(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025040
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】発作性障害およびプラダー・ウィリー症候群の治療方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/196 20060101AFI20230214BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
A61K31/196
A61P21/02
A61P25/28
A61P25/08
A61P25/00
A61P25/18
A61P25/14
A61P25/02
A61P25/24
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022181338
(22)【出願日】2022-11-11
(62)【分割の表示】P 2019563351の分割
【原出願日】2018-02-08
(31)【優先権主張番号】62/456,320
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516365758
【氏名又は名称】オービッド・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ovid Therapeutics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・デューリング
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発作性障害の治療方法を提供する。
【解決手段】(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を用いる発作性障害の治療方法を提供する。該方法は、発作性障害の1つ以上の症状を改善するために使用されうる治療用組成物を提供する。(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、またはKT-II-115、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を用いるプラダー・ウィリー症候群の治療方法を提供する。該方法は、プラダー・ウィリー症候群の1つ以上の症状を改善するために使用されうる治療用組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、0.01 mg~500 mgの量で発作性障害を有する対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法。
【請求項2】
24時間で対象に投与される(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が、1 mg~500 mgである、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項3】
発作性障害が、てんかん、全身性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクローヌス欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、結節性硬化症複合体、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、小児欠神てんかん、本態性振戦、急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、増加した発作活動および突発性発作からなる群から選択される、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項4】
方法が、運動失調、歩行障害、言語障害、発声、認識障害、運動異常、臨床的発作、亜臨床的発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、流涎、マウシング行動、前兆、痙攣、反復運動、異常な感覚、単純焦点発作、複雑焦点発作、全般発作、欠神、強直発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、強直間代発作、間代発作、発作の頻度および発作の重篤度からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項5】
対象が、結節性硬化症複合体と診断されており、方法が、発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、不随意的笑い、間隔的短気および気分の落ち込みからなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項6】
対象が、乳児痙攣と診断されており、方法が、発作、認知機能障害、発達的退行、およびヒプスアリスミアからなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項7】
対象が、レノックス・ガストー症候群と診断されており、方法が、発達遅滞、認知機能障害および行動障害から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項8】
対象が、CDKL5障害と診断されており、方法が、発作、脊柱側弯症、視覚障害、感覚問題、胃腸障害、筋肉の緊張の低さまたは乏しさ、手の搾り行動、手のマウシング、著しい発達遅延、発話の制限または欠如、アイコンタクトの欠如または乏しさ、胃食道逆流、便秘、小さくて冷たい足、呼吸の不規則性、歯ぎしり、理由のない笑いや泣き声のエピソード、非常に限られた手技、自閉症のような傾向、皮質性視覚障害、失行、飲食の課題、睡眠障害、横目、および足を組む習慣から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項1に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項9】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、0.01 mg~75 mgの量で、発作性障害を有する対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法。
【請求項10】
24時間で対象に投与される(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が、1 mg~50 mgである、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項11】
発作性障害が、てんかん、全身性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクローヌス欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、結節性硬化症複合体、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、小児欠神てんかん、本態性振戦、急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、増加した発作活動および突発性発作からなる群から選択される、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項12】
方法が、運動失調、歩行障害、言語障害、発声、認識障害、運動異常、臨床的発作、亜臨床的発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、流涎、マウシング行動、前兆、痙攣、反復運動、異常な感覚、単純焦点発作、複雑焦点発作、全般発作、欠神、強直発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、強直間代発作、間代発作、発作の頻度および発作の重篤度からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項13】
対象が、結節性硬化症複合体と診断されており、方法が、発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、不随意的笑い、間隔的短気および気分の落ち込みからなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項14】
対象が、乳児痙攣と診断されており、方法が、発作、認知機能障害、発達的退行、およびヒプスアリスミアからなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項15】
対象が、レノックス・ガストー症候群と診断されており、方法が、発達遅滞、認知機能障害および行動障害から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項16】
対象が、CDKL5障害と診断されており、方法が、発作、脊柱側弯症、視覚障害、感覚問題、胃腸障害、筋肉の緊張の低さまたは乏しさ、手の搾り行動、手のマウシング、著しい発達遅延、発話の制限または欠如、アイコンタクトの欠如または乏しさ、胃食道逆流、便秘、小さくて冷たい足、呼吸の不規則性、歯ぎしり、理由のない笑いや泣き声のエピソード、非常に限られた手技、自閉症のような傾向、皮質性視覚障害、失行、飲食の課題、睡眠障害、横目、および足を組む習慣から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項9に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項17】
異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止することを含む、発作性障害の治療方法。
【請求項18】
24時間で対象に投与される(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が、1 mg~500 mgである、請求項17に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項19】
対象が、結節性硬化症複合体と診断されている、請求項17に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項20】
対象が、CDLK5障害と診断されている、請求項17に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項21】
異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止することを含む、発作性障害の治療方法。
【請求項22】
24時間で対象に投与される(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が、1 mg~50 mgである、請求項21に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項23】
対象が、結節性硬化症複合体と診断されている、請求項21に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項24】
対象が、CDLK5障害と診断されている、請求項21に記載の発作性障害の治療方法。
【請求項25】
異常なEGGサインを有する対象に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、異常なEGGサインの治療方法であって、異常なEGGサインが、てんかん発生の初期段階を示す、方法。
【請求項26】
異常なEGGサインを有する対象に、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、異常なEGGサインの治療方法であって、異常なEGGサインが、てんかん発生の初期段階を示す、方法。
【請求項27】
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、0.01 mg~500 mgの量で、プラダー・ウィリー症候群を有する対象に投与することを含む、プラダー・ウィリー症候群の治療方法。
【請求項28】
方法が、筋緊張低下、吸引困難、摂食困難、筋緊張不良、成長ホルモン欠乏症、性ホルモンの低レベル、絶え間ない空腹感、過度の食欲(過食)、体重増加、肥満、低身長、運動能力の低さ、未発達の性器、認知機能障害、知的障害、学習障害、発話発達の遅れ、言語発達の遅れ、不妊症、認知硬直性、情緒不安定、自傷、強迫行動、自閉症症状、精神病エピソード、精神病を伴う双極性障害、日中の過度の眠気、脊柱側弯症、骨減少症/骨粗鬆症、消化管運動の低下、睡眠障害、および疼痛感受性の低下からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項27に記載のプラダー・ウィリー症候群の治療方法。
【請求項29】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、0.01 mg~500 mgの量で、プラダー・ウィリー症候群を有する対象に投与することを含む、プラダー・ウィリー症候群の治療方法。
【請求項30】
方法が、筋緊張低下、吸引困難、摂食困難、筋緊張不良、成長ホルモン欠乏症、性ホルモンの低レベル、絶え間ない空腹感、過度の食欲(過食)、体重増加、肥満、低身長、運動能力の低さ、未発達の性器、認知機能障害、知的障害、学習障害、発話発達の遅れ、言語発達の遅れ、不妊症、認知硬直性、情緒不安定、自傷、強迫行動、自閉症症状、精神病エピソード、精神病を伴う双極性障害、日中の過度の眠気、脊柱側弯症、骨減少症/骨粗鬆症、消化管運動の低下、睡眠障害、および疼痛感受性の低下からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項29に記載のプラダー・ウィリー症候群の治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月8日出願の米国仮出願第62/456,320号に対する利益および優先権を主張する。上記出願の開示の全体は、参照することにより本出願に包含される。
技術分野
発作性障害およびプラダー・ウィリー症候群の治療方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
発作性障害は通常、異常な行動、感覚、痙攣、意識の低下、そして時には意識の喪失などの間に現れることがある発作を引き起こす、脳内の異常な神経細胞活動を伴う。発作は、脳に影響を与える可能性がある多くのさまざまな疾患の症状でありうる。てんかんは再発性発作を特徴とする発作性疾患である。たとえば、Blumeら、Epilepsia. 2001;42:1212-1218を参照。てんかん発作は通常、脳内の異常な放電によって特徴付けられ、通常、意識の変化または低下、不随意運動、または痙攣の突然の短いエピソードとして現れる。脳内の異常な電気的活動は、脳波(EEG)によって測定または検出することができる。臨床てんかん発作は、てんかん発作の証拠を提供するが発作を伴わない多焦点スパイクとしてEEG記録で検出される異常な電気的活動が先行する可能性がある。たとえば、Jozwiakら、European Journal of Paediatric Neurology、2011、15(5) 424-431(Jozwiakら)を参照。非てんかん発作は、脳内の異常な電気的活動を伴うこともあれば伴わないこともあり、心理的問題またはストレスによって引き起こされることがある。薬物やアルコールの禁断もまた、発作を引き起こす可能性がある。発作の症状は大きく異なる。いくつかの発作は気づくのが困難であり、他のものは完全に障害を引き起こす。発作性障害は。てんかんを含む。
【0003】
過誤腫は特定の発作性障害に関連している可能性がある。過誤腫は、その起源の組織の新生物に似た、大部分は良性の限局性奇形である。それらは通常その場所に見られる組織要素から構成されるが、無秩序に成長する。過誤腫は脳に起因することがある。結節性硬化症複合体(TSC)は、さまざまな臓器における過誤腫性成長を特徴とする遺伝性発作性疾患である。TSCの最も初期の症状として、出生前でも見られる心臓腫瘍や皮質塊茎が挙げられる。この疾患を患っている患者は、脳内の複数の病変に起因するてんかんと認知問題の発生率が高い可能性がある。TSC病変(皮質塊茎)は通常、異形性ニューロン、明らかに好酸球性の巨細胞および白質の変化を含む。TSCに関連した発作は難治性である。灰白隆起過誤腫(視床下部過誤腫としても知られる)は、ニューロンと神経膠の無秩序な集合が視床下部の結節性硬膜に蓄積する、良性の腫瘍である。症状として、笑い発作、間隔的短気を伴う不随意的笑いのひと続きを特徴とする障害、および気分の落ち込み挙げられる。発作の発症前の抗てんかん治療は、TSCの乳児におけるてんかん重篤度および精神遅滞のリスクを減らすことができる。たとえば、Jozwiakらを参照。
【0004】
乳児痙攣(IS)は、乳児期および小児期に見られる特定の種類の発作性障害であり、また、ウエスト症候群、若年性痙攣またはてんかん性痙攣としても知られる。ウエスト症候群は、乳児痙攣、発達的退行、およびヒプスアリスミア(カオス脳波)と呼ばれるEEG検査の特定のパターンによって特徴付けられる。小児痙攣の発症は、通常常生後1年以内、典型的には3~12か月の間、典型的には5か月前後で発症する。発作は、主に腕と脚の硬化を伴う身体の前方への突然の屈曲からなる;何人かの小児は、腕と脚を伸ばしながら背中をアーチ状にする。痙攣は、目覚めたときや摂食後に発生する傾向があり、多くの場合、一度に最大100個の痙攣が発生する。乳児は、1日に何十回もの群発と数百回の痙攣を発症することがある。小児痙攣は、通常、小児期中頃までに終わるが、他の発作型に置き換えられることもある。小児痙攣児の知的予後は、一般的に悪い。プレドニゾンなどのコルチコステロイドによる治療が標準的であるが、重篤な副作用が発生する可能性がある。トピラマートなどのいくつかの抗てんかん薬は、いくつかの症状を緩和することがある。ビガバトリンは、1か月~2歳までの小児の乳児痙攣を治療するために米国食品医薬品局によって承認されている。
【0005】
レノックス・ガストー症候群(LGS)は重度の発作性障害である。発作は、通常4歳より前に開始する。患者によって異なるが、発作の種類として、強直(身体の硬直化、目の上方へのずれ、瞳孔の拡大、および呼吸パターンの変化)、脱力(突然の転倒を引き起こす、筋肉の緊張および意識の短期間の喪失)、非定型欠神(ひと続きの凝視)、およびミオクローヌス(突然の筋痙攣)などが挙げられる。頻繁な痙攣の期間と、短い、比較的痙攣のない期間が混在することがある。レノックス・ガストー症候群の小児の多くは、通常、発達障害や行動障害を伴う、ある程度の知的機能障害または情報処理障害を経験する。レノックス・ガストー症候群は、脳の奇形、周産期の窒息、重度の頭部外傷、中枢神経系の感染、および遺伝性の変性または代謝状態によって引き起こされる。原因が見つからない場合がある。レノックス・ガストー症候群の治療法として、クロバザム;およびバルプロ酸塩、ラモトリジン、フェルバメート、トピラマートなどの抗てんかん薬が挙げられる。発作を完全に制御する単一の抗てんかん薬は通常存在しない。最初に改善した小児は、後に薬に対する耐性を示したり、制御できない発作を起こすことがある。
【0006】
CDKL5障害は、重度の神経発達障害および早期発症をもたらすX連鎖遺伝性発作性障害であり、発作を制御するのは困難である。CDKL5は、サイクリン依存性キナーゼ様5を表し、X染色体上に位置する遺伝子である。CDKL5遺伝子は、以前はSTK9と呼ばれていた。CDKL5障害は、主に女性と関連するが、男性でも見られている。CDKL5の突然変異に関連する主な特徴は、いわゆるてんかん性脳症、生後6か月以内の重度の発作の発症(多くの場合最初の3か月以内)、およびその後の不十分な神経認知発達および一般的に反復性の手動きの存在である(ステレオタイプ)。ほとんどの苦しんでいる子供たちは、歩くこと、話すこと、自分で食事をすることができず、そして多くが車椅子に閉じ込められ、すべてを他人に依存している。また、多くは脊柱側弯症、視覚障害、感覚問題およびさまざまな胃腸障害を患っている。CDKL5障害のその他の症状には、筋肉の緊張の低さまたは乏しさ、手の搾り行動または手のマウシング、著しい発達遅延、発話の制限または欠如、アイコンタクトの欠如または乏しさ、胃食道逆流、便秘、小さくて冷たい足、過換気などの呼吸の不規則性、歯ぎしり、理由のない笑いや泣き声のエピソード、非常に限られた手技、自閉症のような傾向、皮質性視覚障害(CVI)、別名「皮質失明」、失行、飲食の課題、睡眠障害、横目などの特徴、および足を組む習慣などが含まれることが多い。現在、CDKL5障害を治療するための承認された薬物はない。発作管理は、困難であり、管理が最も困難な健康問題であることが多い。一様に有効な抗てんかん薬は1つも発見されておらず、多くの場合複数の抗痙攣薬が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医薬品は、発作性障害を治療するために使用され、抗てんかん薬(AED)と称されうる。再発性発作の治療は、主に少なくとも1つのAEDの利用に集中しており、単剤療法が失敗した場合には、第二またはさらには第三の薬剤の補助的使用が可能である。Tolman and Faulkner、Ther Clin Risk Manag. 2011;7:367-375を参照。しかしながら、てんかん患者の約30%~40%は、1回のAEDでは不適切な発作管理しか得られず、補助剤の使用を必要とする。同上。このグループのサブセットは、適度な量の複数のAEDにもかかわらず、定期的かつ持続的な発作活動を起こす。同上。したがって、発作性障害を治療するための改善された、および/または、追加の治療法が依然として必要である。
【0008】
プラダー・ウィリー症候群(PWS)は、セントロメア付近の、父系に遺伝する染色体15q11-q13の刷り込み領域からの遺伝子の発現の欠如によって引き起こされる遺伝病である(Aycan and Bas、J Clin Res Pediatr Endocrinol、6(2):62-67(2014))。この疾患の頻度は、世界中で約40万人のPWS患者がいる状態であって、約1/10,000から1/30,000の間である。PWSは、体内の多くのシステムに影響を与えるスペクトラム障害である。PWS患者は通常、神経、認知、内分泌、および行動異常を含む多くの症状を患っている。当初、乳児は、低緊張症(フロッピーベビー症候群)を呈し、吸い込みや摂食が困難であるため、成長が遅れることがある。PWS患者では、筋肉の緊張不良、成長ホルモンの欠乏、性ホルモンのレベルの低下、絶え間ない空腹感および過度の食欲(過食症)が頻繁に起こる。彼らは食べ過ぎるので、体重増加、肥満そして糖尿病の高い発生率がもたらされる。他の徴候は、低身長、運動能力の低さ、性器の発達の遅れ、そして軽度の知的障害および学習障害などで出現する。PWSの患者は発話や言語の発達の遅れ、そして不妊を経験する可能性がある。行動症状として、認知機能障害、認知的硬直性、情緒不安定性および強迫行動、自閉症症状、精神病エピソード、および精神病を伴う双極性障害が挙げられる。その他の臨床症状としては、過度の日中の眠気、脊柱側弯症、骨減少症/骨粗鬆症、消化管運動の低下、睡眠障害、および疼痛感受性の低下が挙げられる。
