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特開2023-24962多孔質の内壁部分を備えたロケットエンジン部分およびロケットエンジン部分を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024962
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】多孔質の内壁部分を備えたロケットエンジン部分およびロケットエンジン部分を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   F02K 9/64 20060101AFI20230214BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230214BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20230214BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20230214BHJP
【FI】
F02K9/64
B33Y10/00
B33Y80/00
B29C64/153
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022126312
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10 2021 120 637.5
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516077644
【氏名又は名称】アリアーネグループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー ヴィートマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アイリングハウス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク リートマン
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン リス
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AG03
4F213AG06
4F213AG20
4F213AH16
4F213AH31
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロケットエンジン部分であって、内壁を備えた燃焼室ボディと、内壁の外側に沿って延びる冷却媒体案内通路とを有している、ロケットエンジン部分を説明する。
【解決手段】ロケットエンジン部分(100)は、内壁(201)と一体に形成されて内壁(201)に組み込まれており、通路(210,220)内を案内される冷却媒体を、通路(210,220)から燃焼室ボディ(105)の内部に通流させるように構成された多孔質部分(250)を有している。多孔質部分(250)の多孔率が、燃焼室ボディ(105)の内部に通流させられる冷却媒体の体積流量および/または質量流量を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケットエンジン部分(100)であって、
-内壁(201)を備えた燃焼室ボディ(105)と、
-前記内壁(201)の外側において前記内壁(201)に沿って延びる冷却媒体案内通路(210,220)と
を有している、ロケットエンジン部分(100)において、
前記ロケットエンジン部分(100)は、
-前記内壁(201)と一体に形成されて該内壁(201)に組み込まれており、前記通路(210,220)内を案内される冷却媒体を、前記通路(210,220)から前記燃焼室ボディ(105)の内部に通流させるように構成された多孔質部分(250)をさらに有しており、
前記多孔質部分(250)の多孔率が、前記燃焼室ボディ(105)の内部に通流させられる前記冷却媒体の体積流量および/または質量流量を決定することを特徴とする、ロケットエンジン部分(100)。
【請求項2】
前記多孔質部分(250)の前記多孔率は、前記燃焼室ボディ(105)の軸線方向および/または周方向において変化している、請求項1記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項3】
前記多孔質部分(250)は、前記燃焼室ボディ(105)の燃焼室スロート(110)に配置されている、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項4】
前記冷却媒体案内通路(210,220)は、前記燃焼室ボディ(105)の前記内壁(201)を冷却するための冷却通路(210)、または前記燃焼室ボディ(105)の前記内壁(201)を冷却するための冷却媒体案内グリッド構造体(210,220)の一部である、請求項1から3までのいずれか1項記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項5】
