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特開2023-25416店舗資金管理システム、資金管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025416
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】店舗資金管理システム、資金管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20230215BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20230215BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
G06Q20/10
G07G1/06 Z
G07G1/06 B
G07G1/00 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130642
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】赤松 徹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康正
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142DA01
3E142GA24
5L055AA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせた複雑な開発を必要とせず、POSシステムから取引に係る各種の情報を取得し、これを活用する店舗資金管理システム、資金管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】店舗資金管理システムにおいて、店舗10は、POSシステム50、釣銭機100、プリンタ200及び集計装置300で構成される。プリンタは、POSシステム50から、取引のレシートを印字するためのレシート用データを取得するレシート用データ取得手段及びレシート用データから取引に係る取引情報を抽出する情報抽出手段(データ抽出部)と、取引を識別する取引識別情報(取引ID)と取引情報とを関連付けて管理する資金管理手段(テーブル管理部)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSシステムと通信可能に接続された店舗資金管理システムであって、
前記POSシステムから、取引のレシートを印字するためのレシート用データを取得するレシート用データ取得手段と、
前記レシート用データから前記取引に係る取引情報を抽出する情報抽出手段と、
前記取引を識別する取引識別情報と前記取引情報とを関連付けて管理する資金管理手段と、を備えることを特徴とする店舗資金管理システム。
【請求項2】
前記情報抽出手段は、前記レシート用データから決済種別に係る情報を抽出し、
前記資金管理手段は、前記取引識別情報と前記決済種別とを関連付けて管理することを特徴とする請求項1に記載の店舗資金管理システム。
【請求項3】
前記情報抽出手段は、前記レシート用データから取引金額に係る情報を抽出し、
前記資金管理手段は、前記取引識別情報と前記取引金額に係る情報とを関連付けて管理することを特徴とする請求項2に記載の店舗資金管理システム。
【請求項4】
前記情報抽出手段は、前記レシート用データから決済種別に係る情報と取引金額に係る情報とを抽出し、
抽出された前記決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機に対して、前記取引金額について現金決済処理を実行するようにリクエストする釣銭機データ処理手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の店舗資金管理システム。
【請求項5】
前記決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機から、前記現金決済の結果に係る情報として、顧客から預かった預かり金の内訳情報と前記顧客に返却した釣銭の内訳情報とを取得する釣銭機情報取得手段を備え、
前記資金管理手段は、前記取引識別情報に対して、前記預かり金の内訳情報と前記釣銭の内訳情報とを関連付けて管理することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の店舗資金管理システム。
【請求項6】
前記釣銭機から該釣銭機内に存在する金銭を回収する回収処理が実行される際に、回収される前記金銭の内訳を回収金銭情報として前記釣銭機から取得する回収金銭情報取得手段と、
前記釣銭機に釣銭準備金が補充される補充処理が実行される際に、補充される前記釣銭準備金の内訳を補充金銭情報として前記釣銭機から取得する補充金銭情報取得手段と、
前記各回収金銭情報と前記各補充金銭情報とに対して夫々を識別する処理識別情報を関連付けて管理する金銭運用管理手段と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の店舗資金管理システム。
【請求項7】
前記決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機から、前記現金決済の結果に係る情報として、顧客から預かった預かり金の総額情報と前記顧客に返却した釣銭の総額情報とを取得する釣銭機情報処理手段と、
前記決済種別が電子決済である場合には前記レシート用データに基づいて前記レシートの印字データを生成し、前記決済種別が現金決済である場合には前記レシート用データと前記預かり金の総額情報と前記釣銭の総額情報とに基づいて前記レシートの印字データを生成する印字データ生成手段と、を備えることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の店舗資金管理システム。
【請求項8】
POSシステムと通信可能に接続された店舗資金管理システムにおける資金管理方法であって、
前記POSシステムから、取引のレシートを印字するためのレシート用データを取得するレシート用データ取得ステップと、
前記レシート用データから前記取引に係る取引情報を抽出する情報抽出ステップと、
前記取引を識別する取引識別情報と前記取引情報とを関連付けて管理する資金管理ステップと、を実行することを特徴とする資金管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項8に記載の資金管理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗資金管理システム、資金管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、従来の取引データ及び現金の流れを説明する図である。
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア等において、夫々の店舗10のバックヤードには金庫11が設置される。この金庫11には、警備会社20から釣銭準備金としての輸送された現金や、自ら銀行等で準備されたものが収容される。金庫11内に用意された釣銭は必要に応じて釣銭機12に補充されて使用される。
釣銭機12は、商品の販売時に顧客から預かった現金を収容し、預かり金に対する釣銭を払い出す装置である。釣銭機12内に集められた売上金は適宜のタイミングで釣銭機12から取り出され、店舗10内に設置された入金機13に入金される。
