IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲き▼邦科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特開2023-24926フレキシブル回路基板及びそのヒートシンク
<>
  • 特開-フレキシブル回路基板及びそのヒートシンク 図1
  • 特開-フレキシブル回路基板及びそのヒートシンク 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024926
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】フレキシブル回路基板及びそのヒートシンク
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20230214BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20230214BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H05K1/02 Q
H05K1/02 B
H01L23/36 C
H01L23/36 M
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191367
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】110133110
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】謝 依凌
(72)【発明者】
【氏名】李 佩螢
(72)【発明者】
【氏名】李 東昇
【テーマコード(参考)】
5E338
5F136
【Fターム(参考)】
5E338AA02
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB55
5E338BB75
5E338CC08
5E338CD02
5E338CD11
5E338EE02
5E338EE27
5F136BA30
5F136BB01
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】ヒートシンクを有するフレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】本発明は、可撓性基板、電子素子、及びヒートシンク、を備えている。可撓性基板は上面及び下面を有し、電子素子は可撓性基板の上面に設置され、ヒートシンクは可撓性基板の下面に設置されている。ヒートシンクはフレキシブル回路基板に対する放熱を行い、銅層を有し、銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有している可撓性基板と、
前記上面に設置されている電子素子と、
前記可撓性基板の前記下面に設置され、銅層を有していると共に前記銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有しているヒートシンクと、を備えていることを特徴とするヒートシンクを有するフレキシブル回路基板。
【請求項2】
前記銅層中の結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子の粒径は5μm超であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板。
【請求項3】
前記電子素子はフリップチップユニットであることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板。
【請求項4】
前記ヒートシンクは前記電子素子下方に位置し、且つ前記ヒートシンクと前記電子素子との間は電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1または3に記載のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板。
【請求項5】
前記ヒートシンクの前記銅層の厚さは5~50μmの間の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板。
【請求項6】
フレキシブル回路基板に対する放熱を行うためのフレキシブル回路基板のヒートシンクであって、前記ヒートシンクは銅層を有し、且つ前記銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有していることを特徴とするフレキシブル回路基板のヒートシンク。
【請求項7】
前記銅層中の結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子の粒径は5μm超であることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル回路基板のヒートシンク。
【請求項8】
前記ヒートシンクの前記銅層の厚さは5~50μmの間の範囲であることを特徴とする請求項6または7に記載のフレキシブル回路基板のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル回路基板に関し、より詳しくは、ヒートシンクを有するフレキシブル回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル回路基板は体積が小さく、可撓性を有し、厚さが薄いという特性を有しているため、携帯電話、ノートパソコン、スマートウォッチ等の軽さと薄さが求められるモバイル装置に広く適用されている。しかしながら、体積が小さいため、フレキシブル回路基板の放熱が容易ではない。このため、現在のフレキシブル回路基板は背面にヒートシンクを貼着して放熱を補助している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1は従来のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板400とパネル基板200及び制御回路基板300の接続を示す概略構成図である。実際の使用には、フレキシブル回路基板400の両端をパネル基板200及び制御回路基板300にそれぞれ電気的に接続し、制御回路基板300が入力した信号を処理した後にパネル基板200に伝送して制御を行う。フレキシブル回路基板400は取り付けの必要に応じて折曲するが、これによりフレキシブル回路基板400の背面に貼付されたヒートシンク410も追随して折曲される。