(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024490
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】局在的配電ネットワーク設計のための重なり合わない電源/グランドプレーン
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230209BHJP
H05K 3/00 20060101ALN20230209BHJP
【FI】
H01L23/12 E
H01L23/12 301L
H05K3/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022191742
(22)【出願日】2022-11-30
(62)【分割の表示】P 2019553161の分割
【原出願日】2017-12-14
(31)【優先権主張番号】62/434,414
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519217021
【氏名又は名称】サン・ディエゴ・ステート・ユニバーシティ・リサーチ・ファンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アリフ・エーゲ・エンジン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・アギーレ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス-ディエター・ラング
(72)【発明者】
【氏名】イワン・ンディプ
(57)【要約】
【課題】局在的配電ネットワーク設計のための重なり合わない電源/グランドプレーンを提供する。
【解決手段】本明細書に記載の実施形態は、配電ネットワークのための方法及び装置に関する。本装置は、複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含むことができる。実施形態によれば、この配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わない(no-PG)プレーンセグメントと、を含む。それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されている。no-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含む、配電のための装置であって、
前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントと、を含み、
それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント又はグランド(G)プレーンセグメントを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって各Gプレーンセグメントから分離されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記多層Pプレーンセグメント内の電源プレーンは、直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して互いに短絡される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記多層Gプレーンセグメント内のグランドプレーンは、直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して互いに短絡される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
それぞれの多層Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによってそれぞれの多層Gプレーンセグメントから分離されている、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
各ICは、重なり合うPGプレーンセグメント上に組み立てられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
プリント回路基板である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
チップパッケージである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを組み立てる方法であって、
電源及びグランドプレーンの複数の電源/グランド(PG)プレーンセグメントを重ね合わせることと、
前記電源及びグランドプレーンの少なくとも1つの少なくとも一部分を、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントを形成するように形成して、それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントが少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されるようにすることと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント又はグランド(G)プレーンセグメントを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって各Gプレーンセグメントから分離されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して、少なくとも1つの前記多層Pプレーンセグメント内の電源プレーンを互いに短絡させること
