(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025085
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】カメラの画像処理方法およびカメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20230214BHJP
H04N 25/10 20230101ALI20230214BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N9/07 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186120
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2018113005の分割
【原出願日】2018-06-13
(31)【優先権主張番号】2017902284
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】512262569
【氏名又は名称】ブラックマジック デザイン ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Blackmagic Design Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】11 Gateway Court, Port Melbourne, Victoria 3207, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルステン ブェットナー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタルカラーカメラのRAW画像データを処理する方法及びカメラを提供する。
【解決手段】方法は、カメラのRAW画像データを処理する方法はRAW画像データ102から輝度画像110を算出すること108及びRAW画像データからセンサ画像カラーの少なくとも1つに対応する少なくとも1つのクロミナンス画像114B、114Rを算出すること112を含む。輝度画像及びクロミナンス画像はRAW画像データに表され得る同じカラーレンジを表すことができる。クロミナンス画像は輝度画像の解像度よりも低い解像度を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの画像データ処理方法であって、前記カメラはカラーフィルタアレイを備えた画
像センサを含み、画像センサはフォトサイトのアレイを含み、各フォトサイトはカラーフ
ィルタアレイの複数のカラーのそれぞれにおいて受光し、対応するフォトサイトで捕捉さ
れた光の強度を示すピクセル値を出力するように構成され;該方法は:
画像センサから出力されたRAW画像データを表す第1解像度を有する輝度画像を生成
すること;及び
前記画像センサから出力されるRAW画像データを表し前記第1解像度よりも低い第2
解像度を有する少なくとも1つのクロミナンス画像を生成すること
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は画像センサで生成されるRAW画像データをデモザイシングしてカラーフィ
ルタアレイの各カラーに対応するカラー画像を生成することを含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項3】
所定のカラーのカラー画像を生成することは:
カラー画像の各ピクセルに対し、別のピクセル周辺の複数のピクセルに基づいてエッジ
及びライン検出の少なくとも一つを実行し、前記エッジ又はライン検出に基づいてピクセ
ル値を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
所定のピクセルのピクセル値を決定することは、そこからそのピクセル値を決定する所
定のピクセルの周辺のピクセルのサブセットを選択することを含む、請求項3に記載の方
法。
【請求項5】
所定のピクセルのピクセル値を決定することは、前記ピクセル値を決定する際に該所定
のピクセル周辺のピクセルのサブセットのピクセルに対し重み付けを行うことを含む、請
求項3又は4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記サブセットのピクセルの重み付けは重み付けされるサブセット内のピクセル又はピ
クセルのサブセットに適用が可能なノイズレベルに基づいて決定される、請求項5に記載
の方法。
【請求項7】
クロミナンス画像の生成は:
各カラー画像のピクセル値と輝度画像のピクセルのサブセットにおける輝度画像との間
の差分、及び
各カラー画像のピクセル値と緑画像のピクセルのサブセットにおける緑画像との間の差分
、のいずれか差分を算出することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
1以上の輝度画像及び1以上のクロミナンス画像がフィルタカーネルを使ってRAW画
像データから生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記輝度画像及び1以上のクロミナンス画像が前記RAW画像データのデモザイシング
処理を行うことなく生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
捕捉されたRAW画像データがNxMピクセルの解像度を有する;及び/又は
輝度画像がNxMピクセルの解像度を有する、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記輝度画像、1以上のクロミナンス画像を圧縮することをさらに含
む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記輝度画像及び2つのクロミナンス画像が共通の圧縮アルゴリズムを使って一緒に圧
縮される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
RAW画像データのカラーレンジが前記輝度画像及び1以上のクロミナンス画像の一方
又は両方に維持される、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記輝度画像及び2つのクロミナンス画像がYCbCr420フォーマットにフォーマ
ット化されている、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
カメラの画像データ処理方法であって、該カメラはカラーフィルタアレイを備えた画像
センサを有し、画像センサはフォトサイトのアレイを含み、各フォトサイトはカラーフィ
ルタアレイの複数のカラーのそれぞれで受光し、対応するフォトサイトで捕捉された光の
強度を示すピクセル値を出力するように構成され;該方法は:
捕捉されたRAW画像データをデモザイシングして画像センサから出力されたRAW画
像データを表しかつカラーフィルタアレイの複数の色に対応する複数のカラー画像を生成
することを含み、該デモザイシング処理は;
カラーフィルタアレイの各カラーに対応するカラー画像を生成し、カラー画像の各ピク
セルに対しモザイシング処理された、捕捉されたRAW画像データの前記ピクセルの周辺
の複数のピクセルに基づいてエッジ及びライン検出の少なくとも一つを実行し、及び前記
エッジ又はライン検出に基づいて、所定のピクセル周辺のピクセルのサブセットを選択す
ることによりピクセル値を決定することを含み、前記ピクセルのサブセットは該サブセッ
ト内ピクセルの加重平均を算出する前記ピクセルと同じカラーである方法。
【請求項16】
前記サブセット内のピクセルの重み付けは重み付けされるサブセット内のピクセル及び
