IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海建商の特許一覧

特開2023-24842型枠傾倒防止支持具及びベタ基礎施工方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024842
(43)【公開日】2023-02-17
(54)【発明の名称】型枠傾倒防止支持具及びベタ基礎施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 11/06 20060101AFI20230210BHJP
   E04G 25/00 20060101ALI20230210BHJP
   E04G 17/02 20060101ALI20230210BHJP
   E02D 27/01 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
E04G11/06 A
E04G25/00 A
E04G17/02 B
E02D27/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130395
(22)【出願日】2021-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】597095131
【氏名又は名称】株式会社東海建商
(74)【代理人】
【識別番号】100110744
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 敬知
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲也
【テーマコード(参考)】
2D046
2E150
【Fターム(参考)】
2D046BA11
2E150BA12
2E150CA01
2E150DA34
2E150HC02
2E150HC13
2E150JA01
(57)【要約】
【課題】型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できる型枠傾倒防止支持具及びベタ基礎施工方法を提供する。
【解決手段】第1型枠101の側端部102の前後厚みに対応する長さを有して側端部102表面に当接される第1基部11と、第1基部11と一体に設けられて第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着される第1クリップ部12と、第1基部11と基端同士が一体に連結されて第2型枠201の側端部202の前後厚みに対応する長さを有して側端部202表面に当接される第2基部21と、第2基部21と一体に設けられて第2基部21との間で第2型枠201の縦桟部203に挟着される第2クリップ部22と、第1基部11と第2基部21との境界に形成されて、第1,第2基部11,21を折り切りにより分離するための折り切り部30とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる型枠傾倒防止支持具であって、
第1型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される第1基部と、
前記第1基部と一体に設けられて前記第1基部との間で前記第1型枠の縦桟部に挟着される第1クリップ部と、
前記第1基部と基端同士が一体に連結されて第2型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される第2基部と、
前記第2基部と一体に設けられて前記第2基部との間で前記第2型枠の縦桟部に挟着される第2クリップ部と、
前記第1基部と前記第2基部との境界に形成されて、前記第1,第2基部を折り切りにより分離するための折り切り部と、
を備え、
前記第1クリップ部が前記第1型枠の縦桟部に挟着されるとき、前記第2基部及び前記第2クリップ部がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能し、
前記第2クリップ部が前記第2型枠の縦桟部に挟着されるとき、前記第1基部及び前記第1クリップ部がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能する、型枠傾倒防止支持具。
【請求項2】
前記第1、第2クリップ部は、前記第1、第2基部と一体をなす細長い長方形状の薄板の一部を折り曲げてなる板バネとして形成されている、請求項1に記載の型枠傾倒防止支持具。
【請求項3】
前記第1クリップ部と前記第2クリップ部とは、互いに前記第1、第2基部の両面の反対側に突設される、請求項2に記載の型枠傾倒防止支持具。
【請求項4】
前記第1基部は、その先端が前記第1クリップ部とは反対側の面に突設された第1突設片を有し、
前記第2基部は、その先端が前記第2クリップ部とは反対側の面に突設された第2突設片を有している、請求項2又は3に記載の型枠傾倒防止支持具。
【請求項5】
前記第1基部と前記第2基部との境界近傍の上下端に、前記第1、第2突設片と同じ側に突設された規制片を備える、請求項4に記載の型枠傾倒防止支持具。
【請求項6】
前記折り切り部は、第1基部と前記第2基部との境界に形成された切り欠き又は凹溝の少なくとも一方を含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の型枠傾倒防止支持具。
【請求項7】
コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる型枠傾倒防止支持具であって、
型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される基部と、
前記基部と一体に設けられて前記基部との間で前記型枠の縦桟部に挟着されるクリップ部と、
前記基部の基端に一体化され、前記クリップ部が前記型枠の縦桟部に挟着されるときにコンクリート内に埋設されるアンカー部と、
を備える、型枠傾倒防止支持具。
【請求項8】
コンクリートのベタ基礎工事において、ベタ基礎のベース部と、前記ベース部の外周に沿って形成される布基礎部とを形成する施工方法であって、
捨てコンクリート上に鉄筋を配設する配筋工程と、
前記配筋工程後、敷地の外周に沿って複数の外側型枠を立設させる外側型枠設置工程と、
前記外側型枠における前記ベース部の天端予定高さよりも上方に、請求項1乃至7の何れか一項に記載の型枠傾倒防止支持具を仮止めする仮止め工程と、
前記仮止め工程の後、前記ベース部を形成するためのベースコンクリートを打設するベース打設工程と、
前記ベース打設工程の後、前記ベースコンクリートが硬化する前に、前記型枠傾倒防止支持具を押し下げて少なくとも一部を前記コンクリート内に位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後、前記ベースコンクリートの硬化後に、前記外側型枠の内周側に複数の内側型枠を対向して立設させる内側型枠設置工程と、
前記内側型枠設置工程の後、前記外側型枠と前記内側型枠との間に前記布基礎部を形成するための布基礎コンクリートを打設する布基礎打設工程と、
前記布基礎打設工程で打設された前記布基礎コンクリートが硬化した後、前記外側型枠及び前記内側型枠を解体する型枠解体工程と、
を有するベタ基礎施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート基礎工事に用いる型枠傾倒防止支持具及びベタ基礎施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等のコンクリート基礎工事におけるコンクリートの打設をベース部と布基礎部とで2回に分けて行う2回打ち工法において、型枠の外側への傾倒を防止するための支持具が提案されている。
【0003】
例えば、薄板鋼鈑で所定長さの方形状に形成された長手方向に複数の貫通孔が穿設されて、その一端側が型枠の下方に打設されるベースコンクリートの上面側内部に臨むように隣接する型枠のフランジ間に他端側が挟持されると共に、挟持された他端側が貫通孔と選択されたフランジの連結孔とを挿通した連結具により締結され、ベース部上にコンクリートが打設された際に型枠の傾倒を防止するようにした型枠傾倒防止支持具が提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。
【0004】
また、全体を薄板によって形成するとともに、型枠の側端面に当接される基部と、この基部の外側端部に一体化されて型枠の外側角部に係止される外側係止部と、基部の内側端部に一体化されて型枠の内側角部に係止される内側係止部と、基部の内側端部に一体化されて、基礎コンクリートに埋設されることになるアンカー部とを備えた型枠傾倒防止支持具が提案されている(例えば、特許文献2等参照。)。
【0005】
上記従来技術によれば、布基礎となるべき生コンクリートを打設しても、各型枠が型枠傾倒防止支持具によって保持され、布基礎部は型枠内から漏出する水分やコンクリート(「ノロ」、「トロ」等と称される)による汚れを発生させることなく形成されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3119713号公報
【特許文献2】特開2008-297723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された型枠傾倒防止支持具は、型枠のフランジ間に挟持された薄板鋼板の他端側を、貫通孔とフランジの連結孔とに連結具を挿通して締結する必要があり、取付けに手間がかかるという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載された型枠傾倒防止支持具は、締結具を用いることなく、外側係止部と内側係止部とで型枠に係止させて取り付けることができる。しかし、この型枠傾倒防止支持具は、コンクリート打設前は型枠への衝撃で下へ移動したり、コンクリート打設時にはコンクリートの重みで下へ移動したりする等の状況の発生が想定され、このような状況下では型枠の傾倒防止効果が低下することが懸念される。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できる型枠傾倒防止支持具及びベタ基礎施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る型枠傾倒防止支持具は、コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる型枠傾倒防止支持具であって、第1型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される第1基部と、前記第1基部と一体に設けられて前記第1基部との間で前記第1型枠の縦桟部に挟着される第1クリップ部と、前記第1基部と基端同士が一体に連結されて第2型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される第2基部と、前記第2基部と一体に設けられて前記第2基部との間で前記第2型枠の縦桟部に挟着される第2クリップ部と、前記第1基部と前記第2基部との境界に形成されて、前記第1,第2基部を折り切りにより分離するための折り切り部と、を備え、前記第1クリップ部が前記第1型枠の縦桟部に挟着されるとき、前記第2基部及び前記第2クリップ部がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能し、前記第2クリップ部が前記第2型枠の縦桟部に挟着されるとき、前記第1基部及び前記第1クリップ部がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能する。
