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特開2023-24416電子商取引支援システム、電子商取引支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024416
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】電子商取引支援システム、電子商取引支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230209BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126623
(22)【出願日】2022-08-08
(62)【分割の表示】P 2021130381の分割
【原出願日】2021-08-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月19日に「ECのミカタ」のhttps://ecnomikata.com/original_news/27974/にて発表 〔刊行物等〕 令和2年11月30日に株式会社ジーエルに販売 〔刊行物等〕 令和2年12月3日に株式会社ばぶばぶに販売 〔刊行物等〕 令和3年1月1日に株式会社レッドビジョンに販売 〔刊行物等〕 令和3年2月1日に株式会社木の屋石巻水産に販売 〔刊行物等〕 令和3年2月25日に株式会社バイオテックジャパンに販売 〔刊行物等〕 令和3年4月27日に株式会社エリカ健康道場に販売 〔刊行物等〕 令和3年4月28日に株式会社PRECEDEに販売 〔刊行物等〕 令和3年4月30日に、株式会社ビューティアンドリッチに販売 〔刊行物等〕 令和3年4月30日に株式会社ゼンケアに販売 〔刊行物等〕 令和3年5月30日に株式会社skinclosetに販売
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520046063
【氏名又は名称】w2ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】山田 大樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049AA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの作業負担を軽減し、ヒューマンエラーを抑制可能な電子商取引支援システム、電子商取引支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子商取引支援システムは、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、顧客による商品の購入に関する受注情報を受け付ける。関連付けステップでは、受注情報のうち所定の条件を満たすものに対して、ワークフローを関連付ける。ワークフローは、電子商取引における複数の処理手順を含む。記憶制御ステップでは、受注情報に関連付けされたワークフローを記憶させるように制御する。第2の受付ステップでは、ユーザによる、記憶されたワークフローの中からの任意のワークフローの選択を受け付ける。進行制御ステップでは、ユーザの入力なしに、ユーザに選択されたワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商取引支援システムであって、
次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、顧客による商品の購入に関する受注情報を受け付け、
関連付けステップでは、前記受注情報のうち所定の条件を満たすものに対して、ワークフローを関連付け、ここで前記ワークフローは、電子商取引における複数の処理手順を含み、
記憶制御ステップでは、前記受注情報に関連付けされた前記ワークフローを記憶させるように制御し、
第2の受付ステップでは、ユーザによる、記憶された前記ワークフローの中からの任意のワークフローの選択を受け付け、
進行制御ステップでは、前記ユーザの入力なしに、前記ユーザに選択された前記ワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記第2の受付ステップでは、前記ユーザによって決定された前記任意のワークフローの順序を含む選択を受け付ける、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記ワークフローに含まれる複数の処理手順は、進行が開始される時点を、前記ユーザが事前に設定可能である、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記受注情報は、ステータス情報を含み、
ここで前記ステータス情報とは、前記商品の受注作業における進捗を示し、
前記所定の条件は、前記受注情報が、所定のステータス情報を含むことである、もの。
【請求項5】
請求項4に記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記複数の処理手順は、前記ステータス情報の更新を含む、もの。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記ワークフローに含まれる複数の処理手順は、前記ステータス情報の最終更新から一定期間が経過した場合に進行が開始される、もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記所定の条件は、決済方法に関する条件であり、
