(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024419
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ゲームのためのプログラム、方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/533 20140101AFI20230209BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230209BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230209BHJP
【FI】
A63F13/533
A63F13/79
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152636
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2021130052の分割
【原出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】踊場 英佑
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 圭将
(72)【発明者】
【氏名】藤本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 芳朗
(57)【要約】
【課題】即時実行用ゲーム媒体操作部を用いたバトルを可能とするゲームプログラム等を提供すること。
【解決手段】2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのためのプログラムであって、ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、コンピュータに、ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する段階と、ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させる段階と、即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、を実行させる、プログラム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのためのプログラムであって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、前記プログラムはコンピュータに、
ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する段階と、
前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させる段階と、
前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項2】
前記バトル画面において非即時実行用操作部を表示させる段階と、
前記非即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体を選択するための効果発動ゲーム媒体選択画面を表示させる段階と、
前記効果発動ゲーム媒体選択画面においてゲーム媒体を選択するユーザ操作を受け付けると、前記選択されたゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、
を更にコンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記効果発動ゲーム媒体選択画面においては各ゲーム媒体を選択するためのゲーム媒体選択部が表示され、前記即時実行用ゲーム媒体のためのゲーム媒体選択部においては当該ゲーム媒体選択部に関連付けられたゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体に設定されていることを示す情報が表示されることを特徴とする、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記バトル画面においては基本操作部が表示され、
前記プログラムは、更にコンピュータに、
前記バトルに用いられるゲーム媒体セットにおいて即時実行用ゲーム媒体が設定されているか否かを判定する段階と、
即時実行用ゲーム媒体が設定されていると判定された場合には、前記基本操作部に代えて、前記即時実行用操作部を表示する段階と、
を実行させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム媒体には第1種類のゲーム媒体及び第2種類のゲーム媒体が含まれ、
第1種類のゲーム媒体には2以上のスキル発動処理が関連付けられ、第2種類のゲーム媒体には1つの効果発動処理が関連付けられ、
前記ゲーム媒体セットにおいては、1以上の第1種類のゲーム媒体と2以上の第2種類のゲーム媒体が含まれ、
前記即時実行用ゲーム媒体は第2種類の媒体から選択される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのための方法であって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、コンピュータに、
ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する段階と、
前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させる段階と、
前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、
を実行させることを特徴とする、方法。
【請求項7】
2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのための情報処理装置であって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、前記情報処理装置は、
ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶し、
