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特開2023-24415情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024415
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20230209BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126499
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2021130014
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521349347
【氏名又は名称】クラウドサーカス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】小友 康広
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175EA01
5B175GA01
(57)【要約】
【課題】エンドユーザのUXを向上させてチャットの離脱率を低減させること。
【解決手段】質問内容取得部55は、N-1単位(質問)に対するユーザの回答の内容が予め設定されたものであると回答内容判定部52により判定された場合、N単位(質問)を示すデータとして、想定内質問データを想定内質問DB72から取得する。質問内容取得部55は、N-1単位(質問)に対するユーザの回答の内容が予め設定されたものではないと回答内容判定部52により判定された場合、想定外質問生成部53により生成された想定外質問データを取得する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回答者に提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、前記単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的に前記回答者の端末に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的に前記回答者の端末において受け付けられる質問仕様を示す第1データが第1データベースに格納されており、
N(Nは2以上の整数値)番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定された内容であった場合にその内容を示す第2データが第2データベースに格納されており、
N番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定されていない内容であった場合に、その内容を示す第3データを生成する単位内容生成手段と、
前記N-1番目の単位に対する回答を当該回答者の前記端末から取得して、当該回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する回答内容判定手段と、
前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものであると前記回答内容判定手段により判定された場合、前記N番目の単位の内容を示すデータとして、前記第2データを前記第2データベースから取得し、前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものではないと前記回答内容判定手段により判定された場合、前記単位内容生成手段により生成された前記第3データを取得する単位内容取得手段と、
前記単位内容取得手段により取得された前記N番目の単位の内容を示すデータを、前記回答者の前記端末に送信する送信制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記回答者について、コンテクスト情報、属性を示す情報、及び行動履歴を示す情報のうち少なくとも1つを含む情報を、回答者情報として取得する回答情報取得手段と、
前記N番目の単位に対する回答をするうえで前記回答者にとって資する情報を、回答者支援情報として、前記回答者情報に基づいて生成する回答者支援情報生成手段と、
をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記単位内容取得手段により取得された前記N番目の単位の内容を示す前記データと共に、前記回答者支援情報を前記回答者の前記端末に送信する制御を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記単位内容生成手段は、さらに、
前記送信制御手段の制御により前記回答者の端末に対して、前記N番目の単位の内容を示す前記データが送信された後に所定条件を満たした場合、前記N番目の単位の内容とは異なる内容をN+1番目の単位の内容として、当該N+1番目の単位の内容を示すデータを生成し、
前記送信制御手段は、さらに、前記N+1番目の単位の内容を示す前記データを、前記回答者の前記端末に送信する制御を実行する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
回答者に提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、前記単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的に前記回答者の端末に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的に前記回答者の端末において受け付けられる質問仕様を示す第1データが第1データベースに格納されており、