ここで前記決済方法は、前記顧客によって選択された決済の手段である、もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記所定の条件は、前記商品の配送に関する条件である、もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記所定の条件は、外部のシステムから、所定の情報を受信したか否かである、もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記複数の処理手順は、情報の通知を含む、もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおいて、
前記ワークフローに含まれる複数の処理手順が進行している間は、他のワークフローに含まれる複数の処理手順の進行の開始が制限される、もの。
【請求項12】
電子商取引支援方法であって、
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項11の何れか1つに記載の電子商取引支援システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引支援システム、電子商取引支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
受注した製品の受注状況を管理する情報処理システムが知られている。特許文献1には、製品の受注に関する受注データが蓄積されたデータベースを有し、製品の受注状況を管理する受注管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-038416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、ユーザは、例えば納期の回答等の業務を行った後、データベースの中から該当する受注情報を特定し、行った業務の内容を記録する必要があった。つまり、ユーザは、受注業務及びこれに付随して生じるデータベースの検索等の作業を、手動で行なわなければならなかった。そのため、大量の受注情報を扱う場合にユーザの負担が大きく、ヒューマンエラーが生じる可能性があった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、ユーザの作業負担を軽減し、ヒューマンエラーを抑制可能な電子商取引支援システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、電子商取引支援システムが提供される。この電子商取引支援システムは、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、顧客による商品の購入に関する受注情報を受け付ける。関連付けステップでは、受注情報のうち所定の条件を満たすものに対して、ワークフローを関連付ける。ワークフローは、電子商取引における複数の処理手順を含む。記憶制御ステップでは、受注情報に関連付けされたワークフローを記憶させるように制御する。第2の受付ステップでは、ユーザによる、記憶されたワークフローの中からの任意のワークフローの選択を受け付ける。進行制御ステップでは、ユーザの入力なしに、ユーザに選択されたワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する。
【0007】
このような態様によれば、ユーザの作業負担を軽減し、ヒューマンエラーを抑制可能な電子商取引支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子商取引支援システム1を表す構成図である。
図2】電子商取引支援装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】電子商取引支援装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】電子商取引支援装置2による受注処理の一例を示すアクティビティ図である。
図6】受注情報データベースDB1のデータ格納例を示す図である。
図7】電子商取引支援装置2によるワークフロー作成処理の一例を示すアクティビティ図である。
図8】ワークフロー作成画面の一例を示す図である。
図9】ワークフロー作成画面の一例を示す図である。
図10】電子商取引支援装置2によるシナリオ作成処理の一例を示すアクティビティ図である。
図11】シナリオ設定画面の一例を示す図である。
図12】電子商取引支援装置2によるシナリオ実行処理の一例を示すアクティビティ図である。
図13】ワークフロー実行履歴表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<電子商取引支援システム1>
図1は、電子商取引支援システム1を表す構成図である。電子商取引支援システム1は、電子商取引支援装置2と、ユーザ端末3と、顧客端末4とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、電子商取引支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、電子商取引支援装置2のみからなる場合であれば、電子商取引支援システム1は、電子商取引支援装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<電子商取引支援装置2>
