(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025087
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】システム応答ボリュームの動的計算
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20230214BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H04R3/00 310
G06F3/16 540
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186300
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2020513852の分割
【原出願日】2018-09-07
(31)【優先権主張番号】15/699,982
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・ベガ
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ピリチャク
(72)【発明者】
【氏名】リッチ・リーン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試聴体験を更に向上させるメディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービスおよび他の要素を提供する。
【解決手段】メディア再生システムにおいて、方法800は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定する802。システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じて、(i)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定し、(ii)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力する804。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のネットワーク装置と関係した第一のマイクロフォンを介して音声入力を受信するステップと、なお、ここで、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカは、特定の再生ボリュームでオーディオ出力し、
システム応答を出力するための要件が存在することを、受信した音声入力に基づいて判定するステップと、を備える方法であって、
システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じて、
第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定すること、なお、ここで、システム応答ボリュームは、前記特定の再生ボリュームとは異なり、
第一のスピーカの特定の再生ボリューム及び少なくとも第二のスピーカのオーディオ出力ボリューム、に基づいてオーディオ再生ボリュームを決定すること、なお、ここで、第一のスピーカは、第二のスピーカの現在のオーディオ出力ボリュームを表すメッセージを受け、
第一のスピーカを介して、設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力すること、
を有する方法。
【請求項2】
第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定することには、
第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介して、周囲ノイズを含む周囲音の音圧レベルの測定値であるSPL測定値を取得することと、
SPL測定値に基づいて、システム応答ボリュームを設定すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
SPL測定値が、
第一のスピーカの出力部におけるSPL測定値、
第一のネットワークに関係した異なるスピーカの出力部におけるSPL測定値、
部屋内の指定された聴取位置におけるSPL測定値、
複数のマイクロフォンからの複数のSPL測定値に基づくSPL測定値、
予め定められた周波数帯域内の音のSPL測定値、
のうちの一つ以上に基づく、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
SPL測定値は、第一のスピーカが第一の類型のメディアコンテンツを再生しているとき、第一の類型のSPL測定値であり、
SPL測定値は、第一のスピーカが第二の類型のメディアコンテンツを再生しているとき、第二の類型のSPL測定値である、
請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
第一の類型のメディアコンテンツが、音楽を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第二の類型のメディアコンテンツが、テレビ番組および映画のうちの少なくとも一方に関係した音響を含む、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
システム応答を出力するための要件が存在することを判定するステップが、システムアラームまたは通知を作動させることを含む、
請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
更に、
第一および第二のネットワーク装置がステレオ対構成を有することを判定するステップと、
第一および第二のネットワーク装置がステレオ対構成を有するという判定に応じて、システム応答ボリュームを所定のデシベル(dB)数だけ減少させるステップと、
を備える、
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
第一のスピーカを介して、設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力することが、更に、
第三のネットワーク装置と関係した第三のスピーカを介して設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力する第三のネットワーク装置と同期して、設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力することを含む、
請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
更に、
第一、第二、および第三のネットワーク装置がホームシアタ構成を有することを判定するステップと、
第一、第二、および第三のネットワーク装置がホームシアタ構成を有するという判定に応じて、システム応答ボリュームを所定のデシベル(dB)数だけ減少させるステップと、
を備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第三のネットワーク装置が、サブウーハを備える、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定することは、更に、SPL測定値に含まれる音声入力の信号対ノイズ比を決定することを含み、
SPL測定値に基づいて、システム応答ボリュームを設定することは、信号対ノイズ比に基づいて、システム応答ボリュームを設定することである、
請求項2に記載の方法。
【請求項13】
一個以上のプロセッサにより実行されると請求項1~12のいずれかに記載の方法を装置に実施させる指示、を格納するコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
スピーカと、
マイクロフォンと、
一個以上のプロセッサと、
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体と、
を備える計算システム。
【請求項15】
プロセッサに請求項1~12のいずれかに記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2017年9月8日出願の「システム応答ボリュームの動的計算」と題された米国特許出願第15/699,982号に基づく優先権を主張する。この出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、また、(i)2016年2月22日出願の「デフォルト再生装置(群)」と題された出願番号第62/298,410号、(ii)2016年2月22日出願の「音響応答再生」と題された出願番号第62/298,418号、(iii)2016年2月22日出願の「部屋補正された音声検出」と題された出願番号第62/298,433号、(iv)2016年2月22日出願の「コンテンツミキシング」と題された出願番号第62/298,439号、(v)2016年2月22日出願の「音楽サービスセクション」と題された出願番号第62/298,425号、(vi)2016年2月22日出願の「ネットワーク再生システムおよびネットワークマイクロフォンシステムを包含するメタデータ交換」と題された出願番号第62/298,350号、(vii)2016年2月22日出願の「ネットワーク装置間のペアリング消失の処理」と題された出願番号第62/298,388号、(viii)2016年2月22日出願の「ユーザIDに基づくアクション」と題された出願番号第62/298,393号、(ix)2015年3月12日出願の「メディア再生システムの音声制御」と題された出願番号62/132,350号、に関係する。第62/298,410号、第62/298,418号、第62/298,433号、第62/298,439号、第62/298, 425号、第62/298,350号、第62/298,388号、第62/298,393号、および第62/132,350号の各出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0003】
本願は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0004】
2003年に、ソノズ・インコーポレイテッドが最初の特許出願のうちの1つである「複数のネットワーク装置間のオーディオ再生を同期する方法」と題する特許出願をし、2005年にメディア再生システムの販売を開始する頃まで、アウトラウド設定におけるデジタルオーディオへのアクセスおよび試聴のオプションは厳しく制限されていた。人々は、ソノズ無線HiFiシステムによって、1つ又は複数のネットワーク再生装置を介して多くのソースから音楽を実質的に無制限に体験できるようになっている。スマートフォン、タブレット、又はコンピュータにインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生装置を備えたいずれの部屋においても、人々は自分が望む音楽を再生することができる。また、例えばコントローラを用いて、再生装置を備えた各部屋に異なる歌をストリーミングすることもできるし、同期再生のために複数の部屋をグループ化することもできるし、全ての部屋において同期して同じ歌を聞くこともできる。
【発明の概要】
【0005】
これまでのデジタルメディアに対する関心の高まりを考えると、試聴体験を更に向上させることができるコンシューマアクセス可能な技術を更に開発することにニーズがある。
【0006】
本開示は、特に、音声コマンドに応じてシステム応答(例えば、音声応答等のシステム応答)を生成し出力するネットワーク装置群に対してシステム応答ボリュームを決定および設定する、ためのシステムおよび方法を説明する。音声コマンドの一例は、「再生中の歌は何?」である。システム応答は、「ビートルズのレット・イット・ビー」であり得る。別の例では、音声コマンドは、「私のテレビで再生中の映画は何?」であり得る。そして、システム応答は、「モスラ対ゴジラ」であるかもしれない。動作時、システムにより再生される音響コンテンツの再生ボリューム(例えば、映像プログラミングと関係した音楽または音響のボリューム)は、システム応答ボリューム(即ち、音声応答のボリューム)と異なり得る。
【0007】
本開示は、多数の異なる構成モデルの下で、一基以上のネットワーク装置に対してシステム応答ボリュームを決定するための多くの例を説明する。開示された諸例は、ネットワーク装置、音声対応装置(ヴォイス・イネーブルド・デバイス VED)、ネットワークマイクロフォン装置(ネットワーク・マイクロフォン・デバイス NMD)、音響再生装置(オーディオ・プレイバック・デバイス PBD)、および映像再生装置(ビデオ・プレイバック・デバイス VPD)により実現される諸機能を説明する。本明細書で使用するとき、ネットワーク装置という用語は、VED、NMD、PBD、およびVPDを含むがそれらに限定されない部類の装置である。
【0008】
VEDは、NMD、PBD、およびVPDを含むがそれらに限定されない同種の部類の装置である。例えば、VEDの一類型が、NMDであり、これは、一個以上のプロセッサと、ネットワークインタフェースと、一個以上のマイクロフォンと、を備えるネットワーク装置である。NMDによっては、一個以上のスピーカを更に備えてメディア再生機能を実現してもよい。VEDのもう一つの類型が、PBDであり、これは、一個以上のプロセッサと、ネットワークインタフェースと、一個以上のスピーカと、を備えるネットワーク装置である。PBDによっては、一個以上のマイクロフォンを任意に備えてNMDの機能を実現してもよい。VEDの更に別の類型が、VPDであり、これは一個以上のプロセッサと、ネットワークインタフェースと、一個以上のスピーカと、少なくとも一個の映像ディスプレイと、を備えるネットワーク装置である。VPDによっては、一個以上のマイクロフォンを任意に備えてNMDの機能を実現してもよい。PBDとVPDは、一般に、メディア再生装置と呼ばれ得る。
【0009】
幾つかの例は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定するステップと、システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じて、(i)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定し、(ii)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力するステップと、を含む。
【0010】
幾つかの例では、これらのステップは、システムがシステム応答を出力するときに(または略同時に)あるいは特定の契機となるイベントに応じて、発生する。これは、システムがシステム応答を出力するときにあるいは特定の契機となるイベントのときに周囲環境をシステムに評価させることができるので、有利であり得る。即ち、これにより、システム応答を出力するための要件が存在するという判定とシステム応答の出力との間の周囲環境の変化に起因する、望ましくないほど高いあるいは望ましくないほど低いシステム応答ボリュームでシステム応答を聞く可能性、を減少させ得る。
【0011】
システムの出力時にこれらのステップを実行することにより、システムはシステム応答を出力する時点で(あるいはシステム応答を出力する略直前に)環境を評価するので、システムが急激な環境変化を考慮して、動的にシステム応答ボリュームを設定してシステム応答を出力することも可能となる。例えば、ユーザは、大音量でPBDを通して音響コンテンツを再生していてもよい。そのすぐ後に、ユーザは音響コンテンツをミュートするかもしれない。システム応答を出力する時点でシステム応答ボリュームを設定することにより、システムは、ユーザが音響コンテンツをミュートしたことを認識することができ、適切なシステム応答ボリュームを設定可能となる。
【0012】
幾つかの例では、システム応答を出力するための要件が存在することを判定するステップは、第一のネットワーク装置と関係した第一のマイクロフォンを介して音声入力を受信することを含む。幾つかの例では、システム応答を出力するための要件が存在することを判定するステップは、システムアラームまたは通知を作動させることを含む。
【0013】
幾つかの例では、第一のネットワーク装置は、第一のスピーカと第一のマイクロフォンとを備える。幾つかの例では、第一のネットワーク装置が第一のマイクロフォンを備え、第二のネットワーク装置が第一のスピーカを備える。幾つかの例では、第一のネットワーク装置が第一のスピーカを備え、第二のネットワーク装置が第一のマイクロフォンを備える。
【0014】
幾つかの例では、第一のネットワーク装置が第一のスピーカを備え、第二のネットワーク装置が第二のスピーカを備え、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力するステップが、第二のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力する第二のネットワーク装置と同期して、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力することを含む。
【0015】
幾つかの例では、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定するステップが、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介して音圧レベル(SPL)測定値を取得すること、および(ii)SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0016】
幾つかの例では、システムは、システム応答ボリュームを、取得したSPL測定値より高い所定量に、設定し得る。これにより、周囲ノイズ(聴取領域内の人々の会話および/またはメディアコンテンツの再生)が在る状況では、周囲ノイズにまさったシステム応答をユーザが聞くことができるので、有利であり得る。
【0017】
幾つかの例では、取得した音圧レベル測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定するステップは、システム応答ボリュームを、瞬間および/または以前の音測定値(例えば、SPL測定値、および/またはSPL測定値から導出した測定値)より高い約1dB乃至約6dBの間に設定すること、を含む。
【0018】
幾つかの例では、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定するステップは、(i)予め決定されたシステム応答ボリュームにアクセスすること、および(ii)システム応答ボリュームを前記予め決定されたシステム応答ボリュームに設定すること、を含む。
【0019】
