の実施例にかかる肝心又は重要な特徴を特定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定するものでもないことが理解されるべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書から容易に理解される。
【0010】
図面は、例示的に実施例を示して明細書の一部を構成しており、明細書の文字記載とともに実施例の例示的な実施形態を説明する。示されている実施例は、例示のみを目的とするものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。全ての図面において、同じ符号は類似しているが必ずしも同一ではない要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施例による車両給電システムの構造ブロック図を示す。
【
図2】例示的な実施例による車両用の給電制御方法のフローチャートを示す。
【
図3】例示的な実施例による車両用の給電制御方法のフローチャートを示す。
【
図4】例示的な実施例による車両用の給電制御方法のフローチャートを示す。
【
図5】例示的な実施例による車両の構成ブロック図を示す。
【
図6】例示的な実施例による制御ユニットの構成ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して本開示の例示的な実施例について説明し、その中で、理解を容易にするために本開示の実施例の様々な詳細が含まれ、それらが単なる例示的なものであると考慮されるべきである。従って、本開示の範囲から逸脱することなく、ここで説明される実施例の様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者に認識されるべきである。同様に、分かりやすく、簡潔にするために、以下の説明において、公知の機能と構造の説明が省略されている。
【0013】
本開示において、特に説明がない限り、「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明することは、これらの要素の位置関係、時系列関係又は重要性関係を制限することを意図せず、そのような用語は、あるエレメントを別のエレメントと区別するためにのみ使用されている。幾つかの例において、第1要素と第2要素は、当該要素の同じ例を指し得るが、特定の場合において、文脈の記述に基づいて異なる例も指し得る。
【0014】
本開示において、記載される様々な例の説明で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的とするものであり、限制することを意図するものではない。文脈で明確に別段の指示がない限り、要素の数が明示的に制限されていない場合、当該要素は1つであってもよく、複数であってもよい。また、本開示で使用される「及び/又は」という用語は、挙げられたオブジェクトの何れか1つ及び全ての可能な組み合わせをカバーする。
【0015】
車両が駐車状態にある時も、車両内の電気機器(例えば、車両の自動運転システム)は動作する必要がある場合がある。車両内のエンジン又はバッテリーを使用して電気機器に電力を供給することができる。しかし、エンジンを使用して電気機器に電力を供給すると、車両の駐車場の環境汚染を招く。バッテリーを使用して電気機器に電力を供給すると、バッテリーが過剰に放電する場合がある。
【0016】
従って、本開示は、車両用の給電制御方法を提供する。その中で、車両は、電気機器、リレー及びリレーを介して電気機器に電気的に接続された電源インターフェーを含む。この方法は、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することと、電源インターフェースに外部電源が投入されていることに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することと、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレーを閉じるように制御することと、を含む。
【0017】
図1は、例示的な実施例による車両給電システム100の構成ブロック図を示す。その中で、信号接続は破線で示され、電力接続は実線で示されている。
【0018】
図1に示すように、車両給電システム100は、車両110及び車両110に電力を供給する外部電源120を含む。
【0019】
幾つかの実施例によれば、車両110は、電気機器111、リレー112、電源インターフェース113及び制御ユニット114を含む。その中で、電源インターフェース113は、リレー112を介して電気機器111に電気的に接続される。車両110が駐車状態にある時、電源インターフェース113を介して外部電源120を投入することで、電気機器113に電力を供給することができる。例えば、外部電源120の電源プラグ121を電源インターフェース113に挿入することで、外部電源120の充電パイル122は電源インターフェース113を介して電気機器111に電力を供給する。
【0020】
幾つかの実施例によれば、電気機器は、自動運転システムを含み、自動運転システムは、センサ、車載通信機器及びコンピューティング装置のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0021】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット114は、電源インターフェース113の状態を検出することができ(例えば、電源インターフェース113に外部電源が投入されているか否かを検出する)、それにより、外部電源120を使用して電気機器111に電力を供給するか否かを制御する。幾つかの実施例によれば、制御ユニット114は、電源インターフェース113に外部電源120が投入されているか否かを決定し、電源インターフェース113に外部電源120が投入されていることに応えて、外部電源120の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定し、外部電源120の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレー112を閉じるように制御するように配置されている。
【0022】