前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させ、
前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのためのプログラム等に関するものであり、特に2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのためのプログラム等であって、即時実行用ゲーム媒体操作部を用いたバトルを可能とするゲームのためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータやスマートフォン等の情報処理装置を用いたゲームにおいて、敵とのバトル中にプレイヤが実行可能な効果を発動させることでプレイヤが有利にゲームを進行させることを可能とするゲームが多数リリースされている。このようなゲームにおいて、プレイヤキャラクタPCの複数の能力の中から選択された1つの能力に対してプレイヤの操作ボタンをショートカットボタンとして割り当てて、その操作ボタンを押下すれば割り当てられた能力を即時実行可能なゲームプログラムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレイヤが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含んだゲーム媒体セットを編成し、編成された複数のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームが知られている。このようなゲームにおいては、複数のゲーム媒体セットからバトルに使用されるゲーム媒体セットが選択されるため、プレイヤキャラクタPCの能力の中から選択された1つの能力に対してショートカットボタンを設定しても、ショートカットボタンに割り当てられた能力が、バトルのために使用されるゲーム媒体セットにおいても使用可能であるとは限らない。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームにおいて即時実行用ゲーム媒体操作部を用いたバトルを可能とするプログラム等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.上記の目的を達成するために、本発明の一態様としてのプログラムは、2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのためのプログラムであって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、前記プログラムはコンピュータに、ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する段階と、前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させる段階と、前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、を実行させる。
【0007】
2.また、項1に記載のプログラムは、前記バトル画面において非即時実行用操作部を表示させる段階と、前記非即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体を選択するための効果発動ゲーム媒体選択画面を表示させる段階と、前記効果発動ゲーム媒体選択画面においてゲーム媒体を選択するユーザ操作を受け付けると、前記選択されたゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、を更にコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0008】
3.さらにまた、項2に記載のプログラムは、前記効果発動ゲーム媒体選択画面においては各ゲーム媒体を選択するためのゲーム媒体選択部が表示され、前記即時実行用ゲーム媒体のためのゲーム媒体選択部においては当該ゲーム媒体選択部に関連付けられたゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体に設定されていることを示す情報が表示されるようにしてもよい。
【0009】
4.項1~3のいずれか1項に記載のプログラムは、前記バトル画面においては基本操作部が表示され、前記プログラムは、更にコンピュータに、前記バトルに用いられるゲーム媒体セットにおいて即時実行用ゲーム媒体が設定されているか否かを判定する段階と、即時実行用ゲーム媒体が設定されていると判定された場合には、前記基本操作部に代えて、前記即時実行用操作部を表示する段階と、を実行させることができる。
【0010】
5.項1~4のいずれか1項に記載のプログラムは、前記ゲーム媒体には第1種類のゲーム媒体及び第2種類のゲーム媒体が含まれ、第1種類のゲーム媒体には2以上のスキル発動処理が関連付けられ、第2種類のゲーム媒体には1つの効果発動処理が関連付けられ、前記ゲーム媒体セットにおいては、2以上の第1種類のゲーム媒体と2以上の第2種類のゲーム媒体が含まれ、前記即時実行用ゲーム媒体は第2種類の媒体から選択されるようにしてもよい。
【0011】
6.本発明の一態様としての方法は、2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのための方法であって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、コンピュータに、ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する段階と、前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させる段階と、前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する段階と、を実行させる。
【0012】
