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特開2023-25269空気調和システム、及び、空気調和システムの制御方法
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  • 特開-空気調和システム、及び、空気調和システムの制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025269
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】空気調和システム、及び、空気調和システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/63 20180101AFI20230214BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230214BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230214BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20230214BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F11/46
F24F11/52
F24F11/30
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200002
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2019028349の分割
【原出願日】2019-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土橋 光浩
(72)【発明者】
【氏名】小林 貴之
(72)【発明者】
【氏名】波多野 大
(72)【発明者】
【氏名】山崎 純暉
(57)【要約】
【課題】室外機2に対して複数の室内機3が接続する場合でも各室内機3が適切な室内機3の能力を設定できるようにすること。
【解決手段】室外機2、及び、室外機2に接続する複数の室内機3を備える空気調和システム1において、室内機3は、室内機制御部300と、室内機通信部301とを備え、室内機制御部300は、室内機通信部301を介して室外機2から室外機2の能力を示す室外機能力情報220Bを受信し、空気調和システム1が備える室内機3の数を検出し、検出した室内機3の数と、受信した室外機能力情報220Bが示す室外機2の能力とに基づいて、検出した室内機3の数に応じた室内機3の能力を決定し、決定した室内機3の能力を設定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機、及び、前記室外機に接続する複数の室内機を備える空気調和システムにおいて、
前記室外機は、全ての前記室内機から設定された前記室内機の能力を取得し、取得した前記室内機の能力の合計が、前記室外機の能力の許容範囲外になる場合、警告を報知する、
ことを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記室内機は、
前記空気調和システムが備える全ての前記室内機が前記室内機の能力の設定を完了したか否かを所定期間監視する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記室内機は、
前記室内機が有する複数の能力のそれぞれについて、前記室内機の能力に対応した制御データを記憶する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
室外機、及び、前記室外機に接続する複数の室内機を備える空気調和システムの制御方法において、
全ての前記室内機から設定された前記室内機の能力を取得し、
取得した前記室内機の能力の合計が、前記室外機の能力の許容範囲外になる場合、警告を報知する、
ことを特徴とする空気調和システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システム、及び、空気調和システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室外機、及び、室外機に接続する室内機を備える空気調和システムにおいて、室内機が室内機の能力を設定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、室内機が複数機種の制御データを記憶し、室内機がリモコンから受信した機種データに対応する制御データを選択して室内機の能力を設定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-103558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、室外機に接続する室内機の数が1であることが前提であり、室外機に接続する室内機が複数ある場合における室内機の能力の設定について考慮していない。そのため、特許文献1では、室外機に接続する室内機が複数台ある場合、例えば各室内機に設定された室内機の能力の合計が室外機の能力を上回ってしまうといったように、各室内機が適切に室内機の能力を設定できない虞がある。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、室外機に対して複数の室内機が接続する場合でも各室内機が適切な室内機の能力を設定できる空気調和システム、及び、空気調和システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、室外機、及び、前記室外機に接続する複数の室内機を備える空気調和システムにおいて、前記室外機は、全ての前記室内機から設定された前記室内機の能力を取得し、取得した前記室内機の能力の合計が、前記室外機の能力の許容範囲外になる場合、警告を報知する、ことを特徴とする。
