IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三国電子有限会社の特許一覧

特開2023-24438接続構造体および接続構造体の作製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024438
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】接続構造体および接続構造体の作製方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/32 20060101AFI20230209BHJP
   H01R 4/04 20060101ALI20230209BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
H05K3/32 B
H01R4/04
H01L21/60 311S
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184016
(22)【出願日】2022-11-17
(62)【分割の表示】P 2018015667の分割
【原出願日】2018-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】501232056
【氏名又は名称】三国電子有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】田中 栄
(57)【要約】
【課題】電極間の導電性を確保するとともに、隣接する電極同士が短絡することを抑制すること。
【解決手段】接続構造体の作製方法は、第1の部材の第1の面に配置された第1の電極の上に導電性粒子と第1の組成物とを配置し、前記第1の面の前記第1の電極と第1の電極以外の領域の上に第2の組成物を配置し、前記第1の面と、第2の電極が配置された第2の部材の第2の面とを、前記第1の電極と前記第2の電極が対向するように配置し、前記第1の部材および前記第2の部材を押圧し、前記第1の組成物及び前記第2の組成物を硬化させる、ことを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を有する第1の部材と、
前記第1の面に配置された第1の電極と、
前記第1の面と対向する第2の面を有する第2の部材と、
前記第1の電極と対向し、前記第2の面に配置された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の領域であって、離隔する複数の第1の領域に対応して配置される導電性粒子を含む第1の樹脂と、
前記離隔する複数の第1の領域と、前記第1の面と前記第2の面との間の領域であって前記離隔する複数の第1の領域以外の第2の領域に配置される第2の樹脂と、を含み、
前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とは組成が異なる接続構造体。
【請求項2】
前記離隔する複数の第1の領域において、前記第1の樹脂は前記第1の電極に接し、前記第2の樹脂は前記第2の電極に接し、
前記第2の領域において、前記第2の樹脂は、前記第1の電極及び前記第2の電極に接する部分を有する、請求項1に記載の接続構造体。
【請求項3】
前記第1の樹脂は、さらに前記第2の領域に配置され、
前記第1の樹脂は、前記第2の領域の厚さより、前記離隔する複数の第1の領域の厚さの方が厚い、請求項1に記載の接続構造体。
【請求項4】
前記第1の面に配置され、前記第1の電極の表面を露出する第1絶縁膜、をさらに含み、
前記第1絶縁膜は、前記第1の部材と前記第1の樹脂との間に配置され、
前記第2の樹脂は、前記第2の部材と前記第1の樹脂との間に配置されている、請求項3に記載の接続構造体。
【請求項5】
前記第2の面に配置され、前記第2の電極の表面を露出する第2絶縁膜、をさらに含み、
前記第2絶縁膜は、前記第2の部材と前記第2の樹脂との間に配置され、
前記第1の樹脂は、前記第1の部材と前記第2の樹脂との間に配置されている、請求項3に記載の接続構造体。
【請求項6】
前記導電性粒子は、前記第1の電極と前記第2の電極とに接する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項7】
前記導電性粒子は変形している、請求項6に記載の接続構造体。
【請求項8】
前記第2の樹脂は、前記第1の部材と前記第2の部材の端部において、前記第1の面から前記第2の面にかけて配置される、請求項1乃至7の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項9】
前記離隔する複数の第1の領域に配置された前記第1の樹脂は、それぞれ1個以上7個以下の前記導電性粒子を含む、請求項1乃至8の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項10】
前記導電性粒子は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に7個/400μm以上20個/400μm以下の範囲で配置される請求項1乃至9の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項11】
前記第1の樹脂は、ラジカル重合型樹脂を含む請求項1乃至10の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項12】
前記第2の樹脂は、アクリル基を配置したデンドリマーまたはハイパーブランチポリマー構造部分を含む、請求項1乃至11の何れか1項に記載の接続構造体。
【請求項13】
前記第2の樹脂は、エチレン性不飽和化合物とチオール化合物とを含むエン/チオール系硬化性樹脂を含み、前記エチレン性不飽和化合物と前記チオール化合物のうち少なくとも一方の硬化成分が9,9-ビスアリールフルオレン化合物である、請求項1乃至12の何れか1項に記載の接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、導電性組成物による電極の接続構造を有する接続構造体、および接続構造体の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等のガラス基板に直接集積回路を接続するCOG(Chip on Glass)接続や、フラットパネルディスプレイのガラス基板にフレキシブルプリント基板を接続するFOG(Film on Glass)接続のように、集積回路等の電子部品を基板に実装する際には、一般的に、導電性粒子を含む異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)が広く使用されている。異方性導電フィルムは、微細な導電性粒子を分散させた熱硬化性樹脂のフィルムである。位置合わせがされた電極間に異方性導電フィルムを挟み、熱圧着することで、電極間に位置する導電性粒子が導電経路を形成することができる。一方で、熱硬化性樹脂の絶縁性によって基板の面方向に隣り合う電極の短絡を抑制することができる。すなわち、異方性導電フィルムは、加圧方向(両電極方向)には導電性を形成し、非加圧方向(基板の面方向)には絶縁性が保たれるという異方性を有する。このような特性を有することで、異方性導電フィルムは、集積回路、プリント基板、ガラス基板等に設けられた複数の電極を一括して接続することができ、且つ基板の面方向に隣接する電極の絶縁性を保持することができる。
【0003】
しかしながら、近年の電子機器における接続回路の高精細化、高密度化に伴い、異方性導電フィルムを用いた接続の信頼性が問題となっている。すなわち、接続対象となる電極サイズが小さくなると、一対の電極間で導通に寄与する導電性粒子の数が少なくなり、電極間の接続信頼性を十分に得られない場合がある。また、基板の面方向に隣り合う電極間が狭くなると、隣接する電極の双方と導電性粒子が接触して、絶縁信頼性を十分に得られない場合がある。このため、特許文献1には、磁場の印加等の手段により導電性粒子が分散され、他の導電性粒子と離間した状態の異方導電性フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-167106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、異方性導電フィルムでは、基板同士を熱圧着する際に導電性粒子の配列が不規則に乱れるため、電極間に導電性粒子が存在しないことによる導通不良や、隣接する電極間で導電性粒子が接触することによる短絡を十分に解消することができない。さらに加熱硬化接続法のために、上下の基板の熱膨張係数の差による寸法変化が原理的に生じ、上下の基板に形成された電極同士のずれが発生する問題を解消することができない。
【0006】
本発明の一実施形態は、以上のような従来の問題に鑑みてなされたものであり、集積回路、プリント基板、ガラス基板等に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する電極同士が短絡することを抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第1の部材の第1の面に配置された第1の電極の上に導電性粒子と第1の組成物とを配置し、前記第1の面の前記第1の電極と第1の電極以外の領域の上に第2の組成物を配置し、前記第1の面と、第2の電極が配置された第2の部材の第2の面とを、前記第1の電極と前記第2の電極が対向するように配置し、前記第1の部材および前記第2の部材を押圧し、前記第1の組成物及び前記第2の組成物を硬化させる、ことを含む。
【0008】
本発明の他の実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第1の部材の第1の面に配置された第1の電極の上に導電性粒子と第1の組成物とを配置し、第2の部材の第2の面に配置された第2の電極の上と第2の電極以外の領域の上に第2の組成物を配置し、前記第1の面と、前記第2の面とを、前記第1の電極と前記第2の電極が対向するように配置し、前記第1の部材および前記第2の部材を押圧し、前記第1の組成物及び前記第2の組成物を硬化させる、ことを含む。
【0009】
本発明の一実施形態に係る接続構造体は、第1の部材の第1の面と、前記第1の面に配置された第1の電極と、前記第1の面と対向する第2の部材の第2の面と、前記第1の電極と対向し、前記第2の面に配置された第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される第1の樹脂および導電性粒子と、前記第1の電極と前記第2の電極との間および前記第1の面の第1の電極以外の領域と前記第2の面の第2の電極以外の領域との間に配置される第2の樹脂と、を含み、前記第1の樹脂は前記第1の電極に接し、前記第2の樹脂は前記第2の電極に接し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とは異なる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する電極同士が短絡することを抑制することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図9】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図10】本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図12】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図13】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図14】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図15】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図16】本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図18】本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法を説明する図である。
図19】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図20】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図21】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図22】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図23】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図24】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
図25】本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様を含み、以下に例示する実施形態に限定して解釈されるものではない。本明細書に添付される図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、それはあくまで一例であって、本発明の内容を必ずしも限定するものではない。また、本発明において、ある図面に記載された特定の要素と、他の図面に記載された特定の要素とが同一又は対応する関係にあるときは、同一の符号(又は符号として記載された数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、繰り返しの説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0013】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含む。すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)においてある部材又は領域との間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0014】
本明細書においては、液晶ディスプレイ(第1の電子部品)のガラス基板に集積回路(第2の電子部品)を接続するCOG接続における接続構造体を一例として示す。しかしながらこれに限定されず、フラットパネルディスプレイのガラス基板にフレキシブルプリント基板を接続するFOG接続における接続構造体であってもよい。この場合、第2の電子部品は、TAB(Tape Automated Bonding)またはCOF(Chip on film)等のフレキシブルプリント基板であってもよい。
【0015】
<第1実施形態>
[接続構造体の構造]
図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す。図1(A)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の平面図である。図1(B)は、図1(A)のA-A’断面図である。図1(C)は、図1(B)の領域Bにおける導電性粒子の拡大断面図である。
【0016】
図1(A)および(B)に示すように、第1の電子部品101は、第1の部材102の接続面(第1の面)に、端子104、第1の絶縁膜106、第2の絶縁膜108、第1の電極110を含む。第1の電子部品101の接続面(第1の面)には、第2の電子部品111が搭載される。第2の電子部品111は、第2の部材112の接続面(第2の面)に第2の電極114を含む。第1の電子部品101の第1の面と、第2の電子部品111の第2の面とは対向配置される。接続構造体100は、第1の電子部品101と第2の電子部品111の物理的接続、および第1の電極110と第2の電極114の電気的接続を担う。接続構造体100は、第1の部材102の第1の面、第1の電極110、第2の部材112の第2の面、第2の電極114、導電性粒子10、第1の樹脂20、および第2の樹脂30を含む。
【0017】
第1の部材102の第1の面には、複数の第1の電極110が配置される。第1の部材102の第1の面において、第1の電極110が配置される領域以外の領域には、第2の絶縁膜108が配置される。第2の部材112の第2の面には、複数の第1の電極110に対応する複数の第2の電極114が配置される。第2の部材112の第2の面において、第2の電極114が配置される領域以外の領域には、絶縁膜が配置されていてもよい。
【0018】
複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とは、それぞれ対向配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20と、第2の樹脂30とが配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、面方向(D2-D3面方向)に複数の導電性粒子10が配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、第1の電極110と第2の電極114との対向方向(D1方向)に1つの導電性粒子10が配置される。それぞれの導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とに接触している。図1(C)に示すように、導電性粒子10は、後述する接続構造体の作製方法によって、第1の電極110と第2の電極114との間で電極の対向方向(D1方向)に加圧変形している。すなわち、電極の対向方向(D1方向)における第1の電極110と第2の電極114との距離は、電極の対向方向(D1方向)における導電性粒子10の高さと略同一である。電極の対向方向(D1方向)における導電性粒子10の高さは、10%~40%程度加圧変形している。第1の電極110、導電性粒子10、および第2の電極114の間に応力がかかることで、第1の電極110と導電性粒子10の接触部、および第2の電極114と導電性粒子10の接触部において第1の樹脂20と第2の樹脂30とは排除されている。さらに、第1の電極110、導電性粒子10、または第2の電極114に自然酸化膜が形成されて表面が絶縁化されていても、導電性粒子10を挟んで第1の電極110と第2の電極114とを圧接することで、自然酸化膜を突き破り、導電経路が形成される。さらに、導電性粒子10が変形することで、第1の電極110と導電性粒子10との接触面積、および第2の電極114と導電性粒子10との接触面積を増大することができる。このように配置されることで、導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0019】
