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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002540
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】投薬装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
A61J7/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022152634
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2019516579の分割
【原出願日】2017-09-28
(31)【優先権主張番号】62/407,656
(32)【優先日】2016-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/400,728
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/414,261
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514215011
【氏名又は名称】デジタル メディカル テクノロジーズ,リミティド ライアビリティ カンパニー(ドゥーイング ビジネス アズ アドヒアテック)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ディー.ステイン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シー.モレナ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュ.ラングハウザー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ディー.グシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スマート薬剤容器、薬剤容器内部に嵌合すべき1つ以上のカートリッジおよび、薬剤容器を閉鎖するためのスマートキャップのうちの少なくとも1つを含む装置を提供する。
【解決手段】第1のセンサセットは、ドロワ50aがフレーム60a内または外に予め設定された距離を超えて移動したか否かを検出することができる。第2のセンサセットは、カートリッジ10a、20a、30a、40aが対応するスロットから取出されたか否かおよび/またはカートリッジの内容物を検出することができる。電子送信機は、ドロワがフレーム内または外へと予め設定された距離を超えて移動したか否か、およびカートリッジが対応するスロットから取出されたか否かのうちの少なくとも1つを特徴付けるデータを、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに送信することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤容器において、
フレームと;
前記フレーム内および外へ摺動するように構成されたドロワと;
薬剤を収納する複数のカートリッジを受入れるように構成された、前記ドロワ内の複数のスロットと;
前記ドロワが予め設定された距離を超えて前記フレーム内へ移動したかまたはその外へ移動したかのうちの少なくとも1つを検出するように構成された1つ以上のセンサの第1のセット、および
前記複数のカートリッジのうちの1つのカートリッジが前記複数のスロットのうちの対応するスロットから取出されたかまたはこの対応するスロットに挿入されたかのうちの少なくとも1つを検出するように構成された1つ以上のセンサの第2のセット、
のうちの少なくとも1つのセットと;
前記ドロワが前記予め設定された距離を超えて前記フレーム内へ移動したかまたはこのフレームの外へ移動したか、および前記カートリッジが前記対応するスロットから取出されたかまたはこのスロットに挿入されたか、のうちの少なくとも1つを特徴付けるデータを、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに送信するように構成された電子送信機と;
を含む薬剤容器。
【請求項2】
前記サーバーコンピュータが、前記データに基づいてアラートおよび勧告のうちの少なくとも1つを生成するように構成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記複数のカートリッジの全てが前記同じ薬剤を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記フレームが1つ以上のフックを含み、前記1つ以上のフックが、前記フレームを吊るすことまたは前記フレームを別のフレームと噛合可能な形で積重ねることのうちの少なくとも1つを可能にする、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記複数のフレームが直列である、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記ドロワに取付けられた磁石をさらに含み、前記1つ以上のセンサは、前記磁石の動きを検出して、前記ドロワが前記予め設定された距離を超えて前記フレームから外に移動したか否かを検出するように構成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記磁石が希土類材料製である、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
1つ以上のセンサの前記第2のセットが前記ドロワの内部に貼付され、1つ以上のセンサの前記第2のセットは、前記カートリッジが前記対応するスロットから取出されたか否かを検出するための1つ以上のタッチセンサおよび1つ以上の静電容量センサである、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
1つ以上のセンサの前記第2のセットが前記フレーム内に位置付けされ、1つ以上のセンサの前記第2のセットは、予め設定された距離内の物体を検出するように構成され、1つ以上のセンサの前記第2のセットは、前記カートリッジの存在または不在を検出する、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
薬剤容器において、
薬剤を格納する複数のカートリッジを摺動可能な形で受入れるように構成された複数のスロットを含むフレームであって、前記複数のカートリッジが前記フレームの前記複数のスロット内および外へ摺動するように構成されている、フレームと;
前記複数のスロットの各スロットが対応するカートリッジを含んでいるか否かを決定するように構成された1つ以上のセンサと;
前記スロットのうちの1つ以上がカートリッジを含んでいるか否かを特徴付けるデータを、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに送信するように構成された電子送信機と;
を含む薬剤容器。
【請求項11】
前記複数のスロットが、他の2つのスロットの上方に2つのスロットを有するツーバイツー構成で配設された4つのスロットを含む、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
キャップで閉鎖されるように構成された容器と;
前記容器の内部に挿入されるように構成され、前記容器の内部に完全に挿入された時点で前記容器を前記キャップで閉鎖できるようにする、薬剤収納用カートリッジと;
を含む装置。
【請求項13】
前記カートリッジの本体が、前記容器の内部のキャビティ内に嵌合し、前記カートリッジの一部分は、前記容器が前記キャップを受容する領域内で前記容器の上面を覆っている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジの外部表面上の1つ以上の場所が、前記容器の内部表面に粘着する接着剤を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記カートリッジの一部分が前記容器の外部に延在し、前記容器を保持するためのグリップとして役立つように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記カートリッジの一部分が前記容器の外部に延在し、表示要素として役立つように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記表示要素が、前記カートリッジ内部の内容物を識別するデータを表示するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記表示要素が、前記カートリッジ内部の前記内容物を識別する前記データを含む印刷されたラベルを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記表示要素が矩形形状である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記表示要素が円筒形形状である、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記カートリッジが、栓またはライナのうちの少なくとも1つで閉鎖されるように構成されており、前記栓および前記ライナの各々は前記キャップと異なり別個である、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記カートリッジは、前記カートリッジ内部の内容物が飛び出すのを防ぐため前記栓および前記ライナの各々により封止されるように構成されており、前記栓および前記ライナの各々は前記カートリッジから取外し可能である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記カートリッジは、乾燥剤チャンバおよび少なくとも1つの乾燥剤袋を含み、前記乾燥剤チャンバには、湿気が前記カートリッジの本体から前記乾燥剤袋内に移行し、前記カートリッジの内容物を前記乾燥剤袋から物理的に分離することを可能にする穿孔が含まれている、請求項12に記載の装置。
【請求項24】
容器と;
前記容器を閉鎖するためのキャップと;
前記キャップにまたは前記キャップの内部に貼付されたキャップセンサ要素と;
前記キャップセンサ要素と通信状態にある容器センサ要素と;
を含み、前記キャップセンサ要素と前記容器センサ要素は、共に動作して、前記キャップが前記容器センサ要素から閾値距離内に存在するか否かを検出するように構成されている、システム。
【請求項25】
前記容器が電池から電力を引込むのを防ぐために前記容器の電池区画内部に挿入されるように、かつ前記容器が前記電池から電力を引込むことを可能にするために取外すように構成されたプルタブ構成要素をさらに含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記容器センサはさらに、前記容器内部の内容物の数量を検出するように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記容器センサに対して通信可能な形で結合され、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに対して、前記容器内部の前記内容物の前記数量を標示するデータを送るように構成された電気回路をさらに含み、前記電気回路は、前記内容物の数量が閾値より低い場合に前記サーバーコンピュータからアラートを標示するデータを受信するように構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
第1の通信ネットワークを介して、1つ以上のカートリッジを含む薬剤容器上の回路から、前記1つ以上のカートリッジまたは前記1つ以上のカートリッジ内部の予め設定された量の内容物が、予め設定された時間内に引出されなかったことを標示するデータを受信するように構成された、少なくとも1つの通信受信機と;
前記少なくとも1つ通信受信機に対し通信可能な形で結合された少なくとも1つのデータベースであって、前記1つ以上のカートリッジまたは前記前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物が、前記予め設定された時間内に引出されなかったことを標示する前記データを少なくとも記憶するように構成されている少なくとも1つのデータベースと;
前記少なくとも1つの通信受信機および前記少なくとも1つのデータベースのうちの少なくとも1つに対して通信可能な形で結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサであって、前記データの前記受信に後続してかつこの受信に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定するように構成され、かつ前記少なくとも1つの基準が満たされている場合にアラートを生成するように構成されている、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと;
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに対し通信可能な形で結合され、第2の通信ネットワークを介して前記薬剤容器または別のコンピュータデバイスに対し前記アラートを送信するように構成されている、少なくとも1つの通信送信機と;
を含むシステム。
【請求項29】
前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物が引出されなかったことの前記標示は、前記薬剤容器内部に格納された薬剤の一用量を、予め設定された時間内に患者が失念したことを標示している、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記コンピュータデバイスが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ファブレットコンピュータ、および携帯電話の1つである、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記コンピュータデバイスは、前記薬剤容器を使用して患者を処置する介護者、前記患者に薬剤を提供する認可を受けた薬局、および前記患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つにより動作させられるように構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の通信ネットワークが前記第2の通信ネットワークと同じである、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の通信ネットワークが前記第2の通信ネットワークと異なりかつ別個である、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つの基準を満たすことが、閾値を上回る前記薬剤容器と結び付けられたユーザまたはエンティティの1つのリスクレベルであり、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、前記薬剤容器と結び付けられたユーザまたはエンティティの前記リスクレベルを決定し、それを前記閾値と比較するように構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、少なくとも部分的に、前記データベース内に記憶された履歴データに基づいて前記リスクレベルを計算し;
前記履歴データには、薬剤容器のキャップの開放および/または閉鎖に関するデータ;薬剤容器のドロワ内および/または外への摺動に関するデータ;薬剤容器内への1つ以上のカートリッジの挿入および/または前記薬剤容器からの前記1つ以上のカートリッジの取出しに関するデータ;投薬計画に対する患者の順守の尤度を特徴付ける順守スコア;前記薬剤容器からの薬剤の引出しパターン;このような薬剤引出しパターンの複雑性;薬剤容器または薬剤容器内部のカートリッジへの補充パターン;薬剤容器または薬剤容器内部のカートリッジへのこのような補充パターンの不正確性;前記薬剤容器内の薬剤のタイプ;前記薬剤を消費するための投薬量要件;前記薬剤容器の前記回路と前記少なくとも1つの通信受信機との間の1つ以上の先行通信のタイミング;前記薬剤容器の前記回路と前記少なくとも1つの通信受信機との間で、前記1つ以上の先行通信中に交換されたデータ;および前記1つ以上の先行通信に関して指摘された1つ以上のエラー、のうちの少なくとも1つが含まれる、
請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つの基準を満たすことが、別の予め設定された時間内での前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物の引出しの欠如であり、他の予め設定された時間内での前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物の引出しの前記欠如は、前記薬剤容器内部に格納された薬剤の一用量が前記他の予め設定された時間内で失念されことを標示する、請求項28に記載のシステム。
【請求項37】
前記他の予め設定された時間内での前記予め設定された量の引出しの欠如を標示する前記データは、前記データベース内に記憶され、
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、他の予め設定された時間内での前記予め設定された量の引出しの欠如を標示する前記データを前記データベースから受信することによって、前記他の予め設定された時間内での前記予め設定された量の引出しの欠如を決定する、
請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記少なくとも1つの基準を満たすことは、予め設定された時間後の前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物の引出しであり、前記予め設定された時間後の前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物の引出しは、患者が前記薬剤を遅延して服用したことを標示する、請求項28に記載のシステム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、前記薬剤容器上の前記回路から、前記1つ以上のカートリッジ内部の前記予め設定された量の内容物の引出しを標示するデータを受信するように構成されており、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、前記引出しを標示する前記データの前記受信の時点を識別して、前記引出しが前記予め設定された時間の後であるか否かを決定する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの基準を満たすことが、予め設定された時間後の前記1つ以上のカートリッジのうちの少なくとも1つのカートリッジの補充であり、前記予め設定された時間後の前記少なくとも1つのカートリッジの前記補充は、前記少なくとも1つのカートリッジの前記補充が遅延したことを標示している、請求項28に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、前記薬剤容器上の前記回路から、前記少なくとも1つのカートリッジの前記補充を標示するデータを受信するように構成されており、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、少なくとも1つのカートリッジの前記補充の時点を識別して、前記補充が遅延したか否かを決定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
第1の通信ネットワークを介して、薬剤容器上の回路から、薬剤容器の1つ以上のカートリッジが、予め設定された時間内に補充されなかったことを標示するデータを受信するように構成された、少なくとも1つの通信受信機と;
前記少なくとも1つの通信受信機のうちの少なくとも1つに対して通信可能な形で結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサであって、前記データの前記受信に少なくとも部分的に基づいてアラートを生成するように構成されている、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと;
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに対し通信可能な形で結合され、第2の通信ネットワークを介して前記薬剤容器または別のコンピュータデバイスに対し前記アラートを送信するように構成されている、少なくとも1つの通信送信機と;
を含むシステム。
【請求項43】
第1の通信ネットワークを介して、第1のコンピュータデバイスからメッセージを受信するように構成された、少なくとも1つの通信受信機と;
