(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025058
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ガイドカテーテル制御用の可撓性軌道
(51)【国際特許分類】
A61M 25/082 20060101AFI20230214BHJP
A61B 34/32 20160101ALI20230214BHJP
【FI】
A61M25/082 500
A61B34/32
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183107
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2021118770の分割
【原出願日】2014-10-15
(31)【優先権主張番号】61/891,389
(32)【優先日】2013-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/952,872
(32)【優先日】2014-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ファルブ、 ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、 アダム
(72)【発明者】
【氏名】バグリー、 ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ルミュー、 エリン-アン
(72)【発明者】
【氏名】ラバク、 クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッカー、 スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アトラス、 マイケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガイドカテーテルを制御するためのロボットカテーテルシステムを提供する。
【解決手段】ロボットカテーテルシステム210が、ベース214と、縦軸を有し且つ縦軸に沿ってベースに対して移動可能なロボット機構212とを含む。可撓性軌道216がベースに解放可能に固定され、内部通路まで貫通する縦方向開口スリットを有する外面を含む。剛性ガイド218がロボット機構に対して固定された非直線部分を有する。ロボット機構が縦軸に沿って移動すると、可撓性軌道の一部分が縦軸から離れるように剛性ガイドの非直線部分に沿って移動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットカテーテルシステムであって、
ベースと、
縦軸を有し且つ前記縦軸に沿って前記ベースに対して移動可能であるロボット機構と、
前記ベースに解放可能に固定され、且つ内部通路まで貫通する縦方向開口スリットを有する外面を含む可撓性軌道と、
前記ロボット機構に対して固定された非直線部分を有する剛性ガイドと を含み、
前記ロボット機構が前記ベースに対して移動するとき、前記可撓性軌道の一部分が前記剛性ガイドの非直線経路部分に沿って移動する、ロボットカテーテルシステム。
【請求項2】
前記ロボット機構に動作可能に接続された細長い医療装置を更に含み、前記細長い医療装置は前記可撓性軌道の内部通路内に配置される、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項3】
前記細長い医療装置は直線状の縦軸を有するガイドカテーテルであり、前記ロボット機構が前記ベースに対して移動するとき、前記可撓性軌道の一部分が前記ガイドカテーテルの前記縦軸と同軸でない位置から前記縦軸と同軸の位置へ移動する、請求項2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項4】
前記ガイドカテーテルと前記可撓性軌道の一部分は前記ロボット機構の遠位で同軸である、請求項3に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項5】
前記ガイドカテーテルと前記可撓性軌道の一部分が前記ロボット機構の遠位端の近くで同軸ではない、請求項4に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項6】
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って前記ベースに対して移動するとき、前記可撓性軌道の一部分が前記細長い医療装置の縦軸からずれて移動させられる、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項7】
前記ロボット機構は、前記縦軸に沿ってガイドワイヤを駆動するために少なくとも1つの駆動機構を含む、請求項6に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項8】
前記細長い医療装置はガイドワイヤであり、前記ロボット機構は、前記縦軸に沿って前記ガイドワイヤに直線運動を与えるための第1駆動部と、前記縦軸の周りで前記ガイドワイヤに回転運動を与えるための第2駆動部とを含む、請求項2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項9】
前記剛性ガイドは前記ロボット機構に対して固定されている、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項10】
前記ロボット機構は、ベース駆動部と、前記ベース駆動部に動作可能に固定された別個のカセットとを含み、前記剛性ガイドは前記カセットに取り付けられている、請求項9に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項11】
前記可撓性軌道は、前記カセットの遠位で前記ガイドカテーテルと同軸であり、前記カセットに沿った前記ガイドカテーテルの縦軸と非同軸である、請求項10に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項12】
前記可撓性軌道の一部分を前記ベースに解放可能に固定するクランプを更に含む、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項13】
前記クランプは、開口部を通って前記剛性ガイドの通路内に延びる外側円筒部材を含む、請求項12に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項14】
前記外側円筒部材は、接続部材で前記外側円筒部材の内壁に動作可能に接続された内側円筒部材を含む、請求項13に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項15】
前記可撓性軌道の一部分が前記外側円筒部材の内壁と前記内側円筒部材との間に配置され、前記接続部材は前記可撓性軌道のスリットを通って延びている、請求項14に記載のロボットシステム。
【請求項16】
前記円筒状クランプは、前記可撓性軌道の一部分を前記内側円筒部材に解放可能に押し付ける係合部材を含む、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項17】
前記可撓性軌道は、前記可撓性軌道の外面に前記可撓性軌道の遠位端の近くで前記スリットから延びる開口部を含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記開口部は前記可撓性軌道の周りに45度以上に延びている、請求項17に記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記開口部は、前記可撓性軌道の遠位端から前記可撓性軌道の近位端に向かって所定の距離だけ前記スリットまで先細りし、前記距離は、前記ガイドカテーテルが一直線であるのに前記ガイドカテーテルを前記開口部に配置するのに十分である、請求項18に記載のロボットシステム。
【請求項20】
前記可撓性軌道の遠位端に動作可能に接続されたシースクリップを更に含み、前記シースクリップは、前記ガイドカテーテルが一直線であるのに前記ガイドカテーテルが前記シースクリップに挿入されるのを可能にする、外面から延びる開口部を含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項21】
前記シースクリップは、前記シースクリップの遠位端の近くに、それに導入器シースを連結するコネクターを含む、請求項20に記載のロボットシステム。
【請求項22】
