(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025316
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】油性固形化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20230215BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20230215BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230215BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20230215BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20230215BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20230215BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230215BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20230215BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/84
A61K8/29
A61K8/27
A61K8/37
A61Q1/02
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130444
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】平原 茉季
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC352
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC792
4C083AC842
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083BB12
4C083BB13
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083DD11
4C083DD17
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単一の組成物で多機能性を有する油性固形化粧料組成物、詳細には、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、一方薄く塗り広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性に優れるという、使用方法を変えることで異なるメーキャップ効果が得られる油性固形化粧料組成物を提供する。
【解決手段】(A)微結晶性ワックスを3~15質量%
(B)ポリアクリル酸アルキル粉末及びポリウレタン粉末から選ばれる1種、又は2種以上の球状粉体を2~15質量%
(C)20℃環境下における粘度が5~50mPa・sである1種、又は2種以上の油剤
(D)酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種、又は2種以上の金属酸化物を15~35質量%
(E)ペンタエリスリット脂肪酸エステル及びジペンタエリスリット脂肪酸エステルから選ばれる1種、又は2種以上を2~10質量%
を含む油性固形化粧料組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)微結晶性ワックスを3~15質量%
(B)ポリアクリル酸アルキル粉末及びポリウレタン粉末から選ばれる1種、又は2種以上の球状粉体を2~15質量%
(C)20℃環境下における粘度が5~50mPa・sである1種、又は2種以上の油剤
(D)酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種、又は2種以上の金属酸化物を15~35質量%
(E)ペンタエリスリット脂肪酸エステル及びジペンタエリスリット脂肪酸エステルから選ばれる1種、又は2種以上を2~10質量%
を含む油性固形化粧料組成物。
【請求項2】
(A)成分がマイクロクリスタリンワックス又は微結晶性ポリエチレンである請求項1に記載の油性固形化粧料組成物。
【請求項3】
(B)成分がポリメタクリル酸メチルまたは(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーから選ばれる1種、又は2種以上である請求項1又は2に記載の油性固形化粧料組成物。
【請求項4】
皮膚面4cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.03gを均一に塗布した場合にソフトフォーカス効果を有し、皮膚面10cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.002gを均一に塗布した場合に高いツヤ感を有することを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の油性固形化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の組成物で多機能性を有する油性固形化粧料組成物、詳細には、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、一方薄く塗り広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性に優れるという、使用方法を変えることで異なるメーキャップ効果が得られる油性固形化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の社会進出を背景に、メイクアップに関して「時短」や「多機能(2in1等)」への要望が高まっている。メイクアップには複数のメイクアップ化粧料(アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、口紅、チーク、化粧下地、ファンデーション、ハイライト、コンシーラー等)を組み合わせることが多いため、忙しい朝に素早くメイクアップできる商品や付加価値へのニーズが高まっている。
