(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025300
(43)【公開日】2023-02-21
(54)【発明の名称】長尺LED発光体
(51)【国際特許分類】
F21S 4/22 20160101AFI20230214BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230214BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230214BHJP
F21V 17/10 20060101ALI20230214BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20230214BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230214BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230214BHJP
【FI】
F21S4/22
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V15/01 330
F21V17/10 350
F21V31/00 300
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202503
(22)【出願日】2022-12-19
(62)【分割の表示】P 2020133400の分割
【原出願日】2020-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】502291610
【氏名又は名称】神田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一英
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 直
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 万起
(57)【要約】 (修正有)
【課題】LED基板を筐体内で固定することなく、光拡散が十分であるフレキシブルな長尺LED発行体を提供する。
【解決手段】筐体10の内部に規制凸部13を対向突設して筐体内部に固定しない状態の基板実装のLED22を筐体内壁と規制凸部13とで囲繞される空間内に収納し、筐体外周壁は黒色系統の色彩とすると共に、内壁面は白色或いは乳白色系統の色彩としてLED光線の筐体内での反射光を多方面に拡散することによりLED光の筐体外部への透過率を下げてLED光が外部に可及的に遺漏しないように構成し、断面略方形状に構成した長尺の筐体端部にはキャップを装着する。キャップは筐体開口部を閉塞する蓋部と蓋部の背面に突設したキャップ本体とより構成し、キャップ本体は筐体開口部内壁と凹凸嵌合して筐体開口部内壁と密着固定可能に構成し、かつ、筐体とキャップ本体とは筐体の壁体外部から挿入する固定ピンにより一体固定した長尺LED発光体。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略方形状の長手で可撓性素材よりなる筐体中に基板実装のLEDを収納した長尺LED発光体において、筐体内部に規制凸部を対向突設して筐体内部に固定しない状態の基板実装のLEDを筐体内壁と規制凸部とで囲繞される空間内に収納し、筐体内の基板実装の複数のLEDから照射される光線が筐体内壁面に向かって乱反射するように構成し、筐体外周壁は黒色系統の色彩とすると共に、内壁面は白色或いは乳白色系統の色彩としてLED光線の筐体内での反射光を多方面に拡散することによりLED光の筐体外部への透過率を下げてLED光が外部に可及的に遺漏しないように構成し、しかも、断面略方形状に構成した長尺の筐体端部にはキャップを装着すると共に、キャップは筐体開口部を閉塞する蓋部と蓋部の背面に突設したキャップ本体とより構成し、キャップ本体は筐体開口部内壁と凹凸嵌合して筐体開口部内壁と密着固定可能に構成し、かつ、筐体とキャップ本体とは筐体の壁体外部から挿入する固定ピンにより一体固定したことを特徴とする長尺LED発光体。
【請求項2】