本発明によれば、室内機の設定を行うユーザーが、各室内機が設定した室内機の能力の合計が室外機の能力の許容範囲外であることを認識できるため、室内機の能力設定に際してユーザーを支援できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、室内機の能力設定に際してユーザーを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】空気調和システムの構成を示す図。
図2】空気調和システムの概略図。
図3】室外機、及び、室内機の制御構成を示す図。
図4】室外機、及び、室内機の動作を示すフローチャート。
図5】空気調和システムの動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の発明は、室外機、及び、前記室外機に接続する複数の室内機を備える空気調和システムにおいて、前記室内機は、室内機制御部と、室内機通信部とを備え、前記室内機制御部は、前記室内機通信部を介して前記室外機から前記室外機の能力を示す室外機能力情報を受信し、前記空気調和システムが備える前記室内機の数を検出し、検出した前記室内機の数と、受信した前記室外機能力情報が示す前記室外機の能力とに基づいて、検出した前記室内機の数に応じた前記室内機の能力を決定し、決定した前記室内機の能力を設定する。
これによれば、室外機に接続する各室内機が、室外機に接続する室内機の接続数に応じた室内機の能力を設定するため、室外機に対して複数の室内機が接続する場合でも各室内機が適切な室内機の能力を設定できる。
【0009】
第2の発明は、前記室内機制御部は、受信した前記室外機能力情報が示す前記室外機の能力を、検出した前記室内機の数で割り、割って得られた前記室外機の能力に基づいて前記室内機の能力を決定する。
これによれば、室内機のそれぞれは、室外機の能力に対して室外機に接続する室内機の数に応じた室内機の能力であって、且つ、他の室内機と同じ室内機の能力を設定できる。そのため、各室内機が設定した室内機の能力の合計が室外機の能力の許容範囲内になるように、各室内機が室内機の能力を設定できる。
【0010】
第3の発明は、前記室内機制御部は、前記空気調和システムが備える全ての前記室内機が前記室内機の能力の設定を完了したか否かを所定期間監視する。
これによれば、所定期間、全ての室内機の設定が完了するまで各室内機が能力設定後に他の処理を実行しないようにできる。そのため、空気調和システムは、各室内機で能力設定にタイムラグが発生した場合でも、室外機に接続する全ての室内機が室内機の能力を設定できるようにすることができる。
【0011】
第4の発明は、前記室内機は、前記室内機が有する複数の能力のそれぞれについて、前記室内機の能力に対応した制御データを記憶する室内機記憶部を備える。
これによれば、室内機が有する複数の能力のそれぞれについて室内機が制御データを記憶することで、室内機の機種数を、例えば室内機の能力数と室内機の筐体の異種数とを掛けた数とする必要がなく筐体の異種数のみとできる。そのため、室内機の機種数の増大を抑えることができる。また、室内機の機種数の増大を抑えることができるため、在庫管理等の室内機の管理が容易となる。
【0012】
第5の発明は、前記室内機制御部は、前記室内機通信部により前記室外機から前記室外機能力情報を受信する。
これによれば、各室内機が室外機から室外機能力情報を受信する構成でも、各室内機が適切な室内機の能力を設定できる。
【0013】
第6の発明は、1の前記室内機の前記室内機制御部は、前記室内機通信部により前記室外機から前記室外機能力情報を受信し、前記1の前記室内機と異なる他の前記室内機の前記室内機制御部は、前記室内機通信部により前記1の前記室内機から前記室外機能力情報を受信する。
これによれば、1の室内機が室外機から室外機能力情報を受信し、当該1の室内機と異なる他の室内機が当該1の室内機から室外機能力情報を受信する構成でも、各室内機が適切な室内機の能力を設定できる。
【0014】
第7の発明は、前記室外機は、室外機制御部と、室外機通信部と、報知部とを備え、前記室外機制御部は、前記室外機通信部により全ての前記室内機から設定された前記室内機の能力を取得し、取得した前記室内機の能力の合計が、前記室外機の能力の許容範囲外になる場合、前記報知部により警告を発生する。
これによれば、室内機の設定を行うユーザーが、各室内機が設定した室内機の能力の合計が室外機の能力の許容範囲外であることを認識できるため、室内機の能力設定に際してユーザーを支援できる。
【0015】
第8の発明は、室外機、及び、前記室外機に接続する複数の室内機を備える空気調和システムの制御方法において、前記室内機は、前記室外機から前記室外機の能力を示す室外機能力情報を受信し、前記空気調和システムが備える前記室内機の数を検出し、検出した前記室内機の数と、受信した前記室外機能力情報が示す前記室外機の能力とに基づいて、検出した前記室内機の数に応じた前記室内機の能力を決定し、決定した前記室内機の能力を設定する。
これによれば、室外機に接続する各室内機が、室外機に接続する室内機の接続数に応じた室内機の能力を設定するため、室外機に対して複数の室内機が接続する場合でも各室内機が適切な室内機の能力を設定できる。
【0016】
以下、本発明に係る空気調和システム1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、空気調和システム1の構成を示す図である。
【0017】
空気調和システム1は、大型のビルや学校等の施設に設置されるシステムである。図1に示すように、空気調和システム1は、屋外に設置される室外機2と、屋内に設置される複数の室内機3とを備える。本実施形態の空気調和システム1は、1台の室外機2に対して、4台の室内機3A、3B、3C、3Dがそれぞれ接続された構成である。そして、空気調和システム1は、室外機2及び室内機3によって空調運転し、室内機3が設置された被調和室を室内機3により空調する。
【0018】
室外機2は、圧縮機20を備えている。圧縮機20の吸入側には、圧縮機20にガス冷媒を供給する気液分離器21が接続されており、圧縮機20の吐出側には、オイルセパレータ22を介して四方弁23が接続されている。四方弁23には、室外送風ファン24を備えた室外熱交換器25が接続されている。室外熱交換器25は、室外送風ファン24により送られる空気と冷媒とが熱交換するよう構成されている。