【0003】
しみ、そばかす、くまやくすみのような肌の着色、毛穴、しわ等の肌の凹凸等の肌の形態による不具合を目立ち難くするメイクアップ化粧料に、コンシーラーが挙げられる。従来のコンシーラーは、皮膚の色むら、凹凸をわかりにくくするために高いカバー力が必要とされ多量の酸化チタン等の白色不透明顔料が配合されている。ただしこれには、確かに肌の欠点はわかりにくいが、「カバー力が高すぎてメーキャップ品自体の表面反射が強くなり、肌本来が持つ半透明感や立体感がなくなり、のっぺりとした不自然な仕上がりになってしまう」という課題がある。
【0004】
例えば、自然な仕上がりで肌の欠点を補正するために、(a)ダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物と(b)屈折率1.35~1.5の球状粉体によるソフトフォーカス効果で、不自然さのない毛穴・シワ等の皮膚形態を補正するものが検討されている。(特許文献1)
ソフトフォーカス効果とは、粉体からの反射光を多方向へ散乱させることにより、その粉体の下にあるものを見えにくくする効果である。この効果によって、しわ、しみ、そばかす、色むら等の肌の欠点を自然な仕上がりで補正することができる。効果的にソフトフォーカス性を発揮させるためには組成物内部の光散乱を利用することが有効であり、そのため通常は組成物自体に一定の透明性が必要である。
【0005】
また、肌を明るく見せるメイクアップ化粧料に、ハイライトが挙げられる。従来のハイライトは、明るい肌色にするために酸化チタン等の白色不透明顔料を多く配合した場合には、マットな仕上がりになってしまいツヤを持続することが難しい。そこで雲母に酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることでツヤを得るという製品が主流である。ただしパール顔料は鏡面反射が主流であるためシワが目立ってしまうという欠点がある。
【0006】
特許文献2には、薄片状基板粉体のシリコーンエラストマー被覆体と揮発性シリコーン油を含有し、優れたツヤ感を有しながら、毛穴を目立たなくする化粧料組成物が開示されている。また特許文献3には、デンプンと、アクリロイルエチルトリ(C1-C3アルキル)アンモニウム塩由来の高分子を含有し、ソフトフォーカスと輝き効果を皮膚に与える化粧料組成物が開示されている。しかし、いずれも塗布時のツヤ感が不自然であり、「ハイライト」として使用した場合、顔を立体的に見せることができないという課題があった。
【0007】
また特許文献4には球状シリコーン粒子とポリオルガノシロキサンを含有する化粧料組成物が、特許文献5にはポリウレタンゲル組成物と油性ゲル化剤、球状粉体を含有する油性固形化粧料組成物が開示されているが、いずれも化粧膜が均一で伸び広がりやソフトフォーカス効果、化粧持ちに優れる一方で、ツヤ感(ハイライト効果)に関する記載は一切ない。
【0008】
特許文献6には、固形ワックス、ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体を含有するスティック状油性固型化粧料が開示されている。マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、経日安定性に優れる一方で、この文献に関しても、ツヤ感に関する記載は一切ない。
【0009】
特許文献7には、25℃で液状の油剤、25℃で固体状または半固体状の油剤、特定の粒子径を保持する粉体を含有する油性固形化粧料が開示されている。塗布時に均一に塗布しやすく、付着量を多くすることができ、また、即時に、シミ等の色ムラを見えにくくする効果に優れる一方で、この文献に関してもツヤ感に関する記載は一切ない。
【0010】
以上の理由から、特に光学的には、ソフトフォーカス性は光の乱反射であり、ツヤ感は光の正反射であるため、矛盾した2つの効果を両立させることは極めて困難であった。
【0011】
発明者らは、使用方法を変えることで異なるメーキャップ効果をもつ組成物として、多量の白色不透明顔料を配合しても、ソフトフォーカス効果があるコンシーラーであり、さらに高いツヤを有するハイライトでもあるという、今までにない複数のメーキャップ効果を持つ組成物ができないか検討を行った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007-269724号公報
【特許文献2】特開2013-216602号公報
【特許文献3】特表2011-512377号公報
【特許文献4】特開2008-137953号公報
【特許文献5】特開2019-178112号公報
【特許文献6】特開2020-183368号公報
【特許文献7】特開2014-108926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、単一の組成物で多機能性を有する油性固形化粧料組成物、詳細には、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、一方薄く塗り広げると高いツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性に優れるという、使用方法を変えることで異なるメーキャップ効果が得られる油性固形化粧料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するため、本発明者が、鋭意研究した結果、成分(A)~(E)を配合することにより、上記課題を油性固形化粧料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
第一の発明は、
(A)微結晶性ワックスを3~15質量%