図2は、電子商取引支援装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。電子商取引支援装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が電子商取引支援装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、電子商取引支援装置2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される電子商取引支援装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される電子商取引支援装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、電子商取引支援装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、電子商取引支援装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末3>
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、電子商取引支援装置2における各部の説明と同様のため省略する。なお、顧客端末4は、例えばユーザ端末3と略同様の構成としてもよいため、説明を省略する。
【0020】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0021】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
本節では、電子商取引支援装置2における制御部23の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部が実行されうる。
【0023】
図4は、電子商取引支援装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部23は、第1の受付部231と、関連付け部232と、記憶制御部233と、第2の受付部234と、進行制御部235とを備える。制御部23は、好ましくは、さらに、情報生成部236と、表示制御部237とを備えてもよい。以下、各機能部について説明する。
【0024】
第1の受付部231及び第2の受付部234は、外部から種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、第1の受付部231は、第1の受付ステップを実行するように構成されてもよく、第2の受付部234は、第2の受付ステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0025】
関連付け部232は、第1の受付部231又は第2の受付部234が受け付けた情報と、種々の情報とを関連付けるように構成される。例えば、関連付け部232は、関連付けステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0026】
記憶制御部233は、種々の情報を例えば記憶部22に記憶させるように構成される。例えば、記憶制御部233は、記憶制御ステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0027】
進行制御部235は、種々の処理手順を進行させるように構成される。例えば、進行制御部235は、進行制御ステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0028】
情報生成部236は、種々の情報を生成するように構成される。例えば、情報生成部236は、ステータス情報生成ステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0029】
表示制御部237は、ユーザ端末3又は顧客端末4に種々の情報を表示させるように構成される。表示制御部237は、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された情報そのものを生成してもよいし、例えば表示部34等に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。例えば、表示制御部237は、表示制御ステップを実行するように構成されてもよい。これについては、後にさらに詳述する。
【0030】
3.情報処理の詳細
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した電子商取引支援システム1において実行される情報処理について説明する。具体的に、ユーザが、インターネット上の電子商店において商品を販売し、顧客がその商品を購入する場面を例に挙げて、電子商取引支援システム1の処理を説明する。なお、あくまでも一例であり、ユーザ及び顧客はこの限りではない。
【0031】
3.1 注文受付
図5は、電子商取引支援装置2による受注処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、顧客は、顧客端末4の入力部を介して、商品の購入意思を示す情報を入力する(A101)。具体的には、顧客が、スマートフォンである顧客端末4のタッチパネルディスプレイに表示された、「購入」ボタンをタップ操作することによって押下する。続いて、商品の購入に関する受注情報RIが、顧客端末4の通信部を介して、顧客端末4から電子商取引支援装置2に送信される。
【0032】
次に、第1の受付部231は、第1の受付ステップとして、顧客による商品の購入に関する受注情報RIを、通信部21を介して受け付ける(A102)。
【0033】
