(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025349
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】住宅販売システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230215BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130505
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】520095751
【氏名又は名称】株式会社Minoru
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】森 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】三方 浩允
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC28
(57)【要約】
【課題】賃貸人が賃料の設定を円滑に行うことができる住宅販売システムを提供する。
【解決手段】賃貸人の所有する住宅の、所在地、築年数又は築年数を算出できるデータ、間取り、平米数を含む、物件基本情報を記憶する入力情報記憶手段11と、前記物件基本情報に基づき、売却可能であると想定される相場価格である想定売却可能価格、及び、想定される一般的な賃料である想定一般賃料を試算するとともに、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口おける内部収益率及び総収入のうち少なくとも一方を算出する算出手段12と、算出手段12の算出結果を前記賃貸人に通知する表示画面を生成する賃貸人宛通知生成手段14とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
賃貸人の所有する住宅に入居する入居者が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられる住宅販売システムであって、
前記住宅の、所在地、築年数又は築年数を算出できるデータ、間取り、平米数を含む、物件基本情報を記憶する記憶手段と、
前記物件基本情報に基づき、売却可能であると想定される相場価格である想定売却可能価格、及び、想定される一般的な賃料である想定一般賃料を試算するとともに、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口おける内部収益率及び総収入のうち少なくとも一方を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出結果を前記賃貸人に通知する表示画面を生成する賃貸人宛通知生成手段とを備える
ことを特徴とする住宅販売システム。
【請求項2】
賃貸人の所有する住宅に入居する入居者が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられる住宅販売方法であって、
前記住宅の、所在地、築年数又は築年数を算出できるデータ、間取り、平米数を含む、物件基本情報を記憶するステップと、
前記物件基本情報に基づき、売却可能であると想定される相場価格である想定売却可能価格、及び、想定される一般的な賃料である想定一般賃料を試算するとともに、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口おける内部収益率及び総収入のうち少なくとも一方を算出するステップと、
前記算出手段の算出結果を前記賃貸人に通知する表示画面を生成するステップとを有する
ことを特徴とする住宅販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅を販売するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、住宅取得を支援するためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたシステムに基づき販売される住宅は、賃貸人が事業者から購入するものであって、当該住宅に入居する入居者が毎月賃貸人に対し賃料を支払うケースを想定している。しかしながら上記特許文献1には、中古物件に対応しておらず、さらに、賃料の計算を適切に行う仕組みが開示されていない。
【0005】
本発明では、このような課題に鑑み、新築及び中古住宅において、賃貸人が賃料の設定を円滑に行うことができる住宅販売システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における住宅販売システムは、
賃貸人の所有する住宅に入居する入居者が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられる住宅販売システムであって、
前記住宅の、所在地、築年数又は築年数を算出できるデータ、間取り、平米数を含む、物件基本情報を記憶する記憶手段と、
前記物件基本情報に基づき、売却可能であると想定される相場価格である想定売却可能価格、及び、想定される一般的な賃料である想定一般賃料を試算するとともに、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口おける内部収益率及び総収入のうち少なくとも一方を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出結果を前記賃貸人に通知する表示画面を生成する賃貸人宛通知生成手段とを備える
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点における住宅販売方法は、
