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特開2023-24500ガラス組成物、線維化可能ガラス組成物、およびそれらから形成されるガラス繊維
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  • 特開-ガラス組成物、線維化可能ガラス組成物、およびそれらから形成されるガラス繊維 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024500
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ガラス組成物、線維化可能ガラス組成物、およびそれらから形成されるガラス繊維
(51)【国際特許分類】
   C03C 13/00 20060101AFI20230209BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20230209BHJP
   D03D 15/267 20210101ALI20230209BHJP
【FI】
C03C13/00
D03D1/00 A
D03D15/267
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022194231
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2020186520の分割
【原出願日】2015-09-09
(31)【優先権主張番号】62/047,967
(32)【優先日】2014-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520052293
【氏名又は名称】エレクトリック グラス ファイバー アメリカ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホン リー
(72)【発明者】
【氏名】ポール エー. ウェストブルック
(57)【要約】
【課題】ガラス組成物、繊維化可能なガラス組成物、およびそうした組成物から形成されたガラス繊維、ならびに、種々の用途での使用に適合された、そうしたガラス繊維を含むガラスストランド、糸類、布地、および複合材料を提供すること
【解決手段】
本発明の実施形態は、ガラス組成物、繊維化可能なガラス組成物、およびそうした組成物から形成されたガラス繊維、ならびに、種々の用途での使用に適合された、そうしたガラス繊維を含むガラスストランド、糸類、布地、および複合材料を提供するところのものである。本発明の一部の実施形態においては、そのガラス組成物は、少なくとも1つの希土類酸化物をさらに含むところのものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に記載の発明
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2014年9月9日に出願された米国仮特許出願第62/047,967号の優先権を主張し、当該出願は、本明細書において完全に表されているのと同様に、本明細書において参考として援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、ガラス組成物、特に繊維を形成させるためのガラス組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス繊維は、長年、様々なポリマー樹脂を強化させるために使用されてきた。強化用途での使用のために一般的に使用されるいくつかのガラス組成物には、「Eガラス」、「Rガラス」および「Dガラス」ファミリーの組成物が含まれる。「Sガラス」は、例えば、「S-2ガラス」の商品名のもとでAGY(Aiken、South Carolina)から市販のガラス繊維を含む、一般的に使用されている別のファミリーのガラス組成物である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
強化および他の用途において、ガラス繊維、またはガラス繊維で強化された複合材料の特定の機械的特性が重要であり得る。しかし、多くの場合、改善された機械的特性(例えば、より高い強度、より高いモジュラス等)を有するガラス繊維の製造は、例えば高いバッチ材料コスト、高い製造コストまたは他の因子に起因して、より高いコストをもたらす可能性がある。例えば、上記の「S-2ガラス」は、従来のEガラスと比較して改善された機械的特性を有するが、バッチ-ツーガラス転換(batch-to-glass conversion)、溶融清澄(melt fining)および繊維延伸(fiber drawing)のための大幅に高い温度およびエネルギー需要の結果として、コストもまた大幅に高くなる。繊維ガラス製造業者は、商業的な製造環境において望ましい機械的特性を有するガラス繊維を形成させるために使用できるガラス組成物を探求し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の種々の実施形態は、ガラス組成物、繊維化可能なガラス組成物およびそうした組成物から形成されるガラス繊維、ならびに繊維ガラスストランド、糸類(yarns)、布
地(fabrics)および種々の用途における使用に適合されたそうしたガラス繊維を含む複
合材料を提供する。
【0006】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl;12重量%またはそれ未満のCaO;7~17重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~5重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の
実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、CaOの含量は約5重量%未満である。一部の実施形態では、NaO+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、Al含量は約14~約19重量%の間である。一部の実施形態では、MgOは、約10~約16重量%の間の量で存在する。一部の実施形態では、LiOは、約0.4~約2重量%の量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物は、少なくとも約60重量%のSiOを含む。一部の実施形態では、ZnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物はCeOを含み、CeOは最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOとCeOの両方は、最大で約8重量%の合わせた量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物はさらに、Nbを最大で約5重量%の量で含む。一部の実施形態では、ガラス組成物は、Bを実質的に含まない。
【0007】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl;5重量%またはそれ未満のCaO;10~16重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、NaO+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、LiOは、約0.4~約2重量%の間の量で存在する。一部の実施形態では、ZnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物はCeOを含み、CeOは最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOとCeOの両方は、最大で約8重量%の合わせた量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物はさらに、Nbを最大で約5重量%の量で含む。一部の実施形態では、ガラス組成物は、Bを実質的に含まない。
【0008】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl;5重量%またはそれ未満のCaO;10~16重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0.4~2重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、Na
+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、ZnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOは、最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物はCeOを含み、CeOは最大で約4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、SnOとCeOの両方は、最大で約8重量%の合計量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物はさらに、Nbを最大で約5重量%の量で含む。一部の実施形態では、ガラス組成物は、Bを実質的に含まない。
【0009】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;3重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも4重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、CaOの含量は約8重量%未満である。一部の実施形態では、NaO+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、Al含量は約15~約18重量%の間である。一部の実施形態では、MgOは、約8~約10重量%の間の量で存在する。一部の実施形態では、LiOは、約0.4~約2重量%の間の量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物は、少なくとも約61重量%のSiOを含む。一部の実施形態では、SrOは、最大で約3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、CuOは、最大で約2重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物はYを含み、Yは最大で約5重量%の量で存在する。一部の実施形態では、CuOとYの両方は、最大で約7重量%の合わせた量で存在する。一部の実施形態では、そのガラス組成物はさらに、Nbを最大で約5重量%の量で含む。一部の実施形態では、ガラス組成物は、Bを実質的に含まない。
【0010】
本発明の一部の実施形態は、繊維ガラスストランドに関する。多くの繊維化可能なガラス組成物が本発明の一部として本明細書で開示されており、本発明の種々の実施形態は、ガラス繊維、繊維ガラスストランド、糸類、およびそうした組成物から形成されるガラス繊維を組み込んだ他の製品を含むことができることを理解すべきである。
【0011】
本発明の一部の実施形態は、本明細書で説明するガラス組成物から形成された少なくとも1つの繊維ガラスストランドから形成される糸類に関する。本発明の一部の実施形態は、本明細書で説明するガラス組成物から形成される少なくとも1つの繊維ガラスストランドを組み込んだ布地に関する。一部の実施形態では、布地(fabric)に使用される緯糸(fill yarn)は、少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含むことができる。一部の実施形態では、縦糸(warp yarn)は、少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含むことができる。一部の実施形態では、繊維ガラスストランドは、本発明による布地を形成させるために使用される緯糸と縦糸の両方において使用することができる。一部の実施形態では、本発明の布地は、平織布地、あや織布地、クローフット布地、繻子織布地、ステッチボンデッド布地または3D織り布地を含むことができる。
【0012】
本発明の一部の実施形態は、ポリマー樹脂、および本明細書で説明する種々のガラス組成物の1つから形成されたガラス繊維を含む複合材料に関する。このガラス繊維は、本発明の一部の実施形態による繊維ガラスストランドからのものであってよい。一部の実施形態では、ガラス繊維を、織った布地などの布地に組み込むことができる。例えば、ガラス繊維は、布地を形成するように織られる緯糸および/または縦糸中にあってよい。複合材料が布地を含む実施形態では、その布地は、平織布地、あや織布地、クローフット布地、繻子織布地、ステッチボンデッド布地または3D織りした布地を含むことができる。
【0013】
ガラス繊維は、以下でより詳細に説明されるような他の形態の複合材料に組み込むこともできる。
【0014】
ポリマー樹脂に関連して、本発明の複合材料は、様々なポリマー樹脂の1つまたは複数を含むことができる。一部の実施形態では、ポリマー樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系(phenolic)、ポリエステル、ビニルエステル、ポリジシクロペンタジエン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、シアン酸エステル、ビスマレイミドおよび熱硬化性ポリウレタン樹脂の少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、ポリマー樹脂は、エポキシ樹脂を含むことができる。
【0015】
本発明の複合材料は、様々な形態であってよく、様々な用途において使用することができる。本発明の一部の実施形態による複合材料の潜在的使用のいくつかの例には、これらに限定されないが、風力エネルギー(例えば、風車の羽根)、自動車用途、安全/セキュリティー用途(例えば、弾道装甲(ballistics armor))、航空宇宙または航空用途(
例えば、飛行機の内部床面)、高圧容器またはタンク、ミサイルケーシング、電子機器その他が含まれる。
【0016】
本発明の上記および他の実施形態を、以下の詳細な説明においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、種々のガラス組成物における希土類酸化物(RE)の量に対するヤング率(Young's modulus)値を示すチャートである。
【0018】
図2図2は、種々のガラス組成物における希土類酸化物(RE)の量に対する初期(pristine)繊維引張強度値を示すチャートである。
【0019】
図3図3は、種々のガラス組成物における希土類酸化物(RE)の量に対する軟化およびガラス転移温度を示すチャートである。
【0020】
図4図4は、種々のガラス組成物における酸化スカンジウム(Sc)の量に対する線熱膨張係数を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
それとは反対の指定のない限り、以下の明細書で示される数値パラメーターは、本発明が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低でも、また、特許請求の範囲に均等論の適用を限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも、報告されている有効桁の数に照らして、かつ通常の丸めの手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0022】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメーターが近似値であるにもかかわらず、具体的な例において示されている数値は、出来るだけ正確に報告されている。しかし、任
意の数値は、それらのそれぞれの試験測定において見られる標準偏差によって必然的にもたらされる特定の誤差を本質的に含有する。さらに、本明細書で開示されるすべての範囲はそれに含まれるありとあらゆる下位範囲を包含すると理解されたい。例えば、「1~10」と表示されている範囲は、最小値1と最大値10(かつそれを含む)の間のありとあらゆる下位範囲;すなわち、最小値1またはそれ超、例えば1~6.1から始まり、最大値10またはそれ未満、例えば5.5~10で終わるすべての下位範囲を含むと考えるべきである。さらに、「本明細書に組み込まれている(incorporated herein)」との任意の参照は、その全体において、本明細書に組み込まれていると理解すべきである。
【0023】