N(Nは2以上の整数値)番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定された内容であった場合にその内容を示す第2データが第2データベースに格納されている、
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
N番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定されていない内容であった場合に、その内容を示す第3データを生成する単位内容生成ステップと、
前記N-1番目の単位に対する回答を当該回答者の前記端末から取得して、当該回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する回答内容判定ステップと、
前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものであると前記回答内容判定ステップの処理により判定された場合、前記N番目の単位の内容を示すデータとして、前記第2データを前記第2データベースから取得し、前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものではないと前記回答内容判定ステップの処理により判定された場合、前記単位内容生成ステップの処理により生成された前記第3データを取得する単位内容取得ステップと、
前記単位内容取得ステップの処理により取得された前記N番目の単位の内容を示すデータを、前記回答者の前記端末に送信する送信制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
回答者に提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、前記単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的に前記回答者の端末に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的に前記回答者の端末において受け付けられる質問仕様を示す第1データが第1データベースに格納されており、
N(Nは2以上の整数値)番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定された内容であった場合にその内容を示す第2データが第2データベースに格納されている、
コンピュータに、
N番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定されていない内容であった場合に、その内容を示す第3データを生成する単位内容生成ステップと、
前記N-1番目の単位に対する回答を当該回答者の前記端末から取得して、当該回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する回答内容判定ステップと、
前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものであると前記回答内容判定ステップの処理により判定された場合、前記N番目の単位の内容を示すデータとして、前記第2データを前記第2データベースから取得し、前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものではないと前記回答内容判定ステップの処理により判定された場合、前記単位内容生成ステップの処理により生成された前記第3データを取得する単位内容取得ステップと、
前記単位内容取得ステップの処理により取得された前記N番目の単位の内容を示すデータを、前記回答者の前記端末に送信する送信制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク上におけるリアルタイムコミュニケーションであるチャット(Chat)には、チャットボットを利用したものが存在する(例えば特許文献1参照)。
このようなチャットボットを用いて、エンドユーザに対して質問を投げかけ、当該質問に対する回答をユーザから取得する技術が近年利用されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-91463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、エンドユーザは、チャットボットから与えられた質問に対して、固定の回答しかできなかった。例えば、住居(物件)を探すための従来のチャットでは、駅を指定した後に「どの辺がよいですか?」という質問がされた場合、回答として住所等を入力しなければならなかった。この場合、これから住む地域である駅の周辺のことなどエンドユーザは知らないことが普通であり、住所で回答することは非常に困難で手間のかかるものであった。すると、回答者は、そこで回答をやめてしまい、チャットから離脱してしまうことが多かった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、エンドユーザのUXを向上させてチャットの離脱率が低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
回答者に提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、前記単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的に前記回答者の端末に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的に前記回答者の端末において受け付けられる質問仕様を示す第1データが第1データベースに格納されており、
N(Nは2以上の整数値)番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定された内容であった場合にその内容を示す第2データが第2データベースに格納されており、
