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特開2023-24971自動運転支援装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024971
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】自動運転支援装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/0969 20060101AFI20230214BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230214BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20230214BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20230214BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20230214BHJP
【FI】
G08G1/0969
G01C21/26 C
G01C21/34
B60W40/02
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163152
(22)【出願日】2022-10-11
(62)【分割の表示】P 2021015155の分割
【原出願日】2016-03-22
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2015/058881
(32)【優先日】2015-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】321011767
【氏名又は名称】ジオテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】幸田 健志
(72)【発明者】
【氏名】水戸 研司
(72)【発明者】
【氏名】中尾 和浩
(72)【発明者】
【氏名】波多野 誠
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB26
2F129BB33
2F129CC03
2F129CC06
2F129CC18
2F129DD19
2F129DD45
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE62
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF37
2F129FF59
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
3D241BA26
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB20Z
3D241DC34Z
3D241DC35Z
3D241DC39Z
3D241DC50Z
3D241DC51Z
3D241DC59Z
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC24
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】実行可能な自動運転の機能及び程度を好適に判定することが可能な自動運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置1は、車両周辺の情報又は車両の状態に関する情報を取得するセンサ部13の出力に基づき自動運転を行うものであって、自動運転対応情報24等に基づいた自動運転判定テーブルTjを記憶する。そして、運転支援装置1は、自動運転判定テーブルTjを参照し、センサ部13に関するセンサ情報23と、所定の道路区間における道路に関する道路エレメント情報Ieとに基づいて、上述の所定の道路区間において実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項2】
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記機能の程度ごとに前記第2情報に関する条件を示したテーブル情報に基づいて、前記判定を行うことを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項3】
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、
前記周辺情報取得部が取得した周辺情報に基づいて、前記車両の自動運転を行う自動運転制御部と、
を備え、
前記第2取得部は、前記車両の現在位置に対応する区間における前記第2情報を取得し、
前記判定部は、前記現在位置に対応する区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、
前記自動運転制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記現在位置に対応する区間において実行する自動運転の機能及び程度を決定することを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項4】
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
指定された目的地までの経路の候補を探索する経路探索部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、
前記経路の候補から推奨経路を選択する推奨経路決定部と、
を備え、
前記第2取得部は、前記候補に含まれる各区間に対応する第2情報を取得し、
前記判定部は、前記候補に含まれる各区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、
前記推奨経路決定部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記推奨経路を選択することを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項5】
車両が実施可能な自動運転に関する複数の機能の程度に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項6】
前記周辺情報取得部が取得した周辺情報に基づいて、前記車両の自動運転を行う自動運転制御部を備え、
前記第2情報は、前記自動運転を行うために前記周辺情報取得部により検出される対象物に関する情報であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
【請求項7】
自動運転支援装置が実行する制御方法であって、
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得工程と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得工程と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
コンピュータが実行するプログラムであって、
車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、