入金機13は警備会社20が所有する装置であり、売上金を入金すると入金された金銭が自動的に計数され、入金金額に係る情報(入金データ)が警備会社20のサーバ21に送信される。また、入金機13内の売上金は、適宜のタイミングで警備会社20が回収する。
警備会社20は入金データに基づき、現金決済された分の売上金を店舗10が指定する銀行口座41に、例えば翌日に送金する。
【0003】
POS(Point of Sales;販売時点情報管理)システム14と接続される釣銭機12は、現金決済が選択された場合に釣銭を自動的に支払う自動ドロアとしての位置づけでPOSシステム14に従属した装置として運用される。
レシートの合計金額がクレジットカード、デビットカード、電子マネー等の電子決済手段によって支払われる場合、合計金額は電子決済用の決済端末15が読み取ったカード等の情報に基づいて決済される。
電子決済データは、例えば夫々の電子決済手段の発行会社(又は運営会社)32~34の処理を代行する電子決済代行会社30のサーバ31に送信される。電子決済代行会社30は、必要な処理を行って、電子決済された分の売上金を店舗10が指定する銀行口座41に、例えば15日後に送金する。
【0004】
売上金が銀行口座41に送金されると、銀行口座で売上データを確認可能となる。現金決済された場合の売上データは翌日以降に確認可能となり、電子決済された場合の売上データは15日後に確認可能となる。
【0005】
特許文献1には、電子決済による売上に係るデータと現金決済による売上に係るデータとを統合決済サーバにおいて統合することが記載されている。即ち、収集処理サーバが電子決済に係るデータを決済端末から受信し、収集処理サーバは必要なデータを抽出して電子決済サーバに送信する。電子決済サーバは所定の集計処理を行って、電子決済に係るデータを統合決済サーバに送信する。一方、現金を処理する貨幣処理機は、現金決済による売上に係るデータを統合決済サーバに送信する。
特許文献1においては、電子決済に係るデータと現金決済に係るデータとを統合決済サーバにて統合することによって、店舗側が両決済の売上データを早期に閲覧し、両決済の売上データに基づき早期に売上金の送金を受けることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-37608公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、POSシステムのソフトウェア仕様はPOSシステムのメーカーごとに異なることが多く、各メーカーのソフトウェア仕様に合わせてPOSシステムと連動する装置やシステム(例えば釣銭機)を開発することは非常に煩雑である。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせた複雑な開発を必要とせず、POSシステムから送信されるレシート用データを取得し、これを活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、POSシステムと通信可能に接続された店舗資金管理システムであって、前記POSシステムから、取引のレシートを印字するためのレシート用データを取得するレシート用データ取得手段と、前記レシート用データから前記取引に係る取引情報を抽出する情報抽出手段と、前記取引を識別する取引識別情報と前記取引情報とを関連付けて管理する資金管理手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせた複雑な開発を必要とせず、POSシステムから送信されるレシート用データを取得し、これを活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る店舗資金管理システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る店舗資金管理システムの構成を説明するブロック図である。
図3】釣銭機のハードウェア構成を示したブロック図である。
図4】プリンタのハードウェア構成を示したブロック図である。
図5】集計装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
図6】釣銭機の機能構成を示したブロック図である。
図7】プリンタの機能構成を示したブロック図である。
図8】(a)、(b)は、プリンタが取得するデータと、印字されるレシートについて説明する図である。
図9】集計装置の機能構成を示したブロック図である。
図10】(a)~(c)は、取引テーブルを説明する図である。
図11】(a)~(c)は、運用テーブルを説明する図である。
図12】運用管理テーブルの一例を示す図である。
図13】レシート用データを用いた現金及び資金管理に関わる一連の動作を示すシーケンス図である。
図14】現金の運用管理に関わる一連の処理を示すシーケンス図である。
図15】従来の取引データ及び現金の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
〔本発明の概要〕
図1は、本発明の一実施形態に係る店舗資金管理システムの概要を説明する図である。なお、図14に示した従来の構成と同一の構成には、図14と同一の符号を付している。
店舗10には、販売商品に係るデータを管理する手段として、POS(Point of Sales;販売時点情報管理)システム50が配置される。また、店舗10には、取引、売上、及び現金運用を管理する店舗資金管理システムを構成する装置として、釣銭機100、プリンタ200、及び集計装置300等が配置される。
【0013】
店舗10には、現金を取り扱う手段として、釣銭準備金を保管する金庫11、レシートに示された合計金額(以下、「レシートの合計金額」、或いは単に「合計金額」と言う場合がある)の支払いを受けるために顧客から現金を預かると共に預かり金に対する釣銭を支払う釣銭機100、釣銭機100から取り出された売上金(現金)を入金する入金機13が配置される。
金庫11には、警備会社20から釣銭準備金としての現金が輸送され、収容される。金庫11内に用意された現金は必要に応じて釣銭機100に補充されて使用される。
釣銭機100内に集められた売上金は適宜のタイミングで釣銭機100から取り出され、入金機13に投入される。入金機13に売上金を投入すると投入された金銭が自動的に計数され、入金金額に係る情報(入金データ)が警備会社20のサーバ21に送信される。また、入金機13内の売上金は、適宜のタイミングで警備会社20が回収する。
【0014】
店舗10には、合計金額を電子決済するための手段として、決済端末15が配置される。決済端末15は、電子決済用のカード等の情報を読み取って、電子決済データを生成し、電子決済データを電子決済代行会社に送信する。
【0015】
本実施形態においては、レシートに取引内容を印字するプリンタ(レシートデータ取得手段)200が、POSシステム50と釣銭機100との間に配置されている。
本実施形態に係る特徴的な構成は、プリンタ200が、レシート用データをPOSシステム50から取得し、取得したレシート用データから取引に係る取引情報を抽出する点にある。プリンタ200が抽出した取引情報は、顧客から支払われた合計金額を集計装置300が決済手段ごとに管理するため等に使用される。プリンタ200が抽出した取引情報は、釣銭機100に現金決済させるために使用される。プリンタ200は抽出した取引情報を利用して取引に係るデータを作成し、現金の運用に係るデータを作成して、上位装置である集計装置300に送信する。