ピクセルのサブセットのいずれかに適用可能なノイズレベルに基づいて決定される、請求
項15に記載の方法。
【請求項17】
各カラー画像が画像センサから出力されたRAW画像データを表す、請求項15又は1
6のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
画像センサから出力されたRAW画像データを表す輝度画像を生成すること;及び
画像センサから出力されたRAW画像データを表す少なくとも1つのクロミナンス画像
を生成することをさらに含む、請求項15又は16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
請求項7~14のいずれかに記載のステップをさらに含む請求項15~18のいずれか
に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれかに記載された方法を実行するように構成された画像処理シス
テムを含むカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラの画像処理方法に関する。実施形態の説明は、RGBベイヤーカラーフ
ィルタアレイを使って捕捉された画像について行うが、白ピクセル、即ちフィルタリング
処理されていないピクセルを含むカラーフィルタアレイ(CFA)を備えた異なる画像捕
捉構成を使って、他の実施例を実行することもできる。
【背景技術】
【0002】
デジタルカラーカメラは、通常、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化膜半導体(
CMOS)センサである画像センサを使って、現実シーンのカラー画像を電子的に捕捉す
る。画像センサは単色性であるので、デジタルカメラメーカは現場の色を捕捉するために
様々な解決方法を実行する。これらの解決方法はカラーチャネルごとに1つのセンサを用
いる3つのセンサデバイスの使用、垂直色感知フォトサイトの使用、又は最も一般的には
カラーフィルタアレイを備えたシングルセンサデバイスの使用を含む。現在カラーイメー
ジングに使われている最も費用対効果の高い方法の一つが、シングルセンサデバイスの利
用であり、デジタルカメラに広く使用されている。
【0003】
シングルセンサカメラにおいて、本質的にはカラーフィルタの空間的アレイであるカラ
ーフィルタアレイ(CFA)は、シングル画像センサの前方に配置されて、異なるスペク
トル成分(色)を同時に捕捉する。CFAのフィルタはシングル画像センサのフォトサイ
トと空間的に相関し、各フォトサイトは対応するスペクトル選択フィルタを有する。シン
グルセンサカメラで捕捉されたRAW画像は、一般的に各フォトサイトにただ1つのカラ
ー要素を有するモザイク状のグレースケール画像を構成する。RAW画像はその後一連の
画像処理ステップを経て捕捉された現実の情景をリアルに示す画像を生成する。
【0004】
最も一般的に使用されるCFAは、
図2に示すような赤、緑、青が交互に配置されたベ
イヤーCFAである。各フォトサイトで捕捉されるのはただ1つのカラータイプなので、
捕捉されたRAW画像はそれぞれ異なるフォトサイトの赤、緑、青値の「モザイク」であ
る。
【0005】
「デモザイシング」として知られているプロセスにより各フォトサイトのフルカラー情
報を生成する。このプロセスにおいて、フォトサイトの不足するカラー情報は補間プロセ
スにより隣接のフォトサイトから決定される。ベイヤーCFAを備えたセンサで3色画像
を取得する場合、RAW画像データ量はこのデモザイシングプロセスにより3倍に増加す
る。さらにはホワイトバランス、カラー変換、ノイズリダクション、トーンマッピング等
のプロセスも必要となる。このような処理工程は以下のように実行される:
(1)上記画像処理工程はカメラが画像を記憶する前に実行され、ユーザが記憶された画
像をディスプレイ上でいつでも見られるようにする。捕捉した画像やビデオが直ちに見ら
れることに対し多くの要望があるため、ほとんどの民生用カメラのアプリケーションはR
AW画像データをそれが記憶される前に処理するようにしている。
(2)上記の画像処理工程のいくつかは後処理に回しても良い。このアプローチは業務用
カメラのアプリケーションではより一般的である。両方のオプションにはそれぞれの長所
と短所がある。
【0006】
上述のように、第1のオプションは、デモザイシングを行いデモザイシング処理された
画像データを圧縮するようなさまざまな画像処理アルゴリズムを画像センサのRAW画像
に適用する。このオプションの大きな短所は、圧縮が非効率となるだけでなく後処理に制
限があることである。この後処理の制限は、既に特定のカラー処理がデモザイシング処理
されたデータに適用されており、圧縮プロセスにおいて特定の画像情報が失われる可能性
があることに起因する。圧縮の非効率はデモザイシングのアルゴリズムがRAW画像デー
タと比較して3倍のデータ量に至らしめることに起因する。画像が記憶される前により小
さなサイズやビットレートを達成するために、この追加されたデータをより大幅に圧縮す
ることが必要になる。
【0007】
第2のオプションは画像センサのRAW画像データをエンコードして圧縮し、その後圧
縮されたモザイクRAW画像データをデモザイシング、ホワイトバランス等を行うことな
く記憶することに関わる。このオプションは画像センサで捕捉されたビジュアル情報の全
てが保留されるので後処理により大きな自由度がある。さらにこのオプションではデモザ
イシングによって追加される画像データが無いのでデモザイシングを十分に行った後で画
像をエンコードする場合に較べて圧縮が少なくて済む。しかしながら、必要なその後の画
像処理だけでなくフルデモザイシング等の大幅な処理がデコーディングステージで必要と
なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の課題の少なくともいくつかについて対処することを目的とするカメラR
AW画像データ処理方法及び/又はシステムを提供し、あるいは少なくとも有用な代替手
段を提供する。
【0009】
明細書に記載の従来技術の参照は、その従来技術が常識の一部であることを裁判管轄を
問わず承認又は示唆されるものではなく、あるいはその従来技術が当業者によって従来技
術の別の部分に関連すると見なされ、及び/又はそれと組み合わされると見なされると合
理的に予測できることが承認又は示唆されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、広義にはカメラのRAW画像データを処理する方法を提供する。該方法はR
AW画像データから輝度画像を算出し;RAW画像データからセンサの画像カラーの少な
くとも1つに対応する少なくとも1つのクロミナンス画像を算出する。輝度画像及びクロ
ミナンス画像はRAW画像データに表現が可能な同じ色の範囲を表すことができる。本願
明細書中、画像もしくは画像データが画像センサから出力されたRAW画像データを表す
ものとして記載される場合は、該画像もしくは画像データが、該画像もしくは画像データ
によって表現可能なカラー値のレンジを狭くする処理を経ていないことを意味すると理解
されるべきである。即ち該画像もしくは画像データのデータ範囲は、画像センサによって
出力することができたものと較べて制限されていないしカットされてもいない。もちろん
、どのような画像タイプ(輝度画像、クロミナンス画像、カラープレーン等)の画像もし
くは画像データであっても、RAW画像データに含めることができるカラーレンジ全てを
それ自体で表現することはできないことは理解されるべきである。
【0011】
本発明の実施形態はセンサRAW画像データをデモザイシング処理して各捕捉カラーの
それぞれデモザイシング処理された画像を生成し、デモザイシング処理された画像データ
から輝度画像を算出し、センサの画像カラーの少なくとも1つに対応する、輝度画像より
