(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024801
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】照明システムのペアリング方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20230209BHJP
【FI】
H05B47/19
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209947
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2019097759の分割
【原出願日】2019-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五島 成夫
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智美
(57)【要約】
【課題】照明器具に赤外線受信部を設けることなく、かつ、ペアリング専用の端末を用いることなく、ユーザが選択した照明器具のみを容易にペアリングし、または容易にペアリング解除できるペアリング方法を提供することである。
【解決手段】ペアリング方法は、ユーザが無線リモコンに指示することに応じて、無線リモコンは、無線信号の強度レベルを徐々に大きくするように複数のペアリング予備信号を順に発信させ、無線リモコンが、照明器具から応答信号を受信したときに、ペアリング予備信号の強度レベルに応じて複数の照明器具の仮グループ分けをするステップと、無線リモコンが、各仮グループに含まれる照明器具に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行い、ユーザの操作に応じて点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリングの選択信号または除外信号を発信して、複数の照明器具からペアリングするグループを決定するステップとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置に設置される無線リモコンと、前記無線コマンドに従って動作する複数の照明器具とを備える照明システムにおいて、前記無線リモコンと前記照明器具とをペアリングするペアリング方法であって、
前記無線リモコンから、前記無線リモコンが発する無線信号の強度レベルを徐々に変化させるように複数のペアリング信号を順に発信するステップと、
複数の前記照明器具が、前記無線リモコンから前記ペアリング信号を受信したときに応答信号を発信するステップと、
前記無線リモコンが、前記照明器具から前記応答信号を受信したときに、前記ペアリング信号の強度レベルに応じて複数の前記照明器具のグループ分けをするステップと、
を含む、
照明システムのペアリング方法。
【請求項2】
請求項1に記載された照明システムのペアリング方法において、
複数の前記照明器具のグループ分けをするステップは、強度レベルの最小の前記ペアリング予備信号について応答信号があった前記照明器具から、強度レベルが大きくなる前記ペアリング予備信号について応答信号があった前記照明器具側に順にグループを設定する、
照明システムのペアリング方法。
【請求項3】
請求項2に記載された照明システムのペアリング方法において、
第1の強度レベルの前記ペアリング信号について第1のグループを設定した後、前記第1の強度レベルより大きい第2の強度レベルの前記ペアリング信号について第2のグループを設定する場合に、前記第2のグループから前記第1のグループを除外する、
照明システムのペアリング方法。
【請求項4】
請求項3に記載された照明システムのペアリング方法において、
前記無線リモコンによって、複数のグループのそれぞれに含まれる前記照明器具に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行い、前記ユーザが、前記無線リモコンを用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の前記照明器具についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行うように、複数の前記照明器具からペアリングするグループを決定するステップと、を含む、
照明システムのペアリング方法。
【請求項5】
請求項4に記載された照明システムのペアリング方法において、
前記ユーザが、前記無線リモコンを用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の前記照明器具についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないように、複数の前記照明器具からペアリングするグループを決定するステップと、を含む、
照明システムのペアリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムのペアリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、壁に設置された無線リモコン(無線方式の遠隔操作機)が複数の照明器具とペアリングし、ペアリングされていない照明器具は、赤外線リモコンで制御される照明システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された照明システムでは、複数の照明器具を無線リモコンでペアリングする場合において、ユーザが選択した照明器具のみをペアリングするために、全ての照明器具に赤外線コマンドを受け付ける赤外線受信部を設ける必要がある。これにより、部品点数が多くなり、部品コストがかかる原因となる。一方、ユーザが大きな表示画面を利用したGUI方式の携帯端末を用いて、画面に配置位置が表示された複数の照明器具からペアリング対象を選択し、それに応じてその携帯端末が、選択された照明器具の識別番号を特定しその識別番号を含む無線信号のペアリング信号を発信させることも考えられる。この場合には、ユーザが選択した照明器具のみを無線通信によってペアリングできる可能性がある。しかしながら、この場合には、ペアリング専用の端末を用いる必要があるので、端末のコストがかかる原因となる。上記では、ペアリングを行う場合の不都合を説明したが、ユーザが選択した照明器具のみをペアリング解除する場合も同様の不都合が生じる。
