(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025328
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
B67D1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130471
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】小林 実
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
(72)【発明者】
【氏名】松原 充寿
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082EE01
3E082EE04
(57)【要約】
【課題】貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を供給可能としたときであっても、飲むのに適した温飲料を常に供給できるようにする。
【解決手段】飲料供給装置10の制御装置70は、貯湯タンク41内の湯が飲むのに適した設定温度となるように温度センサ44の検出温度に基づきヒータ43の作動を制御する湯保温手段と、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料を容器Cの容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段とを備え、温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内から供給される熱湯に給水部50から供給される水を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を有し、この加水手段によって生成されて飲むのに適した温度の湯を用いた温飲料を容器Cの容量に応じた量で供給可能とした。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を受ける容器を載置する載置台と、
前記載置台の容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給する給湯部と、
前記載置台の容器で受ける飲料の原料水となる水を供給する給水部と、
前記給湯部と前記給水部との制御をする制御装置とを備え、
前記給湯部は、湯を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯を加熱するヒータと、前記貯湯タンク内の湯の温度を検出する温度センサとを備え、
前記貯湯タンク内の湯が飲むのに適した温度として設定した設定温度となるように前記温度センサの検出温度に基づき前記ヒータの作動を制御する湯保温手段と、
前記貯湯タンク内の湯を用いた温飲料を前記容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、
前記給水部から供給される水を用いた冷飲料を前記容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段とを備えた飲料供給装置であって、
前記貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段と、
前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内で生成した熱湯を前記容器に供給する熱湯供給手段とを備え、
前記温飲料供給手段は、前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内に熱湯を生成した後で、前記貯湯タンク内から供給される熱湯に前記給水部から供給される水を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を有して、この加水手段によって生成されて飲むのに適した温度の湯を用いた温飲料を前記容器の容量に応じた量で供給することを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内に熱湯を生成した後の前記温飲料供給手段は、前記設定温度と前記温度センサの検出温度とに基づいて、前記貯湯タンクから供給される熱湯の量と前記加水手段によって前記給水部から供給される水の量との比を決定することを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内に熱湯を生成した後の前記温飲料供給手段は、前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成後に、前記加水手段を所定の設定回数で実行することを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内に熱湯を生成した後の前記温飲料供給手段は、前記熱湯生成手段により前記貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成後に、前記加水手段を所定の設定時間内で実行することを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温飲料と冷飲料とを供給可能とする飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料ディスペンサの発明が開示されている。この飲料ディスペンサは、機体に設けられたベントステージ上のカップ等の容器に、各種の飲料を所定の温度で注入して顧客等に供給可能としている。この飲料ディスペンサは、飲料の種類を選択する飲料選択手段と、飲料選択手段により選択される飲料を所定の温度より高くして供給する熱め温度指定手段とを顧客等が操作可能に備えている。
【0003】
機体本体の前面上部には飲料原料装置としてのキャニスタが設けられており、キャニスタ内にはコーヒー、紅茶、緑茶等の飲料の粉末原料が収容されている。キャニスタの下側にはキャニスタから原料シュートを介して供給される飲料の粉末原料と冷水タンクと温水タンク(貯湯タンク)から供給される湯水(温水と冷水)を撹拌混合して飲料を調製するミキシングボールが設けられている。さらに、ミキシングボールの下側にはミキシングボール内で調製された飲料をベンドステージに載置されたカップ等の容器に案内する飲料注入部を備えた注入トレイが設けられている。また、機体本体には冷水を所定温度で貯蔵する冷水タンクと、冷水タンク内の冷水を冷却する冷却装置と、温水を所定温度で貯蔵する温水タンクと、温水タンク内の湯を加熱する加熱装置とを備えている。温水タンク内に貯蔵される湯は、温飲料の温度を通常より高くして供給するための熱めボタンにより指定される温度以上に保温されている。
【0004】