も解像度が低いクロミナンス画像を算出することを広義に含む方法をさらに提供する。有
利な点は、デモザイシングをカメラの画像センサに対して最適化された方法で実行できる
ことである。
【0012】
以下の記載において、「カラーフィルタアレイ」は通常のカラーフィルタアレイに加え
て以下を備えたフィルタアレイの配置を有するフィルタアレイを含むものとして理解され
るべきである:
例えばフィルタが全く存在しないノーカラーフィルタリング、中立密度フィルタ、透明
の光透過性フィルタエレメント;
所定カラーに無関係のパスバンドを有するフィルタリング(例えばハイパスフィルタ、
ローパスフィルタ、広帯域バンドパスフィルタ等)。
【0013】
従って、カラーフィルタアレイにおける「カラー」あるいは画像のカラーのコンセプト
は(カラーという言葉に関連する使用を含め)カラーフィルタアレイのフィルタエレメン
トに対応するパスバンドの識別子として機能する。
【0014】
第1の態様において本発明はカメラの画像データ処理方法を提供し、該カメラはカラー
フィルタアレイを備えた画像センサを含み、画像センサはフォトサイトのアレイを含み、
各フォトサイトはカラーフィルタアレイの複数のカラーのそれぞれで受光し、対応するフ
ォトサイトで捕捉された光の強度を示すピクセル値を出力するように構成される。該方法
は、画像センサから出力されたRAW画像データを示す第1解像度を有する輝度画像を生
成し;該画像センサから出力されたRAW画像データを示す第1解像度よりも低い第2解
像度を有する少なくとも1つのクロミナンス画像を生成することを含むことができる。
【0015】
別の態様において、本発明はカメラの画像データ処理方法を提供し、該カメラはカラー
フィルタアレイを備えた画像センサを使ってRAW画像データを捕捉するように構成され
、画像センサフォトサイトのアレイを含み、各フォトサイトはカラーフィルタアレイの複
数のカラーのそれぞれで受光し、対応するフォトサイトで捕捉された光の強度を示すピク
セル値を出力するように構成され;該方法は:
捕捉されたRAW画像データをデモザイシングしてカラーフィルタアレイの複数の色に
対応する複数のカラー画像を生成し;
第1解像度を有する輝度画像を生成し;
第1解像度よりも低い第2解像度を有するカラーフィルタアレイのカラーのそれぞれに
対応する少なくとも1つのクロミナンス画像を生成することを含む。
【0016】
デモザイシングはカラーフィルタアレイの各カラーに対応するカラー画像を生成するこ
とを含む。好ましくは、各カラーのカラー画像は第1の解像度である。
【0017】
本発明の上記態様の実施例はさまざまな光学的特徴を含んでもよい。
【0018】
好ましくは、2以上のクロミナンス画像が生成される。
【0019】
上記いずれの態様であっても、カラー画像の生成(所定カラーの)は:カラー画像の各
ピクセルに対し、該ピクセル周辺の複数のピクセルに基づいてエッジ及びライン検出の少
なくとも一つを実行し、該エッジ又はライン検出に基づいてピクセル値を決定することを
含んでも良い。
【0020】
ピクセル値を決定することは、そこからそのピクセル値を決定する別のピクセルの周辺
のピクセルのサブセットを選択することを含んでも良い。それは、前記ピクセル値を決定
する場合のサブセット内のピクセルに対して重み付けを行うことを交互に又は追加的に含
んでも良い。前記サブセット内のピクセルの重み付けは重み付けされるサブセットのピク
セル又はピクセルのサブセットのいずれかに適用されるノイズレベルに基づいて決定して
も良い。
【0021】
好ましくは、デモザイシングプロセスは周辺のピクセル値に基づいて不足するカラー情
報をそれが不足するフォトサイト毎に又はピクセル毎に推定する。好ましい実施例で使わ
れる方法はそれぞれのカラータイプのピクセルによって捕捉されたものと同様に微細でラ
ンダムノイズから区別できる画像細部を維持することである。さらに細部のエッジを維持
するとともに該ランダムノイズレベルが各イメージプレーンにおいて低減される。
【0022】
好ましくは、捕捉されたRAW画像データはNxMピクセルの解像度を有する。輝度画
像もNxMピクセルの解像度を有しても良い。
【0023】
輝度画像は複数のデモザイシング処理されたカラー画像の同じピクセル位置に対応する
複数のピクセル値を組合せて生成されても良い。1つの形態では、ピクセル値を組み合わ
せるステップはピクセル位置毎に複数のピクセル値に重み付けを行うことを含む。1つの
形態では、通常のベイヤーRGB CFAと同じ赤、青、緑ピクセルの割合を有する従来
のベイヤーRGBカラーフィルタアレイが採用される場合、位置(i, j)における輝
度値Yは次式で算出される:
【0024】
【0025】
但し、Y(i,j)は所定のピクセル位置(i,j)の輝度値を表し、R,G,Bはそ
のピクセル位置の赤、緑、青のカラー画像のピクセル値を表す。好ましくは、輝度画像の
第1解像度はNxMピクセルのフル解像度である。
【0026】
クロミナンス画像を生成するステップは、RAW画像のピクセル値と輝度画像中のピク
セルのサブセットにおける輝度画像値との差分値を算出することを含む。好ましくは、ク
ロミナンス画像はCFAの所定カラーのピクセルに対応するピクセルについて算出される
。例えば、シングルセンサ及び標準RGBベイヤーフィルタCFAを使うカメラについて
、青と赤のクロミナンス画像が生成される。青のクロミナンス画像はCFAの青のピクセ
ルに対応するピクセル値のみを含み、これは赤のクロミナンス画像に対しても同様である
。従って、クロミナンス画像は明らかに輝度画像と較べ低解像度となる。RGBベイヤー
フィルタの例では、クロミナンス画像は輝度画像のピクセル数の1/4である。この場合
、クロミナンス画像の各ピクセル(i,jの位置の)に対し差異値を算出するステップは
次式を使うことができる:
【0027】
【0028】
但し、kBとkRは倍率であり;
CB(i,j)及びCR(i,j)は所定のピクセル位置(i,j)の青の差分値、赤
の差分値を表し;
R(i,j),B(i,j)はピクセル位置(i,j)の赤、緑、青画像のピクセル値
を表し;
Y(i,j)はピクセル位置(i,j)の輝度値を表わす。
【0029】
好ましくは、kBとkRはCB(i,j)及びCR(i,j)のデータ範囲の精度を最
大化する一方で色応答のフルレンジが維持されるように値を抑えることなく選択される。
kR=kB=2の一例において、該方法はさらに算出された輝度値及び差分値をエンコー
ド及び/又は圧縮することを含むことができる。
【0030】
輝度画像及びクロミナンス画像は分離された画像として圧縮されても良いし、関連画像
グループとして一緒に圧縮されても良い。好ましくは、圧縮には変換符号化を使い、例え
ば、ウェーブレット変換や離散コサイン変換等を使う。
【0031】
より好ましくは、圧縮はJPEG又はJPEG 2000圧縮を使って行う。このよう
な圧縮アルゴリズムは算出された輝度画像及びクロミナンス画像を圧縮プロセスにそのま
ま使えるので都合が良い。
【0032】
一例において該方法は:輝度値と差分値をエンコードしてYCbCr 420フォーマ
ットと互換性のある画像データを生成することを含めることができる。
【0033】
さらなる態様において、本発明はカメラの画像データ処理方法を提供する。該カメラは
カラーフィルタアレイを備えた画像センサを含み、画像センサはフォトサイトのアレイを
含み、各フォトサイトはカラーフィルタアレイの複数のカラーのそれぞれで受光し、対応
するフォトサイトで捕捉された光の強度を示すピクセル値を出力するように構成される。
該方法は、捕捉されたRAW画像データをデモザイシングして画像センサから出力された
RAW画像データを表し、かつカラーフィルタアレイの複数の色に対応する複数のカラー
画像を生成し、該デモザイシング処理は;
カラーフィルタアレイの各カラーに対応するカラー画像を生成し、カラー画像の各ピク
