(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024610
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20230209BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
F24F7/007 C
F24F7/06 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204003
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2018176477の分割
【原出願日】2018-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山岸 智和
(72)【発明者】
【氏名】小松 晃
(57)【要約】
【課題】調理中にファンの風量やフィルタの回転数が油煙の発生量に追従できるようにし、使用者の使用感と満足感を向上させたレンジフードを提供する。
【解決手段】調理器の天面温度を検知する温度センサ300と、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファン116と、温度センサ300が検知する天面温度と閾値温度とを比較しファン116の風量のモードを段階的に決定する制御部130と、を有し、制御部130は、決定したモードにファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファン116の風量を移行させる決定をしたときには、決定したモードにファン116の風量を移行させているときのファン116の風量の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で他のモードにファン116の風量を移行させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記ファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量を移行させる決定をしたときには、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させているときの前記ファンの風量の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で前記他のモードに前記ファンの風量を移行させる、レンジフード。
【請求項2】
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量を移行させる決定をしたときには、前記ファンの風量を即座に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記ファンの風量の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させているときの前記ファンの風量の増加率または減少率よりも大きい、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量を移行させる決定をしたときには、前記ファンの風量を決定した前記モードに移行させた後に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記ファンの風量の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記ファンの風量を移行させるときの前記ファンの風量の増加率または減少率よりも大きい、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記ファンの風量が前記第1モードから前記第2モードの風量に移行されている途中で、前記ファンの風量のモードを即座に前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記ファンの風量の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させているときの前記ファンの風量の増加率よりも大きい、請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記ファンの風量が前記第3モードから前記第2モードの風量に移行されている途中で、前記ファンの風量のモードを即座に前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記ファンの風量の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させているときの前記ファンの風量の減少率よりも大きい、請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記ファンの風量が前記第1モードから前記第2モードの風量に移行されている途中で、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させた後に前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記ファンの風量の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させるときの前記ファンの風量の増加率よりも大きい、請求項1または3に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記ファンの風量が前記第3モードから前記第2モードの風量に移行されている途中で、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させた後に前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記ファンの風量の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させるときの前記ファンの風量の減少率よりも大きい、請求項1または3に記載のレンジフード。
【請求項8】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記ファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記ファンの風量のモードを前記第1モードで運転しているときに、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記ファンの風量の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させるときの前記ファンの風量の増加率よりも大きい、レンジフード。
【請求項9】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記ファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記ファンの風量のモードを前記第3モードで運転しているときに、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記ファンの風量の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記ファンの風量を移行させるときの前記ファンの風量の減少率よりも大きい、レンジフード。
【請求項10】
調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させているときの前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で前記他のモードに前記フィルタの回転数を移行させる、レンジフード。
【請求項11】
前記制御部は、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、前記フィルタの回転数を即座に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させているときの前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きい、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項12】
前記制御部は、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、前記フィルタの回転数を決定した前記モードに移行させた後に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記フィルタの回転数を移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きい、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項13】
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記フィルタの回転数が前記第1モードから前記第2モードの回転数に移行されている途中で、前記フィルタの回転数のモードを即座に前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させているときの前記フィルタの回転数の増加率よりも大きい、請求項10または11に記載のレンジフード。
【請求項14】
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記フィルタの回転数が前記第3モードから前記第2モードの回転数に移行されている途中で、前記フィルタの回転数のモードを即座に前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させているときの前記フィルタの回転数の減少率よりも大きい、請求項10または11に記載のレンジフード。
【請求項15】
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記フィルタの回転数が前記第1モードから前記第2モードの回転数に移行されている途中で、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させた後に前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率よりも大きい、請求項10または12に記載のレンジフード。
【請求項16】
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が、前記フィルタの回転数が前記第3モードから前記第2モードの回転数に移行されている途中で、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させた後に前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させるときの前記フィルタの回転数の減少率よりも大きい、請求項10または12に記載のレンジフード。
【請求項17】
調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記フィルタの回転数のモードを前記第1モードで運転しているときに、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第3モードに移行させる決定をしたとき、
前記第3モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率は、前記第1モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させるときの前記フィルタの回転数の増加率よりも大きい、レンジフード。
【請求項18】