N番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定されていない内容であった場合に、その内容を示す第3データを生成する単位内容生成手段と、
前記N-1番目の単位に対する回答を当該回答者の前記端末から取得して、当該回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する回答内容判定手段と、
前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものであると前記回答内容判定手段により判定された場合、前記N番目の単位の内容を示すデータとして、前記第2データを前記第2データベースから取得し、前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものではないと前記回答内容判定手段により判定された場合、前記単位内容生成手段により生成された前記第3データを取得する単位内容取得手段と、
前記単位内容取得手段により取得された前記N番目の単位の内容を示すデータを、前記回答者の前記端末に送信する送信制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述した本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エンドユーザのUXを向上させてチャットの離脱率を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るチャットサーバを含む、情報処理システムにより実現可能な本サービスの概要を示す図である。
図2図1に示す情報処理システムのうちチャットサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図2のチャットサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】質問仕様データの構成例を示す図である。
図5図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例を示す図である。
図6図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図5の画面例に対して、予め設定された内容の回答をユーザが行った場合の例を示す図である。
図7】想定内質問DBに格納された想定内質問データの具体例を示す図である。
図8図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図6の画面例に対して、第3(=N)単位(質問)が表示された場合の例を示す図である。
図9図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図5の画面例に対して、予め設定された内容ではない回答をユーザが行った場合の例を示す図である。
図10】想定外質問データの生成手法の一例を示す図である。
図11図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図6の画面例に対して、第3(=N)単位(質問)が表示された場合の図8とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るチャットサーバを含む、情報処理システムの構成を示す図である。
【0011】
図1に示す情報処理システムは、チャットサーバ1と、ユーザ端末2とを含むように構成されている。
チャットサーバ1及びユーザ端末2は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0012】
チャットサーバ1は、サービス提供者により管理され、チャットサービスに伴う各種処理をユーザ端末2と適宜通信しながら実行する。
ユーザ端末2は、本チャットサービスの提供を受けるユーザにより管理されるスマートフォン等である。
ここで、チャットサービスは、例えば、アンケートの回答、転職サイトを含む各種サイトの登録、電子商取引(EC)の商品購入、アフィリエイトの登録などに際して、ユーザ自身が設定する必要情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)をチャット形式で収集するサービスである。
本チャットサービスによれば、チャットサーバ1の制御のもと、ユーザ端末2は、時系列的な一連の質問をチャット形式で所定の順序で逐次的にユーザに提示する。なお、以下、このような順序を「提示順序」と呼ぶ。
ユーザは、ユーザ端末2を操作することで、夫々の質問が提示される毎に、夫々の回答をチャット形式で行う。
ここで、特筆すべき点は、本実施形態では、オリジナルな回答を、自由な文章(テキスト)で入力することができる点である。
換言すると、ユーザ端末2は、ユーザによる夫々のオリジナルな回答をチャット形式で逐次的に受け付けて、チャットサーバ1に逐次的に送信する。
チャットサーバ1は、夫々の質問について、ユーザの回答の内容や回答に要した時間等を収集して分析し、その分析結果をサービス提供者に提示することができる。サービス提供者は、当該分析結果を参照して、質問の内容や提示順序などを見直して編集することができる。
【0013】
図2は、図1に示す情報処理システムのうちチャットサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
チャットサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0015】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0016】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0017】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を出力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図1のユーザ端末2等)との間で通信を行う。
