(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002474
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】紫外線ランプ管
(51)【国際特許分類】
H01J 61/35 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
H01J61/35
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097532
(22)【出願日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202110689201.7
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220273286.0
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522242328
【氏名又は名称】朗升光電科技(広東)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Langsim Optoelectronic Technologies (Guangdong) Limited
【住所又は居所原語表記】Rm 1105, Tower B, Xiabei Shanmian Industrial Center, 1st Circle Road East, Nanhai, Foshan, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 佳偉
【テーマコード(参考)】
5C043
【Fターム(参考)】
5C043AA02
5C043BB01
5C043CD05
5C043DD02
5C043DD27
5C043DD31
5C043EA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い発光効率を有する紫外線ランプ管に関する。
【解決手段】外管と内管のそれぞれに電極が取り付けられる。外管の外壁は、光源からの単一波長光の放射を可能にするように波をフィルタリングするためのめっきコーティングAとBでコーティングされている。内管と外管のそれぞれに電極が取り付けられる。外管は、高発光効率で単一波長光の放射を可能にするために、めっきコーティングA及び反射コーティングでコーティングされている。めっきコーティングの方法により、開示されたUVランプは、増加したビーム角度、向上した光出力電力及び発光効率を達成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線ランプ管であって、
外管と、
前記外管の内側に取り付けられた内管と、
前記外管の管壁に取り付けられた外部電極と、
前記内管の内側に取り付けられた内部電極と、を含み、
前記外管の外壁は、めっきコーティング膜Aとめっきコーティング膜Bでそれぞれコーティングされている、ことを特徴とする紫外線ランプ管。
【請求項2】
前記コーティング膜A及び前記コーティング膜Bによって透過することができる波帯の波長は異なる、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外線ランプ管。
【請求項3】
前記コーティング膜Aは、使用可能な単一波長帯を透過することができる、ことを特徴とする請求項2に記載の紫外線ランプ管。
【請求項4】
前記コーティング膜Bは、前記コーティング膜Aが透過できない他の波長を透過すると同時に、前記コーティング膜Aによって透過された単一波長帯を反射してコーティング膜Aに戻して外部に透過することができる、ことを特徴とする請求項3に記載の紫外線ランプ管。
【請求項5】
前記コーティング膜A及び前記コーティング膜Bは両方とも、めっきされた光フィルタリングコーティングである、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外線ランプ管。
【請求項6】
前記コーティング膜Aは、所望の波長帯を選択的に透過することができるフィルタコーティングであり、前記コーティング膜Bは、所望の波長帯を反射して前記外管上の前記めっきコーティング膜Aに戻して外部に透過することができるフィルタコーティングである、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外線ランプ管。
【請求項7】
紫外線ランプ管であって、
同軸に配置された内管及び外管と、
前記内管に取り付けられた内部電極と、
前記外管に埋め込まれた外部電極と、を含み、
前記外管の前記外壁はコーティングAでめっきされ、前記外管の前記外壁は反射コーティングで充填コーティングされ、前記コーティングA及び前記反射コーティングは、互いに対向して配置されている、ことを特徴とする紫外線ランプ管。
【請求項8】
前記コーティングAは、単一波長帯を透過することができるコーティングであり、前記コーティングAは、単一波長帯のみを前記外管の外側に透過することができる、ことを特徴とする請求項7に記載の紫外線ランプ管。