7.本発明の一態様としての情報処理装置は、2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームのための情報処理装置であって、前記ゲーム媒体セットはバトル開始前に編成されて記憶され、ユーザが所持するゲーム媒体の中から選択されたゲーム媒体を含み、前記情報処理装置は、ゲーム媒体セットの編成に際して、当該ゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体から即時実行用ゲーム媒体を選択する選択入力を受け付けると当該選択されたゲーム媒体を、当該ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶し、前記ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させ、前記即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、前記ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2以上のゲーム媒体セットから選択されたゲーム媒体セットを用いてバトルを行うゲームにおいて即時実行用操作部に対するユーザ操作(プレイヤ操作)を受け付けると、ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行可能とし、プレイヤの操作負担を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0016】
ゲームシステム1は、ネットワークを介して複数の情報処理装置が接続されるシステムによって実現することができるが、1台の情報処理装置によっても実現することもできる。ここではまず、ネットワークに接続されたシステムを用いた実施形態について説明する。情報処理装置は、例えば、コンピュータ、スマートフォン、サーバ等の電子装置とすることができる。
【0017】
図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムの全体構成の一例を示す。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の情報処理装置であるプレイヤ装置10と、サーバ20とを備え、プレイヤ装置10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ-クライアントシステムを想定して説明する。
【0018】
図2は本発明の一実施形態によるプレイヤ装置10及びサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。プレイヤ装置10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、プレイヤ装置10はスマートフォンである。ただし、プレイヤ装置10は、上記の構成を備えるものであれば、タブレット型コンピュータ、タッチパッド等の接触型入力装置を備えるコンピュータやゲーム装置などの電子装置とすることができる。
【0019】
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
【0020】
プロセッサ11、21は、プレイヤ装置10ないしサーバ20全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21は、記憶装置14、24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11、21は、複数のプロセッサから構成される。
【0021】
表示装置(ディスプレイ)12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などをプレイヤ装置10のユーザ(プレイヤ)ないしサーバ20のユーザ(管理者)に表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。
【0022】
入力装置13、23は、プレイヤ装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態においてプレイヤ装置10はスマートフォンであるため、プレイヤ装置10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。
【0023】
記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROMを含む、一般的なスマートフォンないしコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ブラウザプログラムやゲームプログラム記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。ブラウザプログラムやゲームプログラムは、プレイヤ装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ装置10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各電子装置において実行されるブラウザプログラムやゲームプログラム上でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。
【0024】
1つの例では、記憶装置14、24は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11、21が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11、21が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。補助記憶装置は、例えば、オペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に伴って参照され得る各種データなどを格納する。
【0025】
通信装置15、25は、ネットワーク2(
図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。プレイヤ装置10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。
【0026】