集計装置300は、店舗全体の取引データ(現金決済と電子決済)と現金運用に係るデータ(釣銭機100の操作処理に関するデータのうち、特に現金の回収や補充などの処理に関するデータ)とを集計し、これらを一元的に管理する。また、各店舗10の集計装置300が集計した集計データは資金管理サーバ401に収集される。集計データは各店舗を運営する本部に設置された本部端末402から閲覧可能となる。
資金管理サーバ401は、現金売上データ、釣銭準備金データ、売上入金分のデータ(入金機13が設置されている場合)、及び電子決済分の売上データを警備会社サーバ21と各店舗を運営する本部に設置された本部端末402に提供する。警備会社20は異なる決済方法に係る売上データを同時に取得できる。警備会社20は、売上金を店舗10が指定する銀行口座41に、締め集計処理の例えば翌日に送金することができる。ここで締め集計処理とは、所定時間内の(例えば半日分、或いは一日分の)取引データ、金銭の運用データを集計して確定させることである。店舗10は、売上金をその決済方法に関わらず早期に取得できる。
【0016】
〔システム構成〕
図2は、本発明の一実施形態に係る店舗資金管理システムの構成を説明するブロック図である。
店舗10には、POSシステム50に関わる装置と、店舗資金管理システム1に関わる装置とが設置される。なお、本図には、店舗資金管理システムの基本システムとなる構成と、基本システムを拡張するための構成の双方が示されている。基本システムと拡張システムの各構成については後述する。
【0017】
<POSシステム>
POSシステム50は、各店舗10に設置される装置として、ストアコントローラ51と、ストアコントローラ51とデータを送受信可能に接続された1又は複数のPOSレジスタ52とを備える。
ストアコントローラ51は、販売商品に係るデータ(商品コード、商品名、価格等)を保持する。また、ストアコントローラ51は、複数のPOSレジスタ52,52…からの情報を統合し、商品の発注、販売、廃棄・返品、及び在庫等のデータを管理する。
POSレジスタ52には、商品に付されたバーコードを読み取るスキャナや、商品やサービスの代金を電子決済するための決済端末等が接続される。POSレジスタ52は、スキャナが商品から読み取った商品コードに基づき、当該商品の名称、価格等をストアコントローラ51から取得し、顧客が支払うべき合計金額(取引金額)を算出する。また、POSレジスタ52は購入された商品に係る情報をストアコントローラ51に送信する。
【0018】
<店舗資金管理システム>
店舗資金管理システム1は、各店舗10に設置される装置として、釣銭機100と、プリンタ200と、集計装置300とを備える。店舗資金管理システム1は入金機13を構成の一部に備えてもよい。また、店舗資金管理システム1は、各店舗の集計装置300,300…とネットワークNを介して通信可能に接続された資金管理サーバ401と、資金管理サーバ401とネットワークNを介して通信可能に接続された本部端末402と、を備えてもよい。店舗資金管理システム1は警備会社サーバ21を構成の一部に備えてもよい。店舗資金管理システム1を構成する各装置は、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0019】
釣銭機100は、商品の販売時に顧客から預かった現金を収容し、必要な釣銭を払い出す手段である。釣銭機100は、例えば現金の受け容れ、計数、収容、及び払い出しを自動的に行う自動ドロアである。
【0020】
プリンタ200は、POSレジスタ52、釣銭機100及び集計装置300と通信可能に接続される。プリンタ200とPOSレジスタ52とは、例えばOPOS(オープンPOS)規格インターフェースにより接続される。POSレジスタ52には、プリンタ200をOPOS接続下で制御するためのプリンタドライバ(アプリケーション)が搭載される。釣銭機100はPOSレジスタ52とは直接に接続されないので、釣銭機100とPOSレジスタ52とをOPOS接続するための開発が不要となり、開発費用が低減される。
【0021】
プリンタ200(プリンタドライバ含む)は、POSレジスタ52からレシート作成用のデータを取得する。プリンタ200は、レシート用データから決済手段別(現金決済又は電子決済)のレシートの合計金額等(レシートの合計金額、日時、レジNO)に係るデータ(取引情報)を抽出して、決済手段が現金決済の場合に釣銭機100に対して、現金決済処理を実行するようにリクエストする。
釣銭機100は、現金決済処理を実行した場合に、プリンタ200に対して、預かり金の額と払い出した釣銭の額に係る情報をプリンタに応答する。プリンタ200は、POSレジスタ52と釣銭機100とから取得した情報を統合した印字データを生成してレシートを印字する。
プリンタ200は釣銭機100から現金の入出金に係るデータを取得する。プリンタ200は、現金の入出金に係るデータに基づき、各決済手段のデータを含む取引に係るデータ(取引テーブル)と、釣銭機100に対する現金の補充や回収に係るデータを含む現金の運用管理に関わるデータ(運用テーブル)とを集計装置300に送信する。
【0022】
集計装置300は、各プリンタ200から取得したデータを集計して、店舗10全体の取引に係る集計データ(取引管理テーブル)と現金の運用管理に係る集計データ(運用管理テーブル)とを作成する。集計装置300は、集計したデータをディスプレイ等に表示し、或いはネットワークNを介して資金管理サーバ401に送信する。集計装置300は、入金機13から、入金金額に係る情報(入金データ)を取得してもよい。
【0023】
資金管理サーバ401は、各店舗10に配置された集計装置300,300…から、店舗毎の集計データを取得する。資金管理サーバ401は、店舗毎の集計データを更に統合した統合データを作成する。
本部端末402は、統合データを閲覧できる端末であり、例えば複数の店舗10,10…をチェーン展開する会社の本部に設置される。
【0024】
<周辺機器>
警備会社サーバ21、或いは警備会社が保有する端末には、ネットワークNを介して、資金管理サーバ401が保持するデータが提供されてもよい。
また、集計装置300の情報は、ストアコントローラ51に提供されても良い。
また、ストアコントローラ51の情報が、ネットワークNを介して資金管理サーバ401に提供されてもよい。
【0025】
<店舗資金管理システムの装置構成について>
図2においては、一台のプリンタ200に対して一台のPOSレジスタ52と一台の釣銭機100とが接続されているが、店舗10内に備えられるPOSレジスタ52とプリンタ200と釣銭機100を同数とする必要はない。
【0026】
<店舗資金管理システムの基本構成と拡張構成について>
店舗資金管理システム1の基本システムは、レシート用データを送出する手段としてのPOSシステム50(POSレジスタ52)、プリンタ200、釣銭機100、及び集計装置300を含み構成される。このシステムでは、一つの店舗10内における資金管理が可能となる。
基本システムを拡張した店舗資金管理システム1(第一の拡張システム)は、基本システムに加えて、更に資金管理サーバ401を含む。このシステムでは、多数の店舗の運営や管理を行う本部が、各店舗の店舗資金を一括して管理可能となる。
基本システムを拡張した他の店舗資金管理システム1(第二の拡張システム)は、基本システムに加えて、更に入金機13及び警備会社サーバ21を含む。このシステムでは、入金機13へ入金することにより警備会社に回収される売上金と、警備会社が店舗指定の銀行口座に送金する売上金(電子決済分と現金決済分)と含めた店舗内の資金管理が可能となる。