この飲料ディスペンサで飲料の種類別に設けられた冷飲料選択ボタンまたは温飲料選択ボタンを押すと、押したボタンに対応した飲料原料がキャニスタから原料シュートを介してミキシングボールに供給されるとともに、温水タンクから湯弁を介して温水が供給され、さらに必要に応じて冷水タンクから冷水弁を介して冷水が供給され、これらが撹拌、混合されて押したボタンに応じた飲料が調製され、ミキシングボールで調製された飲料はベンドステージに載置されたカップ等の容器に注入されて顧客に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の飲料ディスペンサにおいては、温水タンク内に貯蔵される湯は、温飲料の温度を通常より高くして供給するための熱めボタンにより指定される温度以上に保温されており、温飲料を供給するときには、温水タンクから温水がミキシングボールに供給され、さらに必要に応じて冷水タンクからミキシングボールに冷水が供給される。この飲料ディスペンサは、熱めの湯を用いた熱めの温飲料を供給可能としているが、温水タンク内の熱めの湯はカップ麺等の即席麺の簡易な調理には温度が低く適していない。
【0007】
これに対し、この種の飲料ディスペンサでは、カップ麺等の即席麺、即席味噌汁及び即席スープ等に沸騰する温度に近い熱湯を供給可能するために、温水タンク内の温水を一時的に熱湯に加熱する機能を備えているものもある。温水タンク内の温水を熱湯に加熱したときには、湯(熱湯)はカップ麺等の即席麺等に適した温度となるが、温水タンク内の温水を熱湯に加熱した直後に温飲料を供給しようとすると、温水タンク内の熱湯がカップ等の容器に温飲料として供給され、熱湯を用いた温飲料を入れたカップ等の容器を持つときや、カップ等の容器から熱湯を用いた温飲料を飲むときに、顧客が想定されている温度より熱く感じるおそれがある。
【0008】
また、特許文献1の飲料ディスペンサにおいて、温水タンク内から沸騰する温度に近い熱湯を供給可能とするときには、温水タンク内の湯を定常的に沸騰に近い温度で保温することになる。しかし、通常の温飲料を供給する度に、温水タンク内で沸騰する温度に近い熱湯と、冷水タンク内で冷却された冷水とを混ぜて飲むのに適した温度としなければならなく、温水タンク内の湯を定常的に無駄に加熱しなければならないだけでなく、冷水タンク内で熱湯に加水するための多くの冷水を生成する必要が生じ、無駄なエネルギーを消費することになる。さらに、特許文献1の飲料ディスペンサで、温水タンク内の温水を一時的に沸騰する温度に近い温度に加熱することで、無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。しかし、温水タンク内の湯は、熱めの湯の温度と沸騰に近い熱湯の温度とで変動するため、温水タンク内の湯と冷水タンク内の冷水とを一律に混合した温飲料の温度がばらつくことになり、顧客が望む温飲料の温度とならないおそれがある。本発明は、貯湯タンク内の湯を加熱した熱湯を一時的に供給可能としたときであっても、飲むのに適した温度の温飲料を常に供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するため、飲料を受ける容器を載置する載置台と、載置台の容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給する給湯部と、載置台の容器で受ける飲料の原料水となる水を供給する給水部と、給湯部と給水部との制御をする制御装置とを備え、給湯部は、湯を貯える貯湯タンクと、貯湯タンク内の湯を加熱するヒータと、貯湯タンク内の湯の温度を検出する温度センサとを備え、貯湯タンク内の湯が飲むのに適した温度として設定した設定温度となるように温度センサの検出温度に基づきヒータの作動を制御する湯保温手段と、貯湯タンク内の湯を用いた温飲料を容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、給水部から供給される水を用いた冷飲料を容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段とを備えた飲料供給装置であって、貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段と、熱湯生成手段により貯湯タンク内で生成した熱湯を容器に供給する熱湯供給手段とを備え、温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク内から供給される熱湯に給水部から供給される水を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を有して、この加水手段によって生成されて飲むのに適した温度の湯を用いた温飲料を容器の容量に応じた量で供給することを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段と、熱湯生成手段により貯湯タンク内で生成した熱湯を容器に供給する熱湯供給手段とを備えているので、載置台の容器に熱湯を供給することができるようになる。熱湯生成手段により生成した貯湯タンク内に熱湯を生成した後で、温飲料供給手段により貯湯タンク内の湯を用いた温飲料を容器に供給すると、容器の温飲料の温度が飲むのに適した温度より高くなるおそれがある。これに対し、この飲料供給装置においては、温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク内から供給される熱湯に給水部から供給される水を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を有しているので、この加水手段によって生成されて飲むのに適した温度の湯を用いた温飲料が容器の容量に応じた量で供給される。これにより、熱湯生成手段により貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成した直後であっても、飲むのに適した温度の湯を用いた温飲料を容器に供給することができるようになる。
【0011】
上記のように構成した飲料供給装置においては、熱湯生成手段により貯湯タンク内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、設定温度と温度センサの検出温度とに基づいて、貯湯タンクから供給される熱湯の量と加水手段によって給水部から供給される水の量との比を決定してもよい。同様に、熱湯生成手段により貯湯タンク内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定回数で実行するようにしてもよい。同様に、熱湯生成手段により貯湯タンク内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定時間内で実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1のフロントパネルを取り外した状態の斜視図である。