セルに対しモザイシング処理された、捕捉されたRAW画像データの前記ピクセルの周辺
の複数のピクセルに基づいてエッジ及びライン検出の少なくとも一つを実行し、及び前記
エッジ又はライン検出に基づいて、所定のピクセル周辺のピクセルのサブセットを選択す
ることによりピクセル値を決定することを含み、前記ピクセルのサブセットは該サブセッ
ト内ピクセルの加重平均を算出する前記ピクセルと同じカラーである。
【0034】
前記サブセットのピクセルの重み付けは重み付けされるサブセット内のピクセルかピク
セルのサブセットのいずれかに適用され得るノイズレベルに基づいて決定されることが望
ましい。
【0035】
好ましくは、各カラー画像は画像センサから出力されたRAW画像データを表す。該方
法はさらに、画像センサから出力されたRAW画像データを表す輝度画像を生成し、画像
センサから出力されたRAW画像データを表す少なくとも1つのクロミナンス画像を生成
することを含む。好ましくは少なくとも2つのクロミナンス画像が生成される。さらなる
態様において、本発明は上記の方法のいずれかによる実施例を実行するように構成された
カメラを含む。該カメラは:
受光した光をRAW画像データに変更するように構成された画像捕捉システムと;
前述の方法に従ってRAW画像データを処理するように構成された画像処理システムを
含む。
【0036】
本明細書で使用される用語の“comprises”及びその変化形の“compri
sing”、“comprises”、“comprised”等は、文脈からそれを必
要としない場合は、さらなる添加剤、コンポーネント、整数又はステップを除外すること
を意図しない。
【0037】
本開示のさらなる形態及び先行するパラグラフに記載された形態のさらなる実施例は、
例を挙げ添付図面を参照してなされる以下の説明によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本明細書で説明する方法を実施可能なカメラの概略ブロック図である。
【
図2】NxMピクセルの解像度を有するセンサに適用される代表的なCFAの配置、およびこれに対応するイメージ画像を示す。
【
図3】代表的な方法の概要を表すフローチャートである。
【
図4】
図2のセンサ配置により捕捉された画像に対応する一連のフルデモザイシング処理されたイメージプレーンを表す。
【
図5】ピクセル値決定プロセスにおいてエッジ検出に用いる一組の1次中心差分を表す。
【
図6】ピクセル補間を実施するとき細線検出に用いられる一組の2次中心差分を表す。
【
図7】
図2のセンサ配置により捕捉された画像をデモザイシングするときにピクセル平均化に用いることができる一連のピクセルペアを表す。
【
図8】
図2のセンサ配置により捕捉された画像をデモザイシングするときにピクセル平均化に用いることができるさらなる一連のピクセルペアを表す。
【
図9】
図3の代替方法の概要を表すフローチャートである。
【
図10】
図9の実施例において輝度画像を導出する3x3フィルタカーネル及びクロミナンス画像を算出する5x5フィルタカーネルの利用を表している。
【
図11】
図9の実施例においてフル解像度輝度画像の導出に利用できる代替のフィルタカーネルを表している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の実施形態を具体的な例を参照して説明するが、発明の範囲はそのような例に限
定されることはない。例えば、実施形態として通常のRGBベイヤーカラーフィルタアレ
イを備えるシングルセンサを使ったカメラの場合について説明する。しかしながら、本発
明の実施形態は「ホワイト」、中立密度、又はアレイ内のフィルタされないピクセルを含
むカラーフィルタアレイを含む他のカラーフィルタアレイの使用にも適用される。
【0040】
図1は本開示にかかる方法を実施可能なカメラ10の概略図である。カメラ10は受光
した光をRAW画像データに変換する画像捕捉システム12を含む。この例では、画像捕
捉システム12は画像センサ12A(例えばCCDやCMOS画像センサチップ等)と関
連するオプティカルフィルタ12B(例えばIRカットオフフィルタやオプティカルロー
パスフィルタ)とを含む。オプティカルシステム14、例えばレンズも画像センサの上に
画像を形成するために設けられる。画像センサはカラーフィルタの空間的アレイの形で、
カラー画像を捕捉できるように画像センサチップの前方に配置されるカラーフィルタアレ
イ(CFA)を含む。CFAのフィルタはシングルイメージセンサのフォトサイトと空間
的に相関関係があり、各フォトサイトは対応するスペクトル選択フィルタを有する。上記
のようにこの実施例で使用されるCFAは、
図2に示すように赤、緑、青が交互に配置さ
れるベイヤーCFAである。各フォトサイトはただ1つのカラータイプを捕捉するので、
捕捉されるRAW画像はそれぞれが異なるフォトサイトの赤、緑、青の値の「モザイク」
である。
【0041】
図2はフィルタエレメントの配置に対応する、センサによリ出力されたRAW画像のフ
ォーマットを表している。RAW画像データは画像センサのフォトサイトのNxMアレイ
に対応するNxMピクセルの解像度を有する。各フォトサイトは対応するフィルタエレメ
ントを有しており、それはCFAの複数のカラーそれぞれで光を受光して捕捉された光の
強度を示すピクセル値を出力する。各フォトサイトで捕捉された光のカラーは各ピクセル
のR,G,Bとして
図2に示されている。通常、「R」は赤ピクセル、「G」は緑ピクセ
ル、「B」は青ピクセルを表す。
【0042】
画像捕捉システム12で生成されるセンサRAWビデオデータは画像処理サブシステム
18へ送られる。画像処理サブシステム18はASICやFPGA又は関連するソフトウ
ェアを備えたマイクロプロセッサ等、1以上のプロセッサを含み、一連の画像処理タスク
を実行する。画像プロセッサ16は以下のタスクを実行できるが、これらに限定されない
:糸巻き形ひずみ等の不要な光学的効果の補正、ベイヤーモザイク画像のデモザイシング
、ノイズリダクション、例えばデッドピクセル除去による捕捉されるビデオデータのピク
セル間変動の補正、変換効率変動の補正。ワーキングメモリ20は画像処理及び/又は画
像圧縮や他のタスク実行する間データやソフトウェア等を一時的に記憶するために設けら
れる。
【0043】
画像処理サブシステム18はさらにビデオエンコーディングシステム22を含む。通常
ビデオエンコーディングシステム22はプロセッサが1以上のビデオコーデックを実装で
きるように構成されたソフトウェアを提供することで実装される。このシステムはビデオ
データを所望のフォーマットにエンコードし選択的に圧縮するために使用する。例えば、
ビデオエンコーディングシステム22はビデオデータを任意の既知のビデオデータフォー
マットにエンコードするように設定できる。
【0044】
画像処理サブシステム18はさらにビデオ出力データを処理してビデオ伝送システム2
6を介して伝送されるフォーマットにするフォーマット変換システム24を含む。一般的
に、ビデオ伝送システム26は1個もしくは場合により数個のビデオ伝送プロトコルに適
合するビデオデータのみを伝送するように設定されている。フォーマット変換システム2
4はビデオ伝送システム26に送られる前に、ビデオデータを前記ビデオ伝送フォーマッ
トの1つに合わせて伝送を可能にする。このことはビデオデータをそのオリジナルのフォ
ーマットからビデオ伝送システム26の適当なビデオ伝送フォーマット(の1つ)にトラ
ンスコードすることを含む。
【0045】
ビデオ伝送システムは少なくともビデオ出力ポートを有するビデオインターフェイスを
介してビデオ出力データを伝送し(そして選択的に受信する)ように動作可能である。ビ
デオインターフェイスは双方向に動作可能であり従ってビデオ入力ポートも備える。一例
としてビデオインターフェイスはSDIインターフェイスまたは他の同様のインターフェ