店舗資金管理システム1は、基本システムに加えて、第一の拡張システムと第二の拡張システムの構成を含むシステム(第三の拡張システム)であってもよい。
【0027】
〔ハードウェア構成〕
<釣銭機>
図3は、釣銭機のハードウェア構成を示したブロック図である。
釣銭機100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、二次記憶装置104、釣銭機構I/F105、釣銭機構106、入力I/F107、入力デバイス108、出力I/F109、表示装置110、プリンタI/F111、及び、任意で外部I/F112等を備える。これらはバス113により接続されている。
【0028】
CPU101は、釣銭機100の全体を制御する演算装置である。ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムを記憶する不揮発性の記憶手段である。RAM103は、ROM102から読み出されたプログラムやデータ等を一時的に格納する揮発性の記憶手段である。これらは周知のコンピュータの基本的な構成である。釣銭機100の各種の機能は、CPU101がROM102に記憶された制御プログラムを読み出してRAM103に展開し、RAM103をワークスペースとして制御プログラムを実行することにより実現される。
【0029】
二次記憶装置104は、釣銭機100の動作モードや各動作モードにおける金銭の入出金に係る情報等を記憶する不揮発性の記憶手段である。なお、二次記憶装置104は、CPU101が実行する制御プログラムを記憶してもよい。
釣銭機構I/F105は、釣銭機構106を接続するインターフェースである。釣銭機構106は、各種のセンサやモータ等を備え、投入口から内部に受け入れた金銭を所定の収容部に搬送し、或いは収容部から繰り出された金銭を搬送して外部に払い出す等の動作を実行する機械部分である。釣銭機構106は、金銭の真贋や金種等を判定するためのデータを読み取る読取センサを備える。搬送時に読取センサが読み取ったデータは、CPU101に提供される。
【0030】
入力I/F107は、テンキー等の入力デバイス108を接続するインターフェースである。
出力I/F109は、表示装置110等の出力デバイスを接続するインターフェースである。
プリンタI/F111はプリンタ200を接続するインターフェースである。
外部I/F112は、集計装置300等の外部装置を接続するインターフェースである。
【0031】
<プリンタ>
図4は、プリンタのハードウェア構成を示したブロック図である。
プリンタ200は、CPU201、ROM202、RAM203、二次記憶装置204、印字機構I/F205、印字機構206、POS・I/F207、釣銭機I/F208、及び外部I/F209等を備える。これらはバス210により接続されている。CPU201、ROM202、RAM203、及び二次記憶装置204については、釣銭機100と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0032】
印字機構I/F205は、印字機構206を接続するインターフェースである。印字機構206は、レシート用紙に文字や図形等を印字する機械部分である。
POS・I/F207、釣銭機I/F208、及び外部I/F209は、夫々、POSレジスタ52、釣銭機100、及び集計装置300と通信可能に接続するインターフェースである。
なお、プリンタ200は、テンキーやタッチパネル等の入力デバイスとこれを接続する入力I/Fを備えてもよい。またプリンタ200は、表示装置等の出力デバイスとこれを接続する出力I/Fを備えてもよい。
【0033】
<集計装置等>
図5は、集計装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
集計装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、二次記憶装置304、入力I/F305、入力デバイス306、出力I/F307、表示装置308、プリンタI/F309、ネットワークI/F310、及び、任意で入金機I/F311等を備える。これらはバス312により接続されている。CPU301、ROM302、RAM303、及び二次記憶装置304については、釣銭機100及びプリンタ200と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0034】
入力I/F305は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイス306を接続するインターフェースである。出力I/F307は、表示装置308等の出力デバイスを接続するインターフェースである。入力デバイス306と表示装置308は、タッチパネルディスプレイのように一体化された構成でもよい。
プリンタI/F309はプリンタ200を接続するインターフェースである。
ネットワークI/F310は、他の装置とネットワークN(図4)を介して夫々通信可能に接続するインターフェースである。
入金機I/F311は、入金機13と通信可能に接続するインターフェースである。
【0035】
なお、資金管理サーバ401、本部端末402、及び警備会社サーバ21は、一般的なコンピュータ装置であり、CPU、ROM、RAM、二次記憶装置、入力デバイスを接続する入力I/F、表示装置を接続する出力I/F、及びネットワークI/F等がバスにより接続された構成を備える。
【0036】
〔ソフトウェア構成/機能構成〕
<釣銭機>
図6は、釣銭機の機能構成を示したブロック図である。
釣銭機100は、本発明に関わる構成として、プリンタI/F部121、外部I/F部122、入出金データ処理部(有高算出手段)123、釣銭機構制御部124、計数判定部125、取引演算処理部126、表示制御部127、入力受付部128、及び、記憶部129を備える。これらの各機能は、CPU101がROM102に記憶された制御プログラムを読み出してRAM103に展開し、RAM103をワークスペースとして制御プログラムを実行することにより実現される。
釣銭機100は、複数の動作モードで動作する。動作モードとしては、現金決済を行う取引モード、釣銭機100内の金銭を釣銭機100から回収する(取り出す)回収モード、釣銭機100に釣銭を補充する補充モード等がある。
【0037】
《I/F部》
プリンタI/F部121は、プリンタI/F111(図3)の動作を制御することで、プリンタ200との間でやり取りされる通信を制御する。
外部I/F部122は、外部I/F112(図3)の動作を制御することで、集計装置300等の外部機器との間でやり取りされる通信を制御する。
【0038】
《入出金データ処理部》
入出金データ処理部123は、釣銭機100における金銭の入出金に関わるデータを処理する。入出金に関わるデータは、プリンタI/F部121を介して接続されたプリンタ200との間で送受信される。
【0039】
取引モードにおいて、入出金データ処理部123は、取引IDと、現金決済される合計金額に係る情報とをプリンタI/F部121から取得する。入出金データ処理部123は、現金決済処理が実行されると、釣銭機番号、取引ID、顧客から預かった預かり金の総額、預かり金の内訳(金種ごとの枚数)、入金時刻、釣銭の総額、釣銭の内訳(金種ごとの枚数)、及び出金時刻を関連付けてプリンタI/F部121から送出する。