【0011】
この構成によれば、第1クリップ部が第1基部との間で第1型枠の縦桟部に挟着されると、第2基部及び第2クリップ部は第1型枠の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設されることでアンカーとして機能する。一方、第2クリップ部が第2基部との間で第2型枠の縦桟部に挟着されると、第1基部及び第1クリップ部は第2型枠の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設されることでアンカーとして機能する。よって、型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できるという効果を奏する。また、型枠傾倒防止支持具の向きを変えるだけで2種類の型枠に対して使用できるので、型枠の種類に合わせて型枠傾倒防止支持具を用意する必要が無いという効果を奏する。
【0012】
また、前記第1、第2クリップ部は、前記第1、第2基部と一体をなす細長い長方形状の薄板の一部を折り曲げてなる板バネとして形成されている。
【0013】
この構成によれば、第1、第2クリップ部が板バネとして形成されているので、それぞれ第1、第2型枠の縦桟部に差し込むだけで弾性変形により挟着され、第1、第2型枠へ極めて簡単に取付けることができるという効果を奏する。
【0014】
また、前記第1クリップ部と前記第2クリップ部とは、互いに前記第1、第2基部の両面の反対側に突設される。
【0015】
この構成によれば、第1クリップ部と第2クリップ部とは、互いに第1、第2基部の両面の反対側に突設されているので、第1クリップ部を第1型枠の縦桟部に挟着させる際は第2クリップ部が縦桟部に対向しない側に位置し、第2クリップ部を第2型枠の縦桟部に挟着させる際は縦桟部に対向しない側に位置するので、不使用のクリップ部が取り付けの障害になることなく、型枠への取り付けを円滑に行うことができるという効果を奏する。
【0016】
また、前記第1基部は、その先端が前記第1クリップ部とは反対側の面に突設された第1突設片を有し、前記第2基部は、その先端が前記第2クリップ部とは反対側の面に突設された第2突設片を有している。
【0017】
この構成によれば、第1クリップ部を第1型枠の縦桟部に挟着させた状態で第1突設片を、或いは、第2クリップ部を第2型枠の縦桟部に挟着させた状態で第2突設片を、それぞれ上からハンマー等で叩くことで型枠傾倒防止支持具を押し下げて、取り付け高さを簡単に調整することができるという効果を奏する。
【0018】
また、前記第1基部と前記第2基部との境界近傍の上下端に、前記第1、第2突設片と同じ側の面に突設された規制片を備える。
【0019】
この構成によれば、第1基部と第2基部との境界近傍の上下端に第1、第2突設片と同じ側の面に突設された規制片を備えているので、型枠傾倒防止支持具を押し下げる際、隣接配置される型枠に規制片が当接して回転が規制され、型枠傾倒防止支持具を傾かせることなく押し下げることできるという効果を奏する。
【0020】
前記折り切り部は、第1基部と前記第2基部との境界に形成された切り欠き又は凹溝の少なくとも一方を含む。
【0021】
この構成によれば、第1基部と第2基部との境界に切り欠き又は凹溝の少なくとも一方が形成されているので、型枠解体時に第1基部と第2基部との境界で簡単に折り切ることができるという効果を奏する。
【0022】
本発明に係る型枠傾倒防止支持具は、コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる型枠傾倒防止支持具であって、型枠の側端部の前後厚みに対応する長さを有して前記側端部表面に当接される基部と、前記基部と一体に設けられて前記基部との間で前記型枠の縦桟部に挟着されるクリップ部と、前記基部の基端に一体化され、前記クリップ部が前記型枠の縦桟部に挟着されるときにコンクリート内に埋設されるアンカー部と、を備える。
【0023】
この構成によれば、クリップ部が基部との間で型枠の縦桟部に挟着されると、アンカー部は型枠の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能する。よって、型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できるという効果を奏する。
【0024】