前記少なくとも1つの通信受信機のうちの少なくとも1つに対して通信可能な形で結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサであって、前記メッセージの前記受信時点でアラートを生成するように構成されている、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと;
前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに対し通信可能な形で結合され、第2の通信ネットワークを介して第2のコンピュータデバイスに対し前記アラートを送信するように構成されている、少なくとも1つの通信送信機と;
を含むシステム。
【請求項44】
前記メッセージが、追加のケアに対する要求を含む、請求項43に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2016年9月28日出願で「薬剤および薬剤パッケージの遠隔管理のための装置および方法」という名称の米国仮特許出願第62/400,728号;2016年10月13日出願で「使い捨ておよび再利用可能なスマート薬剤パッケージングインサートのための装置および方法」という名称の米国仮特許出願第62/407,656号;および2016年10月28日出願で「スマート薬剤容器の閉鎖検出および活動化のためのシステムおよび方法」という名称の米国仮特許出願第62/414,261号の利益およびこれに対する優先権を主張するものである。上述の特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組込まれている。
【0002】
本明細書中に記載の主題は、スマート薬剤容器、薬剤容器内部に嵌合すべき1つ以上のカートリッジおよび、薬剤容器を閉鎖するためのスマートキャップのうちの少なくとも1つを含む装置に関する。本開示は同様に、例えば投薬計画に対する患者の順守率の改善または維持および/または患者、介護者および/または他の当事者、例えば薬局などによる薬剤の在庫管理の改善を目的とした、患者、介護者および/または他の当事者(例えば薬局)に対する異なる介入を決定し提供するためのシステムおよびコンピュータ実施関連の方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤は、いくつかの異なるタイプの容器内にパッケージングされる。しかしながら、従来の薬剤容器は、薬剤を安全に保護せず、中に保管された薬剤に対する容易なアクセスを提供しない。その上、従来の薬剤容器は、薬剤が薬剤容器から取出されたか否かまたはいつ取出されたかを検出せず、ましてやそれを正確に行なうことはできない。従来の薬剤容器は、さらに、通信されたデータを用いて患者に対するリマインダおよびアラートを生成することのできる遠隔サーバーコンピュータとの通信を可能にする通信能力を有していない。さらに、従来の薬剤容器は、取出し可能なカスタマイズされたカートリッジを内部に設置することを可能にせず、したがってこのような薬剤容器は使用毎に廃棄される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、スマート薬剤容器、薬剤容器内部に嵌合すべき1つ以上のカートリッジ、および薬剤容器を閉鎖するためのスマートキャップ、のうちの少なくとも1つを含む装置に関する。スマート薬剤容器は、有利にも、薬剤を安全に保護すること;薬剤容器内の薬剤への容易なアクセスを可能にすること;薬剤が薬剤容器からいつ取出されたかまたは取出された確率が高いかを検出すること;ならびに患者および/またはエンティティまたは施設、例えば薬局に向けたリマインダおよびアラートを生成するために薬剤容器による検出の詳細を使用することのできる遠隔サーバーコンピュータと、通信ネットワークを介しこれらの詳細を通信すること、という目的の1つ以上(例えば全て)を達成することができる。カスタマイズされたカートリッジは、上述のスマート薬剤容器内に(例えば患者または薬局の担当者によって)取出し可能な形で挿入され得る。いくつかの実施形態において、スマート薬剤容器のスマートキャップは、スマート薬剤容器による1つ以上のアクションを活動化するかまたはひき起こすことができ、かつ/または、スマート薬剤容器上にキャップが存在するか否かをシグナリングまたは検出することができる。
【0005】
1つの態様において、薬剤容器が説明される。薬剤容器は、フレーム、ドロワ、ドロワ内の複数のスロット、1つ以上のセンサの第1のセットおよび1つ以上のセンサの第2のセットのうちの少なくとも1つ、および電子送信機を含むことができる。ドロワは、フレーム内および外へと摺動するように構成され得る。ドロワ内の複数のスロットは、薬剤を格納する複数のカートリッジを受入れるように構成され得る。1つ以上のドロワセンサと呼ぶことのできる1つ以上のセンサの第1のセットは、ドロワが予め設定された距離を超えてフレーム内に移動したかまたは外へ移動したかを検出するように構成され得る。1つ以上のカートリッジセンサと呼ぶことのできる1つ以上のセンサの第2のセットは、複数のカートリッジのうちの1つのカートリッジが複数のスロットのうちの対応するスロットから取出されたかまたはこの対応するスロットに挿入されたかを検出するように構成され得る。電子送信機(例えばネットワークインタフェースを含む)は、例えば、ドロワが予め設定された距離を超えてフレーム内に移動したかその外へ移動したか、カートリッジが対応するスロットから取出されたかまたはその中に挿入されたかのうちの少なくとも1つを特徴付けるデータ、および/または1つ以上のセンサによる検出の時点、スロットが空の状態にとどまった時間の長さ、スロットがカートリッジにより占有された状態にとどまった時間の長さ、ドロワが閉鎖状態にとどまった時間の長さおよび/またはドロワが開放状態にとどまった時間の長さなどのこれらの検出に結び付けられるタイミングデータを通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに送信するように構成され得る。
【0006】
いくつかの変形形態において、以下のものの1つ以上を個別に、または任意の組合せの形で実施することができる。サーバーコンピュータは、受信したデータに少なくとも部分的に基づいてアラート、リマインダおよび勧告のうちの少なくとも1つを生成するように構成され得る。複数のカートリッジの全てが同じ薬剤を含み得る。フレームは1つ以上のフックを含むことができる。1つ以上のフックは、フレームを吊るすことまたはフレームを別のフレームと噛合可能な形で積重ねることを可能にすることができる。複数のフレームは直列であり得る。各スロットは、対応するカートリッジが取出されたか否かを決定するために1つ以上のセンサを含んでいてよい。
【0007】
薬剤容器はさらに、例えばドロワに、または代替的に、ドロワの一端部に隣接する領域内のフレームに取付けられた磁石をさらに含むことができる。1つ以上のセンサは、磁石の動きを検出して、ドロワが予め設定された距離を超えてフレームから外に移動したか否かを検出するように構成されていることができる。磁石は希土類材料製であり得る。
【0008】
1つ以上のセンサの第2のセットは、例えばドロワの内部または代替的にフレームの内部に貼付され得る。1つ以上のセンサの第2のセットは、カートリッジが対応するスロットから取出されたかおよび/またはこのスロット内に入れられたかを検出するための1つ以上の重量センサ、赤外線センサ、タッチセンサまたは静電容量センサであり得る。1つ以上のセンサの第2のセットは、フレーム内に位置付けされ得る。1つ以上のセンサの第2のセットは、予め設定された距離内の物体を検出するように構成され得、1つ以上のセンサの第2のセットは、カートリッジの存在または不在を検出する。1つ以上のセンサの第2のセットは、代替的にまたは付加的に、1つ以上のカートリッジ内部の内容物の数量(例えば、重量、液量オンス、丸薬の数または他の任意の好適な定量化測定基準またはこのような測定基準の組合せにより標示されるような液体薬剤または丸薬の数量)を検出するように構成され得る。
【0009】
別の態様において、別の薬剤容器が説明される。この薬剤容器は、フレーム、1つ以上のセンサ、および電子送信機を含み得る。フレームは、薬剤を格納する複数のカートリッジを受入れる(摺動可能な形で受入れる)ように構成された複数のスロットを含むことができる。複数のカートリッジはフレームの複数のスロット内および外へ摺動するように構成されている。1つ以上のカートリッジセンサと呼ぶことのできる1つ以上のセンサは、複数のスロットの各スロットが対応するカートリッジを封入、収納、保管、格納するかまたは他の形で含んでいるか否かを決定するように構成され得る。電子送信機(例えばネットワークインタフェースを含む)は、例えばスロットのうちの1つ以上がカートリッジを封入、収納、保管、格納するかまたは他の形で含んでいるか否かを特徴付けるデータ、および/または1つ以上のセンサによる検出の時点、スロットが空の状態にとどまった時間の長さ、および/またはスロットがカートリッジにより占有された状態にとどまった時間の長さなどのこれらの検出に結び付けられるタイミングデータを通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに送信するように構成され得る。
【0010】
いくつかの変形形態において、以下のものの1つ以上を実施することができる。複数のスロットは、他の2つのスロットの上方に2つのスロットを有するツーバイツー構成で配設された4つのスロットを含むことができる。1つ以上のセンサは、代替的にまたは付加的に、1つ以上のカートリッジ内部の内容物の数量(例えば、重量、液量オンス、丸薬の数または他の任意の好適な定量化測定基準またはこのような測定基準の組合せにより標示されるような液体薬剤または丸薬の数量)を検出するように構成され得る。
【0011】
さらに別の態様においては、容器とカートリッジを含む得る装置が説明される。容器は、キャップで閉鎖されるように構成され得る。カートリッジは、容器の内部に挿入されるように構成され薬剤を封入、収納、保管、格納または他の形で含むことができる。カートリッジは、容器の内部に完全に挿入された時点で容器をキャップで閉鎖できるようにすることができる。
【0012】
いくつかの変形形態においては、以下の1つ以上を個別にまたは任意の組合せの形で実施することができる。カートリッジの本体は、容器の内部のキャビティ内に嵌合することができる。カートリッジの一部分は、容器がキャップを受容する領域内で容器の上面を覆うことができる。カートリッジの外部表面上の1つ以上の場所は、容器の内部表面に粘着する接着剤を含むことができる。カートリッジの一部分は、容器の外部に延在でき、容器を保持するためのグリップとして役立つように構成され得る。カートリッジの一部分は容器の外部に延在でき、表示要素として役立つように構成され得る。表示要素は、カートリッジ内部の内容物を識別するデータを表示するように構成され得る。表示要素は、カートリッジ内部の内容物を識別するデータを含む印刷されたラベルを含むことができる。表示要素は矩形形状を有することができる。代替的には表示要素は円筒形形状を有することができる。装置はカートリッジの存在および/または不在、および/またはカートリッジ内部の内容物の数量(例えば、重量、液量オンス、丸薬の数または他の任意の好適な定量化測定基準またはこのような測定基準の組合せにより標示されるような液体薬剤または丸薬の数量)を検出するように構成された、1つ以上のカートリッジセンサと呼ぶことのできる1つ以上のセンサであり得る。装置は、センサデータおよび/または他のデータを遠隔サーバーコンピュータに通信するため、1つ以上のプロセッサおよび/または電子送信機(例えばネットワークインタフェースを含む)を含むことができる。
【0013】
カートリッジは、栓またはライナのうちの少なくとも1つで閉鎖またはカバーされるように構成され得る。栓およびライナの各々はキャップと異なり別個であり得る。カートリッジは、カートリッジ内部の内容物が飛び出すのを防ぐため栓およびライナの各々により封止されるように構成され得る。栓およびライナの各々はカートリッジから取外し可能であり得る。カートリッジは、乾燥剤チャンバおよび少なくとも1つの乾燥剤袋を含むことができる。乾燥剤チャンバには、湿気がカートリッジの本体から乾燥剤袋内に移行し、カートリッジの内容物を乾燥剤袋から物理的に分離することを可能にする穿孔が含まれ得る。
【0014】
一態様において、容器、容器センサ要素、キャップおよびキャップセンサ要素を含み得るシステム(例えば投薬装置)が説明される。キャップは、容器を閉鎖するように構成され使用される。キャップセンサ要素は、キャップにまたはキャップの内部に貼付され得る。容器センサ要素は、キャップセンサ要素と通信状態にあって、キャップが容器センサ要素から閾値距離内に存在するか否かを検出することができる。いくつかの変形形態において、容器センサ要素は、キャップセンサ要素が閾値距離内にあるか否かを検出する。他の変形形態において、キャップセンサ要素は、容器センサ要素が閾値距離内にあるか否かを検出する。
【0015】
いくつかの変形形態において、以下のものの1つ以上を、個別にまたは任意の組合せの形で実施することができる。システムは、容器が電池から電力を引込むのを防ぐために容器の電池区画内部に挿入されるように、かつ容器が電池から電力を引込むことを可能にするために取外されるように構成された、プルタブ構成要素を含むことができる。容器センサ要素および/またはキャップセンサ要素および/または異なる1つ以上のセンサは、カートリッジ内部の内容物の数量(例えば、重量、液量オンス、丸薬の数または他の任意の好適な定量化測定基準またはこのような測定基準の組合せにより標示されるような液体薬剤または丸薬の数量)を検出するように構成され得る。
【0016】
システムは、容器センサ要素および/またはキャップセンサ要素に対し通信可能な形で結合された電気回路を含むことができる。電気回路(例えば1つ以上のプロセッサおよびネットワークインタフェース)は、キャップが開放および/または閉鎖される時点、キャップが開放および/または閉鎖している1回以上の時点(例えば薬剤容器の1つ以上のセンサまたは1つ以上のプロセッサによって生成される1つ以上のタイムスタンプによって標示されるようなもの)、キャップが開放および/または閉鎖状態にとどまっている時間の1つ以上の長さまたは持続時間、および/または容器内部の内容物の数量(例えば、容器のキャビティの内部または容器のキャビティ内に格納されたカートリッジの内部の内容物の数量)を標示するデータを、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに対して送るように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態に係る1つの態様においては、サーバーコンピュータは、サーバーコンピュータからのアラート(例えばリマインダまたは勧告)を標示するデータの電子送信をトリガするように構成され得、薬剤容器の電気回路および/またはユーザコンピュータは、このデータを受信するように構成され得る。サーバーコンピュータは、少なくとも部分的に薬剤容器から受信したデータに基づいて、アラートをトリガするように構成され得る。サーバは、例えば、薬剤容器内の内容物の数量が閾値より低いこと(例えば薬剤容器の1つ以上のセンサから受信したデータを閾値と比較することによって決定される通り);薬剤容器と結び付けられた患者が薬剤の一用量または補充を失念した確率が高いかまたは、1つ以上の将来の用量または補充を失念する確率が高いこと(例えば、少なくとも部分的に、1つ以上のドロワセンサ、カートリッジセンサおよび/またはキャップまたは容器センサなどの薬剤容器の1つ以上のセンサの1つ以上の検出および1つ以上のデータベース内に記憶されサーバーコンピュータがアクセスできる患者の投薬計画データに基づいて、サーバーコンピュータにより決定される通り);および/または薬剤容器を含む薬局、他のエンティティまたは施設が、予想通りに薬剤を送出または補充しなかったまたはしなかった確率が高いこと(例えば、少なくとも部分的に、1つ以上のドロワセンサ、カートリッジセンサ、および/またはキャップまたは容器センサなどの容器の1つ以上のセンサの1つ以上の検出、および1つ以上のデータベース内に記憶されサーバーコンピュータがアクセスできる送出スケジュールデータに基づいてサーバーコンピュータにより決定される通り)をサーバーコンピュータが決定した時点で、薬剤容器および/または他のコンピュータデバイスに対するアラートをトリガすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態に係る一態様において、サーバーコンピュータの少なくとも1つの通信受信機は、本明細書中に記載の1つ以上の薬剤容器(例えば、1つ以上のカートリッジ、ドロワを含み、かつ/またはキャップおよび/または容器センサを有する薬剤容器)上の回路から第1の通信ネットワークを介してデータを受信するように構成され得る。このようなデータは、例えば、本明細書中に記載のセンサのうちの1つ以上のセンサの1つ以上の測定値、例えば1つ以上のドロワセンサ、カートリッジセンサおよび/またはキャップおよび/または容器センサの1つ以上のセンサ測定値に対応するデータ、センサデータに結び付けられたタイミングデータ、および/または例えば検出されたセンサデータに基づいて薬剤容器の1つ以上のプロセッサによって生成されるデータであり得る。少なくとも部分的にこのようなデータおよび/または他のデータ(例えばデータベース内でサーバーコンピュータにより記憶されたかまたは他の形でサーバーコンピュータがアクセスできる履歴データ)に基づいて、サーバーコンピュータ(例えば1つ以上のプロセッサおよびネットワークインタフェースを含む)は、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定することができ、この決定に基づいて、患者、介護者および/または他のエンティティ(例えば薬局)に対する1つ以上のリマインダおよび/またはアラートをトリガすることができる。例えば、テキスト、オーディオ、イメージ、ビデオまたはそれらの任意の組合せを含み得るこのようなアラートは、薬剤容器自体および/または他のコンピュータデバイスに送信されてよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、サーバーコンピュータの少なくとも1つの通信受信機は、例えば患者が薬剤の一用量を失念したかまたは失念した確率が高いこと(例えば、薬剤容器が患者または介護者により所持されているかまたは患者または介護者による使用のために構成されている場合)、薬剤が、薬剤容器から取出されたまたは取出されなかったかまたは送出されたまたは送出されなかったこと(例えば、薬剤が薬局、他のエンティティまたは施設により所持されているかまたは薬局、他のエンティティまたは施設による使用のために構成されている場合)、および/または薬剤容器または薬剤容器の1つ以上のカートリッジが補充されなかったかまたは補充を必要としていること、を標示するデータを、通信ネットワーク上で薬剤容器から受信することができる。例えば、ドロワが移動させられる(例えば1つ以上のドロワセンサにより決定されるように少なくとも閾値距離だけ移動させられる)毎に、または他の任意の好適な時点または間隔で、薬剤容器は、1つ以上のドロワセンサおよび/または他のセンサ(例えばカートリッジセンサ)からのデータおよび/または他のデータをサーバーコンピュータに提供することができる。サーバーコンピュータは、そのデータを単独でまたは他のデータ(例えばタイミングデータおよび/または履歴データ)と組合せた形で、薬剤が容器から取出されたかまたは容器に追加された時点を標示するものとして解釈することができ、サーバーコンピュータは、少なくとも部分的にこのようなデータに基づいて、患者が一用量を失念した確率が高いこと、薬局または他のエンティティまたは施設が予想通りに薬剤を送出しなかったか否か、および/または薬剤容器または容器内のカートリッジが補充を必要としているかまたは補充されなかったか、を決定することができる。サーバーコンピュータは、この決定に基づいて、薬剤容器におよび/または1つ以上の他のコンピュータデバイスに対して1つ以上のアラートを送信することができる。
【0020】
代替的にまたは付加的に、カートリッジが薬剤容器から取出される、および/または薬剤容器内に挿入される(例えば1つ以上のカートリッジセンサにより決定される通り)毎に、または他の好適な時点または間隔で、薬剤容器は、1つ以上のカートリッジセンサおよび/または他のセンサ(例えば1つ以上のドロワセンサ)からのデータ、および/または他のデータをサーバーコンピュータに提供することができる。サーバーコンピュータは、そのデータを単独でまたは他のデータ(例えばタイミングデータおよび/または履歴データ)と組合せた形で、薬剤が容器から取出されたかまたは容器に追加された時点を標示するものとして解釈することができ、サーバーコンピュータは、少なくとも部分的にこのようなデータに基づいて、患者が一用量を失念した確率が高いこと、薬局または他のエンティティまたは施設が予想通りに薬剤を送出しなかったか否か、および/または薬剤容器または容器内のカートリッジが補充を必要としているかまたは補充されなかったか、を決定することができる。サーバーコンピュータは、この決定に基づいて、1つ以上のアラートを薬剤容器におよび/または1つ以上の他のコンピュータデバイスに対して送信することができる。
