(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024850
(43)【公開日】2023-02-17
(54)【発明の名称】カメラシステム、およびカメラシステムを有する移動体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20230210BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20230210BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230210BHJP
G03B 37/00 20210101ALI20230210BHJP
【FI】
H04N23/50
H04N23/63
G03B15/00 V
G03B15/00 W
G03B37/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192360
(22)【出願日】2022-11-30
(62)【分割の表示】P 2021076753の分割
【原出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】矢野 宏
(57)【要約】
【課題】 電子ルームミラー用途および、及び後方監視カメラ用途のいずれにも使用可能な画像を取得することが可能とすることを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかるカメラシステム300は、撮像素子420と光学系410とを有し、移動体10の後方を撮像するために移動体10に設けられるカメラ100を備え、光学系410は、結像倍率の高い高解像度領域と、高解像度領域よりも結像倍率が低く、高解像度領域の周囲に形成される周辺解像度領域とを形成し、カメラ100は、撮像素子420の受光面に平行な面において、高解像度領域の中心を通り、光学系410が光を受光する方向に延びる光軸115が、移動体10の直後方に対して上側に傾くように移動体10に設置されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の後方を撮像するために前記移動体に設けられるカメラシステムであって、
受光面に入力された光学像に基づいて画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段に前記光学像を入力する光学系と、
を有する撮像装置を備え、
前記光学系は、結像倍率の高い第1の領域と、前記第1の領域よりも結像倍率が低く、
前記第1の領域の周囲に形成される第2の領域とを形成し、
前記撮像装置は、前記撮像手段の受光面において、第1の領域の中心を通り、前記光学系が光を受光する方向に延びる軸が、前記移動体の直後方に対して、前記移動体の上側に傾くように前記移動体に設置されることを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記光学系の前記第2の領域を介して前記撮像手段に被写体像が入射される視野範囲に、前記移動体の後端が含まれるように、前記カメラが設置されることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記撮像手段により撮像された前記画像のうち、前記光学系の第1の領域を介して得られた部分を中心とした第1の部分画像を第1の表示手段に表示させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記撮像手段により撮像された前記画像のうち、前記第1の部分画像よりも広い第2の部分画像を、前記第1の表示手段と異なる第2の表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記移動体の後端部よりも前方側に前記撮像装置の後端部が位置するように前記移動体に設置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記光学系の前記第1の領域を介して前記撮像手段に被写体像が入射される視野範囲は、前記移動体の前記撮像装置が設置された位置から、前記移動体の直後方に延びる直線を含むように前記撮像装置は前記移動体に設置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項7】
移動体の後方を撮像するためのカメラシステムを有する移動体であって、
前記カメラシステムは、
受光面に入力された光学像に基づいて画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段に前記光学像を入力する光学系と、
を有する撮像装置を備え、
前記光学系は、結像倍率の高い第1の領域と、前記第1の領域よりも結像倍率が低く、
前記第1の領域の周囲に形成される第2の領域とを形成し、
前記撮像装置は、前記撮像手段の受光面において、第1の領域の中心を通り、前記光学系が光を受光する方向に延びる軸が、前記移動体の直後方に対して、前記移動体の上側に傾くように前記移動体に設置されることを特徴とする移動体。
【請求項8】
前記光学系の前記第2の領域を介して前記撮像手段に被写体像が入射される視野範囲に、前記移動体の後端が含まれるように、前記カメラが設置されることを特徴とする請求項7に記載の移動体。
【請求項9】
前記カメラシステムは、前記撮像手段により撮像された前記画像のうち、前記光学系の第1の領域を介して得られた部分を中心とした第1の部分画像を第1の表示手段に表示させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項7または8に記載の移動体。