前記冷却媒体案内通路(210,220)は、前記多孔質部分(250)への前記冷却媒体の供給のみに用いられる専用通路(220)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項6】
-前記冷却媒体案内通路(220)と前記多孔質部分(250)とを流体接続する複数の供給導管(212,222)をさらに有しており、
好適には、前記複数の供給導管(212,222)の少なくとも一部は、前記複数の供給導管(212,222)のその他の部分の前記冷却媒体の流量とは異なる前記冷却媒体の流量を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項7】
前記冷却媒体は、ロケット燃料である、請求項1から6までのいずれか1項記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項8】
ロケットエンジン部分(100)を製造する方法であって、
-燃焼室ボディ(105)用の少なくとも1つの基材を準備するステップ(305)と、
-前記少なくとも1つの基材から付加製造により、内壁(201)と、該内壁(201)の外側に配置された少なくとも1つの通路(210,220)と、前記内壁(201)と一体に形成されて該内壁(201)に組み込まれた多孔質部分(250)とを備えた燃焼室ボディ(105)を製造するステップ(310)とを含み、
前記製造ステップには、前記通路(210,220)と、前記燃焼室ボディ(105)の内部との間において前記多孔質部分(250)を貫通する流体接続部の形成がさらに含まれており、
前記多孔質部分(250)の多孔率が、前記通路(210,220)から前記燃焼室ボディ(105)の前記内部へ流れる流体の体積流量および/または質量流量を決定する、
方法。
【請求項9】
前記燃焼室ボディ(105)の前記多孔質部分(250)の前記製造ステップには、前記内壁(201)の少なくとも一部において、流体が透過する構造を形成する所定の領域を前記付加製造中に抜き出すことが含まれている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
付加製造による前記燃焼室ボディ(105)の前記多孔質部分(250)の前記製造ステップには、前記燃焼室ボディ(105)の別の部分を製造するためよりもエネルギ導入量を減少させることが含まれている、請求項8記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の内壁部分を備えたロケットエンジン部分およびロケットエンジン部分を製造する方法に関する。特に本発明は、燃焼室ボディの内壁に多孔質部分を備えたロケットエンジン部分に関し、多孔質部分は、内壁に一体に組み込まれている。さらに本発明は、このようなロケットエンジン部分を付加製造により製造する方法に関する。
【0002】
ロケットエンジンの場合、その燃焼室は、例えばしみ出し冷却により冷却され、これにより、燃焼室を高温ガスから保護する。この場合、ロケットエンジンの燃料成分は大抵、冷却膜が形成される内側の燃焼室壁に案内される。燃料成分を導入するために、燃焼室壁には多孔質構造を有するインレーが設けられていてよい。
【0003】
これに対して独国特許発明第19901424号明細書は、穿孔を形成し、穿孔を通って冷却媒体が高温ガス側に流れることができるようにして内壁に蒸発カーテンを形成することを提案している。穿孔に適合する寸法設定により、圧力変動に対する安定化効果が達成され得る。
【0004】
多孔質インレーの場合も穿孔の場合も、これらの製造、すなわち内側の燃焼室壁への取付けもしくは穿孔には極めて時間とコストとがかかる。
【0005】
これに鑑みて本発明の根底を成す課題は、迅速に実現され得かつ低コストにつながるロケットエンジン部分ならびに付随する製造方法を提供することにある。
【0006】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するロケットエンジン部分ならびに請求項8記載の特徴を有する方法により解決される。
【0007】
本開示をより良く理解するための第1の態様では、ロケットエンジン部分は、内壁を備えた燃焼室ボディと、内壁の外側において内壁に沿って延びる冷却媒体案内通路とを有している。燃焼室ボディは、その内壁でもって、燃焼室の少なくとも一部を包囲している。燃焼室ボディは、例えば回転対称であってよく、または別の形式で、高温ガス流の良好な流動特性に適合させられていてよい。
【0008】
つまり、燃焼室ボディは、例えば高温ガス流の流れ方向に延びかつ/または回転対称軸線を形成する軸線方向を有している。これに対応して、燃焼室ボディは、例えば軸線方向に対して垂直な平面内に延びる周方向を有していてもよい。これに対応して、半径方向は、軸線方向に対して垂直に延びており、同様に、軸線方向に対して垂直な平面内に延びている。本開示において、「内」および「外」等の用語は、回転対称軸線または中心(のより近く)に位置するもしくは回転対称軸線または中心からさらに遠くに位置する領域または部分に当てはまる。