【0005】
本開示の目的は、照明器具に赤外線受信部を設けることなく、かつ、ペアリング専用の端末を用いることなく、ユーザが選択した照明器具のみを容易にペアリングすることができる照明システムのペアリング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である照明システムのペアリング方法は、所定位置に設置され無線コマンドを送信する親機としての無線リモコンと、無線リモコンから無線コマンドを受信し、無線リモコンとペアリングされている場合に無線コマンドに従って動作する複数の子機としての照明器具とを備える照明システムにおいて、無線リモコンとユーザが選択した照明器具とをペアリングするか、またはペアリングを解除するペアリング方法であって、ユーザが無線リモコンに指示することに応じて、無線リモコンは、無線リモコンが発する無線信号の強度レベルを徐々に大きくするように複数のペアリング予備信号を順に発信させ、複数の照明器具は、無線リモコンからペアリング予備信号を受信したときに応答信号を発信し、無線リモコンは、照明器具からペアリング予備信号を受信したことを表す応答信号を受信したときに、ペアリング予備信号の強度レベルに応じて複数の照明器具の仮グループ分けをするステップと、無線リモコンが、複数の仮グループのそれぞれに含まれる照明器具に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行い、ユーザが、無線リモコンを用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行い、ユーザが、無線リモコンを用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないように、複数の照明器具からペアリングするグループを決定するステップと、を含む、照明システムのペアリング方法である。
なお、本開示において、「ペアリング方法」は、無線リモコンと照明器具とをペアリングする方法と、無線リモコンと照明器具とのペアリングを解除する方法との両方の意味を含む。
【0007】
本開示の一態様である照明システムのペアリング方法は、所定位置に設置され無線コマンドを送信する親機としての無線リモコンと、無線リモコンから無線コマンドを受信し、無線リモコンとペアリングされている場合に無線コマンドに従って動作する複数の子機としての照明器具とを備える照明システムにおいて、無線リモコンとユーザが選択した照明器具とをペアリングするか、またはペアリングを解除するペアリング方法であって、ユーザが無線リモコンに指示することに応じて、無線リモコンは、無線リモコンが発する無線信号の強度レベルを徐々に大きくするように複数のペアリング予備信号を順に発信させ、複数の照明器具は、無線リモコンからペアリング予備信号を受信したときに応答信号を発信し、無線リモコンは、照明器具からペアリング予備信号を受信したことを表す応答信号を受信したときに、ペアリング予備信号の強度レベルに応じた仮グループを設定し、ペアリング予備信号を受けた同じ仮グループに含まれる照明器具に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行い、ユーザが、無線リモコンを用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行い、ユーザが、無線リモコンを用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないように、複数の照明器具からペアリングするグループを決定する、照明システムのペアリング方法である。
【0008】
本開示の一態様である照明システムのペアリング方法は、所定位置に設置され無線コマンドを送信する親機としての無線リモコンと、無線リモコンから無線コマンドを受信し、無線リモコンとペアリングされている場合に無線コマンドに従って動作する複数の子機としての照明器具とを備える照明システムにおいて、無線リモコンとユーザが選択した照明器具とをペアリングするか、またはペアリングを解除するペアリング方法であって、ユーザが無線リモコンに対して指示をすることに応じて、無線リモコンは、無線リモコンが発する無線信号の強度レベルを徐々に大きくするように複数のペアリング予備信号を順に発信させ、複数の照明器具は、無線リモコンからペアリング予備信号を受信したときに応答信号を発信し、無線リモコンは、照明器具からペアリング予備信号を受信したことを表す応答信号を受信したときに、ペアリング予備信号の強度レベルに応じて複数の照明器具の仮グループ分けをし、ペアリングを行うステップと、無線リモコンが、複数の仮グループのそれぞれに含まれる照明器具に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行い、点灯変化の指示対象の照明器具について、ユーザが、無線リモコンを用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときには、点灯変化の指示対象の照明器具についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにすることで、複数の照明器具からペアリングするグループを決定するステップと、を含む、照明システムのペアリング方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様である照明システムのペアリング方法によれば、照明器具に赤外線受信部を設けることなく、かつ、ペアリング専用の帯端末を用いることなく、ユーザが選択した照明器具のみを容易にペアリングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の一例のペアリング方法を適用する照明システムを示す図である。