幾つかの例では、前記予め決定されたシステム応答ボリュームは、(i)契機となるイベントを検出すること、および(ii)契機となるイベントの検出に応じて、システム応答ボリュームを決定すること、を含む各ステップを介して決定された。幾つかの例では、契機となるイベントは、第一のスピーカを介してメディアを再生中にメディア再生のボリュームを変えることを含み、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを決定するステップは、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介してSPL測定値を取得すること、および(ii)SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。幾つかの例では、メディア再生のボリュームを変えるステップは、(i)メディア再生のボリュームを上げること、(ii)メディア再生のボリュームを下げること、(iii)メディア再生をミュートすること、および(iv)メディア再生のミュートを解除すること、のうちの少なくとも一つを含む。
【0020】
幾つかの例では、前記契機となるイベントは、第一のネットワーク装置の再構成を含む。幾つかの例では、前記再構成は、(i)独立型の再生装置としてメディアコンテンツを再生することから、少なくとも第二のネットワーク装置と同期してメディアを再生することへと、第一のネットワーク装置を構成すること、および(ii)少なくとも第二のネットワーク装置と同期してメディアを再生することから、独立型の再生装置としてメディアを再生することへと、第一のネットワーク装置を構成すること、のうちの一つを含む。
【0021】
幾つかの例では、契機となるイベントは、時間枠の満了を含み、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを決定するステップは、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介してSPL測定値を取得すること、および(ii)当該SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0022】
幾つかの例では、契機となるイベントは、(i)第一のネットワーク装置と関係したモーション検出器による第一のネットワーク装置の領域内におけるモーションの検出、(ii)第一のネットワーク装置と関係した光検出器による第一のネットワーク装置の領域内における光の変化の検出、のうちの少なくとも一つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、ある実施形態を実施することができる例示的なメディア再生システム構成を図示する。
【
図2】
図2は、例示的な再生装置の機能ブロック図を図示する。
【
図3】
図3は、例示的な制御装置の一例の機能ブロック図を図示する。
【
図4】
図4は、例示的なコントローラインタフェースを図示する。
【
図5】
図5は、例示的な複数のネットワーク装置を図示する。
【
図6】
図6は、例示的なネットワークマイクロホン装置の機能ブロック図を図示する。
【
図7】
図7は、一定の実施形態を実施し得るメディア再生システムの構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、幾つかの実施形態による方法の例を示す図である。
【0024】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解しやすい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
I.概観
上述したように、本開示は、本明細書中では概ね音声対応装置(VED)(音声対応デバイスとも言う)として言及される部類のネットワーク装置により実現される諸機能に関係している。VEDの一類型がネットワークマイクロフォン装置(NMD)であり、これは、一個以上のプロセッサとネットワークインタフェースと一個以上のマイクロフォンとを備えるネットワーク装置である。NMDによっては、更に、一個以上のスピーカを含み得る。VEDのもう一つの類型が音響再生装置(PBD)であり、これは、一個以上のプロセッサとネットワークインタフェースと一個以上のマイクロフォンと一個以上のスピーカとを備えるネットワーク装置である。VEDの更に別の類型が映像再生装置(VPD)であり、これは一個以上のプロセッサとネットワークインタフェースと一個以上のマイクロフォンと一個以上のスピーカと少なくとも一個の映像ディスプレイとを備えるネットワーク装置である。PBDとVPDは、一般に、メディア再生装置と呼ばれ得る。本明細書で使用するとき、ネットワーク装置という用語は、VED、PBD、NMD、およびPVDを含むが必ずしもそれらに限定されず、VEDという用語は、PBD、NMD、およびPVDを含むが必ずしもそれらに限定されない。
【0026】
上述したVEDのそれぞれは、少なくとも幾つかの音声制御機能を実現して、VEDが(単独であるいは恐らくは一基以上の他の計算装置と共同で)、マイクロフォンを介して受信した音声コマンドに作用し得るようにし、それにより、ユーザがVEDおよび恐らくは他の装置群をも制御し得るようにしている。
【0027】
音声制御機能の一側面は、一個以上のスピーカを介してシステム応答を再生することを含む。本明細書中で使用されるとき、システム応答は、VEDと関係した一個以上のマイクロフォンを介して受信した音声コマンドに応じて、VEDと関係した一個以上のスピーカを介してVEDが再生する音声応答または任意の他の類型の可聴応答(例えば、アラーム、ビーッという信号音、カチリという音、あるいは他の通知、応答、または確認音)を含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、マイクロフォン(群)とスピーカ(群)とを備えたVEDは、それのマイクロフォン(群)を介して受信した音声コマンドに応じて、それのスピーカ(群)を介して音声応答(または他のシステム応答)を再生し得る。
【0029】
他の実施形態では、マイクロフォン(群)を備えた第一のVEDは、少なくとも一個のスピーカをそなえた第二のVEDに、第一のVEDのマイクロフォン(群)を介して受信した音声コマンドに応じて、第二のVEDのスピーカ(群)を介して音声応答(または他のシステム応答)を再生すべく指令しあるいは再生させてもよい。
【0030】
別の実施形態では、マイクロフォンとスピーカ(群)とを備えた第一のVEDは、少なくとも一個のスピーカをそなえた第二のVEDに、第一のVEDのマイクロフォン(群)を介して受信した音声コマンドに応じて、第一のVEDと同期して、音声応答(または他のシステム応答)を再生すべく指令しあるいは再生させてもよい。
【0031】
上述したように、例えば、一個以上のスピーカを備えたNMD、一個以上のスピーカを備えたPBD、および一個以上のスピーカを備えたVPD等、VEDによっては一個以上のスピーカを含む。動作中、一個以上のスピーカを備えたこれらのVEDは、いずれも、それの一個以上のスピーカを介して、音響コンテンツ(例えば、音楽、映像に関係した音響トラック、発話コンテンツ、またはその他の音響コンテンツ)と音声応答(または他のシステム応答)との両方を再生することができる。これらのスピーカを備えたVEDは、いずれも、更に、それの一個以上のスピーカを介して、他の一般的なシステム応答(例えば、目覚ましアラーム、タイマ通知、および/または鐘の音、ビーッという信号音、カチリという音その他の通知等のシステム通知)を再生し得る。
【0032】
場合によっては、VEDは、音響コンテンツとシステム応答とを同じボリュームで再生する。例えば、ユーザがパーティを開いていて部屋を音楽でより良く満たすためにPBDのボリュームを上げるならば、PBDのシステム応答ボリュームもまた上げられる。これは、システム応答が会話を妨げたり音響コンテンツの享楽を損なったりし得るので、望ましくない。更に、音響コンテンツの再生をやめた場合、システム応答ボリュームは依然としてより高いボリュームに設定されたままであり、後でPBD(または他のVED)がシステム応答を出力するとき、部屋に居るユーザを驚かす可能性がある。
【0033】
場合によっては、VEDは、いずれの音響コンテンツのボリュームでも変わらない静的ボリュームで、システム応答を再生する。これらの場合には、システム応答のボリュームは、音響コンテンツのボリューム次第で、適切ではない可能性がある。例えば、ユーザが音響再生を高いボリュームに設定した場合、ユーザは、システム応答が生じたときに、聞こえない可能性がある。逆に、音響再生が無い場合、システム応答ボリュームは、VEDの位置次第で、大き過ぎるあるいは静か過ぎるかも知れない。
【0034】
場合によっては、VEDは、音響コンテンツのボリュームレベルとは異なるボリュームレベルで発せられるアラームとしてシステム応答を再生する。これは、ユーザが目覚ましにアラームを用いており特定のボリュームに設定されたアラームを欲するときに有益であり得る。しかしながら、ユーザが異なる日常的なイベント(追加のアラームの設定、コマンドの発行等)のためにメディア再生システム700を使用する場合、ユーザは、一日中、システム応答ボリュームを繰り返し設定する(または再設定する)必要があるかも知れない。ユーザがシステム応答ボリュームをアラーム用に適切なボリュームに再設定し忘れた場合、アラームのボリュームが大き過ぎるならばユーザをびっくりさせるかも知れないし、アラームのボリュームが静か過ぎるならばユーザに通知し損なうかも知れない。
【0035】
場合によっては、VEDが位置する領域内で測定された音響再生ボリュームおよび音圧レベル(「SPL」)等の周囲環境に基づいて、VEDがシステム応答のボリュームを動的に設定することが望ましい。例えば、幾つかの実施形態では、VEDは、システム応答を出力すべき要件の判定(または検出)に応じて、システム応答ボリュームを算出する。動作中、システム応答を出力すべき要件を判定(または検出)すると、VEDは、当該VEDと関係した一個以上のマイクロフォンを介してSPLを測定し、次に、前記測定されたSPLに少なくとも部分的に基づいて、システム応答ボリュームを設定する。
【0036】
幾つかの実施形態では、VEDは、更に、あるいは、また、システム応答を出力すべき要件の判定(または検出)以外の諸条件に応じて、システム応答ボリュームを設定(または再設定)する。例えば、幾つかの実施形態では、VEDは、新たなSPL測定値を取得して、当該SPL測定値に少なくとも部分的に基づいて、新たな構成および/またはVED装置の諸設定を再構成すべきコマンドまたは指示の受信に応じて、システム応答ボリュームを設定(再設定)し得る。前記受信には、例えば、(i)新たな音響ボリューム設定値を受信すること、(ii)(本明細書中で説明される)同期グループ、ステレオ対、VED群の結合されたグループ、統合されたVED内で当該VEDを一基以上の他のVED群とグループ化/非・非グループ化すべきコマンドを受信すること、および/または(iii)他のVED構成の諸設定値を受信すること、が含まれる。
【0037】
幾つかの実施形態では、VEDは、SPLを算出して、何度も、且つ、多くの異なる方法で、システム応答ボリュームを再設定し得る。新たなSPLの算出は、システム応答に先立って、予め定められた周期で、あるいは両者を組み合わせて、起こり得る。新たなSPLの算出は、音響再生構成における複数のVEDのうちの一基以上により行われ得る。SPLの測定および/または算出は、(i)システム応答を出力するVED、(ii)構成内でシステム応答の出力を課されていない他のVEDまたは他のネットワーク装置、(iii)二基以上のVEDおよび/またはネットワーク装置のグループ、により行われ得る。
【0038】
動作中、システム応答ボリュームの算出は、多くの異なる方法で達成され得る。システム応答ボリュームは、メディア再生システムとして動作すべく構成されたネットワーク装置の集合体において、一基以上のネットワーク装置により決定され設定されてもよい。例えば、一基のNMDと二基のPBDとを備えるメディア再生システムにおいて、NMDがSPL測定値を取得してシステム応答ボリュームを設定し、PBDのうちの一基以上がNMDにより設定されたシステム応答ボリュームで実際のシステム応答を再生し得る。かかるメディア再生システムでは、メディア再生システムの前記一基以上のネットワーク装置のうちのいずれか一基が、(単独で、またはメディア再生システムの他のネットワーク装置のうちのいずれか一基以上と共同で)、(i)SPLを測定すること、(ii)システム応答ボリュームを設定すること、および/または(iii)前記システム応答ボリュームで実際のシステム応答を再生すること、のうちのいずれか一つを行い得る。
【0039】
別の実施形態は、計算装置による実行時に計算装置に本明細書中に開示され説明された諸特徴および諸機能を実現させるプログラム指令群を格納した有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含む。
【0040】
実施形態によっては、少なくとも一個のプロセッサ、並びに、データ記憶装置および/またはプログラム指令群を備える計算装置を含む。動作中、前記プログラム指令群は、データ記憶装置内に格納され、前記少なくとも一個のプロセッサによる実行時に計算装置に(単独で、あるいは他の構成要素群またはシステム群と共同して)本明細書中に開示され説明された諸特徴および諸機能を実現させる。
【0041】
本明細書中で説明された幾つかの例は「ユーザ」および/または他の諸実体等の所与の行為者により実現される諸機能に言及し得るが、これが単に説明目的のためであることは理解されたい。各請求項は、請求項自体の言葉で明白に要求されない限り、かかる任意の例示的行為者によるアクションを要求するものと解釈されるべきではない。本開示が極めて多数の他の実施形態を包含することは、当業者には理解されよう。
【0042】
II.動作環境の例
図1は、本明細書で開示されている1つ又は複数の実施形態で実施可能又は実装可能なメディア再生システム100の例示的な構成を示す。図示されるように、メディア再生システム100は、複数の部屋および空間、例えば、主寝室、オフィス、ダイニングルーム、およびリビングルームを有する例示的なホーム環境に関連付けられている。
図1の例に示されるように、メディア再生システム100は、再生装置102-124、制御装置126および128、有線又は無線のネットワークルータ130を含む。
【0043】
更に、例示的なメディア再生システム100の異なる構成要素、および異なる構成要素がどのように作用してユーザにメディア体験を提供するかに関しての説明は、以下のセクションで述べられている。本明細書における説明は、概してメディア再生システム100を参照しているが、本明細書で述べられている技術は、
図1に示されるホーム環境の用途に限定されるものではない。例えば、本明細書で述べられている技術は、マルチゾーンオーディオが望まれる環境、例えば、レストラン、モール、又は空港のような商業的環境、スポーツ用多目的車(SUV)、バス又は車のような車両、船、若しくはボード、飛行機などの環境において有益である。
【0044】
a.例示的な再生装置
図2は、
図1のメディア再生システム100の再生装置102-124の1つ又は複数を構成する例示的な再生装置200の機能ブロック図を示す。上述したように、再生装置(PBD)200は、音声対応装置(VED)の一種である。
【0045】
再生装置200は、一つ又は複数のプロセッサ202、ソフトウェアコンポーネント204、メモリ206、オーディオ処理コンポーネント208、オーディオアンプ210、スピーカー212、およびネットワークインタフェース214を含んでもよい。ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216および有線インタフェース218を含む。ある場合では、再生装置200は、スピーカー212を含まないが、再生装置200を外部スピーカーに接続するためのスピーカーインタフェースを含んでもよい。別の場合では、再生装置200は、スピーカー212もオーディオアンプ210も含まないが、再生装置200を外部オーディオアンプ又はオーディオビジュアルレシーバーに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0046】
ある例では、一つ又は複数のプロセッサ202は、メモリ206に記憶された命令に基づいて、入力データを処理するように構成された一つ又は複数のクロック駆動コンピュータコンポーネントを含んでもよい。メモリ206は、一つ又は複数のプロセッサ202によって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ読み取り可能記録媒体であってもよい。例えば、メモリ206は、ある機能を実行するために一つ又は複数のプロセッサ202によって実行可能なソフトウェアコンポーネント204の1つ又は複数をロードすることができるデータストレージであってもよい。ある例では、機能は、再生装置200がオーディオソース又は別の再生装置からオーディオデータを読み出すステップを含んでもよい。別の例では、機能は、再生装置200がネットワーク上の別の装置又は再生装置にオーディオデータを送信するステップを含んでもよい。更に別の例では、機能は、マルチチャンネルオーディオ環境を作るために、再生装置200と1つ又は複数の再生装置とをペアリングするステップを含んでもよい。
【0047】
ある機能は、再生装置200が、1つ又は複数の他の再生装置と、オーディオコンテンツの再生を同期するステップを含む。再生を同期している間、再生装置200によるオーディオコンテンツの再生と1つ又は複数の他の再生装置による再生との間の遅延を、リスナーが気づかないことが好ましい。「複数の独立クロックデジタルデータ処理装置間の動作を同期するシステムおよび方法」と題する米国特許第8,234,395号が本明細書に参照として援用されており、それは再生装置間のオーディオ再生を同期することが述べられたより詳細な例を提供している。
【0048】
更に、メモリ206は、データを記憶するように構成されてもよい。データは、例えば、1つ又は複数のゾーン及び/又はゾーングループに一部として含まれる再生装置200などの再生装置200、再生装置200によりアクセス可能なオーディオソース、又は再生装置200(又は他の再生装置)に関連付け可能な再生キュー、に関連付けられている。データは、定期的に更新され、再生装置200の状態を示す1つ又は複数の状態変数として記憶されてもよい。また、メモリ206は、メディアシステムの他の装置の状態に関連付けられたデータを含んでもよく、装置間で随時共有することによって、1つ又は複数の装置が、システムに関連するほぼ直近のデータを有することができる。他の実施形態も可能である。
【0049】