道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定部と、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の走行を自動制御する所謂自動運転の技術が知られている。自動運転を実行する場合には、例えば、カメラなどの外界センサを用いて、白線や前方車両などの自車両周辺の情報を認識することや、加速度センサやジャイロ等の内界センサを用いて車両の姿勢や状態を把握する必要がある。特許文献1には、車両に設置されたカメラの画像等に基づいて走行中の車線や静止物標を認識する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-093018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両自体が自動運転のためのセンサを備えていたとしても、そのセンサの認識の対象となる「対象物」が存在しないような場所、あるいは存在したとしても検出できないような状況においては、そのセンサを活用した、自動運転を実行することができない。例えば、白線等が存在しない道路区間では、白線情報を車両の制御に利用する類の自動運転を実行できない。また、自動運転の機能や程度によって、必要なセンサの種類や精度が異なる。従って、実行可能な自動運転の機能や程度が車両ごとに異なることになる。これらの問題点について、特許文献1は何ら開示していない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実行可能な自動運転の機能及び程度を好適に判定することが可能な自動運転支援装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定部と、を備えることを特徴とする自動運転支援装置である。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記機能の程度ごとに前記第2情報に関する条件を示したテーブル情報に基づいて、前記判定を行うことを特徴とする自動運転支援装置である。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、前記周辺情報取得部が取得した周辺情報に基づいて、前記車両の自動運転を行う自動運転制御部と、を備え、前記第2取得部は、前記車両の現在位置に対応する区間における前記第2情報を取得し、前記判定部は、前記現在位置に対応する区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、前記自動運転制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記現在位置に対応する区間において実行する自動運転の機能及び程度を決定することを特徴とする自動運転支援装置である。
また、請求項に記載の発明は、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、指定された目的地までの経路の候補を探索する経路探索部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、前記経路の候補から推奨経路を選択する推奨経路決定部と、を備え、前記第2取得部は、前記候補に含まれる各区間に対応する第2情報を取得し、前記判定部は、前記候補に含まれる各区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、前記推奨経路決定部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記推奨経路を選択することを特徴とする自動運転支援装置である。
また、請求項に記載の発明は、車両が実施可能な自動運転に関する複数の機能の程度に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能ごとに、前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、を備えることを特徴とする自動運転支援装置である。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、自動運転支援装置が実行する制御方法であって、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得工程と、道路に関する第2情報を取得する第2取得工程と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータが実行するプログラムであって、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記車両が実現可能な自動運転に関する機能と、自動運転時での当該機能の程度と、を判定する判定部と、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】自動運転システムの概略構成である。
図2】運転支援装置のブロック構成を示す。
図3】走行区間変換テーブル及び自動運転データエレメントテーブルのデータ構造の一例である。
図4】自動運転判定テーブル及び自動運転データエレメントの具体例を示す。
図5】経路探索処理のフローチャートである。
図6】自動運転処理のフローチャートである。
図7】運転支援装置の表示の一例である。
図8】経路選択画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施形態によれば、自動運転支援装置は、車両周辺の情報又は車両の状態に関する情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、所定の区間における、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記所定区間において前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、を備える。
【0013】
本発明における「自動運転」とは、どのような環境下においても運転者が全く運転動作に介入しない「完全な自動運転」のみならず、特定の環境・条件が揃った場合にのみ運転者が運転操作を行う必要のない「一時的な自動運転」も含むものとする。また、本発明における「自動運転」とは、運転者が運転操作を行う場合であっても、運転者の運転負荷を軽減したり、車両の走行の安定性を維持するような目的で、運転の一部(例えば、車両の操舵等)を自動で制御するような「部分的な自動運転」(運転支援機能)も含むものとする。自動運転支援装置は、この態様により、周辺情報取得部に関する第1情報と、道路に関する第2情報とに基づき、自動運転の機能ごとに、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。
【0014】
上記自動運転支援装置の一態様では、前記判定部は、前記機能の程度ごとに前記第2情報に関する条件を示したテーブル情報に基づいて前記判定を行う。自動運転支援装置は、この態様により、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を的確に判定することができる。
【0015】
上記自動運転支援装置の他の一態様では、前記判定部は、前記自動運転に関する複数の機能のうち、前記所定区間において前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する。この態様により、自動運転支援装置は、複数の自動運転の機能から、所定区間において実行可能な機能及び程度を好適に判定することができる。
【0016】
上記自動運転支援装置の他の一態様では、自動運転支援装置は、前記周辺情報取得部が取得した周辺情報に基づいて、前記車両の自動運転を行う自動運転制御部を備え、前記第2情報は、前記自動運転を行うために前記周辺情報取得部により検出される対象物に関する情報である。一般に、自動運転を行うための対象物がない道路では、自動運転を実行することができない。よって、この態様では、自動運転支援装置は、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。