【0009】
PWSは、肥満に関連する最も一般的な遺伝的神経発達障害である。データは、PWSが体重に対して標準化された血漿BDNFレベルの約50%の減少と関連していることを示す(Hanら、J. Clin. Endo. Metab.、95, 3532-36(2010))。研究は、視床下部のBDNFを選択的にアップレギュレートすると、高脂肪食を摂取したマウスの食欲および体重増加が抑制され、ウイルスベクター遺伝子導入を用いた非常に高レベルの発現で、通常の対照飼料給餌マウスにおいて深刻な体重減少が引き起こされることも明らかにする(Cao、et al.、Nat Med.、15(4):447-54(2009))。BDNFは、他の摂食調節因子、特にレプチンおよびMC4受容体の下流で作用するように思われる。
【0010】
現在、PWSの治療法はない。成長ホルモン、運動、そして食事管理は、筋肉量を増やし、体重を制御するのに役立つ。2歳までに開始するヒト成長ホルモンによる治療は、身体組成、運動機能、身長、および脂質プロファイルを改善すると報告されている。Carrelら、J Clin Endocrinol Metab.、95(3):1131-1136(2010 Mar)を参照。その他の治療として、オキシトシン、性ホルモンおよび行動療法などが挙げられる。しかしながら、ほとんどのPWS患者は、一生を通じて特別なケアと管理を必要とする。PWSを治療するための改善された、および/または、追加の治療法が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
発作性障害の治療方法が提供され、実施態様では、該方法は、有効量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、障害の1つ以上の症状の改善を提供する。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、発作性障害の治療方法は、異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止する。実施態様では、異常なEGGサインの治療方法は、異常なEGGサインを有する対象に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0012】
実施態様では、発作性障害の治療方法は、有効量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、障害の1つ以上の症状の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止することを含む。実施態様では、異常なEGGサインの治療方法は、異常なEGGサインを有する対象に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0013】
実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0014】
実施態様では、発作性障害として、てんかん、全身性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクローヌス欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ドラベ症候群、ラスムッセン症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、および急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、および増加した発作活動または突発性発作(発作活動の増加;連続発作またはクラスター発作とも呼ばれる)が挙げられる。実施態様では、発作性障害は、てんかん重積症である。
【0015】
プラダー・ウィリー症候群の治療方法が提供され、実施態様では、有効量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、該症候群の症状の1つ以上の改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、有効量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、有効量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、該症候群の1つ以上の症状の改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な記載
発作性障害の治療方法が提供され、実施態様では、有効量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、該障害の症状の1つ以上の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止することを含む。実施態様では、異常なEGGサインの治療方法は、異常なEGGサインを有する対象に、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0017】
実施態様では、発作性障害の治療方法は、有効量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、該障害の症状の1つ以上の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能の改善を提供することを含む。実施態様では、発作性障害の治療方法は、異常なEEGの検出後の臨床発作の発症前に、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、発作性障害の症状を軽減するか、または防止することを含む。実施態様では、異常なEGGサインの治療方法は、異常なEGGサインを有する対象に、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0018】
実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0019】
発作性障害の例として、てんかん、全身性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクローヌス欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、発作活動または突発性発作の増加(連続発作またはクラスター発作とも呼ばれる)が挙げられる。実施態様では、発作性障害は、ナトリウムチャネルタンパク質1型サブユニットアルファ(Scn1a)関連障害に関連する。
【0020】
実施態様では、発作性障害は、てんかん重積症(SE)である。SEは、5分を超えるか、人が発作と発作の間で正常に戻ることなく、5分以内に1回を超える発作を特徴とする。SEは治療が遅れると死亡につながる危険な状態になりうる。SEは、腕と脚の収縮と伸展の定期的なパターンを伴う痙攣性でありうるか、または、比較的長い期間の意識レベルの変化を伴うが、発作活動による大規模な四肢の曲げや伸展は伴わない、非痙攣性でありうる。痙攣性SE(CSE)はさらに、(a)強直間代SE、(b)強直SE、(c)間代SE、および(d)ミオクローヌスSEに分類することができる。非痙攣性SE(NCSE)は、異常な精神状態、無反応、眼球運動異常、持続的な筋電図の発作、および抗痙攣薬に対する可能性のある反応を特徴とする。
【0021】
実施態様では、発作性障害の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、対象は、障害の1つ以上の症状の改善を示す。実施態様では、発作性障害の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、対象は、障害の1つ以上の症状の改善を示す。
【0022】
発作性障害の症状として、運動失調を伴うエピソード、歩行障害、言語障害、発声、認識障害、運動異常、臨床的発作、亜臨床的発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、流涎およびマウシング行動、前兆、痙攣、反復運動、および異常な感覚が挙げられるが、これらに限定されない。実施態様では、提供される方法および組成物は、1つ以上の異なる種類の発作を軽減または予防しうる。一般に、発作は、痙攣、反復運動、異常な感覚、およびそれらの組み合わせを含みうる。発作は、焦点発作(部分発作とも呼ばれる)および全般発作として分類されうる。焦点発作は、脳の片側だけを襲うが、全般発作は、脳の両側を襲う。特定の種類の焦点発作として、単純焦点発作、複雑焦点発作、および二次性全般発作が挙げられる。単純焦点発作は、特定の肺葉(たとえば、側頭葉、前頭葉、頭頂葉、または後頭葉)に限定または集中されうる。複雑焦点発作は、一般的に単純焦点発作よりも片側半球の大部分を襲うが、一般的に、側頭葉または前頭葉に起因する。焦点発作が脳の片側(半球)から両側に広がる場合、その発作は、二次性全般発作と呼ばれる。全般発作の具体的な種類として、欠神(小発作とも呼ばれる)、強直発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、強直間代発作(大発作とも呼ばれる)、および間代発作が挙げられる。発作性障害の症状として、発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、間隔的短気を伴う不随意的笑いのひと続きを特徴とする障害、および気分の落ち込みが挙げられる。発作性障害の症状として、発作、認知機能障害、発達的退行、およびヒプスアリスミアなどの乳児痙攣に関連するものが挙げられる。発作性障害の症状として、発作、発達遅滞、認知機能障害および行動障害などのレノックス・ガストー症候群に関連するものが挙げられる。発作性障害の症状として、発作、脊柱側弯症、視覚障害、感覚問題および胃腸障害、筋肉の緊張の低さまたは乏しさ、手の搾り行動または手のマウシング、著しい発達遅延、発話の制限または欠如、アイコンタクトの欠如または乏しさ、胃食道逆流、便秘、小さくて冷たい足、過換気などの呼吸の不規則性、歯ぎしり、理由のない笑いや泣き声のエピソード、非常に限られた手技、自閉症のような傾向、皮質性視覚障害(CVI)、別名「皮質失明」、失行、飲食の課題、睡眠障害、横目などの特徴、および足を組む習慣などのCDKL5に関連するものが挙げられる。
【0023】
実施態様では、発作性障害に適用される「有効量」または「治療有効量」という用語は、限定的ではないが、以下のうちの1つ以上のものなどの、発作性障害に関連した特定の薬理学的および/または生理学的効果を達成するのに有効な化合物、材料、組成物、医薬、または他の材料の量を意味する:運動失調を伴うエピソードの低減化または排除、歩行障害の低減化または排除、言語障害の低減化または排除、発声の低減化または排除、認識障害の低減化または排除、運動異常の低減化または排除、臨床的発作の低減化または排除、不顕性発作の低減化または排除、筋緊張低下の低減化または排除、筋緊張亢進の低減化または排除、流涎およびマウシング行動の低減化または排除、前兆の低減化または排除、痙攣の低減化または排除、反復運動の低減化または排除、異常な感覚の低減化または排除、1つ以上の異なる種類の発作の低減化または排除、痙攣の低減化または排除、反復運動の低減化または排除、異常な感覚の低減化または排除、単純焦点発作の低減化または排除、複雑焦点発作の低減化または排除、全般発作の低減化または排除、欠神(小発作とも呼ばれる)の低減化または排除、強直発作の低減化または排除、脱力発作の低減化または排除、ミオクローヌス発作の低減化または排除、強直間代発作(大発作とも呼ばれる)の低減化または排除、間代発作の低減化または排除。例として、発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、間隔的短気を伴う不随意的笑いのひと続きを特徴とする障害、および気分の落ち込みなどのTSC症状の低減化または排除。例として、発作、認知機能障害、発達的退行、およびヒプスアリスミアなどの乳児痙攣に関連する症状の低減化または排除。例として、発作、発達遅滞、認知機能障害および行動障害などのレノックス・ガストー症候群に関連する症状の低減化または排除。例として、発作、脊柱側弯症、視覚障害、感覚問題および胃腸障害、筋肉の緊張の低さまたは乏しさ、手の搾り行動または手のマウシング、著しい発達遅延、発話の制限または欠如、アイコンタクトの欠如または乏しさ、胃食道逆流、便秘、小さくて冷たい足、過換気などの呼吸の不規則性、歯ぎしり、理由のない笑いや泣き声のエピソード、非常に限られた手技、自閉症のような傾向、皮質性視覚障害(CVI)、別名「皮質失明」、失行、飲食の課題、睡眠障害、横目などの特徴、および足を組む習慣などのCDKL5に関連する症状の低減化または排除。実施態様では、有効量は、認知機能の増強、昼間の活動の増加、学習の改善(学習の速さまたは容易さのいずれか)、注意の改善、社会的行動の改善、および/または脳血管機能の改善をもたらす。実施態様では、有効量は、上記品質のうちの任意の1つ以上の低下を防ぐために、または実施態様では、上記の質のうちの任意の1つ以上の質を改善するために、適切でありうる量を意味する。実施態様では、有効量は、対象の認知能力または機能の低下の程度または速度を低下させるのに適している可能性があり、および/または有効量は、そのような低下の発症を遅らせるのに適切でありうる。そのような有効性は、たとえば、本明細書に記載の組成物を個体または集団に投与することによって達成することができる。実施態様では、個体または集団におけるそのような軽減、低下の遅延、または改善は、治療を受けていないか、または組成物または薬剤を投与されていない対照である対象またはコホート集団に関連しうる。
【0024】
投与量は、対象に依存する変数(たとえば、年齢、免疫系、健康状態など)、治療される疾患または障害、ならびに投与経路および投与されている薬剤の薬物動態などのさまざまな要因によって変わりうる。
【0025】
多くの医薬品は、治療効果を達成するために、一定の間隔で固定用量として投与される。作用期間は通常、薬物の血漿中半減期に反映される。有効性は中枢神経系内での十分な暴露に依存することが多いため、半減期の短いCNS薬の投与は、頻繁な維持投与を必要とする可能性がある。(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸の血漿消失半減期は約4~6時間である。
Cmaxは、5mg~500mgの範囲にわたって用量比例的に増加する;一方、該用量範囲では、AUCには、比例的増加よりも大きく増加する。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸は、GABA-ATの不活性化剤として、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸よりも9~10倍強力であり、同様の薬物動態を示すことがある。
【0026】
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸の構造は、以下のように表すことができる:
【化1】
【0027】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の構造は、以下のように表すことができる:
【化2】
【0028】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸は、酸付加塩、両性イオン水和物、両性イオン無水物、塩酸塩もしくは臭化水素酸塩として、または両性イオン一水和物の形態で提供されうる。酸付加塩として、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パントテン酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸付加塩、ならびに8-ブロモ-テオフィリンなどの8-ハロテオフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。実施態様では、これらに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸付加塩などの無機酸付加塩を使用することができる。
【0029】
実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸は、酸付加塩、両性イオン水和物、両性イオン無水物、塩酸塩もしくは臭化水素酸塩として、または両性イオン一水和物の形態で提供されうる。酸付加塩として、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パントテン酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸付加塩、ならびに8-ブロモ-テオフィリンなどの8-ハロテオフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。実施態様では、これらに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸付加塩などの無機酸付加塩を使用することができる。
【0030】
実施態様では、方法は、約0.1 mg~約1500 mgの(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによって発作性障害を治療することを包含する。実施態様では、方法は、約0.5 mg~約1000 mgの(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによって発作性障害を治療することを包含する。実施態様では、発作性障害の治療のための、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩の量は、0.1および1500 mg/日の間、または0.01 mg/kg/日~15 mg/kg/日でありうる。たとえば、一日投与量は、たとえば、約0.1~1500 mg、0.1~1250 mg、0.1~1000 mg、0.1~750 mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、1~1500 mg、1~1000 mg、1~500 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、5~1500 mg、5~1000 mg、5~500 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~1500 mg、10~1000 mg、10~500 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~1500 mg、15~1000 mg、15~500 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~1500 mg、20~1000 mg、20~500 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~1500 mg、25~1000 mg、25~500 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~1500 mg、30~1000 mg、30~500 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、35~1500 mg、35~1000 mg、35~500 mg、35~300 mg、35~250 mg、35~200 mg、35~175 mg、35~150 mg、35~125 mg、35~100 mg、35~75 mg、35~50 mg、40~1500 mg、40~1000 mg、40~500 mg、40~300 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~1500 mg、50~1000 mg、50~500 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~1500 mg、75~1000 mg、75~500 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~1500 mg、100~1000 mg、100~500 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~1500 mg、125~1000 mg、125~500 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~1500 mg、150~1000 mg、150~500 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、150~175 mg、175~1500 mg、175~1000 mg、175~500 mg、175~300 mg、175~250 mg、175~200 mg、200~1500 mg、200~1000 mg、200~500 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~1500 mg、250~1000 mg、250~500 mg、250~300 mg、7.5~15 mg、2.5~5 mg、1~5 mgの範囲、ならびに例示として、たとえば、約0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、1.25 mg、1.5 mg、1.75 mg、2.0 mg、2.5 mg、3.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、4.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、27.5 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、400 mgおよび500 mgの服用量でありうる。
【0031】