【0021】
以上で開示した実施形態に対し代替的にまたは付加的に、キャップが薬剤容器から取出される、および/または薬剤容器上に置かれる(例えば1つ以上のキャップセンサおよび/または容器センサにより決定される通り)毎に、または他の好適な時点または間隔で、薬剤容器は、1つ以上のセンサ(例えば1つ以上のカートリッジセンサおよび/または1つ以上のキャップおよび/または容器センサのキャップ)からのデータ、および/または他のデータをサーバーコンピュータに提供することができる。サーバーコンピュータは、そのデータを単独でまたは他のデータ(例えばタイミングデータおよび/または履歴データ)と組合せた形で、(例えばカートリッジが容器に挿入されたかまたは容器から取出された時点に基づいて)薬剤が容器から取出されたかまたは容器に追加された時点を標示するものとして解釈することができ、サーバーコンピュータは、少なくとも部分的にこのようなデータに基づいて、患者が一用量を失念した確率が高いこと、薬局または他のエンティティまたは施設が予想通りに薬剤を送出しなかったか否か、および/または薬剤容器または容器内のカートリッジが補充を必要としているかまたは補充されなかったか、を決定することができる。サーバーコンピュータは、この決定に基づいて、1つ以上のアラートを薬剤容器におよび/または1つ以上の他のコンピュータデバイスに対して送信することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、サーバーコンピュータは、通信ネットワーク上で、例えば単独でまたは他のデータと組合わせた形で、1つ以上のカートリッジまたは容器の内部の予め設定された量の内容物が予め設定された時間内に引出されなかった、および/または予め設定された時間の後に引出されたこと;薬剤容器のカートリッジまたはキャビティが、予め設定された時間の後に補充されたこと;および/または薬剤容器の1つ以上のカートリッジが予め設定された時間内で補充されなかったおよび/または取出されなかったことを標示するデータを受信することができる。このようなデータは、例えば、薬剤容器(例えば薬剤容器の1つ以上のカートリッジセンサ、1つ以上のドロワセンサおよび/または1つ以上の容器および/またはキャップセンサ)からサーバーコンピュータにより受信された、本明細書中に記載の薬剤容器センサのうちの1つ以上のセンサの1つ以上の測定値(例えば検出事象)に対応するデータであり得る。少なくとも1つのデータベースを、少なくとも1つの通信受信機に対して通信可能な形で結合することができる。少なくとも1つのデータベースは、少なくとも薬剤容器から受信したデータおよび/または他のデータ(例えば患者のための投薬計画、薬局または他のエンティティまたは施設のための予想される送出スケジュール、および/または薬剤容器または薬剤容器内部に格納されたカートリッジについては予想される補充スケジュール)を記憶するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサを、少なくとも1つの通信受信機および少なくとも1つのデータベースのうちの少なくとも1つに対し通信可能な形で結合することができる。少なくとも1つのプロセッサは、データ受信時点でまたはデータ受信に続いて、少なくとも1つの基準が満たされたか否かを決定するようにプログラミングまたは他の形で構成または適応され得、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの基準が満たされている場合アラート(例えばリマインダ)を生成する。少なくとも1つの通信送信機は、少なくとも1つのプロセッサに通信可能な形で結合され得る。少なくとも1つの通信送信機は、第2の通信ネットワークを介して、薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータデバイスに対してアラートを送信するように構成され得る。
【0023】
いくつかの変形形態において、以下のものの1つ以上を個別にまたは任意の組合せの形で実施することができる。サーバーコンピュータは、予め設定された時間内に薬剤容器からの通信をサーバーコンピュータが受信していないことに少なくとも部分的に基づいて、患者が投薬計画を順守しなかったこと、薬局または他のエンティティまたは施設が予想された薬剤送出スケジュールを順守しなかったこと、および/または薬剤容器または薬剤容器内部カートリッジが、予想されたスケジュールにしたがって補充されなかったこと、を決定するように構成される。例えば、サーバーコンピュータは、1つ以上のドロワセンサ、1つ以上のカートリッジセンサおよび/または1つ以上の容器および/または薬剤容器のキャップセンサが予め設定された時間を超える時間帯内に活動化されなかったことをサーバーコンピュータが識別したことに少なくとも部分的に基づいて、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータデバイスに対してアラート(例えばリマインダ)をトリガすることができる。予め設定された時間は、データベース内に記憶されサーバーコンピュータがアクセスできる、患者が一用量を服用する予想頻度を識別する患者のための投薬計画;薬剤の送出頻度を識別する薬局または他のエンティティまたは施設のための予想送出スケジュール;および/または薬剤容器または薬剤容器内部に格納されたカートリッジのための予想補充スケジュール、を標示するデータに少なくとも部分的に基づいて、サーバーコンピュータにより設定または識別され得る。サーバーコンピュータは、サーバーコンピュータが薬剤容器の1つ以上のセンサからさらなる1つ以上の通信を受信することなく予め設定された時間が経過したか否かを決定するために、このデータを、例えば薬剤容器の1つ以上のセンサからサーバーコンピュータが最後に通信を受信した時を標示するデータと比較することができる。少なくとも部分的にこの決定に基づいて(例えば唯一この決定のみに基づいて)、サーバーコンピュータは、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータデバイスに対して1つ以上のアラートをトリガすることができる。コンピュータデバイスは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ファブレットコンピュータおよび携帯電話のうちの1つであり得る。一実施形態において、コンピュータデバイスは、薬剤容器を用いて患者により動作させられように構成され得る。別の実施形態において、コンピュータデバイスは、薬剤容器を使用して患者を処置する介護者(例えば病院、臨床医、医師、看護士、技師、臨床職員および/または任意の他の介護者)、患者に薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つにより動作させられるように構成され得る。一実施形態において、第1の通信ネットワークは第2の通信ネットワーク(例えばインタネット)と同じかまたは実質的に同じであり得る。一変形実施形態において、第1の通信ネットワークは第2の通信ネットワークと異なり、第2の通信ネットワークとは別個であり得る。第1の通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、任意の他のネットワークおよびそれらの任意の組合せであり得る。第2の通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、任意の他のネットワークおよびそれらの任意の組合せであり得る。
【0024】
一実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、ユーザのリスクレベルが閾値を超えているかまたは他の形で1つ以上の基準を満たすかまたは満たさないかをサーバーコンピュータが決定することであり得る。サーバーコンピュータの少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、データベース内に記憶された履歴データに少なくとも部分的に基づいて、リスクレベルを計算することができる。決定を行なうためにサーバーコンピュータによって解析される履歴データには、薬剤容器のキャップの開放および/または閉鎖に関するデータ(例えば薬剤容器の容器および/またはキャップセンサにより提供されるもの);薬剤容器のドロワ内および/または外への摺動に関するデータ(例えば薬剤容器の1つ以上のドロワセンサにより提供されるもの);薬剤容器(例えば薬剤容器のスロット)内への1つ以上のカートリッジの挿入および/または薬剤容器からの1つ以上のカートリッジの取出しに関するデータ(例えば薬剤容器の1つ以上のカートリッジセンサにより提供されるもの);例えば同じまたは異なる投薬計画に対する患者の過去の順守に少なくとも部分的に基づく投薬計画に対する患者の順守の尤度を特徴付ける順守スコア(例えば、患者が投薬計画のとおりに薬剤を消費すると仮定されていた日数に対する患者が薬剤を消費したまたは消費した確率が高い日数の分率または百分率などの、投薬計画に対する患者の過去の順守を反映する計算された値またはスコア。ここでいくつかの変形形態では、この値およびスコアを計算するサーバーコンピュータは、患者が薬剤を消費すると仮定されていなかった投薬計画の日数をスコアの計算から特定的に除外するかまたは代替的にはスコアの計算において異なる形で処理することができ、かつここで、サーバは、計算された値またはスコアを閾値または閾値スコアと比較して、患者が非順守のためのハイリスクであるか否かを識別して、1つ以上のアラートを直接トリガするかまたは、1つ以上の追加の基準と合わせてサーバーコンピュータにより考慮して1つ以上のアラートをトリガすべきか否かを決定することができる);薬剤容器からの薬剤の引出しパターン;このような薬剤引出しパターンの複雑性(例えばユーザによる薬剤の引出しに関する実施のデータとサーバーコンピュータがアクセスできるデータベース内に記憶された予想された患者または他のエンティティの予想計画との比較を行うサーバーコンピュータによって決定される複雑性);薬剤容器または薬剤容器内部のカートリッジの補充パターン;薬剤容器または薬剤容器内部のカートリッジのこのような補充パターンの不正確性(例えば1つ以上の補充または1つ以上の補充を得ることの失敗に関する実際のデータと、サーバーコンピュータがアクセスできるデータベース内に記憶された予想補充スケジュールとを比較することによってサーバーコンピュータにより決定される不正確性);薬剤容器内の薬剤のタイプ;薬剤を消費するための投薬量要件;薬剤容器の回路と少なくとも1つの通信受信機との間の1つ以上の先行通信のタイミング;薬剤容器の回路と少なくとも1つの通信受信機との間で、1つ以上の先行通信中に交換されたデータ;および1つ以上の先行通信に関して指摘された1つ以上のエラー、のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0025】
いくつかの変形形態において、サーバーコンピュータは、薬剤用量が失念されたことの決定または薬剤が(例えば薬局によって)予想通りに送出されなかったことの決定に基づいて(例えばこの決定のみに基づいて)、アラートをトリガすることができる。別の実施形態において、サーバーコンピュータは、薬剤容器(例えばボトル)が予想されたスケジュールにしたがって補充されなかったことの決定に基づいて(例えばこの決定のみに基づいて)アラートをトリガすることができる。別の実施形態においては、別の実施形態では、サーバーコンピュータは、追加のケアが要求されていることを標示するメッセージを薬剤容器と結び付けられたユーザ(例えば患者、介護者または薬剤師)から受信したことに基づいて(例えばこの受信のみに基づいて)アラートをトリガすることができる。別の実施形態では、サーバーコンピュータは、薬剤容器と結び付けられたユーザ(例えば患者、介護者または薬剤師)から他の任意のメッセージ(例えばその内容の如何に関わらずあらゆるメッセージ)を受信したことに基づいて(例えばこの受信のみに基づいて)アラートをトリガすることができる。サーバーコンピュータは、異なる状況下で薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータに対して、異なる特殊アラートを提供することができる。
【0026】
いくつかの変形形態において、サーバーコンピュータは、薬剤用量が失念されたことの決定および1つ以上の追加データの評価の両方に少なくとも部分的に基づいて、アラートをトリガすることができる。一実施形態において、追加の基準は、先の解析からの1つ以上のデータ点および/またはサーバーコンピュータにより記憶されたデータ(例えば、患者についての全体的順守スコア、例えば薬剤容器の1つ以上のセンサからのセンサデータおよび/または患者のための投薬計画によって標示される複雑な投薬量パターン;例えば薬剤容器の1つ以上のセンサからのセンサデータおよび/または患者のための投薬計画によって標示される不正確な服用または補充パターン;薬剤情報;システムに対する先のメッセージング;および/または他の要因)に少なくとも部分的に基づいてサーバーコンピュータによって決定されるように、ボトルのユーザ(例えば患者)がハイリスクであることのサーバーコンピュータによる決定、であり得る。別の実施形態において、追加の基準は、1つ以上の最近の用量も同様に失念されていたことのサーバーコンピュータによる決定(例えば、薬剤容器から受信した先行センサデータおよび/または薬剤容器から受信した先行センサデータの欠如によって標示されるような、少なくとも1つの他の先行する予め設定された時間内での薬剤容器または薬剤容器のカートリッジに対するアクセスの欠如を標示するデータベース内に記憶されたデータ;および/または薬剤容器から受信した先行センサデータにより標示される少なくとも1つの他の先行する予め設定された時間内の薬剤容器または薬剤容器内のカートリッジからの予め設定された量または数量の内容物の引出しの欠如を標示するデータベース内に記憶されたデータ、に少なくとも部分的に基づいた、1つ以上の最近の用量が失念されたことのサーバーコンピュータによる決定)であり得る。別の実施形態においては、追加の基準は、ユーザまたはエンティティが計画された投薬および/または補充サイクルを遅延して開始または再開したことのサーバーコンピュータによる決定(例えば、薬剤容器から受信したセンサデータにより標示されるような目下の時間の経過後の薬剤容器または薬剤容器のカートリッジへのアクセスを標示するデータベース内に記憶されたデータ;および/または薬剤容器から受信したセンサデータにより標示されるような目下の時間の経過後の薬剤容器または薬剤容器のカートリッジからの予め設定された量または数量の内容物の引出しを標示するデータベース内に記憶されたデータ、に少なくとも部分的に基づいた、ユーザまたはエンティティが遅延したことのサーバーコンピュータによる決定)であり得る。さまざまな実施形態において、サーバーコンピュータは、一薬剤用量が失念されたことおよび少なくとも1つの追加の基準が満たされていることの両方をサーバーコンピュータが決定した場合にのみ、薬剤容器または他のコンピュータデバイスに対してアラートをトリガする。サーバーコンピュータは、異なる状況の下で、薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータに対して異なる特殊アラートを提供することができる。
【0027】
本明細書中に記載のアラートは、オーディオ、ビジュアル(例えばテキスト、イメージおよび/またはビデオ)またはその両方であり得るアラームを活動化させるデータであり得る。さまざまな実施形態において、アラートは、テキストメッセージ、ボイスメッセージ、ビデオメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、Eメール、ウェブポップアップ、ページャメッセージ、他の任意のメッセージおよびそれらの任意の組合せ、のうちの1つ以上であり得る。アラートは、いくつかの実施形態においては、リマインダであり得る。アラートは薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータデバイスに提供され得る。
【0028】
本明細書中に記載の主題の1つ以上の変形形態の詳細は、添付図面および以下の説明の中で明記されている。本明細書中に記載の主題の他の特徴および利点は、説明、図面およびフレームから明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図2】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図3】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図4】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図5】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図6A-B】現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
図6C】患者、介護者、薬局、他の任意の個人またはエンティティ、および/またはそれらの任意の組合せに向けたマインダおよび/またはアラートを生成する目的で薬剤容器上の回路と通信できるサーバーコンピュータを例示する。
図7】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図8】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図9】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図10】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図11】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図12】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図13】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図14】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図15】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
図16】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器のスマートキャップのいくつかの実施形態を例示する。
図17】現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器のスマートキャップのいくつかの実施形態を例示する。
図18】患者、介護者、薬局、他の任意の個人またはエンティティ、および/またはそれらの任意の組合せ向けのリマインダおよび/またはアラートを生成することを目的として薬剤容器上の回路と通信できるサーバーコンピュータを例示する。
【0030】
さまざまな図面中の同様の参照番号は同様の要素を標示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1A、1B、2A、2B、3、4A、4B、5、6Aおよび6Bは、現在の主題のいくつかの実施形態に係るスマート薬剤容器のいくつかの実施形態を例示する。
【0032】
図1Aは、薬剤容器5aの第1の実施形態を例示する。薬剤容器5aは、多数(例えば4つ)のカートリッジ10a、20a、30aおよび40a、ドロワ50aおよびフレーム60aを含むことができる。4つのカートリッジ10a、20a、30aおよび40aは、取出し可能な形で、また代替的には恒久的に、ドロワ50a内に挿入するかまたはドロワ50aから外に持上げる(例えば完全にまたは部分的に)ことができ、このドロワ50aは、フレーム60aの内部を摺動することができる。薬剤容器5aは、ドロワ50aがフレーム60a内またはその外に摺動させられている時点を決定することができる。いくつかの実施形態において、薬剤容器5aは、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aのいずれかが取出されているおよび/または挿入されているか否かを決定することができる。フレーム60aは、内側にガイドおよびレールを含むことができ、これらのガイドおよびレールはドロワ50aを誘導して、ドロワ50aの直線または線形運動を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30a、および40aの各々は、ボトル(例えば丸薬瓶)、バイアル瓶、液体薬剤容器、管、小袋、箱、分包、ブリスタパック、スプレー容器および/または吸入具であるかまたはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、1つ以上のシリンジであるか、それを含むことができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、概して平行六面体形状(例えば平行、またはほぼ平行な側面)を有し上述の1つ以上の薬剤容器および/またはシリンジを格納する厚紙および/またはプラスチック製の箱であり得る。