図3は本発明の一実施形態によるプレイヤ装置10及びサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。プレイヤ装置10は、入力部31、表示部32、通信部33及びゲーム制御部34を備え、サーバ20は、入力部41、表示部42、通信部43及びゲーム制御部44を備える。本実施形態においては、プロセッサ11及び21がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24に記憶されているブラウザプログラムやゲームプログラムである。このように、各種機能がプログラムの実行により実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0027】
入力部31、41は、入力装置13、23を用いて構成されるものであり、プレイヤ装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付ける。プレイヤ装置10及びサーバ20は、入力部31、41によりユーザ入力を受け付ける。本実施形態では、プレイヤ装置10においてはタッチパネルを備えるスマートフォンが一般的に有しているタッチ検出機能を用いることができる。
【0028】
表示部32は、ゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作(プレイヤ操作)に応じたゲーム用画面を表示する。ゲーム制御部34は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び処理に必要な各種データの格納を行う。本実施形態においては、ブラウザプログラムを用いて、ユーザへの入出力情報の処理及びサーバ20への送受信信号の処理等を行う。ゲームアプリケーションをプレイヤ装置10にインストールして、ゲームを実行する場合には、これによって実現されるゲーム制御部34は、ゲームの進行やデータの管理等のゲームを実行するための種々の情報処理を実行する。
【0029】
表示部42は、必要に応じてゲーム管理者のための管理用画面を表示装置22に表示する。ゲーム制御部44は、本実施形態のプレイヤ装置10において実行されるゲームのための処理を行う。1つの例では、ゲーム制御部44は、プレイヤ装置10においてブラウザが起動されて、ゲーム制御部34が実現されて、ゲームを進行させるためにサーバ20へアクセスされると、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。例えばゲーム制御部44は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び必要な各種データ等を記憶し、適宜プレイヤ装置10に提供する。各種データにはゲーム媒体及びゲーム媒体セットについての情報が含まれる。
【0030】
本実施形態においては、一つのゲーム媒体セットに2種類のゲーム媒体セットを含むことを可能とし、第1種類のゲーム媒体セットとしてキャラクタゲーム媒体を含み、第2種類のゲーム媒体セットとしてアイテムゲーム媒体を含むものとする。アイテムゲーム媒体はここでは召喚石とするが、武器等その他のアイテムとしてもよい。
【0031】
ゲーム制御部44は全プレイヤに共通の情報として第1及び第2種類のゲーム媒体の基本情報を記憶するものとする。ここでは、全プレイヤに共通して一意の第1種類のゲーム媒体の識別子をCID、第2種類のゲーム媒体の識別子をIIDとする。ゲーム制御部44には各CID及びIIDに関連付けてスキル発動処理及び効果発動処理等が記憶される。各第1種類のゲーム媒体のCIDには2以上のスキル発動処理が関連付けられ、各第2種類のゲーム媒体のためのIIDには1つの効果発動処理が関連付けられるものとする。さらに、例えば、ゲーム媒体や演出を表現する画像情報や音声情報等がCID及びRIDに関連付けて記憶される。本実施形態においては第2種類のゲーム媒体(アイテムゲーム媒体)にはメインとして設定された場合に発動されるメイン設定時強化効果を記憶する。
【0032】
ゲーム制御部44には更にプレイヤ毎に記憶されるゲーム媒体及びゲーム媒体セットの情報を記憶する。これらの情報の一例を表1~3に示す。
【0033】
【0034】
表1及び2は、ゲーム制御部44に記憶されるプレイヤが所持する第1及び第2種類のゲーム媒体を示すテーブルの一例であり、表3はゲーム媒体セットを示すテーブルの一例である。表1~3のテーブルはプレイヤ毎に作成されて、各プレイヤIDに関連付けてゲーム制御部44に記憶される。
【0035】
表1においてRCIDは、プレイヤが所持する第1種類のゲーム媒体の当該プレイヤにおける識別子であり、プレイヤ識別子毎に一意に割り当てられる。例えば、プレイヤが第1種類のゲーム媒体を取得して、表1にCIDを登録する順にRCIDが割り当てられる。RCIDには更にCIDによって特定される第1種類ゲーム媒体のLv(レベル)、攻撃力及びHP(ヒットポイント)が関連付けられて記憶される。
【0036】
表2においてRIIDは、プレイヤが所持する第2種類のゲーム媒体の当該プレイヤにおける識別子であり、プレイヤ識別子毎に一意に割り当てられる。例えば、プレイヤが第2種類のゲーム媒体を取得して、表2にIIDを登録する順にRIIDが割り当てられる。RIIDには更に、IIDによって特定される第2種類ゲーム媒体のLv、攻撃力及びHPが関連付けられて記憶される。一人のプレイヤは同一のIIDによって特定されるゲーム媒体を2つ以上所持することができるものとする。同一のIIDであっても、RIIDによって区別して記憶することが可能である。
【0037】
表1及び2は、これらのパラメータに限定されず他のパラメータを含んでもよいし、これらのパラメータの全部又は一部を含まなくともよい。プレイヤがゲームを進行させることでゲーム媒体のレベルを上昇させ、レベルの上昇に伴って攻撃力及びHPを上昇させて、ゲームを有利に進行させることを可能とする。
【0038】
表1及び2における攻撃力やHPは表1及び2に記憶せずに、Lv、CID及びIIDに基づいて必要に応じて算出するようにしてもよい。また、ゲーム制御部44に記憶された全プレイヤに共通のスキル発動処理等の情報を表1及び表2に含ませてもよい。
【0039】
表3はゲーム媒体セットを示す情報のテーブルである。一つのゲーム媒体セットには、1以上の第1種類のゲーム媒体と2以上の第2種類のゲーム媒体が含まれるものとする。ここでは、第1種類のゲーム媒体を4つまで、第2種類のゲーム媒体を5つまで含むことができる。一つのゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体の種類は1種類のみであってもよいし、3種類以上であってもよい。また一つのゲーム媒体セットに含まれる各種ゲーム媒体は1以上であってもよい。表3においてSIDはゲーム媒体セットの識別子を示し、RCID1~4及びRIID1~5はSSIDによって特定されるゲーム媒体を含むことを示す。