イスであってもよい。
【0046】
さらにカメラはメモリコントロールサブシステム28の形式でデータ記憶システムを含
み、メモリコントロールサブシステムはローカル不揮発性メモリ30上のビデオデータ(
及び他の任意のデータ)の永続性記憶装置をコントロールするために構成される。ローカ
ルメモリ30はメモリカードやリムーバブルハードディスク等リムーバブルメモリを使っ
ても良い。しかし、一般的にはメモリコントロールサブシステム28はローカルメモリ3
0に対する双方向のコントロール信号を送信及び/又は受信するように配置されてメモリ
30のビデオデータの記憶と検索をコントロールし、さらに記憶のためのデータのエンコ
ーディングやフォーマッティングを実行する。メモリ30はシリアルATAプロトコルに
従って動作するソリッドステートドライブであっても良く、メモリコントロールサブシス
テムはシリアルATAドライブの動作をコントロールしてメモリ30に対しデータの読出
しと書き込みを管理する。
【0047】
図3はRAWビデオデータを処理する実施形態についてその概略方法を示す。
【0048】
方法100はNxMピクセルの解像度を有するモザイク状複合カラー画像形式のRAW
センサ画像データ102から始まる。好ましい実施例では、RAWセンサデータはほとん
どが未処理のセンサデータである。これによりRAWデータはセンサによって捕捉された
カラーレンジが制限やカットされることなく維持される。ホワイトやカラーバランスは処
理されたデータをデコーディングした後で、例えばポストプロダクションで適用される。
RAWセンサイメージデータ102はデモザイシング処理され(104)、それぞれデモ
ザイシング処理された画像106R,106G,106B(カラープレーン)を生成する
。各画像106R,106G,106BはCFAカラーの1つに対応する。その後、輝度
画像110がデモザイシング処理された画像106R,106G,106Bから算出され
る(108)。そしてセンサ画像カラーの少なくとも1つに対応する一以上のクロミナン
ス画像114B,114Rを生成する(112)。デモザイシング104は第一解像度を
有するカラー画像を生成する。一般的にこれは捕捉画像データ(NxMピクセル)のフル
解像度となる。輝度画像110も通常デモザイシング画像106R,106G,106B
と同じ解像度であるが、クロミナンス画像114B,114Rは通常解像度が低い。最後
にエンコードステップ116が実行されて輝度画像とクロミナンス画像とが例えば圧縮又
はフォーマッティングされて今後の使用(例えば、記憶、伝送、表示等)のためにエンコ
ードされる。エンコードステップの出力データは、既知のツールでハンドリングや処理を
行えるように一般的な標準フォーマットに適合できることが有利である。これらのステッ
プのそれぞれについて実行例を下記に記載している。好ましい実施例では、本プロセスを
通して、画像データは、センサで捕捉されたカラーレンジをそのカラーレンジが制限やカ
ットされることなく保存することが好ましい。それにより、該データをあたかもRAW画
像データのように下流の処理で有効に取り扱うことができる。
【0049】
(デモザイシング104)
デモザイシングは単一の、マルチカラーの、モザイク状のRAW画像データ102から
CFAカラー毎にそれぞれの画像106R,106G,106Bを生成する。理解される
ように、それぞれの最終のカラー画像106R,106G,106Bは最初に捕捉された
ものよりそれぞれのカラーに対しより多くのピクセルを含み、従って各カラー画像に欠け
ているピクセル値を推定するための補間が必要になる。
図4はデモザイシング処理された
単一のカラー画像106R,106G,106Bのフォーマットを示している。それぞれ
がNxMピクセルの解像度を有する。
【0050】
実施形態において選択されたデモザイシングプロセスは画像センサによって捕捉された
詳細を保持するようにかつ画像センサによって取り込まれるかもしれないノイズを低減す
るように最適化される。
【0051】
デモザイシングプロセスは重み付け補間に基づく。しかし、単に各単一のカラー画像の
「不足する」ピクセル値を算出するのではなく、好ましくは同じピクセル値決定プロセス
が全てのフォトサイト(i,j)で実行されて3色画像106R、106G、106Bを
得る。従って、特定のフォトサイトで捕捉されたカラー値が利用できる場合であっても、
ピクセル値の算出は(CFAの)全てのカラーに対し、全ての位置で有効に実行すること
ができる。これにより、ノイズ分布に対し全てのフォトサイトを通してバランスを取るこ
とが可能となり、3色ベイヤCFAにおいて、2x2ベイヤマクロピクセルの2つの緑フ
ォトサイト間の偏差補償が可能となる。
【0052】
デモザイシングで使われるピクセル計算の概要は:
(a)決定すべきピクセル値の周囲のピクセルに基づいてエッジ及び/又は細線を検出
し、及び/又は
(b) エッジ/細線情報を使って補間のために周辺ピクセルから寄与の選択または重
み付けを行う。
【0053】
このプロセスは中間(デモザイシング処理された)画像データのエッジや形状を保持す
るように様々な角度でエッジセンシティブである。ステップ(a)は異なるカラーフィル
タパターン内の異なる角度で勾配(1次差分)を計算するにより実行される。
図5は緑フ
ォトサイト(
図5(a))又は青フォトサイト(
図5(b))の位置(i,j)の1次中
心差分の例を示している。いずれの場合も中心差分は(i,j)の位置に対し相互に対向
する同一タイプの2つのフォトサイト間の差分として4方向に算出される。これらの差分
は以下のように算出される:
【0054】
【0055】
これらは水平、垂直、斜め上下方向の中心差分の絶対値である。これらはフォトサイト
のカラータイプに関係なく原点のフォトサイトP(i,j)を元に任意のフォトサイト位
置(i,j)で算出される。
【0056】
これらの勾配は3x3ウィンドウで計算され任意の位置(i,j)でエッジ方向が決定
される一方、2次差分は異なる方向の線検出の手段として5x5ウィンドウで計算される
。
図6(a)、(b)は緑、青フォトサイトの同様に4方向における2次差分をそれぞれ
示している。これらの差分は絶対値の差分として以下のように算出される:
【0057】
【0058】
1次中心差分は任意の中心ピクセル位置即ちカラータイプでの4つの異なる角度におい
てエッジを検出するために使われる。2次中心差分は任意の中心ピクセル位置即ちカラー
での同じ4つの異なる角度において細線を検出するために使われる。1次、2次差分の組
合せは異なる4つの角度におけるエッジと細線の両方の画像の詳細について情報を提供す
る。両方の検出器タイプの組合せは以下のように異なる角度に対し2つの絶対値差分を加
算することで達成できる:
【0059】
【0060】
これは水平、垂直、上下斜め方向の角度検出器の1次セットである。角度検出器の2次
セットは、別の4つの角度のセットを与える垂直(又は水平)方向とその周辺斜め方向の
それぞれとの組合せを使って決定される。角度検出器は最小の差分の角度方向にかかる情
報を与え、平均化の方向を決定するために用いられる。
【0061】
ステップ(b)では、これらの角度検出器のセットを使って各カラー値106R,10
6G,106Bを算出するための周辺ピクセル値の組合せ方法を決定する。これには特定
のピクセル平均値の選択又は重み付けのいずれかを含む。
図7は推定すべきカラータイプ
の2ピクセル間の異なる可能な平均化方向を示す。各ペアは以下の特徴を有している:
ピクセルは中心ピクセルから等距離であり;
ピクセルは中心ピクセルから正反対であり;
ピクセルは5x5ウィンドウの中で中心ピクセルの回りの異なる角度に在り;
ピクセルは対応のエッジ/ライン検出器を有するか又は2つのエッジ/ライン検出器の
組合せによって決定される。
【0062】