本明細書で使用されるような単数形「a」、「an」および「the」は、明示的にかつ明確に1つの指示対象と限定されていない限り、複数の指示対象を含むことにさらに留意されたい。
【0024】
本発明は、一般に、ガラス組成物に関する。一態様では、本発明は、本明細書で説明するガラス組成物から形成されたガラス繊維を提供する。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、従来のEガラス繊維と比較して、例えばヤング率および初期強度などの改善された機械的特性を有することができる。
【0025】
本発明のガラス組成物は、SiO、Al、CaO、MgOその他などのガラス組成物において典型的にみられる成分に加えて、希土類酸化物を含む。そうしたガラス組成物は繊維化可能であり、したがって、種々の実施形態における繊維ガラスを作製するために使用することができる。当業者には理解されるように、「希土類酸化物」という用語は、希土類金属を組み込んだ酸化物を指し、これらには、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)およびランタニド元素(ランタン(La)、セリウム(CeおよびCeO)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(EuおよびEuO)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu))の酸化物が含まれる。希土類酸化物は、その希土類酸化物が別の成分を提供するためのガラスバッチで含まれるバッチ材料中の単なる混入物または不純物として存在するものを超える量で、本発明のガラス組成物中に含まれる。一部の実施形態では、ガラス組成物は、希土類酸化物の組合せ(例えば、種々の希土類酸化物の1つまたは複数)を含むことができる。
【0026】
一部の実施形態では、その1つまたは複数の希土類酸化物は、ガラス組成物中に、約0.05重量%以上の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約0.5重量%以上の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約3重量%超の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在することができるが、他の実施形態では、より多い量を使用することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、最大で約10重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、最大で約12重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、最大で約15重量の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約0.05~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約0.5~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約2.0~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約3.0~約15重量%の間の量で存在することができる。一
部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約4.0~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約5.0~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約1~約8重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約3~約8重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の希土類酸化物は、約1~約5重量%の間の量で存在することができる。
【0027】
一部の実施形態では、使用される希土類酸化物の量は、使用される具体的な希土類酸化物、他の希土類酸化物がその組成物に使用されていてもいなくても、その組成物の溶融特性、およびその組成物から形成させることになるガラス繊維の所望の特性その他に依存し得る。
【0028】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Laを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のLaを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にLaを含めると、その組成物によって形成されるガラス繊維のガラス軟化温度およびガラス転移温度ならびに引張強度、伸び率(elongation)、熱膨張係数、および他の特性に望ましい影響を及ぼすと考えられる。
【0029】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Yを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のYを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にYを含めると、その組成物によって形成されるガラス繊維のガラス軟化温度およびガラス転移温度ならびにモジュラス、引張強度、伸び率、熱膨張係数、および他の特性に望ましい影響を及ぼすと考えられる。
【0030】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Scを、約0.5~約4重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のScを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にScを含めると、その組成物から形成されるガラス繊維のいくつかの特性(例えば、ガラス軟化温度、ガラス転移温度、熱膨張係数等)に望ましい影響を及ぼすと考えられるが、Scの存在は、組成物の液相温度(liquidus temperature)を上昇させることも観察されている。
【0031】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Ndを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のNdを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にNdを含めると、その組成物によって形成されるガラス繊維のガラス軟化温度およびガラス転移温度ならびにモジュラス、引張強度、伸び率、熱膨張係数、および他の特性に望ましい影響を及ぼすと考えられる。
【0032】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Smを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のSmを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にSmを含めると、その組成物によって形成されるガラス繊維のガラス軟化温度およびガラス転移温度ならびにモジュラス、引張強度、伸び率、熱膨張係数、および他の特性に望ましい影響を及ぼすと考えられる。
【0033】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、Gdを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のGdを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。一部の実施形態では、ガラス組成物中にGdを含めると、その組成物によって形成されるガラス繊維のガラス軟化温度およびガラス転移温度ならびにモジュラス、引張強度、伸び率、熱膨張係数、および他の特性に望ましい影響を及ぼすと考えられる。
【0034】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中で使用される希土類酸化物は、CeOを、約0.5~約15重量%の間の量で含むことができる。上記および以下の実施例で示すように、他の量のCeOを、一部の実施形態によるガラス組成物に含めることもできる。例えば、一部の実施形態では、CeOは、0~約4重量%の間の量で存在することができる。酸化セリウムを安定した形態のCeO中に導入することができるが、高温で溶融させた場合、ガラス中の大部分のセリウムは、Ce4+(CeOで)からCe3+(Ceになる)へ還元される。この関連で、酸化セリウムの含有は、その組成物から形成されるガラス繊維の音波モジュラスおよび強度を改善するだけでなく、溶融物中のCe4+イオンが還元されてCe3+イオンになるのにしたがって、酸化セリウムが酸素バブルを放出する、溶融時のガラスのより良好な清澄によって、ガラス品質も増大させると考えられる。
【0035】
希土類酸化物の種々の組合せを、望ましい特性(例えば、引張強度、モジュラス、比強度、比モジュラス等)を達成するために使用することもできる。例えば、具体的な希土類酸化物およびその相対量の選択は、繊維密度に影響を及ぼし得、次に、比強度(引張強度を密度で除したもの)および比モジュラス(モジュラスを密度で除したもの)に影響を及ぼし得る。同様に、具体的な希土類酸化物およびその相対量の選択は、そのガラス組成物の溶融特性に影響を及ぼし得る。例えば、上述したように、特定の量でのScの存在は、ガラス組成物の液相温度を増大させ得る。同様に、酸化セリウム(CeおよびCeO)は酸化剤および清澄剤として作用することができ、その結果、一部の実施形態では、酸化セリウムの量は4重量%以下であり得る。最後に、具体的な希土類酸化物およびその相対量の選択は、溶融特性に対するその影響のため、また、希土類酸化物のコストが実質的に変動するのに応じた原料としてのそのコストのため、ガラス繊維を作製するコストに影響を及ぼす可能性がある。一般に、ガラス組成物中の同量の希土類酸化物について、ガラスの溶融および機械的特性は、z/r(zは電荷であり、rは希土類カチオンの半径である)で定義される異なる電界強度を有する希土類酸化物の組合せを選択することによって制御することができる。
【0036】
上述したように、本発明のガラス組成物、特に繊維化可能なガラス組成物は、SiO、Al、CaO、MgOその他を含む他の成分も含む。
【0037】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、51~65重量%のSiO、12.5~19重量%のAl、0~16重量%のCaO、0~12重量%のMgO、0~2.5重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~3重量%のTiO、0~3重量%のZrO、0~3重量%のB、0~3重量%のP、0~1重量%のFe、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0038】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、51~65重量%のSiO、1
2.5~22重量%のAl、0~16重量%のCaO、0~12重量%のMgO、0~2.5重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~3重量%のTiO、0~3重量%のZrO、0~3重量%のB、0~3重量%のP、0~1重量%のFe、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含み、ここで、NaO+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0039】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、51~63重量%のSiO、14.5~19重量%のAl、0.5~10重量%のCaO、0~12重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~3重量%のTiO、0~3重量%のZrO、0~2重量%のB、0~3重量%のP、0~1重量%のFe、0.5重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0040】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl;12重量%またはそれ未満のCaO;7~17重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~5重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0041】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl;5重量%またはそれ未満のCaO;10~16重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0042】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl;5重量%またはそれ未満のCaO;10~16重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0.4~2重量%のLiO;0~2重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~4重量%のSnO;0~4重量%のZnO;約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0043】
一実施形態では、繊維形成に適したガラス組成物は、59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0044】
約0重量%と別の重量%との間の量で存在すると説明されているガラス組成物の任意の成分は、必ずしも、すべての実施形態において必要とされるわけではないことを理解すべきである。言い換えれば、もちろん、その組成物中に含まれる他の成分の量にもよるが、一部の実施形態では、そうした成分は任意選択であってよい。同様に、一部の実施形態では、ガラス組成物はそうした成分を実質的に含まなくてよい。これは、ガラス組成物中に存在する任意の量の成分が、バッチ材料中の微量不純物として存在する成分からもたらされることを意味する。
【0045】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するSiOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、SiOは、約51~約65重量%の間および約51~約63重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、SiOは、約54~約65重量%の間および約54~約63重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、SiOは、約59~約62重量%の間および約59~約65重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、SiOは、約56~約68重量%の間の量で存在することができ、また、他の実施形態では約60~68重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、ガラス組成物は、少なくとも60重量%のSiOを含むことができる。
【0046】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するAlの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、そのガラス組成物は、12.5~22重量%のAlを含むことができる。一部の実施形態では、Alは、約12.5~約19重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Alは、約11~20重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Alは、約14~19重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Alは、約14.5~19重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Alは、約15~19重量%および約15~18重量%の間の量で存在することができ
る。