前記ロボット機構は、前記止血弁にある第1弁を開閉するための第1ロボット制御駆動部材を含む、止血弁駆動部を含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項23】
前記第1弁はトーイボースト弁とブリードバック弁のうちの一方である、請求項22に記載のロボットシステム。
【請求項24】
前記第1駆動部材は前記止血弁にある係合部材に回転運動を与える、請求項23に記載のロボットシステム。
【請求項25】
前記第1駆動部材は前記止血弁にある係合部材に直線運動を与える、請求項23に記載のロボットシステム。
【請求項26】
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って移動させられるとき、前記可撓性軌道の近位端及び遠位端は定位置に留まる、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項27】
細長い医療装置を支持する方法であって、
縦軸に沿った遠位部分と前記縦軸からずらされたオフセット部分とを有する剛性ガイドを含むロボット機構をベースに対して前記縦軸に沿って平行移動させることと、
内部領域まで延びるスリットを有する可撓性軌道を設けることと、
前記可撓性軌道を前記剛性ガイド内に配置することと、
前記可撓性軌道の一部分を前記ベースに動作可能に固定することと、
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って伸縮するときに前記可撓性軌道の一部分を前記オフセット部分と前記遠位部分との間で移動させることと を含む方法。
【請求項28】
前記縦軸に沿って前記ロボット機構から細長い医療装置を設けることと、
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って伸びるときに前記可撓性軌道を前記剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間の接合部の近くで前記細長い医療装置の周りに配置することとを更に含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って縮むときに前記剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間の接合部に近接する前記ガイドカテーテルの周りで前記可撓性軌道を除去することを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ガイドカテーテルは、前記ロボット機構に対して遠位の方向において前記可撓性軌道の領域内で支持され、前記可撓性軌道は、前記ガイドカテーテルを支持していない、前記縦軸からずらされた部分を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記可撓性軌道は前記スリットを通してアクセス可能な内部領域を有する細長い管状部材であり、前記可撓性軌道を前記ガイドカテーテルの周りに配置することは前記ガイドカテーテルを前記可撓性軌道の内部領域内に位置付けることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記剛性ガイドは、前記剛性ガイドの遠位端と近位端との間の弧状部分を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ロボット機構はカセットとロボットドライブベースとを含み、前記剛性軌道は前記カセットの一部分である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って移動させられるとき、前記可撓性軌道の近位端及び遠位端は定位置に留まる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ベースと、
リニアドライブによってベースに対して縦軸に沿って移動可能なロボット機構であって、前記縦軸に沿った遠位部分と、前記縦軸からずらされたオフセット部分とを有する剛性ガイドを含むロボット機構と、
内部領域を有する可撓性軌道であって、前記ベースに動作可能に固定されている部分を含み、前記剛性ガイド内にある部分を含む可撓性軌道と、
前記ロボット機構から延び且つ前記縦軸に沿って延びている細長い医療装置とを含み、
前記可撓性軌道の一部分が、前記ロボット機構が前記縦軸に沿って伸縮するときに前記剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間で移動し、前記ロボット機構が前記縦軸に沿って伸びるときに前記剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間の接合部の近くで前記細長い医療装置の周りに広がる、装置。
【請求項36】
前記ロボット機構が前記縦軸に沿って移動させられるとき、前記可撓性軌道の近位端及び遠位端は定位置に留まる、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、診断及び/又は経皮的冠動脈インターベンション処置を行うためのカテーテルシステムの分野に関するものである。本出願は特に、ロボットカテーテルシステムのガイドカテーテル制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連特許出願の相互参照
本出願は、いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれている、「ガイドカテーテル制御用の曲げられる支持体」と題して2013年10月15日に出願された米国仮出願第61/891389号、及び「ガイドカテーテル制御用の曲げられる支持体」と題して2014年3月14日に出願された米国仮出願第61/952872号の利益を主張する。
【0003】
血管疾患、特に心血管疾患は、様々な方法で治療することができる。心臓バイパス手術のような手術は、心血管疾患を治療するための1つの方法である。しかしながら、特定の状況下で、血管疾患は、血管形成術のようなカテーテルによるインターベンション処置で治療することができる。カテーテルによるインターベンション処置は、一般に手術よりも低侵襲的であると考えられる。
【0004】
ある種のインターベンション処置の際には、ガイドカテーテルが導入器を通して患者の大腿動脈に挿入され、患者の心臓の冠動脈口に近接して配置される。ガイドワイヤが一般的には止血弁を通してガイドカテーテルに挿入され、ガイドワイヤが病変部位に到達するまで、患者の動脈系を通して操作される。その後、バルーン及びステントなどの作業カテーテルが病変の近くの血流の増加を可能にするために閉塞部位を開通するべく病変の近くに配置されるまで、作業カテーテルはガイドワイヤに沿って移動させられる。心血管疾患に加えて、他の疾患をカテーテル挿入処置で治療することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、ロボットカテーテルシステムが、ベースと、縦軸を有し且つ縦軸に沿ってベースに対して移動可能であるロボット機構とを含む。可撓性軌道がベースに解放可能に固定され、内部通路まで貫通する縦方向開口スリットを有する外面を含む。剛性ガイドがロボット機構に対して固定された非直線部分を有する。ロボット機構が縦軸に沿って移動するとき、可撓性軌道の一部分が縦軸から離れるように剛性ガイドの非直線部分に沿って移動する。
【0006】
一実施形態において、細長い医療装置を支持する方法が、ロボット機構をベースに対して縦軸に沿って平行移動させることを含む。ロボット機構は、縦軸に沿った遠位部分と、縦軸からずらされたオフセット部分とを有する剛性ガイドを含む。方法は、内部領域まで延びるスリットを有する可撓性軌道を設けることと、可撓性軌道を剛性ガイド内に配置することと、可撓性軌道の一部分をベースに動作可能に固定することと、ロボット機構が縦軸に沿って伸縮するときに可撓性軌道の一部分をオフセット部分と遠位部分との間で移動させることとを更に含む。
【0007】
一実施形態において、装置が、ベースと、リニアドライブによってベースに対して縦軸に沿って移動可能なロボット機構とを含む。ロボット機構は、縦軸に沿った遠位部分と、縦軸からずらされたオフセット部分とを有する剛性ガイドを含む。可撓性軌道が内部領域を有し、ベースに動作可能に固定された部分を含む。可撓性軌道は剛性ガイド内にある部分を含む。細長い医療装置が、ロボット機構から延び且つ縦軸に沿って延びている。可撓性軌道移動の一部分が、ロボット機構が縦軸に沿って伸縮するときに剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間で移動し、ロボット機構が縦軸に沿って伸びるときに剛性ガイドのオフセット部分と遠位部分との間の接合部の近くで細長い医療装置の周りに広がる。