調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、前記第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、前記第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記フィルタの回転数のモードを前記第3モードで運転しているときに、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第1モードに移行させる決定をしたとき、
前記第1モードに移行させるときの前記フィルタの回転数の減少率は、前記第3モードから前記第2モードに前記フィルタの回転数を移行させるときの前記フィルタの回転数の減少率よりも大きい、レンジフード。
【請求項19】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記ファンの風量および前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させているときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で前記他のモードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させる、レンジフード。
【請求項20】
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を即座に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させているときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きい、請求項19に記載のレンジフード。
【請求項21】
前記制御部は、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させているときに、さらに他のモードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を決定した前記モードに移行させた後に前記他のモードに移行させ、
前記他のモードに移行させるときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率または減少率は、決定した前記モードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させるときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きい、請求項19に記載のレンジフード。
【請求項22】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記ファンの風量および前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第4モード、前記第4モードの回転数よりも大きい回転数の第5モード、前記第5モードの回転数よりも大きい回転数の第6モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記ファンの風量のモードを前記第1モードで、および前記フィルタの回転数のモードを前記第4モードで運転しているときに、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第5モードに移行させることなく、前記ファンの風量のモードを前記第3モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードに移行させる決定をしたとき、
前記ファンの風量のモードを前記第3モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードにそれぞれ移行させるときの、前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率は、前記ファンの風量のモードを前記第1モードから前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第4モードから前記第5モードに、それぞれ移行させるときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の増加率よりも大きい、レンジフード。
【請求項23】
調理器で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、
前記調理器で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、
前記ファンの風量および前記フィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、
前記制御部が段階的に決定する前記ファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、前記第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、前記第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、
前記制御部が段階的に決定する前記フィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第4モード、前記第4モードの回転数よりも大きい回転数の第5モード、前記第5モードの回転数よりも大きい回転数の第6モードの3つのモードを有し、
前記制御部が前記ファンの風量のモードを前記第3モードで、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードで運転しているときに、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第5モードに移行させることなく、前記ファンの風量のモードを前記第1モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第4モードに移行させる決定をしたとき、
前記ファンの風量のモードを前記第1モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第4モードにそれぞれ移行させるときの、前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の減少率は、前記ファンの風量のモードを前記第3モードから前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードから前記第5モードに、それぞれ移行させるときの前記ファンの風量および前記フィルタの回転数の減少率よりも大きい、レンジフード。
【請求項24】
前記制御部が、前記他のモードに前記ファンの風量を移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量を前記他のモードに移行させる、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項25】
前記制御部が、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第3モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量のモードを前記第3モードに移行させる、請求項8に記載のレンジフード。
【請求項26】
前記制御部が、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第1モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量のモードを前記第1モードに移行させる、請求項9に記載のレンジフード。
【請求項27】
前記制御部が、前記他のモードに前記フィルタの回転数を移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記フィルタの回転数を前記他のモードに移行させる、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項28】
前記制御部が、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第3モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記フィルタの回転数のモードを前記第3モードに移行させる、請求項17に記載のレンジフード。
【請求項29】
前記制御部が、前記フィルタの回転数のモードを前記第2モードに移行させることなく前記第1モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記フィルタの回転数のモードを前記第1モードに移行させる、請求項18に記載のレンジフード。
【請求項30】
前記制御部が、前記他のモードに前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量および前記フィルタの回転数を前記他のモードに移行させる、請求項19に記載のレンジフード。
【請求項31】
前記制御部が、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第5モードに移行させることなく、前記ファンの風量のモードを前記第3モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量のモードを前記第3モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第6モードに移行させる、請求項22に記載のレンジフード。
【請求項32】
前記制御部が、前記ファンの風量のモードを前記第2モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第5モードに移行させることなく、前記ファンの風量のモードを前記第1モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第4モードに移行させるときには、ウエイト時間を置かずに、前記ファンの風量のモードを前記第1モードに、および前記フィルタの回転数のモードを前記第5モードに移行させる、請求項23に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンジフードに設けた温度センサにより調理器の天面温度を検知し、検知した天面温度に基づいて、レンジフードの風量を段階的に制御するレンジフードが知られている(特許文献1)。このレンジフードは、検知した温度が閾値温度以上となれば、風量をアップさせ、その後温度が下がって閾値温度以下となれば、風量をダウンさせるという制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されているレンジフードのように、風量のアップとダウンを段階的に行なうようになっていると、次のような不具合が生じる。たとえば、調理器の火力を急激に強めることによって、調理物に急激な温度上昇が生じた場合でも、段階的に風量がアップするため、目標の風量まで風量を一気にアップさせることができず、目標の風量に到達するまでに時間がかかってしまう。鍋や調理物温度の急上昇によって油煙も急激に増加するが、ファンの風量が油煙の増加に追い付かないと、油煙を速やかに捕集して排気させることが難しくなり、捕集しきれない油煙が室内に漂ってしまう恐れがある。
【0005】
また、調理の火力を急激に弱める、もしくは具材を投入することによって、調理物の温度が下がった場合でも、段階的に風量がダウンするため、目標の風量まで風量を一気にダウンさせることができない。調理物の温度が下がると油煙が急激に減少するが、ファンの風量が油煙の減少に追い付かないと、ファンを無駄に回すことになって電力を必要以上に消費することになり、騒音が発生する。以上のことは、油煙に含まれる油分を除去するフィルタの回転数についても同様に言える。
【0006】