ここで受注情報RIは、例えば、顧客が入力した情報、具体的には、顧客の氏名、配送先住所、決済方法、電子決済のために必要な情報、希望する配送方法及び配送時間、購入商品の種類、色、型番、サイズ、数量を示す情報等であってよい。また、受注情報RIは、受注案件を管理するための情報、具体的には、受注案件を識別するための注文ID、顧客を識別するための顧客ID、顧客の属性、受注案件を管理するためのタグ情報、注文を受け付けた日時、購入経路、商品の価格、合計金額等であってよい。ここでタグ情報とは、例えば、顧客ごとの個別の要望を管理するための目印であってよい。好ましくは、受注情報RIは、顧客が入力した情報と、受注案件を管理するための情報との組み合わせである。ここで受注案件とは、A101において、1又は複数の商品の購入意思を顧客が示すことによって発生した、個別の注文のことを指す。
【0034】
次に、情報生成部236は、ステータス情報STを生成し、A102で受け付けた受注情報RIに、該生成したステータス情報STを追加する(A103)。すなわち、好ましくは、受注情報RIは、ステータス情報STを含む。より好ましくは、受注情報RIは、複数のステータス情報STを含む。ここでステータス情報STとは、商品の受注作業における進捗を示す。より好ましくは、ステータス情報STは、商品の受注作業における進捗の段階を示す。受注情報RIがステータス情報STを含むことで、ユーザは、受注案件の進捗状態を客観的に把握することができ、ユーザが複数人であった場合にも効率的に情報を共有することができる。その結果、重複した作業を行う等のミスを抑制することができる。
【0035】
具体的には、ステータス情報STとは、商品の受注から発送までの作業における進捗を示す「注文ステータス」、督促作業に関する進捗を示す「督促ステータス」、入金に関する進捗を示す「入金ステータス」等であってよい。注文ステータスにおける進捗の段階とは、例えば、「注文済み」、「受注承認」、「出荷手配済み」、「キャンセル済み」等であってよい。ステータス情報STは、予め定められたものに限らず、ユーザがステータス名及び進捗の段階を自由に設定可能なものであってよい。情報生成部236は、例えば、注文ステータスを「注文済み」とするステータス情報STを生成し、受注情報RIに追加することができる。これにより、注文ステータスが「注文済み」である受注案件は、注文を受けた後に何の処理もなされていない案件であることを、ユーザが把握することができる。
【0036】
次に、記憶制御部233は、記憶部22に受注情報RIを記憶させるように制御する(A104)。具体的には、記憶部22に記憶される受注情報RIは、受注情報データベースDB1に追加される新たなレコードであってよい。図6は、受注情報データベースDB1のデータ格納例を示す図である。図6に示すように、受注情報データベースDB1は、複数の受注案件に関する情報が格納されたデータベースである。図6の例では、注文ID「202100303」の受注案件は、現在の注文ステータスが「注文済み」、支払いステータスが「未入金」であることを示している。
【0037】
好ましくは、受注情報データベースDB1に格納されたデータは、ユーザによって又は情報生成部236によって、編集されることができる。より好ましくは、編集可能なデータは、一部の項目に限られていてもよい。これにより、ユーザの誤操作によってデータが上書きされることを防ぐことができる。
【0038】
受注情報データベースDB1は、データが最後に更新された日時を含んでも良い。好ましくは、受注情報データベースDB1は、ステータス情報STの最終更新日時を含む。これにより、ユーザは、進捗が遅れている受注案件を容易に見つけることができ、納品の遅れ等の顧客とのトラブルを防ぐことができる。
【0039】
3.2 ワークフロー作成
図7は、電子商取引支援装置2によるワークフロー作成処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、第2の受付部234は、ユーザによるワークフローの新規作成の要求を、通信部21を介して受け付ける(A201)。ここでワークフローとは、電子商取引における複数の処理手順を含む。複数の処理については、後に詳述する。
【0040】
次に、表示制御部237は、コンピュータであるユーザ端末3の表示部34、すなわちディスプレイに、ワークフロー作成画面を表示させるように制御する(A202)。図8及び図9は、ワークフロー作成画面の一例を示す図である。図8及び図9に示すように、ワークフロー作成画面500は、ワークフロー名入力欄501、ワークフロー登録ボタン502、抽出条件設定エリア510及び処理設定エリア520を含む。
【0041】
次に、第2の受付部234は、記憶部22に記憶された受注情報RIを抽出するための所定の条件の入力を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A203)。具体的には、第2の受付部234は、受注情報データベースDB1の中から特定の受注案件を抽出するための、所定の条件を受け付ける。例えば、第2の受付部234は、図8の抽出条件設定エリア510に含まれる設定項目511にそれぞれについて、ユーザから所定の条件の入力を受け付けてもよい。所定の条件は、条件選択ボタン512、時刻選択プルダウン513、日付選択プルダウン514及び数値入力欄516を介して、入力又は選択されてもよい。
【0042】
好ましくは、所定の条件は、受注情報RIが、所定のステータス情報STを含むことである。例えば、ユーザは、注文ステータスが「注文済み」である受注案件のみを抽出することができる。このような態様によれば、所定の進捗状況の受注案件のみを抽出し、処理を実行することができる。すなわち、処理を実行する対象が限られる特殊な業務を自動で行うことができるため、ユーザの負担をより軽減し、電子商取引における業務の効率化を実現することができる。
【0043】