【0047】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するCaOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、CaOは、0~約20重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、CaOは、0~約16重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、CaOは、約0.5~約15重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約0.5~約14重量%の間を含むことができる。一部の実施形態では、CaOは、約12重量%未満の量で存在することができる。一部の実施形態では、CaOは、約0.5~約10重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約5重量%未満のCaOを含むことができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約4~約8重量%の間のCaOを含むことができる。
【0048】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するMgOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、0~約12重量%の間のMgOを含む。一部の実施形態では、MgOは、最大で約9重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、MgOは、約6~約9重量%または約6~約11重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、MgOは、約7~約17重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、MgOは、約10~約16重量%の間の量で存在することができる。
【0049】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するNaOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約0~約2.5重量%の間のNaOを含むことができる。一部の実施形態では、NaOは、約0~約1.5重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、NaOは、最大で約1.5重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、NaOは、最大で約1.0重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、NaOは、最大で約0.5重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は約0.1重量%未満のNaOを含む。
【0050】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するKOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、KOは、約0~約1重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、KOは、最大で約1重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、KOは、最大で約0.5重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約0.1重量%未満のKOを含む。
【0051】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するLiOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約0~約5重量%の間のLiOを含むことができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約0~約2重量%の間のLiOを含むことができる。一部の実施形態では、LiOは、約0.4~約2重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、LiOは、約0~約1重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、LiOは、最大で約1重量%の量で存在することができる。
【0052】
本発明の一部の実施形態は、NaO、KOおよびLiOの含量の総量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中のNaO+KO+LiOの含量は1重量%超である。一部の実施形態では、NaO+KO+LiOの含量は最大で約2.5重量%である。一部の実施形態では、NaO+KO+LiOの含量は約1重量%超であり、最大で約2.5重量%である。
【0053】
本発明の一部の実施形態は、NaOおよびKOの含量の総量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物中のNaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、NaO+KOの含量は最大で約0.3重量%である。一部の実施形態では、NaO+KOの含量は最大で約0.1重量%である。
【0054】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するBの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、Bは、約0~約3重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Bは、約0~約2重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Bは、約0~約1重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、Bを実質的に含まなくてよく、これは、ガラス組成物中に存在する任意のBが、バッチ材料中の微量不純物として存在するBからもたらされることを意味する。他の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1重量%超のBを含むことができる。一部の実施形態では、Bは、最大で約10重量%の量で存在することができる。
【0055】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するFeの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、Feは、1.0重量%未満の量で存在することができる。一部の実施形態では、Feは、約0~約0.5重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Feは、最大で約0.4重量%の量で存在することができる。
【0056】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するTiOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、TiOは、約0~約3重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、TiOは、最大で約3重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、TiOは0~約2重量%の間で存在することができる。
【0057】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するCuOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、CuOは、約0~約2重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、CuOは、最大で2重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、CuOは、0~約1.5重量%の間で存在することができる。CuOは、そのガラス中で安定であると考えられる、酸化状態、Cu1+イオンとCu2+イオンの混合物で、溶融ガラスでガラスバッチ中において使用された。理論に拘泥するわけではないが、一価のCuイオンはアルカリと同様に機能し、二価のCu2+イオンはZnOと同様に機能し、それによって、ガラスの化学的耐久性が改善されると考えられる。ガラスまたはガラス繊維表面上でのCuイオンからCu2+イオンへの酸化は、より高いガラスおよび/またはガラス繊維強度という利益を提供する。この強度の増大は、周囲環境からガラスおよび/またはガラス繊維中への水分子の浸透を遅らせる構造的な不動態化層の形成によってもたらされると考えられる。
【0058】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するSrOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、SrOは、約0~約3重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、SrOは、最大で3重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、SrOは、0~2.5重量%の間で存在することができる。SrOは、MgOかまたはCaOと比較して、ガラス粘度を低下させる効果を有する。したがって、SrOの添加は、MgOかまたはCaOとは対照的に、ガラス弾性係数に対する改善をもたらすことになる。
【0059】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、ZnOを含むことができる。ガラス組成物の一部の実施形態では、ZnOは、CaOの量を置き換えるまたは減少させるために使用することができる。一部の実施形態では、CaOを少なくとも部分的に置き換えるためのZnOの含有は、そうした組成物からのガラス繊維の音波モジュラスおよび引張強度を改善すると考えられる。さらに、ZnOは、ガラス溶融物中でのCaO活性を低下させると考えられ、したがって、その溶融物中での珪灰石(CaO・SiO)および/または灰長石(CaO・Al・2SiO)の結晶化のリスクを低下させると考えられる。一部の実施形態では、より高濃度のZnOを含有するガラス繊維は、酸腐食に対する改善された耐性を提供することもできる。ZnOが含まれる実施形態では、ZnOは、最大で約4重量%の量で存在することができる。ZnOが含まれる一部の実施形態では、ZnOは最大で約4重量%の量で存在することができ、CaOの量は約0~約5重量%の間であってよい。
【0060】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、酸化スズを含むことができる。酸化スズはSnOの形態で導入できるが、高温で溶融した場合、ガラス中のスズの大部分はSn4+(SnOから)からSn2+(SnOになる)へ還元される。この関連で、酸化スズの含有は、その組成物から形成されるガラス繊維の音波モジュラスおよび強度を改善するだけでなく、溶融物中のSn4+イオンが還元されてSn2+イオンになるのにしたがって、酸化スズが酸素バブルを放出する、溶融時のガラスのより良好な清澄によって、ガラス品質も増大させると考えられる。さらに、一部の実施形態では、ガラス中でのSnOの存在は、CaOの少なくとも部分的な置き換えを可能にすることができる。さらに、SnOの存在は、ガラス溶融物中のCaO活性を低下させ、したがって、その溶融物中での珪灰石(CaO・SiO)および/または灰長石(CaO・Al・2SiO)の結晶化のリスクを低下させると考えられる。この関連で、一部の実施形態では、清澄に対する潜在的な影響なしで、酸化スズを、SnOの形態で添加することもできる。酸化スズが含まれる実施形態では、酸化スズは、最大で約4重量%の量で存在することができる。酸化スズが含まれる一部の実施形態では、酸化スズは最大で約4重量%の量で存在することができ、CaOの量は約0~約5重量%の間であってよい。
【0061】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、SnOおよびCeOの量によって特徴付けることができる。これらの酸化物は、ガラス溶融物およびそれから形成される繊維に対して同様の効果を有することができるので、いくつかのガラス組成物は、SnOとCeOの両方を含むことができる。一部の実施形態では、SnO+CeOの含量は最大で約8重量%であってよい。一部の実施形態では、SnO+CeOの含量は最大で約6重量%であってよい。一部の実施形態では、SnO+CeOの含量は最大で約4重量%であってよい。一部の実施形態では、SnOは最大で約4重量%の量で存在することができ、CeOは、最大で約4重量%の量で存在することもできる。
【0062】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するZrOの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、ZrOは、約0~約3重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、ZrOは、最大で約2重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、ZrOを実質的に含まなくてよく、これは、ガラス組成物中に存在する任意のZrOが、バッチ材料中の微量不純物として存在するZrOからもたらされることを意味する。
【0063】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在するPの量によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、Pは、約0~約3重量%の間の量で存在することができる。一部の実施形態では、Pは、最大で約2.5重量%の量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、Pを実質的に含まなくてよく、これは、ガラス組成物中に存在する任意のPが、バッチ材料中の微
量不純物として存在するPからもたらされることを意味する。Pはガラスネットワーク形成物質(glass network former)として機能し、また、SiOは、ガラス中で4面体単位(PO)を形成する。一部の実施形態では、Pを、SiOを置き換えるために使用して、特に高濃度の希土類酸化物を含有するガラスの液相温度を低下させることができる。
【0064】
本発明の一部の実施形態は、ガラス組成物中に存在する酸化ニオブ(Nb)の量によって特徴付けることができる。Nbはガラスネットワーク形成物質として機能するが、ガラスネットワーク形成物質として4面体単位(SiO)を形成するSiOとは対照的に8面体単位(NbO)を形成する。いくらかのSiOの含量の代わりにNbを用いると、溶融粘度を低下させると考えられる。アルカリ土類含有アルミノケイ酸ガラスまたはアルカリ含有アルミノケイ酸ガラス中でのNbOとSiOの両方の存在に関して、4倍(AlO)のアルミニウムと6倍(AlO)のアルミニウムの両方が存在し、より高濃度のAlOの存在は、より高濃度のNbをもたらす。これは、その組成物から形成されたガラス繊維において、より低い溶融粘度ならびにより高い音波モジュラスおよび引張強度をもたらすと考えられる。Nbが含まれる実施形態では、Nbは、最大で約5重量%の量で存在することができる。
【0065】
サルフェート(SOと表される)は、精製剤(refining agent)として存在するこ
ともできる。SrO、BaO、Cl、P、CrまたはNiO(これらの特定の化学形態に限定されない)などの原料、または融解過程の間の汚染物からの少量の不純物も存在し得る。As、MnO、MnOまたはSb(これらの特定の化学形態に限定されない)などの他の精製剤および/または加工助剤も存在し得る。これらの不純物および精製剤は、存在する場合、それぞれ、典型的に全ガラス組成物の0.5重量%未満の量で存在する。
【0066】
上述したように、本発明の一部の実施形態によるガラス組成物は、繊維化可能である。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、商業用の繊維ガラス製造操作において使用するのに望ましい形成温度(forming temperature)(T)を有する。本明細書で使用するような「形成温度」すなわちTは、そのガラス組成物が1000ポアズの粘度を有する温度(または「log3温度」)を意味する。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1250℃~約1415℃の範囲の形成温度(T)を有する。別の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1250℃~約1350℃の範囲の形成温度を有する。一部の実施形態では、ガラス組成物は、約1250℃~約1310℃の範囲の形成温度を有する。