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して、少なくとも1つの前記多層Gプレーンセグメント内のグランドプレーンを互いに短絡させること
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって、それぞれの多層Pプレーンセグメントをそれぞれの多層Gプレーンセグメントから分離させること
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
各ICは、重なり合うPGプレーンセグメント上に組み立てられる、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントを形成することは、1つ又は複数の基板サイズ、1つ又は複数のポート位置、プレーン及びグランドセグメントの離隔距離、no-PGプレーンセグメントの所望の長さ、及びIRドロップに基づいて、電源及び/又はグランドプレーンのどの部分がno-PGプレーンセグメントのための位置であるかを決定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記配電ネットワークは、プリント回路基板上に組み立てられる、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記配電ネットワークは、チップパッケージ上に組み立てられる、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに請求項11~21の何れか1項に記載の方法を実行するための命令をその上に記憶する、非一時的又は一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府による資金提供を受けた研究又は開発についての記述]
本発明は、国立科学財団によって授与された賞番号1408637の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明において、一定の権利を有する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、2016年12月15日に出願された「局在的配電ネットワーク設計のための重なり合わない電源/グランドプレーン」という名称の以前に提出された仮出願62/434,414の出願日を請求する;その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明の実施形態は、チップパッケージ及び基板(board)における電源及びグランドプレーンの分野に関する;より具体的には、配電ネットワーク設計における電源プレーンノイズの抑制のための重なり合わない電源/グランドプレーンに関する。
【背景技術】
【0004】
チップパッケージ及びプリント回路基板は、2つの主な側面において、パワーインテグリティを改善するために電源/グランド(PG)プレーンを利用する:それらはチップ端子から電源への低抵抗(すなわち低IRドロップ)接続を提供する;また、それらは低いインダクタンスを提供する。IRドロップを制御するために、厚い金属を有するスタックアップにおいて多数のPG層を使用することができる。より高い周波数では、PG層が交互に積層されている場合、同じPGプレーンがオフチップのデカップリングコンデンサへの低インダクタンス接続を提供することもできる。多くのパッケージ及び基板のスタックアップでは、従って、PGプレーンに交互に幾つかの層を割り当てるのが一般的な方法である。
【0005】
しかしながら、PGプレーンの低IRドロップ及び低インダクタンス特性は、必ずしも高周波数で低インピーダンスを提供するわけではない。PGプレーンは、それらがデカップリングコンデンサと相互作用するとき又はそれらのサイズが波長の半分を超える場合に、望ましくない反共振を引き起こす。この高いインピーダンスは特に、ミックスドシグナル基板、高速I/O、及び電磁両立性にとって問題になる。そのようなノイズを制御することは、より速いコンピュータシステム及び小型のタブレット/電話を可能にする。一般的な背景は、「電磁バンドギャップ構造合成のためのシステム及び方法(Systems and Methods for Electromagnetic Band Gap Structure Synthesis)」という名称の特許文献1に見出すことができ、その全体は参照により本明細書に組み入れられる。
【0006】
典型的な4層基板のスタックアップを
図1に示す。オフチップのデカップリングコンデンサの低インダクタンス接続のためには、狭い間隔のPGプレーンが望ましい。従って、局所的にマルチチップ基板上の各ICは、従来の交互のPG層の上に配置されると推測される。しかしながら、この層のスタックアップ内のPGプレーンは平行板導波路として振る舞い、そして、特に反共振周波数で、基板全体にわたる全体的なスイッチングノイズの伝播を可能にする。
【0007】
ミックスドシグナル基板において、敏感なアナログ/RF回路は、スイッチングノイズからの高レベルのアイソレーションを必要とする可能性がある。高速I/Oは、PGプレーンを介して全体的に結合されたクロストークノイズを経験することがある。最後に、PGプレーンからのエッジ放射は、電磁干渉の主な原因の1つである。これらの場合におけるスイッチングノイズの結合は、配電ネットワークの伝達インピーダンスに依存する。