そこで、本発明は、調理中にファンの風量やフィルタの回転数が油煙の発生量に追従できるようにし、使用者の使用感と満足感を向上させることができる、レンジフードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部は、決定したモードにファンの風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファンの風量を移行させる決定をしたときには、決定したモードにファンの風量を移行させているときのファンの風量の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で他のモードにファンの風量を移行させる。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればファンの風量のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればファンの風量のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればファンの風量のモードを第3モードに決定し、制御部がファンの風量のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、ファンの風量のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させ、第3モードに移行させるときのファンの風量の増加率は、第1モードから第2モードにファンの風量を移行させるときのファンの風量の増加率よりも大きい。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればファンの風量のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればファンの風量のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればファンの風量のモードを第3モードに決定し、制御部がファンの風量のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、ファンの風量のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させ、第1モードに移行させるときのファンの風量の減少率は、第3モードから第2モードにファンの風量を移行させるときのファンの風量の減少率よりも大きい。
【0010】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部は、決定したモードにフィルタの回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにフィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、決定したモードにフィルタの回転数を移行させているときのフィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で他のモードにフィルタの回転数を移行させる。
【0011】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するフィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればフィルタの回転数のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればフィルタの回転数のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればフィルタの回転数のモードを第3モードに決定し、制御部がフィルタの回転数のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、フィルタの回転数のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させ、第3モードに移行させるときのフィルタの回転数の増加率は、第1モードから第2モードにフィルタの回転数を移行させるときのフィルタの回転数の増加率よりも大きい。
【0012】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するフィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード、第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード、第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればフィルタの回転数のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればフィルタの回転数のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればフィルタの回転数のモードを第3モードに決定し、制御部がフィルタの回転数のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、フィルタの回転数のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させ、第1モードに移行させるときのフィルタの回転数の減少率は、第3モードから第2モードにフィルタの回転数を移行させるときのフィルタの回転数の減少率よりも大きい。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量およびフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部は、決定したモードにファンの風量およびフィルタの回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファンの風量およびフィルタの回転数を移行させる決定をしたときには、決定したモードにファンの風量およびフィルタの回転数を移行させているときのファンの風量およびフィルタの回転数の増加率または減少率よりも大きな増加率または減少率で他のモードにファンの風量およびフィルタの回転数を移行させる。
【0014】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量およびフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、制御部が段階的に決定するフィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第4モード、第4モードの回転数よりも大きい回転数の第5モード、第5モードの回転数よりも大きい回転数の第6モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればファンの風量のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればファンの風量のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればファンの風量のモードを第3モードに決定し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればフィルタの回転数のモードを第4モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればフィルタの回転数のモードを第5モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればフィルタの回転数のモードを第6モードに決定し、制御部がファンの風量のモードを第1モードで、およびフィルタの回転数のモードを第4モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、ファンの風量のモードを第2モードに、およびフィルタの回転数のモードを第5モードに移行させることなく、ファンの風量のモードを第3モードに、およびフィルタの回転数のモードを第6モードに移行させ、ファンの風量のモードを第3モードに、およびフィルタの回転数のモードを第6モードにそれぞれ移行させるときの、ファンの風量およびフィルタの回転数の増加率は、ファンの風量のモードを第1モードから第2モードに、およびフィルタの回転数のモードを第4モードから第5モードに、それぞれ移行させるときのファンの風量およびフィルタの回転数の増加率よりも大きい。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の他のレンジフードは、調理器の天面温度を検知する温度センサと、調理器の上方で発生する油煙を吸気し外部に排気させるファンと、調理器の上方で発生する油煙に含まれる油分を除去するために回転するフィルタと、温度センサが検知する天面温度と閾値温度とを比較しファンの風量およびフィルタの回転数のモードを段階的に決定する制御部と、を有し、制御部が段階的に決定するファンの風量のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード、第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード、第2モードの風量よりも大きい風量の第3モードの3つのモードを有し、制御部が段階的に決定するフィルタの回転数のモードは、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第4モード、第4モードの回転数よりも大きい回転数の第5モード、第5モードの回転数よりも大きい回転数の第6モードの3つのモードを有し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればファンの風量のモードを第1モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればファンの風量のモードを第2モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればファンの風量のモードを第3モードに決定し、制御部は、検知された天面温度が閾値温度t0未満であればフィルタの回転数のモードを第4モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t0以上t1未満であればフィルタの回転数のモードを第5モードに決定し、検知された天面温度が閾値温度t1以上であればフィルタの回転数のモードを第6モードに決定し、制御部がファンの風量のモードを第3モードで、およびフィルタの回転数のモードを第6モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、ファンの風量のモードを第2モードに、およびフィルタの回転数のモードを第5モードに移行させることなく、ファンの風量のモードを第1モードに、およびフィルタの回転数のモードを第4モードに移行させ、ファンの風量のモードを第1モードに、およびフィルタの回転数のモードを第4モードにそれぞれ移行させるときの、ファンの風量およびフィルタの回転数の減少率は、ファンの風量のモードを第3モードから第2モードに、およびフィルタの回転数のモードを第6モードから第5モードに、それぞれ移行させるときのファンの風量およびフィルタの回転数の減少率よりも大きい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調理中にファンの風量やフィルタの回転数が油煙の発生量に追従できるので、使用者の使用感と満足感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態にかかるレンジフードをキッチンに設置した場合の正面図である。
【
図2】実施形態にかかるレンジフードをキッチンに設置した場合の側面図である。
【
図3】実施形態にかかるレンジフードが備える操作パネルの正面図である。
【
図4】温度センサによる調理器の天面温度の検知状態を模式的に示す図である。
【
図5】実施形態にかかるレンジフードの制御系のブロック図である。
【
図6】実施形態にかかるレンジフードの動作フローチャートである。
