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特開2023-25092ステビア由来分子、そのような分子を得る方法、及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025092
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ステビア由来分子、そのような分子を得る方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20230214BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20230214BHJP
   A23L 33/20 20160101ALI20230214BHJP
   C07H 15/256 20060101ALI20230214BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230214BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
A23L27/00 101A
A23L2/60
A23L2/00 C
A23L33/20
C07H15/256 A
A61K47/26
A61K36/28
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022186793
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2020526346の分割
【原出願日】2018-10-05
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/061581
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520108877
【氏名又は名称】ピュアサークル ユーエスエー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】514299457
【氏名又は名称】ザ コカ - コーラ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】プルカヤスタ、シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】マルコスヤン、アベチク
(72)【発明者】
【氏名】チャウ、シュウ、イン
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ、インドラ
(72)【発明者】
【氏名】クロス、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ペン、アイボリー、シンユー
(72)【発明者】
【氏名】カガン、マイケル、ゼット.
(72)【発明者】
【氏名】スキッツ、スティーブン、エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ソマヤジュラ、カシ、ブィ
(72)【発明者】
【氏名】ニザーム、ビン ナウィ、カイルール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スクロースの時間的及び風味プロファイルと同様の時間的及び風味プロファイルを提供する天然の低カロリー又はノンカロリー甘味料を開発する。
【解決手段】特定の構造を有する分子を80%を超える純度レベルで含む、味付与特性、風味改変特性、又はそれらの組み合わせを有するステビア由来の組成物を提供する。前記ステビア由来の組成物を含む、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品又は他の消費可能製品も提供する。
【選択図】図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群から選択される1つ又は複数の分子を含む、80%を超える純度レベルでの、味付与特性、風味改変特性、又はそれらの組み合わせを有するステビア由来の組成物。
【化1】
【化2】
及び
【化3】
【請求項2】
請求項1に記載のステビア由来の組成物を含む、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品又は他の消費可能製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
高糖分の食品や飲料の消費に関連して、多くの疾患が認識されているため、砂糖代替品がますます注目を集めている。しかしながら、ズルチン、シクラミン酸ナトリウム及びサッカリンのような多くの人工甘味料は、それらの安全性について議論の余地がある懸念のためにいくつかの国で制限されていた。したがって、天然由来のノンカロリー甘味料がますます普及してきている。甘いハーブであるステビア(Stevia rebaudiana)は、他の多くの高甘味度甘味料よりも優れた高強度の甘味と官能特性を特徴とする多数のジテルペン配糖体を生成する。