また、室外熱交換器25には、室外膨張弁26が接続されている。
【0019】
室外膨張弁26および四方弁23には、冷媒配管27を介して複数の室内機3が接続されている。各室内機3は、室内送風ファン30を備えた室内熱交換器31を備えており、室内熱交換器31の一側には、室内膨張弁32が接続されている。
【0020】
また、室外機2は、通信ネットワーク4を介して各室内機3と通信する室外機通信部201を備える。室外機2の圧縮機20の冷媒吸込側には、圧縮機20に流入する冷媒圧力を検出する低圧センサ28が設けられており、圧縮機20の冷媒吐出側には、圧縮機20から吐出される冷媒圧力を検出する高圧センサ29が設けられている。さらに、圧縮機20の冷媒吐出側には、冷媒の吐出温度を検出する室外冷媒温度センサ40が設けられており、室外機2には、外気温を検出する外気温センサ41が設けられている。
【0021】
室内機3は、通信ネットワーク4を介して室外機2或いは他の室内機3と通信する室内機通信部301を備える。室内機3の室内熱交換器31の両側には、冷媒の温度を検出する室内冷媒温度センサ33が設けられている。
【0022】
図2は、空気調和システム1の概略図である。
図2に示すように、空気調和システム1は、室外機2と、室外機2に接続された複数の室内機3とを備える。また、空気調和システム1は、室内機3の数分、リモコン50を備える。
【0023】
図2に示すように、室内機3は、化粧パネル34を備えており、化粧パネル34の中央部分には、空気の吸込口35が設けられ、化粧パネル34には、各辺に沿って吹出し口36が設けられている。吹出し口36には、空気の風向を調整するためのフラップ37が揺動自在に設けられる。そして、室内機3は、室内送風ファン30を駆動することで吸込口35から室内空気を取り込み、室内熱交換器31で熱交換した後の空気を吹出し口36から室内に送風するように構成されている。
【0024】
リモコン5は、室内の壁面などの設置される箱型の本体51を備えている。本体51の前面には、例えば、液晶表示パネル等から構成されるリモコン表示部52が設けられている。リモコン表示部52の下方には、使用者が運転の開始または停止操作、メニュー操作、カーソルキー操作などを行うための複数の操作ボタン53が設けられている。本体51の前面右下には、例えば、室内機3の運転状態を表示するためのLED等から構成される表示ランプ54が設けられている。
【0025】
次に、空気調和システム1を構成する室外機2、及び、室内機3の制御構成について説明する。
図3は、室外機2、及び、室内機3の制御構成を示すブロック図である。
図3では、室内機3Aを代表して室内機3の制御構成を説明する。なお、室内機3B、3C、3Dのそれぞれは、図3で示す室内機3Aの制御構成と同様の制御構成である。
【0026】
図3に示すように、室外機2は、室外機制御部200を備える。
室外機制御部200は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである室外機プロセッサー210、及び、室外機記憶部220を備え、室外機2の各部を制御する。室外機制御部200は、室外機プロセッサー210が、室外機記憶部220に記憶された制御プログラム220Aを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0027】
室外機記憶部220は、室外機プロセッサー210が実行するプログラムや、室外機プロセッサー210により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。室外機記憶部220は、室外機プロセッサー210が実行する制御プログラム220Aや、室外機2の各種設定を行うための設定データを含むその他の各種データを記憶する。また、室外機記憶部220は、室外機2の能力(以下、「室外機能力」という)を示す室外機能力情報220Bを記憶する。室外機記憶部220は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、室外機記憶部220は、揮発性記憶領域を備え、室外機プロセッサー210が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0028】
室外機制御部200には、圧縮機20、室外送風ファン24、外気温センサ41、低圧センサ28、高圧センサ29、及び、室外冷媒温度センサ40が接続する。室外機制御部200は、外気温センサ41、低圧センサ28、高圧センサ29、及び、室外冷媒温度センサ40の検出値に基づいて、圧縮機20、室外膨張弁26、及び、室外送風ファン24を駆動制御する。
【0029】
室外機2は、室外機通信部201を備える。室外機通信部201は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアにより構成され、室外機制御部200の制御で、通信ネットワーク4を介して室内機3A、3B、3C、3Dのそれぞれと通信する。
【0030】
室外機2は、報知部202を備える。報知部202は、例えばLED等の情報を表示する構成を備え、所定の情報を報知する。なお、報知部202の報知態様は、情報の表示に限定されず、音声を出力する態様でもよいし、外部機器へ情報を送信する態様でもよい。
【0031】
図3に示すように、室内機3Aは、室内機制御部300を備える。
室内機制御部300は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである室内機プロセッサー310、及び、室内機記憶部320を備え、室内機3の各部を制御する。室内機制御部300は、室内機プロセッサー310が、室内機記憶部320に記憶された制御プログラム320Aを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0032】