幾つかの実施例によれば、電源プラグ121及び電源インターフェース113には、いずれも導電体を有し、電源プラグ121を電源インターフェース113に挿入する時、電源プラグ121は、電源インターフェース113内の対応する導電体と接触し、それにより、電源プラグ121と電源インターフェース113との電気的接続を実現する。電源プラグ121を電源インターフェース113に挿入する過程において、電源プラグ121と電源インターフェース113内の対応する導電体との接触面積は徐々に増加し、この期間中に電源プラグ121と電源インターフェース113との間の電気的接続は不安定である。従って、システムの安全性を確保するために、本願の幾つかの実施例において、電源プラグ121と電源インターフェース113との電気的接続が安定した後、即ち、電源プラグ121と電源インターフェース113内の対応する導電体との接触面積が変化しなくなる時、電源インターフェース113は制御ユニット114に電源投入信号を送信し、制御ユニット114は電源インターフェース113の電源投入信号を受信し、電源インターフェース113に外部電源120が投入されていることを決定する。
【0023】
幾つかの実施例によれば、車両110は燃料車両である。車両110は、エンジン、バッテリー及び発電機(
図1に示されていない)をさらに含んでもよい。発電機はエンジンにより駆動されることで、エンジンからの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを制御ユニット及び電気機器に供給し、発電機はバッテリーに電気エネルギーを供給することもできる。
【0024】
図2は、例示的な実施例による車両用の給電制御方法200のフローチャートを示す。幾つかの実施例によれば、方法200は、
図1に示される車両100内の制御ユニット114によって実行されてもよい。
【0025】
ステップS201において、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS203に進む。別の幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていないことを決定すること(「NO」)に応えて、戻してステップS201を実行する。
【0026】
幾つかの実施例によれば、電源インターフェースからの電源投入信号を受信したか否かを検出することにより、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することができる。例えば、電源インターフェースに外部電源の電源プラグが投入される時、電源インターフェースは電源投入信号を生成する。
【0027】
別の幾つかの実施例によれば、電源インターフェースの電圧を検出することにより、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定することができる。例えば、電源インターフェースの電圧がゼロではないと検出した時、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定する。
【0028】
幾つかの実施例によれば、車両が駐車状態にあることを検出した(例えば、車両が一定の期間で移動していないと検出した)時、且つ電気機器が動作する必要がある時、エンジン又はバッテリーを継続的に使用して電気機器に電力を供給することを回避するために、外部電源を投入するようにユーザーに提示する。
【0029】
ステップS203において、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定する。
【0030】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS205に進む。
【0031】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定すること(「NO」)に応えて、方法200を終了する。別の幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定すること(「NO」)に応えて、電圧異常を提示するように命令を送信する。例えば、通信バス(例えば、CAN(Controller Area Network、コントローラエリアネットワーク)バス)を介して車両の出力装置(例えば、表示装置又はスピーカー)に電圧異常のメッセージを送信することで、出力装置はユーザーに電圧異常を提示する。例えば、表示装置に電圧異常を提示するメッセージが表示されるか、又はスピーカーにより電圧異常を提示するメッセージが放送される。ここでの所定の範囲は、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて設定することができる。
【0032】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にない時、制御ユニットは、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の出力電圧を調整することができる。1つの例において、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の所望出力電圧を計算することができ、次に出力装置に当該所望出力電圧を表示することで、作業者は当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整する。別の例において、制御ユニットは、車両の通信システムを介して外部電源120と通信し、当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整することができる。当該車両の通信システムは、車両に1つ又は複数の機器又は周辺の他の車両と通信する方式を提供することができる。
【0033】
例示的な一実施例において、通信システムは、直接に、又は通信ネットワークを介して外部電源120と通信することができる。通信システムは、例えば、無線通信システムであってもよい。例えば、通信システムは、3Gセルラ通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラ通信(例えば、WiMAX又はLTE)を利用してもよく、5Gセルラ通信を利用してもよい。選択的に、通信システムは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる(例えば、WIFI(R)を利用する)。幾つかの実施例において、通信システムは、例えば、赤外線、ブルートゥース(R)、又はZIGBEEを利用して、外部電源120と直接通信することができる。各種の車載通信システムなどの他の無線プロトコルも、本願の開示範囲内にある。例えば、通信システムは、外部電源120と公的又は私的データ通信を行う1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置又はV2X(Vehicle to Everything)装置を含むことができる。
