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特開2023-24968遺伝性障害の治療のための改善された特徴を有する二環式スキャフォールド部分を含むプレmRNAスプライススイッチング又は調節オリゴヌクレオチド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024968
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】遺伝性障害の治療のための改善された特徴を有する二環式スキャフォールド部分を含むプレmRNAスプライススイッチング又は調節オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20230214BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161723
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2018566905の分割
【原出願日】2017-07-05
(31)【優先権主張番号】16177973.1
(32)【優先日】2016-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】510114594
【氏名又は名称】バイオマリン テクノロジーズ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100140888
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 欣乃
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドイテコム, ジュディス クリスティーナ セオドラ
(72)【発明者】
【氏名】デ ヴィッサー, ピーター クリスチャン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】DMDなどの神経筋障害を治療する、寛解させる、予防する及び/又は遅延させるための、臨床適用性を増強する改善された特徴を有するアンチセンススプライススイッチングオリゴヌクレオチドを提供する。
【解決手段】10~33ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドであって、i)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、ii)5-メチルシトシン塩基、及びiii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含み、前記オリゴヌクレオチドが、ジストロフィンプレmRNAエキソン2~78の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10~33ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドであって、
i)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン塩基、及び
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み、
前記オリゴヌクレオチドが、ジストロフィンプレmRNAエキソン2~78の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする、オリゴヌクレオチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝性障害、より詳細には、神経筋障害の治療のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、より詳細には、スプライススイッチングオリゴヌクレオチドの分野に関する。本発明は、特に、本明細書においてさらに定義されるような臨床適用性を増強する改善された特徴を有するオリゴヌクレオチドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、癌、炎症状態、心血管疾患並びに神経変性及び神経筋障害を含む多数の疾患及び状態のために(前)臨床開発中である。その作用機序は、核又は細胞質における標的RNAのRNaseH媒介性分解、核におけるスプライス調節(エキソン包含又はスキッピング)又は細胞質におけるリボソームサブユニット結合の立体障害による翻訳阻害などの種々の標的を目的とする。スプライス調節又はスプライススイッチングオリゴヌクレオチド(SSO)は、ヒトβ-グロビンプレmRNAにおける異常なスプライシングの修正のために最初に記載され(Dominski及びKole、1993年)、現在、それだけには限らないが、嚢胞性線維症(CFTR遺伝子、Friedmanら、1999年)、乳癌(BRCA1遺伝子、Uchikawaら、2007年)、前立腺癌(FOLH1遺伝子、Williamsら、2006年)、炎症性疾患(IL-5Rアルファ及びMyD88遺伝子、Karrasら、2001年、Vickersら、2006年)、眼白子症1型(OA1遺伝子、Vetriniら、2006年)、運動失調毛細血管拡張症(ATM遺伝子、Duら、2007)、母斑性基底細胞癌症候群(PTCH1遺伝子、Uchikawaら、2007年)、メチルマロン酸血症(MUT遺伝子、Rinconら、2007年)、早期分娩(COX-2遺伝子、Tyson-Capperら、2006年)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)(APOB遺伝子、Khooら、2007年)、プロピオン酸血症(PCCA、PCCB遺伝子、Rinconら、2007年)、白血病(c-myc及びWT1遺伝子、2004年、Gilesら、1999年)、ジストロフィー型表皮水疱症(COL7A1遺伝子、Gotoら、2006年)、家族性高コレステロール血症(APOB遺伝子、Distererら、2013年)、レーザー誘導性脈絡膜新生血管及び角膜移植後拒絶反応(KDR遺伝子、Ueharaら、2013年)、肥大型心筋症(MYBPC3遺伝子、Gedicke-Hornungら、2013年)、アッシャー症候群(USH1C遺伝子、Lentzら、2013年)、福山型先天性筋ジストロフィー(FKTN遺伝子、Taniguchi-Ikedaら、2011年)、レーザー誘導性脈絡膜新生血管(FLT1遺伝子、Owenら、2012)、癌(STAT3及びbcl-X遺伝子、Zammarchiら、2011年、Mercatanteら、2002年)及びハッチンソン・ギルフォードプロジェリア(LMNA遺伝子、Osorioら、2011年)、三好型筋疾患(DYSF遺伝子、Weinら、2010年)、脊髄小脳失調症1型(ATXN1遺伝子、Gaoら、2008年)、アルツハイマー病/FTDP-17タウオパチー(MAPT遺伝子、Peaceyら、2012年)、筋緊張性ジストロフィー(CLC1遺伝子、Wheelerら、2007年)及びハンチントン舞踏病(Eversら、2014年)を含む種々の遺伝性障害のために研究されている。しかし、スプライススイッチングAONは、神経筋障害デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、脊髄性筋ジストロフィー(脊髄性筋萎縮(SMA)型)の治療において最も速く進んでいる。
【0003】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及びベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、最も一般的な小児型の筋ジストロフィーである。DMDは、重度の致死性神経筋障害であり、12歳前に車椅子の補助への依存をもたらし、多くの場合、13歳前に患者は呼吸器不全又は心不全のために死亡する。これは、機能性ジストロフィンの不在をもたらす2.24MbのDMD遺伝子中の1つ又は複数のエキソンのリーディングフレームシフト性欠失(約67%)若しくは重複(約7%)によって、又は点突然変異(約25%)によって引き起こされる。BMDもまた、DMD遺伝子中の突然変異によって引き起こされるが、これらは、オープンリーディングフレームを維持し、半機能性ジストロフィンタンパク質を生成し、典型的にはかなり穏やかな表現型及びより長い寿命をもたらす。過去10年間、DMDの有望な療法として、転写物の破壊されたリーディングフレームを回復させるためのスプライシングの特異的修飾が出現した(van Ommenら、2008年;Yokotaら、2007年;van Deutekomら、2007年;Goemansら、2011年;Voitら、2014年;Cirakら、2011年)。突然変異に隣接する又はそれを含有するエキソンと結合し、そのスプライシングシグナルに干渉する高度配列特異的スプライススイッチングアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)の使用は、DMDプレmRNAのプロセシングの際にそのエキソンのスキッピングを誘導できる。末端切断型転写物が生じるものの、オープンリーディングフレームは修復され、BMD患者で見られるものと類似したタンパク質が産生される。AON誘導性エキソンスキッピングは、DMD患者に、突然変異特異的な、したがって個別化された治療的アプローチを提供する。エキソン45~55周辺の突然変異クラスターの大部分と同様に、1つの特定のエキソンのスキッピングが、種々の突然変異を有する多数の患者にとって治療的であり得る。エキソン51のスキッピングは、エキソン45~50、48~50、50又は52の欠失を有するものを含む患者の最大の小集団(約13%)に適用される。適用されるAONは、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ及びRNaseHに抵抗するように、並びにRNA結合及び二本鎖安定性を促進するように化学的に修飾される。DMDのための修正エキソンスキッピングを誘導するために、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA(2OMePS;Voitら、2014年)、ホスホロジアミデートモルホリノ(PMO;Cirakら、2011年)、トリシクロDNA(tcDNA;Goyenvalleら、2015年)及びペプチド核酸(PNA;Gaoら、2015年)を含む種々のAON化学が現在調査されている。AONは、通常健常な筋肉線維によって十分に取り込まれないが、活性化サテライト細胞及び損傷を受けた、したがって、より透過性の線維膜を特徴とするDMD及びその結果生じる病理におけるジストロフィン欠乏は、実際、より良好な取り込みを促進する。ジストロフィン欠乏性mdxマウスモデルにおける研究では、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAオリゴヌクレオチドは、実際、野生型マウスにおけるものと比較した場合に種々の筋肉群において最大10倍高い取り込みを実証した(Heemskerkら、2010年)。DMD患者において2’-O-メチルホスホロチオエートRNA及びホスホロジアミデートモルホリノAONの両方を用いる最近の第I/II相結果によって、筋肉生検におけるAONの存在が確認されるが、種々の化学的修飾は、筋肉による差次的取り込み及び筋肉中の分布をもたらすと思われる。さらに、両研究において、治療後の新規ジストロフィンのレベルは、依然として制限されており、これが、治療係数及び臨床適用性を増強する改善された特徴を有するオリゴヌクレオチドを開発する分野に意欲をかきたてる。
【0004】
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、6000人の新生児のうち1人が罹患する常染色体劣性疾患であり、運動ニューロン遺伝子1(SMN1)の生存における突然変異によって引き起こされる。脊髄における運動ニューロンの進行性の喪失及びその後の随意筋の萎縮をもたらす。臨床重症度は、ほとんど同一のSMN2遺伝子における天然に存在するエキソン7包含レベル及びSMN2のコピー数に応じて変わる。SMN2では、エキソン7スプライシングエンハンサー部位におけるC>T移行は、普通、不安定なエキソン7がスキップされたイソ型及び不十分なレベルの全長イソ型(Khoo及びKrainer、2009年)をもたらす。しかし、有効なSMN2エキソン7包含は、スプライススイッチングAONを用いてイントロン7(ISS-N1;Singhら、2006年;Huaら、2008年)の5’領域においてイントロンスプライシングサイレンサーをブロックすることによって達成できる。成功したマウス研究に基づいて(Huaら、2010年、2011年;Passiniら、2011年)、候補AON(ISIS-SMNRx、ISIS396443又はヌシネルセン)が、現在、IONIS Pharmaceuticals(カリフォルニア州、カールバッド)によって臨床開発中である。第1相研究では、くも膜下腔内空間へのISIS-SMNRxの単回9mg用量の直接注射は、SMAを有する小児において中枢神経系における広い分布及び一部の運動機能改善をもたらした(Swobodaら、2014年、Chiribogaら、2016年)。しかし、心臓の病理を軽減し、末梢運動ニューロン機能を、結果的に生存を増大するには、全身SSO送達が必要であり得る。
【0005】
スプライススイッチングAONなどの全身投与されたAONの臨床有効性は、投与経路、生体安定性、体内分布、組織内分布、標的細胞による取り込み及び所望の細胞内位置(核)への経路などの複数の因子に応じて変わる。これらの因子は、少なくとも幾分かは、AONの化学構造によって決定される。本発明の一部は、AONスキャフォールドにおける特定の化学修飾が、遺伝性障害の可能性ある治療のための改善された特徴を示すAONにつながり得ることを示す。
【0006】
結論として、DMD、BMD又はSMAなどの遺伝性障害のためのスプライススイッチングAONなどのAONの治療適用性を増強するために、最適化された化学特徴を有するAONに対する必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
オリゴヌクレオチド
第1の態様において、本発明は、好ましくは、スプライス調節による、例えば、両方ともスプライススイッチングの形態であるエキソンスキッピング又はエキソン包含による疾患又は状態を治療するための薬剤として使用するための、2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマー及びホスホロチオエート骨格を含む、又はホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーからなる、好ましくは、2’-置換RNAモノマーからなる、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む、並びに5-メチルピリミジン塩基を含むオリゴヌクレオチドを提供する。これに関連して好ましい疾患として、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー及び脊髄性筋萎縮症がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1は、配列番号452に基づくBNA修飾を有さない同配列のAONと比較した、DMD患者(エキソン48~50欠失)筋肉細胞培養物における、AON誘導性DMDエキソン51スキッピング(A)及びジストロフィン生成(B)に対する、5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合には、BNA修飾は、LNAである(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号と関連する)。(A):平均エキソン51スキッピングパーセンテージは、3連のRNAサンプルのRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON(800nM又は4μM)。(B):平均化学発光値(電気泳動図から得た曲線下面積(AUC))は、Simple Western Capillaryイムノアッセイによって測定した;高対低タンパク質濃度をロードしたHC=健常な対照筋肉サンプル、NT=未処置サンプル、AON濃度800nM。
図1B図1は、配列番号452に基づくBNA修飾を有さない同配列のAONと比較した、DMD患者(エキソン48~50欠失)筋肉細胞培養物における、AON誘導性DMDエキソン51スキッピング(A)及びジストロフィン生成(B)に対する、5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合には、BNA修飾は、LNAである(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号と関連する)。(A):平均エキソン51スキッピングパーセンテージは、3連のRNAサンプルのRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON(800nM又は4μM)。(B):平均化学発光値(電気泳動図から得た曲線下面積(AUC))は、Simple Western Capillaryイムノアッセイによって測定した;高対低タンパク質濃度をロードしたHC=健常な対照筋肉サンプル、NT=未処置サンプル、AON濃度800nM。
図2A図2は、配列番号452に基づくBNA修飾を有さない同配列のAONと比較した、DMD患者(エキソン48~50欠失)筋肉細胞培養物における、AON誘導性DMDエキソン51スキッピングに対する、5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。AにおけるBNA修飾は、CRNである(図中に示される配列番号453C及び455Cは、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がCRNモノマーをもたらす配列番号453及び455に関連する)。BにおけるBNA修飾は、本出願において、2’-アミノ-LNAと呼ばれる2’-アミノ-2’-デオキシLNAである(図中に示される配列番号456Aは、示されるようなBNAスキャフォールド修飾が、2’-アミノ-LNA モノマーをもたらす配列番号456に関連する)。平均エキソン51スキッピングパーセンテージは、3連のRNAサンプルのRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON濃度800nM(B)又は4μM(A,B)。
図2B図2は、配列番号452に基づくBNA修飾を有さない同配列のAONと比較した、DMD患者(エキソン48~50欠失)筋肉細胞培養物における、AON誘導性DMDエキソン51スキッピングに対する、5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。AにおけるBNA修飾は、CRNである(図中に示される配列番号453C及び455Cは、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がCRNモノマーをもたらす配列番号453及び455に関連する)。BにおけるBNA修飾は、本出願において、2’-アミノ-LNAと呼ばれる2’-アミノ-2’-デオキシLNAである(図中に示される配列番号456Aは、示されるようなBNAスキャフォールド修飾が、2’-アミノ-LNA モノマーをもたらす配列番号456に関連する)。平均エキソン51スキッピングパーセンテージは、3連のRNAサンプルのRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON濃度800nM(B)又は4μM(A,B)。
図3図3は、12週間のIV治療(100mg/kg AON毎週)後のhDMDマウスモデルにおける、AON誘導性DMDエキソン51スキッピングに対する、5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合におけるBNA修飾は、LNAである(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号と関連する)。平均エキソン51スキッピングパーセンテージは、筋肉RNAサンプルのRT-ddPCR解析によって決定した。
図4図4は、配列番号452に基づくBNA修飾を有さない同配列のAONと比較した、DMD患者(エキソン48~50欠失)筋肉細胞培養物における、AON誘導性DMDエキソン51スキッピングに対する、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である(すべて800nMで)。この場合にはBNA修飾は、LNAをもたらす(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号と関連する)。配列番号452を上回るエキソン51スキッピングレベルの平均増加倍数は、3連のRNAサンプルのRT-ddPCR解析に基づいている。
図5A図5は、BNAスキャフォールド修飾を有さない同配列のAON(配列番号26(エキソン44)、配列番号6049(エキソン45)及び配列番号860(エキソン53)と比較した、健常なヒト筋肉細胞におけるAON誘導性DMDエキソン44スキッピング(A、配列番号29)、エキソン45スキッピング(B、配列番号3185)及びエキソン53スキッピング(C、配列番号863)に対する、5’及び3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合にはBNA修飾は、LNAをもたらす(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号に関連する)。平均エキソンスキッピングパーセンテージは、RNAサンプル(n=6)のRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON(800nM又は4μM)。
図5B図5は、BNAスキャフォールド修飾を有さない同配列のAON(配列番号26(エキソン44)、配列番号6049(エキソン45)及び配列番号860(エキソン53)と比較した、健常なヒト筋肉細胞におけるAON誘導性DMDエキソン44スキッピング(A、配列番号29)、エキソン45スキッピング(B、配列番号3185)及びエキソン53スキッピング(C、配列番号863)に対する、5’及び3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合にはBNA修飾は、LNAをもたらす(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号に関連する)。平均エキソンスキッピングパーセンテージは、RNAサンプル(n=6)のRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON(800nM又は4μM)。
図5C図5は、BNAスキャフォールド修飾を有さない同配列のAON(配列番号26(エキソン44)、配列番号6049(エキソン45)及び配列番号860(エキソン53)と比較した、健常なヒト筋肉細胞におけるAON誘導性DMDエキソン44スキッピング(A、配列番号29)、エキソン45スキッピング(B、配列番号3185)及びエキソン53スキッピング(C、配列番号863)に対する、5’及び3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施の効果を示す図である。この場合にはBNA修飾は、LNAをもたらす(図中に示される配列番号は、示されるようなBNAスキャフォールド修飾がLNAモノマーをもたらす配列番号に関連する)。平均エキソンスキッピングパーセンテージは、RNAサンプル(n=6)のRT-ddPCR解析によって決定し、エラーバーは、標準偏差を示す、AON(800nM又は4μM)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願において記載されるようなオリゴヌクレオチドについて、モノマーの特徴が、規定されておらず、文脈から明らかではない場合には、RNAモノマーに由来する対応する特徴は、推測されるべきである。
【0010】
そのようなものとして、この態様では、本発明は、
i)Ia)少なくとも1つの2’-置換モノマー及び任意選択でホスホロチオエート骨格連結、又は
Ib)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含むオリゴヌクレオチドを提供する。
【0011】
前記モノマーは、RNAモノマーであるか、又はRNAモノマーに由来することが好ましい。本明細書では、このようなオリゴヌクレオチドを、本発明に従うオリゴヌクレオチドと呼ぶ。そのようなものとして、本発明に従う好ましいオリゴヌクレオチドは、
i)Ia)少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー若しくは2’-O-置換RNAモノマー、任意選択で、ホスホロチオエート骨格連結、又は
Ib) ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された、2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー若しくは2’-O-置換RNAモノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含む。
【0012】
本発明に従う好ましいオリゴヌクレオチドは、34未満のオリゴヌクレオチドの長さを有する。前記オリゴヌクレオチドは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドを有し得る。このようなオリゴヌクレオチドはまた、10~33ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドとして同定され得る。本発明に従うより好ましいオリゴヌクレオチドは、16、17、18、19、20、21又は22ヌクレオチドの長さを有し、16~22ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドとして同定され得る。
【0013】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、16~25ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16~22ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、16、18、20又は22ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、21、22、24又は25ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、18、22、24又は25ヌクレオチドの長さである。
【0014】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16~25ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン44、45、51又は53をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン44、51又は53をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16~22ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16、18、20又は22ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、20又は23ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン44をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、21、22、24又は25ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、18、22、24又は25ヌクレオチドの長さであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン53をスキップするためのものである。本出願を通じて、ジストロフィンへの言及は、ヒトジストロフィンへの言及と解釈されることが好ましい。
【0015】
上記の((i)(Ia))によって包含されるものとして、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマーを含み、ホスホロチオエート骨格連結を含まないオリゴヌクレオチドがある。このようなオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル連結のみを含む骨格を有し得る。同様に、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマー及び1つ又は複数のホスホロチオエート骨格連結を含むオリゴヌクレオチドが包含される。
【0016】
上記の((i)(Ib))によって包含されるものとして、2’-置換RNAモノマー以外のモノマーを含まない、ホスホロチオエート骨格連結である骨格連結のみを含むオリゴヌクレオチドがある。同様に、2’-置換RNAモノマー以外のモノマーを含まない、ホスホジエステル骨格連結である骨格連結のみを含むオリゴヌクレオチドが包含される。
【0017】
当業者に公知のように、RNAオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドは、一般に、反復モノマーからなる。このようなモノマーは、ほとんどの場合ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体である。RNA中の最もよくある天然に存在するヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、シチジン一リン酸、グアノシン一リン酸、チミジン一リン酸及びウリジン一リン酸である。これらは、ペントース糖リボース、リン酸エステルによって連結されている5’連結リン酸基及び1’連結塩基からなる。糖は、塩基とリン酸を接続し、したがって、ヌクレオチドのスキャフォールドと呼ばれることが多い。ペントース糖中の修飾は、したがって、スキャフォールド修飾と呼ばれることが多い。重度修飾については、元のペントース糖は、その全体が、塩基とリン酸を同様に接続する別の部分によって置換されることもある。したがって、ペントース糖は、スキャフォールドであることが多いが、スキャフォールドは、必ずしもペントース糖ではないと理解される。
【0018】
塩基は、核酸塩基と呼ばれることもあり、一般に、アデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシル又はその誘導体である。シトシン、チミン及びウラシルは、ピリミジン塩基であり、一般に、その1-窒素を介してスキャフォールドに連結される。アデニン及びグアニンは、プリン塩基であり、一般に、その9-窒素を介してスキャフォールドに連結される。
【0019】
ヌクレオチドは、一般に、その5’-リン酸部分の、隣接するヌクレオチドモノマーの3’-ヒドロキシル部分への縮合によって隣接するヌクレオチドに接続される。同様に、その3’-ヒドロキシル部分は、一般に、隣接するヌクレオチドモノマーの5’-リン酸に接続される。これは、リン酸ジエステル結合を形成する。ホスホジエステル及びスキャフォールドは、交互コポリマーを形成する。塩基は、このコポリマーに、すなわち、スキャフォールド部分にグラフトされる。この特徴のために、オリゴヌクレオチドの連結されたモノマーによって形成される交互コポリマーは、オリゴヌクレオチドの骨格と呼ばれることが多い。リン酸ジエステル結合は、隣接するモノマーを一緒に接続するので、それらは、骨格連結と呼ばれることが多い。リン酸基が代わりにホスホロチオエートなどの類似部分であるように修飾される場合には、このような部分は、依然として、モノマーの骨格連結と呼ばれると理解される。これは、骨格連結修飾と呼ばれる。一般用語では、したがって、オリゴヌクレオチドの骨格は、交互のスキャフォールド及び骨格連結からなる。
【0020】
別の実施形態では、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルである。別の実施形態では、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン又はウラシルである。別の実施形態では、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルの修飾された形態である。別の実施形態では、修飾された核酸塩基は、ヒポキサンチン、プソイドウラシル、プソイドシトシン、1-メチルプソイドウラシル、オロト酸、アグマチジン(agmatidine)、ライシジン、2-チオウラシル、2-チオチミン、5-ハロウラシル、5-ハロメチルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、7-アザ-2,6-ジアミノプリン、8-アザ-7-デアザグアニン、8-アザ-7-デアザアデニン、8-アザ-7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、プソイドイソシチジン、N4-エチルシトシン、N2-シクロペンチルグアニン(cPent-G)、N2-シクロペンチル-2-アミノプリン(cPent-AP)又はN2-プロピル-2-アミノプリン(Pr-AP)である。別の実施形態では、修飾された核酸塩基は、ヒポキサンチン、プソイドウラシル、プソイドシトシン、1-メチルプソイドウラシル、オロト酸、アグマチジン(agmatidine)、ライシジン、2-チオウラシル、2-チオチミン、5-ハロウラシル、5-ハロメチルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン又は5-ヒドロキシメチルシトシンである。
【0021】
本発明のオリゴヌクレオチドは、2’-置換ホスホロチオエートモノマー、好ましくは、2’-置換ホスホロチオエートRNAモノマー、2’-置換ホスフェートRNAモノマー又は2’-置換混合ホスフェート/ホスホロチオエートRNAモノマーを含む又はからなる。このようなオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート若しくはホスフェート骨格連結若しくはそれらの混合物を介して接続された、若しくはそれによって連結された2’-置換RNAモノマーを含む、又は2’-置換ホスホロチオエートRNA、2’-置換ホスフェートRNA若しくはそれらの混合物からなる。このようなオリゴヌクレオチドは、2’-置換ホスホロチオエートRNAモノマー、2’-置換ホスフェートRNAモノマー又はそれらの混合物からなることが好ましい。2’-置換RNAは、2’-F、2’-O-メチル又は2’-O-(2-メトキシエチル)であることが好ましい。2’-O-(2-メトキシエチル)部分は、2’-MOEと呼ばれることが多い。2’-置換RNAモノマーは、2’-O-メチルRNAモノマーであることがより好ましい。このような化学は、当業者には公知である。この態様の好ましい実施形態では、前記2’-置換モノマーが2’-置換RNAモノマー、2’-Fモノマー、2’-アミノモノマー、2’-O-置換モノマー、2’-O-メチルモノマー又は2’-O-(2-メトキシエチル)モノマー、好ましくは、2’-O-メチルモノマーである本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供される。前記2’-置換モノマーは、2’-O-メチルRNAモノマーなどの2’-置換RNAモノマーであることが好ましい。
【0022】
本出願を通じて、2’-O-メチルモノマー又は2’-O-メチルRNAモノマー及びホスホロチオエート、ホスフェート又は混合ホスフェート/ホスホロチオエート骨格連結を含むオリゴヌクレオチドは、それぞれ、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA、2’-O-メチルホスフェートRNA又は2’-O-メチルホスフェート/ホスホロチオエートRNAを含むオリゴヌクレオチドによって置き換えられていてもよい。本出願を通じて、ホスホロチオエート、ホスフェート又は混合ホスフェート/ホスホロチオエート骨格連結によって連結された、又はそれを介して接続された2’-O-メチルRNAモノマーからなるオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA、2’-O-メチルホスフェートRNA又は2’-O-メチルホスフェート/ホスホロチオエートRNAからなるオリゴヌクレオチドによって置き換えられていてもよい。
【0023】
さらに、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的鎖に対する結合親和性を増大する、前記オリゴヌクレオチドのその標的との得られる二本鎖の融解温度を増大する、並びに/又は免疫賦活性効果を低減する、並びに/又は生体安定性を増大する、並びに/又は体内分布及び/若しくは組織内分布及び/若しくは細胞性取り込み及び輸送を改善する塩基修飾を含む。より好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、5-メチルピリミジンを含む。5-メチルピリミジンは、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル及び/又はチミンが、5-メチルウラシルに対して同一であるチミンから選択される。「チミン」及び「5-メチルウラシル」は、文書を通じて交換され得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、5-メチルシトシン塩基又は5-メチルウラシル塩基のいずれかのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。したがって、本発明の好ましい実施形態では、すべてのシトシン塩基が5-メチルシトシン塩基であり、及び/又はすべてのウラシル塩基が5-メチルウラシル塩基である上記のオリゴヌクレオチドが提供される。これは、5-メチルシトシンを含むが、非置換シトシン又はウラシルを含まないオリゴヌクレオチドに、5-メチルウラシルを含むが、非置換シトシン又はウラシルを含まないオリゴヌクレオチドに、並びに5-メチルシトシン及び5-メチルウラシルの両方を含むが、非置換シトシン又はウラシルを含まないオリゴヌクレオチドに関する。5-メチルシトシンを含むが、非置換シトシンを含まず、さらに非置換ウラシルを含むオリゴヌクレオチドに、又は5-メチルウラシルを含むが、非置換ウラシルを含まず、さらに非置換シトシンを含むオリゴヌクレオチドに関する。
【0024】
本発明のオリゴヌクレオチドは、標的鎖に対する結合親和性を増大する、前記オリゴヌクレオチドのその標的との得られた二本鎖の融解温度を増大する、並びに/又は免疫賦活性効果を低減する、並びに/又は生体安定性を増大する、並びに/又は体内分布及び/若しくは組織内分布及び/若しくは細胞性取り込み及び輸送を改善するスキャフォールド修飾を含む。二環式核酸(BNA)モノマーをもたらすスキャフォールド修飾が、本発明によって包含される。二環式スキャフォールドは、一般に、スキャフォールドをコンホメーション的に制限し、上記の効果の改善をもたらすように化学的に変更されているペントース由来スキャフォールドである。二環式スキャフォールドの例として、ペントース環などの第1の環がさらなる環状部分を有するスピランを形成し、その結果、両環が1個のみの原子を共有するスキャフォールド、ペントース環などの第1の環がさらなる環状部分と融合され、その結果、両環が2個の隣接する原子を共有するスキャフォールド及びペントース環などの第1の環が2個の非隣接原子で第1の環状部分に連結されている部分を介して架橋された化合物を形成するスキャフォールドがある。このような非隣接原子は、橋頭原子と呼ばれる。架橋化合物は、複数の環を含み、その各々は、少なくとも3個の原子にわたって重複する。2個の原子のみにわたって重複する2つの環を有する化合物は、は、融合化合物である。いくつかの架橋化合物では、2個の橋頭原子間の最小の連結は、架橋(bridging)部分と、又は架橋(bridge)部分と呼ばれる。その他の架橋化合物では、1つの環が、ヌクレオチドのペントース環などの特徴的な環である場合には、その特徴的な環に対して構成的ではない部分は、架橋部分と呼ばれる。架橋二環式化合物の命名法は、状況依存的であるということになる。
【化1】
【0025】
二環式化合物は、さらなる環を含み得る。本発明の二環式化合物は、少なくとも二環式であり、前記の2つの環は、スピラン、融合系又は架橋系又はそれらの組合せを構成する。本発明は、2つの独立環が、スピラン、融合化合物又は架橋化合物を形成しないように非環状リンカーによって連結されているスキャフォールド修飾を包含しない。好ましい二環式化合物は、融合化合物又は架橋化合物である。より好ましい実施形態では、二環式核酸モノマー(BNA)は、架橋核酸モノマーである。本明細書において記載されるように、「架橋」又は「二環式」核酸モノマーの両方が、非BNAヌクレオチド含有対照オリゴヌクレオチドと比較して、RNA標的に対するオリゴヌクレオチドの融解温度を増強する修飾されたスキャフォールドを有するヌクレオチドに関する。
【0026】