実施態様では、発作性障害を治療するための医薬組成物は、たとえば、約0.01~500 mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、0.5~ 500 mg、0.5~450 mg、0.5~300 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~1mg、1~500 mg、1~450 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、5~ 500 mg、5~450 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~500 mg、10~450 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~500 mg、15~450 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~500 mg、20~450 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~500 mg、25~450 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~80 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~500 mg、30~450 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、40~500 mg、40~450 mg、40~400 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~500 mg、50~450 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~ 500 mg、75~450 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~500 mg、100~450 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~500 mg、125~450 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~500 mg、150~450 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、200~500 mg、200~450 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~500 mg、250~450 mg、250~300 mg、300~500 mg、300~450 mg、300~400 mg、300~350 mg、350~500 mg、350~450 mg、350~400 mg、400~500 mg、400~450 mg、ならびに例示として、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、125 mg、150 mg 175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、および500 mgの量で(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含みうる。
【0032】
典型的には、投与量は、発作性障害を有する対象に、1日に1、2、3または4回、隔日、週に1回、または月に1回投与されうる。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬理学的に許容される塩は、発作性障害を有する対象に、1~50mg/投与の用量で、1日に2回(たとえば、朝晩)、または1日3回(たとえば、朝食、昼食、および夕食)投与される。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、発作性障害を有する対象に、1回以上の服用量で、100 mg/日、95 mg/日、90 mg/日、85 mg/日、80 mg/日、75 mg/日、70 mg/日、65 mg/日、60 mg/日、55 mg/日、50 mg/日、45 mg/日、40 mg/日、35 mg/日、30 mg/日、25 mg/日、20 mg/日、15 mg/日、10 mg/日、5 mg/日、4 mg/日、3 mg/日、3 mg/日、2 mg/日、1 mg/日を投与される。実施態様では、成人の服用量は、約5~80 mg/日であり、150 mg/日まで増量できる。投与量は、成人よりも幼児および小児の方が低くできる。実施態様では、幼児または小児の服用量は、1日に約0.1~50 mgで、1回または2、3もしくは4回に分けて投与することができる。実施態様では、小児服用量は、0.75 mg/kg/日~1.5 mg/kg/日である。実施態様では、対象は、低い服用量で開始されてもよく、投与量は、時間の経過とともに増量される。
【0033】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、1時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、2時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、3時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、4時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、6時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、本開示に従って、対象への医薬組成物の投与後、12時間にわたって、少なくとも1つの症状の改善が提供される。実施態様では、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。たとえば、医薬組成物は、たとえば、投与後および睡眠からの覚醒後、約2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、疾患の1つ以上の症状における改善を提供しうる。
【0034】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、発作性障害を有する対象に投与される。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、および(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、別々の剤形で、または1つの剤形に組み合わせて、発作性障害を有する対象に投与されてもよい。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、および(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、同時にまたは間隔をあけて、発作性障害を有する対象に投与されてもよい。
【0035】
実施態様では、方法は、約0.005 mg~約750 mgの(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによって発作性障害を治療することを含む。実施態様では、発作性障害の治療のための、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、塩酸塩の量は、0.005および1000 mg/日の間、または0.005 mg/kg/日~14 mg/kg/日でありうる。たとえば、一日投与量は、たとえば、約0.01~750 mg、0.01~700 mg、0.01~500 mg、0.01~250 mg、0.01~200 mg、0.01~175 mg、0.01~150 mg、0.01~125 mg、0.01~100 mg、0.01~75 mg、0.01~50 mg、0.01~30 mg、0.01~25 mg、0.01~20 mg、0.01~15 mg、0.01~10 mg、0.01~5 mg、0.01~4 mg、0.01~3 mg、0.01~2 mg、0.01~1 mg、0.01~0.75 mg、0.01~0.5 mg、0.01~0.25 mg、0.01~0.1 mg、0.1~750 mg、0.1~700 mg、0.1~500 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~4 mg、0.1~3 mg、0.1~2 mg、0.1~1 mg、0.1~0.75 mg、0.1~0.5 mg、0.1~0.25 mg、0.25~750 mg、0.25~700 mg、0.25~500 mg、0.25~250 mg、0.25~200 mg、0.25~175 mg、0.25~150 mg、0.25~125 mg、0.25~100 mg、0.25~75 mg、0.25~50 mg、0.25~30 mg、0.25~25 mg、0.25~20 mg、0.25~15 mg、0.25~10 mg、0.25~5 mg、0.25~4 mg、0.25~3 mg、0.25~2 mg、0.25~1 mg、0.25~0.75 mg、0.25~0.5 mg、0.3~750 mg、0.5~700 mg、0.3~500 mg、0.3~250 mg、0.3~200 mg、0.3~175 mg、0.3~150 mg、0.3~125 mg、0.3~100 mg、0.3~75 mg、0.3~50 mg、0.3~30 mg、0.3~25 mg、0.3~20 mg、0.3~15 mg、0.3~10 mg、0.3~5 mg、0.3~4 mg、0.3~3 mg、0.3~2 mg、0.3~1 mg、0.3~0.75 mg、0.3~0.5 mg,0.4~750 mg、0.4~700 mg、0.4~500 mg、0.4~250 mg、0.4~200 mg、0.4~175 mg、0.4~150 mg、0.4~125 mg、0.4~100 mg、0.4~75 mg、0.4~50 mg、0.4~30 mg、0.4~25 mg、0.4~20 mg、0.4~15 mg、0.4~10 mg、0.4~5 mg、0.4~4 mg、0.4~3 mg、0.4~2 mg、0.4~1 mg、0.4~0.75 mg、0.4~0.5 mg,0.5~750 mg、0.5~700 mg、0.5~500 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~4 mg、0.5~3 mg、0.5~2 mg、0.5~1 mg、0.5~0.75 mg、0.75~750 mg、0.75~700 mg、0.75~500 mg、0.75~250 mg、0.75~200 mg、0.75~175 mg、0.75~150 mg、0.75~125 mg、0.75~100 mg、0.75~75 mg、0.75~50 mg、0.75~30 mg、0.75~25 mg、0.75~20 mg、0.75~15 mg、0.75~10 mg、0.75~5 mg、0.75~4 mg、0.75~3 mg、0.75~2 mg、0.75~1 mg,1~750 mg、1~700 mg、1~500 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、1~4 mg、1~3 mg、1~2 mg、2~750 mg、2~700 mg、2~500 mg、2~250 mg、2~200 mg、2~175 mg、2~150 mg、2~125 mg、2~100 mg、2~75 mg、2~50 mg、2~30 mg、2~25 mg、2~20 mg、2~15 mg、2~10 mg、2~5 mg、2~4 mg、2~3 mg、3~750 mg、3~700 mg、3~500 mg、3~250 mg、3~200 mg、3~175 mg、3~150 mg、3~125 mg、3~100 mg、3~75 mg、3~50 mg、3~30 mg、3~25 mg、3~20 mg、3~15 mg、3~10 mg、3~5 mg、3~4 mg、4~750 mg、4~700 mg、4~500 mg、4~250 mg、4~200 mg、4~175 mg、4~150 mg、4~125 mg、4~100 mg、4~75 mg、4~50 mg、4~30 mg、4~25 mg、4~20 mg、4~15 mg、4~10 mg、4~5 mg、5~750 mg、5~700 mg、5~500 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、7.5~15 mg、2.5~5 mgの範囲、ならびに例示として、たとえば、約0.01 mg、0.025 mg、0.05 mg、0.075 mg、0.1 mg、0.2 mg、0.25 mg、0.3 mg、0.4 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、1.25 mg、1.5 mg、1.75 mg、2.0 mg、2.5 mg、3.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、4.5 mg、5 mg、6 mg、7 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、27.5 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、400 mgおよび500 mgの服用量でありうる。
【0036】
実施態様では、発作性障害の治療用医薬組成物は、たとえば、約0.001~500 mg、0.01~500 mg、0.01~450 mg、0.01~300 mg、0.01~250 mg、0.01~200 mg、0.01~175 mg、0.01~150 mg、0.01~125 mg、0.01~100 mg、0.01~75 mg、0.01~50 mg、0.01~30 mg、0.01~25 mg、0.01~20 mg、0.01~15 mg、0.01~10 mg、0.01~5 mg、0.01~1mg、0.025~500 mg、0.025~450 mg、0.025~300 mg、0.025~250 mg、0.025~200 mg、0.025~175 mg、0.025~150 mg、0.025~125 mg、0.025~100 mg、0.025~75 mg、0.025~50 mg、0.025~30 mg、0.025~25 mg、0.025~20 mg、0.025~15 mg、0.025~10 mg、0.025~5 mg、0.025~1mg、0.05~500 mg、0.05~450 mg、0.05~300 mg、0.05~250 mg、0.05~200 mg、0.05~175 mg、0.05~150 mg、0.05~125 mg、0.05~100 mg、0.05~75 mg、0.05~50 mg、0.05~30 mg、0.05~25 mg、0.05~20 mg、0.05~15 mg、0.05~10 mg、0.05~5 mg、0.05~1mg、0.075~500 mg、0.075~450 mg、0.075~300 mg、0.075~250 mg、0.075~200 mg、0.075~175 mg、0.075~150 mg、0.075~125 mg、0.075~100 mg、0.075~75 mg、0.075~50 mg、0.075~30 mg、0.075~25 mg、0.075~20 mg、0.075~15 mg、0.075~10 mg、0.075~5 mg、0.075~1mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、0.25~500 mg、0.25~450 mg、0.25~300 mg、0.25~250 mg、0.25~200 mg、0.25~175 mg、0.25~150 mg、0.25~125 mg、0.25~100 mg、0.25~75 mg、0.25~50 mg、0.25~30 mg、0.25~25 mg、0.25~20 mg、0.25~15 mg、0.25~10 mg、0.25~5 mg、0.25~1mg、0.05~500 mg、0.5~450 mg、0.5~300 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~1mg、1~500 mg、1~450 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、1~4 mg、1~3 mg、1~2 mg、2~500 mg、2~450 mg、2~300 mg、2~250 mg、2~200 mg、2~175 mg、2~150 mg、2~125 mg、2~100 mg、2~75 mg、2~50 mg、2~30 mg、2~25 mg、2~20 mg、2~15 mg、2~10 mg、2~5 mg、3~500 mg、3~450 mg、3~300 mg、3~250 mg、3~200 mg、3~175 mg、3~150 mg、3~125 mg、3~100 mg、3~75 mg、3~50 mg、3~30 mg、3~25 mg、3~20 mg、3~15 mg、3~10 mg、3~5 mg、4~500 mg、4~450 mg、4~300 mg、4~250 mg、4~200 mg、4~175 mg、4~150 mg、4~125 mg、4~100 mg、4~75 mg、4~50 mg、4~30 mg、4~25 mg、4~20 mg、4~15 mg、4~10 mg、4~5 mg、5~500 mg、5~450 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~500 mg、10~450 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~500 mg、15~450 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~500 mg、20~450 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~500 mg、25~450 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~80 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~500 mg、30~450 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、40~500 mg、40~450 mg、40~400 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~500 mg、50~450 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~ 500 mg、75~450 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~500 mg、100~450 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~500 mg、125~450 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~500 mg、150~450 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、200~500 mg、200~450 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~500 mg、250~450 mg、250~300 mg、300~500 mg、300~450 mg、300~400 mg、300~350 mg、350~500 mg、350~450 mg、350~400 mg、400~500 mg、400~450 mg、ならびに例示として、0.01 mg、0.025 mg、0.05 mg、0.075 mg、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、2 mg、2.5 mg、3 mg、4 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、125 mg、150 mg 175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、および500 mgの量で、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含んでもよい。
【0037】
典型的には、投与量は、発作性障害を有する対象に、1日に1、2、3または4回、隔日、週に1回、または月に1回投与されうる。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬理学的に許容される塩は、発作性障害を有する対象に、0.01~50mg/投与の用量で、1日に2回(たとえば、朝晩)、または1日3回(たとえば、朝食、昼食、および夕食)投与される。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、発作性障害を有する対象に、1回以上の服用量で、75 mg/日、70 mg/日、65 mg/日、60 mg/日、55 mg/日、50 mg/日、45 mg/日、40 mg/日、35 mg/日、30 mg/日、25 mg/日、20 mg/日、15 mg/日、10 mg/日、7.5 mg/日、5.5 mg/日、5 mg/日、4.5 mg/日、4 mg/日、3.5 mg/日、3 mg/日、2.5 mg/日、2 mg/日、1.5 mg/日、1 mg/日、0.5 mg/日、0.25 mg/日を投与される。実施態様では、成人の服用量は、約0.5~50 mg/日であり、75 mg/日まで増量できる。投与量は、成人よりも幼児および小児の方が低くできる。実施態様では、幼児または小児の服用量は、約0.01~10 mg/日で、1回または2、3もしくは4回に分けて投与することができる。実施態様では、小児服用量は、0.075 mg/kg/日~1.0 mg/kg/日である。実施態様では、対象は、低い服用量で開始されてもよく、投与量は、時間の経過とともに増量される。
【0038】
実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、1時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、2時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、3時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、4時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、6時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、本開示に従って、対象への医薬組成物の投与後、12時間にわたって、少なくとも1つの症状の改善が提供される。実施態様では、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。たとえば、医薬組成物は、たとえば、投与後および睡眠からの覚醒後、約2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、疾患の1つ以上の症状における改善を提供しうる。
【0039】
実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩は、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、発作性障害を有する対象に投与される。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、別々の剤形で、または1つの剤形に組み合わせて、発作性障害を有する対象に投与されてもよい。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、同時に、または間隔をあけて、発作性障害を有する対象に投与されてもよい。
【0040】