賃貸人の所有する住宅に入居する入居者が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられる住宅販売方法であって、
前記住宅の、所在地、築年数又は築年数を算出できるデータ、間取り、平米数を含む、物件基本情報を記憶するステップと、
前記物件基本情報に基づき、売却可能であると想定される相場価格である想定売却可能価格、及び、想定される一般的な賃料である想定一般賃料を試算するとともに、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口おける内部収益率及び総収入のうち少なくとも一方を算出するステップと、
前記算出手段の算出結果を前記賃貸人に通知する表示画面を生成するステップとを有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る住宅販売システム及び方法によれば、賃貸人が賃料の設定を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1に係る住宅販売システムを説明するブロック図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る住宅販売方法を説明するフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例2に係る住宅販売システムを説明するブロック図である。
【
図4】本発明の実施例2に係る住宅販売方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る住宅販売システム及び方法は、賃貸人(住宅販売主)の所有する住宅(戸建て、マンション等)に入居する入居者が、毎月賃料(割賦金に相当)を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられるものである。
【0011】
以下、本発明に係る住宅販売システム及び方法について、実施例にて図面を用いて説明する。
【0012】
[実施例1]
図1には、サーバ1、賃貸人通信端末2、入居希望者通信端末3が表わされている。賃貸人通信端末2及び入居希望者通信端末3は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PC等、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備える通信端末である。また、賃貸人通信端末2は賃貸人が所有するものであり、入居希望者通信端末3は入居希望者が所有するものである。なお、本実施例においては、賃貸人は中古住宅の販売主であるものとして説明する。
【0013】
サーバ1は、ネットワーク回線(インターネット等)を介して賃貸人通信端末2及び入居希望者通信端末3と相互に通信可能である。
【0014】
本実施例に係る住宅販売システム10はサーバ1に設けられている。住宅販売システム10は、主たる構成として、入力情報記憶手段11、算出手段12、賃貸人宛入力要求生成手段13、賃貸人宛通知生成手段14、入居希望者宛通知生成手段15、及び、通信制御手段16を備えている。
【0015】
通信制御手段16は、住宅販売システム10がネットワーク回線を介して賃貸人通信端末2及び入居希望者通信端末3と通信する場合に、通信の確立やデータの授受等の通信制御処理を行うものである。ただし以下では、説明を簡略化するため、ネットワーク回線を介して各データを授受する場合に、通信制御手段16を用いる旨を省略して説明する。
【0016】
入力情報記憶手段11は、賃貸人通信端末2及び入居希望者通信端末3から受信した各情報を記憶する。
【0017】
すなわち入力情報記憶手段11は、賃貸人通信端末2から受信した、賃貸人の名前、メールアドレス、及び、電話番号等(これらを纏めて「賃貸人情報」と呼称する)と、賃貸人が所有する中古住宅の、物件名、所在地、築年数(又は築年数を計算できるデータ(新築登記年月日等))、購入価格、間取り、平米数、及び、これまでの賃料等(これらを纏めて「物件基本情報」と呼称する)とを紐付けて記憶する。
【0018】
また入力情報記憶手段11は、同じく賃貸人通信端末2から受信した、賃貸人が希望する賃貸期間の最小値及び最大値を記憶する。なお、この賃貸期間が満了すると、自動的に中古住宅の所有権が入居者(賃借人)のものとなる。
【0019】
算出手段12は、入力情報記憶手段11に記憶された物件基本情報に基づき、想定売却可能価格、及び、想定一般賃料を試算する。想定売却可能価格とは、売却可能であると想定される相場価格のことであり、想定一般賃料とは、想定される一般的な賃料(対象の中古住宅と同じスペックの一般的な賃貸住宅の賃料)のことである。
【0020】
また算出手段12は、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎に出口(売却時)における内部収益率(IRR)及び総収入を算出する。なお、設定可能範囲とは、賃貸期間を変更可能な期間のことである。ただし算出手段12は、中古住宅の残存価値に応じて最大賃貸期間を定めておくものとし、設定可能範囲の上限は当該最大賃貸期間であるものとする。また、IRR及び総収入については、トータル収益やローンの残債等も考慮して算出する。
【0021】
なお、算出手段12による最低賃料の設定の仕方は、賃貸人に利益が出るように設定される。すなわち、任意の賃貸期間に対して、賃料×賃貸期間>想定売却価格(対象の中古住宅をリフォームした場合は、リフォーム後の想定売却価格)とし、中古住宅の所在地を含む地域における賃貸需要とのバランスを満たす、賃貸期間毎の最低賃料を算出する(賃貸期間が長いほど賃料が少なくなる)。