【0040】
QIDは即時実行用ゲーム媒体として設定されているゲーム媒体を示す情報である。即時実行用ゲーム媒体として設定可能なゲーム媒体は、そのゲーム媒体セットに関連付けられている第2種類のゲーム媒体セットとする。したがって、QIDはRIID1~5のいずれかのRIIDを設定することができる。RIIDが設定されていない場合にはQIDはnullとし、即時実行用ゲーム媒体が設定されていないことを示す。例えばSID=0においてはQID=RI18であるからRIID1のゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体として設定されていることを示している。SID=2においてはQID=nullであるから、即時実行用ゲーム媒体が指定されていないことを意味する。
【0041】
ここでは、即時実行用ゲーム媒体として第2種類のゲーム媒体セットのみを設定可能とした。第1種類のゲーム媒体も1つのスキル発動処理のみを関連付けることで同様に即時実行用ゲーム媒体として設定するようにしてもよい。即時実行用ゲーム媒体として第1種類のゲーム媒体及び第2種類のゲーム媒体のいずれからも選択できるようにしてもよい。また、2以上のスキル発動処理が関連付けられる場合であっても、一定の規則に基づいて実行される処理が特定される場合には即時実行用ゲーム媒体として設定することができる。例えば、2以上のスキル発動処理のうちいずれを即時実行の対象とするかをあらかじめ設定してもよい。
【0042】
ゲーム制御部44は、ゲーム媒体セットを用いてバトルが開始されると、即時実行用操作部をバトル画面に表示させ、即時実行用操作部に対するユーザ操作を受け付けると、ゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する。
【0043】
次に、本発明の一実施形態によるゲームシステム1において実行されるゲーム媒体セットを編成するための情報処理について説明する。本実施形態におけるゲームシステムは、ユーザが使用可能な複数のゲーム媒体の中から選択された2以上のゲーム媒体を含んで編成されるゲーム媒体セットを用いて敵キャラクタとのバトルを行うゲームのためのシステムである。プレイヤは2以上のゲーム媒体セットを編成可能であり、バトルを開始する前にゲーム媒体セットを編成してゲーム制御部44において格納し、バトルを開始する際にいずれかのゲーム媒体セットを選択してバトルを行う。
【0044】
まず、ゲーム媒体セットの編成を希望するプレイヤはプレイヤ装置10の表示装置12に表示されたゲーム画面においてゲーム媒体セット編成要求のためのユーザ操作入力を行うと、ゲーム媒体編成要求がサーバ20へ送信される。ゲーム媒体セット編成要求はプレイヤによって指定された情報に基づいて決定されるSIDを含むものとする。サーバ20は、ゲーム媒体セット編成要求を受信すると、受信した要求に含まれるSIDに関連付けられるゲーム媒体セットを編成するためのゲーム媒体セット編成画面情報をプレイヤ装置10へ送信する。プレイヤ装置10は受信した情報に基づいてゲーム媒体セット編成画面を表示装置12に表示する。ゲーム媒体セット編成画面の一例を
図4に示す。
【0045】
図4においてユーザ操作部57にタッチすることで操作入力を行うとキャラクタゲーム媒体(第1種類のゲーム媒体)の編成を設定するための編成画面が表示され、ユーザ操作部58にタッチするとアイテムゲーム媒体(第2種類のゲーム媒体)の編成を設定するための編成画面が表示される。
図4の編成画面50は第2種類のゲーム媒体のための編成画面の例である。ユーザ操作部51~55は現在設定されているアイテムゲーム媒体(召還石媒体)1~5を示しており、各ユーザ操作部にタッチすることで対応するアイテムゲーム媒体を変更することができる。ユーザ操作部51に対応付けられたアイテムゲーム媒体1はメインアイテムとして設定されるアイテムであり、バトルが開始されるとメインアイテムとして設定されたアイテムゲーム媒体に予め設定されているメイン設定時強化効果を得ることができる。
【0046】
即時実行用ゲーム媒体選択要求操作部56にプレイヤがタッチして操作入力を行うと即時実行用ゲーム媒体選択処理を開始することができる。即時実行用ゲーム媒体選択処理について
図5に示したフローチャートを用いて説明する。即時実行用ゲーム媒体選択要求操作部56にプレイヤがタッチすると即時実行用ゲーム媒体を選択するための選択画面の表示要求がサーバ20に送信される(S101)。この要求を受信するとサーバ20は、即時実行用ゲーム媒体選択画面情報をプレイヤ装置10へ送信する(S102)。そして、プレイヤ装置10は即時実行用ゲーム媒体選択用画面を表示する(S104)。即時実行用ゲーム媒体選択用画面の一例を
図6に示す。本実施形態においては即時実行をクイック召喚と称し、クイック召喚に設定されたアイテムゲーム媒体をクイック召喚石と称する。
【0047】
図6に示すゲーム画面60においては、
図4のゲーム媒体セット編成画面に重畳してポップアップ表示にて即時実行用ゲーム媒体選択用画面68を表示している。ユーザ操作部61~65は現在設定されているアイテムゲーム媒体(召還石ゲーム媒体)1~5を示している。各ユーザ操作部にタッチすると即時実行用ゲーム媒体の選択候補とすることができる。現在選択候補とされているゲーム媒体を示すための情報を表示することができる。
図6においてはユーザ操作部61を太枠で囲う表示とすることで、ユーザ操作部61が選択候補とされていることを示している。また、ユーザ操作部61において表示されている「Q」はユーザ操作部61に示されているゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体として現在設定されていることを示している。
【0048】
ユーザ操作部61~65のいずれかに対してユーザ操作入力を行うことで選択候補とした後に、決定操作入力部67に対してユーザ操作を行うと選択候補されたユーザ操作部に関連付けられたゲーム媒体を即時実行用ゲーム媒体として設定するための選択入力がサーバ20へ送信される(S106)。これを受信したサーバ20は選択されたゲーム媒体をその特定されるゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体として記憶する(S108)。選択候補を選択する度にサーバ20と通信を行って、ゲーム画面を更新するようにしてもよい。