実施態様では、差し迫った発作の警告サインが発作活動を軽減するか、または防止するために検出された後、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供される。実施態様では、差し迫った発作の警告サインが発作活動を軽減するか、または防止するために検出された後、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、発作性障害の治療方法が提供される。実施態様では、本明細書における活性剤((S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸、または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の一方または両方)の投与の継続的な計画は、発作活動の発生を軽減するか、または防止するのに効果的である。
【0041】
実施態様では、本明細書に記載の方法は、発作性障害の1つ以上の少々を軽減するか、遅延させるか、または防止するのに有効である。たとえば、1.単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;または2.単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;を含む組成物の、特定の症状、薬理学的または生理学的指標に対する効果を、未治療の対象、または治療前の対象の状態と比較することができる。実施態様では、症状、薬理学的および/または生理学的指標は、治療前に対象において測定され、治療開始後に再び、1回以上測定される。実施態様では、対照は、参照レベルであるか、または治療されるべき疾患もしくは状態を有さない1人以上の対象(たとえば、健康な対象)において症状、薬理学的または生理学的指標を測定することに基づいて決定された平均である。実施態様では、治療の効果は、当技術分野で知られている従来の治療と比較される。
【0042】
本明細書における発作性障害(たとえば、急性反復発作、てんかん重積症)の有効な治療は、ベースラインと比較してある期間後に症状の頻度または重篤度の減少(たとえば、10%、20%、30% 40%、50%以上)を示すことによって確立されうる。たとえば、1か月のベースライン期間後、2か月間の二重盲検期間中に標準療法に対する追加療法として、対象を無作為に、1.単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;または2.単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;またはプラセボに割り当てることができる。
【0043】
主要転帰尺度には、ベースラインと比較して、二重盲検期間の2か月目に少なくとも10%~50%以上の症状の軽減を経験したと定義される、1.単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;または2.単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用した、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;およびプラセボにおける、応答者の割合が含まれる。
【0044】
実施態様では、発作が対象に現れる前に投与が行われる場合、単独または併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の投与は、てんかんを予防するために使用することができる。対象における異常なEEGサインを検出することは、対象におけるてんかんの発症を予測するためのモダリティを提供する。たとえば、TSCと診断された患者は、乳児痙攣および認知障害などの神経障害を含むてんかんを発症するリスクが高い。TSCと診断された乳児における多焦点スパイクなどの異常なEEGサインは、発作が起こる前または直後に実行される、単独または前述の1つ以上の任意の組み合わせにおける、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩による抗てんかん療法の候補を特定するのに役立つ。言い換えれば、てんかん発生の初期段階での抗てんかん治療が開始される。このようにして、対象の神経学的転帰は改善される。改善された神経学的転帰とは、発作性障害に関連する1つ以上の症状の減少または排除を意味する。したがって、単独または併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩は、異常なEGGサインを治療するために使用される。
【0045】
本明細書では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法が提供され、実施態様では、有効量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能における改善を提供する。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、有効量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、症候群の1つ以上の症状における改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与して、対象の翌日の機能における改善を提供することを含む。実施態様では、プラダー・ウィリー症候群の治療方法は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0046】
プラダー・ウィリー症候群の症状として、筋緊張低下、吸引困難、摂食困難、筋緊張不良、成長ホルモン欠乏症、性ホルモンの低レベル、絶え間ない空腹感、過度の食欲(過食)、体重増加、肥満、低身長、運動能力の低さ、未発達の性器、知的障害、学習障害、発話発達の遅れ、言語発達の遅れ、不妊症、認知硬直性、認知機能障害、情緒不安定、強迫行動、自閉症症状、日中の過度の眠気、脊柱側弯症、骨減少症/骨粗鬆症、消化管運動の低下、睡眠障害、および/または疼痛感受性の低下が挙げられる。さらに、PWS患者の約10%において、精神病のエピソード、うつ病および精神病を伴う双極性障害を含む、より重症の精神疾患が生じうる。
【0047】
DSM-5には、特定の学習障害を、他の学習の基礎である特定の学力(たとえば、読むこと、書くこと、または計算能力)を習得または使用する能力を妨げる一種の神経発達障害とみなす、発作性障害またはプラダー・ウィリー症候群に現れる可能性がある学習障害に関する基準が示されている。
【0048】
発作性障害またはプラダー・ウィリー症候群に適用されるかどうかにかかわらず、認知障害(別名、認知の障害)は、限定的ではないが、1つ以上の以下のものなどの、脳の正常な生理的活動を意味する正常な認知機能に対して測定されうる:当該技術分野において適切な任意の基準によって測定される、精神的安定性、記憶/想起能力、問題解決能力、推論能力、思考能力、判断能力、差別化または選択能力、学習能力、学習の容易さ、知覚、直感、注意、および意識。
【0049】
認知機能障害には、軽度の精神活動の障害、または日常生活を著しく妨げない精神障害の障害も含まれる。軽度の認知障害(MCI)は、そのような状態の例である。軽度の認知障害を持つ対象は、認知症の症状(たとえば、言語および記憶の困難性)を示すことがあるが、これらの症状の重篤度は認知症の診断が適切ではない可能性がある。
【0050】
当業者であれば、本明細書に記載の化合物の相対的な安全性および有効性を、発作性障害またはプラダー・ウィリー症候群に関連する認知障害の治療について評価および比較するのに使用できる多数のヒトおよび動物モデルがあることを認識するであろう。ヒトにおいて、認知機能は、たとえば、限定的ではないが、臨床的な全体的印象の変化の尺度(the clinical global impression of change scale)(CGI);ミニメンタルステート検査(MMSE)(別名フォルスタインテスト);神経精神科目録(NPI);臨床認知症評価尺度(CDR);ケンブリッジ神経心理学的検査バッテリー(CANTAB)、サンド臨床評価-老年医学(SCAG)尺度、ベントン視覚記銘検査(BVRT)、モントリオール認知評価(MoCA)または数字記号置換テスト(DSST)によって測定され得る。
【0051】
動物モデル系では、認知機能は、モリスウォーターナビゲーションタスク、バーンズ迷路、ラジアルアーム迷路タスク、T迷路などを使用することを含む、当技術分野で知られている様々な従来の方法で測定されうる。当技術分野で公知の他の試験もまた、新規な物体認識および臭気認識作業などの認知機能を評価するために使用されうる。
【0052】
認知機能はまた、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)、シングル・フォトン・エミッション・コンピュータトモグラフィー(SPECT)、または脳機能の測定を可能にする任意の他のイメージング技術などのイメージング技術を使用して測定されてもよい。動物では、認知機能は、電気生理学的手法で測定することもできる。
【0053】
したがって、有効量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、プラダー・ウィリー症候群を有する対象を治療するために用いられる。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の有効量は、プラダー・ウィリー症候群を有する対象を治療するために用いられる。対象は、動物、たとえば、哺乳動物、たとえば、ヒトなどでありうる。本明細書で使用される場合、発作性障害またはプラダー・ウィリー症候群に適用されるかどうかにかかわらず、用語「治療する」、「治療」または「治療すること」は、発作性障害またはプラダー・ウィリー症候群に関連する障害または疾患の症状または病理が、改善されるか、そうでなければ有益に変化する任意の様式を包含する。実施態様では、「治療する」、「治療」または「治療すること」は、疾患または状態を阻害すること、たとえば、その発症またはその少なくとも1つの臨床的もしくは無症状の症状を阻止または軽減することを意味しうる。実施態様では、「治療する」、「治療」または「治療すること」は、疾患または状態を軽減すること、たとえば、疾患または状態またはその臨床的もしくは無症候性の症状のうちの少なくとも1つを後退させることを意味しうる。実施態様では、「認知障害の治療」とは、認知障害の症状のうちの1つ以上を改善する、有益に変更する、および/または軽減することを意味する。治療されている対象に対する利益は、統計的に有意、数学的に有意、または少なくとも対象および/または医師にとって知覚可能でありうる。
【0054】
実施態様では、PWSに適用される「有効量」または「治療有効量」という用語は、限定的ではないが、1つ以上の以下の症状などのPWS症状に関連して特定の薬理学的および/または生理学的効果を達成するのに有効な化合物、材料、組成物、医薬品、または他の材料の量を意味する:吸引困難の低減化または排除、摂食困難の低減化または排除、筋緊張不良の低減化または排除、成長ホルモン欠乏症の低減化または排除、性ホルモンの低レベルの低減化または排除、絶え間ない空腹感の低減化または排除、過度の食欲(過食)の低減化または排除、体重増加の低減化または排除、肥満の低減化または排除、低身長の低減化または排除、運動能力の低さの低減化または排除、未発達の性器の低減化または排除、知的障害の低減化または排除、学習障害の低減化または排除、発話発達の遅れの低減化または排除、言語発達の遅れの低減化または排除、不妊症の低減化または排除、認知硬直性の低減化または排除、認知機能障害の低減化または排除、情緒不安定の低減化または排除、強迫行動の低減化または排除、自閉症症状の低減化または排除、精神病のエピソードの低減化または排除、精神病を伴う双極性障害の低減化または排除、日中の過度の眠気の低減化または排除、脊柱側弯症の低減化または排除、骨減少症/骨粗鬆症の低減化または排除、消化管運動の低下の低減化または排除、睡眠障害の低減化または排除、および/または疼痛感受性の低下の低減化または排除、認知機能の向上、日中の活動の増加、学習の改善(学習の速度または容易さ)、注意力の向上、社会的行動の向上、および/または脳血管機能の改善。実施態様では、有効量とは、上記の質のうちの任意の1つ以上の低下を予防するため、または、実施態様では、上記の質、たとえば、絶え間ない空腹感、過度の食欲(過食症)、体重増加、肥満、認知機能またはパフォーマンス、学習速度または能力、問題解決能力、注意力、注意の間隔および課題または問題に集中する能力、社会的行動などの1つ以上を改善するために、適切でありうる量を示す。実施態様では、有効量は、対象の食欲不調節、体重減少、認知能力または機能の低下の程度または速度を低下させるのに適している可能性があり、および/または有効量は、そのような低下の発症を遅らせるのに適切であり得る。実施態様では、有効量は、視床下部のBDNF発現を増加させる。そのような有効性は、たとえば、本明細書に記載の組成物を個体または集団に投与することによって達成することができる。実施態様では、
個体もしくは集団における、減少、またはそのような低下の遅延、または改善は、コホート、たとえば、対照である対象または治療を受けていないコホート集団または組成物もしくは薬剤を投与されたコホート集団と比較することができる。
【0055】
投与量は、対象に依存する変数(たとえば、年齢、免疫系、健康状態など)、治療される疾患または障害、ならびに投与経路および投与されている薬剤の薬物動態などのさまざまな要因によって変わりうる。
【0056】
実施態様では、方法は、約0.1 mg~約1500 mgの(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによってPWSを治療することを包含する。実施態様では、方法は、約0.5 mg~約1000 mgの(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによってPWSを治療することを包含する。実施態様では、PWSの治療のための、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩の量は、0.1および1500 mg/日の間、または0.01 mg/kg/日~15 mg/kg/日でありうる。実施態様では、PWSの治療のための、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、その塩酸塩の量は、0.1および1000 mg/日の間でありうる。たとえば、一日投与量は、たとえば、約0.1~1500 mg、0.1~1250 mg、0.1~1000 mg、0.1~750 mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、1~1500 mg、1~1000 mg、1~500 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、5~1500 mg、5~1000 mg、5~500 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~1500 mg、10~1000 mg、10~500 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~1500 mg、15~1000 mg、15~500 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~1500 mg、20~1000 mg、20~500 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~1500 mg、25~1000 mg、25~500 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~1500 mg、30~1000 mg、30~500 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、35~1500 mg、35~1000 mg、35~500 mg、35~300 mg、35~250 mg、35~200 mg、35~175 mg、35~150 mg、35~125 mg、35~100 mg、35~75 mg、35~50 mg、40~1500 mg、40~1000 mg、40~500 mg、40~300 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~1500 mg、50~1000 mg、50~500 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~1500 mg、75~1000 mg、75~500 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~1500 mg、100~1000 mg、100~500 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~1500 mg、125~1000 mg、125~500 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~1500 mg、150~1000 mg、150~500 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、150~175 mg、175~1500 mg、175~1000 mg、175~500 mg、175~300 mg、175~250 mg、175~200 mg、200~1500 mg、200~1000 mg、200~500 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~1500 mg、250~1000 mg、250~500 mg、250~300 mg、7.5~15 mg、2.5~5 mg、1~5 mgの範囲、ならびに例示として、たとえば、約0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、1.25 mg、1.5 mg、1.75 mg、2.0 mg、2.5 mg、3.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、4.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、27.5 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、400 mgおよび500 mgの服用量でありうる。
【0057】
実施態様では、医薬組成物は、たとえば、約0.01~500 mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、0.5~ 500 mg、0.5~450 mg、0.5~300 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~1mg、1~500 mg、1~450 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、5~ 500 mg、5~450 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~500 mg、10~450 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~500 mg、15~450 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~500 mg、20~450 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~500 mg、25~450 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~80 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~500 mg、30~450 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、40~500 mg、40~450 mg、40~400 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~500 mg、50~450 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~ 500 mg、75~450 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~500 mg、100~450 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~500 mg、125~450 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~500 mg、150~450 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、200~500 mg、200~450 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~500 mg、250~450 mg、250~300 mg、300~500 mg、300~450 mg、300~400 mg、300~350 mg、350~500 mg、350~450 mg、350~400 mg、400~500 mg、400~450 mg、ならびに例示として、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、125 mg、150 mg 175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、および500 mgの量で、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含んでもよい。
【0058】
典型的には、PWSを治療するための投与量は、1日に1、2、3または4回、隔日、週に1回、または月に1回投与されうる。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬理学的に許容される塩は、対象に、1~50mg/投与の用量で、1日に2回(たとえば、朝晩)、または1日3回(たとえば、朝食、昼食、および夕食)投与される。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、対象に、1回以上の服用量で、100 mg/日、95 mg/日、90 mg/日、85 mg/日、80 mg/日、75 mg/日、70 mg/日、65 mg/日、60 mg/日、55 mg/日、50 mg/日、45 mg/日、40 mg/日、35 mg/日、30 mg/日、25 mg/日、20 mg/日、15 mg/日、10 mg/日、5 mg/日、4 mg/日、3 mg/日、2 mg/日、1 mg/日投与される。実施態様では、PWSを治療するための成人の服用量は、約5~80 mg/日であり、150 mg/日まで増量できる。投与量は、成人よりも幼児および小児の方が低くできる。実施態様では、PWSを治療するための幼児または小児の服用量は、約0.1~50 mg/日で、1回または2、3もしくは4回に分けて投与することができる。実施態様では、PWSを治療するための小児服用量は、0.75 mg/kg/日~1.5 mg/kg/日である。実施態様では、対象は、低い服用量で開始されてもよく、投与量は、時間の経過とともに増量される。