【0018】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0019】
なお、図示はしないが、図1のユーザ端末2も、図2に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。
【0020】
図3は、図2のチャットサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0021】
図3に示すように、チャットサーバ1のCPU11においては、回答取得部51と、回答内容判定部52と、想定外質問生成部53と、切替部54と、質問内容取得部55と、質問送信制御部56とが機能する。
記憶部18には、質問仕様DB71と、想定内質問DB72とが設けられている。
【0022】
質問仕様DB71には、質問仕様データが記憶されている。
質問仕様データとは、例えば次のような質問仕様を示すデータである。
即ち、ユーザに提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、当該単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的にユーザ端末2に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的にユーザ端末2において受け付けられる質問仕様を示すデータが、質問仕様データである。なお、質問仕様データの具体例については、図4を参照して後述する。
【0023】
回答取得部51は、上述の質問仕様にしたがって逐次提示される単位(質問)のうちN-1番目の単位(質問)、即ち第N-1単位(質問)に対するユーザからの回答を、ユーザ端末2及び通信部19を介して取得する。
ここで、上述したように、本実施形態では、ユーザは、ユーザ端末2を操作して、N-1単位(質問)に対するオリジナルな回答を、自由な文章(テキスト)で入力することができる。
このため、ユーザの回答には、サービス提供者にとって、予め設定されたものと、そうではない(予め設定されていないもの)に大別される。
【0024】
回答内容判定部52は、N-1単位(質問)に対する回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する。
【0025】
N-1単位(質問)に対する回答が予め設定されていない内容であった場合、想定外質問生成部53は、N単位(質問)の内容を示すデータ(以下、「想定外質問データ」と呼ぶ)を生成する。想定外質問データの具体的な生成例については、図10を参照して後述する。
【0026】
ここで、想定内質問DB72には、N-1単位(質問)に対する回答が予め設定された内容であった場合にN単位(質問)の内容を示すデータ(以下、「想定内質問データ」と呼ぶ)が予め格納されている。
なお、想定内質問データの具体例については、図7を参照して後述する。
【0027】
切替部54は、回答内容判定部52の判定結果に基づいて入力部を切替えて、入力部に入力されたN単位(質問)の内容を示すデータを質問内容取得部55に出力する。
即ち、入力部としては、想定外質問生成部53により生成された想定外質問データを入力する部(以下、「第1入力部」と呼ぶ)と、想定内質問DB72から抽出される想定内質問データを入力する部(以下、「第2入力部」と呼ぶ)とが設けられている。
回答内容判定部52の判定結果が、N-1単位(質問)に対する回答が予め設定されていない内容という結果であった場合、切替部54において、入力が第1入力部に切替えられて、想定外質問生成部53により生成された想定外質問データが入力される。そして、当該想定外質問が、N単位(質問)の内容を示すデータとして、切替部54から出力されて質問内容取得部55に供給される。
これに対して、回答内容判定部52の判定結果が、N-1単位(質問)に対する回答が予め設定されている内容という結果であった場合、切替部54において、入力が第2入力部に切替えられて、想定内質問DB72から抽出された想定内質問データが入力される。そして、当該想定内質問が、N単位(質問)の内容を示すデータとして、切替部54から出力されて質問内容取得部55に供給される。
【0028】
換言すると、質問内容取得部55は、N-1単位(質問)に対するユーザの回答の内容が予め設定されたものであると回答内容判定部52により判定された場合、N単位(質問)を示すデータとして、想定内質問データを想定内質問DB72から取得する。
これに対して、質問内容取得部55は、N-1単位(質問)に対するユーザの回答の内容が予め設定されたものではないと回答内容判定部52により判定された場合、想定外質問生成部53により生成された想定外質問データを取得する。
【0029】
質問送信制御部56は、質問内容取得部55により取得されたN単位(質問)を示すデータ(想定内質問データ又は想定外質問データ)を、通信部19を介してユーザ端末2に送信する。
【0030】
さらに以下、図4乃至図11の具体例に基づいて、図3の機能的構成例について詳細に説明する。
【0031】
図4は、質問仕様データの構成例を示している。
図4の例の質問仕様は、その左方に示すように、数字が表記された丸印で示される質問が1単位とされ、丸印内の数字の順序が提示順序とされる質問仕様である。なお、以下、丸印内の数字N(Nは1以上の整数値であり、図4の例では1乃至5)が示す単位(質問)を、以下、「第N単位(質問)」と呼ぶ。
具体的には図4には、ユーザが所望の賃貸物件等を検索するためのチャットサービスで用いられる質問仕様が例示されている。