(B)ポリアクリル酸アルキル粉末及びポリウレタン粉末から選ばれる1種、又は2種以上の球状粉体を2~15質量%
(C)20℃環境下における粘度が5~50mPa・sである1種、又は2種以上の油剤
(D)酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種、又は2種以上の金属酸化物を15~35質量%
(E)ペンタエリスリット脂肪酸エステル及びジペンタエリスリット脂肪酸エステルから選ばれる1種、又は2種以上を2~10質量%
を含む油性固形化粧料組成物である。
【0016】
第二の発明は、(A)成分がマイクロクリスタリンワックス又は微結晶性ポリエチレンワックスである請求項1に記載の油性固形化粧料組成物である。
【0017】
第三の発明は、(B)成分がポリメタクリル酸メチルまたは(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーから選ばれる1種、又は2種以上である請求項1又は2に記載の油性固形化粧料組成物である。
【0018】
第四の発明は、皮膚面4cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.03gを均一に塗布した場合にソフトフォーカス効果を有し、皮膚面10cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.002gを均一に塗布した場合に高いツヤ感を有することを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の油性固形化粧料組成物である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の油性固形化粧料組成物は、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、一方薄く塗り広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性に優れるという、使用方法を変えることで異なるメーキャップ効果が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は質量%を意味する。また以下の配合量は成分の純分を示す。
【0021】
本発明における油性固形化粧料組成物とは、25℃で固体の性状を示す油性化粧料組成物を意味する。また、本発明における油性固形化粧料組成物は、25℃で固形を呈していれば、剤型について特に制限されない。例えば、組成物を加熱溶解後金型に流し込み、冷却することで成形でき、スティック状、金皿充填品等の剤型が挙げられる。また、本発明において、油性とは、油を連続相としており、実質的に水を含有しないか、含有したとしても1質量%以下のものを意味するものとする。
【0022】
本発明の油性固形化粧料組成物は、微結晶性ワックスを高配合することにより、分厚く塗り重ねた際に高いソフトフォーカス効果が得られる。微結晶性ワックスは、パラフィンワックスや高密度ポリエチレンワックスのような結晶性のワックスと異なり、大部分が分岐構造で構成されているので、透明性が高く、光を透過しやすい性質を持つ。そのため本発明の組成物は、隠蔽力の高い酸化チタンや酸化亜鉛を高配合しているにも関わらず、光を鏡面反射させることなく、肌を透けさせつつ肌の凹凸やシミ、シワをぼかすことができる。つまり、隠蔽力の高い多量の粉体に、微結晶性ワックスを高配合することにより、不自然なカバー力ではなく、自然な仕上がりのソフトフォーカス性効果を高めることが実現可能となった。
一方、薄く塗り広げた際には、微結晶性ワックスによりワックス構造が均一なまま塗布されるため、液状油由来のツヤ感を有する塗布膜が均一に形成される。さらに、微結晶性ワックスの結晶中に液状油をほどよく保持し、液状油の肌への親和性を下げることにより、高いツヤ感が長時間持続するようになる。
【0023】
本発明に用いる微結晶性ワックス(A)は、通常化粧料に用いられるものを使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明において微結晶性ワックスとは、例えばマイクロクリスタリンワックスや低密度ポリエチレンのように分岐構造を高い割合で含むワックスのことを指す。一般的に分岐構造や環状構造を多く有するワックスは結晶性が低いため結晶成長しにくく微結晶で構成されたワックスであることが知られている。また、他の結晶性の高いワックスの結晶成長を阻害することも知られている。さらに油性固形化粧料組成物の結晶構造が微細化されるため、薄く塗り広げた際に、均一な構造のまま塗り広げることができ、微細結晶が低粘性液状油を保持することで、ツヤ感を有する塗布膜が均一に形成され、さらに、微細結晶が低粘性液状油を保持し、低粘性液状油の肌への親和性を下げ、高いツヤ感が長時間持続するようになる。
【0025】
本発明において、微結晶性ワックス(A)としてマイクロクリスタリンワックスを用いる場合、融点は70℃~85℃のものが好ましい。市販品としては、精製マイクロクリスタリンワックス(日興リカ社製)、Multiwax W-445、W-835(Sonneborn LLC社製)等が挙げられる。
【0026】
ポリエチレンとは構造上、エチレンが重合した熱可塑性プラスチックで、密度、分子量、分子量分布、分子構造(分岐の種類、分岐度分布)の違いにより、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子ポリエチレン等に分類される。本発明において用いられるポリエチレンは、分岐構造を多く有するポリエチレンを指し、例えば低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンは分岐構造を多く有するため、結晶性が低く、微細な結晶を形成するため、油性固形化粧料組成物を薄く塗り広げた際に低粘性液状油を保持し、ツヤ感を有する塗布膜が均一に形成される。さらに、低粘性液状油の肌への親和性を下げ、高いツヤ感が長時間持続するようになる。
【0027】