【0008】
一実施形態の更なる態様において、可撓性軌道の近位端及び遠位端は、ロボット機構が 縦軸に沿って移動するときに定位置に留まる。
【0009】
一実施形態において、ガイドカテーテルの、ガイドカテーテルが挿入されている患者とガイドカテーテルの漸進的な移動のためのロボット機構との間に延びる部分のための支持システムが、内部通路を有する可撓性軌道を含む。可撓性軌道は軌道に沿って縦方向に延びるスリットを含み、スリットはそれを通してガイドカテーテルの一部分を取り外し可能に受け入れる。ロボット機構に対して固定された剛性ガイドが可撓性軌道用の弧状経路を提供し、この経路はロボット機構の部分からガイドカテーテルの縦軸へ進み、ガイドカテーテルは縦軸からずれた位置に接続されたロボット機構から延びている。
【0010】
一実施形態において、ガイドカテーテル用の支持システムが縦方向スリットを有する可撓性軌道を含み、縦方向スリットはガイドカテーテルが直線方向にある間にガイドカテーテルを軌道のキャビティ内に受け入れる。剛性ガイドが可撓性軌道を、ガイドカテーテルの縦軸に対して接近又は離間する方向に誘導する。可撓性軌道は、可撓性軌道のキャビティへのガイドカテーテルの進入位置の間でガイドカテーテルと同軸であり、進入位置と可撓性支持体の近位端との間の可撓性軌道の少なくとも一部分についてガイドカテーテルと同軸ではない。
【0011】
一実施形態において、経皮的処置の実施のためにヒト患者に挿入されたガイドカテーテルを操作するためのシステムも提供される。それは、ガイドカテーテルの近位端内にガイドワイヤ及び/又は作動カテーテルを前進させるためのロボット機構と、ロボット機構の遠位端に固定されたガイドカテーテルと、ガイドカテーテルの患者とロボット機構との間に延びる部分を支持するための支持システムとを含む。支持システムは、ガイドカテーテルの一部分を解放可能に挿入することができる通路を支える可撓性軌道と、ロボット機構に固定された剛性ガイドとを含み、ガイドカテーテルの遠位端が患者に対して接近又は離間する方向に移動させられるときにガイドカテーテルの縦軸に対して接近又は離間する可撓性軌道用の経路を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本出願は、同様の符号が同様の要素を指している添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から、より完全に理解されるであろう。
【
図1】ロボットカテーテルシステムの等角図である。
【
図2】ガイドカテーテル及びYコネクターの分解図を含む、
図1のロボットカテーテルシステムの前方部分の上面等角図である。
【
図3】持ち上げられた位置にあるYコネクター支持体内にガイドカテーテルが配置されている、
図2のロボットカテーテルシステムの前方部分の側面正面図である。
【
図4】Yコネクター及び支持体が下げられた位置にあり、Yコネクター支持カバーが持ち上げられた位置にある、
図2のシステムの部分の等角図である。
【
図5】ガイドカテーテルが係合位置にある、
図2のロボットカテーテルシステムの前方部分の上面図である。
【
図6A】シースクリップが設置位置にある、ロボットカテーテルシステムの等角図である。
【
図6B】シースクリップが係合位置にある、ロボットカテーテルシステムの等角図である。
【
図7】剛性ガイドの弧状部分とロボットカテーテルシステムの前方の分解図である。
【
図8】
図7のシースクリップと、可撓性軌道と、剛性支持体のクローズアップである。
【
図9】シースクリップと剛性ガイドの遠位端の分解図である。
【
図10】可撓性軌道が引き出し位置にある、ロボットカテーテルシステムの前方部分の等角図である。
【
図11】可撓性軌道のスリット内に突出する拡張部材を示す、概ね
図5の線11-11に沿ったロボットカテーテルシステムの前方部分の断面図である。
【
図12】シースクリップが装着中位置にある、概ね
図6Aの線12-12に沿ったロボットカテーテルシステムの前方部分の断面図である。
【
図13】シースクリップが動作位置にある、概ね
図6Bの線13-13に沿ったロボットカテーテルシステムの前方部分の断面図である。
【
図14】可撓性軌道が完全引き込み位置にある、ロボットカテーテルシステムの上面図である。
【
図15】可撓性軌道が引き出し位置にある、ロボットカテーテルシステムの上面図である。
【
図16】ロボットドライブが第1位置にある、ロボットカテーテルシステムの上面図である。
【
図17】ロボットドライブが第2引き出し位置にある、ロボットカテーテルシステムの上面図である。
【
図18】リニアドライブを備えたロボットカテーテルシステムの背面等角図である。
【
図19】カセットがロボットドライブベースに対して事前組み立て位置にある、ロボットカテーテルシステムの分解背面等角図である。
【
図20】カセットがロボットドライブベースに固定され、ロック軌道クランプが解放位置にある、ロボットカテーテルシステムの背面等角図である。
【
図21】概ね
図20の線21-21に沿ったロック軌道クランプの拡大図である。
【
図22】係合位置にあるロック軌道クランプの拡大等角図である。
【
図23】係合位置にありロック解除されているロック軌道クランプの断面図である。
【
図24】ロック軌道クランプの一部分の分解図である。
【
図25A】ロック解除位置にあるロック軌道クランプの断面図である。
【
図26A】ロック解除位置にあるロック軌道クランプの断面図である。
【
図25B】ロック位置にあるロック軌道クランプの断面図である。
【
図26B】ロック位置にあるロック軌道クランプの断面図である。
【
図27】遠隔制御ステーションを備えたロボットカテーテルシステムの概略図である。
【
図28】ガイドカテーテルが患者と係合している、ロボットカテーテルシステムの図である。
【
図30】止血弁の後方部分の開閉を示す、止血弁の断面図である。
【
図32】導入器を備えた
図31のシースクリップの等角図である。
【
図33】導入器がシースクリップに接続されている、
図31のシースクリップの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、ロボットカテーテルシステム210が、細長い医療装置をロボットにより移動させるロボット機構212を含む。ロボット機構212はベース214に対して移動可能である。可撓性軌道216が、非直線部分を有する剛性ガイド軌道218に沿って移動可能である。
図16を参照すると、可撓性軌道216は近位端253と遠位端254とを含む。
【0014】
本明細書でより詳細に説明するように、可撓性軌道216はガイドカテーテルを座屈させずに患者の体内に前進させることができるように、ガイドカテーテルのような細長い医療装置を支持する。
【0015】
本明細書で使用されるように、遠位方向は患者に向かう方向であり、近位方向は患者から離れる方向である。上へ及び上側という用語は一般的な重力方向から離れる方向を指し、下部、下側及び下へという用語は一般的な重力方向を指す。前という用語はロボット機構の、ユーザーに面し且つ関節式アームから離れた側を指す。後という用語は、ロボット機構の、関節式アームに最も近い側を指す。内側にという用語は特徴物の内側部分を指す。外側にという用語は特徴物の外側部分を指す。
【0016】
ロボット機構212は、ベース214に対して移動可能なロボットドライブベース220と、ロボットドライブベース220に動作可能に固定されたカセット222とを含む。一実施形態において、カセット222が、支持剛性ガイド218を画定する構造体を含む。一実施形態において、ベース214が単独で、又はカセット222と組み合わせて、剛性ガイド218を画定する。
【0017】
一実施形態において、ベース214は、ユーザーがロボット機構212を患者に近接して配置することを可能にする関節式アーム224に固定される。一実施形態において、ベース214は関節式アーム224の遠位部分である。関節式アーム224は、レールクランプ又はベッドクランプ226によって患者のベッドに固定される。このようにして、ベース214は患者のベッドに固定される。関節式アーム224を操作することにより、ベース214は、患者のベッドに横たわっている患者に対して定位置に配置される。ロボット機構212の所望の位置が患者に対して設定されると、関節式アーム224のアームを固定することができる。
【0018】