【0034】
幾つかの実施例によれば、電源インターフェースの電圧又はリレーが電源インターフェースにされた電圧を検出することで、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定する。外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することによって、外部電源の電圧異常により、電気機器に正常に電力を供給できないか、又は電気機器を損傷することを防止する。当該所定の範囲は、発電機の給電電圧(発電機電圧とも呼ばれる)の範囲と同じであってもよい。1つの例において、車両のバッテリー(
図5を参照)の給電電圧は24V、発電機電圧は27V~28V、当該所定の範囲は27V~28Vである。本願の後述では、特に説明がない限り、所定の範囲を27V~28Vとして説明する。当業者は、当該所定の範囲、バッテリーの給電電圧及び発電機電圧が他の値又は範囲であってもよいことを理解することができる。
【0035】
幾つかの実施例によれば、リレーは、電源インターフェースに電気的に接続された第1端と、電気機器に電気的に接続された第2端と、を含む。その中で、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定することに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定することは、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定することに応えて、リレーの第1端上の電圧の検出を開始することと、リレーの第1端上の電圧が所定の範囲内にあるか否かを判断することと、を含む。
【0036】
ステップS205において、リレーを閉じるように制御する。
【0037】
幾つかの実施例によれば、リレーを閉じるように制御した後、外部電源は電源インターフェース及びリレーを介して電気機器に電力を供給する。幾つかの実施例によれば、車両の出力装置に外部電源が投入されているメッセージを送信することで、外部電源が投入されていることをユーザーに提示する。
【0038】
本開示の実施例に記載の給電制御方法において、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定する時、且つ外部電源の電圧が所定の範囲内にある時、電気機器と電源インターフェースとの間のリレーを閉じるように制御することで、車両の発電機又はバッテリーからの電力を使用する必要がなく、外部電源を使用して電気機器に電力を供給する。
【0039】
幾つかの実施例によれば、車両用の給電制御方法は、リレーを閉じるように制御した後、エンジンが作動状態にあるか否かを決定することと、エンジンが作動状態にあることに応えて、エンジンを停止することを指示するように命令を送信することと、をさらに含む。
【0040】
本願の実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にある時、リレーが閉じてエンジンを停止した後、外部電源により制御ユニットに電力が供給され、配電モジュール上の電力も外部電源により供給されると同時に、外部電源はバッテリーに充電することもできる。
【0041】
図3は、例示的な実施例による車両用の給電制御方法300のフローチャートを示す。車両は、例えば、燃料車両であってもよく、車両のエンジンはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン又はハイブリッドエンジンであってもよい。幾つかの実施例によれば、方法300は、
図1に示される車両100内の制御ユニット104によって実行されてもよい。
【0042】
ステップS301において、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS303に進む。別の幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていないことを決定すること(「NO」)に応えて、戻してステップS301を実行する。
【0043】
幾つかの実施例によれば、ステップS301は、例えば、
図2のステップS201と類似するように実施されてもよい。
【0044】
ステップS303において、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS305に進む。幾つかの別の実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定すること(「NO」)に応えて、方法300を終了する。
【0045】
別の幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定することに応えて、電圧異常を提示するように命令を送信する。例えば、通信バス(例えば、CANバス)を介して車両の出力装置(例えば、表示装置又はスピーカー)に電圧異常のメッセージを送信することで、出力装置はユーザーに電圧異常を提示する。例えば、表示装置に電圧異常を提示するメッセージが表示されるか、又はスピーカーにより電圧異常を提示するメッセージが放送される。ここでの所定の範囲は、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて設定することができる。
【0046】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にない時、制御ユニットは、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の出力電圧を調整することができる。1つの例において、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の所望出力電圧を計算することができ、次に出力装置に当該所望出力電圧を表示することで、作業者は当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整する。別の例において、制御ユニットは、車両の通信システムを介して外部電源120と通信し、当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整することができる。
【0047】