【
図2】
図1の照明システムを構成する無線リモコンと複数の照明器具との配置関係と、強度が異なる複数のペアリング予備信号の到達限界とを示す概略図である。
【
図3】
図1の照明システムにおいて、無線リモコンと照明器具との構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態の一例の照明システムのペアリング方法を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態の一例の照明システムのペアリング方法において、無線リモコン側の処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態の一例の照明システムのペアリング方法において、照明器具側の処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の別例の照明システムのペアリング方法において、無線リモコン側の処理を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態の別例の照明システムのペアリング方法において、無線リモコン側の処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態の別例の照明システムのペアリング方法において、照明器具側の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明システムのペアリング方法及びそのペアリング方法を適用する照明システムの実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下で説明する実施形態に限定されない。以下の説明では、同様の要素には同一の符号を付して説明する。
【0012】
本開示のシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示のシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0013】
図1は、実施形態の一例のペアリング方法を適用する照明システム10を示す図である。
図2は、照明システム10を構成する無線リモコン30と複数の照明器具12との配置関係と、強度が異なる複数のペアリング予備信号の到達限界とを示す概略図である。照明システム10は、複数の照明器具12と、無線リモコン30とを備える。照明システム10が備える照明器具12の数は特に限定されない。複数の照明器具12のそれぞれは、例えば蛍光灯形ライトである。照明器具12は、シーリングライト、ダウンライト、スポットライト等の他の種類としてもよい。複数の照明器具12は、例えば調光率の変更を可能に構成される。
【0014】
複数の照明器具12は、例えば
図2に示すように、室内の天井において、水平方向の第1方向(
図1の左右方向)に沿って複数列に配置され、複数列のそれぞれで第1方向に対し直交する水平方向の第2方向(
図1の上下方向)に、複数個が配置されるように取り付けられる。これにより、複数の照明器具12は第1方向と第2方向とに整列して配置される。
【0015】
無線リモコン30は、例えば
図2に示すように、第1方向の一端部(
図2の右端部)で第2方向の一端部(
図2の下端部)の近くにおいて、室内の壁面の所定位置に設置される。無線リモコン30は、照明器具12の点灯状態を変化させる等のために、照明器具12に無線コマンドを送信する親機として使用される。
【0016】
図1に示すように、複数の照明器具12及び無線リモコン30は、壁に設置された壁スイッチ50を介して電線Lが接続され、壁スイッチ50のオンオフによって、商用交流電源51からの電力の供給または供給停止が切り換えられる。
【0017】
さらに、複数の照明器具12は、無線リモコン30から無線コマンドを受信し、無線リモコン30とペアリングされている場合に、無線コマンドに従って動作する複数の子機として使用される。照明器具12が無線リモコン30の識別情報を有効に記憶していることが、その照明器具12が無線リモコン30とペアリングされていることを意味する。ペアリングは、照明器具12が無線リモコン30の識別情報を記憶していればよいが、さらに、無線リモコン30が照明器具12の識別情報、機種情報、または予め照明器具12毎に設定された乱数等を記憶してもよい。
【0018】
照明器具12は、電源がオン、すなわち電力が供給されたときに、初期等、無線リモコン30とのペアリングがされていない場合に、ペアリングを可能とするように動作する。
【0019】
図3は、照明システム10において、無線リモコン30と照明器具12との構成を示すブロック図である。照明器具12は、光源部14と、通信部16と、制御部18とを有する。光源部14は、例えば、1つ以上のLED(light emitting diode)を含み、LEDが発光することで、光源部14から照明光が出射される。なお、光源部14は、LED以外の発光素子を含んでもよく、半導体レーザ素子や、有機EL(Electro Luminescence)素子、または無機EL素子等の固体発光素子等を含んでもよい。