【
図4】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
【
図8】熱湯生成手段を実行後に湯供給操作ボタンを押下操作したときのタイムチャートである。
【
図9】熱湯生成手段を実行後に温飲料供給操作ボタンを押下操作したときのタイムチャートである。
【
図10】熱湯生成手段を一定時間実行中に温飲料供給操作ボタンを押下操作したときのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、カップ等の容器C内に湯(熱湯)、温かい茶等の温飲料、冷水(水)または冷たい茶等の冷飲料を供給可能としており、温飲料または冷飲料に加えて沸騰する温度に近い熱湯を供給可能としている。
図1~
図3に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11の前部に茶等の飲料を生成するための粉末と湯及び/または冷水(水)とを混合する飲料生成室12と、ハウジング11の後部に機械室13とを備え、ハウジング11内は仕切板14によって飲料生成室12と機械室13とに仕切られている。機械室13には後述する混合容器33または容器Cに飲料の原料水となる湯を供給するための給湯部40と、飲料の原料水となる冷水(水)を供給するための給水部50とが配設されている。
【0014】
図2及び
図3に示したように、飲料生成室12にはカップ等の容器Cを載置する載置台20と、容器C内に飲料を供給する飲料供給部30とが設けられている。この実施形態では、飲料生成室12には3種類の飲料を供給するために3つの飲料供給部30が設けられており、3つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30のみを説明する。
【0015】
図1及び
図2に示したように、載置台20は飲料生成室12の下部にて左右方向の中央部に配置されている。載置台20は、カップ等の容器Cを載置する受台部21と、受台部21の上側を覆うカバー部22とを備えている。受台部21は簀の子状に形成され、カップ等の容器Cから溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。
【0016】
図2及び
図3に示したように、飲料供給部30は載置台20に載置した容器Cに飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置台20の容器Cに案内する飲料ガイド35とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、飲料の粉末原料と原料水を混合する混合容器33と、混合容器33内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。
【0017】
粉末原料容器32は茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32aが設けられており、粉末原料は搬出口32aから混合容器33に搬出される。粉末原料容器32の下部にはスクリュー32bが設けられており、スクリュー32bはカップリング部材32cを介してモータ32dの駆動が伝達される。モータ32dの回転によってスクリュー32bが回転すると、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0018】
図3に示したように、混合容器33は粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に支持されている。混合容器33は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32aから搬出される粉末原料は混合容器33内に搬入される。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから下側に設けた飲料ガイド35に放出される。
【0019】
図4に示したように、ベース15には混合容器33内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口15aが設けられている。原料水供給口15aには後述する給湯部40及び給水部50が接続されており、混合容器33には給湯部40及び/または給水部50から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口15aを通って供給される。
【0020】
図3に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース15に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の粉末原料と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0021】
図2に示したように、飲料ガイド35は飲料生成部31で生成した飲料を載置台20に載置した容器Cに案内するものである。飲料ガイド35は浅い箱形をし、載置台20のカバー部22の上側に支持されている。飲料ガイド35には載置台20の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部35aが設けられており、混合容器33から飲料ガイド35に放出された飲料は飲料注出部35aから載置台20の容器Cに注出される。
【0022】
図5に示したように、給湯部40は、載置台20のカップ等の容器Cで受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部40は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク41を備えており、貯湯タンク41には水道等の給水源から導出された第1給水管42が接続されている。第1給水管42には第1及び第2給水弁42a,42bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁42a,42bを開放することによって貯湯タンク41に供給される。
【0023】
貯湯タンク41内にはヒータ43と温度センサ44とが設けられている。ヒータ43は貯湯タンク41内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ44は貯湯タンク41内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ43は温度センサ44の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク41内の湯は主に飲むのに適した温度となるように保温される。また、貯湯タンク41内には水位センサ45が設けられており、水位センサ45は貯湯タンク41内の水位を検出する。第1及び第2給水弁42a,42bは水位センサ45の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク41内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持される。