キャップの蓋部側面には接着剤を注入するための注入口を形成すると共に、注入口はキャップ本体の外側面に形成した多数のスリットに連通して接着剤を注入口からスリットを介してキャップ本体と筐体開口部内壁との接合部に毛細管機能で侵入するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の長尺LED発光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多種の製品に使用されている長尺物の面発光LED発光体の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LEDを面発光体として利用する製品が各種の製品分野で使用されている。例えば、自動車の車内インテリアやフロントグリルや移動デスプレイ等に実施されて見るものの注意を喚起したり美観を呈する等の使用が行われている。その構造は一定の広がりを有する筐体や長尺物の筐体中にLEDを実装した基板を収納して筐体を透過したLED発光を面発光体や線発光体等の所定のモジュールに構成したものである。
【0003】
LED発光体は、光の直進性が高い特徴を有している。それ故に、LED発光体は、発光領域が狭いという点や、輝度のムラが生じて発光が不均一となる点を課題として指摘されていた。これらの課題の改善案として、例えば、特許文献1には、発光領域を広くする光源装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示の光源装置は、筒状の透明カバーと、透明カバーの長手方向の両端部に付設された透光性を備える端子固定部と、透明カバーの内部に設置された複数の光源が備えられた基板と、より構成されている。基盤の長手方向の長さは、透明カバーの長手方向と両端部の端子固定部の長さとの合計よりもやや短い長さに構成されている。かかる構成により、光源装置の両端部からも光が透過することとなり、広い発光領域を提供するものである。
【0005】
また、特許文献2には、輝度ムラを抑制して均一な発光を得ることができる照明装置が開示されている。
【0006】
特許文献2に開示の照明装置は、複数の発光素子と、各々の発光素子と一対一に対応して形成された光拡散構造体と、発光素子と光拡散構造体とを覆うように配置された透光性及び光拡散性を備えたカバー部材と、より構成されている。特許文献2に開示の照明装置は、かかる構成により、発光素子から出射した光を光拡散構造体において反射によって拡散させるものであり、輝度ムラを抑制して均一な発光を提供するものである。
【0007】
先行技術文献1及び2のように、LED発光体の課題を解決するための種々の提案がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-35936号公報
【特許文献2】特開2017-208205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の面発光LEDモジュールにおけるLED基板は筐体内で固定されており発光指向先が筐体の灯光拡散板に直接に向かい筐体内での反射に基づく光拡散が不十分であり、かつ各筐体単体の各接続が十分でなく面発光LEDモジュールが分解して損壊しやすく、更には面発光LEDモジュールのフレキシブル性が不十分で各種応用製品の形状に沿った完全な装着が行えずLED機能を十分に発揮することができない課題があり、更には一般的な断面円状モジュールではLEDモジュールを応用する製品に取り付ける手段が複雑で作業性が悪いなどの各種の課題が多数発生しており、面発光LEDモジュールの広範囲の普及に支障となっている。
【0010】
本発明では、かかる課題を解決すべく基本として筐体の各種構造や基板構造に一定の改良を施し筐体内における面発光LEDモジュールを固定することなく筐体内の空間の一定の範囲内で自在に横移動や上下振動をする構成として筐体内でのLEDモジュールからの光線を反射させて反射光を多数形成することができる長尺LED発光体を提供せんとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、断面略方形状の長手で可撓性素材よりなる筐体中に基板実装のLEDを収納した長尺LED発光体において、筐体内部に規制凸部を対向突設して筐体内部に固定しない状態の基板実装のLEDを筐体内壁と規制凸部とで囲繞される空間内に収納し、筐体内の基板実装の複数のLEDから照射される光線が筐体内壁面に向かって乱反射するように構成し、筐体外周壁は黒色系統の色彩とすると共に、内壁面は白色或いは乳白色系統の色彩としてLED光線の筐体内での反射光を多方面に拡散することによりLED光の筐体外部への透過率を下げてLED光が外部に可及的に遺漏しないように構成し、しかも、断面略方形状に構成した長尺の筐体端部にはキャップを装着すると共に、キャップは筐体開口部を閉塞する蓋部と蓋部の背面に突設したキャップ本体とより構成し、キャップ本体は筐体開口部内壁と凹凸嵌合して筐体開口部内壁と密着固定可能に構成し、かつ、筐体とキャップ本体とは筐体の壁体外部から挿入する固定ピンにより一体固定したことを特徴とする長尺LED発光体を提供せんとする。