【0022】
算出手段12により求められた、想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入の情報は、サーバ1から賃貸人通信端末2に送信される。賃貸人は賃貸人通信端末2を操作し、IRR及び総収入を確認することができる。
【0023】
賃貸人宛入力要求生成手段13は、賃貸人情報の入力を賃貸人に要求する表示画面D1、及び、物件基本情報の入力を賃貸人に要求する表示画面D2を生成するものである。生成された表示画面D1,D2は、サーバ1から賃貸人通信端末2に送信され、賃貸人通信家端末2に表示される。
【0024】
さらに賃貸人宛入力要求生成手段13は、賃貸期間の最小値及び最大値の入力を賃貸人に要求する表示画面D4を生成するものである。生成された表示画面D4は、サーバ1から賃貸人通信端末2に送信され、賃貸人通信家端末2に表示される。
【0025】
賃貸人宛通知生成手段14は、算出手段12により求められた、想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入を通知する表示画面D3を生成するものである。生成された表示画面D3は、サーバ1から賃貸人通信端末2に送信され、賃貸人通信端末2にて表示される。
【0026】
入居希望者宛通知生成手段15は、入力情報記憶手段11に記憶された、賃貸期間の最大値及び最小値を通知する表示画面D5を生成するものである。生成された表示画面D5は、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信され、入居希望者通信端末3に表示される。なお、表示画面D5には入居希望者が対象中古住宅への入居希望の有無を決定することができるようにしてもよい。
【0027】
以上が、住宅販売システム10の構成についての説明である。以下では、本実施例に係る住宅販売方法について、
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0028】
ステップS1では賃貸人が登録を行う。すなわち、賃貸人が賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D1から賃貸人情報を入力する(併せて利用規約にも合意する)。入力された賃貸人情報は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11において記憶される。これにより賃貸人の登録が完了となる。
【0029】
ステップS2では、ステップS1において登録が完了した賃貸人が、賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D2から物件基本情報を入力する。入力された物件基本情報は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11において賃貸人情報に紐付けて記憶される。
【0030】
ステップS3では、算出手段12が、入力情報記憶手段11に記憶された物件基本情報に基づき、想定売却可能価格、及び、想定一般賃料を試算する。また、算出手段12は、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入を算出する。
【0031】
算出手段12により求められた、想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入は、表示画面D3としてサーバ1から賃貸人通信端末2に送信される。
【0032】
ステップS4では、賃貸人が賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D3から想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入を確認する。そして、これらを勘案したうえで、表示画面D4から希望する賃貸期間の最小値及び最大値を設定する。この最小値及び最大値は、既に説明した設定可能範囲内で設定する。
【0033】
設定した最小値及び最大値は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11に、賃貸人情報及び物件基本情報に紐付けて記憶される。
【0034】
ステップS5では、入力情報記憶手段11に記憶した賃貸期間の最小値及び最大値を、表示画面D5として、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信することで、入居希望者に提示する。
【0035】
ステップS6では、入居希望者が入居希望者通信端末3を操作し、表示画面D5から賃貸期間の最小値及び最大値を確認したうえで、入居希望の有無を決める。入居希望者が対象の中古住宅に入居希望の場合は、その旨をサーバ1に送信する(入居希望の有無を表示画面D5から入力できるようにしてもよい)。
【0036】
ステップS7では、最低賃料に基づき賃料を決定する(賃料≧最低賃料となる)。これは算出手段12により決定するものとしてもよいが、賃貸人と入居希望者とがサーバ1を管理する事業者を仲介して決定するのが好ましい。入居希望者が複数いる場合には、入居希望者と賃借人との交渉により入居者を特定することになるが、当該交渉の過程で賃料が決定される。
【0037】
ステップS8では、入居希望者の入居審査を行い当該審査に通れば契約締結となる。
以上が、本実施例に係る住宅販売方法についての説明である。なお、ステップS3,S4の各計算や設定については、算出手段12の代わりに(サーバ1を管理する事業者の)人手により作業してもよい。
【0038】