【0024】
貯湯タンク41の下部には送湯管46が接続されており、送湯管46には送湯ポンプ47が介装されている。貯湯タンク41内の湯は送湯ポンプ47によって送湯管46に送られる。また、送湯管46には三方弁よりなる第1~第4湯送出弁48a~48dが介装されており、第1~第4湯送出弁48a~48dには第1~第4湯送出管49a~49dが接続されている。第1湯送出管49aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第2湯供給管49bの導出端部は中央部の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第3湯供給管49cの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されている。第4湯供給管49dの導出端部は載置台20のカバー部22に配設されている。
【0025】
送湯ポンプ47を作動させ、第1~第3湯送出弁48a~48cの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は、送湯管46と、開放させた第1~3湯送出弁48a~48cに対応する第1~第3湯送出管49a~49cとを通って混合容器33内に供給される。また、送湯ポンプ47を作動させ、第4湯送出弁48dを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は送湯管46と第4湯送出管49dとを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0026】
図5に示したように、給水部50は、載置台20のカップ等の容器Cで受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部50は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク51を備えており、冷却タンク51には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク51内には冷凍装置の蒸発管52が設けられており、冷却タンク51内の冷却水は冷凍装置の蒸発管52を循環する冷媒が気化する気化熱によって冷却されている。冷却タンク51内には原料水となる水を冷却するための水冷却管53が設けられている。
【0027】
水冷却管53の水の導入端部には第1給水管42の第1給水弁42aの直ぐ下流側(第1給水弁42aと第2給水弁42bの間)から導出した第2給水管54が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51内の水冷却管53に送出される。水冷却管53の水の導出端部には送水管55が接続されており、水冷却管53により冷却された冷水は送水管55に送出される。送水管55には3つの分岐部55a~55cが設けられており、分岐部55a~55cから導出された管部と送水管55の先端部55dには第1~第4冷水送出弁56a~56dが介装されている。第1~第4冷水送出弁56a~56dには第1~第4冷水送出管57a~57dが接続されており、第1~第4冷水送出管57a~57dの導出端部は第1~第4湯送出管49a~49dの中間部に接続されている。
【0028】
第1給水弁42aと第1~第3冷水送出弁56a~56cの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と、開放させた第1~第3冷水送出弁56a~56cに対応する第1~第3冷水送出管57a~57cと、第1~第3冷水送出管57a~57cに対応して接続された第1~第3湯送出管49a~49cとを通って混合容器33内に供給される。また、第1給水弁42aと第4冷水送出弁56dとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と第4冷水送出管57dと第4湯送出管49dとを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0029】
図1及び
図6に示したように、ハウジング11の前面には操作パネル60が設けられており、操作パネル60には温飲料を供給するための温飲料供給ボタン61(61a~61c)と、湯を供給するための湯供給ボタン62と、冷飲料を供給するための冷飲料供給ボタン63(63a~63c)と、冷水(水)を供給するための冷水供給ボタン64と、温飲料または冷飲料の粉末原料の供給量を多くして濃度の濃い飲料とするための濃度変更操作ボタン65と、貯湯タンク41内の湯を沸騰する温度に近い熱湯まで加熱する沸き上げ操作ボタン66とが配設されている。
【0030】
この実施形態の温飲料供給ボタン61(61a~61c)は、温かい麦茶、温かい緑茶または温かいほうじ茶を供給するためのものであり、これらの温飲料供給ボタン61a~61cを1回押下操作すると、温かい麦茶、温かい緑茶または温かいほうじ茶がカップ等の容器Cの容量に応じた量(この実施形態では90ml)で供給される。湯供給ボタン62は、貯湯タンク41内の湯を供給するものであり、湯供給ボタン62を押下操作している時間で湯がカップ等の容器Cに供給される。
【0031】
この実施形態の冷飲料供給ボタン63(63a~63c)は、冷たい麦茶、冷たい緑茶または冷たいほうじ茶を供給するためのものであり、これらの冷飲料供給ボタン63a~63cを1回押下操作すると、冷たい麦茶、冷たい緑茶または冷たいほうじ茶がカップ等の容器Cの容量に応じた量(この実施形態では90ml)で供給される。冷水供給ボタン64は、冷却タンク51内で冷却された冷水を供給するものであり、冷水供給ボタン64を押下操作している時間で冷水がカップ等の容器Cに供給される。
【0032】
濃度変更操作ボタン65は、飲料の粉末原料の量を増加させて、粉末原料の濃度を濃くするためのものである。濃度変更操作ボタン65を押下操作後に温飲料供給ボタン61(61a~61c)または冷飲料供給ボタン63(63a~63c)を1回押下操作をすると、粉末原料の濃度の高い温飲料または冷飲料が供給される。
【0033】