【0009】
冷却媒体案内通路は、燃焼室ボディの内壁の外側に配置されている。換言すると、通路は、燃焼室ボディの内壁の、燃焼室とは反対の側に配置されている。この場合、通路は、内壁を形成するジャケットの外面に直接に配置されていてもよい。さらに、ジャケットは、通路の一部を確定していてもよい。択一的または少なくとも部分的に、通路は、内壁を形成するジャケットに間接的に配置されていてもよい。直接配置の場合には、ジャケットから直接に熱を吸収することにより、効率的な冷却を行うことができる。間接配置の場合には、ジャケットの冷却の他に、冷却媒体案内通路の最適な経路も考慮され得る。
【0010】
さらに、ロケットエンジン部分は、内壁と一体に形成されて内壁に組み込まれた多孔質部分を有している。つまり、多孔質部分は、内壁と同じ材料から製造されているか、内壁を形成するジャケットにより一貫して製造されている。よって、多孔質部分は別個に製造されてジャケットに挿入されたのではなく、内壁もしくは内壁を形成するジャケットに組み込まれている。このことは特に、さらに詳しく説明するように、付加製造の形態で実現され得る。
【0011】
さらに、多孔質部分は、通路内を案内される冷却媒体を、通路から燃焼室ボディの内部に通流させるように構成されている。換言すると、多孔質部分は、冷却媒体に対して透過性であり、燃焼室と通路との間に流体接続部を形成している。
【0012】
特に、多孔質部分の多孔率が、燃焼室ボディの内部に通流させられる冷却媒体の体積流量および/または質量流量を決定する。多孔率は、一方では内壁の特定の体積部分と、内壁内に含まれる中空空間体積との比率により決定される。この場合、多孔率は、(標準的な)内壁を形成する材料のグロス密度と、多孔質部分の密度との間の比率としても決定され得る。他方では、多孔率は、本開示では多孔質部分の外側から内側への流体透過性によっても決定される。換言すると、多孔率は、多孔質部分の個々の中空空間相互の流体接続部に応じて、例えば同様に適合する体積の比率においても決定される。
【0013】
ロケットエンジン部分のこの特別な形態は、燃焼室ボディの内壁のしみ出し冷却を可能にし、この場合、多孔質部分を、例えば内壁または燃焼室ボディの製造中に廉価かつ迅速に、内壁に組み込むことができる。特に、多孔質材料を別個に製造するための追加的な作業ステップが省かれ、この場合、多孔質材料を、燃焼室の内壁に最初に設けられるべき開口または凹部に挿入する必要がある。さらに、燃焼室の内壁内でのこのようなインレーの固定も省くことができる。それというのも、多孔質部分は、本開示では内壁と一体に形成されており、内壁に組み込まれているからである。同様に、時間とコストとがかかる穿孔(パーフォレーション)も、一切行わずに済む。
【0014】
1つの実施形態では、多孔質部分は、燃焼室ボディの特定の領域に限定されていてもよい。例えば、多孔質部分は、最大熱負荷が予想される場所において内壁に組み込まれていてもよい。よって、多孔質部分は、軸線方向において制限された延在長さを有している。大抵の燃焼室ボディは回転対称であるため、多孔質部分は、周方向において一貫して内壁に組み込まれていてもよい。もちろん、静力学的な理由から、周方向において複数の多孔質部分が配置されていてもよく、この場合、1対の多孔質部分の間にそれぞれ、多孔性を有さない内壁の部分が配置されている。同様に任意には、複数の多孔質部分が内壁に市松模様に組み込まれていてもよい。すなわち、軸線方向においても周方向においても、1対の多孔質部分の間にそれぞれ、多孔性を有さない内壁の部分が配置されている。この場合、互いに対角線方向に配置された多孔質部分は接触し合っていてもよく、多孔性を有さない内壁の部分により互いに離間されていてもよい。
【0015】
1つの実施形態では、多孔質部分の多孔率は、燃焼室ボディの軸線方向および/または周方向において変化していてもよい。これにより、多孔率を燃焼室ボディ内の状況に適合させることが可能であり、これにより、しみ出し冷却に使用される冷却媒体の体積流量および/または質量流量ひいてはしみ出し冷却自体も、燃焼室ボディ内の状況に適合させられる。例えば、燃焼室ボディ内の、より高い温度に晒されている位置には、あまり高い温度に晒されてはいない他の部分よりも多孔率の大きなひいては冷却がより強力な部分が設けられてもよい。
【0016】
多孔率の変化は、部分的に行われてもよく、連続的に変化してもよい。これにより、冷却媒体の体積流量および/または質量流量と、これに付随するしみ出し冷却とを、移行部無しで、燃焼室ボディの熱負荷に適合させることができる。このことは、例えば、燃焼室ボディも連続的にその広がりを(特に半径方向に)変化させる場所において有利であり得る。
【0017】