【0017】
上記自動運転支援装置の他の一態様では、自動運転支援装置は、前記周辺情報取得部が取得した周辺情報に基づいて、前記車両の自動運転を行う自動運転制御部を備え、前記第2取得部は、前記車両の現在位置に対応する区間における前記第2情報を取得し、前記判定部は、前記現在位置に対応する区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、前記自動運転制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記現在位置に対応する区間において実行する自動運転の機能及び程度を決定する。この態様により、自動運転支援装置は、現在車両が走行中の区間において実行可能な自動運転の機能及び程度を判定して自動運転を実行することができる。
【0018】
本発明の他の好適な実施形態によれば、自動運転支援装置は、車両周辺の情報を取得する周辺情報取得部の種類又は性能に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、所定の区間における、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記所定区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、を備える。一般に、周辺情報取得部の種類や性能に応じて、実現可能な自動運転の機能及び程度は異なる。よって、この態様では、自動運転支援装置は、第1情報と第2情報とに基づいて、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。
【0019】
上記自動運転支援装置の他の一態様では、自動運転支援装置は、外部入力により指定された目的地までの経路の候補を探索する経路探索部と、前記経路の候補から推奨経路を選択する推奨経路決定部と、をさらに有し、前記第2取得部は、前記候補に含まれる各区間に対応する第2情報を取得し、前記判定部は、前記候補に含まれる各区間において前記車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度の判定を行い、前記推奨経路決定部は、前記判定部による判定結果に基づき、前記推奨経路を選択する。この態様により、自動運転支援装置は、各区間における自動運転の各機能の程度を考慮して推奨経路を好適に選択することができる。
【0020】
本発明の他の好適な実施形態によれば、自動運転支援装置は、車両が実施可能な自動運転に関する機能の程度に関する第1情報を取得又は記憶する第1取得部と、所定の区間における、道路に関する第2情報を取得する第2取得部と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記所定区間において前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定部と、を備える。自動運転支援装置は、この態様により、車両が実施可能な自動運転に関する機能の程度を勘案し、自動運転の機能ごとに、所定区間において車両が実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。
【0021】
本発明の他の好適な実施形態によれば、自動運転支援装置が実行する制御方法であって、車両周辺の情報又は車両の状態に関する情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報と、所定の区間における、道路に関する第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記所定区間において前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定工程を有する。自動運転支援装置は、この制御方法を実行することで、自動運転の機能ごとに、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。
【0022】
本発明の他の好適な実施形態によれば、コンピュータが実行するプログラムであって、車両周辺の情報又は車両の状態に関する情報を取得する周辺情報取得部に関する第1情報と、所定の区間における、道路に関する第2情報とに基づいて、自動運転の機能ごとに、前記所定区間において前記車両が実現可能な前記自動運転に関する機能の程度を判定する判定部として前記コンピュータを機能させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、自動運転の機能ごとに、所定区間において実現可能な自動運転に関する機能の程度を好適に判定することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0023】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0024】
[自動運転システムの概要]
図1は、本実施例に係る自動運転システムの概略構成である。自動運転システムは、各車両と共に移動する運転支援装置1と、各運転支援装置1とネットワーク9を介して通信を行うサーバ装置2とを備える。そして、自動運転システムは、自動運転に関する各機能の実行可否を考慮した経路探索や、走行中の道路状況に応じた自動運転を好適に運転支援装置1に実行させる。
【0025】
運転支援装置1は、据置型の運転支援装置又はスマートフォンなどの携帯端末であって、自車位置が属するエリアに応じて、当該エリアの地図データ「D1」をサーバ装置2の配信地図DB21から取得し、部分地図DB20として記憶する。そして、運転支援装置1は、部分地図DB20を参照し、ユーザが設定した目的地への経路探索や、設定された経路に基づく案内等を行う。
【0026】
また、運転支援装置1は、カメラなどから構成されるセンサ13の出力に基づき、一部又は全部の運転操作を半自動又は全自動で行う自動運転を行う。ここで、運転支援装置1は、自動化する運転機能(「自動運転機能Fc」とも呼ぶ。)ごとに分けて自動運転の実行可否を判定する。各自動運転機能Fcには、自動化の程度に応じたレベル(「自動化レベルLv」とも呼ぶ。)が規定されており、運転支援装置1は、各自動運転機能Fcについて、実行可能な自動化レベルLvを判定し、判定結果に基づき自動運転や経路探索を行う。運転支援装置1は、本発明における「自動運転支援装置」の一例である。
【0027】
なお、自動運転機能Fcは、例えば、レーンキープ機能(LKA:Lane Keeping Assist)、自動操舵機能、速度調整機能などを含む。自動化レベルLvは、例えば、警告や通知のみを行う場合をレベル1、所定の条件のときに該当の機能に関する運転が一時的に自動化する場合をレベル2、該当の機能に関する運転が全自動となる場合をレベル3、というようにレベルが高いほど高機能となる。
【0028】
サーバ装置2は、配信地図DB21を記憶し、運転支援装置1からの要求に応じて、要求元の運転支援装置1が存在するエリアに対応する地図データD1を配信地図DB21から抽出して送信する。
【0029】
[ブロック構成]
図2は、運転支援装置1の機能的構成を表すブロック図を示す。図2に示すように、運転支援装置1は、主に、通信部11と、記憶部12と、センサ部13と、入力部14と、制御部15と、出力部16とを有する。
【0030】