【請求項9】
前記反射コーティングは、前記コーティングAを通過できないクラッタ波を前記内管に反射し、前記内管を通して前記内部電極に透過し、前記クラッタ波は、前記内管壁及び電極によって吸収され、同時に、前記反射コーティングは、光を前記コーティングA側に反射し、使用可能な光波を外管の外部に透過する、ことを特徴とする請求項8に記載の紫外線ランプ管。
【請求項10】
前記反射コーティングは、硫酸バリウム反射コーティング又は二酸化チタン反射コーティングである、ことを特徴とする請求項9に記載の紫外線ランプ管。
【請求項11】
請求項1に記載の紫外線ランプ管を含む装置。
【請求項12】
消毒装置である、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
請求項7に記載の紫外線ランプ管を含む装置。
【請求項14】
消毒装置である、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、中国国家知識産権局に、2021年6月22日に出願された中国特許出願第202110689201.7号、及び2022年2月10に出願された中国特許出願第202220273286.0号の優先権を主張し、両方の開示は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、紫外線ランプ技術の分野に関し、特に、高い発光効率を有する紫外線ランプ管に関する。
【背景技術】
【0003】
紫外光の波長は、長波、中波及び短波に分けられる。その中で、短波は消毒や殺菌に使用することができるが、中波は人体に害を及ぼす可能性がある。短波の強い出力のために設計された既存の紫外線ランプは、中波長を伴うことが多い。これらの紫外光管の幾つかは、光フィルタを使用して、人体に有害な波長帯をフィルタリングするが、これらの構造には、依然として、ビーム角度が小さく、光源が単色ではないという欠点があるため、紫外線ランプ全体の発光効率が低下する。そのため、上記の問題を解決するためにUVランプ管を提供する。
【発明の概要】
【0004】
小さなビーム角度、単一波長帯で発光できない非単色光源、不十分な発光効率など、上記の背景技術における既存の紫外線ランプの欠点に着目して、本開示は、これらの欠点を克服するために新規な紫外線ランプ管を提供する。
【0005】
一態様では、本開示は、紫外線ランプ管を提供する。この紫外線ランプ管は、外管と、外管の内側に取り付けられた内管と、外管の管壁に取り付けられた外部電極と、内管の内側に取り付けられた内部電極と、を含む。外管の外壁は、めっきコーティングAとめっきコーティングBでそれぞれコーティングされている。
【0006】
一実施形態では、時には好ましくは、コーティング膜A及びコーティング膜Bによって透過することができる波長帯の波長は異なる。
【0007】
一実施形態では、時には好ましくは、コーティング膜Aは、単一の使用可能な波長帯を透過することができる。
【0008】
一実施形態では、時には好ましくは、コーティング膜Bは、コーティング膜Aが透過できない他の波長を透過すると同時に、コーティング膜Aを通過することができる単一波長帯をコーティング膜Aに反射して外部に透過することができる。
【0009】
一実施形態では、時には好ましくは、めっきコーティングA及びめっきコーティングBは両方とも光フィルタリングコーティングである。
【0010】
一実施形態では、時には好ましくは、めっきコーティングAは、所望の波長帯を選択的に透過することができる光フィルタリングコーティングであり、コーティングBは、所望の波長帯を反射して外管上のコーティングAに戻して外部に透過することができる。
【0011】
一態様では、本開示は、紫外線ランプ管を提供する。この紫外線ランプ管は、同軸に配置された内管及び外管と、内管に取り付けられた内部電極と、外管に埋め込まれた外部電極と、を含む。外管の外壁はコーティングAでコーティングされている。外管の外壁は反射コーティングで充填コーティングされている(fill-coated)。コーティングA及び反射コーティングは、互いに対向して配置されている。
【0012】
一実施形態では、コーティングAは、単一波長帯を透過することができるコーティングである。コーティングAは、単一波長の波長帯のみを外管の外部に透過することができる。
【0013】
別の実施形態では、反射コーティングは、コーティングAを通過できないクラッタ波を内管に反射して、内管を通して内部電極に透過する。クラッタ波は、内管壁及び電極によって吸収される。同時に、前記反射コーティングは、光を前記コーティングA側に反射し、使用可能な光波を外管の外部に透過する。
【0014】
一実施形態では、反射コーティングは、硫酸バリウム反射コーティング層である。
【0015】
別の実施形態では、反射コーティングは、二酸化チタン反射コーティングである。