図2を参照すると、ガイドカテーテル228のような細長い医療装置がカセット222によってロボット機構212に動作可能に固定される。ガイドカテーテル228は、近位端230と、反対側の遠位端232と、近位端230と遠位端232との間に延びる中間部分234とを含む。一実施形態において、ガイドカテーテル228の近位端230は、Yコネクター233及びYコネクター係合機構236に固定される。一実施形態において、Yコネクター233は止血弁であり、止血弁は、カセット222の一部分であるYコネクターベース238と、蓋243と支持部材245とを含む包囲部材244とを含む、Yコネクター係合機構236によってカセット222に固定される。Yコネクターベース238はカセット222に位置するガイドカテーテル駆動機構240を含み、ガイドカテーテル駆動機構240はその結果ロボットベース220に動作可能に接続されている。ガイドカテーテル駆動機構240は、遠隔制御センターによって提供されるコマンドに基づいてカテーテル228に動作可能に係合し且つガイドカテーテル228をその縦軸の周りでその縦軸補正に沿って回転させる、駆動機構を含む。
【0019】
図3を参照すると、Yコネクター包囲体244は、ガイドカテーテル228及びYコネクター233の容易な設置をもたらすために持ち上げられた設置位置へ旋回する。
図4を参照すると、Yコネクター包囲体244は、持ち上げられた位置から使用中の操作可能な下方位置へベクトル242に沿って旋回する。一実施形態において、ガイドカテーテル駆動機構240は、ガイドカテーテル228をその縦軸の周りでロボットにより回転させるために、ガイドカテーテル228の近位端230に固定された回転ルアーロックコネクターの歯車241と相互作用する。ガイドカテーテル228をその縦軸の周りでロボットにより回転させるためのYコネクターホルダー及び駆動機構236の動作は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、ガイドカテーテル制御用止血弁と題した米国特許出願公開第2014/0171863号明細書に記載されている。Yコネクター止血弁233のロボット制御を以下で更に詳細に説明する。
【0020】
図4及び
図6を参照すると、Yコネクターホルダー238は開位置から閉位置へ旋回するカバー244を含む。Yコネクターホルダー238は、カセット222の一部分に解放ボタン246によって解放可能に係合する。レバー246の動きは、ガイドカテーテル228及びYコネクター233を装着するために、Yコネクターホルダー238が操作可能な下方位置から持ち上げられた位置へ旋回させられることを可能にする。
【0021】
図5を参照して、ガイドカテーテル228、剛性ガイド218及び可撓性軌道216の関係を説明する。ガイドカテーテル228は、カセット222の内部と少なくともカセット222の遠位の一定距離にわたって、その縦軸248に沿って直線位置を維持する。一実施形態において、縦軸248はカセット222の縦軸に一致する。
【0022】
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)などの医療処置中に、ガイドカテーテル228は、探索的な診断を行うため又は患者の血管系内の狭窄を治療するために、ガイドワイヤ及びバルーンステントカテーテルのような他の細長い医療装置を患者に導入するのに使用される。このような一処置において、ガイドカテーテル228の遠位端232は患者の心門内に据え付けられる。ロボット機構212は、ガイドワイヤ及び/又はバルーンステントカテーテルのような作業カテーテルを患者の内外で駆動する。ガイドワイヤ及び作動カテーテルは、ロボット機構212の遠位端と患者との間のガイドカテーテル228内で駆動される。一実施形態において、縦軸248は、その周りでカセット222がガイドワイヤの回転を引き起こす軸であり、それに沿ってカセット222がガイドワイヤをその縦軸に沿って駆動し且つバルーンステントカテーテルのような作動カテーテルをその縦軸に沿って駆動する軸である。一実施形態において、ロボットドライブシステムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、カテーテルシステムと題した米国特許第7887549号明細書に記載されているタイプのものである。
【0023】
図5,7及び9を参照すると、剛性ガイド218の遠位端にカラー250が形成されている。カラー250は垂直方向に延びる開口部278を含み、開口部278を通してガイドカテーテル228が可撓性軌道216に挿入される。
【0024】
可撓性軌道216の終端254は、カセット222に解放可能に接続されている、シースクリップ256に固定されている。可撓性軌道246は、終端の遠位端252に固定されたカラー250を含む。
図9を参照すると、一実施形態において、シースクリップ256が取付部分260を含む近位端258を含む。可撓性軌道216の遠位端254は取付部分260に固定される。シースクリップ256は、ユーザーがシースクリップ256と可撓性軌道216を操作することを可能にする把持部分262を含む。把持部分262と可撓性軌道取付部分260の中間には、カラー係合部分264がある。カラー係合部分264は、シースクリップ256をカラー250内で位置決めするように構成された、案内位置決め部材266を含む。
【0025】
図7を参照すると、剛性ガイド218は、上部部材268と下部通路部材270とを含む。上部部材268と下部通路部材270は、複数の留め具又は他の締結機構で互いに固定されると内部通路272を形成し、可撓性軌道216は内部通路272を通って剛性ガイド218に対して移動する。
【0026】
図8を参照すると、可撓性軌道216は、可撓性軌道216の近位端に向かって所定の距離だけ、可撓性軌道216の終端254に隣接して配置された開口部274を含む。可撓性軌道216の遠位端254がカラー250に隣接して配置されると、開口部274は、カラー250から剛性ガイド218が縦軸248から離れて弧状経路を開始する領域まで開口部274が延びるのに十分な距離、カラー250からYコネクターホルダーに向かって延びる。一実施形態において、弧状経路は、弧状経路に沿って少なくとも1つの変曲点を有するS字曲線を形成する。後述のとおり、開口部274は、ガイドカテーテル228を縦軸より上の位置から可撓性軌道の中空キャビティ内に直接配置するための経路を提供する。このようにして、ガイドカテーテル228が直線状であるのに、ガイドカテーテル228を開口部274の近くで可撓性軌道216内に配置することができる。別の言い方をすれば、一実施形態において、ガイドカテーテル228が開口部274を通して挿入されるとき、ガイドカテーテル228は直線状である。一実施形態において、開口部274は、可撓性軌道216の終端254の開口部の周りに90度延在する。開口部274は、実質的に可撓性軌道216の全長にわたるスリット286に向かって細くなる。一実施形態において、スリット286は、ロボットカテーテルシステムの意図された動作中ずっとガイドカテーテル228が可撓性軌道216の内側部分に出入りすることを可能にするのに十分な距離だけ、開口部274から延びている。開口部274は、可撓性軌道216の外面にある実質的に平行な一対の切断線288,290によって画定される。開口部274は更に、切断線288からスリット286に向かって延びている円弧状の線296を有するテーパー領域294によって画定される。一実施形態において、可撓性軌道216は、スリット286を開位置に維持するのに十分な剛性を有し、すなわち、スリット286を画定する可撓性軌道216の外面の2つの部分は、本明細書に記載されるような可撓性軌道216の動作中離れたままであり、いかなる開口部も存在しないように互いに倒れ込まない。一実施形態において、スリット286は、それが剛性ガイド218の特定のセクションを通って移動するとき、可撓性軌道216の特定の部分の間でつぶれる。一実施形態において、スリット286はつぶれ、すなわち、スリットを画定する2つの縁は、ガイドカテーテル228が可撓性軌道218に出入りする領域を除いて、互いに接触している。スリットを画定する縁は、縦軸248が非直線弧状部分を開始する剛性ガイドの一部分と一致する領域で拡張部材298によって強制的に離される。
【0027】
図1を参照すると、可撓性軌道216の遠位端は、剛性ガイド218の通路にその近位開口部276を通して入れられる。剛性ガイド218は、近位開口部276で始まる直線部分と、カバー268とベース270によって画定される非直線部分とを含む。一実施形態において、非直線部分は、少なくとも1つの変曲点を有する弧状部分である。可撓性軌道216は最初に、可撓性軌道216の遠位端254が剛性ガイド218のカラー250を越えて延びるまで可撓性軌道218の遠位端254を剛性ガイド218の近位開口部276に入れることにより、剛性ガイド218内に配置される。可撓性軌道216の遠位端254は、シースクリップ256の部材258に動作可能に接続される。シースクリップ258は、部材266がカラー250にある対応する嵌合溝内に配置されるように、カラー250内に配置される。シースクリップ256は、シースクリップ258の溝形開口部276がカラー250の開口部278と位置合わせされた、第1装着位置に配置される。