幾つかの実施例によれば、ステップS303は、例えば、
図2のステップS203と類似するように実施されてもよい。
【0048】
ステップS305において、リレーを閉じるように制御する。幾つかの実施例によれば、ステップS305は、例えば、
図2のステップS205と類似するように実施されてもよい。
【0049】
ステップS307において、エンジンが作動状態にあるか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、エンジンが作動状態にあることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS309に進む。別の幾つかの実施例によれば、エンジンが作動状態にないことを決定すること(「NO」)に応えて、方法300を終了する。
【0050】
幾つかの実施例によれば、通信バス(例えば、CANバス)上の信号を読み取ることによって、エンジンが作動状態にあるか否かを決定することができる。
【0051】
ステップS309において、エンジンを停止することを指示するように命令を送信する。
【0052】
幾つかの実施例によれば、車両の出力装置にエンジンを停止するように提示するメッセージを送信することで、車両の出力装置は、エンジンを停止するようにユーザーに提示するメッセージを送信する。例えば、リレーを閉じるように制御した後、且つエンジンを停止していない時、エンジンが停止するまで、周期的に(例えば、10sごとに)エンジンを停止するようにユーザーに提示する。
【0053】
別の幾つかの実施例によれば、リレーを閉じるように制御した後、且つエンジンを停止していない時、ユーザーの操作を必要とすることなく、エンジンに停止の命令を送信する。
【0054】
本開示の実施例に記載の給電制御方法において、車両のエンジンによる給電から外部電源による給電への切り替えが実現され、それにより電気機器への継続的で確実な給電を確保するだけでなく、エンジンが車両の駐車状態時に動作することによる環境汚染を回避する。
【0055】
幾つかの実施例によれば、車両は、リレーと電気機器との間に位置する配電モジュールをさらに含む。その中で、車両用の給電制御方法は、リレーを閉じるように制御した後又はリレーを閉じるように制御すると同時に、配電モジュールが外部電源からの電力を電気機器に配分するように制御することをさらに含む。
【0056】
幾つかの実施例によれば、リレーを閉じるように制御した後、制御ユニットは、配電モジュールに外部電源からの電力を電気機器に配分するメッセージを送信し、配電モジュールは、当該メッセージを受信した後に外部電源からの総電力をそれぞれの電気機器に入力して配分するとともに、それ自体の電圧、電流を制御ユニットにフィードバックする。
【0057】
幾つかの実施例によれば、車両用の給電制御方法は、制御ユニットがアクティブ化されることに応えて、エンジンが起動しているか否かを決定することと、エンジンが起動していることに応えて、配電モジュールがバッテリー又は発電機からの電力を電気機器に配分するように制御することと、をさらに含む。例えば、車両が工場を離れて自動運転のタスクを実行する場合、車両が車両のキーを介して送信されたイグニッション信号を受信した後、制御ユニットは、スリープ状態からアクティブ状態に変わる。エンジンを起動した後、制御ユニットは、通信バス(例えば、CANバス)を介してエンジンが正常に起動されている情報を受信し、制御ユニットは、配電モジュールが発電機又はバッテリーからの電力を電気機器に配分するように制御する。車両が自動運転のタスクを完了して工場に戻る場合、制御ユニットは、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定する(即ち、上記のステップ201又は301を実行する)必要がある。例えば、作業者は、電源プラグを電源インターフェースに挿入する。外部電源が車両の電気機器に電力を供給した後、制御ユニットは、エンジンを停止するように指示する。
【0058】
図4は、例示的な実施例による車両用の給電制御方法400のフローチャートを示す。幾つかの実施例によれば、方法400は、
図1に示される車両100内の制御ユニット104によって実行されてもよい。
【0059】
ステップS401において、制御ユニットがアクティブ化されるか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、制御ユニットがアクティブ化されることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS403に進む。別の幾つかの実施例によれば、制御ユニットがアクティブ化されていないことを決定すること(「NO」)に応えて、戻してステップS401を実行し、且つ制御ユニットはスリープ状態を保持する。
【0060】
幾つかの実施例によれば、ユーザーが車両のキーを挿入するか、又は他の方式により車両をイグニッションする時、制御ユニットがアクティブ化される。幾つかの実施例によれば、制御ユニットがアクティブ化された後、車両の出力装置に電力を供給することで、ユーザーに提示メッセージを送信する。
【0061】
ステップS403において、エンジンが起動しているか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、エンジンが起動していることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS405に進む。別の幾つかの実施例によれば、エンジンが起動していないことを決定すること(「NO」)に応えて、ステップS407に進む。
【0062】
幾つかの実施例によれば、通信バス(例えば、CANバス)上の信号を読み取ることによって、エンジンが起動しているか否かを決定することができ、又は、エンジンからの正常起動信号を受信したか否かを判断することによって、エンジンが起動しているか否かを決定することができる。幾つかの実施例によれば、所定の時間帯(例えば、10s)内でエンジンが作動状態にあることを検出していない場合、エンジンが起動していないことを決定する。
【0063】
ステップS405において、配電モジュールがバッテリー又は発電機からの電力を電気機器に配分するように制御する。
【0064】
幾つかの実施例によれば、エンジンが作動状態にある時、発電機はエンジンにより駆動されることで、エンジンからの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。幾つかの実施例によれば、発電機は、バッテリーに電気エネルギーを提供し、配電モジュールはバッテリーからの電力を電気機器に配分する。別の幾つかの実施例によれば、配電モジュールは、発電機からの電力を電気機器に配分する。