【0067】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1150℃~約1515℃の範囲の液相温度を有する。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1130℃~約1235℃の範囲の液相温度を有する。別の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1190℃~約1300℃の範囲の液相温度を有する。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物は、約1190℃~約1260℃の範囲の液相温度を有する。
【0068】
一部の実施形態では、本発明のガラス組成物の形成温度と液相温度の違いは、市販の繊維ガラス製造操作のために望ましい。例えば、ガラス組成物の一部の実施形態について、形成温度と液相温度の差は約35℃~60℃超の範囲である。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物の形成温度と液相温度の差は少なくとも50℃である。他の実施形態では、本発明のガラス組成物の形成温度と液相温度の差は約70℃~約190℃の範囲である。
【0069】
本明細書で提供されるように、ガラス繊維は、本発明のガラス組成物の一部の実施形態
から形成させることができる。したがって、本発明の実施形態は、本明細書で説明するガラス組成物のいずれかから形成されたガラス繊維を含むことができる。一部の実施形態では、そのガラス繊維は布地にすることができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、例えば、これらに限定されないが、連続ストランド、チョップドストランド(乾燥または湿潤)、糸類、ロービング、プリプレグ等として含む他の形態で提供することができる。要するに、ガラス組成物(およびそれから形成させる任意の繊維)の種々の実施形態は様々な用途において使用することができる。
【0070】
本発明の一部の実施形態は、繊維ガラスストランドに関する。本発明の一部の実施形態は、繊維ガラスストランドを含む糸類に関する。本発明の糸類の一部の実施形態は、製織(weaving)用途に特に適している。さらに、本発明の一部の実施形態は、ガラス繊維布
地に関する。本発明の繊維ガラス布地の一部の実施形態は、強化用途、特に高いモジュラス、高い強度および/または高い伸び率が重要な強化用途で使用するのに特に適している。さらに、本発明の一部の実施形態は、繊維ガラスストランド、繊維ガラス糸および繊維ガラス布地を組み込んだ複合材料、例えば繊維強化したポリマー複合材料に関する。本発明のいくつかの複合材料は、強化用途、特に高いモジュラス、高い強度および/または高い伸び率が重要な強化用途、例えば風力エネルギー(例えば、風車の羽根)、自動車用途、安全/セキュリティー用途(例えば、弾道装甲または装甲パネル)、航空宇宙または航空用途(例えば、飛行機の内部床面)、高圧容器またはタンク、ミサイルケーシングその他で使用するのに特に適している。本発明の一部の実施形態は、自動車用複合材料に関する。本発明の一部の実施形態は、航空宇宙用複合材料に関する。本出願の他の実施形態は、航空複合材料に関する。本発明のさらに他の実施形態は、風力エネルギー用途で使用するのに適した複合材料に関する。本発明の一部の実施形態は、プリプレグに関する。本発明の一部の実施形態は、装甲パネルなどの安全/セキュリティー用途のための複合材料に関する。本発明の他の実施形態は、高圧容器または貯蔵タンクのための複合材料に関する。本発明の一部の実施形態は、ミサイルケーシングのための複合材料に関する。本発明の他の実施形態は、高温断熱用途で使用するための複合材料に関する。本発明の一部の実施形態は、チップパッケージング用の基材などの、より低い熱膨張係数が特に望ましいプリント回路基板に関する。
【0071】
本発明の一部の実施形態は、繊維ガラスストランドに関する。一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
51~65重量%のSiO
12.5~19重量%のAl
0~16重量%のCaO;
0~12重量%のMgO;
0~2.5重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~2重量%のLiO;
0~3重量%のTiO
0~3重量%のZrO
0~3重量%のB
0~3重量%のP
0~1重量%のFe
0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含むガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。
【0072】
一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも
1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0073】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
51~65重量%のSiO
12.5~22重量%のAl
0~16重量%のCaO;
0~12重量%のMgO;
0~2.5重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~2重量%のLiO;
0~3重量%のTiO
0~3重量%のZrO
0~3重量%のB
0~3重量%のP
0~1重量%のFe
0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含む(ここで、NaO+KO+LiOの含量は1重量%超である)ガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0074】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
51~63重量%のSiO
14.5~19重量%のAl
0.5~10重量%のCaO;
0~12重量%のMgO;
0~1重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~2重量%のLiO;
0~3重量%のTiO
0~3重量%のZrO
0~2重量%のB
0~3重量%のP
0~1重量%のFe
0.5重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含むガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。
【0075】
一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、ScおよびNdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。
【0076】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
56~68重量%のSiO
11~20重量%未満のAl
12重量%またはそれ未満のCaO;
7~17重量%のMgO;
0~1重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~5重量%のLiO;
0~2重量%のTiO
0~3重量%のB
0~1重量%のFe
0~4重量%のSnO
0~4重量%のZnO;
0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含むガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。
【0077】
一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも1重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0078】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
60~68重量%のSiO
14~19重量%のAl
5重量%またはそれ未満のCaO;
10~16重量%のMgO;
0~1重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~2重量%のLiO;
0~2重量%のTiO
0~3重量%のB
0~1重量%のFe
0~4重量%のSnO
0~4重量%のZnO;
1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含むガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。
【0079】
一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約15重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約8重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0080】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
60~68重量%のSiO
14~19重量%のAl
5重量%またはそれ未満のCaO;
10~16重量%のMgO;
0~1重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0.4~2重量%のLiO;
0~2重量%のTiO
0~3重量%のB
0~1重量%のFe
0~4重量%のSnO
0~4重量%のZnO;
約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0081】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、以下の成分:
59~62重量%のSiO
14~19重量%のAl
4~8重量%のCaO;
6~11重量%のMgO;
0~1重量%のNaO;
0~1重量%のKO;
0~2重量%のLiO;
0~3重量%のTiO
0~3重量%のB
0~1重量%のFe
0~2重量%のCuO;
0~3重量%のSrO;
約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
合計0~11重量%の他の構成要素
を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む複数のガラス繊維を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0082】
他の多くのガラス組成物が、本発明の一部として本明細書で開示されており、本発明の他の実施形態は、そうした組成物から形成された繊維ガラスストランドに関する。
【0083】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましい機械的特性および他の特性を示すことができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、Eガラスから形成されたガラス繊維に対して、1つまたは複数の改善された機械的特性を示すことができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、Rガラスおよび/またはSガラスから形成されたガラス繊維に対して、1つまたは複数の改善された特性を提供することができる。本発
明のガラス繊維の一部の実施形態によって示される望ましい特性の例には、これらに限定されないが、引張強度、ヤング率、熱膨張係数、軟化点、伸び率および絶縁定数が含まれる。
【0084】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましいヤング率(E)値を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物から形成された繊維は、約87GPa超のヤング率を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約90GPa超のヤング率を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス組成物から形成された繊維は、約92GPa超のヤング率を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約93GPa超のヤング率を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約95GPa超のヤング率を有することができる。本明細書での別段の記述のない限り、本明細書で論じるヤング率値は、以下の実施例の部で示される手順を使用して決定される。
【0085】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましい引張強度を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、4000MPa超の引張強度を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、4,500MPa超の引張強度を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約5000MPa超の引張強度を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約5500MPa超または約5700MPa超の引張強度を有することができる。本明細書での別段の記述のない限り、引張強度値は、実施例の部で示される手順を使用して決定される。
【0086】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましい伸び率値を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、少なくとも5.0%の伸び率を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、少なくとも5.5%の伸び率を有することができる。他の実施形態では、本発明のガラス繊維は、少なくとも6.0%の伸び率を有することができる。本明細書での別段の記述のない限り、伸び率値は、実施例の部で示される手順を使用して決定される。
【0087】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましい熱膨張係数を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約4.5ppm/℃未満の熱膨張係数を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、約3.1ppm/℃未満の熱膨張係数を有することができる。別段の記述のない限り、熱膨張係数は、実施例の部で示される手順を使用して決定される。
【0088】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、望ましい軟化点を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、少なくとも約900℃の軟化点を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、少なくとも約950℃の軟化点を有することができる。別段の記述のない限り、軟化点値は、実施例の部で示される手順を使用して決定される。
【0089】
一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、電子機器用途で使用するのに望ましい絶縁定数値(D)を有することができる。一部の実施形態では、本発明のガラス繊維は、1MHzの周波数で約6.0未満の絶縁定数値(D)を有することができる。本明細書での別段の記述のない限り、絶縁定数(D)は、ASTM試験方法D150-「固体電気絶縁材料のA-C損失特性および誘電率(絶縁定数)のための標準試験方法(Standard
Test Methods for A-C Loss Characteristics and Permittivity (Dielectric
Constant) of Solid Electrical Insulating Materials)」によって、1MHz
~1GHzで決定される。
【0090】