好ましい実施形態では、前記二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾の各出現が、コンホメーション的に制限されたヌクレオチド(CRN)モノマー、ロックド核酸(LNA)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、2’-チオ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたエチル(cEt)BNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたメトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Bn)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、カルバLNA(cLNA)モノマー、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン核酸(DpNA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー、複素環式架橋BNAモノマー(例えば、トリアゾリル又はテトラゾリル連結された)、アミド架橋BNAモノマー、尿素架橋BNAモノマー、スルホンアミド架橋BNAモノマー、二環式炭素環式ヌクレオチドモノマー、TriNAモノマー、α-L-TriNAモノマー、ビシクロDNA(bcDNA)モノマー、F-bcDNAモノマー、トリシクロDNA(tcDNA)モノマー、F-tcDNAモノマー、オキセタンヌクレオチドモノマー、2’-アミノ-LNA由来のロックドPMOモノマー、グアニジン架橋核酸(GuNA)モノマー、スピロシクロプロピレン架橋核酸(scpBNA)モノマー及びそれらの誘導体からなる群から独立に選択されるモノマーをもたらす、本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供される。前記オリゴヌクレオチド中に2つ以上の別個のスキャフォールドBNA修飾を導入することも、本発明に包含される。前記BNAスキャフォールド修飾の各出現が、コンホメーション的に制限されたヌクレオチド(CRN)モノマー、ロックド核酸(LNA)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたエチル(cEt)LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたメトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー並びにそれらの誘導体からなる群から独立に選択されるモノマーをもたらすことがより好ましい。好ましい実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNAモノマー、ENAモノマー、cEt BNAモノマー、オキソ-CBBNモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー又はcMOE BNAモノマーをもたらす。高度に好ましい実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNAモノマー、ENAモノマー、cEt BNAモノマー又はcMOE BNAモノマーをもたらす。BNAスキャフォールド修飾は、LNAモノマーをもたらすことが最も好ましい。
【0027】
本出願を通じて、BNAスキャフォールド修飾を含む任意のモノマーは、好ましくは、その核酸塩基又は修飾された核酸塩基を保ちながら、BNA修飾を含む任意のその他のモノマーによって置き換えられていてもよい。言い換えれば、スキャフォールド修飾は、オリゴヌクレオチドの配列を保ちながら交換され得る。限定されない例として、アデニンを含むLNAモノマーは、アデニンを含むENAモノマーによって置き換えられていてもよい。
【0028】
これらのBNAスキャフォールド修飾を含むモノマーの構造例を以下に示し、ここで、Bは、本明細書において先に定義されるような塩基であり、Xは、ヘテロ原子又はメチレン部分などの変数であり、Xは、ヒドロキシル部分又は本明細書において先に定義されるような別の2’-置換であり、Lは、本明細書において先に定義されるような骨格連結である。文献において、このような修飾の名称は、任意であることが多く、均一な変換に従わず、本出願において、以下に提供されるような名前は、以下に提供される構造を指すものとする。比較のために、従来のRNAモノマーの環状スキャフォールドを最初に示す。以下に示される構造では、モノマーは、通常、3’末端モノマーとして表される。キラリティーが示されない場合には、各エナンチオマーは、個別に参照される。本発明は、例示目的で提供されるこの種のモノマーに制限されない。環状部分中に含まれるヘテロ原子は、その他のヘテロ原子によって置換され得る。
【化2】

【0029】
以下は、上記で示されるBNAスキャフォールド修飾の文献参照の包括的でない概観である:cEt(2’-O,4’-C制約されたエチル)LNA(doi:10.1021/ja710342q)、cMOE(2’-O,4’-C制約されたメトキシエチル)LNA(Sethら、J.Org.Chem.2010年、第75巻、1569~1581頁)、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、エチレン架橋核酸(ENA)(doi:10.1093/nass/1.1.241)、カルバLNA(cLNA)(doi:10.1021/jo100170g)、DpNA(Osawaら、J.Org.Chem.、2015年、第80巻(21号)、10474~10481頁)、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN、例えば、国際公開第2014/145356号(MiRagen Therapeutics)におけるような)、複素環式架橋LNA(例えば、国際公開第2014/126229号(Mitsuoka Yら)におけるような)、アミド架橋LNA(例えば、Yamamotoら Org.Biomol.Chem.2015年、第13巻、3757頁におけるような)、尿素架橋LNA(例えば、Nishidaら Chem.Commun.2010年、第46巻、5283頁におけるような)、スルホンアミド架橋LNA(例えば、国際公開第2014/112463号(Obika Sら)におけるような)、二環式炭素環式ヌクレオシド(例えば、国際公開第2015/142910号(Ionis Pharmaceuticals)におけるような)、TriNA(Hanessianら、J.Org.Chem.、2013年、第78巻(18号)、9064~9075頁)、α-L-TriNA、ビシクロDNA(bcDNA)(Bolliら、Chem Biol.1996年3月;第3巻(3号):197~206頁)、F-bcDNA(DOI:10.1021/jo402690j)、トリシクロDNA(tcDNA)(Murrayら、Nucl.Acids Res.、2012年、第40巻、13号6135~6143頁)、F-tcDNA(doi:10.1021/acs.joc.5b00184)、オキセタンヌクレオチドモノマー(Nucleic Acids Res.2004年、第32巻、5791~5799頁)、scpNA(Horibaら、J.Org.Chem.2016年、doi:10.1021/acs.joc.6b02036、GuNA(Shresthaら、Chem. Commun. 2014年、doi:10.1039/C3CC46017G)。上記で記載されないものについて、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる国際公開第2011/097641号(ISIS/Ionis Pharmaceuticals)及び国際公開第2016/017422号(Osaka University)が参照される。
【0030】
BNA及び5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基を含む本発明のオリゴヌクレオチドとは、それぞれ、前記オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基のうち少なくとも1つが、ピリミジン環の5位の水素のメチル基との置換によって修飾されていること、すなわち、5-置換シトシンと組み合わせて、前記オリゴヌクレオチドのスキャフォールドのうち少なくとも1つが、BNAとの置換によって修飾されていること、及び/又は前記オリゴヌクレオチドのウラシル核酸塩基のうち少なくとも1つが、ピリミジン環の5位のプロトンのメチル基との置換によって修飾されていること(すなわち、5-メチルウラシル)を意味する。本発明との関連内で、表現「ピリミジン環の5位における水素のメチル基との置換」は、表現「ピリミジンの5-メチルピリミジンとの置換」と置き換えられてもよく、ピリミジンは、ウラシルのみ、シトシンのみ又は両方を指す。前記オリゴヌクレオチドが、1、2、3、4、5、6、7、8、9個又はそれ以上のシトシン及び/又はウラシルを含む場合には、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又はそれ以上のシトシン及び/又はウラシルは、それぞれ、このように修飾されている。すべてのシトシン及び/又はウラシルが、それぞれ、このように修飾されている、又は5-メチルシトシン及び/若しくは5-メチルウラシルによって置換されていることが好ましい。言うまでもなく、本発明はしたがって、その配列中にそれぞれ少なくとも1個のシトシン又はウラシルを含むオリゴヌクレオチドに適用され得る。
【0031】
RNA/RNA二本鎖は極めて安定であるので、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、RNAモノマーを含むことが好ましい。RNAオリゴヌクレオチドが、RNAにさらなる特性、例えば、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ及びRNaseHに対する抵抗性、さらなるハイブリッド形成力、増大した安定性(例えば、体液中での)、増大又は減少した可動性、増大した活性、低減した毒性、増大した細胞内輸送、増大した細胞性取り込み、組織特異性などを提供する修飾を含むことが好ましい。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドと複合体形成したmRNAは、RNaseH切断に対して感受性ではないことが好ましい。好ましい修飾は上記で同定されている。
【0032】
したがって、本発明は、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAモノマーを含む、又は2’-O-メチルホスホロチオエートRNAからなり、5-メチルピリミジン塩基を有する又は有さないBNAを含むオリゴヌクレオチドを提供する。このオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート又はホスフェート骨格を介して接続された2’-O-メチルRNAモノマーからなり、そのシトシンのすべて及び/又はそのウラシルのすべてがそれぞれ独立に、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシルによって置換されており、少なくとも1つの2’-O-メチルスキャフォールドがBNAによって置き換えられていることが最も好ましい。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾を有することに加えて:
5-メチルシトシンで置換された少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシン、
5-メチルシトシンで置換された少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシン及び5-メチルウラシルで置換された少なくとも1つのウラシル、
5-メチルウラシルで置換された少なくとも1つのウラシル
を有し得る。
【0033】
本態様の好ましい実施形態では、上記のようなオリゴヌクレオチドが提供され、ここで、前記オリゴヌクレオチドは、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、好ましくは架橋核酸スキャフォールド修飾を含む、1、2、3、4、5又は6つのモノマーを含む。
【0034】
これらの実施形態では、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾が、オリゴヌクレオチドの末端モノマー中に、好ましくは5’末端モノマー中に含まれることが好ましい。両方の末端モノマーがBNAスキャフォールドを含むことが最も好ましい。そのようなものとして、本態様のより好ましい実施形態は、少なくとも1つの二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾が、前記オリゴヌクレオチドの末端モノマー中に、好ましくは前記オリゴヌクレオチドの5’末端モノマー中に、より好ましくは前記オリゴヌクレオチドの両方の末端モノマー中に含まれる、本発明に従うオリゴヌクレオチドを提供する。その他の好ましい実施形態は、末端モノマー及びその隣接するモノマーが各々、BNAスキャフォールド含むことを必要とする。このような場合には、オリゴヌクレオチドの最初の2つのモノマー又は最後の2つのモノマーは各々、BNAスキャフォールドを含む。これは、例えば、最初及び最後の2つのモノマー又は最初の2つの及び最後のモノマーがすべて、BNAスキャフォールドを含むように何らかの形で組み合わされ得る。本発明に従うオリゴヌクレオチドが、BNAスキャフォールドを含む末端モノマーを含む場合には、BNAスキャフォールドを有するさらなるモノマーは、もう一方の末端にあるか、又はBNAスキャフォールドを有する末端モノマーに隣接するかのいずれかであることが好ましい。
【0035】
本態様の好ましい実施形態は、前記オリゴヌクレオチドが、以下からなるセットから選択されるようなBNA修飾を含む本発明のオリゴヌクレオチドを提供する:
5’末端のモノマーにおける単一BNAスキャフォールド修飾、
3’末端のモノマーにおける単一BNAスキャフォールド修飾、
一方が5’末端のモノマー中にあり、もう一方が3’末端のモノマー中にある2つのBNAスキャフォールド修飾、
2つのモノマー各々中の1つが5’末端に最も近い、2つのBNAスキャフォールド修飾、
2つのモノマー各々中の1つが3’末端に最も近い、2つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、1~5つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、3~7つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、1~4つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、3~6つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、1~3つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、3~5つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、1つ又は2つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、3又は4つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、1つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、3つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、2~4つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、4~6つのBNAスキャフォールド修飾、
1つが5’末端のモノマー中にあり、1つが3’末端のモノマー中にあり、2~3つのBNAスキャフォールド修飾が非末端残基中にある、4つ又は5つのBNAスキャフォールド修飾。
【0036】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号8、14、20、26、32、38、44、50、56、62、68、74、80、86、92、98、104、110、116、122、128、134、140、146、152、158、164、170、176、182、188、194、200、206、212、218、224、230、236、242、248、254、260、266、272、278、284、290、296、302、308、314、320、326、332、338、344、350、356、362、368、374、380、386、392、398、404、410、416、422、428、434、440、446、452、458、464、470、476、482、488、494、500、506、512、518、524、530、536、542、548、554、560、566、572、578、584、590、596、602、608、614、620、626、632、638、644、650、656、662、668、674、680、686、692、698、704、710、716、722、728、734、740、746、752、758、764、770、776、782、788、794、800、806、812、818、824、830、836、842、848、854、860、866、872、878、884、890、896、902、908、914、920、926、932、938、944、950、956、962、968、974、980、986、992、998、1004、1010、1016、1022、1028、1034、1040、1046、1052、1058、1064、1070、1076、1082、1088、1094、1100、1106、1112、1118、1124、1130、1136、1142、1148、1154、1160、1166、1172、1178、1184、1190、1196、1202、1208、1214、1220、1226、1232、1238、1244、1250、1256、1262、1268、1274、1280、1286、1292、1298、1304、1310、1316、1322、1328、1334、1340、1346、1352、1358、1364、1370、1376、1382、1388、1394、1400、1406、1412、1418、1424、1430、1436、1442、1448、1454、1460、1466、1472、1478、1484、1490、1496、1502、1508、1514、1520、1526、1532、1538、1544、1550、1556、1562、1568、1574、又は1580によって表される配列を含む又はからなる場合には、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾が、前記オリゴヌクレオチド中に含まれることが好ましい。
【0037】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号9、15、21、27、33、39、45、51、57、63、69、75、81、87、93、99、105、111、117、123、129、135、141、147、153、159、165、171、177、183、189、195、201、207、213、219、225、231、237、243、249、255、261、267、273、279、285、291、297、303、309、315、321、327、333、339、345、351、357、363、369、375、381、387、393、399、405、411、417、423、429、435、441、447、453、459、465、471、477、483、489、495、501、507、513、519、525、531、537、543、549、555、561、567、573、579、585、591、597、603、609、615、621、627、633、639、645、651、657、663、669、675、681、687、693、699、705、711、717、723、729、735、741、747、753、759、765、771、777、783、789、795、801、807、813、819、825、831、837、843、849、855、861、867、873、879、885、891、897、903、909、915、921、927、933、939、945、951、957、963、969、975、981、987、993、999、1005、1011、1017、1023、1029、1035、1041、1047、1053、1059、1065、1071、1077、1083、1089、1095、1101、1107、1113、1119、1125、1131、1137、1143、1149、1155、1161、1167、1173、1179、1185、1191、1197、1203、1209、1215、1221、1227、1233、1239、1245、1251、1257、1263、1269、1275、1281、1287、1293、1299、1305、1311、1317、1323、1329、1335、1341、1347、1353、1359、1365、1371、1377、1383、1389、1395、1401、1407、1413、1419、1425、1431、1437、1443、1449、1455、1461、1467、1473、1479、1485、1491、1497、1503、1509、1515、1521、1527、1533、1539、1545、1551、1557、1563、1569、又は1575によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドの5’末端モノマーのみが、BNAスキャフォールド修飾を含むことが好ましい。
【0038】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号10、16、22、28、34、40、46、52、58、64、70、76、82、88、94、100、106、112、118、124、130、136、142、148、154、160、166、172、178、184、190、196、202、208、214、220、226、232、238、244、250、256、262、268、274、280、286、292、298、304、310、316、322、328、334、340、346、352、358、364、370、376、382、388、394、400、406、412、418、424、430、436、442、448、454、460、466、472、478、484、490、496、502、508、514、520、526、532、538、544、550、556、562、568、574、580、586、592、598、604、610、616、622、628、634、640、646、652、658、664、670、676、682、688、694、700、706、712、718、724、730、736、742、748、754、760、766、772、778、784、790、796、802、808、814、820、826、832、838、844、850、856、862、868、874、880、886、892、898、904、910、916、922、928、934、940、946、952、958、964、970、976、982、988、994、1000、1006、1012、1018、1024、1030、1036、1042、1048、1054、1060、1066、1072、1078、1084、1090、1096、1102、1108、1114、1120、1126、1132、1138、1144、1150、1156、1162、1168、1174、1180、1186、1192、1198、1204、1210、1216、1222、1228、1234、1240、1246、1252、1258、1264、1270、1276、1282、1288、1294、1300、1306、1312、1318、1324、1330、1336、1342、1348、1354、1360、1366、1372、1378、1384、1390、1396、1402、1408、1414、1420、1426、1432、1438、1444、1450、1456、1462、1468、1474、1480、1486、1492、1498、1504、1510、1516、1522、1528、1534、1540、1546、1552、1558、1564、1570、又は1576によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドの3’末端モノマーのみが、BNAスキャフォールド修飾を含むことが好ましい。
【0039】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号11、17、23、29、35、41、47、53、59、65、71、77、83、89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149、155、161、167、173、179、185、191、197、203、209、215、221、227、233、239、245、251、257、263、269、275、281、287、293、299、305、311、317、323、329、335、341、347、353、359、365、371、377、383、389、395、401、407、413、419、425、431、437、443、449、455、461、467、473、479、485、491、497、503、509、515、521、527、533、539、545、551、557、563、569、575、581、587、593、599、605、611、617、623、629、635、641、647、653、659、665、671、677、683、689、695、701、707、713、719、725、731、737、743、749、755、761、767、773、779、785、791、797、803、809、815、821、827、833、839、845、851、857、863、869、875、881、887、893、899、905、911、917、923、929、935、941、947、953、959、965、971、977、983、989、995、1001、1007、1013、1019、1025、1031、1037、1043、1049、1055、1061、1067、1073、1079、1085、1091、1097、1103、1109、1115、1121、1127、1133、1139、1145、1151、1157、1163、1169、1175、1181、1187、1193、1199、1205、1211、1217、1223、1229、1235、1241、1247、1253、1259、1265、1271、1277、1283、1289、1295、1301、1307、1313、1319、1325、1331、1337、1343、1349、1355、1361、1367、1373、1379、1385、1391、1397、1403、1409、1415、1421、1427、1433、1439、1445、1451、1457、1463、1469、1475、1481、1487、1493、1499、1505、1511、1517、1523、1529、1535、1541、1547、1553、1559、1565、1571、又は1577によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドの5’末端モノマー及び3’末端モノマーの両方が、BNAスキャフォールド修飾を含むことが好ましい。
【0040】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号12、18、24、30、36、42、48、54、60、66、72、78、84、90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150、156、162、168、174、180、186、192、198、204、210、216、222、228、234、240、246、252、258、264、270、276、282、288、294、300、306、312、318、324、330、336、342、348、354、360、366、372、378、384、390、396、402、408、414、420、426、432、438、444、450、456、462、468、474、480、486、492、498、504、510、516、522、528、534、540、546、552、558、564、570、576、582、588、594、600、606、612、618、624、630、636、642、648、654、660、666、672、678、684、690、696、702、708、714、720、726、732、738、744、750、756、762、768、774、780、786、792、798、804、810、816、822、828、834、840、846、852、858、864、870、876、882、888、894、900、906、912、918、924、930、936、942、948、954、960、966、972、978、984、990、996、1002、1008、1014、1020、1026、1032、1038、1044、1050、1056、1062、1068、1074、1080、1086、1092、1098、1104、1110、1116、1122、1128、1134、1140、1146、1152、1158、1164、1170、1176、1182、1188、1194、1200、1206、1212、1218、1224、1230、1236、1242、1248、1254、1260、1266、1272、1278、1284、1290、1296、1302、1308、1314、1320、1326、1332、1338、1344、1350、1356、1362、1368、1374、1380、1386、1392、1398、1404、1410、1416、1422、1428、1434、1440、1446、1452、1458、1464、1470、1476、1482、1488、1494、1500、1506、1512、1518、1524、1530、1536、1542、1548、1554、1560、1566、1572、又は1578によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドの2つの最も5’末端のモノマーのみが両方とも、BNAスキャフォールド修飾を含むことが好ましい。
【0041】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号13、19、25、31、37、43、49、55、61、67、73、79、85、91、97、103、109、115、121、127、133、139、145、151、157、163、169、175、181、187、193、199、205、211、217、223、229、235、241、247、253、259、265、271、277、283、289、295、301、307、313、319、325、331、337、343、349、355、361、367、373、379、385、391、397、403、409、415、421、427、433、439、445、451、457、463、469、475、481、487、493、499、505、511、517、523、529、535、541、547、553、559、565、571、577、583、589、595、601、607、613、619、625、631、637、643、649、655、661、667、673、679、685、691、697、703、709、715、721、727、733、739、745、751、757、763、769、775、781、787、793、799、805、811、817、823、829、835、841、847、853、859、865、871、877、883、889、895、901、907、913、919、925、931、937、943、949、955、961、967、973、979、985、991、997、1003、1009、1015、1021、1027、1033、1039、1045、1051、1057、1063、1069、1075、1081、1087、1093、1099、1105、1111、1117、1123、1129、1135、1141、1147、1153、1159、1165、1171、1177、1183、1189、1195、1201、1207、1213、1219、1225、1231、1237、1243、1249、1255、1261、1267、1273、1279、1285、1291、1297、1303、1309、1315、1321、1327、1333、1339、1345、1351、1357、1363、1369、1375、1381、1387、1393、1399、1405、1411、1417、1423、1429、1435、1441、1447、1453、1459、1465、1471、1477、1483、1489、1495、1501、1507、1513、1519、1525、1531、1537、1543、1549、1555、1561、1567、1573、又は1579によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドの2つの最も3’末端のモノマーのみが両方とも、BNAスキャフォールド修飾を含むことが好ましい。
【0042】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号1580ではない配列番号によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドは、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含むことが好ましく、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーを含むことが好ましく、2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーのみを含むことがより好ましい。本発明に従うオリゴヌクレオチドが、配列番号1580によって表される配列を含む又はからなる場合には、前記オリゴヌクレオチドは、5-メチルシトシンの代わりにシトシンを含むことが好ましく、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーを含むことが好ましく、2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーのみを含むことがより好ましい。配列番号がT又はUに言及する時は常に、前記モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、前記モノマー(すなわち、前記言及)は、それぞれ、任意選択でU又はTによって置き換えられていてもよい。配列番号がC又は5-メチル-Cに言及する時は常に、前記モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、前記言及は、それぞれ、任意選択で、5-メチル-C又はCによって置き換えられていてもよい。
【0043】
本出願を通じて、BNAスキャフォールド修飾は、常に、明確に別に示されない限りオリゴヌクレオチド中に含まれ得る。しかし、読みやすさのために、これは、常に明確に略さずに書かれるわけではない。これは、オリゴヌクレオチドが、特定の種類のモノマーのみを含む又はからなるといわれる時は常に、これは、BNAスキャフォールド修飾が存在していると記載される場合に、BNAスキャフォールド修飾の存在を排除しないことを意味する。例えば、2’-O-メチルRNAモノマーのみからなるオリゴヌクレオチドは、それにもかかわらず、BNAスキャフォールド修飾を有するモノマーを含み得る。これは、状況(例えば、AONが1つのモノマーのみからなるといわれる場合に、なおさらに、BNAスキャフォールド修飾も含む)から明らかとなる。
【0044】
本態様の好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供され、前記オリゴヌクレオチドは、エキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部と、相補的である、好ましくは、逆相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズするか、好ましくは、前記オリゴヌクレオチドは、エキソン認識配列(ERS)、エキソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)、SRタンパク質結合部位、又は別のスプライシングエレメント、シグナル若しくは構造の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする配列を含む又はからなる。このようなオリゴヌクレオチドが相補的である場合には、逆相補的であり得ると理解される。本出願において、用語「相補的である」は、文脈から当業者には明らかであろうように、順方向相補的及び逆相補的配列の両方を包含する。
【0045】
この関連において、本発明に従うオリゴヌクレオチドが相補的である、又は結合する、又は標的化する、又はハイブリダイズする好ましい配列は、ジストロフィンプレmRNAエキソン2~78などのジストロフィンエキソンである。好ましいジストロフィンエキソンは、エキソン2~78、より好ましくは、エキソン10~60、最も好ましくは、エキソン44~55であり、好ましい非エキソン領域は、イントロン1~78である。オリゴヌクレオチドが相補的である、又は結合する、又は標的化する、又はハイブリダイズするより好ましいエキソンは、ジストロフィンプレmRNAエキソン44、45、51、52、53及び55である。オリゴヌクレオチドが相補的である、又は結合する、又は標的化する、又はハイブリダイズする好ましいエキソンは、ジストロフィンプレmRNAエキソン44、45、51、52、53及び55である。このようなオリゴヌクレオチドは、エキソン44、45、51、52、53及び55から選択されるジストロフィンプレmRNAエキソンの少なくとも一部とハイブリダイズし、10~33ヌクレオチドの、より好ましくは、16~22ヌクレオチドの長さを有することが最も好ましい。したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供され、前記オリゴヌクレオチドは、エキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部と、相補的である、好ましくは、逆相補的であり、前記のエキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部は、10~33ヌクレオチドの、好ましくは、16~22ヌクレオチドの長さを有する。前記のエキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部は、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドの長さを有することがより好ましい。したがって、前記のエキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部は、最大でも33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11又は10ヌクレオチドの長さを有することが好ましい。最も好ましい長さは、16、17、18、19、20、21又は22ヌクレオチドである。
【0046】
さらに、この関連では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが相補的である、又は結合する、又は標的化する、又はハイブリダイズするその他の好ましい配列として、SMN2スプライシング調節エレメント、好ましくは、例えば、イントロン6及び7中のもの、より好ましくは、例えば、イントロン7中のスプライシングサイレンサーISS-N1がある。
【0047】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供され、前記エキソン及び/又は非エキソン領域は、DMD遺伝子中、又はSMN遺伝子中にある。SMN遺伝子は、SMN1遺伝子又はSMN2遺伝子、好ましくは、SMN2遺伝子であり得る。
【0048】
本発明のオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAのエキソンの一部と結合可能、標的化可能又は相補的であることが可能である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることが好ましい。前記結合部分又は標的化される部分は、本発明のオリゴヌクレオチドの長さの少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は98%又は最大100%であり得る。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列によって表されることができ、前記ヌクレオチド配列は、本明細書において定義されるようなジストロフィンプレmRNAの少なくとも一部と結合する、標的化する、又は相補的である配列並びにさらなるそれぞれの両端に位置する配列を含む。より好ましい実施形態では、前記オリゴヌクレオチドの前記結合部分又は標的化される部分の長さは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドのものである。いくつかの種類のそれぞれの両端に位置する配列が使用され得る。それぞれの両端に位置する配列は、タンパク質の前記オリゴヌクレオチドとの結合を修飾するために、又は前記オリゴヌクレオチドの熱力学的特性を修飾するために使用されることが好ましく、標的RNA結合親和性を修飾するために使用されることがより好ましい。別の好ましい実施形態では、さらなるそれぞれの両端に位置する配列は、前記エキソン中に存在しないジストロフィンプレmRNAの配列と相補的である。このようなそれぞれの両端に位置する配列は、前記エキソンの枝分かれ部位及び/又はスプライス部位アクセプター若しくはドナーコンセンサス配列を含む又はからなる配列と結合可能である、又は標的化可能であることが好ましい。好ましい実施形態では、このようなそれぞれの両端に位置する配列は、前記エキソンに隣接するジストロフィンプレmRNAのイントロンの配列を含む又はからなる配列と結合可能である、又は標的化可能である。
【0049】