図7(a)では、青のカラー値は緑のフォトサイトに基づいて決定される必要がある。
3つの異なるピクセル平均値は緑フォトサイトを中心とする5x5ウィンドウ内のピクセ
ル値決定に含めることができる。これら3つの平均値は以下のように算出される:
【0063】
【0064】
図7(b)の別の例は、青フォトサイトに基づく赤のカラー値を算出するために使われ
る。2つの異なるフォトサイト平均値がこのケースで含められ以下のように算出される:
【0065】
【0066】
対応の角度エッジ検出器は平均値のそれぞれについて重み付けを決定し各カラー値を推
定するとともに任意のエッジ又は細線を保存するために使われる。特定のカラーに対し使
われるピクセル平均値の各方向の重み係数w()は、特定方向の1次、2次差分から導出
される。一般的に、より高い重み付けがその特定の方向により低い差分を有する方向に対
して望ましい。重み係数は絶対値差に依存して0から1の範囲の重み係数を与える。最適
な重み関数は、フォトサイトの特定応答レベルにおいて差分がノイズ閾値より低い場合、
最大の重み付けを割り振る。一旦差分がノイズ閾値を超えると、重み付けは漸次減少し、
特定方向の大きな差分に対して結果的にはゼロになる。重み係数を創出するために指数関
数を使うことができるが、その方法は特定の関数に限定されない。重み関数はさらに中心
に対して2平均ピクセル分の距離を考慮できる。実施例で使用可能な適切な重み関数を次
式で示す:
【0067】
【0068】
但し、Dは重み付けされる差分値、σはピクセルのシグナルレベルでのセンサのノイズ
分布の標準偏差を表す。
【0069】
図7(b)は青フォトサイトで赤のカラー値を算出することを求める。最も近い赤のフ
ォトサイトは中心位置から両方の斜めの上下方向反対側にある。この場合5x5ウィンド
ウ内のピクセル値は次式で決定される:
【0070】
【0071】
この例は1次勾配エッジ検出器のみを使う。重み関数w()も1次、2次差分の絶対値
の合計に加えられてエッジ及びライン検出の両方を重み付けされた補間に含ませる。w(
)の最小重み係数は0による除算を避けるため常に0よりも大である。赤フォトサイトに
対し青のピクセル値を決定するスキームも同様であるが、赤フォトサイトが中心となるよ
うに位置がずらされる。
【0072】
図7(a)は緑フォトサイトで青のカラー値を算出することを求め、異なる3方向を示
しているが、そのうち2つは1次、2次差分の4方向と正確に一致しない。水平成分が対
応するエッジ及びライン検出器D12hを有する一方ピクセル平均値M2a、M2bはそ
うではない。
【0073】
図7(b)についてピクセル値決定の機能は上記と同じ原理に従う。
【0074】
図7(c)は中心のフォトサイトを囲う5x5ピクセル領域内の緑フォトサイトで赤の
ピクセル値を算出するために平均化が可能なピクセルペアを示している。これは
図7(a
)の場合に似ており、
図7(a)を90度回転させている。
図7(d)は中心のフォトサ
イトを囲う5x5ピクセル領域内の青フォトサイトで緑のピクセル値を算出するために平
均化が可能なピクセルのペアを示している。赤フォトサイトに対し緑のピクセル値を決定
するためのスキームも赤フォトサイトが中心となるよう位置を変えることを除き同様であ
る。
【0075】
多数のピクセルを平均化するピクセル値決定プロセスは画像のランダムノイズの減少に
役立つ。各方向の絶対値差分はランダムノイズによって引き起こされる想定される差異と
比較することもできる。画像センサは所定のカメラデザインで周知であり、任意の特定の
モード又は構成において出力信号範囲に渡ってそのノイズパフォーマンスに対し特徴付け
を行えるので、任意の信号応答レベルでランダムノイズの標準偏差が一定になるように画
像センサの出力信号を変換する機能を決定できる。これにより、任意のカラータイプピク
セルの任意の信号レベル(デジタル値)とともに任意のピクセル位置でアルゴリズムが絶
対値差分に対し固定の重み関数を使うことができる。この重み関数はランダムノイズ成分
に対して予想される最大偏差に対し滑らかなカットオフを与え、エッジと細線とを区別し
て維持しランダムノイズを減衰させる。ノイズレベルより低い絶対値差分を示すどの角度
方向もその方向において2ピクセルの平均を使うことを許容する。その方向のノイズが重
み付けされたローパスフィルタにより多くのピクセルを含めることでノイズが減少するの
で、所定位置で捕捉されたカラータイプのピクセルにも同じ原理が適用される。当業者は
平均化されるピクセルと共にノイズ検出器の数を増やすことによりノイズが重み付けされ
たローパスフィルタのウインドウサイズを増大させることがこのアプローチにおいてノイ
ズ減少能力を高めることにも気付くであろう。
【0076】
図8(a)は原点の緑フォトサイトを囲む5x5ピクセル領域を使って原点の緑フォト
サイトにおける緑ピクセル値を算出するために平均化される可能なピクセルペアを表して
いる。
図8(b)、
図8(c)は青と赤のフォトサイトについてのペアをそれぞれ示して
いる。
図8(c)の場合、ピクセル値の算出は以下に示すように適切に行われる:
【0077】
【0078】
この場合、全ての方向で差分が大きいか、ノイズレベルを下回る差分の小さな方向で周
囲のピクセルと平均化されていれば、原点のピクセル値が加重合計を特徴づけることにな
る。同様のピクセル値の算出が、P(i,j)が青フォトサイトの場合の青ピクセル値に
対してなされる。緑フォトサイトの値は以下のように計算される:
【0079】
【0080】
好ましい実施形態で使われる方法はそれぞれのカラータイプのピクセルにより捕捉され
たものと同じように微細でかつランダムノイズから区別できる画像細部を維持することが
好ましい。さらに細部のエッジを維持するとともにランダムノイズレべルは各イメージプ
レーンにおいて低減される。
【0081】
(輝度画像の算出110)
輝度画像は複数のデモザイシング処理されたカラー画像のそれぞれの同一のピクセル位
置に対応する複数のピクセル値を組合わせることにより生成される。好ましい形態は、ピ
クセル値を組み合わせるステップがピクセル位置毎に複数のピクセル値を重み付けするこ
とを含む。従来のベイヤーRGBカラーフィルタアレイが使用される場合、位置(i,j
)における輝度値Yは次式で算出される:
【0082】
【0083】
ここで、Y(i,j)は所定ピクセル位置(i,j)の輝度値を表し、R、G、Bは該
ピクセル位置の赤、緑、青カラー画像のピクセル値を表す。輝度画像はデモザイシング処
理されたフル解像度即ちNxMとなる。選択される重み付けは計算が単純化されかつ効率
的にエンコードできる輝度表現に近似されることを付記する。しかしながら、異なる重み
係数を使うこともできる。
【0084】
好ましい実施例では、エンコードされたデータはリアルなカラー画像にそのまま変換さ
れるカラー修正表現よりむしろRAW画像センサデータを表すことを求める。換言すれば
、輝度画像は捕捉カラーのフルレンジが後処理のために維持されることを可能にする、選
択された係数を有する。
【0085】
(クロミナンス画像の算出112)
クロミナンス画像を生成するステップ112は1つのカラープレーンのピクセルと前記
ピクセルにおける対応する輝度値間の差分値を算出することを含む。これは好ましくはカ
ラーピクセル値とCFAの所定カラーのピクセルに対応するピクセルにおける輝度画像値
との間の差分値の算出を含んでも良い。この場合、青ピクセルが捕捉されるピクセルに対
しクロミナンス画像ピクセルが生成され青チャネルのクロミナンス画像を生成する。従っ
て青のクロミナンス画像はCFAの青ピクセルに対応するピクセル値のみを含み、このこ
とは赤のクロミナンス画像に対してもあてはまる。従って、クロミナンス画像は輝度画像
よりも低い解像度となる。RGBベイヤーフィルタの例では、クロミナンス画像は輝度画
像の四分の一のピクセル数を有する。この例では、CFAがX=3のカラータイプの場合