【0028】
可撓性軌道216は、開口部274が上方を向くように技術者又はオペレーターによって剛性ガイド218内で回転させられる。別の言い方をすれば、可撓性軌道216の開口部274は、シースクリップ256がカラー250と係合されたとき、シースクリップ256の開口部276がカラー250の開口部278と位置合わせされ、同様にカラー250の開口部278が可撓性軌道216の開口部274と位置合わせされるように、シースクリップ256に固定される。
【0029】
図10を参照すると、可撓性軌道216は、遠位位置において可撓性軌道216の一部分がカラー250を超えて延びる状態で、シースクリップ256に固定される。可撓性軌道216の遠位端254の引き出しは、可撓性軌道216のシースクリップ256への容易な挿入を可能にする。可撓性軌道216は剛性ガイド材料の弾性率よりも小さい弾性率を有する可撓性材料で形成されているので、可撓性軌道216は剛性ガイド218によって画定された通路の湾曲した非直線部分に沿って移動する。ここで留意すべきは、可撓性軌道216の弾性率は、可撓性軌道216が剛性ガイド218の非直線部分に沿った移動によって破断し又は壊れる値より低いことである。一実施形態において、可撓性軌道216は、ポリテトラフルオロエチレンPTFE材料で形成される。シースクリップ256は、可撓性軌道216の終端254と共に、カラー250の近くに移動させられる。シースクリップ256は可撓性軌道216と共に、シースクリップ256の開口部276がカラー250の開口部278と一直線になるように回転させられ、ガイドカテーテル設置位置を画定する。後述のとおり、一実施形態において、シースクリップ420は、適切な設置方向でカセット222内に受け入れられるように構成されている。
【0030】
図5を参照すると、ガイドカテーテル228は、カラー250の開口部278を通って且つシースクリップ256の開口部276を通って可撓性軌道216の開口部274内に配置される。
図5及び
図9を参照すると、シースクリップ256の遠位端280は開口部284を有するカラー282を含む。設置位置にあるガイドカテーテル228は、開口部274を通って、カラー250の開口部278を通って、シースクリップ256の開口部276,284を通って、可撓性軌道216内に延びている。この設置位置において、ガイドカテーテル228は、Yコネクターホルダー236からシースクリップ256の遠位端を通ってその縦軸248に沿って真直ぐな直線配向を維持している。
【0031】
図11を参照すると、剛性ガイド218は拡張部材298を含み、拡張部材298は剛性ガイド218の外壁によって画定された通路内に延びる。拡張部材298は、スリット286を通って可撓性軌道218の内部通路内に受け入れられる。拡張部材298は、剛性ガイド218の弧状部分の遠位端300に近接して配置される。拡張部材298は、ガイドカテーテル228がスリットを通って可撓性軌道216の通路部内に延びることができるように、スリットを画定する可撓性軌道216の縁が離れたままであることを確実にするために、スリット286によって画定される開口部以上の厚さを有する。一実施形態において、拡張部材298の厚さは、スリットによって画定された開口部及びガイドカテーテル228の直径よりも大きい。このようにして、スリット286によって画定される開口部は、拡張部材のところ及び拡張部材の近くで大きくなり、ガイドカテーテル228の一部分の挿入及び除去を可能にする。一実施形態において、スリットによって画定された開口部はガイドカテーテル228の直径よりも小さく、このことはロボットカテーテルシステムの動作中にガイドカテーテルの遠位部分を可撓性軌道216の通路内に維持するのに役立つ。
【0032】
図6A及び
図12を参照すると、シースクリップ256は、開口部276が上向きになっている設置位置に配置されている。別の言い方をすれば、開口部276は、シースクリップ256内の溝によって形成され、上方からアクセスされる開口部を画定する。この向きは、ガイドカテーテルがカセット222に固定されるのと同じ向きで、ガイドカテーテル228がシースクリップ256の溝及び可撓性軌道216の開口部274内に配置されることを可能にする。この向きにおいて、ガイドカテーテル228は、シースクリップ256の開口部276及び284を通して且つ可撓性軌道216の開口部274を通して、可撓性軌道216の通路内に配置することができる。
【0033】
図6B及び
図13を参照すると、一実施形態において、シースクリップ256は、開口部276が
図12に示す垂直配向から90度に延びるまで、縦軸248を中心に回転させられる。このようにして、ガイドカテーテル228が可撓性軌道216の通路内に留まることが支援される。シースクリップ256を90度回転させるとき、拡張部材298は縦軸248に隣接するスリット286によって画定される開口部を広げるように作用する。このようにして、ガイドカテーテル228は、スリット286を画定する可撓性軌道の縁からの干渉なしに、可撓性軌道216に出入りすることができる。以下に記載される一実施形態では、シースクリップ420を回転させる必要はなく、単にカセット222から離れるように遠位に引っ張るだけである。
【0034】
一実施形態において、シースクリップ256は
図6Bに示す第1方向に90度回転させられ、一方、別の実施形態において、シースクリップ256は上記方向と反対の方向に90度回転させられる。また、シースクリップ256は90度未満又は90度を超えて回転させることができると考えられる。以下に記載される一実施形態では、シースクリップ420は回転させる必要はない。
【0035】
図14及び
図15を参照すると、一実施形態において、シースクリップ256が
図13に示す操作位置まで回転させられると、シースクリップは、シースクリップ256遠位端280が患者に近接するまで、縦軸248に沿った方向にカセット222から離れるようにユーザーによって引っ張られる。一実施形態において、シースクリップ256の遠位端280に導入器が固定される。導入器は、患者に与える組織の損傷を最小限に抑えながら、ガイドカテーテル、ガイドワイヤ及び/又は作動カテーテルのような細長い医療装置の患者への挿入及び除去を可能にするために、導入器を患者に確実に位置決めするように患者に固定される装置である。導入器が患者に近接するようにオペレーターがシースクリップと付随する可撓性軌道を患者に向かって引っ張ると、可撓性軌道はロッククランプ310によって所定の位置にロックされる。
【0036】
ロッククランプ310は、患者が患者のベッドに静止して横たわっている限りは可撓性軌道216の一部分が患者のベッド及び患者に対して定位置にあるように、可撓性軌道216をベース214に固定する。
図18を参照すると、リニアドライブ機構312がリニアスライドを含み、リニアスライドは遠隔制御ステーションを通してユーザーによってロボット制御される。カテーテル駆動機構ドライブ312は、縦軸248に沿ってロボット機構212を駆動する。剛性ガイド218がロボット機構212に対して固定されているので、可撓性軌道216は、ロボット機構212が縦軸248に沿って移動するときに剛性ガイド218に対して移動する。
【0037】
図14,15,16及び17を参照して、可撓性軌道216の剛性ガイド218に対する操作及び動きを説明する。
図14を参照すると、可撓性軌道216は、上記のようにガイドカテーテル228がシースクリップ256及び可撓性軌道開口部274内に配置されている第1設置位置で示されている。
図15を参照すると、上記のようにシースクリップ256がカセット222から解放されると、シースクリップ256と可撓性軌道の遠位端は、シースクリップ256の遠位端が経皮的インターベンションが行われる患者の進入位置に近接するように、ユーザーによってカセット222から離れるように引っ張られる。以下で更に詳細に説明するように、ロッククランプ310は可撓性軌道216の一部分を動作可能にクランプし、可撓性軌道216はベース214に対して固定される。
【0038】