複数の導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114との間で第1の樹脂20と第2の樹脂30に分散されている。それぞれの導電性粒子10は、第1の電極110上で面方向(D2-D3面方向)に第1の樹脂20で囲まれている。それぞれの導電性粒子10は、第2の電極114上で面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。第1の樹脂20および第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100は、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。しかしながら、対向する第1の電極110と第2の電極114との間に配置され、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の導電性粒子10同士は接触していてもよい。面方向(D2-D3面方向)に隣接する導電性粒子10同士が接触する場合、隣接する導電性粒子10同士も電気的に接続する。このように配置されることで、導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とをさらに確実に電気的に接続することができる。隣接する導電性粒子10同士の距離は、後述する第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の濃度によって、適宜制御することができる。
【0020】
図1(A)および(B)に示すように、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20とは、第1の電極110の上面に配置される。複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20とは、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、一定の領域毎に配置される。本実施形態において、電極の対向方向(D1方向)に見た導電性粒子10の直径は2μm以上10μm以下の範囲内である。1つの第1の電極110の上面に配置される導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域の数は1つ以上であり、それぞれの領域は5μm以上離間していることが好ましい。導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される1つの領域における導電性粒子10の数は、1個以上7個以下が好ましい。1つの領域に配置される導電性粒子10の数は、好ましくは7個、より好ましくは3個である。電極の対向方向(D1方向)に見たときに、対向する第1の電極110と第2の電極114との間に配置される導電性粒子10の数は、7個/400μm以上20個/400μm以下の範囲であることが好ましい。導電性粒子10の数が7個/400μm未満の場合には、接続抵抗値がばらつきやすくなることがある。導電性粒子10の数が20個/400μmより多い場合には、荷重が分散することによって導電性粒子10の加圧変形量が小さくなり、接続領域の自然酸化膜を突き破ることができずに接続抵抗が高くなることがある。さらに、導電性粒子10の数が20個/400μmより多い場合には、加圧変形量の経時変化が生じやすく、接続抵抗の経時変化が生じやすい。このように配置されることで、導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とを確実に接続することができ、且つ面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間の短絡を防ぐことができる。
【0021】
本実施形態において、電極の対向方向(D1方向)に見た導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域の形は円形である。しかしながらこれに限定されず、導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域は、上記条件を満たす限り任意の形状をとることができる。本実施形態において、導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域は、1つの第1の電極110の上面に2か所ずつ配置されている。また、1つの領域に導電性粒子10は7個ずつ配置されている。しかしながらこれに限定されず、1つの第1の電極110の上面に配置される導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の数は、上記条件を満たす限り、第1の電極110の上面の面積、導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の面積、および導電性粒子10の大きさによって適宜調整することができる。また、1つの領域に配置される導電性粒子10の数は、上記条件を満たす限り、導電性粒子10の大きさおよび濃度によって適宜調整することができる。
【0022】
第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間には、さらに第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、対向する第1の電極110と第2の電極114との間以外の領域に配置される。第2の樹脂30は第1の面の第1の電極以外の領域と、第2の面の第2の電極以外の領域との間に配置される。すなわち、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間および周囲(面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間および周囲)には、第2の樹脂30が配置される。さらに、第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域以外の領域にも配置される。面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の間および周囲には、第2の樹脂30が配置される。別言すると、導電性粒子10と第1の樹脂20とは、面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第1の電子部品101の第1の面において複数の導電性粒子10は第1の樹脂20によって囲まれ、第1の樹脂20は第2の樹脂30によって囲まれている。図1(B)および(C)に示すように、さらに第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域にも配置される。第2の樹脂30は、第1の樹脂20と第2の電極114との間に配置される。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第2の電子部品111の第2の面上で複数の導電性粒子10は第2の樹脂30によって囲まれている。第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100は、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。このように配置されることで、第2の樹脂30は、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間を確実に絶縁することができる。
【0023】
第1の電極110と第2の電極114との間には、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。第1の樹脂20は第1の電極110と接し、第2の樹脂30は第2の電極114と接するように配置される。すなわち、第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、第1の電極110と第2の電極114との間で面方向(D2-D3面方向)に接し、電極の対向方向(D1方向)に積層されている。
【0024】
第1の樹脂20と第2の樹脂30との境界は、接続構造体100の断面観察により確認することができる。第1の樹脂20と第2の樹脂30との組成の違いから、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、走査電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの加工・観察装置において、第1の樹脂20と第2の樹脂30との境界を判断することも可能である。
【0025】
後述する第1の組成物20’と第2の組成物30’とが互いに相溶し難い場合は、第1の樹脂20と第2の樹脂30との境界は界面として確認することが可能である。第1の組成物20’と第2の組成物30’との組成が類似しており、後述する工程において界面が消失する場合は、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが混合された境界層として観察されることがある。
【0026】
第1の電子部品101は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットディスプレイであってもよく、第1の部材102は、例えばガラス基板、透明フィルム基板等の絶縁性基板であることが好ましい。第1の電極110は、例えば、ディスプレイに設けられる外部接続端子に相当する。第1の電極110および端子104は、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電材料、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の金属およびこれらの少なくとも1種を含有する合金(Mo-Ti合金等)およびこれらの材料の積層構造(Mo/Cu積層構造、Mo-Ti合金/Cu積層構造、Mo/Al積層構造、Mo/Al/Mo積層構造、Al/Ti積層構造等)により形成されてもよい。
【0027】
第2の電子部品111は、集積回路が形成されているSiチップであってもよい。この場合、第2の電極114は、集積回路に設けられる外部接続端子(ボンディングパッド)に相当する。第2の部材112はシリコン基板、SiC基板、サファイア基板、プラスチック基板などであることが好ましい。第2の電極114は、金(Au)、または銅(Cu)の表面に金メッキをすること等で形成されることが好ましい。第2の電子部品111が、例えばフレキシブルプリント基板である場合、第2の部材112は例えば、ポリイミド、パラ系ポリアミド等の絶縁性ポリマーフィルムであることが好ましい。第2の電極114は、例えばフレキシブルプリント基板に設けられる外部接続端子に相当し、一般的に銅(Cu)で形成され、表面は金めっきが施されている。
【0028】
第1の電極110および第2の電極114のそれぞれの電極が対向する方向(D1方向)にみた大きさは、特に限定しない。面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110同士の距離(面方向に隣接する複数の第2の電極114同士の距離)は、特に限定せず、例えば5μm以上であればよい。このような構成をとることで、絶縁性を損なうことなく、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。本実施形態において第1の電極110および第2の電極114は、第1の電子部品101および第2の電子部品111の一端部に一列、短辺が並ぶように配置されている。しかしながらこれに限定されず、第1の電極110および第2の電極114は、複数列配置されてもよく、また千鳥格子状に配置されてもよい。
【0029】
接続構造体100に含まれる導電性粒子10は扁球形であってもよい。電極の対向方向(D1方向)に見た導電性粒子10の直径(長径)は2μm以上10μm以下の範囲内である。導電性粒子10はもともと上記長径を直径とする球形であり、後述する接続構造体の作製方法によって、長径100%に対して10%以上40%以下の範囲で電極の対向方向(D1方向)に扁平に変形していてもよい。導電性粒子10の直径(長径)や加圧変形量は、第1の電子部品101および第2の電子部品111の種類や、それぞれの接続構造体の作製方法などによって上記範囲内から適宜選択することができる。本実施形態において、導電性粒子10は図1(D)に示すように、真球形状である。しかしながらこれに限定されず、例えば、図1(E)に示すように、球状で表面に複数の突起を有する形状(コンペイトー形状)であってもよい。このように球形状の表面に細かい凸構造を有することで、例えば、接続領域の自然酸化膜を突き破ることができることからより好ましい。
【0030】
導電性粒子10の材料としては、とくに限定されず、公知の導電性粒子から適宜選択して使用することができる。導電性粒子10は、図1(D)および(E)に示すように、高硬質樹脂材料をゴム状弾性樹脂で被覆した粒子核、または高硬質無機材料をゴム状無機弾性体で被覆した粒子核10aを、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)などの金属10bおよび10cで被覆した金属被覆粒子であってもよい。金属被覆は、例えば、バレルスパッタリング法、金属ナノ粒子めっき法、無電解めっき法、超音波めっき法などによって、Ni/Cu積層構造、Ni/Au積層構造、またはCu/Au積層構造を形成してもよい。
【0031】
第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、異なる材料を含む第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで形成される。第1の組成物20’と第2の組成物30’の材料は、特に限定されず、公知の硬化性樹脂材料から適宜選択して使用することができる。本実施形態において、第1の組成物20’と第2の組成物30’の硬化性樹脂材料は、いずれもラジカル重合型樹脂を含む。ラジカル重合型樹脂材料としては、(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましく、エステル型で結合しているものがより好ましい。(メタ)アクリルオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ以上有するもので、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、メラミンアクリレート等を用いることができる。単官能性、多官能性のどちらでも良いが、多官能性モノマーまたはオリゴマーを含むことがより好ましい。硬化性樹脂材料は、(メタ)アクリレートモノマーおよび(メタ)アクリレートオリゴマーから2種類以上を選択して構成してもよい。
【0032】
特に、第2の組成物30’の硬化性樹脂材料としては、硬化時の体積収縮率が低いものが好ましい。このため(メタ)アクリルモノマー化合物は、例えば、アミドメチロール構造部分を含んでもよく、デンドリマーまたはハイパーブランチポリマー構造部分を含んでもよい。アミドメチロール構造部分を有する(メタ)アクリルモノマー化合物は、光硬化に際し(メタ)アクリル酸由来の炭素炭素二重結合同士の重合と相まってアミドメチロール構造部分のメチレン-酸素間が切断される。このため、第2の組成物30’が硬化成分として-CO-NH-CH-O-よりなるアミドメチロール構造部分を分子内に少なくとも1個有する(メタ)アクリルモノマー化合物を含むことで、第2の組成物30’を硬化することによる第2の樹脂30の体積収縮率をより抑制することができ、第1の電子部品101と第2の電子部品111との曲げ剛性の差による反りを抑制することができる。枝分枝にアクリル基を配置したデンドリマーまたはハイパーブランチポリマー構造部分を含むことで、枝分枝同士のVan del waals距離が、通常分子のVan del waals距離よりも短くなる。このため、第2の組成物30’が硬化成分としてアクリル基を配置したデンドリマーまたはハイパーブランチポリマー構造部分を含むことで、第2の組成物30’を硬化することによる第2の樹脂30の体積収縮率をより抑制することができ、第1の電子部品101と第2の電子部品111との曲げ剛性の差による反りを抑制することができる。
【0033】
第2の組成物30’の硬化性樹脂材料としては、フルオレン系アクリレートを用いることが好ましい。第2の組成物30’は、硬化成分としてエチレン性不飽和二重結合を有する化合物とチオール化合物とを含むエン/チオール系硬化性樹脂を含んでもよく、これらの成分の少なくとも一方が9,9-ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物を含んでいてもよい。9,9-ビスアリールフルオレン化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する9,9-ビスアリールフルオレン化合物及び/又はメルカプト基を有する9,9-ビスアリールフルオレン化合物を含んでいてもよい。エチレン性不飽和化合物として、例えば、9,9-ビス(4-アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製、オグソールEA-0200)と、フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPOA)とを用いてもよい。チオール化合物として、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトブチレート)(昭和電工(株)製、カレンズMT PE1)を用いてもよい。第2の組成物30’がこのような硬化性樹脂材料を含むことで、第2の組成物30’を硬化することによる第2の樹脂30の体積収縮率をより抑制することができ、第1の電子部品101と第2の電子部品111との曲げ剛性の差による反りを抑制することができる。