本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~1607の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号453~613若しくは配列番号1592~1605若しくは配列番号1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号453~613若しくは配列番号1592~1605若しくは配列番号1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、より好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、486、483、1592、1593、1594、1595、1596、1597、1598、1599、1600、1601、1602、1603、1604、1605若しくは1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、486、483、1592、1593、1594、1595、1596、1597、1598、1599、1600、1601、1602、1603、1604、1605若しくは1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表されるものである。本発明の関連内で、配列番号の断片とは、前記配列番号に由来する少なくとも10の連続するヌクレオチドを含む又はからなるヌクレオチド配列を意味することが好ましい。
【0050】
本発明のより好ましいオリゴヌクレオチドは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、より好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548若しくは4568を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548若しくは4568の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表されるものである。
【0051】
本発明のより好ましいオリゴヌクレオチドは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483若しくは486を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483若しくは486の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、より好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号452~613、4528~4572を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号452~613、4528~4572を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表され、最も好ましくは、前記オリゴヌクレオチドが、配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548若しくは4568を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548若しくは4568を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表されるものである。
【0052】
好ましいAONは、前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を含み、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、タンパク質の産生又は組成を変更し、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、エキソンスキッピング又はエキソン包含を含み、最も好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、エキソンスキッピングを含むものである。このプレmRNAスプライシング調節は、本明細書において後記で定義されるような治療的適用に関連して使用されることが好ましい。
【0053】
プレmRNAスプライシング調節の目的は、タンパク質、ほとんどの場合、そのRNAがコードするタンパク質の産生を変更することであり得る。この産生は、前記産生のレベルの増大又は低減によって変更され得る。この産生はまた、例えば、プレmRNAスプライシング調節が1つ又は複数のエキソンの包含又は排除を、及び異なるアミノ酸配列を有するタンパク質をもたらす場合に、実際に産生されるタンパク質の組成の変更によって変更され得る。異なるアミノ酸配列を有するこのようなタンパク質は、疾患又は状態の結果として産生されるタンパク質よりも多くの機能性を有する、又はより良好な機能性を有する、又は少なくとも1つの変更された特性を有することが好ましい。
【0054】
DMDの場合には、プレmRNAスプライシング調節は、転写物のオープンリーディングフレームを回復させ、より短いが(より多くの)機能性ジストロフィンタンパク質の発現を誘導するために、ジストロフィンプレmRNA中の1つ又は複数の特定のエキソンをスキップするために適用されてもよく、最終目的は、疾患の過程に干渉できることである。同様の戦略によって、BMDの過程に干渉することが可能となる。SMAの場合には、プレmRNAスプライシング調節は、SMN2遺伝子へのエキソン7の包含を増強し、運動ニューロンタンパク質の生存のレベルを増大するために適用されてもよく、これが、脊髄における運動ニューロンの喪失及びその後の随意筋の萎縮を低減する。そのようなものとして、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが提供され、前記オリゴヌクレオチドは、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節は、疾患又は状態と関連しているタンパク質の産生を変更し、好ましくは、前記疾患又は状態は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)である。
【0055】
AONは、治療用プレmRNAのスプライシング調節において使用するためのものである。AONは、好ましくは、個体のDNAのコーディング鎖に由来するジストロフィン又はSMN2プレmRNAの特定の配列と相補的であるオリゴヌクレオチドであることが好ましい。このオリゴヌクレオチドは、前記プレmRNAの前記配列と結合する、又はそれを標的化する。本発明との関連で、治療用プレmRNAは、遺伝病に関与する遺伝子の罹患プレmRNAと呼ばれることもある。したがって、治療用プレmRNAのスプライシングの調節は、前記遺伝病の治療を可能にする。
【0056】
DMDの又はBMDの場合には、プレmRNAスプライシング調節は、転写物のオープンリーディングフレームを回復させ、より短いが(より多くの)機能性ジストロフィンタンパク質の発現を誘導するために、ジストロフィンプレmRNA中の1つ又は複数の特定のエキソンをスキップするために適用されてもよく、最終目的は、疾患の進行を遅延又はさらには停止できることである。
【0057】
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、細胞において、臓器において、組織及び/又は個体において、ジストロフィンプレmRNA中にエキソンスキッピングを誘導するために使用される。エキソンスキッピングは、スキップされたエキソンを含有しない成熟ジストロフィンmRNAをもたらし、したがって、前記エキソンがアミノ酸をコードする場合には、より短いタンパク質産物の発現につながり得る。少なくとも1つのエキソンのスキッピングは、AONの、スプライシング調節エレメント、スプライス部位及び/又はイントロン枝分かれ部位配列を含む特定のエキソン内部の配列との結合によって誘導されることが好ましい。
【0058】
好ましい実施形態では、本発明はまた、複数のエキソンのスキッピングに適している、マルチスキッピングと呼ばれることもある上記のようなオリゴヌクレオチドを包含する。このような本発明に従うオリゴヌクレオチドは、同一プレmRNA内の、第1のエキソンの領域と、及び第2のエキソンの領域と結合可能であり、前記の第2のエキソンの前記領域は、前記の第1のエキソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する。これらのオリゴヌクレオチドは、前記プレmRNAの前記の第1のエキソン及び前記の第2のエキソンのスキッピングを誘導可能であることが好ましい。さらなるエキソン(複数可)のスキッピングも誘導され、前記のさらなるエキソン(複数可)は、前記の第1の及び前記の第2のエキソンの間に位置することが好ましい。前記エキソンがスキップされている前記プレmRNAの得られた転写物は、インフレームである。このようなオリゴヌクレオチドのより詳細は、国際公開第2014007620号に提供されている。
【0059】
本明細書において定義されるように、DMDプレmRNAは、ジストロフィンタンパク質をコードするDMD遺伝子のプレmRNAを意味することが好ましい。突然変異されたDMDプレmRNAは、罹患していない人の野生型DMDプレmRNAと比較した場合に突然変異を有し、異常なタンパク質(BMD)又は機能性ジストロフィンの不在(DMD)(そのレベルの低減)をもたらす、BMD又はDMD患者のプレmRNAに対応する。DMDプレmRNAはまた、ジストロフィンプレmRNAと名付けられる。DMD遺伝子はまた、ジストロフィン遺伝子と名付けられることもある。ジストロフィン及びDMDは、本出願を通じて同義的に使用され得る。
【0060】
患者は、本明細書において後記で定義されるようにDMD若しくはBMDを有する患者又はその遺伝的背景のためにDMD若しくはBMDを発生しやすい患者を意味するものとすることが好ましい。DMD患者の場合には、使用されるオリゴヌクレオチドは、前記患者のDMD遺伝子中に存在するような1つの突然変異を補正し、BMDタンパク質のように見えるタンパク質を生成することが好ましい。前記タンパク質は、本明細書において後記で定義されるように機能性又は半機能性ジストロフィンとなることが好ましい。BMD患者の場合には、使用されるようなオリゴヌクレオチドは、前記患者のBMD遺伝子中に存在するような1つの突然変異を補正し、前記BMD患者中に元々存在していたジストロフィンよりも機能性となるジストロフィンを生成することが好ましい。
【0061】
本明細書において定義されるように、機能性ジストロフィンは、配列番号1において同定されるようなアミノ酸配列を有するタンパク質に対応する野生型ジストロフィンであることが好ましい。本明細書において定義されるように、半機能性ジストロフィンは、そのN末端部分中の作用性結合ドメイン(N末端の最初の240個のアミノ酸)、システインリッチドメイン(アミノ酸3361から3685まで)及びC末端ドメイン(C末端の最後の325個のアミノ酸)を有し、これらのドメインの各々が、当業者に公知のように野生型ジストロフィン中に存在するタンパク質に対応するBMD様ジストロフィンであることが好ましい。本明細書において示されるアミノ酸は、配列番号1によって表されている野生型ジストロフィンのアミノ酸に対応する。言い換えれば、機能性又は半機能性ジストロフィンは、少なくともある程度まで野生型ジストロフィンの活性を示すジストロフィンである。「少なくともある程度まで」とは、野生型機能性ジストロフィンの対応する活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%を意味することが好ましい。これに関連して、機能性ジストロフィンの活性は、アクチンとの、ジストロフィン関連糖タンパク質複合体(DGC又はDAPC)との結合であることが好ましい(Ehmsen Jら、2002年)。
【0062】
ジストロフィンのアクチンとの、及びDGC又はDAPC複合体との結合は、当業者に公知のように、治療前及び/又は治療後に、ジストロフィーであると疑われる筋肉から得たものの対照(非DMD)生検から得た、総タンパク質抽出物を使用する免疫共沈降又は複合体の種々のメンバーと反応する種々の抗体を使用する断面の免疫蛍光解析のいずれかによって可視化できる。
【0063】
デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っている個人又は患者は、通常、完全タンパク質の合成を妨げる、ジストロフィン(DMD又はジストロフィン遺伝子)をコードする遺伝子中の突然変異を有する、すなわち、中途停止コドンは、C末端の合成を妨げる。ベッカー型筋ジストロフィーでは、ジストロフィン遺伝子はまた、野生型と比較して突然変異を含むが、突然変異は、通常、中途停止コドンをもたらさず、C末端は、通常合成される。結果として、野生型タンパク質と、種類において少なくとも同一の活性であるが、必ずしも同量ではない活性を有する機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質が合成される。BMD患者のゲノムは、通常、N末端部分(N末端の最初の240個のアミノ酸)、システインリッチドメイン(アミノ酸3361から3685まで)及びC末端ドメイン(C末端の最後の325個のアミノ酸)を含むが、ほとんどの場合、その中央の桿状ドメインが野生型ジストロフィンのものよりも短いジストロフィンタンパク質をコードする(Monacoら、1988年)。DMDの治療のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導性エキソンスキッピングは、通常、中央の桿状ドメイン形状ドメインにおいてエキソンをスキップして、オープンリーディングフレームを修正し、C末端を含むジストロフィンタンパク質の残部の合成を可能にすることによってプレmRNAにおいて中途停止を克服するように向けられることが好ましく、それにもかかわらず、タンパク質は、より小さい桿状ドメインの結果として幾分か小さい。好ましい実施形態では、DMDを有する、本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチドによって治療されている個体は、少なくともある程度まで野生型ジストロフィンの活性を示すジストロフィンが提供される。前記個体が、デュシェンヌ型患者である、又はデュシェンヌ型患者であると疑われる場合には、機能性又は半機能性ジストロフィンは、BMDを有する個体のジストロフィンであり、通常、前記ジストロフィンは、アクチン及びDGC又はDAPCの両方と相互作用できるが、その中央の桿状ドメインは、野生型ジストロフィンのものよりも短いことがあることがより好ましい(Monacoら、1988年)。野生型ジストロフィンの中央の桿状ドメインは、24スペクトリン様リピートを含む。例えば、本明細書において提供されるようなジストロフィンの中央の桿状ドメインは、5~23、10~22又は12~18スペクトリン様リピートを含むことができ、並びに、アクチンと、及びDGCと結合できる。
【0064】
本発明のオリゴヌクレオチドを使用して個体においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの1つ又は複数の症状を軽減することは、以下のアッセイのいずれかによって評価できる:歩行ができなくなるまでの時間の延長、筋肉強度の改善、ウエイトを持ち上げる能力の改善、床から立ち上がるためにかかる時間の改善、9メートル歩行時間の改善、4階上がるためにかかる時間の改善、下肢機能グレードの改善、肺機能の改善、心臓機能の改善、クオリティオブライフの改善。これらのアッセイの各々は、当業者に公知である。例として、Manzurら(2008年)の刊行物は、これらのアッセイの各々の詳細な説明を示す。これらのアッセイの各々について、アッセイにおいて測定されるパラメータの検出可能な改善又は延長が見られるや否や、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの1つ又は複数の症状が、本発明のオリゴヌクレオチドを使用して個人において軽減されていることを意味することが好ましい。検出可能な改善又は延長は、Hodgettsら(2006年)に記載されるように統計的に有意な改善又は延長である。或いは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの1つ又は複数の症状の軽減は、筋肉線維機能の改善、完全性及び/又は生存を測定することによって評価され得る。好ましい方法では、DMD若しくはBMD患者の1つ若しくは複数の症状が、軽減され、及び/又はDMD若しくはBMD患者から得た1種又は複数の筋肉細胞の1つ若しくは複数の特徴が改善される。このような症状又は特徴は、細胞レベル、組織レベルで、又は患者自体で評価できる。
【0065】
患者から得た筋肉細胞の1つ若しくは複数の特徴の軽減は、患者から得た筋原細胞又は筋肉細胞で以下のアッセイのいずれかによって評価できる:筋肉細胞によるカルシウム取り込みの低減、コラーゲン合成の減少、形態学の変更、脂質生合成の変更、酸化ストレスの減少及び/又は筋肉線維機能の改善、完全性及び/又は生存。これらのパラメータは、普通、筋肉生検の断面図の免疫蛍光及び/又は組織化学的解析を使用して評価される。
【0066】
筋肉線維機能の改善、完全性及び/又は生存は、以下のアッセイのうち少なくとも1つを使用して評価できる:血液中のクレアチンキナーゼの検出可能な減少、ジストロフィーであると疑われる筋肉の生検断面における筋肉線維の壊死の検出可能な減少及び/又はジストロフィーであると疑われる筋肉の生検断面における筋肉線維の直径の均一性の検出可能な増大。これらのアッセイの各々は、当業者に公知である。
【0067】
クレアチンキナーゼは、Hodgettsら(2006年)に記載されるように血液中で検出できる。クレアチンキナーゼの検出可能な減少は、治療前の同一DMD又はBMD患者におけるクレアチンキナーゼの濃度と比較して5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の減少を意味し得る。
【0068】
筋肉線維の壊死の検出可能な減少は、筋肉生検において、より好ましくは、生検断面を使用してHodgettsら(2006年)に記載されるように評価されることが好ましい。壊死の検出可能な減少は、生検断面を使用して壊死が同定されている領域の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の減少であり得る。減少は、治療前の同一DMD又はBMD患者において評価されるような壊死に対する比較によって測定される。
【0069】
筋肉線維の直径の均一性の検出可能な増大は、筋肉生検断面において、より好ましくは、Hodgettsら(2006年)に記載されるように評価されることが好ましい。増大は、治療前の同一DMD又はBMD患者における筋肉線維の直径の均一性に対する比較によって測定される。
【0070】
本発明のオリゴヌクレオチドは、前記個体に、機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質を提供し(通常、DMDの場合には)、少なくとも幾分かは、前記個体における異常なジストロフィンタンパク質の生成を減少させることができる(通常、BMDの場合には)ことが好ましい。
【0071】
異常なジストロフィンmRNA又は異常なジストロフィンタンパク質の生成を減少させることは、異常なジストロフィンmRNA又は異常なジストロフィンタンパク質の初期量の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%又はそれ以下が、RT-PCR(mRNA)又は免疫蛍光又はウエスタンブロット解析(タンパク質)によって依然として検出可能であることを意味することが好ましい。異常なジストロフィンmRNA又はタンパク質はまた、本明細書において、あまり機能的ではない(本明細書において先に定義されるような野生型機能性ジストロフィンタンパク質と比較して)又は非機能性ジストロフィンmRNA若しくはタンパク質と呼ばれる。非機能性ジストロフィンタンパク質は、アクチン及び/又はDGCタンパク質複合体のメンバーと結合できないジストロフィンタンパク質であることが好ましい。非機能性ジストロフィンタンパク質又はジストロフィンmRNAは、通常、無傷のタンパク質のC末端を有するジストロフィンタンパク質を有さない、又はコードしない。機能性又は半機能性ジストロフィンmRNA又はタンパク質の検出は、異常なジストロフィンmRNA又はタンパク質についてのように行われ得る。
【0072】
ひとたび、DMD患者に機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質が提供されると、DMDの原因の少なくとも一部が取り除かれる。したがって、次いで、DMDの症状が、少なくとも部分的に軽減されること又は症状が悪化する速度が低下され、より遅い減退をもたらすことが予測される。スキッピング頻度の増大はまた、DMD又はBMD個体の筋肉細胞において産生される機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質のレベルも増大する。
【0073】
脊髄性筋萎縮(SMA)は、遺伝性障害であり、致死性であることが多く、これは、運動神経細胞生存(Survival Motor Neuron)SMN遺伝子によってコードされるSMNタンパク質の喪失に起因する。SMN遺伝子、SMN1及びSMN2は、染色体5に位置し、SMAは、両染色体からのSMN1の喪失によって引き起こされる。SMN1とほとんど同一であるSMN2は、SMNタンパク質を提供するのにはあまり有効ではない。SMN1は、snRNPアセンブリー、細胞生存にとって必須のプロセスに必要である、遍在性発現される38kDa SMNタンパク質をコードする。SMN1及びSMN2は、エキソン7の位置6の重大なCからTへの突然変異(SMN2の転写物におけるC6U)によって異なる。C6Uは、コード配列を変更しないが、SMN2においてエキソン7スキッピングを引き起こすのに十分である。これは、不安定な末端切断型タンパク質、SMNΔ7につながる。SMAの重症度は、いくつかのコピーがあるSMN2を用いて、そのSMNタンパク質を産生する効率によって影響される。SMA患者では、SMN2は、一般に、不安定な末端切断型タンパク質、細胞生存を確実にできないSMNΔ7を産生するエキソン7スキッピングのために、SMN1の喪失を代償できない。現在、SMAの利用可能な治療は、慢性運動単位喪失の二次効果の予防及び管理からなる。SMAの治療又は予防のために利用可能な薬物はない。スプライススイッチングのためのアンチセンス技術を使用してSMA治療のための新規治療薬を提供できる。有効な薬剤は、SMN2プレmRNAのスプライシングを変更でき、治療上有用である可能性が高い。SMAの別の分子機序は、点突然変異(E134K)であり得る。
【0074】
好ましいAONは、細胞において、エキソン7が欠失したSMN2 mRNAに対して、エキソン7を含有するSMN2 mRNAのレベルを増強する。好ましいAONは、AONがSMN2遺伝子内の領域と特異的にハイブリダイズするように、適当な長さで、相補性のものであることが好ましく(より好ましくは、本明細書において後記で定義されるような)、その結果、細胞におけるエキソンが欠失したSMN2 mRNAに対するエキソン7を含有するSMN2 mRNAのレベルが増強される。好ましいAONは、配列番号1400~1579を含む又はからなる。より好ましいAONは、配列番号1490を含む又はからなる。SMAの場合には、プレmRNAスプライシング調節は、SMN2 プレmRNA中に1つ又は複数のエキソン、好ましくは、エキソン7を含み、エキソン7を含有するSMN2 mRNA又はタンパク質の発現を増大することによって機能性SMN2レベルを増大するように適用され得る。これは、疾患の進行を遅延又は、さらには停止できるという最終目的を有する。
【0075】
好ましい実施形態では、AONは、細胞における、臓器における、組織における及び/又は個体におけるSMNプレmRNA、好ましくは、SMN2プレmRNA中へのエキソン7包含を誘導するために使用される。エキソン包含は、そうでなければスキップされるエキソン7を含有する成熟SMN mRNAをもたらし、したがって、より多くの機能性タンパク質産物の発現につながり得ることが好ましい。少なくとも1つのエキソン、好ましくは、エキソン7の包含は、AONの、スプライシング調節エレメント、スプライス部位及び/又はイントロン枝分かれ部位配列を含む特異的配列、好ましくは、イントロン内部の配列との結合によって誘導されることが好ましい。
【0076】
本明細書において定義されるように、SMN1プレmRNAは、SMNタンパク質をコードするSMN1遺伝子のプレmRNAを意味することが好ましい。本明細書において定義されるように、SMN2プレmRNAは、SMNタンパク質をコードするSMN2遺伝子のプレmRNAを意味することが好ましい。SMAを患っている対象のプレmRNAが論じられる場合には、SMN2プレmRNAは、SMNプレmRNAと名付けられることもあり、これは、SMA患者では、SMN1遺伝子が存在せず、したがって、すべてのSMNプレmRNAがSMN2プレmRNAであるからである。このような場合には、SMN2遺伝子はまた、SMN遺伝子と名付けられることもある。
【0077】
患者は、本明細書において定義されるようなSMAを有する患者又はその遺伝的背景のためにSMAを発症しやすい患者を意味するものとすることが好ましい。SMA患者の場合には、使用されるオリゴヌクレオチドは、前記患者のSMN2遺伝子中に存在するようなエキソン7の包含を促進し、SMNΔ7タンパク質ではなく機能性SMNタンパク質を生成することが好ましく、前記タンパク質は、本明細書において後記に定義されるような機能性又は半機能性SMNとなることが好ましい。SMA患者の場合には、使用されるようなオリゴヌクレオチドは、前記患者のSMN2遺伝子中に存在するような突然変異の効果を抑制又は低減し、前記SMA患者中に元々存在していたSMNタンパク質、しばしばSMNΔ7タンパク質よりも機能性となるSMNタンパク質のレベルの増大をもたらすことが好ましい。SMNタンパク質対SMNΔ7タンパク質の比は、機能性SMNタンパク質寄りにシフトすることが好ましい。治療後に検出されるSMNタンパク質対SMNΔ7タンパク質の好ましいモル比は、5:4、5:3、5:2、5:1又は10:1である。SMNΔ7タンパク質は、もはや検出できない、又は微量でしか検出できないことが最も好ましい。
【0078】
本明細書において定義されるように、機能性SMNタンパク質は、配列番号1581に同定されるようなアミノ酸配列を有するタンパク質に対応する野生型SMNであることが好ましい。機能性SMNタンパク質は、エキソン7を含むことが好ましい。このエキソン7は、配列番号1584で同定される。言い換えれば、機能性又は半機能性SMNタンパク質は、少なくともある程度まで野生型SMNタンパク質の活性を示すSMNタンパク質である。「少なくともある程度まで」は、野生型機能性SMNタンパク質の対応する活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%を意味することが好ましい。これに関連して、機能性SMNタンパク質の好ましい活性は、当業者に公知のように、テロメラーゼ再生に、転写調節に、及び細胞輸送に関する。機能性SMNタンパク質のより好ましい活性は、機能性snRNPアセンブリーの形成及びSmタンパク質(Smithタンパク質)との相互作用である。
【0079】
機能性SMNは、Sm D1及びD3タンパク質のArg及びGlyリッチC末端テールと結合する(Selenkoら、2001年)。例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質としてのSm D1及びSm D3のC末端の発現及び単離されたSMNタンパク質を用いるプルダウン実験によってこの相互作用を研究するために、in vitro結合アッセイを実施できる。あまり機能的ではないSMNは、相互作用をあまり又は全く示さない。このようなアッセイは総タンパク質抽出物を使用して実施できる。或いは、エキソン7によってコードされる領域と、又はその領域の一部と、又はエキソン7を含むSMN中にのみ存在するフォールディングと相互作用する種々の抗体を使用する生検断面の免疫蛍光解析によって、エキソン7が包含されたSMNを検出できる。当業者に公知であるように、非SMA(対照)生検との比較が適当であり得る。
【0080】
好ましい実施形態では、SMAを有し、本明細書において定義されるようなAONによって治療されている個体は、少なくともある程度まで、通常SMN1遺伝子によってコードされるような野生型SMNタンパク質の活性を示すSMNタンパク質が提供される。前記個体がSMA患者である、又はSMA患者であると疑われる場合には、機能性SMNタンパク質は、通常、SMN1遺伝子によってコードされるようなエキソン7が含まれるSMNタンパク質であることがより好ましい。
【0081】
AONを使用して個体においてSMAの1つ又は複数の症状を軽減することは、以下のアッセイのいずれかによって評価できる:対象の体重増加の改善、対象における運動活性の改善及び対象又は運動ニューロン細胞いずれかの生存時間の増大及び機能性SMNの生成の増大。これらのパラメータの各々は、当業者に公知であり、日常的にアッセイされ得る。これらのアッセイの各々について、アッセイにおいて測定されたパラメータの検出可能な改善又は延長が見られるや否や、本発明に従うオリゴヌクレオチドを使用して個体においてSMAの1つ又は複数が軽減されたことを意味することが好ましい。検出可能な改善又は延長は、統計的に有意な改善又は延長であることが好ましい。或いは、SMAの1つ又は複数の症状の軽減は、筋肉機能の改善、完全性及び/又は生存を測定することによって評価できる。好ましい方法では、SMA患者の1つ若しくは複数の症状が軽減され、及び/又はSMA患者から得た1つ若しくは複数の筋肉細胞の1つ若しくは複数の特徴が改善される。このような症状又は特徴は、細胞レベル、組織レベル又は患者自身で評価できる。
【0082】
患者から得た運動ニューロン細胞の1つ又は複数の特徴の軽減は、患者から得た細胞で以下のアッセイのいずれかによって評価できる:カルシウム取り込みの低減、snRNP生成の減少、コラーゲン合成の減少、形態学の変更、脂質生合成の変更、酸化ストレスの減少及び/又は筋肉機能の改善、完全性及び/又は生存。これらのパラメータは、普通、筋肉生検などの生検の断面図の免疫蛍光及び/又は組織化学的解析を使用して評価される。
【0083】
運動ニューロン生存の検出可能な増加は、筋肉生検において、生検断面を使用して評価されることが好ましい。生存の検出可能な増加は、治療されていない対照サンプルと比較して、生存の公知の割合若しくはこれまでの割合と比較して5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の増加であり得る。増加は、治療前の同一SMA患者において評価されたような生存に対する比較によって測定される。
【0084】
運動ニューロン生存の検出可能な増加は、当業者に公知のように、例えば、Lunnら、2004年に記載されるような方法を使用して評価できる。
【0085】
AONは、前記個体に、機能性又は半機能性SMNタンパク質を提供し、少なくとも幾分かは、前記個体におけるSMNΔ7などの異常なSMNタンパク質の生成を減少させることができることが好ましい。
【0086】
異常なSMN mRNA又は異常なSMNタンパク質の生成を減少させることは、異常なSMN mRNA又は異常なSMNタンパク質の初期量の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%又はそれ未満が、RT-PCR(mRNA)又は免疫蛍光又はウエスタンブロット解析(タンパク質)によって依然として検出可能であることを意味することが好ましい。異常なSMN mRNA又はタンパク質はまた、あまり機能的ではない(本明細書において先に定義されるような野生型機能性SMNタンパク質と比較して)又は非機能性SMN mRNA若しくはタンパク質とも呼ばれる。非機能性SMNタンパク質は、Smタンパク質と結合できない及び/又はsnRNPアセンブリーを促進しない、若しくは妨害するSMNタンパク質であることが好ましい。非機能性SMNタンパク質又はSMN mRNAは、通常、エキソン7によってコードされるアミノ酸配列を有さない、又はコードしない。機能性又は半機能性SMN mRNA又はタンパク質の検出は、異常なSMN mRNA又はタンパク質について行うことができる。
【0087】
ひとたび、SMA患者に、機能性又は半機能性SMNタンパク質が提供されると、SMAの原因の少なくとも一部が取り除かれる。したがって、次いで、SMAの症状が、少なくとも部分的に軽減されること又は症状が悪化する速度が低下され、より遅い減退をもたらすことが予測される。包含頻度の増大はまた、SMA個体の細胞において産生される機能性又は半機能性SMNタンパク質のレベルも増大する。
【0088】
エキソン及びイントロンは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの有効な標的であると示されているスプライシング調節エレメントを含む1つ又は複数の特定の配列を含有する。一実施形態は、したがって、前記個体に機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質を提供するためにオリゴヌクレオチドを提供し、前記オリゴヌクレオチドは、ジストロフィン又はSMN2プレmRNAエキソン又はイントロン中のこれらのスプライシング調節エレメントと特異的に結合する及び/又は遮断する配列を含む。さらに、両スプライス部位がスプライセオソーム複合体によって認識される場合には、結果として得られるmRNA中にエキソンのみが含まれるので、スプライス部位は、本発明のオリゴヌクレオチドの他の標的である。したがって、一実施形態は、前記個体に機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質を提供するためにオリゴヌクレオチドを提供し、前記オリゴヌクレオチドは、ジストロフィン若しくはSMN2プレmRNAのエキソンの両スプライス部位のうち一方若しくは両方と特異的に結合する及び/又は遮断する配列を含む。普通、エキソンのスプライス部位は、前記エキソン中に存在する1、2、3つ又はそれ以上のヌクレオチド及び隣接する若しくは付近のイントロン中に存在する1、2、3つ又はそれ以上のヌクレオチドを含む。一実施形態では、ジストロフィン又はSMN2プレmRNAのイントロン領域とのみ結合するオリゴヌクレオチドが使用される。しかし、これは、必要ではない:イントロン特異的配列並びにエキソン特異的配列を標的化する、又は結合するオリゴヌクレオチドを使用することも可能である。もちろん、オリゴヌクレオチドは、ジストロフィン又はSMN2エキソン又はイントロンの全配列と必ずしも結合しない。このようなエキソン又はイントロンの一部と特異的に結合するオリゴヌクレオチドが好ましい。オリゴヌクレオチドが使用され、前記オリゴヌクレオチドが、エキソン及び/又はイントロンの少なくとも一部と、相補的である、それと結合する、又はそれを標的化し、前記の一部が、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドを有することが好ましい。
【0089】
プレmRNAのスプライシングは、イントロン分岐点及び隣接するイントロンのスプライス部位を含む2つの連続エステル転移反応によって起こる。したがって、オリゴヌクレオチドは、エキソンスキッピングのために使用されることが好ましく、前記オリゴヌクレオチドは、このような分岐点及び/又はスプライス部位と結合する配列を含む。前記スプライス部位及び/又は分岐点が、ジストロフィンプレmRNA中に存在することが好ましい。
【0090】
スプライス部位はコンセンサス配列含有するので、スプライス部位と結合可能である配列を含むオリゴヌクレオチド部分又はその機能性等価物の使用は、乱雑なハイブリダイゼーションのリスクを伴う。前記オリゴヌクレオチドの、スキップされるべきエキソンの部位以外のスプライス部位とのハイブリダイゼーションは、スプライシングプロセスの正確性を容易に干渉し得る。スプライス部位と結合するオリゴヌクレオチドの使用と関連するこれら及びその他の可能性ある問題を克服するために、最も好ましい実施形態は、前記個体に機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質を提供するためのオリゴヌクレオチドを提供し、前記オリゴヌクレオチド又はその機能性等価物は、ジストロフィンプレmRNAエキソン又はSMN2プレmRNAエキソン又はイントロンの特定の部分と結合する。エキソンは、非コーディングイントロン配列よりも特異的であるコード配列を通常含有する。ジストロフィンプレmRNAエキソンの特定の部分との前記オリゴヌクレオチド結合は、前記ジストロフィン又はSMN2プレmRNA中のスプライシング調節配列及び/又は予測されるエキソン(複数可)の構造を特異的に遮断、干渉及び/又は阻害可能であることが好ましい。このようなスプライシング調節配列及び/又は構造を干渉することは、このようなエレメントがエキソン内に位置するという利点を有する。したがって、配列関連オフターゲット効果のリスクが制限される。エキソンスキッピングの場合には、スキップされるべきエキソンの内部にオリゴヌクレオチドを提供することによって、エキソンをスプライシング装置からマスクすることが可能である。スプライシング装置が、スキップされるべきエキソンを認識できないことは、したがって、最終mRNAからのエキソンの排除につながる。エキソン包含の場合には、例えば、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)を遮断するためにオリゴヌクレオチドを提供することによって、エキソン包含の増大が達成される。AONのISS領域とのハイブリダイゼーションは、トランス作用性負のリプレッサーを置換できる、及び/又は含まれるべきエキソンの5’スプライス部位でのU1小核RNAの結合を干渉する、シス作用性RNAステム-ループを巻き戻すことができる。これらの実施形態は、スプライシング機構(エキソンの連結)の酵素的プロセスを直接干渉しない。これが、方法がより特異的であり、及び/又は信頼できるものであることを可能にすると考えられる。
【0091】
本発明の関連内で、本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの機能性等価物を含み得る。オリゴヌクレオチドのさらなる等価物は、1つ又は複数のヌクレオチドが置換されており、前記機能性等価物の活性が少なくともある程度まで保持されている本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチドを意味することが好ましい。オリゴヌクレオチドの機能性等価物を含む前記オリゴヌクレオチドの活性は、機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質を提供することであることが好ましい。したがって、オリゴヌクレオチドの機能性等価物を含む前記オリゴヌクレオチドの前記活性は、機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質の量を定量することによって評価されることが好ましい。機能性又は半機能性ジストロフィンは、アクチン及びDGC(又はDAPC)タンパク質複合体のメンバーと結合可能なジストロフィンであると本明細書において定義されることが好ましい。オリゴヌクレオチドの前記機能性等価物の前記活性の評価は、RT-PCR及びシーケンシング(RNAレベルでの;特異的エキソンスキッピング(DMD)又は包含(SMA)の検出のための)によって、又は免疫蛍光及びウエスタンブロット解析(タンパク質レベルでの:タンパク質回復の検出のための)によって行われることが好ましい。前記活性は、機能性等価物が由来する前記オリゴヌクレオチドの対応する活性の少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又はそれ以上を表す場合には、少なくともある程度まで保持されることが好ましい。本出願を通じて、語句オリゴヌクレオチドが使用される場合には、本明細書において定義されるようなその機能性等価物によって置換されてもよい。本出願を通じて、語句オリゴヌクレオチドが使用される場合には、特に断りのない限り、本明細書において定義されるようなアンチセンスオリゴヌクレオチドによって置換されてもよい。
【0092】
したがって、2’-O-メチルモノマー、好ましくは、2’-O-メチルRNAモノマーを含む、又は2’-O-メチルRNAからなる、任意選択で、ホスホロチオエートを含む、5-メチルピリミジン(すなわち、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル)塩基を有する又は有さない少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾を含む、ジストロフィン若しくはSMN2プレmRNAエキソン若しくはイントロンと、相補的である、それと結合する、若しくはそれを標的化する、若しくはそれとハイブリダイズする配列を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される本発明に従うオリゴヌクレオチド又はその機能性等価物の使用は、本明細書において先に示されるような5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシルを有する/又は有さない任意のBNAスキャフォールド修飾を含まないその対応物と比較した場合に、本明細書においてすでに定義されているように、前記オリゴヌクレオチドのパラメータのうち少なくとも1つに対して正の効果を有すると推測され、したがって、患者のDMD若しくはBMD若しくはSMA細胞において、及び/又はDMD若しくはBMD若しくはSMA患者において治療結果の改善を示すと推測される。このような治療結果は、DMD又はBMD又はSMAの1つ又は複数の症状を軽減することを特徴とし得る。このような治療結果はまた、以下であり得る、或いは、以下を特徴とし得る:
前記症状のうち1つ若しくは複数の増大若しくは悪化の速度を低減すること及び/又は、
患者から得た筋肉細胞の1つ若しくは複数の特徴を軽減すること及び/又は、
前記個体に機能性又は半機能性ジストロフィン若しくはSMNタンパク質を提供すること及び/又は、
脊髄における運動ニューロンの喪失を減少させること及び/又は
前記個体において随意筋の萎縮を減少させること及び/又は異常なジストロフィンタンパク質の生成を少なくとも幾分か減少させること。
これらの特徴の各々は、本明細書においてすでに定義されている。
【0093】
オリゴヌクレオチドは、ジストロフィン又はSMN2プレmRNAの少なくとも一部と、結合する、それを標的化する、それと相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることが好ましく、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチドの長さを有する。しかし、前記オリゴヌクレオチドの長さは、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33のヌクレオチドであり得る。
【0094】
1つの好ましい実施形態は、前記個体に、機能性又は半機能性ジストロフィン又はSMNタンパク質を提供するためにオリゴヌクレオチドを提供し、前記オリゴヌクレオチド又はその機能性等価物は、以下を含む配列によって表される:
ジストロフィン又はSMN2プレmRNAエキソン(閉構造)の別の部分とハイブリダイズされるジストロフィン又はSMN2プレmRNAエキソンの領域と、結合する、それを標的化する、ハイブリダイズする、又はそれと相補的である配列、及び
前記ジストロフィン又はSMN2プレmRNA(開構造)中のハイブリダイズされないジストロフィン又はSMN2プレmRNAエキソンの領域と、結合する、それを標的化する、ハイブリダイズする、又はそれと相補的である配列。
【0095】
この実施形態のために、国際公開第2004/083446号特許出願が参照される。RNA分子は、大部分は、同一RNA内の相補的又は部分的に相補的なストレッチの塩基対形成のために強力な二次構造を示す。RNA中のその構造は、RNAの機能において役割を果たすと長く考えられてきた。理論に捉われようとは思わないが、エキソンのRNAの二次構造は、スプライシングプロセスの構造化において役割を果たすと考えられる。その構造によって、エキソンは、mRNA中に含まれことを必要とする部分として認識される。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、エキソンの構造を干渉可能であり、したがって、前記エキソンのスプライシング装置を干渉し、エキソンをスプライシング装置からマスクし、それによって、前記エキソンのスキッピングを誘導可能である。多数のオリゴヌクレオチドは、実際、この能力を含み、いくつかは、他のものよりも効率的であることがわかった。理論に捉われようとは思わないが、開構造との重複が、オリゴヌクレオチドの侵入効率を改善する(すなわち、オリゴヌクレオチドが構造中に入ることができる効率を増大する)が、閉構造との重複は、続いて、エキソンのRNAの二次構造を干渉する効率を増大すると考えられる。閉構造及び開構造両方に対する部分相補性の長さは、極度に制限されないということがわかる。本発明者らは、いずれかの構造中に可変長の相補性を有するオリゴヌクレオチドを含む化合物を用いて高い効率を観察した。用語(逆)相補的は、生理学的状態下で別の核酸のストレッチとハイブリダイズできる核酸のストレッチを指すために本明細書において使用される。アンチセンス鎖は、一般に対応するセンス鎖に対して相補的であるといわれる。これに関連して、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、その標的に対して相補的である。ハイブリダイゼーション状態は、本明細書において後記で定義される。したがって、相補性の領域中のすべての塩基が、反対の鎖中の塩基と対合可能であることは絶対的に必要ではない。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドヲ設計する場合には、例えば、相補鎖の塩基と塩基対形成しない残基を組み込もうとしてもよい。細胞中の環境下で、ヌクレオチドのストレッチが相補的部分とハイブリダイズ可能である場合には、ミスマッチはある程度まで許容され得る。
【0096】
好ましい実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチド(前記開構造に対する又は前記閉構造のいずれかに対する)の相補的部分は、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも4つの連続ヌクレオチドを含む。相補的領域は、組み合わされた場合に、それらがプレmRNA中のエキソンに対して特異的であるように設計されることが好ましい。このような特異性は、系中のその他の(プレ-)mRNA中の実際の配列に応じて変わるように、種々の長さの相補的領域を用いて作り出すことができる。1つ又は複数のその他のプレmRNAも、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズできるであろうというリスクは、前記オリゴヌクレオチドの大きさが増大するにつれ減少する。相補性の領域中にミスマッチを含むが、プレmRNA中の標的化される領域とハイブリダイズする能力を保持するアンチセンスオリゴヌクレオチドを本発明において使用できることは明らかである。しかし、少なくとも相補的部分は、このようなミスマッチを含まないことが好ましいが、これは、これらは、通常、1つ又は複数の相補的領域中にこのようなミスマッチを有するオリゴヌクレオチドよりも高い効率及び高い特異性を有するからである。より高いハイブリッド形成力(すなわち、反対の鎖との相互作用の数を増大する)が、系のスプライシング機構を干渉するプロセスの効率を増大するには好都合であると考えられる。
【0097】
単一エキソンスキッピングを誘導するのに適しているAONについては、相補性は、90~100%であることが好ましい。一般に、これは、20ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド中、1又は2つのミスマッチ又は40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド中、1~4つのミスマッチを許容する。したがって、本発明者らは、10~50ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド中に1、2、3、4、5つのミスマッチを有し得る。10~50ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド中に、0、1又は2つのミスマッチが存在することが好ましい。
【0098】
いわゆるマルチスキッピングAON(第1のエキソンの領域と及び同一プレmRNA内の別のエキソン(すなわち、第2のエキソン)の領域と結合可能であるAONであって、前記の第2のエキソンの前記領域が、前記の第1のエキソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有するAON)については、前記の第1のエキソンの前記領域に対する少なくとも80%の相補性及び前記の第2のエキソンの前記領域に対する少なくとも45%の相補性があることが好ましい。前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記の第1の前記領域に対して少なくとも85%、90%、95%又は100%相補的であり、前記の第2のエキソンの前記領域に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%相補的であることがより好ましい。しかし、相補性は、オリゴヌクレオチドの全長にわたって必ずしも評価されないことが好ましい。
【0099】
このようないわゆるマルチスキッピングAONについては、第1のエキソンの領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、又は最大90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200又はそれ以上のヌクレオチドであり得る。第1のエキソンの領域はまた、前記エキソンの長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%であると定義され得る。第1のエキソンの領域は、同一性領域と呼ばれることがある。
【0100】
このようないわゆるマルチスキッピングAONについては、第2のエキソンの領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80又は最大90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200又はそれ以上のヌクレオチドであり得る。第2のエキソンの領域は、前記エキソンの長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%であると定義され得る。第2のエキソンの領域は、同一性領域と呼ばれることがある。いわゆるマルチスキッピングAONの好ましいさらなる特徴は、国際公開第2014007620号に記載されている。
【0101】
構造(すなわち、開構造及び閉構造)は、エキソンが存在するプレmRNAに関連して最良に解析される。このような構造は、実際のRNAにおいて解析され得る。しかし、構造モデリングプログラムを使用して上手くRNA分子の二次構造を予測することが現在可能である(最低のエネルギーコストで)。適したプログラムの限定されない例として、RNA structureバージョン4.5又はRNA mfoldバージョン3.5(Zukerら、2003年)がある。当業者ならば、エキソンのあり得る構造、与えられるヌクレオチド配列を適した再現性をもって予測できるであろう。前記エキソン及びそれぞれの両端に位置するイントロン配列とともにこのようなモデリングプログラムを提供した場合に、最良の予測が得られる。全プレmRNAの構造をモデリングすることは、通常、必要ではない。
【0102】
オリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが向けられる開構造及び閉構造は、互いに隣接することが好ましい。このようにして、オリゴヌクレオチドの開構造とのアニーリングは、アニーリングがこの閉構造に進むとすぐ、閉構造の開放を誘導すると考えられる。この作用を通して、あらかじめ閉じられていた構造は、異なるコンホメーションをとる。
しかし、可能性ある(潜在性の)スプライスアクセプター及び/又はドナー配列が、標的化されるエキソン内に存在する場合、時には、異なる(新しい)エキソン、すなわち異なる5’末端、異なる3’末端又は両方を有するエキソンを規定する新規エキソン包含シグナルが生じる。この種の活性は、標的化されたエキソンがmRNAから排除されるので、本発明の範囲内にある。mRNA中の標的化されたエキソンの一部を含有する新規エキソンの存在は、標的化されたエキソンがそのようなものとして排除されるという事実を変更しない。新エキソンの包含は、ほんの時折生じる副作用として見られ得る。エキソンスキッピングが、突然変異の結果として破壊されるジストロフィンのオープンリーディングフレーム(の一部)を回復させるために使用される場合には、2つの可能性がある。1つは、新エキソンがリーディングフレームの回復において機能性であるが、その他の場合にはリーディングフレームは回復されないということである。エキソンスキッピングによってジストロフィンリーディングフレームを回復するためのオリゴヌクレオチドを含む化合物を選択する場合には、もちろん、これらの条件下で、新エキソンを有する又は有さない、ジストロフィンオープンリーディングフレームを回復させるエキソンスキッピングを実際にもたらすそれらのオリゴヌクレオチドを含むそれらの化合物のみが選択されることは明らかである。
【0103】
前記個体に機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質を提供するためのオリゴヌクレオチドがさらに提供され、前記オリゴヌクレオチド又はその機能性等価物は、上記のようなオリゴヌクレオチドであり、すなわち、2’-O-メチルモノマーを含み、2’-O-メチルモノマー、好ましくは、2’-O-メチルRNAモノマーからなり、任意選択で、ホスホロチオエートを含み、5-メチルピリミジン(すなわち、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル)を有する又は有さないBNAスキャフォールドをさらに含み、ジストロフィンプレmRNAのエキソンのRNA中のセリン-アルギニン(SR)タンパク質の結合部位と、相補的である、又はそれと結合、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする配列を含むヌクレオチド配列によって表される。国際公開第2006/112705号特許出願において、本発明者らは、エキソンスキッピングの誘導におけるエキソン内部アンチセンスオリゴヌクレオチドの効率と、前記AONの標的プレmRNA中の予測されるSR結合部位の存在(例えば、ESEfinderによる)の間の相関の存在を開示した。したがって、一実施形態では、オリゴヌクレオチドが作製され、ジストロフィンエキソンのRNA中のSR(Ser-Arg)タンパク質の(推定)結合部位を決定すること並びに前記RNAと、相補的である、それと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする、及び前記(推定)結合部位と少なくとも部分的に重複するオリゴヌクレオチドを含む対応する化合物を製造することを含む。用語「少なくとも部分的に重複する」は、SR結合部位の単一ヌクレオチドのみ並びに前記結合部位の複数のヌクレオチドの重複並びに前記結合部位の完全重複を含むと本明細書において定義される。この実施形態は、前記RNAの二次構造から、前記RNAの別の部分とハイブリダイズされる領域(閉構造)及び前記構造中のハイブリダイズされない領域(開構造)を決定すること、続いて、前記(推定)結合部位と少なくとも部分的に重複する、及び前記閉構造の少なくとも一部と重複し、前記開構造の少なくとも一部と重複するオリゴヌクレオチドを作製することをさらに含むことが好ましい。このようにして、本発明者らは、プレmRNAからmRNAへのエキソン包含を干渉可能であるオリゴヌクレオチドを得る機会を増大する。第1の選択されたSR結合領域が、必要とされる開-閉構造を有さないことがあり得、この場合には、別の(第2の)SRタンパク質結合部位が選択され、これが続いて、開-閉構造の存在について試験される。このプロセスは、SRタンパク質結合部位並びに(部分的に重複する)開-閉構造を含有する配列が同定されるまで継続される。次いで、この配列は、前記配列と相補的であるオリゴヌクレオチドを設計するために使用される。
【0104】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するためのこのような方法はまた、記載された順序を反転すること、すなわち、ジストロフィンエキソンから得られるRNAの二次構造から、前記RNAの別の部分とハイブリダイズされる構造(閉構造)を想定する領域及び前記構造中のハイブリダイズされない領域(開構造)を決定すること、続いて、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも一部が、前記閉構造と相補的であり、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも別の部分が、前記開構造と相補的であるオリゴヌクレオチドを作製することを含むオリゴヌクレオチドをまず作製することによって実施される。次いで、これに、SRタンパク質結合部位が、前記開/閉構造と少なくとも重複するか否かを決定することが続く。このようにして、国際公開第2004/083446号の方法が改善される。さらに別の実施形態では、選択は同時に実施される。
【0105】
いずれかの理論に捉われようとは思わないが、現在、SRタンパク質結合部位に向けられる、又はそれを標的化するオリゴヌクレオチドの使用は、破壊された又は損なわれたスプライシングをもたらす、SRタンパク質の、SRタンパク質の結合部位との結合を損なうことをもたらす(少なくとも部分的に)と考えられている。
【0106】
開/閉構造及びSRタンパク質結合部位は、部分的に重複することが好ましく、開/閉構造がSRタンパク質結合部位と完全に重複すること又はSRタンパク質結合部位が開/閉構造を完全に重複することがいっそうより好ましい。これは、エキソン包含の破壊の改善を可能にする。
【0107】
連続スプライス部位及び枝分かれ部位イントロン配列に加えて、多数の(すべてではないが)エキソンは、スプライセオソームによる本当のスプライス部位の認識を促進するために、それだけには限らないが、エキソン性スプライシングエンハンサー(ESE)配列などのスプライシング調節配列を含有する(Cartegniら、2002年及びCartegniら、2003年)。SRタンパク質と呼ばれるスプライシング因子のサブグループは、これらのESEと結合し、U1及びU2AFなどのその他のスプライシング因子を(弱く規定された)スプライス部位に補充できる。4種の最も豊富なSRタンパク質(SF2/ASF、SC35、SRp40及びSRp55)の結合部位は、詳細に解析されており、これらの結果は、ESEfinder、これらのSRタンパク質の可能性ある結合部位を予測するウェブ情報源において実行される(Cartegniら、2002年及びCartegniら、2003年)。AONがエキソンスキッピングのためのものである実施形態では、AONの有効性と、前記AONによって標的化される部位中のSF2/ASF、SC35及びSRp40結合部位の有/無の間に相関がある。好ましい実施形態では、したがって、本発明は、SRタンパク質の結合部位と、相補的である、又はそれを標的化する、又は結合する上記のようなオリゴヌクレオチドを提供する。前記SRタンパク質は、SF2/ASF又はSC35又はSRp40であることが好ましい。AONがエキソン包含のためのものである実施形態では、AONの有効性と、前記AONによって標的化される部位中のU1小核RNA結合部位又は異種核リボヌクレオタンパク質(hnRNP)結合部位又は小核リボヌクレオタンパク質(snRNP)の存在の間に相関がある。好ましい実施形態では、本発明は、U1小核RNA、snRNP又はhnRNPなどのsnRNAの結合部位と、相補的である、又はそれを標的化する、又は結合する上記のようなオリゴヌクレオチドを提供する。
【0108】
一実施形態では、DMD患者に、上記のようなオリゴヌクレオチドを使用することによって機能性又は半機能性ジストロフィンタンパク質、又はその機能性等価物、すなわち、2’-O-メチルモノマー、好ましくは、2’-O-メチルRNAモノマーを含む、又は2’-O-メチルRNAからなり、5-メチルピリミジン(すなわち、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル)塩基を有する又は有さない少なくとも1つのBNAスキャフォールドを含み、転写物におけるジストロフィンエキソンの正しいスプライシングに必要である調節RNA配列と特異的に結合可能である、又はそれを標的化可能であるオリゴヌクレオチドが提供される。いくつかのシス作用性RNA配列が、転写物におけるエキソンの正しいスプライシングに必要である。構成的及び代替エキソンの特異的及び効率的スプライシングを調節するために、特に、エキソン性スプライシングエンハンサー(ESE)、エキソン認識配列(ERS)及び/又はエキソン性スプライシングサイレンサー(ESS)及び/又はイントロンスプライシングサイレンサー(ISS)などのエレメントが同定される。エレメントと、結合する、それを標的化する、又はそれと相補的である配列特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を使用して、DMD又はSMAについて示されるようにエキソンがスキップされる、又は含まれるようにその調節機能が妨げられる。したがって、1つの好ましい実施形態では、エキソン性スプライシングエンハンサー(ESE)、エキソン認識配列(ERS)及び/又はエキソン性スプライシングサイレンサー(ESS)及び/又はイントロンスプライシングサイレンサー(ISS)と、相補的である、それと結合する、又はそれを標的化するオリゴヌクレオチド又はその機能性等価物が使用される。
【0109】
好ましい実施形態では、単一エキソンのスキッピングを導入するのに適している本発明のオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54又は55の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする配列を含む、又はからなり、前記部分は、少なくとも10ヌクレオチドを有する。しかし、前記部分はまた、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドを有し得る。上記で同定されたジストロフィンエキソンについては、本発明者らは、オリゴヌクレオチドが、好ましくは、結合する、又は相補的である、又は標的化する、又はハイブリダイズする、前記エキソンから得られたヌクレオチドのストレッチ(配列番号2~7)を提供する。
【0110】
好ましい実施形態では、本明細書において先に定義されたようないわゆるマルチスキッピングに適している本発明のオリゴヌクレオチドは、以下のジストロフィンエキソンのスキッピングを誘導する:エキソン8~19、エキソン9~22、エキソン9~30、エキソン10~18、エキソン10~30、エキソン10~42、エキソン10~47、エキソン10~57、エキソン10~60、エキソン11~23、エキソン13~30、エキソン23~42、エキソン34~53、エキソン40~53、エキソン44~56、エキソン45~51、エキソン45~53、エキソン45~55、エキソン45~60又はエキソン56~60。本発明のこのようないわゆるマルチスキッピングオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAの第1のエキソンの領域と、結合する、それを標的化する、ハイブリダイズする、及び/又は逆相補性部分が、本発明の前記オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも30%であるように逆相補的であることが可能である配列を含む又はからなることが好ましく、少なくとも40%がより好ましく、少なくとも50%がさらにより好ましく、少なくとも60%がさらにより好ましく、少なくとも70%がさらにより好ましく、少なくとも80%がさらにより好ましくは、少なくとも90%がさらにより好ましく、又は少なくとも95%がさらにより好ましくは、又は98%がさらにより好ましく、最大100%が最も好ましい。これに関連して、第1のエキソンは、本明細書において定義されるジストロフィンプレmRNAのエキソン8、9、10、11、13、23、34、40、44、45又は56であることが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、さらなるそれぞれの両端に位置する配列を含み得る。より好ましい実施形態では、前記オリゴヌクレオチドの前記逆相補的部分の長さは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチドである、いくつかの種類のそれぞれの両端に位置する配列が使用され得る。タンパク質の前記オリゴヌクレオチドとの結合を修飾するために、又は前記オリゴヌクレオチドの熱力学的特性を修飾するために、より好ましくは、標的RNA結合親和性を修飾するために、それぞれの両端に位置する配列が使用されることが好ましい。別の好ましい実施形態では、さらなるそれぞれの両端に位置する配列は、前記エキソン中に存在しないジストロフィンプレmRNAの晴れ一に対して逆相補的である。
【0111】
好ましいオリゴヌクレオチドは、
i)Ia)少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー若しくは2’-O-置換RNAモノマー及び任意選択で、ホスホロチオエート骨格連結、又は
Ib)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/若しくはホスホジエステル連結によって連結された、2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー若しくは2’-O-置換RNAモノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み
配列番号2~7から、より好ましくは、
エキソン44のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-GCGAUUUGACAGAUCUGUUGAGAAAUGGCGGCGUUUUCAUUAUGAUAUAAAGAUAUUUAAUCAGUGGCUAACAGAAGCUGAACAGUUUCUCAGAAAGACACAAAUUCCUGAGAAUUGGGAACAUGCUAAAUACAAAUGGUAUCUUAAG-3’(配列番号2)
エキソン45のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-GAACUCCAGGAUGGCAUUGGGCAGCGGCAAACUGUUGUCAGAACAUUGAAUGCAACUGGGGAAGAAAUAAUUCAGCAAUCCUCAAAAACAGAUGCCAGUAUUCUACAGGAAAAAUUGGGAAGCCUGAAUCUGCGGUGGCAGGAGGUCUGCAAACAGCUGUCAGACAGAAAAAAGAG-3’(配列番号3)
エキソン51のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-CUCCUACUCAGACUGUUACUCUGGUGACACAACCUGUGGUUACUAAGGAAACUGCCAUCUCCAAACUAGAAAUGCCAUCUUCCUUGAUGUUGGAGGUACCUGCUCUGGCAGAUUUCAACCGGGCUUGGACAGAACUUACCGACUGGCUUUCUCUGCUUGAUCAAGUUAUAAAAUCACAGAGGGUGAUGGUGGGUGACCUUGAGGAUAUCAACGAGAUGAUCAUCAAGCAGAAG-3’(配列番号4)
エキソン52のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-GCAACAAUGCAGGAUUUGGAACAGAGGCGUCCCCAGUUGGAAGAACUCAUUACCGCUGCCCAAAAUUUGAAAAACAAGACCAGCAAUCAAGAGGCUAGAACAAUCAUUACGGAUCGAA-3’(配列番号5)
エキソン53のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-UUGAAAGAAUUCAGAAUCAGUGGGAUGAAGUACAAGAACACCUUCAGAACCGGAGGCAACAGUUGAAUGAAAUGUUAAAGGAUUCAACACAAUGGCUGGAAGCUAAGGAAGAAGCUGAGCAGGUCUUAGGACAGGCCAGAGCCAAGCUUGAGUCAUGGAAGGAGGGUCCCUAUACAGUAGAUGCAAUCCAAAAGAAAAUCACAGAAACCAAG-3’(配列番号6)
エキソン55のスキッピング又は少なくともスキッピングのための
5’-GGUGAGUGAGCGAGAGGCUGCUUUGGAAGAAACUCAUAGAUUACUGCAACAGUUCCCCCUGGACCUGGAAAAGUUUCUUGCCUGGCUUACAGAAGCUGAAACAACUGCCAAUGUCCUACAGGAUGCUACCCGUAAGGAAAGGCUCCUAGAAGACUCCAAGGGAGUAAAAGAGCUGAUGAAACAAUGGCAA-3’(配列番号7)
から選択される以下のエキソンヌクレオチド配列のうち少なくとも1つの、少なくとも10ヌクレオチドから最大33ヌクレオチドの連続ストレッチと結合する、又はそれと、相補的である、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする。
【0112】
別の好ましいオリゴヌクレオチドは、
i)Ia)少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー若しくは2’-O-置換RNAモノマー及び任意選択で、ホスホロチオエート骨格連結、又は
Ib)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/若しくはホスホジエステル連結によって連結された、2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー又は2’-O-置換RNAモノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み、
配列番号6065~6070から、より好ましくは、
少なくともエキソン44のスキッピングのための
5’-CUUAAGAUACCAUUUGUAUUUAGCAUGUUCCCAAUUCUCAGGAAUUUGUGUCUUUCUGAGAAACUGUUCAGCUUCUGUUAGCCACUGAUUAAAUAUCUUUAUAUCAUAAUGAAAACGCCGCCAUUUCUCAACAGAUCUGUCAAAUCGC-3’(配列番号6065)
少なくともエキソン45のスキッピングのための
5’-CUCUUUUUUCUGUCUGACAGCUGUUUGCAGACCUCCUGCCACCGCAGAUUCAGGCUUCCCAAUUUUUCCUGUAGAAUACUGGCAUCUGUUUUUGAGGAUUGCUGAAUUAUUUCUUCCCCAGUUGCAUUCAAUGUUCUGACAACAGUUUGCCGCUGCCCAAUGCCAUCCUGGAGUUC-3’(配列番号6066)
少なくともエキソン51のスキッピングのための
5’-CUUCUGCUUGAUGAUCAUCUCGUUGAUAUCCUCAAGGUCACCCACCAUCACCCUCUGUGAUUUUAUAACUUGAUCAAGCAGAGAAAGCCAGUCGGUAAGUUCUGUCCAAGCCCGGUUGAAAUCUGCCAGAGCAGGUACCUCCAACAUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGUUUGGAGAUGGCAGUUUCCUUAGUAACCACAGGUUGUGUCACCAGAGUAACAGUCUGAGUAGGAG-3’(配列番号6067)
少なくともエキソン52のスキッピングのための
5’-UUCGAUCCGUAAUGAUUGUUCUAGCCUCUUGAUUGCUGGUCUUGUUUUUCAAAUUUUGGGCAGCGGUAAUGAGUUCUUCCAACUGGGGACGCCUCUGUUCCAAAUCCUGCAUUGUUGC-3’(配列番号6068)
少なくともエキソン53のスキッピングのための
5’-CUUGGUUUCUGUGAUUUUCUUUUGGAUUGCAUCUACUGUAUAGGGACCCUCCUUCCAUGACUCAAGCUUGGCUCUGGCCUGUCCUAAGACCUGCUCAGCUUCUUCCUUAGCUUCCAGCCAUUGUGUUGAAUCCUUUAACAUUUCAUUCAACUGUUGCCUCCGGUUCUGAAGGUGUUCUUGUACUUCAUCCCACUGAUUCUGAAUUCUUUCAA-3’(配列番号6069)
少なくともエキソン55のスキッピングのための
5’-UUGCCAUUGUUUCAUCAGCUCUUUUACUCCCUUGGAGUCUUCUAGGAGCCUUUCCUUACGGGUAGCAUCCUGUAGGACAUUGGCAGUUGUUUCAGCUUCUGUAAGCCAGGCAAGAAACUUUUCCAGGUCCAGGGGGAACUGUUGCAGUAAUCUAUGAGUUUCUUCCAAAGCAGCCUCUCGCUCACUCACC-3’(配列番号6070)
から選択される以下のヌクレオチド配列のうち少なくとも1つの、少なくとも10ヌクレオチドから最大33ヌクレオチドの連続ストレッチを含む。
【0113】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号8~271又は配列番号1608~2099又は配列番号3000~3184によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン44をスキップするためのものであることが好ましい。
【0114】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号272~451又は配列番号3185~4527によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン45をスキップするためのものであることが好ましい。
【0115】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号452~613又は配列番号4528~4572によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548又は4568によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン51をスキップするためのものであることが好ましい。
【0116】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号842~1159又は配列番号4573~6048によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン53をスキップするためのものであることが好ましい。
【0117】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号614~841によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン52をスキップするためのものであることが好ましい。
【0118】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1160~1399によって表されるヌクレオチド配列を含む又はからなる。これらのオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエキソン55をスキップするためのものであることが好ましい。
【0119】
配列番号6065~6070は、配列番号2~7に対して逆相補的配列を表す。より好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有し、
i)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー又は2’-O-置換RNAモノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン塩基並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み、
配列番号6065~6070から選択されるヌクレオチド配列のうち少なくとも1つ、好ましくは配列番号6067のヌクレオチド配列の、少なくとも10ヌクレオチドから最大33ヌクレオチドの連続ストレッチを含む。
【0120】
さらにより好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有し、
i)ホスホロチオエート骨格連結によって連結された、2’-置換モノマー、好ましくは、2’-O-置換RNAモノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン塩基及び
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み、
配列番号6065~6070から選択されるヌクレオチド配列のうち少なくとも1つ、好ましくは配列番号6067のヌクレオチド配列の、少なくとも10ヌクレオチドから最大33ヌクレオチドの連続ストレッチを含む。より好ましい実施形態では、このようなオリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも2つのモノマーを有する。
【0121】
これらの実施形態では、前記の連続ストレッチは、少なくとも16~26ヌクレオチドの、又は16~25ヌクレオチドの長さのものであることが好ましい。別の実施形態では、前記の連続ストレッチは、16~24ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、前記の連続ストレッチは、16~22ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、前記の連続ストレッチは、16、18、20又は22ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、前記の連続ストレッチは、21、22、24又は25ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、前記の連続ストレッチは、18、22、24又は25ヌクレオチドの長さである。本発明のオリゴヌクレオチドは、前記の連続ストレッチからなることが好ましい。
【0122】