【0012】
また、キャップの蓋部側面には接着剤を注入するための注入口を形成すると共に、注入口はキャップ本体の外側面に形成した多数のスリットに連通して接着剤を注入口からスリットを介してキャップ本体と筐体開口部内壁との接合部に毛細管機能で侵入するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、断面略方形状の長手で可撓性素材よりなる筐体中に基板実装のLEDを収納した長尺LED発光体において、筐体内部に規制凸部を対向突設して筐体内部に固定しない状態で基板に実装したLEDを筐体内壁と規制凸部とで囲繞される空間内に収納したことにより、基板に実装したLEDは空間内で自在に横変動や縦変動を行い変位する。そして、以下に説明する各種の機能を果たす。すなわち、LED発光を複雑に照射して周辺の発光機能を向上することができると共に、筐体を実装する際の折曲作業が行いやすく確実な実装を可能とすることができる効果がある。
【0014】
しかも、筐体は、長手に構成するとともに、可撓性の素材、例えばエラストマー樹脂を素材に使用して構成する。これにより、自動車のダッシュボード等の曲面位置やボンネット縁部等のように外径が凹凸形状やカーブ形状を有する位置に本発明に係るLED発光体が装着実装されると、筐体は装着対象が備える外形の凹凸形状に合わせて屈曲することになる。係る屈曲実装を行うことにより、一定間隔で光散実装したLED同士の間の筐体も変形することになる。
【0015】
このように、筐体が、内蔵する基盤と共に或いは独自に変形すれば、基板実装のLEDが、筐体の空間内で筐体の変形に従って至る方向を指向するように揺動する。すなわち、LEDの照射方向は、基板に実装したLEDの空間内揺動と共に複雑に変化することとなる。
【0016】
更には、係るLEDの照射方向が複雑に変化する要因を筐体の変形に伴うLEDの揺動にともないようにしたことにある。しかも、かかるLED発光体の複雑な反射光は、一定間隔を保持して基板上に配設した隣接するLED間において強化される。すなわち、隣接するLEDの反射光の発光が揺動により複雑に重なることにより、隣接するLED間にも発光層が形成されることとなる。隣接するLED間に形成された反射光の重なりによる発光層は、LEDの発光点およびLED間の空間にも一様に一定の照度を生起して、照明窓である筐体発光面から面発光することができる効果がある。
【0017】
更には、可撓性素材より構成される筐体および基板は実装対象物の外形に添って屈曲自在に変形させて実装され、LEDを実装した基板は筐体内の空間内における内壁面のいたるところを変動することになる。このように、LED実装の基板が筐体内部で変動する構成により、LED実装の基板と筐体との熱収縮率の違いによって生起される部材の損壊を防ぐことができる。熱収縮率は部材を構成する素材に応じて異なるため、異なる素材からなる部材を連結した際には、部材間で発生する熱応力による耐久性の低下が問題視されていた。すなわち、LED実装の基板および筐体は、独立して配置されることによって熱収縮率の差による影響を回避でき、熱に対して高い耐久性を備えることができる。
【0018】
また、筐体内の基板実装の複数のLEDから照射される光線は基板実装のLEDを自在に変動するように構成することにより筐体内壁面に向かった照射光は反射して乱反射となるように構成したことにより、変動自在の基板実装のLEDから照射される光は一点に集中することなく、特に筐体の一面に形成されたLED照射窓となる拡散板に集中することなく筐体内の全方向に反射拡散して照度を上げて照明効率を向上することができる効果がある。
【0019】
また、筐体外周壁は黒色系統の色彩とすると共に、内壁面は白色或いは乳白色系統の色彩としたことにより、LED光が筐体内部で乱反射しやすく、しかも、筐体外周壁は黒色系統の色彩であるために筐体外部にLED光が漏洩することを可及的に防止して筐体の拡散板からの光の照射度を上げて照明効率を一段と向上することができる効果がある。
【0020】