【0034】
第2の組成物30’の硬化性樹脂材料としては、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、アクリレート基及びメタクリレート基からなる群より選択される官能基を分子内に2以上有するエン化合物又は上記エン化合物の2種以上の混合物であるエン化合物、及び、1分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含むエン/チオール系硬化性樹脂を酸化性化合物処理することによって得られたものを用いてもよい。1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物として、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類、その他ポリチオール類を含んでもよく、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。酸化性化合物処理は、酸化能を有する気体によって行うことが好ましい。酸化能を有する気体は、酸化性化合物処理を行う温度・気圧の条件において気体の性状を有し、かつ、酸化能を有する化合物である。酸化能を有する気体としては、空気、酸素、オゾン等を用いることができ、これらを一部含有する混合ガスを用いてもよい。第2の組成物30’は、上記光硬化性樹脂材料を酸化性化合物処理することによって、経時安定性を高めることができる。
【0035】
第1の組成物20’と第2の組成物30’の材料は、さらに光硬化開始成分を含む。光硬化開始成分は、光ラジカル開始剤であって、紫外線または可視光線を照射することにより、ラジカルを発生する化合物であれば良い。紫外線ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、αジケトン系開始剤、およびチオキサントン系開始剤等を用いることができる。可視光ラジカル開始剤としては、例えば、カンファーキノン系化合物、およびアシルホスフィンオキサイド化合物等を用いることができる。また、紫外線ラジカル開始剤に分類されるものであっても増感剤との併用により可視光ラジカル開始が可能になるものであってもよい。増感剤は、必要に応じて適宜使用することができる。増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、アミン系化合物およびアルカノールアミン類の(メタ)アクリル酸エステル等を用いることができる。光硬化開始成分および増感剤は、複数の種類を併用してもよい。例えば、紫外線ラジカル開始剤と可視光ラジカル開始剤を併用して、硬化可能な波長領域を拡大することもできる。光硬化開始成分は、照射光の波長が300nm以上500nm以下の範囲でラジカルを発生する光ラジカル開始剤がより好ましい。光硬化開始成分は、硬化性樹脂材料を、好ましくは約3秒以下、より好ましくは1秒以下の光照射時間で室温硬化可能なように配合される。尚、このような時間で室温硬化できるように硬化性樹脂材料も適宜選択される。
【0036】
本実施形態において、第1の組成物20’および第2の組成物30’ は、さらに遮蔽部硬化性活性化合物、例えば連鎖移動剤などを含むことがより好ましい。連鎖移動剤は、光照射によって発生したラジカルを、光が直接届かない遮蔽部に伝達する。連鎖移動剤は、例えば、ウレタン結合、尿素結合、又はイソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上と、1個以上のアルコキシシリル基を含む化合物を用いることができる。上記連鎖移動剤を用いた光硬化反応では、副生成物としてアニオンの1種となるヒドロキシル基を持ったポリアルコールが発生する。このポリアルコールと連鎖移動剤に含まれるアルコキシシリル基とがエステル交換反応を起こすことでさらに硬化が進む。すなわち、連鎖移動剤を含むことでラジカル硬化とアニオン硬化が同時に起こり、光が直接届かない遮蔽部の硬化が可能となる。
【0037】
第1の組成物20’および第2の組成物30’は、遮蔽部硬化性活性化合物を含むことで、光照射による光硬化開始成分の作用のみで第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化できない第1の電子部品101、第2の電子部品111、第1の電極110、および第2の電極114の材料や、接続方法などの条件下でも、第1の組成物20’ および第2の組成物30’の硬化を確実にすることができる。
【0038】
本実施形態において、第1の組成物20’の材料は、さらに嫌気性硬化開始成分を含んでもよい。嫌気性硬化開始成分は、有機過酸化物および硬化促進剤を含む公知の系を用いることができる。有機過酸化物は、例えば、ハイドロパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等を用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、o-ベンゾイックスルホイミド(サッカリン)、ヒドラジン化合物、アミン化合物、メルカプタン化合物等を用いることができる。嫌気性硬化開始成分および硬化促進剤は、複数の種類を併用してもよい。
【0039】
本実施形態において、第1の組成物20’は、(第1の電極110を含む)第1の面、(第2の電極114を含む)第2の面および第2の組成物30’によって囲われている。さらに第1の組成物20’は、第1の電極110、第2の電極114および導電性粒子10と接している。第1の組成物20’が嫌気性硬化開始成分を含む場合、第1の電極110、第2の電極114および導電性粒子10が遷移金属成分を含有するので、硬化促進剤と遷移金属イオンを介するレドックス反応により過酸化物が分解し、第1の組成物20’の嫌気性硬化を開始することができる。
【0040】
第1の組成物20’は、さらに嫌気性硬化開始成分を含むことで、光照射による光硬化開始成分の作用のみで第1の組成物20’を硬化できない第1の電子部品101、第2の電子部品111、第1の電極110、および第2の電極114の材料や、接続方法などの条件下でも、第1の組成物20’の硬化を確実にすることができる。
【0041】
添加剤は、流動性、塗布特性、保存性、硬化特性、硬化後の物性等の性質を改良または変更するために、必要に応じて適宜使用することができる。添加剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、シランカップリング剤、希釈剤、改質剤、界面活性剤、保存安定剤、消泡剤、レベリング剤等が挙げられるがこれらに限定されない。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等を用いることができる。シランカップリング剤を添加することにより、有機材料と無機材料との界面における接着性が向上される。
【0042】
第1の組成物20’の粘度は、第2の組成物30’の粘度より高い。第1の組成物20’の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲である。第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。第1の組成物20’の粘度と、第2の組成物30’の粘度との差は2倍以上であればよい。第1の組成物20’および第2の組成物30’の粘度は、第1の組成物20’および第2の組成物30’に含まれる樹脂材料の重合度によって制御することもできる。それぞれの組成物の粘度は、第1の電子部品101および第2の電子部品111の種類や、接続構造体の作製方法、組成物の配置方法などによって上記範囲内から適宜選択することができる。第1の組成物20’の粘度が5×10cP未満である場合、導電性粒子10の均一分散性が悪くなり、沈降や凝集がおこりやすくなる。第1の組成物20’の粘度が第2の組成物30’の粘度より高いことで、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の流動が抑えられ、第1の電極110と第2の電極114との間に効率よく導電性粒子10を配置することができる。したがって、第1の電極110と第2の電極114との接続信頼性を確保することができる。
【0043】
第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで形成される。第1の組成物20’を硬化することによる第1の樹脂20の体積収縮率と、第2の組成物30’を硬化することによる第2の樹脂30の体積収縮率とは、4%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。第1の樹脂20と第2の樹脂30の体積収縮率が4%より大きいと、内部収縮応力が発生し、第1の電子部品101と第2の電子部品111との曲げ剛性の差により反りが発生しやすくなり、第1の電子部品101と第2の電子部品111との物理的な接続信頼性が低下する。
【0044】
第1の樹脂20は、金属材料や金属酸化物材料などの導電性材料との接着力が高いことがより好ましい。第1の樹脂20は、第1の電極110および第2の電極114を形成する金属材料との接着力が高いことが好ましく、例えば、AuおよびITOなどとの接着力が高いことが好ましい。第2の樹脂30は、樹脂材料との接着力が高いことがより好ましい。第2の樹脂30は、第1の部材102の第1の面および第2の部材112の第2の面を形成する絶縁膜材料との接着力が高いことが好ましく、例えば、ポリイミド、パラ系ポリアミドフィルム、P-SiNx、ガラスなどの絶縁性材料との接着力が高いことが好ましい。第1の樹脂20の接着力は、500N/m以上の範囲が好ましい。第2の樹脂30の接着力は、700N/m以上の範囲が好ましい。それぞれの樹脂の接着力、ガラス転移温度、および硬度は、第1の電子部品101および第2の電子部品111の種類や、接続構造体の作製方法などによって適宜選択することができる。第1の樹脂20と第2の樹脂30が、それぞれ被着材の材料によって選択されることで、第1の部材102の第1の面および第2の部材112の第2の面の接着力をさらに向上することができる。したがって、第1の電子部品101と第2の電子部品111との物理的な接続信頼性を向上することができる。
【0045】
[接続構造体の作製方法]
次に、図2から図5を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図2から図5においては、接続構造体100を形成する方法を詳しく説明する。
【0046】
まず第1の電極110上の所定の領域に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’を配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。図2から図5を用いて、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’を配置する方法を説明する。
【0047】
図2は、版220に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する工程を示す。図3は、図2のC-C’断面図である。本実施形態において版220は、例えば、水なし平版である。版220は、第1の部材102の第1の面において複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置される領域に対応した凹部226を有する。版220は、親液層222と、撥液層224とを含む。撥液層224は接液面に配置され、開口部を有する。撥液層224は開口部において、親液層222を露出する。すなわち版220の上面には撥液層224が配置され、凹部226の底面には親液層222が配置される。
【0048】
親液層222の材料は、例えば、酸化アルミニウム(Al)であってもよい。撥液層224の材料は、例えば、弾性を有するシリコーン樹脂などが好ましい。凹部226の深さは、撥液層224の厚みと略同一である。凹部226の深さは導電性粒子10の直径より大きければよい。版220は、水なし平版のほかに、ガラス平凹版、ステンレス平凹版、サファイア平凹版、ジルコニア平凹版であってもよい。版220の上面からみたそれぞれの凹部226は、5μm以上離間していることが好ましい。凹部226が5μm未満しか離間していない場合、隣り合う凹部226を隔てる撥液層224が破損しやすく、版220の耐久性が低下することがある。
【0049】
本実施形態において、電極の対向方向(D1方向)に見た凹部226の形は円形である。また、凹部226は深さ方向に同じ形を有する。すなわち、凹部226は版220から円柱を切り抜いた形状を有する。しかしながらこれに限定されず、凹部226の形は、上記範囲内の深さであれば任意の形をとることができる。
【0050】
本実施形態において導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は、ローラー210を用いて版220に配置する。図2(A)~(C)および図3(A)~(C)に示すように、ローラー210は、ローラー210の外周面が版220の上面(撥液層224の上面)に接触するように、版220の一端から他端に回転しながら移動することで導電性粒子10と第1の組成物20’とを凹部226内に配置する。
【0051】
第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の濃度は、導電性粒子10と第1の組成物20’との総体積に対して導電性粒子10が20体積%以上60体積%以下の範囲であることが好ましい。導電性粒子10の配合量が20体積%未満であると、十分な数の導電性粒子10を凹部226内に充填することが難しくなる。導電性粒子10の配合量が60体積%より大きいと、操作性が悪くなり、導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を凹部226内に充填することが難しくなる。ローラー210で導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置することで、導電性粒子10と第1の組成物20’は版220の凹部226内に充填される。凹部226は上述の範囲の深さを有することから、凹部226の深さ方向(D1方向)に1つの導電性粒子10を保持することができる。1つの凹部226に配置される導電性粒子10の数は、1個以上7個以下が好ましい。1つの凹部226に配置される導電性粒子10の数は、好ましくは7個、より好ましくは3個である。このように配置されることで、後述する導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物をパッドに転移する工程で、導電性粒子10と第1の組成物20’とを効率よくパッドに転移することができる。
【0052】
凹部226は弾性を有する撥液層224の開口部を有することから、ローラー210の進行によって導電性粒子10が撥液層224に当接しても、導電性粒子10を破損することなく凹部226内に保持することができる。凹部226は、底部に親液層222を有することから、第1の組成物20’を保持することができる。一方で、版220の上面部には、撥液層224が配置されることから、第1の組成物20’を撥液する。
【0053】
図4は、版220からパッド230に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転移する工程を示す。図4(A)~(C)に示すように、パッド230を版220の略垂直方向に押し付け、版220の略垂直方向に引き離すことで、凹部226に充填された導電性粒子10と第1の組成物20’とをパッド230に転移する。第1の組成物20’の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10をパッド230の表面に保持することができる。
【0054】
パッド230の材料は、例えば、弾性を有するシリコーン樹脂などが好ましい。パッド230の形状は、少なくとも凸構造を有することが好ましい。パッド230の形状は、第1の電子部品101や版220の形状によって適宜選択することができる。
【0055】
図5(A)~(B)は、パッド230から第1の電極110に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図5(A)~(B)に示すように、パッド230を第1の電極110の略垂直方向に押し付け、パッド230を第1の電極110の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第1の電極110上に転写する。第1の部材102の第1の面において、導電性粒子10と第1の組成物20’とは電極の対向方向(D1方向)に凸構造を形成する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第1の電極110上に保持することができる。このような方法を用いることで、第1の電極110上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0056】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の組成物30’を配置する。図5(C)に示すように、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面の第1の電極110と第1の電極110以外の領域にも配置する。すなわち、第2の組成物30’は、第1の電極110上であって、上記複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域以外の領域にも配置する。さらに、第2の組成物30’は、第1の電極110上であって、上記複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置されている領域上にも配置する。すなわち、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の電極110および第1の電極110以外の領域上に配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0057】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。第1の組成物20’の粘度は、第2の組成物30’の粘度より高く、粘度の差は2倍以上であればよい。これによって、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の流動を抑えることができ、第1の電極110上に導電性粒子10を保持することができる。