より好ましいオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-置換モノマー及び任意選択で、ホスホロチオエート骨格連結又はホスホロチオエート骨格連結によって、及び/若しくはホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみを含み、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基を含み、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含み、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~1607を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~1607の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される。より好ましいオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-置換モノマー及び任意選択で、ホスホロチオエート骨格連結又はホスホロチオエート骨格連結によって、及び/若しくはホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみを含み、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基を含み、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含み、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048を含む、若しくは、からなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される。このようなオリゴヌクレオチドは、16~30ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~24ヌクレオチドがより好ましく、19、22又は22ヌクレオチドが最も好ましい。より好ましいオリゴヌクレオチドは、上記のとおりであり、配列番号9~13、15~19、21~25、27~31、33~37、39~43、45~49、51~55、57~61、63~67、69~73、75~79、81~85、87~91、93~97、99~103、105~109、111~115、117~121、123~127、129~133、135~139、141~145、147~151、153~157、159~163、165~169、171~175、177~181、183~187、189~193、195~199、201~205、207~211、213~217、219~223、225~229、231~235、237~241、243~247、249~253、255~259、261~265、267~271、273~277、279~283、285~289、291~295、297~301、303~307、309~313、315~319、321~325、327~331、333~337、339~343、345~349、351~355、357~361、363~367、369~373、375~379、381~385、387~391、393~397、399~403、405~409、411~415、417~421、423~427、429~433、435~439、441~445、447~451、453~457、459~463、465~469、471~475、477~481、483~487、489~493、495~499、501~505、507~511、513~517、519~523、525~529、531~535、537~541、543~547、549~553、555~559、561~565、567~571、573~577、579~583、585~589、591~595、597~601、603~607、609~613、615~619、621~625、627~631、633~637、639~643、645~649、651~655、657~661、663~667、669~673、675~679、681~685、687~691、693~697、699~703、705~709、711~715、717~721、723~727、729~733、735~739、741~745、747~751、753~757、759~763、765~769、771~775、777~781、783~787、789~793、795~799、801~805、807~811、813~817、819~823、825~829、831~835、837~841、843~847、849~853、855~859、861~865、867~871、873~877、879~883、885~889、891~895、897~901、903~907、909~913、915~919、921~925、927~931、933~937、939~943、945~949、951~955、957~961、963~967、969~973、975~979、981~985、987~991、993~997、999~1003、1005~1009、1011~1015、1017~1021、1023~1027、1029~1033、1035~1039、1041~1045、1047~1051、1053~1057、1059~1063、1065~1069、1071~1075、1077~1081、1083~1087、1089~1093、1095~1099、1101~1105、1107~1111、1113~1117、1119~1123、1125~1129、1131~1135、1137~1141、1143~1147、1149~1153、1155~1159、1161~1165、1167~1171、1173~1177、1179~1183、1185~1189、1191~1195、1197~1201、1203~1207、1209~1213、1215~1219、1221~1225、1227~1231、1233~1237、1239~1243、1245~1249、1251~1255、1257~1261、1263~1267、1269~1273、1275~1279、1281~1285、1287~1291、1293~1297、1299~1303、1305~1309、1311~1315、1317~1321、1323~1327、1329~1333、1335~1339、1341~1345、1347~1351、1353~1357、1359~1363、1365~1369、1371~1375、1377~1381、1383~1387、1389~1393、1395~1399、1401~1405、1407~1411、1413~1417、1419~1423、1425~1429、1431~1435、1437~1441、1443~1447、1449~1453、1455~1459、1461~1465、1467~1471、1473~1477、1479~1483、1485~1489、1491~1495、1497~1501、1503~1507、1509~1513、1515~1519、1521~1525、1527~1531、1533~1537、1539~1543、1545~1549、1551~1555、1557~1561、1563~1567、1569~1573、1575~1579、1592~2099、又は3000~6048を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号9~13、15~19、21~25、27~31、33~37、39~43、45~49、51~55、57~61、63~67、69~73、75~79、81~85、87~91、93~97、99~103、105~109、111~115、117~121、123~127、129~133、135~139、141~145、147~151、153~157、159~163、165~169、171~175、177~181、183~187、189~193、195~199、201~205、207~211、213~217、219~223、225~229、231~235、237~241、243~247、249~253、255~259、261~265、267~271、273~277、279~283、285~289、291~295、297~301、303~307、309~313、315~319、321~325、327~331、333~337、339~343、345~349、351~355、357~361、363~367、369~373、375~379、381~385、387~391、393~397、399~403、405~409、411~415、417~421、423~427、429~433、435~439、441~445、447~451、453~457、459~463、465~469、471~475、477~481、483~487、489~493、495~499、501~505、507~511、513~517、519~523、525~529、531~535、537~541、543~547、549~553、555~559、561~565、567~571、573~577、579~583、585~589、591~595、597~601、603~607、609~613、615~619、621~625、627~631、633~637、639~643、645~649、651~655、657~661、663~667、669~673、675~679、681~685、687~691、693~697、699~703、705~709、711~715、717~721、723~727、729~733、735~739、741~745、747~751、753~757、759~763、765~769、771~775、777~781、783~787、789~793、795~799、801~805、807~811、813~817、819~823、825~829、831~835、837~841、843~847、849~853、855~859、861~865、867~871、873~877、879~883、885~889、891~895、897~901、903~907、909~913、915~919、921~925、927~931、933~937、939~943、945~949、951~955、957~961、963~967、969~973、975~979、981~985、987~991、993~997、999~1003、1005~1009、1011~1015、1017~1021、1023~1027、1029~1033、1035~1039、1041~1045、1047~1051、1053~1057、1059~1063、1065~1069、1071~1075、1077~1081、1083~1087、1089~1093、1095~1099、1101~1105、1107~1111、1113~1117、1119~1123、1125~1129、1131~1135、1137~1141、1143~1147、1149~1153、1155~1159、1161~1165、1167~1171、1173~1177、1179~1183、1185~1189、1191~1195、1197~1201、1203~1207、1209~1213、1215~1219、1221~1225、1227~1231、1233~1237、1239~1243、1245~1249、1251~1255、1257~1261、1263~1267、1269~1273、1275~1279、1281~1285、1287~1291、1293~1297、1299~1303、1305~1309、1311~1315、1317~1321、1323~1327、1329~1333、1335~1339、1341~1345、1347~1351、1353~1357、1359~1363、1365~1369、1371~1375、1377~1381、1383~1387、1389~1393、1395~1399、1401~1405、1407~1411、1413~1417、1419~1423、1425~1429、1431~1435、1437~1441、1443~1447、1449~1453、1455~1459、1461~1465、1467


~1471、1473~1477、1479~1483、1485~1489、1491~1495、1497~1501、1503~1507、1509~1513、1515~1519、1521~1525、1527~1531、1533~1537、1539~1543、1545~1549、1551~1555、1557~1561、1563~1567、1569~1573、1575~1579、1592~2099、又は3000~6048の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される。本発明の関連内で、配列番号8~1580又は配列番号1592~2099又は配列番号3000~6048の断片は、前記配列番号から得られる少なくとも10の連続ヌクレオチドを含む又はからなるヌクレオチド配列を意味することが好ましい。
【0123】
より好ましいオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー及び任意選択でホスホロチオエート骨格連結、又はホスホロチオエート骨格連結によって、及び/若しくはホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみを含み、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基を含み、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含み、配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580若しくは配列番号1592~2099若しくは配列番号3000~6048の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33ヌクレオチドの長さを有する。
【0124】
好ましい配列は、配列番号452~613及び配列番号1592~1605及び配列番号1607、より好ましくは、配列番号453~457、459~463、465~469、471~475、477~481、483~487、489~493、495~499、501~505、507~511、513~517、519~523、525~529、531~535、537~541、543~547、549~553、555~559、561~565、567~571、573~577、579~583、585~589、591~595、597~601、603~607、609~613、1592~1605、及び1607、さらにより好ましくは、配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483、486、1592、1593、1594、1595、1596、1597、1598、1599、1600、1601、1602、1603、1604、1605又は1607を含む。最も好ましい配列は、配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568である。
【0125】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号8~271又は配列番号1608~2099又は配列番号3000~3184を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン44をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0126】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましく、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号9~13、15~19、21~25、27~31、33~37、39~43、45~49、51~55、57~61、63~67、69~73、75~79、81~85、87~91、93~97、99~103、105~109、111~115、117~121、123~127、129~133、135~139、141~145、147~151、153~157、159~163、165~169、171~175、177~181、183~187、189~193、195~199、201~205、207~211、213~217、219~223、225~229、231~235、237~241、243~247、249~253、255~259、261~265、又は267~271を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0127】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号272~451又は配列番号3185~4527を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0128】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号273~277、279~283、285~289、291~295、297~301、303~307、309~313、315~319、321~325、327~331、333~337、339~343、345~349、351~355、357~361、363~367、369~373、375~379、381~385、387~391、393~397、399~403、405~409、411~415、417~421、423~427、429~433、435~439、441~445、又は447~451を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0129】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号452~613又は配列番号1592~1605又は配列番号4528~4572を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0130】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号453~457、459~463、465~469、471~475、477~481、483~487、489~493、495~499、501~505、507~511、513~517、519~523、525~529、531~535、537~541、543~547、549~553、555~559、561~565、567~571、573~577、579~583、585~589、591~595、597~601、603~607、609~613、1592~1605、又は1607を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましく、配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483、486、1592、1593、1594、1595、1596、1597、1598、1599、1600、1601、1602、1603、1604、1605又は1607がさらにより好ましく、配列番号1592、1593、1594、1595、1596、1597、1598、1599、1600、1601、1602、1603、1604、1605又は1607が最も好ましく、配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568がさらにより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0131】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1592(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0132】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1593(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中、及び3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0133】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1594(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及びその隣接するモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0134】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1595(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0135】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1596(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及び3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0136】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1597(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及びその隣接するモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0137】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1598(AAGGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0138】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1599(AAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及び3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0139】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1600(AAGGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及びその隣接するモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0140】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1601(GGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0141】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1602(GGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及び3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0142】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1603(GGAAGAUGGCAUUUCU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及びその隣接するモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0143】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1604(TCAAGGAAGAUGGCAU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0144】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1605(TCAAGGAAGAUGGCAU)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及びその隣接するモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0145】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1607(CUCCAACAUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、いずれのモノマー中にもBNAスキャフォールド修飾を含まず、シトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0146】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1607(CUCCAACAUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、任意のモノマー中、好ましくは、5’末端モノマー、3’末端モノマー中のいずれかのみ、5’末端及び3’末端モノマー中の両方、2つの最も5’末端のモノマー又は2つの最も3’末端のモノマー中に少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾を含み、シトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0147】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号455(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中及び3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0148】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号459(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0149】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4528(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー、その隣接するモノマー、及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0150】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4531(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー、その隣接するモノマー中、5’末端から13番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0151】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4532(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー、その隣接するモノマー中、5’末端から9番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0152】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4533(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー、その隣接するモノマー中、5’末端から9番目のモノマー中、5’末端から13番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0153】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4535(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中、その隣接するモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0154】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4542(TCAAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中、その5’末端から13番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0155】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4548(CAAGGAAGAUGGCAUUUCT)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中、その隣接するモノマー中、その5’末端から8番目のモノマー中、その5’末端から12番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0156】
したがって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4568(GGUAAGUUCUGUCCAAGC)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものであり、5’末端モノマー中、その隣接するモノマー中、その5’末端から6番目のモノマー中及びその3’末端モノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含み、その他のモノマー中にはなく、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0157】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号614~841を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン52をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0158】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号615~619、621~625、627~631、633~637、639~643、645~649、651~655、657~661、663~667、669~673、675~679、681~685、687~691、693~697、699~703、705~709、711~715、717~721、723~727、729~733、735~739、741~745、747~751、753~757、759~763、765~769、771~775、777~781、783~787、789~793、795~799、801~805、807~811、813~817、819~823、825~829、831~835、又は837~841を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0159】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号842~1159又は配列番号4573~6048を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン53をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0160】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号843~847、849~853、855~859、861~865、867~871、873~877、879~883、885~889、891~895、897~901、903~907、909~913、915~919、921~925、927~931、933~937、939~943、945~949、951~955、957~961、963~967、969~973、975~979、981~985、987~991、993~997、999~1003、1005~1009、1011~1015、1017~1021、1023~1027、1029~1033、1035~1039、1041~1045、1047~1051、1053~1057、1059~1063、1065~1069、1071~1075、1077~1081、1083~1087、1089~1093、1095~1099、1101~1105、1107~1111、1113~1117、1119~1123、1125~1129、1131~1135、1137~1141、1143~1147、1149~1153、又は1155~1159を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0161】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1160~1399を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン55をスキップするためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0162】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1161~1165、1167~1171、1173~1177、1179~1183、1185~1189、1191~1195、1197~1201、1203~1207、1209~1213、1215~1219、1221~1225、1227~1231、1233~1237、1239~1243、1245~1249、1251~1255、1257~1261、1263~1267、1269~1273、1275~1279、1281~1285、1287~1291、1293~1297、1299~1303、1305~1309、1311~1315、1317~1321、1323~1327、1329~1333、1335~1339、1341~1345、1347~1351、1353~1357、1359~1363、1365~1369、1371~1375、1377~1381、1383~1387、1389~1393、又は1395~1399を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0163】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1400~1579を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、SMN2のプレmRNAのエキソン7を包含するためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりに5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0164】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1606を含む、若しくはからなり、BNAスキャフォールド修飾を含まない、又は配列番号1490を含む、若しくはからなり、任意のモノマー中、好ましくは、5’末端モノマー、3’末端モノマー中のいずれかのみ、5’末端及び3’末端モノマー中の両方、2つの最も5’末端のモノマー若しくは2つの最も3’末端のモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含むヌクレオチド配列によって表されることが最も好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0165】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1400~1441を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、SMN2のプレmRNAのイントロン6を標的化するためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0166】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1401~1405、1407~1411、1413~1417、1419~1423、1425~1429、1431~1435、1437~1441を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さが最も好ましい。
【0167】
好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1442~1579を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、SMN2のプレmRNAのイントロン7を標的化するためのものであり、以下のうち1つ又は複数を含む:
少なくとも1つの2’-置換モノマー、
少なくとも1つのホスホロチオエート骨格連結、
2’-置換モノマーのみ、
ホスホロチオエート骨格連結のみ、
ホスホロチオエート骨格連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基、
シトシン塩基の代わりの5-メチルシトシン塩基のみ、
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー。
【0168】
前記オリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマーのみ、ホスホロチオエート骨格連結のみ及びBNAスキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1443~1447、1449~1453、1455~1459、1461~1465、1467~1471、1473~1477、1479~1483、1485~1489、1491~1495、1497~1501、1503~1507、1509~1513、1515~1519、1521~1525、1527~1531、1533~1537、1539~1543、1545~1549、1551~1555、1557~1561、1563~1567、1569~1573、1575~1579を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表されることがより好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1490を含む、又はからなり、任意のモノマー中、好ましくは、5’末端モノマー、3’末端モノマー中のいずれかのみ、5’末端及び3’末端モノマー中の両方、2つの最も5’末端のモノマー又は2つの最も3’末端のモノマー中にBNAスキャフォールド修飾を含むヌクレオチド配列によって表されることが最も好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、16~22ヌクレオチドの長さがより好ましく、18モノマーが最も好ましい。
【0169】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号1606(UCACUUUCAUAAUGCUGG)を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、SMN2のプレmRNAのイントロン7を標的化するためのものであり、いずれのモノマー中にもBNAスキャフォールド修飾を含まず、シトシンの代わりに5-メチルシトシンを含み、ホスホロチオエート連結のみを含み、2’-O-メチルRNAモノマーのみをさらに含む。
【0170】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、前記オリゴヌクレオチドが、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含まない対応するオリゴヌクレオチドと比較して改善されたパラメータを有するものである。本発明者らは、本発明のオリゴヌクレオチド中の5-メチルシトシン又は5-メチルウラシルを有するBNAの存在は、前記オリゴヌクレオチドのパラメータのうち少なくとも1つに対して正の効果を有することを発見した。これに関連して、パラメータは、以下に説明するような、結合親和性及び/又は動態学、エキソンスキッピング活性、生体安定性、(組織内)分布、細胞性取り込み及び/又は輸送及び/又は前記オリゴヌクレオチド免疫原性を含み得る。
【0171】
結合親和性及び動態学は、オリゴヌクレオチドの熱力学的特性に応じて変わる。これらは、基本的Tm及び最近接モデルを使用して前記オリゴヌクレオチドの一本鎖RNAについて、融解温度(Tm;例えば、オリゴヌクレオチド特性計算機(例えば、www.unc.edu/~cail/biotool/oligo/index.htmlで、又は例えばeu.idtdna.com/analyzer/Applications/OligoAnalyzer/でインターネットによってアクセス可能))を用いて算出される)及び/又はオリゴヌクレオチド-標的エキソン複合体の自由エネルギー(RNA structureバージョン4.5又はRNA mfoldバージョン3.5を使用して)によって少なくとも部分的に決定される。Tmが増大される場合には、エキソンスキッピング活性は、通常、増大するが、Tmがあまりにも高い場合には、オリゴヌクレオチドは、あまり配列特異的ではなくなると予測される。容認できるTm及び自由エネルギーは、オリゴヌクレオチドの配列に応じて変わる。したがって、これらのパラメータの各々の好ましい範囲を示すことは困難である。
【0172】
エキソンスキッピング活性は、標的化されるエキソンのそれぞれの両端に位置するDMD遺伝子特異的プライマーを使用する逆転写酵素定量的又はデジタルドロップレットポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR又はRT-ddPCR)(Aartsma-Rusら、2003年、Spitaliら、2013年)によって、オリゴヌクレオチドによって処置された筋肉細胞培養物又は筋肉組織から単離された全RNAを解析することによって測定されることが好ましい。全部の転写物産物に対する、標的化されるエキソンがスキップされる転写物を表すより短い転写物断片の割合が評価される(オリゴヌクレオチドによって誘導されたエキソンスキッピングのパーセンテージとして算出される)。標的化されたエキソンスキッピングの正確性及び特異性を決定するために、より短い断片はまたシーケンシングされ得る。
【0173】
特定の実施形態では、RNA調節活性は、核酸又はタンパク質の量の増大又は減少であり得る。特定の実施形態では、このような活性は、核酸又はタンパク質のスプライスバリアントの割合の変化であり得る。アンチセンス活性の検出及び/又は測定は、直接である場合も、間接である場合もある。特定の実施形態では、アンチセンス活性は、細胞又は動物の表現型の変化を観察することによって評価される。
【0174】
本明細書において使用され、上記で説明されるように、「調節」は、調節前の機能又は活性と比較した場合の、機能又は活性の量又は質の撹乱を指すこともある。例えば、調節は、遺伝子発現の変化、増大(刺激又は誘導)又は減少(阻害又は低減)のいずれかを含む。さらなる例として、発現の調節は、プレmRNAプロセシングのスプライス部位選択を撹乱し、撹乱されなかった状態と比較した存在する特定のスプライスバリアントの量の変化をもたらすことを含み得る。さらなる例として、調節は、タンパク質の翻訳を撹乱することを含む。
【0175】
体内分布及び生体安定性は、Yuら、2002年から適応された検証されたハイブリダイゼーションライゲーションアッセイによって少なくとも部分的に決定されることが好ましい。一実施形態では、血漿又はホモジナイズされた組織サンプルを、特異的捕獲オリゴヌクレオチドプローブとともにインキュベートする。分離後、DIG標識オリゴヌクレオチドを複合体にライゲートし、抗DIG抗体が連結されたペルオキシダーゼを使用する検出を続ける。非コンパートメント薬物動態解析は、WINNONLINソフトウェアパッケージ(モデル200、バージョン5.2、Pharsight、Mountainview、CA)を使用して実施する。1mLの血漿又は1mgの組織あたりのオリゴヌクレオチド(μg)のレベルを経時的にモニタリングして、曲線下面積(AUC)、ピーク濃度(Cmax)、ピーク濃度までの時間(Tmax)、終末相半減期及び吸収ラグタイム(tlag)を評価する。このような好ましいアッセイは、実験部分に開示されている。
【0176】
したがって、好ましい本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明のオリゴヌクレオチドとは、BNAスキャフォールド修飾の脱落のみによって異なっている対応するオリゴヌクレオチドと比較して、すなわち、2’-O-メチル置換モノマー、5’-メチルシトシン及び/又は5’-メチルウラシル、任意選択で、ホスホロチオエートも含むが、BNA修飾されたスキャフォールドを有さない同一配列のオリゴヌクレオチドと比較して、許容される若しくは減少した免疫原性及び/又はより良好な体内分布及び/又は許容される若しくは改善されたRNA結合動態学及び/又は熱力学的特性などの改善されたパラメータを有する。これらのパラメータの各々は、当業者に公知の、又は好ましくは本明細書において開示されるようなアッセイを使用して評価され得る。
【0177】
オリゴヌクレオチドのさらなる化学修飾
以下に、本発明のオリゴヌクレオチドのその他の化学及び修飾を定義する。これらのさらなる化学及び修飾は、前記オリゴヌクレオチドについてすでに定義された化学、すなわち、5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシルを有する又は有さない少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾の存在及び/又は任意選択のホスホロチオエート骨格連結を有する2’-O-メチルモノマーを含む若しくはからなるオリゴヌクレオチドと組み合わせて存在し得る。