また、請求項2の発明によれば、断面略方形状に構成した長尺の筐体端部にはキャップを装着すると共に、キャップは筐体開口部を閉塞する蓋部と蓋部の背面に突設したキャップ本体とより構成し、キャップ本体は、かつ、筐体とキャップ本体とは筐体の壁体外部から挿入する固定ピンにより一体固定したことにより、確実にキャップと筐体開口部とを一体に確実に固定することができると共に、接着剤は筐体開口部内壁とキャップ本体との接合面に侵入してより確実な接着機能を果たすことができる効果がある。
【0021】
更には、キャップの蓋部側面には接着剤を注入するための注入口を形成すると共に、注入口はキャップ本体の外側面に設けた多数のスリットに連通しているため、接着剤注入口からスリットを介してキャップ本体と筐体開口部内壁との接合部に侵入してより密着接合機能を果たし筐体内部を大気からの完全な遮断空間として長尺LED発光体の保護をすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明にかかるLED発光体を説明する概略図である。
【
図2】LED発光体を構成する筐体の側断面図である。
【
図3】LEDから照射された光の動きを説明する筐体の側断面図である。
【
図4】ハーネスを筐体が備える拡散板の反対側に引き出した状態を説明する概略図である。
【
図5】筐体の端部に密着状に装着固定するキャップの構造例を説明する図である。
【
図6】筐体の端部に密着状に装着固定するキャップの構造例を説明する図である。
【
図7】筐体の端部に密着状に装着固定するキャップの構造例を説明する図である。
【
図8】
図7で説明するキャップを筐体の端部に装着固定する様子を説明する平面図である。
【
図10】隣接する2つの基盤を直列に連結する様子を説明する平面図及びその断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の要旨は、断面略方形状の長手で可撓性素材よりなる筐体中に基板に実装したLEDを収納した長尺LED発光体において、筐体内部に規制凸部を対向突設して筐体内部に固定しない状態の基板実装のLEDを筐体内壁と規制凸部とで囲繞される空間内に収納したことに関する。
【0024】
また、筐体内の基板実装の複数のLEDから照射される光線は基板に実装したLEDを変動自在に構成することにより筐体内壁面に向かった照射光を反射光として乱反射となるようにしたことを特徴とする。
【0025】
また、筐体外周壁は黒色系統の色彩とすると共に、内壁面は白色或いは乳白色系統の色彩としてLED光の指向性を拡散することによりLED光の筐体外部への透過率を下げてLED光が外部に可及的に遺漏しないように構成したことを特徴とする。
【0026】
また、断面略方形状に構成した長尺の筐体端部にはキャップを装着すると共に、キャップは筐体開口部を閉塞する蓋部と蓋部の背面に突設したキャップ本体とより構成し、キャップ本体は筐体開口部内壁と凹凸嵌合して筐体開口部内壁と密着固定可能に構成し、かつ、筐体とキャップ本体とは筐体の壁体外部から挿入する固定ピンにより一体固定したことを特徴とする。
【0027】
この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の長尺LED発光体1の説明図である。
【0028】
本発明の長尺LED発光体1は、
図2に示すように、断面略方形状の筐体10中に基板21実装のLED22を収納した面発光する長尺LED発光体を構成している。筐体10は中空断面略方形状で樹脂により長尺に形成しており、外側の一面10aにはスチレン系エラストマー樹脂からなる乳白色の拡散板11よりなり、他の三面10bは黒色のオレフイン系エラストマー樹脂からなりかかる外側の色彩により筐体内部のLED光が筐体外部に可及的に漏洩しないように構成すると共に光が拡散して照明度を上げるようにしている。
【0029】
筐体10の中空内側面には拡散板11(筐体10を構成する一面10a側)を除いた三面10bに一定の肉厚で白色のスチレン系エラストマー樹脂からなる反射部12が形成されている。
【0030】
しかも、
図2に示すように、筐体10の中空内側面において拡散板11とその対向内壁面10b′には規制凸部13が互いに対向状態で一定の間隔を保持して突設されており、かかる規制凸部13は筐体の内壁を形成するスチレン系エラストマー樹脂により構成されている。
【0031】
しかも、筐体10内の規制凸部13により形成される過半部の空間部分は、