図14及び15を参照すると、可撓性軌道216の、剛性ガイド218の弧状部分の内部に配置された部分は、剛性ガイド218の遠位端から概ね縦軸248に沿った方向に引き出される。同様に、可撓性軌道216の、剛性ガイド218の弧状部分の外部にあり弧状部分の内部に位置しなかった部分322が剛性ガイド218の弧状部分に引き込まれ、可撓性軌道の終端が患者にどの程度引っ張られるかによって、可撓性軌道216の部分322は剛性ガイド218の弧状部分に入り、そこから延びることができる。別の言い方をすれば、可撓性軌道216は、ガイドカテーテルシステムの動作と共に変わる3つの一般的領域を含む。第一に、近位端253から剛性ガイド218の弧状部分の開口部324までの可撓性軌道部分を含む近位領域。可撓性軌道216は、剛性ガイド218の弧状部分の近位端324とカラー250に近接する剛性ガイドの弧状部分の遠位端325との間に位置する第2部分を含む。可撓性軌道は、剛性ガイド218のカラー250から概ね縦軸248に沿ったベクトルによって画定される方向に延びる第3領域を含み、ベクトルはYコネクターで始まり、カラー250に向かう方向に延びる。
【0039】
上記のような可撓性軌道216の第1領域及び第2領域は、縦軸248からずらされ、縦軸248に沿っていない。可撓性軌道216の第3部分は、可撓性軌道216が剛性ガイド218のカラー250を出るときの縦軸248と概ね同軸である。
【0040】
ある種のインターベンション処置の間、ガイドカテーテル228は、導入器を通して患者の大腿動脈に挿入され、患者の心臓の冠動脈口に近接して配置される。オペレーターがロボットガイドカテーテルの遠位端を再配置したい場合がある。
図16及び
図17を参照して、ガイドカテーテル228の遠位端の制御について説明する。
図16を参照すると、ガイドカテーテル228は遠位部分を有し、遠位部分は、シースクリップの終端から離れる方向にガイドカテーテル228の終端を超えて延びるようにシースクリップ256の遠位端を越えて延びる。先に述べたように、ガイドカテーテル228の遠位端は、患者の心門に近接して配置されることができる。ガイドカテーテル228の遠位端のロボット制御は、リニアドライブ312によるロボットドライブ機構212のベース214に対する動きによって達成される。ガイドカテーテルは、カセット222からシースクリップ256まで可撓性軌道の通路内に配置される。可撓性軌道216がベース214に対して固定されているので、上記のような可撓性軌道216の第2部分は、剛性ガイド218の弧状部分の内部から、縦軸248からずらされた位置へ移動する。同様に、カラー250を超えて遠位に延びていた可撓性軌道216の第3部分が引き込まれ、剛性ガイド218の弧状部分内に移動し、そうすることで縦軸248から離れるように移動し且つ縦軸248からずらされる。
【0041】
PCI処置中にガイドカテーテルが心門から抜け出し始めた場合、ロボットドライブ212を患者に向かってロボット移動させることにより、ガイドカテーテル228の遠位端を伸ばして患者の心門内に戻すことができる。そうすることで、ガイドカテーテル228の遠位端を患者に向かって移動させ、一例として患者の心門内に、ガイドカテーテルの遠位端を再挿入又は据え付ける。ロボットドライブ機構212が縦軸248に沿って移動させられるときに、可撓性軌道216は剛性ガイド218に対して移動させられる。実際の動作では、可撓性軌道216の一部分が、ロッククランプ310のところでベース214に対して間隙を介して固定される。しかしながら、可撓性軌道216の、剛性ガイド216の弧状部分の内部に位置する部分は、ロボットドライブ機構212が移動している方向に応じて縦軸248に対して接近又は離間する方向へ移動させられる。ガイドカテーテル228は、剛性ガイド218の弧状部分の内外で移動している可撓性軌道216の部分の内外で移動する。このようにして、ガイドカテーテル228の、カセット222とシースクリップとの間の部分は、常に可撓性軌道216の通路内に位置する。このようにして、ガイドカテーテル228は、経皮的インターベンション処置の間に、座屈又は他の望ましくない動きを引き起こすことなく、可撓性軌道216内で操作することができる。
【0042】
図16及び
図17を参照して、可撓性軌道216の剛性ガイド218に対する動きを可撓性軌道216の単一セクションAに関して説明する。一実施例において、可撓性軌道216のセクションAは、剛性ガイド218のカラー250の遠位に位置する。オペレーターがガイドカテーテル228をカラー250から離れる方向へ患者内に又は患者に向かって挿入すると決めた場合、入力装置が遠隔制御ステーションでユーザーにより操作され、リニアドライブ312を作動させることによってロボットドライブ212を縦軸248に沿って遠位に駆動する。カセット222を含むロボットドライブ312がリニアドライブ312によってベース214に対して患者に向かう方向に移動させられるときに、ガイドカテーテル228が縦軸248に沿って遠位に移動するように、ガイドカテーテル228の近位端はクランプ310によってカセット222に縦方向に固定されている。結果として、ガイドカテーテル228の遠位端は患者に向かって及び/又は患者内に移動する。
【0043】
ロボットドライブ機構が縦軸248に沿って移動させられるときに、可撓性軌道216のセクションAはカラー250を通って剛性ガイド218内へ移動し、可撓性軌道216のセクションAが剛性ガイド218の近位開口部に隣接するまで剛性ガイド218の弧状部分に沿って移動させられる。このようにして、可撓性軌道の遠位端は定位置に留まるが、可撓性軌道216のセクションAは縦軸248から移動させられ又は縦軸248に対してずらされる。セクションAがカラー250に近接する位置から剛性ガイド218によって画定された弧状通路内に移動するとき、ガイドカテーテル228はカラー250の近位にある係合ゾーンに隣接するスリットを通って可撓性軌道216の通路又は中空内腔に入る。このようにして、可撓性軌道216は、ガイドカテーテル228の遠位端が患者に対して接近又は離間する方向に移動させられるときに、カラー250と患者との間でガイドカテーテル228のための継続的な支持及び誘導を提供する。
【0044】
同様に、オペレーターがガイドカテーテル228の遠位端を患者内から退避させたい場合、ユーザーはロボットドライブ機構212を患者から離れる方向に移動させるように遠隔制御ステーションを通してリニアドライブにコマンドを提供する。このようにして、可撓性軌道216のセクションAは、剛性ガイドの弧状部分の近位端に入り、セクションAが剛性ガイド218の遠位端を出るまで剛性ガイド218の通路内で誘導される。ガイドカテーテル228はセクションAのところでスリットに入り、別の言い方をすれば、ガイドカテーテル228の一部分がスリットの、可撓性軌道のセクションAのところで取られた同心円内に位置する部分を通って可撓性軌道216に入る。ここで留意すべきは、ロボット機構が患者に対して接近又は離間する方向に移動されられるとき、可撓性軌道のセクションは剛性ガイドの異なる領域に配置されるが、ロボット機構が縦軸に沿って移動させられるとき、可撓性軌道の近位端及び遠位端は定位置に留まることである。
【0045】
図19-26を参照すると、ロッククランプ310は、ベース214に動作可能に接続されたベース部分320と、係合機構324によってベース部分320に連結されたクランプ部分322とを含む。係合機構324はベース部分320にある一対の留め金370,371を含み、留め金370,371はクランプ部分322の2つのくぼみ又は溝360及び362によって一部分357と係合する。クランプ部分322は剛性ガイドコネクター328を有する本体326を含み、剛性ガイドコネクター328は剛性ガイドにある開口部に旋回可能に受け入れられる。コネクター328は、剛性ガイド218にある開口部内に受け入れられる円筒部材356を含む。
図21を参照すると、クランプ部分322は、クランプ部分322がカセット222から外側又は後方に延びることなく、カセットをロボットドライブベース220から切り離して送り出すのに使用することができる、持ち上げられた位置にある。クランプ部分322は、ベース部分320に連結されるように、剛性ガイド218の開口部に近接する剛性ガイド218の縦軸の周りで外向き方向に旋回する。
【0046】
図24を参照すると、円筒部材356はそれを貫通する通路を画定し、この通路を可撓性軌道216が貫通する。円筒部材356から通路へ内側に延びているのは平板状支持体332である。内側円筒ガイド部材330が、円筒部材356と同軸であるように平板状支持体332から延びている。可撓性軌道216は、剛性ガイド218にある近位開口部を通され、可撓性軌道216にあるスリットが平板状支持体332を通過するように内側円筒ガイド部材330を通過させられる。このようにして、可撓性軌道216は内側円筒ガイド部材330と円筒部材356との間に配置される。