オーディオ処理コンポーネント208は、1つ又は複数のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント、及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含んでいてもよい。ある実施形態では、1つ又は複数のオーディオ処理コンポーネント208は、一つ又は複数のプロセッサ202のサブコンポーネントであってもよい。ある実施形態では、オーディオコンテンツが、オーディオ処理コンポーネント208によって処理及び/又は意図的に変更されることによって、オーディオ信号を生成してもよい。生成されたオーディオ信号は、オーディオアンプ210に送信され、増幅され、スピーカー212を通じて再生される。特に、オーディオアンプ210は、1つ又は複数のスピーカー212を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成された装置を含んでもよい。スピーカー212は、独立した変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ又は複数のドライバを内包する筐体を含む完全なスピーカーシステムを備えてもよい。スピーカー212に備えられたあるドライバは、例えば、サブウーファー(例えば、低周波用)、ミドルレンジドライバ(例えば、中間周波用)、及び/又はツイーター(高周波用)を含んでもよい。ある場合では、1つ又は複数のスピーカー212のそれぞれの変換器は、オーディオアンプ210の対応する個々のオーディオアンプによって駆動されてもよい。再生装置200で再生するアナログ信号を生成することに加えて、オーディオ処理コンポーネント208は、オーディオコンテンツを処理し、そのオーディオコンテンツを1つ又は複数の他の再生装置に再生させるために送信する。
【0050】
再生装置200によって処理及び/又は再生されるオーディオコンテンツは、外部ソース、例えば、オーディオライン-イン入力接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)又はネットワークインタフェース214を介して、受信されてもよい。
【0051】
ネットワークインタフェース214は、再生装置200と、データネットワーク上の一基以上の他の装置との間のデータフローを容易にするように構成され得る。データとしては、他のVEDとの間でやり取りされるデータ(例えば、SPL測定を行うコマンド、SPL測定データ、システム応答ボリュームを設定するコマンド、および、本明細書中に開示され説明された特徴および機能の実行を容易にする他のデータおよび/またはコマンド)を含むが、これらに限定されるものではない。かくして、再生装置200は、再生装置200、またはローカルエリアネットワーク内のネットワーク装置、またはインタネット等のワイドエリアネットワーク上の音響コンテンツ発信源、と通信する一基以上の他の再生装置からデータネットワークを経由して音響コンテンツを受信するように構成され得る。再生装置200は、ネットワーク上の他の装置との間で、メタデータを送受信し得る。他の装置としては、本明細書中に開示され説明されたネットワークマイクロフォンシステムの各構成要素を含むが、これらに限定されるものではない。一例において、再生装置200により送受信された音響コンテンツ等の信号(例えば、メタデータ等の信号)は、インタネットプロトコル(IP)準拠発信元アドレスとIP準拠宛先アドレスとを含むデジタルパケットデータの形で送信され得る。かかる場合、ネットワークインタフェース214は、再生装置200宛てのデータが再生装置200により適切に受信および処理されるようにデジタルパケットデータを解析すべく構成され得る。
【0052】
図示されるように、ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218とを含んでもよい。無線インタフェース216は、再生装置200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gモバイル通信基準などを含む無線基準(規格)のいずれか)に基づいて、他の装置(例えば、再生装置200に関連付けられたデータネットワーク内の他の再生装置、スピーカー、レシーバー、ネットワーク装置、制御装置)と無線通信してもよい。有線インタフェース218は、再生装置200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に基づいて他の装置との有線接続を介して通信してもよい。
図2に示されるネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218との両方を含んでいるが、ネットワークインタフェース214は、ある実施形態において、無線インタフェースのみか、又は有線インタフェースのみを含んでもよい。
【0053】
マイクロホン220は、再生装置200の環境内の音を検出するように配置することができる。たとえば、再生装置の筐体の外壁にマイクロホンを搭載することができる。マイクロホンは、コンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、またはダイナミックマイクロホンのような、現在知られているかまたは後に開発される任意のタイプのマイクロホンであってもよい。マイクロホンは、スピーカー220の周波数範囲の一部に敏感であってもよい。スピーカー220のうちの1つまたは複数は、マイクロホン220とは逆に動作してもよい。いくつかの態様では、再生装置200は、マイクロホン220を含んでいなくてもよい。
【0054】
ある例では、再生装置200と他の再生装置とは、ペアにされて、オーディオコンテンツの2つの別々のオーディオコンポーネントを再生してもよい。例えば、再生装置200は、左チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成される一方、他の再生装置は、右チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。これにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成するか、又は強化することができる。ペアにされた再生装置(「結合再生装置」、「結合グループ」、又は「ステレオ対」とも言う)は、更に、他の再生装置と同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0055】
別の例では、再生装置200は、1つ又は複数の他の再生装置と音響的に統合され、単一の統合された再生装置(統合再生装置)を形成してもよい。統合再生装置は、統合されていない再生装置又はペアにされた再生装置と比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。なぜならば、統合再生装置は、オーディオコンテンツを再生するスピーカー追加することができるからである。例えば、再生装置200が、低周波レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計されている場合(例えば、サブウーファー)、再生装置200は、全周波数レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計された再生装置と統合されてもよい。この場合、全周波数レンジの再生装置は、低周波の再生装置200と統合されたとき、オーディオコンテンツの中高周波コンポーネントのみを再生するように構成されてもよい。一方で低周波レンジの再生装置200は、オーディオコンテンツの低周波コンポーネントを再生する。更に、統合再生装置は、単一の再生装置、又は更に他の統合再生装置とペアにされてもよい。
【0056】
例として、現在、ソノズ・インコーポレイテッドは、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、および「SUB」を含む再生装置を販売提供している。他の過去、現在、及び/又は将来のいずれの再生装置においても、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例の再生装置に実装して使用することができる。更に、再生装置は、
図2に示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されないことは理解される。例えば、再生装置は、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。別の例では、再生装置は、パーソナルモバイルメディア再生装置用のドッキングステーションを含むか、又は、それらと対話してもよい。更に別の例では、再生装置は、別の装置又はコンポーネント、例えば、テレビ、照明器具、又は屋内又は屋外で使用するためのいくつかの他の装置と一体化されてもよい。
【0057】
b.例示的な再生ゾーン構成
図1のメディア再生システムに戻って、環境は、1つ又は複数の再生ゾーンを有しており、それぞれの再生ゾーンは1つ又は複数の再生装置及び/又は他のVEDを含んでいる。メディア再生システム100は、1つ又は複数の再生ゾーンで形成されており、後で1つ又は複数のゾーンが追加又は削除して、
図1に示す例示的な構成としてもよい。それぞれのゾーンは、異なる部屋又は空間、例えば、オフィス、浴室、主寝室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、及び/又はバルコニーに基づく名前が与えられてもよい。ある場合では、単一の再生ゾーンは複数の部屋又は空間を含んでもよい。別の場合では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含んでもよい。
【0058】
図1に示されるように、バルコニー、ダイニングルーム、キッチン、浴室、オフィス、および寝室のゾーンのそれぞれは、1つの再生装置を有する一方、リビングルームおよび主寝室のゾーンのそれぞれは、複数の再生装置を有する。リビングルームゾーンは、再生装置104、106、108、および110が、別々の再生装置としてか、1つ又は複数の結合再生装置としてか、1つ又は複数の統合再生装置としてか、又はこれらのいずれかの組み合わせで、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。同様に、主寝室の場合では、再生装置122および124が、別々の再生装置としてか、結合再生装置としてか、又は統合再生装置として、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0059】
ある例では、
図1の環境における1つ又は複数の再生ゾーンは、それぞれ異なるオーディオコンテンツを再生している。例えば、ユーザは、バルコニーゾーンでグリルしながら、再生装置102によって再生されるヒップホップ音楽を聞くことができる。一方、別のユーザは、キッチンゾーンで食事を準備しながら、再生装置114によって再生されるクラシック音楽を聞くことができる。別の例では、再生ゾーンは、同じオーディオコンテンツを別の再生ゾーンと同期して再生してもよい。例えば、ユーザがオフィスゾーンにいる場合、オフィスゾーンの再生装置118が、バルコニーの再生装置102で再生されている音楽と同じ音楽を再生してもよい。そのような場合、再生装置102および118は、ロック音楽を同期して再生しているため、ユーザは、異なる再生ゾーン間を移動してもアウト-ラウドで再生されるオーディオコンテンツをシームレス(又は少なくともほぼシームレス)に楽しむことができる。再生ゾーン間の同期は、前述の米国特許第8,234,395号で述べられているような再生装置間の同期と同様の方法で行ってもよい。
【0060】
上述したように、メディア再生システム100のゾーン構成は、動的に変更してもよく、ある実施形態では、メディア再生システム100は、複数の構成をサポートする。例えば、ユーザが1つ又は複数の再生装置を、物理的にゾーンに移動させるか、又はゾーンから移動させる場合、メディア再生システム100は変更に対応するように再構成されてもよい。例えば、ユーザが再生装置102をバルコニーゾーンからオフィスゾーンに物理的に移動させる場合、オフィスゾーンは、再生装置118と再生装置102との両方を含んでもよい。必要に応じて、制御装置、例えば制御装置126と128とを介して、再生装置102が、ペアにされるか、又はオフィスゾーンにグループ化されるか、及び/又はリネームされてもよい。一方、1つ又は複数の再生装置が、再生ゾーンを未だ設定していないホーム環境において、ある領域に移動させられた場合、新しい再生ゾーンがその領域に形成されてもよい。
【0061】
更に、メディア再生システム100の異なる再生ゾーンは、動的にゾーングループに組み合わされてもよいし、又は別々の再生ゾーンに分割されてもよい。例えば、ダイニングルームゾーンとキッチンゾーンとがディナーパーティ用のゾーングループに組み合わされることによって、再生装置112と114とがオーディオコンテンツを同期してレンダー(再生)することができる。一方、あるユーザがテレビを見たい一方、他のユーザがリビングルーム空間の音楽を聞きたい場合、リビングルームゾーンが、再生装置104を含むテレビゾーンと、再生装置106、108および110を含むリスニングゾーンと、に分けられてもよい。
【0062】
c.例示的な制御デバイス
図3は、メディア再生システム100の制御デバイス126及び128のうちの一方又は両方を構成する例示的な制御デバイス300の機能ブロック図を示す。図示されるように、制御デバイス300は、一つ又は複数のプロセッサ302、メモリ304、ネットワークインタフェース306、ユーザインタフェース308、マイクロホン310、およびソフトウェアコンポーネント312を含んでもよい。ある例では、制御デバイス300は、メディア再生システム100専用の制御デバイスであってもよい。別の例では、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされたネットワークデバイス、例えば、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、又は任意の他のスマートフォン、タブレットあるいはネットワークデバイス(例えば、PC又はMac(登録商標)などのネットワークコンピュータ)であってもよい。
【0063】
一つ又は複数のプロセッサ302は、メディア再生システム100のユーザアクセス、コントロール、および構成を可能にすることに関する機能を実行するように構成されてもよい。メモリ304は、それらの機能を実行するために一つ又は複数のプロセッサ302によって実行可能な1つ又は複数のソフトウェアコンポーネントと共にロードされ得るデータストレージであってもよい。また、メモリ304は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアと、メディア再生システム100とユーザとに関連付けられた他のデータを記憶するように構成されてもよい。
【0064】
ある例では、ネットワークインタフェース306は、工業規格(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3などの有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15などの無線規格、3G、4G、5G通信規格など)に基づいてもよい。ネットワークインタフェース306においては、制御デバイス300がメディア再生システム100内の他のデバイスと通信するための手段を提供してもよい。ある例では、データおよび情報(例えば、状態変数)は、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300と他のデバイスとの間で通信されてもよい。例えば、メディア再生システム100における再生ゾーンおよびゾーングループの構成は、制御デバイス300によって、再生装置又は別のネットワークデバイスから受信されてもよいし、あるいは制御デバイス300によって、ネットワークインタフェース306を介して別の再生装置又はネットワークデバイスに送信されてもよい。ある場合では、他のネットワークデバイスは、別の制御デバイスであってもよい。
【0065】
ボリュームコントロールおよびオーディオ再生コントロールなどの再生装置制御コマンドは、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300から再生装置に通信されてもよい。上述したように、メディア再生システム100の構成の変更は、ユーザにより制御デバイス300を用いて行うことができる。構成の変更は、1つ又は複数の再生装置をゾーンに追加すること、1つ又は複数の再生装置をゾーンから取り除くこと、1つ又は複数のゾーンをゾーングループに追加すること、1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くこと、結合プレーヤー又は統合プレーヤーを形成すること、結合プレーヤー又は統合プレーヤーから1つ又は複数の再生装置に分けることなどを含んでもよい。このように、制御デバイス300は、コントローラと呼ばれてもよく、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールした専用のコントローラか、又はネットワークデバイスであってもよい。
【0066】
制御デバイス300は、マイクロホン310を含むことができる。マイクロホン310は、制御デバイス300の環境内の音を検出するように配置することができる。マイクロホン310は、コンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、またはダイナミックマイクロホンのような、現在知られているかまたは後に開発される任意のタイプのマイクロホンであってもよい。マイクロホンは、周波数範囲の一部に敏感であってもよい。2つ以上のマイクロホン310は、オーディオソース(たとえば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉し、および/または背景ノイズをフィルタリングすることを支援するように配置することができる。
【0067】
制御デバイス300のユーザインタフェース308は、
図4に示される例示的なコントローラインタフェース400などのようなコントローラインタフェースを提供することによって、メディア再生システム100のユーザアクセスおよび制御を可能にするように構成されてもよい。コントローラインタフェース400は、再生制御領域410、再生ゾーン領域420、再生ステータス領域430、再生キュー領域440、およびオーディオコンテンツソース領域450を含む。図示されるユーザインタフェース400は、
図3の制御デバイス300などのようなネットワークデバイス(及び/又は
図1の制御デバイス126および128)を設けられたユーザインタフェースの単なる一例であって、ユーザによってメディア再生システム100などのようなメディア再生システムを制御するためにアクセスされるものである。あるいは、様々なフォーマット、スタイル、および対話型シーケンスを他のユーザのインタフェースを1つ又は複数のネットワークデバイスに実装し、メディア再生システムへ類似の制御アクセスを提供してもよい。
【0068】