【0065】
ステップS407において、電源インターフェースに外部電源が投入されているか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS409に進む。別の幾つかの実施例によれば、電源インターフェースに外部電源が投入されていないことを決定すること(「NO」)に応えて、ステップS408を実行する。
【0066】
幾つかの実施例によれば、ステップS407は、例えば、
図2のステップS201と類似するように実施されてもよい。
【0067】
ステップS408において、エンジンが起動されておらず、且つ電源インターフェースに外部電源が投入されていないことを検出したことに応えて、車両の出力装置によってエンジンを起動する又は外部電源を投入することを提示するメッセージを送信することで、電気機器に電力を供給する。
【0068】
ステップS409において、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定する。幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることを決定すること(「YES」)に応えて、ステップS411に進む。幾つかの別の実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定すること(「NO」)に応えて、方法400を終了する。
【0069】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にないことを決定することに応えて、電圧異常を提示するように命令を送信する。例えば、通信バス(例えば、CANバス)を介して車両の出力装置(例えば、表示装置又はスピーカー)に電圧異常のメッセージを送信することで、出力装置はユーザーに電圧異常を提示する。例えば、表示装置に電圧異常を提示するメッセージが表示されるか、又はスピーカーにより電圧異常を提示するメッセージが放送される。
【0070】
幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が所定の範囲内にない時、制御ユニットは、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の出力電圧を調整することができる。1つの例において、車両のバッテリーの充電電圧、発電機電圧、及び電気機器の動作電圧に応じて、外部電源120の所望出力電圧を計算することができ、次に出力装置に当該所望出力電圧を表示することで、作業者は当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整する。別の例において、制御ユニットは、車両の通信システムを介して外部電源120と通信し、当該所望出力電圧に応じて外部電源120の出力電圧を調整することができる。
【0071】
幾つかの実施例によれば、ステップS409は、例えば、
図2のステップS203と類似するように実施されてもよい。
【0072】
ステップS411において、リレーを閉じるように制御する。幾つかの実施例によれば、ステップS409は、例えば、
図2のステップS205と類似するように実施されてもよい。
【0073】
ステップS413において、配電モジュールが外部電源からの電力を電気機器に配分するように制御する。
【0074】
幾つかの実施例によれば、リレーが閉じた後又はリレーを閉じるように制御すると同時に、配電モジュールは、外部電源からの電力を電気機器に配分する。
【0075】
本開示の実施例に記載の給電制御方法において、車両がスリープ状態からアクティブ状態に変わる時に電気機器に電力を供給することが実現され、それによりエンジンを起動しない場合に外部電源を介して電気機器に電力を供給することができる。例えば、工場に長時間置いた車両は、エンジンを起動せずに自動運転システムの電源を入れる必要がある。車両が車両のキーを介して送信されたイグニッション信号を受信した後、制御ユニットは、スリープ状態からアクティブ状態に変わる(即ち、ステップ401の「YES」)。最終的に、ステップS413において、配電モジュールが外部電源からの電力を電気機器に配分することで、エンジンを起動せずに自動運転システムの電源を入れることを実現する。
【0076】
幾つかの実施例によれば、上記の
図2~
図4を参照して説明される車両用の給電制御方法は、リレー及び配電モジュールの電圧及び電流を検出することと、検出された電圧及び/又は電流が故障したことを指示することに応えて、リレーを切断するように制御する操作、及び配電モジュールが電力を電気機器に配分することを停止するように制御する操作のうちの少なくとも1つを実行することと、をさらに含むことができる。幾つかの実施例によれば、リレーが電源インターフェースの一端に接続された電圧及び電流を検出し、配電モジュールがリレーの一端に接続された電圧及び電流を検出することができる。本願は、機能の安全性から、電圧及び電流信号の収集に対して冗長設計し、即ち、リレーの検出された電圧及び電流を収集するだけでなく、配電モジュールの電圧及び電流を収集し、それにより単一のコンポーネントから収集された信号が無効となり、異常な状況を適時に処理できない状況を回避する。
【0077】
幾つかの実施例によれば、リレーが閉じた後、外部電源を使用て電気機器に電力を供給する時、上記のリレー及び配電モジュールの電圧及び電流に対する検出を実行することで、外部電源の異常状態による車両の電気機器又は他の部材の損傷を回避する。
【0078】
幾つかの実施例によれば、検出されたリレー及び配電モジュールのうちの何れか1つの電圧及び/又は電流が故障したことを指示することに応えて、リレーを切断する操作、及び配電モジュールが電力を電気機器に配分することを停止するように制御する操作のうちの少なくとも1つを実行する。その中で、配電モジュールが電力を電気機器に配分することを停止するように制御することは、配電モジュールのリレーに接続された電力スイッチ(例えば、リレー又は制御可能なスイッチチューブ)を切断すること、及び/又は、配電モジュールの各電気機器に電力を供給する電源変換装置が動作を停止するように制御することを含む。
【0079】
幾つかの実施例によれば、車両用の給電制御方法は、故障に対応する情報を記憶することをさらに含み、その中で、故障は、過電圧故障と低電圧故障のうちの1つを含む電圧故障及び過電流故障を含む電流故障のうちの少なくとも1つを含む。