【0178】
好ましい本発明のオリゴヌクレオチドは、RNA分子又は修飾されたRNA分子を含む又はからなる。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、一本鎖である。当業者ならば、しかし、一本鎖オリゴヌクレオチドが内部二本鎖構造を形成し得ることが可能であることを理解するであろう。しかし、このオリゴヌクレオチドは、本発明に関連して一本鎖オリゴヌクレオチドと依然として名付けられる。
【0179】
上記の修飾に加えて、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下に記載されるような異なる種類の核酸モノマー又はヌクレオチドなどのさらなる修飾を含み得る。本発明のオリゴヌクレオチドを作製するために異なる種類の核酸モノマーを使用してもよい。前記オリゴヌクレオチドは、RNAベースのオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも1つの骨格及び/又はスキャフォールド修飾及び/又は少なくとも1つの塩基修飾を有し得る。
【0180】
塩基修飾は、天然プリン及びピリミジン塩基(例えば、アデニン、ウラシル、グアニン、シトシン及びチミン)の修飾版、例えば、ヒポキサンチン、プソイドウラシル、プソイドシトシン、1-メチルプソイドウラシル、オロト酸、アグマチジン(agmatidine)、ライシジン、2-チオピリミジン(例えば、2-チオウラシル、2-チオチミン)、G-クランプ及びその誘導体、5-置換ピリミジン(例えば、5-ハロウラシル、5-ハロメチルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、スーパー(Super)T又は例えば、Kumarら J.Org.Chem.2014年、第79巻、5047頁;Leszczynskaら Org.Biol.Chem.2014年、第12巻、1052頁に記載されるような)、ピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジンC-ヌクレオシド(例えば、LefoixらJ.Org.Chem.2014年、第79巻、3221頁におけるような)、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、7-アザ-2,6-ジアミノプリン、8-アザ-7-デアザグアニン、8-アザ-7-デアザアデニン、8-アザ-7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、スーパー(Super)G、スーパー(Super)A、ホウ素化シトシン(例えば、Niziolら Bioorg.Med.Chem.2014年、第22巻、3906頁)、プソイドイソシチジン、C(Pyc)(例えば、Yamadaら Org.Biomol.Chem.2014年、第12巻、2255頁におけるような)及びN4-エチルシトシン又はそれらの誘導体;N-シクロペンチルグアニン(cPent-G)、N-シクロペンチル-2-アミノプリン(cPent-AP)及びN-プロピル-2-アミノプリン(Pr-AP)、炭水化物修飾されたウラシル(例えば、Kauraら Org.Lett.2014年、第16巻、3308頁)、アミノ酸修飾されたウラシル(例えば、Guentherら Chem.Commun.2014年、第50巻、9007頁)又はそれらの誘導体及び2,6-ジフルオロトルエン又は塩基脱落部位のような非存在塩基のような、縮重塩基又はユニバーサル塩基(例えば、1-デオキシリボース、1,2-ジデオキシリボース、1-デオキシ-2-O-メチルリボース又は環酸素が窒素で置換されている(アザリボース)ピロリジン誘導体)を含み得る。スーパー(Super)A、スーパー(Super)G及びスーパー(Super)Tの誘導体の例は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる米国特許第6,683,173号(Epoch Biosciences)に見ることができる。cPent-G、cPent-AP及びPr-APは、siRNA中に組み込まれた場合には免疫賦活性効果を低減するとわかっている(Peacock H.らJ.Am.Chem.Soc.2011年、第133巻、9200頁)。修飾された塩基の例は、例えば、国際公開第2014/093924号(ModeRNA)に記載されている。
【0181】
本発明のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33又は34の塩基修飾を含み得る。また、前記オリゴヌクレオチド中に2以上の別個の塩基修飾を導入することも本発明によって包含される。
【0182】
すでに記載されたBNAスキャフォールド修飾に加えて、スキャフォールド修飾は、2’-O-アルキル又は2’-O-(置換)アルキルなどの2’-O-修飾RNA、例えば、2’-O-メチル、2’-O-(2-シアノエチル)、2’-O-(2-メトキシ)エチル(2’-MOE)、2’-O-(2-チオメチル)エチル、2’-O-ブチリル、2’-O-プロパルギル、2’-O-アセタールエステル(例えば、BiscansらBioorg.Med.Chem. 2015年、第23巻、5360頁など)、2’-O-アリル、2’-O-(2S-メトキシプロピル)、2’-O-(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル)(2’-AECM)、2’-O-(2-カルボキシエチル)及びカルバモイル誘導体(Yamadaら Org.Biomol.Chem. 2014年、第12巻、6457頁)、2’-O-(2-アミノ)プロピル、2’-O-(2-(ジメチルアミノ)プロピル)、2’-O-(2-アミノ)エチル、2’-O-(2-(ジメチルアミノ)エチル)、2’-デオキシ(DNA)、2’-O-(ハロアルコキシ)メチル(Arai K.ら Bioorg.Med.Chem. 2011年、第21巻、6285頁)例えば、2’-O-(2-クロロエトキシ)メチル(MCEM)、2’-O-(2,2-ジクロロエトキシ)メチル(DCEM)、2’-O-アルコキシカルボニル、例えば、2’-O-[2-(メトキシカルボニル)エチル](MOCE)、2’-O-[2-(N-メチルカルバモイル)エチル](MCE)、2’-O-[2-(N,N-ジメチルカルバモイル)エチル](DCME)、2’-O-[2-(メチルチオ)エチル](2’-MTE)、2’-(ω-O-セリノール)、2’-ハロ、例えば、2’-F、FANA(2’-Fアラビノシル核酸)、2’,4’-ジフルオロ-2’-デオキシ、カルバ糖及びアザ糖修飾、3’-O-置換、例えば、3’-O-メチル、3’-O-ブチリル、3’-O-プロパルギル、4’-置換、例えば、4’-アミノメチル-2’-O-メチル又は4’-アミノメチル-2’-フルオロ、5’-置換、例えば、5’-メチル又はCNA(Ostergaardら ACS Chem.Biol. 2014年、第22巻、6227頁)及びそれらの誘導体などのリボシル部分の修飾版を含み得る。
【0183】
本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾に加えて、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31又は32又は33のスキャフォールド修飾を含み得る。また、前記オリゴヌクレオチド中に2以上の別個のスキャフォールド修飾を導入することも本発明によって包含される。
【0184】
その他の修飾として、アンロックド核酸(UNA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、F-CeNA、シクロヘキサニル核酸(CNA)、リボ-シクロヘキサニル核酸(r-CNA)、アルトリトール核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ素化HNA(F-HNA)、ピラノシル-RNA(p-RNA)、3’-デオキシピラノシル-DNA(p-DNA)及びそれらの誘導体が挙げられる。フラノース及び非フラノース糖環を有するフッ素化核酸類似体の例も包含され、例えば、Ostergaardら J.Org.Chem. 2014年、第79巻、8877頁に記載されている。
【0185】
本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾に加えて、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33又は34のスキャフォールド修飾を含み得る。好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、十分に2’-O-メチル修飾されており、1、2、3、4、5又は6つのBNAスキャフォールド修飾を含有する。
【0186】
本発明に従うオリゴヌクレオチドは、骨格連結修飾を含み得る。骨格連結修飾は、それだけには限らないが、RNA中に存在するホスホジエステル修飾版、例えば、ホスホロチオエート(PS)、キラル純粋なホスホロチオエート、(R)-ホスホロチオエート、(S)-ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート(PS2)、ホスホノアセテート(PACE)、ホスホノアセトアミド(PACA)、チオホスホノアセテート(チオPACE)、チオホスホノアセトアミド、ホスホロチオエートプロドラッグ、H-ホスホネート、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、メチルホスフェート、メチルホスホロチオエート、エチルホスフェート、エチルホスホロチオエート、ボラノホスフェート、ボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスフェート、メチルボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスホネート、メチルボラノホスホノチオエート、ホスフェート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル及びそれらの誘導体であり得る。別の修飾は、ホスホリルグアニジン、ホスホルアミダイト、ホスホルアミダート、N3’→P5’ホスホルアミダート、ホスホルジアミデート(phosphordiamidate)、ホスホロチオジアミデート、スルファメート、ジメチレンスルホキシド、アミド、スルホネート、シロキサン、スルフィド、スルホン、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、アルケニル、メチレンヒドラジノ、スルホンアミド、アミド、トリアゾール、オキサリル、カルバメート、メチレンイミノ(MMI)及びチオアセトアミド核酸(TANA)及びそれらの誘導体を含む。キラル純粋なホスホロチオエート連結の例は、例えば、国際公開第2014/010250号又は同2017/062862号(WaVe Life Sciences)に記載されている。ホスホリルグアニジン連結の例は、国際公開第2016/028187号(Noogen)に記載されている。種々の塩、混合塩及び遊離塩形態並びに3’→3’及び2’→5’連結も含まれる。
【0187】
本発明のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32又は33の骨格連結修飾を含み得る。前記オリゴヌクレオチド中に2つ以上の別個の骨格修飾を導入することも本発明によって包含される。
【0188】
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート修飾を含む。より好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、十分にホスホロチオエート修飾されている。別の好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスフェートを含む。
【0189】
本発明のオリゴヌクレオチドのその他の化学修飾は、水素原子のいずれかのうち1つ又は2つ以上の、重水素又はトリチウムでの置換を含み、その例は、例えば、国際公開第2014/022566号(Ased)又は国際公開第2015/011694号(Celgene)に見ることができる。
【0190】
核酸模倣技術の到来とともに、種類において、量においては必ずしもそうではないが、核酸自体と同様の、好ましくは、同一のハイブリダイゼーション特徴を有する分子を作製することが可能になった。このような機能性等価物も、もちろん、本発明における使用に適している。
【0191】
当業者ならば、スキャフォールド、塩基及び/又は骨格が、各々が同一の方法で修飾されないことがあることは理解するであろう。いくつかの別個の修飾スキャフォールド、塩基及び/又は骨格を、本発明の1つの単一オリゴヌクレオチド中に組み合わせてもよい。
【0192】
一実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I:
【化3】


[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-NR又は-ORであり、
Rは、アルケニル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ、OR、NR又はSRであり、
は、ハロ、ヒドロキシ又はアルキルで各々独立に任意選択でさらに置換された、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化4】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
【化5】

[式中、
は、核酸塩基であり、
Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-(CHNR-、-CHS(O)-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHN(R)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基であり、
nは、1又は2であり、
mは、0、1又は2であり、
Wは、O、S又はNRであり、
は、H、-C(O)R、-C(=NH)NR、ベンジル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ及びアルコキシから選択され、
は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化6】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。
【0193】
用語「オリゴヌクレオチドの残部」とは、本明細書で使用される場合、一般には、隣接するモノマーに関する。当業者には理解されるであろうが、式Iの又は式IIのモノマーが、末端モノマーである場合には、オリゴヌクレオチドの残部は、-Hであり得る。式Iの又は式IIのいずれかのモノマーについて、両残部は、隣接するモノマーであり得る。対照的に、式Iの又は式IIのいずれかのモノマーについて、多くとも1つの単一残部が、末端を構成でき、したがって、例えば、-Hであり得る。当業者には理解されるであろうが、全オリゴヌクレオチドは、2つの末端のみを有する。
【0194】
Z-Yは、二価の基である。このような二価の基は、その原文表示で左側に結合を有してスキャフォールドの4’位に(Zの近く)、及びその原文表示で右側に結合を有してスキャフォールドの2’位に(Yの近く)接続されることが好ましい。例えば、二価の基が、-CH-O-であるといわれる場合には、-CH-が、スキャフォールドの4’位に接続されること及び-O-が、スキャフォールドの2’位に接続されることが好ましい。これは、LNAモノマーを形成するであろう。
【0195】
前記オリゴヌクレオチドは、本発明に従う方法又は組成物において使用するためであることが好ましい。前記核酸塩基は、d)下で、B又はB又は別の核酸塩基であり得る。
【0196】
別の実施形態では、Xは、F又は-ORである。別の実施形態では、Xは、Fである。別の実施形態では、Xは、-ORである。別の実施形態では、Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHである。別の実施形態では、Xは、-OCH又は-O-CHCHOCHである。別の実施形態では、Xは、-OCHである。別の実施形態では、Xは、F又は-OCHである。別の実施形態では、Xは、F又は-O-CHCHOCHである。
【0197】
別の実施形態では、Rは、非置換アルキルである。別の実施形態では、Rは、CH又はエチルである。別の実施形態では、Rは、CHである。別の実施形態では、Rは、エチルである。別の実施形態では、Rは、ハロ、OR、NR又はSRで置換されたアルキルである。別の実施形態では、Rは、OR又はNRで置換されたアルキルである。別の実施形態では、Rは、ORで置換されたアルキルである。
【0198】
別の実施形態では、Rは、H又は非置換アルキルである。別の実施形態では、Rは、非置換アルキルである。別の実施形態では、Rは、CHである。別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、アルキルである。別の実施形態では、Rは、CHである。
【0199】
別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-CHNR-、-CHS(O)-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基である。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-CHWCH-、-CHNR-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHCH-及び-C(O)NR-から選択される二価の基である。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-CHNR-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHCH-及び-C(O)NR-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-CHOCH-、-CHNRCH-及び-CHNR-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-CHOCH-、-CHNHCH-、-CHNH-、-CHN(CH)CH-及び-CHN(CH)-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-CHO-、-CHOCH-、-CHNHCH-及び-CHNH-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-CHO-、-CHOCH-又は-CHNH-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-、-CH(CH)O-及び-CH(CHOCH)O-から選択される。別の実施形態では、Z-Yは、-(CHO-である。別の実施形態では、Z-Yは、-CHCHO-である。別の実施形態では、Z-Yは、-CHO-である。別の実施形態では、Z-Yは、-CHNH-である。
【0200】
別の実施形態では、Wは、O、S又はNHである。別の実施形態では、Wは、Oである。別の実施形態では、Wは、Sである。別の実施形態では、Wは、O、NH又はNCHである。別の実施形態では、Wは、O又はNHである。別の実施形態では、Wは、NHである。
【0201】
別の実施形態では、Rは、H、-C(O)R又は非置換アルキルである。別の実施形態では、Rは、H、-C(O)R又はCHである。別の実施形態では、Rは、H、-C(O)CH又はCHである。
【0202】
別の実施形態では、Rは、アルキルである。別の実施形態では、Rは、CHである。
【0203】
別の実施形態では、Rは、Hである。別の実施形態では、Rは、アルキルである。
【0204】
別の実施形態では、Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、Z-Yは、-(CHO-、-CHOCH-、-CHNRCH-又は-CHNR-である。別の実施形態では、Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、Z-Yは、-(CHO-、-CHOCH-、-CHNHCH-又は-CHNH、-CHN(CH)CH-又は-CHN(CH)-である。別の実施形態では、Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、Z-Yは、-CHO-、-CHOCH-、-CHNHCH-又は-CHNH-である。別の実施形態では、Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、Z-Yは、-CHO-、-CHOCH-及び-CHNH-から選択される。別の実施形態では、Xは、F又は-OCHであり、Z-Yは、-CHO-、-CHOCH-及び-CHNH-から選択される。別の実施形態では、Xは、F又はOCHであり、Z-Yは、-CHO-である。
【0205】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つのBは、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。別の実施形態では、オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つのBは、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。別の実施形態では、オリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基のすべては、5-メチルシトシンである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチド中のウラシル核酸塩基のすべては、5-メチルウラシルである。
【0206】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-NR又は-ORであり、
Rは、任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ、OR、NR又はSRであり、
は、ハロ、ヒドロキシ又はアルキルで各々独立に任意選択でさらに置換された、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化7】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。
【0207】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-NR又は-ORであり、
Rは、任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ、OR、NR又はSRであり、
は、ハロ、ヒドロキシ又はアルキルで各々独立に任意選択でさらに置換された、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化8】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
[式中、B及びZ-Yは、上記で定義のとおりである]
を有し、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。
【0208】
別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、CRN、LNA、キシロ-LNA、α-LNA、α-L-LNA、β-D-LNA、2’-アミノ-LNA、2’-(アルキルアミノ)-LNA、2’-(アシルアミノ)-LNA、2’-チオ-LNA、cEt BNA、cMOE BNA、cLNA、アミド架橋LNA、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、2’,4’-BNANC(N-Bn)、CBBN、ENA、DpNA、スルホンアミド架橋BNA、尿素架橋BNA、二環式炭素環式ヌクレオチド、TriNA、α-L-TriNA、bcDNA、tcDNA、F-bcDNA、F-tcDNA、複素環式架橋BNA、2’-アミノ-LNA由来のロックドPMO、GuNA又はscpNAであるモノマーをもたらす。
【0209】
別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、CRN、LNA、キシロ-LNA、α-LNA、α-L-LNA、β-D-LNA、2’-アミノ-LNA、2’-(アルキルアミノ)-LNA、2’-(アシルアミノ)-LNA、2’-チオ-LNA、cEt BNA、cMOE BNA、cLNA、アミド架橋LNA、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、2’,4’-BNANC(N-Bn)、CBBN、ENA、DpNA、スルホンアミド架橋BNA、尿素架橋BNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、CRN、LNA、キシロ-LNA、α-LNA、α-L-LNA、β-D-LNA、2’-アミノ-LNA又は2’-(アルキルアミノ)-LNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、CRN、LNA、2’-アミノ-LNA又はCBBNであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、CRN、LNA又は2’-アミノ-LNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA、キシロ-LNA、α-LNA、α-L-LNA、β-D-LNA、2’-アミノ-LNA、2’-(アルキルアミノ)-LNA、2’-(アシルアミノ)-LNA、2’-チオ-LNA、cEt BNA、cMOE BNA又はcLNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA、2’-アミノ-LNA、2’-(アルキルアミノ)-LNA、2’-チオ-LNA、cEt BNA、cMOE BNA又はcLNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA、2’-アミノ-LNA、2’-(アルキルアミノ)-LNA、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、CBBN又はENAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA、2’-アミノ-LNA、2’,4’-BNANC(N-H)、CBBN又はENAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA、CBBN又はENAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNA又はENAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、LNAであるモノマーをもたらす。
【0210】
別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、2’,4’-BNANC(N-Bn)、CBBN、ENA、スルホンアミド架橋BNA又は尿素架橋BNAであるモノマーをもたらす。別の実施形態では、BNAスキャフォールド修飾は、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、CBBN又はENAであるモノマーをもたらす。
【0211】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、
【化9】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
[式中、
は、核酸塩基であり、
Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-CHNR-、-CHS-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基であり、
nは、1又は2であり、
Wは、O、S又はNRであり、
は、H、-C(O)R、-C(=NH)NR、ベンジル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ及びアルコキシから選択され、
は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化10】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。
【0212】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-OCH又は-O-CHCHOCHであり、
【化11】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)1つ又は2つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
[式中、
は、核酸塩基であり、
Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-CHNR-、-CHS-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基であり、
nは、1又は2であり、
Wは、O、S又はNRであり、
は、H、-C(O)R、-C(=NH)NR、ベンジル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ及びアルコキシから選択され、
は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である。
【0213】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、BNAスキャフォールド修飾を含まないすべてのモノマー(「非BNAモノマー」)は、式Iの修飾モノマーである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、1つ又は2つの式Iの非BNAモノマーを有する。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~33ヌクレオチドの長さであり、1つの式Iの非BNAモノマーを有する。
【0214】
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む1、2、3、4、5、6又は7つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する1、2、3、4、5、6又は7つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む1、2、3又は4つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する1、2、3又は4つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む1、2又は3つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する1、2又は3つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む1又は2つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する1又は2つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む2つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する2つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む1つのモノマーを含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含み、式IIを有する1つのモノマーを含む。
【0215】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGAAGAUGGCAU(配列番号6072)を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号453、455、456、453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483、486、525、531、538、539、540、543、545、546及び4528~4572からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号453、455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号453、455及び456からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号455及び459からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号459、4528、4531、4532、4533及び4542からなる群から選択される配列を含む。
【0216】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGAAGAUGGCAU(配列番号6072)を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号452~613又は配列番号4528~4572からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号453、455及び456からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号455及び459からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。
【0217】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGUAAGUUCNGUCCAAGC(配列番号6073)を含み、ここで、Nは、T又はUである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGUAAGUUCNGUCCAAGC(配列番号6073)を含み、ここで、Nは、T又はUであり、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4565~4571からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4565~4571からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。
【0218】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4561~4564及び配列番号4572からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号4561~4564及び配列番号4572からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである。
【0219】
別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CCCAAUUUUUCCUG(配列番号6074)を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CCCAAUGCCAUCCUG(配列番号6075)を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号3185、3573、3855、4198及び4401からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号3185、3573、3855及び4401からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CCCAAUUUUUCCUG(配列番号6074)を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CCCAAUGCCAUCCUG(配列番号6075)を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号3185、3573、3855、4198及び4401からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである。別の実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列番号3185、3573、3855及び4401からなる群から選択される配列を含み、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである。
【0220】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CUUCUGUUAGCC(配列番号6076)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、20ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号29によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0221】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列UAUUUAGCA(配列番号6077)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、23ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号161によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0222】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGAAUUUGU(配列番号6078)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、23ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号119によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0223】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CUCAACAGA(配列番号6079)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、23ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号233によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0224】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン44をスキップするためのものである場合には、配列番号6076~6079によって表される配列を含むことが好ましい。
【0225】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GCCCAAU(配列番号6080)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、25ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号3185によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0226】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CCAAUUUU(配列番号6081)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、24ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号3573によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0227】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GCCCAAU(配列番号6082)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、25ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号3855によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0228】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列UCUGACAACA(配列番号6083)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、22ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号4198によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0229】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列CAAUGCCAUCC(配列番号6084)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、21ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号4401によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0230】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン45をスキップするためのものである場合には、配列番号6074、6075又は6080~6084によって表される配列を含むことが好ましい。