本発明に係るベタ基礎施工方法は、コンクリートのベタ基礎工事において、ベタ基礎のベース部と、前記ベース部の外周に沿って形成される布基礎部とを形成する施工方法であって、捨てコンクリート上に鉄筋を配設する配筋工程と、前記配筋工程後、敷地の外周に沿って複数の外側型枠を立設させる外側型枠設置工程と、前記外側型枠における前記ベース部の天端予定高さよりも上方に上記型枠傾倒防止支持具を仮止めする仮止め工程と、前記仮止め工程の後、前記ベース部を形成するためのベースコンクリートを打設するベース打設工程と、前記ベース打設工程の後、前記ベースコンクリートが硬化する前に、前記型枠傾倒防止支持具を押し下げて少なくとも一部を前記コンクリート内に位置決めする位置決め工程と、前記位置決め工程の後、前記ベース部コンクリートが硬化した後、前記外側型枠の内周側に複数の内側型枠を対向して立設させる内側型枠設置工程と、前記内側型枠設置工程の後、前記外側型枠と前記内側型枠との間に前記布基礎部を形成するための布基礎コンクリートを打設する布基礎打設工程と、前記布基礎打設工程で打設された前記布基礎コンクリートが硬化した後、前記外側型枠及び前記内側型枠を解体する型枠解体工程と、を有する。
【0025】
この方法によれば、仮止め工程で外側型枠におけるベース部の天端予定高さよりも上方に型枠傾倒防止支持具を仮止めし、仮止め工程の後、ベース打設工程でベース部を形成するためのベースコンクリートを打設するので、ベースコンクリート打設時にコンクリートの重みで型枠傾倒防止支持具が下へ移動することを防止することができる。また、ベース打設工程の後、位置決め工程でベースコンクリートが硬化する前に、型枠傾倒防止支持具を押し下げて少なくとも一部をコンクリート内に位置決めして埋設させるので、外側型枠の傾倒を確実に防止することができる。よって、型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す背面図である。
図3】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す右側面図である。
図4】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す左側面図である。
図5】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す平面図である。
図6】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す底面図である。
図7】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す斜視図である。
図8】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す別の斜視図である。
図9】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を第1型枠に取り付けた状態を示す斜視図である。
図10図9のX線矢視部分を拡大して示す拡大斜視図である。
図11図9におけるXI-XI線断面図である。
図12】第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を第2型枠に取り付けた状態を示す斜視図である。
図13図12のXIII線矢視部分を拡大して示す拡大斜視図である。
図14図13におけるXIV-XIV線断面図である。
図15】仮止め工程を示す施工現場の断面図である。
図16】ベース打設工程を示す施工現場の断面図である。
図17】位置決め工程を示す施工現場の断面図である。
図18】内側型枠設置工程を示す施工現場の断面図である。
図19】布基礎打設工程を示す施工現場の断面図である。
図20】型枠解体工程後を示す施工現場の断面図である。
図21】本発明の第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す正面図である。
図22】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す背面図である。
図23】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す右側面図である。
図24】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す左側面図である。
図25】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す平面図である。
図26】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す底面図である。
図27】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す斜視図である。
図28】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を示す別の斜視図である。
図29】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を第1型枠に取り付けた状態を示す図11相当の断面図である。
図30】第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具を第2型枠に取り付けた状態を示す図14相当の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る型枠傾倒防止支持具を具体化した各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具1の構成について、図1乃至図14を参照しつつ説明する。図1は型枠傾倒防止支持具1を示す正面図、図2は背面図、図3は右側面図、図4は左側面図、図5は平面図、図6は底面図、図7は斜視図、図8は別の斜視図である。図9は型枠傾倒防止支持具1を第1型枠101に取り付けた状態を示す斜視図、図10図9のX線矢視部分を拡大して示す拡大斜視図、図11図9におけるXI-XI線断面図である。図12は、型枠傾倒防止支持具1を第2型枠201に取り付けた状態を示す斜視図、図13図12のXIII線矢視部分を拡大して示す拡大斜視図、図14図13におけるXIV-XIV線断面図である。