通信部11は、制御部15の制御に基づき、サーバ装置2から地図データD1を取得し、取得した地図データD1を部分地図DB20に登録する。この場合、地図データを取得する通信部11は、例えば、部分地図DB20に地図データが登録されていないエリアに進入予定の場合、又は近付いた場合に、当該エリアを指定する情報をサーバ装置2へ送信することで、上述のエリアの地図データD1を取得する。また、通信部11は、制御部15の制御に基づき、天候情報を配信するサーバ装置等から天候情報を取得する。
【0031】
記憶部12は、制御部15が実行するプログラムや、制御部15が所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施例では、記憶部12は、自動運転データエレメントテーブルTeを含む部分地図DB20と、センサ情報23と、自動運転対応情報24と、道路区間変換テーブルTcと、自動運転判定テーブルTjとを記憶する。
【0032】
センサ情報23は、センサ部13の各センサの種類や性能を表す情報である。センサ情報23は、例えば、センサ部17の各センサの識別情報であるハードウェアIDと、当該ハードウェアIDが示すセンサの種類情報及び性能情報とが関連付けられた情報である。センサ情報23は、本発明における「第1情報」の一例である。自動運転対応情報24は、運転支援装置1を搭載する車両が対応している自動運転機能Fc及びその自動化レベルLvを示す情報である。自動運転対応情報24は、後述する自動運転判定テーブルTjに組み込まれている。自動運転対応情報24は、本発明における「第1情報」の一例である。
【0033】
自動運転データエレメントテーブルTeは、道路区間ごとに実行可能な各自動運転機能Fcの自動化レベルLvを判定するために必要な道路に関する情報(「道路エレメント情報Ie」とも呼ぶ。)が登録されたテーブルである。上述の道路区間は、任意に道路を区切った単位区間を示し、例えば、地図データ上での道路を表すリンクに対応してもよい。道路区間変換テーブルTcは、各道路区間及び車線に対応する緯度経度の範囲を規定したテーブルである。また、自動運転判定テーブルTjは、自動運転の判定対象の道路区間に対応する道路エレメント情報Ie及びセンサ情報23に基づき、実行可能な各自動運転機能Fcの自動化レベルLvを判定するためのテーブルである。自動運転データエレメントテーブルTe、道路区間変換テーブルTc、及び自動運転判定テーブルTjのデータ構造については後述する。記憶部12は、本発明における「第1取得部」の一例である。
【0034】
センサ部13は、車両の状態を検出する内界センサ及び車両の周辺環境を認識するための外界センサから構成され、カメラ31と、ライダ(LIDAR:Laser Illuminated Detection And Ranging)(又は/及びレーダ)32と、GPS受信機33と、加速度センサ34と、速度センサ35などを含む。カメラ31は、外界の状況を表す色付きの画像を生成する。ライダ32は、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の位置を3次元の点群として認識する。GPS受信機33は、現在の車両の位置を表す緯度及び経度の位置情報を生成する。加速度センサ34は、車両の加速度を検出する。速度センサ35は、車両の速度を検出する。なお、センサ部13は、車両の姿勢(向きなど)を認識して他のセンサの取得データを補正するための慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)やジャイロセンサなどを備えてもよい。また、センサ部13は、雨滴センサ(レインセンサ)や霧センサなどの天候状態を測定するセンサを含んでもよい。この場合、制御部15は、通信部11から取得する天候情報に加えて、又はこれに代えて、センサ部13の出力に基づき現在の天候状態を判定し、天候情報を生成する。センサ部13は、本発明における「周辺情報取得部」の一例である。
【0035】
入力部14は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ、音声入力装置等であり、経路探索のための目的地を指定する入力、自動運転のオン及びオフを指定する入力などを受け付ける。また、入力部14は、乗車した人物の運転能力に関する情報(例えば、運転免許の有無、運転スキル等)を受け付けても良い。また、入力部14が受け付けた情報は、制御部15の制御に基づき、記憶部12に記憶させるようにしてもよい。なお、制御部15は、入力部14へのユーザ入力に基づき運転能力に関する情報を取得する代わりに、認証手段により運転手の個人認証を行い、認証されたユーザに紐付けられた運転能力に関する情報を電子的に取得してもよい。この場合、例えば、制御部15は、生体認証又は個人ICカード等の読み取り等により運転手を特定するID等を取得し、運転操作履歴情報や免許取得情報等の個人と紐付けられた情報を管理するサーバ装置に対し、生体認証等により取得したIDを指定した要求信号を通信部11により送信する。そして、制御部15は、上述のサーバ装置から、要求信号において指定したIDに対応する運転者の運転能力に関する情報等を、通信部11により受信する。このように、制御部15は、運転能力に関する情報を電子的に取得してもよい。
【0036】
制御部15は、プログラムを実行するCPUなどを含み、運転支援装置1の全体を制御する。本実施例では、制御部15は、各道路区間での実行可能な自動運転機能Fcの自動化レベルLvを考慮した推奨経路を検索する処理(「経路検索処理」とも呼ぶ。)を実行する。また、制御部15は、車両が走行中の道路区間で実行可能な自動運転機能Fcの自動化レベルLvを認識して当該自動化レベルLvに応じた自動運転を行う処理(「自動運転処理」とも呼ぶ。)を実行する。制御部15は、経路探索部51と、候補経路内区間指定部52と、走行区間判定部53と、道路エレメント情報抽出部54と、自動運転機能判定部55と、推奨経路特定部56と、自動運転制御部57とを有する。
【0037】
経路探索部51は、入力部14により目的地が入力された場合に、現在位置から目的地への案内経路の候補(「候補経路」とも呼ぶ。)を検索する。この場合、例えば、経路探索部51は、自動運転に関する条件以外の条件に基づき、複数の候補経路を検索する。候補経路内区間指定部52は、経路探索部51が検索した候補経路に属する各道路区間を認識し、認識した道路区間の識別情報を、道路エレメント情報抽出部54に供給する。
【0038】
走行区間判定部53は、センサ部13の出力、及び部分地図DB20等の情報に基づき認識した現在位置を示す情報(「現在位置情報」とも呼ぶ)から、車両が現在走行中の道路区間(「走行区間」とも呼ぶ。)及び車線(「走行車線」とも呼ぶ。)を認識する。そして、走行区間判定部53は、認識した走行区間及び走行車線の情報を道路エレメント情報抽出部54に供給する。
【0039】
道路エレメント情報抽出部54は、自動運転データエレメントテーブルTeを参照し、候補経路内区間指定部52が指定した各候補経路の道路区間に対応する道路エレメント情報Ie等を抽出する。同様に、道路エレメント情報抽出部54は、走行区間判定部53から走行区間及び走行車線を指定する情報を受信した場合、指定された走行区間及び走行車線に対応する道路エレメント情報Ie等を、自動運転データエレメントテーブルTeから抽出する。そして、道路エレメント情報抽出部54は、抽出した道路エレメント情報Ieの情報等を自動運転機能判定部55へ送信する。道路エレメント情報抽出部54は、本発明における「第2取得部」の一例であり、道路エレメント情報Ieは、本発明における「第2情報」の一例である。
【0040】