【0059】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、発作性障害またはPWSのいずれかの治療のための医薬組成物を介して投与される。本明細書の医薬組成物は、剤形を包含する。本明細書における剤形は、単位用量を包含する。実施態様では、後述するように、従来の製剤および放出調節製剤などのさまざまな剤形を1日1回以上投与することができる。任意の適切な投与経路、たとえば、経口、経直腸、経鼻、経肺、経膣、舌下、経皮、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内および皮下経路が利用されうる。適切な剤形としては、錠剤、カプセル、経口液剤、散剤、エアロゾル剤、局所用液体剤、パッチ剤、クリーム剤および軟膏剤などの経皮吸収剤、非経口製剤および坐剤が挙げられる。
【0060】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、1時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、2時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、3時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、4時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、6時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。たとえば、医薬組成物は、たとえば、投与後および睡眠からの覚醒後、約2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供しうる。
【0061】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、PWSを有する対象に投与される。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、および(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、別々の剤形で、または1つの剤形に組み合わせて、PWSを有する対象に投与されてもよい。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩、および(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、同時にまたは間隔をあけて、PWSを有する対象に投与されてもよい。
【0062】
実施態様では、方法は、約0.005 mg~約750 mgの(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、塩酸塩を、それを必要とする対象に投与することによってPWSを治療することを含む。実施態様では、PWSの治療のための、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、たとえば、塩酸塩の量は、0.005および1000 mg/日の間、または0.005 mg/kg/日~14 mg/kg/日でありうる。たとえば、一日投与量は、たとえば、約0.01~750 mg、0.01~700 mg、0.01~500 mg、0.01~250 mg、0.01~200 mg、0.01~175 mg、0.01~150 mg、0.01~125 mg、0.01~100 mg、0.01~75 mg、0.01~50 mg、0.01~30 mg、0.01~25 mg、0.01~20 mg、0.01~15 mg、0.01~10 mg、0.01~5 mg、0.01~4 mg、0.01~3 mg、0.01~2 mg、0.01~1 mg、0.01~0.75 mg、0.01~0.5 mg、0.01~0.25 mg、0.01~0.1 mg、0.1~750 mg、0.1~700 mg、0.1~500 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~4 mg、0.1~3 mg、0.1~2 mg、0.1~1 mg、0.1~0.75 mg、0.1~0.5 mg、0.1~0.25 mg、0.25~750 mg、0.25~700 mg、0.25~500 mg、0.25~250 mg、0.25~200 mg、0.25~175 mg、0.25~150 mg、0.25~125 mg、0.25~100 mg、0.25~75 mg、0.25~50 mg、0.25~30 mg、0.25~25 mg、0.25~20 mg、0.25~15 mg、0.25~10 mg、0.25~5 mg、0.25~4 mg、0.25~3 mg、0.25~2 mg、0.25~1 mg、0.25~0.75 mg、0.25~0.5 mg、0.3~750 mg、0.5~700 mg、0.3~500 mg、0.3~250 mg、0.3~200 mg、0.3~175 mg、0.3~150 mg、0.3~125 mg、0.3~100 mg、0.3~75 mg、0.3~50 mg、0.3~30 mg、0.3~25 mg、0.3~20 mg、0.3~15 mg、0.3~10 mg、0.3~5 mg、0.3~4 mg、0.3~3 mg、0.3~2 mg、0.3~1 mg、0.3~0.75 mg、0.3~0.5 mg,0.4~750 mg、0.4~700 mg、0.4~500 mg、0.4~250 mg、0.4~200 mg、0.4~175 mg、0.4~150 mg、0.4~125 mg、0.4~100 mg、0.4~75 mg、0.4~50 mg、0.4~30 mg、0.4~25 mg、0.4~20 mg、0.4~15 mg、0.4~10 mg、0.4~5 mg、0.4~4 mg、0.4~3 mg、0.4~2 mg、0.4~1 mg、0.4~0.75 mg、0.4~0.5 mg,0.5~750 mg、0.5~700 mg、0.5~500 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~4 mg、0.5~3 mg、0.5~2 mg、0.5~1 mg、0.5~0.75 mg、0.75~750 mg、0.75~700 mg、0.75~500 mg、0.75~250 mg、0.75~200 mg、0.75~175 mg、0.75~150 mg、0.75~125 mg、0.75~100 mg、0.75~75 mg、0.75~50 mg、0.75~30 mg、0.75~25 mg、0.75~20 mg、0.75~15 mg、0.75~10 mg、0.75~5 mg、0.75~4 mg、0.75~3 mg、0.75~2 mg、0.75~1 mg,1~750 mg、1~700 mg、1~500 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、1~4 mg、1~3 mg、1~2 mg、2~750 mg、2~700 mg、2~500 mg、2~250 mg、2~200 mg、2~175 mg、2~150 mg、2~125 mg、2~100 mg、2~75 mg、2~50 mg、2~30 mg、2~25 mg、2~20 mg、2~15 mg、2~10 mg、2~5 mg、2~4 mg、2~3 mg、3~750 mg、3~700 mg、3~500 mg、3~250 mg、3~200 mg、3~175 mg、3~150 mg、3~125 mg、3~100 mg、3~75 mg、3~50 mg、3~30 mg、3~25 mg、3~20 mg、3~15 mg、3~10 mg、3~5 mg、3~4 mg、4~750 mg、4~700 mg、4~500 mg、4~250 mg、4~200 mg、4~175 mg、4~150 mg、4~125 mg、4~100 mg、4~75 mg、4~50 mg、4~30 mg、4~25 mg、4~20 mg、4~15 mg、4~10 mg、4~5 mg、5~750 mg、5~700 mg、5~500 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、7.5~15 mg、2.5~5 mgの範囲、ならびに例示として、たとえば、約0.01 mg、0.025 mg、0.05 mg、0.075 mg、0.1 mg、0.2 mg、0.25 mg、0.3 mg、0.4 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、1.25 mg、1.5 mg、1.75 mg、2.0 mg、2.5 mg、3.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、4.5 mg、5 mg、6 mg、7 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、27.5 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、400 mgおよび500 mgの服用量でありうる。
【0063】
実施態様では、医薬組成物は、たとえば、約0.001~500 mg、0.01~500 mg、0.01~450 mg、0.01~300 mg、0.01~250 mg、0.01~200 mg、0.01~175 mg、0.01~150 mg、0.01~125 mg、0.01~100 mg、0.01~75 mg、0.01~50 mg、0.01~30 mg、0.01~25 mg、0.01~20 mg、0.01~15 mg、0.01~10 mg、0.01~5 mg、0.01~1mg、0.025~500 mg、0.025~450 mg、0.025~300 mg、0.025~250 mg、0.025~200 mg、0.025~175 mg、0.025~150 mg、0.025~125 mg、0.025~100 mg、0.025~75 mg、0.025~50 mg、0.025~30 mg、0.025~25 mg、0.025~20 mg、0.025~15 mg、0.025~10 mg、0.025~5 mg、0.025~1mg、0.05~500 mg、0.05~450 mg、0.05~300 mg、0.05~250 mg、0.05~200 mg、0.05~175 mg、0.05~150 mg、0.05~125 mg、0.05~100 mg、0.05~75 mg、0.05~50 mg、0.05~30 mg、0.05~25 mg、0.05~20 mg、0.05~15 mg、0.05~10 mg、0.05~5 mg、0.05~1mg、0.075~500 mg、0.075~450 mg、0.075~300 mg、0.075~250 mg、0.075~200 mg、0.075~175 mg、0.075~150 mg、0.075~125 mg、0.075~100 mg、0.075~75 mg、0.075~50 mg、0.075~30 mg、0.075~25 mg、0.075~20 mg、0.075~15 mg、0.075~10 mg、0.075~5 mg、0.075~1mg、0.1~500 mg、0.1~450 mg、0.1~300 mg、0.1~250 mg、0.1~200 mg、0.1~175 mg、0.1~150 mg、0.1~125 mg、0.1~100 mg、0.1~75 mg、0.1~50 mg、0.1~30 mg、0.1~25 mg、0.1~20 mg、0.1~15 mg、0.1~10 mg、0.1~5 mg、0.1~1mg、0.25~500 mg、0.25~450 mg、0.25~300 mg、0.25~250 mg、0.25~200 mg、0.25~175 mg、0.25~150 mg、0.25~125 mg、0.25~100 mg、0.25~75 mg、0.25~50 mg、0.25~30 mg、0.25~25 mg、0.25~20 mg、0.25~15 mg、0.25~10 mg、0.25~5 mg、0.25~1mg、0.05~500 mg、0.5~450 mg、0.5~300 mg、0.5~250 mg、0.5~200 mg、0.5~175 mg、0.5~150 mg、0.5~125 mg、0.5~100 mg、0.5~75 mg、0.5~50 mg、0.5~30 mg、0.5~25 mg、0.5~20 mg、0.5~15 mg、0.5~10 mg、0.5~5 mg、0.5~1mg、1~500 mg、1~450 mg、1~300 mg、1~250 mg、1~200 mg、1~175 mg、1~150 mg、1~125 mg、1~100 mg、1~75 mg、1~50 mg、1~30 mg、1~25 mg、1~20 mg、1~15 mg、1~10 mg、1~5 mg、1~4 mg、1~3 mg、1~2 mg、2~500 mg、2~450 mg、2~300 mg、2~250 mg、2~200 mg、2~175 mg、2~150 mg、2~125 mg、2~100 mg、2~75 mg、2~50 mg、2~30 mg、2~25 mg、2~20 mg、2~15 mg、2~10 mg、2~5 mg、3~500 mg、3~450 mg、3~300 mg、3~250 mg、3~200 mg、3~175 mg、3~150 mg、3~125 mg、3~100 mg、3~75 mg、3~50 mg、3~30 mg、3~25 mg、3~20 mg、3~15 mg、3~10 mg、3~5 mg、4~500 mg、4~450 mg、4~300 mg、4~250 mg、4~200 mg、4~175 mg、4~150 mg、4~125 mg、4~100 mg、4~75 mg、4~50 mg、4~30 mg、4~25 mg、4~20 mg、4~15 mg、4~10 mg、4~5 mg、5~500 mg、5~450 mg、5~300 mg、5~250 mg、5~200 mg、5~175 mg、5~150 mg、5~125 mg、5~100 mg、5~75 mg、5~50 mg、5~30 mg、5~25 mg、5~20 mg、5~15 mg、5~10 mg、10~500 mg、10~450 mg、10~300 mg、10~250 mg、10~200 mg、10~175 mg、10~150 mg、10~125 mg、10~100 mg、10~75 mg、10~50 mg、10~30 mg、10~25 mg、10~20 mg、10~15 mg、15~500 mg、15~450 mg、15~300 mg、15~250 mg、15~200 mg、15~175 mg、15~150 mg、15~125 mg、15~100 mg、15~75 mg、15~50 mg、15~30 mg、15~25 mg、15~20 mg、20~500 mg、20~450 mg、20~300 mg、20~250 mg、20~200 mg、20~175 mg、20~150 mg、20~125 mg、20~100 mg、20~75 mg、20~50 mg、20~30 mg、20~25 mg、25~500 mg、25~450 mg、25~300 mg、25~250 mg、25~200 mg、25~175 mg、25~150 mg、25~125 mg、25~100 mg、25~80 mg、25~75 mg、25~50 mg、25~30 mg、30~500 mg、30~450 mg、30~300 mg、30~250 mg、30~200 mg、30~175 mg、30~150 mg、30~125 mg、30~100 mg、30~75 mg、30~50 mg、40~500 mg、40~450 mg、40~400 mg、40~250 mg、40~200 mg、40~175 mg、40~150 mg、40~125 mg、40~100 mg、40~75 mg、40~50 mg、50~500 mg、50~450 mg、50~300 mg、50~250 mg、50~200 mg、50~175 mg、50~150 mg、50~125 mg、50~100 mg、50~75 mg、75~ 500 mg、75~450 mg、75~300 mg、75~250 mg、75~200 mg、75~175 mg、75~150 mg、75~125 mg、75~100 mg、100~500 mg、100~450 mg、100~300 mg、100~250 mg、100~200 mg、100~175 mg、100~150 mg、100~125 mg、125~500 mg、125~450 mg、125~300 mg、125~250 mg、125~200 mg、125~175 mg、125~150 mg、150~500 mg、150~450 mg、150~300 mg、150~250 mg、150~200 mg、200~500 mg、200~450 mg、200~300 mg、200~250 mg、250~500 mg、250~450 mg、250~300 mg、300~500 mg、300~450 mg、300~400 mg、300~350 mg、350~500 mg、350~450 mg、350~400 mg、400~500 mg、400~450 mg、ならびに例示として、0.01 mg、0.025 mg、0.05 mg、0.075 mg、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、2 mg、2.5 mg、3 mg、4 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mg、22.5 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、125 mg、150 mg 175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、および500 mgの量で、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含んでもよい。
【0064】
典型的には、投与量は、1日に1、2、3または4回、隔日、週に1回、または月に1回投与されうる。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル) シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、対象に、0.01~50mg/投与の用量で、1日に2回(たとえば、朝晩)、または1日3回(たとえば、朝食、昼食、および夕食)投与される。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、対象に、1回以上の服用量で、75 mg/日、70 mg/日、65 mg/日、60 mg/日、55 mg/日、50 mg/日、45 mg/日、40 mg/日、35 mg/日、30 mg/日、25 mg/日、20 mg/日、15 mg/日、10 mg/日、7.5 mg/日、5.5 mg/日、5 mg/日、4.5 mg/日、4 mg/日、3.5 mg/日、3 mg/日、2.5 mg/日、2 mg/日、1.5 mg/日、1 mg/日、0.5 mg/日、0.25 mg/日投与される。実施態様では、PWSを治療するための成人の服用量は、約0.5~50/日であり、75 mg/日まで増量できる。投与量は、成人よりも幼児および小児の方が低くできる。実施態様では、PWSを治療するための幼児または小児の服用量は、約0.01~10 mg/日で、1回または2、3もしくは4回に分けて投与することができる。実施態様では、PWSを治療するための小児服用量は、0.075 mg/kg/日~50 mg/kg/日である。実施態様では、対象は、低い服用量で開始されてもよく、投与量は、時間の経過とともに増量される。
【0065】
実施態様では、発作性障害またはPWSのいずれかの治療のために、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物を介して投与される。本明細書の医薬組成物は、剤形を包含する。本明細書における剤形は、単位用量を包含する。実施態様では、後述するように、従来の製剤および放出調節製剤などのさまざまな剤形を1日1回以上投与することができる。任意の適切な投与経路、たとえば、経口、経直腸、経鼻、経肺、経膣、舌下、経皮、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内および皮下経路が利用されうる。適切な剤形としては、錠剤、カプセル、経口液剤、散剤、エアロゾル剤、局所用液体剤、パッチ剤、クリーム剤および軟膏剤などの経皮吸収剤、非経口製剤および坐剤が挙げられる。
【0066】
実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、1時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、2時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、3時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、4時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、6時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSの治療方法が提供され、ここで、医薬組成物は、対象への投与後、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供する。実施態様では、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。たとえば、医薬組成物は、たとえば、投与後および睡眠からの覚醒後、約2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、症候群の1つ以上の症状における改善を提供しうる。
【0067】
実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩は、(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩と併用して、PWSを有する対象に投与される。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、別々の剤形で、または1つの剤形に組み合わせて、PWSを有する対象に投与されてもよい。実施態様では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および(1S,3S)-3-アミノ-4-ジフルオロメチレニル-1-シクロペンタン酸またはその薬学的に許容される塩は、同時にまたは間隔をあけて、PWSを有する対象に投与されてもよい。
【0068】
実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩との併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、50%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩との併用での、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、50%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。
【0069】