室内機記憶部320は、室内機プロセッサー310が実行する制御プログラム320Aや、室内機プロセッサー310により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。室内機記憶部320は、室内機プロセッサー310が実行する制御プログラム320Aや、室内機3の各種設定を行うための設定データ320Bを含むその他の各種データを記憶する。また、室内機記憶部320は、第1室内機能力制御データ320C(制御データ)、第2室内機能力制御データ320D(制御データ)、及び、第3室内機能力制御データ320E(制御データ)を記憶する。これら制御データについては、後述する。室内機記憶部320は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、室内機記憶部320は、揮発性記憶領域を備え、室内機プロセッサー310が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0033】
本実施形態の室内機3は、室内機3の能力(以下、「室内機能力」という)として、馬力が異なる第1能力、第2能力、及び、第3能力を有する。室内機3は、室内機制御部300が、室内機3を動作させる際に室内機記憶部320から読み出す制御データに応じて第1能力、第2能力、及び、第3能力のいずれかの室内機能力で駆動する。
【0034】
室内機記憶部320が記憶する第1室内機能力制御データ320Cは、室内機3が、第1能力を示す室内機能力で駆動するための制御データである。第1能力は、後述する第2能力、及び第3能力のなかで最も馬力が低い室内機能力である。
室内機記憶部320が記憶する第2室内機能力制御データ320Dは、室内機3が、第2能力を示す室内機能力駆動するための制御データである。第2能力は、第1能力より馬力が高く、後述する第3能力より馬力が低い室内機能力である。
室内機記憶部320が記憶する第3室内機能力制御データ320Eは、室内機3が、第3能力を示す室内機能力で駆動するための制御データである。第3能力は、第1能力、及び、第2能力より馬力が高い室内機能力である。
【0035】
室内機制御部300には、室内送風ファン30、室内膨張弁32、及び、室内冷媒温度センサ33が接続する。室内機制御部300は、リモコン通信部302を介してリモコン5から受信した駆動制御信号に基づいて、室内膨張弁32の開度制御、室内送風ファン30の駆動制御、フラップ37の駆動制御を実行するに構成されている。
【0036】
室内機3は、室内機通信部301を備える。室内機通信部301は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアにより構成され、室内機制御部300の制御で、通信ネットワーク4を介して、室外機2及び他の室内機3のそれぞれと通信する。
【0037】
室内機3は、リモコン通信部302を備える。リモコン通信部302は、所定の通信規格でリモコン5と通信する通信ハードウェアを備え、室内機制御部300の制御で、リモコン5と通信する。
【0038】
次に、本実施形態の空気調和システム1の動作について説明する。
図4は、室内機能力の設定に係る室外機2と室内機3の動作を示すフローチャートである。図4において、フローチャートFAは、室内機3の動作を示すフローチャートであり、フローチャートFBは、室外機2の動作を示すフローチャートである。なお、室内機3A、3B、3C、3Dのそれぞれは、図4に示す室内機3の動作を実行する。
【0039】
フローチャートFAを参照して、室内機3の室内機制御部300は、室内機能力の設定を開始するか否かを判別する(ステップSA1)。例えば、室内機制御部300は、初めて室内機3に電源が投入されたと判別した場合、ステップSA1で肯定判別する。
【0040】
室内機制御部300は、室内機能力の設定を開始すると判別した場合(ステップSA1:YES)、設定データ320Bを参照して、自動で室内機能力の設定を実行する設定になっているか否かを判別する(ステップSA2)。例えば、初回の電源投入時の設定データ320Bには、自動で室内機能力の設定を実行する設定がオンであること示すデータが記述されているとする。この場合、初回の電源投入後の初回のステップSA2では、室内機制御部300は、ステップSA2において肯定判別する。
【0041】
室内機制御部300は、ステップSA2において肯定判別した場合、室外機能力情報220Bの送信を要求する要求コマンドを、室内機通信部301により室外機2へ送信する(ステップSA3)。なお、ステップSA3において、通信ネットワーク4に接続する機器のそれぞれに通信に利用するアドレスが割り当てられていない場合、要求コマンドは、室外機2の他、通信ネットワーク4に接続する他の室内機3へも送信される。しかしながら、要求コマンドは室外機2のみが処理できるコマンドであるため、室外機2のみから要求コマンドの応答がある。
【0042】
フローチャートFBを参照して、室外機制御部200は、室外機通信部201により要求コマンドを受信する(ステップSB1)。
【0043】
次いで、室外機制御部200は、受信した要求コマンドに基づいて、室外機記憶部220から室外機能力情報220Bを読み出し、要求コマンドの応答として室外機能力情報220Bを室外機通信部201により室内機3に送信する(ステップSB3)。なお、ステップSB3において、通信ネットワーク4に接続する機器のそれぞれにアドレスが割り当てられていない場合、要求コマンドの応答は、要求コマンドを送信した室内機3の他、通信ネットワーク4に接続する他の室内機3へも送信される。
【0044】
フローチャートFAを参照して、室内機制御部300は、室内機通信部301により室外機能力情報220Bを受信する(ステップSA4)。
【0045】
次いで、室内機制御部300は、通信ネットワーク4を介して室外機2に接続する室内機3の台数を検出するための検出コマンドを、室内機通信部301により他の室内機3の全てに送信する(ステップSA5)。なお、ステップSA5において、通信ネットワーク4に接続する機器のそれぞれにアドレスが割り当てられていない場合、検出コマンドは、通信ネットワーク4に接続する室外機2へも送信される。しかしながら、検出コマンドは室内機3のみが処理できるコマンドであるため、室外機2からの検出コマンドの応答はない。
【0046】
次いで、室内機制御部300は、室内機通信部301により、他の室内機3から検出コマンドの応答を受信する(ステップSA6)。
【0047】