自動運転機能判定部55は、自動運転判定テーブルTjを参照し、道路エレメント情報抽出部54から受信した道路エレメント情報Ieと、センサ情報23が示すセンサの種類とに基づき、候補経路の各道路区間又は走行区間で実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定する。また、自動運転機能判定部55は、候補経路の各道路区間又は走行区間で実行可能な自動運転機能Fc又は所定の自動運転機能Fcの自動化レベルLvの少なくとも一方だけを判定するようにしてもよい。また、自動運転機能判定部55は、自動運転判定テーブルTjおよび、道路エレメント情報抽出部54から受信した道路エレメント情報Ieのデータ構造によっては、候補経路の各道路区間又は走行区間に対応する車線ごとに(すなわち車線単位で)、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定するようにしてもよい。また、自動運転機能判定部55は、該当する候補経路の各道路区間また走行区間における天候を示す天候情報に更に考慮して、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、天候が悪いと予測される場合については、天候が良いと予測される場合と比べて、自動化レベルLvが低くなるように判定するようにしてもよい。これは、一般的に、悪天候の場合は、自動運転に用いられるセンサ等の検出精度が低下すること等に起因して、天気が良い場合に比べて自動運転が困難となることが予想されるためである。また、自動運転機能判定部55は、該当する候補経路の各道路区間また走行区間が自動運転車両専用レーンである場合は、該当する候補経路の各道路区間また走行区間が自動運転車両専用レーンでない場合に比べて、自動化レベルLvが高くなるように判定するようにしてもよい。
【0041】
また、自動運転機能判定部55は、入力部14によって、搭乗者(運転車)の運転能力に関する情報を受け付けた場合、当該運転能力に関する情報を更に考慮して、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定するようにしてもよい。例えば、搭乗者の運転能力が低い場合は、自動化レベルLvがレベル3以下の制御を禁止し、自動化レベルLvがレベル4の制御のみを実行させるようにしても良い。
そして、自動運転機能判定部55は、候補経路の各道路区間での実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvに関する判定結果を、推奨経路特定部56へ供給する。また、自動運転機能判定部55は、走行区間での各自動運転機能Fcの実行可能な自動化レベルLvの判定結果を、自動運転制御部57へ供給する。自動運転機能判定部55は、本発明における「判定部」の一例である。
【0042】
推奨経路特定部56は、自動運転機能判定部55による候補経路の各道路区間での自動化レベルLvの判定結果に基づき、ユーザに提示する推奨経路を決定する。この場合、推奨経路特定部56は、例えば、各候補経路のうち、実行可能な自動運転機能Fcの平均数が最も多い候補経路を、推奨経路に設定してもよい。他の例では、推奨経路特定部56は、各候補経路のうち、ユーザが入力部14により指定した自動運転機能Fcの自動化レベルLvの平均が最も高い候補経路を、推奨経路に設定してもよい。そして、推奨経路特定部56は、設定した推奨経路の情報を、出力部16に表示させる。
【0043】
自動運転制御部57は、設定された経路に基づき、センサ部13の出力情報を利用して車両の自動運転を行う。本実施例では、自動運転制御部57は、自動運転機能判定部55による判定結果に基づき、現在の走行区間で実行可能な自動運転機能Fc及び対応する自動化レベルLvを決定する。そして、推奨経路特定部56は、例えば、実行可能な自動運転機能Fcを、実行可能な自動化レベルLvのうち最も高いレベルにより実行する。
【0044】
出力部16は、例えば、ディスプレイやスピーカ等であり、設定された目的地までの経路の案内に必要な情報を出力する。また、出力部16は、推奨経路特定部56が特定した推奨経路を表示する。そして、出力部16が表示した推奨経路により案内を開始する旨の入力が入力部14へなされた場合、運転支援装置1は、推奨経路により自動運転を開始する。
【0045】
[データ構造]
図3(A)は、道路区間変換テーブルTcのデータ構造の一例を示す。図3(A)に示す道路区間変換テーブルTcでは、現在位置情報と、当該現在位置情報が示す位置に存在する道路区間を表す道路区間情報と、上記現在位置情報が示す位置に存在する車線を表す車線情報とが少なくとも関連付けられている。走行区間判定部53は、図3(A)に示す道路区間変換テーブルTcを参照することで、センサ部13、及び部分地図DB20等から取得した現在位置を示す現在位置情報に基づき、車両が存在する走行区間及び走行車線を認識する。
【0046】
図3(B)は、自動運転データエレメントテーブルTeのデータ構造の一例を示す。図3(B)に示す自動運転データエレメントテーブルTeでは、道路区間情報と、車線情報と、道路エレメント情報Ieと、後述する道路属性情報とが少なくとも関連付けられている。ここで、道路属性情報は、対応する道路区間における道路の状態を示す情報であり、例えば、道路区間における高低差、平均バンク角、路面状態(砂利道又は舗装道路等)などの情報を含む。道路エレメント情報抽出部54は、図3(B)に示す自動運転データエレメントテーブルTeを参照することで、候補経路内区間指定部52又は走行区間判定部53で指定された道路区間に対応する道路エレメント情報Ie及び道路属性情報等を抽出する。
【0047】
図3(C)は、ある道路区間に関連付けられた道路エレメント情報Ieのデータ構造の一例を示す。図3(C)に示す道路エレメント情報Ieは、自動運転の可否に利用する道路情報の分類を示す「カテゴリー」の項目と、各カテゴリーをさらに分類した「サブカテゴリー」の項目と、サブカテゴリーが示す情報又は対象物の有無を示す「有無」の項目と、サブカテゴリーが示す情報又は対象物の詳細情報を示す「属性情報」の項目とを有する。なお、説明便宜上、図3(C)に示す「属性情報」の項目の一部には、属性情報に登録され得る情報の種別が例示されているが、実際には例示された種別を特定する具体的な情報が登録される。
【0048】
図3(C)の例では、カテゴリー「ペイント情報」に対し、4つのサブカテゴリー「センターライン」、「路肩ライン」、「文字・図形・矢印」、「横断歩道」が存在し、対象となる道路区間では、センターライン及び路肩ラインが存在する。そして、この場合、道路エレメント情報Ieには、対象となる道路区間に存在するセンターライン及び路肩ラインに対応する属性情報として、色、線種、幅等の情報が含まれる。同様に、カテゴリー「車線情報」には、7つのサブカテゴリーが存在し、そのうち、対象となる道路区間では、車線数の情報のみが存在する。この場合、道路エレメント情報Ieには、サブカテゴリー「車線数」の属性情報として、車線数の情報が含まれる。また、カテゴリー「ランドマーク情報」には、4つのサブカテゴリーが存在し、そのうち、対象となる道路区間では、電柱及び道路標識が存在する。この場合、道路エレメント情報Ieには、サブカテゴリー「電柱」に対応する属性情報として、電柱の位置、高さ、幅、平均間隔等が含まれており、サブカテゴリー「道路標識」に対応する属性情報として、道路標識の種類を示す情報が含まれる。なお、図3(C)における「センターライン」、「路肩ライン」、「文字・図形・矢印」、「横断歩道」、「電柱」、「ガードレール」、「道路標識」、「信号」は、本発明における「対象物」の一例である。
【0049】