実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩との併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、55%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩との併用での、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、55%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。
【0070】
実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩との併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、60%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩との併用での、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、60%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。
【0071】
実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩との併用での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、65%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。実施態様では、本明細書は、インビボ血漿プロファイルを提供する、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と併用して、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、単独または(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩との併用での、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与後10時間における対象のインビボ血漿プロファイルは、65%以上低減化され、方法は、投与後10、12、14、16、18、20、22または24時間以上にわたって、対象における改善を提供する。
【0072】
実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約4時間の対象内での、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または組み合わせで、投与量の約75%未満である、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供する。実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約6時間、8時間、10時間、12時間、15時間、または20時間の対象内での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または任意の組み合わせで、投与量の約75%未満である、方法を提供する。
【0073】
実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約4時間の対象内での、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または組み合わせで、投与量の約80%未満である、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供する。実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約6時間、8時間、10時間、12時間、15時間、または20時間の対象内での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または任意の組み合わせで、投与量の約80%未満である、方法を提供する。
【0074】
実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約4時間の対象内での、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または組み合わせで、投与量の約65%~約85%の間である、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供する。実施態様では、本明細書は、医薬組成物の投与後約6時間、8時間、10時間、12時間、15時間、または20時間の対象内での、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量が、個別または任意の組み合わせで、投与量の約65%~約85%の間である、方法を提供する。
【0075】
実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日おきに投与すされてもよい。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、持続注入によって投与されてもよい。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、朝に対象に提供される。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は夕方に対象に提供される。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、夕方に1回、朝に1回、対象に提供される。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、朝に1回、午後に1回、夕方に1回、対象に提供される。
【0076】
実施態様では、前述のように、本明細書の医薬組成物には、従来の放出プロファイルまたは変更された放出プロファイルで提供てもよい。医薬組成物は、安全かつ有効であるとみなされる材料で構成される、医薬的に許容される「担体」を使用して調製されうる。「担体」には、活性成分以外の医薬製剤に存在するすべての成分が含まれる。「担体」という用語として、希釈剤、バインダー、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、およびコーティング組成物が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、そのような医薬担体およびそのような担体を使用して医薬組成物を配合する方法に精通している。
【0077】
本明細書の実施態様では、医薬組成物は、放出プロファイルを変更する放出調節剤形である。変更された放出プロファイルは、即時放出、遅延放出、または持続放出プロファイルを示してもよい。錠剤、カプセル、坐剤、シロップ剤、溶液剤および懸濁液剤などの従来の(または未変更の)放出経口剤形は、典型的に、錠剤、カプセルの殻または坐剤が溶解すると、またはシロップ剤、溶液剤および懸濁液剤の場合、それらが飲み込まれると、口、胃または腸に薬物を放出する。変更された放出(MR)剤形からの薬物放出のパターンは、所望の治療目的および/またはより良い患者コンプライアンスを達成するために、従来の投与剤形のものから意図的に変更される。MR医薬品の種類として、即時放出、持続放出剤形、遅延放出剤形(たとえば、腸溶性コーティングされた)、およびパルス放出剤形を提供する口腔崩壊剤形(ODDF)が挙げられる。
【0078】
ODDFは、舌の上に置くと通常数秒以内に急速に崩壊する薬用物質または有効成分を含む固体剤形である。ODDFの崩壊時間は、一般に、1または2秒から約1分の範囲である。ODDFは、唾液と接触すると急速に崩壊または溶解するように設計されている。この投与方法は、身体の虚弱によるものであれ精神医学的なものであれ、錠剤を飲み込むのに問題がある人にとって有益である。PWSまたは発作性障害のある対象は、このような行動を示す可能性がある。ODDFは、粘膜を介して血流に薬物を迅速に送達することができ、作用の迅速な開始をもたらす。ODDFの例として、口腔内崩壊錠、カプセル、ならびに急速溶解フィルムおよびウエハーが挙げられる。
【0079】
持続放出剤形(ERDF)は、放出プロファイルが延長されており、従来の剤形、たとえば、溶液剤または非変更放出剤形によって提示されるものと比較して、投与頻度を減らすことができるものである。ERDFは、薬物の持続的な作用期間を提供する。持続放出プロファイルを提供する適切な製剤は、当技術分野で周知である。たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が、ビーズ、たとえば、菓子製造人のノンパレイユビーズに適用され、次いで、ワックス、腸溶性コーティングなどの従来の放出遅延材料でコーティングされる、コーティングされた遅延放出ビーズまたは顆粒(ビーズおよび顆粒は互換的に使用される)。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が、材料と混合されて、薬物が浸出する塊を提供するビーズが形成されうる。実施態様では、ビーズは、異なる材料を用いて、コーティングまたは塊の特徴、たとえば、厚さ、多孔度を変えることにより、異なる放出速度を提供するように工作されうる。異なる放出速度を有するビーズを単一の剤形に組み合わせて、可変または連続放出を提供してもよい。ビーズはカプセルに入れるか、錠剤に圧縮することができる。
【0080】
実施態様では、本明細書における変更剤形は、遅延放出プロファイルを有する遅延放出剤形を包含する。遅延放出剤形として、遅延放出錠剤または遅延放出カプセルが挙げられる。遅延放出錠は、投与直後以外の時点で、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を放出する固体剤形である。遅延放出カプセルは、適切な形のゼラチンで作られた硬または軟可溶性容器に薬物が封入され、投与直後以外の時点で薬物を放出する固体剤形である。たとえば、腸溶性錠剤、カプセル、粒子およびビーズは、遅延放出剤形のよく知られた例である。腸溶コーティング錠、カプセル、粒子およびビーズは、胃を通過し、腸内で薬物を放出する。実施態様では、遅延放出錠剤は、投与直後以外の時点で薬物を放出する薬用粒子の集塊を含む固体剤形である。実施態様では、薬用粒子の集塊は、薬物の放出を遅らせるコーティングで覆われる。実施態様では、遅延放出カプセルは、投与直後以外の時点で薬物を放出する薬用粒子の集塊を含む固体剤形である。実施態様では、薬用粒子の集塊は、薬物の放出を遅らせるコーティングで覆われる。
【0081】
遅延放出剤形は、当業者に知られている。たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が、ビーズ、たとえば、菓子製造人のノンパレイユビーズに適用され、次いで、ワックス、腸溶性コーティングなどの従来の放出遅延材料でコーティングされる。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が、材料と混合されて、薬物が浸出する塊を提供するビーズが形成されうる。実施態様では、ビーズは、異なる材料を用いて、コーティングまたは塊の特徴、たとえば、厚さ、多孔度を変えることにより、異なる放出速度を提供するように工作されうる。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の腸溶コーティング顆粒は、小腸で顆粒を放出する腸溶性コーティングされたカプセルまたは錠剤に含まれうる。実施態様では、顆粒はコーティングされており、コーティングされた顆粒が少なくとも回腸に達するまでそのままであり、その後、結腸での薬物の遅延放出が提供される。たとえば、メタクリル酸およびメチルメタクリレートポリマーなどのオイドラギット(登録商標)コーティングなど、適切な腸溶性コーティング材料は、当技術分野で周知である。顆粒はカプセルに入れるか、錠剤に圧縮することができる。
【0082】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩は、遅延放出プロファイルを提供する多孔性不活性担体に組み込まれる。実施態様では、多孔性不活性担体には、それから薬物が周囲の液体に拡散するチャネルまたは通路が組み込まれる。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩は、イオン交換樹脂に組み込まれ、遅延放出プロファイルを提供する。薬物-樹脂複合体が、胃腸液およびその中に溶解したイオン成分と接触すると、樹脂からの薬物の所定の放出速度から遅延作用が生じる場合がある。実施態様では、膜は、薬物含有リザーバーからの放出速度を制御するために利用される。実施態様では、液体製剤を利用して、遅延放出プロファイルを提供することもできる。たとえば、粒子が溶けない液相全体に分散した固体粒子からなる液体製剤。懸濁液は、従来の剤形として(たとえば、溶液、または迅速な薬物放出の従来の固体剤形として)提示された薬物と比較して、少なくとも投与頻度の減少を可能にするように製剤化される。たとえば、イオン交換樹脂成分またはマイクロビーズの懸濁液。
【0083】
実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、たとえば、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)、またはくも膜下(i.t.)などの非経口投与に適している。非経口組成物は、注射、注入または体内への埋め込みによる投与のために無菌でなければならず、単回投与量または複数回投与量の容器のいずれかに包装されうる。実施態様では、対象への非経口投与用の液体医薬組成物は、上記のそれぞれの量のいずれかの、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩などの活性物質を含む。実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、約10 ml、20 ml、25 ml、50 ml、100 ml、200 ml、250 ml、または500 mlの総体積として製剤される。実施態様では、組成物は、袋、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたは瓶に入れる。
【0084】
実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩について、上記それぞれの量を含む。実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、約0.05 mg~約500 mgの活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む。実施態様では、対象への非経口投与用の医薬組成物は、約0.005 mg/ml~約500 mg/mlのそれぞれの濃度で、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む。実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、たとえば、約0.05 mg/ml~約50 mg/ml、約0.1 mg/ml~約50 mg/ml、約0.1 mg/ml~約10 mg/ml、約0.05 mg/ml~約25 mg/ml、約0.05 mg/ml~約10 mg/ml、約0.05 mg/ml~約5 mg/ml、または約0.05 mg/ml~約1 mg/mlのそれぞれの濃度で、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む。実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、たとえば、約0.05 mg/ml~約15 mg/ml、約0.5 mg/ml~約10 mg/ml、約0.25 mg/ml~約5 mg/ml、約0.5 mg/ml~約7 mg/ml、約1 mg/ml~約10 mg/ml、約5 mg/ml~約10 mg/ml、または約5 mg/ml~約15 mg/mlのそれぞれの濃度で、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む。
【0085】
実施態様では、医薬組成物が少なくとも6か月間安定である非経口投与用の医薬組成物が提供される。実施態様では、非経口投与用の医薬組成物は、たとえば、3か月または6か月間、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩における約5%以下の減少を示す。実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量は、たとえば、約2.5%、1%、0.5%または0.1%以下で減少する。実施態様では、減少は、少なくとも6か月間、たとえば、約%5、2.5%、1%、0.5%、0.25%、0.1%未満である。
【0086】
実施態様では、医薬組成物が可溶性のままである非経口投与用の医薬組成物が提供される。実施態様では、安定、可溶性、局部互換性および/またはすぐに使用可能な非経口投与用の医薬組成物が提供される。実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、それを必要とする対象に直接投与するために、すぐに使用可能である。
【0087】
本明細書で提供される非経口投与用の医薬組成物は、1つ以上の賦形剤、たとえば、溶媒、溶解促進剤、懸濁剤、緩衝剤、等張剤、安定剤または抗菌防腐剤を含んでもよい。使用される場合、非経口組成物の賦形剤は、組成物中に使用された(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の安定性、バイオアベイラビリティ、安全性および/または効能に悪影響を及ぼさない。したがって、剤形の成分のいずれにも不適合性がない非経口組成物が提供される。
【0088】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む非経口組成物は、安定化量の少なくとも1つの賦形剤を含む。たとえば、賦形剤は、緩衝剤、可溶化剤、等張剤、酸化防止剤、キレート剤、抗菌剤、防腐剤からなる群から選択される。当業者は、賦形剤が2つ以上の機能を有し、1つ以上の定義されたグループに分類されうることを理解するであろう。
【0089】
実施態様では、賦形剤が、たとえば、約10%、5%、2.5%、1%、または0.5%未満の重量パーセント(w/v)で存在する、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および賦形剤を含む非経口組成物。実施態様では、賦形剤は、たとえば、約1.0%~10%、10%~25%、15%~35%、0.5%~5%、0.001%~1%、0.01%~1%、0.1%~1%、または0.5%~1%の重量パーセントで存在する。実施態様では、賦形剤は、たとえば、約0.001%~1%、0.01%~1%、1.0%~5%、10%~15%、または1%~15%の重量パーセントで存在する。
【0090】
実施態様では、非経口組成物は、必要に応じて、たとえば、1日1回、2回、3回または4回以上投与されるか、または対象の必要に応じて継続的に投与されうる。
【0091】
実施態様では、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩などの活性物質を含む非経口組成物が提供され、組成物のpHは、約4.0~約8.0である。実施態様では、組成物のpHは、たとえば、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約6.5~約8.0である。実施態様では、組成物のpHは、たとえば、約6.5~約7.5、約7.0~約7.8、約7.2~約7.8、または約7.3~約7.6である。実施態様では、水溶液のpHは、たとえば、約約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.7、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、または約8.6である。
【0092】
実施態様では、本明細書は、本明細書に記載のそれぞれの量で、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、組成物は、約800 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、組成物は、対象への投与後、6時間以上にわたって、改善を提供する。
【0093】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、たとえば、約2000 ng/ml、1000 ng/ml、850 ng/ml、800 ng/ml、750 ng/ml、700 ng/ml、650 ng/ml、600 ng/ml、550 ng/ml、450 ng/ml、400 ng/ml 350 ng/ml、または300 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで、組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、医薬組成物は、医薬組成物は、たとえば、約250 ng/ml、200 ng/ml 150 ng/ml、または100 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで、組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、医薬組成物は、投与後、6時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。
【0094】
実施態様では、本明細書は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、組成物は、約900 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有する一貫したインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、組成物は、たとえば、約850 ng・時間/ml、800 ng・時間/ml、750 ng・時間/ml、または700 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで、医薬組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、組成物は、投与後、6時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。
【0095】