好ましくは、所定の条件は、決済方法に関する条件である。ここで決済方法は、顧客によって選択された決済の手段である。決済方法の一例として、クレジットカード決済、コンビニエンスストアでの支払い、代金引換決済、銀行振込、インターネットバンキングによる振込、携帯電話等の通信料金への上乗せによる支払い、外部ID決済等が挙げられる。外部ID決済とは、外部のサービスに登録されたクレジットカード情報で決済する方法、例えば、AMAZON PAY(登録商標)等のことを指す。決済方法に関する条件は、前払い、後払い等の支払いタイミングを示すものであってもよい。このような態様によれば、異なる決済方法が選択された受注案件に対して、適切な処理を実行することができる。すなわち、多岐にわたる決済方法それぞれに対する処理を自動化することができ、ユーザの負担をより軽減し、電子商取引における業務の効率化を実現することができる。
【0044】
好ましくは、所定の条件は、商品の配送に関する条件である。商品の配送に関する条件とは、例えば、顧客が希望した配送方法、配送業者、配送の時間帯、配送先、荷物の置き場所等であってよい。このような態様によれば、配送に関する顧客の希望にあわせて、適切な処理を実行することができる。すなわち、ヒューマンエラーを抑制し、配送日の遅れ等の顧客とのトラブルを防止することができる。
【0045】
好ましくは、所定の条件は、外部のシステムから、所定の情報を受信したか否かである。外部のシステムとは、電子商取引支援システム1以外のシステムのことを指し、例えば、受注管理システム、在庫管理システム、決済システム等であってよい。所定の情報とは、例えば、発送された商品の伝票番号、商品の受注を示す情報、決済に関する情報等であってよい。このような態様によれば、外部のシステムと連携し、所定の情報を受信した受注案件に対して自動で処理を実行することができる。すなわち、ユーザの負担をより軽減し、電子商取引における業務の効率化を実現することができる。
【0046】
次に、第2の受付部234は、ワークフローに含まれる複数の処理の選択を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A204)。複数の処理の順序、すなわち複数の処理手順は、所定の規則に基づいて決定されてよい。好ましくは、第2の受付部234は、さらに、複数の処理の順序をユーザから受け付ける。具体的には、図9に示す処理設定エリア520に含まれる処理選択ボタン521が入力されることによって、処理内容522に示された各処理が選択されてよい。さらに、処理選択プルダウン523は、選択された処理についての具体例な処理内容の選択を受け付けることができる。具体例な処理内容は、詳細設定ボタン524がマウスでクリックされることで遷移する別画面において入力されてもよい。
【0047】
複数の処理とは、電子商取引において販売者が行う処理であれば、特に制限はない。例えば、受注情報データベースDB1に格納されたデータの編集、電子決済の売上処理、入金の確認、外部のシステムへの所定の情報の送信、外部のシステムからの所定の情報の受信、送り状や伝票の出力、FAXの送信、情報の通知等であってよい。外部のシステムへの所定の情報の送信、又は外部のシステムからの所定の情報の受信とは、例えば、在庫管理システムへの出荷依頼、在庫管理システムからの出荷予定日の取得、伝票番号の取得等であってよい。受注情報データベースDB1に格納されたデータの編集は、例えば、ステータス情報STの更新、出荷予定日の変更、タグ情報の変更等であってよい。
【0048】
好ましくは、複数の処理手順は、ステータス情報STの更新を含む。ステータス情報STの更新処理について、具体例を用いて説明する。図6の受注情報データベースDB1において、注文ID「202100303」の受注案件は、現在の注文ステータスが「注文済み」で登録されている。ステータス情報STの更新処理では、この注文ステータスが、「注文済み」から「受注承認」へと更新される。このような態様によれば、ステータス情報を最新の進捗状況に合わせて自動的に更新することができる。すなわち、ステータス情報を更新し忘れるといったヒューマンエラーを抑制することができる。
【0049】
好ましくは、複数の処理手順は、情報の通知を含む。情報の通知先は、顧客であってもよく、ユーザ自身であってもよく、他のユーザであってもよい。このような態様によれば、電子商取引における業務における情報の通知作業を自動化することができる。すなわち、顧客に情報を通知し忘れる等のトラブルを防止することができ、ユーザの作業負担をより軽減することができる。ユーザ自身又は他のユーザに情報を通知することで、ワークフローの処理が完了したこと等の通知をユーザが受け取ることができ、ユーザビリティが向上する。情報の通知手段に特に制限はないが、例えば、メールの送信、ショートメッセージの送信、又はチャットサービス若しくはSNSにおけるメッセージの送信であってよい。
【0050】
次に、第2の受付部234は、ワークフローの新規登録の要求を、通信部21を介してユーザから受け付ける。具体的には、図8に示すワークフロー登録ボタン502が、ユーザによってマウスでクリックされることで、ワークフローの新規登録の要求を受け付けてよい。
【0051】
次に、関連付け部232は、関連付けステップとして、受注情報RIのうち所定の条件を満たすものに対して、ワークフローを関連付ける(A206)。具体的には、関連付け部232は、A203で受け付けた所定の条件と、A204で受け付けた複数の処理の手順とを関連付ける。
【0052】