なお、本実施例では、物件基本情報に築年数を含んでいるが、賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D2からこれを入力する際、併せて登記簿の画像データを添付するものとしてもよい。また、築年数が20年以上であれば、「20年以上経過」のチェック項目にチェックを入れるのみでもよい(例えば築年数20年と30年とを区別するなどは不要)。
【0039】
また、契約締結後、入居者が所定期間の支払いを完了せずに、途中解約(引っ越し)する場合も有り得る。そのような場合には、該当中古住宅の売却価格と賃貸人の残債との差額以上の違約金を入居者が支払うことにするのが好ましい(例えば所定期間を28年の契約として、契約してから1ヶ月で解約する場合の違約金は家賃20ヶ月分、5年経過後以降には違約金0とする等)。
【0040】
さらに、本実施例では、賃貸人が賃貸人通信端末2を操作し表示画面D2から物件基本情報を入力する以前に、賃貸人の所有する中古住宅のリノベーションを行うようにしてもよい。リノベーションを行った場合、リノベーションに諸経費以上の金額を賃料に上乗せする。
【0041】
また、入居者が契約締結後にリノベーションしてもよい。その場合は、入居者が賃貸人にリノベーションの内容を申請し、賃貸人が承認したらリノベーションできるものとし、住宅販売システム10は、その際の物件価値の上昇をデータベースから自動算出するリノベーション算出手段、及び、賃貸人通信端末2及び入居希望者通信端末3に表示するための表示画面を生成するリノベーション通知生成手段を備える(共に図示略)ものとし、双方の合意を促すものとする。
【0042】
さらに、本実施例では、入居希望者が、以下のようにして中古住宅に(入居者として)一定期間住み、その後マイホームとして購入することができるようにしてもよい。
【0043】
すなわち、入居者が家賃として支払いを続けることで、
1)入居者に対する中古住宅の売却価格が低下していき、
2)入居者は家賃を支払い続けることによって与信格付けが上がり(支払い履歴をデータで蓄積していく)、
3)当初低かった与信格付けの上昇と、低下していく売却価格とをデータで判断して判定フラグが「良好」になったら住宅ローンが組めるようになり、購入することができる。
【0044】
ただし、入居希望者は、契約前に「家賃の支払いを継続すると何年後に住宅ローンによる購入に移行することが可能になるか」をシミュレーションできるものとする。
【0045】
なお、本実施例では、中古住宅(戸建て、マンション等)を販売するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、新築の物件(戸建て、マンション等)に対しても適用することが可能である(ただし、その場合は物件基本情報における物件名、所在地、築年数(又は築年数を計算できるデータ(新築登記年月日等))、購入価格、及び、これまでの賃料は不要となる)。これは下記の実施例についても同様である。
【0046】
以上説明した本実施例によれば、賃貸人の所有する住宅に入居する顧客が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムにおいて、賃貸人が賃料の設定を円滑に行うことができる。
【0047】
[実施例2]
本実施例では、実施例1と同様の構成については極力省略し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
【0048】
図3に示すように、本実施例に係る住宅販売システム10Aは、入力情報記憶手段11A、算出手段12A、賃貸人宛入力要求生成手段13、賃貸人宛通知生成手段14、入居希望者宛通知生成手段15A、通信制御手段16、抽出手段21、及び、入居希望者宛入力要求生成手段22を備えている。
【0049】
入居希望者は入居希望者通信端末3を操作し、入居希望者が希望する、賃料、賃貸期間(=入居希望者が中古住宅を取得するまでの所要期間)、地域、間取り(平米)等(これらを纏めて「入居希望者情報」と呼称する)を入力する。ただし、賃料及び賃貸期間については、いずれか一方を入力するものとする。
【0050】
入力された入居希望者情報は、入居希望者通信端末3からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11Aに記憶される。なお、入力情報記憶手段11Aには、実施例1で説明した各情報も記憶される。
【0051】
抽出手段21は、入力情報記憶手段11Aに記憶された各物件基本情報の中から、入居希望者情報に合致する物件基本情報(「該当物件基本情報」と呼称する)を抽出する(抽出される物件基本情報が複数の場合もある)。
【0052】
また、算出手段12Aは、実施例1で説明した算出手段12の機能に加え、入力情報記憶手段11Aに記憶された入居希望者情報に(入居希望者が希望する)賃料が含まれている場合には賃貸期間を算出し、入居希望者情報に(入居希望者が希望する)賃貸期間が含まれている場合には賃料を算出する。
【0053】
そして、抽出手段21において抽出した該当物件基本情報、及び、算出手段12Aにより算出した賃貸期間又は賃料の算出結果を、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信する。
【0054】
入居希望者は、入居希望者通信端末3を操作し、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信された該当物件基本情報の中から、同じくサーバ1から入居希望者通信端末3に送信された算出結果に基づき、中古住宅を選択及び決定する。
【0055】
またサーバ1は、入居希望者情報を入力情報記憶手段11Aに記憶しておく。そして、入居希望者情報が入力された時点では該当物件基本情報が無い場合であっても、その後、該当物件基本情報が賃貸人通信端末2からサーバ1に入力されれば、その該当物件基本情報を入居希望者通信端末3に送信する(既に説明したように、該当物件情報の判断は抽出手段21により行われる)。