再生制御領域410は、(例えば、タッチ又はカーソルを用いることで)選択可能なアイコンを含んでもよい。このアイコンによって、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の再生装置が、再生又は停止、早送り、巻き戻し、次にスキップ、前にスキップ、シャッフルモードのオン/オフ、リピートモードのオン/オフ、クロスフェードモードのオン/オフを行う。再生制御領域410は、別の選択可能なアイコンを含んでもよい。別の選択可能なアイコンは、イコライゼーション設定、再生ボリュームなど他の設定などを変更してもよい。
【0069】
再生ゾーン領域420は、メディア再生システム100内の再生ゾーンの表示を含んでもよい。ある実施形態では、再生ゾーンのグラフィック表示が選択可能であってもよい。追加の選択可能なアイコンを移動させることによって、メディア再生システム内の再生ゾーンを管理又は構成することができる。例えば、結合ゾーンの作成、ゾーングループの作成、ゾーングループの分割、およびゾーングループのリネームなど他の管理又は構成を行うことができる。
【0070】
例えば、図示されるように、「グループ」アイコンは、再生ゾーンのグラフィック表示のそれぞれに設けられてもよい。あるゾーンのグラフィック表示内の「グループ」アイコンは、メディア再生システム内の1つ又は複数のゾーンを選択して、あるゾーンとグループ化するオプションを出せるように選択可能であってもよい。一度グループ化すると、あるゾーンとグループ化されたゾーン内の再生装置は、あるゾーン内の再生装置と同期してオーディオコンテンツを再生するように構成される。同様に、「グループ」アイコンは、ゾーングループのグラフィック表示内に設けられてもよい。この場合、「グループ」アイコンは、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くために、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンを選択から外すというオプションを出すように選択可能であってもよい。ユーザインタフェース400等のユーザインタフェースを介してゾーンをグループ化およびグループ解除するための他の対話をすることも可能であるし、実施することも可能である。再生ゾーン領域420内の再生ゾーンの表示は、再生ゾーン又はゾーングループ構成が変更されると、動的に更新されてもよい。
【0071】
再生ステータス領域430は、現在再生されているオーディオコンテンツ、前に再生されたオーディオコンテンツ、又は選択された再生ゾーン又はゾーングループ内で次に再生するように予定されているオーディオコンテンツ、のグラフィック表示を含んでもよい。選択可能な再生ゾーン又は再生グループは、ユーザインタフェース上で、例えば、再生ゾーン領域420及び/又は再生ステータス領域430内で視覚的に区別されてもよい。グラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、アルバム名、アルバム年、トラックの長さ、およびメディア再生システムを、ユーザインタフェース400を介して制御するときに、ユーザにとって有益な他の関連情報を含んでもよい。
【0072】
再生キュー領域440は、選択された再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キュー内のオーディオコンテンツのグラフィック表示を含んでもよい。ある実施形態では、それぞれの再生ゾーン又はゾーングループは、再生ゾーン又は再生グループによって再生される0以上のオーディオアイテムに対応する情報を含む再生キューに関連付けられてもよい。例えば、再生キュー内のそれぞれのオーディオアイテムは、ユー・アール・アイ(URI)、ユー・アール・エル(URL)、又は再生ゾーン又はゾーングループ内の再生装置によって使用可能な他の識別子を含んでもよい。これらによって、ローカルオーディオコンテンツソース又はネットワークオーディオコンテンツソース、からオーディオアイテムを見つけ、及び/又は取り出し、再生装置によって再生することができる。
【0073】
ある例では、プレイリストが再生キューに追加されてもよい。この場合、プレイリスト内のそれぞれのオーディオアイテムに対応する情報が再生キューに追加されてもよい。別の例では、再生キュー内のオーディオアイテムは、プレイリストとして保存されてもよい。更に別の例では、再生装置がストリーミングオーディオコンテンツ、例えば、再生時間を有することで連続して再生されないオーディオアイテムよりも、停止しない限り連続して再生されるインターネットラジオを再生し続けているとき、再生キューは、空であってもよいし、又は「未使用」であるが埋められていてもよい。別の実施形態では、再生キューは、インターネットラジオ及び/又は他のストリーミングオーディオコンテンツアイテムを含むことができ、且つ再生ゾーン又はゾーングループがそれらのアイテムを再生しているとき「未使用」とすることができる。他の例も可能である。
【0074】
再生ゾーン又はゾーングループが「グループ化される」か、又は「グループ解除」されるとき、影響を受ける再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、クリアされてもよいし、又は再び関連付けられてもよい。例えば、第1再生キューを含む第1再生ゾーンが、第2再生キューを含む第2再生ゾーンとグループ化された場合、形成されたゾーングループは、関連付けられた再生キューを有してもよい。関連付けられた再生キューは、最初は空であるか、(例えば、第2再生ゾーンが第1再生ゾーンに追加された場合、)第1再生キューのオーディオアイテムを含むか、(例えば、第1再生ゾーンが第2再生ゾーンに追加された場合、)第2再生キューのオーディオアイテムを含むか、又は第1再生キューと第2再生キューとの両方のオーディオアイテムを組み合わせられる。その後、形成されたゾーングループがグループ解除された場合、グループ解除された第1再生ゾーンは、前の第1再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューに関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループに関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューに関連付けられてもよい。同様に、グループ解除された第2再生ゾーンは、前の第2再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューに関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループに関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューに関連付けられてもよい。
【0075】
図4のユーザインタフェース400に戻って、再生キュー領域440内のオーディオコンテンツのグラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、トラックの長さ、および再生キュー内のオーディオコンテンツに関連付けられた他の関連情報を含んでもよい。ある例では、オーディオコンテンツのグラフィック表示は、追加の選択可能なアイコンを選択して移動させることができる。これにより、再生キュー及び/又は再生キューに表示されたオーディオコンテンツを管理及び/又は編集することができる。例えば、表示されたオーディオコンテンツは、再生キューから取り除いてもよいし、再生キュー内の異なる位置に移動させてもよいし、すぐに再生させるか若しくは現在再生しているオーディオコンテンツの後に再生するように選択されてもよいし、あるいは他の動作を実行してもよい。再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生装置のメモリ、再生ゾーン又はゾーングループに入っていない再生装置のメモリ、及び/又は他の指定のデバイスのメモリに記憶されていてもよい。
【0076】
オーディオコンテンツソース領域450は、選択可能なオーディオコンテンツソースのグラフィック表示を含んでいてもよい。このオーディオコンテンツソースにおいては、オーディオコンテンツが選択された再生ゾーン又はゾーングループによって取り出され、再生されてもよい。オーディオコンテンツソースに関する説明は、以降のセクションを参照することができる。
【0077】
d.例示的なオーディオコンテンツソース
前回図示したように、ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生装置は、再生するオーディオコンテンツを、(例えば、オーディオコンテンツの対応するURI又はURLに基づいて、)複数の入手可能なオーディオコンテンツソースから取り出すように構成されてもよい。ある例では、オーディオコンテンツは、再生装置によって、対応するオーディオコンテンツソース(例えば、ライン-イン接続)から直接取り出されてもよい。別の例では、オーディオコンテンツは、1つ又は複数の他の再生装置若しくはネットワークデバイスを介してネットワーク上の再生装置に提供されてもよい。
【0078】
例示的なオーディオコンテンツソースは、メディア再生システム内の1つ又は複数の再生装置のメモリを含んでもよい。メディア再生システムとしては、例えば、
図1のメディア再生システム100、1つ又は複数のネットワークデバイス上のローカルミュージックライブラリ(例えば、制御デバイス、ネットワーク対応のパーソナルコンピュータ、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)、インターネット(例えば、クラウド)を介してオーディオコンテンツを提供するストリーミングオーディオサービス、あるいは再生装置又はネットワークデバイスのライン-イン入力接続を介してメディア再生システムに接続されるオーディオソース、他の可能なシステムであってもよい。
【0079】
ある実施形態では、オーディオコンテンツソースは、
図1のメディア再生システム100などのようなメディア再生システムに定期的に追加されてもよいし、定期的に取り除かれてもよい。ある例では、1つ又は複数のオーディオコンテンツソースが追加される、取り除かれる、又は更新される度に、オーディオアイテムのインデックス付けが行われてもよい。オーディオアイテムのインデックス付けは、ネットワーク上で共有される全てのフォルダ/ディレクトリ内の識別可能なオーディオアイテムをスキャンすることを含んでもよい。ここで、ネットワークは、メディア再生システム内の再生装置によってアクセス可能である。また、オーディオアイテムのインデックス付けは、メタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さなど)と他の関連情報とを含むオーディオコンテンツデータベースを作成すること、又は更新すること、を含んでもよい。他の関連情報とは、例えば、それぞれの識別可能なオーディオアイテムを見つけるためのURI又はURLを含んでもよい。オーディオコンテンツソースを管理し、且つ維持するための他の例も可能である。
【0080】
再生装置、コントローラデバイス、再生ゾーン構成、およびメディアコンテンツソースに関する上記論述は、以下に説明する機能および方法を実施することができる動作環境のいくつかの例を提供するだけである。本明細書に明示的に説明されていないメディア再生システム、再生装置、およびネットワークデバイスの他の動作環境および構成もまた、適用可能であり、機能および方法の実施に適している。
【0081】
e.複数のネットワークデバイスの例
図5は、音声制御に基づいてオーディオ再生体験を提供するように構成され得る例示的な複数のデバイス500を図示する。当業者であれば、
図5に図示されたデバイスは例示目的のみのためであり、異なるおよび/または追加の(又はより少ない)デバイスを含む変形が可能であり得ることを理解するであろう。図示されるように、ネットワークに繋がった複数のデバイス500は、コンピュータ504、506、および508と、ネットワークマイクロホンデバイス(NMD)512、514、および516と、再生装置(PBD)532、534、536、および538と、コントローラデバイス(CR)522とを含む。上述したように、NMD512-16、PBD532-38、及び/又はCR522の内の少なくとも一つ又は全てが、音声対応装置(VED)であっても良い。
【0082】
ネットワークに繋がった複数のデバイス500のそれぞれは、とりわけ、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、およびパーソナルエリアネットワーク(PAN)等の1つ又は複数のタイプのネットワークを介して、他の例の中でも、NFC、Bluetooth、イーサネット、およびIEEE802.11等の1つ又は複数のネットワークプロトコルに従って、複数のデバイス内の1つ又は複数の他のデバイスとの通信を確立することができるネットワーク対応デバイスであってもよい。
【0083】
図示されるように、コンピュータ504、506、および508は、クラウドネットワーク502の一部である。クラウドネットワーク502は、追加のコンピュータ(不図示)を含むことができる。一例では、コンピュータ504、506、および508は、異なるサーバであってもよい。別の例では、2つ以上のコンピュータ504、506、および508は、単一のサーバのモジュールであってもよい。同様に、コンピュータ504、506、および508のそれぞれは、1つ又は複数のモジュールまたはサーバを含むことができる。本明細書における例示を容易にする目的のために、コンピュータ504、506および508のそれぞれは、クラウドネットワーク502内の特定の機能を実行するように構成されてもよい。たとえば、コンピュータ508は、ストリーミング音楽サービスのオーディオコンテンツのソースであってもよい。
【0084】
図示されるように、コンピュータ504は、通信経路542を介してNMD512、514および516とインタフェースするように構成され得る。NMD512、514、および516は、1つ又は複数の「Smart Home」システムのコンポーネントでもよい。1つのケースでは、NMD512、514、および516は、
図1に図示されるデバイスの分散と同様に、家庭全体に物理的に分散されてもよい。別のケースでは、2つ以上のNMD512、514、および516が、互いに比較的近接して物理的に位置することができる。通信経路542は、とりわけ、インターネットを含むWAN、LAN、および/またはPAN等の1つ又は複数のタイプのネットワークを備えることができる。
【0085】
1つの例では、NMD512、514、および516のうちの1つ又は複数は、主にオーディオ検出用に構成されたデバイスである。別の例では、NMD512、514、および516のうちの1つ又は複数は、様々な主要なユーティリティを有するデバイスのコンポーネントであってよい。たとえば、
図2および
図3に関連して上記で示唆したように、NMD512、514および516のうちの1つ又は複数は、再生装置200のマイクロホン220またはネットワークデバイス300のマイクロホン310であってもよいし、それを含んでも良いし、その一部であっても良い。さらに、いくつかのケースでは、NMD512、514および/または516のうちの1つ又は複数は、再生装置200またはネットワークデバイス300であってもよい。例では、NMD512、514および/または516のうちの1つ又は複数は、マイクロホンアレイ内に配置された多数のマイクロホンを含むことができる。また、ある例では、NMD512、514および/または516のうちの1つ又は複数は、携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレット、他の端末器)に設けたマイクロフォンであってもよい。
【0086】
図示されるように、コンピュータ506は、通信経路544を介してCR522およびPBD532、534、536、および538とインタフェースするように構成されている。1つの例では、CR522は、
図2のネットワークデバイス200のようなネットワークデバイスであってよい。したがって、CR522は、
図4のコントローラインタフェース400を提供するように構成されてよい。同様に、PBD532、534、536、および538は、
図3の再生装置300のような再生装置であってもよい。このように、PBD532、534、536、および538は、
図1に図示されるように、家庭全体に物理的に分散されてもよい。例示の目的で、PBD536および538は、結合ゾーン530の一部であり、一方、PBD532および534は、それぞれの自身のゾーンの一部である。上記で説明したように、PBD532、534、536、および538は、動的に結合、グループ化、結合解除およびグループ解除することができる。通信経路544は、とりわけ、インターネットを含むWAN、LAN、および/またはPANのような1つまたは複数のタイプのネットワークを備えることができる。
【0087】
1つの例では、NMD512、514、および516と同様に、CR522およびPBD532、534、536、および538も、1つ又は複数の「Smart Home」システムのコンポーネントであってもよい。1つのケースでは、PBD532、534、536、および538は、NMD512、514、および516と同じ家庭全体に分散されてもよい。さらに、上記で示唆したように、PBD532、534、536、および538のうちの1つ又は複数は、NMD512、514、および516のうちの1つ又は複数であってもよい。例えば、NMD512-16、PBD532-38、及び/又はCR522の内の少なくとも一つ又は全てが、音声対応装置(VED)であっても良い。
【0088】
NMD512、514、および516は、ローカルエリアネットワークの一部であってもよく、通信経路542は、NMD512、514、および516のローカルエリアネットワークを、WAN(通信経路は図示せず)を介してコンピュータ504にリンクするアクセスポイントを含むことができる。同様に、各NMD512、514、および516は、そのようなアクセスポイントを介して互いに通信することができる。
【0089】
同様に、CR522およびPBD532、534、536、および538は、前のセクションで示唆したように、ローカルエリアネットワークおよび/またはローカル再生ネットワークの一部であってもよく、通信経路544は、CR522およびPBD532、534、536、および538のローカルエリアネットワークおよび/またはローカル再生ネットワークを、WANを介してコンピュータ506へリンクするアクセスポイントを含むことができる。このため、CR522およびPBD532、534、536、および538のそれぞれは、アクセスポイント等を介して互いに通信することもできる。
【0090】
1つの例では、通信経路542および544は、同一のアクセスポイントで構成される。1つの例では、NMD512、514、および516、CR522、ならびにPBD532、534、536、および538のそれぞれは、家庭用の同じアクセスポイントを介してクラウドネットワーク502にアクセスすることができる。