【0016】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されている任意の実施形態による紫外線ランプ管を含む装置を提供する。例えば、制限することを意図していないが、新規な紫外線ランプ管は、抗菌及び/又は抗ウイルス用途のための消毒装置に、好ましくは、猫、犬、猿、馬、豚、牛、家禽など、家庭で飼育されるペット又は農場で飼育される動物を含むがこれらに限定されない人及び/又は動物がいる空間で、使用することができる。
【0017】
本開示の他の態様又は利点は、以下の図面、詳細な説明、実施例、及び特許請求の範囲を考慮してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】例示的な紫外線ランプ管の構造模式図であり、1-外管、2-内管、3-内部電極、4-外部電極である。
【
図2】紫外線ランプ管の断面図であり、1-外管、2-内管、11-めっきコーティングB、12-めっきコーティングAである。
【
図3】例示的な紫外線ランプ管の構造模式図であり、1-内管、2-外管、3-内部電極、4-外部電極、5-コーティングA、6-反射コーティングである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。これらの図面はすべて簡略化された模式図であり、本発明の基本構造を摸式的に示すだけなので、本発明に関連する構造のみを示している。
【0020】
本開示では、「内側」、「外側」、「間」などの用語で表される向き又は位置の関係は、添付の図面に示される向き又は位置の関係に基づくものであることに注意する必要がある。それらは、参照される装置又は要素が特定の向きを持たなければならないこと、又は特定の向きで構築され、操作されなければならないことを示すか又は暗示するのではなく、本発明を説明し、説明を簡略化するための便宜のためにのみ役立つので、それらは本発明を限定するものと解釈されるべきではない。また、特に明示的に指定され定義されていない限り、「取り付ける」、「巻回」、及び「接続」という用語は広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体接続であってもよい。それは、機械的な接続又は電気的な接続であり得る。それは、中間媒体を介した直接的な接続又は間接的な接続であり得る;それは、ユニットの2つのコンポーネント間の内部通信であり得る。当業者にとって、本開示における上記の用語の特定の意味は、特定の状況下で理解することができる。
【0021】
実施例
<実施例1>
図1~2に示すように、本開示は、紫外線ランプ管を提供する。この紫外線ランプ管は、外管1と、外管1の内側に取り付けられた内管2と、外管1の管壁に取り付けられた外部電極4と、内管2の内側に取り付けられた内部電極3と、を含む。外管1の外壁は、コーティングA12とコーティングB11でそれぞれコーティングされている。コーティング膜A12及びコーティング膜B11によって透過することができる波長帯の波長は異なる。コーティング膜Aは、単一の使用可能な波長帯を透過することができる。コーティング膜Bは、コーティング膜Aが透過できない他の波長を透過すると同時に、コーティング膜Aを通過することができる単一波長帯をコーティング膜Aに反射して透過することができる。
【0022】
本発明は、光源から出力された光の単色性を確保することができる光フィルタリングのためのめっきコーティング法を使用する。第2に、波をフィルタリングするための光フィルタの使用と比較して、めっきコーティングの使用により、紫外光の出力電力を向上させ、光電変換効率を高めることができる。同時に、UVランプのビーム角度を効果的に増加させるように、コーティングA12及びコーティングB11の面積比を調整することができる。この方法は、UVランプの発光効率を効果的に高めることができる。例えば、コーティングAは、207nm、222nm、250nm、又は308nmの単一波長帯などの単一の使用可能な波長帯を透過することができ、コーティングBは、コーティングAが透過できないクラッタ波長帯を透過して箱体に吸収させることができ、それによって、人体への害を効果的に低減する。
【0023】
<実施例2>
図1~2に示すように、本開示は、紫外線ランプ管を提供する。この紫外線ランプ管は、外管1と、外管1の内側に配置された内管2と、外管1の管壁に配置された外部電極4と、内管2に配置された内部電極3と、を含む。外管1の外壁は、コーティングA12とコーティングB11でそれぞれコーティングされている。一方、コーティングA12はフィルタコーティングであり、コーティングAは、207nm、222nm、250nm、又は308nmの単一波長帯などの所望の単一波長帯を選択的に透過することができる。コーティングB11は、任意の波長帯を反射して外管1に戻すことができるミラーコーティングである。即ち、ミラーコーティングは、コーティングB11に投射された単一波長帯をコーティングA12に反射してコーティングA12を通過させることができ、それによって、UVランプの発光効率を向上させる。人体に有害な波長を有するクラッタ波は、UVランプの端に沿って箱体に投射されて箱体に吸収され、それによって、人への害を効果的に低減する。
【0024】
<実施例3>