【背景技術】
【0002】
ステビア(Stevia rebaudiana)は、キク科(Astracea)に属する植物種であり、南アメリカ原産であり、現在世界の多くの地域で栽培されている(Gardana et al.、2003;Koyama et al.、2003;Carakostas et al.、2008)。ステビアの葉は天然に甘いもので、南アメリカでは何百年もの間食品の甘味料として使用されてきた(Soejarto et al.、1982)。ステビア(Stevia rebaudiana)の抽出物は、長年にわたり日本及び他の東南アジア諸国で食品を甘くするために商業的に使用されてきた(Koyama et al.、2003)。自然の産物として、ステビア植物の葉はステビオール配糖体と呼ばれるさまざまな甘味成分を含んでいる。報告によれば、ステビア葉抽出物中に典型的に存在する40を超えるステビオール配糖体が同定されている(Ceunen and Geuns、2013; Purkayastha et al、2016)。これらのステビオール配糖体のそれぞれはそれ自身の独特の味の特徴及び甘味強度を有し、それは砂糖よりも350倍まで甘くなり得るが、異なる糖部分がアグリコンステビオール(ent‐カウレン型ジテルペン)に結合する類似の分子構造を共有する。
【0003】
ステビア植物の葉は、全乾燥重量の約10%から20%の範囲の量でジテルペン配糖体を含有する混合物を含有する。これらのジテルペン配糖体は砂糖よりも約30~450倍甘い。構造的には、ジテルペン配糖体の多くは、単一の塩基、ステビオールによって特徴付けられ、位置C13及びC19における炭水化物残基の存在によって異なる。典型的には、乾燥重量基準で、ステビアの葉に見出される4つの主要なステビオール配糖体は、ズルコシドA(0.3%)、レバウジオシドC(0.6‐1.0%)、レバウジオシドA(3.8%)及びステビオシド(9.1%)である。ステビア抽出物中に同定された他の配糖体には、レバウジオシドB、D、E、及びF、ステビオールビオシド及びルブソシドが含まれる。
【0004】
レバウジオシドA及びステビオシドは最も商業的な関心を集めており、商業的な高強度甘味料としてのそれらの適合性に関して広く研究されそして特徴付けられている。炭酸飲料における安定性試験により、それらの熱安定性及びpH安定性が確認された(Chang S.S.、Cook、J.M.(1983)Stability studies of stevioside and rebaudioside A in carbonated beverages.(炭酸飲料中のステビオシド及びレバウジオシドAの安定性試験)、J.Agric.Food Chem.31:409‐412)。
【0005】
ステビオール配糖体は分子構造だけでなくそれらの味特性も互いに異なる。通常、ステビオシドはスクロースよりも110~270倍甘いことがわかっており、レバウジオシドAはスクロースよりも150~320倍甘いことがわかっている。レバウジオシドAは、主要なステビオール配糖体において、最も渋味が少なく、最も苦味が少なく、持続性が最も低い後味を有しており、したがって最も好ましい官能的特質を有している(Tanaka O.(1987)Improvement of taste of natural sweeteners.(天然甘味料の味の改善)、Pure Appl.Chem.69:675‐683;Phillips K.C.(1989)Stevia: steps in developing a new sweetener(ステビア:新しい甘味料を開発することにおけるステップ)、In:Grenby T.H.編 Developments in sweeteners(甘味料の開発)、vol.3.Elsevier Applied Science、ロンドン.1‐43)。
【0006】
21世紀初頭までに、ステビア(Stevia rebaudiana)におけるステビオール配糖体の限られた数の化学構造のみが、ステビオシド、レバウジオシドA‐F、ズルコシドA、及びステビオールビオシドを含めて特徴付けられてきた(Ceunen and Geuns、2013)。近年、ステビア(Stevia rebaudiana)の葉から多様な化学構造を有する多数の少量のステビオール配糖体が報告されている(Chaturvedula et al.、2011a、b、c; Chaturvedula and Prakash、2011a、b)。ent‐カウレン型ジテルペンであるこれらの多様なステビオール配糖体は、1,2‐;1,3‐;1,4‐又は1,6‐α又はβ‐グリコシド結合を介してC‐13及びC‐19位でグルコース、ラムノース、キシロース、フルクトース及びデオキシグルコースなどの様々な糖に結合している(Purkayasthaら、2016)。
【0007】