図2に示すように、基板21実装のLED22が収納され変動可能となる変動空間14を形成している。
【0032】
このように筐体10内部の基板の変動空間14には基板21実装のLED22が収納されていると共に、基板21の幅員W1は、筐体10の内部幅員W2より狭く対抗する規制凸部13の先端間隔W3よりも広く形成しており、かかる幅員の比較形成によって基板実装のLEDが揺動空間内において固定されることなく変動自在に位置変動可能に構成されている。すなわち、基板21実装のLED22の幅員W1は、W3<W1<W2となるように形成される。
【0033】
従って、かかる構成によって基板21実装のLED22は拡散板11が横側方に位置する姿勢では筐体10の底部10cに載置された姿勢となりLED発光面22aが筐体10の天井面10dを指向する姿勢となる。
【0034】
かかる姿勢ではLED22からの光は、
図3に示すように、筐体10の左右側内面や天井面に指向して発光することになり左右側内面や天井面で反射して筐体10内で乱反射して最終的には拡散板11方向に集光されて拡散板11を透過し筐体10外部を照明することになる。なお、
図3において、LED発光面22aの近傍を基端とする白矢印はLED発光面22aより照射された光を示し、反射部12の近傍を基端とする白矢印は反射部12で乱反射した光を示す。
【0035】
すなわち、LED光の指向性を拡散することによりLED光の筐体10外部への透過率を下げてLED光が外部に可及的に遺漏しないように構成している。また、面発光するLEDモジュール20の裏面20aにはLED対応の部分に補強板23を貼設することにより基板21の折曲にも関わらずLED22が基板21から剥離することを防いでいる。
【0036】
また、
図10(a)、(b)に示すように、一定の長さの基板21、21′は直列に連結するパターンを介したことにより長尺物の面発光するLEDモジュール20を構成するようにしており、例えばLED基板21の端部同士を上下に重ねてその間に予備はんだ24を介して接着する。図中、符号25(25a、25b)は接合する基板21、21′の端部同士の接合パターンを示している。なお、
図10(a)は接合する2つの基板21、21′の端部近傍を示す平面図であり、
図10(b)は
図10(a)の構造を側面視的に説明する図である。
【0037】
基板21、21′の端部同士の接合パターンを具体的に説明する。LED基板21の端部とLED基板21′の端部とは、
図10に示すように上下に重ねられている。この重ねられた2つの基板21、21′の上部には、略中部に開口を備えた帯状体のジャンパー26が付設されている。ジャンパー26の開口部26aからは、基板21、21′に付設されたLED22が露出するように構成されている。
【0038】
ジャンパー26の下部面(基板21、及び21′と対向する側)には、パターン25(25a)が設けられている。ジャンパー26と基板21′との間には、基板21の略厚み分の隙間が生じることとなる。この隙間を埋めるために、予備はんだ24が設けられている。すなわち、予備はんだ24は、基板21′状のパターン25(25b)とパターン25(25a)とを連結するように形成されている。
【0039】
仮に、電流が基板21から基板21′に流れているとする。かかる構造により、電流は以下の経路で流れることとなる。すなわち、基板21、パターン25a、ジャンパー26、予備はんだ24、パターン25b、基板21′の順で電流は流れる。これにより、基板21上に実装されたLED22及び基板21′上に実装されたLED22が、連動して発光する。
【0040】
したがって、ジャンパー26を用いて連結させた2つの基板21、21′は、強固に一体となった基板となる。また、ジャンパー26が備える開口部26aにより、基板21と基板21′の端部に実装されたLED22がジャンパー26で隠れることが無い為、輝度を低下させることもない。
【0041】
また、筐体10の端部は開口(以下、開口部15とする。)しているために筐体10の内部を密閉するため長尺の筐体10端部にキャップ30を密着状に装着固定している。すなわち、キャップ30は、
図5に示すように、筐体10の開口部15を閉塞する平板の蓋部31と蓋部31の背面31aに突設し筐体10の端部の開口部15に嵌着することができる方形状のキャップ本体32とからなる。
【0042】
方形状のキャップ本体32の左右側面32aには筐体10の開口部15内壁に突設した左右の規制凸部13と凹凸嵌合するように切欠き部33を設けている。
【0043】