【0033】
さまざまな例示的実施形態において、4つのカートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、厚紙、プラスチック、ガラスおよび金属のうちの1つ以上の材料で製造され得る。ドロワ50aは、プラスチックおよび金属のうちの1つ以上の材料で製造され得る。プラスチックおよび/または金属でドロワを製造すると、有利にも、ドロワ50aを開閉する間の摩擦が最小限に抑えられ、こうして同様にドロワ50aの耐久性を最大限にすることもできる。フレーム60aは、プラスチックおよび金属のうちの1つ以上の材料(例えばドロワ50aのために使用したものと同じまたは異なる材料)で製造することができる。
【0034】
さまざまな例示的実施形態において、薬剤容器5aは、以下の寸法または寸法範囲を有することができる。フレーム60aは、概して平行六面体の本体(例えば平行かまたはほぼ平行な側面)を有することができ、この本体は丸みの付いた隅を有し得る。フレーム60aは、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを格納するドロワ50aを受入れるため1つの概して開放した面(例えば開放した、またはほぼ開放した面)を有することができる。いくつかの実施形態において、フレーム60aの残りの面は、完全にまたは実質的に閉鎖され得る。いくつかの実施形態において、フレーム60aは、フレーム60a内および外へのドロワ50aの運動方向に直交するかまたは概して直交する(例えば90度、またはほぼ90度、例えば80度~100度の間)方向の幅が約8~10インチ、長さ(奥行)が約10~14インチおよび高さが約2~4インチであり得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、ドロワ50aは、フレーム60aの開放面を丁度通って、フレーム60aの開放キャビティの内部に存在するように構成された形状を有することができる。上述の通り、ドロワ50aは、それぞれフレーム60aの1つ以上の陥凹またはレールへの噛合連結のため、1つ以上のレールまたは陥凹を(例えばドロワ50aの底面および/または側面表面上に)含むことができる。ドロワ50aは、概して(例えば完全にまたは実質的に完全に)開放した上面を、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを受入れるために有することができる。ドロワ50aは、部分的に開放した前面を有することができる。例えば図1Aに示されているように、これは、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの保持を可能にし、これらのカートリッジが非意図的に薬剤容器5aから飛び出すのを防ぐドロワ唇状部または尾根部を含むことができる。これは同時に、観察者が薬剤容器5a内部の1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aの存在または不在を視覚的に識別できるようにし、任意には、例えばカートリッジ10a、20a、30aおよび40a上に印刷されたまたは他の形で示された情報を読めるようにすることもできる。いくつかの実施形態において、ドロワ50aは、フレーム60aの中および外へのドロワ50aの運動方向に直交するかまたは概して直交する(例えば90度で、またはほぼ90度、例えば80度~100度の間)方向の幅が約8~10インチ、長さ(奥行)が約10~14インチおよび高さが約2~4インチであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、フレーム60a内部にドロワ50aをぴったりと摩擦嵌めできるように装置全体が不必要にスペースをとるのを防ぐため、ドロワ50aの長さ、幅および高さをフレーム60aのものよりわずかだけ小さくなるように選択することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、ドロワ50aの開放部域内部に嵌合するように構成された形状を有することができる。換言すると、ドロワ50aは、その開放部域がカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを受入れるため(例えば摩擦嵌めを確立するための噛合収容)にサイズ決定され構成されるような形で構成され得る。いくつかの実施形態において、多数のカートリッジがドロワ50aの内部に挿入され、ドロワ50aがフレーム60aの内部に挿入された場合、カートリッジは、ドロワ50aの異なるカートリッジを分離する1つ以上の壁または尾根部を除いて、フレーム60a内部内の開放空間の全てまたは実質的に全てを集合的に占有することができる。このような物理的セパレータは、例えば図3に示されている。いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、幅約1~4インチ(例えば1~3インチ)、長さ(奥行)約6~14インチ(例えば6~10インチ)以下、および高さ約1~4インチ(例えば1~3インチ)以下であり得る。
【0037】
図1Bは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器65aの第2の実施形態を例示する。薬剤容器65aは、多数(例えば4つ)のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aおよびフレーム70aを含むことができる。4つのカートリッジ10a、20a、30aおよび40aは、取出し可能な形で、また代替的には恒久的に、フレーム70a内に挿入され得る。4つのカートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、フレーム70a内および外へと個別に摺動され得る。薬剤容器65aは、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aがフレーム70a内または外へと摺動させられている時点を決定することができる。フレーム70aは任意には、ガイドおよびレールを内側に含むことができ、これらは、各カートリッジ10a、20a、30aおよび40aを対応して直線および線形運動で誘導する。例えば、各カートリッジは、それぞれフレーム70aの1つ以上の陥凹またはレールへの噛合連結するため、1つ以上のレールまたは陥凹を(例えばカートリッジの底面および/または側面表面上に)含むことができる。他の実施形態では、カートリッジではなくフレーム70aのみがガイドまたはレールを含むことができる。カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、対応するスロットから外にそのカートリッジを個別に摺動させることにより取出すことができる。容器65aの前面は、対応する1つ以上のカートリッジがスロットから飛び出すのを防ぐためスロットの前方の概して開放した面の1つ以上(例えば全て)において、1つ以上の尾根部またはタブを含めることができる。カートリッジは、スロット内へと摺動し戻す前にタブまたは尾根部の上に持ち上げられ、その後、カートリッジの後端部がタブまたは尾根部をひとたび通過した時点で、タブまたは尾根部によってスロット内に保持され得る。
【0038】
さまざまな例示的実施形態において、薬剤容器65aは、以下の形状因子および寸法または寸法範囲を有することができる。フレーム70aは、丸みの付いた隅を有し得る平行六面体または概して平行六面体の本体(例えば平行またはほぼ平行な側面を伴う本体)を有することができる。フレーム70aは、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを受入れるための複数(例えば4つ)の開放領域またはキャビティを画定する面を有することができる。いくつかの実施形態において、フレーム70aの残りの面は、完全にまたは実質的に閉鎖され得る。いくつかの実施形態において、フレーム70aはフレーム70a内および外へのカートリッジ10a、20a、30aおよび40aの運動方向に直交するかまたは概して直交する(例えば90度、またはほぼ90度、例えば80度~100度の間)方向の幅が約5~8インチ、長さが約10~14インチおよび高さが約5~8インチであり得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、フレーム70aの開放部域内部に嵌合するように構成された形状を有することができる。換言すると、フレーム70aは、それが多数の開放部域またはキャビティを有し、このような部域がカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを受入れるため(例えば摩擦嵌めを確立するための噛合収容)にサイズ決定され構成されるような形で構成され得る。いくつかの実施形態において、多数のカートリッジがフレーム70aの内部に挿入された場合、カートリッジはフレーム70aの内部内の開放空間の全てまたは実質的に全てを集合的に占有することができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aの各々は、フレーム70a内および外へのカートリッジの運動方向に直交するかまたは概して直交する(例えば90度、またはほぼ90度、例えば80度~100度の間)方向の幅が約1~4インチ(例えば1~3インチ)、長さが約6~14インチ(例えば6~10インチ)および高さが約1~4インチ(例えば1~3インチ)であり得る。
【0040】
薬剤容器5aおよび5bは、これらの薬剤容器の底面を支持し得る表面(例えば棚)の上に平らに置かれるように構成され得る。薬剤容器5aについて、ドロワ50aの底面表面に隣接するフレーム60aの表面は、棚上に載るように構成され得る。このような構成は、薬剤容器5aおよび65aに安定性を提供することができる。
【0041】
図2Aは、内部でドロワ50aがフレーム80aの中および外へと摺動し得、(1)薬剤容器75aを(例えば冷蔵庫内の棚から)吊るすことができるようにし、かつ/または(2)薬剤容器75aに別の薬剤容器75aを積重ねることができるようにするフック90aを含む、薬剤容器75aを例示している。2つの薬剤容器75aは、保管スペースを最小限に抑えるため、薬剤容器75aを物理的に保管する目的で積重ねることができる。このような積重ねには、いくつかの実施形態において、1つの薬剤容器75aの上面または底面にあるフック90aを、別の薬剤容器(例えば別の容器75a)の底面または上面の対応する特徴部(例えばループまたは陥凹)に対し噛合連結することが関与し得る。容器75aは、他の全ての点で、容器5a(図1A)と同じかまたは類似したものであり得る。
【0042】
図2Bは、(1)薬剤容器95aを(例えば冷蔵庫内の棚から)吊るすことができるようにしかつ/または(2)薬剤容器95aに別の薬剤容器95aを積重ねることができるようにするフック110aを含み、内部でカートリッジ10a、20a、30aおよび40aがフレーム100a内および外へと個別に摺動できる薬剤容器95aを例示している。2つの薬剤容器95aは、保管スペースを最小限に抑えるため、薬剤容器95aを物理的に保管する目的で積重ねることができる。このような積重ねには、いくつかの実施形態において、1つの薬剤容器95aの上面または底面にあるフック110aを、別の薬剤容器(例えば別の容器95a)の底面または上面内の対応する特徴部(例えばループまたは陥凹)に対し噛合連結することが関与し得る。容器95aは、他の全ての点で、容器65a(図1B)と同じかまたは類似したものであり得る。
【0043】
図3は、図1Aの薬剤容器5aのさまざまな構成要素を示す分解組立図を例示する。薬剤容器5aは、上述の構成要素に加えて、磁石120a、センサ140a(例えば磁石120aが移動したか否かを検出するためのリードスイッチなどのスイッチ)などのさまざまな構成要素が包埋された無線回路板、無線アンテナ150a、電池160a、バックプレート130aおよび4本の締結具170aを含むことができる。
【0044】
磁石120aは、ドロワ50aに取付けられるかまたはドロワ50aに隣接して設置され得る。磁石120aがフレーム60a内部を移動可能な形で並進運動する場合、センサ140aは、磁石12が移動したか否かを検出することができ、これにより、ドロワ50aがフレーム60aの中へ摺動したかまたはフレーム60aから外に摺動したかが標示される。無線回路板は、いくつかの実施形態において、センサ140aに加えてマイクロプロセッサ、無線モジュール、無線周波数(RE)回路、電力回路、および1つ以上の集積センサなどの他の電子的構成要素を含むことができる。このマイクロプロセッサは、無線アンテナ150aを介しておよび通信ネットワークを介してサーバーコンピュータに対して、ドロワ50aがフレーム60aの中に摺動したかまたは外へ摺動したかを標示するデータおよび/または他のデータ(図5、6Aおよび6Bに関連して以下で説明される1つ以上のカートリッジセンサなどの、本発明により説明されている他のセンサが生成した他のデータ)を送信することができる。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、他の任意のネットワーク、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上であり得る。電池160aは、薬剤容器5a全体に対して電力を供給できる。電池は、フレーム60a内部に一体化して設置され得る。バックプレート130aは、4本の締結具170aを用いて電子的構成要素全てをしっかり固定することができる。デバイスがセンサデータを含めた情報を、サーバに対し通信ネットワークを介して通信することができるようにするためのシステムおよび方法は、参照により全体が本明細書に組込まれている米国特許第8,754,769号中に記載されている。
【0045】
磁石120aは、ネオジムなどの希土類材料製であり得る。ネオジムが記載されているものの、変形実施形態において、磁石120は、他の希土類材料、例えばサマリウムコバルト、ネオジム、希土類元素の任意の合金(例えばランタニド系列内の元素にスカンジウムおよびイットリウムを加えたもの)、他の希土類材料、およびそれらの任意の組合せの1つ以上で製造され得る。磁石120aのために希土類材料を使用することで、磁石は強永久磁石になり、こうして、磁石に強い磁場を持たせそれを長期間(例えば多数年)維持させることができ、こうして有利にも磁石は少なくともこの期間中独自の電源を必要としない。
【0046】
図4Aは、ドロワ50aが拡張した(完全にまたは部分的に拡張した)構成にあるときの薬剤容器5aの電子的構成要素を例示する。電子的構成要素には、磁石120a、バックプレート130aなどのさまざまな構成要素が包埋された、またはこれらに固定された、またはこれらに隣接する無線回路板、および、磁石120aが移動したか否かを決定することによってデバイス50aの動きを検出するためのセンサ140aが含まれ得る。拡張構成においては、磁石120aとバックプレート130aの間の距離180aは、センサ140aがドロワ50aの動きの状態の変化を検出し記録する、例えば可能な最大距離または代替的には可能な最大距離未満であり得る距離である。いくつかの実施形態において、センサ140aは、磁石120aが距離180a未満の距離しか移動しないかぎり、ドロワ50aの動きを記録しない可能性がある。いくつかの実施形態において、距離180aは、例えば0.25インチ、または0.125インチ~5インチの範囲内であり得る。変形実施形態において、センサ140aは、磁石120aが距離180aより短かいものであり得る別の予め設定された磁石120aからの距離内にあるかぎり、磁石120aが移動したか否かを検出するように構成され得る。別の変形実施形態において、この予め設定された距離は、距離180a以上であり得る。
【0047】
図4Bは、ドロワ50aが完全に押込まれた構成にある場合の薬剤容器5aのいくつかの電子的構成要素を例示する。ドロワは、図4Aの拡張構成を達成するために拡張され得る。
【0048】
図5は、薬剤容器5a内部のセンサ190aの別の実施形態を例示する。センサ190aは、薬剤容器5a内部のカートリッジの存在または不在を検出するカートリッジセンサであり得る。いくつかの実施形態において、薬剤容器5aは、各カートリッジ10a、20a、30aおよび40aについて別個のセンサ190aを含むことができ、その場合、各センサ190aは各々の対応するカートリッジの存在または不在を検出することができる。いくつかの実施形態において、センサ190aが薬剤容器5a内のカートリッジの存在または不在を検出することと代替的にまたは付加的に、センサ190aは、カートリッジ10a、20a、30aおよび40a内部の内容物の量(例えば重量、丸薬の数または液体薬剤の数量)を検出することができる。図5中に示された実施形態において、センサ190aは、交互配置されすだれ状になったパターンで複数(例えば2つ以上)の電極(例えば金属電極)を含むことができる。センサ190aの電極は、概して平担(例えば平担またはほぼ平担)であり得、概して2次元平面内に格納される。電極は、対応するカートリッジが内部に収容されるべき区画全体または実質的にその全体に跨ることができる。他の実施形態では、電極は、対応するカートリッジが収容されるべき区画の一部分(例えばおおよそ4分の3、おおよそ半分またはそれ以下)のみに跨ることができる。いくつかの実施形態において、センサ190aと同じかまたは類似している1つ以上のセンサが、薬剤容器65aのスロットの1つ以上(例えば全て)の中(図1B)、例えば、スロットの底面(床)部分上またはこの部分の内部に含められて、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aが存在するか否かおよび/またはカートリッジ10a、20a、30aおよび40aのうちの1つ以上の中の薬剤の内容物の量を決定することができる。
【0049】
さまざまな実施形態において、各センサ190aは、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aがドロワ50aの内部に存在するか否か、および/または薬剤容器5aまたは任意のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aの内容物(例えば重量、丸薬数、または液体薬剤の数量)を、タッチ、静電容量、重量、光、視覚キューまたは他の任意の方法で決定することができる。例えば、各センサ190aは、静電容量センサまたはタッチセンサであり得る。センサ190aは、ドロワ50a上に包埋されるかまたは他の形で貼付され得る。各センサ190aは、無線回路板に(有線接続を介して)接続され得、あるいは他の形で無線回路板と(例えば無線接続を介して)通信状態にあり得、カートリッジ10a、20a、30aおよび/または40aの存在、不在および/または内容物についてのデータを無線回路板に提供する。いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサ190aと回路板との間の接続は、可撓性ケーブル(例えばリボンワイヤ)を通したものであってよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサ190aと回路板との間の接続は、センサ190aに電気接続されドロワ50aの外部部分上に部分的に曝露されかつドロワ50aがフレーム60a内に挿入されたとき回路板に電気接続されフレーム60aの一部分上に曝露された対応する金属接点と電気的に接触する金属接点(例えばレールまたはストリップ)を通したものであってよい。
【0050】
一例において、各センサ190aは、単一のカートリッジ10a、20a、30aまたは40aのための対応するスロット内のこのカートリッジの存在および/または不在を検出するように構成され得る。2値静電容量タッチセンサであり得る。この例では、カートリッジ10a、20a、30aまたは40aとセンサ190aとの間の接触は、センサ190aの静電容量の変化を生み出し、センサ190aは、そのカートリッジが薬剤容器5a内に設置されたかまたはそこから取出されたことの2値検出の形にこれを翻訳することができる。センサ190aを含むかまたは他の形でこのセンサと通信する無線回路板はさらに、静電容量を測定し標示しかついくつかの実施形態においてはそれを閾値と比較して、測定された静電容量がカートリッジの存在または不在を標示するものであるか否かを決定することのできる静電容量-デジタル変換器集積回路を含むことができる。薬剤容器5aは、カートリッジ10a、20a、30aおよび40aのアレイの設置または取出しを検出し得るセンサ190aのアレイを含むことができる。
【0051】