次いで、室内機制御部300は、ステップSA5において受信した検出コマンドに対する応答の数に1を足した数を、室外機2に接続している室内機3の数として検出する(ステップSA7)。
【0048】
次いで、室内機制御部300は、ステップSA4で受信した室外機能力情報220Bが示す室外機能力を、ステップSA6で検出した室外機2に接続している室内機3の数で割る(ステップSA8)。
【0049】
次いで、室内機制御部300は、割って得られた室外機能力が、能力決定範囲内であるか否かを判別する(ステップSA9)。
【0050】
ここで、ステップSA9について詳述する。
能力決定範囲とは、ステップSA8の除算により得られた室外機能力に基づいて室内機3に設定する室内機能力を決定するために、ステップSA8の除算により得られた室外機能力に対して設けられた範囲である。能力決定範囲は、室内機3が有する複数の能力のそれぞれに対して、上限値及び下限値が異なって設けられている。能力決定範囲は、事前のテストやシミュレーション等によって適切に定められ、情報として室内機記憶部320に記憶されている。
本実施形態では、室内機3は、第1能力、第2能力、及び第3能力の3つの室内機能力を有する。そのため、室内機記憶部320は、第1能力に対応する能力決定範囲、第2能力に対応する能力決定範囲、及び、第3に対応する能力決定範囲の3つの能力決定範囲を情報として記憶する。第1能力に対応する能力決定範囲の上限値は、第2能力に対応する能力決定範囲の下限値より小さく設定され、第2能力に対応する能力決定範囲の上限値は、第3に対応する能力決定範囲の下限値より小さく設定されている。
【0051】
能力決定範囲、及び、能力決定範囲の上限値と下限値は以下の観点で定められている。
第1能力に対応する能力決定範囲の上限値及び下限値は、第1能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が、第1能力、第2能力、及び第3能力のうち最も第1能力に近くなるように適切に定められている。また、第1能力に対応する能力決定範囲は、第1能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が、第1能力として近似できるような範囲として適切に定められている。
また、第2能力に対応する能力決定範囲の上限値及び下限値は、第2能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が、第1能力、第2能力、及び第3能力のうち最も第2能力に近くなるように適切に定められている。また、第2能力に対応する能力決定範囲は、第2能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が、第2能力として近似できるような範囲として適切に定められている。
また、第3能力に対応する能力決定範囲の上限値及び下限値は、第3能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が、第1能力、第2能力、及び第3能力のうち最も第3能力に近くなるように適切に定められている。また、第3能力に対応する能力決定範囲は、第3能力に対応する能力決定範囲内に含まれる場合の除算により得られた室外機能力が第3能力として近似できるような範囲として適切に定められている。
【0052】
室内機制御部300は、ステップSA8の除算で得られた室外機能力が、第1能力に対応する能力決定範囲、第2能力に対応する能力決定範囲、及び、第3に対応する能力決定範囲のいずれの能力決定範囲内でない場合、ステップSA9において否定判別する。一方、ステップSA8の除算で得られた室外機能力が、第1能力に対応する能力決定範囲、第2能力に対応する能力決定範囲、及び、第3に対応する能力決定範囲のいずれかの能力決定範囲内である場合、ステップSA9において肯定判別する。
【0053】
室内機制御部300は、ステップSA9で否定判別した場合、対応する処理を実行する(ステップSA16)。対応する処理とは、例えば、室内機能力の設定を実行できないことを示す警告をリモコン5のリモコン表示部52により報知する処理である。また、例えば、通信ネットワーク4に接続する各機器にアドレスが割り当てられている場合、室内機制御部300は、対応する処理として、室外機2に当該情報を送信し室外機2の報知部202に当該情報を報知させる。
【0054】
一方で、室内機制御部300は、ステップSA9で肯定判別した場合、室内機能力を、ステップSA8の除算で得られた室外機能力を含む能力決定範囲に対応する能力に決定する(ステップSA10)。ステップSA8の除算で得られた室外機能力が、第1能力に対応する能力決定範囲内である場合、室内機制御部300は、室内機3に設定する室内機能力を第1能力と決定する。同様に、室内機制御部300は、ステップSA8で得られた室外機能力が、第2能力に対する能力決定範囲内にある場合に設定する室内機能力を第2能力に決定し、第3能力に対する能力決定範囲内にある場合に設定する室外機能力を第3能力に決定する。このように、室内機制御部300は、検出された室内機3の数が多いほど、1台あたりの室内機3が設定する室外機能力を馬力が小さい能力に決定する。換言すると、室内機制御部300は、検出された室内機3の数が少ないほど、1台あたりの室内機3が設定する室外機能力を馬力が大きい能力に決定する。
【0055】
次いで、室内機制御部300は、決定した室内機能力に対応する制御データを室内機3の駆動時に読み出すように設定データ320Bに設定することで、決定した室内機能力を設定する(ステップSA11)。
【0056】
次いで、室内機制御部300は、自動で室内機能力の設定を実行する設定をオフにする(ステップSA12)。そして、室内機制御部300は、処理をステップSA2に戻す。
【0057】
ステップSA2の説明に戻り、室内機制御部300は、設定データ320Bを参照して、自動で室内機能力の設定を実行する設定になっていないと判別した場合(ステップSA2:NO)、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定を完了したか否かの監視を開始する(ステップSA13)。
【0058】