回収モードにおいて、入出金データ処理部123は、金銭が回収された旨、回収時刻、及び回収された金銭の金種ごとの枚数(金銭の総額)に係る情報をプリンタI/F部121から送出する。例えば、回収モードにおいて金銭は、釣銭機100内の金銭の全部を収容した収容カセットごと回収される。
補充モードにおいて、入出金データ処理部123は、金銭が補充された旨、補充時刻、及び補充された金銭の金種ごとの枚数(金銭の総額)に係る情報をプリンタI/F部121から送出する。例えば、補充モードにおいて金銭は、釣銭機100内の金銭の全部を収容する収容カセットごと補充される。
【0040】
各動作モードにおいて、入出金データ処理部123は、釣銭機100における金銭の運用データを運用テーブル(図11)として記憶部129に記憶させる。入出金データ処理部123は、金銭の運用データ(現金回収データと現金補充データ)に基づいて、各現金運用データを記録するレコードを運用テーブルに作成すると共に、当該レコードに一意の処理IDを付与して管理する。
【0041】
各動作モードにおいて入出金データ処理部123は、釣銭機100内に存在する金銭の現在有高とその金種別の内訳とを算出する。入出金データ処理部123は、各動作モードにおいて金銭の入出金が発生する度に、現在有高とその金種別の内訳とを更新する。
入出金データ処理部123は、締め集計処理の実行指示があった場合に、運用テーブルをプリンタ200に送信する。
【0042】
取引モードにおいて入出金データ処理部123は、各取引の詳細を取引テーブル(図10)として記憶部129に記憶させてもよい。この場合、入出金データ処理部123は、締め集計処理の実行指示があった場合に、取引テーブルをプリンタ200に送信する。
【0043】
《釣銭機構制御部》
釣銭機構制御部124は、図3に示す釣銭機構106の動作を制御する。
取引モードにおいて釣銭機構制御部124は、顧客が投入口から投入した金銭を装置の内部方向に搬送するように釣銭機構106を制御する。投入された金銭が真正でない場合や取り扱えない金銭の場合は、当該金銭を投入口から返金するように釣銭機構106を制御する。投入された金銭が取り扱い可能、且つ真正な金銭である場合には金銭を所定の収容部へ収容するように釣銭機構106を制御する。取引モードにおいて釣銭機構制御部124は、顧客に支払うべき釣銭を投入口又は釣銭排出口から排出するように、釣銭機構106を制御する。
補充モードにおいて、釣銭機構制御部124は、補充された釣銭の真贋及び金種を判定し、釣銭の枚数を計数する動作を実行するように釣銭機構106を制御してもよい。
【0044】
《計数判定部》
計数判定部125は、金銭の真贋判定、及び計数を行う。
計数判定部125は、投入された金銭に関わる検知データを釣銭機構106に備えられた各種のセンサから取得し、該検知データに基づいて金銭の真贋及び金種を判定し、金銭の枚数を計数して、顧客から預かった預かり金の金額を算出する。計数判定部125が、投入された金銭を真正でないと判定した場合や取り扱えない金銭と判定した場合は、当該金銭を投入口から返金する動作を実行するように釣銭機構制御部124に通知する。
補充モードにおいて、計数判定部125は、補充された釣銭に関わる検知データを釣銭機構106に備えられた各種のセンサから取得し、該釣銭の真贋及び金種を判定し、釣銭の枚数を計数してもよい。
【0045】
《取引演算処理部》
取引演算処理部126は、顧客から預かった預かり金から合計金額を減算して釣銭額を算出する。
【0046】
《入出力系、記憶部》
表示制御部127は、図3の表示装置110に各種の情報を表示させるように、表示装置110を制御する。上記各種の情報とは、現在の動作モード、及び各動作モードにおける動作状態等である。例えば、取引モードにあるとき、表示制御部127は、合計金額、顧客から預かった預かり金、及び釣銭額等を表示装置110に表示さる。
【0047】
入力受付部128は、図3の入力デバイス108からの入力を受け付ける。入力デバイス108からは、釣銭機100に係る各種の設定や、締め集計処理を実行させるための指示等が入力される。入力受付部128は、設定された動作モードを記憶部129に記憶させる。
【0048】
記憶部129は、釣銭機100に関わる設定情報を記憶する。設定情報は、例えば釣銭機100の現在の動作モードや、釣銭機100を特定する釣銭機番号等である。記憶部129は、各動作モードにおける金銭の入出金に係る情報を運用テーブルとして記憶する。
記憶部129は、取引モードにおける各取引の詳細を取引テーブルとして記憶してもよい。
【0049】
<プリンタ>
図7は、プリンタの機能構成を示したブロック図である。
プリンタ200は、POS・I/F部221、釣銭機I/F部222、外部I/F部223、データ抽出部(レシート用データ取得手段、情報抽出手段)224、釣銭機データ処理部(釣銭機データ処理手段、釣銭機情報取得手段)225、テーブル管理部(資金管理手段、取引管理手段、運用管理手段)226、印字データ生成部227、印字機構制御部228、及び、記憶部229を備える。これらの各機能は、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムを読み出してRAM203に展開し、RAM203をワークスペースとして制御プログラムを実行することにより実現される。
【0050】
《I/F部》
POS・I/F部221は、POS・I/F207(図4)の動作を制御することで、POSレジスタ52との間でやり取りされる通信を制御する。
釣銭機I/F部222は、釣銭機I/F208(図4)の動作を制御することで、釣銭機100との間でやり取りされる通信を制御する。
外部I/F部223は、外部I/F209(図4)の動作を制御することで、集計装置300との間でやり取りされる通信を制御する。
【0051】
《データ抽出部》
データ抽出部224は、図8(a)、(b)に示すように、POSレジスタ52(図2)から取得したレシート用データ510(511,512)から、顧客が支払うべき合計金額(取引金額)に係る金額情報517と決済方法に係る決済種別情報518とそれにかかわる付随的な情報(日時、レジNO.等)とを、取引データとして抽出する。決済種別情報518には、現金決済か電子決済かに係る情報と、電子決済手段の種類(クレジットカード、バーコード決済、デビットカード、プリペイドカード等)に係る情報とが含まれる。
なお、合計金額が複数の決済手段によって分割して支払われる場合は、決済手段を示す決済種別情報518に対して、決済手段ごとの取引金額に係る情報が金額情報517として関連付けられる。
データ抽出部224は、抽出した取引データに新規、且つ一意の取引IDを付与する。取引IDは、例えば通し番号等である。以降、当該取引データに関わるデータは取引IDと関連付けて処理される。
【0052】
《釣銭機データ処理部》
釣銭機データ処理部225は、釣銭機100の入出金動作に関わるデータを処理する。釣銭機データ処理部225は、釣銭機I/F部222を介して接続された釣銭機100との間で送受信されるデータを処理する。
【0053】
釣銭機100が取引モードにある場合に、釣銭機データ処理部225は、現金決済が選択されると、取引IDと合計金額に係る情報とを関連付けて釣銭機I/F部222から送出する。即ち、データ抽出部224によって抽出された決済種別が現金決済である場合に、釣銭機データ処理部225は、釣銭機100に対して、合計金額について現金決済処理を実行するようにリクエストする。
釣銭機100が現金決済処理を実行すると、釣銭機データ処理部225は、現金による取引データとして、釣銭機番号、取引ID、顧客から預かった金銭の内訳(金種ごとの枚数)、入金時刻、釣銭の内訳(金種ごとの枚数)、及び出金時刻を、釣銭機I/F部222から取得する。