更には、筐体10の天井面10dには、
図6に示すように、ピン孔34を左右2個形成しており、キャップ本体32の上側面32bにはピン孔34に対応する位置にピン嵌入穴35を穿設して筐体10の端部開口部分15にキャップ本体32を嵌着した場合に固定ピン36をピン孔34からピン嵌入穴35に挿通してキャップ本体32のロック機能を果たすように構成している。
【0044】
キャップ本体32の上側面32bと左右側面32aには、
図7及び
図8に示すように、液状の接着剤が流通するための歯様の形状を備えたスリット37を形成しており、キャップ30の蓋部31の天井面31bにスリット37に連通する外部接着剤注入口38を切欠形成している。外部接着剤注入口38から液状の接着剤を流入すればスリット37を介して接着剤は毛細管現象で筐体10の開口部15内壁とキャップ本体32外側面との接合部に侵入し接着剤と共に一体的な嵌着構造を介してキャップ30を筐体10の開口部15に強固に密閉して一体性を向上して長尺LED発光体1の製品を永続的に実施できる効果がある。
【0045】
キャップ30の蓋部側面30a(蓋部31の天井面31b)には、
図7及び
図8に示すように、接着剤を注入するための外部接着剤注入口38を形成すると共に、外部接着剤注入口38はキャップ本体32の外側面(32a及び32b)に設けた多数のスリット37に連通することにより、外部接着剤注入口38からスリット37を介してキャップ本体32と筐体10の開口部15内壁との接合部に侵入してより密着接合機能を果たし筐体10の内部を大気から遮断した遮断空間として内部に収容したLEDモジュール20を外部の湿度や漏水や汚損物から保護している。
【0046】
また、筐体10の外形は上記したように方形状であるため他の製品に実装するときには方形の平面を利用して容易に密着実装することが可能であり、従って例えば両面テープなどの接着テープを介して他製品の平面部分に筐体を貼着することができる。
【0047】
また、筐体10の内部にはLED22間を結線するハーネス40が配線されており、具体的には、
図9(a)に示すように、筐体10と連接した分岐ケース47の内部に緩衝充填剤41を収納して、分岐ケース47の内部に4本のハーネス40を上下左右に規則的に配設している。図中、符号42はハーネスの外周の絶縁体、符号43は導体を示す。なお、
図9(a)は分岐ケース47の構造を説明する図であり、
図9(b)は分岐ケース47の横断面図であり、
図9(c)は、筐体10と分岐ケース47とを連結させるハーネスキャップ46近傍の図である。
【0048】
筐体10から導出されるハーネス40は次の隣接筐体10′に接続される場合には、
図4(a)に示すように、ハーネススチレン系エラストマー樹脂を筐体10の延長線上に配線するのが一般的であるが、発光面の拡散板11を前面露出側として実装するとハーネス40がセットフレーム44に入らずに外観を損ねるため拡散板11の反対側に配線することによりかかる課題を解決する手段があるが、そのためには筐体10の壁面(筐体10b′側)にハーネス導出のための導出孔45を穿設しなければならず筐体10内の密閉性が損なわれる。そのために、
図4(b)に示すように、筐体10の端部に装着したハーネスキャップ46に分岐ケース47を分岐連設してハーネスキャップ46の蓋部48からハーネス40を引き回してハーネス40の配線と共に筐体10の内部の密閉性を確保するように構成している。
【符号の説明】
【0049】
1 LED発光体
10 筐体
10a 筐体の一面(拡散板側)
10b 筐体の三面
10b′筐体の一面(拡散板の対向側)
10c 筐体の底部
10d 筐体の天井面
11 拡散板
12 反射部
13 規制凸部
14 変動空間
15 開口部
20 LEDモジュール
20a LEDモジュールの裏面
21 基板
22 LED
22a LED発光面
23 補強版
24 予備はんだ
25 パターン
26 ジャンパー
26a 開口部
30 キャップ
31 蓋部
31a 蓋部の背面
31b 蓋体の天井面
32 キャップ本体
32a キャップ本体の左右側面
32b キャップ本体の上側面
33 切欠き部
34 ピン孔
35 ピン嵌入穴
36 固定ピン
37 スリット
38 外部接着剤注入口
40 ハーネス
41 緩衝充填剤
42 絶縁体
43 導体
44 セットフレーム
45 導出孔
46 ハーネスキャップ
47 分岐ケース
48 蓋部
W1 基板実装のLEDの幅員
W2 筐体の内部幅員
W3 対抗する規制凸部の先端間隔