無線回路板は、通信ネットワークを介して、1つ以上のセンサによる検出および/または薬剤容器の回路板の1つ以上のプロセッサによるその処理の詳細を遠隔サーバーコンピュータと通信することができ、この遠隔サーバーコンピュータは、例えば、これらの詳細を用いて、例えば図6Cなどに示されているように患者、介護者および/または他の当事者(例えば薬局)のために1つ以上のリマインダおよびアラートを生成することができる。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、任意の他のネットワークおよびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上であり得る。さまざまな実施形態において、無線回路板は薬剤容器のフレーム(例えばフレーム60aまたは70a)に貼付されるかまたはこのフレームにより収納され得る。さまざまな実施形態において、無線回路板は、ドロワ(例えばドロワ50a)に貼付されるかまたはこのドロワにより収納され得る。
【0052】
図6Aは、各々カートリッジ10a、20a、30aまたは40aに対応するスロット内のこのカートリッジの存在または不在を検出するように構成された複数の赤外線距離センサ200aを例示する。
【0053】
図6Bは、センサ200aの構成要素を例示する。センサ200aは、フレーム60a上に包埋されるか、フレーム60aに貼付されるか、またはフレーム60aと少なくとも部分的に統合されるかまたはこのフレームにより収納され得る。センサ200aは、送信機210aおよび受信機220aを含むことができる。センサ200aは、送信機210aと受信機220aの間の干渉を検出できる赤外線センサであり得る。このような検出は、対応するカートリッジ10a、20a、30aまたは40aが閾値距離230a内で設置されているかまたは取出されているかを標示し得る。閾値距離230aは、カートリッジ10a、20a、30aまたは40aの存在を検出できる距離範囲を表わすことができる。すなわち、カートリッジ10a、20a、30aまたは40aは、それが閾値距離230a内にある場合に検出される。センサは、薬剤容器5aの回路板に対し検出を特徴付けるデータを送信するかまたは電子的に提供することができる。センサは、有線または無線接続を介して回路板と通信できる。カートリッジ10a、20a、30aまたは40aのアレイを検出するために、センサ200aのアレイを使用することができる。
【0054】
無線回路板は、通信ネットワークを介して、1つ以上のセンサ200aによる検出および/または薬剤容器の回路板の1つ以上のプロセッサによるその処理の詳細をサーバーコンピュータと通信することができ、このサーバーコンピュータは、これらの詳細を用いて、例えば図6Cなどに示されているように患者、介護者および/または他の当業者(例えば薬局)のために1つ以上のリマインダおよびアラートを生成することができる。サーバーコンピュータは無線回路板から遠隔のものであり得、例えば同じ建物内部の異なる室内、異なる建物内、異なる都市、異なる州、異なる国内、または任意の遠隔距離にあり得る。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、任意の他のネットワークおよびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上であり得る。
【0055】
図6Cは、患者、介護者、薬局、他の任意の個人またはエンティティ、および/またはそれらの任意の組合せに向けた1つ以上のリマインダおよび/またはアラートを生成するため、薬剤容器(例えば薬剤容器5a、65a、75aまたは95a)上の回路と通信できるサーバーコンピュータ240aを例示する。サーバーコンピュータ240aは、少なくとも1つの通信受信機250a、少なくとも1つのデータベース260a、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aおよび少なくとも1つの通信送信機280aを含むことができる。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、異なる実施形態において、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、データプロセッサ、プログラマブルデータプロセッサなどであり得る。さまざまな実施形態において、サーバーコンピュータ240aは、薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータ(例えば1つ以上のコンピュータ310a)と双方向通信状態にあってよい。
【0056】
さまざまな実施形態において、サーバーコンピュータ240aの少なくとも1つの通信受信機250aは、本明細書中に記載の1つ以上の薬剤容器(例えば1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aおよび40aを格納する薬剤容器5a、65a、75aまたは95a)上の第1の通信ネットワーク290aを介してデータを受信するように構成され得る。このようなデータは、例えば、本明細書中に記載のセンサの1つ以上の測定値(例えば2値検出)に対応するデータ、例えば、薬剤容器のドロワの開放および/または閉鎖(例えばドロワ50a内または外への摺動)を標示する1つ以上のセンサ測定値および/または薬剤容器の1つ以上のセンサまたは1つ以上のプロセッサによって識別されるような開放および/または閉鎖の時点を標示するタイミングデータ(例えばタイムスタンプを介するもの);薬剤容器の1つ以上のスロットの内部に1つ以上のカートリッジ(例えば10a、20a、30aおよび40a)が存在するか否かを標示する1つ以上のセンサ測定値(例えば、カートリッジが薬剤容器に挿入されたかおよび/または薬剤容器から取出されたかを標示する1つ以上の測定値)および/または薬剤容器の1つ以上のセンサまたは1つ以上のプロセッサによって識別されるようなカートリッジの挿入および/または取出しの時点を標示するタイミングデータ(例えばタイムスタンプを介するもの);および/または薬剤容器または1つ以上のカートリッジ(例えば薬剤容器のカートリッジ10a、20a、30aおよび40a)の内部の薬剤の数量を標示する1つ以上のセンサ測定値および/または薬剤容器の1つ以上のセンサまたは1つ以上のプロセッサによって識別されるような測定値の時点を標示するタイミングデータ(例えばタイムスタンプを介するもの)であり得る。このようなデータおよび/または他のデータ(例えば、データベース260a内のサーバーコンピュータにより記憶されたまたはサーバーコンピュータがアクセスできる履歴データ、例えば1つ以上のセンサが受信した1つ以上の先の測定値および/またはこのような測定値のタイミングに関するタイミングデータを標示するデータ)の受信に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサ270aを含むサーバーコンピュータは、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定することができ、この決定に基づいて、患者、介護者および/または他のエンティティ(例えば薬局)に対し1つ以上のリマインダおよび/またはアラートをトリガすることができる。例えば、テキスト、オーディオ、イメージ、ビデオまたはそれらの任意の組合せを含み得るこのようなアラートは、薬剤容器自体(例えば薬剤容器5a、65a、75aまたは95a)および/または他のコンピュータデバイス(例えばコンピュータデバイス310a)に対して送信され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、通信ネットワークは、薬剤容器(例えば薬剤容器5a、65a、75aおよび/または95a)から、薬剤容器5a、65a、75aおよび/または95aの1つ以上が薬剤の補充を必要としている(例えば薬剤容器5a、65a、75aおよび/または95aが薬局または他の施設で薬剤を送出するのに使用される場合)ことを標示するデータを受信することができる。いくつかの実施形態において、通信ネットワークは、薬剤容器(例えば薬剤容器5aまたは65a)から、患者が一用量の薬剤を失念したかまたは失念した確率が高い(例えば薬剤容器5a、65a、75aおよび/または95aが特定の患者のために利用される場合)ことを標示するデータを受信することができる。
【0058】
一態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1の通信ネットワーク290aを介して、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a上の回路から、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物が予め設定された時間内に引出されなかったことを標示するデータを受信するように構成され得る。例えば、このデータは、例えばカートリッジのうちの1つ以上の存在または不在を検出するように構成された1つ以上のセンサにより決定されるように、カートリッジ自体が存在するおよび/または取出されているいずれか(例えば2値検出)を標示することができる。代替的にまたは付加的に、このデータは、例えば1つ以上のカートリッジ内部の重量または数量を決定するように構成された1つ以上のセンサなどにより決定されるような、1つ以上のカートリッジについての内容物の特定の量または数量(例えば液体薬剤または丸薬の重量または数量)を識別することができる。少なくとも1つのデータベース260aは、少なくとも1つの通信受信機250aに対し通信可能な形で結合され得る。少なくとも1つデータベース260aは、少なくとも受信データを記憶するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、少なくとも1つの通信受信機250aおよび少なくとも1つのデータベース260aのうちの少なくとも1つ(例えばその両方)に対し通信可能な形で結合され得る。少なくとも1つプログラマブルプロセッサ270aは、データの受信時点またはその後に、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定することができ、少なくとも1つの基準が満たされている場合、この少なくとも1つプログラマブルプロセッサ270aは、アラートを生成する。少なくとも1つの通信送信機280aは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aに対し通信可能な形で結合され得る。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して、コンピュータデバイス310a(例えば薬局のコンピュータ)および/または薬剤容器(例えば薬剤容器5a、65a、75aまたは95a)に対して、1つ以上のアラートを送信するように構成され得る。
【0059】
1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物が引出されなかったことの標示は、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a内部に格納された一用量の薬剤が失念されたかまたは他の理由で予め設定された時間内に取出されなかったまたは送出されなかったことを標示することができる。各々のコンピュータデバイス310aは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ファブレットコンピュータ、および携帯電話である。一実施形態において、コンピュータデバイス310aは、薬剤容器5a、65a、75aまたは95aを用いて患者により動作させられるように構成され得る。別の実施形態において、コンピュータデバイス310aは、薬剤容器5a、65a、75aまたは95aを用いて患者を処置する介護者(例えば病院、臨床医、医者、看護婦、技術者、臨床職員および/または他の任意の介護者)、1人以上の患者に対し薬剤を提供する認可を受けた薬局、および1人以上の患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つによって動作させられるように構成され得る。1つの実施形態において、第1の通信ネットワーク290aは、第2の通信ネットワーク300a(例えばインタネット)と同じかまたは実質的に同じであり得る。変形実施形態においては、第1の通信ネットワーク290aは第2の通信ネットワーク300aと異なり、これと別個であり得る。第1の通信ネットワーク290aは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、他の任意のネットワーク、およびそれらの任意の組合せのうちの1つであり得る。第2の通信ネットワーク300aは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Blue-toothネットワーク、赤外線ネットワーク、他の任意のネットワーク、およびそれらの任意の組合せであり得る。
【0060】
1つの実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、閾値を上回る、ユーザ、例えば患者または他のエンティティ(例えば薬局)のリスクレベルであり得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサ270aは、ユーザ(例えば患者)またはエンティティ(例えば薬局)の推定されたリスクを決定し、患者が投薬計画を順守しないかまたは薬局または他のエンティティが予想通りに薬剤を送出しない定義済みのリスクレベルをこの推定されたリスクが上回っていることを決定することができる。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、データベース260a内に記憶された履歴データに少なくとも部分的に基づいてリスクレベルを計算することができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ270aがリスクレベルを計算するために使用する履歴データには、投薬計画に対する患者の順守の尤度を特徴付ける順守スコア、薬剤容器5a、65a、75aまたは95aからの薬剤の引出しパターン、薬剤容器5a、65a、75aまたは95aの(例えば1つ以上のカートリッジセンサによって検出された1つ以上のカートリッジを用いた)補充パターン、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a内の薬剤のタイプ、ユーザ、薬局または他のエンティティによる予想される薬剤の取出しを標示するデータ、薬剤を消費するための1つ以上の投薬量要件、薬剤容器の回路と少なくとも1つの通信受信機250aとの間の1つ以上の先行通信のタイミング、薬剤容器の回路と少なくとも1つの通信受信機250aとの間で、1つ以上の先行通信中に交換されたデータ、および1つ以上の先行通信に関して指摘された1つ以上のエラー、のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0061】
さまざまな実施形態に係るサーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、投薬計画に対する患者の順守尤度を特徴付ける順守スコアを決定することができる。例えば、順守スコアは、同じまたは異なる投薬計画に対する患者の過去の順守に少なくとも部分的に基づくものであり得る。順守スコアは、患者の投薬計画に対する過去の順守を反映する計算された値またはスコア、例えば、患者の投薬計画に準じて患者が薬剤を消費するものと仮定されていた日数(「オン」日)に対する、患者が薬剤を消費したかまたは消費した可能性の高い日数の分率または百分率であり得、ここで一部の変形形態では、この値またはスコアを計算するサーバーコンピュータは、患者が薬剤を消費すると仮定されていなかった投薬計画の日数(「オフ」日)をスコアの計算から特定的に除外するか、または代替的にはスコアの計算において異なる形で処理することができる。例えば、いくつかの薬剤については、投薬計画は患者に、「オン」日の予め設定された数(例えば21日)の間薬剤を服用することを求め、その後に続く予め設定された「オフ」日の間、患者は薬剤を消費すると仮定されない(例えば7日間)。少なくとも1つのデータベース260aは、患者のためのこのような投薬計画または、「オン」および/または「オフ」日に関する他の任意のパターンまたは指示事項を含む他の任意の投薬計画に関するデータを記憶することができ、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、患者のための順守スコアを計算するとき、このような「オフ」日を除外するかまたは異なる形で考慮することができる。例えば、上述の例中のサーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aが、21日の「オン」日のうちの18日に患者が薬剤を消費し、7日の「オフ」日のうちのいずれの日にも消費しなかったことを標示するデータにアクセスした場合、患者の順守スコアは18/21つまり0.857であり得る(すなわち、オフ日は無視され得る)。ハイリスク患者の閾値が0.90以下である場合、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、0.857という患者の統計が0.90未満であると決定することによって、ハイリスク患者としてこの患者を識別することができる。別の例として、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aが、21日の「オン」日のうち21日に患者が薬剤を消費した(すなわち患者が、服用が仮定された日全てに薬剤を服用した)ものの7日の「オフ」日のうちの6日にも薬剤を消費した(すなわち7日のオフ日のうち6日についての不順守)ことを標示するデータにアクセスした場合、患者の順守スコアは22/28、つまり0.785(すなわち、「オフ」日に薬剤を服用したことが患者にとってのマイナスとしてカウントされる)であり得る。ハイリスク患者の閾値が0.90以下である場合、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、0.785が0.90未満であると決定することによって、その患者をハイリスク患者として識別することができる。さらに別の例では、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aが、21日の「オン」日のうち21日に患者が薬剤を消費した(すなわち患者が、服用が仮定された日全てに薬剤を服用した)ものの7日の「オフ」日のうちの3日にも薬剤を消費した(すなわち7日のオフ日のうち3日についての不順守)ことを標示するデータにアクセスした場合、患者の順守スコアは26.5/28、つまり0.946(すなわち、システムが「オフ」日における不順守を50%割引くこと、すなわち不順守の3日は患者のスコアを計算する時1.5日の失念した日に等しいことを反映している)であり得る。ハイリスク患者の閾値が0.90以下である場合、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、0.946が0.90より大きいと決定することによって、その患者をローリスク患者として識別することができる。以上の例で、「オフ」日についての割引がない場合、患者の順守スコアは代替的に25/28つまり0.892となると考えられ、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、0.892が0.90未満であると決定することによって、患者をハイリスク患者として識別し得ると考えられる。サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、患者についての計算された値またはスコアを閾値または閾値スコアと比較して、その患者が不順守についてハイリスクであるか否かを識別し、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータに対する1つ以上のアラートを直接トリガすることができる。いくつかの変形形態において、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータに対して1つ以上のアラートをトリガすべきか否かを決定するために、患者の値またはスコアおよび閾値または閾値スコアを1つ以上の追加の基準と合わせて考慮することができる。いくつかの変形形態において、サーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬局または他のエンティティのための予想された薬剤送出スケジュールに関するデータを、薬局または他のエンティティによる薬剤の送出に関する実際のデータと比較することによって、上述のものと類似の要領で薬局または他のエンティティについての順守スコアを決定することができる。
【0062】