図26Aを参照すると、円筒部材356は縦方向の開口部を含み、縦方向の開口部をカム部材338が本体326から内側円筒ガイド部材330と円筒部材356との間に画定された領域に向かって貫通する。下記のように、カム部材338は、内側円筒ガイド部材330に対して可撓性軌道216をロックするように作用する。
【0047】
カムロック部分322は、ハンドル部分354と軸受面358とカム部分355とを有するハンドル部材334を含む。ハンドル部材334はキー付きポスト352を含み、キー付きポスト352はキー付き開口部350によって下部キー受け344に接続される。留め具がハンドル334を下部キー受け344に固定する。本体326は、軸受358とカム355とが貫通する開口部336を含む。カムプレート338は内面を有する開口部342を含む。カムプレート338はロック面340を含む。作動中、カムプレート342は、開口部342が開口部336と位置合わせされるように本体326にあるスロット内に配置されている。
【0048】
図25A,26Aを参照すると、ロック解除位置において、ロック面340は可撓性軌道216に当接しない。
図25B及び26Bを参照すると、軸受部材358は、ハンドル334を開口部336内で中央に位置付けるために開口部336の壁と協働する。カム部材355は、可撓性軌道216をロック310に対して及びそれによってベース214に対して動作可能にロック及びロック解除するために、ハンドル334を回転させたときにロック面340が剛性ガイド218に対して接近又は離間する方向に移動させられるように、カムプレート338の開口部342内に配置されている。
【0049】
図29及び30を参照すると、Yコネクター233は止血弁402であり、止血弁402は、近位ポートと、遠位ポートと、近位ポートと遠位ポートとの間に延びる内腔とを有する第1脚部を備えた弁本体を含む。少なくとも1つの弁が近位ポートに隣接する内腔に、介入装置をそれに通すことを可能にするために配置されている。弁本体は、第1脚部に対してある角度で延び且つ第1脚部と流体連通している第2脚部を含む。回転雄型ルアーロックコネクターが遠位ポートに隣接する弁本体に、ガイドカテーテル228の近位端をそれに固定するために回転可能に連結されている。
【0050】
一実施形態において、止血弁402は、インターベンション処置中に失われる可能性がある血液を減らすために使用されるブリードバック弁を含む。ブリードバック弁は、ガイドワイヤのような細長い装置がそれを貫通することを可能にするように作用するが、弁を通る血液の損失を最小限に抑える。一実施形態において、止血弁402は、近位端にある開口部のサイズの調整を可能にするトーイボーストアダプターを含む。弁の縦軸の周りの係合部材の回転が開口部の直径を増加又は減少させるように作用する。
【0051】
一実施形態において、ブリードバック弁は、係合部材の単一の動作又は平行移動で閉位置から全開位置へと開放される。一実施例において、係合部材は、弁を完全に開き又は完全に閉じるために細長い医療装置の縦軸に沿って押され又は引かれる。一部の止血弁装置は、係合部材の縦軸の周りの係合部材の回転によりトーイボースト弁を開閉する回動係合部材、及びブリードバック弁を開閉するために係合部材を縦軸に沿って移動させるプッシュプルコントロールの、両タイプの制御装置を含む。弁を開閉するのにレバー又はラチェットを使用するような他のタイプの制御機構も知られている。
【0052】
図29及び
図30を参照すると、止血弁402は係合部材416を含み、係合部材416は、係合部材416の回転によるトーイボースト弁の動作と、止血弁の縦軸に沿って係合部材416を移動させることによるブリードバック弁の全開位置と閉位置との間のプッシュプル調整とを提供する。
【0053】
トーイボースト弁及びブリードバック弁の制御は、係合部材を縦軸の周りに回転させるために第1被駆動部材404に動作可能に接続された第1駆動部材406によって遠隔制御ステーション14からロボットにより行われる。一実施形態において、第1駆動部材は駆動ギヤであり、被駆動部材404は、係合部材416に固定され且つ駆動ギヤに動作可能に接続されたベベルギアである。第2駆動部材412が、止血弁の縦軸に沿って係合部材416を平行移動させるために係合部材に動作可能に接続されている。一実施形態において、第2駆動部材は、遠隔制御ステーション14によって制御されるモーターによってロボット制御されるレバーである。レバー412は、レバー412の移動が係合部材416の平行移動をもたらし、係合部材416の平行移動により上記のように係合部材416が閉位置と開位置との間でブリードバック弁が開くように、係合部材16の外周にあるカラースロット414に動作可能に係合する。
【0054】
一実施形態において、ユーザーは、係合部材416を縦軸の周りで回転させ且つ/又は縦軸に沿って平行移動させるようにユーザー入力によって指示を提供することによって、ブリードバック弁とトーイボースト弁を開閉するように第1駆動部材412と第2駆動部材412を操作することができる。一実施形態において、第1駆動部材412及び第2駆動部材412は、血流及び/又は止血弁及び/又は患者の血管系のいずれかを通して細長い医療装置を移動させるのに必要な摩擦力を感知するセンサーに応答して、遠隔ロボット制御ステーション14によって自動的に作動される。細長い医療装置をロボットにより回転又は平行移動させるのに必要な力がある所定値に達したことをシステムが検出すると、処理装置は、弁の一方又は両方の開口部を漸次的に開け及び/又は閉じるように指示を提供する。患者の血圧及び又は血液が弁を通して失われているか否かの監視は、弁の開口部に対する適切な調整を決定するためのアルゴリズムで要因として使用される。
【0055】
図27を参照すると、ロボットカテーテルシステム210は、患者のベッド22に隣接する患者のベッドサイドシステム12の近くで動作する。遠隔ワークステーション14は、コントローラ16と、ユーザーインターフェース18と、ディスプレイ20とを含む。撮像システム24は、カテーテルによる医療処置と共に使用することができる任意の医療用撮像システム(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波など)であることができる。一実施形態において、撮像システム24はワークステーション14と通信するデジタルX線撮像装置である。撮像システム24は、特定の処置中に患者の適切な領域のX線画像を撮影するように構成されている。例えば、撮像システム24は、心臓の状態を診断するために心臓の1つ以上のX線画像を撮影するように構成することができる。撮像システム24はまた、ワークステーション14のユーザーが処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、及びステントのような作業カテーテルを適切に配置するのを支援するために、カテーテルによる医療処置中に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮影するように構成することができる。画像は、ユーザーがガイドワイヤ又は作動カテーテルの遠位端を患者の血管系内の適切な位置に正確に位置決めすることを可能にするために、ディスプレイ20に表示されることができる。
【0056】
図28を参照すると、可撓性軌道216は患者に向かって縦軸248に沿って延びている。しかしながら、処置中に患者が移動し、結果的にシースクリップが患者から引き離され又は患者に引き寄せられる場合がある。一実施形態において、可撓性軌道216は、カセット222の遠位端と患者との間で円弧状となる。可撓性軌道216によって画定されるキャビティ内に配置されているガイドカテーテル228は、可撓性軌道216と同じ円弧状となる。患者が処置中にカセット222から離れるように移動した場合、円弧390は平たくなる。同様に、患者が処置中にカセット222に向かって移動した場合、円弧390はより顕著になる。両方の状況において、可撓性軌道216は、ガイドカテーテル228がPCI処置中に座屈するのを防ぐことができる。
【0057】
図30を参照すると、一実施形態において、シースクリップ420はカセット222の遠位端内に確実に受け入れられている。可撓性軌道216の遠位端は半径方向に延びるハンドル部分428の近くでシースクリップ410に固定され、シースクリップ420は開口部432を有する溝430を含む。可撓性軌道216の遠位端は溝430の底部内に位置する。
図31に示す設置位置において、シースクリップ420の縦軸は、ロボット機構212の縦軸248と同軸である。シースクリップ420と可撓性軌道216を操作位置に配置するために、ユーザーがハンドル部分428を引っ張り、シースクリップ420及び取り付けられた可撓性軌道216をロボット機構212から離れ且つ患者に向かう方向に伸ばす。一実施形態において、ガイドシース420をカセット222に対して回転させる必要はない。ユーザーは単にシースクリップ420を遠位にロボット機構212から離れる方向へ引っ張る。