繊維ガラスストランドは、所望の用途に応じて、種々の直径のガラス繊維を含むことができる。一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、約5~約18μmの間の直径を有する少なくとも1つのガラス繊維を含む。他の実施形態では、少なくとも1つのガラス繊維は、約5~約10μmの間の直径を有する。
【0091】
一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドは、ロービングに形成させることができる。ロービングは、合糸された(assembled)、マルチエンドまたはシングルエン
ドの直接延伸ロービングを含むことができる。本発明の繊維ガラスストランドを含むロービングは、所望の用途に応じて、種々の直径および密度を有する直接延伸シングルエンドロービングを含むことができる。一部の実施形態では、本発明の繊維ガラスストランドを含むロービングは、最大で約112ヤード/ポンドの密度を示す。
【0092】
本発明の一部の実施形態は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む糸類に関する。一部の実施形態では、本発明の糸は、56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、糸は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の糸は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。他の実施形態では、本発明の糸は、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つを含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含むことができる。一部の実施形態では、本発明の糸は、59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。
【0093】
一部の実施形態では、本発明の糸は、その少なくとも1つの繊維ガラスストランドがサイジング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、本明細書で開示されるよ
うな少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、そのサイジング組成物は、熱硬化性ポリマー樹脂と適合する。他の実施形態では、サイジング組成物は、澱粉・油脂(starch-oil)サイジング組成物を含むことができる。
【0094】
糸類は、所望の用途に応じて、種々の線質量密度(linear mass density)を有する
ことができる。一部の実施形態では、本発明の糸は、約5,000ヤード/ポンド~約10,000ヤード/ポンドの線質量密度を有する。
【0095】
糸類は、所望の用途に応じて、種々のツイストレベルおよび方向を有することができる。一部の実施形態では、本発明の糸は、z方向に約0.5~約2の巻き数毎インチ(turns per inch)でツイストを有する。他の実施形態では、本発明の糸は、z方向に約0.7の巻き数毎インチでツイストを有する。
【0096】
糸類は、所望の用途に応じて、一緒にツイストされ(twisted)かつ/または撚られた
(plied)1つまたは複数のストランドから作製することができる。糸類は、一緒にツイ
ストされているが撚られていない1つまたは複数のストランドから作製することができ;そうした糸類は「シングル(single)」として公知である。本発明の糸類は、一緒にツイストされているが撚られていない1つまたは複数のストランドから作製することができる。一部の実施形態では、本発明の糸類は、一緒にツイストされた1~4本のストランドを含む。他の実施形態では、本発明の糸類は、1本のツイストされたストランドを含む。
【0097】
本発明の一部の実施形態は、少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む布地に関する。一部の実施形態では、布地は、56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、布地は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、布地は、60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、布地は、59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1
つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の布地は、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つを含む少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含むことができる。一部の実施形態では、本発明の布地は、本明細書で開示されるような糸を含む。一部の実施形態では、本発明の布地は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸を含むことができる。一部の実施形態では、本発明の布地は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含むことができる。一部の実施形態では、本発明の布地は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0098】
布地を含む本発明の一部の実施形態では、ガラス繊維布地は、工業用布地スタイル(industrial fabric style)第7781号にしたがって織られた布地である。他の実施形
態では、この布地は、平織布地、あや織布地、クローフット布地、繻子織布地、ステッチボンデッド布地(非クリンプ布地としても公知である)または「三次元」織り布地を含む。
【0099】
本発明の一部の実施形態は、複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満で
ある)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0100】
本発明の複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、そのポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含む。複合材料を含む本発明の他の実施形態では、そのポリマー樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステル、ポリジシクロペンタジエン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、シアン酸エステル、ビスマレイミドおよび熱硬化性ポリウレタン樹脂を含むことができる。
【0101】
本発明の一部の実施形態は、航空宇宙用複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、高い強度、高い伸び率、高いモジュラスおよび/または低い密度などの航空宇宙用途で使用するのに望ましい特性を示す。
【0102】
一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそ
れ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0103】
一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明の航空宇宙用複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0104】
本発明の航空宇宙用複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。航空宇宙用複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、ポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含む。航空宇宙用複合材料を含む本発明の他の実施形態では、そのポリマー樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステル、ポリジシクロペンタジエン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、シアン酸エステル、ビスマレイミドおよび熱硬化性ポリウレタン樹脂を含むことができる。本発明の航空宇宙用複合材料が使用される可能性があるパーツ(parts)の例は、これらに限定されないが、床パネル、荷物入れ(overhead bin)、ギャレー、シートバックおよび潜在的に衝撃を受けやすい他の内部コンパートメント、ならびにヘリコプターの回転翼の羽根などの外部部品を含むことができる。
【0105】
本発明の一部の実施形態は、航空複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、高い強度、高い伸び率、高いモジュラス、より低い密度、高い比強度および/または高い比モジュラスなどの航空用途で使用するのに望ましい特性を示す。本発明
のいくつかの航空複合材料の高い伸び率は、そうした複合材料を、航空機内部用途などの高い耐衝撃性が重要である航空用途での使用に特に望ましいものにすることができる。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、Eガラス布地から形成された複合材料と比較して、高い衝撃性能を示すことができる。本発明の航空複合材料は、航空機内部(とりわけ、手荷物収納箱、座席および床面を含む)での使用に適し得る。
【0106】
一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0107】
一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストラン
ドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明の航空複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明の航空複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0108】
本発明の航空複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。航空複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、そのポリマー樹脂はフェノール樹脂を含む。航空複合材料を含む本発明の他の実施形態では、そのポリマー樹脂は、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステル、ポリジシクロペンタジエン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、シアン酸エステル、ビスマレイミドおよび熱硬化性ポリウレタン樹脂を含むことができる。本発明の航空複合材料を使用し得るパーツの例には、これらに限定されないが、床パネル、荷物入れ、ギャレー、シートバックおよび潜在的に衝撃を受けやすい他の内部コンパートメント、ならびにヘリコプターの回転翼の羽根などの外部部品が含まれる。
【0109】
本発明の一部の実施形態は、自動車用複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、高い強度、高い伸び率および低い繊維密度などの自動車用途での使用に望ましい特性を示す。本発明のいくつかの複合材料の高い強度と高い伸び率(または破壊とひずみ(failure-to-strain))の組合せは、そうした複合材料を、自動車用構
造部品、ボディおよびバンパーなどの高い耐衝撃性が重要な自動車用途での使用に特に望ましいものにすることができる。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、Eガラス布地、Rガラス布地および/またはSガラス布地から形成された複合材料と比較して、高い衝撃性能を示すことができる。
【0110】
一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0
~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0111】
一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明の自動車用複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0112】
本発明の自動車用複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。自動車用複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、そのポリマー樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含むことができる。自動車用複合材料において使用される一般的な熱可塑性樹脂の例には、これらに限定されないが、ポリプロピレン、ポリアミド、高温用ポリアミド、ポリエステル、および当業者に公知の他の熱可塑性樹脂が含まれる。自動車用複合材料において使用される一般的な熱硬化性樹脂の例には、これらに限定されないが、エポキシ、フェノール系、ポリエステル、および当業者に公知の他の熱硬化性樹脂が含まれる。本発明の自動車用複合材料を使用し得るパーツの例は、これらに限定されないが、自動車用構造部品、ボディおよびバンパーを含むことができる。
【0113】
本発明の一部の実施形態は、風力エネルギー用途で使用できる複合材料に関する。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、高いモジュラス、高い伸び率、低い繊維密度および/または高い比モジュラスなどの風力エネルギー用途での使用に望ましい特性を示す。本発明の複合材料は、風力タービンの羽根、特に、他の長い風力タービンの羽根と比較して、より軽量であるがそれでも強度のある長い風力タービンの羽根での使用に適し得る。
【0114】
一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0115】
一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、風力エネルギー用途で
の使用に適した本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0116】
風力エネルギー用途での使用に適した本発明の複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。風力エネルギー用途での使用に適した複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、そのポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含む。風力エネルギー用途での使用に適した複合材料を含む本発明の他の実施形態では、そのポリマー樹脂は、ポリエステル樹脂、ビニルエステル、熱硬化性ポリウレタンまたはポリジシクロペンタジエン樹脂を含むことができる。
【0117】
本発明の一部の実施形態は、高圧容器および/またはタンクにおける使用のための複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクでの使用のための複合材料は、高い強度、高い伸び率、低い密度および/または高い比強度などのそうした用途での使用に望ましい特性を示す。
【0118】
一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の
量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0119】
一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0120】
本発明の高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。高圧容器および/またはタンクで使用するための複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、そのポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂を含むことができる。高圧容器および/またはタンクで使用される一般的な熱硬化性樹脂の例には、これらに限定されないが、エポキシ、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステルおよび当業者に公知の他の熱硬化性樹脂が含まれる。