図4の例の質問仕様によれば、その右方に示されるように、第1単位(質問)の「駅名をどうぞ」→第2単位(質問)の「住所(末名など)や希望条件をどうぞ」→第3単位(質問)の「以下の候補があります(リスト選択)」→・・・といったように、所定の提示順序に従ってチャット形式で逐次的にユーザ端末2に提示されて、夫々の回答(回答1乃至3の夫々)がチャット形式で逐次的にユーザ端末2において受け付けられることになる。
換言すると、そのようなことがユーザ端末2において表示可能となるような仕様が、質問仕様として定義されている。
【0032】
図5は、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例を示している。
図5の例では、N=3として、第2(=N-1)単位(質問)までが行われた場合のユーザ端末2の画面例が示されている。
即ち、第1(=N-2)単位(質問)として「駅名をどうぞ」という表示がなされた後、ユーザにより「新宿」という第1回答が得られ、さらに、第2(=N-1)単位(質問)として「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」という表示がなされた状態が、図5の画面例である。
【0033】
図6は、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図5の画面例に対して、予め設定された内容の回答をユーザが行った場合の例を示している。
即ち、図6の画面例は、第2(=N-1)単位(質問)として「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」という表示がなされた後に、ユーザにより「西新宿」という回答が得られた状態を示している。
【0034】
図3において、回答取得部51は、ユーザからの回答として「西新宿」を、ユーザ端末2及び通信部19を介して取得する。
回答内容判定部52は、第2(=N-1)単位(質問)に対する回答である「西新宿」が予め設定されたものか否かを判定する。
具体的には、回答内容判定部52は、想定内質問DB72に格納された想定内質問データを参照することで、「西新宿」が予め設定されたものか否かを判定する。
【0035】
図7は、想定内質問DBに格納された想定内質問データの具体例を示している。
図7の左方の表において、左から1列目の「駅名」の項目は、「駅名をどうぞ」という第1(=N-2)単位(質問)に対して、予め設定された回答を示している。また、図7の左方の表において、左から2列目の「町名」の項目は、「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」という第2(=N-1)単位(質問)に対して、予め設定された回答を示している。
図5の本例によれば、「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」という第2(=N-1)単位(質問)に対して「西新宿」という回答が得られている。「西新宿」は、図7においてハッチングにて示すように、想定内質問データにおいて予め設定されている。
したがって、回答内容判定部52は、第2(=N-1)単位(質問)に対する回答である「西新宿」が予め設定されたものであると判定する。
【0036】
ここで、図7の右表の「物件」の項目は、想定内質問として、ユーザにより選択される物件の候補が格納されている。
即ち、「西新宿」の物件の候補として、「物件00011001」、「物件00011002」、及び「物件00011003」が想定内質問データとして格納されている。
そこで、図3において、「西新宿」の物件の候補として、「物件00011001」、「物件00011002」、及び「物件00011003」という想定内質問データが、想定内質問DB72から抽出されて、第3(=N)単位(質問)として、切替部54及び質問内容取得部55を介して質問送信制御部56に提供されて、ユーザ端末2に送信される。
【0037】
すると、ユーザ端末2においては、図8に示すような画面が表示される。
図8は、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図6の画面例に対して、第3(=N)単位(質問)が表示された場合の例を示している。
上述したように、想定内質問データは、「物件00011001」、「物件00011002」、及び「物件00011003」というデータである。ただし、図4の質問仕様データによれば、第3(=N)単位(質問)は「以下の候補があります(リスト選択)」となっている。
このため、ユーザ端末の画面においては、図8に示すように、「以下の候補があります 1.物件00011001 2.物件00011002 3.物件00011003 9.他の物件を表示」という質問として表示されることになる。
ユーザは、この表示をみて、所望の物件の番号を回答として入力することができる。図8の例では、「3」が回答として入力されている。このことは、ユーザは、「物件00011003」を所望して選択したことを意味している。
【0038】
以上、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合であって、図5の画面例に対して、「西新宿」という予め設定された内容の回答をユーザが行った場合の例について説明した。
次に、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合であって、図5の画面例に対して、予め設定された内容ではない回答をユーザが行った場合の例について説明する。
【0039】
図9は、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図5の画面例に対して、予め設定された内容ではない回答をユーザが行った場合の例を示している。