次に、記憶制御部233は、記憶制御ステップとして、受注情報RIに関連付けされたワークフローを、記憶部22に記憶させるように制御する(A207)。具体的には、受注情報RIに関連付けされたワークフローが、複数のワークフローに関する情報が格納されたデータベースにおいて、新たなレコードとして追加される。ここで、ワークフロー名入力欄501に入力されたテキストが、ワークフロー名として記憶される。ワークフロー名の他に、ワークフローの内容を説明するテキストが記憶されてもよい。
【0053】
記憶されたワークフローに含まれる複数の処理手順は、後述のワークフローの実行シナリオによって、ユーザの入力なしに進行が制御される。ここで、ワークフローに含まれる複数の処理手順は、ユーザによる開始要求を受け付けることで、進行の制御が開始されてもよい。
【0054】
3.3 シナリオ作成
図10は、電子商取引支援装置2によるシナリオ作成処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、第2の受付部234は、ワークフローの実行シナリオの新規作成の要求を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A301)。ここでワークフローの実行シナリオ(以下、シナリオという)とは、少なくとも1つのワークフローによって構成される、一連の処理手順である。
【0055】
次に、表示制御部237は、ユーザ端末3の表示部34に、シナリオ設定画面を表示させるように制御する(A302)。図11は、シナリオ設定画面の一例を示す図である。シナリオ設定画面600は、シナリオ名入力欄601、シナリオ登録ボタン602、キャンセルボタン603及びシナリオ設定エリア610を含む。
【0056】
次に、第2の受付部234は、第2の受付ステップとして、ユーザによる、記憶されたワークフローの中からの任意のワークフローの選択を、通信部21を介して受け付ける(A303)。ここで、ワークフロー選択プルダウン614から、所望のワークフローが選択されてよい。好ましくは、ワークフロー名612、ワークフロー説明613には、A207で記憶された内容が表示される。これにより、ユーザはワークフローの内容を理解した上で識別することができる。
【0057】
次に、好ましくは、第2の受付部234は、ユーザによって決定された任意のワークフローの順序を含む選択を受け付ける。具体的には、第2の受付部234は、任意のワークフローの順序を示す選択を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A304)。例えば、図11のワークフロー追加ボタン615がユーザにクリックされることで、シナリオにワークフローが追加される。また、ユーザは、ワークフロー削除ボタン616をクリックすることで、シナリオからワークフローを削除することができる。図11の実行順序611には、ワークフローが実行される順番が表示される。このような態様によれば、ユーザは、ワークフローを所望の順序に組み合わせることが可能となる。すなわち、ユーザは、必要な業務の内容に合わせてワークフローのカスタマイズができ、ユーザの利便性が向上する。
【0058】
次に、第2の受付部234は、シナリオ開始条件の設定入力を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A305)。シナリオ開始条件は、例えば、開始時点であってよい。すなわち、ワークフローに含まれる複数の処理手順は、進行が開始される時点を、ユーザが事前に設定可能である。開始時点は1回のみ設定されてもよく、所定の期間で繰り返し設定されてもよい。このような態様によれば、ユーザは、日次業務等の定期的に繰り返し発生する業務を自動的に実行することができる。すなわち、処理の実行し忘れ等のヒューマンエラーをより確実に抑制することができる。
【0059】
シナリオ開始条件は、受注情報データベースDB1に格納されたデータの最終更新、好ましくは、ステータス情報STの最終更新から一定期間が経過したことであってよい。すなわち、ワークフローに含まれる複数の処理手順は、ステータス情報STの最終更新から一定期間が経過した場合に進行が開始される。このような態様によれば、ステータス情報が一定期間更新されていない受注案件、つまり進捗が止まっている受注案件に対して、自動的に処理を実行することができる。すなわち、各受注案件の進捗状況をユーザが確認して個別に処理を実行する必要がなくなり、ユーザの作業負担をより低減することができる。
【0060】
シナリオ開始条件は、第1の受付部231が、外部の連携システム又はWEBサイトから情報を受け付けたことであってよい。例えば、外部受注システムからデータを受け付けたことであってよい。
【0061】
次に、第2の受付部234は、シナリオの新規登録の要求を、通信部21を介してユーザから受け付ける(A306)。具体的には、図11に示すシナリオ登録ボタン602が、ユーザによってマウスでクリックされることで、ワークフローの新規登録の要求を受け付けてよい。
【0062】
次に、記憶制御部233は、シナリオを記憶部22に記憶させるように制御する(A307)。具体的には、ワークフローの実行シナリオが、複数のシナリオに関する情報が格納されたデータベースにおいて、新たなレコードとして追加される。ここで、シナリオ名入力欄601に入力されたテキストが、シナリオ名として記憶される。シナリオ名の他に、シナリオの内容を説明するテキストが記憶されてもよい。
【0063】
3.4 シナリオ実行
図12は、電子商取引支援装置2によるシナリオ実行処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、進行制御部235は、A305で設定されたシナリオ開始条件が満たされているか否かを判断する(A401)。ここで進行制御部235が、シナリオ開始条件が満たされていると判断すると、次のアクティビティに進む。一方、進行制御部235が、シナリオ開始条件が満たされていないと判断すると、そのまま待機する。