【0058】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の部材112を搭載する。図5(D)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第1の電極110上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第1の電極110上に保持される。第1の電極110上の導電性粒子10および第1の組成物20’上に重ねて配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている領域以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第2の電極114と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第2の電極114と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第1の部材102の第1の面上において凸構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第1の電極110上に配置した導電性粒子10は第2の電極114に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域および第2の面の第2の電極114以外の領域と第2の電極114に接するように配置される。
【0059】
図5(E)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。
【0060】
ここで導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114から圧力を受けることによって、扁球形に変形するまで加圧する。導電性粒子10の加圧変形量は、導電性粒子10の長径100%に対して10%以上40%以下の範囲に制御する。このとき第1の電極110、導電性粒子10、および第2の電極114の間に応力がかかることで、第1の電極110と導電性粒子10、および第2の電極114と導電性粒子10の間の第1の組成物20’と第2の組成物30’は排除される。さらに、第1の電極110、導電性粒子10、または第2の電極114に自然酸化膜が形成されて表面が絶縁化されていても、導電性粒子10を挟んで第1の電極110と第2の電極114とを圧接することで、自然酸化膜を突き破り、導電経路が形成される。導電性粒子10が変形することで、第1の電極110と導電性粒子10との接触面積、および第2の電極114と導電性粒子10との接触面積を増大することができる。このように配置されることで、導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0061】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100に光を照射する。光の波長領域は、紫外線および/または可視光領域が好ましく、特に紫外線であることがより好ましい。光の波長領域は、第1の組成物20’および第2の組成物30’に含まれる光硬化開始成分などによって適宜選択することができる。光照射の方向は、光の波長領域および第1の部材102や第2の部材112などの材料によって、第1の電子部品101側または第2の電子部品111側から適宜選択することができる。また、両方から照射することも好ましく、遮蔽物のない側面から照射することも効果的である。光の照射時間は、第1の組成物20’および第2の組成物30’に含まれる光硬化開始成分および硬化性樹脂材料などによって適宜選択することができる。一般には、約3秒以下であることが好ましく、約1秒以下であることがより好ましい。別言すると、このような時間で室温硬化できるように光照射強度、光硬化開始成分、および硬化性樹脂材料などが適宜選択される。
【0062】
光照射により、接続構造体100に含まれる第1の組成物20’および第2の組成物30’の大部分は室温硬化する。しかしながら、十分な光が到達しない第1の電極110と第2の電極114の間などは硬化が不十分なこともある。このため、第1の組成物20’の材料は、遮蔽部硬化性活性化合物または嫌気性硬化開始成分などを含むことがより好ましい。遮蔽部硬化性活性化合物または嫌気性硬化開始成分などを含むことによって、十分な光が到達しない部分においても、室温硬化を促進することができる。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30が形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0063】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0064】
<第2実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第1実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第2の組成物30’を第2の面の第2の電極114および第2の電極114以外の領域に配置すること以外、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0065】
[接続構造体の作製方法]
図6を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図6においては、接続構造体100を形成する方法を詳しく説明する。
【0066】
まず、第1の電極110上の所定の領域に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とを配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0067】
図6(A)~(B)は、パッド印刷法によってパッド230から第1の電極110に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図6(A)~(B)に示すように、パッド230を第1の電極110の略垂直方向に押し付け、パッド230を第1の電極110の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第1の電極110上に転写する。第1の部材102の第1の面において、導電性粒子10と第1の組成物20’とは電極の対向方向(D1方向)に凸構造を形成する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第1の電極110上に保持することができる。このような方法を用いることで、第1の電極110上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0068】
次に、第2の部材112の第2の面上に、第2の組成物30’を配置する。図6(C)~(D)に示すように、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面の第2の電極114以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第2の電極114上であって、後述する複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域以外の領域にも配置する。第2の組成物30’は、第2の電極114上であって、後述する複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域上にも配置する。すなわち、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、第2の電極114および第2の電極114以外の領域上に配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0069】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。これによって、第2の組成物30’の流動を抑えることができる。
【0070】
次に、第1の電子部品101の第1の面上に、第2の電子部品111を搭載する。図6(E)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第1の電極110上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第1の電極110上に保持される。第2の電極114上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている領域以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第2の電極114と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第2の電極114と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第1の部材102の第1の面上において凸構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第1の電極110上に配置した導電性粒子10は第2の電極114に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域および第2の面の第2の電極114以外の領域と第2の電極114に接するように配置される。
【0071】
図6(F)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0072】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100に光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0073】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0074】
<第3実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第2の樹脂30が第2の電極114上に配置されること以外、第1実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第2の面の第2の電極114上に配置し、第2の組成物30’を第1の面の第1の電極110および第1の電極110以外の領域に配置すること以外、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態に係る接続構造体および接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0075】
[接続構造体の構造]
図7は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す。図7(A)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の平面図である。図7(B)は、図7(A)のD-D’断面図である。図7(C)は、図7(B)の領域Eにおける導電性粒子の拡大断面図である。
【0076】
図7(A)から(C)に示すように、複数の導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114との間で第1の樹脂20と第2の樹脂30に分散されている。それぞれの導電性粒子10は、第2の電極114上で面方向(D2-D3面方向)に第1の樹脂20で囲まれている。それぞれの導電性粒子10は、第1の電極110上で面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。第1の樹脂20および第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100aは、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。しかしながら、対向する第1の電極110と第2の電極114との間に配置され、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の導電性粒子10同士は接触していてもよい。面方向(D2-D3面方向)に隣接する導電性粒子10同士が接触する場合、隣接する導電性粒子10同士も電気的に接続する。このように配置されることで、導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とをさらに確実に電気的に接続することができる。隣接する導電性粒子10同士の距離は、後述する第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の濃度によって、適宜制御することができる。
【0077】
第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間には、さらに第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、対向する第1の電極110と第2の電極114との間以外の領域に配置される。第2の樹脂30は第1の面の第1の電極以外の領域と、第2の面の第2の電極以外の領域との間に配置される。すなわち、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間および周囲(面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間および周囲)には、第2の樹脂30が配置される。さらに、第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域以外の領域にも配置される。面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の間および周囲には、第2の樹脂30が配置される。別言すると、導電性粒子10と第1の樹脂20とは、面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第2の電子部品111の第2の面上で複数の導電性粒子10は第1の樹脂20によって囲まれ、第1の樹脂20は第2の樹脂30によって囲まれている。図7(B)および(C)に示すように、さらに第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域にも配置される。第2の樹脂30は、第1の樹脂20と第1の電極110との間に配置される。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第1の電子部品101の第1の面上で複数の導電性粒子10は第2の樹脂30によって囲まれている。第1の樹脂20および第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100aは、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。このように配置されることで、第2の樹脂30は、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間を確実に絶縁することができる。
【0078】
第1の電極110と第2の電極114との間には、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。第1の樹脂20は第2の電極114と接し、第2の樹脂30は第1の電極110と接するように配置される。すなわち、第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、第1の電極110と第2の電極114との間で面方向(D2-D3面方向)に接し、電極の対向方向(D1方向)に積層されている。
【0079】
[接続構造体の作製方法]
図8を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図8においては、接続構造体100aを形成する方法を詳しく説明する。
【0080】
まず、第2の電極114上の所定の領域に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とを配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0081】