【
図7】実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様1)を示す図である。
【
図8】従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。
【
図9】実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様2)を示す図である。
【
図10】従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。
【
図11】実施形態1のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様3)を示す図である。
【
図12】従来のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態を示す図である。
【
図13】実施形態1のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様4)を示す図である。
【
図14】従来のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態を示す図である。
【
図15】実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様5)を示す図である。
【
図16】実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様6)を示す図である。
【
図17】実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様7)を示す図である。
【
図18】実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様8)を示す図である。
【
図19】実施形態2のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様9)を示す図である。
【
図20】実施形態2のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様10)を示す図である。
【
図21】実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様11)を示す図である。
【
図22】実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様12)を示す図である。
【
図23】実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様13)を示す図である。
【
図24】実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様14)を示す図である。
【
図25】実施形態3のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様15)を示す図である。
【
図26】実施形態3のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様16)を示す図である。
【
図27】実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様17)を示す図である。
【
図28】実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様18)を示す図である。
【
図29】従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。
【
図30】実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様1)の変形例を示す図である。
【
図31】実施形態4のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様19)を示す図である。
【
図32】実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様7)の変形例を示す図である。
【
図33】実施形態4のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様20)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を、[実施形態1]から[実施形態3]に分けて、詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態のみに限定されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されている。したがって、各図面における各構成要素の寸法比率は実際とは異なる。また、図面において同一の要素には同一の符号を付し、明細書において重複する説明は省略する。
【0019】
(レンジフードの構成)
図1は、実施形態(実施形態1から3)にかかるレンジフードをキッチンに設置した場合の正面図である。また、
図2は、実施形態にかかるレンジフードをキッチンに設置した場合の側面図である。
【0020】
図1および
図2に示すように、実施形態にかかるレンジフード100は、調理器200の上部に設置される。レンジフード100は調理器200での調理時に生じる臭い、煙、油などを含む臭気や油煙を吸い込み外部に排気する。なお、例示する調理器200は、3つの熱源210(3つの熱源の総称)およびグリルの吹出口220を有する。本明細書において、調理器200は、ガス用またはIH用いずれの調理器でも良く、熱源とは、ガス用の調理器に対してはバーナーを、IH用の調理器に対してはヒーターを、それぞれ意味する。
【0021】
レンジフード100は、その中央部より左側の前面側の下面に、調理器200の天面温度を検知する温度センサ300を有する。温度センサ300は、図示点線で示される領域の温度を検知する。温度センサ300は、単眼温度センサであっても良いし、複眼温度センサであっても良い。複眼温度センサの場合、たとえば、8×8の64個の画素から形成される複眼温度センサを用いる。したがって、単眼温度センサの場合、調理器200の天面温度の平均値を検知する。一方、複眼温度センサの場合、調理器200の天面温度を64の領域ごとに検知する。複眼温度センサによる天面温度の検知については後で詳細に説明する。
【0022】
レンジフード100は、その上部に排気部110を備えている。排気部110は、調理器200からの臭気や油煙を排気する。排気部110は、調理器200の上方で発生する油煙を吸い込む吸気口112、屋外と連通する排気口114、吸気口112と排気口114とを結ぶ通路内に吸気口112から吸い込んだ油煙を排気口114に排気させるファン116を備えている。ファン116はファンモータ117によって駆動される。吸気口112とファン116との間に、吸気口112から吸い込んだ油煙から油分を除去するために回転するフィルタ(ディスク)118を備えている。フィルタ118はフィルタモータ119によって駆動される。なお、ファン116が回転している時にはフィルタ118も回転する。また、回転しない固定式の(普通の)フィルタを備えていても良いし、フィルタレスのレンジフードであっても良い。
【0023】
レンジフード100は、その上部の前面側に、レンジフード100の動作を指示するための操作パネル120を備えている。
【0024】
図3は、実施形態にかかるレンジフード100が備える操作パネル120の正面図である。操作パネル120は、運転スイッチ121、風量スイッチ122、風量自動スイッチ123、タイマースイッチ124、照明スイッチ125、および常時換気スイッチ126を有する。
【0025】
運転スイッチ121は、レンジフード100を動作させるためのスイッチである。風量スイッチ122は、ファン116の風量を、弱、中、強に手動で切り替えるためのスイッチである。風量自動スイッチ123は、温度センサ300が検知する調理器200の天面温度に応じて、ファン116の風量およびフィルタ118の回転数の段階を、自動的に切り替える制御を行わせるためのスイッチである。タイマースイッチ124は、ファン116を調理終了後に回転させる時間を設定するためのスイッチである。照明スイッチ125は、調理器200の上面を照らすLED電球を点灯/消灯させるためのスイッチである。常時換気スイッチ126は、ファン116を手動で回転/停止させることで常時換気の運転/停止を行うためのスイッチである。
【0026】
図4は、温度センサ300による調理器200の天面温度の検知状態を模式的に示す図である。上記の通り、温度センサ300は、レンジフード100の下面に取り付けられているので、調理器200の天面温度は、調理器200の熱源(バーナーまたはヒーター)210A、210B、210Cおよびグリルの吹出口220をカバーする領域で検知される。温度センサ300が単眼温度センサである場合には、調理器200の天面温度は、平均値として検知される。一方、温度センサ300が複眼温度センサである場合には、調理器200の天面温度は、
図4のように、たとえば8×8の64に分割された画素(Tij(i=1~8、j=1~8))ごとに検知される。なお、本実施形態では64画素の複眼温度センサを例示するが、画素の数はこれよりも少なくても良いし、多くても良い。
【0027】
図5は、実施形態にかかるレンジフード100の制御系のブロック図である。レンジフード100は、ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、操作パネル120、制御部130、および温度センサ300を有する。なお、制御部130は閾値温度記憶部135を備え、レンジフード100に内蔵されている。
【0028】
ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、操作パネル120、温度センサ300の構成および機能は上記の通りである。
【0029】
制御部130は、温度センサ300が検知する天面温度と閾値温度とを比較しファン116の風量のモードを決定する。また、制御部130は、温度センサ300が検知する天面温度と閾値温度とを比較しフィルタ118の回転数のモードを決定する。なお、制御部130は、フィルタ118を備えていないフィルタレスのレンジフード、または固定式のフィルタを備えているレンジフードの場合には、ファン116の風量のモードのみを決定する。また、制御部130は、ディスクタイプのフィルタ118を備えているレンジフードの場合には、フィルタ118の回転数のモード、またはファン116の風量のモードとフィルタ118の回転数のモードを決定する。
【0030】
制御部130は、ファン116の風量のモードとフィルタ118の回転数のモードとして、それぞれ下記の3つのモードを備えている。
【0031】
制御部130は、ファン116の風量のモードとして、少なくとも、ゼロまたは最も小さい風量の第1モード(たとえば「弱」)、第1モードの風量よりも大きい風量の第2モード(たとえば「中」)、第2モードの風量よりも大きい風量の第3モード(たとえば「強」)の3つのモードを有する。ファン116の風量のモードは、第1モードから第3モードの間で段階的に上昇または下降する。
【0032】
制御部130は、フィルタ118の回転数のモードとして、少なくとも、ゼロまたは最も小さい回転数の第1モード(たとえば「低」)、第1モードの回転数よりも大きい回転数の第2モード(たとえば「中」)、第2モードの回転数よりも大きい回転数の第3モード(たとえば「高」)の3つのモードを有する。フィルタ118の回転数のモードは、第1モードから第3モードの間で段階的に上昇または下降する。
【0033】
なお、本実施形態では、ファン116の風量のモードおよびフィルタ118の回転数のモードとして、第1モードから第3モードの3つのモードを例示しているが、これに限らず、4つ以上のモードを有していても良い。
【0034】