【0231】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列AAGAUGGCAU(配列番号6085)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、22ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号459によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0232】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列UAAGUUCUGUCCAA(配列番号6086)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、18ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号4565によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0233】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン51をスキップするためのものである場合には、配列番号6072、6073、6085又は6086によって表される配列を含むことが好ましい。
【0234】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GUUGCCUCCGGUUC(配列番号6087)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、18ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号845によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0235】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GGUUCUG(配列番号6088)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、25ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号863によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0236】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列GAUUCUGAAU(配列番号6089)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~24ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、22ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号4987によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0237】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列ACUUCAUC(配列番号6090)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、24ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号5174によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0238】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列UUCCAUGA(配列番号6091)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、24ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号5446によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0239】
好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドは、配列UGUUGCCU(配列番号6092)を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、16~26ヌクレオチドの長さを有することが好ましく、24ヌクレオチドの長さがより好ましい。これに関連して、好ましい実施形態は、配列番号5765によって表されるヌクレオチド配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0240】
本発明に従うオリゴヌクレオチドが、ジストロフィンのプレmRNAのエキソン53をスキップするためのものである場合には、配列番号6087~6092によって表される配列を含むことが好ましい。
【0241】
組成物
本発明の一態様では、少なくとも1種の本発明に従うオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、好ましい、少なくとも1種の賦形剤を含み、及び/又は前記オリゴヌクレオチドは、組織及び/若しくは細胞への、並びに/又は組織及び/若しくは細胞中への前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達の増強にさらに役立ち得る少なくとも1種のコンジュゲートされたリガンドを含む、組成物が提供される。本明細書において記載されるような組成物は、本明細書において、本発明に従う組成物と呼ばれる。本発明に従う組成物は、1種又は2種以上の本発明に従うオリゴヌクレオチドを含み得る。本発明に関連して、賦形剤は、別個の分子であり得るが、コンジュゲートされた部分でもあり得る。第1の場合には、賦形剤は、デンプンなどの増量剤であり得る。後者の場合には、賦形剤は、例えば、本発明に従うオリゴヌクレオチドに連結される標的化性リガンドであり得る。
【0242】
本態様の好ましい実施形態では、このような組成物は、カチオン性両親媒性化合物(CAC)又はカチオン性両親媒性薬物(CAD)をさらに含み得る。CACは、一般に、リソソーム作用剤(lysosomotropic agent)及びエンドソーム及びリソソームを緩衝できる弱塩基である(Maeら、Journal of Controlled Release 第134巻:221~227頁、2009年)。CACをさらに含む組成物は、前記CACを含まない同様の組成物と比較して、RNA調節の改善されたパラメータを有することが好ましい。理論に捉われようとは思わないが、これは、CACが、例えば、エンドソーム脱出の促進によって、本発明のオリゴヌクレオチドをその活性の部位に到達することにおいて補助できるからであると考えられる。本発明の組成物中に含まれるような好ましいCACとして、トレミフェン及びその誘導体、類似体及びN-デスメチルトレミフェンなどの代謝産物、タモキシフェン、アフィモキシフェン(afimoxifene)、クロミフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、ミプロキシフェン及びナフォキシジンがある。これらのCACは、共通の1,1-ジフェニルエチレン部分を共有する。化合物が、本明細書において記載されるような化合物とわずかな置換又は修飾によってのみ異なる場合には、前記化合物は、このような化合物の誘導体であり、その類似体としても見られることもある。化合物の代謝産物は、特定のクラスの誘導体である。当技術分野で公知の化合物については、代謝産物も公知であることが多い。化合物の代謝産物が言及される場合には、少なくともこれらの公知の代謝産物のすべてが言及される。例えば、N-デスメチルトレミフェンは、トレミフェンの公知の代謝産物である。
【0243】
好ましい実施形態では、前記組成物は、薬剤として使用するためのものである。前記組成物は、したがって、医薬組成物である。医薬組成物は、普通、薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含む。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、本明細書において定義されるような化合物を含み、任意選択で、薬学的に許容される製剤、増量剤、防腐剤、可溶化剤、担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント及び/又は溶媒をさらに含む。このような薬学的に許容される担体、増量剤、防腐剤、可溶化剤、希釈剤、塩、アジュバント、溶媒及び/又は賦形剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版 Baltimore、MD:Lippincott Williams & Wilkins、2000年に見ることができる。本発明において記載されるような化合物は、少なくとも1つのイオン化できる基を有し得る。イオン化できる基は、塩基であっても酸であってもよく、電荷を有しても、中性であってもよい。イオン化できる基は、反対の電荷(複数可)を保持する適当な対イオンとのイオン対として存在し得る。カチオン性対イオンの例として、ナトリウム、カリウム、セシウム、Tris、リチウム、カルシウム、マグネシウム、トリアルキルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムがある。アニオン性対イオンの例として、クロリド、ブロミド、ヨーダイド、ラクテート、メシレート、ベシレート、トリフレート、アセテート、トリフルオロアセテート、ジクロロアセテート、タートレート、ラクテート及びシトレートがある。対イオンの例は、記載されている[例えば、参照により本明細書において組み込まれるKumar、2008年]。
【0244】
医薬組成物は、前記化合物の安定性、溶解度、吸収、バイオアベイラビリティ、活性、薬物動態、薬動力学、細胞性取り込み及び細胞内輸送の増強における助剤、特に、複合体を形成可能な賦形剤、ナノ粒子、微粒子、ナノチューブ、ナノゲル、ハイドロゲル、ポロクサマー又はプルロニック、ポリマーソーム、コロイド、マイクロバブル、ベシクル、ミセル、リポプレックス及び/又はリポソームを含み得る。ナノ粒子の例として、ポリマーナノ粒子、(混合)金属ナノ粒子、炭素ナノ粒子、金ナノ粒子、磁性ナノ粒子、シリカナノ粒子、脂質ナノ粒子、糖粒子、タンパク質ナノ粒子及びペプチドナノ粒子が挙げられる。ナノ粒子とオリゴヌクレオチドの組合せの例として、例えば、Barnabyら Cancer Treat. Res. 2015年、第166巻、23頁におけるような球状核酸(SNA)がある。
【0245】
好ましい組成物は、組織及び/若しくは細胞への、及び/又は組織及び/若しくは細胞中への前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達の増強にさらに役立ち得る少なくとも1種の賦形剤を含む。好ましい組織又は細胞は、筋肉組織又は細胞である。
【0246】
これらの賦形剤のうち多数が、当技術分野で公知であり(例えば、Bruno、2011年を参照のこと)、第1の種類の賦形剤としてカテゴリー化され得る。第1の種類の賦形剤の例として、ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン(PPI)、デキストラン誘導体、ブチルシアノアクリレート(PBCA)、ヘキシルシアノアクリレート(PHCA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレシン、カダベリン)、キトサン、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(エステルアミン)、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)シクロデキストリン、ヒアルロン酸、コロミン酸及びその誘導体)、デンドリマー(例えば、ポリ(アミドアミン)、脂質{例えば、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、ジオレオイルジメチル塩化アンモニウム(DODAC)、ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)]、リソ-ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1-ステアロイル-2-リソ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(S-LysoPC)]、スフィンゴミエリン、2-{3-[ビス-(3-アミノ-プロピル)-アミノ]-プロピルアミノ}-N-ジテトラセディル(ditetracedyl)カルバモイルメチルアセトアミド(RPR209120)、ホスホグリセロール誘導体[例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DPPG-Na)、ホスファチシドアシッド(phosphaticid acid)誘導体[1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスファチシドアシッド(phosphaticid acid)、ナトリウム塩(DSPA)、ホスファチジルエタノールアミン誘導体[例えば、ジオレオイル-L-R-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPhyPE),]、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム(DOTMA)、1,3-ジ-オレオイルオキシ-2-(6-カルボキシ-スペルミル)-プロピルアミド(DOSPER)、(1,2-ジミリスチオルキシプロピル(dimyristyolxypropyl)-3-ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、(N1-コレステリルオキシカルボニル-3,7-ジアザノナン-1,9-ジアミン(CDAN)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロール-3-ホスホコリン(POPC)、(b-L-アルギニルl-2,3-L-ジアミノプロピオン酸-N-パルミチル-N-オレリル-アミドトリヒドロクロリド(AtuFECT01)、N,N-ジメチル-3-アミノプロパン誘導体[例えば、1,2-ジステアロイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DSDMA)、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DoDMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、ホスファチジルセリン誘導体[1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン、ナトリウム塩(DOPS)]、タンパク質(例えば、アルブミン、ゼラチン、アテロコラーゲン(atellocollagen))及び直鎖又は環状ペプチド(例えば、プロタミン、PepFects、NickFects、ポリアルギニン、ポリリジン、CADY、MPG、細胞透過性ペプチド(CPP)、標的化ペプチド、細胞転位置ペプチド、エンドソーム脱出ペプチド)が挙げられる。このようなペプチドの例は、記載されている、例えば、筋肉標的化ペプチド(例えば、Jirkaら、Nucl. Acid Ther. 2014年、第24巻、25頁)、CPP(例えば、Pipシリーズ、国際公開第2013/030569号を含む、及びオリゴアルギニンシリーズ、例えば、米国特許第9,161,948号(Sarepta)、国際公開第2016/187425号(Sarepta)及び例えば、Gaoら、Mol. Ther. 2014年、第22巻、1333頁中のM12ペプチド)又は(分岐)ApoE誘導体などの血液脳関門(BBB)通過ペプチド(Shabanpoorら、Nucl. Acids Ther.2017年、第27巻、130頁)。別個の化合物として使用される場合には、以下に記載されるような炭水化物及び炭水化物クラスターも、第1の種類の賦形剤として使用するのに適している。
【0247】
別の好ましい組成物は、第2の種類の賦形剤としてカテゴリー化される少なくとも1種の賦形剤を含み得る。第2の種類の賦形剤は、例えば、筋肉組織又は細胞のような組織及び/若しくは細胞への、及び/又は組織及び/若しくは細胞中への本発明の組成物及び/又はオリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達を増強するために、本明細書において記載されるようなコンジュゲート基を含み得る又は含有し得る。コンジュゲート基は、1つ又は複数の異なる又は同一のリガンドを示し得る。コンジュゲート基リガンドの例として、例えば、ペプチド、ビタミン、アプタマー、炭水化物又は炭水化物の混合物(Hanら、Nature Communications、2016年、doi:10.1038/ncomms10981;Caoら、Mol. Ther. Nucleic Acids、2016年、doi:10.1038/mtna.2016.46)、タンパク質、小分子、抗体、ポリマー、薬物がある。炭水化物コンジュゲート基リガンドの例として、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、フルクトース、N-アセチルガラクトサミン(GalNac)、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、グルコース-6リン酸、マンノース-6リン酸及びマルトトリオースがある。炭水化物は、多数で、例えば、炭水化物を組成物の成分と連結する樹状又は分岐リンカー部分で末端基として存在し得る。炭水化物はまた、GalNAcクラスター部分などの炭水化物クラスター部分中に含まれ得る。炭水化物クラスター部分は、標的化部分及び任意選択でコンジュゲートリンカーを含み得る。いくつかの実施形態では、炭水化物クラスター部分は、1、2、3、4、5、6つ又はそれ以上のGalNAc基を含む。「炭水化物クラスター」は、本明細書で使用される場合、スキャフォールド又はリンカー基に結合された1つ又は複数の炭水化物残基を有する化合物を意味する(例えば、Maierら、「Synthesis of Antisense Oligonucleotides Conjugated to a Multivalent Carbohydrate Cluster for Cellular Targeting」Bioconjugate Chem.、2003年、(第14巻):18~29頁;Rensenら、「Design and Synthesis of Novel N-Acetylgalactosamine-Terminated Glycolipids for Targeting of Lipoproteins to the Hepatic Asiaglycoprotein Receptor」J. Med. Chem.2004年、(第47巻):5798~5808頁を参照のこと)。これに関連して、「修飾された炭水化物」とは、天然に存在する炭水化物に対して1つ又は複数の化学修飾を有する任意の炭水化物を意味する。「炭水化物誘導体」は、本明細書で使用される場合、出発材料又は中間体として炭水化物を使用して合成され得る任意の化合物を意味する。「炭水化物」は、本明細書で使用される場合、天然に存在する炭水化物、修飾された炭水化物又は炭水化物誘導体を意味する。両方の種類の賦形剤を、本明細書において記載されるような1つの単一組成物に一緒に組み合わせてもよい。三価N-アセチルグルコサミンクラスターの例が、国際公開第2017/062862号(Wave Life Sciences)に記載されており、これはまた、スルホンアミド小分子のクラスターも記載する。小分子セルトラリンの単一コンジュゲートの一例(Ferres-Coyら、Mol.Psych.2016年、第21巻、328頁)並びにイブプロフェン(例えば、米国特許第6,656,730号ISIS/Ionis Pharmaceuticals)、スペルミン(例えば、Noirら、J.Am.Chem Soc. 2008年、第130巻、13500頁)、アニスアミド(例えば、Nakagawaら、J.Am.Chem.Soc.2010年、第132巻、8848頁)及び葉酸(例えば、Dohmenら、Mol.Ther.Nucl.Acids 2012年、第1巻、e7)を含むタンパク質結合性小分子のコンジュゲートも記載されている。
【0248】
オリゴヌクレオチドのアプタマーとは、当技術分野で公知である(例えば、ZhaoらBiomaterials 2015年、第67巻、42頁)。
【0249】
抗体及び抗体断片も、本発明のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートできる。好ましい実施形態では、特定の興味深い組織、特に、筋肉組織を標的化する抗体又はその断片を、本発明のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートする。このような抗体及び/又は断片の例は、例えば、国際公開第2016/179257号(CytoMx)に、及びSugoらJ.Control.Rel.2016年、第237号、1頁に記載されるCD71(トランスフェリン受容体)に対して、又は例えば、Weisbartら、Mol.Cencer Ther.2012年、第11巻、1頁に記載されるような3E10抗体などの受動拡散型ヌクレオシド輸送体(ENT)に対して標的化される。
【0250】
その他のオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、当業者に公知であり、例えば、Winklerら、Ther.Deliv.2013年、第4巻、791頁、 Manoharan、Antisense Nucl. Acid. Dev. 2004年、第12巻、103頁及びMingら、Adv.Drug Deliv.Rev. 2015年、第87巻、81頁に概説されている。
【0251】
当業者ならば、本発明において使用するために化合物を製剤化し、送達するために、上記の又はその他の代替賦形剤及び送達系のうち1種又は複数を選択し、組合せ、及び/又は適応させることができる。
【0252】
本発明のこのような医薬組成物は、動物、好ましくは、哺乳動物に、設定された時間で有効濃度で投与してもよい。より好ましい哺乳動物として、ヒトがある。本発明に従って使用するための本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチド又は組成物は、本明細書において同定されるような疾患又は状態に冒されている、又はそれを発生するリスクにある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は臓器への直接投与に適したものであることがあり、in vivoで直接、ex vivoで又はin vitroで投与してもよい。投与は、局所、全身及び/又は非経口経路、例えば、静脈内、皮下、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、眼内、鼻腔、泌尿生殖器、皮内、経皮、腸内、硝子体内、空洞内、大脳内、くも膜下腔内、硬膜外又は経口経路によるものであり得る。
【0253】
本発明のこのような医薬組成物は、経口送達のために、エマルジョン、懸濁液、丸剤、錠剤、カプセル剤又はソフトゲルの形態で、又は気道及び肺への送達のために、エアゾール又は乾燥散剤の形態でカプセル化され得ることが好ましい。
【0254】
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、前記疾患の治療のために使用されることがすでに知られている別の化合物と一緒に使用されてもよい。炎症を低減するための、好ましくは、筋肉組織炎症を低減するためのこのようなその他の化合物並びに/又は筋肉線維機能、完全性及び/若しくは生存を改善するための、及び/若しくは候補機能を改善、増大若しくは回復させる補助化合物が使用されてもよい。
【0255】
例として、それだけには限らないが、ステロイド、好ましくは、(グルコ)コルチコステロイド、エピカテキン、ACE阻害剤(好ましくは、ペリンドプリル)及びHDAC阻害剤、アンジオテンシンII1型受容体ブロッカー(好ましくは、ロサルタン)、アンジオテンシンペプチド(1-7)、腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)阻害剤、NF-kB阻害剤、TGFβ阻害剤(好ましくは、デコリン)、ヒト組換えバイグリカン、mIGF-1の供給源、ミオスタチン阻害剤、マンノース-6リン酸、抗酸化薬、イオンチャネル阻害剤、ダントロレン、プロテアーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤(好ましくは、シルデナフィル又はタダラフィルなどのPDE5阻害剤)及び/又はL-アルギニンがある。このような併用使用は、逐次使用であってもよい:各成分は、おそらくは、別個の組成物として別個の様式で投与される。或いは、各化合物は、単一組成物中で一緒に使用されてもよい。
【0256】
本発明に従う組成物中に含まれる化合物はまた、例えば、本発明に従う組成物の有効成分の逐次投与を可能にするために別個に提供されることもある。このような場合には、本発明に従う組成物は、コンジュゲートリガンドを有する又は有さない少なくとも1種の本発明に従うオリゴヌクレオチド、少なくとも1種の賦形剤及び任意選択で上記のようなCACを含む化合物の組合せである。
【0257】
使用
さらなる態様において、薬剤又は療法の一部又は前記オリゴヌクレオチドが細胞内でその活性を発揮する適用として使用するための、これまでの節に記載されたような組成物又はオリゴヌクレオチドの使用が提供される。
【0258】
好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物は、DMD又はBMD又はSMAを予防、遅延、治癒、寛解及び/又は治療するための薬剤又は療法の一部として使用するためのものである。
【0259】
本発明のこの態様の一実施形態では、好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療する、予防する及び/又は遅延させるための薬剤として使用するための、本発明に従うオリゴヌクレオチド又は本発明に従う組成物が提供される。
方法
【0260】
さらなる態様において、個体において、前記個体の細胞、組織又は臓器において、これまでの節において定義されるような状態又は疾患を予防する、治療する、治癒させる、寛解させる及び/又は遅延させるための方法が提供される。方法は、本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物を、それを必要とする前記個体又は対象に投与することを含む。
【0261】
本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチド又は組成物が、本明細書において定義される疾患のいずれかによって冒された、又は炎症性障害を発生するリスクにある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は臓器への投与に適したものであることがあり、in vivoで、ex vivoで又はin vitroで投与され得る本発明の方法。必要とする個体又は対象は、哺乳動物であることが好ましく、ヒトであることがより好ましい。或いは、対象は、ヒトではない。投与は、局所、全身及び/又は非経口経路、例えば、静脈内、皮下、鼻腔、眼内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、空洞内、泌尿生殖器、皮内、経皮、腸内、硝子体内、大脳内、くも膜下腔内、硬膜外又は経口経路によるものであり得る。
【0262】
一実施形態では、本発明の方法では、オリゴヌクレオチド又は組成物の濃度は、0.01nM~1μMの範囲である。使用される濃度は、0.05~500nM又は0.1~500nM又は0.02~500nM又は0.05~500nMであることがより好ましく、1~200nMがさらにより好ましい。
【0263】
本発明に従うオリゴヌクレオチド又は組成物の用量範囲は、厳格なプロトコール必要条件が存在する臨床治験における上昇用量研究(in vivo使用)に基づいて設計されることが好ましい。本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチドは、0.01~200mg/kg又は0.05~100mg/kg又は0.1~50mg/kg又は0.1~20mg/kg、好ましくは、0.5~10mg/kgの範囲である用量で使用され得る。
【0264】
上記で示されるようなオリゴヌクレオチド又は組成物の濃度又は用量の範囲は、in vitro又はex vivo使用にとって好ましい濃度又は用量である。当業者ならば、使用されるオリゴヌクレオチドの同一性、治療されるべき標的細胞、遺伝子標的及びその発現レベル、使用される媒体及びトランスフェクション及びインキュベーション条件に応じて、使用されるオリゴヌクレオチドの濃度又は用量は、さらに変わることがあり、さらに省略されることが必要である場合もあるということは理解するであろう。
【0265】
本発明のこの態様の一実施形態では、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防する、治療する及び/又は遅延させるための方法であって、対象に本発明に従うオリゴヌクレオチド又は本発明に従う組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0266】
本発明の特定の実施形態
1.i)Ia)少なくとも1つの2’-置換モノマー及び任意選択でホスホロチオエート骨格連結又は
Ib)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン及び/又は5-メチルウラシル塩基並びに
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含むオリゴヌクレオチド。
2.二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、好ましくは架橋核酸スキャフォールド修飾を含む、1、2、3又は4つのモノマーを含む、実施形態1に従うオリゴヌクレオチド。
3.少なくとも1つの二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾が、前記オリゴヌクレオチドの末端モノマー中に、好ましくは前記オリゴヌクレオチドの5’末端モノマー中に、より好ましくは前記オリゴヌクレオチドの両方の末端モノマー中に含まれる、実施形態1又は2に従うオリゴヌクレオチド。
4.前記二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾の各出現が、コンホメーション的に制限されたヌクレオチド(CRN)モノマー、ロックド核酸(LNA)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたエチル(cEt)LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたメトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー及びそれらの誘導体からなる群から独立に選択されるモノマーをもたらす、実施形態1~3のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
5.前記2’-置換モノマーが、2’-置換RNAモノマー、2’-Fモノマー、2’-アミノモノマー、2’-O-置換モノマー、2’-O-メチルモノマー又は2’-O-(2-メトキシエチル)モノマー、好ましくは、2’-O-メチルモノマーである、実施形態1~4のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
6.すべてのシトシン塩基が5-メチルシトシン塩基であり、及び/又はすべてのウラシル塩基が5-メチルウラシル塩基である、実施形態1~5のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
7.前記オリゴヌクレオチドの長さが、34ヌクレオチド未満である、実施形態1~6のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
8.エキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする、好ましくは、エキソン認識配列(ERS)、エキソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)、SRタンパク質結合部位、又は別のスプライシングエレメント、シグナル若しくは構造の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする配列を含む又はからなる、実施形態1~7のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
9.前記のエキソン及び/又は非エキソン領域の少なくとも一部が、10~33ヌクレオチドの長さを有する、実施形態8に従うオリゴヌクレオチド。
10.前記エキソン及び/又は非エキソン領域が、DMD遺伝子中又はSMN遺伝子中にある、実施形態8又は9に従うオリゴヌクレオチド。
11.配列番号8~1580を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号8~1580の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される、好ましくは、配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483若しくは486を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって、又は配列番号453、455、456、459、461、462、465、467、468、471、473、474、483若しくは486の断片を含む若しくはからなるヌクレオチド配列によって表される、実施形態1~10のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
12.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、タンパク質の産生又は組成を変更し、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、エキソンスキッピング又はエキソン包含を含み、最も好ましくは、前記RNA調節が、エキソンスキッピングを含む、実施形態1~11のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
13.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、疾患又は状態と関連するタンパク質の産生を変更し、前記疾患又は状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)であることが好ましい、実施形態1~12のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
14.二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含まない対応するオリゴヌクレオチドと比較して改善されたパラメータを有する、実施形態1~13のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド。
15.組織及び/若しくは細胞への、並びに/又は組織及び/若しくは細胞中への前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達の増強にさらに役立ち得る少なくとも1種の賦形剤を含むことが好ましい、実施形態1~14のいずれか1つにおいて定義されるようなオリゴヌクレオチドを含む組成物。
16.薬剤として使用するための、好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療する、予防する及び/又は遅延させるための実施形態1~14のいずれか1つに従うオリゴヌクレオチド、又は実施形態15に記載の組成物。
17.デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)を予防する、治療する及び/又は遅延させるための方法であって、対象に、実施形態1~14のいずれか1つにおいて定義されるようなオリゴヌクレオチド又は実施形態15において定義されるような組成物を投与するステップを含む、方法。
18.10~33ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドであって、
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
【化12】

[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-NR又は-ORであり、
Rは、アルケニル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ、OR、NR又はSRであり、
は、ハロ、ヒドロキシ又はアルキルで各々独立に任意選択でさらに置換された、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化13】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
【化14】

[式中、
は、核酸塩基であり、
Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-(CHNR-、-CHS(O)-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHN(R)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基であり、
nは、1又は2であり、
mは、0、1又は2であり、
Wは、O、S又はNRであり、
は、H、-C(O)R、-C(=NH)NR、ベンジル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ及びアルコキシから選択され、
は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化15】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
c)モノマーが、ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル骨格連結によって連結され、
d)オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つの核酸塩基が、5-メチルシトシン又は5-メチルウラシル塩基である、オリゴヌクレオチド。
19.Rが、非置換アルキル又はCH又はCHCHである、実施形態18に従うオリゴヌクレオチド。
20.RがCHである、実施形態18又は19に従うオリゴヌクレオチド。
21.XがF又は-ORである、実施形態18~20のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
22.Xが、F又は-OCHである、実施形態18~21のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
23.Z-Yが、-(CHO-、-CH(CH)O-及び-CH(CHOCH)O-からなる群から選択される二価の基である、実施形態18~22のいずれかのオリゴヌクレオチド。
24.Z-Yが-CHO-であり、好ましくは、Zが-CH-であり、Yが-O-である、実施形態18~23のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
25.配列GGAAGAUGGCAU(配列番号6072)を含む、実施形態18~24のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
26.16、17、18、19、20、21又は22ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~25のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
27.19、20又は22ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~26のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