【0054】
釣銭機100が回収モードにある場合に、釣銭機データ処理部225は、現金の運用データ(現金の回収データ)として、金銭が回収された旨(或いは釣銭機100が回収モードにあること)、回収時刻、回収された金銭の金種ごとの枚数(金銭の総額)、及び回収累積(回収された金銭の累積枚数と累積額)に係る情報を釣銭機I/F部222から取得する。
釣銭機100が補充モードにある場合に、釣銭機データ処理部225は、現金の運用データ(現金の補充データ)として、金銭が補充された旨(或いは釣銭機100が補充モードにあること)、補充時刻、補充された金銭の金種ごとの枚数(金銭の総額)、及び補充累積(補充された金銭の累積枚数と累積額)に係る情報を釣銭機I/F部222から取得する。
また、釣銭機データ処理部225は、釣銭機100が発する状態情報(エラー、ユニット開閉、釣銭フル、釣銭エンプティ、在り高等)も合わせて取得する。
【0055】
《テーブル管理部》
テーブル管理部226は、顧客との取引内容を記録する取引テーブルと、釣銭機100に関わる現金の運用状態を記録する運用テーブルを管理する。
テーブル管理部226は、データ抽出部224が抽出した取引データ、及び、釣銭機データ処理部225が処理した取引データを取得すると共に、取得したこれらのデータに基づいて、取引内容を記録するレコードを取引IDと関連付けて取引テーブルに記録する。テーブル管理部226は、電子決済に係る取引と、現金決済に係る取引の双方を取引テーブルに記録する。
テーブル管理部226は、釣銭機100から取得した運用テーブルを管理する。
テーブル管理部226は、入力受付部230又は集計装置300から、取引テーブルと運用テーブルをそれぞれ集計装置300に送信するようにリクエストを受けた場合に、外部I/F部223を介して各テーブルを送信する。
【0056】
《印字データ生成部》
印字データ生成部227は、レシートを印字するための印字データを生成する。
図8(a)、(b)は、プリンタが取得するデータと、印字されるレシートについて説明する図である。
図示するように、POSレジスタ52(図2)から取得されるレシート用データ510(511,512)は、商品の内訳情報516と合計金額に係る金額情報517と決済方法に係る決済種別情報518とを含む。図8(b)に示すように、プリンタ200が釣銭機100から取得するデータのうち、レシート印字に関わるデータ(現金決済データ520)は、預かり金の総額に係る預かり金情報521と、釣銭の総額に係る釣銭額情報522とを含む。
【0057】
図8(a)に示すように、合計金額が電子決済される場合に、印字データ生成部227は、レシート用データ511に基づいてレシート530(531)を印字するための印字データを生成する。印字されるレシート531には、内訳情報516と金額情報517と決済種別情報518(第一の印字データ536)が含まれる。
【0058】
図8(b)に示すように、合計金額が現金決済される場合に、印字データ生成部227は、レシート用データ512と現金決済データ520とに基づいてレシート530(532)を印字するための印字データを生成する。印字されるレシート532には、POSレジスタ52に由来する第一の印字データ536と、釣銭機100に由来する第二の印字データ537とが含まれる。印字データ生成部227は、第一の印字データ536と第二の印字データ537とを統合してレシート532を作成する。
【0059】
《印字機構制御部》
図7に戻り、印字機構制御部228は、図4に示す印字機構206の動作を制御する。印字機構制御部228は、印字機構206が印字データをレシート用紙に印字するように、印字機構206を制御する。
【0060】
《記憶部》
記憶部229は、テーブル管理部226が生成した取引テーブルと運用テーブルとを記憶する。記憶部229は、プリンタ200に関わる設定情報を記憶する。設定情報は、例えば、プリンタ200を特定するプリンタ番号等である。
【0061】
<集計装置>
図9は、集計装置の機能構成を示したブロック図である。
集計装置300はプリンタI/F部321、入金機I/F部322、ネットワークI/F部323、データ処理部(回収金銭情報取得手段、補充金銭情報取得手段、処理識別情報付与手段、金銭運用管理手段)324、表示制御部325、入力受付部326、及び、記憶部327を備える。これらの各機能は、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムを読み出してRAM303に展開し、RAM303をワークスペースとして制御プログラムを実行することにより実現される。
【0062】
《I/F部》
プリンタI/F部321は、プリンタI/F309(図5)の動作を制御することで、プリンタ200との間でやり取りされる通信を制御する。
ネットワークI/F部322は、ネットワークI/F310(図5)の動作を制御することで、ネットワークNを介して接続された資金管理サーバ401や本部端末402(図2)との間でやり取りされる通信を制御する。
入金機I/F部323は、入金機I/F311(図5)の動作を制御することで、入金機13との間でやり取りされる通信を制御する。
【0063】
《データ処理部》
データ処理部324は、各プリンタ200,200…から取得した複数の取引テーブルを1つのテーブルに統合した取引管理テーブルを作成し、店舗全体の取引を一元的に管理する。
データ処理部324は、各プリンタ200,200…から取得した複数の運用テーブルを1つのテーブルに統合した運用管理テーブルを作成し、店舗全体の現金運用を一元的に管理する。データ処理部324は、釣銭機100における金銭の運用処理(回収処理及び補充処理等)を示すデータに対し、各処理を識別する処理ID(処理識別情報)を付与する。
データ処理部324は、入力受付部326からの入力内容に従って、取引管理テーブルと運用管理テーブルについて所定の集計処理を行う。入力受付部326からの入力内容に従って、取引管理テーブルと運用管理テーブルのフィールドにデータを追加し、又はフィールド内のデータを修正する。
【0064】
《入出力系、記憶部》
表示制御部325は、図5に示す表示装置308に各種の情報を表示させるように、表示装置308を制御する。
入力受付部326は、図5に示す入力デバイス306からの入力を受け付ける。
記憶部327は、取引管理テーブルと運用管理テーブルとを記憶する。
【0065】
〔テーブル〕
<取引テーブル>
プリンタ200のテーブル管理部226が作成する取引テーブルについて、図6図7を参照しつつ、図10に基づいて説明する。
図10(a)~(c)は、取引テーブルを説明する図である。(a),(b)は、取引テーブルに関連するデータのうち、プリンタ200と釣銭機100との間で送受信されるデータを示す。(c)は、(a),(b)から作成される取引テーブルを示す。
【0066】
図10(c)に示すように、取引テーブルは、一意の取引ID、データの送付元であるPOSレジスタ52を特定するレジナンバー、レシート発行日時、決済方法、合計金額、金銭の入出金が行われた釣銭機100を特定する釣銭機ナンバー、釣銭機100の動作日時、顧客から預かった現金の額(預かり金)、顧客に返却した釣銭の額、釣銭機の動作モード、釣銭機が扱った金銭の内訳(金種別の数量)、等の情報を含む。
【0067】
図10(a)に示すように、現金決済される場合にプリンタ200のデータ抽出部224がレシート用データから合計金額を抽出すると、釣銭機データ処理部225は取引IDと合計金額とを関連付けて釣銭機100に送信する。