1つの別の実施形態では、多孔質部分は、燃焼室ボディの燃焼室スロートに配置されていてもよい。燃焼室スロートは、半径方向に見て狭窄部を成している、軸線方向における燃焼室の部分である。狭窄部を通過せざるを得ない高温ガスにより、燃焼室ボディの内壁は特に高い温度ひいては高い熱負荷に晒されている。多孔質部分を配置し、これによりしみ出し冷却を達成することにより、燃焼室ボディの内壁を、これらの高い温度から良好に保護することができる。
【0018】
同様に、多孔質部分は、燃焼室とノズル拡張部との間の移行部に設けられている、ということも可能である。多孔質部分は、燃焼室ボディの複数の領域にわたり延在していてもよい。
【0019】
さらに、多孔質部分の多孔率ひいては達成可能な冷却は、燃焼室ボディの形状に適合させることができる。例えば、多孔率は、半径方向において燃焼室ボディの大きさに反比例するように変化していてもよい。換言すると、多孔率は、燃焼室ボディが半径方向において最小である場所(燃焼室ボディの互いに反対側に位置する内壁が半径方向において最小の距離を有しておりかつ燃焼室スロートを形成している場所)で最大であってよく、燃焼室ボディの幅が半径方向において増大するにつれて減少してよい。これにより、最適な冷却を達成することができるだけでなく、既存の冷却媒体を効率的に利用することもできる(例えば、しみ出し冷却が必ずしも必要ではない場所で、冷却媒体がしみ出し冷却用に過剰に消費されることはない)。
【0020】
1つの別の実施形態では、冷却媒体案内通路は、燃焼室ボディの内壁を冷却するための冷却通路であってよい。例えば、燃焼室ボディは、少なくとも1つの冷却通路を有していてよく、冷却通路は、実質的に軸線方向に延びており、内壁を形成しているジャケットまたはボディの外面に延びており、例えばこの外面の延在部に、半径方向に見て追従している。択一的に、冷却媒体案内通路は、軸線方向に対して斜めに配置されていてもよい。例えば、通路は燃焼室の周りにらせん状に配置されていてもよい。やはり択一的に、冷却媒体案内通路は、冷却媒体案内グリッド構造体の少なくとも一部または同様に配置された、互いに接続された複数の中空空間であってもよい。
【0021】
これらの冷却媒体案内通路はそれぞれ、例えば燃料を燃焼室ヘッドに送るために用いられてもよい。この場合、燃料は、通路を通って燃焼室内の高温ガス流とは反対方向に流れることができ、または、択一的に高温ガス流と同じ方向に流れることができる。燃焼室ボディの冷却に用いられるこの燃料は、(少量が)多孔質部分を介して燃焼室ボディの内部に案内され得、これにより、そこで燃焼室ボディの内壁におけるしみ出し冷却を実行することができる。
【0022】
1つの別の実施形態では、冷却媒体案内通路は、多孔質部分への冷却媒体の供給に用いられる専用通路であってもよい。換言すると、この通路は専ら、多孔質部分に冷却媒体を供給するためだけに設けられている。
【0023】
単に例示的に、この通路は別の冷却通路とは別個に、燃焼室ボディ内にまたは燃焼室ボディに接して配置されていてもよい。択一的または追加的に、この通路は、複数の冷却通路または他の冷却媒体案内通路も別の多孔質部分へ分岐している共通の分配器から分岐していてもよい。
【0024】
1つのさらに別の実施形態では、ロケットエンジン部分はさらに、冷却媒体案内通路と多孔質部分とを流体接続する複数の供給導管を有していてもよい。供給導管は第一に、通路と多孔質部分との間の流体接続に用いられ、これにより、例えば通路と多孔質部分との空間的な隔たりを架橋することができる。このような空間的な隔たりは、燃焼室ボディの外側における通路の所定の経路に起因している場合がある。例えば、燃焼室ボディに沿ってこのような通路が複数設けられている場合、これらの通路は、燃焼室スロートの所では燃焼室のテーパに基づき、燃焼室ボディの、燃焼室スロートよりも大きな半径方向における経路長を有する領域とは異なって延在せざるを得ない。
【0025】
1つの実施形態では、複数の供給導管の少なくとも一部は、複数の供給導管のその他の部分の冷却媒体の流量とは異なる冷却媒体の流量を有することができる。換言すると、供給導管は、通路から多孔質部分(または多孔質部分の一部のみ)への体積流量および/または質量流量の決定にも用いられてよい。これにより、多孔質部分の多孔率に加えて体積流量および/または質量流量が決定されかつ最適化もされ得る。
【0026】
1つの別の実施形態では、冷却媒体は、ロケット燃料であってよい。例えば、冷却媒体は、多孔質部分内でまたは多孔質部分から燃焼室ボディの内部へ流出する際に蒸発し、燃焼室ボディの内壁に冷却膜を形成する極低温燃料であってもよくかつ/または液体燃料であってもよい。択一的に、冷却媒体は別個の冷却媒体、例えば液化ガスおよび/または極低温ガスまたは液体(単に例示的に、ここでは水を挙げておく)等であってもよい。
【0027】
本開示をより良く理解するための1つの別の態様に基づき、ロケットエンジン部分を製造する方法は、燃焼室ボディ用の少なくとも1つの基材を準備するステップと、少なくとも1つの基材から付加製造により、内壁と、内壁の外側に配置された少なくとも1つの通路と、内壁と一体に形成されて内壁に組み込まれた多孔質部分とを備えた燃焼室ボディを製造するステップとを含む。換言すると、製造に際して、燃焼室ボディの内壁と、内壁に加えて外側に配置される(例えば冷却媒体を案内する)通路と、内壁内に形成されて内壁に組み込まれた多孔質部分とが、1回の単独の作業ステップで製造される。