【0029】
型枠傾倒防止支持具1は、住宅等のコンクリート基礎工事におけるコンクリートの打設をベース部と布基礎部とで2回に分けて行う2回打ち工法において、敷地の外周に沿って配置される型枠(以下、外側型枠と称する)が布基礎コンクリートの打設時にコンクリートの重みで外側へ傾倒することを防止するために使用される、金属製の薄板からなる支持具である。外側型枠には、前後厚みの異なる複数の種類が一般に用いられている。本明細書では、側端部102の前後厚みが50mmである型枠を第1型枠101と称する(図9参照)。第1型枠101は、鉛直方向に延びる縦桟部103を左右両端に備えている。また、側端部202の前後厚みが45mmである型枠を第2型枠201と称する(図12参照)。第2型枠201は、鉛直方向に延びる縦桟部203を左右両端に備えている。型枠傾倒防止支持具1は、第1型枠101及び第2型枠201の2種類の型枠に対して共通に使用可能である。
【0030】
型枠傾倒防止支持具1は、細長い長方形状の薄板鋼板に加工を施したものであって、図1等に示すように、第1基部11と、第1クリップ部12と、第1突設片13と、第2基部21と、第2クリップ部22と、第2突設片23と、折り切り部30と、を備えて構成される。
【0031】
第1基部11は、第1型枠101の側端部102の前後厚みに対応する長さを有して側端部102表面に当接される平板状部分である。
【0032】
第1クリップ部12は、第1基部11と一体に設けられて、図9図11に示すように、第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着される。より具体的には、第1クリップ部12は、第1基部11の中央部分を一面側へ直角に長方形状に切り起こされると共に、先端側が開いた平面視「へ」の字状に折り曲げた板バネとして形成されている。
【0033】
第1突設片13は、第1基部11の先端が第1クリップ部12とは反対側へ直角に折り曲げて突設されている。
【0034】
第2基部21は、第1基部11と基端同士が一体に連結されて、第2型枠201の側端部202の前後厚みに対応する長さを有して側端部202表面に当接される平板状部分である。
【0035】
第2クリップ部22は、第2基部21と一体に設けられて、図12図14に示すように、第2基部21との間で第2型枠201の縦桟部203に挟着される。より具体的には、第2クリップ部22は、第2基部21の中央部分を他面側へ直角に長方形状に切り起こされ、先端側が開いた平面視「へ」の字状に折り曲げた板バネとして形成されている。第1クリップ部12と第2クリップ部22とは、互いに第1、第2基部11,21の両面の反対側に突設される。
【0036】
第2突設片23は、第2基部21の先端が第2クリップ部22とは反対側へ直角に折り曲げて突設されている。
【0037】
折り切り部30は、第1基部11と第2基部21との境界に設けられ、第1,第2基部11,21を折り切りにより分離し易くした部分である。折り切り部30は、切り欠き部31,31と、凹溝32とを有する。切り欠き部31は、第1基部11と第2基部21との境界における上端と下端とに形成されたV字状の切り欠きである。凹溝32は、第1基部11と第2基部21との境界に沿って形成された細い凹状の溝である。本実施形態では、凹溝32は、第1基部11及び第2基部21の境界における第1クリップ部12突設側の面に形成される。
【0038】
次に、本実施形態に係る型枠傾倒防止支持具1を用いたコンクリート基礎の施工方法について、図15乃至図20を参照しつつ説明する。図15は捨てコンクリート打設工程~仮止め工程を、図16はベース打設工程を、図17は位置決め工程を、図18は内側型枠設置工程を、図19は布基礎打設工程を、図20は型枠解体工程後を、それぞれ示す施工現場の断面図である。
【0039】
本実施形態のベタ基礎の施工方法では、最初に建物を建てる敷地の地盤を所定の大きさ及び深さに掘って整地した後、捨てコンクリート打設工程を行う。捨てコンクリート打設工程では、砕石50を敷き込んで転圧し、その上に捨てコンクリート52を打設する。捨てコンクリート52の養生後、鉄筋と型枠の位置を墨出しする(図15参照)。
【0040】
次に、配筋工程を行う。配筋工程では、スペーサブロック54を介して捨てコンクリート52に対して水平方向と垂直方向とに鉄筋3を配筋する(図15参照)。
【0041】
次に、外側型枠設置工程を行う。外側型枠設置工程では、敷地の外周に沿って外側型枠SKを立設させる。具体的には、地盤上に型枠支持具58を介して長手方向に複数の外側型枠SKとしての第1型枠101又は第2型枠201が連続的に立設保持される(図15参照)。
【0042】