【0020】
照明器具12の通信部16は、無線リモコン30から送信される無線コマンドや、後述のペアリング予備信号、ペアリング選択信号、またはペアリング除外信号を受信する。照明器具12は、無線リモコン30との間で、如何なる無線規格を用いて無線通信を行ってもよく、例えば、920MHz等の周波数を利用する特定小電力無線や、無線LAN等の無線通信を行ってもよい。通信部16はアンテナを含んでもよい。
【0021】
照明器具12は、通信部16で受信した無線コマンドに基づいて光源部14の点灯状態を変更し、光源部14の調光率(明るさの度合)を変更することが可能である。詳しくは、照明器具12は、電源回路を有し、商用交流電源51からの交流電力を直流電力に変換する。また、当該直流電力は、トランジスタ等のスイッチング素子を含むスイッチング回路を介して光源部14に供給される。スイッチング回路は、制御部18で制御される。これにより、スイッチング回路がオフされることで、直流電力が光源部14に供給されず、光源部14が消灯する。一方、スイッチング回路がオンされると、直流電力が光源部14に供給されて、光源部14が点灯する。光源部14の調光率は、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)調光方式で変更され、スイッチング素子のオンオフ時間を制御することで変更される。なお、光源部14の調光率は、アナログ調光の技術を用いて変更されてもよい。制御部18は、通信部16での信号受信や、信号発信も制御する。制御部18は、後述のペアリングの選択がされたときに、無線リモコン30の識別番号等の識別情報である親機IDを記憶する記憶部を有する。
【0022】
無線リモコン30は、操作部31、通信部32、表示部33及び制御部34を備える。無線リモコン30は、商用交流電源51から電力が供給され、電源回路で直流電力に変換される。通信部32は、アンテナを含んでもよい。また、無線リモコン30は、電力が商用交流電源51から供給されなくてもよく、電池駆動で動作してもよい。
【0023】
操作部31は、ペアリングされている照明器具12の調光率を増加させる調光率増加スイッチ31aと、ペアリングされている照明器具12の調光率を低下させる調光率低下スイッチ31bと、電源スイッチ31cとを含む。
【0024】
電源スイッチ31cは、押下操作されたときに、照明器具12に対する電源供給がオンまたはオフになる。したがって、壁スイッチ50がオンされている状態で、照明器具12が消灯状態にあるときに、電源スイッチ31cが押下操作されるとペアリングされている照明器具12が点灯し、照明器具12が点灯状態にあるときに、電源スイッチ31cが押下操作されるとペアリングされている照明器具12が消灯する。
【0025】
通信部32(
図3)は、後述のペアリング予備信号、ペアリングの選択や除外の信号、または照明操作の無線コマンドを無線信号で発信する。表示部33は、操作部31での操作内容等を表示する。制御部34は、操作部31の操作に応じて、通信部32及び表示部33を制御する。制御部34は、後述のペアリングのための仮グループに含まれる照明器具12の識別番号等の識別情報である子機IDを記憶する記憶部を有する。この記憶部は、ペアリングした照明器具12の識別情報、機種情報、乱数等を記憶してもよい。
【0026】
次に、無線リモコン30と、ユーザが選択した照明器具12とをペアリングし、またはペアリングを解除するための構成と、ペアリング方法とを説明する。
【0027】
図4は、実施形態の一例の照明システムのペアリング方法を示すフローチャートである。ペアリング方法は、仮グループ分けをするステップS1と、ペアリングするグループを決定するステップS2とを含む。
【0028】
仮グループ分けのステップS1は、ユーザが無線リモコン30に指示することに応じて、無線リモコン30は、無線リモコン30が発する無線信号の強度レベルを徐々に大きくするように複数のペアリング予備信号を順に発信させる。そして、ステップS1は、複数の照明器具12が、無線リモコン30からペアリング予備信号を受信したときに応答信号を発信する。「ペアリング予備信号」は、ペアリングするグループを決定するために照明器具12の仮グループ分けをするために発信される信号であり、無線リモコン30の親機IDを含んでいてもよい。また、無線リモコン30は、照明器具12からペアリング予備信号を受信したことを表す応答信号を受信したときに、ペアリング予備信号の強度レベルに応じて複数の照明器具12の仮グループ分けをする。
【0029】
ペアリングするグループを決定するステップS2は、無線リモコン30が、複数の仮グループのそれぞれに含まれる照明器具12に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行う。このとき、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、無線リモコン30は、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行う。一方、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときには、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにする。これにより、複数の照明器具12からペアリングするグループが決定される。
【0030】