制御部130が備える閾値温度記憶部135は、ファン116の風量を第1モード(たとえば「弱」)から第2モード(たとえば「中」)に増加、または第2モード(たとえば「中」)から第1モード(たとえば「弱」)に減少させるための閾値温度t0(℃)、ファン116の風量を第2モード(たとえば「中」)から第3モード(たとえば「強」)に増加、または第3モード(たとえば「強」)から第2モード(たとえば「中」)に減少させるための閾値温度t1(℃)を記憶する。また、閾値温度記憶部135は、フィルタ118の回転数を第1モード(たとえば「低」)から第2モード(たとえば「中」)に増加、または第2モード(たとえば「中」)から第1モード(たとえば「低」)に減少させるための閾値温度t0(℃)、フィルタ118の回転数を第2モード(たとえば「中」)から第3モード(たとえば「高」)に増加、または第3モード(たとえば「高」)から第2モード(たとえば「中」)に減少させるための閾値温度t1(℃)を記憶する。なお、ファン116の風量を第1モード(たとえば「弱」)から第2モード(たとえば「中」)に増加させるための閾値温度t0(℃)と、第2モード(たとえば「中」)から第1モード(たとえば「弱」)に減少させるための閾値温度t0(℃)は、同一の温度であっても良いし、異なる温度であっても良い。このことは、フィルタ118の回転数を決定するための閾値温度t0(℃)についても同様である。また、ファン116の風量を決定するための閾値温度t0(℃)と、フィルタ118の回転数を決定するための閾値温度t0(℃)は、同一の温度であっても良いし、異なる温度であっても良い。以上のことはファン116の風量およびフィルタ118の回転数を決定するための閾値温度t1(℃)についても同様である。
【0035】
したがって、制御部130は、検知された天面温度が閾値温度t0(℃)未満であればファン116の風量を第1モード(たとえば「弱」)に決定し、検知された天面温度が閾値温度t0(℃)以上t1(℃)未満であればファン116の風量を第2モード(たとえば「中」)に決定し、検知された天面温度が閾値温度t1(℃)以上であればファン116の風量を第3モード(たとえば「強」)に決定する。また、制御部130は、検知された天面温度が閾値温度t0(℃)未満であればフィルタ118の回転数を第1モード(たとえば「低」)に決定し、検知された天面温度が閾値温度t0(℃)以上t1(℃)未満であればフィルタ118の回転数を第2モード(たとえば「中」)に決定し、検知された天面温度が閾値温度t1(℃)以上であればフィルタ118の回転数を第3モード(たとえば「高」)に決定する。
【0036】
さらに、制御部130は、決定したモードにファン116の風量を移行させているときに(たとえば第1モードから第2モードに)、天面温度が変化することにより、さらに他のモードに(たとえば第3モードに)ファン116の風量を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量を他のモードに(たとえば即座に第3モードに、または第2モードに移行させた後に第3モードに)移行させる。また、制御部130は、決定したモードにフィルタ118の回転数を移行させているときに(たとえば第1モードから第2モードに)、天面温度が変化することにより、さらに他のモードに(たとえば第3モードに)フィルタ118の回転数を移行させる決定をしたときには、フィルタ118の回転数を他のモードに(たとえば即座に第3モードに、または第2モードに移行させた後に第3モードに)移行させる。これは、制御部130がフィルタ118の回転数を制御する場合も同様である。
【0037】
さらに、制御部130は、たとえば、ファン116の風量のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させる。これは、制御部130がフィルタ118の回転数を制御する場合も同様である。
【0038】
(制御部130の動作)
図6は、実施形態にかかるレンジフード100の動作フローチャートである。この動作フローチャートは制御部130によって処理される。なお、この動作フローチャートは、操作パネル120(
図3および
図5参照)の風量自動スイッチ123が選択されているときに実行される。
【0039】
制御部130は、温度センサ300により調理器200の天面温度を検知する(S100)。次に、制御部130は、検知された調理器200の天面温度と閾値温度記憶部135に記憶されている閾値温度(t0、t1)とを比較する(S110)。次に、制御部130は、天面温度と閾値温度との比較結果に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を制御する(S120)。
【0040】
[実施形態1]
制御部130の概略の動作は以上の通りである。次に、制御部130が、決定したモードにファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファン116の風量を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量を即座に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様1と態様2に分けて詳細に説明する。
【0041】
(ファンの風量の場合)
<態様1の動作>
図7は、実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様1)を示す図である。また、
図8は、従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。
【0042】
態様1では、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させている。
【0043】
図7に示すように、制御部130が第1モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させる。
【0044】
このとき、制御部130は、
図7に示すように、第3モードに移行させる移行指令が出た後の風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。
【0045】
一方、従来は、
図8に示すように、第2モードに移行されている途中で第3モードへの移行指令が出ても、ファン116の風量のモードを即座に第3モードには移行させず、第2モードのファン116の風量に達した後に第3モードに移行させる。なお、従来は、
図8に示すように、第1モードから第2モードに移行するときの風量の増加率と第2モードから第3モードに移行するときの風量の増加率は同一となっている。
【0046】
このため、態様1によれば、調理中に天面温度が急上昇し大量の油煙が発生した場合でも、油煙の排気を効率的に行うことができ、使用者の使用感と満足感を向上させることができる。具体的に言うと、鍋や調理物温度の急上昇によって急激に増加する油煙を速やかに捕集して排気させることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0047】
<態様2の動作>
図9は、実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様2)を示す図である。また、
図10は、従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。
【0048】
態様2では、ファン116の風量のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、ファン116の風量のモードを即座に第1モードに移行させている。
【0049】
図9に示すように、制御部130が第3モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上t1(℃)未満の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt0(℃)未満の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを即座に第1モードに移行させる。
【0050】
このとき、制御部130は、
図9に示すように、第1モードに移行させる移行指令が出た後の風量の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる風量の単位時間当たりの減少率よりも大きくしている。
【0051】
一方、従来は、
図10に示すように、第2モードに移行されている途中で第1モードへの移行指令が出ても、ファン116の風量のモードを即座に第1モードには移行させず、第2モードのファン116の風量に達した後に第1モードに移行させる。なお、従来は、
図10に示すように、第3モードから第2モードに移行するときの風量の減少率と第2モードから第1モードに移行するときの風量の減少率は同一である。
【0052】
このため、態様2によれば、調理中に天面温度が急下降し油煙の量が減少した場合でも、ファン116が無駄に回転しなくなるため、ファン116の省エネを実現でき、また、ファン116の騒音を抑えることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0053】
次に、制御部130が、決定したモードにフィルタ118の回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにフィルタ118の回転数を移行させる決定をしたときには、フィルタ118の回転数を即座に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、フィルタ118の回転数のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様3と態様4に分けて詳細に説明する。
【0054】
(フィルタの回転数の場合)
<態様3の動作>
図11は、実施形態1のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様3)を示す図である。また、
図12は、従来のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態を示す図である。
【0055】
態様3では、フィルタ118の回転数のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、フィルタ118の回転数のモードを即座に第3モードに移行させている。
【0056】
図11に示すように、制御部130が第1モードでフィルタ118を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりフィルタ118の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちフィルタ118の回転数が第2モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はフィルタ118の回転数のモードを即座に第3モードに移行させる。
【0057】
このとき、制御部130は、
図11に示すように、第3モードに移行させる移行指令が出た後の回転数の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる回転数の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。
【0058】
一方、従来は、
図12に示すように、第2モードに移行されている途中で第3モードへの移行指令が出ても、フィルタ118の回転数のモードを即座に第3モードには移行させず、第2モードのフィルタ118の回転数に達した後に第3モードに移行させる。なお、従来は、
図12に示すように、第1モードから第2モードに移行するときの回転数の増加率と第2モードから第3モードに移行するときの回転数の増加率は同一である。
【0059】
このため、態様3によれば、調理中に天面温度が急上昇し大量の油煙が発生した場合でも、油煙に含まれる油分の除去を効率的に行うことができる。具体的に言うと、鍋や調理物温度の急上昇によって急激に増加する油煙に含まれる油分を速やかに除去することができる。また、フィルタ118の上流側に油が浸入する量を抑えることができ、フィルタ118の上流側の清掃性が良くなる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0060】