【0008】
スイッチングノイズを制御するための1つの従来の解決策は、デカップリングコンデンサに基づくが、それは、ギガヘルツ周波数領域におけるそれらのインダクタンスにより無効になる。従って、電源島(power island)/群島(archipelago)又は電磁バンドギャップ構造などの特別なパターン化された電源プレーンが伝達インピーダンスを低減するために使用されてきた。これらの設計は、狭い誘導ブリッジにより接続された電源プレーン上に容量性パッチを生成することによって、ローパスフィルタ応答を提供する。しかしながら、これらの狭いブリッジは、PGプレーンのIRドロップを大幅に増加させ、電源プレーンにおけるスリットをまたぐ必要があるI/Oに対してシグナルインテグリティの問題をもたらす。
【0009】
別の手法は、ディスクリートデカップリングコンデンサに対する分散型の代替物として4分の1波長の共振器を使用することに基づいている。設計周波数において、共振器はPGプレーン間にAC短絡を作り出す。そして、そのような共振器のアレイを電気的に短い間隔で配置して、仮想グランドフェンスを作り出すことができる。この帯域阻止(bandstop)型のフィルタは主に、4分の1波長の共振器の性質により、狭帯域システムに適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本明細書に記載の実施形態は、例えば複雑な電磁分析を必要とせずに、チップパッケージ又はプリント回路基板上の配電ネットワークを介してギガヘルツノイズ結合のアイソレーションを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に記載の一実施形態は、配電のための装置に関する。本装置は、複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含むことができる。実施形態によれば、配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントと、を含む。それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されている。no-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準(reference)も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
別の実施形態は、複数のIC用の配電ネットワークを組み立てる方法に関する。本方法は、電源及びグランドプレーンの複数のPGプレーンセグメントを重ね合わせることを含むことができる。本方法はさらに、電源及びグランドプレーンの少なくとも1つの少なくとも一部分を、1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントを形成するように形成して、それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントが少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されるようにすることを含むことができる。no-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層Pプレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層Gプレーンセグメントと、の少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
特定の実施形態において、本方法は、直流用の並列電流経路を提供するために複数のビアを使用して少なくとも1つの多層Pプレーンセグメント内の電源プレーンを互いに短絡させること、及び/又は、直流用の並列電流経路を提供するために複数のビアを使用して少なくとも1つの多層Gプレーンセグメント内のグランドプレーンを互いに短絡させることを含むことができる。本方法はさらに、寄生ギャップ容量を低減するために所定のギャップによって各多層Gプレーンセグメントから各多層Pプレーンセグメントを分離することを含むことができる。
【0015】
さらに別の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに本明細書に記載の様々な機能的方法ステップを実行するための命令をその上に記憶する、一時的又は非一時的媒体に関する。
【0016】
以下の詳細な説明及び図面に照らして、様々な他の特徴及び利点が当業者には明らかになるであろう。
【0017】
本明細書に組み込まれてその一部を形成する添付の図面は、本開示の幾つかの態様を例示しており、その記述と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】例示的実施形態による、典型的な4層基板における従来のPG層を示す図である。
【
図2】例示的実施形態による、電源/電源(PP)又はグランド/グランド(GG)層として設計された例示的なno-PG層を示す図である。
【
図3】例示的実施形態による、PP及びGGセグメントによって互いに隔離された(isolated)3×2のPGセグメントを有する例示的なレイアウトを示す図である。
【
図4A】例示的実施形態による、no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図4B】例示的実施形態による、
図4Aの基板の上面図である。
【
図4C】例示的実施形態による、