【0058】
図32及び
図33を参照すると、シースクリップ420は、導入器シース422に解放可能に係合する導入器シースコネクター424を含む。導入器シースコネクターは、ハンドル部分428の近くでシースクリップ420に回転可能に連結された少なくとも1つの部分を含む。導入器シースコネクター424は、導入器シースをシースクリップ420に動作可能に結合するために導入器422の外面に解放可能に係合するアーム436を含む。
図33に示す係合位置にあるアーム436は、導入器シース422が患者に向かって又は患者から離れるように縦軸に沿ってシースクリップ420から移動するのを防ぐことができる。導入器シース422から延びる管がシースクリップ420とアーム436との間に捕捉されている。
【0059】
本発明の上記説明は当業者が現在そのベストモードであると考えられるものを作成及び使用することを可能にするものであるが、当業者は本明細書の特定の実施形態、方法及び実施例の変形、組み合わせ及び均等物の存在を理解及び認識するであろう。従って、本発明は、上記実施形態、方法及び実施例によってではなく、本発明の範囲及び精神内の全ての実施形態及び方法によって限定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットカテーテルシステムであって、
ベースと、
縦軸を有し且つ前記縦軸に沿って前記ベースに対して移動可能であるロボット機構と、
前記ベースに解放可能に固定され、且つ内部通路まで貫通する縦方向開口スリットを有する外面を含む可撓性軌道と、
前記ロボット機構に対して固定された一部分を有するガイドと、
前記縦軸に沿って伸びる細長い医療装置と、
前記ロボット機構が前記ベースに対して移動するとき、非直線経路に沿って移動する前記可撓性軌道の一部分と、
を含み、
前記細長い医療装置が、前記可撓性軌道の一部分が前記ベースに沿って移動するように、前記可撓性軌道の前記内部通路に入り込む、
ロボットカテーテルシステム。
【請求項2】
前記細長い医療装置が、前記可撓性軌道の遠位端を通って前記ロボット機構の内部の位置から前記縦軸に沿って直線方向に維持される、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項3】
前記ロボット機構が前記可撓性軌道の前記遠位端から第1の距離にあるとき、前記可撓性軌道の一部分が前記細長い医療装置と同一直線上にあり、前記可撓性軌道が前記可撓性軌道の前記遠位端から、前記第1の距離よりも短い第2の距離にある時、前記可撓性軌道の一部分が前記細長い医療装置の同一直線上にない、請求項2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項4】
前記細長い医療装置が、カテーテルであり、
前記カテーテルが、前記ロボット機構の止血弁から前記可撓性軌道の前記遠位端に前記縦軸に沿って直線である、
請求項2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項5】
前記可撓性軌道の遠位端が、患者の外側に配置されている、請求項2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項6】
前記可撓性軌道の近位端と前記可撓性軌道の前記遠位端が、前記ロボット機構が前記ベースに対して移動するように、固定された位置にある、請求項5に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項7】
前記可撓性軌道の前記遠位端に動作可能に接続されたクリップを含み、
前記クリップが、前記患者に固定されている、請求項6に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項8】
前記クリップが、前記患者の血管系内に延びる導入器シースに取り外し自在に結合される、請求項7に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項9】
前記クリップが、導入器シースに解放可能に係合する、導入器シースコネクターを含む、請求項7に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項10】
前記細長い医療装置がカテーテルであり、
前記カテーテルが、前記縦方向開口スリットを通すとともに、前記可撓性軌道の遠位端を通すように最初の挿入がされるとき、前記カテーテルが、直線状にある、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項11】
前記カテーテルが前記縦方向開口スリットを通して最初の挿入がされるとき、前記可撓性軌道の前記遠位端が、前記ロボット機構の遠位端に隣接しており、前記ロボット機構が前記ベースに対して移動する前に、前記可撓性軌道が、前記ロボット機構の前記遠位端から離れるように移動する、請求項10に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項12】
さらに、前記可撓性軌道の近位端を前記ベースに解放可能に固定するクランプを含み、
前記クランプが、前記縦方向開口スリットを通ってチャネル内に伸びるクランプ部材を含む、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項13】
さらに、前記可撓性軌道の近位端部を前記ベースに固定する前記可撓性軌道の前記チャネルの内部で、前記可撓性軌道の内側を前記クランプ部材に固定する、前記可撓性軌道の外側面に解放可能に押圧される係合部材を含む、請求項12に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項14】
前記縦方向開口スリットが、前記可撓性軌道の全長に亘って延びている、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項15】
細長い医療装置を支持する方法であって、
縦軸を含むロボット機構を設けることと、
近位端と、遠位端と、それらの間の中間部分と、を含む可撓性軌道を設けることであって、前記可撓性軌道が、チャネルまで伸びる縦方向開口スリットを有する外側面を含む、ことと、
前記ロボット機構に固定された一部分を有するガイドを設けることと、
前記可撓性軌道の内側に、前記縦軸に沿って細長い医療装置を配置することと、
患者に向かってベースに対して前記縦軸に沿って前記ロボット機構を並進させることと、
前記ロボット機構が前記ベースに対して移動するように、前記可撓性軌道の前記中間部分を非直線経路内で前記ガイドに沿って移動させることと、
前記中間部分が前記非直線経路に沿って移動するように、前記中間部分内の前記縦方向開口スリットを通って前記チャネルから前記細長い医療装置の一部分を取り除くことと、
を含む方法。
【請求項16】
前記ロボット機構を並進させる前に、前記ベースに前記可撓性軌道の近位端と前記遠位端とを前記ベースに固定することを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ロボット機構が前記ベースに対して前記患者に向かって移動するように、前記可撓性軌道の前記中間部分を、前記ロボット機構内の前記細長い医療装置によって画定される直線と同一線上にある位置から、前記可撓性軌道の前記遠位端を通って前記直線からずれた位置まで移動させること、を更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ロボット機構が前記ベースに対して前記患者から離れるように移動するように、前記可撓性軌道の前記中間部分を、前記ロボット機構内の前記細長い医療装置によって画定される直線と同一線上にある位置から、前記可撓性軌道の前記遠位端を通って前記直線からずれた位置まで移動させること、を更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記可撓性軌道の前記遠位端にクリップを設けることと、
前記クリップを前記患者に接続された導入器に接続すること、
を更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記細長い医療装置が遠位端を有するカテーテルであり、前記ロボット機構内に前記細長い医療装置を位置決めすることが、前記カテーテルの遠位端を前記ロボット機構内の止血弁に固定することを更に含む請求項15に記載の方法。
【外国語明細書】