【0080】
幾つかの実施例によれば、故障に対応する情報は、故障発生時間、故障種類及び故障時刻の電圧及び電流値などを含む。
【0081】
幾つかの実施例によれば、検出された電圧又は電流が所定の持続時間で所定の範囲にある場合、故障の発生を指示する。
【0082】
幾つかの実施例によれば、リレー又は配電モジュールの電圧が所定の持続時間内で過電圧閾値を超える時、過電圧故障の発生を決定する。幾つかの実施例によれば、複数組の過電圧閾値及び対応する所定の持続時間が存在されてもよい。例えば、リレー又は配電モジュールの電圧が第1所定の持続時間(例えば、1s)内で第1過電圧閾値(例えば、29V)を超える時、又は、リレー又は配電モジュールの電圧が第2所定の持続時間(例えば、0.2s)内で第2過電圧閾値(例えば、30V)を超える時、過電圧故障の発生を決定する。幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が高すぎる時に外部電源を切断する及び/又は配電モジュールが電気機器に電力を配分することを停止することで、高すぎる電圧による電気機器の損傷を回避する。
【0083】
幾つかの実施例によれば、リレー又は配電モジュールの電圧が所定の持続時間内で低電圧閾値より低い時、低電圧故障の発生を決定する。幾つかの実施例によれば、複数の低電圧閾値及び対応する所定の持続時間が存在されてもよい。例えば、リレー又は配電モジュールの電圧が第1所定の持続時間(例えば、20s)内で第1低電圧閾値(例えば、25V)より低い時、又は、リレー又は配電モジュールの電圧が第2所定の持続時間(例えば、10s)内で第2低電圧閾値(例えば、24V)より低い時、低電圧故障の発生を決定する。幾つかの実施例によれば、外部電源の電圧が低すぎる時に外部電源を切断する及び/又は配電モジュールが電気機器に電力を配分することを停止することで、電気機器によるバッテリー内の電気エネルギーの過度の消費を回避し、車両をその後に正常に起動できるようにする。
【0084】
幾つかの実施例によれば、リレー又は配電モジュールの電流が所定の持続時間(例えば、2s)内で過電流閾値(例えば、300A)を超える時、過電流故障の発生を決定する。幾つかの実施例によれば、リレー又は配電モジュールの電流に過電流が発生する時(例えば、外部電源から電気機器への回路のある場所で短絡が発生する時)、外部電源を切断する及び/又は配電モジュールが電気機器に電力を配分することを停止することで、大すぎる電流による電気機器の損傷を回避する。
【0085】
なお、上記の各閾値の例示的な値は、27V~28Vである外部電源電圧の所定の範囲について例示されている。当業者は、外部電源電圧の所定の範囲が異なる場合、上記の各閾値が異なる値を有する可能性があることを理解することができる。
【0086】
図5は、例示的な実施例による車両500の構成ブロック図を示す。その中で、信号接続は破線で示され、電力接続は実線で示されている。
図5の車両500は、
図1の車両110と類似する機構を有してもよい。上記の
図2~
図4を参照して説明される車両用の給電制御方法は、
図5の車両500にも適用される。
【0087】
図5に示すように、車両500は、電気機器501、リレー502、電源インターフェース503、制御ユニット504、エンジン505、発電機506、バッテリー507、出力装置508及び配電モジュール509を含む。
【0088】
幾つかの実施例によれば、車両500は、電源インターフェース503を介して外部電源からの電力を受け取り、外部電源の電力を使用して電気機器501に電力を供給することができる。その中で、電源インターフェース503は、リレー502及び配電モジュール509を介して電気機器501に電気的に接続される。
【0089】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット504は、リレー502及び電源インターフェース503に通信可能に結合されている。その中で、制御ユニット504は、リレー502に制御信号を送信することで、リレー502を閉じるか又は切断するように制御するか、又は、リレー502からリレー502の状態量(例えば、リレー502を流れる電流又はリレー502の一端の電圧)を受信するとともに、制御ユニット504は電源インターフェース503からの状態信号(例えば、外部電源の投入信号)を受信する。
【0090】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット504は、電源インターフェース503に外部電源が投入されているか否かを決定し、電源インターフェース503に外部電源が投入されていることに応えて、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定し、外部電源の電圧が所定の範囲内にあることに応えて、リレー502を閉じるように制御するように配置されている。幾つかの実施例によれば、エンジン505が作動状態にある時、エンジン505が発電機506を駆動することで、エンジン505からの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。幾つかの実施例によれば、発電機506はバッテリー507に電気的に接続されることで、生成された電気エネルギーをバッテリー507に蓄え、バッテリー507は制御ユニット504及び電気機器501に電気的に接続されることで、バッテリー507内の電気エネルギーを制御ユニット504及び電気機器501にさらに提供する。別の幾つかの実施例によれば、発電機506は、制御ユニット504及び電気機器501に電気的に接続されることで、発電機506は、直接に(バッテリー507を経由せずに)電気エネルギーを制御ユニット504及び電気機器501に提供する。
【0091】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット501は、エンジン505の状態を取得するか、又はエンジン505にその状態を制御する命令を送信することができる(例えば、CANバスを介する)。幾つかの実施例によれば、制御ユニット501は、リレー502を閉じるように制御した後、エンジン505が作動状態にあるか否か(即ち、エンジンが起動しているか否か)を決定し、エンジン505が作動状態にあることに応えて、エンジン505を停止することを指示するように命令を送信するように配置されている。別の幾つかの実施例によれば、制御ユニット501は、制御ユニット501がアクティブ化されることに応えて、エンジン505が起動されているか否かを決定し、エンジン505が起動していないことに応えて、電源インターフェース503に外部電源が投入されているか否かを決定するように配置されている。