沸き上げ操作ボタン66は、飲むのに適した温度に保温されている貯湯タンク41内の湯を沸騰に近い温度の熱湯に加熱するためのものである。沸き上げ操作ボタン66の押下操作をすると、温度センサ44の検出温度に基づいてヒータ43が通電制御され、貯湯タンク41内の湯が沸騰に近い温度の熱湯(この実施形態では95℃)に加熱される。沸き上げ操作ボタン66を押下操作したときには、沸き上げ操作ボタン66に設けたランプが点灯し、温度センサ44の検出温度が沸騰に近い温度(この実施形態では95℃)となると、沸き上げ操作ボタン66に設けたランプが消灯するとともに図示しないブザーによるビープ音等で、貯湯タンク41内に熱湯が生成されたことが報知される。
【0034】
図7に示したように、飲料供給装置10は、載置台20に載置した容器Cに飲料の供給を制御する制御装置70を備えており、制御装置70は、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a、第1及び第2給水弁42a,42b、ヒータ43、温度センサ44、水位センサ45、送湯ポンプ47、第1~第4湯送出弁48a~48d、第1~第4冷水送出弁56a~56d及び操作パネル60に接続されている。
【0035】
制御装置70は、貯湯タンク41内の湯の水位を維持するように制御する水位維持手段を備えている。制御装置70は、水位維持手段を実行することで、水位センサ45により貯湯タンク41の設定水位の下限水位を検出すると第1及び第2給水弁42a,42bを開放させ、水位センサ45により貯湯タンク41の設定水位の上限水位を検出すると第1及び第2給水弁42a,42bを閉止させるように制御している。貯湯タンク41内の湯は、この水位維持手段を実行することにより、設定水位の上限水位と下限水位の間の水位で維持される。
【0036】
制御装置70は、貯湯タンク41内の湯が飲むのに適した温度として設定された設定温度(この実施形態では60℃~80℃の範囲で設定された温度としている。これに限られるものでなく、飲むのに適した温度であれば例えば45℃~85℃より低い温度の範囲で設定したものであってもよい。)となるよう保温する湯保温手段を備えている。制御装置70は、後述する熱湯生成手段を実行するとき以外は湯保温手段を実行することで、温度センサ44が設定温度の下限温度を検出するとヒータ43をオンさせ、温度センサ44が設定温度の上限温度を検出するとヒータ43をオフさせるように制御している。貯湯タンク41内の湯は、この湯保温手段を実行することにより、飲むのに適した温度として設定された設定温度となるように保温される。
【0037】
制御装置70は、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料をカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給する温飲料供給手段を備えている。温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置70は、温飲料供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の湯は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料は飲料ガイド35を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0038】
制御装置70は、貯湯タンク41内の湯をカップ等の容器Cに供給する湯供給手段を備えている。湯供給ボタン62を押下操作すると、制御装置70は、湯供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61dを押下操作した時間に応じて送湯ポンプ47を作動させるとともに第4湯送出弁48dを開放させる。貯湯タンク41内の湯は載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。なお、この湯供給手段は、貯湯タンク41内の湯の温度に関わらず実行可能としているので、後述する熱湯生成手段により貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯としたときには熱湯供給手段として機能する。
【0039】
制御装置70は、冷却タンク51内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の容器Cの容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段を備えている。冷飲料供給ボタン63a~63cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置70は、冷飲料供給手段の実行により、冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料は飲料ガイド35を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0040】
制御装置70は、冷却タンク51内で冷却された冷水をカップ等の容器Cに供給する冷水供給手段を備えている。冷水供給ボタン64を押下操作すると、制御装置70は、冷水供給手段の実行により、冷水供給ボタン64を押下操作した時間に応じて第1給水弁42aと第4冷水送出弁56dを開放させる。冷却タンク51内で冷却された冷水は載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。なお、この実施形態では、冷飲料供給手段及び冷水供給手段は、冷却タンク51内で冷却された冷水を用いているが、これに限られるものでなく、常温の水を用いるようにしたものであってもよい。
【0041】
上記のように、貯湯タンク41内の湯は湯保温手段によって飲むのに適した設定温度となるように保温されている。湯保温手段により保温されている貯湯タンク41内の湯の温度はカップ麺等の即席麺、即席味噌汁及び即席スープ等の簡易な調理に適していないことが多い。カップ麺等の即席麺に用いる湯に適した温度とするために、制御装置70は、貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段を備えている。熱湯生成手段は、貯湯タンク41内の湯を沸騰に近い温度として設定された熱湯設定温度(この実施形態では95℃としている。これに限られるものでなく、沸騰に近いまたは沸騰する温度であれば例えば85℃~100℃より低い温度の範囲で設定したものであってもよい。)に加熱して熱湯を生成するものである。
【0042】