図4(A)は、自動運転判定テーブルTjのデータ構造の一例を示す。図4(A)に示す自動運転判定テーブルTjでは、自動運転機能Fcの自動化レベルLvごとに、「車種対応」、「使用センサ」、及び「適用条件」の各項目が関連付けられている。ここで、「車種対応」の項目は、自動運転対応情報24に基づき生成された項目であり、運転支援装置1を搭載する車両の自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの各組への対応の有無を示す。また、「使用センサ」の項目は、対応する自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を実行する場合に使用するセンサを示す。「適用条件」の項目は、対応する自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を実行するのに必要な道路エレメント情報Ieに関する条件を示す。図4(A)の「適用条件」の項目では、説明便宜上、道路エレメント情報Ieに関する条件がアルファベット(ここではA~D)により抽象化して表されている。また、図4(A)では、自動運転機能Fcとして、自動化レベルLvが3段階存在する機能αと自動化レベルLvが2段階存在する機能βとが規定されており、この例においては、運転支援装置1の車両は、機能αの全レベル及び機能βのレベル2に対応している事を示す。
【0050】
ここで、図4(A)に示す自動運転判定テーブルTjを参照して自動運転機能判定部55が各自動運転機能Fcの自動化レベルLvの実行可否を判定する具体例について説明する。図4(B)は、図4(A)と同様に道路エレメント情報Ieを抽象化した自動運転データエレメントテーブルTeを示す。図4(B)の例では、道路エレメント情報IeのサブカテゴリーがA~Dの4つ存在するものとし、サブカテゴリーごとの対応の有無(即ち図3(C)の項目「有無」の情報)を「○」または「×」により表している。
【0051】
例えば、道路区間アの車線1を対象とする場合、自動運転機能判定部55は、自動運転データエレメントテーブルTeを参照し、道路エレメント情報Ieのうち、各サブカテゴリーA、B、Dが存在し、サブカテゴリーCが存在しないことを認識する。よって、自動運転機能判定部55は、図4(A)の自動運転判定テーブルTjを参照し、機能αのレベル1、2と、機能βのレベル1が適用条件を満たすと判定する。また、自動運転機能判定部55は、センサ部13がカメラ31及びライダ32を有することをセンサ情報23から認識し、機能αのレベル1、2及び機能βのレベル1を実行可能なセンサを車両が有していると判断する。一方、自動運転機能判定部55は、車両が機能βのレベル1に対応していないことから、機能βのレベル1については実行できないと判断する。従って、自動運転機能判定部55は、道路区間アの車線1では、機能αのレベル1及び2が実行可能であると判断する。よって、道路区間アの車線1の走行時には、自動運転制御部57は、例えば、自動化の程度が高い機能αのレベル2を実行する。
【0052】
他の例として、道路区間アの車線2を対象とする場合、自動運転機能判定部55は、自動運転データエレメントテーブルTeを参照し、道路エレメント情報Ieのうち、各サブカテゴリーA、Dが存在し、サブカテゴリーB、Cが存在しないことを認識する。よって、自動運転機能判定部55は、図4(A)の自動運転判定テーブルTjを参照し、機能αのレベル1と、機能βのレベル1が適用条件を満たすと判定する。また、自動運転機能判定部55は、センサ部13としてカメラ31及びライダ32を有することから、機能αのレベル1及び機能βのレベル1を実行可能なセンサを有していると判断する。一方、自動運転機能判定部55は、車両が機能βのレベル1に対応していないことから、機能βのレベル1については実行できないと判断する。従って、自動運転機能判定部55は、道路区間アの車線1では、機能αのレベル1が実行可能であると判断する。よって、道路区間アの車線1の走行時には、自動運転制御部57は、機能αのレベル1を実行する。
【0053】
なお、候補経路の各道路区間の自動運転機能の可否を判定する場合には、車線が指定されずに道路区間のみが指定される。この場合、例えば、自動運転機能判定部55は、候補経路の各道路区間内で通行可能な車線から任意の車線を、対象の候補経路を利用する場合に通過する車線とみなして推奨経路を決定してもよい。他の例では、自動運転機能判定部55は、対象となる道路区間内で通行可能な車線のうち最も利用可能な自動運転機能Fcが多い車線又は利用可能な自動運転機能Fcの自動化レベルLvが高い車線を、対象の候補経路を利用する場合に通過する車線とみなして推奨経路を選択してもよい。
【0054】
[処理フロー]
(1)経路探索処理
図5は、運転支援装置1が実行する経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
【0055】
まず、運転支援装置1は、目的地を指定する入力を入力部14により受け付ける(ステップS101)。そして、運転支援装置1の経路探索部51は、入力された目的地までの候補経路を探索する(ステップS102)。この場合、経路探索部51は、例えば、自動運転の可否に関する条件以外の一般的条件(例えば、距離、料金等)を勘案して、所定個数分の候補経路を探索する。そして、道路エレメント情報抽出部54は、経路探索部51が探索した候補経路の各道路区間に対応する道路エレメント情報Ieを、自動運転データエレメントテーブルTeから抽出することで取得する(ステップS103)。
【0056】
次に、自動運転機能判定部55は、道路エレメント情報抽出部54が取得した道路エレメント情報Ieと、センサ情報23と、記憶部12が記憶する自動運転判定テーブルTjとを参照し、候補経路の各道路区間で実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を認識する(ステップS104)。
【0057】
そして、推奨経路特定部56は、ステップS104での判定結果に基づき、ユーザに提示すべき推奨経路を候補経路から選定し、当該推奨経路を出力部16によりユーザに提示する(ステップS105)。この場合、例えば、推奨経路特定部56は、実行可能な自動運転機能Fcが多い又は実行する自動運転機能Fcの自動化レベルLvが高い道路区間からなる候補経路を推奨経路として選定する。その後、運転支援装置1は、ユーザ入力に基づき、推奨経路を目的地までの案内経路として設定し、当該案内経路に基づき自動運転を開始する。これにより、運転支援装置1は、ユーザの運転操作の負担が少ない経路を優先的に案内することができる。
【0058】
(2)自動運転処理
図6は、運転支援装置1が実行する自動運転処理の手順を示すフローチャートである。
【0059】
まず、走行区間判定部53は、センサ部13と、部分地図DB20等によって得られた現在位置情報から、道路区間変換テーブルTcを参照して、車両が走行中の走行区間及び走行車線を認識する(ステップS201)。そして、道路エレメント情報抽出部54は、ステップS201で特定された走行区間及び車線に対応する道路エレメント情報Ieを、自動運転データエレメントテーブルTeから抽出することで取得する(ステップS202)。
【0060】
次に、自動運転機能判定部55は、道路エレメント情報抽出部54が取得した道路エレメント情報Ieと、センサ情報23と、記憶部12が記憶する自動運転判定テーブルTjとを参照し、現在走行中の走行区間及び車線で実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を認識する(ステップS203)。そして、自動運転制御部57は、ステップS203で実行可能と判定された自動運転機能Fcを、実行可能な自動化レベルLvにより実行することで、自動運転を行う(ステップS204)。この場合、自動運転制御部57は、例えば、実行可能な自動運転機能Fcの自動化レベルLvが複数ある場合には、最も高い自動化レベルLvにより当該自動運転機能Fcを実行するとよい。
【0061】