【0064】
次に、進行制御部235は、他のワークフローの実行を制限する。すなわち、電子商取引支援システム1では、ワークフローに含まれる複数の処理手順が進行している間は、他のワークフローに含まれる複数の処理手順の進行の開始が制限される(A402)。ワークフローの実行とは、ユーザによって手動で又は情報処理によって自動で、ワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させることを指す。このような態様によれば、ワークフローに含まれる処理手順が進行している間に、別のワークフローに含まれる処理手順の進行が開始されることを防止することができる。すなわち、処理の重複や誤操作によって、意図されていない処理が実行されることを抑制することができ、より正確に処理を行うことができる。
【0065】
手動によってワークフローの実行が要求された場合には、表示制御部237が、警告画面を表示させることで、他のワークフローの実行が制限されていることをユーザに伝えてもよい。他のワークフローの実行が制限された状態で、別のシナリオの開始条件が満たされた場合には、そのシナリオは開始されず保留状態となる。保留状態のシナリオの実行処理は、後述のA406で他のワークフローの実行制限が解除された後に、開始される。
【0066】
次に、進行制御部235は、進行制御ステップとして、ユーザの入力なしに、ユーザに選択されたワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する(A403)。具体的には、進行制御部235は、シナリオにおける最初のワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する。続いて、進行制御部235は、次のワークフロー、すなわち2番目のワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する(A404)。
【0067】
次に、進行制御部235は、シナリオにおける最後のワークフローが終了したか否かを判断する(A405)。具体的には、2番目のワークフローがシナリオにおける最後のワークフローであったか否かが判断される。ここで進行制御部235が、最後のワークフローが終了したと判断すると、次のアクティビティに進む。一方、進行制御部235が、最後のワークフローが終了していないと判断すると、次のワークフロー、すなわち3番目のワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する(A404)。
【0068】
次に、進行制御部235は、他のワークフローの実行の制限を解除する(A406)。ここで、開始条件が満たされたが保留状態となっていたシナリオが存在する場合には、続いてそのシナリオの実行処理が開始される。すなわち、進行制御部235は、他のワークフローの実行を制限する(A402)。保留状態のシナリオが複数ある場合には、開始条件が満たされた時点が先のシナリオから実行処理が開始される。
【0069】
図13は、ワークフロー実行履歴表示画面の一例を示す図である。表示制御部237は、実行されたワークフローの結果及び進捗を、実行履歴表示画面700として表示させるように制御してもよい。図13に示すように、実行履歴表示画面700は、戻るボタン701と、履歴一覧710とを含んでよい。
【0070】
履歴一覧710には、実行されたワークフローの履歴が表示される。具体的には、履歴一覧710は、ワークフローの開始日時、終了日時、ワークフローが含まれていたシナリオ名、シナリオにおけるワークフローの実行順序、ワークフロー名、現在の状態、実行件数、成功件数、失敗件数等を示すものであってよい。現在の状態とは、例えば、ワークフローが正常に終了した、エラーが発生し途中で停止した、ユーザの要求によって停止された、開始を待機しており保留中である、といった内容を示すものであってよい。例えば、状態表示711及び件数表示712は、他の画面への切り替え入力を受け付けるリンクであり、ユーザによってクリックされることで、結果の詳細を示す画面へと遷移してもよい。
【0071】
図13の例では、履歴ID201及び202のワークフローが正常に終了しており、これは「日時業務:受注承認」というシナリオに含まれるワークフローであることを示している。そして、現在は履歴ID203のワークフローが実行中であり、別のシナリオ「督促メール」に含まれる、履歴ID204のワークフローは、実行が制限されえいるため、保留状態であることを示している。
【0072】
以上をまとめると、電子商取引支援システム1は、次の各部を備える。第1の受付部231は、顧客による商品の購入に関する受注情報RIを受け付ける。関連付け部232は、受注情報RIのうち所定の条件を満たすものに対して、ワークフローを関連付ける。ワークフローは、電子商取引における複数の処理手順を含む。記憶制御部233は、受注情報RIに関連付けされたワークフローを記憶させるように制御する。第2の受付部234は、ユーザによる、記憶されたワークフローの中からの任意のワークフローの選択を受け付ける。進行制御部235は、ユーザの入力なしに、ユーザに選択されたワークフローに含まれる複数の処理手順を進行させるように制御する。このような態様によれば、ユーザは、特定の受注案件に関連付けされた一連の処理を自動で実行することができる。すなわち、電子商取引における業務の効率化が実現可能であり、処理の実行し忘れや処理手順の違反といった、ヒューマンエラーを抑制可能な電子商取引支援システムを提供することができる。
【0073】
4.その他