【0049】
具体的な処理の一例としては、表3において対象となるSIDのためのQIDフィールドに選択されたゲーム媒体のRIIDを登録する。サーバ20は即時実行用ゲーム媒体を記憶すると、ゲーム媒体セット編成画面情報を送信し(S110)、プレイヤ装置10は
図4に示すゲーム媒体セット編成画面を表示する状態に戻るものとする(S112)。キャンセル操作部66に対して操作入力が行われた場合のフローは
図5においては省略したが、即時実行用ゲーム媒体の設定を行うことなく
図5に示すゲーム媒体セット編成画面に戻るものとする。
【0050】
次に、本発明の一実施形態によるゲームシステム1において実行されるバトルを実行するための情報処理について、
図7に示したフローチャートを用いて説明する。プレイヤ装置10においてプレイヤがバトルを開始するための操作部に対して操作入力を行うとバトルを開始するための要求がサーバ20へ送信される(S201)。
【0051】
バトル開始要求にはバトルに使用されるゲーム媒体セットが含まれるものとする。また、バトルに使用されるゲーム媒体セットは、ゲーム制御部44に記憶された予め編成されたゲーム媒体セットからプレイヤが選択したゲーム媒体セットに含まれるゲーム媒体に加えて、他のプレイヤが所持する第2種類のゲーム媒体を選択して使用できるものとする。
【0052】
例えば、バトル開始要求に含まれるゲーム媒体セット情報は、選択されたSIDに関連付けられた表3に含まれる情報に加えて、バトルを開始するプレイヤによって選択された他のプレイヤのプレイヤ識別情報(PID)及び当該他のプレイヤが所持する第2種類のゲーム媒体についてのRIIDを含むことができる。サーバ20はバトル開始要求を受信するとバトルに使用されるゲーム媒体セットのデータを生成する。生成されるデータの一例を表4に示す。
【0053】
【0054】
選択されたゲーム媒体セットに含まれるRCID1~4及びRIID1~5に加え、選択された他のプレイヤの所持するゲーム媒体をRIID6に設定する。RIID6については他のプレイヤの所持アイテムであり、他のプレイヤのプレイヤ識別子(P6128)及び当該プレイヤ識別子に関連付けられたRIID(RI162)を示す。バトルで使用されるゲーム媒体セットは、サーバ20によって決定されてもよいし、他のプレイヤが所持するゲーム媒体を使用しなくてもよい。また、表4においては各ゲーム媒体に関連付けられた攻撃力等の情報を含むようにしてもよいし、表4を生成せずにゲーム媒体セット識別子、他のプレイヤの識別子を用いて表3等を参照するようにしてもよい。
【0055】
サーバ20は、バトルに使用されるゲーム媒体セットにおいて即時実行用ゲーム媒体が設定されているか否かを判定する(S202)。バトル画面においては基本操作部が表示され、バトルに用いられるゲーム媒体セットにおいて即時実行用ゲーム媒体が設定されている場合には、1つ以上の基本操作部に代えて、即時実行用操作部を表示するためのバトル画面情報を生成してプレイヤ装置10へ送信する(S204)。基本操作部は即時実行用ゲーム媒体が設定されていない場合に表示される1つ以上の操作部である。即時実行用ゲーム媒体が設定されてる場合、全ての基本操作部に加えて、更に即時実行用操作部を表示するようにしてもよい。
【0056】
プレイヤ装置10は受信したバトル画面情報に基づいてバトル画面を表示装置12に表示する(S206)。
図8及び9にバトル画面に含まれるプレイヤ操作領域の一例を示す。プレイヤ操作領域はバトル画面において1以上のプレイヤ操作部を含む領域である。バトル画面は2以上のプレイヤ操作領域を含んでもよいし、個別のプレイヤ操作部を含んでもよい。プレイヤ操作領域にユーザ操作部以外の表示領域等を含んでもよい。
図8は即時実行用ゲーム媒体が設定されていない場合のプレイヤ操作領域80であり、
図9は即時実行用ゲーム媒体が設定されている場合のプレイヤ操作領域90である。
【0057】
図8及び9においてプレイヤ操作部81~84はバトルに使用されているゲーム媒体セットに含まれる第1種類のゲーム媒体(プレイヤキャラクタ)1~4を示すとともに、各ゲーム媒体に対応するユーザ操作入力を受け付ける操作部である。プレイヤ操作部85は効果発動処理を実行するための第2種類のゲーム媒体に関連するプレイヤ操作を選択するための操作入力を受け付ける非即時実行用操作部である。
【0058】
プレイヤ操作部86はバトル中に第1種類のゲーム媒体(プレイヤキャラクタ)のHPを回復させるためのプレイヤ操作入力を受け付ける操作部である。プレイヤ操作部87はバトル中にプレイヤキャラクタが実行する強力な攻撃を行う奥義攻撃の条件が満たされた場合に奥義攻撃を実行するか、条件が満たされても実行を保留するかを選択するための操作部である。プレイヤ操作部88はバトル演出表示選択部であり、奥義攻撃を実行する際に完全なバトル画面の演出を表示するか簡略化された演出を表示するかを選択するための操作部である。プレイヤ操作部81~88は基本操作部である。バトル画面にはその他、基本操作部として例えばプレイヤキャラクタによる攻撃処理を実行するためのプレイヤ操作部(図示せず)を含むことができる。
【0059】
図9におけるプレイヤ操作部98は即時実行用操作部であり、バトルに使用されているゲーム媒体セットの即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行するためのプレイヤ操作入力を受け付けるための操作部である。本実施形態においては、即時実行用ゲーム媒体が設定されていると判定された場合、基本操作部81~88のうちのバトル演出表示選択部88に代えて即時実行用操作部98が表示されるものとするが、他の基本操作部に代えて表示するようにしてもよいし、基本操作部81~88に加えて表示されるようにすることもできる。
【0060】
プレイヤ装置10はバトル画面を表示すると、プレイヤからの操作入力を待ち受ける(S208)。プレイヤがプレイヤ操作部にタッチして操作入力を行うと、これに応答してプレイヤ装置10がプレイヤ操作入力をサーバ20へ送信する(S210)。プレイヤ操作入力を受け付けると(S211)、サーバ20はどのプレイヤ操作入力がなされたのかを判定する(S212)。そして、プレイヤ操作入力の判定によって判定されたプレイヤ操作に基づいて情報処理を実行し(S214)、実行された情報処理に基づいて新たなバトル画面表示情報を生成してプレイヤ装置10へ送信する(S216)。