図4Aの基板のグランドプレーンを示す図である。
【
図4D】例示的実施形態による、P及びGセグメントを用いて互いに隔離された2×2のPGセグメントを有する
図4Aの基板に対応するレイアウト分割を示す図である。
【
図5A】例示的実施形態による、no-PGプレーン設計に対するハードウェア相関についてのシミュレーションを示す図である。
【
図5B】例示的実施形態による、
図5Aにプロットした測定値をシミュレーションデータなしで、対数目盛で示す図である。
【
図5C】例示的実施形態による、
図5Aで測定されたno-PG設計の測定された入力インピーダンスを示す図である。
【
図6A】例示的実施形態による、no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図6B】例示的実施形態による、
図6Aの基板の上面図である。
【
図6C】例示的実施形態による、
図6Aの基板のグランドプレーンを示す図である。
【
図6D】例示的実施形態による、2×2及び2×1のPGセグメントを有する基板の測定されたアイソレーションレベルのグラフである。
【
図7A】例示的実施形態による、no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図7B】例示的実施形態による、
図7Aの基板の上面図である。
【
図7C】例示的実施形態による、
図7Aの基板のグランドプレーンを示す図である。
【
図7D】例示的実施形態による、2×2のPGセグメント及び様々なポート位置を有する基板の測定されたアイソレーションレベルのグラフである。
【
図7E】例示的実施形態による、対数目盛での
図7Dの測定値のグラフである。
【
図8A】例示的実施形態による、no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図8B】例示的実施形態による、
図8Aの基板の上面図である。
【
図8C】例示的実施形態による、
図8Aの基板のグランドプレーンを示す図である。
【
図8D】例示的実施形態による、測定された阻止帯域のグラフである。
【
図9A】例示的実施形態による、no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図9B】例示的実施形態による、
図9Aの基板の上面図である。
【
図9C】例示的実施形態による、
図9Aの基板のグランドプレーンを示す図である。
【
図9D】例示的実施形態による、測定された阻止帯域のグラフである。
【
図10A】例示的実施形態による、ビアを有する多層no-PGプレーンセグメントを有する例示的な基板の3D図である。
【
図10D】例示的実施形態による、測定された阻止帯域のグラフである。
【
図11】例示的実施形態による、複数の集積回路用の配電ネットワークを組み立てる方法を示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、多数の具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解される。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、よく知られている回路、構造、及び技法は詳細には示されていない。当業者であれば、含まれる説明により、過度の実験をすることなく適切な機能を実装することができるだろう。
【0020】
本明細書中の「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの言及は、説明された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、あらゆる実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。さらに、そのような表現は、必ずしも同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか又はされていない他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性を実施することは当業者の知識の範囲内であると提示されている。
【0021】
以下の説明及び特許請求の範囲では、「結合された(coupled)」及び「接続された(connected)」との用語をそれらの派生語と共に使用することがある。これらの用語は互いに同義語として意図されていないことを理解されたい。「結合された」は、互いに直接的に物理的又は電気的接触していてもいなくてもよい2つ以上の要素が互いに協働又は相互作用することを示すために使用される。「接続された」は、互いに結合されている2つ以上の要素間の伝達(communication)の確立を示すために使用される。
【0022】
下記の実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするための情報を表し、実施形態を実施する最良の形態を例示する。添付の図面に照らして以下の説明を読むことで、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書では特に言及されていないこれらの概念の用途を認識するであろう。これらの概念及び用途は本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0023】