次に、型枠傾倒防止支持具1を外側型枠SKに仮止めするための仮止め工程を行う。仮止め工程では、外側型枠SKにおいてベース部天端予定高さBLよりも上方に型枠傾倒防止支持具1の仮止めを行う。例えば、外側型枠SKとして第1型枠101を用いる場合、型枠傾倒防止支持具1の第1基部11及び第1クリップ部12が外側、第2基部21及び第2クリップ部22側が内側(すなわち、ベース部Bのコンクリートの上方に臨む位置)となる水平姿勢にし、第1クリップ部12を第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着させる(図9図11及び図15参照)。一方、外側型枠SKとして第2型枠201を用いる場合、型枠傾倒防止支持具1の第2基部21及び第2クリップ部22が外側、第1基部11及び第1クリップ部12側が内側となる水平姿勢にし、第2クリップ部22を第2基部21との間で第2型枠201の縦桟部203に挟着させる(図12図14及び図15参照)。
【0043】
仮止め工程の後、ベース部Bを形成するためのベースコンクリートを打設するベース打設工程を行う(図16参照)。ベース打設工程では、外側型枠SKで囲まれた領域内にベース部天端予定高さBLまで生コンクリートの打設を行う。この時、型枠傾倒防止支持具1は、外側型枠SKにおいてベース部天端予定高さBLよりも上方に仮止めされているので、生コンクリートの重みで下方へ移動することが防止される。
【0044】
続いて、ベース打設工程の後、ベースコンクリートが硬化する前に、型枠傾倒防止支持具1を押し下げて少なくとも一部をコンクリート内に位置決めする位置決め工程を行う(図17参照)。例えば、外側型枠SKとして第1型枠101を用いる場合、型枠傾倒防止支持具1の押し下げは、ハンマー等の工具で第1突設片13の上面を叩くことにより行う。型枠傾倒防止支持具1は、外側型枠SKより内側へ突出した第2基部21、第2クリップ部22及び第2突設片23の下端から半分以上、好ましくは全体がベースコンクリート内に位置決めして埋設されるようにする。一方、外側型枠SKとして第2型枠201を用いる場合、型枠傾倒防止支持具1の押し下げは、ハンマー等の工具で第2突設片23の上面を叩くことにより行う。型枠傾倒防止支持具1は、外側型枠SKより内側へ突出した第1基部11、第1クリップ部12及び第1突設片13の下端から半分以上、好ましくは全体がベースコンクリート内に位置決めして埋設されるようにする。
【0045】
位置決め工程の後、ベースコンクリートの硬化後に、外側型枠SKの内周側に複数の内側型枠UKを対向して立設させる内側型枠設置工程を行う(図18参照)。続いて、内側型枠設置工程の後、外側型枠SKと内側型枠UKとの間に布基礎部Nを形成するための布基礎コンクリートを打設する布基礎打設工程を行う(図19参照)。
【0046】
布基礎コンクリートの養生期間が経過して、布基礎打設工程で打設された布基礎コンクリートが硬化した後、最後に、外側型枠SK及び内側型枠UKを解体する型枠解体工程を行う(図20参照)。型枠解体工程では、全ての外側型枠SK及び内側型枠UKを解体し、整地を行ってベタ基礎の施工が完了する。そして、外側型枠SKを解体する時、型枠傾倒防止支持具1を折り切り部30で折り切る。これにより、例えば、外側型枠SKとして第1型枠101を用いる場合、ベース部Bより外側へ突出する第1基部11が第1クリップ部12及び第1突設片13と共に分離されてベース部Bの外周面から余分な突起が除去され、平坦な表面が得られることになる。一方、外側型枠SKとして第2型枠201を用いる場合、ベース部Bより外側へ突出する第2基部21が第2クリップ部22及び第2突設片23と共に分離されてベース部Bの外周面から余分な突起が除去され、平坦な表面が得られることになる。
【0047】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態に係る型枠傾倒防止支持具1は、コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる支持具であって、第1型枠101の側端部102の前後厚みに対応する長さを有して側端部102表面に当接される第1基部11と、第1基部11と一体に設けられて第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着される第1クリップ部12と、第1基部11と基端同士が一体に連結されて第2型枠201の側端部202の前後厚みに対応する長さを有して側端部202表面に当接される第2基部21と、第2基部21と一体に設けられて第2基部21との間で第2型枠201の縦桟部203に挟着される第2クリップ部22と、第1基部11と第2基部21との境界に形成されて、第1,第2基部11,21を折り切りにより分離するための折り切り部30と、を備え、第1クリップ部12が第1型枠101の縦桟部103に挟着されるとき、第2基部21及び第2クリップ部22がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能し、第2クリップ部22が第2型枠201の縦桟部203に挟着されるとき、第1基部11及び第1クリップ部12がコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能する。
【0048】