【0092】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット504は、配電モジュール509に通信可能に結合されている(例えば、CANバスを介して通信可能に結合されている)。その中で、制御ユニット504は、配電モジュール509から配電モジュール509の状態量(例えば、配電モジュール509の電圧又は電流)を受信するとともに、配電モジュール509に制御信号を送信し、例えば、配電モジュール509が電気機器501に電力を配分するか、又は電気機器501に電力を配分することを停止するように制御する。
【0093】
幾つかの実施例によれば、リレー502及び配電モジュール509の電圧及び電流を検出する必要がある。制御ユニット504は、検出された電圧又は電流が故障したことを指示することに応えて、リレー502を切断する操作、及び配電モジュール509が電力を電気機器501に配分することを停止する操作のうちの少なくとも1つを実行するように配置されている。
【0094】
幾つかの実施例によれば、制御ユニット504及び配電モジュール509は、リレー502に電気的に接続されることで、外部電源が投入される時に外部電源からの電力を受け取り、且つ制御ユニット504及び配電モジュール509は、バッテリー507に電気的に接続されることで、エンジン505が起動されている(即ち、作動状態にある)時に発電機506又はバッテリー507からの電力を受け取る。
【0095】
幾つかの実施例によれば、出力装置508は、制御ユニット504に電気的に接続される。幾つかの実施例によれば、出力装置508は制御ユニット504に通信可能に結合されている(例えば、CANバスを介して通信可能に結合されている)ことで、出力装置508を介してユーザーにメッセージを送信する(例えば、メッセージを画面に表示するか、又は音声で放送する)。
【0096】
幾つかの実施例によれば、リレーは、電源インターフェースに電気的に接続された第1端と、電気機器(配電モジュールを経由)に電気的に接続された第2端と、を含む。制御ユニット504は、電源インターフェースに外部電源が投入されていることを決定する時、リレーの第1端上の電圧の検出を開始し、リレーの第1端上の電圧が所定の範囲内にあるか否かを判断することで、外部電源の電圧が所定の範囲内にあるか否かを決定する。
【0097】
本開示の実施例によれば、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、を含む制御ユニットをさらに提供する。メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、少なくとも1つのプロセッサに本開示に記載の方法を実行させる命令が記憶されている。
【0098】
本開示の実施例によれば、プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。その中で、命令が制御ユニットのプロセッサによって実行される時、制御ユニットに本開示に記載の方法を実行させる。
【0099】
本開示の実施例によれば、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。その中で、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、本開示に記載の方法を実現する。
【0100】
図6は、例示的な実施例による制御ユニット600の構成図である。
図6の制御ユニット600は、前述の制御ユニット114又は制御ユニット504を実現することに用いられることができる。
図6に示すように、制御ユニット600は、少なくとも1つのプロセッサ610(
図6には、1つのみが示される)、メモリ620及びメモリ620内に記憶され、少なくとも1つのプロセッサ610で実行可能なコンピュータプログラム621を含む。プロセッサ610がコンピュータプログラム621を実行する時、上記の実施例にかかる車両用の給電制御方法のステップを実現する。
【0101】
図6に示すように、制御ユニット600は、プロセッサ610、メモリ620を含むことができるが、これらに限定されない。
図6は制御ユニット600の例に過ぎず、制御ユニット600を限定するものではないことが理解されるべきである。制御ユニット600(例えば、電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU))は、図に示されているものよりも多い又は少ない構成要素、又は幾つかの構成要素の組み合わせ、又は異なる構成要素を含むこともできる。例えば、入出力モジュール、通信モジュールなどをさらに含むこともできる。
【0102】
プロセッサ610は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であってもよく、当該プロセッサ610は、他の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェアコンポーネントであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又は、当該プロセッサは、任意の通常のプロセッサなどであってもよい。
図6には1つのプロセッサ610のみが示されているが、
図6は単なる例示的なものであり、制御ユニット600は2つ以上のプロセッサ610を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0103】
幾つかの実施例において、メモリ620は、制御ユニット600のハードディスク又はメモリなど、制御ユニット600の内部記憶ユニットであってもよい。別の幾つかの実施例において、メモリ620は、制御ユニット600に配置されたプラグ可能なハードディスク、スマートメディアカード(Smart Media Card、SMC)、セキュアデジタルカード(Secure Digital、SD)、フラッシュカード(Flash Card)など、制御ユニット600の外部記憶機器であってもよい。さらに、メモリ620は、制御ユニット600の内部記憶ユニット及び外部記憶機器の両方を含んでもよい。メモリ620は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、ブートローダー(BootLoader)、データ、及びコンピュータプログラムのプログラムコードなどの他のプログラムを記憶することに用いられる。メモリ620はまた、出力された、又は出力される予定のデータを一時的に記憶することに用いられることができる。