本明細書に記載されるのは、ギガヘルツ電源プレーンノイズのフィルタリングのための重なり合わないPG(no-PG)プレーン設計方法論である。この手法は、チップパッケージ又は基板上で全体的にスイッチングノイズの結合を直接制御する。その設計手順により、広帯域のアイソレーションを得ることができる。基板上の各ICの配電ネットワークを局所的に設計するために、従来の交互PG層を利用することができる。配電ネットワークは、最終的なノイズアイソレーションを提供するno-PGプレーンを使用して互いに接続され得る。提示されたno-PGプレーン設計方法論は、IRドロップを増加させる狭い誘導ブリッジを回避しながら、電源プレーンノイズの広帯域フィルタリングを提供する。
【0024】
図2は、例示的実施形態による、平行板電流を実質的に排除するPG層の例示的なスタックアップを示す。ここで、スタックアップ内の電源/電源(PP)及びグランド/グランド(GG)セグメントは、PP又はGGプレーンの形態でno-PGプレーンセグメントを生成し、スイッチングノイズを全体的にフィルタリングする。この実施形態において、PP及びGGセグメントは、レイアウトにおけるDC接続性を維持しながら、PGセグメント間の隔離された要素として機能するために使用される。次に、
図3に示すような、低IRドロップで相互接続されているが高周波数では互いに隔離された3×2のPGセグメントが存在する例示的なレイアウトを見ることができる。特定の実施形態によれば、次いで、例示的なレイアウト内の2つの空の正方形などの任意の小さなギャップを、PP又はGGセグメントで充填することができる。単一のPGプレーン対が例示されているが、当業者には理解されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、実質的に同様の設計手法を任意の数のPG層を有する設計に拡張することができる。
【0025】
no-PGプレーンの性能を実証するために、
図4A~
図4Dに示すように、2層基板を設計することができる。
図4Aは、3D視点からの、no-PGプレーンを有する例示的な液晶ポリマー(LCP)基板を示す。当然のことながら、LCP基板が1つの特定の例示的な材料として説明されているが、任意の他の適切な材料を同様に利用することができる。この例示的実施形態において、電源プレーン400は、(
図4Cに図示された)グランドプレーン420の上に積層されている。
図4Bは基板の上面図を示す。対応するレイアウト分割が
図4Dに示されており、それは、P及びGセグメントを使用して互いに隔離されたPGセグメントを含む。この例示的な基板は、P及びGセグメントと相互接続された2×2のPGセグメントを含む。この例示的な設計では、概念を容易に視覚化することができるように、P及びGセグメントが好まれた。隔離されたP及びGセグメントは、低いIRドロップを維持するためにビアを使用して、それぞれPP及びGGセグメント(又はPPP又はGGGセグメントなどの任意の数のno-PG層)に拡張することができる。
【0026】
実用的な基板設計において、PGプレーンは任意の形状にすることができ、カットアウト又はビアホールを含むことができる。そのような任意のプレーン形状に対して、隔離されたセグメントにおけるPGプレーンの重なりを回避することによって、同じ設計原理を同様に適用することができる。
図4A~
図4Dに示す正方形の設計は例示目的のみのためであり、当業者は任意の設計又は形状が同様に実施され得ることを理解するであろう。
【0027】
伝送ラインのシグナルインテグリティも考慮する必要がある。カット領域の上をまたぐ伝送ラインには、リターンパスの不連続性があるかもしれない。しかしながら、この問題は、狭いブリッジを必要とする電磁バンドギャップ構造又は電源島ほど深刻ではない。本明細書に記載されている幅広いP及びGセグメントは、隔離されたセグメントを横切って走る伝送ラインに対する連続的な幅広いリターンパスを可能にすることができる。本明細書に記載されているスタックアップの1つの興味深い態様は、PP及びGGセグメントを隔離することによる伝送ラインのビア遷移である。従来のPGセグメントとは異なり、両方の伝送ラインが同じ電圧プレーンを基準にしているため、電流リターンパスの不連続性は小さくなる。
【0028】
図5A~
図5Cは、
図4A~
図4Dのno-PGプレーン設計での様々なシミュレーションを示す。このテスト例によると、基板の合計サイズは5cm×5cmである。マイクロプローブを使用して、3mm厚のプレキシガラスを使用して基板を測定チャックから隔離することにより、測定を行った。シミュレーションは、アイソレーション帯域の幅に対するオンセット周波数及びオフセット周波数を正確に予測する。
【0029】
図5Aは、no-PGプレーンに対するハードウェア相関についてのシミュレーションを示す。no-PG設計では、測定値は0.6~8GHzで50dB以上のアイソレーションを示し、中実(solid)PGプレーンで構成されるベースラインのケースの高レベルの結合を排除する。アイソレーションに対するこの帯域幅は優れており、典型的には、電源島/群島、電磁バンドギャップ構造、又は仮想グランドフェンスなどの既存の手法では達成できない。
図5Bは、明確性のためにシミュレーションデータなしでプロットされた同じ測定値を、対数目盛で示す。アイソレーション周波数帯域外では、
図5Bに示すように、結合が実際に増加する可能性がある。この例示的実施形態によれば、no-PGのケースが中実PGプレーンよりも高いアイソレーションを有する場合のクロスオーバーは、約450MHzで発生する。
図5Cは、その阻止帯域において抑制されたキャビティ共振を有する、no-PG設計の測定された入力インピーダンスを示す。しかしながら、その入力インピーダンスは、低周波数において中実PGプレーンのインピーダンスを超える。テスト基板は、これらの低い周波数でのカップリング及び増加したインピーダンスの問題の幾つかに対処することができるデカップリングコンデンサを含まなかった。