図8(A)~(B)は、パッド印刷法によってパッド230から第2の電極114に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図8(A)~(B)に示すように、パッド230を第2の電極114の略垂直方向に押し付け、パッド230を第2の電極114の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第2の電極114上に転写する。第2の部材112の第2の面において、導電性粒子10と第1の組成物20’とは電極の対向方向(D1方向)に凸構造を形成する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第2の電極114上に保持することができる。このような方法を用いることで、第2の電極114上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0082】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の組成物30’を配置する。図8(C)~(D)に示すように、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面の第1の電極110以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第1の電極110上であって、後述する複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域以外の領域にも配置する。第2の組成物30’は、第1の電極110上であって、後述する複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域上にも配置する。すなわち、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の電極110および第1の電極110以外の領域上に配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0083】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。これによって、第2の組成物30’の流動を抑えることができる。
【0084】
次に、第1の電子部品101の第1の面上に、第2の電子部品111を搭載する。図8(E)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第2の電極114上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第2の電極114上に保持される。第1の電極110上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている領域以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第1の電極110と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第1の電極110と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第2の部材112の第2の面上において凸構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の電極114上に配置した導電性粒子10は第1の電極110に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域および第2の面の第2の電極114以外の領域と第1の電極110に接するように配置される。
【0085】
図8(F)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0086】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100aに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0087】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0088】
<第4実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第3実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第2の組成物30’を第2面の第2の電極114および第2の電極114以外の領域に配置すること以外、第3実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態および第3実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態および第3実施形態に係る接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0089】
[接続構造体の作製方法]
図9を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図9においては、接続構造体100aを形成する方法を詳しく説明する。
【0090】
まず、第2の電極114上の所定の領域に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とを配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0091】
図9(A)~(B)は、パッド印刷法によってパッド230から第2の電極114に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図9(A)~(B)に示すように、パッド230を第2の電極114の略垂直方向に押し付け、パッド230を第2の電極114の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第2の電極114上に転写する。第2の部材112の第2の面において、導電性粒子10と第1の組成物20’とは電極の対向方向(D1方向)に凸構造を形成する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第2の電極114上に保持することができる。このような方法を用いることで、第2の電極114上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0092】
次に、第2の部材112の第2の面上に、第2の組成物30’を配置する。図9(C)~(D)に示すように、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面の第2の電極114以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第2の電極114上であって、後述する複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置される領域以外の領域にも配置する。さらに、第2の組成物30’は、第2の電極114上であって、上記複数の導電性粒子10と第1の組成物20’が配置されている領域上にも配置する。すなわち、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、第2の電極114および第2の電極114以外の領域上に配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0093】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。これによって、第2の組成物30’の流動を抑えることができる。
【0094】
次に、第1の電子部品101の第1の面上に、第2の電子部品111を搭載する。図9(E)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第2の電極114上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第2の電極114上に保持される。第2の電極114上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている領域以外の領域に大部分が移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第1の電極110と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第1の電極110と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第2の部材112の第2の面上において凸構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の電極114上に配置した導電性粒子10は第1の電極110に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域および第2の面の第2の電極114以外の領域と第1の電極110に接するように配置される。
【0095】
図9(F)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0096】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100aに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0097】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0098】
<第5実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第1の樹脂20が第1の部材102の第1の電極以外の領域にも配置されること以外、第1実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第1の組成物20’を第1の面の第1の電極110以外の領域にも配置すること以外、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態に係る接続構造体および接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0099】
[接続構造体の構造]
図10は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す。図10(A)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の平面図である。図10(B)は、図10(A)のF-F’断面図である。図10(C)は、図10(B)の領域Gにおける導電性粒子の拡大断面図である。
【0100】
図10(A)および(B)に示すように、接続構造体100bは、第1の部材102の第1の面、第1の電極110、第2の部材112の第2の面、第2の電極114、導電性粒子10、第1の樹脂20、および第2の樹脂30を含む。複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とは、それぞれ対向配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20と、第2の樹脂30とが配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、面方向(D2-D3面方向)に複数の導電性粒子10が配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、第1の電極110と第2の電極114との対向方向(D1方向)に1つの導電性粒子10が配置される。それぞれの導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とに接触している。図10(C)に示すように、導電性粒子10は、後述する接続構造体の作製方法によって、第1の電極110と第2の電極114との間で電極の対向方向(D1方向)に加圧変形している。すなわち、電極の対向(D1方向)における第1の電極110と第2の電極114との距離は、電極の対向(D1方向)における導電性粒子10の高さと略同一である。電極の対向方向(D1方向)における導電性粒子10の高さは、10%~40%程度加圧変形している。第1の電極110、導電性粒子10、および第2の電極114の間に応力がかかることで、第1の電極110と導電性粒子10の接触部、および第2の電極114と導電性粒子10の接触部において第1の樹脂20と第2の樹脂30とは排除されている。さらに、第1の電極110、導電性粒子10、または第2の電極114に自然酸化膜が形成されて表面が絶縁化されていても、導電性粒子10を挟んで第1の電極110と第2の電極114とを圧接することで、自然酸化膜を突き破り、導電経路が形成される。さらに、導電性粒子10が変形することで、第1の電極110と導電性粒子10との接触面積、および第2の電極114と導電性粒子10との接触面積を増大することができる。このように配置されることで、導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0101】
図10(A)および(B)に示すように、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20と、第2の樹脂30とは、第1の電極110と第2の電極114との間に配置される。本実施形態において、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20と、第2の樹脂30とは、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の電極110の上面の略全面に配置される。電極の対向方向(D1方向)に見た導電性粒子10の直径は2μm以上10μm以下の範囲内である。また、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、対向する第1の電極110と第2の電極114との間に配置される導電性粒子10の数は、7個/400μm以上20個/400μm以下の範囲であることが好ましい。このように配置されることで、導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とを確実に接続することができ、且つ面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間の短絡を防ぐことができる。
【0102】
本実施形態において、電極の対向方向(D1方向)に見た導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域の形は、第1の電極110に合わせて矩形である。しかしながらこれに限定されず、導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域の形は、上記範囲内の面積であれば任意の形をとることができる。
【0103】
1つの第1の電極110の上面に配置される導電性粒子10と第1の樹脂20とが配置される領域の面積は、上記条件を満たす限り、第1の電極110の面積、および導電性粒子10の大きさなどによって適宜調整することができる。また、導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域内に配置される導電性粒子10の数は、上記条件を満たす限り、導電性粒子10の大きさおよび後述する第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の濃度によって適宜調整することができる。
【0104】
本実施形態において、第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の第1の電極110以外の領域にも配置される。第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の複数の第1の電極110の間および周囲にも配置される。一方で、第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の端部には配置されない。このとき、導電性粒子10は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の第1の電極110(第2の面の第2の電極114)以外の領域には配置されない。すなわち、導電性粒子10は、第1の電極110(あるいは第2の電極114)の上に配置される。
【0105】
第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間には、さらに第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、対向する第1の電極110と第2の電極114との間以外の領域に配置される。本実施形態において、第2の樹脂30は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第2の面の第2の電極114以外の領域に配置される。すなわち、第2の部材112の第2の面において、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間および周囲には、第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面および第2の面の端部にも配置される。図10(B)および(C)に示すように、さらに第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域にも配置される。第2の樹脂30は、第1の樹脂20と第2の電極114との間に配置される。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第2の部材112の第2の面において、第2の電極114に配置される導電性粒子10は、面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。第1の樹脂20および第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100bは、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。このように配置されることで、第2の樹脂30は、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間を確実に絶縁することができる。
【0106】