図8に示したように、沸き上げ操作ボタン66を押下操作すると、制御装置70は、熱湯生成手段を実行することで、温度センサ44が熱湯設定温度の上限温度を検出するまでヒータ43をオンさせ、温度センサ44が熱湯設定温度の上限温度を検出するとヒータ43をオフさせるように制御する。貯湯タンク41内の湯は、この熱湯生成手段を実行することにより、沸騰に近い温度である熱湯設定温度の熱湯となるように加熱される。この実施形態では、沸き上げ操作ボタン66を押下操作したときに、温度センサ44の検出温度の条件を付すことなくヒータ43をオンさせている。これに限られるものでなく、沸き上げ操作ボタン66を押下操作したときに、温度センサ44が熱湯設定温度の下限温度以下の温度を検出したときだけ、ヒータ43をオンさせるようにしてもよい。このようにしたときには、貯湯タンク41内の湯を熱湯生成手段により熱湯設定温度の上限温度まで加熱してヒータ43をオフさせた直後に、沸き上げ操作ボタン66を再び押下操作したときに、貯湯タンク41内の熱湯を更に加熱しないようにすることができる。
【0043】
なお、
図8に示したタイムチャートでは、温度センサ44の検出温度が熱湯設定温度の上限温度を検出するまでヒータ43をオンさせ、温度センサ44の検出温度が熱湯設定温度の上限温度を検出するとヒータ43をオフさせるように制御し、貯湯タンク41内の熱湯を熱湯設定温度(熱湯設定温度の上限温度と下限温度との間)で継続的に維持するように制御していない。これに限られるものでなく、
図10に示したように、貯湯タンク41内の熱湯を一定時間(数分から数時間程度)で継続的に熱湯設定温度(熱湯設定温度の上限温度と下限温度との間)となるように温度センサ44の検出温度に基づいてヒータ43の作動を制御するようにしてもよい。
【0044】
熱湯生成手段により貯湯タンク41内で熱湯を生成後に、湯供給ボタン62を押下操作すると、制御装置70は、湯供給手段を熱湯供給手段として実行させ、湯供給ボタン62を押下操作した時間に応じて送湯ポンプ47を作動させるとともに第4湯送出弁48dを開放させる。貯湯タンク41内の熱湯は載置台20のカップ等の容器Cやカップ麺等の容器に注出され、ユーザに熱湯が供給される。
【0045】
この熱湯生成手段により、貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作して温飲料供給手段を実行させると、載置台20の容器Cに熱湯を用いた熱い温飲料が供給されるおそれがある。熱湯を用いた熱い温飲料が供給されると、ユーザがカップ等の容器Cを掴んだときや、容器Cから温飲料を飲んだときに想定したよりも熱く感じることがある。このため、制御装置70の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内から供給される熱湯に給水部50から供給される水を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を備えている。
【0046】
図9に示したように、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行する。制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させ、加水手段の実行により第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。
【0047】
粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の熱湯は混合容器33内に供給され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。このとき、貯湯タンク41から供給された熱湯は冷却タンク51内で冷却された冷水が加えられて飲むのに適した温度まで低下する。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と飲むのに適した温度となった湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料は飲料ガイド35を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに飲むのに適した温度の温飲料が供給される。なお、この実施形態では、加水手段の実行により第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させ、冷却タンク51内で冷却された冷水を混合容器33内に供給するようにしているが、これに限られるものでなく、加水手段の実行により第1給水弁42aと第4冷水送出弁56dを開放させ、冷却タンク51内で冷却された冷水を載置台20のカップ等の容器Cに直接注出するようにして、載置台20のカップ等の容器C内で飲むのに適した温度の温飲料を生成するようにしてもよい。このようにしたときにも、ユーザに飲むのに適した温度の温飲料を供給することができる。
【0048】
この加水手段を備えた温飲料供給手段では、貯湯タンク41内の温度センサ44の検出温度に基づいて、貯湯タンク41から供給する熱湯の量と冷却タンク51内で冷却された冷水(水)の量(熱湯の量と冷水の量との比)とを決定している。この実施形態では、カップ等の容器Cに供給する供給量は90mlで設定され、貯湯タンク41内の湯を湯保温手段により70℃となるよう保温する設定されているときに、温度センサ44により貯湯タンク41内の熱湯の温度を95℃で検出したときには、貯湯タンク41の熱湯を65ml供給する時間で送湯ポンプ47を作動させ、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させ、冷却タンク51内で冷却された冷水を25ml供給する時間で第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。
【0049】
湯保温手段の設定温度が上述した温度より低いときには、貯湯タンク41から供給される熱湯の量を減らすとともに、冷却タンク51内で冷却された冷水を増やすように、送湯ポンプ47を作動させ、各種弁の開閉を制御する。湯保温手段の設定温度が上述した温度より高いときには、貯湯タンク41から供給される熱湯の量を増やすとともに、冷却タンク51内で冷却された冷水を減らすように、送湯ポンプ47を作動させ、各種弁の開閉を制御する。同様に、貯湯タンク41内の温度センサ44の検出温度が低下すれば、貯湯タンク41から供給される熱湯の量を増やすとともに、冷却タンク51内で冷却された冷水を減らすように、送湯ポンプ47を作動させ、各種弁の開閉を制御する。貯湯タンク41内の温度センサ44の検出温度が上記の説明よりも高いときには、貯湯タンク41から供給される熱湯の量を減らすとともに、冷却タンク51内で冷却された冷水を増やすように、送湯ポンプ47を作動させ、各種弁の開閉を制御する。
【0050】
上記のように構成した飲料供給装置10においては、飲料を受ける容器Cを載置する載置台20と、載置台20の容器Cで受ける飲料の原料水となる湯を供給する給湯部40と、載置台20の容器で受ける飲料の原料水となる水を供給する給水部50と、給湯部40と給水部50との制御をする制御装置70とを備えている。給湯部40は、湯を貯える貯湯タンク41と、貯湯タンク41内の湯を加熱するヒータ43と、貯湯タンク41内の湯の温度を検出する温度センサ44とを備えている。