【0121】
一部の実施形態では、本発明の複合材料は、安全および/またはセキュリティー用途において有用であり得る。例えば、一部の実施形態では、本発明の複合材料は、これに限定されないが、高エネルギー衝撃用途を含む高い機械的応力用途での使用に適している。本発明の一部の実施形態において有用なガラス繊維は、弾道または爆破耐性用途などの高エネルギー衝撃用途に特に望ましい特性を示すことができる。本発明の一部の実施形態において有用なガラス繊維は、Eガラスを含むガラス繊維と比較して、低い絶縁定数、低い誘電損失、高いガラス転移温度および/または低い熱膨張を示すことができる。
【0122】
一部の実施形態では、本発明の複合材料は、装甲用途での使用に適し得る。例えば、複合材料の一部の実施形態は、装甲パネルの生産において使用することができる。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、装甲用のV50弾道試験のための米国国防総省試験方法標準規格(U.S.Department of Defense Test Method Standard)、MIL-ST
D-662F、1997年12月(以下「MIL-STD-662F」)(その全体を参照により本明細書に組み込む)によって測定した場合、そのパネルが、望ましい0.30calのFSP(「断片シミュレート発射体(fragment simulating projectile)」)V50値(例えば、約2lb/ftのパネル面密度および約5~6mmのパネル厚さで少なくとも約900フィート/秒(fps))を示すと予期されるパネルに形成させるこ
とができる。この関連で、「複合材料」という用語が、総称的に、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含む材料を指すのに対して、「パネル」という用語は、シート状の物理的な寸法または形状を有する複合材料を指す。他の実施形態では、本発明の複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.50calのFSP V50値(例えば、約4.8~4.9lb/ftのパネル面密度および約13~13.5mmのパネル厚さで少なくとも約1200fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。V50値はパネル面密度およびパネル厚さに依存する可能性があるので、本発明の複合材料は、そのパネルをいかに構成するかに応じて、異なるV50値を有することができる。本発明の一部の実施形態の1つの利点は、Eガラス繊維を使用して組み立てられた、同様に構成した複合材料より高いV50値を有する複合材料の提供である。
【0123】
一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含み、その複合材料は弾道または爆破耐性用途で使用するように適合されている。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含み、その複合材料は弾道または爆破耐性用途で使用するように適合されている。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここでNaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含み、その複合材料は弾道または爆破耐性用途で使用するように適合されている。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は最大で約5重量%の量で存在し、その複合材料は弾道または爆破耐性用途で使用するよう
に適合されている。他の実施形態では、弾道または爆破耐性用途で使用するように適合された本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0124】
本発明の一部の実施形態は、本発明の複合材料を含む装甲パネルなどのパネルに関する。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.30calのFSP V50値(例えば、約2lb/ftのパネル面密度および約5~6mmのパネル厚さで少なくとも約900fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。他の実施形態では、本発明の複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.30calのFSP V50値(例えば、約2lb/ftのパネル面密度および約5~6mmのパネル厚さで少なくとも約1000fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。本発明のさらに他の実施形態では、複合材料は、MIL-STD-662Fで測定した場合、そのパネルが、望ましい0.30calのFSP V50値(例えば、約2lb/ftのパネル面密度および約5~6mmのパネル厚さで少なくとも約1100fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。本発明の一部の実施形態では、複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.30calのFSP V50値(例えば、約2lb/ftのパネル面密度および約5~6mmのパネル厚さで約900fps~約1140fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。
【0125】
一部の実施形態では、本発明の複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.50calのFSP V50値(例えば、約4.8~4.9lb/ftのパネル面密度および約13~13.5mmのパネル厚さで少なくとも約1200fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。本発明の他の実施形態では、複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.50calのFSP V50値(約4.8~4.9lb/ftのパネル面密度および約13~13.5mmのパネル厚さで少なくとも約1300fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。本発明のさらに他の実施形態では、複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.50calのFSP V50値(約4.8~4.9lb/ftのパネル面密度および約13~13.5mmのパネル厚さで少なくとも約1400fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。本発明の一部の実施形態では、複合材料は、そのパネルが、MIL-STD-662Fによって測定した場合、望ましい0.50calのFSP V50値(例えば、約4.8~4.9lb/ftのパネル面密度および約13~13.5mmのパネル厚さで約1200fps~約1440fps)を示すと予期されるパネルに形成させることができる。
【0126】
弾道または爆破耐性で使用するように適合された本発明の複合材料は、種々のポリマー樹脂を含むことができる。本発明の一部の実施形態では、複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本明細書で開示されるようなガラス組成物を含み、その複合材料は、弾道または爆破耐性のための装甲パネルなどのパネルに形成させることができ、そのポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含む。一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本明細書で開示されるようなガラス組成物を含み、その複合材料は、弾道または爆破耐性のための装甲パネルなどのパネルに形成させることができ、そのポリマー樹脂はポリジシクロペンタジエン樹脂を含む。本発明の一部の実施形態では、ポリマー樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロンを含む)、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステル、熱硬化性ポリウレタン、シアン酸エステルまたはビスマレイミド樹脂を含むことができる。
【0127】
本発明の一部の実施形態は、ミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングにおいて使用するための複合材料に関する。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、高いモジュラス、高い強度、高い伸び率、低い熱膨張係数、高いガラス軟化温度および/または高いガラス転移温度などのそうした用途での使用に望ましい特性を示す。
【0128】
一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含む(ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である)ガラス組成物を含む。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を
含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0129】
一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0130】
本発明のミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料は、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。ミサイルおよび他の爆薬発射装置用のケーシングで使用するための複合材料を含む本発明の一部の実施形態では、ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂を含むことができる。そうした用途で使用することができる一般的な熱硬化性樹脂の例には、これらに限定されないが、エポキシ、フェノール系、ポリエステル、および当技術分野に公知の他の熱硬化性樹脂が含まれる。
【0131】
本発明の複合材料についての多くの例示的な使用および用途が本明細書で説明されるが、当業者は、例えば、油およびガス産業での他の用途、輸送およびインフラに関連した他の用途、代替エネルギーにおける他の用途、他の高温断熱(すなわち、熱遮蔽)用途(より高い強度、より高いモジュラス、より高い軟化温度およびより高いガラス転移温度に起因する)等を含むそうした複合材料のための他の潜在的な使用を特定することができる。
【0132】
本発明の一部の実施形態は、プリプレグに関する。本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含むことができる。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:56~68重量%のSiO、11~20重量%未満のAl、12重量%またはそれ未満のCaO、7~17重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~5重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含む。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維
を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:60~68重量%のSiO、14~19重量%のAl、5重量%またはそれ未満のCaO、10~16重量%のMgO、0~1重量%のNaO、0~1重量%のKO、0.4~2重量%のLiO、0~2重量%のTiO、0~3重量%のB、0~1重量%のFe、0~4重量%のSnO、0~4重量%のZnO、約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維を含み、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは以下の成分:59~62重量%のSiO、14~19重量%のAl;4~8重量%のCaO;6~11重量%のMgO;0~1重量%のNaO;0~1重量%のKO;0~2重量%のLiO;0~3重量%のTiO;0~3重量%のB;0~1重量%のFe;0~2重量%のCuO;0~3重量%のSrO;約2~約6重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および合計0~11重量%の他の構成要素を含むガラス組成物を含み、ここで、NaO+KOの含量は約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、その少なくとも1つの希土類酸化物は、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、少なくとも3重量%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの希土類酸化物は、最大で約5重量%の量で存在する。他の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示される他のガラス組成物の1つから形成されたものである。
【0133】
一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触している本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂中に配置された本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも一部のロービングを含む。他の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触している本明細書で開示されるような少なくとも1つの糸を含む。さらに他の実施形態では、本発明のプリプレグは、ポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触している本明細書で開示されるような少なくとも1つの布地を含む。一部の実施形態では、本発明のプリプレグは、本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの緯糸、および本明細書で開示されるような少なくとも1つの繊維ガラスストランドを含む少なくとも1つの縦糸を含む。
【0134】
本発明のプリプレグは、所望の特性および用途に応じて、種々のポリマー樹脂を含むことができる。プリプレグを含む本発明の一部の実施形態では、ポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含む。プリプレグを含む本発明の他の実施形態では、ポリマー樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、フェノール系、ポリエステル、ビニルエステル、ポリジシクロペンタジエン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、シアン酸エステル、ビスマレイミドおよび熱硬化性ポリウレタン樹脂を含むことができる。
【0135】
本明細書で説明するガラス繊維のための用途の多くは強化用途であるが、本発明のガラス繊維の一部の実施形態は、プリント回路基板(「PCB」)などの電子機器用途で利用することができる。より特別には、本発明の一部の実施形態は、PCBの性能の増進を可能にする電気特性を有するガラス繊維強化に関する。例えば、本発明のガラス繊維の一部の実施形態は、電子機器用途に望ましい絶縁定数(D)を有することができる。「誘電率(permittivity)」としても公知である材料の絶縁定数(D)は、材料が電気エネル