第1の面の第1の電極110以外の領域と第2の面の第2の電極114以外の領域との間には、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間および周囲と、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間および周囲とには第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。さらに、第1の電極110と第2の電極114との間にも、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。第1の樹脂20は第1の面と接し、第2の樹脂30は第2の面と接するように配置される。すなわち、第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面との間で面方向(D2-D3面方向)に接し、電極の対向方向(D1方向)に積層する。一方で、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面と第2の面の端部には第2の樹脂30が配置される。
【0107】
[接続構造体の作製方法]
次に、図11から図14を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図11から図14においては、接続構造体100bを形成する方法を詳しく説明する。
【0108】
まず、第1の部材102の第1の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第1の電極110の上面に複数の導電性粒子10を配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。図11から図14を用いて、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’を配置する方法を説明する。
【0109】
図11は、版240に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する工程を示す。図12は、図11のH-H’断面図である。本実施形態において版240は、例えば、平板凹版である。本実施形態において、版240は、第1の電極110に対応した凹部246を有する。しかしながらこれに限定されず、凹部246は、第1の部材102の第1の面において複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置される領域に対応していればよい。
【0110】
本実施形態において導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は、ブレード250を用いて版240に配置する。しかしながらこれに限定されず、導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は、ローラー等を用いて版240に配置してもよい。図11(A)~(C)および図12(A)~(C)に示すように、ブレード250は、先端が版240の上面244から離間した状態で、版240の一端から他端に移動させる。ブレード250の先端と版240の上面244とのギャップは、導電性粒子10の直径をYμmとしたときに0μmより大きくYμm未満の範囲で適宜設定することができる。ギャップの距離が導電性粒子10の直径Yμmより小さいことから、版240の上面244には導電性粒子10は配置されず、第1の組成物20’が配置される。
【0111】
ブレード250の先端から凹部246の底面242までの深さは、導電性粒子10の直径をYとしたときにYμmより大きい範囲で適宜選択することができる。ブレード250の先端から凹部246の底面242までの深さは、導電性粒子10の直径Yμmより大きいことから、凹部246には第1の組成物20’と共に導電性粒子10が配置される。
【0112】
ブレード250の先端から凹部246の底面242までの距離がYμm未満である場合、ブレード250の先端と導電性粒子10とが当接しやすくなり、導電性粒子10が充填されないまたは充填された導電性粒子10が破損する恐れがある。ブレード250の先端と版240の上面244とのギャップの距離がYμmより大きい場合、版240の上面244に導電性粒子10が配置されてしまう可能性がある。
【0113】
図11(A)~(C)および図12(A)~(C)に示すように、ブレード250は、版240の一端から他端に移動させることで、版240に導電性粒子10と第1の組成物20’とを配置する。本実施形態において、ブレード250は、凹部246の短辺方向(D3方向)に、版240の一端から他端に移動させることが好ましい。これによって1つの凹部246内に配置される導電性粒子10の片寄りを抑制することができる。
【0114】
第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の濃度は、導電性粒子10と第1の組成物20’との総体積に対して導電性粒子10が20体積%以上60体積%以下の範囲であることが好ましい。導電性粒子10の配合量が20体積%未満であると、十分な数の導電性粒子10を凹部246内に充填することが難しくなる。導電性粒子10の配合量が60体積%より大きいと、操作性が悪くなり、導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を凹部246内に充填することが難しくなる。ブレード250で導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置することで、導電性粒子10と第1の組成物20’は版240の凹部246内に充填され、第1の組成物20’は版240の上面244に配置される。
【0115】
凹部246は上述の範囲の深さを有することから、凹部246の深さ方向(D1方向)に1つの導電性粒子10を保持することができる。版240の上面からみたときに、1つの凹部246に配置される導電性粒子10の数は、7個/400μm以上20個/400μm以下の範囲であることが好ましい。このように配置されることで、後述する導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物をパッドに転移する工程で、導電性粒子10と第1の組成物20’とを効率よくパッドに転移することができる。
【0116】
それぞれの凹部246は、5μm以上離間していることが好ましい。凹部246が5μm未満しか離間していない場合、隣り合う凹部246を隔てる壁が破損しやすく、版240の耐久性が低下することがある。
【0117】
本実施形態において、電極の対向方向(D1方向)に見た凹部246の形は、第1の電極110(あるいは第2の電極114)と同じ矩形である。また、凹部246は深さ方向に同じ形を有する。すなわち、凹部246は版240から直方体を切り抜いた形状を有する。しかしながらこれに限定されず、凹部246の形は、上記範囲内の深さおよび面積であれば任意の形をとることができる。例えば、複雑な形に対応することも可能である。
【0118】
版240は、例えば、ガラス凹版、ニッケル板凹版、またはステンレス板凹版であってもよい。必要に応じて、フッ素系ガスを用いたプラズマ表面処理、ニッケルめっき処理、またはDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)処理等を施し、版240の耐久性を向上させてもよい。
【0119】
図13は、版240からパッド230に複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転移する工程を示す。図13(A)~(C)に示すように、パッド230を版240の略垂直方向に押し付け、版240の略垂直方向に引き離すことで、版240の上面244に配置された第1の組成物20’と、版240の凹部246に充填された導電性粒子10と第1の組成物20’とをパッド230に転移する。第1の組成物20’の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10をパッド230の表面に保持することができる。
【0120】
図14(A)~(B)は、パッド230から第1の部材102の第1の面に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図14(A)~(B)に示すように、パッド230を第1の面の略垂直方向に押し付け、パッド230を第1の面の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第1の面上に転写する。ここで、版240の凹部246から転写される第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第1の電極110に接するように配置する。すなわち、第1の部材102の第1の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第1の電極110の上面に導電性粒子10を配置する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第1の電極110上に保持することができる。このような方法を用いることで、第1の電極110上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0121】
版240の凹部246から転写される第1の組成物20’および導電性粒子10は、凹部246の深さがあるため、第1の部材102上の第1の電極110上において電極の対向方向(D1方向)に厚く配置される。一方で、版240の上面244から転写される第1の組成物20’は、凹部246の深さがないため、第1の部材102上の第1の電極110以外の領域において電極の対向方向(D1方向)に薄く配置される。しかしながらこれに限定されず、第1の組成物20’は版240の上面244からパッド230に転移されなくてもよい。第1の部材102の第1の面において、第1の組成物20’は、電極の対向方向(D1方向)に凸凹構造を形成する。第1の部材102の第1の面において、導電性粒子10は、第1の組成物20’と共に凸構造を形成する。本実施形態において版240は、第1の部材102の第1の面(接続面)より小さい。このため第1の面の端部には、第1の組成物20’は配置されない。
【0122】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の組成物30’を配置する。図14(C)に示すように、第2の組成物30’は、第1の面の第1の電極110以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第1の面の第1の電極110上にも配置する。ここで、第1の面の第1の電極110以外の領域には、版240の上面244から転写された第1の組成物20’が配置されている。また、第1の面の第1の電極110上には、版240の凹部246から転写された導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている。このため、第2の組成物30’は、導電性粒子10および第1の組成物20’に接するように重ねて配置する。第2の組成物30’は、第1の面の端部にも配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0123】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。第1の組成物20’の粘度は、第2の組成物30’の粘度より高く、粘度の差は2倍以上であればよい。これによって、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の流動を抑えることができ、第1の電極110上に導電性粒子10を保持することができる。
【0124】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の部材112を搭載する。図14(D)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第1の電極110上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第1の電極110上に保持される。第1の電極110上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている第1の電極110上以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第2の電極114と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第2の電極114と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第1の部材102の第1の面上において凸凹構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の組成物20’が配置された領域(凹構造)上に配置される。第1の電極110上に配置した導電性粒子10は第2の電極114に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域に配置された第1の組成物20’と第2の面の第2の電極114以外の領域と第2の電極114に接するように配置される。
【0125】
図14(E)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。
【0126】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100bに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0127】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0128】
<第6実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第5実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第2の組成物30’を第2の面の第2の電極114および第2の電極114以外の領域に配置すること以外、第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態および第5実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態および第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0129】
[接続構造体の作製方法]
図15を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図15においては、接続構造体100bを形成する方法を詳しく説明する。
【0130】
まず、第1の部材102の第1の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第1の電極110の上面に複数の導電性粒子10を配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0131】
図15(A)~(B)は、パッド230から第1の部材102の第1の面に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図15(A)~(B)に示すように、パッド230を第1の面の略垂直方向に押し付け、パッド230を第1の面の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第1の面上に転写する。ここで、版240の凹部246から転写される第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第1の電極110に接するように配置する。すなわち、第1の部材102の第1の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第1の電極110の上面に導電性粒子10を配置する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第1の電極110上に保持することができる。このような方法を用いることで、第1の電極110上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0132】
版240の凹部246から転写される第1の組成物20’および導電性粒子10は、凹部246の深さがあるため、第1の部材102上の第1の電極110上において電極の対向方向(D1方向)に厚く配置される。一方で、版240の上面244から転写される第1の組成物20’は、凹部246の深さがないため、第1の部材102上の第1の電極110以外の領域において電極の対向方向(D1方向)に薄く配置される。しかしながらこれに限定されず、第1の組成物20’は版240の上面244からパッド230に転移されなくてもよい。第1の部材102の第1の面において、第1の組成物20’は、電極の対向方向(D1方向)に凸凹構造を形成する。第1の部材102の第1の面において、導電性粒子10は、第1の組成物20’と共に凸構造を形成する。本実施形態において版240は、第1の部材102の第1の面(接続面)より小さい。このため第1の面の端部には、第1の組成物20’は配置されない。
【0133】
次に、第2の部材112の第2の面上に、第2の組成物30’を配置する。図15(C)~(D)に示すように、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面の第2の電極114以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第2の面の第2の電極114上にも配置する。第2の組成物30’は、第2の面の端部にも配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0134】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。これによって、第2の組成物30’の流動を抑えることができる。