【0030】
no-PGプレーンの設計は、例えば、基板サイズ、ポート位置、セグメント離隔、セグメントサイズ、及びIRドロップの考慮事項のうちの任意の1つ又は複数に依存し得る。
【0031】
[A.基板サイズ]
図6Aの3D斜視図に示すように、電源プレーン400及びグランドプレーン420を有する5cm×2cmのサイズの例示的な長方形サイズの基板が考慮される。この設計は2×1のPGセグメントを含み、従って、単一の隔離されたセグメントによってアイソレーションが提供される。しかしながら、(
図6Dに示す)結果として得られるアイソレーションレベルは、
図4A~
図4Dにおけるより大きい2×2の基板と同様である。高レベルのアイソレーションを達成するために複数のユニットセルを必要とする従来の設計とは異なり、この例は、単一の隔離されたP及びGセグメントが電源プレーンノイズをフィルタリングするために既に有効であることを論証する。
図6Bは基板の上面図を示し、
図6Cはグランドプレーン420のみを示す。様々な他の基板サイズ及び形状も同様に採用できることを理解されたい。本明細書に記載されている基板サイズは、セグメントの数と共に、例示目的にのみ提供されており、限定することを意図するものではない。
【0032】
[B.ポート位置]
図7Aに示すように、電源プレーン400及びグランドプレーン420を有して、3×2のPGセグメントを有する8cm×5cmのサイズのより大きな基板が考慮される。
図7Bは基板の上面図を示し、
図7Cはグランドプレーン420のみを示す。様々なPGセグメント間で高いアイソレーションが達成される。阻止帯域のオンセット周波数は、ポートが互いにさらに離れている場合に小さくなる。この場合、複数のP及びGセグメントを介して接続が達成される。阻止帯域の測定されたオフセット周波数は、
図7Dに示すように異なるポート位置に対して同様であり、
図7Eでは、明確性のためにより低い周波数において対数目盛でプロットされた。
【0033】
[C.セグメント分離]
図4Cの上面図から分かるように、電源プレーンからグランドプレーンまでの寄生ギャップ容量を低減するために、no-PG設計においてPセグメントとGセグメントとの間に意図的なギャップが存在することがある。このギャップ容量の影響を調べるために、
図8A~
図8Cにおいて、ギャップが除去されている隙間のない(tight)設計を検討する。
図8Aは電源プレーン400及びグランドプレーン420の3D斜視図を示し、
図8Bは上面図を示し、
図8Cはグランドプレーン420のみを示す。その結果は、
図8Dのシミュレーションに示すように、ギャップ容量が阻止帯域のオンセット周波数にのみ影響を与えることを示唆している。
【0034】
[D.セグメントサイズ]
隔離されたPP及びGGセグメントの長さは、必要に応じてさらに短くすることができる。より小さなセグメントを有する変更された設計は、
図9A~
図9Cにおいて考慮され、ここでは、より短く隔離されたセグメントにより、基板の全体サイズが4.2cm×4.2cmに縮小されている。
図9Aは、電源プレーン400及びグランドプレーン420の3D斜視図を示す。
図9Bは上面図を示し、
図9Cはグランドプレーン420のみを示す。
図9Dのシミュレーションに示すように、隔離された部分の長さは主に、阻止帯域のオンセット周波数に影響を与える。
【0035】
[E.低IRドロップ]
最も低いIRドロップは、中実PGプレーンに対して達成される。P及びGセグメントのカットアウトのために、それらのIRドロップは、隙間のない設計を想定して電流密集(current crowding)を無視すると、中実PGプレーンと比較して倍増する可能性がある。しかしながら、この増加は、狭いPセグメントを必要とする電磁バンドギャップ構造又は電源島によるIRドロップほど顕著ではない可能性がある。IRドロップをさらに低減するために、
図4A~
図4DにおけるP及びGセグメントの代わりに、
図10A~
図10CのようにPP及びGGセグメント(又は任意の他の数の層)を使用することができる。
図10Aは、上部層1000及び底部層1020から作られた様々なPP及びGGセグメントの3D斜視図を示す。例えば、PP及びGGセグメント内のプレーンは、任意の数のビア1010を使用して互いに短絡させることができる。これは、DC電流のための並列電流経路を提供し、ビア抵抗及び電流密集効果を無視した場合にIRドロップが中実PGプレーンのそれに近づく手助けをする。
図10Bは、グランドセグメントGを取り囲む電源セグメントPを有する上部層1000を含む上面図を示し、
図10Cは、グランドパッチG間で電源Pに対する4つの小さなパッチを含む底部層1020を示す。こうして、ビア1010は、異なる層上のPプレーンセグメント及び/又は異なる層上のGプレーンセグメントを接続して、多層の隔離されたセグメント(この例では、PP又はGGセグメント)を形成する。P及びGのセグメントは互いに接触又は接続すべきではないが、そのことは、電源のグランドへの短絡を引き起こす可能性がある。
【0036】
本明細書で述べたように、そのようなプレーン、セグメント及びパッチの形状及び設計は単なる例示であり、様々な他の設計及びそれらの組み合わせも本開示の範囲内で実施することができる。P及びGセグメントを使用することと比較して、阻止帯域のオンセット周波数を示す
図10Dのシミュレーションに示すように、これらのビア1010並びにPP及びGGプレーンセグメントの存在は、高周波性能に影響を及ぼさない。
【0037】