図10(b)に示すように、釣銭機100の入出金データ処理部123は、取引IDと、投入された金銭の総額及びその内訳と、釣銭として払い出した金銭の総額及びその内訳と、釣銭機の動作日時とを関連付けて、プリンタ200に応答する。
プリンタ200のテーブル管理部226は、図10(a)と(b)の情報とを統合して、図10(c)に示す取引テーブルを作成する。テーブル管理部226は、取引テーブルを集計装置300に送信する。
【0068】
ここで、図10(c)の取引ID「2」のレコードに示すように、合計金額が電子決済された場合、現金取引に関わるフィールド(カラム)は空欄となる。決済方法に係るカラムには少なくとも現金決済か電子決済かがわかる情報が記録されればよいが、電子決済の種別まで記録されることが望ましい。
【0069】
<取引管理テーブル>
集計装置300のデータ処理部324は、各プリンタ200,200…から送信された取引テーブルを一つのテーブルに統合した取引管理テーブルを作成する。取引管理テーブルのカラムの構成は、取引テーブルと同様であるため、詳細な説明を省略する。
データ処理部324は取引管理テーブルに基づいて、決済種別ごとの取引の総額を集計できる。従って、本実施形態においては、合計金額の決済方法に依らず、即日に売上データを確認できる。
データ処理部324は取引管理テーブルに基づいて、各取引を、決済種別ごとに或いは時間帯ごとに抽出し、集計できる。従って、本実施形態においては、店舗全体の取引を一元的に管理できると共に、取引内容を適宜集計して分析すること等が可能となる。
【0070】
<運用テーブル>
運用テーブルについて、図6を参照しつつ、図11に基づいて説明する。
図11(a)~(c)は、運用テーブルを説明する図である。
運用テーブルは、釣銭機100の金銭運用状態を示すテーブルである。釣銭機100の入出金データ処理部123は、運用テーブルを記憶部129に記憶させると共に、必要に応じて運用テーブルをプリンタ200に送信する。
本例において運用テーブルの各カラムは、取引テーブルと同一である。即ち、釣銭機100において運用テーブルは取引テーブルと一体的に管理できるように構成されている。取引IDのカラムには、現金運用データを管理するための処理IDが格納される。
【0071】
図11(a)~(c)において動作モードに「有高」と記載されているレコードには、釣銭機100内に存在する金銭の現在有高(合計金額、総額)とその金銭の内訳(金種別の数量)が記録される。入出金データ処理部123は、金銭が入出金される度に「有高」のデータを更新する。ここでいう入出金には、現金決済に起因する入出金と、金銭の回収及び補充に起因する入出金を含む。釣銭機の動作日時には、最新の入出金時刻が記録される。
例えば釣銭機100が取引モードにある場合、図11(a)に示すように、入出金データ処理部123は、現金決済処理を実行する度に、預かり金の内訳情報と釣銭の内訳情報とに基づいて現在有高とその金種別の内訳とを更新する。
【0072】
図11(b)に示すように、動作モードに「回収」と記載されているレコードには、釣銭機100が回収モードで動作したときの金銭の入出金データが記録される。「回収」レコードには、釣銭機100から回収された金銭の総額とその内訳、及び回収時刻が記録される。金銭が回収されると、「有高」レコードの合計金額と内訳からは、回収された金銭の総額と内訳が減算される。また、有高の日時には回収時刻が記録される。
【0073】
図11(c)に示すように、動作モードに「補充」と記載されているレコードには、釣銭機100が補充モードで動作したときの金銭の入出金データが記録される。「補充」レコードには、釣銭機100に補充された釣銭の総額とその内訳、及び補充時刻が記録される。金銭が補充されると、「有高」レコードの合計金額と内訳に、補充された金銭の総額と内訳が加算される。また、有高の日時には補充時刻が記録される。
【0074】
運用テーブルは、釣銭機100に締め集計処理の実行指示等、運用テーブルをプリンタ200に送信する旨の指示が入力された場合に、プリンタ200に送信される。また、集計装置300によって店舗全体の情報が集計される。
【0075】
<運用管理テーブル>
集計装置300のデータ処理部324が作成する運用管理テーブルについて、図12に基づいて説明する。
図12は、運用管理テーブルの一例を示す図である。
運用管理テーブルは、一意の処理ID、処理の分類を示す処理名、当該処理の開始日時と終了日時、処理の実行に関わる装置名、処理動作の対象を示す欄(カセット名)、処理内容、処理された金銭の総額(金額)、処理された金銭の内訳(金種別数量)、等の情報を含む。
【0076】
図示する運用管理テーブルには、集計装置300が各プリンタ200,200…を介して各釣銭機100,100…から取得した運用テーブル(図11(c))に基づくデータと、集計装置300が入金機13から受信した入金金額に係るデータと、店舗のバックヤードに設置された金庫内の金銭の入出金に関するデータと、が含まれている。
なお、金庫に関わる金銭の入出金情報は、集計装置300の入力デバイス306(図5)から手入力される。また、入金機13が集計装置300と通信可能に接続されていない場合、入金機13に関わる金銭の入出金情報は集計装置300の入力デバイス306(図5)から手入力される。
集計装置300のデータ処理部324は、上記各データを統合して運用管理テーブルを作成する。また、データ処理部324は、運用管理テーブルの作成時に各処理に対して夫々の処理を識別する一意の処理IDを付与し、各処理の内容を関連付けて管理する。
【0077】
例えば、処理ID41360「補充」には、金庫から釣銭機1号機に釣銭準備金として入金された金銭の総額及びその内訳が記録されている。処理ID41361及び処理ID41368の「回収」には、釣銭機1号機から取り出されて金庫に入金された金銭の総額及びその内訳が記録されている。処理ID41368「入金」には、金庫から取り出されて金銭入金機に入金された金銭の総額及びその内訳が記録されている。
このように、集計装置300のデータ処理部324は、各釣銭機100,100…の金銭運用状態の他、バックヤードに配置された金庫や入金機内の金銭運用状態を一元的に管理する。
【0078】
〔シーケンス図〕
<資金管理>
図13は、レシート用データを用いた資金管理に関わる一連の動作を示すシーケンス図である。
ステップS101においてPOSレジスタ52は、レシート用データ510(図8)をプリンタ200に送信する。レシート用データ510には、POSレジスタ52を識別するためのレジNo.(レジスタ識別情報)、購入した商品の商品名・価格・購入点数(商品の内訳情報516)、商品代金の合計、税金額を含めた請求金額の合計(レシートの合計金額、金額情報517)、決済方法に係る情報(決済種別情報518)等が含まれる。決済種別情報518には、現金決済又は電子決済の別、電子決済にあっては決済手段の別の情報が含まれる。
ステップS103においてプリンタ200のデータ抽出部224は、レシート用データ510を取得する。データ抽出部224は、レシート用データ510から金額情報517と決済種別情報518とを取引データとして抽出する。また、抽出した取引データに一意の取引IDを付与する(図10(a))。
【0079】
合計金額が現金決済される場合は、ステップS105からS111までの処理が実行される。
ステップS105において釣銭機データ処理部225は、釣銭機100に対して、取引IDと合計金額と共に、現金決済処理を実行するようにリクエストする。