【0061】
プレイヤ装置10は受信したバトル画面表示情報に基づいて表示装置12に表示されるバトル画面を更新する(S220)。サーバ20は、プレイヤ操作処理(S214)の結果、バトルが終了したか否かの判定を行う(S222)。例えば、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタのHPがゼロになったか否かを判定し、ゼロになっていればバトルが終了したと判定する。バトルが終了したと判定された場合にはバトル終了指示をプレイヤ装置10へ送信する(S224)。
【0062】
サーバ20は更にバトルを終了させるための処理を実行する(S226)。例えば、バトルが終了したことを示す画面情報をプレイヤ装置10へ送信することができる。プレイヤ装置10はバトル終了の指示を受信したか否かを判定し(S228)、受信している場合には、サーバ20からの情報に基づいてバトルを終了させる処理を実行する。例えば、バトルが終了したことを示す画面を表示して、次のゲーム画面へ遷移する(S226)。バトルが終了していない場合にはプレイヤ操作の待ち受けに戻る(S208、S211)。
【0063】
S208において、プレイヤ操作入力として、プレイヤ操作部85に対するプレイヤ操作入力が行われると、第2ゲーム種類のゲーム媒体を選択するためのプレイヤ操作入力であると判定され(S212)、使用中のゲーム媒体セットに含まれる第2種類のゲーム媒体を選択するための効果発動ゲーム媒体選択画面を表示させる情報を生成して(S214)、プレイヤ装置10へ送信する(S216)。プレイヤ装置10はこれに基づいて効果発動ゲーム媒体選択画面を含むようにバトル画面表示の更新を行い(S220)、次のプレイヤ操作を待ち受ける(S206)。
【0064】
効果発動ゲーム媒体選択画面の一例を
図10に示す。効果発動ゲーム媒体選択画面には第2種類ゲーム媒体選択部としてプレイヤ操作部1001~1006が表示され、各プレイヤ操作部はゲーム媒体セットに含まれる各第2種類のゲーム媒体に関連付けられている。
【0065】
第2種類ゲーム媒体選択部のうち、即時実行用ゲーム媒体に設定されているゲーム媒体に対応付けられたプレイヤ操作部においては、当該プレイヤ操作部に対応付けられたゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体に設定されていることを示す情報を提示することができる。例えば、
図10においては、プレイヤ操作部1001に「QUICK」と表示することにより、当該プレイヤ操作部1001に対応付けられたゲーム媒体が即時実行用ゲーム媒体に設定されていることを示している。
【0066】
効果発動処理を実行するために、プレイヤ操作部1001~1006のうち第2種類のゲーム媒体に対応付けられたプレイヤ操作入力を行うと、本実施形態においては、効果発動処理を実行してよいか否かの確認表示がポップアップ表示され、確認操作部にタッチすると(S208)、プレイヤ操作入力が送信される(S210)。そして、選択されたプレイヤ操作部に対応する第2種類のゲーム媒体に関連付けられた効果発動のためのプレイヤ操作であると判定され(S212)、効果発動処理が実行される(S214)。
【0067】
効果発動処理は例えば、敵キャラクタに対して攻撃を実行して、敵キャラクタのHPを減少させる処理や、プレイヤキャラクタの攻撃力を所定割合だけ上昇させる処理等とすることができる。なお、プレイヤ操作部1001~1006の選択入力及びポップアップ表示における確認操作部へのタッチ入力はプレイヤ装置10内のみの処理で実行するものとしたが、それぞれの操作入力を独立の操作入力としてS208~S228の処理を実行してもよい。
【0068】
効果発動処理が特定されて実行されると、これに基づいてバトル表示情報を更新してプレイヤ装置10へ送信する(S216)。例えば、効果発動処理が敵キャラクタへの攻撃であって敵キャラクタのHPを減少させる処理である場合には、敵キャラクタへの攻撃を表現する演出アニメーション情報及び敵キャラクタの減少したHPを示す情報を含む画面表示情報をプレイヤ装置10へ送信する。プレイヤ装置10はこれに基づいて表示装置12に演出アニメーションを表示し、敵キャラクタの減少したHPを示す情報を含む画面を表示する(S220)。
【0069】
プレイヤ操作入力が、プレイヤ操作部(即時実行用操作部)98に対する操作入力である場合には、バトルに使用されているゲーム媒体セットにおいて設定されている即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理が実行される。プレイヤ操作部97に対してプレイヤがタッチして操作入力が行われると、即時実行用プレイヤ操作がサーバ20へ送信され(S210)、即時実行用プレイヤ操作であると判定される(S212、S212)。サーバ20はゲーム制御部44に格納された表4を参照して、現在のバトルに使用されているゲーム媒体セットにおける即時実行用ゲーム媒体を特定する。例えば、表4を参照してQID=RI18が即時実行用ゲーム媒体であることを特定する。
【0070】
ゲーム制御部44は特定したQIDに基づいて表2を参照して即時実行用ゲーム媒体のアイテム識別子IIDを特定し、さらにゲーム制御部44に記憶された情報に基づいてアイテム識別子IIDに関連付けられた効果発動処理を実行する。
【0071】
したがって、即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行する場合、非即時実行用操作部85、1101~1106及び確認操作部を介して実行する場合には3回のユーザ操作が必要であるのに対して、即時実行用操作部98を用いれば1回のユーザ操作で実行できる。
【0072】
所定の期間内に敵キャラクタとのバトルに勝利して獲得されるポイント数を他のプレイヤと競ったり、ゲーム内で必要なアイテムを取得するために所定の敵キャラクタとのバトルを多数回行う、いわゆる「周回」を行うことが必要とされるゲームの態様が知られている。このようなゲームにおいては一回のバトルに要する時間が長くなったり工数(ユーザ操作入力数)が多いとプレイヤはストレスを感じ、ゲームへの興味を喪失し、ひいては当該ゲームのアクティブプレイヤ数を減少させるおそれがある。したがって、一回のバトルに要する時間及び工数を可能な限り減少させることでプレイヤの没入感を維持することはゲームシステムにおいて極めて重要な課題である。