即ち、図9の画面例は、第2(=N-1)単位(質問)として「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」という表示がなされた後に、ユーザにより「徒歩5分」という回答が得られた状態を示している。
【0040】
図3において、回答取得部51は、ユーザからの回答として「徒歩5分」を、ユーザ端末2及び通信部19を介して取得する。
回答内容判定部52は、第2(=N-1)単位(質問)に対する回答である「徒歩5分」が予め設定されたものか否かを判定する。
具体的には、回答内容判定部52は、想定内質問DB72に格納された想定内質問データを参照することで、「徒歩5分」が予め設定されたものか否かを判定する。
図7の例の想定内質問データには、「徒歩5分」は予め設定されていない。したがって、回答内容判定部52は、第2(=N-1)単位(質問)に対する回答である「徒歩5分」は予め設定されたものではないと判定する。
【0041】
この場合、想定外質問生成部53は、新宿駅から徒歩5分以内に存在する1以上の物件の候補(それらをリスト化してユーザに選択させる質問)のデータを、想定外質問データとして生成する。
【0042】
なお、想定外質問データの生成手法は、特に限定されないが、例えば本実施形態では図10に示す手法が採用されているものとする。
図10は、想定外質問データの生成手法の一例を示している。
【0043】
先ず、想定外質問生成部53は、N単位(質問)としての想定外質問データを生成するために、それより以前の単位(質問)に対するユーザの回答の内容を入力する。
図10の例では、第3(=N)単位(質問)としての想定外質問データが生成されるので、第1(=N-2)単位(質問)に対する回答の「新宿」、及び、第2(=N-1)単位(質問)に対する回答の「徒歩5分」が入力されている。
【0044】
次に、想定外質問生成部53は、入力された回答の内容を検索キーワードとして、所定のデータベース(例えばネットワークに存在する外部のデータベース)から所定内容を検索する。
図10の例では、「新宿駅から徒歩5分以内」という検索条件により、図10に示すデータベースから物件が検索される。具体的には新宿駅(最寄駅)から5分以内として登録されている、「物件00011001」、「物件00011002」、「物件00011001」、及び「物件00012001」が検索される。
【0045】
次に、想定外質問生成部53は、検索した所定内容に基づいて、N単位(質問)としての想定外質問データを生成する。
ここで、図4の質問仕様データによれば、第3(=N)単位(質問)は「以下の候補があります(リスト選択)」となっている。
このため、ユーザ端末の画面においては、図10に示すように、「以下の候補があります 1.物件00011001 2.物件00011002 3.物件00011001 4.物件00012001 9.他の物件を表示」という質問として表示されるようなデータが、想定外質問データとして生成される。
そこで、図3において、当該想定外質問データは、第3(=N)単位(質問)として、切替部54及び質問内容取得部55を介して質問送信制御部56に提供されて、ユーザ端末2に送信される。
すると、ユーザ端末2においては、図11に示すような画面が表示される。
図11は、図4の質問仕様データに基づいてチャットサービスが行われた場合のユーザ端末の画面例であって、図6の画面例に対して、第3(=N)単位(質問)が表示された場合の図8とは異なる例を示している。
【0046】
以上、図3乃至図11を参照して、図2のチャットサーバ1の機能的構成例について詳細に説明した。
このような図3の機能的構成を有するチャットサーバ1は、次のような効果を奏することが可能になる。
即ち、上述したように、従来、エンドユーザ(チャットボットの回答者であり、本実施形態のユーザ端末2を操作するユーザに相当)は、チャットボットから与えられた質問に対して、(サービス提供者側が予め設定した)固定の回答しかできなかった。例えば、住居(物件)を探すための従来のチャットでは、駅を指定した後に「どの辺がよいですか?」という質問がされた場合、回答として住所等を入力しなければならなかった。この場合、これから住む地域である駅の周辺のことなどエンドユーザは知らないことが普通であり、住所で回答することは非常に困難で手間のかかるものであった。すると、回答者は、そこで回答をやめてしまい、チャットから離脱してしまうことが多かった。
換言すると、これが、チャットの離脱率が高まる要因のひとつであった。
そこで、図3の機能的構成を有するチャットサーバ1を適用することにより、エンドユーザは、オリジナルの回答を柔軟に入力できるようになり、容易にチャットを利用できるようになる。その結果、エンドユーザのUXが向上して離脱率が低減するようになる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0048】
例えば、回答取得部51により取得されるユーザの回答は、上述の例に特に限定されない。
具体的には例えば、回答取得部51は、ユーザについて、コンテクスト情報、属性を示す情報、及び行動履歴を示す情報(これまでにチャットにて回答した内容等も含む)のうち少なくとも1つを含む情報を、回答者情報として取得してもよい。
この場合、図示はしないが、図3に示す機能的構成例に対して、次のような回答者支援情報生成部をさらに機能させるようにしてもよい。
即ち、回答者支援情報生成部は、N単位(質問)に対する回答をするうえでユーザにとって資する情報を、回答者支援情報(N単位(質問)に対する回答としてよくある回答等を含む)として、上述の回答者情報に基づいて生成する。
この場合、質問送信制御部56は、N単位(質問)のデータと共に、回答者支援情報を、通信部19を介してユーザ端末2に送信する。
【0049】
ここで、ユーザの「コンテクスト情報」とは、回答者の内的状態と外的状態とのうち少なくとも1以上の状態を示す情報をいう。即ち、1つのコンテクスト情報は、ユーザの「内的状態」と「外的状態」とのうちいずれか1つ以上の状態を示す情報となる。