【0091】
図5に図示されるように、NMD512、514、および516、CR522、ならびにPBD532、534、536、および538のそれぞれは、通信手段546を介して他のデバイスの1つ又は複数と直接通信することもできる。本明細書で説明する通信手段546は、1つ又は複数のタイプのネットワークを介して、及び/又は、を含み、1つ又は複数のネットワークプロトコルに従って、デバイス間の1つ又は複数の形式の通信を含み、および/または、1つ又は複数の他のネットワークデバイスを介した通信を含むことができる。たとえば、通信手段546は、とりわけ、Bluetooth(商標)(IEEE802.15)、NFC、ワイヤレスダイレクト、および/または、プロプライエタリワイヤレスのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0092】
1つの例では、CR522は、Bluetooth(商標)を介してNMD512と通信し、別のローカルエリアネットワークを介してPBD534と通信することができる。別の例では、NMD514は、別のローカルエリアネットワークを介してCR522と通信し、Bluetoothを介してPBD536と通信することができる。さらなる例では、PBD532、534、536、および538のそれぞれは、ローカル再生ネットワークとは異なるローカルエリアネットワークを介してCR522とそれぞれ通信しながら、ローカル再生ネットワークを介してスパニングツリープロトコルに従って互いに通信することもできる。他の例も可能である。
【0093】
いくつかのケースでは、NMD512、514、および516、CR522、ならびにPBD532、534、536、および538の間の通信手段は、デバイス間の通信のタイプ、ネットワーク状態、および/または、レイテンシ要求に依存して異なる、又は変化することがある。たとえば、通信手段546は、NMD516が、PBD532、534、536、および538を有する家庭に最初に導入されるときに使用され得る。1つのケースでは、NMD516は、NMD516に対応する識別情報を、NFCを介してPBD538へ送信することができ、それに応答して、PBD538は、ローカルエリアネットワーク情報を、NFC(または他の形式の通信)を介して、NMD516へ送信することができる。しかしながら、一旦NMD516が家庭内で構成されると、NMD516とPBD538との間の通信手段は変更してもよい。たとえば、NMD516は、その後、通信経路542、クラウドネットワーク502、および通信経路544を介してPBD538と通信することができる。別の例では、NMDおよびPBDは、ローカル通信手段546を介して決して通信しない。さらなる例では、NMDおよびPBDは、主として、ローカル通信手段546を介して通信することができる。他の例も可能である。
【0094】
例示的な例では、NMD512、514、および516は、PBD532、534、536、および538を制御する音声入力を受信するように構成されてもよい。利用できる制御コマンドには、とりわけ、再生音量制御、再生トランスポート制御、音楽ソース選択、およびグループ化等のように、前に示唆した任意のメディア再生システム制御を含むことができる。1つの事例では、NMD512は、PBD532、534、536、および538のうちの1つ又は複数を制御する音声入力を受信することができる。音声入力の受信に応答して、NMD512は、音声入力を、通信経路542を介して、処理のために通信デバイス504へ送信することができる。1つの例では、コンピュータ504は、音声入力を等価のテキストコマンドへ変換し、テキストコマンドを解析してコマンドを識別することができる。その後、コンピュータ504は、テキストコマンドをコンピュータ506に送信することができる。別の例では、コンピュータ504は、音声入力を等価のテキストコマンドに変換し、次に、テキストコマンドをコンピュータ506に送信することができる。次に、コンピュータ506は、テキストコマンドを解析して、1つ又は複数の再生コマンドを識別することができ、更に、コンピュータ506は、PBD532-538の内の少なくとも一つを制御して、コマンドを実行させることができる。
【0095】
たとえば、テキストコマンドが「「ゾーン1」の「ストリーミングサービス1」から「アーティスト1」による「トラック1」を再生する」である場合、コンピュータ506は、(i)「ストリーミングサービス1」から利用できる「アーティスト1」による「トラック1」のURL、および(ii)「ゾーン1」における少なくとも1つの再生装置を識別することができる。この例では、「ストリーミングサービス1」からの「アーティスト1」による「トラック1」のURLは、コンピュータ508を指すURLであってよく、「ゾーン1」は結合ゾーン530であってよい。このように、URLと、PBD536および538のうちの一方または両方を識別すると、コンピュータ506は、識別されたURLを、再生のために、通信経路544を介して、PBD536および538のうちの一方または両方に送信することができる。PBD536および538のうちの一方または両方はそれぞれ、受信したURLに従って、コンピュータ508からオーディオコンテンツを検索し、「ストリーミングサービス1」からの「アーティスト1」による「トラック1」の再生を開始することができる。
【0096】
当業者であれば、上記は例示的な単なる1つの例であり、他の実施も可能であることを理解するであろう。1つのケースでは、上記で説明したように、複数のネットワークデバイス500のうちの1つ又は複数によって実行される動作は、複数のネットワークデバイス500における1つ又は複数の他のデバイスによって実行されてもよい。たとえば、音声入力からテキストコマンドへの変換は、CR522、NMD512、コンピュータ506、PBD536、および/または、PBD538のような別のデバイスによって代替的に、部分的にまたは完全に実行されてもよい。同様に、URLの識別は、代替的に、部分的にまたは完全に、NMD512、コンピュータ504、PBD536、および/または、PBD538のような別のデバイスによって実行されてよい。
【0097】
f.ネットワークマイクロホンデバイスの例
図6は、ここで述べたVEDのいずれかであるように、及び/又は、
図5のNMD512、514、および516のうちの1つ又は複数であるように構成され得る例示的なネットワークマイクロホンデバイス600の機能ブロック図を図示する。図示されるように、ネットワークマイクロホンデバイス600は、一つ又は複数のプロセッサ602、コンピュータ読み取り可能なメモリ604、マイクロホンアレイ606(例えば一つ又は複数のマイクロフォン)、ネットワークインタフェース608、ユーザインタフェース610、ソフトウェアコンポーネント612、およびスピーカー614を含む。当業者は、他のネットワークマイクロホンデバイスの構成および配置も可能であることを理解するであろう。たとえば、ネットワークマイクロホンデバイスは、代替的に、スピーカー614を除外してもよいし、マイクロホンアレイ606の代わりに単一のマイクロホンを有してもよい。
【0098】
一つ又は複数のプロセッサ602は、汎用または専用のプロセッサまたはコントローラの形態を採ることができる1つ又は複数のプロセッサおよび/またはコントローラを含むことができる。たとえば、一つ又は複数のプロセッサ602は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ等を含むことができる。メモリ604は、これら機能を実行するために一つ又は複数のプロセッサ602によって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つ又は複数をロードすることができるデータストレージであってもよい。したがって、メモリ604は、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むことができ、その例は、とりわけ、ランダムアクセスメモリ、レジスタ、キャッシュ等の揮発性記憶媒体と、読み出し専用メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、および/または、光学記憶デバイス等の不揮発性記憶媒体とを含む。
【0099】
マイクロホンアレイ606は、ネットワークマイクロホンデバイス600の環境内の音を検出するように配置された複数のマイクロホンであってもよい。マイクロホンアレイ606は、とりわけ、コンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、またはダイナミックマイクロホンのように、現在知られているかまたは後に開発される任意のタイプのマイクロホンを含むことができる。1つの例では、マイクロホンアレイは、ネットワークマイクロホンデバイスに対する1つ又は複数の方向からのオーディオを検出するように配置されてもよい。マイクロホンアレイ606は、周波数範囲の一部に敏感であってもよい。1つの例では、マイクロホンアレイ606の第1のサブセットは第1の周波数範囲に敏感である一方、マイクロホンアレイの第2のサブセットは第2の周波数範囲に敏感である。マイクロホンアレイ606は、オーディオソース(たとえば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉し、および/または、背景ノイズをフィルタリングする際に支援するようにさらに配置されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、マイクロホンアレイは、複数のマイクロホンではなく、単一のマイクロホンのみで構成されてもよい。
【0100】
ネットワークインタフェース608は、とりわけ、様々なネットワークデバイス、たとえば、
図5を参照すると、クラウドネットワーク502内のCR522、PBD532~538、コンピュータ504~508と、他のネットワークマイクロホンデバイスとの間の無線通信および/または有線通信を容易にするように構成することができる。このように、ネットワークインタフェース608は、これらの機能を実行するための任意の適切な形態を取ることができ、その例は、無線通信を容易にするように適合されたイーサネットインターフェース、シリアルバスインターフェース(たとえば、FireWire、USB2.0等)、チップセット、およびアンテナ、ならびに/または、有線通信および/もしくは無線通信を提供する他の任意のインタフェースを含むことができる。1つの例では、ネットワークインタフェース608は、業界規格(たとえば、赤外線、無線、IEEE802.3を含む有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4G移動通信規格を含む無線規格等)に基づくものであってもよい。
【0101】
ネットワークマイクロホンデバイス600のユーザインタフェース610は、ネットワークマイクロホンデバイスとのユーザインタラクションを容易にするように構成することができる。1つの例では、ユーザインタフェース608は、ユーザがネットワークマイクロホンデバイス600に入力を直接提供するために、とりわけ、物理的ボタン、タッチセンシティブスクリーンおよび/または表面に設けられたグラフィカルインターフェースのうちの1つ又は複数を含むことができる。ユーザインタフェース610は、視覚的フィードバックおよび/またはオーディオフィードバックをユーザに提供するために、ライトおよびスピーカー614のうちの1つ又は複数をさらに含むことができる。1つの例では、ネットワークマイクロホンデバイス600は、スピーカー614を介してオーディオコンテンツを再生するように構成することもできる。
III.システムおよび方法の例
【0102】
場合により、音声対応装置(VED)がシステム応答ボリュームを動的に算出および設定することが望ましい。状況によっては、音声再生システムは、一般的に環境に基づいて(例えば、初期設定に基づいて)システム応答ボリュームを設定し得る。本方法では、その後の部屋の音の変化を考慮しておらず、システムがシステム応答を発した時点でシステム応答が環境に対して大き過ぎるまたは小さ過ぎることがある。この起こり得る問題に対処するために、幾つかの例において、VEDは、システム応答を再生する時点で(あるいはシステム応答を再生する直前に)システム応答ボリュームを動的に算出および設定し得る。これは、部屋の音環境が変わり易い状況下では有益であり得る。例えば、ユーザは、電話を受けるために音響コンテンツを時折ミュートしながら大ボリュームでVEDを介して音響コンテンツを再生し得る。VEDは、システム応答を出力しながら(あるいはシステム応答を出力する直前に)システム応答ボリュームを算出および設定すべく環境を評価し得る。これにより、システムは、環境に対して適切なシステム応答ボリュームで、システム応答を出力することができる。
【0103】
更に、複数のネットワーク装置から成るシステムにおける一基以上の音声対応装置(VED)が、複数のネットワーク装置から成るシステムに対して、システム応答ボリュームを算出および設定することが望ましい。複数のネットワーク装置から成るシステムにおける一基以上のVEDは、(i)ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して局所的に、および/または(ii)クラウドサーバを介して遠隔的に、複数のネットワーク装置から成るシステムに対して、システム応答ボリュームを算出および設定し得る。例えば、システムにおける一基以上のVEDのうちの一基が、システム応答ボリュームを算出および設定し、システム応答ボリュームをシステム内の他のVEDにLANを介して送信し得る。もう一つの例では、システムにおける一基以上のVEDのうちの一が、システム応答ボリュームを算出および設定し、システム応答をクラウドサーバに送信し得る。この例では、システム内の他のVEDは、クラウドサーバからシステム応答ボリュームを取得し、それに応じてシステム応答ボリュームを設定し得る。別の実施形態例では、一基以上のVEDが、(複数のネットワーク装置から成るシステムが位置する部屋で測定された)周囲音のサンプルをクラウド計算システムに送信し、次に、クラウド計算システムが、複数のネットワーク装置から成るシステムに対して、システム応答ボリュームを設定し得る。かかる実施形態例では、クラウド計算システムは、複数のネットワーク装置から成るシステムにおける各VEDに対して、システム応答ボリュームを同一ボリュームレベルに設定し得るし、あるいはクラウド計算システムが、複数のネットワーク装置から成るシステムにおける個々のVEDに対して、システム応答ボリュームを二以上の異なるボリュームレベルに設定し得る。
【0104】
先に説明したように、音声対応装置(VED)は、再生装置(PBD)でも、ネットワークマイクロフォン装置(NMD)でも、映像再生装置(VPD)でも、あるいは一個以上のマイクロフォンおよび/またはスピーカを備えた任意の他のネットワーク装置でもよい。動作中、一個以上のスピーカを備えたVEDは、音響コンテンツ(例えば、映像に関係した音楽、音響トラック、発話コンテンツその他の音響コンテンツ)と、音声応答(または他のシステム応答)との両方を、一個以上のスピーカを介して、再生することができる。VEDは、更に、一個以上のスピーカを介して、他の一般的なシステム応答(例えば、目覚ましアラーム、タイマ通知、および/または鐘の音、ビーッという信号音、カチリという音その他の通知等のシステム通知)を再生し得る。
【0105】
先に説明したように、従来のネットワーク装置では、それらのシステム応答ボリュームを、(i)音響コンテンツのボリュームと同じになるように、(ii)固定ボリュームに、および/または(iii)ユーザによる手動入力設定に基づき、設定するものがある。
【0106】
しかしながら、多くの状況下で、VEDまたは他のネットワーク装置のシステム応答ボリュームは、部屋、設置位置、あるいはユーザにとって適切なボリュームではない。例えば、VEDまたは他のネットワーク装置が大きな部屋に位置する場合、ネットワーク装置に対して部屋の反対側に立っているユーザにアラームを発するにはシステム応答ボリュームの大きさが不十分なことがあり得る。別の例として、ユーザが難聴である場合、ユーザへのアラームにはシステム応答ボリュームの大きさが足りないこともある。更に別の例として、音響コンテンツが部屋で再生されていない場合、システム応答ボリュームが大き過ぎてユーザをびっくりさせることもあり得る。
【0107】
従って、VEDまたは他のネットワーク装置は、(i)部屋の大きさ、(ii)種々の音圧レベル(SPL)測定値、(iii)音響再生ボリューム、(iv)音響再生コンテンツのラウドネス、(v)システム内のネットワーク装置の数、(vi)システム内のネットワーク装置の構成、を含む要因に基づいてシステム応答ボリュームを設定することが望ましいが、要因は、上述したものに限定されない。
【0108】
図7は、実施形態例によるメディア再生システム700を示す。メディア再生システム700は、VED704、706、および708を含む。VED704は、マイクロフォン710とスピーカ712とを備える。VED706は、マイクロフォン714とスピーカ716とを備える。VED708は、マイクロフォン718とスピーカ720とを備える。VED704、706、および708は、動作中、音響コンテンツを再生し、聴取領域702にシステム応答を出力するように構成されている。
【0109】
VED704、706、および708のそれぞれは、ネットワークマイクロフォン装置(NMD)、音響再生装置(PBD)、映像再生装置(VPD)、あるいは一個以上のマイクロフォンと一個以上のスピーカとを備える任意の他のネットワーク装置、のうちのいずれかであり得る。VED704、706、および708は、互いに独立して動作し得るし、ステレオ装置対として動作するようにグループ分けされ得るし、更に/あるいは互いに同調して音楽または他の音響コンテンツを再生するようにグループ分けされ得る。
【0110】
VED704、706、および708は、動作中、それらのマイクロフォンを介してユーザから音声コマンドを受け取り、それらのスピーカを介して音響コンテンツとシステム応答とを出力するように構成されている。幾つかの代替的実施形態(不図示)では、VED704、706、および708のうちの一基以上がマイクロフォンとスピーカとの両方を含んでもよく、VED704、706、および708のうちの一基以上がマイクロフォンを含むがスピーカを含まなくてもよく、VED704、706、および708のうちの一基以上がスピーカを含むがマイクロフォンを含まなくてもよい。
【0111】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および708は、
図5に関して説明した如くNMD512、514、516および/またはPBD532、534、536、538が相互に作用し合うように動作するのと同様に、相互に作用し合うよう動作すべく構成され得る。
a.