このようなペアリング方法によって、小さい強度レベルのペアリング予備信号から順に照明器具12の仮グループが設定され、それぞれの仮グループからペアリング対象に選択するかまたは除外するかの操作に応じてペアリングするグループが決定される。これによって、一部の照明器具12のみについてペアリングするか否かをユーザが操作すればよいので、ユーザが選択した照明器具12のみを容易にペアリングし、または容易にペアリングを解除することができる。さらに、照明器具12に赤外線受信部を設ける必要がなく、かつ、ペアリング専用の携帯端末を用いる必要もない。
【0031】
このペアリング方法を、
図5に示す無線リモコン30側の処理を示すフローチャートと、
図6に示す照明器具12側の処理を示すフローチャートとを用いて、より具体的に説明する。
図5に示す無線リモコン30側の制御処理は、無線リモコン30の制御部34(
図3)によって行われる。まず、
図5のステップS10において、ペアリング設定またはペアリング解除の操作があったか否かが判定される。このとき、操作部31(
図1)に、ペアリング設定のためのスイッチと、ペアリング解除のためのスイッチとが別にあってもよく、また、操作部31に配置された共通のスイッチの所定時間以内の押し下げと、所定時間を超える連続押下とによって、ペアリング設定と、ペアリング解除とが切り替えられてもよい。ステップS10で肯定判定がされた場合(YESの場合)、ステップS11に移行して、ペアリング予備信号の強度レベルに対応するレベル値iに0を設定する。ステップS10で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS10の処理が繰り返される。
【0032】
その後、ステップS12でレベル(i+1)のペアリング予備信号の強度入力を操作部31で受け付ける。後述のステップS17の処理を行う前ではiは0であるので、ペアリング予備信号はレベル1である。このとき、例えば全部の照明器具12にペアリング予備信号が届く強度を100%とし、0~100の間の任意の数値を、強度を表す数値として設定可能としてもよい。このとき、表示部33に、操作部31で設定される数値が表示されてもよい。また、調光率増加スイッチ31aの押下によって、入力される数値を増大させる方向に調整可能とし、調光率低下スイッチ31bの押下によって、入力される数値を低下させる方向に調整可能としてもよい。強度の数値が決定された場合に、ユーザが操作部31の決定スイッチ31dを押し下げることによって、無線リモコン30は、その決定された強度でレベル(i+1)のペアリング予備信号を発信させる(ステップS13)。
【0033】
次に、ステップS14において1つまたは複数の照明器具12からペアリング予備信号に対する応答信号を受信し、その応答信号を発した照明器具12の少なくとも一部から仮グループが設定される(ステップS15)。例えば、後述するように
図2では、「1」の符号を付した3つの照明器具12が、レベル1のペアリング予備信号を受信し、応答信号を発信した器具であり、それらの照明器具12によってレベル1の仮グループが設定される。そして、ステップS16において、ユーザによって、操作部31を用いてグループ分け終了を指示する操作があったか否かが判定される。このとき、表示部33に「グループ分けを終了しますか?」の表示がされ、操作部31の肯定を指示するYスイッチ31eまたは否定を指示するNスイッチ31fの押下に応じて、無線リモコン30の制御部34がグループ分け終了の操作の有無を判定してもよい。
【0034】
ステップS16で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS17に移行して、レベル値iに(i+1)が代入され、レベル値iが1増加する。その後、ステップS12に戻って、ステップS12からステップS16の処理が繰り返される。
【0035】
上記のように無線リモコン30では、強度が異なる複数のペアリング予備信号が発信されるので、例えば、
図2に示すように、無線リモコン30に近い側から、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4のペアリング予備信号の順に到達限界が規定される。
図2では、レベル1のペアリング予備信号を受信した照明器具12の仮グループに「1」の符号を付し、レベル2、レベル3、レベル4のペアリング予備信号を受信した照明器具12の一部から決定される照明器具12の仮グループにそれぞれ「2」「3」「4」の符号を付している。複数の照明器具12のうち、レベル1~4のペアリング予備信号のいずれも受信しない照明器具12には「5」の符号を付している。また、
図2の一点鎖線αで示す領域内の照明器具12により、ユーザがペアリングをしたい照明器具12を示している。
【0036】
また、
図5のステップS15において、仮グループを設定する場合に、無線リモコン30は、強度レベルの最小、すなわちレベル1のペアリング予備信号について応答信号があった照明器具12から、強度レベルが大きくなるペアリング予備信号について応答信号があった照明器具12側に、順に仮グループを設定する。このとき、第1の強度レベルのペアリング予備信号について第1の仮グループを設定した後、第1の強度レベルより大きい第2の強度レベルのペアリング予備信号について第2の仮グループを設定する場合に、第2の仮グループから第1の仮グループを除外する。例えば、
図2において、レベル2のペアリング予備信号は、実際には「1」の符号が付されたレベル1のペアリング信号を受信した照明器具12によっても受信される。このとき、「1」の符号が付された照明器具12が第1の仮グループであり、第2の仮グループを設定する際に、第1の仮グループを除外する。これによって、第1の仮グループの後、第2の仮グループを決定することにより、後述のようにペアリングするグループを決定する場合において、再度、同じ照明器具12でペアリングの選択または除外の操作を行う必要がなくなる。