【0104】
なお、本願の各実施例に記載される車両は、セダン型自動車、トラック、自動二輪車、バス、船、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、ショベル、スノーモービル、航空機、レクリエーション用車両、遊園地車両、農場装置、建築装置、路面電車、ゴルフカート、汽車、トロリーバス、又は他の車両であってもよい。車両は、自動運転システム(即ち、前述の電気機器の1つの例)を含むことができ、このように車両は完全又は部分的に自動運転モードで動作する。車両は、自動運転モードでそれ自体を制御することができ、例えば、車両は、車両の現在状態及び車両が位置する環境の現在状態を決定し、当該環境における少なくとも1つの他の車両の予測挙動を決定し、当該少なくとも1つの他の車両がこの予測挙動を実行する可能性に対応する信頼レベルを決定し、決定された情報に基づいて車両自体を制御することができる。自動運転モードにある場合、車両は、人の介在なしに動作することができる。
【0105】
車両の自動運転システムは、センサシステム、コンピューティングシステム及び/又は通信システムを含むことができる。
【0106】
センサシステムは、車両の環境及び条件の情報を検知するための複数のセンサを含むことができる。例えば、センサシステムは、慣性測定ユニット(IMU)、全地球航法衛星システム(GNSS)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、無線検出と距離測定装置(RADAR、レーダーと略称)、レーザー検出と距離測定システム(LIDAR、レーザーレーダーと略称)、音響センサ、超音波センサ及び画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)を含むことができる。
【0107】
通信システムは、車載通信機器とも呼ばれ、車両に1つ又は複数の機器又は周辺の他の車両と通信する方式を提供することができる。例示的な一実施例において、通信システムは、直接に、又は通信ネットワークを介して1つ又は複数の機器と通信することができる。通信システムは、例えば、無線通信システムであってもよい。例えば、通信システムは、3Gセルラ通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラ通信(例えば、WiMAX又はLTE)を利用してもよく、5Gセルラ通信を利用してもよい。選択的に、通信システムは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる(例えば、WIFI(R)を利用する)。幾つかの実施例において、通信システムは、例えば、赤外線、ブルートゥース(R)、又はZIGBEEを利用して、1つ又は複数の機器又は周辺の他の車両と直接通信することができる。各種の車載通信システムなどの他の無線プロトコルも、本願の開示範囲内にある。例えば、通信システムは、車両及び/又は路側局と公的又は私的データ通信を行う1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置、V2V(Vehicle to Vehicle)装置又はV2X(Vehicle to Everything)装置を含むことができる。
【0108】
コンピューティングシステムは、車両の一部又は全部の機能を制御することができる。コンピューティングシステムにおける自動運転制御ユニットは、車両が位置する環境における潜在的な障害の識別、評価、及び回避又は乗り越えに用いられることができる。通常、自動運転制御ユニットは、運転者のない場合に車両を制御し、又は運転者が車両を制御するのに補助を提供することに用いられることができる。幾つかの実施例において、自動運転制御ユニットは、GPSトランシーバのデータ、レーダデータ、LIDARデータ、カメラデータなど、センサからのデータ及び他の車両システムからのデータを組み合わせて、車両の走行経路又は軌跡を決定するために用いられる。自動運転制御ユニットは、車両が自動運転モードで運転可能になるようにアクティブ化されることができる。
【0109】
コンピューティングシステムは、少なくとも1つのプロセッサ(それが少なくとも1つのマイクロプロセッサを含むことができる)を含むことができ、プロセッサは、不揮発性コンピュータ可読媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶される処理命令(即ち、機械実行可能命令)を実行する。コンピューティングシステムは、単一のコンピューティング装置であってもよい。コンピューティングシステムは、車両の部材又はシステムを分散的に制御する複数のコンピューティング装置であってもよい。幾つかの実施例において、メモリには、プロセッサによって車両の様々な機能を実現するように実行される処理命令(例えば、プログラム論理)が含まれてもよい。処理命令を記憶するほか、メモリは、画像処理パラメータ、道路地図及び経路情報などの様々な情報又はデータを記憶することができる。車両が自動方式、半自動方式及び/又は手動モードで動作する間、これらの情報は、車両及びコンピューティングシステムによって使用されることができる。
【0110】
本明細書で使用される「エンティティAがアクションBを開始する」という句は、エンティティAがアクションBを実行する命令を送信するが、エンティティA自体が必ずしも当該アクションBを実行するわけではないことを指す場合があることが理解される。例えば、「制御ユニットが電圧/電流の検出を開始する」という句は、制御ユニット自体が「検出」のアクションを実行する必要がなく、制御ユニットが対応するセンサ(未図示)に電圧/電流を検出するように指示することを指す場合がある。
【0111】
本開示の実施例又は例は、図面を参照して説明されたが、上記の方法、システム及び機器は、単なる例示的な実施例又は例であり、本開示の範囲はこれらの実施例又は例に限定されず、授権された特許請求の範囲及びそれらの同等物のみによって制限されることが理解されるべきである。実施例又は例の様々な要素は、省略されるか、又はそれらの同等の要素によって置き換えられてもよい。また、本開示に記載される順序とは異なる順序で各ステップを実行することができる。さらに、様々な方法で実施例又は例の様々な要素を組み合わせることができる。重要なことに、技術が進化するにつれて、ここで記載される要素の多くは、本開示の後に現れる同等の要素に置き換えられることができる。