ステビオール配糖体の使用は、甘草味、苦味、渋み、甘い後味、苦い後味、甘草の後味を含むある種の望ましくない味特性によって今日まで制限されており、濃度の増加と共により顕著になる。これらの望ましくない味の特質は、砂糖を完全に代替するためには600mg/Lを超える濃度のステビオール配糖体が必要とされる炭酸飲料において特に顕著である。そのような高濃度でステビオール配糖体を使用すると、最終製品の味が著しく悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、スクロースの時間的及び風味プロファイルと同様の時間的及び風味プロファイルを提供する、天然の低カロリー又はノンカロリー甘味料を開発する必要性が依然としてある。
【0009】
ステビア植物から配糖体を精製するための方法に対するさらなる必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、概して、新規ジテルペン配糖体並びに前記新規ジテルペン配糖体を含む組成物及び消耗品、並びに前記新規ジテルペン配糖体を精製する方法、前記新規ジテルペン配糖体を含む組成物及び消耗品を調製する方法、並びに新規ジテルペン配糖体を用いた消耗品の風味又は甘味を増強又は改変する方法に関する。本発明の新規ジテルペン配糖体はステビア植物から単離される。
【0011】
本発明は、ステビア由来分子、そのような分子を得るための方法、及びそのような分子の使用に関する。これらのステビア由来分子は、ステビオール骨格構造を有していてもいなくてもよいが、ステビオール配糖体にいくらか又は実質的に類似していてもよい構造を有する。いくつかの場合において、これらの分子はステビオール配糖体とは非常に異なる構造を有する。これらのステビア由来分子は、所望の味及び風味特性を有し、それには、甘味付与特性、風味調整特性、これらの特性の組み合わせ、及び他の特性が含まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は勾配KM7を用いたステビア抽出物A95の代表的な分析クロマトグラムを示す。上段と中段のプロットはMS TIC(‐)(質量分析全イオン電流)クロマトグラム、下段のプロットはELSD(蒸発光散乱検出器)クロマトグラムである。
図2図2は表1に記載の異なる化合物を単離するために使用される概略工程のチャートである。
図3図3は表1に記載の異なる化合物を単離するために使用される概略工程のチャートである。
図4図4はRSG1(関連ステビオール配糖体1)の構造を示す。
図5図5はRSG2(関連ステビオール配糖体2)の構造を示す。
図6図6はRSG3(関連ステビオール配糖体3)の構造を示す。
図7図7はRSG4(関連ステビオール配糖体4)の構造を示す。
図8図8はRSG5(関連ステビオール配糖体5)の構造を示す。
図9図9はRSG6(関連ステビオール配糖体6)の構造を示す。
図10図10はレバウジオシドTの構造を示す。
図11図11はレバウジオシドYの構造を示す。
図12図12はレバウジオシドO2の構造を示す。
図13図13はレバウジオシドC2の構造を示す。
図14図14はレバウジオシドWの構造を示す。
図15図15はレバウジオシドW2の構造を示す。
図16図16はレバウジオシドU2の構造を示す。
図17A図17Aはステビア葉抽出物の選択された画分のRP‐HPLC分析を示す。
図17B図17Bはステビア葉抽出物の選択された画分のELSD及びMS分析を示す。
図17C図17Cはステビア葉抽出物の選択された画分のH‐NMR分析を示す。
図17D図17DはレバウジオシドW3の構造を示す。
図18図18はレバウジオシドVの構造を示す。
図19図19はレバウジオシドUの構造を示す。
図20図20はレバウジオシドK2の構造を示す。
図21図21はレバウジオシドV2の構造を示す。
図22図22はRSG7(関連ステビオール配糖体7)の構造を示す。
図23図23はRSG8(関連ステビオール配糖体8)の構造を示す。
図24図24はレバウジオシドU3の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のステビア由来分子のいくつかの化学構造は、添付の図面に示されている。本明細書で使用されるとき、「ステビア由来分子」は、ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)種のあらゆる変種の植物のあらゆる部分から得られた分子を指すものとする。
【0014】
これらのステビア由来分子は、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品、タバコ製品、化粧品、口腔衛生製品などの調製に有用である。ステビア由来分子のいくつかはステビオール骨格を有し、ステビオール配糖体と呼ばれることがある。本発明の他のステビア由来分子は異なる骨格を有するが、ステビオール配糖体と同様の性質を有してもよく、又は他の有益な性質を有してもよい。
【0015】
これらのステビア由来分子は、単独で、又は他の成分、例えば甘味料、風味剤、風味改良剤などと組み合わせて使用することができる。そのような他の成分はステビオール配糖体成分、又は他の天然若しくは合成供給源由来の成分を含み得る。
【0016】