本発明において、微結晶性ワックス(A)としてポリエチレンを用いる場合、例えば、融点は90℃~130℃、密度は0.900~0.940g/cm3、結晶化度は40~60%のものが用いられる。
【0028】
(A)成分の配合量としては、油性固形化粧料組成物全量に対し3~15質量%であり、さらに好ましくは5~10質量%の範囲で用いられる。この範囲では、油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ち、および薄く塗り広げた際のツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性の全てにおいて優れる。この範囲未満では、いずれの使用法でも均一な塗布膜が形成されず、分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性と密着性に欠け、化粧持ちも不十分であった。また薄く塗り広げ際のツヤ感、ツヤの持続性、密着性にも劣っていた。これは微結晶性ワックスの配合量が少なくなることで、組成物のワックス構造が粗大化し、塗布した際に組成物が不均一に崩壊するため、均一に塗布することができなくなることが主な要因と考えられる。一方、15質量%を超えると薄く塗り広げた際の伸展性に欠けることで使用性が低下し、望ましくない。
【0029】
本発明に用いるポリアクリル酸アルキル粉末及びポリウレタン粉末(B)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。一般に化粧料に配合されるものでは粉末状で粒子径の異なるものがあるが、特に限定されることなく配合が可能である。この中で、ソフトフォーカス性の観点から形状は球状であるものがより好ましい。一般に市販品を配合することが可能であり、ポリアクリル酸アルキル粉末として「TEGO SP 13-1」(Evonik Operations GmbH社製)、ポリウレタン粉末として「ダイミックビーズ UCN8155」(大日精化工業株式会社製)や「グランパール GU-0700P/GU-2000P」(アイカ工業社製)等がある。中でも、ソフトフォーカス性と伸展性の観点から、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーが特に好ましい。(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーはトリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートを反応させて得られたポリマーを粉末にしたウレタン樹脂である。
【0030】
(B)成分の配合量は、油性固形化粧料組成物全量に対し2~15質量%であり、さらに好ましくは7~12質量%の範囲で用いられる。この範囲では、油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた際にはソフトフォーカス性に優れ、薄く伸び広げた場合は伸展性に優れる。
【0031】
本発明に用いる油剤(C)は、通常化粧料に用いられるものを使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。油剤の粘度は、ツヤ感や伸展性の観点から、20℃環境下において5~50mPa・sが好ましく、さらに5~30mPa・sの範囲が特に好ましい。
【0032】
なお、粘度は、20℃の環境下において、回転式粘度計、具体的にはB型粘度計により測定される。
【0033】
例えば、水添ポリイソブテン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジメチコン、等を用いることができる。
【0034】
(C)成分の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、油性固形化粧料組成物全量に対し30~70質量%が好ましく、さらに好ましくは40~60質量%の範囲で用いられる。この範囲では、油性固形化粧料組成物の成形性や、薄く伸び広げた際のツヤ感、伸展性が良好である。
【0035】
本発明に用いる酸化チタン及び酸化亜鉛(D)は、従来からファンデーション等のメイクアップ化粧料に配合されているものが使用でき、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。酸化チタン及び酸化亜鉛は、通常は平均粒子径が約5nm~約1000nmである。
【0036】
酸化チタン及び酸化亜鉛は表面を疎水化処理したものであってもよく、疎水化処理する際の疎水化処理剤の種類は制限されないが、例えば、脂肪酸、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、トリグリセライド、エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素化合物等が挙げられる。具体的な疎水化処理剤としては、アルキル変性シリコーン、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸、(アクリル酸アルキル/ジメチルシリコーン)コポリマー、パルミチン酸デキストリン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、モノメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、高分子シリコーン、アクリロイルジメチルタウレートナトリウム/メタクリルアミドラウリル酸コポリマー等が挙げられる。
【0037】
(D)成分の配合量は、油性固形化粧料組成物全量に対し15~35質量%であり、さらに好ましくは20~30質量%の範囲で用いられる。この範囲では、油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性と、薄く伸び広げた際のツヤ感の両方に優れる。この範囲未満では、分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性、密着性、化粧持ちに劣り、薄く塗り広げた際の密着性にも欠ける。一方で、この範囲を超えると多量の酸化チタン及び酸化亜鉛によりカバー力がさらに強調され、不自然な仕上がりになってしまう。そのため、分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性が失われ、密着性にも欠ける。また、薄く塗り広げた際の密着性、伸展性に劣るため望ましくない。