、X-1のクロミナンス画像が生成される。一般的にこれで十分である。しかし、コンセ
プトは、捕捉された光のスペクトル成分の追加的又はより正確な表現を許容するX>3ま
で拡張可能である。そのような場合、システムはX-1のクロミナンス画像を記憶して最
大量の利用可能なカラー情報を維持する。3カラーフィルタに加えて白/透明フィルタが
CFAに含まれる場合、X=4に繋がり、そのシーンにおいて1つのカラーが主に輝度情
報を担う場合はX-2のクロミナンス画像を生成することができる。例えば、これはR、
G、B成分に重み付けを行って第1輝度画像Yを生成することにより達成でき、白/透明
フィルタによってそのまま捕捉される第2輝度画像Y2に匹敵する。これら2つの輝度表
現がその後エンコード用の単一輝度画像に組み合わされる。
【0086】
好ましい形態では、クロミナンス画像の各ピクセル(位置i,j)のカラー差分値を算
出するステップは次式を用いる:
【0087】
【0088】
ここで、kB、kRは倍率であり;
CB(i,j)、CR(i,j)は所定ピクセル位置(i,j)の青差分値と赤差分値
を表し;
R(i,j)、B(i,j)はピクセル位置(i,j)の赤、緑、青カラー画像のピク
セル値を表し;
Y(i,j)はピクセル位置(i,j)の輝度値を表す。
【0089】
好ましくは、CB(i,j)、CR(i,j)のデータレンジの精度を最大にするよう
に、具体的にはCB(i,j)、CR(i,j)をレンジ内に保つようにkR、kBが選
択される。一例においてkR=kB=2となる。
【0090】
(エンコード116)
輝度画像の生成110及びクロミナンス画像の生成114R、114B後にこれらの画
像は伝送されて記憶される。これは圧縮、フォーマッティング、あるいは使用及び記憶の
ためのデータエンコーディングを含んでも良い。例えば、結果として生じる輝度画像11
0及びクロミナンス画像114R、114Bを圧縮することができる。圧縮は適切な圧縮
技術(例えば離散コサイン変換(例えばJPEG)やウェーブレット変換(例えばJPE
G2000)に基づく技術を含む)を使って実行され得る。選択された圧縮方法は輝度画
像100及びクロミナンス画像114R、114Bを完全に分離して処理できる。しかし
ながら、それらは一般的な方法で処理すべきである。特に、それらをJPEG圧縮、JP
EG2000等の色空間変換を従来から含む周知の技術を使用の一部として使って圧縮す
ることが効果的である。
【0091】
好都合なことに、輝度画像110及びクロミナンス画像114R、114Bの相対的解
像度及びそれらのピクセルの本実施形態における空間的なアライメントは、その後の処理
においてYCbCr420画像データとして処理できることを意味している。これにより
、修正を行うことなく、周知の組み込まれた圧縮と伝送のプロトコルを使用することがで
きる。
【0092】
この方法はYCbCr420画像をさらに画像処理するために異なる画像フォーマット
に変換することを含んでも良い。これはYCbCr420画像データをデコーディングし
それをRGB画像フォーマットに戻す変換を行うことを含む。実施形態では、各ピクセル
のRGB値が以下の計算により生成される:
【0093】
【0094】
ここで、(i,j)はピクセル位置を示す。このプロセスはセンサRAW画像102の
復元を行う。
【0095】
この方法はさらに復号されたビデオデータの表示やデモザイシング処理されたカラー画
像の復元を含んでも良い。
【0096】
しかしながら、これまでの記載から分かるように、クロミナンス画像はそれをフル解像
度で行うにはピクセルの数が少なすぎる。従って、フル解像度のデータを必要とする場合
には補間によりクロミナンス画像のための追加のピクセル値を生成することが必要になる
。クロミナンス成分は一般的には高い空間周波数を持たないのでこれはシンプルな双線形
補間となり得る。
【0097】
本実施形態はカメラベースのデータ処理においていくつか利点がある。それらの第1の
利点はセンサRAWデータのデータレンジを実質的に維持するようにRAW画像データを
エンコードして後処理においてカラー変換とトーンマッピングの適用に完全な自由度を与
えるとともに、(デモザイシング処理された未処理のRAWデータと比較して)比較的良
好な圧縮率を達成できることである。さらには、ファイナルデータが既存のRAWワーク
フローに適合する一方RAW復号ステージで必要とされる処理レベルを低減し、それによ
ってワークフローを迅速化して大量の画像データのハンドリングを改善することである。
【0098】
カメラにおいてデモザイシングの主要部分を実行することが圧縮コーデック及び望まし
い圧縮比に対してだけでなくカメラの特定の画像取得センサ及びそのノイズ特性に対して
もデモザイシングのアルゴリズムを適合させることを容易にする。
【0099】
図9は
図3の方法の代替方法を示しており、RAWビデオデータを処理する。方法10
0はNxMピクセルの解像度を有するモザイシング処理された多数のカラー画像形式のR
AWセンサ画像データ102から始まる。好ましい実施例ではRAWセンサデータはほと
んどが処理されていないセンサデータである。これにより、RAWデータはセンサにより
捕捉されたカラーレンジが制限やカットされることなく維持される。
図9のプロセスでは
RAWセンサ画像データ102が輝度画像やクロミナンス画像の算出前にデモザイシング
処理されない。その代わりステップ108において適当なフィルタカーネル900を用い
て輝度画像がモザイシング処理された画像から直接算出される。その後ステップ112に
おいて、1以上のクロミナンス画像114B,114Rが適当なフィルタカーネル902
を用いて生成される。
【0100】
図10は従来のベイヤーCFAを備えた画像センサで取得されモザイシング処理された
画像1000から輝度画像1004及び2つのクロミナンス画像1008.B、1008
.Rを生成するプロセスを示す。輝度画像Yの値は
図3の値と同じである。以下に示す比
率において“AND”はR、G、B値の組合せを表している:
Y=(R+2G+B)/4
図3の例ではCB(i,j)、CR(i,j)がそれぞれ(B-Y)/kB、(R-Y
)/kRとして算出されるが、本例ではクロミナンス画像Cb、Crがそれぞれ(B-G
)/kB、(R-G)/kRを表す。即ち、クロミナンス画像は輝度画像に対し差分がな
いが、緑値に対して差分がある。
【0101】
この例では、輝度画像1004の各ピクセル値は
図10で示される3x3フィルタカー
ネル1002を使って生成される。フィルタカーネル1002はフィルタによりカバーさ
れ算出するピクセル値のフォトサイトを中心とする、ピクセル値の加重合計に課される重
み付けを表している。該合計は16で除算され値をレンジに戻す。本例のフィルタカーネ
ルは簡略化係数を使って特定幅の2次元ガウシアンフィルターを近似する。しかし、同じ
方法がより複雑なフィルタを使っても実行され目標に向けて周波数応答を改善する。その
例を
図11に示す。
【0102】
Cb、Cr値1008B、1008Rをそれぞれ算出するには5x5フィルタカーネル
1006を使う。Cb値を算出するためにフィルタカーネル1006が各青のフォトサイ
トに適用されて上記ピクセル値を計算する。各加重合計は32(フィルタの重み合計)で
除算され各ピクセル値をレンジに入れて最終ピクセル値を得る。
【0103】
Cr値を得るためにフィルタカーネル1006がモザイシング処理された画像1000
の各赤フォトサイトに適用されて上記のようにその位置のCrピクセル値に対応するピク
セルを計算する。各加重合計は32(フィルタの重み合計)で除算され各ピクセル値をレ
ンジに入れて最終ピクセル値を得る。
【0104】
前例と同様Cb、Crの解像度は輝度画像の解像度の4分の1である。
【0105】
理解されるように、モザイシング処理されたフレーム1000のエッジからフィルタ幅