「内的状態」とは、ユーザ自体をセンシングの対象とすることで得られた各種の情報により示される、ユーザ自体の状態のことをいう。「内的状態」を示す情報には、例えば、測定や調査等により得られた、身長、体重、体温、脈拍、体脂肪率、体型、指紋、声紋、年齢等ユーザの身体的特徴を示す客観的な情報が含まれる。また、アンケートや問診等により得られた体調や感情等の主観的なデータや、回答者の行動履歴も回答者の内的状態を示す情報に含まれる。
「外的状態」とは、ユーザの周囲の環境をセンシングの対象とすることで得られた各種のデータにより示される、ユーザの周囲の状態のことをいう。
「外的状態」を示す情報には、例えば、ユーザが、過去に存在した、現在存在する、又は将来存在し得る場所における、気象(天気、気温、湿度等)の履歴や予報、室温等に関するデータが含まれる。また、外的状態を示す情報には、回答者の空間的又は時間的な配置位置を示す情報や、回答者の周囲の空間的方向と時間的方向のうち少なくとも1の方向に分布する所定の状態を示す情報等も含まれる。
なお、「時間」とは、本来的な概念である「幅」を示すものに限らず、「そのとき」を示す概念として、「時刻」や「タイミング」も含まれるものとする。このため、「時間的な配置位置を示す情報」には、例えば過去の所定タイミングにおける時刻や、現在時刻等が含まれる。
【0050】
ここで、ユーザは、上述したように、オリジナルな回答を、自由な文章(テキスト)で入力することができる。
しかしながら、自由だからこそ、ユーザが、どのような内容を回答してよいのか悩む場合がある。
このような場合を想定して、即ち、どのような内容を回答すべきかの支援となる情報として、コンテクスト情報、属性を示す情報、及び行動履歴を示す情報の少なくとも一部を利用して生成された回答者支援情報がユーザに提示されるのである。
回答者支援情報としては、例えばユーザの属性やコンテクスト情報に基づく、よくある回答例等が提示される。
具体的には例えば、コンテクスト情報、属性を示す情報、及び行動履歴を示す情報により、M1層(20歳~34歳の男性)であることが判明したとする。そして、N単位(質問)が、転居先住宅の希望をユーザに問うものであったとする。
この場合、回答者支援情報(よくある回答例)として、コンビニエンスストアの近く、ジョギングコース(大きな公園等)といった情報がユーザに提示可能になる。
【0051】
また例えば、想定外質問生成部53は、上述の実施形態では、N-1単位(質問)に対する回答が予め設定されていない内容であった場合、N単位(質問)についての想定外質問データを生成した。
さらに、想定外質問生成部53は、次のような処理を実行してもよい。
即ち、想定外質問生成部53は、質問送信制御部56の制御によりユーザ端末2に対して、N単位(質問)のデータが送信された後に所定条件を満たした場合、N単位(質問)とは異なる内容の想定外質問データを、N+1単位(質問)として生成してもよい。
ここで、所定条件とは、例えば、ユーザが回答に躊躇したと判断できるような任意の条件であって、具体的には例えば送信後一定時間経過してもユーザによる回答の入力が無い等の条件である。
このようにして、ユーザがN単位(質問)に対する回答に躊躇する等が判断できた場合(所定条件を満たした場合)、質問の内容を変更すべく、N+1単位(質問)を送信することが可能になる。
具体的には例えば、N単位(質問)が「予算内、かつ、徒歩10分以内」の物件リスト(リストの中から所望の物件はどれですかという質問)であった場合に、ユーザが物件の選択をしない(回答に躊躇した)ときには、N+1単位(質問)として「バス利用を検討しますか?」が生成されて、ユーザに提示可能になる。
【0052】
また、上述の実施形態において、以下の機能が発揮されると、エンドユーザのUXを向上させてチャットの離脱率が低減させるため好適である。
即ち、サーバ1は、複数の回答に対して1度の入力で対応する機能を有するとよい。
具体的には例えば、図6における、「住所(町名など)や希望条件をどうぞ」の代わりに、「住所(町名など)や希望条件をどうぞ(複数希望の場合は「、」で区切ってお答え下さい)」という表示がなされる。
その結果、例えば、ユーザは、「西新宿、歌舞伎町、徒歩5分」との回答をすることができる。即ち、「西新宿、歌舞伎町、徒歩5分」との回答を、回答取得部51は取得する。これにより、回答取得部51は、複数の回答を並列的に取得する。
【0053】
その結果、図8における回答は、例えば、「西新宿の徒歩5分では以下の物件があります」、「歌舞伎町の徒歩5分では以下の物件があります」といった複数の回答に並列的に回答がなされる。
これにより、ユーザは、1回の回答と次なる質問のやり取りにより、ユーザの複数の回答(ここでは、希望の条件)を満たした次なる質問(ここでは、物件の候補の選択肢)を並列的にすべて得ることができる。これにより、ユーザの利便性が向上し、エンドユーザのUXを向上させてチャットの離脱率が低減される。
【0054】
また、サーバ1は、提案する機能を発揮するとよい。
具体的には例えば、図11のやりとりのさらに後において、「この物件はいかがでしたか?」のような質問が想定質問として表示される。これに対して、例えば、ユーザは、「良かった」「もっと駅近が良い」等の回答をすることができる。
即ち、回答取得部51は、このユーザによる「良かった」「もっと駅近が良い」等の回答を、取得する。
そして、これに対する質問内容として、さらなる物件の候補の選択肢を訪ねる質問がなされる。
【0055】
即ち例えば、例えば、サーバ1は、ユーザによる「良かった」「もっと駅近が良い」等の回答をリクエストとして、そのリクエストに応じた物件の情報を「以下の候補があります」と表示する。
具体的には例えば、ユーザが「良かった」と回答した場合、サーバ1は、先に選択された物件と条件(ステータス)が近い物件の候補をさらに表示する。