【0135】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の部材112を搭載する。図15(E)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第1の電極110上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第1の電極110上に保持される。第2の電極114上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている第1の電極110上以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第2の電極114と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第2の電極114と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第1の部材102の第1の面上において凸凹構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の組成物20’が配置された領域(凹構造)上に配置される。第1の電極110上に配置した導電性粒子10は第2の電極114に接し、第2の組成物30’は第1の面の第1の電極110以外の領域に配置された第1の組成物20’と第2の面の第2の電極114以外の領域と第2の電極114に接するように配置される。
【0136】
図15(F)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0137】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100bに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0138】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0139】
<第7実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第1の樹脂20が第2の部材112の第2の電極以外の領域にも配置されること以外、第3実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の構造は、第1の面と第2の面との間に配置される第1の樹脂20と第2の樹脂30との積層順が異なること以外、第5実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第1の組成物20’を第2の面の第2の電極114および第2の電極114以外の領域に配置し、第2の組成物30’を第2の面の第2の電極114および第2の電極114以外の領域に配置すること以外、第1実施形態および第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態および第5実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態および第5実施形態に係る接続構造体および接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0140】
[接続構造体の構造]
図16は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の構造を示す。図16(A)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の平面図である。図16(B)は、図16(A)のI-I’断面図である。図16(C)は、図16(B)の領域Jにおける導電性粒子の拡大断面図である。
【0141】
図16(A)および(B)に示すように、接続構造体100cは、第1の部材102の第1の面、第1の電極110、第2の部材112の第2の面、第2の電極114、導電性粒子10、第1の樹脂20、および第2の樹脂30を含む。複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とは、それぞれ対向配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、複数の導電性粒子10と、第1の樹脂20と、第2の樹脂30とが配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、面方向(D2-D3面方向)に複数の導電性粒子10が配置される。対向する第1の電極110と第2の電極114との間には、第1の電極110と第2の電極114との対向(D1方向)に1つの導電性粒子10が配置される。それぞれの導電性粒子10は、対向する第1の電極110と第2の電極114とに接触している。図16(C)に示すように、導電性粒子10は、後述する接続構造体の作製方法によって、第1の電極110と第2の電極114との間で電極の対向方向(D1方向)に加圧変形している。すなわち、電極の対向方向(D1方向)における第1の電極110と第2の電極114との距離は、対向方向(D1方向)における導電性粒子10の高さと略同一である。電極の対向方向(D1方向)における導電性粒子10の高さは、10%~40%程度加圧変形している。第1の電極110、導電性粒子10、および第2の電極114の間に応力がかかることで、第1の電極110と導電性粒子10の接触部、および第2の電極114と導電性粒子10の接触部において第1の樹脂20と第2の樹脂30とは排除されている。さらに、第1の電極110、導電性粒子10、または第2の電極114に自然酸化膜が形成されて表面が絶縁化されていても、導電性粒子10を挟んで第1の電極110と第2の電極114とを圧接することで、自然酸化膜を突き破り、導電経路が形成される。さらに、導電性粒子10が変形することで、第1の電極110と導電性粒子10との接触面積、および第2の電極114と導電性粒子10との接触面積を増大することができる。このように配置されることで、導電性粒子10は、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0142】
本実施形態において、第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第2の面の第2の電極114以外の領域にも配置される。第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第2の面の複数の第2の電極114の間および周囲にも配置される。一方で、第1の樹脂20は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第2の面の端部には配置されない。このとき、導電性粒子10は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の第1の電極110(第2の面の第2の電極114)以外の領域には配置されない。すなわち、導電性粒子10は、第1の電極110(あるいは第2の電極114)の上に配置される。
【0143】
第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間には、さらに第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、対向する第1の電極110と第2の電極114との間以外の領域に配置される。本実施形態において、第2の樹脂30は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面の第1の電極110以外の領域に配置される。すなわち、第1の部材102の第1の面において、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間および周囲には、第2の樹脂30が配置される。第2の樹脂30は、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面および第2の面の端部にも配置される。図16(B)および(C)に示すように、さらに第2の樹脂30は、第1の電極110と第2の電極114との間であって、上記導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域にも配置される。第2の樹脂30は、第1の樹脂20と第1の電極110との間に配置される。すなわち、電極の対向方向(D1方向)にみたときに、第1の部材102の第1の面において、第1の電極110に配置される導電性粒子10は、面方向(D2-D3面方向)に第2の樹脂30で囲まれている。第1の樹脂20および第2の樹脂30は、絶縁性樹脂である。このため、接続構造体100cは、面方向(D2-D3面方向)に絶縁性を有している。このように配置されることで、第2の樹脂30は、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間、および対向しない第1の電極110と第2の電極114の間を確実に絶縁することができる。
【0144】
第1の面の第1の電極110以外の領域と第2の面の第2の電極114以外の領域との間には、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第1の電極110の間および周囲と、面方向(D2-D3面方向)に隣接する複数の第2の電極114の間および周囲とには第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。さらに、第1の電極110と第2の電極114との間にも、第1の樹脂20と第2の樹脂30とが配置される。第1の樹脂20は第2の面と接し、第2の樹脂30は第1の面と接するように配置される。すなわち、第1の樹脂20と第2の樹脂30とは、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面との間で面方向(D2-D3面方向)に接し、電極の対向方向(D1方向)に積層する。一方で、電極の対向方向(D1方向)に見たときに、第1の面と第2の面の端部には第2の樹脂30が配置される。
【0145】
[接続構造体の作製方法]
図17を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図17においては、接続構造体100cを形成する方法を詳しく説明する。
【0146】
まず、第2の部材112の第2の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第2の電極114の上面に複数の導電性粒子10を配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0147】
図17(A)~(B)は、パッド印刷法によってパッド230から第2の部材112の第2の面に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図17(A)~(B)に示すように、パッド230を第2の面の略垂直方向に押し付け、パッド230を第2の面の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第2の面上に転写する。ここで、版240の凹部246から転写される第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の電極114に接するように配置する。すなわち、第2の部材112の第2の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第2の電極114の上面に導電性粒子10を配置する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第2の電極114上に保持することができる。このような方法を用いることで、第2の電極114上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0148】
版240の凹部246から転写される第1の組成物20’および導電性粒子10は、凹部246の深さがあるため、第2の部材112上の第2の電極114上において電極の対向方向(D1方向)に厚く配置される。一方で、版240の上面244から転写される第1の組成物20’は、凹部246の深さがないため、第2の部材112上の第2の電極114以外の領域において電極の対向方向(D1方向)に薄く配置される。しかしながらこれに限定されず、第1の組成物20’は版240の上面244からパッド230に転移されなくてもよい。第2の部材112の第2の面において、第1の組成物20’は、電極の対向方向(D1方向)に凸凹構造を形成する。第2の部材112の第2の面において、導電性粒子10は、第1の組成物20’と共に凸構造を形成する。本実施形態において版240は、第2の部材112の第2の面(接続面)より小さい。このため第2の面の端部には、第1の組成物20’は配置されない。
【0149】
次に、第2の部材112の第2の面上に、第2の組成物30’を配置する。図17(C)に示すように、第2の組成物30’は、第2の部材112の第2の面の第2の電極114以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第2の面の第2の電極114上にも配置する。ここで、第2の面の第2の電極114以外の領域には、版240の上面244から転写された第1の組成物20’が配置されている。また、第2の面の第2の電極114上には、版240の凹部246から転写された導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている。このため、第2の組成物30’は、導電性粒子10および第1の組成物20’に接するように重ねて配置する。第2の組成物30’は、第2の面の端部にも配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0150】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。第1の組成物20’の粘度は、第2の組成物30’の粘度より高く、粘度の差は2倍以上であればよい。これによって、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10の流動を抑えることができ、第1の電極110上に導電性粒子10を保持することができる。
【0151】
次に、第1の電子部品101の第1の面上に、第2の電子部品111を搭載する。図17(D)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第2の電極114上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第2の電極114上に保持される。第2の電極114上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている第2の電極114上以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第1の電極110と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第1の電極110と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第2の部材112の第2の面上において凸凹構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の組成物20’が配置された領域(凹構造)上に配置される。第2の電極114上に配置した導電性粒子10は第1の電極110に接し、第2の組成物30’は第2の面の第2の電極114以外の領域に配置された第1の組成物20’と第1の面の第1の電極110以外の領域と第1の電極110に接するように配置される。
【0152】
図17(E)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0153】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100cに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0154】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0155】
<第8実施形態>
本実施形態に係る接続構造体の構造は、第7実施形態に係る接続構造体の構造と同じである。本実施形態に係る接続構造体の作製方法は、第2の組成物30’を第1の面の第1の電極110および第1の電極110以外の領域に配置すること以外、第7実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じである。第1実施形態、第5実施形態、および第7実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態、第5実施形態、および第7実施形態に係る接続構造体の作製方法と相違する部分について説明する。
【0156】
[接続構造体の作製方法]
図18を用いて、本発明の一実施形態に係る接続構造体の作製方法について説明する。尚、本実施形態においては、既存の第1の電子部品101および第2の電子部品111を用いることが可能であるため、その説明は省略し、図18においては、接続構造体100cを形成する方法を詳しく説明する。
【0157】
まず、第2の部材112の第2の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第2の電極114の上面に複数の導電性粒子10を配置する。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とは混合し、オフセット印刷法を用いて配置する。導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物は導電性粒子10を含むことから、特に、パッドを用いて印刷物を転写するパッド印刷法が好ましい。複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を配置する領域および方法は、第5実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。
【0158】