半分より近くのフォトサイトに対しピクセル値を算出することが必要となる。
【0106】
図11は
図10のカーネル1002に置き換えて使うことができる代替の2次元ガウシ
アンフィルタカーネル1102を示す。理解されるように、そのようなフィルタカーネル
を用いて算出されるピクセル値は512(フィルタ係数の合計値である)で除算される。
理解されるように、代替フィルタカーネル1102は9x9領域をカバーする。より広い
ためにこのフィルタは3x3ピクセルカーネル1002よりも大きいノイズ低減を達成す
る。幾つかの実施例において、処理される画像フレームの1以上の特性(例えばフレーム
の所定領域のノイズレベル)に基づいて(フィルタカーネル1002、1102等の2以
上のカーネルから)好ましいフィルタカーネルを選択できるようにしても良い。
【0107】
図9に戻って、エンコードステップ116が実行されて輝度画像及びクロミナンス画像
がさらなる使用(記憶、送信、表示等)のために例えば圧縮及び/又はフォーマッティン
グによりエンコードされる。上記のように、好ましい形態において、ここで記載される実
施例のY、Cr、Cbフレームのフレーム解像度の比率はYCbCr 4:2:0フォー
マットとしてエンコードするのに適している。さらにエンコードされた画像データはセン
サで取得されたカラーレンジを維持するのに最も好ましく、カラーレンジは制限やカット
されることなく恰もRAW画像データのように下流でデータが効果的に処理されることを
可能にする。
【0108】
この明細書で開示され明らかにされた本発明は述べられた、あるいはテキストや図面か
ら明白な個々の特徴の2以上の全ての取り得る組合せに及ぶことが理解されるであろう。
これらの異なる組合せの全てが本発明の種々の代替の態様を構成する。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの画像処理方法であって、前記カメラは、受光した光をモザイク処理された複数のカラー画像の形式のRAW画像データに変換するように構成された画像捕捉システムを含み、前記画像捕捉システムは、カラーフィルタアレイを備えた画像センサを含み、前記画像センサは、前記カラーフィルタアレイのフィルタと空間的に相関したフォトサイトのアレイを含み、各フォトサイトは、対応するスペクトル選択フィルタを有し、前記カラーフィルタアレイ内の複数のカラーのそれぞれにおいて受光し、捕捉された光の強度を示すピクセル値を出力するように構成され、該方法は、
前記RAW画像データを所望のビデオデータのフォーマットにエンコードすることを含む画像処理の範囲のタスクを実行するように構成された画像処理サブシステムへ、前記RAW画像データを送ることを含み、
前記エンコードの前に、前記画像処理サブシステムによって、
前記フォトサイトの中心のピクセル値に第1のフィルタカーネルを適用することにより、各フォトサイトについて輝度値を算出することにより、前記RAW画像データから輝度画像を生成することであり、前記第1のフィルタカーネルは、前記フィルタカーネルによりカバーされるピクセル値の加重合計に適用される重み付けを表しており、前記輝度画像は第1解像度を有し、前記画像センサから出力されたRAW画像データを表している、輝度画像を生成することと、
前記カラーフィルタアレイ内の第1のカラーのピクセル値を有する各フォトサイトの中心のピクセル値に第2のフィルタカーネルを適用することにより、前記画像センサから出力されるRAW画像データを表す第1のクロミナンス画像を前記RAW画像データから生成することであり、前記第1のクロミナンス画像内のピクセル値は、前記カラーフィルタアレイ内の前記第1のカラーのピクセル値と前記カラーフィルタアレイ内の第2のカラーのピクセル値との間の差分を含む、第1のクロミナンス画像を生成することと、
前記カラーフィルタアレイ内の第3のカラーのピクセル値を有する各フォトサイトの中心のピクセル値に前記第2のフィルタカーネルを適用することにより、前記画像センサから出力されるRAW画像データを表す第2のクロミナンス画像を前記RAW画像データから生成することであり、前記第2のクロミナンス画像内のピクセル値は、前記カラーフィルタアレイ内の前記第3のカラーのピクセル値と前記カラーフィルタアレイ内の前記第2のカラーのピクセル値との間の差分を含む、第2のクロミナンス画像を生成することと、を含む方法。
【請求項2】
前記カラーフィルタアレイは、赤、緑、および青のカラーフィルタを有するベイヤーカラーフィルタアレイである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のカラーは緑である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記輝度画像は、前記第1、第2および第3のカラーの組み合わせを、1:2:1の割合で表す、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のフィルタカーネルはガウシアンフィルタを近似する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフィルタカーネルは第1のサイズを有し、前記第2のフィルタカーネルは、前記第1のサイズと異なり前記第1のサイズより大きい第2のサイズを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のクロミナンス画像は、前記第1解像度よりも低い第2解像度を有し、任意で、
前記RAWデータは前記第1解像度を有し、および/または、
前記第1および第2のクロミナンス画像は、前記第1解像度の4分の1である第2解像度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記RAW画像データのカラーレンジは、前記輝度画像および1以上の前記第1または第2のクロミナンス画像の一方又は両方に維持される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記フォトサイトの中心のピクセル値に前記第1のフィルタカーネルを適用することは、前記RAW画像データの画像フレームを処理することを含み、
前記方法は、処理される前記画像フレームの1以上の特性に基づいて、複数のフィルタカーネルから前記第1のフィルタカーネルを選択することをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記画像処理サブシステムによって、前記輝度画像、前記第1および第2のクロミナンス画像を、それぞれのフィルタ係数の合計で除算することにより、範囲内に入れることをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像処理サブシステムによって、前記輝度画像、前記第1および第2のクロミナンス画像をエンコードすることにより、エンコードされた画像データを生成することをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エンコードすることは、少なくとも1つの前記輝度画像と、1以上の前記第1または第2のクロミナンス画像とを圧縮することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エンコードすることは、前記輝度画像と前記第1および第2のクロミナンス画像とをYCbCr420フォーマットにフォーマット化することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記エンコードされた画像データは、前記センサによって捕捉されたカラーの範囲を維持する、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載された方法を実行するように構成された、画像捕捉システムおよび画像処理システムを含むカメラ。