次いで、室内機制御部300は、監視を開始すると、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定を完了したか否かを判別する(ステップSA14)。
【0059】
例えば、室内機制御部300は、室内機能力の設定が完了すると、室内機能力が完了したことを示す情報を、室内機通信部301により他の室内機3に送信するものとする。この場合、室内機制御部300は、室内機通信部301により当該情報を3つ受信するか否かで、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定を完了したか否か判別する。
【0060】
室内機制御部300は、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定を完了していないと判別した場合(ステップSA14:NO)、ステップSA13における監視を開始してから所定期間経過したか否かを判別する(ステップSA15)。
【0061】
室内機制御部300は、ステップSA13における監視を開始してから所定期間経過していないと判別した場合(ステップSA15:NO)、処理をステップSA14に戻す。
【0062】
一方、室内機制御部300は、ステップSA13における監視を開始してから所定期間経過したと判別した場合(ステップSA15:YES)、ステップSA16の処理を実行する。ここでの対応する処理とは、例えば、室外機2に接続する全ての室内機3について室内機能力の設定が未だに完了していないことを示す警告をリモコンや室外機2によって報知する処理である。
【0063】
ステップSA14の説明に戻り、室内機制御部300は、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定を完了したと判別した場合(ステップSA14:YES)、自動アドレス設定の開始要求を示す情報を室内機通信部301により室外機2へ送信する(ステップSA17)。自動アドレス設定とは、空気調和システム1において通信ネットワーク4に接続する室外機2及び複数の室内機3のそれぞれにアドレスを自動で設定することである。
【0064】
なお、アドレスが既に割り当てられている場合、室内機3は、ステップSA17と後述するステップSA18をスキップしてもよい。
【0065】
フローチャートFBを参照して、室外機2の室外機制御部200は、通信ネットワーク4に接続する室内機3から、自動アドレス設定の開始要求を示す情報を受信したか否かを判別する(ステップSB3)。なお、室内機3は、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力の設定が完了した場合に、自動アドレス設定の開始要求を行う構成である。そのため、室外機2は、接続する全ての室内機3が室内機能力の設定が完了していないとステップSB3で肯定判別しない。
【0066】
室外機制御部200は、ステップSB3において肯定判別した場合、自動アドレス設定を実行する(ステップSB4)。室外機制御部200は、ステップSB4の処理において、室外機2と全ての室内機3とにアドレスを割り当てる。
【0067】
フローチャートFAを参照し、室内機3の室内機制御部300は、室外機2と共に、自動アドレス設定を実行する(ステップSA18)。室内機制御部300は、ステップSA18の自動アドレス設定において、室外機2に割り当てられたアドレスと、室外機2に割り当てられたアドレスとを設定データ320Bに書き込む。
【0068】
これにより、通信ネットワーク4に接続する機器では、新たに、或いは、変更したアドレスが割り当てられる。
【0069】
なお、室外機制御部200は、ステップSB3の実行前において既に通信ネットワーク4に接続する機器の全てにアドレスが割り当てられている場合、ステップSB3、及び、ステップSB4の処理をスキップしてもよい。
【0070】
フローチャートFBを参照して、室外機制御部200は、各室内機3に割り当てたアドレスに基づいて、室外機2に接続する全ての室内機3から、設定された室内機能力を示す情報の送信要求を行う(ステップSB5)。
【0071】
フローチャートFAを参照して、室内機3の室内機制御部300は、室外機2からの送信要求に基づいて、ステップSA11で設定した室内機能力を示す情報を室内機通信部301により送信する(ステップSA19)。
【0072】
フローチャートFBを参照して、室外機2の室外機制御部200は、室外機通信部201により、全ての室内機3から室内機能力を示す情報を受信する(ステップSB6)。
【0073】
次いで、室外機制御部200は、室外機2に接続する全ての室内機3から取得した室内機能力の合計が、室外機記憶部220が記憶する室外機能力情報220Bが示す能力の許容範囲内であるか否かを判別する(ステップSB7)。
【0074】
室外機制御部200は、ステップSB7で否定判別した場合、報知部202により警告を報知する(ステップSB8)。
【0075】
一方、室外機制御部200は、ステップSB7で肯定判別した場合、室外機2に接続する全ての室内機3について、室内機能力の設定が正常に行われたと判定し(ステップSB9)、本処理を終了する。
【0076】
なお、上述した室外機2及び室内機3の動作では、室内機3が室内機能力の設定を完了した後に、自動アドレス設定を実行する構成であるが、自動アドレス設定を実行するタイミングは、要求コマンドの送信前でもよい。
【0077】
次に、室内機3、及び、室外機2が図4に示す動作を実行した場合における空気調和システム1全体の動作について説明する。
図5は、空気調和システム1の動作を示すシーケンス図である。
図5を参照した空気調和システム1の説明では、室内機3A、3B、3C、3Dが正常に室内機能力の設定が完了するものとする。また、シーケンス開始時では、通信ネットワーク4におけるアドレスが各機器に割り当てられていないものとする。
【0078】
図5に示すように、室内機3Aは、電源投入等により室内機能力の設定を開始すると、要求コマンドを室外機2に送信する(ステップS10)。室内機3B、3C、3Dも同様に、室外機2に要求コマンドを送信する(ステップS220、S30、S40)。
【0079】