ステビア由来分子を得る方法は、ステビア植物の葉からステビオール配糖体を抽出するために使用される方法を含む。他の方法は、植物の他の部分からの抽出、又は他の抽出技術及び溶媒を含み得る。
【0017】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を実証するものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例0018】
実施例1
イリノイ州オークブルックのPureCircle USA Inc.から入手可能な「A95」と表示されたステビア抽出物を使用して、以下の分析方法論を使用して主要及び少量のステビオール配糖体成分を単離し、特徴付けした。
【0019】
1.1 サンプル
商品名:ステビア葉抽出物A95
バッチ番号:WIP A95 27A
製造日:2016年4月2日
【0020】
1.2 分析LCMS(液晶質量分析)
分析LCMSは島津シングルクワッドUPLCシステムで実施した(表1参照)。最初の40分間は同一である2つの異なる勾配システムを適用した(表2a及び2b参照)。
勾配KM7を使用して、すでに同定されているステビオール配糖体#25‐#29を含むすべての化合物を分析したが、勾配ACD1はより速く化合物#1‐#24の分析に使用した。
【0021】
参照試料は、ステビア葉抽出物A95(20mg)をメタノールとジメチルスルホキシド(DMSO)の1:1混合物に溶解することによって調製した。均一な溶液を得るために30分間の超音波処理が必要であった。溶液を4℃で保存した。
【0022】
分析システムは、溶媒組成の変化に対して非常に敏感であることが証明され、新しいバッチの溶媒を使用したときに保持時間のシフトが観察された。それゆえ、参照サンプルを各分析バッチの前後に分析し、保持時間の割り当てを検証した。
【0023】
勾配KM7を使用した典型的な分析クロマトグラムを図1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
1.3 再結晶
ステビア葉抽出物A95(100g、白色粉末)を65℃の温度でエタノール/水70/30(750mL)に溶解した。
乳白色の溶液を水浴中で室温まで冷却させ、次いで吸引フィルターを通して濾過した。
集めた結晶をエタノールで洗浄し、乾燥し、貯蔵した。母液と洗浄液を別々に保ち、それぞれの溶媒を真空下で除去した。
【0027】
1.4 逆相MPLC(中圧液体クロマトグラフィー)
それぞれの試料(15g)をメタノールに溶解し、セライト(30g)を加え、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去する。固定化サンプルをガラスカラムに移し、表3に記載のMPLCシステムに組み込む。時間に基づく分画は18画分になる(それぞれ4分)。溶媒及び勾配は表3に記載されている。
【0028】
【表3】
【0029】
1.5 順相クロマトグラフィー
それぞれの試料(20g)をメタノールに溶解し、シリカ(40g)を加え、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。固定化サンプルをガラスカラムに移し、表4に記載の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)システムに組み込む。酢酸エチル/メタノール1:1で洗浄することにより、移送カラムから空気を除去する。時間に基づく分画は、分画中に生成されたUV及びELSDデータに基づいて組み合わされる90の画分(それぞれ0.5分)になる。得られた画分をLCMSによって分析する。溶媒及び勾配は表4に記載されている。
【0030】
【表4】
【0031】
1.6 逆相HPLC
それぞれの試料(3.5gまで)をメタノールに溶解し、C‐18RP材料を加え、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去する。固定化サンプルをカラムに移し、表5に記載のHPLCシステムに組み込む。時間に基づく分画は、分画中に生成されたUV及びELSDデータに基づいて組み合わされる120の画分(それぞれ27秒)をもたらす。
得られた画分をLCMSによって分析する。溶媒及び勾配は表5に記載されている。
【0032】
【表5A】
【表5B】
【表5C】
【表5D】
【表5E】
【0033】
1.7 HILIC(親水性相互作用液体クロマトグラフィー)
それぞれの試料を2mLの溶媒AとBの3:1混合物に溶解する(表6参照)。サンプル注入は9.95分後に行う。時間に基づく分画は、分画中に生成されたUV及びELSDデータに基づいて組み合わされる96の画分(それぞれ43秒、18分後から開始)になる。得られた画分をLCMSによって分析する。溶媒及び勾配は表6に記載されている。
【0034】
【表6】
【0035】
1.8 NMR(核磁気共鳴)