この構成によれば、第1クリップ部12が第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着されると、第2基部21及び第2クリップ部22は第1型枠101の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設させることでアンカーとして機能する。一方、第2クリップ部22が第2基部21との間で第2型枠201の縦桟部203に挟着されると、第1基部11及び第1クリップ部12は第2型枠201の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設させることでアンカーとして機能する。よって、型枠への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できるという効果を奏する。また、型枠傾倒防止支持具1を取付ける向きを変えるだけで2種類の第1型枠101及び第2型枠201に対して使用できるので、型枠の種類に合わせて型枠傾倒防止支持具を用意する必要が無いという効果を奏する。
【0049】
また、第1、第2クリップ部12,22は、第1、第2基部11,21と一体をなす細長い長方形状の薄板の一部を折り曲げてなる板バネとして形成されている。
【0050】
この構成によれば、第1、第2クリップ部12,22が板バネとして形成されているので、それぞれ第1、第2型枠101,201の縦桟部103,203に差し込むだけで弾性変形により挟着され、第1、第2型枠101,201へ極めて簡単に取付けることができるという効果を奏する。
【0051】
また、第1クリップ部12と第2クリップ部22とは、互いに第1、第2基部11,21の両面の反対側に突設される。
【0052】
この構成によれば、第1クリップ部12と第2クリップ部22とは、互いに第1、第2基部11,21の両面の反対側に突設されているので、第1クリップ部12を第1型枠101の縦桟部103に挟着させる際は第2クリップ部22が縦桟部103に対向しない側に位置し、第2クリップ部22を第2型枠201の縦桟部203に挟着させる際は第1クリップ部12が縦桟部203に対向しない側に位置するので、不使用のクリップ部が取り付けの障害になることなく、型枠への取り付けを円滑に行うことができるという効果を奏する。
【0053】
また、第1基部11は、その先端が第1クリップ部12とは反対側の面に突設された第1突設片13を有し、第2基部21は、その先端が第2クリップ部22とは反対側の面に突設された第2突設片23を有している。
【0054】
この構成によれば、第1クリップ部12を第1型枠101の縦桟部103に挟着させた状態で第1突設片13を、或いは、第2クリップ部22を第2型枠201の縦桟部203に挟着させた状態で第2突設片23を、それぞれ上からハンマー等で叩くことで型枠傾倒防止支持具1又は2を押し下げて、取り付け高さを簡単に調整することができるという効果を奏する。
【0055】
また、本発明に係るベタ基礎施工方法は、コンクリートのベタ基礎工事において、ベタ基礎のベース部Bと、ベース部Bの外周に沿って形成される布基礎部Nとを形成する施工方法であって、捨てコンクリート52上に鉄筋を配設する配筋工程と、配筋工程後、敷地の外周に沿って複数の外側型枠SKを立設させる外側型枠設置工程と、外側型枠SKにおけるベース部天端予定高さBLよりも上方に型枠傾倒防止支持具1を仮止めする仮止め工程と、仮止め工程の後、ベース部Bを形成するためのベースコンクリートを打設するベース打設工程と、ベース打設工程の後、ベースコンクリートが硬化する前に、型枠傾倒防止支持具1を押し下げて少なくとも一部をコンクリート内に位置決めする位置決め工程と、位置決め工程の後、ベースコンクリートが硬化した後、外側型枠SKの内周側に複数の内側型枠UKを対向して立設させる内側型枠設置工程と、内側型枠設置工程の後、外側型枠SKと内側型枠UKとの間に布基礎部Nを形成するための布基礎コンクリートを打設する布基礎打設工程と、布基礎打設工程で打設された布基礎コンクリートが硬化した後、外側型枠SK及び内側型枠UKを解体する型枠解体工程と、を有する。
【0056】
この方法によれば、仮止め工程で外側型枠SKにおけるベース部天端予定高さBLよりも上方に型枠傾倒防止支持具1を仮止めし、仮止め工程の後、ベース打設工程でベース部Bを形成するためのベースコンクリートを打設するので、ベースコンクリート打設時にコンクリートの重みで型枠傾倒防止支持具1が下へ移動することを防止することができるという効果を奏する。また、ベース打設工程の後、位置決め工程でベースコンクリートが硬化する前に、型枠傾倒防止支持具1を押し下げて少なくとも一部をコンクリート内に位置決めして埋設させるので、布基礎打設工程において外側型枠SKの傾倒を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0057】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具2の構成について、図21乃至図30を参照しつつ説明する。図21は型枠傾倒防止支持具2を示す正面図、図22は背面図、図23は右側面図、図24は左側面図、図25は平面図、図26は底面図、図27は斜視図、図28は別の斜視図である。図29は型枠傾倒防止支持具2を第1型枠101に取り付けた状態を示す図11相当の断面図、図30は第2型枠201に取り付けた状態を示す図14相当の断面図である。尚、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
【0058】
型枠傾倒防止支持具2は、細長い長方形状の薄板鋼板に加工を施したものであって、図21等に示すように、第1基部11と、第1クリップ部12と、第1突設片13と、第2基部21と、第2クリップ部22と、第2突設片23と、折り切り部30と、規制片33とを備えて構成される。
【0059】