別の実施形態において、少なくとも1つの基準を満たしていることは、別の予め設定された時間(例えば、失念した用量または薬剤送出の失敗のパターンを標示し得る先行時間帯)内における1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物の引出しの欠如を標示するデータによって決定され得る。いくつかの実施形態において、このデータは、ユーザ、例えば患者および他のエンティティ例えば薬局についてのリスクレベルを決定するため、単独でまたは以上で識別された他の履歴データと組合せた形で使用される履歴データであり得る。他の予め設定された時間内での予め設定された量の引出しの欠如は、この他の予め設定された時間内で薬剤容器5a、65a、75aまたは95aの内部に格納された薬剤の一用量または他の取出しが失念されたことを標示し得る。他の予め設定された時間内の予め設定された量の引出しの欠如を標示するデータは、データベース260a内に記憶され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、他の予め設定された時間内の予め設定された量の引出しの欠如を標示するデータをデータベース260aから受信することによって、他の予め設定された時間内の予め設定された量の引出しの欠如を決定することができる。
【0063】
さらに別の実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、予め設定された時間の経過後の1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物の引出しであり得る。予め設定された時間の経過後の1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物の引出しは、患者が遅延して薬剤を服用したこと、または薬剤が薬局または他のエンティティにより遅延して送出されたことを標示し得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40a内部の予め設定された量の内容物の引出しを標示するデータを、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a上の回路から受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、引出しが予め設定された時間の経過後であるか否かを決定するため、引出しを標示するデータの受信の時点(例えば、薬剤容器から受信された、または少なくとも1つのプロセッサ270aまたはサーバーコンピュータの他の回路により局所的に生成されたタイミングデータによって標示されるもの)を識別することができる。
【0064】
別の実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、予め設定された時間の経過後の1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40aのうちの少なくとも1つのカートリッジの補充であり得る。予め設定された時間の経過後の少なくとも1つカートリッジの補充は、少なくとも1つのカートリッジの補充が遅延したことを標示し得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、少なくとも1つのカートリッジの補充を標示するデータ(例えば薬剤容器の1つ以上のカートリッジセンサによって生成されたデータ)を、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a上の回路から受信するように構成され得る。少なくとも1つプログラマブルプロセッサ270aは、補充が遅延したか否かを決定するため、少なくとも1つのカートリッジの補充の時点を識別または決定することができる。
【0065】
本明細書中に記載のアラートは、オーディオ、ビジュアルまたはその両方であり得るアラームを活動化させるデータであり得る。さまざまな実施形態において、アラートは、テキストメッセージ、ボイスメッセージ、ビデオメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、Eメール、ウェブポップアップ、ページャメッセージ、他の任意のメッセージおよびそれらの任意の組合せ、のうちの1つ以上であり得る。アラートは、いくつかの実施形態においては、リマインダであり得る。
【0066】
別の態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1の通信ネットワーク290aを介して、薬剤容器5a、65a、75aまたは95a上の回路から、薬剤容器5a、65a、75aまたは95aの1つ以上のカートリッジ10a、20a、30aまたは40aが予め設定された時間内に補充されなかったことを標示するデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、データの受信時にアラートを生成するように構成され得る。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して、コンピュータデバイス310aおよび/または薬剤容器自体に対しアラートを送信するように構成され得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ270aは、少なくとも1つのプロセッサ270aが予め設定された時間内に薬剤容器からの通信を受信しないことに少なくとも部分的に基づいて、薬剤容器または薬剤容器内部のカートリッジが予想されたスケジュールにしたがって補充されなかったことを決定するように構成されている。例えば、少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬剤容器の1つ以上のドロワセンサおよび/または1つ以上のカートリッジセンサが予め設定された時間を超える時間帯内で活動化されなかったことを少なくとも1つのプロセッサ270aが識別したことに少なくとも部分的に基づいて、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータデバイス310aに対しアラート(例えばリマインダ)をトリガすることができる。予め設定された時間は、患者が一用量を服用する予想頻度を識別する患者のための投薬計画;薬剤が送出される頻度を識別する薬局または他のエンティティまたは施設の予想送出スケジュール;および/または薬剤容器または薬剤容器内部に格納されたカートリッジのための予想補充スケジュールのうちの1つ以上を標示する、データベース260a内に記憶され少なくとも1つのプロセッサ270aがアクセスできるデータに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのプロセッサ270aによって設定または識別され得る。少なくとも1つのプロセッサ270aは、少なくとも1つのプロセッサ270aが薬剤容器の1つ以上のセンサからさらなる1つ以上の通信を受信することなく予め設定された時間が経過したか否かを決定するため、例えば薬剤容器の1つ以上のセンサから少なくとも1つのプロセッサ270aが最後に通信を受信した時点を標示するデータなどとこのデータを比較することができる。この決定に少なくとも部分的に基づいて(例えばこの決定のみに基づいて)、少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬剤容器および/または別の1つ以上のコンピュータデバイス310aに対し1つ以上のアラートをトリガすることができる。
【0068】
一実施形態において、コンピュータデバイス310aは、患者により動作させられるように構成され得る。別の実施形態において、コンピュータデバイス310aは、患者を処置する介護者、患者に対し薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つによって動作させられるように構成され得る。
【0069】
別の態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1のコンピュータデバイス310aおよび/または薬剤容器自体から、第1の通信ネットワーク290aを介して、メッセージ(例えばテキストメッセージまたは薬剤容器自体の上またはウェブページ上のグラフィックプロンプトに対する応答)を受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、メッセージの受信時にアラートを生成することができる。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して第2のコンピュータデバイス310aに対しアラートを送信するように構成され得る。
【0070】
第1のコンピュータデバイス310aは、患者により動作させられるように構成され得る。第2のコンピュータデバイス310aは、患者を処置する介護者、患者に薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つによって動作されるように構成され得る。一実施形態において、メッセージは、追加のケアに対する要求を含むことができる。
【0071】
図7A~7C、8A、8B、9A~9C、10A、10B、11A~11C、12A~12C、13A~13C、14A、14Bおよび15~15Cは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器(例えばボトル)内部の取出し可能なカートリッジのいくつかの実施形態を例示する。
【0072】
図7Aは、スマート薬剤容器20b内に挿入されるように構成された取出し可能なカートリッジ10bを例示する。カートリッジ10bは、薬剤容器20b内に垂直方向に設置され得る。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、薬剤容器20bの原初のキャップをいかなる修正も施すことなくなおも使用できるようにしながら、薬剤容器20b内部に密に嵌合することができる。カートリッジ10bは、患者などのユーザにより容易に設置され取外されるように構成されている。カートリッジ10bは、錠剤、カプセル、粉末および液体のうちの1つ以上など、あらゆるタイプの薬剤を保管するように構成され得る。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、薬剤容器20bの高さに等しいかまたはおおよそ等しい高さを有することができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、薬剤容器20bの高さより低いが薬剤容器20bの高さの半分よりは高い高さを有することができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bの長さおよび幅(カートリッジ10bの高さに直交するかまたは実質的に直交する方向)は、薬剤容器20bの本体部分の内部において、薬剤容器20bの長さおよび幅より小さいものの薬剤容器20bの長さおよび幅の半分よりは大きいものであり得る。1つの実施形態において、カートリッジ10bは、1.75インチ×3インチ×1.75インチの寸法を有することができ、他の実施形態において、カートリッジは、幅約1~3インチ、高さ約2~7インチおよび長さ約1~3インチの範囲内にあり得る。
【0073】
図7Bは、カートリッジ10bの外部形状が薬剤容器20bの内部形状に適合し得ることを例示している。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック、他のプラスチック、他の任意の材料および/またはそれらの任意の組合せで製造可能である。カートリッジ10bは、射出成形、ブロー成形、熱成形および/または他の任意の方法によって製造可能である。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、薬剤容器20bの内部でのカートリッジ10bの恒久的設置のため、カートリッジ10bの外部表面上の1つ以上の特定の場所に接着剤を含み得る。
【0074】
カートリッジ10bは、いくつかの実施形態においては、有利にもスマート薬剤容器20bのための壁増厚材として役立ち、これにより、耐化学薬品性、耐透水性、耐酸素透過性および構造剛性を増大させることができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ10bは、ハンドルまたはグリップとして役立つように薬剤容器20bの本体から外へ延在する部分を有することができ、これによりユーザは、必要に応じて薬剤容器20bを挿入し取出すことができるようになっている。
【0075】
図7Cは、カートリッジ10bが薬剤容器20b内に完全に挿入された位置を例示する。図7Cは、カートリッジ10bが薬剤容器20bから部分的に取出されている位置を例示する。図7Aは、カートリッジ10bが薬剤容器20bから完全に取出されている位置を例示する。
【0076】
いくつかの実施形態において、薬剤容器20bは、ボトルであり得る。薬剤容器20bは概して円筒形(例えば円筒形またはほぼ円筒形)またはジャー様の形状を有することができる。薬剤容器20bは、本体部分およびキャップを受入れるための上面部分を含むことができる。薬剤容器20bは、その本体部分内でおよそ2.37インチの幅および長さを有することができる。薬剤容器20bの両方の本体部分に沿った高さは、およそ3.4インチであり、上面部分(薬剤容器20bをキャップで閉じることができるようにするネジ山を伴う部分)の高さはおよそ0.6インチである。図示されているように、上面部分は、対応してネジ切りされたまたは構成されたキャップ(例えば捩じり止めまたはスナップ嵌合キャップを受入れるためのネジ切りまたは少なくとも1つの尾根部を有し得る。他の実施形態において、薬剤容器は、本体部分内で約1~4インチの幅、本体部分内の約1~4インチの長さ、および約3~6インチの高さを有することができる。
【0077】
図8Aは、スマート薬剤容器20b内に取出し可能な形で挿入されるように構成された(すなわち挿入後に取出しできる)別のカートリッジ30bの第1の実施形態を例示する。単一の平担な翼35bがカートリッジ30bの一部であり得る。平担な翼35bは、薬剤容器20b内部に格納された薬剤についての情報を表示することができ、かつ/またはハンドルとしても機能し得る。平担な翼35bは、矩形または方形であり得る。平担な翼35bは、薬剤容器20bの幅および長さ以下の幅および長さを有することができる。カートリッジ30bは、薬剤容器20bの原初のキャップを、いかなる修正も施すことなくなおも使用できるようにしながら、薬剤容器20b内部に密に嵌合され得る。図示されているように、平らな翼35bは、薄く扁平なタブにより、薬剤容器20bの内部キャビティ内部に存在するよう意図されたカートリッジ30bの一部に対して連結され得る。薄いタブは、カートリッジ30bの上面またはその近くの第1のエルボ継手、およびキャップを受入れるために構成された薬剤容器20bの上面部分と薬剤容器20bの本体部分とが遭遇する場所またはその近くにある別のエルボ継手を含むことができる。カートリッジ30bは、患者などのユーザにより容易に設置され取出されるように構成され得る。カートリッジ30bは、錠剤、カプセル、粉末および液体のうちの1つ以上などのあらゆるタイプの薬剤を保管するように構成され得る。
【0078】
カートリッジ30bは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック、他のプラスチック、他の任意の材料および/またはそれらの任意の組合せで製造可能である。カートリッジ30bは、射出成形、ブロー成形、熱成形および/または他の任意の方法によって製造可能である。いくつかの実施形態において、カートリッジ30bは、薬剤容器20bの内部のカートリッジ30bの恒久的設置のため、カートリッジ30bの外部表面上の1つ以上の特定の場所に接着剤を含み得る。カートリッジ30bは、熱成形、型抜き、押出し加工および他の任意の方法、またはそれらの任意の組合せによって製造可能である。
【0079】
薬剤情報は、直接スクリーン印刷、熱転写、ラベル貼付、他の任意の方法、またはそれらの任意の組合せを介して、平担な翼35b上に適用され得る。
【0080】
図8Bは、スマート薬剤容器20b内に取出し可能な形で挿入されるように構成された(すなわち挿入後に取出しできる)カートリッジ40bの別の実施形態を例示する。丸いまたは概して丸い連続した翼45bがカートリッジ40bの一部であり得る。この翼45bは、いくつかの実施形態において、全ての側面から薬剤容器20b全体を取り囲むことができる。いくつかの実施形態にかかわる1つの変形実施形態において、丸い翼45bは薬剤容器20bを部分的にカバーできる。丸い翼45bは、薬剤容器20b内部に格納された薬剤についての情報を表示することができる。カートリッジ40bは、薬剤容器20bの原初のキャップを、いかなる修正も施すことなくなおも使用できるようにしながら、薬剤容器40b内部に密に嵌合され得る。カートリッジ40bは、患者などのユーザにより容易に設置され取出されるように構成され得る。カートリッジ40bは、錠剤、カプセル、粉末および液体のうちの1つ以上などのあらゆるタイプの薬剤を保管するように構成され得る。いくつかの実施形態において、図示されているようなカートリッジ40bの他の要素は、上述のカートリッジ30bの要素と類似のものであり得る。
【0081】
カートリッジ40bは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック、他のプラスチック、他の任意の材料および/またはそれらの任意の組合せで製造可能である。カートリッジ40bは、射出成形、ブロー成形、熱成形および/または他の任意の方法によって製造可能である。いくつかの実施形態において、カートリッジ40bは、薬剤容器20bの内部のカートリッジ40bの恒久的設置のため、カートリッジ40bの外部表面上の特定の場所に接着剤を含み得る。カートリッジ40bは、熱成形、型抜き、押出し加工および他の任意の方法、またはそれらの任意の組合せによって製造可能である。
【0082】
薬剤情報は、直接スクリーン印刷、熱転写、ラベル貼付、他の任意の方法、またはそれらの任意の組合せを介して、丸い翼45b上に適用され得る。
【0083】
図9Aは、カートリッジ10bを封止または閉鎖するためカートリッジ10b上に挿入され得る栓50bを例示している。カートリッジ10bの封止または閉鎖により、カートリッジ10b内部の内容物の飛び出しを防止することができる。栓50bは、ユーザがカートリッジ10bから栓50bを取外すことができるようにするフラップまたはタブなどの特徴部を含むことができる。栓50bは、カートリッジ10bの内容物を補充する目的で取外しが必要となる可能性がある。栓50bは、こうして、カートリッジ10bが薬剤のための独立型容器として作動できるようにすることができる。栓50bは同様に、カートリッジ10bの内部の内容物を識別するラベルを設置するためのスペースを提供することもできる。栓50bは、カートリッジ10bを形成するものと同じかまたは類似の材料で製造可能である。いくつかの実施形態において、同じまたは類似の栓50bをカートリッジ30bおよび40b上に具備することができる。
【0084】
図9Bは、栓50bで閉鎖または封止されたカートリッジ10bを例示している。
【0085】
図9Cは、栓50bで閉鎖または封止されたカートリッジ10bの垂直断面を例示する。
【0086】
図10Aは、誘導封止メカニズムを介してカートリッジの上面に取付けられ得るライナ60bを例示する。ライナ60bは、誘導ライナと呼ぶこともできる。誘導封止メカニズムは、カートリッジ10bの上面にライナ60bを取付けるためのものとして説明されるものの、変形実施形態においては、糊付け、くぎ打ち、縫合または他の任意の取付けメカニズムまたはそれらの組合せのうちの1つ以上などの他の取付けメカニズムを使用することができる。カートリッジ10bの封止または閉鎖により、カートリッジ10b内部の内容物の飛び出しを防止することができる。ライナ60bは、ユーザによるカートリッジ10bからのライナ60bの取外しを可能にすることのできる、フラップまたはタブなどの特徴部を含むことができる。ライナ60bは、カートリッジ110bの内容物を補充する目的で取外しが必要となる可能性がある。ライナ60bは、こうして、カートリッジ110bが薬剤のための独立型容器として作動できるようにすることができる。ライナ60bは同様に、カートリッジ10bの内部の内容物を識別するラベルを設置するためのスペースを提供することもできる。いつくかの実施形態において、ライナ60bは、カートリッジ110bを形成するものと同じかまたは類似の材料で製造可能である。いくつかの実施形態において、ライナ60bは、発泡剤、紙、アルミニウムまたは他の任意の材料またはそれらの組合せのうちの1つ以上で製造可能である。いくつかの実施形態において、ライナ60bは、約0.035インチの厚みを有することができる。他の実施形態において、ライナ60bは、0.02インチ~約0.05インチ、または約0.01インチ~約0.2インチの厚みを有することができる。いくつかの実施形態において、同じまたは類似のライナ60bをカートリッジ30bおよび40bの上に具備することができる。
【0087】
図10Bは、ライナ60bで閉鎖または封止されたカートリッジ10bを例示している。
【0088】