図11は、複数の集積回路用の配電ネットワークを組み立てる方法を示す例示的なフローチャートである。
図11に示すように、ステップ1100で、電源及びグランドプレーンの電源及びグランドセグメントを重ね合わせて、PGセグメントを形成する。特定の実施形態によれば、例えばマルチチップ基板上の各ICは、重なり合うPGセグメント上に配置することができる。ステップ1100から、プロセスはステップ1110に進み、そこで、電源及びグランドプレーンの少なくとも1つの少なくとも一部分が、no-PGプレーンセグメントが形成されるように形成される。本明細書に記載したように、それぞれの重なり合うPGセグメントは、少なくとも1つのno-PGセグメントによって分離することができる。no-PGセグメントは、単純にP又はGセグメントとすることができ、あるいは、PP又はGGセグメント(又は任意の他の数の層)などの多層セグメントとすることができる。
【0038】
任意選択で、ステップ1120において、多層アイソレーションセグメントを実装する場合、任意の数のビア1010を使用して、電源プレーンセグメントを互いに短絡させることができ、グランドプレーンセグメントを互いに短絡させることができる。この短絡は、DC電流のための並列電流経路を提供し、それにより、高周波性能に影響を及ぼすことなくIRドロップを改善する。任意選択で、ステップ1130において、各多層Pセグメントは、選択可能かつ所定の厚さのギャップによって、各多層Gセグメントから分離することができる。
【0039】
当然のことながら、例示的な方法ステップの順序は単に1つの可能な順序であり、当業者であれば、本開示の範囲内で任意の組み合わせ及び任意の順序でステップを実行することができることを認識するであろう。例えば、プリント回路基板用のチップパッケージ上にそのような配電ネットワークを自動的に組み立てるための任意の従来のハードウェア、機械、プロセッサ又はシステムは、本明細書に記載される機能を実行するために実装され得、参照により組み込まれる。
【0040】
本明細書に記載の実施形態は、no-PGプレーンを使用して優れたアイソレーションレベル及び帯域幅を提供する。本明細書に記載の手法は、IRドロップを増大させてリターンパスの不連続性を引き起こす狭い電源プレーンブリッジを有することが必要とされないため、ギガヘルツのパワーインテグリティのための既存の手法の主な欠点の幾つかを克服する。配電ネットワークを介したギガヘルツノイズ結合のアイソレーションは、様々な設計オプションに対して観察されており、複雑な電磁解析を必要としない堅牢な設計手法を示している。本明細書の手法を使用してPGプレーンをセグメント化することは、局所的配電ネットワーク設計を可能にし、現在の配電ネットワーク設計プロセスを根本的に単純化することができる。
【0041】
本明細書に記載の方法は、ソフトウェアとして実装され、汎用コンピュータによって実行され得る。例えば、そのような汎用コンピュータは、メモリ、EPROM、及び制御ハードウェアと結合された制御ユニット/コントローラ又は中央処理ユニット(「CPU」)を含むことができる。CPUは、コンピュータ及びその構成要素の動作を制御するように構成されたプログラム可能なプロセッサとすることができる。例えば、CPUは、マイクロコントローラ(「MCU」)、汎用ハードウェアプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、又はマイクロコントローラとすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装することができる。そのような動作は、例えば、オンサイト又はリモートメモリによって記憶及び/又は実行されてもよい。
【0042】
具体的には示されていないが、一般的なコンピュータは、コンピュータシステムに典型的な追加のハードウェア及びソフトウェア(例えば、電力、冷却、オペレーティングシステム)を含むことが望ましい。他の実装形態では、異なる構成のコンピュータ(例えば、異なるバス又は記憶構成又はマルチプロセッサ構成)を使用することができる。幾つかの実装形態は、プログラマブルプロセッサ又はコンピュータによって実行される1つ又は複数のコンピュータプログラムを含む。一般に、各コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のデータ記憶構成要素(例えば、揮発性又は不揮発性メモリモジュール、並びに、ハード及びフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、及び磁気テープデバイスなどの持続性の光学及び磁気記憶デバイス)、1つ又は複数の入力デバイス(マウスやキーボードなど)、及び1つ又は複数の出力デバイス(ディスプレイコンソール及びプリンタなど)を含んでもよい。
【0043】
本発明を幾つかの実施形態に関して説明してきたが、当業者は、本発明に記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内で修正及び変更を加えて実施できることを認識するであろう。特に、本開示は、本明細書に記載の装置を形成するために使用されるハードウェア及び材料に関して修正することができる。本開示の範囲内で、任意の従来の又は他の既知の材料を実装することができる。本説明は従って、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0044】
400 電源プレーン
420 グランドプレーン
1000 上部層
1100 ビア
1200 底部層