<態様4の動作>
図13は、実施形態1のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様4)を示す図である。また、
図14は、従来のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態を示す図である。
【0061】
態様4では、フィルタ118の回転数のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、フィルタ118の回転数のモードを即座に第1モードに移行させている。
【0062】
図13に示すように、制御部130が第3モードでフィルタ118を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上t1(℃)未満の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりフィルタ118の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちフィルタ118の回転数が第2モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt0(℃)未満の温度になると、制御部130はフィルタ118の回転数のモードを即座に第1モードに移行させる。
【0063】
このとき、制御部130は、
図13に示すように、第1モードに移行させる移行指令が出た後の回転数の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる回転数の単位時間当たりの減少率よりも大きくしている。
【0064】
一方、従来は、
図14に示すように、第2モードに移行されている途中で第1モードへの移行指令が出ても、フィルタ118の回転数のモードを即座に第1モードには移行させず、第2モードのフィルタ118の回転数に達した後に第1モードに移行させる。なお、従来は、
図14に示すように、第3モードから第2モードに移行するときの回転数の減少率と第2モードから第1モードに移行するときの回転数の減少率は同一である。
【0065】
このため、態様4によれば、調理中に天面温度が急下降し油煙の量が減少した場合でも、フィルタ118が無駄に回転しなくなるため、フィルタ118の省エネを実現でき、また、フィルタ118の騒音を抑えることができる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0066】
次に、制御部130が、決定したモードにファン116の風量およびフィルタ118の回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファン116の風量およびフィルタ118の回転数を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を即座に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードとフィルタ118の回転数のモードを同時に変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様5と態様6に分けて詳細に説明する。
【0067】
(ファンの風量とフィルタの回転数の場合)
図15は、実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様5)を示す図である。
【0068】
<態様5の動作>
態様5では、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中およびフィルタ118の回転数のモードが第4モードから第5モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させるとともにフィルタ118の回転数のモードを即座に第6モードに移行させている。
【0069】
図15に示すように、制御部130が第1モードでファン116を、および第4モードでフィルタ118を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードおよび第5モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに、およびフィルタ118の運転を第5モードに移行させる。第2モードおよび第5モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量、およびフィルタ118の回転数が第5モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを即座に第3モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを即座に第6モードに移行させる。
【0070】
このとき、制御部130は、
図15に示すように、第3モードに移行させる移行指令が出た後のファン116の風量、および第6モードに移行させる移行指令が出た後のフィルタ118の回転数の単位時間当たりの増加率を、ファン116の風量を第1モードから第2モードに向けて増加させる風量、およびフィルタ118の回転数を第4モードから第5モードに向けて増加させる回転数の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。
【0071】
このため、態様5によれば、調理中に天面温度が急上昇し大量の油煙が発生した場合でも、油煙の排気および油煙に含まれる油分の除去を効率的に行うことができる。また、フィルタ118の上流側に油が浸入する量を抑えることができ、フィルタ118の上流側の清掃性が良くなる。
【0072】
<態様6の動作>
図16は、実施形態1のレンジフードにおけるファンの風量およびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様6)を示す図である。
【0073】
態様6では、ファン116の風量のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中およびフィルタ118の回転数のモードが第6モードから第5モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、ファン116の風量のモードを即座に第1モードに移行させるとともにフィルタ118の回転数のモードを即座に第4モードに移行させている。
【0074】
図16に示すように、制御部130が第3モードでファン116を、および第6モードでフィルタ118を運転していたときに、t0(℃)以上天面温度がt1(℃)未満の温度になると、制御部130は第2モードおよび第5モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに、およびフィルタ118の運転を第5モードに移行させる。第2モードおよび第5モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量、およびフィルタ118の回転数が第5モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt0(℃)未満の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを即座に第1モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを即座に第4モードに移行させる。
【0075】
このとき、制御部130は、
図16に示すように、第1モードに移行させる移行指令が出た後のファン116の風量、および第4モードに移行させる移行指令が出た後のフィルタ118の回転数の単位時間当たりの減少率を、ファン116の風量を第3モードから第2モードに向けて減少させる風量、およびフィルタ118の回転数を第6モードから第5モードに向けて減少させる回転数の単位時間当たりの減少率よりも大きくしている。
【0076】
このため、態様6によれば、調理中に天面温度が急下降し油煙の量が減少した場合でも、ファン116およびフィルタ118が無駄に回転しなくなるため、ファン116およびフィルタ118の省エネを実現でき、また、ファン116およびフィルタ118の騒音を抑えることができる。
【0077】
以上で説明した態様1から態様6によれば、調理中に天面温度が急上昇または/および急下降した場合でも、油煙の排気または/および油煙に含まれる油分の除去を効率的に行うことができ、また、ファン116または/およびフィルタ118の省エネの実現、騒音の抑制をすることができる。
【0078】
以上の実施形態1で示した態様1から態様6では、決定したモードに移行させているときに、さらに他のモードに移行させる決定がされたら、即座に他のモードに移行させている。次に実施形態2として説明する態様7から態様12では、決定したモードに移行させているときに、さらに他のモードに移行させる決定がされたら、決定したモードに移行させた後に他のモードに移行させている。
【0079】
[実施形態2]
次に、制御部130が、決定したモードにファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファン116の風量を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量を決定したモードに移行させた後に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様7と態様8に分けて説明する。
【0080】
(ファンの風量の場合)
<態様7の動作>
図17は、実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様1)を示す図である。
【0081】
態様7では、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させた後に第3モードに移行させている。上記の態様1では、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させているが、態様7はこれとは若干異なる。
【0082】
すなわち、
図17に示すように、制御部130が第1モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを第2モードに移行させ、その後に第3モードに移行させる。つまり、第2モードのファン116の風量になるまで待ってから、第3モードにファン116の風量を移行させる。
【0083】
このとき、制御部130は、
図17に示すように、第2モードに移行させた後、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。このため、態様7の場合も、上記の態様1と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0084】
<態様8の動作>
図18は、実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様8)を示す図である。
【0085】
態様8では、ファン116の風量のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させた後に第1モードに移行させている。上記の態様2では、ファン116の風量のモードを即座に第1モードに移行させているが、態様8はこれとは若干異なる。
【0086】
すなわち、
図18に示すように、制御部130が第3モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上t1(℃)未満の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt0(℃)未満の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを第2モードに移行させ、その後に第1モードに移行させる。つまり、第2モードのファン116の風量になるまで待ってから、第1モードにファン116の風量を移行させる。