【0037】
図5のステップS16で肯定判定がされた場合(YESの場合)には、全ての仮グループが設定されているので、ステップS18に移行する。ステップS18では、無線リモコン30が、各仮グループの照明器具12に対し1つずつ順に点灯変化させる指示を表す信号(点灯変化信号)を発信することで、点灯状態を変化させる指示を行う。点灯変化信号は例えば点滅させる指示である。そして、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、無線リモコン30は、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行う。一方、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときに、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにする。これにより、複数の照明器具12からペアリングするグループが決定され、ペアリングまたはその解除のための処理が終了する。
【0038】
また、
図6に示す照明器具12側の制御処理は、照明器具12の制御部18(
図3)によって行われる。まず、ステップS20において、壁スイッチ50がオンされ、照明器具12に電力が供給された(電源がオンされた)か否かが判定される。ステップS20で肯定判定がされた場合(YESの場合)、ステップS21に移行して、無線リモコン30とペアリングがされていない状態か否かが判定される。ステップS20で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS20の処理が繰り返される。ステップS21で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS22に移行する。ステップS22ではペアリング解除のためのペアリング予備信号を受信したか否かが判定される。このとき、無線リモコン30でペアリング解除のための操作がされ、ペアリング予備信号が発信された場合には、ペアリング解除のためのペアリング予備信号を受信したことになる。ステップS22で否定判定の場合(NOの場合)には、ペアリングが維持されるため、通常動作、具体的には、無線リモコン30の無線コマンドの指示に応じて照明器具12の点灯制御や調光制御が行われる(ステップS30)。一方、ステップS22で肯定判定の場合(YESの場合)には、ステップS24に移行する。
【0039】
ステップS21において、肯定判定の場合(YESの場合)には、ペアリングが設定されていない状態であるので、ペアリング設定のための処理が行われる。具体的には、ステップS23において、ペアリング予備信号を受信したか否かが判定され、肯定判定の場合にはステップS24に移行し、否定判定の場合にはステップS23の処理が繰り返される。ステップS24では、第1照明状態として、例えば光源部14(
図3)が調光下限で点灯する。これにより、無線リモコン30から、強度が徐々に大きくなるペアリング予備信号が送信される毎に、点灯される照明器具12の範囲が広がっていくので、ユーザは、照明器具12の仮グループが設定される範囲が広がっていることを容易に認識できる。そして、ステップS24の後には、ステップS25に移行して、照明器具12から応答信号が無線リモコン30に発信される。応答信号には、照明器具12を特定するための子機IDや乱数が含まれる。無線リモコン30は、上記のように、その応答信号に応じて仮グループを設定する。
【0040】
次に、ステップS26で、
図5のステップS18の処理に応じて、無線リモコン30から点灯変化信号を受信したか否かが判定される。ステップS26で肯定判定の場合(YESの場合)には、ステップS27に移行して、照明器具12が、第1照明状態とは異なる第2照明状態となる。例えば、照明器具12が点滅する。これによって、ユーザはペアリングのグループに選択するか否かの対象である照明器具12を1つずつ認識できる。ステップS26で否定判定の場合(NOの場合)にはステップS26の処理が繰り返される。
【0041】
そして、ステップS28において、
図5のステップS18の処理に応じて、無線リモコン30からペアリングするグループに選択することを表すペアリング選択信号を受信したか否かが判定される。ステップS28で肯定判定の場合(YESの場合)には、無線リモコン30の識別情報である親機IDが、照明器具12の記憶部に記憶され、照明器具12が第2照明状態とは異なる第3照明状態となる。例えば、照明器具12が調光下限より高い第1調光率で点灯する。そして、ステップS30に移行して通常動作が行われ、処理が終了する。
【0042】
一方、ステップS28で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS31で、
図5のステップS18の処理に応じて、無線リモコン30からペアリングするグループから除外することを表すペアリング除外信号を受信したか否かが判定される。ステップS31で肯定判定の場合(YESの場合)には、親機IDを記憶している場合に親機IDを破棄し、親機IDを記憶していない場合にその状態を維持し、照明器具12が第2照明状態及び第3照明状態とは異なる第4照明状態となる。例えば、照明器具12が消灯する、または第1調光率より低く調光下限より高い調光率で点灯し、処理が終了する。一方、ステップS31で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS28に戻って処理が繰り返される。
【0043】
図5のステップS10~ステップS17と、
図6のステップS20~ステップS25とが、
図4の仮グループ分けのステップに相当する。また、