【0028】
これに対して択一的に、製造に際して、燃焼室ボディの内壁と、内壁に組み込まれた多孔質部分とを製造してもよく、この場合、内壁は、外側に配置された通路の一部を形成している。通路のその他の部分は、別の製造ステップにおいて内壁の外面に取り付け、これにより通路を完全なものにすることができる。
【0029】
特に付加製造(3Dプリントまたは積層造形法(Additive Layer Manufacturing - ALM)とも呼ばれる)により、燃焼室ボディは層状に、内壁に隣接して配置されるもしくは内壁内に形成されて組み込まれるコンポーネントを備えて製造され得る。これにより、全ての中空空間、例えば通路の内部ならびに多孔質部分を形成する中空空間が、より簡単、より迅速、かつ、より廉価に、任意の形状で製造され得る。インレーの製造および挿入に比べ、この製造形式は多数の製造ステップひいては高価な製造時間を節減する。
【0030】
基材は、粉末状の基材であってよい。同様に、液状の基材を使用することも可能である。両方のケースにおいて、例えばレーザを用いたエネルギ導入により基材を結合させ、固体の構造体を形成することができる。
【0031】
特に、製造にはさらに、通路と、燃焼室ボディの内部との間において多孔質部分を貫通する流体接続部の形成が含まれる。換言すると、燃焼室ボディの内壁の内側から通路の内部まで一貫した中空空間もしくは互いに接続された複数の一連の中空空間が成形される。
【0032】
この場合、(例えば、軸線方向が製造方向でもある場合に軸線方向に見て)このような一貫した中空空間の最小高さは、付加製造法の1つの層の最小限の層厚さにより決定される。同様に、選択された付加製造法の最小限の層厚さは、製造方向に見た、多孔質部分の最小限の高さも決定し得る。製造システムの選択に応じて、多孔質部分の中空空間もしくは固体の構成要素をマイクロメートル範囲で、または、それどころかナノメートル範囲で製造することができる。これにより、燃焼室ボディの内部への、冷却媒体の冷却膜としての極めて良好な導入が実現され得る。特に、冷却媒体の体積流量および/または質量流量は、多孔質部分により極めて微細に調整されかつ決定され得る。
【0033】
特にこの場合、多孔質部分の多孔率が、通路から燃焼室ボディの内部へ流れる流体の体積流量および/または質量流量を決定してもよい。
【0034】
1つの実施形態では、燃焼室ボディの多孔質部分の製造に、内壁の少なくとも一部において、流体が透過する構造を形成する所定の領域を付加製造中に抜き出すことが含まれていてもよい。換言すると、中空空間を形成する多孔質部分の領域、および/または冷却媒体を案内する通路および/または供給導管および/または別の中空空間が付加製造時に抜き出されるので、基材が目の詰んだ構造体を形成するように結合されることはない。例えば、これらの領域において基材にエネルギ導入が行われることはあり得ないため、これらの領域の基材が互いに融合または付着し合うことはない。
【0035】
例えば、多孔質部分の固体の構成要素は、格子状の、例えば一様な構造を有していてもよい。択一的に、多孔質部分の固体の構成要素は、海綿に似た構造を有していてもよく、この場合、海綿の中空空間のうちの少なくともいくつかは、互いに接続されているかまたは少なくとも冷却媒体に関して透過性である。多孔質部分の構造は、多孔質部分の構造により、多孔質部分を通流する冷却媒体の体積流量および/または質量流量が決定されているように選択され得る。
【0036】
1つの別の実施形態では、付加製造による燃焼室ボディの多孔質部分の製造に、燃焼室ボディの別の部分を製造するためよりもエネルギ導入量を減少させることが含まれていてもよい。換言すると、付加製造に際して、燃焼室ボディおよび/または通路の固体の構成要素を製造するためには、基材を結合して静力学的かつ熱的に負荷可能な構造体を形成するように最適化された所定のエネルギ導入量が適用され得る。多孔質部分の多孔率を達成しかつ/または決定するためには、多孔質部分の少なくとも一部において、より少ないエネルギ導入量が選択されてよい。これにより、基材はあまり強力には互いに融合または付着させられず、これにより、比較的緩い枠組が生じることになる。次いで、融合または付着されなかった基材を除去することにより、多孔質部分が残される。
【0037】
本開示をより良く理解するための別の態様に基づき、ロケットエンジンは、第1の態様または第1の態様について説明した実施形態のうちの1つによるロケットエンジン部分を含んでいる。
【0038】
本開示をより良く理解するための1つの別の態様に基づき、第1の態様によるロケットエンジン部分は、ロケットエンジン用の燃焼室を形成している。
【0039】