【請求項10】
前記制御手段は、前記撮像手段により撮像された前記画像のうち、前記第1の部分画像よりも広い第2の部分画像を、前記第1の表示手段と異なる第2の表示手段に表示させることを特徴とする請求項9に記載の移動体。
【請求項11】
前記撮像装置は、前記移動体の後端部よりも前方側に前記撮像装置の後端部が位置するように前記移動体に設置されることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の移動体。
【請求項12】
前記光学系の前記第1の領域を介して前記撮像手段に被写体像が入射される視野範囲が前記移動体の前記撮像装置が設置された位置から、前記移動体の直後方に延びる直線を含むように前記撮像装置が前記移動体に設置されることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステム、およびカメラシステムを有する移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体の後方を撮影するように移動体に取り付けられたカメラには、主に以下二つの用途がある。通常走行時に移動体の後方を確認するために設けられた電子的なルームミラー(以下、電子ルームミラーという)に表示する画像を撮影する電子ルームミラー用途でカメラが用いられることがある。この時、カメラは従来のルームミラーで視認されていた領域を、従来のルームミラーと同等以上の視認性で確認できるように、解像度や撮影可能なダイナミックレンジが必要とされる。
【0003】
一方で、後退時に移動体の後方を確認するため、移動体の後方を広い画角で撮影する後方監視用途でカメラが用いられることがある。運転手が移動体を操作して後退させる際には、移動体の予定される経路に侵入する可能性のあるオブジェクトを運転手が認識できるように移動体の後方を広く撮影できる画角が必要とされる。したがって、カメラには、移動体の後方の近傍の領域を含め、後方から接近してくる別の移動体等から直近の後方真下までを幅広く視認する為に上下に広い画角が必要とされる。
【0004】
特許文献1では、車両の周辺の物体の検出及び車両の発進操作の有無に応じて表示手段の表示モードを切り替える車両周辺監視装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両周辺監視装置では、移動体の後退時に求められる画角は満たすことはできるものの、通常走行時に求められる視認性、すなわち高解像度な画像を満たすことができない。
【0007】
そこで本発明のカメラシステムなどは、電子ルームミラー用途および、及び後方監視カメラ用途のいずれにも使用可能な画像を取得することが可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の形態は、移動体の後方を撮像するために前記移動体に設けられるカメラシステムであって、受光面に入力された光学像に基づいて画像を出力する撮像手段と、前記撮像手段に前記光学像を入力する光学系と、を有する撮像装置を備え、前記光学系は、結像倍率の高い第1の領域と、前記第1の領域よりも結像倍率が低く、前記第1の領域の周囲に形成される第2の領域とを形成し、前記撮像装置は、前記撮像手段の撮像面において、第1の領域の中心を通り、前記光学系が光を受光する方向に延びる軸が、前記移動体の直後方に対して、前記移動体の上側に傾くように前記移動体に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカメラシステムなどによれば、電子ルームミラー用途および、及び後方監視カメラ用途のいずれにも使用可能な画像を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】移動体および移動体に設けられた撮像装置を側面から示した模式図である。
【
図2】運転者からみた移動体の内部を示す模式図である。
【
図3】移動体のカメラシステムを示すブロック図である。
【
図5】撮像素子と光学系が形成する被写体像との位置関係を示す模式図である。
【
図6】受光面における高解像度領域と周辺解像度領域の変形例を示す模式図である。
【
図7】受光面における高解像度領域と周辺解像度領域の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、移動体および移動体に設けられた撮像装置を側面から示した模式図である。移動体10は、運転者11が搭乗し、任意の場所へ移動可能な車両である。
図1において、左方向(Y軸正方向)が移動体10の前方、右方向(Y軸負方向)が移動体10の後方である。また、
図1において、上方向(Z軸正方向)が移動体10の上方、下方向(Z軸負方向)が移動体10の下方である。
【0013】
カメラ100は、移動体10の後部に設けられ、移動体10の後方を撮像して画像を取得する撮像装置である。カメラ100は、光学系の光軸115が、移動体10の進行方向の軸(Y軸)に対して上側に傾くように配置されている。なお、光学系の光軸115は、後述するカメラ100の光学系の高解像度領域の中心を通る。すなわち、高解像度領域の中心を通り、光学系が光を受光する方向に延びる光軸115が、移動体10の直後方に対して、移動体10の上側に傾くように、カメラ10が設置される。
【0014】