【0087】
このとき、制御部130は、
図18に示すように、第2モードに移行させた後、第1モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる風量の単位時間当たりの減少率よりも大きくしている。このため、態様8の場合も、上記の態様2と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0088】
次に、制御部130が、決定したモードにフィルタ118の回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにフィルタ118の回転数を移行させる決定をしたときには、フィルタ118の回転数を決定したモードに移行させた後に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、フィルタ118の回転数のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様9と態様10に分けて説明する。
【0089】
(フィルタの回転数の場合)
<態様9の動作>
図19は、実施形態2のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様9)を示す図である。
【0090】
態様9では、フィルタ118の回転数のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させた後に第3モードに移行させている。上記の態様3では、フィルタ118の回転数のモードを即座に第3モードに移行させているが、態様9はこれとは若干異なる。
【0091】
すなわち、
図19に示すように、制御部130が第1モードでフィルタ118を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりフィルタ118の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちフィルタ118の回転数が第2モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はフィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させ、その後に第3モードに移行させる。つまり、第2モードのフィルタ118の回転数になるまで待ってから、第3モードにフィルタ118の回転数を移行させる。
【0092】
このとき、制御部130は、
図19に示すように、第2モードに移行させた後、第3モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる回転数の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。このため、態様9の場合も、上記の態様3と同一の効果を得ることができる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0093】
<態様10の動作>
図20は、実施形態2のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様10)を示す図である。
【0094】
態様10では、フィルタ118の回転数のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させた後に第1モードに移行させている。上記の態様4では、フィルタ118の回転数のモードを即座に第1モードに移行させているが、態様10はこれとは若干異なる。
【0095】
すなわち、
図20に示すように、制御部130が第3モードでフィルタ118を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上t1(℃)未満の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりフィルタ118の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちフィルタ118の回転数が第2モードのフィルタ118の回転数に達する前に、さらに天面温度がt0(℃)未満の温度になると、制御部130はフィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させ、その後に第1モードに移行させる。つまり、第2モードのフィルタ118の回転数になるまで待ってから、第1モードにフィルタ118の回転数を移行させる。
【0096】
このとき、制御部130は、
図20に示すように、第2モードに移行させた後、第1モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる回転数の単位時間当たりの減少率よりも大きくしている。このため、態様10の場合も、上記の態様4と同一の効果を得ることができる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0097】
次に、制御部130が、決定したモードにファン116の風量およびフィルタ118の回転数を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモードにファン116の風量およびフィルタ118の回転数を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を決定したモードに移行させた後に他のモードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードとフィルタ118の回転数のモードを同時に変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様11と態様12として簡単に説明する。
【0098】
(ファンの風量とフィルタの回転数の場合)
図21は、実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様11)を示す図である。また、
図22は、実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様12)を示す図である。
【0099】
<態様11、12の動作>
態様11では、
図21に示すように、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中およびフィルタ118の回転数のモードが第4モードから第5モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させた後に第3モードに移行させ、フィルタ118のモードを第5モードに移行させた後に第6モードに移行させている。
【0100】
また、態様12では、
図22に示すように、ファン116の風量のモードが第3モードから第2モードに移行されている途中およびフィルタ118の回転数のモードが第6モードから第5モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させた後に第1モードに移行させ、フィルタ118のモードを第5モードに移行させた後に第4モードに移行させている。
【0101】
態様11は、上記の態様7と9の組み合わせであり、また、態様12は、上記の態様8と10の組み合わせである。したがって、態様11は、態様7および9と同一の効果を得ることができ、また、態様12は、態様8および10と同一の効果を得ることができる。
【0102】
以上の実施形態2で示した態様7から態様12では、決定したモードに移行させているときに、さらに他のモードに移行させる決定がされたら、決定したモードに移行させた後に他のモードに移行させている。次に実施形態3として説明する態様13から態様18では、あるモードで運転しているときに、2段階上または下のモードに移行させる決定がされたら、1段階上または下のモードに移行することなく、2段階上または下のモードに移行させている。
【0103】
[実施形態3]
次に、制御部130が、ファン116の風量のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させる態様、および制御部130が、ファン116の風量のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様13と態様14に分けて説明する。
【0104】
(ファンの風量の場合)
<態様13の動作>
図23は、実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様13)を示す図である。
【0105】
態様13では、ファン116の風量のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させている。
【0106】
このとき、制御部130は、
図23に示すように、第1モードから第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率(図示点線)よりも大きくしている。さらに、より好ましくは、第1モードから第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第2モードから第3モードに移行させる時の増加率よりも大きくする。このため、態様13の場合も、上記の態様1と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0107】
<態様14の動作>
図24は、実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様14)を示す図である。
【0108】
態様14では、ファン116の風量のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させている。
【0109】
このとき、制御部130は、
図24に示すように、第3モードから第1モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる風量の単位時間当たりの減少率(図示点線)よりも大きくしている。さらに、より好ましくは、第3モードから第1モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの減少率を、第2モードから第1モードに移行させる時の減少率よりも大きくする。このため、態様14の場合も、上記の態様2と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0110】
次に、制御部130が、フィルタ118の回転数のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させる態様、および制御部130が、フィルタ118の回転数のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させる態様について説明する。具体的には、フィルタ118の回転数のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様15と態様16に分けて説明する。
【0111】
(フィルタの回転数の場合)
<態様15の動作>
図25は、実施形態3のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様15)を示す図である。
【0112】
態様15では、フィルタ118の回転数のモードを第1モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させることなく第3モードに移行させている。
【0113】
このとき、制御部130は、