以上説明したように、本実施例に係る運転支援装置1は、車両周辺の情報又は車両の状態に関する情報を取得するセンサ部13の出力に基づき自動運転を行うものであって、自動運転対応情報24等に基づいた自動運転判定テーブルTjを記憶する。そして、運転支援装置1は、自動運転判定テーブルTjを参照し、センサ部13に関するセンサ情報23と、所定の道路区間における道路に関する道路エレメント情報Ieとに基づいて、上述の所定の道路区間において車両が実現可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定する。このようにすることで、運転支援装置1は、車両が実現可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を道路区間ごとに好適に認識することができる。
【0062】
[表示例]
次に、実施例における運転支援装置1の表示例について説明する。図7は、案内経路の決定後における運転支援装置1の表示の一例である。
【0063】
図7の表示例において、上述した経路探索処理のS101にて受け付けた目的地が地点Gであり、経路探索における出発地点(現在位置又は出発地点として指定された地点等)がSである。
【0064】
また、S105にて決定された推奨経路が、道路L1、L2、L3、L4であることを示している。また、図7は、自動運転機能Fcが機能αである場合について、各道路にて車両が実行可能な自動化レベルLvを示している。また、制御部15は、推奨経路を構成する道路L1~L4においては、それぞれの道路で実行可能な自動化レベルLvに対応した表示態様で表示するようにしている。図7では、道路L1及び道路L4での実行可能な自動化レベルLvがレベル1、道路L3での実行可能な自動化レベルLvがレベル2、道路L2での実行可能な自動化レベルLvがレベル3となっており、制御部15は、実行可能な自動化レベルLvが高いほど、濃い色にて推奨経路を構成する各道路L1~L4を表示するようにしている。なお、このほか、制御部15は、自動化レベルLvに応じて推奨経路を構成する道路又は車線の色を変えてもよい。すなわち、制御部15は、地図上にて、推奨経路を構成する道路又は車線のそれぞれの自動化レベルLvを観察者が視認できるように明示してもよい。
【0065】
また、図7では、制御部15は、推奨経路を構成する各道路L1~L4の各々に関連付けて、実行可能な自動化レベルLvをテキストにて吹きだし61~64により表示するようにしている。また、それに加え、制御部15は、右下にて各色(濃さ)がどの自動化レベルLvに対応しているのかを示すエリア68を設けている。制御部15は、上記吹きだし61~64又はエリア68を同時に表示してもよいし、何れか一方を表示するようにしてもよい。
【0066】
また、制御部15は、利用者の操作にて、実行可能な自動化レベルLvを表示すべき自動運転機能Fcを切り替えられるようにしてもよい。図7の例では、制御部15は、現在設定されている自動運転機能Fc(図7では機能α)を表示する表示欄66と、設定する自動運転機能Fcを選択するためのボタン67とを有するセレクトボックス65を表示させている。この場合、例えば、図7のボタン67をユーザが選択することで、制御部15は、対応する他の自動運転機能Fcに切り替える。そして、制御部15は、切り替えられた自動運転機能Fcに応じて推奨経路を構成する各道路L1~L4の自動化レベルLvの表示も連動して切り替える。
【0067】
[変形例]
次に、実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
【0068】
(変形例1)
図2のブロック構成は、一例であり、本発明が適用可能なブロック構成は、これに限定されない。例えば、サーバ装置2は、運転支援装置1に代えて、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組の判定を行ってもよい。
【0069】
この場合、サーバ装置2は、自動運転データエレメントテーブルTeと、自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組ごとに道路エレメント情報Ieに関する条件を規定した自動運転判定テーブルTjとを予め記憶する。また、サーバ装置2は、運転支援装置1からセンサ情報23及び自動運転対応情報24を受信する。そして、サーバ装置2は、運転支援装置1から目的地を指定した経路探索要求を受信した場合、候補経路を探索する。そして、サーバ装置2は、各候補経路の道路区間を対象に、受信したセンサ情報23及び自動運転対応情報24と、対象の道路区間に対応する道路エレメント情報Ieと、自動運転判定テーブルTjとに基づき、対象の道路区間で実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定する。そして、サーバ装置2は、上述の判定結果に基づき、実施例の推奨経路特定部56と同様の処理を行うことで、推奨経路を決定し、決定した推奨経路の情報を、経路探索の要求元の運転支援装置1へ送信する。この場合、運転支援装置1は、サーバ装置2から受信した情報に基づき、推奨経路を表示する。
【0070】
また、車両の走行時には、サーバ装置2は、運転支援装置1から現在位置を示す位置情報を受信し、当該現在位置に対応する道路区間及び車線で運転支援装置1を搭載する車両が実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvを判定する。そして、サーバ装置2は、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの情報を運転支援装置1へ送信する。この場合、運転支援装置1は、サーバ装置2から受信した情報に基づき、実行可能な自動運転機能Fcを、実行可能な自動化レベルLvにより実行する。
【0071】
なお、本変形例では、サーバ装置2は、本発明における「自動運転支援装置」として機能し、サーバ装置2のCPUなどは、本発明における「第1取得部」、「第2取得部」、「判定部」及び本発明におけるプログラムを実行するコンピュータとして機能する。
【0072】
本変形例におけるサーバ装置2の処理を、複数のサーバ装置からなるサーバシステムが実行してもよい。この場合、各サーバは、予め割り当てられた処理を実行するのに必要な情報を他のサーバから適宜受信して所定の処理を実行する。この場合、サーバシステムは、本発明における「自動運転支援装置」の一例である。
【0073】
(変形例2)
運転支援装置1は、部分地図DB20とは別に自動運転データエレメントテーブルTeを取得及び保持してもよい。この場合、運転支援装置1は、例えば、全ての道路区間に対応する自動運転データエレメントテーブルTeを予め記憶しておいてもよく、サーバ装置2から地図データD1を取得するタイミングとは異なるタイミングで自動運転データエレメントテーブルTeをサーバ装置2から取得してもよい。
【0074】
(変形例3)
図4(A)に示す自動運転判定テーブルTjは、自動運転機能Fcの各自動化レベルLvの実行に必要なセンサの種類を、「使用センサ」の項目で規定していた。これに加え、自動運転判定テーブルTjは、自動運転機能Fcの各自動化レベルLvの実行に必要なセンサの性能をさらに規定してもよい。
【0075】
この場合、自動運転判定テーブルTjは、「使用センサ」の項目で指定されるセンサごとに、必要な性能情報を規定する項目を有する。例えば、項目「使用センサ」にカメラが登録されている場合、性能情報を規定する項目には、必要なカメラの性能(例えば画素数や画角等)の情報が記録される。そして、運転支援装置1の自動運転機能判定部55は、自動運転機能Fcの実行可否判定を行う場合、センサ情報23に含まれる各センサ部13の性能情報に基づき、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を判定する。