上記第1実施形態では、第1クリップ部12と第2クリップ部22とは、互いに第1、第2基部11,21の両面の反対側に突設される構成であったが、本実施形態では、第2クリップ部22は、第1クリップ部12と同一面側に切り起こされて突設する構成となっている。また、第1突設片13及び第2突設片23は、第1基部11及び第2基部21に対して第1クリップ部12及び第2クリップ部22とは反対面側に突設されている。
【0060】
上記第1実施形態では、第1基部11と第2基部21との境界は1カ所のみであり、第1型枠101に取付ける場合も第2型枠201に取付ける場合も常に一定であった。これに対し、本実施形態では、第1基部11と第2基部21との境界は、上下の切り欠き部31a,31a同士を結ぶ線と、上下の切り欠き部31b,31b同士を結ぶ線との2カ所に設けられている。そして、本実施形態では、第1型枠101に取付ける場合は上下の切り欠き部31a,31a同士を結ぶ線が第1基部11と第2基部21との境界となり、第2型枠201に取付ける場合は上下の切り欠き部31b,31b同士を結ぶ線が第1基部11と第2基部21との境界となる。
【0061】
本実施形態では、さらに、第1基部11と第2基部21との境界近傍の上下端に、第1、第2突設片13,23と同じ側に突設された規制片33,33を備えている。具体的には、上端側の切り欠き部31a,31b同士の間、及び下端側の切り欠き部31a,31b同士の間に、長方形状の規制片33がそれぞれ第1、第2突設片13,23と同じ側に水平方向へ折り曲げて形成されている。
【0062】
この構成によれば、第1基部11と第2基部21との境界近傍の上下端に第1、第2突設片13,23と同じ側の面に突設された規制片33,33を備えているので、型枠傾倒防止支持具1を押し下げる際、隣接配置される型枠に規制片33,33が当接して回転が規制され、型枠傾倒防止支持具2が傾くことなく略水平姿勢を保持した状態で押し下げることできるという効果を奏する。
【0063】
<変形例>
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。例えば、上記各実施形態では第1型枠101及び第2型枠201の両方で使用可能な型枠傾倒防止支持具の構成を示したが、これには限られない。例えば、第1実施形態において、第2クリップ部22及び第2突設片23を省略して第1型枠101専用の型枠傾倒防止支持具として構成してもよい。
【0064】
すなわち、本変形例に係る型枠傾倒防止支持具は、コンクリート基礎を形成する際に型枠を保持するために使用される、薄板からなる型枠傾倒防止支持具であって、第1型枠101の側端部102の前後厚みに対応する長さを有して側端部102表面に当接される第1基部11と、第1基部11と一体に設けられて第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着される第1クリップ部12と、第1基部11の基端に一体化され、第1クリップ部12が第1型枠101の縦桟部103に挟着されるときにコンクリート内に埋設されるアンカー部としての第2基部21とを備える。
【0065】
この構成によれば、第1クリップ部12が第1基部11との間で第1型枠101の縦桟部103に挟着されると、アンカー部としての第2基部21は第1型枠101の前面から突出するので、この状態でコンクリート内に埋設されてアンカーとして機能する。よって、第1型枠101への取付けが簡単で位置調整も容易であって確実に傾倒防止効果を発揮できるという効果を奏する。
【0066】
また、上記変形例に代えて、第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具1において、第1クリップ部12及び第1突設片13を省略して第2型枠201専用の構成とすることも可能である。
【0067】
さらに、上記第2実施形態では、第1基部11と第2基部21との境界近傍の上下端に水平方向へ折り曲げて形成された長方形状の規制片33,33を備える構成としたが、規制片33,33を鉛直方向に突設させて第1、第2突設片13,23と平行となるように折り曲げて形成してもよい。本変形例によれば、位置決め工程において型枠傾倒防止支持具2を押し下げる際に規制片33,33が生コンクリートから受ける抵抗が小さくなるので、より円滑に位置調整をすることができる。
【0068】
<付記>
本願の図面に表された各実施形態は、意匠登録出願の対象となり得る意匠が含まれている。具体的には、第1実施形態に係る型枠傾倒防止支持具1又は第2実施形態に係る型枠傾倒防止支持具2の外形形状は、それぞれ物品名「型枠傾倒防止支持具」の全体意匠として把握することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 型枠傾倒防止支持具(第1実施形態)
2 型枠傾倒防止支持具(第2実施形態)
11 第1基部
12 第1クリップ部
13 第1突設片
21 第2基部
22 第2クリップ部
23 第2突設片
30 折り切り部
31 切り欠き部(第1実施形態)
31a 切り欠き部(第2実施形態)
31b 切り欠き部(第2実施形態)
32 凹溝
33 規制片
52 捨てコンクリート
101 第1型枠
102 側端部
103 縦桟部
201 第2型枠
202 側端部
203 縦桟部
B ベース部
BL ベース部天端予定高さ
N 布基礎部
SK 外側型枠
UK 内側型枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30