ギーを貯蔵する能力の尺度である。コンデンサとして使用される材料は比較的高いDを有することが望ましいのに対して、PCB基材の一部として使用される材料は、特に高速回路について、低いDを有することが望ましい。Dは、2枚の金属板間の所与の材料の貯蔵される電荷(すなわち、キャパシタンス)と、その同じ2枚の金属板間の空隙(空気または真空)によって貯蔵される電荷の量の比である。別の例として、本発明のガラス繊維の一部の実施形態は、電子機器用途に望ましい熱膨張係数を有することができる。したがって、本発明の一部の実施形態は、これらに限定されないが、プリント回路基板、プリント回路基板の前駆体(例えば、布地、積層物、プリプレグ等)を含む様々な電気的用途で使用することができる。そうした実施形態では、電気的用途で使用されることになるプリント回路基板または他の複合材料はポリマー樹脂、およびそのポリマー樹脂と接触した複数のガラス繊維を含むことができ、その複数のガラス繊維の少なくとも1つは、本発明の一部として本明細書で開示されるガラス組成物のいずれかから形成されたものである。ポリマー樹脂は、プリント回路基板または他の電気的用途で使用するための当技術分野で公知のもののいずれかを含むことができる。
【0136】
次に本発明のガラス繊維および関連製品を製造する方法のことを考えると、本発明のガラス繊維は、その繊維の組成物を形成させる特定の酸化物を供給するのに使用される原料をブレンドすることによって、当技術分野で周知の慣用的な仕方で調製することができる。本発明の種々の実施形態によるガラス繊維は、ガラス繊維を形成させるための当技術分野で公知の任意のプロセス、より望ましくは、本質的に連続したガラス繊維を形成させるための当技術分野で公知の任意のプロセスを使用して形成させることができる。例えば、本明細書で限定するわけではないが、本発明の非限定的な実施形態によるガラス繊維は、直接溶融または間接溶融による繊維形成法を使用して形成させることができる。これらの方法は当技術分野で周知であり、本開示を考慮すれば、そのさらなる考察が必要とは考えられない。例えば、K.L.Loewenstein、The Manufacturing Technology of Continuous Glass Fibers、第3版、Elsevier、N.Y.、1993年、47~48頁および117~234頁を参照されたい。
【0137】
ガラス繊維の形成に続いて、当業者に公知の適切な任意の方法を使用して、主サイジング組成物をガラス繊維に施用することができる。一部の実施形態では、このサイジング組成物は、ガラス繊維の形成後、直ちに施用することができる。一般に、本発明の繊維ガラスストランド、布地、複合材料、積層物およびプリプレグを形成させるために使用されるガラス繊維は、サイジング組成物で少なくとも部分的にコーティングされることになる。当業者は、例えばサイジング組成物の性能特性、得られる布地の所望の柔軟性、コストおよび他の因子を含む多くの因子にもとづいて、ガラス繊維のための多くの市販のサイジング組成物の1つを選択することができる。一部の実施形態では、そのサイジング組成物は、澱粉・油脂サイジング組成物を含まない。澱粉・油脂サイジング組成物を含まないサイジング組成物を含む本発明の一部の実施形態では、サイジングされたガラス繊維またはガラス繊維ストランドは、製織用途においてその繊維またはストランドを使用する前に、スラッシング組成物でさらに処理する必要はない。澱粉・油脂サイジング組成物を含まないサイジング組成物を含む他の実施形態では、サイジングされたガラス繊維またはガラス繊維ストランドを、製織用途において繊維またはストランドを使用する前に、任意選択で、スラッシング組成物でさらに処理することができる。主サイジング組成物を含む本発明の一部の実施形態では、そのサイジング組成物は、澱粉・油脂サイジング組成物を含むことができる。澱粉・油脂サイジング組成物を含む本発明の一部の実施形態では、その澱粉・油脂サイジング組成物を、後で、少なくとも1つのサイジングされたガラス繊維または繊維ガラスストランドから形成された布地から除去することができる。一部の実施形態では、澱粉・油脂サイジング組成物は、これに限定されないが加熱クリーニングなどの当業者に公知の適切な任意の方法を使用して、布地から除去することができる。澱粉・油脂サイジング組成物が除去された布地を含む本発明の実施形態では、本発明の布地を、仕上げコ
ーティングでさらに処理し得る。
【0138】
本発明の一部の実施形態で使用できる市販のサイジング組成物の非限定的な例には、Hybon(登録商標)2026、Hybon(登録商標)2002、Hybon(登録商標)1383、Hybon(登録商標)2006、Hybon(登録商標)2022、Hybon(登録商標)2032、Hybon(登録商標)2016およびHybon(登録商標)1062などのシングルエンドロービングでしばしば使用されるサイジング組成物、ならびに、そのそれぞれがPPG Industries,Inc.から市販されている製品のためのサイジング組成物に向けられる1383、611、900、610、695および690などの糸類でしばしば使用されるサイジング組成物が含まれる。
【0139】
本発明の繊維ガラスストランドは、当業者に公知の任意の適切な方法で調製することができる。本発明のガラス繊維布地は、一般に、これに限定されないが、ウェフト糸(weft
yarn)(「緯糸」とも称される)の複数の縦糸中への織り込みなどの当業者に公知の適切な任意の方法によって作製することができる。そうした織り込みは、一般に平行で平らな配列で縦糸を織機上に位置決めし、続いて、そのウェフト糸を所定の繰り返しパターンで縦糸の上下を通して、ウェフト糸を縦糸に製織することによって遂行することができる。使用されるパターンは、所望の布地スタイルによって決まる。
【0140】
縦糸は一般に、当業者に公知の手法を使用して調製することができる。縦糸は、ブッシングまたはスピナーからの複数の溶融ガラスストリームを細くする(attenuate)ことに
よって形成させることができる。続いて、サイジング組成物を個々のガラス繊維に施用し、その繊維を一緒に寄せ集めてストランドを形成させることができる。このストランドは、続いて、そのストランドを、ツイストフレームを介してボビンに移すことによって糸類に加工することができる。この移動の間、ストランドに撚りがもたらされて、繊維の束を一緒に保持するのを支援することができる。次いで、これらの撚られたストランドをボビンで巻き取り、そのボビンを製織工程で使用することができる。
【0141】
織機への縦糸の位置決めは、一般に、当業者に公知の手法を使用して行うことができる。織機への縦糸の位置決めは、織機ビームで行うことができる。織機ビームは、本質的に並列配置で円筒状コア周りに巻き取られた指定数の縦糸(「経糸(ends)」とも称される)(「縦糸シート」とも称される)を含む。織機ビームの調製は、各パッケージが織機ビームに必要な経糸数のフラクションを含む複数の糸のパッケージを一緒にして、単一のパッケージまたは織機ビームにするステップを含むことができる。本明細書で限定しようとするものではないが、例えば、DE75糸インプットを利用する50インチ(127cm)幅の7781スタイル布地は、典型的に、2868の経糸を必要とする。しかし、織機ビームを形成させるための従来の機器では、これらの経糸のすべてを1つの動作でボビンから単一ビームへ移せるようになっていない。したがって、典型的に「セクションビーム(section beam)」と称される、必要な数の経糸のフラクションを含む複数ビームを生
成し、次いで一緒にして織機ビームを形成させることができる。織機ビームと同様の仕方で、セクションビームは、その周りに巻き取られた複数の本質的に平行な縦糸を含む円筒状コアを含むことができる。そのセクションビームが、最終的な織機ビームを形成させるのに必要な任意の数の縦糸を含むことができることを当業者は理解されていようが、一般に、セクションビーム上に含有される経糸の数は、整経クリールの能力によって限定される。7781スタイル布地について、それぞれDE75糸からなる717の経糸の4つのセクションビームが典型的に提供され、一緒にされた場合、上記で論じたような、縦糸シートに必要な2868の経糸が提供される。
【0142】
本発明の複合材料は、これらに限定されないが、真空支援型樹脂注入成形、押出配合(extrusion compounding)、圧縮成形、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインデ
ィング、プリプレグ/オートクレーブ養生(autoclave curing)および引き抜き成形な
どの当業者に公知の適切な任意の方法で調製することができる。本発明の複合材料は、当業者に公知のそうした成形技術を使用して調製することができる。特に、織られた繊維ガラス布地を組み込んだ本発明の複合材料の実施形態は、そうした複合材料を調製するための当業者に公知の技術を使用して調製することができる。
【0143】
一例として、本発明のいくつかの複合材料は、真空支援型圧縮成形を使用して作製することができ、この技術は、当業者に周知であり、以下で簡単に説明される。当業者に公知のように、真空支援型圧縮成形では、事前含浸されたガラス布地のスタックがプレスプラテン内に置かれる。本発明の一部の実施形態では、事前含浸されたガラス布地のスタックは、所望のサイズおよび形状に切断された本明細書で説明されるような本発明の1つまたは複数の布地を含むことができる。対応する数の層についての積み重ね操作が完了すると、このプレスは閉じられ、プラテンが真空ポンプに連結され、それによって、所望の圧力が達成されるまで上部プラテンが布地のスタックを上から圧縮する。真空は、スタック中での同伴空気の排出を支援し、積層成形物における空隙率(void content)の低下をも
たらす。プラテンの真空ポンプとの連結の後、次いで、樹脂(例えば、熱硬化性樹脂)の変換速度を加速するために、プラテンの温度を利用される樹脂に特有の所定の温度設定へ上昇させ、その積層物が完全硬化に達するまで、その温度および圧力設定に保つ。この時点で、加熱を止め、水の循環によって、室温に達するまでプラテンを冷却する。次いでプラテンを開放し、その積層成形物をプレスから取り出すことができる。
【0144】
別の例として、本発明のいくつかの複合材料は、本明細書でさらに説明されるような真空支援型樹脂注入技術を使用して作製することができる。本発明のガラス繊維布地のスタックは、所望のサイズに切断し、シリコーン離型(silicone release)処理されたガラ
ステーブルに置くことができる。次いでこのスタックを剥離層(peel ply)で覆い、流
動増進媒体を合わせ、ナイロン袋詰めフィルムを使用して真空袋詰めをすることができる。次に、いわゆる「レイアップ(lay up)」を、約27インチHgの真空圧にかけるこ
とができる。別個に、繊維ガラス布地で強化しようとするポリマー樹脂を、その特定の樹脂のための当業者に公知の手法を使用して調製することができる。例えば、いくつかのポリマー樹脂のために、適切な樹脂(例えば、アミン硬化性エポキシ樹脂)を、樹脂製造業者によって推奨されているか、あるいは当業者に公知の割合で、適切な硬化剤(例えば、アミン硬化性エポキシ樹脂用のアミン)と混合することができる。次いで組み合わされた樹脂を、真空チャンバー中で30分間脱ガスし、布地スタックの実質的に完全なウエットアウトが達成されるまで、布地プレフォームを通して注入することができる。この時点で、テーブルを、加熱したブランケット(約45~50℃の温度に設定)で24時間覆うことができる。次いで、得られた剛性の複合材料を離形させ、プログラマブル対流式オーブン中、約250°Fで4時間、後硬化させることができる。しかし、当業者に公知であるように、脱ガス時間、加熱時間および後硬化条件などの種々のパラメーターを、使用される具体的な樹脂系をもとにして変えることができ、具体的な樹脂系にもとづいたそうしたパラメーターの選択の仕方は当業者によって理解されている。
【0145】
本発明のプリプレグは、これらに限定されないが、繊維ガラスストランド、ロービングまたは布地を、溶剤型樹脂または樹脂フィルムを使用して、樹脂浴に通過させることなどを含む、当業者に公知の適切な任意の手段によって調製することができる。
【0146】
上述したように、一部の実施形態では、本発明の複合材料は、ポリマー樹脂を含むことができる。様々なポリマー樹脂を使用することができる。一部の実施形態では、強化用途で有用であることが公知のポリマー樹脂が特に有用であり得る。一部の実施形態では、ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂を含むことができる。本発明の一部の実施形態において有用な熱硬化性樹脂系は、これらに限定されないが、エポキシ樹脂系、フェノールベースの樹
脂、ポリエステル、ビニルエステル、熱硬化性ポリウレタン、ポリジシクロペンタジエン(pDCPD)樹脂、シアン酸エステルおよびビスマレイミドを含むことができる。一部の実施形態では、ポリマー樹脂はエポキシ樹脂を含むことができる。他の実施形態では、ポリマー樹脂は熱可塑性樹脂を含むことができる。本発明の一部の実施形態において有用な熱可塑性ポリマーには、これらに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロンを含む)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリフェニレンスルフィドおよびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれる。本発明の一部の実施形態において有用な市販のポリマー樹脂の非限定的な例には、Epikure MGS RIMH 1366硬化剤でのEPIKOTE Resin MGS(登録商標)RIMR 135エポキシ(Columbus、OhioのMomentive Specialty Chemicals Inc.から入手できる)、Applied Poleramic MMFCS2エポキシ(Applied Poleramic,Inc.、Benicia、Californiaから入手できる)およびEP255改質エポキシ(Barrday Composite Solutions、Millbury、MAから入手できる)が含まれる。
【0147】
本発明を、以下の一連の特定の実施形態によって例示することとする。しかし、当業者は、発明の原理によって、他の多くの実施形態が企図されることを理解されよう。
【実施例0148】
表1は、本発明の種々の実施形態による複数の繊維化可能なガラス組成物ならびにそうした組成物の種々の特性に関連するデータを提供する。実施例1、20、21、25、62および77は比較例であるが、残りの実施例は本発明の種々の実施形態を表す。表2は、本発明の種々の他の実施形態による複数の繊維化可能なガラス組成物ならびにそうした組成物の種々の特性に関連するデータを提供する。表3も、本発明の種々の他の実施形態による複数の繊維化可能なガラス組成物ならびにそうした組成物の種々の特性に関連するデータを提供する。
【0149】
これらの実施形態におけるガラスは、粉末形態の市販の化学品と試薬グレード化学品(試薬グレード化学品は希土類酸化物についてのみ使用した)の混合物を10%Rh/Ptるつぼ中で、1500℃~1550℃(2732°F~2822°F)の間の温度で4時間溶融させることによって作製した。各バッチは約1000グラムであった。4時間の溶融期間の後、クエンチさせるために、その溶融ガラスを鋼板上に注加した。ガラス中でそれらが低濃度であるので、フッ化物やアルカリ酸化物などの揮発性の種は、バッチにおいて、それらの放出損失について調整はしなかった。実施例における組成は、バッチとしての組成を表す。市販の原料をガラスの調製において使用した。バッチ計算において、各ガラス中の酸化物を計算するために、特別の原料保持ファクターを考慮した。これらの保持ファクターは、長年にわたるガラスバッチ溶融、および測定されたガラス中の酸化物収率にもとづいている。したがって、実施例において例示されたバッチとしての組成は、測定された組成に近似していると考えられる。
溶融特性
【0150】
温度の関数としての溶融粘度および液相温度を、それぞれ、ASTM試験方法C965「軟化点超でのガラスの粘度測定のための標準実施法(Standard Practice for Measuring Viscosity of Glass Above the Softening Point)」およびC829「勾配炉法によるガラスの液相温度測定のための標準実施法(Standard Practices for Measurement of Liquidus Temperature of Glass by the Gradient Furnace Method)」を使用して決定した。
【0151】
表1~3は、それらのガラス組成物についての、測定液相温度(T)、1000ポア
ズの溶融粘度で定義される基準形成温度(T)および100ポアズの粘度で定義される基準溶融温度(T)を含む。形成温度と液相温度(ΔT)の差も示されている。表1~3は、組成物のいくつかについての軟化温度(Tsoft)、ガラス転移温度(T)および熱膨張係数(CTE)も提供している。軟化温度(Tsoft)値は、ASTM試験方法C338-93「ガラスの軟化点のための標準試験方法(Standard Test Method for Softening Point of Glass)」(2008年)にしたがって測定した。ガラス転移温度(Tg)値は、ASTM試験方法C336-71「繊維の伸びによるアニーリング点およびひずみ点(Annealing Point and Strain Point by Fiber Elongation)