【0051】
飲料供給装置10の制御装置70は、貯湯タンク41内の湯が飲むのに適した設定温度となるように温度センサ44の検出温度に基づきヒータ43の作動を制御する湯保温手段と、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料を容器Cの容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、給水部50から供給される冷水(水)を用いた冷飲料を容器Cの容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段とを備えている。この飲料供給装置10は、カップ麺等の即席麺、即席味噌汁及び即席スープ等の熱湯を注ぐだけの簡易な調理に適した温度の湯を供給可能とするために、湯保温手段により設定温度となるように保温されている貯湯タンク41内の湯を一時的に加熱して熱湯を生成する熱湯生成手段と、熱湯生成手段により貯湯タンク41内で生成した熱湯を容器に供給する熱湯供給手段とを備えている。
【0052】
沸き上げ操作ボタン66を押下操作すると、制御装置70は、熱湯生成手段を実行することで、温度センサ44が熱湯設定温度の上限温度を検出するまでヒータ43をオンさせて、貯湯タンク41内で湯から熱湯を生成する。熱湯生成手段により貯湯タンク41内で熱湯を生成後に、湯供給ボタン62を押下操作すると、制御装置70は、熱湯供給手段を実行させ、湯供給ボタン61dを押下操作した時間に応じて送湯ポンプ47を作動させるとともに第4湯送出弁48dを開放させる。貯湯タンク41内の熱湯は載置台20のカップ等の容器Cやカップ麺等の容器に注出され、ユーザに熱湯が供給される。
【0053】
この熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作して温飲料供給手段を実行させると、載置台20の容器Cに熱湯を用いた熱い温飲料が供給されるおそれがある。このため、制御装置70の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内から供給される熱湯に給水部50から供給される冷水(水)を加えて飲むのに適した温度の湯を生成する加水手段を備えている。
【0054】
熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行する。制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させ、加水手段の実行により第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。
【0055】
粉末原料容器32内の粉末原料を混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の熱湯は混合容器33内に供給され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。このとき、貯湯タンク41から供給された熱湯は冷却タンク51内で冷却された冷水が加えられて飲むのに適した温度まで低下する。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と飲むのに適温となった湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料が飲料ガイド35を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに飲むのに適した温度の温飲料が供給される。これにより、載置台20からカップ等の容器Cを取り出すときに、容器Cを持つ手が掴むのを困難と感じる程度で熱いと感じたりしないようにすることができ、容器Cから温飲料を飲むときに想定した温度よりも熱いと感じないようにすることができる。なお、制御装置70は、貯湯タンク41内の熱湯を飲むのに適した温度とするために水を加える必要のある所定温度(例えば、湯保温手段の設定温度の上限温度)以上の温度を温度センサ44により検出しているときに、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行するように制御するのが好ましい。このようにしたときには、貯湯タンク41内の湯が飲むのに適した温度より高いときだけ、貯湯タンク41内から供給される温度の高い湯に加水手段により水を加えて飲むのに適した温度の温飲料とすることができ、エネルギーの無駄を少なくすることができる。
【0056】
また、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、貯湯タンク41内の湯保温手段による設定温度と温度センサ44の検出温度とに基づいて、貯湯タンク41から供給される熱湯の量と、加水手段によって給水部50から供給される水の量との比を決定している。具体的には、給水部50にて冷却タンク51で冷却される冷水の温度の変動は少ないので、給水部50から供給される水の温度を変動するファクターとせず、貯湯タンク41内の湯保温手段による設定温度である70℃と、温度センサ44の検出温度である95℃とに基づいて、貯湯タンク41から供給される熱湯の量と加水手段によって給水部50から供給される冷水(水)の量との比を13:5としている。この実施形態では、容器Cの容量を90mlとしているので、貯湯タンク41から供給される熱湯の量を65mlとし、冷却タンク51内で冷却されて供給される冷水を25mlとしている。これにより、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内の熱湯の温度が徐々に変化しても、常に設定温度に調製された温飲料を載置台20の容器Cに供給することができるようになる。
【0057】
上記の飲料供給装置10においては、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、湯保温手段の設定温度と温度センサ44の検出温度とに基づいて、貯湯タンク41から供給される熱湯の量の比と、加水手段によって給水部50から供給される水の量の比を決定するようにしている。本発明は、これに限られるものでなく、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定回数で実行してもよい。
【0058】