現在、モバイル装置全体が軽量薄型化を目指して発展しており、フレキシブル回路基板400の折曲角度は大きくなっている。このため、曲げ強さの低いヒートシンク410ではフレキシブル回路基板400から容易に剥離し、放熱効果を失う。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的かつ効果的に課題を改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、ヒートシンク中の結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子の容積率を50%超とすることでヒートシンクの曲げ強さを効果的に高め、ヒートシンクがフレキシブル回路基板から剥離しないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板は、可撓性基板、電子素子、及びヒートシンク、を備えている。前記可撓性基板は上面及び下面を有し、前記電子素子は前記可撓性基板の前記上面に設置され、前記ヒートシンクは前記可撓性基板の前記下面に設置されている。前記ヒートシンクは銅層を有し、前記銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有している。
【0007】
本発明の別の態様は、ヒートシンクである。このヒートシンクは、フレキシブル回路基板に対する放熱を行う。前記ヒートシンクは銅層を有し、且つ前記銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ヒートシンクの銅層は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有し、ヒートシンクが好ましい曲げ強さを有し、ヒートシンクが折曲されるときにフレキシブル回路基板から剥離しない。
【0009】
本明細書及び図面の記載により、以下の事項が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のヒートシンクを有するフレキシブル回路基板とパネル基板及び制御回路基板の接続を示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るヒートシンクを有するフレキシブル回路基板を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態によるフレキシブル回路基板及びそのヒートシンクを図面に基づいて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態がある。
【0012】
図2は本発明の一実施形態に係るヒートシンクを有するフレキシブル回路基板100を模式的に示した断面図である。ヒートシンクを有するフレキシブル回路基板100は可撓性基板110と、電子素子120と、ヒートシンク130と、を備えている。ヒートシンクを有するフレキシブル回路基板100はソルダーマスク層及びチップアンダーフィルをさらに有している。
【0013】
図2を参照すると、可撓性基板110はポリイミド(polyimide)或いは電気的絶縁性、安定性、耐薬品性を有している他のポリマーで製造され、可撓性基板110は上面111及び下面112を有している。上面111はパターン化回路層111aを有し、パターン化回路層111aは上面111に電気めっきされている銅層に対しパターン化エッチングプロセスを行って形成された微細回路である。電子素子120は可撓性基板110の上面111に設置されていると共にパターン化回路層111aに電気的に接続されている。本実施形態では、電子素子120はフリップチップユニットであり、チップ121及び複数のバンプ122を有している。各バンプ122の両端はチップ121及びパターン化回路層111aにそれぞれ電気的に接続され、チップ121とパターン化回路層111aとの間で信号を伝送するために用いている。
【0014】
ヒートシンク130は可撓性基板110の下面112に設置され、本実施形態では、ヒートシンク130は銅層131及び接着層(図示省略)を有している。接着層は銅層131と可撓性基板110との間に位置し、接着層は銅層131を可撓性基板110の下面112に接着するために用いている。好ましくは、ヒートシンク130は電子素子120の下方に位置し、電子素子120が発生する熱を放熱するために用いている。
【0015】
本実施形態では、銅層131は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有し、結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子で構成されている銅は好ましい曲げ強さを有している。よって、本実施形態に係るヒートシンク130の銅層131も曲げ強さを有し、折曲された際にフレキシブル回路基板100から剥離しないようにしている。好ましくは、ヒートシンク130と電子素子120との間が電気的に接続されていないため、ヒートシンク130も電流信号が流れず、ヒートシンク130の導電性を考慮する必要がなく、ヒートシンク130の銅層131は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子で構成可能である。
【0016】
好ましくは、ヒートシンク130の放熱効果を考量し、ヒートシンク130の銅層131中の結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子の粒径を5μm超とし、且つヒートシンク130の銅層131の厚さを5~50μmの間の範囲とすることで、ヒートシンク130が折曲能力を有すると同時に需要を満たした放熱能力も有する。
【0017】
本発明は、ヒートシンク130の銅層131は容積率が50%未満ではない結晶方向がミラー指数(1,0,0)である銅粒子を有し、これにより曲げ強さを有し、ヒートシンク130が折曲される際にフレキシブル回路基板100から剥離しないようにしている。
【0018】
以上、本発明は、上記実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれことが、特許請求の範囲の記載より明らかである。
【符号の説明】
【0019】
100 ヒートシンクを有するフレキシブル回路基板
110 可撓性基板
111 上面
111a パターン化回路層
112 下面
120 電子素子
121 チップ
122 バンプ
130 ヒートシンク
131 銅層
200 パネル基板
300 制御回路基板
400 フレキシブル回路基板
410 ヒートシンク
図1
図2