」にしたがって測定した。熱膨張係数(CTE)値は、ASTM E228-11「押し棒式膨張計での固体材料の線熱膨張のための標準試験方法(Standard Test Method for Linear Thermal Expansion of Solid Materials with a Push-Rod Dilatometer)」にしたがって決定した。
機械的特性
【0152】
繊維引張強度試験のため、ガラス組成物からの繊維試料を10Rh/90Pt単一チップ繊維延伸ユニットにより生成した。所与の組成物の約85グラムのカレットを、ブッシング溶融ユニット中に供給し、100ポアズ溶融粘度近傍またはそれに等しい温度で2時間コンディショニングした。この溶融物を、1000ポアズ溶融粘度近傍またはそれに等しい温度まで低下させ、繊維延伸前に1時間安定化させた。繊維延伸巻き取り機の速度を制御することによって、繊維直径を制御して、約10μm直径の繊維を生成した。すべての繊維試料を、異物との接触なく、空気中で捕らえた。繊維延伸は、40~45%RHの間の制御された湿度の部屋で実施した。
【0153】
繊維引張強度は、Kawabata C型ロードセルを備えたKawabata KES-G1(Kato Tech Co.Ltd.、日本)の引張強度分析器を使用して測定した。繊維試料を、樹脂接着剤を使用してペーパーフレーミングストリップに載せた。破壊されるまで、引張力を繊維に加え、これから、繊維直径および破壊応力をもとにして、繊維強度を決定した。試験は、40~45%RHの間の制御された湿度下、室温で実施した。平均値を、各組成物について、65~72個の繊維の試料サイズをもとにして計算した。表1~3は、組成物の一部から形成された繊維についての平均引張強度を報告する。比強度は、引張強度値(N/mで)を対応する密度(g/mで)で除して計算した。
【0154】
以下の手法を使用して、表1および表2の特定のガラス組成物についてヤング率も測定した。表1、表2または表3の適切な実施例に対応する組成を有する約50グラムのガラスカレットを、90Pt/10Rhるつぼ中、100ポアズで定義される溶融温度で2時間再溶融させた。次いで、るつぼを、垂直管、電気的に加熱された炉に移した。炉の温度は、1000ポアズ溶融粘度近傍またはそれに等しい繊維引き抜き温度にプリセットした。ガラスを、繊維延伸前にその温度で1時間平衡化させた。繊維延伸炉の頂部には、センターホールを備えたカバーがあり、繊維の冷却を調節するために、その上に水冷した銅コイルを載せた。次いで、シリカロッドを、冷却コイルを通してその溶融物中に手動で浸漬させ、約1~1.5mの長さで繊維を延伸し、収集した。繊維の直径は、一端の100μから他端の1000μmまでの範囲であった。
【0155】
ガラス溶融物から延伸された繊維について、弾性係数を、超音波音響パルス技術(Waltham、MassachusettsのPanametrics,Inc.からのPanatherm5010ユニット)を使用して決定した。伸長波動反射時間(extensional wave reflection time)を、20マイクロ秒の期間、200kHzパルスを使用
して得た。試料の長さを測定し、それぞれの伸長波動速度(V)を計算した。繊維密度(ρ)はMicromeritics AccuPyc 1330比重瓶を使用して測定
した。各組成物について約20回の測定を行い、平均ヤング率(E)を以下の式:
【数1】
により計算した。
【0156】
モジュラス試験器は1mmの直径を有する波動ガイドを使用し、これは、その波動ガイドでの接触側の繊維直径が、波動ガイド直径とほぼ同じになるように設定される。言い換えれば、1000μmの直径を有する繊維の端部を、波動ガイドの接触側で連結させた。種々の直径を有する繊維をヤング率について試験し、結果は、100~1000μmで繊維直径は、繊維モジュラスに影響を及ぼさないことを示している。比モジュラス値は、ヤング率値を対応する密度で除して計算した。
【0157】
表1~3における「繊維破壊ひずみ(%)」(すなわち、繊維伸び率)の値は、フックの法則にもとづき、引張強度値を対応するヤング率値(同じ単位で(例えば、すべてMPaで))で除し、100を乗ずることによって判定した。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【0158】
これらのデータのいくつかを図1~4にプロットした。図1は、実施例1~17、22および23におけるガラス組成物について、希土類酸化物(RE)の量に対するヤング率値を示すチャートである。図2は、実施例1~17、22および23におけるガラス組成物について、希土類酸化物(RE)の量に対する初期繊維引張強度値を示すチャートである。図3は、実施例81~89のガラス組成物について、希土類酸化物(RE)の量に対する軟化およびガラス転移温度を示すチャートである。図4は、実施例81~89のガラス組成物について、酸化スカンジウム(Sc)の量に対する線熱膨張係数を示すチャートである。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表3-1】
【表3-2】
【0159】
本発明の様々ではあるが必ずしもすべてではない実施形態によって示すことができる望ましい特徴は、これらに限定されないが、以下の:比較的低い密度を有するガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、複合材料および関連製品の提供;比較的高い引張強度を有するガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、複合材料および積層物の提供;比較的低い密度を有するガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、複合材料および関連製品の提供;比較的高いモジュラスを有するガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、複合材料および積層物の提供;比較的高い伸び率を有するガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、複合材料および積層物の提供;強化用途に有用なガラス繊維、繊維ガラスストランド、ガラス繊維布地、プリプレグおよび他の製品の提供などを含むことができる。
【0160】
本説明は、本発明の明確な理解に関連する本発明の態様を例示することを理解されたい。当業者に明らかと思われる、したがって、本発明のより良好な理解を容易にしそうにはない本発明の特定の態様は、本説明を簡略化するために、示されていない。本発明を、特定の実施形態の関連で説明してきたが、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されず、本発明の趣旨および範囲内の修正形態を包含するものとする。
【0161】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
SiO 56~68重量%;
Al 11~20重量%未満;
CaO 12重量%またはそれ未満;
MgO 7~17重量%;
NaO 0~1重量%;
O 0~1重量%;
LiO 0~5重量%;
TiO 0~2重量%;
0~3重量%;
Fe 0~1重量%;
SnO 0~4重量%;
ZnO 0~4重量%;
0.05重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
他の構成要素 合計0~11重量%
を含む、繊維形成に適したガラス組成物。
(項2)
Alが、約14~約19重量%の間の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項3)
MgOが、約10~約16重量%の間の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項4)
CaOの含量が約5重量%未満である、上記項1に記載のガラス組成物。
(項5)
NaO+KO+LiOの含量が1重量%超である、上記項1に記載のガラス組成物。
(項6)
NaO+KOの含量が約0.5重量%未満である、上記項5に記載のガラス組成物。
(項7)
NaO+KOの含量が約0.5重量%未満である、上記項1に記載のガラス組成物。
(項8)
LiOの含量が約0.4~約2重量%の間である、上記項1に記載のガラス組成物。(項9)
SiOの含量が少なくとも60重量%である、上記項1に記載のガラス組成物。
(項10)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、少なくとも1重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項11)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、少なくとも3重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項12)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約8重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項13)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約5重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項14)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む、上記項1に記載のガラス組成物。
(項15)
ZnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項16)
SnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項17)
CeOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項18)
SnOとCeOの両方が、最大で約8重量%の総量で存在する、上記項1に記載のガラス組成物。
(項19)
を実質的に含まない、上記項1に記載のガラス組成物。
(項20)
最大で約5重量%の量でNbをさらに含む、上記項1に記載のガラス組成物。
(項21)
SiO 60~68重量%;
Al 14~19重量%;
CaO 5重量%またはそれ未満;
MgO 10~16重量%;
NaO 0~1重量%;
O 0~1重量%;
LiO 0~2重量%;
TiO 0~2重量%;
0~3重量%;
Fe 0~1重量%;
SnO 0~4重量%;
ZnO 0~4重量%;
1重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
他の構成要素 合計0~11重量%
を含む、繊維形成に適したガラス組成物。
(項22)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、少なくとも3重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項23)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約8重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項24)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約5重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項25)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む、上記項21に記載のガラス組成物。
(項26)
ZnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項27)
SnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項28)
CeOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項29)
SnOとCeOの両方が、最大で約8重量%の総量で存在する、上記項21に記載のガラス組成物。
(項30)
を実質的に含まない、上記項21に記載のガラス組成物。
(項31)
最大で約5重量%の量でNbをさらに含む、上記項21に記載のガラス組成物。(項32)
SiO 60~68重量%;
Al 14~19重量%;
CaO 5重量%またはそれ未満;
MgO 10~16重量%;
NaO 0~1重量%;
O 0~1重量%;
LiO 0.4~2重量%;
TiO 0~2重量%;
0~3重量%;
Fe 0~1重量%;
SnO 0~4重量%;
ZnO 0~4重量%;
約1~約8重量%の間の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
他の構成要素 合計0~11重量%
を含み、NaO+KOの含量が約0.5重量%未満である、繊維形成に適したガラス組成物。
(項33)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、少なくとも3重量%の量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項34)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約5重量%の量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項35)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む、上記項32に記載のガラス組成物。
(項36)
ZnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項37)
SnOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項38)
CeOが、最大で約4重量%の量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項39)
SnOとCeOの両方が、最大で約8重量%の総量で存在する、上記項32に記載のガラス組成物。
(項40)
を実質的に含まない、上記項32に記載のガラス組成物。
(項41)
最大で約5重量%の量でNbをさらに含む、上記項32に記載のガラス組成物。(項42)
SiO 59~62重量%;
Al 14~19重量%;
CaO 4~8重量%;
MgO 6~11重量%;
NaO 0~1重量%;
O 0~1重量%;
LiO 0~2重量%;
TiO 0~3重量%;
0~3重量%;
Fe 0~1重量%;
CuO 0~2重量%;
SrO 0~3重量%;
3重量%以上の量の少なくとも1つの希土類酸化物;および
他の構成要素 合計0~11重量%
を含む、繊維形成に適したガラス組成物。
(項43)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、少なくとも4重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項44)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約8重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項45)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、最大で約5重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項46)
前記少なくとも1つの希土類酸化物が、La、Y、Sc、Nd、CeO、SmおよびGdの少なくとも1つを含む、上記項42に記載のガラス組成物。
(項47)
SrOが、最大で約3重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項48)
CuOが、最大で約2重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項49)
が、最大で約5重量%の量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項50)
CuOとSrOの両方が、最大で約5重量%の総量で存在する、上記項42に記載のガラス組成物。
(項51)
を実質的に含まない、上記項42に記載のガラス組成物。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】