また例えば、ユーザが「もっと駅近が良い」と答えた場合、駅からの距離以外の条件(ステータス、例えば、間取り)が略同一であって、駅により近い物件の候補をさらに表示する。
【0056】
サーバ1は、複数の回答に対して1度の入力で対応する機能、及び、提案する機能に関する内容を、想定質問DBや質問仕様DBにさらに備えることで、上述の機能を発揮するのである。
【0057】
また、図3に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図3の例に限定されない。
【0058】
また、機能ブロックの存在場所も、図3に限定されず、任意でよい。
例えば、図3の例において、チャットサーバ1で管理される機能ブロックの少なくとも一部を、ユーザ端末2側が備える構成としてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0059】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0060】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0061】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0062】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0063】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図3のチャットサーバ1)は、
回答者に提示する質問を1単位として、1以上の単位から構成され、前記単位の提示順序を少なくとも含む質問仕様(例えば図4の左方に示す質問仕様)であって、当該1以上の単位の夫々が当該提示順序に従ってチャット形式で逐次的に前記回答者の端末(例えば図3のユーザ端末2)に提示されて夫々の回答がチャット形式で逐次的に前記回答者の端末において受け付けられる質問仕様(例えば図4の右方に示す質問仕様)を示す第1データ(例えば図4の質問仕様データ)が第1データベース(例えば図3の質問仕様DB71)に格納されており、
N(Nは2以上の整数値)番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定された内容であった場合にその内容を示す第2データ(例えば図7の想定内質問データ)が第2データベース(例えば図3の想定内質問DB72)に格納されており、
N番目の単位について、N-1番目の単位に対する回答が予め設定されていない内容であった場合に、その内容を示す第3データ(例えば図10の想定外質問データ)を生成する単位内容生成手段(例えば図3の想定外質問生成部53)と、
前記N-1番目の単位に対する回答を当該回答者の前記端末から取得して、当該回答の内容が予め設定されたものか否かを判定する回答内容判定手段(例えば図3の回答内容判定部52)と、
前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものであると前記回答内容判定手段により判定された場合、前記N番目の単位の内容を示すデータとして、前記第2データを前記第2データベースから取得し、前記N-1番目の単位に対する前記回答者の内容が予め設定されたものではないと前記回答内容判定手段により判定された場合、前記単位内容生成手段により生成された前記第3データを取得する単位内容取得手段(例えば図3の質問内容取得部55)と、
前記単位内容取得手段により取得された前記N番目の単位の内容を示すデータを、前記回答者の前記端末に送信する送信制御手段(例えば図3の質問送信制御部56)と、
を備える。
【0064】
これにより、回答者は、オリジナルの回答を柔軟に入力できるようになり、容易にチャットを利用できるようになる。その結果、回答者のUXが向上して離脱率が低減するようになる。
【0065】
ここで、情報処理装置は、
前記回答者について、コンテクスト情報、属性を示す情報、及び行動履歴を示す情報のうち少なくとも1つを含む情報を、回答者情報として取得する回答情報取得手段と、
前記N番目の単位に対する回答をするうえで前記回答者にとって資する情報を、回答者支援情報として、前記回答者情報に基づいて生成する回答者支援情報生成手段と、
をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記単位内容取得手段により取得された前記N番目の単位の内容を示す前記データと共に、前記回答者支援情報を前記回答者の前記端末に送信する制御を実行する、
ようにすることができる。
【0066】
また例えば、
前記単位内容生成手段は、さらに、
前記送信制御手段の制御により前記回答者の端末に対して、前記N番目の単位の内容を示す前記データが送信された後に所定条件を満たした場合、前記N番目の単位の内容とは異なる内容をN+1番目の単位の内容として、当該N+1番目の単位の内容を示すデータを生成し、
前記送信制御手段は、さらに、前記N+1番目の単位の内容を示す前記データを、前記回答者の前記端末に送信する制御を実行する、
ようにすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1:チャットサーバ、2:ユーザ端末、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:入力部、17:出力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、40:リムーバブルメディア、51:回答取得部、52:回答内容判定部、53:想定外質問生成部、54:切替部、55:質問内容取得部、56:質問送信制御部、71:質問仕様DB、72:想定内質問DB、N:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11