システム応答ボリュームの算出例
【0112】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のそれぞれまたは全てが、システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じてシステム応答ボリューム(SRV)を算出および設定し得る。具体的には、VED704、706、および708は、(i)互いに独立にそれ自身のSRVを算出および設定し、且つ/あるいは(ii)VED704、706、および708の全体に対して一のSRVを算出および設定し得る。代わりに、VED704、706、および708のうちの一がシステム応答を提供すべく指定され、指定されたVED(あるいは恐らくは別のVEDまたは他の計算システム)が当該指定されたVEDに対するSRVを算出および設定し得る。
【0113】
一例において、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、次に、メディア再生システム700に対してシステム応答ボリュームを算出および設定し得る。VED704は、(i)システム応答の出力に先立ち、(ii)新たなSPL演算に応じて、(iii)新たなシステム構成に応じて、(iv)新たな音響ボリューム設定値に応じて、および/または(v)SRVの手動構成に応じて、所望のシステム応答ボリュームを算出し得る。
【0114】
本明細書に記載された各実施形態において、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定して新たなシステム応答ボリュームを算出するネットワーク装置として使用される。動作中、VED704、706、および708のうちのいずれも(個別にあるいは一基以上の他の接続されたネットワーク装置と組み合わされて)、(i)システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、且つ(ii)個々のVEDに対しておよび/または音響再生システム全体に対してシステム応答ボリュームを算出および設定し得る。VED704は、要件が存在するかどうかを判定し且つその判定に応じて新たなシステム応答ボリュームを算出する機能を説明するための装置例として使用されているに過ぎない。更に、VED704、706、および708のうちの二以上が、協働して、あるいは相互連係して、あるいは一斉に動作して、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定し、新たなシステム応答ボリュームを算出および/または設定するモデルでは、VED704、706、および708は、(i)システム応答を出力するための要件が存在するという判定、(ii)システム応答を出力するための要件が存在するかどうかについての判定をするためのデータ、(iii)算出されたシステム応答ボリュームの設定、(iv)システム応答ボリュームを算出するためのデータ、および/または(v)システム応答ボリュームを設定するためのコマンド、のうちのいずれか一つ以上に基づいて、無線および/または有線ネットワーク機能を介して、互いに通信するように構成することができる。
【0115】
幾つかの実施形態において、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、次に、システム応答ボリュームを算出した後にシステム応答を出力する。幾つかの実施形態において、システム応答を出力するための要件が存在するという判定の後、VED704は、マイクロフォン710を使用してVED704の周囲領域の音を記録する。VED704は、次に、記録された音を処理してVED704の周囲領域の音のSPLを決定する。
【0116】
システム応答を出力するための要件は、VED704、706および/または708のうちの一基以上が(i)アラームを作動させる、(ii)通知を発行する、および/または(iii)ユーザから受け取った音声コマンドに応答する、ための要件を含み得る。
【0117】
例えば、幾つかの実施形態において、ユーザがVED704の領域で音声コマンドを発話すると、VED704は、(i)システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、次に、(ii)適切なシステム応答ボリュームを算出した後にその応答を出力する。この例では、ユーザが、静かな部屋で、メディア再生システム700から音声応答(あるいは他のシステム応答)を要求するコマンドを発話した場合、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、部屋のSPLを算出し、次に、SPL算出結果に基づいてシステム応答ボリュームを設定する。部屋が静かなので、SPL算出結果に基づいてシステム応答ボリュームを設定することが、システム応答ボリュームをその従前のボリュームレベルから減少させることを含み得る。
【0118】
動作中、VED704、706、および708のそれぞれのマイクロフォン710、714、および/または718のうちのいずれか一基以上から取得した音測定値に基づいて、SPLの算出を行い得る。VED704、706、および708は、(i)構成内の他のVEDから種々の音測定値および/または算出結果即ちSPL算出結果を受け取り、且つ(ii)構成内の他のVEDにシステム応答ボリューム設定値を送信する、ように構成される。例えば、VED704は、VED706のマイクロフォン714およびVED708のマイクロフォン718から種々の音測定値を受け取り得る。VED704は、これらの測定値を用いて聴取領域702のSPLを算出し、算出されたSPLに基づいて適切なシステム応答ボリュームを設定し得る。VED704は、次に、適切なシステム応答ボリュームをVED706、708にネットワークインタフェースを介して(例えば、LAN経由でおよび/またはクラウドサーバを介して)送り得る。もう一つの例では、VED704、706、および/または708の全てが、互いに独立にSPLを算出し得る。この例では、VED704は、VED706、708からSPL算出結果を受け取り、SPL算出結果を用いてシステム応答ボリュームを設定し得る。次に、VED704は、システム応答ボリュームをVED706、708にネットワークインタフェースを介して送り、VED706、708により実行し得る。
【0119】
別の例では、ユーザが、メディア再生システム700に音声応答(または他のシステム応答)を要求するコマンドを騒がしい部屋で発話すると、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、部屋のSPLを算出した後に、SPL算出結果に基づいてシステム応答ボリュームを設定する。上述したように、VED704、706、および708のそれぞれのマイクロフォン710、714、および/または718のうちのいずれか一基以上から取得した音測定値に基づいて、SPLの算出を行い得る。部屋が騒々しいので、SPL算出結果に基づいてシステム応答ボリュームを設定することが、システム応答ボリュームをその従前のボリュームレベルから増加させることを含み得る。
【0120】
幾つかの実施形態において、システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じてシステム応答ボリュームを上げ下げする量は、ユーザの聴覚特性に依存し得る。聴覚特性は、(i)一つ以上のユーザアカウント設定値、(ii)ユーザの手動入力、に基づき得る。ユーザアカウント設定値は、ユーザの聴覚能力(即ち、正常聴覚あるいは聴覚障害(および恐らくは聴覚障害の程度)に関する設定値を含み得る。従って、聴覚障害を有するユーザの場合、幾つかの実施形態におけるVED704は、聴覚障害を有しないユーザに対する増加および/または減少の量と比較して、騒々しい環境下ではシステムボリュームをより多く増加させ、且つ/また、静かな環境下ではシステムボリュームをより少なく減少させる。例えば、聴覚障害を有するユーザの場合、VED704は、聴覚障害を有しないユーザに対して設定するシステム応答ボリュームレベルより+3デシベル(dB)高いレベルに、システム応答ボリュームを設定し得る。
【0121】
幾つかの実施形態において、SPL算出結果に基づいてシステム応答ボリュームを設定して次に設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力するステップは、一基以上のVEDをミュート解除することを含む。例えば、音声応答(または他のシステム応答)を出力するための要件が存在することをVED704が判定したときに全てのVED704、706、および708がミュートされている場合、システム応答ボリュームを設定するステップは、(i)VED704、706、および708のうちの一基以上をミュート解除してシステム応答ボリュームを設定し、(ii)設定されたシステム応答ボリュームで音声応答(または他のシステム応答)を出力する、ことを含む。幾つかの実施形態において、付加的に、予めミュート解除されたVEDを再ミュートすることを含む。更に別の実施形態では、音響コンテンツの再生をミュートすることと音声応答を再生することとを区別してもよく、それにより、VEDは、音響再生がミュートされているときでも一個以上のスピーカから音声応答を再生することができる。
【0122】
状況によっては、システム応答ボリュームは、VED704がメディアコンテンツを再生しているときのVED704の音響再生ボリュームに基づいて、設定される。この結果、ユーザがVED704の音響再生ボリュームをミュートした後にVED704がシステム応答を出力するならば、システム応答ボリュームは依然としてVED704がメディアコンテンツを再生していたときのVED704の音響再生ボリュームに基づいているので、問題が生じる。この問題を克服するために、幾つかの実施形態において、VED704がミュート状態にあるときにシステム応答ボリュームを所定の閾値に制限するVED704を含む。閾値は、メディア再生システム700の配置および構成に依存して、1乃至10の範囲(他の範囲も使用可)の値であり得る。例えば、ユーザは、VED704を介して、8の音響再生ボリュームでメディアコンテンツを聴取し得る。ユーザがVED704の音響再生ボリュームをミュートした場合、VEDは、システム応答ボリュームを、適切な閾値(即ち、8未満の任意の値)に限定し得る。このようにしてVED704がシステム応答を出力した場合、システム応答ボリュームは妥当であり、ユーザを驚かす可能性も低くなる。
【0123】
幾つかの実施形態において、システム応答ボリュームは、VED704がメディアコンテンツを再生しているときの音響再生コンテンツのラウドネスに基づいて、設定される。これは、VED704がVED704により再生された音響コンテンツのボリュームに対してシステム応答ボリュームを設定することができるので、有益であり得る。例えば、ユーザは、VED704を通して、より長い一時的休止を伴う散発的な音の炸裂を特徴とするメディアコンテンツを再生していてもよい。VED704は、マイクロフォン710を介して音響再生コンテンツのラウドネスを監視することにより、VED704がシステム応答を出力するときの最新のラウドネス測定値を取得し得る。次に、VED704は、音響再生コンテンツのラウドネスに基づいて適切なシステム応答ボリュームを設定する。音響コンテンツのボリュームに基づいた出力ボリュームの設定に関する更なる議論としては、出典を明記することによりその内容を本願明細書の一部とする米国特許出願第62/298,439号公報、段落100乃至103を参照されたい。
【0124】
幾つかの実施形態において、VED704(1乃至10の目盛で)は、システム応答を出力する前に、瞬間SPL測定値に加えて音響再生コンテンツのラウドネスに基づいたシステム応答ボリュームを設定し得る。例えば、VED704は、マイクロフォン710を介して音響再生コンテンツのラウドネスを監視してもよく、更に、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定した後に、瞬間SPL測定値を取得し得る。次に、VED704は、音響再生コンテンツのラウドネスと瞬間SPL測定値とに基づいた適切な値に、システム応答ボリュームを設定し得る。これは、VED704が、聴取領域702内の他の音源および/またはノイズ源に加えて、VED704により再生された音響のラウドネスを考慮することができるので、有益であり得る。
【0125】
また、幾つかの実施形態において、システム応答を出力する直前にSPLを算出するというよりはむしろ、メディア再生システム700内の一基以上のVEDは、代わりに、聴取領域702のSPLを周期的に(あるいは恐らくは半周期的にまたは他の何らかの予定された基準で)算出するように構成されてもよく、その場合、聴取領域702の新たなSPLの算出に応じて、算出されたSPLに少なくとも部分的に基づいたシステム応答ボリュームを設定し得る。幾つかの実施形態において、VEDのうちの一基以上は、(i)周期的にあるいは半周期的にあるいは他の何らかの予定された基準でSPLを算出した後、算出されたSPLに少なくとも部分的に基づいたシステム応答ボリュームを設定し、且つ(ii)音声応答(または他のなんらかのシステム応答)をVEDが出力すべきとの判定に応じてSPLを算出した後、算出されたSPLに少なくとも部分的に基づいたシステム応答ボリュームを設定する、ように構成され得る。
【0126】
VED704、706、および/または708がそれぞれのスピーカを介して大ボリュームの且つ/または散発的な音響コンテンツを再生しているモデルでは、SPLを評価するためにVED704、706、および/または708のうちの一つ以上により取得された瞬間SPL測定値が聴取領域702の平均SPLを正確に反映していないこともある。例えば、いつになく大ボリュームの歌の期間中にVED704がSPL測定を行った場合、当該大ボリューム期間中に取得されたSPLは、VED704に、聴取領域702にしては大き過ぎるシステム応答ボリュームを設定させることがある。幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、(i)SPL測定を行いながら、音響コンテンツを再生しているVED(VED群)の音響再生ボリュームを下げる、および/または(ii)音響再生の一時的休止の間にあるいは歌の変わり目の間にSPL測定値を取得する、ことによりこの問題に対処し得る。これにより、VED704、706、および/または708は、もしそうでなければ音響再生ボリュームによりかき消される可能性がある聴取領域702内の他の音源に、より良くアクセスすることができる。
【0127】
しかしながら、幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、音響再生ボリュームに従ってシステム応答ボリュームを提供すべくシステム応答ボリュームを設定する際に、音響再生ボリュームを変更せずに(例えば、下げずに)使用し得る。
【0128】
他のモデルでは、VED704、706、および708のすべてが、再びシステム応答ボリュームの設定をSPL測定値に基づいて複雑化しつつ、音響コンテンツを再生していることがある。VED704、706、および/または708のうちの一基以上が、VED704、706、および/または708のうちの一基以上の音響再生ボリュームを適切なボリュームに下げて、SPL測定値を取得することにより、この問題に対処し得る。ボリュームを下げるべく選定される特定のVEDは、メディア再生システム700におけるVED704、706、および/または708の構成に依存し得る。
【0129】
例えば、VED704、706、および708は、
図7に示したような聴取領域702内で互いに同期して音響コンテンツを再生し得る。この例では、VED704がSPL測定を行う必要がある場合、VED704は、VED704とVED706とが近接している故に、VED706の音響再生ボリュームを下げ得る。VED708はVED706ほどにはVED704に近接しておらず、VED708の音響再生ボリュームはVED706の音響再生ボリュームと同程度にはVED704により行われるSPL測定に影響し得ないので、VED704がVED708の音響再生ボリュームを下げる必要はない可能性がある。
【0130】
しかしながら、モデルによっては、VED704、706、および708のうちの一基以上が音響コンテンツを再生しながら、VED704、706、および/または708がSPL測定値を取得する方が有利であり得る。例えば、VED704の音響再生ボリュームがSPL測定を妨げないならば、VEDは、自身のおよび/または他のVEDの音響再生ボリュームを変えることなくSPL測定を行い得る。もう一つの例では、大ボリュームと小ボリュームのパッセージが交互に出現することがあまり多くない音響コンテンツをVED704が再生している場合、SPL測定が最大ボリュームで再生されている音響コンテンツを含むので、VED704は、SPL測定値を取得する前にボリュームを下げないことによって、SPL測定を行う前に音響再生ボリュームを下げた場合より容易に、領域702のSPLを評価し得る可能性がある。
【0131】
幾つかの実施形態において、VED704は、ユーザの音声コマンドのボリュームの信号対ノイズ比と聴取領域702内の周囲音の測定値とに基づいて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。これらの実施形態では、VED704は、システム応答を出力する前に、聴取領域702内の周囲音を測定する。次に、VED704は、ユーザの音声コマンド(例えば、VED704にアクションを行うように求めるコマンド)のボリュームを測定する。これらの測定の実行に応じて、VED704は、周囲音の測定値に対するユーザ音声のボリュームの信号対ノイズ比を算出し、当該比を、適切なシステム応答ボリュームの設定に使用する。一例において、ユーザ音声のボリュームが聴取領域702内の周囲ノイズと比較して高い場合には、周囲ノイズはシステム応答にほとんど影響を及ぼさないので、VED704は、システム応答ボリュームをより低い値に設定し得る。別の例において、ユーザ音声のボリュームが周囲ノイズと比較して低い場合には、VED704は、高レベルの周囲ノイズを補償するために、システム応答ボリュームをより高い値に設定し得る。更に別の例では、ユーザ音声のボリュームが周囲ノイズと略同じボリュームである場合、VEDは、ユーザが応答を周囲ノイズから識別し得るように、システム応答ボリュームを周囲ノイズより高い値に設定し得る。
【0132】
更に、VED704は、ユーザが音声コマンドを発する距離に加えて、聴取領域702内の周囲音に対するユーザの音声コマンドの信号対ノイズ比に基づいて、新たなシステム応答ボリュームを算出し得る。ユーザの位置により、VED704に、システム応答ボリュームを上下させてもよい。一例において、ユーザがVED704から短い距離で音声コマンドを発し且つユーザ音声のボリュームが周囲ノイズと比較して低い場合には、VED704は、周囲ノイズよりは高いがユーザがVED704からより遠い距離に位置する場合ほどには高くないシステム応答ボリュームを設定し得る。もう一つの例では、VED704から遠い距離で音声コマンドを発し且つユーザ音声のボリュームが周囲ノイズと比較して高い場合には、VED704は、ユーザの音声よりは低いがユーザがVED704により近い距離で音声コマンドを発する場合ほどには低くないシステム応答ボリュームを設定し得る。
【0133】
状況によっては、ユーザが音声コマンドを発した後に、しかしVED704がシステム応答を出力する前に、周囲ノイズレベルが変わる可能性がある。この潜在的問題を克服するために、幾つかの実施形態において、VED704は、聴取領域702内の周囲音に対するユーザの音声コマンドの信号対ノイズ比を用いて算出されたシステム応答を、瞬間SPL値を使って修正し得る。例えば、VED704は、前述した、聴取領域702内の周囲音に対するユーザの音声コマンドの信号対ノイズ比に基づいて、新たなシステム応答を算出し得る。次に、システム応答を出力する直前に、VED704は、瞬間SPL測定値を取得し得る。システム応答ボリュームを算出以後に周囲ノイズが変化したということを瞬間SPL測定値が示す場合、VED704は、瞬間SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを調節し得る。
【0134】
幾つかの実施形態において、VED704は、新たなシステム構成に応じて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。新たなシステム構成は、ユーザが、(i)メディア再生システム700に対してVEDまたは他のネットワーク装置を追加および/または除去する、(ii)聴取領域702内の一基以上のVEDまたは他のネットワーク装置の再位置決めに応じて診断または較正を行う、ときに生じ得る。
【0135】
例えば、メディア再生システム700がVED704、706のみを含み、ユーザがVED708をメディア再生システム700の構成に追加した場合、幾つかの実施形態において、VED704は、構成の変化(例えば、メディア再生システム700にVED708を追加すること)に応じて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。
【0136】
別の例では、ユーザは、音響再生システム700に対して、Sonos Trueplay(商標)較正手順または他の自動較正手順に従ってVED704、706、および/または708のうちの一基以上をチューニングする等、診断および/または較正手順を行い得る。幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708のうちの一基以上が、診断および/または較正手順の完了に応じて、あるいは少なくとも診断および/または較正手順の完了後に、新たなSPLの算出を行い、且つ/あるいは新たなシステム応答ボリュームを設定する。