図5のステップS18と、
図6のステップS26~ステップS29、ステップS31、ステップS32とが、
図4のペアリングするグループを決定するステップに相当する。
【0044】
次に
図2を用いて、ユーザがペアリングしたい照明器具12を選択する場合を説明する。例えば、レベル1のペアリング予備信号の受信後、点灯変化信号の受信に対応して、「1」の符号を付した第1の仮グループの照明器具12が1つずつ順に第2照明状態となり、例えば点滅する。このとき、第1の仮グループの全部が一点鎖線αの領域内のペアリングしたい照明器具12であるので、ユーザの操作により全部をペアリングする。次に、「2」の符号を付した第2の仮グループの照明器具12が1つずつ順に点灯変化信号を受信して例えば点滅する。このとき、第2の仮グループの全部がペアリングしたい照明器具12であるので、ユーザの操作により全部をペアリングする。
【0045】
次に、「3」の符号を付した第3の仮グループの照明器具12が1つずつ順に点灯変化信号を受信して例えば点滅する。このとき、第3の仮グループの10個の照明器具12のうち、一点鎖線αの領域内の5個の照明器具12がペアリングしたい照明器具12であるので、その5個の照明器具12をペアリングし、残りの照明器具12をペアリングから除外する。
【0046】
最後に、「4」の符号を付した第4の仮グループの照明器具12が1つずつ順に点灯変化信号を受信して例えば点滅する。このとき、第4の仮グループの11個の照明器具12のうち、一点鎖線αの領域内の1個の照明器具12がペアリングしたい照明器具12であるので、その1個の照明器具12をペアリングし、残りの照明器具12をペアリングから除外する。これによって、
図2に一点鎖線αで示す領域内の照明器具12のみがペアリングされ、ペアリングするグループが決定される。このため、ペアリングするグループを決定する場合に、一部の照明器具12のみについて、ペアリングするか否かをユーザが操作すればよい。したがって、ユーザが選択した照明器具12のみを容易にペアリングすることができる。ペアリングの解除を行う場合も、ペアリングを行う時と同様に一部の照明器具12のみについて、ペアリングするか否かをユーザが操作すればよいので、ユーザが選択した照明器具12のみを容易にペアリング解除することができる。
【0047】
上記の照明システムのペアリング方法によれば、照明器具12に赤外線受信部を設けることなく、かつ、ペアリング専用の端末を用いることなく、ユーザが選択した照明器具12のみを容易にペアリングし、または容易にペアリング解除することができる。
【0048】
図7は、実施形態の別例の照明システムのペアリング方法において、無線リモコン30側の処理を示すフローチャートである。本例のペアリング方法を実施する照明システムの基本構成は、
図1~6の照明システム10と同様である。本例のペアリング方法は、
図1~
図6のペアリング方法と異なり、無線リモコン30は、同じ強度のペアリング予備信号を受信した複数の照明器具12からの応答信号を受信する毎に、仮グループを設定する。そして、無線リモコン30は、その仮グループの照明器具12に対し1つずつ順に点灯状態を変化させる(例えば点滅させる)指示を行い、ユーザの操作に応じてペアリング選択信号またはペアリング除外信号を発信し、その後、ペアリング終了の操作があるまで、次のペアリング予備信号の強度の入力を受け付ける。その強度の入力があった場合には、無線リモコン30は、上記と同様に同じ強度のペアリング予備信号を受信した複数の照明器具12からの応答信号を受信する毎に、仮グループを設定し、それ以後、上記と同様の処理を繰り返す。
【0049】
図7を用いて、本例のペアリング方法における無線リモコン30側の処理をより具体的に説明する。
図8のステップS50~ステップS55は、
図5のステップS10~ステップS15と同様である。ステップS55の後、ステップS56に移行する。ステップS56では、無線リモコン30が、同じ仮グループに含まれる照明器具12に対し1つずつ順に点灯変化させる指示を表す信号(点灯変化信号)を発信することで、点灯状態を変化させる、例えば点滅させる指示を行う。そして、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象に選択する操作を行ったときに、無線リモコン30は、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング選択信号を発信してペアリングを行う。一方、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときには、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにする。
【0050】
そして、ステップS57に移行して、ペアリング終了の操作があったか否かが判定される。このとき、表示部33に「ペアリングを終了しますか?」の表示がされ、操作部31の肯定を指示するYスイッチ31eまたは否定を指示するNスイッチ31fの押下に応じて、無線リモコン30の制御部34(
図3)がペアリング終了の操作の有無を判定してもよい。
【0051】
ステップS57で肯定判定がされた場合(YESの場合)には処理が終了する。一方、ステップS57で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS58に移行して、レベル値iに(i+1)が代入され、レベル値iが1増加する。その後、ステップS52に戻って、ステップS52からステップS58の処理が繰り返される。これにより、複数の照明器具12からペアリングするグループが決定される。本例において、照明器具12側の処理は、
図6の処理と同様である。
【0052】