前述の実施形態に係る電子商取引支援システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0074】
実施形態の一態様として、電子商取引は、EC(Electronic Commerce)サイト、ECモール等において行われるものであってよい。電子商取引支援装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の電子商取引支援装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
商品とは、ユーザが販売する対象のことを指し、商取引が可能なものであれば物品に限らない。実施形態の一態様として、商品は、役務やデジタルコンテンツであってよい。
実施形態の一態様は、電子商取引支援方法であってよい。電子商取引支援方法は、電子商取引支援システム1における各ステップ、すなわち第1の受付ステップと、関連付けステップと、記憶制御ステップと、第2の受付ステップと、進行制御ステップと、を備える。
実施形態の一態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、電子商取引支援システム1における各ステップ、すなわち第1の受付ステップと、関連付けステップと、記憶制御ステップと、第2の受付ステップと、進行制御ステップと、を実行させる。
【0075】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記第2の受付ステップでは、前記ユーザによって決定された前記任意のワークフローの順序を含む選択を受け付ける、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記ワークフローに含まれる複数の処理手順は、進行が開始される時点を、前記ユーザが事前に設定可能である、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記受注情報は、ステータス情報を含み、ここで前記ステータス情報とは、前記商品の受注作業における進捗を示し、前記所定の条件は、前記受注情報が、所定のステータス情報を含むことである、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記複数の処理手順は、前記ステータス情報の更新を含む、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記ワークフローに含まれる複数の処理手順は、前記ステータス情報の最終更新から一定期間が経過した場合に進行が開始される、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記所定の条件は、決済方法に関する条件であり、ここで前記決済方法は、前記顧客によって選択された決済の手段である、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記所定の条件は、前記商品の配送に関する条件である、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記所定の条件は、外部のシステムから、所定の情報を受信したか否かである、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記複数の処理手順は、情報の通知を含む、もの。
前記電子商取引支援システムにおいて、前記ワークフローに含まれる複数の処理手順が進行している間は、他のワークフローに含まれる複数の処理手順の進行の開始が制限される、もの。
電子商取引支援方法であって、前記電子商取引支援システムにおける各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記電子商取引支援システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0076】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
1 :電子商取引支援システム
2 :電子商取引支援装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :第1の受付部
232 :関連付け部
233 :記憶制御部
234 :第2の受付部
235 :進行制御部
236 :情報生成部
237 :表示制御部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
4 :顧客端末
500 :ワークフロー作成画面
501 :ワークフロー名入力欄
502 :ワークフロー登録ボタン
510 :抽出条件設定エリア
511 :設定項目
512 :条件選択ボタン
513 :時刻選択プルダウン
514 :日付選択プルダウン
516 :数値入力欄
520 :処理設定エリア
521 :処理選択ボタン
522 :処理内容
523 :処理選択プルダウン
524 :詳細設定ボタン
600 :シナリオ設定画面
601 :シナリオ名入力欄
602 :シナリオ登録ボタン
603 :キャンセルボタン
610 :シナリオ設定エリア
611 :実行順序
612 :ワークフロー名
613 :ワークフロー説明
614 :ワークフロー選択プルダウン
615 :ワークフロー追加ボタン
616 :ワークフロー削除ボタン
700 :実行履歴表示画面
701 :戻るボタン
710 :履歴一覧
711 :状態表示
712 :件数表示
DB1 :受注情報データベース
RI :受注情報
ST :ステータス情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13