上述した態様および実施形態はもちろん、それぞれ明確に説明することなしに組み合わせることもできる。よって、説明した実施形態はそれぞれ、各実施形態または既にそれらの組合せに関して任意選択的であると認められる。よって、本開示は個々の構成および変化形の説明した順序または態様および実施形態の特定の組合せに限定はされない。
【0040】
次に、添付の概略図に基づき、本発明の好適な実施形態をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】ロケットエンジン部分を概略的に示す断面図である。
図2】燃焼室ボディを概略的に示す軸線方向横断面図である。
図3】燃焼室ボディを概略的に示す別の軸線方向横断面図である。
図4】ロケットエンジン部分を製造する方法を概略的に示すフローチャートである。
【0042】
図1には、ロケットエンジン部分100の断面図が概略的に示されている。この断面図は、ロケットエンジン部分100の燃焼室ボディ105の回転対称軸線Rを通る、回転対称軸線Rに対して平行な断面内のロケットエンジン部分100を示している。この場合、回転対称軸線Rは軸線方向に延びている。図示のロケットエンジン部分100は、例えば燃焼室ボディ105の燃焼室スロート110を含んでいる。この燃焼室スロート110は大抵、燃焼室ボディ105の内部空間の最も狭い箇所である。例えば、図1において燃焼室スロート110の左側には、燃料成分が導入されて燃焼する燃焼室ヘッドが位置していてもよい(図示せず)。したがって、燃焼しているまたは既に燃焼した燃料成分の放出は、図1において右側に向かって行われ、このとき、燃料成分は燃焼室スロート110を通過する。よって燃焼室スロート110は、高い熱負荷に晒されることになる。
【0043】
燃焼室ボディ105は、内壁201と外壁202とを有しており、この場合、外壁202について詳細には検討しない。特に、内壁201を冷却するために、内壁の外側に沿って少なくとも1つの冷却媒体案内通路210,220が延びている。例えば、通路210,220を通って冷却媒体が燃焼室ヘッド(図1の左側、図示せず)に流れ、その際に燃焼室ボディ105と、特にその内壁201とを冷却することができるようになっている。この場合、内壁201は、通路210,220の壁を成していてもよい。
【0044】
特に、負荷される燃焼室スロート110の領域には、さらに、多孔質部分250が示されている。もちろん、このような多孔質部分250は、燃焼室ボディ105の他の箇所に配置されてもよく、燃焼室ボディの内壁201全体にわたり延在してもよい。このことは、軸線方向にも、(図1の図平面に対して垂直な)半径方向にも当てはまる。さらに、内壁201には当然、複数の多孔質部分250が設けられていてもよい。
【0045】
多孔質部分250は、内壁201と一体に形成されており、内壁201に組み込まれている。すなわち、多孔質部分250を形成する材料は、内壁201を形成する材料と同じである。多孔質部分250は特に、通路210,220内を案内される冷却媒体を、通路210,220から燃焼室ボディ105の内部へ案内して通流させるように構成されている。換言すると、多孔質部分250は、通路210,220と(燃焼室の)燃焼室ボディ105の内部空間との間に流体接続部を形成している。
【0046】
この場合、中空空間と固形物との間の比率により確定された、多孔質部分250の多孔率は、燃焼室ボディ105の内部に通流させられる冷却媒体の体積流量および/または質量流量を決定する。多孔率に基づき、冷却媒体は内壁201の内側に流入し、そこに冷却膜を形成する。この冷却膜は、内壁201の熱負荷される表面に直接、しみ出し冷却をもたらす。
【0047】
図1に示す図から看取され得るように、回転対称軸線Rからの内壁201の距離は、まさに燃焼室スロート110の領域において軸線方向(回転対称軸線R)に沿って変化している。これに対応して、内壁201の熱負荷も変化する。内壁201の熱負荷も当然、燃焼室内の燃焼の進行に基づき、軸線方向に変化し得る。
【0048】
この場合、多孔質部分250の多孔率は、軸線方向および/または周方向において変化していてもよく、これにより、対応する熱負荷に適合させることができる。例えば、回転対称軸線Rまでの距離が最も小さい箇所において、より大きな多孔率が実現されていてもよい。大きな多孔率は、多孔質部分250に、より多くのかつ/またはより大きな中空空間が(および中空空間の間のより多くのかつ/またはより大きな接続部も)存在することを意味する。このことは、多孔質部分250を通って内壁201の内側に到達する冷却媒体の、より大きな体積流量および/または質量流量にも対応する。これにより、内壁201の、より顕著な冷却が達成され得る。
【0049】
図2には、燃焼室ボディ105の断面図が示されている。特に、軸線方向における断面図(図2の左側)と、燃焼室ボディ105の周方向における断面図(図2の右側)とが示されている。図示のロケットエンジン部分100には、多孔質部分250への冷却媒体の供給に用いられる専用通路220が示されている。専用通路220は冷却媒体を案内し、冷却媒体は、外側から多孔質部分250に導入され得る。例えばこのためには、通路220を多孔質部分250に流体接続する1つまたは複数の供給導管222が設けられていてもよい。冷却媒体は、例えばロケットエンジンの燃料であってよい。