【0038】
本発明に用いるペンタエリスリット脂肪酸エステル及びジペンタエリスリット脂肪酸エステル(E)は高極性のエステル油であり、通常化粧料に用いられるものを使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0039】
例えばテトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル等を用いることができる。
【0040】
市販品としては、「コスモール168M」、「コスモール168EV」、「コスモール168ARV」(いずれも日清オイリオグループ社製)、「テクノールMH」(横関油脂工業社製)等が挙げられる。
【0041】
(E)成分の配合量は、油性固形化粧料組成物全量に対し2~10質量%である、さらに好ましくは3~6質量%の範囲で用いられる。この範囲では、油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性と、薄く伸び広げた際のツヤ感の両方に優れる。
【0042】
本発明の油性固形化粧料組成物には、上記必須成分の他に、通常用いられる水性成分や油性成分、例えば、他の粉末成分、不揮発性油分、アルコール類、多価アルコール、色素、pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、安定化剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料等を配合することができる。
【0043】
他の粉末成分としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チッ化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、カラミン、炭酸マグネシウム、およびこれらの複合体等の着色顔料、白色顔料、シリカ、セルロース、パール剤、体質顔料を含む無機粉末および有機樹脂粉末等が挙げられ、これらは表面処理したものでもよい。
【0044】
本発明の油性固形化粧料組成物は、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに、一方薄く伸び広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性にも優れることから、例えば、ハイライト、コンシーラー、化粧下地、ファンデーション、リップスティック等に用いられ、特にハイライトとコンシーラーの機能を併せ持つ多機能製品(ハイライトコンシーラー)に好適に用いられる。
【0045】
本発明における油性固形化粧料組成物の使用方法は特に限定されないが、効果試験で用いた使用方法は以下の通りである。ソフトフォーカス効果を確認する場合は、皮膚面4cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.03gを均一に塗布する(以下、「分厚く塗り重ねる」と表記する場合はこの方法を指す)。ツヤ感を確認する場合は、皮膚面10cm2あたりに油性固形化粧料組成物0.002gを均一に塗布する(以下、「薄く塗り広げる」と表記する場合はこの方法を指す)。
【0046】
本発明における油性固形化粧料組成物の具体例としては、使用方法を変えることでコンシーラーとハイライトという2つの異なるメーキャップ効果を持たせるハイライトコンシーラーが挙げられる。つまり固形油性化粧料に15~35%という多量の白色不透明顔料である酸化チタンや酸化亜鉛が配合されているにもかかわらず、分厚く塗布しても充分なソフトフォーカス性が得られるコンシーラーであり、薄く塗布した場合にも高い表面ツヤを有し、マットにならないため、パール顔料を配合しなくてもハイライトとして使用した場合に塗布した部位を明るくするというメーキャップ効果の高い油性固形化粧料組成物が得られる。これにより、安価にメーキャップを楽しむことができたり、持ち運んでメーキャップの直しをする場合にスペースを取らなかったり、忙しい朝に1品で素早くメーキャップができる等、利便性の高い組成物が実現できるものである。
【0047】
本発明における油性固形化粧料組成物のもう一つの具体例としては、唇のシワを目立たせない口紅と、高いツヤ感を有しみずみずしい唇が得られるリップスティックや、唇のシワを目立たせない口紅と、高いツヤ感により顔を立体的に見せるチークカラー等、複数のメーキャップ効果を併せ持つ油性固形化粧料組成物が挙げられる。
【実施例0048】
次に本発明の油性固形化粧料組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0049】
実施例1~9及び比較例1~11
実施例及び比較例(表1及び2)に示す組成の油性固形化粧料組成物を常法により調製した。それぞれの油性固形化粧料組成物に対して、コンシーラーとして分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、4時間後の化粧持ち、ハイライトとして薄く伸び広げた際のツヤ感、4時間後のツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着性、伸展性の評価結果をそれぞれ表1及び2に示した。
【0050】
[分厚く塗り重ねた場合]
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の油性固形化粧料組成物を官能評価によって評価した。被験者の肌にシミの部分に実施例及び比較例の油性固形化粧料組成物をコンシーラーとして使用し、詳細には皮膚面4cm2あたりに各0.03gを段落0016に記載の使用方法通りに分厚く塗り重ね、ソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性を評価した。また4時間後に化粧持ちを評価した。尚、評価基準と判定基準は以下の通りである。