本例のペアリング方法によっても、
図1~
図6の構成と同様に、照明器具12に赤外線受信部を設けることなく、かつ、ペアリング専用の端末を用いることなく、ユーザが選択した照明器具12のみを容易にペアリングし、または容易にペアリング解除することができる。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図6の構成と同様である。
【0053】
図8は、実施形態の別例の照明システムのペアリング方法において、無線リモコン30側の処理を示すフローチャートであり、
図9は、別例のペアリング方法において、照明器具12側の処理を示すフローチャートである。本例のペアリング方法を実施する照明システムの基本構成は、
図1~6の照明システム10と同様である。本例のペアリング方法は、
図1~
図6のペアリング方法と異なり、ステップS1aとして、無線リモコン30は複数の照明器具12からの応答信号に応じて仮グループ分けをするとともに、応答信号を受信した照明器具12とペアリングを行う。次いで、ステップS2aとして、無線リモコン30が、複数の仮グループのそれぞれに含まれる照明器具12に対し、1つずつ順に点灯状態を変化させる指示を行う。このとき、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときには、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにする。一方、ステップS2aでは、
図1~
図6のペアリング方法と異なり、ユーザが点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング対象に選択することは行わない。これにより、仮グループに含まれる照明器具12のうち、ペアリングの除外操作が行われなかった複数の照明器具12によって、ペアリングするグループが決定される。
【0054】
図8を用いて、本例のペアリング方法における無線リモコン30側の処理をより具体的に説明する。
図8のステップS60~ステップS67は、
図5のステップS10~ステップS17と同様である。ステップS66で肯定判定の場合(YESの場合)には、ステップS68に移行する。ステップS68では、無線リモコン30が、各仮グループに含まれる照明器具12に対し1つずつ順に点灯変化させる指示を表す信号(点灯変化信号)を発信することで、点灯状態を変化させる、例えば点滅させる指示を行う。そして、ユーザが、無線リモコン30を用いてペアリング対象から除外する操作を行ったときには、点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリング除外信号を発信してペアリングを行わないようにする。
【0055】
図9を用いて、本例のペアリング方法における照明器具12側の処理をより具体的に説明する。
図9のステップS70~ステップS73は、
図6のステップS20~ステップS23と同様である。
図9のステップS73で、照明器具12が、ペアリング予備信号を受信したと判定した場合、すなわち肯定判定の場合(YESの場合)には、ステップS74に移行する。ステップS74では、照明器具12は、無線リモコンの親機IDを記憶部に記憶することにより無線リモコン30とペアリングを行う。これとともに、照明器具12は、
図6のステップS24と同様に第1照明状態となる。
【0056】
図9のステップS75~ステップS77は、
図6のステップS25~ステップS27と同様である。そして、ステップS77の後、ステップS78に移行して、照明器具12が、無線リモコン30からペアリング除外信号を受信したか否かが判定される。ステップS78で肯定判定の場合には、ステップS79に移行し、親機IDを記憶している場合に親機IDを破棄し、親機IDを記憶していない場合にその状態を維持し、照明器具12が第1照明状態及び第2照明状態とは異なる第3照明状態となる。この第3照明状態は、
図6のステップS32の第4照明状態と同様である。
【0057】
一方、ステップS78で否定判定の場合(NOの場合)には、ステップS80において、照明器具12での点灯変化信号の受信から所定時間が経過したか否かが判定される。ステップS80で肯定判定の場合(YESの場合)には、ペアリングがされた状態が維持されるので、通常動作が行われ、処理が終了する。一方、ステップS80で否定判定の場合(NOの場合)にはステップS78に戻って処理が繰り返される。
【0058】
上記において、
図8のステップS68でユーザが点灯変化の指示対象の照明器具12について無線リモコン30でペアリングの除外操作を行わない場合に、操作部31の操作に応じて、無線リモコン30が、現在の点灯変化の指示対象の照明器具12と、次の指示対象の照明器具12とに点灯変化信号を発信させてもよい。そして、現在の点灯変化の指示対象の照明器具12が、
図9のステップS80において、再度の点灯変化信号を受信したときに、所定時間の経過の有無に関係なくステップS81の通常動作に移行する構成としてもよい。
【0059】
本例の構成によれば、ユーザが点灯変化の指示対象の照明器具12についてペアリングの選択操作を行うことなく、ペアリングするグループが決定される。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図6の構成と同様である。
【0060】
なお、上述の実施形態は本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。
【符号の説明】
【0061】
10 照明システム、12 照明器具、14 光源部、16 通信部、18 制御部、30 無線リモコン、31 操作部、32 通信部、33 表示部、34 制御部、50 壁スイッチ、51 商用交流電源。