【0137】
幾つかの実施形態において、VED704は、新たなシステム構成に応じて、且つ、システム応答を出力する直前に、新たなシステム応答を算出する。これは、VED704が最新のシステム応答ボリュームを算出することを可能とするので、有利であり得る。例えば、メディア再生システム700がVED704、706のみを含んでおり、ユーザがVED708をメディア再生システム700の構成に付加した場合、VED704は、構成の変化(即ち、メディア再生システム700にVED708を付加すること)に応じて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。次に、VED704は、システム応答を出力するための要件が存在することを判定し、当該判定に応じて新たなシステム応答ボリュームを算出し得る。
【0138】
幾つかの実施形態において、VED704は、新たな音響再生ボリューム設定の受信に応じて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。新たな音響ボリューム設定は、ユーザが、ボリュームを、(i)上げる、(ii)下げる、または(iii)ミュートする、場合を含み得る。例えば、ユーザが音響ボリュームを上げたときには、VED704は、ユーザが上げたボリュームの量に基づいて、より高いシステム応答ボリュームを算出し設定する。同様に、ユーザが音響再生ボリュームを下げたときには、VED704は、ユーザが下げた音響再生ボリュームの量に基づいて、より低いシステム応答ボリュームを算出し設定する。幾つかの実施形態において、VED704は、新たなSPL測定を行うことなく、上げ下げされた音響再生ボリュームの量に基づいて、システム応答ボリュームを上げ下げし得る。他の実施形態では、音響再生ボリュームを上げ下げすることにより、VED704に、新たなSPL測定を行わせ、少なくとも部分的に新たなSPL測定に基づいてシステム応答ボリュームを設定させ得る。更に、ユーザが音響再生ボリュームをミュートしたときは、VED704は、デフォルトのシステム応答ボリュームに基づいて、システム応答ボリュームを算出し設定する。幾つかの実施形態において、デフォルトのシステム応答ボリュームは、新たなあるいは以前のSPL算出結果に基づき得る。
【0139】
幾つかの実施形態において、VED704は、ユーザがVED704に対してシステム応答ボリュームを特定的に調節するのに応じて、新たなシステム応答ボリュームを算出する。動作中、ユーザは、(i)VED704上に位置する物理的機構(例えば、つまみ、ボタン、スライダ、またはその他の操縦器)、および/または(ii)ユーザから受領したシステム応答ボリューム制御設定コマンドに応じてVED704にシステム応答ボリュームを設定させる制御/指示信号をVED704に送信するように構成された、(例えば、RF、IR、またはその他の無線方法を介した)無線接続制御装置、を介して、システム応答ボリュームを調節し得る。
【0140】
例えば、ユーザは、ユーザがVED704から特定の通知を聞くことに興味がある故に、より高いシステム応答ボリュームを望み得る。一モデルでは、ユーザは、重要なアクション(即ち、服薬すること、ストーブを消すこと、等)をユーザが完遂すべきだということを示すアラームを聞くために、システム応答ボリュームを上げ得る。
【0141】
別の例では、ユーザは、鋭敏な聴力を有する客の故に、あるいは健康状態に応じて、より低いシステム応答ボリュームを望み得る。一モデルでは、偏頭痛に苦しみユーザを含み得る。このモデルでは、ユーザの偏頭痛症状がいっそう悪化するのを避けるために、システム応答ボリュームを下げることが有利である。
【0142】
幾つかの実施形態において、VED704は、イベントの契機に応じて、予め決定されたシステム応答ボリュームに少なくとも部分的に基づいて、新たなシステム応答ボリュームを設定する。契機となるイベントは、ユーザが、(i)VED704、706、および/または708のうちの一基以上の音響再生ボリュームを変えること、(ii)VED704、706、および/または708のうちの一基以上を独立型の音響再生装置として動作するように、あるいはその他のVEDのうちの一基以上とグループを成して動作するように構成すること、(iii)聴取領域702(または恐らくは一部の他の領域)内の動きを検出すること、(iv)聴取領域702(または恐らくは一部の他の領域)内の光の変化を検出すること、および/または(v)時刻または構成された時間枠、を含み得る。
【0143】
例えば、夜間または早朝に適したシステム応答ボリュームをVED704が予め決定した場合、VED704は、(システム時計に基づいて)夜間または早朝であるということを判定した時点で、当該予め決定されたシステム応答ボリュームに従って、システム応答ボリュームを設定し得る。
【0144】
別の例では、ユーザが彼または彼女の寝室用夜間ライトを消灯したときに適したシステム応答ボリュームをVED704が予め決定した場合、VED704は、(i)システム時計に基づいて)夜間である、および、(ii)(ライトセンサ、ライトセンサからのメッセージ、および/または照明制御システムからのメッセージ、に基づいて)ライトが聴取領域702内でオフである、ことの両方を判定した時点で、当該予め決定されたシステム応答ボリュームに従って、システム応答ボリュームを設定し得る。
【0145】
更に別の例では、VED群の一定の構成(例えば、ステレオ対になったVED704、706)に適したシステム応答ボリュームをVED704が予め決定した場合、VED704は、VED704、706がステレオ対として構成されている、あるいは恐らくはステレオ対として動作するようにVED704とVED706とを構成するステップとして構成されている、ということを判定した時点で、当該予め決定されたシステム応答ボリュームに従って、システム応答ボリュームを設定し得る。
【0146】
更に別の例では、子供たちが学校から帰宅する午後に適したシステム応答ボリュームをVED704が予め決定した場合、VED704は、(i)午後3時乃至午後6時の間である、(ii)(モーションセンサまたはモーションセンサからのメッセージに基づいて)聴取領域702内に子供たちの存在を示唆する動きがある、ことを判定した時点で、当該予め決定されたシステム応答ボリュームに従って、システム応答ボリュームを設定し得る。
【0147】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のうちの二以上が、あるシステム応答ボリュームで、システム応答を出力するように構成される。これらの実施形態では、システム応答ボリュームは、システム応答を出力するネットワーク装置の数に、少なくとも部分的に基づき得る。動作中、システム応答を出力すべく構成されたVED毎のシステム応答ボリュームは、複数のVEDにより再生されるシステム応答の総量が所望のシステム応答ボリュームとなるようなレベルに、設定され得る。例えば、所望のシステム応答ボリュームをXdBとすると、(i)単一のVEDを介してシステム応答を出力すべく構成されたシステムの場合、当該単一のVEDのシステム応答ボリュームは、XdBに設定され、(ii)二基のVEDを介してシステム応答ボリュームを出力すべく構成されたシステムの場合、各VEDのシステム応答ボリュームは、X-3dBに、あるいは恐らくは複数のVEDがシステム応答を出力するという事実を勘案すべくその他のオフセット係数に、設定され得る。
【0148】
また、あるいは更に、幾つかの実施形態において、システム応答ボリュームを、メディア再生システム700の構成に少なくとも部分的に、基づかせてもよい。これらの実施形態では、VED704、706、および/または708は、異なる類型の再生装置(例えば、スピーカ、またはサブウーハ)として、あるいは互いに同期して(結合されたステレオ対)、動作していてもよい。例えば、VED708がサブウーハとして動作している一方で、VED704、706は、結合されたステレオ対として動作していてもよい。この構成では、VED704、706は、システム応答を出力する複数のスピーカ710および714を有する結合されたステレオ対であることに鑑みて、それらのシステム応答ボリュームを、VED708より低く設定し得る。VED704、706がそれらのシステム応答ボリュームを下げる量は、メディア再生システム700の異なる構成に対する等ラウドネスシステム応答ボリュームの変更を含む参照テーブルに対応し得る(例えば、ステレオ対構成の場合にはシステム応答ボリュームを-2dB下げ、5.1ホームシアタ構成の場合には-4dB下げる)。
【0149】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のそれぞれ(あるいはいずれか)が、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定し、システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じて、(i)メディア再生システム700に接続されたネットワーク装置の数、(ii)メディア再生システム700のVED群の一基以上(または全て)からのSPL測定値、および/または(iii)メディア再生システムの各VEDの類型、を含むがそれらに限定されない一つ以上の要因に基づいて、新たなシステム応答ボリュームを決定する。
【0150】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のそれぞれが、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定し、当該判定に応じて、メディア再生システム700内のVEDの数に少なくとも部分的に基づいて、VED704、706、および/または708のうちの一基以上に対して(個別に、あるいはグループとして)、新たなシステム応答ボリュームを決定および/または設定する。これらの実施形態では、VED704、706、および708のそれぞれが個々のシステム応答ボリュームを算出した後、各VEDは、二以上のネットワーク装置が接続されているという判定に応じて、それの算出したシステム応答ボリュームを、メディア再生システム700内の他のVEDを考慮するように修正する。各VEDは、メディア再生システム700内の他のVEDを考慮すべくそれ自身のシステム応答ボリュームを修正する(例えば、減少させる)ので、メディア再生システム700内のVEDの集合体は、所望したものより高いボリュームでシステム応答を再生するのを回避する。例えば、VED704が(単独で、あるいはVED706、VED708および/または恐らくは他の計算装置(図示せず)と共同して)メディア再生システムのVED704、706、および708の集合体のシステム応答ボリュームを(例えば、1乃至10の目盛で)5に決定した場合、全てのVEDがそれのシステム応答ボリュームを5に設定するならば、VED704、706、および708の全てによって再生されるシステム応答の有効ボリュームは、5より大きくなり得る。しかしながら、各VEDが、システム応答を再生している他の二基のVEDを有するメディア再生システム700に基づいて、それのシステム応答ボリュームを5から例えば3.5に減少させた場合、VED704、706、および705の全てにより再生されるシステム応答の有効ボリュームは、各VEDがそれのシステム応答ボリュームを例えば3.5に設定したと仮定すると、約5になり得る。
【0151】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のそれぞれが、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定し、当該判定に応じて、VED704、706、および/または708のうちの一基以上からの一つ以上のSPL測定値に、あるいは恐らくはVED704、706、および708の集合体からの総合SPL測定値に、少なくとも部分的に基づいて、VED704、706、および/または708のうちの一基以上に対して(個別に、あるいはグループとして)、新たなシステム応答ボリュームを決定および/または設定する。例えば、VED704、706、および708のそれぞれは、個別のSPL測定を行い得る。グループコーディネイタ(即ち、VED704、706、および708のうちの一基)は、個別のSPL測定値を解析して、聴取領域702の総合SPL測定値を決定する。次に、グループコーディネイタ(例えば、VED704)は、総合SPL測定値に基づいて、新たなシステム応答ボリュームを決定し、総合SPL測定値に基づいて決定されたシステム応答ボリュームを用いてそれ自体を構成し、更に、(i)総合SPL測定値に基づいて決定されたシステム応答ボリュームに対してその他のVED(例えば、VED706、708)を構成する、もしくは(ii)決定されたシステム応答ボリュームをその他のVED(例えば、VED706、708)に送って、その他のVEDが当該決定されたシステム応答ボリュームに対してそれら自体を構成し得るようにする。
【0152】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、VED704、706、および708のそれぞれが、システム応答を出力するための要件が存在するかどうかを判定し、当該判定に応じて、メディア再生システム700のVED群の(各)類型に少なくとも部分的に基づいて、新たなシステム応答ボリュームを決定および/または設定する。VEDによっては、動作中、その他のVEDより多いあるいは少ないスピーカを、および/または異なる構成のスピーカを、有し得る。例えば、VED704、706は、フルレンジの音を出力するように構成された小中サイズのスピーカ(例えば、直径約2乃至8インチ)を2乃至4個有してもよいし、一方、VED708は、低周波音を出力するように構成された大スピーカ(例えば、直径8乃至12インチ)を1、2個有してもよい。この構成例では、異なるVED間のスピーカの類型と構成の違いを考慮すると、VED704、706に対するシステム応答ボリュームの設定値は、VED708に対するシステム応答ボリュームの設定値とは異なり得る。
【0153】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、異なるシステム応答ボリュームを算出し得る。これは、各VEDが別々の部屋またはSPL測定値が異なる同じ部屋の異なる領域に位置する場合に、生じ得る。一例は、ユーザがVED704、706、および708のうちの一基以上と近接して会話をしている場合であり得る。これらの実施形態では、グループコーディネイタ(即ち、システム応答ボリュームの各算出結果の編集を課せられたVED704、706、または708のうちの一基)が、メディア再生システム700の他のVEDと通信してそれぞれのシステムボリュームの決定値を受け取り、平均または重み付けされたマスタシステム応答ボリュームを算出し、更に、VEDの集合体がシステム応答を再生するときにVEDの集合体の有効システム応答ボリュームが前記決定されたマスタシステム応答ボリュームとなるように、ネットワーク装置に、それらのシステム応答ボリュームをマスタシステム応答ボリュームにあるいは恐らくは個々のシステム応答ボリューム設定値に設定すべく指示してもよい。例えば、グループコーディネイタ(例えば、VED704)が、マスタシステム応答ボリュームを(1乃至10の目盛で)5と決定した場合、グループコーディネイタは、自身のシステム応答ボリュームを4に設定し、VED706のシステム応答ボリュームを4に設定し、VED708のシステム応答ボリュームを2に設定することにより、VED704、706、および708の集合体がシステム応答を再生するときに、VED集合体は、例えば5の有効マスタシステム応答ボリュームで当該システム応答を再生し得る。
【0154】
幾つかの実施形態において、VED702、704、706の全てがメディアコンテンツを再生しつつ、VED704、706、および708のうちの一基がシステム応答を出力しているときには、聴取領域702では、当該システム応答ボリュームが小さ過ぎる可能性がある。例えば、デシベル単位の出力の場合には、それぞれ50dBでメディアコンテンツを再生している10個のスピーカは、60dBでメディアコンテンツを再生している1個のスピーカと等価である。この付加的効果は、VED704、706、706が互いに近接している場合に、いっそう顕著になり得る。例えば、グループコーディネイタ(例えば、VED704)が各VEDに対して音響再生ボリュームを5に設定したとすると、有効音響再生ボリューム(VED704、706、および708の全てがメディアコンテンツを再生しているときの有効ボリューム)は、メディア再生システム700の構成に依存して、7または8であり得る。この問題を克服するために、グループコーディネイタは、システム応答ボリュームを決定後、メディア再生システム700の構成におけるVEDの数を考慮に入れてシステム応答ボリュームを修正する。例えば、メディア再生システム700は、VED704をグループコーディネイタとして、
図7に示すように配設されたVED704、706、および708を含む構成を有し得る。この例では、VED704は、前記構成内に三基のVED(VED704、706、および708)が在ると判定し、システム応答ボリュームを、三基のVEDを含む構成に適した値に、修正し得る。
【0155】
動作中、VED704は、
Lm=Lu+10log10N
等の式を用いて、システム応答ボリュームを修正し得る。
【0156】
上記式において、Lmは修正済みシステム応答ボリュームを表し、Luは未修正システム応答ボリューム(即ち、グループコーディネイタにより決定されたシステム応答ボリューム)を表し、Nは構成内に存するVEDの数を表す。グループコーディネイタ(この例ではVED704)は、修正済みシステム応答ボリュームを算出した後、修正済みシステム応答ボリュームに従って、システム応答ボリュームを設定する。
【0157】
幾つかの実施形態において、グループコーディネイタが聴取領域702内のVED704、706、および708に対してシステム応答ボリュームを決定し設定すると、前記システム応答ボリュームは、聴取領域702内のユーザにとっては大き過ぎるあるいは小さ過ぎる可能性がある。この潜在的問題を克服するために、幾つかの実施形態において、グループコーディネイタが、予め定められた閾値に基づいて、VED704、706、および708のシステム応答ボリュームを制限し得る。これらの閾値は、ユーザが許容可能な最高および/または最低システム応答ボリュームを表し得る。例えば、聴取領域702の特性に基づいて、前記予め定められた閾値は、低い閾値と高い閾値に対してそれぞれ2と8のシステム応答ボリュームであり得る。ユーザが、前記予め定められた閾値を設定してもよく、あるいはVED704、706、および708のうちの一基以上が、聴取領域702に基づいて、前記予め定められた閾値を自動的に設定してもよい。この例では、グループコーディネイタが(単独で、あるいは一基以上の他の装置と共同して)システム応答ボリュームを9に決定した場合、グループコーディネイタは、システム応答が大き過ぎるのを避けるために、システム応答ボリュームを8に設定し得る。同様に、グループコーディネイタがシステム応答ボリュームを1に決定した場合、グループコーディネイタは、システム応答が小さ過ぎるのを避けるために、システム応答ボリュームを2に設定し得る。
【0158】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、グループコーディネイタが、メディア再生システム700の音響再生ボリュームに基づいて、システム応答ボリュームを制限する。これは、メディア再生システム700が音響コンテンツを再生しているときにシステム応答が小さ過ぎたり大き過ぎたりするのを回避する故に、有利であり得る。例えば、グループコーディネイタがシステム応答ボリュームを3に決定する一方で、メディア再生システム700の音響再生ボリュームが6である場合、グループコーディネイタは、システム応答が小さ過ぎるおよび/または音響コンテンツによりかき消されるのを回避するために、システム応答ボリュームを6(例えば、音響再生ボリューム)に設定し得る。この特徴は、一基以上のVEDがシステム応答を再生しているときに音響再生ボリュームを「ダックする」(即ち、一時的に下げる)ようにメディア再生システムを構成するモデルにおいて、有用である。もう一つの例では、グループコーディネイタがシステム応答ボリュームを7に決定する一方で、メディア再生システム700の音響再生ボリュームが3である場合、グループコーディネイタは、システム応答が音響再生に比して大き過ぎるのを避けるために、システム応答ボリュームを所定の最大値の5に設定し得る。
【0159】
上述した諸例のいずれかにおいて、一基以上のVEDが、システム応答ボリュームを決定および/または設定する目的のための情報を含むがそれに限定さない情報を、任意の他の一基以上のVEDに送信することができる。例えば、第一のVEDは、第二のVED(および恐らくは付加的なVED群)に、(i)それの現在の音響再生ボリュームレベル、(ii)それの現在のシステムボリュームレベル、(iii)SPL測定値、(iv)SPL測定が基づく測定データ、(v)構成の状態情報(例えば、独立型、ステレオ対、同期グループ、ボンデッドプレーヤ、ホームシアタ、等)、および/または(vi)システム応答ボリュームの決定に関係して使用され得る任意の他の情報、のうちのいずれか一つ以上を送信することができる。更に、第一のVEDからの当該情報のうちの幾つかの受信に応じて、第二のVEDは、当該情報を、(i)それ自身のシステム応答ボリュームを決定および設定する、(ii)一基以上の付加的なVEDに対してシステム応答ボリュームを決定および/または設定する、ために用いることができる。