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含む、配電のための装置であって、
前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントと、を含み、
それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されており、
前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含み、
少なくとも1つの前記多層Pプレーンセグメント内の電源プレーンは、直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して互いに短絡され、
少なくとも1つの前記多層Gプレーンセグメント内のグランドプレーンは、直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して互いに短絡される、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント又はグランド(G)プレーンセグメントを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって各Gプレーンセグメントから分離されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
それぞれの多層Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによってそれぞれの多層Gプレーンセグメントから分離されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
各ICは、重なり合うPGプレーンセグメント上に組み立てられる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
プリント回路基板である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
チップパッケージである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを組み立てる方法であって、
電源及びグランドプレーンの複数の電源/グランド(PG)プレーンセグメントを重ね合わせることと、
前記電源及びグランドプレーンの少なくとも1つの少なくとも一部分を、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントを形成するように形成して、それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントが少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されるようにすることであって、前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さない多層電源(P)プレーンセグメントと、何れのPGプレーンの電源基準も有さない多層グランド(G)プレーンセグメントと、の少なくとも1つを含む、ことと、
直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して、少なくとも1つの前記多層Pプレーンセグメント内の電源プレーンを互いに短絡させることと、
直流用の並列電流経路を提供するために、複数のビアを使用して、少なくとも1つの前記多層Gプレーンセグメント内のグランドプレーンを互いに短絡させることと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント又はグランド(G)プレーンセグメントを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各Pプレーンセグメントは、寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって各Gプレーンセグメントから分離されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
寄生ギャップ容量を低減するために、所定のギャップによって、それぞれの多層Pプレーンセグメントをそれぞれの多層Gプレーンセグメントから分離させること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
各ICは、重なり合うPGプレーンセグメント上に組み立てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントを形成することは、1つ又は複数の基板サイズ、1つ又は複数のポート位置、プレーン及びグランドセグメントの離隔距離、no-PGプレーンセグメントの所望の長さ、及びIRドロップに基づいて、電源及び/又はグランドプレーンのどの部分がno-PGプレーンセグメントのための位置であるかを決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記配電ネットワークは、プリント回路基板上に組み立てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記配電ネットワークは、チップパッケージ上に組み立てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに請求項8に記載の方法を実行する命令をその上に記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】