詳述すると、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内の熱湯の温度は徐々に低下する傾向にあり、温飲料供給手段により貯湯タンク41内の熱湯を使用すると、貯湯タンク41内の水位が徐々に減少し、水位維持手段により貯湯タンク41内に水が供給され、貯湯タンク41内の熱湯の温度がさらに低下する。この場合に、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定回数として6回実行するようにし、6回の加水手段を伴う温飲料供給手段を実行した後では、加水手段を実行しない温飲料供給手段を実行するように制御してもよい。このようにしたときには、飲むのに適した設定温度に調製された温飲料を供給することでき、載置台20からカップ等の容器Cを取り出すときに、容器Cを持つ手が掴むのを困難と感じる程度で熱いと感じたりしないようにすることができ、容器Cから温飲料を飲むときに想定した温度よりも熱いと感じないようにすることができる。
【0059】
また、この場合に、貯湯タンク41から供給される熱湯に給水部50の冷水を定量で加えるようにしたときには、貯湯タンク41内の温度センサ44に不具合が生じたとしても、貯湯タンク41の湯保温手段の設定温度に近い温飲料を供給することができ、温度センサ44の状態に関わらず飲むのに適した温度の温飲料を供給することができる。
【0060】
また、同様に、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定時間内で実行するようにしてもよい。詳述すると、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後で、貯湯タンク41内の熱湯の温度は徐々に低下する傾向にある。この場合に、熱湯生成手段により貯湯タンク41内に熱湯を生成した後の温飲料供給手段は、熱湯生成手段により貯湯タンク41内の湯を加熱して熱湯を生成後に、加水手段を所定の設定時間として30分間実行するようにしており、30分経過後には、加水手段を実行しない温飲料供給手段を実行するように制御してもよい。このようにしたときには、飲むのに適した設定温度に調製された温飲料を供給することでき、載置台20からカップ等の容器Cを取り出すときに、容器Cを持つ手が掴むのを困難と感じる程度で熱いと感じたりしないようにすることができ、容器Cから温飲料を飲むときに想定した温度よりも熱いと感じないようにすることができる。
【0061】
また、この場合に、貯湯タンク41から供給される熱湯に給水部50の冷水を定量で加えるようにしたときには、貯湯タンク41内の温度センサ44に不具合が生じたとしても、貯湯タンク41の湯保温手段の設定温度に近い温飲料を供給することができ、温度センサ44の状態に関わらず飲むのに適した温度の温飲料を供給することができる。
【0062】
この飲料供給装置10においては、沸き上げ操作ボタン66の押下操作をしたときに、熱湯生成手段を実行するように制御している。この飲料供給装置10は事務所や工場等の事業所に設置されることがあり、ユーザは昼食時に飲料供給装置10で調製された温飲料や冷飲料を飲むだけでなく、昼食としてカップ麺等の即席麺を食べたり、弁当の汁物として即席味噌汁及び即席スープ等を食べたりすることがある。貯湯タンク41内の湯を熱湯設定温度まで加熱させるのに時間を要するので、ユーザは昼食時に直ぐに熱湯を使用することができるのが好ましい。
【0063】
このため、この飲料供給装置10においては、操作パネル60等を操作することで昼食時等の一定時間で熱湯生成手段を継続して実行可能としている。飲料供給装置10の設置場所で、11時30分~14時まで昼食時間が設定されているときには、制御装置70は、11時30分~14時まで熱湯供給手段を実行可能とするように、11時30分の少し前から熱湯生成手段を実行し、14時で熱湯生成手段を終了するように制御する。この昼食時間で熱湯生成手段を実行し、熱湯供給手段を実行可能としているときに、制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行可能としている。
【0064】
この状態で、湯供給ボタン62を押下操作すると、制御装置70は、熱湯供給手段を実行して、湯供給ボタン62を押下操作した時間に応じて送湯ポンプ47を作動させるとともに第4湯送出弁48dを開放させる。貯湯タンク41内の熱湯は載置台20のカップ等の容器Cやカップ麺等の容器に注出され、ユーザに熱湯が供給される。また、温飲料供給ボタン61a~61cの何れか1つを押下操作をすると、制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行する。制御装置70は、加水手段を備えた温飲料供給手段の実行により、温飲料供給ボタン61a~61cに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47の作動と温飲料供給ボタン61a~61cに対応する第1~3湯送出弁48a~48cを開放させ、加水手段の実行により第1給水弁42aと冷飲料供給ボタン63a~63cに対応する第1~第3冷水送出弁56a~56cを開放させる。
【0065】
粉末原料容器32内の粉末原料を混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の熱湯は混合容器33内に供給され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。このとき、貯湯タンク41から供給された熱湯は冷却タンク51内で冷却された冷水が加えられて飲むのに適した温度まで低下する。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と飲むのに適温となった湯は撹拌混合されて飲料となり、飲料ガイド35を通って載置台20のカップ等の容器Cに注出され、ユーザに飲むのに適した温度の温飲料が供給される。このように、昼食時等の一定時間で熱湯生成手段を継続して実行可能としていても、加水手段を備えた温飲料供給手段を実行することにより、沸騰する温度に近い温度に加熱された熱湯を供給可能とするとともに、飲むのに適した温度の温飲料を供給可能とすることができる。
【符号の説明】
【0066】
上記のように構成した飲料供給装置10は、混合容器33内で茶等の飲料の粉末原料と湯及び/または冷水(水)を混合して温飲料または冷飲料を供給するものであるが、本発明はこのような飲料供給装置10に限られるものでなく、茶こしに入れた茶葉に湯を通過させることで、湯に茶の成分を抽出させた飲料を供給する飲料供給装置にも適用されるものである。この場合には、茶こしに入れた茶葉に熱湯を通過させることで、茶の成分を抽出させた熱湯を容器に注出後に、水(冷水)を容器に注出し、容器内で飲むのに適した温度の温飲料を生成する。また、熱湯の量と水(冷水)の量との比は、上述したのと同様に、貯湯タンク内の湯保温手段による設定温度と、貯湯タンク内の温度センサの検出温度とに基づいて決定することで、飲むのに適した温度の温飲料の温度の精度を高くすることができる。
【0067】
10…飲料供給装置、20…載置台、40…給湯部、41…貯湯タンク、43…ヒータ、44…温度センサ、50…給水部、70…制御装置、C…容器。