図3に示すように、本開示は、同軸に配置された内管1と外管2を含む紫外線ランプ管を提供する。内管1の内側に内部電極3が取り付けられている。外管2に埋め込まれた外部電極4と、外管2の外壁は、コーティングA5でめっきされている。コーティングA5は、単一波長帯を透過することができるコーティングである。コーティングA5は、単一波長の波長帯のみを外管2の外部に透過することができる。外管2の外壁はまた、反射コーティング6で充填コーティングされている。コーティングA5及び反射コーティング6は、互いに対向して配置されている。反射コーティング6は、硫酸バリウム反射コーティング又は二酸化チタン反射コーティングであり得る。反射コーティング6は、コーティングA5を通過できないクラッタ波を内管1に反射して、クラッタ波は、内管1を通して内部電極3に透過され、内管壁及び内部電極3によって吸収される。同時に、前記反射コーティング6は、光をコーティングA5側に反射し、使用可能な光波を外管1の外部に透過する。
【0025】
紫外線ランプ管は、光源から放出される単一波長の光出力を確保し、紫外線ランプの発光効率を向上させるために、光反射のためのコーティング法を採用する。外管2の外壁は、コーティングA5でコーティングされ、反射コーティング6で充填コーティングされている。コーティングA5は、単一波長帯を透過し、且つ使用可能な単一波長帯を外管2の外部に透過することができるコーティング膜である。硫酸バリウム又は二酸化チタンは、非導電性で化学的に安定であり、紫外光に対する高反射率を有するため、反射コーティング6は、硫酸バリウム反射コーティング又は二酸化チタン反射コーティングなどとすることができる。
【0026】
〈利点〉まず、本明細書に開示されているUVランプ管は、光源から出力された光の単色性を確保することができる光フィルタリングのためのめっきコーティングを含む。第2に、波をフィルタリングするための光フィルタと比較して、めっきコーティングの使用により、紫外光の出力電力を向上させ、光電変換効率を高めることができる。同時に、UVランプのビーム角度を効果的に増加させるように、コーティングA及びコーティングBの面積比を設定することができる。この方法は、UVランプの発光効率を効果的に高めることができる。具体的には、コーティングAは、207nm、222nm、250nm、又は308nmの単一波長帯などの単一の使用可能な波長帯を透過することができ、コーティングBは、コーティングAが透過できないクラッタ波長帯を透過して箱体に吸収させることができ、それによって、人体への害を効果的に低減する。
【0027】
開示された別の紫外線ランプ管では、外管の外壁上のめっきコーティングA及び充填コーティングされた反射コーティングを通して、光反射のためのコーティング法はまた、光源の光出力効率及び光出力の単一波長を確保することもできる。コーティングAは、単一波長帯を透過し、且つ使用可能な単一波長帯を外管の外側に透過することができるコーティングである。非導電性で化学的に安定であり、UV光に対する高い反射率を有するため、硫酸バリウム反射コーティング又は二酸化チタン反射コーティングの使用は有利である。
【0028】
本明細書の説明において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「実施例」、「特定の実施例」、又は「幾つかの実施例」などの参照用語は、そのような実施形態又は実施例で説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態又は例示的な実施例に含まれることを意味する。本願において、上記の用語の概略的表現は、必ずしも同じ実施形態又は実施例を参照するものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施形態又は実施例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0029】
以上、本発明の基本原理及び主要な特徴と利点について示して説明したが、本発明が上述した例示的な実施形態の詳細に限定されず、本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で実施することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、実施形態は、すべての態様で例示的かつ非限定的であるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるので、特許請求の範囲の意味及び範囲又は均等物に含まれるすべての変更又は修正を本発明内に包含することが意図される。請求項における図面への参照記号又は参照番号は、関連する請求項を限定するものと解釈してはならない。
【0030】
また、本発明は実施形態の観点から説明されているが、各実施形態が独立した技術的解決策のみを含むわけではなく、本明細書におけるこの説明は、明確にすることのみを目的としていることを理解されたい。各実施形態の技術的解決策はまた、当業者が理解できる他の実施形態を形成するために適切に組み合わせることができるので、当業者は、明細書を全体として理解すべきである。