カメラ100は、光学的な結像倍率の高い高解像度領域と、高解像度領域に比較して光学的な結像倍率の低い周辺解像度領域を形成する光学系を有し、広角画像を撮影しても高解像度の部分画像を取得することができる。カメラ100が撮像する視野範囲(画角)は、高解像度領域に対応する視野範囲110と、周辺解像度領域に対応する視野範囲120を含む。
【0015】
視野範囲110は、カメラ100の光学系の高解像度領域を介してカメラ100の撮像素子に光が入射される領域であるといえる。視野範囲120は、カメラ100の光学系の周辺解像度領域を介してカメラ100の撮像素子に光が入射される領域であるといえる。
【0016】
視野範囲110は、光軸115を含む。また、視野範囲110が移動体10のカメラ100が設置された位置から、移動体10の直後方に延びる直線を含むように、カメラ100が移動体10に設置される。
【0017】
カメラ100は、移動体10の後端部よりも前方側にカメラ100の後端部が位置するように設置される。視野範囲120は、視野範囲110の周囲を囲むように設けられている。視野範囲120は、少なくとも移動体10の後方の下側の端部(後端)を含む。
【0018】
図2は、運転者11からみた移動体10の内部を示す模式図である。移動体10の内部には、電子ルームミラー210、モニター220、操作部230、およびハンドル240などが設けられている。
【0019】
電子ルームミラー210は、カメラ100が撮像した画像のうち、高解像度領域に対応する視野範囲110を撮像した画像の一部を含む画像を表示する表示装置である。電子ルームミラー210は、光学的な鏡像を表示する電子ルームミラーモードと、カメラ100で撮像された画像を表示する電子ルームミラーモードとを切り替えることが可能である。
【0020】
モニター220は、カメラ100が撮像した画像を表示可能な表示装置である。モニター220は、移動体10を後方に移動させるとき(後退時)に、移動体10の後方を確認するための画像が表示される。また、モニター220は、カーナビゲーションシステムから出力された地図画像や、移動体10のオーディオ機器の機能を制御するためのGUIなども表示可能である。
【0021】
操作部230は、ダイヤルやボタンなどユーザーの操作を受け付けるための操作部材である。操作部230を介して、モニター220のGUIを表示したり、エアーコンディショナーなどの機能を制御することが可能である。
【0022】
ハンドル240は、移動体10の進行方向(航行角度)を制御するための操作部材である。運転者11は、ハンドル240を操作することにより、移動体10の進行方向を制御する。
【0023】
図3は、移動体10のカメラシステム300を示すブロック図である。カメラシステム300は、カメラ100、電子ルームミラー210、モニター220、および制御ユニット310を含む。
【0024】
カメラ100、電子ルームミラー210、およびモニター220の説明は上述しているため省略する。
【0025】
制御ユニット310は、カメラ100から取得した画像に基づいて、電子ルームミラー210、およびモニター220に画像を表示する表示制御処理を実行する。制御ユニット310は、少なくとも1以上のプロセッサで構成されるとする。また、制御ユニット310が実行する一部の機能は少なくとも1以上の電子回路で実現されてもよい。
【0026】
制御ユニット310は、カメラ100から取得した画像のうち、高解像度領域に対応する視野範囲110を撮像した部分を中心とした領域を切り出して得られる部分画像を、電子ルームミラー210に表示させる。また、制御ユニット310は、移動体10が後退する場合に、カメラ100から取得した画像の全体をモニター220に表示させる。制御ユニット310は、移動体10が後退する場合に、カメラ100が取得した画像のうち、移動体10の後端を含む画像の下側の領域を切り出して得られる部分画像をモニター220に表示させてもよい。なお、モニター220に表示される部分画像は、電子ルームミラー210に表示される部分画像よりも、撮影された画像の広い範囲に対応する。
【0027】
図4は、カメラ100の構造を示す模式図である。カメラ100は、光学系410、撮像素子420、回路基板430、および筐体440を有する。
【0028】
光学系410は、外部光から光学的な被写体像(光学像)を形成する複数のレンズから構成される光学系である。光学系410は、撮像素子420に光学像を入力する。光学系410は、光軸115を中心として、光学的な結像倍率の高い高解像度領域と、高解像度領域に比較して光学的な結像倍率の低い周辺解像度領域を形成する光学系である。図面を簡略化するため、
図4では光学系410を1つのレンズとして図示している。
【0029】
撮像素子420は、受光面に入力された光学系410から取り込んだ光学的な被写体像を電気信号に変換するセンサである。光学系410に入射した外部光は撮像素子420上の光電変換エリアである受光面421上で結像し、電気信号に変換される。受光面421は、複数の光電変換素子がマトリクス状に配置される。複数の光電変換素子から入射光に応じた電気信号が出力される。
【0030】
回路基板430は、撮像素子420から出力された電気信号を画像データに変換して出力する信号処理を行う。撮像素子420と回路基板430は、受光面に入力された光学像に基づいて画像を出力する撮像手段として機能する。
【0031】
筐体440は、光学系410、撮像素子420および回路基板430を格納する。
【0032】
図5は、撮像素子420と光学系410が形成する被写体像との位置関係を示す模式図である。
図3は、撮像素子420の受光面421を正面方向(Y軸方向)から見た図として示されている。