【0050】
図2では一部のみが見えているに過ぎない専用通路220は、1つまたは複数の供給導管222を介して多孔質部分250に流体接続された流体案内グリッド構造体の一部であってもよい。
【0051】
1つまたは複数の供給導管222を介して、多孔質部分250内への冷却媒体の流量も決定され得る。一方では、流量は、多孔質部分250の所定の単位面積当たりの供給導管222の数により決定され得る。他方では、流量は、供給導管222の所定の内径によっても決定され得る。供給導管222を相応して選択することにより、多孔質部分250の複数の異なる領域に、それぞれ異なる体積流量および/または質量流量の冷却媒体を供給することができる。これにより、例えば、供給導管222の一部は、供給導管222の別の部分の冷却媒体の流量とは異なる冷却媒体の流量を有することができる。このことは、同様に、内径および/または単位面積当たりの導管222の数により規定されていてもよい。いずれにせよ、多孔質部分250は軸線方向および/または周方向において異なるしみ出し冷却を生ぜしめることができる。それというのも、多孔質部分250の個々の領域に、それぞれ異なる量の冷却媒体が案内されるからである。
【0052】
もちろん、多孔質部分250の多孔率が、軸線方向および/または周方向において変化していてもよい。このことは、異なる供給導管222に対して追加的にまたは択一的に実現されていてもよい。
【0053】
図2に示すように、ロケットエンジン部分100は、任意には冷却通路210を有している。冷却通路210は通路220と同様に、内壁201の外側に沿って配置されている。通路220とは異なり、冷却通路210は通路220から独立して延びており、(通路220内のものと同じかまたは別の)冷却媒体を、例えば燃焼室ヘッド(図示せず)に案内する。両方のケースにおいて、内壁201を冷却するための冷却媒体が使用される。それというのも、通路210,220内の冷却媒体は、(冷却媒体が多孔質部分250内に導入されるか否かに関係なく、)内壁201の熱を吸収するからである。
【0054】
図3にも同様に、図2に示した断面図に対応するロケットエンジン部分100の断面図が示されている。ここに示すロケットエンジン部分100において、冷却媒体を案内する通路は、少なくとも図示の領域において燃焼室ボディ105の実質的に軸線方向に延びる、燃焼室ボディ105の内壁201を冷却するために設けられた冷却通路210である。図3では一部のみが見えているに過ぎない冷却通路210は、多孔質部分250に流体接続された流体案内グリッド構造体の一部であってもよい。
【0055】
図2に示した構成に比べ、ここでは専用通路220が不要であることから、ロケットエンジン部分100は、より簡単に製造され得る。他方では、図2に示した構成の場合には、多孔質部分250におけるしみ出し冷却のための体積流量および/または質量流量が、通路210内の冷却媒体流に依存せずに制御され得る。例えば、冷却通路210は、図2ではロケットエンジンにロケット燃料を供給するために使用されてよく、ロケット燃料の体積流量および/または質量流量は、場合により、多孔質部分250における冷却用のものとは異なるように制御する必要がある。
【0056】
図3に示す多孔質部分250は、1つまたは複数の供給導管212を介して通路210に流体接続されていてもよい。供給導管212は、図2に関して説明した供給導管222と同様に構成されていてもよい。
【0057】
択一的に、多孔質部分250は、通路210の側壁と一体に形成され、通路210に組み込まれていてもよい。換言すると、別個に製造される供給導管212は省かれてもよい。例えば、内壁201が、冷却通路210を少なくとも部分的に画定していてもよい。これにより、多孔質部分250の中空空間が、通路210の内部空間(内腔)を燃焼室(燃焼室ボディ105の内側)に接続することになる。多孔率を対応して選択することにより、内壁201のしみ出し冷却を変化させ、燃焼室ボディ105内の状況に応じて決定することができる。
【0058】
図4には、ロケットエンジン部分100を製造する方法のフローチャートが概略的に示されている。第1のステップ305において、燃焼室ボディ105用の少なくとも1つの基材を準備する。少なくとも1つの基材は、例えば金属、金属合金またはセラミックであってよい。特に基材は、粉末状または液状で準備され、点状のエネルギ導入により互いに溶融または付着し合うように構成されていてもよい。
【0059】
別のステップ310において、付加製造により、例えば準備した基材への点状のエネルギ導入により、内壁201と、内壁201の外側に配置された少なくとも1つの通路210,220と、内壁201と一体に形成されて内壁201に組み込まれた多孔質部分250とを備えた燃焼室ボディ105を製造する。特に、多孔質部分250の製造に際して、通路210,220と、燃焼室ボディ105の内部との間に、多孔質部分250を貫通する流体接続部が製造され得る。
【0060】