実施態様では、本明細書は、活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、医薬組成物は、たとえば、約650 ng・時間/ml、600 ng・時間/ml、550 ng・時間/ml、500 ng・時間/ml、または450 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、組成物は、たとえば、約400 ng・時間/ml、350 ng・時間/ml、300 ng・時間/ml、250 ng・時間/ml、または200 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、医薬組成物は、たとえば、約150 ng・時間/ml、100 ng・時間/ml、75 ng・時間/ml、または50 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、対象への組成物の投与後、たとえば、4時間、6時間、8時間、10時間、または12時間以上にわたって、対象の翌日の機能の改善を提供する。
【0096】
実施態様では、本明細書は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第一医薬組成物、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第二医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供する。
【0097】
実施態様では、第二医薬組成物は、第一医薬組成物の平均AUC0-∞とほぼ同じである平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、第二医薬組成物は、第一医薬組成物よりも少なくとも約20%少ない平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、本明細書は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第一医薬組成物、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第二医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、第二医薬組成物は、第一医薬組成物よりも、たとえば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%または50%少ない平均AUC0-∞を有する安定なインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。たとえば、医薬組成物は、第一および/または第二医薬組成物の投与後、たとえば、約6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、1つ以上の症状における改善を提供することができる。
【0098】
実施態様では、本明細書は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第一医薬組成物、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第二医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、第二医薬組成物は、約900 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、第二医薬組成物は、たとえば、約800 ng・時間/ml、750 ng・時間/ml、700 ng・時間/ml、650 ng・時間/ml、または600 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、第二医薬組成物は、たとえば、約550 ng・時間/ml、500 ng・時間/ml、450 ng・時間/ml、400 ng・時間/ml、または350 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、第二医薬組成物は、たとえば、約300 ng・時間/ml、250 ng・時間/ml、200 ng・時間/ml、150 ng・時間/ml、または100 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。実施態様では、第一および第二医薬組成物が投与され、該組成物は、対象の翌日の機能の改善を提供する。実施態様では、第一医薬組成物は、第一医薬組成物の投与後、たとえば、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間または24時間以上にわたって、1つ以上の症状における改善を提供する。
【0099】
実施態様では、本明細書は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第一医薬組成物、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第二医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供し、ここで、第一組成物は、第二医薬組成物の投与によって提供されるCmaxよりも約50%以上大きいCmaxを備えたインビボ血漿プロファイルを提供する。本明細書で使用される場合、第二医薬組成物の投与により提供されるCmaxは、第一医薬組成物の血漿プロファイル寄与を含んでも含まなくてもよい。実施態様では、第二医薬組成物の投与は、第一医薬組成物の血漿プロファイルの寄与を含まない。実施態様では、第一組成物は、第二医薬組成物の投与によって提供されたCmaxよりも、たとえば、約60%、70%、80%、または90%以上大きいCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0100】
実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、3時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、2.5時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、2時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、1.5時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、1時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、0.5時間未満である。実施態様では、第一医薬組成物のTmaxは、0.25時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、3時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、2.5時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、2時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、1.5時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、1時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、0.5時間未満である。実施態様では、第二医薬組成物のTmaxは、0.25時間未満である。
【0101】
実施態様では、第一医薬組成物は、それを必要とする対象への投与の最初の20分以内に、少なくとも約80%の溶解を提供する。実施態様では、第一医薬組成物は、それを必要とする対象への投与の最初の20分以内に、たとえば、少なくとも約85%、90%または95%の溶解を提供する。実施態様では、第一医薬組成物は、それを必要とする対象への投与の最初の10分以内に、少なくとも約80%の溶解を提供する。
【0102】
実施態様では、第一および第二医薬組成物の投与は、同時であるか、または少なくとも1つの症状における長期的な改善を達成するために、時間間隔によって分離されてもよい。実施態様では、第一および第二医薬組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間間隔で投与されてもよい。実施態様では、第一および第二医薬組成物は、たとえば、15分、30分、1時間、2時間、12時間、18時間、24時間など以内に投与されてもよい。実施態様では、対象への投与後、8時間以上にわたって、PWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状における改善が提供される。実施態様では、対象への投与後、たとえば、約10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、24時間、30時間、36時間、42時間または48時間にわたって、改善が提供される。
【0103】
実施態様では、第一および第二医薬組成物の投与は、PWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供することができる。
【0104】
実施態様では、本明細書は、治療量以下の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む最初の薬投与量を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作の治療方法を提供する。実施態様では、PWSまたは発作性障害の治療は、治療量以下の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む最初の薬投与量を、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、組成物は、投与後6時間以上にわたって、障害の1つ以上の症状における改善を提供する。
【0105】
実施態様では、第一および/または第二医薬組成物は、治療量以下の投与量を含む。治療量以下の投与量は、治療効果に典型的に必要な量よりも少ない活性物質、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量である。実施態様では、治療量以下の投与量は、単独ではPWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状における改善を提供しないが、このような改善を維持するには十分である、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の量である。実施態様では、方法は、PWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状における改善を提供する第一医薬組成物および該改善を維持する第二組成物を投与することを提供する。実施態様では、第二組成物は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の治療量以下の投与量を含む。実施態様では、第一医薬組成物の投与後、第二医薬組成物は、PWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供する。実施態様では、第二医薬組成物は、PWSまたは発作性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供する。
【0106】
実施態様では、本明細書は、たとえば、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の最初の薬投与量(ここで、最初の薬投与量は、投与後6時間以上にわたって、改善を提供する)、および治療量以下の投与量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む第二医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、PWSまたは発作性障害の治療方法を提供する。
【0107】
実施態様では、第一または第二医薬組成物は、夕方に1回および朝に1回、対象に提供される。実施態様では、24時間で対象に投与された(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の総量は、本明細書に記載されたそれぞれの量のいずれかである。
【0108】
実施態様では、第一および/または第二医薬組成物は、従来の放出プロファイルまたは変更された放出プロファイルで提供されてもよい。第一および第二医薬組成物は、同時に提供されてもよく、またはたとえば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間などの時間間隔で分離されてもよい。実施態様では、第一および第二医薬組成物は、二相放出プロファイルを作成する異なる薬物放出プロファイルで提供されてもよい。たとえば、第一医薬組成物は、たとえば、ODDF、非経口などの即時放出プロファイルで提供されてもよく、第二医薬組成物は、持続放出プロファイルを提供してもよい。実施態様では、第一および第二医薬組成物の一方または両方が、持続放出または遅延放出プロファイルで提供されてもよい。このような組成物は、錠剤、ビーズ、顆粒などを含む、パルス放出製剤、多層錠剤またはカプセルとして提供されてもよい。実施態様では、第一医薬組成物は、即時放出組成物である。実施態様では、第二医薬組成物は、即時放出組成物である。実施態様では、第一および第二医薬組成物は、たとえば、フィルム、錠剤またはカプセルなどの別個の即時放出組成物として提供される。実施態様では、第一および第二医薬組成物は、12時間離れて提供される。
【0109】
本明細書で提供される、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩のそれぞれの投与量は、従来の剤形、変更された剤形、第一および第二医薬組成物、ならびに本明細書に記載の非経口製剤などの本明細書に記載のすべての剤形に適用可能であることを理解すべきである。当業者は、他の薬学的に許容される基準の中で、剤形、投与経路、対象の耐性、有効性、治療目標および治療利益などの基準に応じて適切な量を決定するであろう。
【0110】
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の一方もしくは両方、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を利用する併用療法は、同じ混合物として一緒に、または別の混合物として、活性剤の投与を包含する。実施態様では、医薬組成物は、2、3またはそれ以上の活性剤を含むことができる。実施態様では、併用は、疾患または障害の治療において、相加効果以上をもたらす。したがって、組み合わせた薬剤の併用で提供されるPWSまたは発作性障害に対する治療は、相乗効果をもたらし、有効性を高める。
【0111】
実施態様では、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、および(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の連携療法は、単独で投与される化合物のいずれよりも、対象の症状の頻度または重篤度を軽減するのに有効である。実施態様では、連携療法は、個別に投与された化合物と比較して、相加的な結果以上のものをもたらす。
【0112】
実施態様では、対象は低い服用量で開始され、投与量は、増量される。この方法で、対象が薬物に対して十分に耐性であるかどうかを決定することができる。投与量は、成人よりも幼児および小児の方が低くできる。
【0113】
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本明細書の開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0114】
本明細書で使用される「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容誤差範囲内を意味し、値の測定または決定方法、すなわち、測定システムの制限に一部依存する。たとえば、「約」とは、当該技術分野の慣行に従って、3以内または3を超える標準偏差を意味しうる。あるいは、「約」は、指定された値の最大20%、最大10%、最大5%、および/または最大1%の範囲を意味することができる。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味しうる。
【0115】
「改善」は、前述の障害の少なくとも1つの症状に対して相対的に計測される、てんかん、全身性強直-間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、小児欠神てんかん、本態性振戦、急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、異常なEEGサイン、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、増加した発作活動または突発性発作(連続発作またはクラスター発作とも呼ばれる)などのPWSまたは発作性障害の治療を意味する。
【0116】
「翌日の機能の改善」または「翌日の機能に改善がある」は、本明細書に記載の症候群または障害の少なくとも1つの症状に適用された(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の投与の有利な効果が、対象によって主観的に、または観察者によって客観的に、たとえば、覚醒後2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、24時間などの一定期間認識できる、一晩の睡眠からの覚醒後の改善を意味する。
【0117】
「PK」は薬物動態プロファイルを示す。Cmaxは、実験中に推定される最高血漿薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが推定される時間(分)として定義される。AUC0-∞は、薬物投与から薬物が除去されるまでの血漿薬物濃度-時間曲線下の総面積である(ng・時間/mlまたはμg・時間/ml)。曲線の下の面積は、クリアランスによって決定される。クリアランスは、単位時間当たりの薬物含有量が完全に除去される血液または血漿の量として定義される(ml/分)。
【0118】
「治療すること」、「治療」または「治療する」とは、以下を示すことができる:疾患または状態に苦しんでいるか、または素因がある可能性があるが、まだ疾患または状態の臨床的症状または亜臨床的症状を経験または提示していない対象における、疾患または状態の臨床的症状の出現を緩和または遅延させること。特定の実施態様では、「治療すること」、「治療する」または「治療」とは、疾患または状態に苦しんでいるか、または素因がある可能性があるが、まだ疾患または状態の臨床的症状または亜臨床的症状を経験または提示していない対象における疾患または状態の臨床症状の出現を予防することを示しうる。「治療すること」、「治療する」または「治療」はまた、疾患または状態を阻害すること、たとえば、その発症またはその少なくとも1つの臨床的症状または亜臨床的症状を停止または減少させることを示す。「治療すること」、「治療する」または「治療」とは、さらに、疾患または状態を緩和すること、たとえば、疾患または状態またはその臨床症状または亜臨床的症状の少なくとも1つを退縮させることを示す。治療される対象への利益は、統計的に有意、数学的に有意であるか、または少なくとも対象および/または医師が知覚できるものである。それにもかかわらず、予防的(防止的)および治療的(治癒的)治療は、本明細書の開示の2つの別個の実施態様である。
【0119】
「薬学的に許容される」とは、たとえば、生理学的に忍容性があり、ヒトに投与されたときに胃の不調などのアレルギー性または同様の望ましくない反応を通常は引き起こさない、「一般的に安全とみなされる」分子実体および組成物を示す。実施態様では、この用語は、FDAによる市販前レビューと承認に付される、連邦食品、薬物および化粧品法のセクション204(s)および409の下のGRASリスト、または米国薬局方または動物、特にヒトでの使用が一般的に認められている別の薬局方の同様のリストとして、連邦政府または州政府の規制機関によって承認された分子実体および分子組成物を示す。
【0120】
これまでに言及された「有効量」または「治療有効量」はまた、治療されている症候群、障害、疾患、または状態の1つ以上の症状を緩和するか、そうでなければ所望の薬理学的および/または生理学的効果を提供するのに十分な投与量を意味することができる。「有効量」または「治療有効量」は、本明細書で互換的に使用されうる。
【0121】
「と共投与された」、「と併用して投与された」、「の併用」、「と併用して」または「とともに投与された」は、交換可能に使用され、治療の過程で2つ以上の薬剤が投与されることを意味する。薬剤は、同時にまたは間隔を空けて別々に投与されてもよい。薬剤は、単一の剤形で投与されても、別々の剤形で投与されてもよい。
【0122】
「それを必要とする対象」には、てんかん、全身性強直-間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神を伴うてんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドーズ症候群、CDKL5障害、乳児痙攣(ウエスト症候群)、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レッツ症候群、オータハラ症候群、小児欠神てんかん、本態性振戦、急性反復発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積症、難治性てんかん重積症、超難治性てんかん重積症(SRSE)、PCDH19小児てんかん、異常なEEGサイン、薬物離脱誘発性発作、アルコール離脱による発作、増加した発作活動または突発性発作(連続発作またはクラスター発作とも呼ばれる)などのPWSまたは発作性障害であると診断された個人が含まれうる。この方法は、たとえば、対象が新生児、乳児、小児対象(6か月から12歳)、思春期対象(12歳から18歳)または成人(18歳以上)である、あらゆる個人に提供されうる。対象には、哺乳類が含まれる。
「対象」および「患者」は、本明細書において互換的に使用される。
【0123】
「プロドラッグ」とは、不活性な(または著しく活性が低い)形態で対象に投与される薬理学的物質(薬物)を示す。投与されると、プロドラッグは、体内で(インビボで)代謝されて、所望の薬理活性を有する化合物になる。
【0124】
「類縁体」および「誘導体」は、交換可能に使用され、親化合物と同じコアを有するが、結合順序、1つ以上の原子および/または原子の群の不在または存在、およびその組み合わせが親化合物と異なりうる化合物を示す。誘導体は、コアに存在する1つ以上の置換基において親化合物と異なることができ、1つ以上の原子、官能基、またはサブ構造を含むことができる。一般的に、誘導体は、少なくとも理論的には、化学的および/または物理的プロセスを介して親化合物から形成されることが想像可能である。