単離された化合物は、Bruker 500Mhz NMR分光計を使用してNMR分光法によって同定された。アグリコンの同定は、主な指標としてC17、C18及びC20プロトンシグナルを用いた参照H‐NMRスペクトルに基づいた。特にC20プロトンシフトは、化合物#4及び#18に見られるように変化を示した。H‐H‐Cozy、HSQC及びHMBCを用いて配糖体を解明し、参考として文献公知のステビオシドのスペクトルを用いて実験を行った。
【0036】
1.9 結果
図1は、上記のような分析方法論を用いることによって表7において同定された主要ピークを含むHPLCチャートを示す。表7のさまざまな化合物を単離するための概略的な手順を図2図3に示す。
【0037】
【表7】
【0038】
実施例1の方法を用いて単離された新規ステビア葉由来分子のリストを表8及び表9に示す。
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
実施例2:新規化合物の同定及び特徴付け
この実施例は、例としてレバウジオシドW3(#19)の単離、同定及び特徴付けを概説する。全ての新規ステビオール配糖体分子について同様の分析を行った。
【0041】
単離
100gのステビア葉抽出物A95をセクション1.3(実施例1)に記載の方法に従って再結晶化して、33.2gの濃縮された少量の化合物を母液から得た。濃縮された少量の化合物を、勾配Aを用いてセクション1.5に記載のように順相クロマトグラフィーを用いて分画した(表4参照)。画分49~60は1.32gの濃縮された少量の化合物を生成し、これを勾配Lを使用してセクション1.4に従って逆相HPLCを使用してさらに分画した。
【0042】
RP(逆相)‐HPLC&LCMS
画分51+52に長方形、ELSDトレース、及びUVトレースの印を付けて(図17A)、#19を37.5mg得た。分取RP‐HPLCクロマトグラムを用いた画分66+67(図17B)により、濃縮された少量の化合物3.85gを得た。画分66+67をセクション3.2に従ってLCMSにより分析した(図17B参照)。37.5mgの化合物#19が89%純度(ELSD)で得られた。
【0043】
NMR
化合物#19の構造は、d‐メタノール中500MHzのBruker‐NMRでのNMRによって決定された(δ=48.5ppm;δ=3.3ppm)。データを表10に示し、NMR分析を図17Cに示す。化合物#19の構造を図17Dに示す。
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】
単離されたものとして、又は他のステビア由来分子と組み合わせてのいずれかで、好ましくは80~99%の範囲の純度レベル(90~95%の純度、99%の純度、及び89%以上の純度を含む)で、上記で同定されたこれらの少量の分子のそれぞれはステビアベースの成分を含有する製品の甘味、味及び風味のプロファイルに多数の望ましい効果を及ぼすと考えられている。これらの分子は、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品、及び他の食料品又は消費品において、特定の味を与えること、又は風味を変えること、又はその両方において有用であり得る。
【0047】
本明細書に示された前述の説明及び特定の実施形態は、本発明の最良の形態及びその原理の単なる例示であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく修正及び追加が当業者によって容易になされ得る。したがって本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2022-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
本明細書に示された前述の説明及び特定の実施形態は、本発明の最良の形態及びその原理の単なる例示であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく修正及び追加が当業者によって容易になされ得る。したがって本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると理解される。
本開示は以下も包含する。
[1]
以下からなる群から選択される1つ又は複数の分子を含む、80%を超える純度レベルでの、味付与特性、風味改変特性、又はそれらの組み合わせを有するステビア由来の組成物。
【化1】
【化2】
及び
【化3】
[2]
上記[1]に記載のステビア由来の組成物を含む、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品又は他の消費可能製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有する分子を80%を超える純度レベルで含む、味付与特性、風味改変特性、又はそれらの組み合わせを有するステビア由来の組成物
【化1】
【請求項2】
請求項1に記載のステビア由来の組成物を含む、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品又は他の消費可能製品。
【外国語明細書】