【0160】
上述した諸例のうちの幾つかでは、一基以上のVEDが、更に、あるいは、また、クラウド計算システムに情報を送信して、特定のシステムにおける一基以上の(あるいは全ての)VEDに対するシステム応答ボリュームを決定および/または設定することができる。例えば、第一のVEDは、クラウド計算システムに、(i)それの現在の音響再生ボリュームレベル、(ii)それの現在のシステムボリュームレベル、(iii)SPL測定値、(iv)SPL測定が基づく測定データ、(v)構成の状態情報(例えば、独立型、ステレオ対、同期グループ、ボンデッドプレーヤ、ホームシアタ、等)、および/または(vi)システム応答ボリュームの決定に関係して使用され得る任意の他の情報、
のうちのいずれか一つ以上を送信することができる。更に、第一のVEDからの当該情報のうちの幾つかの受信に応じて、クラウド計算システムは、当該情報を、第一のVEDおよび/または特定のメディア再生システム内の付加的VED群に対するシステム応答ボリュームを決定および/または設定するために、用いることができる。
b.音響再生ボリュームの算出例
【0161】
幾つかの実施形態において、システム応答に先立ってコンテンツがメディア再生システム700から再生されている場合、VED704、706、および/または708は、システム応答を再生する直前に、音響再生ボリュームを所定量(例えば、各VEDで、35%または-3dB)だけ下げることにより、ユーザが音響コンテンツの上にシステム応答をより良く聴けるようにしている。例えば、VED704、706、および/または708がコンテンツを再生しながら、システム応答を出力するための要件が存在すると判定した場合、VED704、706、および/または708は、それぞれの音響再生ボリュームを35%だけ下げてユーザがシステム応答をより良く聴けるようにし得る。
【0162】
複数のVEDを有するメディア再生システムに対する一つの課題は、VEDの全てからメディアコンテンツが再生されている場合、各VEDの音響再生ボリュームを35%または-3dBだけ下げても、有効音響再生ボリュームが、算出されたシステム応答ボリュームより下がらない可能性がある、ということである。有効音響再生ボリュームは、メディア再生システム700内の全てのVEDの集合再生ボリュームである。先に説明したように、デシベル単位の出力の場合には、それぞれ50dBでシステム応答を再生している10個のスピーカは、60dBでシステム応答を再生している1個のスピーカと等価である。例えば、ボリューム設定を1乃至10の目盛(他の目盛も可)で行った場合に、VED704、706、および708が、4の音響再生ボリュームでメディアコンテンツを再生しているならば、メディア再生システム700の有効音響再生ボリュームは、5または6になり得る。
【0163】
この問題を克服するために、幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、システム応答を出力するときに、音響再生ボリュームを修正する(例えば、下げる)(「ダッキング」と呼ばれることもある)。VED704、706、および/または708が音響再生ボリュームを修正する量は、メディア再生システム700内に存するVEDの数に基づく。例えば、メディア再生システム700は、VED704をグループコーディネイタとして、
図7に示すように配設されたVED704、706、および708を含む構成を有し得る。この例では、VED704は、前記構成内に三基のVED(VED704、706、および708)が在ると判定し(もしくは認識し)、各VEDの音響再生ボリュームを、三基のVEDを含む構成に適した値に、修正し得る。
【0164】
動作中、VED704は、
Lm=Lu-10log10N
等の式を用いて、音響再生ボリュームを修正し得る。
【0165】
上記式において、Lmは修正済み音響再生ボリュームを表し、Luは未修正音響再生ボリューム(即ち、VED704、706、および708のそれぞれの音響再生ボリューム)を表し、Nは構成内に存するVEDの数を表す。グループコーディネイタ(この例ではVED704)は、修正済み音響再生ボリュームを算出した後、修正済み音響再生ボリュームに従って、音響再生ボリュームを設定する。
【0166】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、メディア再生システム700の構成に基づいて、音響再生ボリュームを修正する。これらの実施形態では、VED704、706、および/または708は、メディア再生システム700の異なる各構成に対する等ラウドネス音響再生ボリューム修正値(即ち、ステレオ対構成に対しては-3dBの修正値)を含む参照テーブルへのアクセス権を有する。参照テーブルは、定期的にあるいは半定期的に、ネットワークインタフェースを介して、追加または更新され得る。VED704、706、および/または708は、それのメモリ内に参照テーブルを有してもよく、あるいはネットワークインタフェース(例えば、クラウド単位のサーバ、LAN等)を通じて参照テーブルにアクセスしてもよい。例えば、メディア再生システム700は、ステレオ対として動作するVED704および706を有し得る。この構成では、システム応答を出力する前に、VED704および/または706は、参照テーブルにアクセスして、音響再生ボリュームを-2乃至-4dB(またはテーブルに定義された何らかの他のテーブル)だけ修正し得る。もう一つの例では、メディア再生システム700は、ステレオ対として動作するVED704および706と、サブウーハとして動作するVED708と、を有し得る。この構成では、システム応答を出力する前に、VED704、706、および/または708は、参照テーブルにアクセスして、音響再生ボリュームを-3乃至-5dB(またはテーブルに定義された何らかの他の値)だけ修正し得る。
【0167】
更に、あるいは、また、幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、メディア再生システム700の再生モード(例えば、周囲音響モード、フル音響モード、および/またはホームシアタモード)に基づいて、音響再生ボリュームを修正する。これらの実施形態では、VED704、706、および/または708は、メディア再生システム700の異なる各再生モードに対する付加的な等ラウドネス音響再生ボリューム修正値を含む参照テーブルへのアクセス権を有する。例えば、メディア再生システム700は、ホームシアタモードで動作する5スピーカ構成のVED704、706、および708と二基の付加的VED(図示せず)とを有し得る。この構成と再生モードでは、システム応答を出力する前に、VED群のうちの一基以上が、参照テーブルにアクセスして、テーブル内のボリューム調整値に基づいて、一基以上のVEDの音響再生ボリュームを、-6乃至―8dBだけ修正し得る。別の例では、メディア再生システム700は、フル音響モードで動作する5スピーカ1サブウーハ構成のVED704、706、および708と三基の付加的VED(図示せず)とを有し得る。この構成では、システム応答を出力する前に、VED群のうちの一基以上が、参照テーブルにアクセスして、テーブル内の調整値に基づいて、一基以上のVEDの音響再生ボリュームを、-7乃至―9dBだけ修正し得る。
【0168】
幾つかの実施形態において、VED704、706、および/または708は、VED704がメディアコンテンツを再生しているときの音響再生コンテンツのラウドネスに基づいて、音響再生ボリュームを修正する。これは、VED704が、システム応答中の音響再生ボリュームを、VED704により再生された音響コンテンツのボリュームに比して適切なボリュームまで、下げ得るので、有益であり得る。例えば、ユーザは、VED704を通して、より長い一時的休止を伴う散発的な音の炸裂を特徴とするメディアコンテンツを再生していてもよい。VED704は、マイクロフォン710を介して音響再生コンテンツのラウドネスを監視することにより、VED704がシステム応答を出力するときの最新のラウドネス測定値を取得し得る。次に、VED704は、システム応答を出力しながら、音響再生コンテンツのラウドネスに基づいて、適切な量だけ、音響再生ボリュームを下げる。
c.方法の例
【0169】
図8の方法800は、例えば、
図1のメディア再生システム100、
図2の一基以上の再生装置、
図3の一基以上の制御装置300、
図4のユーザインタフェース、
図5に示した構成、
図6に示したNMD、および/または
図7に示したメディア再生システム700、を含むまたは包含する動作環境内で実施可能な方法の実施形態を示す。方法800は、ブロック802および804のうちの一つ以上により示されたような一つ以上の動作、機能、あるいはアクションを含み得る。各ブロックは、発生順に示されているが、これらのブロックは、並行して、および/または本明細書中に記載されたものとは異なる順序でも、行われ得る。また、種々のブロックは、より少ないブロックに合併されても、更なるブロックに分割されても、および/または所望の実施に基づいて削除されてもよい。
【0170】
更に、方法800および本明細書中に開示された他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、幾つかの実施形態についての一つの可能な実施の機能と動作とを示す。この点について、各ブロックは、プロセス内の特定の論理的機能またはステップを実現するために一個以上のプロセッサにより実行可能な一つ以上の指示を含む、モジュール、セグメント、あるいはプログラムコードの一部、を表し得る。プログラムコードは、例えばディスクまたはハードドライブを含む記憶装置等の任意の類型のコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような短時間データを格納する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、また、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光学または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または持続性長期記憶装置等の非一過性媒体も含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、また、任意の他の揮発性あるいは不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、あるいは有形の記憶装置、と見做され得る。更に、方法800および本明細書中に開示された他のプロセスおよび方法に関して、
図8の各ブロックは、プロセス内の特定の論理的機能を実現するために配線される回路構成を表し得る。
【0171】
方法800は、システム応答を出力するための要件が存在するということを判定する第一のネットワーク装置(あるいは、また、第一のネットワーク装置を制御するように構成された計算装置)を含むブロック802で開始される。幾つかの実施形態において、システム応答を出力するための要件が存在するということを判定するステップは、第一のネットワーク装置と関係した第一のマイクロフォンを介して音声入力を受信することを含む。幾つかの実施形態において、システム応答を出力するための要件が存在するということを判定するステップは、システムアラームまたは通知を作動させることを含む。
【0172】
次に、方法800は、システム応答を出力するための要件が存在するという判定に応じて、(i)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定すること、および(ii)第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して、前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力すること、を含むブロック802に進む。
【0173】
幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置は、第一のスピーカと、第一のマイクロフォンと、を含む。幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置が第一のマイクロフォンを含み、第二のネットワーク装置が第一のスピーカを備える。
【0174】
幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置が第一のスピーカを含み、第二のネットワーク装置が第二のスピーカを含む。更に、幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力するステップは、第二のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力する第二のネットワーク装置と同期した第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカを介して前記設定されたシステム応答ボリュームでシステム応答を出力すること、を含む。
【0175】
幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカに対してシステム応答ボリュームを設定するステップは、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォン(例えば、第一のマイクロフォン)を介して音圧レベル(SPL)測定値を取得すること、および(ii)SPL測定値に少なくとも部分的に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0176】
幾つかの実施形態において、SPL測定値は、(i)第一のスピーカの出力部でのSPL測定値、(ii)第二のスピーカの出力部でのSPL測定値、(iii)部屋内の指定された聴取位置でのSPL測定値、(iv)複数のマイクロフォンからの複数のSPL測定値に基づいたSPL測定値、(v)予め定められた周波数帯域内の音のSPL測定値、のうちの一つ以上に基づく。幾つかの実施形態において、SPL測定値は、第一のスピーカが第一の類型のメディアコンテンツを再生しているときには第一の類型のSPL測定値であり、幾つかの実施形態において、SPL測定値は、第一のスピーカが第二の類型のメディアコンテンツを再生している(例えば、テレビ番組と関係した音響を再生している)ときには第二の類型のSPL測定値である。
【0177】
幾つかの実施形態において、取得した音圧レベル測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定するステップは、瞬間および/または以前の音測定値(例えば、SPL測定値、および/またはSPL測定値から導出した測定値)より高い約1dB乃至約6dBの間にシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0178】
幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを設定するステップは、(i)予め決定されたシステム応答ボリュームにアクセスすること、および(ii)システム応答ボリュームを前記予め決定されたシステム応答ボリュームに設定すること、を含む。
【0179】
幾つかの実施形態において、前記予め決定されたシステム応答ボリュームは、(i)契機となるイベントを検出すること、および(ii)前記契機となるイベントの検出に応じて、システム応答ボリュームを決定すること、を含む各ステップを介して決定された。幾つかの実施形態において、前記契機となるイベントは、第一のスピーカを介してメディアを再生中に、メディア再生のボリュームを変えること、を含む。更に、幾つかの実施形態において、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを決定するステップは、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介してSPL測定値を取得すること、および(ii)当該SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0180】
幾つかの実施形態において、メディア再生のボリュームを変えるステップは、(i)メディア再生のボリュームを上げること、(ii)メディア再生のボリュームを下げること、(iii)メディア再生をミュートすること、および(iv)メディア再生のミュートを解除すること、のうちの少なくとも一つを含む。
【0181】
幾つかの実施形態において、契機となるイベントは、第一のネットワーク装置の再構成を含む。幾つかの実施形態において、前記再構成は、(i)独立型の再生装置としてメディアコンテンツを再生することから、少なくとも第二のネットワーク装置と同期してメディアを再生することへと、第一のネットワーク装置を構成すること、および(ii)少なくとも第二のネットワーク装置と同期してメディアを再生することから、独立型の再生装置としてメディアを再生することへと、第一のネットワーク装置を構成すること、のうちの一つを含む。
【0182】
幾つかの実施形態において、契機となるイベントは、時間枠の満了を含み、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカのシステム応答ボリュームを決定するステップは、(i)第一のネットワーク装置と関係した一個以上のマイクロフォンを介してSPL測定値を取得すること、および(ii)当該SPL測定値に基づいてシステム応答ボリュームを設定すること、を含む。
【0183】
幾つかの実施形態において、契機となるイベントは、(i)第一のネットワーク装置と関係したモーション検出器による第一のネットワーク装置の領域内におけるモーションの検出、(ii)第一のネットワーク装置と関係した光検出器による第一のネットワーク装置の領域内における光の変化の検出、のうちの少なくとも一つを含む。
【0184】
幾つかの実施形態において、システム応答ボリュームは、第一のネットワーク装置と関係した第一のスピーカによるメディア再生のボリュームと異なる。
【0185】
IV.結論
上記の説明は、とりわけ、コンポーネント、ファームウェアおよび/またはハードウェア上で実行されるソフトウェアを含む様々な例示的なシステム、方法、装置、および製品を開示している。そのような例は単に例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではないことが理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの態様またはコンポーネントのいずれかまたはすべてを、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、ファームウェアのみ、またはハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の組み合わせで実施できることが考えられる。したがって、提供される例は、そのようなシステム、方法、装置、および/または製品を実施するための唯一の方法ではない。
【0186】
追加的に、本明細書における「実施形態」に対する参照は、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性を、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に含めることができることを意味する。本明細書の様々な箇所におけるこの語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではなく、他の実施形態と相互排他的な別個のまたは代替の実施形態でもない。このように、本明細書で説明された実施形態は、当業者によって明白かつ暗黙的に理解され、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0187】
本明細書は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他のシンボル表現に関して広く示されており、それらは直接又は間接的にネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に類似するものである。これらの処理説明および表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。多くの具体的な内容が、本開示を理解するために提供されている。しかしながら、当業者にとって、本開示の特定の実施形態が特定の、具体的な詳細なしに実施され得ることは理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細に説明していない。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0188】
添付の特許請求の範囲のいずれかが単にソフトウェア及び/又はファームウェアへの実装をカバーするように読み取ると、少なくとも1つの例における要素の1つ又は複数は、本明細書では、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形の非一時的な記憶媒体、例えば、メモリ、DVD、CD、Blu-ray(登録商標)等を含むことが明確に定められている。