図3に示すように、光学系410の光学中心である光軸115が受光面421の中心222に対して上下方向(Z軸方向)にずれるように、光学系410と撮像素子420とが配置されている。
【0033】
受光面421と平行な平面に、光学系410を介して高解像度領域510と周辺解像度領域520とが入力される。高解像度領域510は、光軸115を中心とした領域であり、受光面421上で結像される。高解像度領域510は、視野範囲110に対応する画角の画像を形成する。
【0034】
周辺解像度領域520は、高解像度領域510を中心として高解像度領域510を囲む領域であり、受光面421上に結像した部分は、視野範囲120に対応する画角の画像を形成する。周辺解像度領域520のうち、受光面421上で結像して画像に変換される領域が下側(Z軸負方向)に偏るように予め光学系410と撮像素子420とが配置されている。
【0035】
したがって、カメラ100から出力される画像において、高解像度領域510に対応する視野範囲110の画像が占める領域は画像の中心から上側に配置される。また、カメラ100から出力される画像において、周辺解像度領域520に対応する視野範囲120の画像が占める領域は、画像の中心より下側のほうが、上側よりも広くなる。つまり、
図1に示したように、視野範囲120を光軸115に対し上側(Z軸正方向)の領域が狭く、下側(Z軸負方向)の領域が広くなるよう、すなわち上下方向に非対称に設定される。
【0036】
制御ユニット310は、カメラ100から出力される画像のうち、受光面421に結像された高解像度領域510を含んだ領域、すなわち視野範囲110を撮像した領域の一部を含む出力範囲530を切り出した部分画像を電子ルームミラー210に表示する。このような電子ルームミラー210の表示は、通常走行時に後方を確認、監視するために用いられる。
【0037】
制御ユニット310は、カメラ100から出力される画像のうち、出力範囲530を包含した出力範囲540を切り出した部分画像をモニター220に表示する。出力範囲540は、出力範囲530より広い範囲で切り出された範囲、もしくは、受光面421に結像した画像すべてを含む範囲であるとする。このようなモニター220の表示は、後方の移動体10の周辺を確認するために用いられる。出力範囲540は、受光面421上に結像された周辺解像度領域520、すなわち視野範囲120を撮像した画像を多く含む。
【0038】
カメラ100は、移動体10の後方に移動体10の進行方向(Y軸)に対して上方に光軸115が傾く(仰角となる)ように設けられる。このとき、視野範囲110の下端は、カメラ前端部から移動体10の後方に伸びる平面130に対し、下方(Z軸負方向)に傾くように配置される。これにより、視野範囲110は移動体10後方の路面なども視野に含めることを可能とする。すなわち、視野範囲110は、移動体10の直後方を含み、従来のルームミラーで運転者11が視認する範囲を含む。
【0039】
また、視野範囲120は、カメラ前端部を通り、移動体10の後方(Y軸負方向)に伸びる平面130よりも下側(Z軸負方向)により大きな領域を有する。視野範囲120は撮像装置100の光学系410の最外部のレンズ前玉と車両後方外装との接線140を含むように配置することが容易となる。これは、視野範囲120に常に移動体10の後端Zbが含まれていることを示す。したがって、視野範囲120の下方を含む画像をモニター220に表示することにより、運転者11が移動体10を後退させるときに、移動体10の後方の詳細を確認することが容易となる。
【0040】
上述のように構成されたカメラシステムを用いることにより、1つのカメラから、電子ルームミラー用の画像と、後方監視用の画像とを取得することが可能となる。また、カメラの設置位置を移動体の下側に設けたとしても、高解像度領域に対応する視野範囲を移動体の後ろ上方に傾けることによって、従来のルームミラーで視認していた範囲を電子ルームミラーで運転者が確認することが可能となる。また、視野範囲110の下端部301は-Z方向に傾いているため、後方の路面部分の一部も確認可能である。
【0041】
なお、受光面421における高解像度領域と周辺解像度領域との関係性は、上述した(
図5)の例に限らない。
図6は、受光面421における高解像度領域と周辺解像度領域の変形例を示す模式図である。
図6に示すように、高解像度領域510の一部が受光面421からはみ出す構成であってもよい。
図7は、受光面421における高解像度領域と周辺解像度領域の変形例を示す模式図である。
図7に示すように、高解像度領域510及び周辺解像度領域520のどちらもが受光面421の一部のみを覆う構成であってもよい。
【0042】
また、本実施形態において視野範囲110は光軸115を中心とした範囲として説明したが、視野範囲110の中心は光軸115とずれるように光学系210を形成することも可能である。また、電子ルームミラー210の表示に用いる出力範囲530の中心が光軸115とずれていてもよい。
【0043】
また、光軸115は、受光面421の中心に対して上下方向(Z軸方向)にずらした構成として説明したが、左右方向(X軸方向)にずらすことも可能である。
【0044】
また、
図6、および
図7に示した例では視野範囲110の上下方向の中心と光軸115は一致しなくなるが、同様に視野範囲120を光軸115に対し+Z側の領域が狭く、-Z側の領域が広くなるよう、すなわち上下方向に非対称に設定することが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
10 移動体
100 カメラ
115 光軸
110 視野範囲
120 視野範囲
210 光学系
220 撮像素子
221 受光面