室外機2は、室内機3Aから要求コマンドを受信すると、室外機能力情報220Bを室内機3Aに送信する(ステップS50)。同様に、室外機2は、室内機3B、3C、3Dのそれぞれから要求コマンドを受信すると、それぞれの室内機3に室外機能力情報220Bを送信する(ステップS51、S52、S53)。
【0080】
なお、図5では、室内機3A、3B、3C、3Dの順番で要求コマンドを送信しているように図示されているが、空気調和システム1において要求コマンドが送信されるタイミングは、この順番であるとは限らず、同時であったり他の順番であったりする。また、室外機2が要求コマンドの応答を送信する順番も、図5に示すような順番であるとは限らない。
【0081】
室内機3Aは、室外機2から室外機能力情報220Bを受信する(ステップS11)。同様に、室内機3B、3C、3Dは、室外機2から室外機能力情報220Bを受信する(ステップS21、S31、S41)。
【0082】
室内機3Aは、室外機2から室外機能力情報220Bを受信すると、室内機3B、3C、3Dのそれぞれに検出コマンドを送信し、室内機3B、3C、3Dのそれぞれから検出コマンドの応答を受信する(ステップS11)。同様に、室内機3Bは、室内機3A、3C、3Dに対して動作し(ステップS21)、室内機3Cは、室内機3A、3B、3Dに対して動作し(ステップS31)、室内機3Dは、室内機3A、3B、3Cに対して動作する(ステップS41)。
【0083】
なお、ステップS11、S21、S31、S41の実行する順番についても同様、検出コマンドの送信、及び、検出コマンドの応答の受信のタイミングは、図5に示す順番であるとは限らない。
【0084】
室内機3Aは、検出コマンドの応答を室内機3B、3C、3Dのそれぞれから受信すると、室外機2に接続する室内機3の数を検出する(ステップS12)。同様に、室内機3B、3C、3Dのそれぞれは、室外機2に接続する室内機3の数を検出する(ステップS22、S32、S33)。なお、各室内機3は、検出コマンドの応答を受信した後、適宜のタイミングで、室内機3の数の検出を行う。
【0085】
室内機3Aは、室外機2に接続する室内機3の数を検出すると、室内機能力の設定を行う(ステップS13)。同様に、室内機3B、3C、3Dのそれぞれは、室外機能力の設定を行う(ステップS24、S34、S44)。
【0086】
そして、室内機3A、3B、3C、3D、及び室外機2は、自動アドレス設定を行う(ステップS60)。
【0087】
[変形例]
次に、変形例について説明する。
上述した実施形態に係る空気調和システム1は、室外機2に接続する全ての室内機3が、室外機2に要求コマンドを送信し室外機2から室外機能力情報220Bを受信する構成である。変形例に係る空気調和システム1は、1台の室内機3が室外機2から室外機能力情報220Bを受信し、他の室内機3が室外機能力情報220Bを受信した室内機3から室外機能力情報220Bを受信する。
【0088】
変形例に係る空気調和システム1の動作について説明する。
変形例に係る空気調和システム1の動作説明では、室外機2、室内機3A、3B、3C、3Dのそれぞれに通信ネットワーク4のアドレスが割り当てられているものとする。
室内機能力の設定のトリガーが発生すると、室内機3は、室内機3Aに室外機能力情報220Bを送信する。室内機3Aは、室外機能力情報220Bを受信する。次いで、室内機3B、3C、3Dのそれぞれは、室内機3Aに、室外機能力情報220Bの送信を要求するコマンドを送信する。室内機3Aは、当該コマンドの応答として、室内機3B、3C、3Dに室外機能力情報220Bを送信する。そして、各室内機3は、室内機能力の設定を行う。なお、室内機3Bが室外機2から室外機能力情報220Bを受信してもよいし、室内機3Cが室外機2から室外機能力情報220Bを受信してもよいし、室内機3Dが室外機2から室外機能力情報220Bを受信してもよい。
【0089】
また、変形例に係る空気調和システム1の別の動作について説明する。
この説明では、室内機3Cが室内機3C´に入れ替えられたとする。また、この説明では、室内機3A、3B、3Dにはアドレスが割り当てられているが、室内機3C´にはアドレスが割り当てられていないとする。
この場合、室外機2は、アドレスが割り当てられている室内機3A、3B、3Dのいずれかに室外機能力情報220Bを送信する。そして、室内機3C´を含む室外機能力情報220Bを受信していない各室内機3は、室外機能力情報220Bを受信した室内機3から室外機能力情報220Bを取得する。室内機3C´は、室外機能力情報220Bの送信要求するコマンドを通信ネットワーク4に接続する室内機3の全てに送信することで、室外機能力情報220Bを取得する。そして、空気調和システム1は、室内機能力の設定を行い、新設された室内機3C´にアドレスが付与されていないため、自動アドレス設定を行う。
【0090】
以上、説明したように、空気調和システム1は、室外機2、及び、室外機2に接続する複数の室内機3を備える。室内機3は、室内機制御部300と、室内機通信部301とを備える。室内機制御部300は、室内機通信部301を介して室外機2から室外機2の能力を示す室外機能力情報220Bを受信し、空気調和システム1が備える室内機3の数を検出し、検出した室内機3の数と、受信した室外機能力情報220Bが示す室外機能力とに基づいて、検出した室内機3の数に応じた室内機能力を決定し、決定した室内機能力を設定する。
【0091】
また、空気調和システム1の制御方法では、室内機3は、室外機2から室外機能力を示す室外機能力情報220Bを受信し、空気調和システム1が備える室内機3の数を検出し、検出した室内機3の数と、受信した室外機能力情報220Bが示す室外機能力とに基づいて、検出した室内機3の数に応じた室内機能力を決定し、決定した室内機能力を設定する。
【0092】
この構成の空気調和システム1、及び、空気調和システム1の制御方法によれば、室外機2に接続する各室内機3が、室外機2に接続する室内機3の接続数に応じた室内機能力を設定するため、室外機2に対して複数の室内機3が接続する場合でも各室内機3が適切な室内機能力を設定できる。
【0093】
また、室内機制御部300は、受信した室外機能力情報220Bが示す室外機能力を検出した室内機3の数で割り、割って得られた室外機能力に基づいて室内機能力を決定する。