28.20又は22ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~27のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
29.20ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~28のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
30.22ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~28のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
31.19ヌクレオチドの長さを有する、実施形態18~27のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
30.配列番号453、455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568から選択される配列を含む又はからなる配列によって表される、実施形態18~27のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
31.配列番号453、455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568から選択される配列からなる配列によって表される、実施形態18~26のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
32.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、タンパク質の産生又は組成を変更することが好ましく、エキソンスキッピング又はエキソン包含を含むことが好ましく、前記RNA調節が、エキソンスキッピングを含むことが最も好ましい、実施形態18~31のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
33.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、疾患又は状態と関連するタンパク質の産生を変更し、前記疾患又は状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)又は脊髄性筋萎縮症(SMA)であることが好ましい、実施形態18~32のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
34.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と関連するタンパク質の産生を変更する、実施形態18~33のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
35.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)と関連するタンパク質の産生を変更する、実施形態18~33のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
36.前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、前記プレmRNAスプライシング調節が、脊髄性筋萎縮症(SMA)と関連するタンパク質の産生を変更する、実施形態18~33のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
37.二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含まない対応するオリゴヌクレオチドと比較して改善されたパラメータを有する、実施形態18~36のいずれかに従うオリゴヌクレオチド。
【0267】
定義
本文書において、及びその請求項において、動詞「含む」及びその活用は、その限定されない意味で、その単語に続く項目が含まれるが、具体的に記載されない項目が排除されないことを意味するように使用される。さらに、動詞「からなる」は、本明細書において定義されるようなオリゴヌクレオチド又は組成物は、具体的に同定されるものよりもさらなる成分を含んでもよく、前記のさらなる成分(複数可)は、本発明の独特の特徴を変更しないことを意味する「本質的にからなる」によって置き換えられ得る。さらに、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による要素への言及は、内容が明確に、1つの及び1つのみの要素があることを必要としない限り、2以上の要素が存在する可能性を排除しない。不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、したがって、普通、「少なくとも1つの」意味する。
【0268】
本明細書において同定されるような各実施形態は、特に断りのない限り一緒に組み合わせることができる。本明細書において引用されるすべての特許及び文献参考は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【0269】
本出願を通じて、単語「結合する」、「標的化する」、「ハイブリダイズする」は、本明細書において同定されるようなプレmRNAの一部に対して相補的である、好ましくは、逆相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドに関連して使用される場合に同義的に使用され得る。本発明に関連して、「ハイブリダイズ」は、特に断りのない限り、細胞、好ましくは、筋肉細胞において生理学的状態下で使用される。
【0270】
構造式又は化学名が、当業者にキラル中心を有すると理解される場合には、キラリティーは示されないが、各キラル中心について、ラセミ混合物、純粋なRエナンチオマー及び純粋なSエナンチオマーいずれかの3種すべてに対して個々の参照がなされる。
【0271】
本発明に関連して物質のパラメータが論じられる場合はいつも、特に断りのない限り、生理学的状態下でパラメータが決定され、測定され、又は示されると想定される。生理学的状態は、当業者に公知であり、水性溶媒系、大気圧、6から8の間のpH値、室温~約37℃(約20℃~約40℃)の範囲の温度及びバッファー塩又はその他の成分の適した濃度を含む。電荷は、平衡と関連することが多いということは理解される。電荷を保持する又は保有するといわれる部分は、このような電荷を保有又は保持しないものよりもより多く、このような電荷を保有又は保持する状態において見られる部分である。そのようなものとして、当業者には理解されるであろうが、本開示において電荷を有すると示される原子は、特定の状態下では電荷を有さないことがあり、中性部分は、特定の状態下で電荷を有することがある。
【0272】
一般に置換は、水素であり得るある部分を別の部分によって置き換える。有機分子の炭素骨格を考えると、RNAモノマーは、その2’位にヒドロキシル部分を有するので本質的に2’-置換される。DNAモノマーは、したがって、2’-置換されないであろう、RNAモノマーは、2’-置換DNAモノマーとして見ることができる。次に、RNAモノマーが2’-置換される場合には、この置換は、2’-OH又は2’-Hのいずれかを置き換えたものであり得る。RNAモノマーが、2’-O-置換される場合には、この置換は、2’-OH部分のHを置き換える。限定されない例として、2’-O-メチルRNAは、2’-置換モノマー(-OMeは、-Hを置換する)及び2’-置換RNAモノマー(-OMeは、-OH置換する)及び2’-O-置換RNAモノマー(-Meは、-Hを置換する)であるが、2’-F RNAは、2’-置換RNAモノマー(-Fは、-OH又はHを置換する)であるが、2’-O-置換RNAモノマー(2’-Oは、もはや存在しないか、置換されていないのいずれか)ではない。F置換2’-OHが2’-F-2’-デオキシRNAであり、2’-F DNAでもある2’-F RNA。
【0273】
「アルケニル」は、2~8個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を有する直鎖又は分岐炭化水素基を意味する。特定の実施形態では、アルケニルは、エテニル、プロペニル、1ブタ-3-エニル、1ペンタ-3-エニル及び1-ヘキサ-5-エニルを含む。
【0274】
「アルコキシ」は、式-ORの基を意味し、式中、Rは、アルキルである。特定の実施形態では、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシを含む。
【0275】
「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐飽和炭化水素基を意味し、特定の実施形態では、1~6個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキルは、1~4個の炭素原子を含み、特定の実施形態では、1~3個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルを含む。
【0276】
「アリール」とは、一価の6~14員の一-、二-又は三-炭素環を意味し、単環式環は、芳香族であり、二環式環又は三環式環中の環のうち少なくとも1つは、芳香族である。特定の実施形態では、アリールは、フェニル、ナフチル、インダニル及びアントラセニルを含む。
【0277】
「シクロアルキル」とは、単環式又は二環式、飽和又は部分不飽和(芳香族ではない)、3~10個の炭素環原子の炭化水素基を意味する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、5~6個の炭素原子を含有し、本明細書においてC5~6シクロアルキルと呼ばれることもある。シクロアルキル基は、縮合、架橋及びスピロシクロアルキル二環式環を含む。例えば、縮合される場合には、シクロアルキル基は、隣接する原子(例えば、1つの共有結合)を共有する2つの環を含み得る。架橋される場合には、シクロアルキル基は、3個以上の原子を共有し、少なくとも1個の原子を含有する架橋によって2個の橋頭原子を分けている2つの環を含み得る。スピロの場合には、シクロアルキル基は、1個のみの単一原子、例えば、第四級炭素であり得るスピロ原子を共有する2つの環を含み得る。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、
【化16】

を含む。
【0278】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード基を意味する。「ハロ」は、フルオロを意味することが好ましい。「ハロ」は、ハロゲンによって置き換えられ得る。好ましいハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素がある。最も好ましいハロゲンは、フッ素である。
【0279】
「ヘテロアリール」とは、1個又は複数の、別の例では、-O-、-S(O)-(nは、0、1又は2である)、-N=(三価窒素)、N(H)-及び>N-オキシド、から独立に選択される1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子は炭素である5~14個の環原子の単環式、縮合二環式又は縮合三環式ラジカルを意味し、ここで、単環式ラジカルを含む環は、芳香族であり、二環式又は三環式ラジカルを含む縮合環のうち少なくとも1つは、芳香族である(しかし、ヘテロ原子を含有する環でなくてもよい、例えば、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)。縮合二環式ラジカルは、架橋環構造を含む。特に断りのない限り、原子価は、原子価則が容認する、ヘテロアリール基の任意の環の任意の原子に位置し得る。
【0280】
特定の実施形態では、ヘテロアリールとして、それだけには限らないが、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、フラニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、インダゾリル、フタリミジル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
【0281】
「ヘテロシクロアルキル」とは、1個又は複数の環原子は、-O-、-S(O)-(nは、0、1又は2である)、-N=(三価窒素)又はNH-から独立に選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素である、3~9個の環原子の飽和又は部分不飽和(しかし芳香族ではない)一価の単環式基又は5~12個の環原子の飽和又は部分不飽和(しかし芳香族ではない)一価の二環式基を意味する。ヘテロシクロアルキル基は、縮合、架橋及びスピロヘテロシクロアルキル二環式環を含む。例えば、縮合される場合には、ヘテロシクロアルキル基は、隣接する原子(例えば、1つの共有結合)を共有する2つの環を含み得る。架橋される場合には、ヘテロシクロアルキル基は、3個以上の原子を共有し、少なくとも1個の原子を含有する架橋によって2個の橋頭原子を分けている2つの環を含み得る。スピロの場合には、ヘテロシクロアルキル基は、1個のみの単一原子、例えば、第四級炭素であり得るスピロ原子を共有する2つの環を含み得る。特定の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、-O-、-S(O)-(nは、0、1又は2である)、-N=(三価窒素)又はNH-から独立に選択される1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含む。
【0282】
特定の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、5又は6個の環原子を含有する。特定の実施形態では、ヘテロシクロアルキルとして、それだけには限らないが、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキシニル、チイオモルホリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル及びテトラヒドロフリルが挙げられる。
【0283】
本発明に関連して、評価されるべきパラメータの減少又は増大は、そのパラメータに対応する値の少なくとも5%の変化を意味する。値の減少又は増大は、少なくとも10%の変化を意味することがより好ましく、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%又は100%がいっそうより好ましい。この後者の場合には、もはやパラメータと関連する検出可能な値がない場合であり得る。
【0284】
本文書に記載されるような薬剤としての物質の使用はまた、薬剤の製造における前記物質の使用として解釈され得る。同様に、物質が、治療のために、又は薬剤として使用される時には常に、治療のための薬剤の製造のためにも使用され得る。
【0285】
単語「約」又は「およそ」とは、数値に関連して使用される場合には(例えば、約10)、値は、値の0.1%多い又は少ない所与の値(10の)であり得ることを意味することが好ましい。
【0286】
本発明の化合物又は組成物は、本発明の方法又は使用において使用するためのものであることが好ましい。
【0287】
当業者には理解されるであろうが、本出願を通じて、用語「BNA」、「BNAスキャフォールド」、「BNAヌクレオチド」、「BNAヌクレオシド」、「BNA修飾」又は「BNAスキャフォールド修飾」は、必要に応じて、コンホメーション的に制限されたスキャフォールド修飾、ロックドスキャフォールド修飾、ロックドヌクレオチド、ロックドヌクレオシド、ロックドモノマー又はTm増強性スキャフォールド修飾又は高親和性修飾などによって置き換えられ得る。
【0288】
以下の実施例は、単に例示目的で提供するものであって、決して本発明の範囲を制限するよう意図されるものではない。
【実施例0289】
実施例1(IN VITRO)
材料及び方法
AON
アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(表1、図1~3)は、2’-O-メチルモノマー及びLNA(配列番号452、453、455及び456)又は2’-アミノ-LNA(配列番号456A)又はCRN(配列番号453C及び455C)スキャフォールド修飾のいずれかを有するホスホロチオエート骨格を有していた。配列番号452を有するAONは、シトシンを特徴とし、その他の配列番号は、5-メチルシトシンを特徴とした。2’-アミノ-LNAは、2’-アミノ-2’-デオキシLNAと名付けられることもあるスキャフォールド修飾を指す。AONは、標準ホスホルアミダイトプロトコールによってOP-10シンセサイザー(GE/AKTA Oligopilot)を使用して10μmol規模で合成した。2段階シークエンスでAONを切断し、脱保護し(ジエチルアミンと、それに続く濃NHOH処置)、HPLCによって精製し、水に溶解し、イオンを交換するために過剰のNaClを添加した。蒸発後、AONを水に再溶解し、FPLCによって脱塩し、凍結乾燥した。質量分析によって、すべてのAONの同一性を確認し、純度(UPLCによって決定された)は、すべてのAONについて許容されるとわかった(>80%)。
【表1】
【0290】
ジムノシスによる(gymnotic)取り込み及びcDNA合成
エキソン48~50の欠失(Δ48~50)を有するDMD患者由来の不死化筋芽細胞を、6ウェルプレート中でコンフルエンシーまで培養した。筋管の形成を誘導するために、非GLP標準操作手順に従って、増殖培地を、800nM又は4μMのAONを補給した低血清分化培地によって5日間置き換えた(3連で)。次いで、全RNAを単離し、1000ngのRNAを、ランダムヘキサマープライマーを使用するcDNA合成のための投入量として使用した。
【0291】
デジタルドロップレット(dd)PCR解析
エキソン51を有する及び有さないジストロフィン転写物産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイが設計されており(表2)、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って60℃のアニーリング/伸長温度を使用して20μlの反応容量中で、1μl(スキップされていない転写物について)又は4μl(スキップされた転写物について)のcDNAで実施した。データは、エキソンスキップパーセンテージ[Nスキップされた/(Nスキップされた+Nスキップされていない)*100]として示した。
【表2】
【0292】
Simple Western Capillaryイムノアッセイ
総タンパク質を、タンパク質ローディングバッファー(プロテアーゼ阻害剤(Roche)を有する、6% 1.25M Tris-HCl pH6.8、20%グリセロール、15% SDS、0.0016%ブロモフェノールブルー、5% β-メルカプトエタノール(すべてSigma))中に抽出した。Compat-Ableタンパク質アッセイ調製試薬セット(Thermo scientific)及びPierce BCAタンパク質アッセイキット(Thermo scientific)を使用してタンパク質濃度を測定した。健常なヒト対照細胞サンプルのために、50、5又は0.5μg/mLを適用し、DMD患者細胞サンプルのために100、50又は10μg/mLを適用した。Simple Western Capillaryイムノアッセイ(Protein Simple)及びWES66~440kDaウサギマスターキット(Protein Simpleカタログ番号PSMK20)を製造業者のプロトコールに従って使用して、ジストロフィンタンパク質レベルを定量した。WESプレートに、ビオチン化ラダー、サンプル、一次ウサギポリクローナル抗ジストロフィン抗体(Abcam、カタログ番号ab15277、供給された抗体希釈剤で1:50希釈した)、ラダー検出のためのストレプトアビジン-HRP、二次抗ウサギ抗体、ルミノール-ペルオキシドミックス及び洗浄バッファーをロードした(すべてWESマスターキット中に供給されていた)。プレートを2500rpm、室温で5分間遠心分離し、対応するキャピラリーカートリッジと一緒にWES装置中にロードした。アッセイを流した後、Compassソフトウェアを使用してデータを解析した。
結果
【0293】
AONにおける少なくとも1つの5’及び/又は3’BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドの実施は、BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドを有さない同配列のAON(配列番号452に基づく)と比較した場合に、エキソン51スキッピングレベルを改善する。図1Aは、in vitroでのDMD患者筋肉細胞における低(800nM)及び高(4μM)濃度の3種のAON(配列番号453、番号455及び番号456)のこの効果を示す。この場合におけるBNAスキャフォールド修飾は、LNAである。配列番号452に基づくBNAスキャフォールド修飾を有さないAONと比較して、LNAヌクレオチドを有するAONは、4~8倍高いエキソン51スキッピングレベルを誘導した。これは、ジストロフィンレベルにおけるさらにより高い改善(配列番号456を用いた場合に最大20倍)と関連していた(図1B)。同様の効果が、800nM及び/又は4μMで配列番号452に基づくBNAスキャフォールド修飾を有さないAONと比較した場合に、5’及び/又は3’CRNスキャフォールド修飾(配列番号453C及び455C)又は2’-アミノ-LNAスキャフォールド修飾(配列番号456A)ヌクレオチドの実施を用いて得られた(図2A、B)。
【0294】
実施例2(IN VIVO)
材料及び方法
AON
アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(表1、図3)は、すべての非BNAモノマー中に2’-O-メチル置換を有する全ホスホロチオエート骨格、5-メチルシトシン及びLNAモノマーをもたらすBNAスキャフォールド修飾を有していた(配列番号453、455及び456)。配列番号452を有する対照AONは、2’-O-メチルモノマー、シトシンを有し、BNAスキャフォールド修飾を有さないホスホロチオエート骨格を有していた。AONは、標準ホスホルアミダイトプロトコールによってOP-10シンセサイザー(GE/AKTA Oligopilot)を使用して1mmol規模で合成した。2段階シークエンスでAONを切断し、脱保護し(ジエチルアミンと、それに続く濃NHOH処置)、アニオン交換クロマトグラフィーによって精製し、限外濾過/ダイアフィルトレーションによって脱塩し、凍結乾燥した。質量分析によって、すべてのAONの同一性を確認し、純度(UPLCによって決定された)は、すべてのAONについて許容されるとわかった(>85%)。
【0295】
マウス実験
実験動物のケア及び使用のための国立衛生研究所(National Institute of Health)(NIH)ガイドラインに従ってこのマウス実験を実施した。JAX Labs(USA)によってhDMDマウスが飼育され、遺伝子型が同定された。マウスを無作為化し、ベースライン体重及び雄-雌分布を考慮して群(n=15)にした。100mg/kgの配列番号452、453、455又は456を有する各AONを用いて、マウスに週に1回静脈内尾静脈注射を、5~6週齢で開始し、合計12週間施した(配列番号452は、この場合には、BNAスキャフォールド修飾を全く含まない)。最後のAON注射の4日後、動物を屠殺し、組織サンプルを採取した(組織から血液を除去するためのPBSを用いる経心腔的灌流後)。筋肉組織サンプルをスナップ凍結し、-80℃で保存した。
【0296】
RNA単離及びcDNA合成
組織を、MagNA Lyser Green Beads(Roche)を使用してMagNa Lyser中で粉砕することによって1ml RNA-Bee(Bio-Connect)中でホモジナイズした。製造業者の使用説明書に基づいてホモジネートから全RNAを抽出した。cDNA合成のために、1000ngの全RNAを投入量として使用した。cDNAを、20μlの反応物中で、ランダムヘキサマープライマー及びTranscriptor逆転写酵素を使用し、インキュベーションを、55℃で30分の代わりに50℃で40分行った点を除いて製造業者の使用説明書(Roche)に従って作製した。
【0297】
デジタルドロップレットPCR解析
エキソン51を有する及び有さないジストロフィン転写物産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイは設計されており(Primer Express 3.0.1ソフトウェア;Applied Biosystems)(表2)、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って60℃のアニーリング/伸長温度を使用して20μlの反応容量中で、2μl又は4μlのcDNAで実施した。データは、エキソンスキップパーセンテージ[Nスキップされた/(Nスキップされた+Nスキップされていない)100]として示した。
結果
【0298】
全長ヒトジストロフィンを発現するトランスジェニックhDMDマウスは、マウス実験バックグラウンドにおいてヒト特異的AONのin vivo スクリーニングを可能にする。このモデルは、ジストロフィン欠損ではなく、筋肉病理も有さないことは留意されたい。したがって、筋肉組織によるAONの取り込みは、通常、mdxマウスモデルにおけるものよりも低い。この実験では、12週間の全身(IV)hDMD研究において、5’及び/又は3’BNA-スキャフォールド修飾ヌクレオチドを有する3種のAON(配列番号453、455及び456、LNAスキャフォールド修飾を使用する)を、BNAスキャフォールド修飾ヌクレオチドを有さない同配列のAON(配列番号452)と比較した。図3は、すべてのLNA含有AONについてin vivoエキソン51スキッピングレベルの改善を示し、配列番号455のAONを用いた場合に、配列番号452のAONと比較した場合に最大8倍であった。
【0299】
実施例3(IN VITRO)
AON
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(表3、図4)は、すべての非BNAモノマー中に2’-O-メチル置換を有する全ホスホロチオエート骨格、5-メチルシトシン及びLNAモノマーをもたらす少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾を含んでいた(配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568)。配列番号452を有する対照AONは、2’-O-メチルモノマーを有するホスホロチオエート骨格、シトシンを含んでおり、BNAスキャフォールド修飾を含んでいなかった。AONは、標準ホスホルアミダイトプロトコールによってOP-10シンセサイザー(GE/AKTA Oligopilot)を使用して5μmol規模で合成した。2段階シークエンスでAONを切断し、脱保護し(DEAと、それに続く濃NHOH処置)、アニオン交換クロマトグラフィーによって精製し、サイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩し、凍結乾燥した。質量分析によって、すべてのAONの同一性を確認し、純度(UPLCによって決定された)は、すべてのAONについて許容されるとわかった(>80%)。
【表3】
【0300】
ジムノシスによる取り込み及びcDNA合成
エキソン48~50の欠失(Δ48~50)を有するDMD患者由来の不死化筋芽細胞を、6ウェルプレート中でコンフルエンシーまで培養した。筋管の形成を誘導するために、非GLP標準操作手順に従って、増殖培地を、800nMのAONを補給した低血清分化培地によって7日間置き換えた(3連で)。次いで、全RNAを単離し、1000ngのRNAを、ランダムヘキサマープライマーを使用するcDNA合成のための投入量として使用した。
【0301】
デジタルドロップレット(dd)PCR解析
エキソン51を有する及び有さないジストロフィン転写物産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイが設計されており(表2)、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って60℃のアニーリング/伸長温度を使用して20μlの反応容量中で、1μl(エキソンスキップのない転写物について)又は4μl(エキソンスキップのある転写物について)のcDNAで実施した。データは、エキソンスキップパーセンテージ[Nスキップされた/(Nスキップされた+Nスキップされていない)100]として示した。
【0302】
結果
AONにおける少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾ヌクレオチド(LNAモノマーをもたらす)の実施は、BNAスキャフォールド修飾を有さない同配列のAON(配列番号452に基づく)と比較した場合に、エキソン51スキッピングレベルを改善する。図4は、in vitroでのDMD患者筋肉細胞における800nM濃度の10種のAON(配列番号455、459、4528、4531、4532、4533、4535、4542、4548及び4568)のこの効果を示す。BNAスキャフォールド修飾を有さないAON(配列番号452)と比較して、LNAヌクレオチドを有するAONは、10~40倍高いエキソン51スキッピングレベルを誘導した。
【0303】
実施例4(IN VITRO)
材料及び方法
AON
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(表4、図5)は、2’-O-メチル置換を有する全ホスホロチオエート骨格、5-メチルシトシン及びLNAモノマーをもたらす少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾を含んでいた(配列番号29、3185及び863)。対照AONは、2’-O-メチル置換モノマーのみを有する全ホスホロチオエート骨格、5-メチルシトシンを含んでいたが、BNAスキャフォールド修飾は含んでいなかった(配列番号26、6049及び860;配列番号6049については、これらの修飾は、配列番号6071と同一にする)。AONは、標準ホスホルアミダイトプロトコールによってOP-10シンセサイザー(GE/AKTA Oligopilot)を使用して5μmol規模で合成した。2段階シークエンスでAONを切断し、脱保護し(DEAと、それに続く濃NHOH処置)、アニオン交換クロマトグラフィーによって精製し、サイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩し、凍結乾燥した。質量分析によって、すべてのAONの同一性を確認し、純度(UPLCによって決定された)は、すべてのAONについて許容されるとわかった(>80%)。
【表4】
【0304】
ジムノシスによる取り込み及びcDNA合成
健常ドナー由来の不死化筋芽細胞を、12ウェルプレート中でコンフルエンシーまで培養した。筋管の形成を誘導するために、非GLP標準操作手順に従って、増殖培地を、800nM又は4μMのAONを補給した低血清分化培地によって7日間置き換えた(n=6)。次いで、全RNAを単離し、1000ngのRNAを、ランダムヘキサマープライマーを使用するcDNA合成のための投入量として使用した。
【0305】
デジタルドロップレット(dd)PCR解析
エキソン44、45又は53を有する及び有さないジストロフィン転写物産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイが設計されており(表5)、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って60℃のアニーリング/伸長温度を使用して20μlの反応容量中で、1μl(エキソンスキップのない転写物について)又は4μl(エキソンスキップのある転写物について)のcDNAで実施した。データは、エキソンスキップパーセンテージ[Nスキップされた/(Nスキップされた+Nスキップされていない)*100]として示した。
【表5】
【0306】
結果
DMDエキソン44、エキソン45又はエキソン53を標的化するAONの5’及び3’末端両方でのLNAモノマーをもたらすBNAスキャフォールド修飾の実施は、BNAスキャフォールド修飾を有さない同配列のAONと比較した場合に、in vitroで健常ヒト対照筋管においてエキソンスキッピングレベルを2~3倍改善した。図5は、低(800nM)及び高(4μM)濃度の3種のAON(配列番号29(エキソン44を標的化する)、配列番号3185(エキソン45を標的化する)及び配列番号863(エキソン53を標的化する)のこの効果を示す。健常ヒト筋管におけるエキソンスキップレベルは、通常、DMD患者筋肉細胞において得られるもの(実施例1において使用されたような)よりも低いことは留意されたい。これは、健常筋肉細胞におけるAON誘導性エキソンスキッピングに起因するアウトオブフレーム転写物のナンセンス媒介性崩壊によって説明される。
【0307】
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【0308】
本発明の好ましい実施形態
[実施形態1]
10~33ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドであって、
i)ホスホロチオエート骨格連結によって、及び/又はホスホジエステル連結によって連結された2’-置換モノマーのみ、
ii)5-メチルシトシン塩基、及び
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー
を含み、
前記オリゴヌクレオチドが、ジストロフィンプレmRNAエキソン2~78の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする、オリゴヌクレオチド。
[実施形態2]
配列番号6065~6070から選択されるヌクレオチド配列のうち少なくとも1つ、好ましくは配列番号6067のヌクレオチド配列の、少なくとも10最大33のヌクレオチドの連続ストレッチを含む、実施形態1に記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態3]
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、好ましくは架橋核酸スキャフォールド修飾を含む、1、2、3又は4つのモノマーを含む、実施形態1又は2に記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態4]
少なくとも1つの二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾が、前記オリゴヌクレオチドの末端モノマー中に、好ましくは前記オリゴヌクレオチドの5’末端モノマー中に、より好ましくは前記オリゴヌクレオチドの両方の末端モノマー中に含まれる、実施形態1~3のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態5]
前記二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾の各出現が、
ロックド核酸(LNA)モノマー、コンホメーション的に制限されたヌクレオチド(CRN)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたエチル(cEt)LNAモノマー、(2’-O,4’-C)制約されたメトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー及びそれらの誘導体からなる群から独立に選択されるモノマーをもたらし、
好ましくは、LNAモノマー、ENAモノマー、cEt BNAモノマー、オキソ-CBBNモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー及びcMOE BNAモノマーからなる群から選択されるモノマーをもたらし、
より好ましくは、LNAモノマー、ENAモノマー、cEt BNAモノマー又はcMOE BNAモノマーからなる群から選択されるモノマーをもたらし、
最も好ましくは、BNAスキャフォールド修飾が、LNAモノマーをもたらす、実施形態1~4のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態6]
前記2’-置換モノマーが、2’-置換RNAモノマー、2’-Fモノマー、2’-アミノモノマー、2’-O-置換モノマー、2’-O-メチルモノマー又は2’-O-(2-メトキシエチル)モノマー、好ましくは、2’-O-メチルモノマーである、実施形態1~5のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態7]
すべてのシトシン塩基が5-メチルシトシン塩基であり、及び/又はすべてのウラシル塩基が5-メチルウラシル塩基である、実施形態1~6のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態8]
前記オリゴヌクレオチドの長さが、34ヌクレオチド未満である、実施形態1~7のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態9]
エキソン認識配列(ERS)、エキソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)、SRタンパク質結合部位、又は別のスプライシングエレメント、シグナル若しくは構造の少なくとも一部と、相補的である、又はそれと結合する、又はそれを標的化する、又はそれとハイブリダイズする配列を含む又はからなる、実施形態1~8のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態10]
前記オリゴヌクレオチドが、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節が、タンパク質の産生又は組成を変更し、好ましくは、前記プレmRNAスプライシング調節がエキソンスキッピング又はエキソン包含を含み、最も好ましくは、前記RNA調節が、エキソンスキッピングを含む、実施形態1~9のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態11]
二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含まない対応するオリゴヌクレオチドと比較して改善されたパラメータを有する、実施形態1~10のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態12]
a)少なくとも1つのモノマーが、式I
【化17】

[式中、
Bは、核酸塩基であり、
Xは、F、-NR又は-ORであり、
Rは、アルケニル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ、OR、NR又はSRであり、
は、ハロ、ヒドロキシ又はアルキルで各々独立に任意選択でさらに置換された、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、
は、H又はアルキルであり、
【化18】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有し、
b)少なくとも1つのモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、式II
【化19】

[式中、
は、核酸塩基であり、
Z-Yは、-(CHO-、-C(CHCH)O-、-CHWCH-、-(CHNR-、-CHS(O)-、-CH(CH)O-、-CH(CHOCH)O-、-CHN(R)O-、-CHCH-、-C(O)NR-、-CH=CHO-、-CHSONR-及び-NHC(O)NH-から選択される二価の基であり、
nは、1又は2であり、
mは、0、1又は2であり、
Wは、O、S又はNRであり、
は、H、-C(O)R、-C(=NH)NR、ベンジル又は任意選択で置換されたアルキルであり、任意選択の置換基は、存在する場合、ハロ及びアルコキシから選択され、
は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであり、
は、H又はアルキルであり、

【化20】

は、オリゴヌクレオチドの残部との結合点を示す]
を有する、実施形態1~11のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド。
[実施形態13]
実施形態1~12のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、好ましくは、組織及び/若しくは細胞への、並びに/又は組織及び/若しくは細胞中への、前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達の増強にさらに役立ち得る少なくとも1種の賦形剤を含む、組成物。
[実施形態14]
薬剤として使用するための、好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する及び/又は遅延させるための、実施形態1~12のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド又は実施形態13に記載の組成物。
[実施形態15]
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を予防する、治療する及び/又は遅延させるための方法であって、対象に、実施形態1~12のいずれか一つに記載のオリゴヌクレオチド又は実施形態13に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
【配列表】
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