図11Aは、薬剤容器との剛性取付けを可能にするためのカートリッジ70bの外側のスナップ嵌合特徴部80bを例示する。スナップ嵌合特徴部80bは、カートリッジ70bの周囲に延在する隆起した尾根部であり得る。カートリッジ70bは、カートリッジ10bと同じかまたは類似であり得る。いくつかの実施形態において、同じまたは類似のスナップ嵌合特徴部80bを、カートリッジ30bおよび40bの上に具備することができる。
【0089】
図11Bは、スマート薬剤容器20bの内部にスナップ嵌合特徴部80bが挿入されている状態でカートリッジ70bを例示している。
【0090】
図11Cは、カートリッジ70bと薬剤容器20bの間のスナップ留めを可能にするスナップ嵌合特徴部80bのメカニズムを例示する。薬剤容器20b内へのカートリッジ70bの垂直方向の設置の間、スナップ嵌合特徴部80bは、弾性変形し、その後薬剤容器20bの内側の対応する幾何形状内にスナップ留めし得る。スナップ嵌合特徴部80bは、スマート薬剤容器20bの内部にカートリッジ70bを保持することができ、カートリッジ70bが飛び出すかまたは緩むのを防ぐ。インサート70bを薬剤容器20bの外へと垂直方向に取出すためには、スナップ嵌合特徴部80bを弾性変形させるため、手で、または機械的に力を加えなければならない。
【0091】
図12Aは、カートリッジ10bを封止または閉鎖する目的でキャップ90bが弾性変形しカートリッジ10bの外側にスナップ留めできるようにする幾何形状を有するキャップ90bを例示している。カートリッジ10bの封止または閉鎖により、カートリッジ10b内部の内容物が飛び出すのを防止することができる。キャップ90bは、ユーザがカートリッジ10bからキャップ90bを取外すのを補助することのできる、フラップまたはタブなどの特徴部を含むことができる。キャップ90bは、カートリッジ110bの内容物を補充する目的で取外しが必要となる可能性がある。キャップ90bは、こうして、カートリッジ10bが薬剤のための独立型容器として作動できるようにすることができる。キャップ90bは同様に、カートリッジ10bの内部の内容物を識別するラベルを設置するためのスペースを提供することもできる。キャップ90bは、カートリッジ10bを形成するものと同じかまたは類似の材料で製造可能である。例えばキャップ90bは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック、他のプラスチック、他の任意の材料および/またはそれらの任意の組合せで製造可能である。いくつかの実施形態において、キャップ90bは、子供のいたずらに耐える特徴部を含むことができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ30bおよび40bを閉鎖するために、同じまたは類似のキャップ90bを具備することができる。
【0092】
図12Bは、キャップ90bで封止または閉鎖されたカートリッジ10bを例示している。
【0093】
図12Cは、キャップ90bで封止または閉鎖されたカートリッジ10bの垂直断面を例示する。
【0094】
図13Aは、スマート薬剤容器20bの内部の1つ以上のセンサ100b(例えばセンサアレイ)を例示している。センサアレイ100bは、例えばカートリッジ10bが薬剤容器20b内に存在するかおよび/または不在であるかを検出することができ、いくつかの実施形態においては、カートリッジ10bのための一意的通し番号を識別することができる。センサアレイ100bは、無線周波数識別子(RFID)センサであり得る。RFIDセンサは、カートリッジ10b上のRFIDラベルおよび薬剤容器20b内の近接場読取り機を含むことができる。RFIDセンサは有利には小型、廉価かつ使い捨てであり得る。RFIDセンサが説明されているが、変形実施形態では、静電容量センサ、超音波センサ、赤外線センサ、ひずみゲージ、磁気センサ、一次元(ID)および2次元(2D)バーコードスキャニング、近接場通信(NFC)、他のセンサ、RFIDセンサおよび/またはそれらの組合せのうちの1つ以上などの他のセンサを使用することができる。
【0095】
図13Bは、センサアレイ100bを含む薬剤容器20b内の取外し中または設置中のカートリッジ10bを例示する。
【0096】
図13Cは、表面上に示され目に見える(例えばバーコード読取り機による読取りのため)かまたはいくつかの実施形態においては対応するセンサによる読取りのため可読デバイス(例えばRFIDタグ)内に包埋することのできる、カートリッジ10b用の一意的通し番号110bを例示している。
【0097】
図14Aは、カートリッジ120bの一部である穿孔特徴部130bを例示する。穿孔特徴130bは、スマート薬剤容器20bからのカートリッジ120bの容易な取外しを可能にすることができる。穿孔特徴部130bが切断されるかまたは他の形で完全に除去された後、カートリッジ120bは、屈曲しサイズが小さくなって容易に取出すことができる。穿孔特徴部130bは、カートリッジ120bの長さ、例えば、長さの一部分または代替的に全長に沿って延在することができる。穿孔特徴部は、カートリッジ120bの方向に配向された穴またはスロットのアレイを含むことができる。いくつかの実施形態において、穿孔特徴部130bは、カートリッジ120bの壁を貫通することができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ30bおよび40bの上に、同じまたは類似の穿孔特徴部130bを提供することができる。
【0098】
図14Bは、穿孔特徴部130bを伴うカートリッジ120b垂直方向断面を例示している。
【0099】
図15Aは、乾燥剤チャンバ150bおよび内部に保管された1つ以上の乾燥剤袋160bを伴うカートリッジ140bを例示する。乾燥剤チャンバ150bは、カートリッジ140bの一部であり得る。一実施形態において、乾燥剤チャンバ150bは乾燥剤袋160bを含むことができる。別の実施形態において、乾燥剤チャンバ150bは、乾燥剤袋160bと別個であり得る。乾燥剤袋150bは、カートリッジ140bの内容物(例えばカートリッジ140bの内部に保管された薬剤)を乾燥剤袋160bから物理的に分離しながら、湿気が薬剤容器20bおよび/またはカートリッジ140bの内部から乾燥剤袋160b内に移行できるようにする穿孔を含むことができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ30bおよび40bの内部に同じまたは類似の乾燥剤チャンバ150bおよび/または乾燥剤袋を具備することができる。
【0100】
図15Bは、乾燥剤チャンバ150bおよび内部に保管された乾燥剤袋160bを伴うカートリッジ140bの垂直方向断面の斜視図を例示する。
【0101】
図15Cは、物理的に乾燥剤袋160bの上方にある乾燥剤チャンバ150bを示すカートリッジ140bの水平方向断面の上面図を例示する。
【0102】
図16A~16Eおよび17A~17Eは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る薬剤容器のスマートキャップのいくつかの実施形態を例示している。
【0103】
図16Aは、薬剤容器10cおよびそのキャップ20cを例示している。いくつかの実施形態において、薬剤容器10cは、薬剤容器20bと同じかまたは類似のものであり得る。
【0104】
図16Bは、上にキャップ20cを伴う薬剤容器10cの垂直方向断面を例示しており、これはさらにキャップセンサ30cおよび容器センサ40cを示している。いくつかの実施形態において、容器センサ40cは、キャップセンサ30cが閾値距離(例えば薬剤容器10cの上面または上面に近い点での容器センサ40cからの閾値距離)内に存在するか否かを検出することができる。例えば、この閾値距離はおよそ0.125インチであるが、他の実施形態においてはさらに大きいかまたは小さいものであり得る。キャップセンサ30cは、キャップの内部の磁石であり得、容器センサ40cにより検出され得る。
【0105】
キャップセンサ30cは、キャップ20cの外部表面50cの下側のキャビティの中に挿入され位置設定され得る。以下で図16Dに関して説明されるように、キャップ20cの内部要素60cが、このとき、キャップセンサ30cの下側に挿入されて、キャップセンサ30cが上および下からカバーされるようになっている。
【0106】
キャップセンサ30cは、単独でまたは容器センサ40cと組合せた形で、静電検知、磁石およびリードスイッチ技術、超音波距離検知、ひずみゲージ偏向検知、他の任意の検知技術、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を実施することができる。容器センサ40cは、単独でまたはキャップセンサ30cと組合わせた形で、静電検知、磁石およびリードスイッチ技術、超音波距離検知、ひずみゲージ偏向検知、他の任意の検知技術、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を実施することができる。一実施形態において、キャップセンサ要素30cおよび容器センサ要素40cは、キャップの開放および/または閉鎖などの事象および/またはキャップが開放および/または閉鎖状態にとどまる時間を検出するために共に作動するように、同じおよび類似の検知技術を実施することができる。キャップセンサ30cおよび容器センサ40cは、調和して作動することから、冗長性を回避するために異なる検知技術を実施しなくてよい。いくつかの実施形態において、容器センサ40cは同様に、容器10c内に残った薬剤の数量を検出することもできる。
【0107】
いくつかの実施形態において、キャップ20cをスマートキャップと呼ぶこともできる。そのような実施形態では、キャップ20cは、以下で図18に関連して詳述されるように、ネットワークインタフェース、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ、データベース、電子送信機および/または通信ネットワーク290aまたは300aを介してサーバーコンピュータ240aと通信するための他の任意の回路を含めた回路を含むことができる。代替的に、または付加的に、いくつかの実施形態において、遠隔サーバと通信するための回路のいくつかまたは全てをキャップ20cではなく薬剤容器10cの本体の内部に含めることができる。
【0108】
図16Cは、薬剤容器10cとは別個であるキャップ20cを伴う薬剤容器10cの垂直方向断面を例示する。
【0109】
図16Dは、キャップ20cの外部表面50cの下側のキャビティの中にキャップセンサ30cを挿入し位置設定することができ、そのとき、キャップ20cの内部要素60cがキャップセンサ30cの下側に挿入され、キャップセンサ30cが上および下からカバーされるようになっていることを例示している。
【0110】
図16Eは、いくつかの実施形態において、容器センサ40cを、キャップ20cの受入れのための1つ以上の特徴部(例えばネジ切りまたは尾根部)に隣接する薬剤容器の領域内に位置づけできることを示す、容器センサ40cのクローズアップを例示している。
【0111】
図17Aは、薬剤容器10cと結合するように構成されたプルタブ構成要素70cを例示している。プルタブ構成要素70cは、薬剤容器10cの電池区画内に挿入するための1つ以上の特徴部(例えばタブまたは尾部)を含むことができる。プルタブ構成要素70cは、薬剤容器10c内に挿入された場合、薬剤容器10cが薬剤容器10c内部の電池から電力を引込むのを防ぐように機能し得る。例えば、容器10c内部に挿入された1つ以上のタブは、薬剤容器10cの1つ以上の電池端子から電池を物理的に分離することができる。
【0112】
図17Bは、薬剤容器10cと結合されたプルタブ構成要素70cを例示する。
【0113】
図17Cは、薬剤容器10cと結合されたプルタブ構成要素70cの別の図を例示する。プルタブ構成要素70cは、薬剤容器10c上のスロット80c内への(図17Cに示されている通りの)そのタブまたは尾部のそれぞれ挿入および取出しを通して薬剤容器10cを非活動化または活動化するように構成され得る。
【0114】
図17Dは、薬剤容器10cと結合されたプルタブ構成要素70cのさらに別の図を例示している。スマート薬剤容器10cは、プルタブ70cの尾部90cを収容するデバイスを含み得る底面カバー10を有することができる。プルタブ構成要素70cは、薬剤容器10cおよび/またはプルタブ構成要素70cを使用するための指示事項を含む情報および/または薬剤容器10cの内容物を識別する情報、および/または他の任意の情報を表示するように構成され得る。
【0115】
プルタブ構成要素70cは、プラスチック、紙、他の任意の材料、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上で製造され得る。一実施形態においては、情報をプルタブ構成要素70cの全ての表面上に印刷することができる。一変形実施形態においては、外部表面のみといった、プルタブ構成要素70cの選択的表面のみの上に情報を印刷することができる。
【0116】
図17Eは、薬剤容器10cと結合するように構成され得る代替的プルタブ構成要素110cを例示する。プルタブ構成要素110cは、薬剤容器10cが追加情報を保持できるようにすることのできるプルタブ構成要素110c上のポケット120cなどの1つ以上の特徴部を含むことができる。ポケット120cは、プルタブ構成要素110cの一部を成す区分または折り上げられた区分、または、もとのプルタブ構成要素11に接着された追加の部品であり得る。物理的文書、資料、情報パック、他のハードウェアなどの多数の材料を、ポケット120c内に挿入することができる。
【0117】
図18は、患者、介護者、薬局、任意の他の個人またはエンティティ、および/またはそれらの任意の組合せのためのリマインダおよび/またはアラートを生成するため、薬剤容器(例えば各々が1つ以上のプロセッサ、1つ以上のセンサおよび少なくともネットワークインタフェースを含む1つ以上の電子送信機を含んでいてよい図7A~17Eに関連して図示および説明された1つ以上の薬剤容器、例えば図7A、8A、13Aおよび16Aに図示された薬剤容器)上の回路と通信できるサーバーコンピュータを例示している。サーバーコンピュータ240aは、同じ建物内部の異なる室内、異なる建物内、異なる都市内、異なる州内、異なる国内または、任意の遠隔距離といったように、薬剤容器(例えば薬剤容器20bまたは10c)に対し遠隔のものであり得る。通信ネットワーク290aまたは300aは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワーク、他の任意のネットワーク、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上であり得る。さまざまな実施形態において、サーバーコンピュータ240aは、薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータ(例えば1つ以上のコンピュータ310a)と双方向通信状態にあってよい。
【0118】
さまざまな実施形態において、サーバーコンピュータ240aの少なくとも1つの通信受信機250aは、本明細書に記載の1つ以上の薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)上の回路から第1の通信ネットワーク290aを介してデータを受信するように構成され得る。このようなデータは例えば、本明細書中に記載のセンサのうちの1つ以上のセンサの1つ以上の測定値、例えばキャップ薬剤容器の開放または閉鎖を標示する1つ以上のセンサ測定値、1つ以上のカートリッジ(例えばカートリッジ10b)が1つの薬剤容器の内部に存在するか否かを標示する1つ以上のセンサ測定値(例えばカートリッジが薬剤容器に挿入されたかおよび/または薬剤容器から取出されたかを標示する測定値)、薬剤容器のキャビティまたは薬剤容器の1つ以上のカートリッジ(例えばカートリッジ10b)の内部の薬剤の数量を標示する1つ以上のセンサ測定値、および/または1つ以上のセンサによるこのような検出のタイミングを識別するタイミングデータに対応するデータであり得る。少なくとも部分的にこのようなデータおよび/または他のデータ(例えばデータベース260a内にサーバーコンピュータにより記憶されたかまたは他の形でサーバーコンピュータがアクセスできる履歴データ、例えば1つ以上のセンサにより受信された1つ以上の先の測定値および/またはそれに結び付けられたタイミングデータを標示するデータ)の受信に基づいて、1つ以上のプロセッサ270aを含むサーバーコンピュータは、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定し、その決定に基づいて、患者、介護者および/または他のエンティティ(例えば薬局)に対し1つ以上のリマインダおよび/またはアラートをトリガしてよい。例えば、テキスト、オーディオ、イメージ、ビデオまたはそれらの任意の組合せを含み得るこのようなアラートは、薬剤容器自体(例えば薬剤容器10cおよび20b)および/または他のコンピュータデバイス(例えばコンピュータデバイス310a)に対して送信されてよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、通信ネットワークは、薬剤容器10cおよび/または20bの1つ以上が薬剤の補充を必要としていることを標示する薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)からデータを受信することができる。いくつかの実施形態において、通信ネットワークは、患者が一用量の薬剤を失念したまたは失念した確率が高いことを標示するデータを薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)から受信することができる。
【0120】
一態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1の通信ネットワーク290aを介して、キャップ(例えばキャップ2c)および/または薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)の本体の内部の回路から、薬剤容器10c内部の予め設定された量の内容物が予め設定された時間内に引出されなかったことを標示するデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのデータベース260aは、少なくとも該データを記憶するように構成され得る。少なくとも1つプログラマブルプロセッサ270aは、データの受信時点で、少なくとも1つの基準が満たされているか否かを決定することができ、少なくとも1つの基準が満たされている場合、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aはアラートを生成する。少なくとも1つの通信送信機280aは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aに対し通信可能な形で結合され得る。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して、コンピュータデバイス310aおよび/または薬剤容器自体にアラートを送信するように構成され得る。
【0121】
薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)の内部の予め設定された量の内容物が引出されなかったことの標示は、薬剤容器内部に格納された一用量の薬剤を患者が予め設定された時間内で失念したことを標示することができる。コンピュータデバイス310aは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ファブレットコンピュータおよび携帯電話のうちの1つである。一実施形態において、コンピュータデバイス310aは、薬剤容器を用いて患者によって動作させられるように構成され得る。別の実施形態において、コンピュータデバイス310aは、薬剤容器10cを使用して患者を処置する介護者(例えば病院、臨床医、医師、看護師、技師、臨床職員、および/または他の任意の介護者)、患者に対し薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つにより動作させられるように構成され得る。
【0122】
一実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、閾値を超えるユーザのリスクレベルであり得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、例えば図6Cに関連して以上で説明したものと類似したまたは同じ要領でデータベース260a内に記憶された履歴データに少なくとも部分的に基づいてリスクレベルを計算することができる。例えば、リスクレベルを決定するために少なくとも1つのプロセッサ270aによって使用される履歴データには、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)の1つ以上のセンサの先の測定値を標示するデータ、薬剤容器からの薬剤の引出しパターン、薬剤容器の補充パターン、薬剤容器内の薬剤のタイプ、薬剤を消費するための投薬量要件、薬剤容器の回路と少なくとも1つの通信受信機250aとの間の1つ以上の先行通信のタイミング、薬剤容器の前記回路と少なくとも1つの通信受信機250aとの間で、1つ以上の先行通信中に交換されたデータ、および1つ以上の先行通信に関して指摘された1つ以上のエラー、のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0123】