【0094】
これによれば、室内機3のそれぞれは、室外機能力に対して室外機2に接続する室内機3の数に応じた室内機能力であって、且つ、他の室内機3と同じ室内機能力を設定できる。そのため、各室内機3が設定した室内機能力の合計が室外機能力の許容範囲内になるように、各室内機3が室内機能力を設定できる。
【0095】
室内機制御部300は、空気調和システム1が備える全ての室内機3が室内機能力の設定を完了したか否かを所定期間監視する。
【0096】
本実施形態では、全ての室内機3が室内機能力の設定を完了すると、室外機2と共に自動アドレス設定を実行する。自動アドレス設定では、室外機2がマスターとなり、各室内機3がスレーブとなる。そのため、自動アドレス設定時において各室内機3は、室外機2の制御下に置かれるため、室内機3が室内機能力の設定を実行中であっても、能力設定を中断して自動アドレス設定を実行することになる。室内機能力の設定は、全ての室内機3が同じタイミングで設定が完了するとは限らず、各室内機3でタイムラグが生じ得る。そのため、例えば、全ての室内機3の一部が室内機能力の設定が完了した時点で自動アドレスを設定する構成では、全ての室内機3が室内機能力の設定を完了できない虞がある。そこで、各室内機3が全ての室内機3が室内機能力の設定が完了したか否かを所定期間監視する。これにより、所定期間、全ての室内機3の能力設定が完了するまで各室内機3が能力設定後に他の処理を実行しないようにできる。そのため、空気調和システム1は、各室内機3で能力設定にタイムラグが発生した場合でも、室外機2に接続する全ての室内機3が室内機能力を設定できるようにすることができる。
【0097】
また、室内機3は、馬力が異なる室内機能力のそれぞれについて、制御データを記憶する室内機記憶部320を備える。
【0098】
これによれば、室内機3が有する複数の室内機能力のそれぞれについて室内機3が制御データを記憶することで、室内機3の機種数を、例えば室内機3の能力数と室内機3の筐体の異種数とを掛けた数とする必要がなく室内機3の筐体の異種数のみとすることができる。そのため、室内機3の機種数の増大を抑えることができる。また、室内機3の機種数の増大を抑えることができるため、在庫管理等の室内機3の所定の管理が容易となる。
【0099】
また、室内機制御部300は、室内機通信部301により室外機2から室外機能力情報220Bを受信する。
【0100】
これによれば、各室内機3が室外機2から室外機能力情報220Bを受信する構成でも、各室内機3が適切な室内機能力を設定できる。
【0101】
また、1の室内機3の室内機制御部300は、室内機通信部301により室外機2から室外機能力情報220Bを受信する。当該1の室内機3と異なる他の室内機3の室内機制御部300は、室内機通信部301により当該1の室内機3から室外機能力情報220Bを受信する。
【0102】
これによれば、1の室内機3が室外機2から室外機能力情報220Bを受信し、当該1の室内機3と異なる他の室内機3が当該1の室内機3から室外機能力情報220Bを受信する構成でも、各室内機3が適切な室内機能力を設定できる。
【0103】
また、室外機2は、室外機制御部200と、室外機通信部201と、報知部202とを備える。室外機制御部200は、室外機通信部201により全ての室内機3から設定されや室内機能力を取得し、取得した室内機能力の合計が、室外機能力の許容範囲外になる場合、報知部202により警告を発生する。
【0104】
これによれば、室内機3の設定を行うユーザーが、各室内機3が設定した室内機能力の合計が室外機能力の許容範囲外となっていることを認識できるため、室内機3の能力設定に際してユーザーを支援できる。
【0105】
上述した実施形態、及び変形例は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0106】
例えば、室内機3が有する室内機能力の数は、3つに限定されず、複数であれば多くてもよく少なくてもよい。なお、室内機3は、室内機能力に対応する制御データを、有する室内機能力の数だけ記憶する。
【0107】
また、例えば、室外機2に接続する室内機3の数は、4つに限定されず、複数であれば多くてもよく少なくてもよい。
【0108】
また、例えば、リモコン5の操作によって室内機能力の設定を開始する構成でもよい。例えば、空気調和システム1は、ある1のリモコン5の操作によって空気調和システム1が具備する室外機2、及び全室内機3が再起動可能な構成である場合、リモコンの操作による再起動によって室内機能力の設定を開始する。これにより、少なくとも室内機3の全てを同じタイミングで図4に示すフローに投入させることができ、室内機3の設定完了のタイムラグを大幅に小さくすることができる。
【0109】
また、室外機制御部200、及び、室内機制御部300の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0110】
また、図3に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、室外機2、及び、室内機3の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0111】
また、例えば、図4に示す動作のステップ単位は、室外機2、及び、室内機3の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明に係る空気調和システム、及び空気調和システムの制御方法は、室外機に接続する複数の室内機が室内機の能力を設定する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 空気調和システム
2 室外機
3、3A、3B、3C、3D 室内機
200 室外機制御部
201 室外機通信部
202 報知部
220 室外機記憶部
220B 室外機能力情報
300 室内機制御部
301 室内機通信部
320 室内機記憶部
320C 第1室内機能力制御データ(制御データ)
320D 第2室内機能力制御データ(制御データ)
320E 第3室内機能力制御データ(制御データ)
図1
図2
図3
図4
図5