【0073】
第2種類のゲーム媒体に関連付けられた効果がプレイヤにとって有利であったとしても、これを発動するために複数回のユーザ操作が要求されると、バトルを終了させるために費やされる時間及び工数が増大する結果を招く場合がある。このため、第2種類のゲーム媒体に関連付けられた効果がプレイヤにとって有利であるにもかかわらず、当該効果を発動する処理を実行せずにバトルを行う方が全体として高効率となり、当該効果発動処理が実行されないという場合がある。
【0074】
効果発動処理を実行するために非即時実行用操作部85、1101~1106及び確認操作部を用いた場合には前述のとおり3回ユーザ操作を行う必要がある。これに対して、即時実行用操作部98を用いることにより、即時実行用操作部98への1回のユーザ操作のみによって即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理を実行することが可能となるから、プレイヤのストレスを減少させるとともに、バトルの所要時間を減少させることができる。さらに、プレイヤにとって有利な効果をより少ない工数で実行することができるから、即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理の実行が促され、発動された効果によって有利な状態でバトルを進行させて、さらにバトルの所要時間を減少させることが可能となる。
【0075】
本実施形態におけるバトルはいわゆるターン制とする。すなわち、プレイヤと敵キャラクタとが順番に行動を行い、プレイヤの行動と敵キャラクタの行動とで1ターンが構成される。第2種類のゲーム媒体の効果発動処理は一度実行されると、所定のターン数が経過した後でなければ再実行できないものとする。必要な経過ターン数はゲーム媒体毎に定められるものとする。
図11の即時実行用操作部1108に示すように、即時実行用ゲーム媒体の効果発動処理を実行すると、即時実行用操作部に対する操作を無効にするとともに、次に効果発動処理を実行可能となるまでの残りターン数を表示することができる。残りターン数はターンが進行する毎に減少し、ゼロに到達すると無効化が解除されて再度実行可能な状態となる。
【0076】
また、所定の第2種類のゲーム媒体については、効果発動処理は1回のバトルで1回のみ実行可能とすることもできる。即時実行用ゲーム媒体に設定されたゲーム媒体の効果発動処理を実行した場合には、一度効果発動処理を実行した後は、
図12の即時実行用操作部1208に示すように即時実行用操作部に対する操作を無効にするとともに、「召喚不可」と表示して再度の効果発動処理ができないことを示すことができる。
【0077】
本実施形態においては、RCID1によって特定されるプレイヤキャラクタは主人公キャラクタとし、主人公キャラクタのHPがゼロとなって戦闘不能となった場合には、第2種類のゲーム媒体の効果発動処理はすべて実行できないものとする。主人公キャラクタが戦闘不能となった場合には、
図12の即時実行用操作部1308に示すように即時実行用操作部に対する操作を無効にするとともに、「召喚不可」と表示して効果発動処理ができないことを示すことができる。
【0078】
本実施形態を用いることにより、ゲーム媒体セット毎に即時実行用ゲーム媒体を設定するから、ゲーム媒体セットが複数編成され、バトル毎に使用されるゲーム媒体セットが変化するような場合であっても、即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理の実行が可能となる。
【0079】
また、即時実行用操作部を用いることにより、プレイヤにとって有利な効果発動処理を実行するために必要なユーザ操作数を削減し、プレイヤ操作の煩雑性を減少させるとともに、バトルの所要時間を減少させることができる。さらに、プレイヤにとって有利な効果をより少ない操作数で実行することができるから、即時実行用ゲーム媒体に関連付けられた効果発動処理の実行が促され、発動された効果によって有利な状態でバトルを進行させて、さらにバトルの所要時間を減少させることが可能となる。このため、プレイヤのゲームへの没入感を高め、プレイヤのアクティブ数を高めることができる。
【0080】
上述の実施形態においては、プレイヤ装置10においては、ブラウザプログラムを用いて、ユーザにゲームをプレイさせる場合を例にとって説明したが、プレイヤ装置10においてゲームプログラムを記憶装置14に記憶して、これを実行することにより、ゲームを進行させるための情報処理を実行するようにしてもよい。ゲームプログラムは、ゲームを実行するためのゲームプログラム及び該ゲームプログラム実行時に参照する各種データを含む。ゲームプログラムは、プレイヤ装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ装置10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。この場合に、上述の実施形態において、サーバ20のゲーム制御部44が備える機能の少なくとも一部をプレイヤ装置10のゲーム制御部34が備えるものとすることができる。
【0081】
さらに別の実施形態においては、サーバ20のゲーム制御部44等の機能をすべてプレイヤ装置10が実行し、サーバ20と通信を行わずに1台のプレイヤ装置10のみでゲームを実行できるようにしてもよい。また、サーバ20と通信を行わないものの他のプレイヤ装置10と通信を行って、他のプレイヤと対戦ゲームを実行可能としてもよい。
【0082】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0083】
1:ゲームシステム、2:ネットワーク、10:プレイヤ装置、11:プロセッサ、12:表示装置、13:入力装置、14:記憶装置、15:通信装置、16:バス、20:サーバ、21:プロセッサ、22:表示装置、23:入力装置、24:記憶装置、25:通信装置、26:バス、31:入力部、32:表示部、33:通信部、34:ゲーム制御部、41:入力部、42:表示部、43:通信部、44:ゲーム制御部