このことは、例えば、多孔質部分250の中空空間を形成する所定の領域を抜き出すことにより行われてもよい。換言すると、基材を、中空空間の周りの領域においてのみ硬化させ、中空空間を流体が透過する構造を形成する構造体になるように成形する。
【0061】
これに対して択一的に、エネルギ導入は、これが燃焼室ボディの別の部分の製造に必要とされた場合には、付加製造中に減少されてもよい。より少ないエネルギ導入に基づき、基材は互いにあまり強力には結合されず、その結果、多孔質構造が生じる。次いで、互いに結合されていない基材を除去することにより、多孔質部分250を形成する枠組が残される。
【0062】
ここに説明した実施形態は、単に例示的であるに過ぎず、本発明の説明にのみ用いられる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケットエンジン部分(100)であって、
-内壁(201)を備えた燃焼室ボディ(105)と、
-前記内壁(201)の外側において前記内壁(201)に沿って延びる冷却媒体案内通路(210,220)と
を有している、ロケットエンジン部分(100)において、
前記ロケットエンジン部分(100)は、
-前記内壁(201)と一体に形成されて該内壁(201)に組み込まれており、前記通路(210,220)内を案内される冷却媒体を、前記通路(210,220)から前記燃焼室ボディ(105)の内部に通流させるように構成された多孔質部分(250)をさらに有しており、
前記多孔質部分(250)の多孔率が、前記燃焼室ボディ(105)の内部に通流させられる前記冷却媒体の体積流量および/または質量流量を決定することを特徴とする、ロケットエンジン部分(100)。
【請求項2】
前記多孔質部分(250)の前記多孔率は、前記燃焼室ボディ(105)の軸線方向および/または周方向において変化している、請求項1記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項3】
前記多孔質部分(250)は、前記燃焼室ボディ(105)の燃焼室スロート(110)に配置されている、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項4】
前記冷却媒体案内通路(210,220)は、前記燃焼室ボディ(105)の前記内壁(201)を冷却するための冷却通路(210)、または前記燃焼室ボディ(105)の前記内壁(201)を冷却するための冷却媒体案内グリッド構造体(210,220)の一部である、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項5】
前記冷却媒体案内通路(210,220)は、前記多孔質部分(250)への前記冷却媒体の供給のみに用いられる専用通路(220)である、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項6】
-前記冷却媒体案内通路(220)と前記多孔質部分(250)とを流体接続する複数の供給導管(212,222)をさらに有しており、
好適には、前記複数の供給導管(212,222)の少なくとも一部は、前記複数の供給導管(212,222)のその他の部分の前記冷却媒体の流量とは異なる前記冷却媒体の流量を有している、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項7】
前記冷却媒体は、ロケット燃料である、請求項1または2記載のロケットエンジン部分(100)。
【請求項8】
ロケットエンジン部分(100)を製造する方法であって、
-燃焼室ボディ(105)用の少なくとも1つの基材を準備するステップ(305)と、
-前記少なくとも1つの基材から付加製造により、内壁(201)と、該内壁(201)の外側に配置された少なくとも1つの通路(210,220)と、前記内壁(201)と一体に形成されて該内壁(201)に組み込まれた多孔質部分(250)とを備えた燃焼室ボディ(105)を製造するステップ(310)とを含み、
前記製造ステップには、前記通路(210,220)と、前記燃焼室ボディ(105)の内部との間において前記多孔質部分(250)を貫通する流体接続部の形成がさらに含まれており、
前記多孔質部分(250)の多孔率が、前記通路(210,220)から前記燃焼室ボディ(105)の前記内部へ流れる流体の体積流量および/または質量流量を決定する、
方法。
【請求項9】
前記燃焼室ボディ(105)の前記多孔質部分(250)の前記製造ステップには、前記内壁(201)の少なくとも一部において、流体が透過する構造を形成する所定の領域を前記付加製造中に抜き出すことが含まれている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
付加製造による前記燃焼室ボディ(105)の前記多孔質部分(250)の前記製造ステップには、前記燃焼室ボディ(105)の別の部分を製造するためよりもエネルギ導入量を減少させることが含まれている、請求項8記載の方法。
【外国語明細書】