(1)ソフトフォーカス性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねることで、シミの箇所をぼかすことができるかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 ソフトフォーカス性が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 ソフトフォーカス性が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い ソフトフォーカス性が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い ソフトフォーカス性が高いと答えた被験者の数が3人以下
(2)塗布膜の均一性の評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた際に、化粧膜にむらがなく均一であるかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が3人以下
(3)密着性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた後、パフを用いてパウダーファンデーションを用いた際に、油性固形化粧料組成物がよれないかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 密着性が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 密着性が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 密着性が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 密着性が高いと答えた被験者の数が3人以下
(4)4時間後の化粧持ち評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を分厚く塗り重ねた後、4時間後に化粧膜が維持できているかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 化粧持ちが良いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 化粧持ちが良いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 化粧持ちが良いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 化粧持ちが良いと答えた被験者の数が3人以下
【0051】
[薄く伸び広げた場合]
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の油性固形化粧料組成物を官能評価によって評価した。実施例及び比較例の油性固形化粧料組成物をハイライトとして使用し、詳細には皮膚面10cm2あたりに各0.002gを段落0017に記載の使用方法通りに薄く伸び広げ、ツヤ感、塗布膜の均一性、密着性、伸展性を評価した。また4時間後にツヤの持続性を評価した。尚、評価基準と判定基準は以下の通りである。
(5)ツヤ感評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を薄く伸び広げた際に、ツヤ感が高いかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 ツヤ感が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 ツヤ感が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い ツヤ感が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い ツヤ感が高いと答えた被験者の数が3人以下
(6)ツヤの持続性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を薄く伸び広げた後、4時間後にツヤ感が維持できているかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 ツヤ感の持ちが良いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 ツヤ感の持ちが良いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い ツヤ感の持ちが良いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い ツヤ感の持ちが良いと答えた被験者の数が3人以下
(7)塗布膜の均一性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を薄く伸び広げた際に、化粧膜にむらがなく均一であるかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 塗布膜が均一であると答えた被験者の数が3人以下
(8)密着性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を薄く伸び広げた後、パフを用いてパウダーファンデーションを用いた際に、油性固形化粧料組成物がよれないかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 密着性が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 密着性が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 密着性が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 密着性が高いと答えた被験者の数が3人以下