図18(A)~(B)は、パッド印刷法によってパッド230から第2の部材112の第2の面に、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を転写する工程を示す。図18(A)~(B)に示すように、パッド230を第2の面の略垂直方向に押し付け、パッド230を第2の面の略垂直方向に引き離すことで、パッド230に転移された導電性粒子10と第1の組成物20’との混合物を第2の面上に転写する。ここで、版240の凹部246から転写される第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の電極114に接するように配置する。すなわち、第2の部材112の第2の面に第1の組成物20’を配置すると共に、第2の電極114の上面に導電性粒子10を配置する。第1の組成物20’の硬化性樹脂材料の粘度は、5×10cP以上5×10cP以下の範囲であることから、第1の組成物20’に混合される導電性粒子10を第2の電極114上に保持することができる。このような方法を用いることで、第2の電極114上の所定の領域に導電性粒子10と第1の組成物20’とを確実に配置することができる。
【0159】
版240の凹部246から転写される第1の組成物20’および導電性粒子10は、凹部246の深さがあるため、第2の部材112上の第2の電極114上において電極の対向方向(D1方向)に厚く配置される。一方で、版240の上面244から転写される第1の組成物20’は、凹部246の深さがないため、第2の部材112上の第2の電極114以外の領域において電極の対向方向(D1方向)に薄く配置される。しかしながらこれに限定されず、第1の組成物20’は版240の上面244からパッド230に転移されなくてもよい。第2の部材112の第2の面において、第1の組成物20’は、電極の対向方向(D1方向)に凸凹構造を形成する。第2の部材112の第2の面において、導電性粒子10は、第1の組成物20’と共に凸構造を形成する。本実施形態において版240は、第2の部材112の第2の面(接続面)より小さい。このため第2の面の端部には、第1の組成物20’は配置されない。
【0160】
次に、第1の部材102の第1の面上に、第2の組成物30’を配置する。図18(C)~(D)に示すように、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面の第1の電極110以外の領域に配置する。さらに、第2の組成物30’は、第1の面の第1の電極110上にも配置する。第2の組成物30’は、第1の面の端部にも配置する。本実施形態において第2の組成物30’はペースト状であり、インクジェット法やジェットディスペンス法を用いて配置する。しかしながらこれに限定されず、第2の組成物30’を配置する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、インクジェットやディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0161】
第2の組成物30’の粘度は、2×10cP以上2×10cP以下の範囲である。これによって、第2の組成物30’の流動を抑えることができる。
【0162】
次に、第1の電子部品101の第1の面上に、第2の電子部品111を搭載する。図18(E)に示すように、対応する複数の第1の電極110と複数の第2の電極114とがそれぞれ対向するよう、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面を対向配置する。第1の部材102および第2の部材112を押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とをそれぞれの面の略垂直方向に押し付ける。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とは、導電性粒子10、第1の組成物20’、および第2の組成物30’に圧接する。このとき、第2の電極114上に配置された第1の組成物20’は、第2の組成物30’より粘度が高いことから、導電性粒子10と共に第2の電極114上に保持される。第1の電極110上に配置された第2の組成物30’は、第1の組成物20’より粘度が低いことから、導電性粒子10および第1の組成物20’が配置されている第2の電極114上以外の領域に大部分は移動する。すなわち、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面との間に応力がかかることで、第1の電極110と第1の組成物20’の間に位置する第2の組成物30’の多く(大部分)は移動し、第1の電極110と導電性粒子10の間に位置する第2の組成物30’は排除される。さらに、第2の部材112の第2の面上において凸凹構造を形成する第1の組成物20’と導電性粒子10とは、第2の組成物30’によって埋設される。別言すると、第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、複数の導電性粒子10と第1の組成物20’とが配置された領域(凸構造)以外の領域に大部分が配置される。第2の組成物30’は、第1の部材102の第1の面上で、第1の組成物20’が配置された領域(凹構造)上に配置される。第2の電極114上に配置した導電性粒子10は第1の電極110に接し、第2の組成物30’は第2の面の第2の電極114以外の領域に配置された第1の組成物20’と第1の面の第1の電極110以外の領域と第1の電極110に接するように配置される。
【0163】
図18(F)に示すように、第1の部材102および第2の部材112をさらに押圧し、第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを、それぞれの面の略垂直方向に押し付ける。このとき充分な圧力を加えて、対向する第1の電極110と第2の電極114が1つの導電性粒子10の上下に接触するようにする。第1の部材102の第1の面と第2の部材112の第2の面とを押し付ける圧力は、導電性粒子10の反発力、第1の組成物20’および第2の組成物30’の弾性力によって適宜調節することができる。このような構成をとることで、第1の電極110と第2の電極114とを電気的に接続することができる。
【0164】
第1の部材102および第2の部材112を押圧した状態で、接続構造体100cに光を照射して、第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化する方法は、第1実施形態に係る接続構造体の作製方法と同じであるからここでは省略する。第1の組成物20’および第2の組成物30’を硬化することで、第1の樹脂20および第2の樹脂30は形成される。このような構成をとることで、第1の電子部品101の第1の面と第2の電子部品111の第2の面を物理的に接続することができる。
【0165】
本実施形態によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する接続電極間における短絡を抑制することができる接続構造体の作製方法および接続構造体を提供することができる。さらに加熱硬化接続法を用いていないため、熱膨張係数の異なる上下の基板の電極同士を高精度で接続することができる。
【0166】
なお本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例0167】
図19は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図19(A)は、本発明の実施例1に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図19(B)は、本発明の実施例1に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例1の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A1)=9μm
・第1の電極110同士の距離(B1)=6μm
・第1の電極110のピッチ(A1+B1=C1)=15μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D1)=105μm
・第1の電極110の面積(A1×D1)=945μm
・第1の電極110当たりに配置される導電性粒子10の数=19個
【実施例0168】
図20は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図20(A)は、本発明の実施例2に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図20(B)は、本発明の実施例2に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例2の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A2)=9μm
・第1の電極110同士の距離(B2)=6μm
・第1の電極110のピッチ(A2+B2=C2)=15μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D2)=105μm
・第1の電極110の面積(A2×D2)=945μm
・第1の電極110当たりに配置される導電性粒子10の数=26個
【実施例0169】
図21は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図21(A)は、本発明の実施例3に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図21(B)は、本発明の実施例3に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例3の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A3)=9μm
・第1の電極110同士の距離(B3)=6μm
・第1の電極110のピッチ(A3+B3=C3)=15μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D3)=78μm
・第1の電極110の面積(A3×D3)=702μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域の面積=40μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の総面積=280μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の数=7個
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域当たりに配置される導電性粒子10の数=2個
・1つの電極当たりに配置される導電性粒子10の数=14個
【実施例0170】
図22は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図22(A)は、本発明の実施例4に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図22(B)は、本発明の実施例4に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例4の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A4)=12μm
・第1の電極110同士の距離(B4)=9μm
・第1の電極110のピッチ(A4+B4=C4)=21μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D4)=105μm
・第1の電極110の面積(A4×D4)=1260μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域の面積=113μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の総面積=791μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の数=7個
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域当たりに配置される導電性粒子10の数=7個
・第1の電極110当たりに配置される導電性粒子10の数=49個
【実施例0171】
図23は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図23(A)は、本発明の実施例5に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図23(B)は、本発明の実施例5に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例5の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A5)=9μm
・第1の電極110同士の距離(B5)=6μm
・第1の電極110のピッチ(A5+B5=C5)=15μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D5)=84μm
・第1の電極110の面積(A5×D5)=756μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域の面積=64μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の総面積=448μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の数=7個
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域当たりに配置される導電性粒子10の数=3個
・1つの電極当たりに配置される導電性粒子10の数=21個
【実施例0172】
図24は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図24(A)は、本発明の実施例6に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図24(B)は、本発明の実施例6に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例6の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A6)=21μm
・第1の電極110同士の距離(B6)=10μm
・第1の電極110のピッチ(A6+B6=C6)=31μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D6)=21μm
・第1の電極110の面積(A6×D6)=441μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域αの面積=64μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域αの総面積=128μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域αの数=2個
・領域α当たりに配置される導電性粒子10の数=3個
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域βの面積=40μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域βの総面積=80μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域βの数=2個
・領域β当たりに配置される導電性粒子10の数=2個
・1つの電極当たりに配置される導電性粒子10の数=10個
【実施例0173】
図25は、本発明の一実施例に係る接続構造体の一例を示す図である。図25(A)は、本発明の実施例7に係る接続構造体の導電性粒子10および第1の樹脂20の配置パターンを示す図である。図25(B)は、本発明の実施例7に係る接続構造体の第1の樹脂20および第2の樹脂30の配置パターンを示す図である。実施例7の接続構造体の各パラメータは以下の通りである。
・第1の電極110の幅(短辺)(A7)=15μm
・第1の電極110同士の距離(B7)=10μm
・第1の電極110のピッチ(A7+B7=C7)=25μm
・第1の電極110の長さ(長辺)(D7)=30μm
・第1の電極110の面積(A7×D7)=450μm
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域の面積=113μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の総面積=226μm
・1つの電極当たりに導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される領域の数=2個
・導電性粒子10と第1の樹脂20が配置される1つの領域当たりに配置される導電性粒子10の数=7個
・1つの電極当たりに配置される導電性粒子10の数=14個
【0174】
実施例1から7に示すように、本発明の一実施例によれば、電子部品に配置される電極が高精細化、高密度化されても、簡単なプロセスにより、対向する電極間の導電性を確保するとともに、隣接する電極同士が短絡することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0175】
10・・・導電性粒子、20・・・第1の樹脂、20’・・・第1の組成物、30・・・第2の樹脂、30’・・・第2の組成物、100、100a、100b、100c・・・接続構造体、101・・・第1の電子部品、102・・・第1の部材、104・・・端子、106・・・第1の絶縁膜、108・・・第2の絶縁膜、110・・・第1の電極、111・・・第2の電子部品、112・・・第2の部材、114・・・第2の電極、210・・・ローラー、220、240・・・版、222・・・親液層、224・・・撥液層、226、246・・・凹部、230・・・パッド、250・・・ブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25