別の実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、別の予め設定された時間内での、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)の内部の予め設定された量の内容物の引出しの欠如であり得る。他の予め設定された時間内での予め設定された量の引出しの欠如は、薬剤容器内部に格納された薬剤の一用量を他の予め設定された時間内で失念したことを標示し得る。他の予め設定された時間内での予め設定された量の引出しの欠如を標示するデータは、データベース260a内に記憶され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、他の予め設定された時間内での予め設定された量の引出しの欠如を標示するデータをデータベース260aから受信することによって、他の予め設定された時間内での予め設定された量の引出しの欠如を決定することができる。
【0124】
さらに別の実施形態において、少なくとも1つの基準を満たすことは、予め設定された時間後の薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)内部の予め設定された量の内容物の引出しであり得る。予め設定された時間後の薬剤容器の内部の予め設定された量の内容物の引出しは、患者が薬剤を遅延して服用したことを標示する。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、薬剤容器上の回路から、薬剤容器10cの内部の予め設定された量の内容物の引出しを標示するデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、引出しを標示するデータの受信の時点を識別して、引出しが予め設定された時間の後であるか否かを決定することができる。
【0125】
別の実施形態では、少なくとも1つの基準を満たすことは、予め設定された時間後の薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)の補充であり得る。予め設定された時間後の薬剤容器10cの補充は、薬剤容器10cの補充が遅延したことを標示し得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、薬剤容器上の回路から、薬剤容器の補充を標示するデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、薬剤容器の補充の時点を識別または決定して、補充が遅延したか否かを決定することができる。
【0126】
本明細書中に記載のアラートは、オーディオ、ビジュアルまたはその両方であり得るアラームを活動化させるデータであり得る。さまざまな実施形態において、アラートは、テキストメッセージ、ボイスメッセージ、ビデオメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、Eメール、ウェブポップアップ、ページャメッセージ、他の任意のメッセージおよびそれらの任意の組合せ、のうちの1つ以上であり得る。アラートは、いくつかの実施形態においては、リマインダであり得る。
【0127】
別の態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1の通信ネットワーク290aを介して、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび20b)上の回路から、薬剤容器が予め設定された時間内に補充されなかったことを標示するデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ270aは、データの受信時にアラートを生成するように構成され得る。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して、コンピュータデバイス310aおよび/または薬剤容器自体に対しアラートを送信するように構成され得る。
【0128】
一実施形態において、コンピュータデバイス310aは、患者により動作させられるように構成され得る。別の実施形態において、コンピュータデバイス310aは、患者を処置する介護者、患者に対し薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つによって動作させられるように構成され得る。
【0129】
別の態様において、少なくとも1つの通信受信機250aは、第1のコンピュータデバイス310aから、第1の通信ネットワーク290aを介して、メッセージを受信するように構成され得る。少なくとも1つプログラマブルプロセッサ270aは、メッセージの受信時にアラートを生成することができる。少なくとも1つの通信送信機280aは、第2の通信ネットワーク300aを介して第2のコンピュータデバイス310aに対しアラートを送信するように構成され得る。
【0130】
第1のコンピュータデバイス310aは、患者により動作させられるように構成され得る。第2のコンピュータデバイス310aは、患者を処置する介護者、患者に薬剤を提供する認可を受けた薬局、および患者のヘルスケアデータを得る認可を受けたヘルスケア会社のうちの少なくとも1つによって動作されるように構成され得る。一実施形態において、メッセージは、追加のケアに対する要求を含むことができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ270aは、患者が投薬計画を順守しなかったことおよび/または少なくとも1つのプロセッサ270aが予め設定された時間内に薬剤容器からの通信を受信しないことに少なくとも部分的に基づいて、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび/または20b)または薬剤容器内部のカートリッジが予想されたスケジュールにしたがって補充されなかったことを決定するように構成されている。例えば、少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬剤容器の1つ以上のカートリッジセンサおよび/または1つ以上のキャップセンサが予め設定された時間を超える時間帯内で活動化されなかったことを少なくとも1つのプロセッサ270aが識別したことに少なくとも部分的に基づいて、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび/または20b)および/または別の1つ以上のコンピュータデバイスに対しアラート(例えばリマインダ)をトリガすることができる。予め設定された時間は、患者が一用量を服用する予想頻度を識別する患者のための投薬計画;および/または薬剤容器または薬剤容器内部に格納されたカートリッジのための予想補充スケジュールを標示する、データベース260a内に記憶され少なくとも1つのプロセッサ270aがアクセスできるデータに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのプロセッサ270aによって設定または識別され得る。少なくとも1つのプロセッサ270aは、少なくとも1つのプロセッサ270aが薬剤容器の1つ以上のセンサからさらなる1つ以上の通信を受信することなく予め設定された時間が経過したか否かを決定するため、例えば薬剤容器の1つ以上のセンサから少なくとも1つのプロセッサ270aが最後に通信を受信した時点を標示するデータなどとこのデータを比較することができる。この決定に少なくとも部分的に基づいて(例えばこの決定のみに基づいて)、少なくとも1つのプロセッサ270aは、薬剤容器(例えば薬剤容器10cおよび/または20b)および/または別の1つ以上のコンピュータデバイス310aに対し1つ以上のアラートをトリガすることができる。
【0132】
下表1は、薬剤容器および/または1つ以上の他のコンピュータデバイス310aに対しアラート(例えばリマインダ)をトリガするために、図6Cおよび/または図18に示されたサーバーコンピュータの少なくとも1つのプロセッサ270aによって利用され得る1つ以上の基準のさまざまな実施形態を識別している。1つのトリガ基準のみが識別(「A」としてラベル付け)されているこれらのさまざまな実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ270aは、対応する識別された事象を生み出すかまたはひき起こすために、このトリガ基準が満たされていることを決定することしか必要でない。トリガ基準として2つの項目が識別(「A」および「B」としてラベル付け)されている場合、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ270aは、両方のトリガ基準が満たされていることを少なくとも1つのプロセッサ270aが決定した後に初めて、対応する識別された事象を生み出すかまたはひき起こす。他の変形形態も可能である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ270aは、以下に識別されている基準に加えて、1つ以上の基準を評価する。
【0133】
【表1】
【0134】
実施可能である場合にその時点で、本明細書中に記載の任意の1つ以上の実施形態、態様および変形形態を組合せることができる。本明細書中で使用される「実質的に(Substantially)」、「ほぼ(almost)」または「概して(generally)」なる用語は、いくつかの実施形態において、「大部分の(most)」を意味し得る。他の実施形態において、「実質的に」、「ほぼ」または「概して」なる用語は、全体または正則値/測度/形態の80パーセント以上を意味し得る。いくつかの実施形態において、「実質的に」、「ほぼ」または「概して」なる用語は、全体または正則値/測度/形態の95パーセント以上を意味し得る。いくつかの実施形態において、「実質的に」、「ほぼ」または「概して」なる用語は、全体または正則値/測度/形態の95パーセント以上を意味し得る。本明細書中で使用される「噛合可能な形で連結された(matingly connected)」および他の類似の用語は、2つの要素間の物理的連結を意味し得る。いくつかの実施形態において、このような連結は、2つの要素のうちの第1の要素の雄部品と2つの要素のうちの第2の要素の雌部分とを結合することによって可能にされ得る。
【0135】
以上でいくつかの変形形態を説明してきたが、他の修正も同じく可能である。例えば、特許出願中に記載の論理の流れは、所望の結果を達成するために図示された特定の順序または逐次的な順序を必要としない。さらに、本明細書中には、構造的要素のための好ましい材料が記されているが、デバイスはこれらの材料によって限定されない。デバイスの要素のいくつかまたは全てを製造するために、プラスチック、ゴム、発泡材、金属合金、木材および/または他の材料を使用することができる。
【0136】
関連する装置、システム、技術および物品も同様に記述される。1つ以上のコンピュータシステムの少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行された時点で、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに本明細書中の動作を行なわせる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクツが記述される。同様に、1つ以上のプログラマブルプロセッサおよびこの1つ以上のプログラマブルプロセッサに結合されたメモリを含むことのできるコンピュータシステムも同様に記述されている。メモリは、本明細書中に記載の動作の1つ以上を少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに行なわせる命令を、一時的にまたは恒久的に記憶することができる。さらに、単一のコンピュータシステムの内部の、または2つ以上のコンピュータシステムの間に分散された1つ以上のプログラマブルプロセッサによって方法を実装することができる。
【0137】
本明細書中で使用されている用語は、特定の実施形態を説明することを目的としたものであり、フレームを限定するように意図されてはいない。本明細書中で使用されている「および/または(and/or)」は、1つ以上の記述されたアイテムの任意のかつ全ての組合せを含む。「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」などの用語の使用は、表明された特徴、属性および構成要素の包含および存在を規定するものの、1つ以上の他の特徴、属性および構成要素の包含または追加を除外しない。
【0138】
本明細書中で使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」または「~のうちの1つ以上(one or more of)」なる言い回しは、要素または特徴の一連のリストの前に現われる。「および/または(and/or)」なる用語も同様に、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現われ得る。このような言い回しは、それが使用される前後関係と暗示的または明示的に矛盾するのでないかぎり、列挙された要素または特徴のいずれかを個別にまたは、列挙された要素または特徴を他の記載の要素または特徴のいずれかと組合せた形で意味するように意図されている。例えば「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」および「Aおよび/またはB」なる言い回しは各々「A単独、B単独、またはAとBを合わせて」を意味するように意図されている。さらに、以上のおよびフレーム内の「~に基づいて(based on)」なる用語の使用は、「少なくとも部分的に~に基づいて(based at least in part on」を意味するように意図され、こうして、記載されていない特徴または要素も同様に許容可能になっている。さらに、本明細書中で使用されているように、単数の用語「a」、「an」および「the」は、前後関係から明らかに別段の指示がないかぎり、複数の言及を含むことができる。
【0139】
別段の定義が無いかぎり、本明細書中で使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語の意味は、関連する技術の情況におけるその意味と一貫した意味を有するものとして解釈されるべきである。
【0140】
本開示は、請求されている実施形態の例証とみなされるべきものであり、これらの実施形態を図により例示されている特定の実施形態に限定するように意図されたものではない。
【0141】
本明細書中に記載の主題のさまざまな実施形態は、デジタル電子回路、集積回路、特殊設計の特定用途向け集積回路(ASIC)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはそれらの組合せの形で実現/実装され得る。これらのさまざまな実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム内に実装され得る。これらのコンピュータプログラムは、プログラマブルシステム上で実行および/または解釈され得る。プログラマブルシステムは、特殊用途または一般的用途を有し得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むことができる。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスに結合され得る。少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、これらに対してデータおよび命令を送信することができる。
【0142】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られる)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含むことができ、高水準手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語でおよび/またはアセンブリ/機械言語で実装され得る。本明細書中で使用され得る「機械可読媒体」なる用語は、機械可読信号として機械命令を受信できる機械可読媒体を含めたプログラマブルプロセッサに対して機械命令および/またはデータを提供するために使用されるあらゆるコンピュータプログラムプロダクト、装置および/またはデバイス(例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を意味し得る。「機械可読信号」なる用語は、プログラマブルプロセッサに対して機械命令および/またはデータを提供するために使用されるあらゆる信号を意味し得る。
【0143】
ユーザとの対話を提供するためには、本明細書中に記載の主題を、例えばブラウン管(CRT)デバイス、液晶ディスプレー(LCD)モニタ、発光ダイオード(LED)モニタ、または他の任意のディスプレーデバイスなどのディスプレーデバイス(例えば薬剤容器またはキャップのディスプレーデバイス)上で1人以上のユーザに対してデータを表示できるコンピュータ上で実装することができる。コンピュータは、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティックまたは他の任意の入力デバイスを介して1人以上のユーザからデータを受信することができる。ユーザとの対話を提供するためには、感覚フィードバック、例えばビジュアルフィードバック、聴覚フィードバック、触覚フィードバックおよび他の任意のフィードバックを含み得るユーザフィードバックに基づいて動作するデバイスなどの他のデバイスも提供され得る。ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、触覚入力または他の任意の入力などの任意の形態で受信可能である。
【0144】
本明細書中に記載の主題は、バックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、フロントエンド構成要素、または1つ以上のそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含み得るコンピュータシステム内で実装可能である。バックエンド構成要素はデータサーバであり得る。ミドルウェア構成要素はアプリケーションサーバであり得る。フロントエンド構成要素は、ユーザがそれを通して本明細書中に記載の主題の実施形態と対話できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ(例えば薬剤容器)であり得る。システムの構成要素は、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信のあらゆる形態または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、イントラネット、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、赤外線ネットワークまたは他のネットワークが含まれ得る。
【0145】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して互いに遠隔であり得、通信ネットワークを通して対話できる。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生し得る。
【0146】
以上でいくつかの変形形態を詳述したが、他の修正も可能である。例えば、添付の図の中で描かれ本明細書中で説明されている論理の流れは、所望の結果を達成するために、示された特定の順序または逐次的な順序を必要としない。すなわち、他の逐次的な順序も可能である。各図面についての以上の説明は、それぞれの実施形態セットに対応しているが、当業者であれば理解するように、他の実施形態にはいくつかの修正が必要となる可能性がある。これらの修正は、本特許出願の範囲内に入る。本明細書中に記載されている別個の実施形態について、本開示の他の実施形態において、任意の実施形態の構成要素を適宜、他の実施形態中に組込むことが可能である。このような他の実施形態は、フレームの範囲内に入る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A-B】
図6C
図7
図8
図9
図10
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図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の全ての発明。
【外国語明細書】