(9)伸展性評価
[評価基準]
油性固形化粧料組成物を薄く伸び広げた際に、なめらかに伸び広がるかどうか。
[判定基準]
◎:極めて良好 伸展性が良好であると答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 伸展性が良好であると答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 伸展性が良好であると答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 伸展性が良好であると答えた被験者の数が3人以下
【0052】
【0053】
【0054】
表1及び2の結果より明らかな様に、実施例1~9は比較例に比べ、全ての評価項目において良好な結果が得られた。一方、成分(A)を含有しない比較例1は、分厚く塗り重ねた際と薄く塗り広げた際、伸展性以外の全てにおいて満足のいく品質が得られなかった。また、成分(A)を、上限を超過して配合した比較例2は、密着感が強くなりすぎて薄く塗り広げた際のなめらかな伸び広がりにおいて満足のいく品質が得られなかった。成分(A)の代わりに結晶性のカルナウバロウ、セレシン、ポリエチレンワックスを用いた比較例9~11は、分厚く塗り重ねた際、隠蔽力が強調され、のっぺりとした不自然な仕上がりとなってしまい、ソフトフォーカス性に劣っていた。薄く塗り広げた際は、均一な塗布膜が形成されずツヤ感、およびツヤの持続性において満足のいく品質が得られなかった。また、成分(B)を含有しない比較例3は、球状粉体特有の肌上での転がりを感じられず、また、ソフトフォーカス性においても満足のいく品質が得られなかった。成分(B)を、上限を超過して配合した比較例4では、肌上での伸びが良くなりすぎ密着感に欠け、一方で粉体配合量が増えたことで伸展性も同時に不足した。すなわち、分厚く塗り重ねた際の密着感、化粧持ち、薄く塗り広げた際の伸展性に満足のいく品質が得られなかった。成分(B)の代わりにタルクを用いた比較例12は、タルク自身の不定形粉体という特徴から、なめらかな伸び広がりとソフトフォーカス効果に欠くことから、ソフトフォーカス性と伸展性に満足のいく品質が得られなかった。成分(D)を下限未満で配合した比較例5ではソフトフォーカス性に欠け、粉体量も減ったことから密着感が減り、それに伴い化粧持ちも満足のいく品質が得られなかった。反対に成分(D)を、上限を超過して配合した比較例6では粉体量が増えたことにより、肌上に伸ばした時にポロポロとはがれるようなり、密着感となめらかな伸び広がり(伸展性)に満足のいく品質が得られなかった。また、成分(E)を含有しない比較例7は密着感が減り、均一な塗布膜が形成できなくなることで、伸展性とツヤの持続以外の評価項目で満足のいく品質が得られなかった。成分(E)を、上限を超過して配合した比較例8ではペースト状の成分(E)の量が過剰になり密着感が損なわれることで、分厚く塗り重ねた際のソフトフォーカス性、密着感、化粧持ち、薄く塗り広げた際のツヤの持続性に満足のいく品質が得られなかった。最後に成分(C)を、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(粘度:60mPa・s)に置き換えた比較例13は、液状油の粘性が高いため、薄く塗り広げた際のツヤ感、塗布膜の均一性、伸展性に満足のいく品質が得られなかった。
【0055】
以下に本発明の油性固形化粧料組成物の処方例を挙げる。常法により油性固形化粧料組成物を得る事が出来る。
【0056】
実施例12<ハイライト-コンシーラー>
配合成分 配合量(%)
セレシン(結晶性) 4.0
トリエチルヘキサノイン(35mPa・s) 10.0
ジメチコン(5mPa・s) 4.0
イソノナン酸イソトリデシル(10mPa・s) 27.35
テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル 3.0
マイクロクリスタリンワックス(微結晶性) 7.0
トリイソステアリン酸ポリグリセリルー2(500mPa・s) 6.0
酸化チタン(平均粒子径300nm) 15.0
酸化チタン(平均粒子径30nm) 12.0
酸化亜鉛(平均粒子径50nm) 2.0
(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー 2.0
ポリメタクリル酸メチル 5.0
(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー 2.0
ジメチルシリル化シリカ 0.6
酸化防止剤 0.05
合計 100
実施例12は固形クリーム状であり、分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、薄く伸び広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着感、伸展性に優れるものであった。
【0057】
実施例13<口紅下地-チークカラー>
配合成分 配合量(%)
ポリエチレンワックス(微結晶性) 7.0
マイクロクリスタリンワックス(微結晶性) 6.0
エチルヘキサン酸セチル(15mPa・s) 20.0
パルミチン酸エチルヘキシル(15mPa・s) 30.4
ジメチコン(50mPa・s) 1.0
テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 9.0
酸化チタン(平均粒子径300nm) 15.0
(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー 9.0
ジメチルシリル化シリカ 0.5
赤202 0.5
酸化鉄 1.2
(チタン/酸化チタン)焼結物 0.3
赤218 0.05
酸化防止剤 0.05
合計 100
実施例13はスティック状であり、唇に分厚く塗り重ねるとソフトフォーカス性、塗布膜の均一性、密着性、化粧持ちに優れ、唇の縦シワが目立ちにくくなり、一方、頬に薄く伸び広げるとツヤ感、ツヤの持続性、塗布膜の均一性、密着感、伸展性に優れ、立体感があり血色の良いメイクアップを可能とするものであった。