【0125】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書で定義される化合物の誘導体を示し、親化合物は、その酸塩または塩基塩を作ることにより変更される。薬学的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;およびカルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩として、たとえば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性塩または四級アンモニウム塩が挙げられる。このような従来の非毒性塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩;および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸などの有機酸から製造された塩;が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成されうる。
【実施例0126】
本明細書に提供される実施例は、本明細書における開示を補強するためだけに含まれており、いかなる点でも限定的であると見なされるべきではない。
【0127】
実施例1
プラダー・ウィリー症候群を有する個人のグレリン抑制に対する(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸の安全性および効能の前向き評価
この試験の目的は、プラダー・ウィリー症候群を有する人々のグレリンレベル、空腹感および体重に対する(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸の効果を評価することである。この試験は、参加基準を満たする被験者をプラセボまたは活性薬物投与に無作為に割り当てる、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験である。登録された被験者は、染色体分析によりPWSの診断が確認され(すなわち、父方由来の染色体15Qの組織内欠失、片親性の母方二染色体または他の染色体15異常)、18歳以上であり、遊離T4、TSH値が正常範囲にある(チロキシン置換の有無にかかわらず)。性ステロイド置換の適切な服用量で矯正される性腺機能低下症が確認された被験者は、参加前に少なくとも6か月間治療され、研究期間中の投与量の変化はない。
【0128】
ベースラインテストの後、被験者に6か月間(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはプラセボを受ける。この最初の6か月の治療期間と4か月のウォッシュアウト期間の終わりに、試験の被験者は、交代して、代替療法(プラセボまたは(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸をさらに6か月間受ける。被験者は、予定された訪問にて合計16か月間追跡される:0、2、6、10、12、および16か月。これらの各訪問中、試験は、グルコース(糖)の処理能力、熱として燃え尽くされるエネルギー量、体脂肪量、ホルモングレリンのレベル、食事で食べる食物の量を測定することを包含する。これらの試験期間中、参加者は、毎月身体検査と採血のために戻り、肝臓酵素をチェックする。主要転帰尺度は、グレリンレベル(ベースラインから6か月への変化)、食欲(ベースラインから6か月への変化)、および体重(ベースラインから6か月への変化)である。二次的転帰尺度は、ホルモンレベル(ベースラインから6か月への変化)、身体組成(ベースラインから6か月への変化)、エネルギー消費(ベースラインから6か月への変化)、およびグルコース代謝(ベースラインから6か月への変化)である。
【0129】
実施例2
プラダー・ウィリー症候群を有する成人における体重増加および身体組成に対する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の安全性および効能の前向き評価
この試験の目的は、PWSを有する被験者の食欲、体重、体脂肪および成長ホルモンのレベルに対する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)の効果を評価することである。これは、18~35歳の合計18人のPWSを有する若年成人を対象としたPWSの二重盲検プラセボ対照臨床試験である。被験者は、標準的な遺伝子検査(DNAメチル化試験)によって以前にプラダー・ウィリー症候群が確認されているか、または以下の臨床診断基準を満たす場合に選択される:1)小児筋緊張低下、2)思春期発達異常、3)早期乳児期後の肥満、4)中枢神経系機能の障害、5)顔面形成異常、および6)低身長、などのPWS症候群の6つの主要な特徴の少なくとも4つの存在。さらに、被験者は、一般的にPWSに関連する以下の特徴の1つ以上を有さなければならない:1)小さな手足、2)皮膚の問題、3)食物に関連する行動上の問題、および4)痛みの感受性の低下。被験者は、少なくとも30以上のBMIを有さなければならない。被験者は、対照と介入の2つのグループに分けられ、プラセボ(不活性薬物)、または(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)のいずれかで合計6か月間治療される。体重、脂肪分布、空腹感の客観的および主観的評価、グレリンおよびレプチンの測定のための空腹時血液サンプル、血清脂質、IGF-1(成長ホルモン関連タンパク質)、インスリンおよびグルコース濃度は登録時、3か月、および試験終了にに測定される。筋肉に対する体脂肪の割合は、放射線技術、全身二重エネルギーエックス線吸収測定法(DEXA)スキャンを使用して、およびまた、介入前の登録時および試験終了時の皮膚のひだの厚さ、ウエストおよびヒップ周囲の測定によって決定される。
【0130】
実施例3
プラダー・ウィリー症候群を有する小児および若年成人におけるグレリンの発達調節、栄養調節およびホルモン調節に対する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(KT-II-115)療法の効果の前向き評価
この試験の目的は、PWSを有する小児および若年成人における食物摂取、空腹感、体重、身体組成、カロリー燃焼効率、体重調節のバイオマーカーおよび成長ホルモンマーカーに対する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸療法の効果を6か月以上にわたって研究することである。これは、染色体分析により確認されたPWSの診断を有する、年齢5歳~21歳の、年齢別BMI85パーセンタイル以上、および正常範囲の正常範囲内の遊離T4、甲状腺刺激ホルモン(TSH)値(内因性またはチロキシン置換ありのいずれか)である被験者を対象とした二重盲検プラセボ対照臨床試験である。
【0131】
主要転帰尺度は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボによる治療の6か月で、ベースラインから空腹時総グレリンの減少を示す参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから体重が減少した参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインからBMI zスコアが低下した参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから減少した皮膚ひだ尺度を有する参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、質問票および親から報告された72時間の食物想起による、空腹および過食によって測定される空腹および食物摂取のベースラインからの減少を伴う参加者の数である。空腹感および食物摂取に関する参加者の食物状態の行動評価を行うために、一連のフリーテキスト回答質問と食物日記からなる複数の質問票が組み合わされる。この評価に定義されたスケールはない。各参加者の回答と親の回答が組み合わされる。追加の主要転帰尺度は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから改善されたインスリン調節を有する参加者の数である。インスリン調節は、免疫化学発光アッセイ、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから改善されたアディポネクチン調節を有する参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから改善されたレプチン調節を有する参加者の数、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから改善されたペプチドYY(PYY)調節を有する参加者の数によって測定される。二次的転帰尺度は、0、3、および6か月目に測定された、空気置換プレチスモグラフィー(BOD POD(登録商標)身体組成追跡システム)で測定された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから減少した身体組成を有する参加者の数、二重エネルギーエックス線吸収測定法(DEXA)スキャンによって測定された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボ療法の6か月で、ベースラインから減少した身体組成を有する参加者の数、ならびに0、3、および6か月目に間接熱量計によって測定された安静時エネルギー消費量である。
【0132】
実施例4
てんかん重積症を有する小児被験者における(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の効果の前向き評価
この研究は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸がてんかん重積症の1つ以上の症状における改善をもたらすかどうかを判断することを目的とする。てんかんは、小児期における最も一般的な重篤な神経障害の1つである。てんかん重積症の被験者の発作制御に対する満たされていない臨床的ニーズに対処しようとするためには、作用メカニズムの新しい作用を有する医薬品が必要である。さらに、この試験の目的は、てんかん重積症を有する被験者の治療としての(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の安全性および忍容性を評価することである。
【0133】
塩酸塩などの(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩は、15分以内の50 mLの静脈内短期注入溶液(注入速度200 mL/時間)として、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、and 10 mgの範囲の量で、小児被験者(3か月~16歳)に静脈内投与される。最初の投与から10分以内に発作が止まらないか、または再発しない被験者は、最初の投与の10分後に、同量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸注射を受けることができる。最初の投与から10分以内に発作が止まったが、その後(12時間以内)に再発する被験者は、同量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸注射を受け取ることができる;この試験では、合計2服用が許可される。
【0134】
包含基準:
・運動症状に基づいた調査者の視覚的観察によって評価されうる発作があるか、またはEEGによって評価されうる発作を有する、てんかん重積症または反復性てんかん重積症/クラスター発作を有する被験者。
・全般発作、部分発作、または5分以上続く二次性全般発作を伴うてんかん重積症を有する被験者。
・1時間以内に3回以上の全般発作、部分発作、または二次性全般発作の連続エピソードを伴う、反復性てんかん重積症/クラスター発作を有する被験者。
・3か月より若くない被験者(どちらの性別でも試験に参加できる)。
【0135】
主要転帰尺度:
・臨床的利益を有する参加者の割合[時間枠:30分]
・最初の投与から10分以内に最初の発作が止まり、最初の投与の完了後少なくとも30分間発作のない状態が続いた参加者の割合(応答者率)
【0136】
二次的転帰尺度:
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与後(最初の投与または第二の投与[最初の投与から10~30分]のいずれか)、10分以内に最初の発作が停止し、少なくとも30分間発作のない状態を継続した参加者のパーセント。[時間枠:1時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与後(最初の投与のみ)、10分以内に発作が停止し、投与後少なくとも12時間発作なしを継続した参加者のパーセント。[時間枠:12時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与後(最初の投与または第二の投与[最初の投与から10~30分]のいずれか)、10分以内に最初の発作が停止し、少なくとも12時間発作のない状態を継続した参加者のパーセント。[時間枠:12時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与後(最初の投与のみ)、10分以内に発作が停止し、投与後少なくとも24時間発作なしを継続した参加者のパーセント。[時間枠:24時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与後(最初の投与または第二の投与[最初の投与から10~30分]のいずれか)、10分以内に最初の発作が停止し、少なくとも24時間発作のない状態を継続した参加者のパーセント。[時間枠:24時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与(最初の投与のみ)から発作の消散までの時間。[時間枠:24時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与(最初の投与または第二の投与のいずれか)から発作の消散までの時間。[時間枠:24時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与(最初の投与のみ、24時間以内)に続く発作の消散から再発までの時間。[時間枠:24時間]
・(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の投与(最初の投与または第二の投与のいずれか、24時間以内)に続く発作の消散から再発までの時間。[時間枠:24時間]
【0137】
実施例5
結節性硬化症複合体を有する乳児における転換を予防するための(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の使用の前向き評価
多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検臨床試験。最初の発作の発症前に生後6か月未満の結節性硬化症複合体の乳児80人が登録される。24か月齢での発達転帰に対するプラスの影響について、結節性硬化症複合体(TSC)を有する乳児における脳波検査(EEG)バイオマーカーの早期同定と(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸による早期治療対遅延治療を評価する。早期治療は、乳児痙攣や難治性発作を発症するリスクを予防または低下させるはずである。この予防的アプローチは、より好ましい長期的な認知的、行動的、発達的および精神医学的転帰をもたらし、全体的な生活の質を大幅に改善するはずである。
【0138】
包含基準は、生後6か月以下の乳児、発作または乳児痙攣の既往がないこと、または先のビデオEEGでの亜臨床的電子写真的発作の証拠であり、TSCの遺伝的または臨床的診断基準を満たし、後者は、身体検査、神経画像、心エコーなどの診断評価に関する現在の推奨に基づく。
【0139】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸または対照は、体重に基づいて、1 mg~50 mg/kg/日を1日2回に分けて投与される。投与は、確立された推奨ガイドラインに従う(1 mg/kg/日、最大服用量50 mg/kg/日まで必要に応じて3日ごとに10 mg/kg/日ずつ増加され、1日2回分割投与)。
【0140】
治療群Aにおいて(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸に無作為化された被験者は、生後24か月まで、または彼らが臨床的発作またはビデオEEGにおける電子写真的発作の証拠を示すまで、50 mg/kg/日までの(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはプラセボで治療される。治験薬投与中に電子写真発作または臨床的発作が起こる場合、被験者は、試験の非盲検段階(治療群B)に移行し、治療は、生後36か月まで継続して行われる。
非盲検の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸(治療群B)は、体重に基づいて、1 mg~50 mg/kg/日を1日2回に分けて投与される。投与は、確立された推奨ガイドラインに従う(1 mg/kg/日、最大服用量50 mg/kg/日まで必要に応じて3日ごとに10 mg/kg/日ずつ増加され、1日2回分割投与)。
【0141】
主要転帰尺度:
24か月におけるBayley Scales of Infant and Toddler Developmentおよび24か月におけるBayley Scales of Infant and Toddler Developmentの認知評価スコアをデータ分析に使用し、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸による早期治療と遅延治療の発達的影響を比較する。
【0142】
二次的転帰尺度:
1. 発作予防として(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸で治療したときに発作を発症する被験者の数を評価する;2.
被験者の最初の臨床発作までの時間は、プラセボの被験者と(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸の被験者の両方について測定される;3. 薬剤耐性てんかんの有病率;4. 12、24、および36か月でのVineland IIスコアおよび(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸による早期治療と遅延治療の影響を評価する;5. 24か月および36か月でのADOS2スコアおよび早期治療と遅延治療の影響を評価する;6.
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸関連の有害事象、CTCAE v4.0、ならびにリスク評価および緩和戦略(REMS)尺度によって評価された重篤な有害事象を有する被験者の数。
【0143】
本明細書に提供される実施例および実施態様は、例示的実施例および実施態様であることを理解されたい。当業者は、本明細書の開示の範囲と一致する実施例および実施態様のさまざまな修正を想定するであろう。そのような修正は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
0.01mg~500mgの量の(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、対象の結節性硬化症複合体を治療するための医薬組成物。
24時間で対象に投与される(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が1mg~500mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
運動失調、歩行障害、言語障害、発声、認識障害、運動異常、臨床的発作、亜臨床的発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、流涎、マウシング行動、前兆、痙攣、反復運動、異常な感覚、単純焦点発作、複雑焦点発作、全般発作、欠神、強直発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、強直間代発作、間代発作、発作の頻度、および発作の重篤度からなる群から選択される少なくとも1つの症状の改善を提供する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、不随意的笑い、間隔的短気、および気分の落ち込みからなる群から選択される少なくとも1つの症状の改善を提供する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
0.01mg~750mgの量の(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、対象の結節性硬化症複合体を治療するための医薬組成物。
24時間で対象に投与される(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が1mg~500mgである、請求項5に記載の医薬組成物。
運動失調、歩行障害、言語障害、発声、認識障害、運動異常、臨床的発作、亜臨床的発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、流涎、マウシング行動、前兆、痙攣、反復運動、異常な感覚、単純焦点発作、複雑焦点発作、全般発作、欠神、強直発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、強直間代発作、間代発作、発作の頻度、および発作の重篤度からなる群から選択される少なくとも1つの症状の改善を提供する、請求項5または6に記載の医薬組成物。
発作、認知機能障害、自閉症、笑い発作、不随意的笑い、間隔的短気、および気分の落ち込みからなる群から選択される少なくとも1つの症状の改善を提供する、請求項5または6に記載の医薬組成物。
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、対象の結節性硬化症複合体を治療するための医薬組成物であって、異常なEEGの検出後の臨床的発作の発症前に対象に投与して結節性硬化症複合体の症状を軽減または予防するための、医薬組成物。
24時間で対象に投与される(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が1mg~500mgである、請求項9に記載の医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、対象の結節性硬化症複合体を治療するための医薬組成物であって、異常なEEGの検出後の臨床的発作の発症前に対象に投与して結節性硬化症複合体の症状を軽減または予防するための、医薬組成物。
24時間で対象に投与される(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の総量が1mg~500mgである、請求項11に記載の医薬組成物。
(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、結節性硬化症複合体と診断されている対象の異常なEEGサインを治療するための医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペント-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、結節性硬化症複合体と診断されている対象の異常なEEGサインを治療するための医薬組成物。