【0056】
入居希望者宛入力要求生成手段22は、入居希望者情報についての入力を入居希望者に要求する表示画面D6を生成するものである。生成された表示画面D6は、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信され、入居希望者通信端末3に表示される。
【0057】
入居希望者宛通知生成手段15Aについては、実施例1で説明した表示画面D5は生成せず、抽出手段21において抽出した該当物件基本情報、及び、算出手段12Aにより算出した賃貸期間又は賃料の算出結果を、入居希望者に通知する表示画面D7を生成するものである。生成された表示画面D7は、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信され、入居希望者通信端末3に表示される。
【0058】
以上が、住宅販売システム10Aの構成についての説明である。以下では、本実施例に係る住宅販売方法について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
ステップS1では賃貸人が登録を行う。すなわち、賃貸人が賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D1から賃貸人情報を入力する(併せて利用規約にも合意する)。入力された賃貸人情報は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11Aにおいて記憶される。これにより賃貸人の登録が完了となる。
【0060】
ステップS2では、ステップS1において登録が完了した賃貸人が、賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D2から物件基本情報を入力する。入力された物件基本情報は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11Aにおいて賃貸人情報に紐付けて記憶される。
【0061】
ステップS3では、算出手段12Aが、入力情報記憶手段11に記憶された物件基本情報に基づき、想定売却可能価格、及び、想定一般賃料を試算する。また、算出手段12は、設定可能範囲における賃貸期間毎に最低賃料を定め、当該賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入を算出する。
【0062】
算出手段12Aにより求められた、想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入は、表示画面D3としてサーバ1から賃貸人通信端末2に送信される。
【0063】
ステップS4では、賃貸人が賃貸人通信端末2を操作し、表示画面D3から想定売却可能価格、想定一般賃料、賃貸期間毎の最低賃料、賃貸期間毎の出口におけるIRR及び総収入を確認する。そして、これらを勘案したうえで、表示画面D4から希望する賃貸期間の最小値及び最大値を設定する。この最小値及び最大値は、既に説明した設定可能範囲内で設定する。
【0064】
設定した最小値及び最大値は、賃貸人通信端末2からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11Aに、賃貸人情報及び物件基本情報に紐付けて記憶される。
【0065】
ステップS15では、入居希望者が、入居希望者通信端末3を操作し、表示画面D6から入居希望者情報を入力する。入力された入居希望者情報は入居希望者通信端末3からサーバ1に送信され、入力情報記憶手段11Aにおいて記憶される。
【0066】
ステップS16では、抽出手段21が、入力情報記憶手段11Aに記憶された各物件基本情報の中から該当物件基本情報を抽出する。
【0067】
ステップS17では、算出手段12Aは、入力情報記憶手段11Aに記憶された入居希望者情報に賃料が含まれている場合には賃貸期間を算出し、入居希望者情報に賃貸期間が含まれている場合には賃料を算出する。抽出手段21において抽出した該当物件基本情報、及び、算出手段12Aにより算出した賃貸期間又は賃料の算出結果は、サーバ1から入居希望者通信端末3に送信される。
【0068】
ステップS18では、入居希望者が入居希望者通信端末3を操作し、表示画面D7を確認して、賃貸期間又は賃料の算出結果に基づき、該当物件基本情報の中から希望する中古住宅を選択及び決定する。
【0069】
ステップS19では、入居希望者の入居審査を行い当該審査に通れば契約締結となる。
以上が、本実施例に係る住宅販売方法についての説明である。なお、ステップS3,S4,S16,S17の各計算、設定、抽出については、算出手段12Aや抽出手段21の代わりに(サーバ1を管理する事業者の)人手により作業してもよい。
【0070】
本実施例によれば、賃貸人の所有する住宅に入居する顧客が、毎月賃料を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムにおいて、賃貸人と入居希望者とのマッチングを円滑に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は住宅販売システム及び方法として好適である。
【符号の説明】
【0072】
1 サーバ
2 賃貸人通信端末
3 入居希望者通信端末
10,10A 住宅販売システム
11,11A 入力情報記憶手段
12,12A 算出手段
13 賃貸人宛入力要求生成手段
14 賃貸人宛通知生成手段
15,15A 入居希望者宛通知生成手段
16 通信制御手段
21 抽出手段
22 入居希望者宛入力要求生成手段