図25に示すように、第1モードから第3モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる回転数の単位時間当たりの増加率(図示実線)よりも大きくしている。さらに、より好ましくは、第1モードから第3モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの増加率を、第2モードから第3モードに移行させる時の増加率よりも大きくする。このため、態様15の場合も、上記の態様3と同一の効果を得ることができる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0114】
<態様16の動作>
図26は、実施形態3のレンジフードにおけるフィルタの回転数のモードの移行状態(態様16)を示す図である。
【0115】
態様16では、フィルタ118の回転数のモードを第3モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、フィルタ118の回転数のモードを第2モードに移行させることなく第1モードに移行させている。
【0116】
このとき、制御部130は、
図26に示すように、第3モードから第1モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの減少率を、第3モードから第2モードに向けて減少させる回転数の単位時間当たりの減少率(図示実線)よりも大きくしている。さらに、より好ましくは、第3モードから第1モードに移行させるときの回転数の単位時間当たりの減少率を、第2モードから第1モードに移行させる時の減少率よりも大きくする。このため、態様16の場合も、上記の態様4と同一の効果を得ることができる。なお、フィルタのモード切り替えに併せてファンも風量のモードを切り替えても良いし、ファンは別で制御しても良い。
【0117】
次に、制御部130が、ファン116の風量のモードを第1モードで、およびフィルタ118の回転数のモードを第4モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t1以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第5モードに移行させることなく、第3モードおよび第6モードに移行させる態様、および制御部130が、ファン116の風量のモードを第3モードで、およびフィルタ118の回転数のモードを第6モードで運転しているときに、天面温度が閾値温度t0未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第5モードに移行させることなく、第1モードおよび第4モードに移行させる態様について説明する。具体的には、ファン116の風量のモードおよびフィルタ118の回転数のモードを変化させる場合の制御部130動作(
図6の動作フローチャートのS110とS120のステップで処理される動作)を、態様17および態様18として簡単に説明する。
【0118】
(ファンの風量とフィルタの回転数の場合)
図27は、実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様17)を示す図である。また、
図28は、実施形態3のレンジフードにおけるファンの風量のモードおよびフィルタの回転数のモードの移行状態(態様18)を示す図である。
【0119】
<態様17、18の動作>
態様17では、
図27に示すように、ファン116の風量のモードが第1モードで運転され、およびフィルタ118の回転数のモードが第4モードで運転されているときに、天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第5モードに移行させることなく、ファン116の風量のモードを第3モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第6モードに移行させている。
【0120】
また、態様18では、
図28に示すように、ファン116の風量のモードが第3モードで運転され、およびフィルタ118の回転数のモードが第6モードで運転されているときに、天面温度が閾値温度t0(℃)未満になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第5モードに移行させることなく、ファン116の風量のモードを第1モードに、およびフィルタ118の回転数のモードを第4モードに移行させている。
【0121】
態様17は、上記の態様13と15の組み合わせであり、また、態様18は、上記の態様14と16の組み合わせである。したがって、態様17は、態様13および15と同一の効果を得ることができ、また、態様18は、態様14および16と同一の効果を得ることができる。
【0122】
[実施形態4]
次に、以上の実施形態1と実施形態2の変形例を実施形態4として説明する。
図29は従来のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態を示す図である。レンジフードの中には、
図29に示すように、制御部130が、決定したモード(第2モード)にファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモード(第3モード)にファン116の風量を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量が第2モードの風量に達した後、一定のウエイト時間(安定時間)待ってから、第3モードに移行させるタイプのものがある。なお、このタイプのレンジフードにおいては、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率と、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率とは同一である。実施形態4は、このようなウエイト時間を設けているタイプのレンジフードにおいて、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしたときに、ウエイト時間を置かずにモードを移行させる実施形態である。
【0123】
(ファンの風量の場合)
<態様19の動作>
図30は、実施形態1のレンジフードにおけるファン116の風量のモードの移行状態(態様1)の変形例を示す図である。
図30に示すように、制御部130が、決定したモード(第2モード)にファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモード(第3モード)にファン116の風量を移行させる決定をしたときには、第3モードへの移行指令があった時から一定のウエイト時間(安定時間)待ってから、第3モードに移行させる。
【0124】
このとき、制御部130は、
図30に示すように、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。
【0125】
図31は、実施形態4のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様19)を示す図である。態様19では、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させている。
【0126】
図31に示すように、制御部130が第1モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させる。
【0127】
このとき、制御部130は、
図31に示すように、第3モードに移行させる移行指令が出た後の風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。このため、態様19の場合も、上記の態様1と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0128】
以上の態様19では、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させる場合について例示したが、実施形態1から3で説明したように、態様19の動作を、フィルタ118の回転数、またはファン116の風量とフィルタ118の回転数に対して適用することも可能である。
【0129】
<態様20の動作>
図32は、実施形態2のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様7)の変形例を示す図である。
図32に示すように、制御部130が、決定したモード(第2モード)にファン116の風量を移行させているときに、天面温度が変化することにより、さらに他のモード(第3モード)にファン116の風量を移行させる決定をしたときには、ファン116の風量が第2モードの風量に達した後、一定のウエイト時間(安定時間)待ってから、第3モードに移行させる。
【0130】
このとき、制御部130は、
図32に示すように、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。
【0131】
図33は、実施形態4のレンジフードにおけるファンの風量のモードの移行状態(態様20)を示す図である。態様20では、ファン116の風量のモードが第1モードから第2モードに移行されている途中で天面温度が閾値温度t1(℃)以上になったときには、ファン116の風量のモードを第2モードに移行させた後に第3モードに移行させている。
【0132】
図33に示すように、制御部130が第1モードでファン116を運転していたときに、天面温度がt0(℃)以上の温度になると、制御部130は第2モードへの移行指令を出す。制御部130は、この移行指令によりファン116の運転を第2モードに移行させる。第2モードに移行されている途中、すなわちファン116の風量が第2モードのファン116の風量に達する前に、さらに天面温度がt1(℃)以上の温度になると、制御部130はファン116の風量のモードを第2モードに移行させ、その後に第3モードに移行させる。つまり、第2モードのファン116の風量になるまで待ってから、第3モードにファン116の風量を移行させる。このとき、
図32のようなウエイト時間は設けない。
【0133】
このとき、制御部130は、
図33に示すように、第3モードに移行させるときの風量の単位時間当たりの増加率を、第1モードから第2モードに向けて増加させる風量の単位時間当たりの増加率よりも大きくしている。このため、態様20の場合も、上記の態様1と同一の効果を得ることができる。なお、回転するフィルタを備えたレンジフードの場合、ファンのモード切り替えに併せてフィルタも回転数のモードを切り替えても良いし、フィルタは別で制御しても良い。
【0134】
以上の態様20では、ファン116の風量のモードを即座に第3モードに移行させる場合について例示したが、実施形態1から3で説明したように、態様19の動作を、フィルタ118の回転数、またはファン116の風量とフィルタ118の回転数に対して適用することも可能である。
【0135】
以上のように、本実施形態のレンジフード100によれば、ファン116の風量またはフィルタ118の回転数を、油煙の発生量に追従できるようにしているので、使用者の使用感と満足感を向上させることができる。
【0136】
以上、本実施形態のレンジフード100について、実施形態1から実施形態3の3つのパターンに分けて説明した。しかし、本実施形態のレンジフードは、実施形態1から実施形態3のそれぞれのパターンで実施するのみならず、実施形態1と3とを組み合わせたパターンでの実施、実施形態2と3とを組み合わせたパターンでの実施が可能である。
【0137】
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想に基づいて様々な形態として実施可能であり、それらもまた本発明の範疇であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0138】
100 レンジフード、
110 排気部、
112 吸気口、
114 排気口、
116 ファン、
117 ファンモータ、
118 フィルタ、
119 フィルタモータ、
120 操作パネル、
121 運転スイッチ、
122 風量スイッチ、
123 風量自動スイッチ、
124 タイマースイッチ、
125 照明スイッチ、
126 常時換気スイッチ、
130 制御部、
135 閾値温度記憶部、
200 調理器、
210 熱源、
220 グリルの吹出口、
300 温度センサ。