【0076】
(変形例4)
運転支援装置1は、各候補経路の道路区間ごとに実行可能な自動運転機能Fcが識別できるように、各候補経路を道路区間ごとに表示態様を変えて表示してもよい。さらに、運転支援装置1は、実行可能な自動化レベルLvが識別できるように、実行可能な自動化レベルLvごとにさらに表示態様を変えてもよい。この場合、運転支援装置1は、実行可能な自動化レベルLvが複数存在する場合には、例えば、その中で最も高いレベルに標準を合わせて表示態様を決定する。そして、運転支援装置1は、表示した各候補経路からユーザが選択した1つの候補経路を、案内経路として設定し、経路案内を開始する。
【0077】
(変形例5)
運転支援装置1は、配信地図DB21の一部に相当する地図データD1を受信する代わりに、配信地図DB21の全データをサーバ装置2から受信して記憶してもよい。この場合、運転支援装置1は、所定の時点における配信地図DB21を予め記憶しておき、更新に必要なデータのみをサーバ装置2から受信してもよい。この場合、運転支援装置1は、所定の時間間隔ごとに、記憶した地図データの更新の要否の問合せをサーバ装置2に対して行い、更新に必要なデータをサーバ装置2から適宜ダウンロードする。
【0078】
(変形例6)
自動運転機能判定部55は、センサ情報23を参照してセンサ部13が備えるセンサの種類等を認識する代わりに、センサ部13と通信を行うことで、センサ部13が備えるセンサの種類等の情報を取得してもよい。
【0079】
(変形例7)
実施例では、自動運転対応情報24が「車種対応」の項目として自動運転判定テーブルTjに組み込まれていた。これに代えて、自動運転判定テーブルTjに自動運転対応情報24が組み込まれていなくともよい。この場合、運転支援装置1は、自動運転対応情報24を参照し、運転支援装置1を搭載する車両が対応可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を認識する。
【0080】
また、自動運転判定テーブルTjは、「車種対応」及び「使用センサ」の項目を有しなくともよい。即ち、自動運転判定テーブルTjでは、車両が対応しない自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組、及び、センサ部13が有しないセンサを必要とする自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組が予め除外されていてもよい。この場合、自動運転判定テーブルTjは、センサ情報23及び自動運転対応情報24に基づいて生成され、道路エレメント情報Ieのみに依存して実行可否が変わる自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組の適用条件を規定する。
【0081】
(変形例8)
制御部15は、図5のステップS105において、実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組に基づき設定した自動運転レベルごとに推奨経路を探索し、自動運転レベルごとの推奨経路から案内経路として設定する推奨経路をユーザに選択させてもよい。
【0082】
図8は、図5のステップS105で表示させる経路選択画面の表示例を示す。図8の表示例において、図7と同様に、上述した経路探索処理のS101にて受け付けた目的地が地点Gであり、経路探索における出発地点(現在位置又は出発地点として指定された地点等)がSである。図8の例では、制御部15は、自動運転レベルが「高」、「中」、「低」のそれぞれに対応する推奨経路1~3を探索し、推奨経路1~3を地図上に表示すると共に、各推奨経路1~3の走行距離等の詳細説明をウィンドウ69上に表示させている。そして、制御部15は、推奨経路1~3のいずれかがタッチパネル等の入力部14への操作により選択されたことを検知した場合、選択された推奨経路を案内経路として設定する。
【0083】
ここで、図8の例では、制御部15は、自動運転機能Fcの機能αをレベル「Z」により走行可能な道路区間から構成される候補経路を自動運転レベルが「高」の候補経路、機能αをレベル「X」(Z>X)により走行可能な道路区間から構成される候補経路を自動運転レベルが「中」の候補経路、自動運転機能Fcの機能βをレベルXにより走行可能な道路区間から構成される候補経路を自動運転レベルが「低」の候補経路とみなしている。なお、制御部15は、各自動運転レベルを認定するための要件となる自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を示すテーブル等を予め記憶し、当該テーブルを参照して各候補経路の自動運転レベルを判定してもよい。そして、制御部15は、自動運転レベルが「高」の候補経路のうち所要時間や走行距離等の他の条件を勘案して最も推奨される候補経路を推奨経路1として選定する。同様に、制御部15は、自動運転レベルが「中」の候補経路から推奨経路2を選定し、自動運転レベルが「低」の候補経路から推奨経路3を選定し、選定した推奨経路1~3を選択可能に画面上に表示させる。
【0084】
なお、制御部15は、経路選択画面で複数の推奨経路を表示させる場合、ユーザが重視する条件が良い推奨経路を優先して表示させてもよい。例えば、制御部15は、自動運転レベルを優先する旨の設定又は入力があった場合には、図8の表示例のように、自動運転レベル「高」の走行距離「201km」の経路を推奨経路1として最上位に表示し、自動運転レベル「中」の走行距離「180km」の経路を推奨経路2、自動運転レベル「低」の走行距離「160km」の経路を推奨経路3として表示する。他の例では、制御部15は、走行距離を優先する旨の設定又は入力があった場合には、走行経路が短い順に推奨経路を表示させる。この場合、図8の表示例に代えて、制御部15は、自動運転レベル「低」の走行距離「160km」の経路を推奨経路1として最上位に表示し、自動運転レベル「中」の走行距離「180km」の経路を推奨経路2、自動運転レベル「高」の走行距離「201km」の経路を推奨経路3として表示する。
【0085】
(変形例9)
制御部15は、図5のステップS105において推奨経路を決定する場合、ユーザが指定した自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を常に実行可能な経路を推奨経路として探索してもよい。
【0086】
この場合、例えば、制御部15は、ステップS101において、目的地を指定する入力と共に、所望の自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を指定する入力を受け付ける。そして、制御部15は、ステップS104で各候補経路の各道路区間で実行可能な自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を認識後、ユーザ入力により指定された自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を実行可能な道路区間からなる候補経路を、推奨経路として選定する。なお、制御部15は、ユーザ入力により指定された自動運転機能Fc及び自動化レベルLvの組を実行可能な道路区間からなる候補経路が複数存在する場合には、(変形例8)と同様に経路選択画面を表示させ、該当する複数の候補経路から1つの経路を案内経路としてユーザに選択させるとよい。
【符号の説明】
【0087】
1 運転支援装置
2 サーバ装置
9 ネットワーク
11 通信部
12 記憶部
13 センサ部
14 入力部
15 制御部
16 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8