ステップS107において釣銭機100は、現金決済処理を実行する。即ち、釣銭機100は顧客から金銭の投入を受け付ける。取引演算処理部126は、投入された金銭を計数して必要な釣銭額を算出する。釣銭機構制御部124は、必要な釣銭を払い出すように釣銭機構106を動作させる。
【0080】
ステップS109において釣銭機100の入出金データ処理部123は、入金額と出金額とに基づいて釣銭機100内の現在有高に係る値(図11(a))を更新する。
ステップS111において釣銭機100の入出金データ処理部123は、取引ID、釣銭機ID、顧客から預かった預かり金の総額、預かり金の内訳(金種ごとの枚数)、入金時刻、釣銭の総額、釣銭の内訳(金種ごとの枚数)、及び出金時刻を関連付けると共に、これらのデータを含む現金決済完了通知をプリンタ200に送信する(図10(b))。
【0081】
ステップS113において、プリンタ200の印字データ生成部227は、レシート530(図8)を印字するための印字データを生成する。合計金額が電子決済された場合、印字データ生成部227は、レシート用データ511に基づいて印字データを生成する(図8(a))。合計金額が現金決済された場合、印字データ生成部227は、レシート用データ512に基づく第一の印字データ536と、現金決済データ520に基づく第二の印字データ537とを統合した印字データを生成する(図8(b))。
【0082】
ステップS115において印字機構制御部228は、印字データをレシート用紙に印字させるように印字機構206を制御する。
ステップS117においてプリンタ200のテーブル管理部226は、取引テーブルに取引データを記録する。即ち、取引テーブルに、取引IDと関連付けられたレコードを作成し、当該レコードの各フィールドに必要な情報を書き込んで、図10(c)に示す取引テーブルを作成する。
【0083】
ステップS119においてテーブル管理部226は、取引テーブルに関わるデータ(取引テーブル全体又はその一部のデータ)を集計装置300に送信する。取引テーブルに関わるデータは、1の取引が完了するごとに送信されてもよいし、集計装置300からのリクエストに応じて送信されてもよいし、リクエストの有無に関わらず所定のタイミングで自立的に送信されてもよい。
ステップS121において集計装置300のデータ処理部324は、各プリンタ200,200…から取得した複数のデータを一の取引管理テーブルとして統合して記憶部327に記憶させる。
ステップS123において、集計装置300のデータ処理部324は、一日の営業が終了した時等、所定のタイミングで、取引管理テーブルを上位装置である資金管理サーバ401に送信する。
【0084】
取引管理テーブルが資金管理サーバ401に送信されることで、本部端末402(図2)等、資金管理サーバ401と通信可能に接続された閲覧用の端末から、各店舗の取引データを確認可能となる。また、取引管理テーブルには、電子決済による取引内容と現金決済による取引内容の双方を含まれるので、双方の取引内容を即日に閲覧できる。また、取引管理テーブルに係る情報を警備会社20(図1)に提供すれば、警備会社20は売上金を締め集計処理の翌日に送金することが可能となり、店舗10は運転資金を早期に取得できる。
【0085】
<運用管理>
図14は、現金の運用管理に関わる一連の処理を示すシーケンス図である。
ステップS131において、釣銭機100は入出金処理を実行する。ここで、入出金処理には、顧客との商取引における現金決済処理、釣銭機100から売上金を回収する回収処理、釣銭機100に釣銭を補充する補充処理がある。
ステップS133において釣銭機100の入出金データ処理部123は、入出金処理に関わるデータを運用テーブル(図11(c))に記録する。
ステップS135において、釣銭機100の入出金データ処理部123は、プリンタ200に対して運用テーブルに関わるデータ(運用テーブル全体又はその一部のデータ)を送信する。運用テーブルに関わるデータは、1の入出金処理が完了するごとに送信されても良いし、所定のタイミングで自立的に送信されてもよい。また、運用テーブルに関わるデータは、釣銭機100の操作に基づいて、或いはプリンタ200又は集計装置300からのリクエストに応じて送信されてもよい。
【0086】
ステップS137においてプリンタ200のテーブル管理部226は、運用テーブルに関わるデータを集計装置300に送信する。運用テーブルに関わるデータは、釣銭機100から受信された場合に、或いは所定のタイミングで自立的に送信されてもよい。また、運用テーブルに関わるデータは、プリンタ200の操作に基づいて、或いは集計装置300からのリクエストに応じて送信されてもよい。
ステップS139において集計装置300のデータ処理部324は、各プリンタ200,200…から受信した複数の運用テーブルに関わるデータを統合して、店舗全体の金銭運用情報をまとめた運用管理テーブルを作成する。
【0087】
ここで、入金機13が集計装置300と通信可能に接続されている場合は、入金機13に金銭が入金されると(ステップS141)、入金機13は入金された金銭の額に関する情報(入金機運用データ)を集計装置300に送信する(ステップS143)。
ステップS145において集計装置300のデータ処理部324は、入金機13から受信した入金機運用データを運用管理テーブルに統合する。
ステップS147において、集計装置300のデータ処理部324は、一日の営業が終了した時等、所定のタイミングで、運用管理テーブルを上位装置である資金管理サーバ401に送信する。
運用管理テーブルが資金管理サーバ401に送信されることで、本部端末402(図1、2)等、資金管理サーバ401と通信可能に接続された閲覧用の端末から、各店舗の現金の運用データを確認可能となる。
【0088】
〔変形実施形態〕
釣銭機100は外部I/F部122を介して集計装置300と接続されてもよい。この場合、釣銭機100における金銭の入出金に関わるデータの一部又は全部は、集計装置300との間で送受信されてもよい。
POSシステム50からレシート用データを取得し、必要なデータを抽出できる手段であれば、POSシステム50と釣銭機100との間に配置される装置はプリンタ200に限られない。また、レシート用データを取得し、必要なデータを抽出する手段を、釣銭機100内に搭載してもよい。
店舗資金管理システムを構成する各機能は、実施形態に記載の装置とは異なる装置に搭載されてもよい。例えば、実施形態においてプリンタ200が備えるものとして記載した機能の一部は、集計装置300に備えられてもよい。具体的には、テーブル管理部226と、テーブル管理部226が管理する各テーブルを記憶させる記憶手段とを、集計装置300に備えてもよい。
集計装置300は、図1及び図2に示す資金管理サーバ401或いは本部端末402に相当する装置としてもよい。
【0089】
POSシステム50がレシート用データとしてテキストデータを送出する場合、プリンタ200の釣銭機データ処理部225はレシート用データから各種の情報を抽出可能である。しかし、POSシステム50がレシート用データとして、ビットマップ等の画像データを送出する場合、釣銭機データ処理部225はレシート用データから各種の情報を抽出できない。このような場合、POSシステム50はプリンタ200に対して現金決済分の合計金額を通知する。プリンタ200の釣銭機データ処理部225は、POSシステム50から取得した合計金額の情報に基づき、釣銭機100に対して合計金額について現金決済処理を実行するようにリクエストする。
【0090】
〔プログラムの提供〕
釣銭機100、プリンタ200、及び集計装置300で実行される情報処理を実行するための制御プログラムは、ROMやその他の不揮発性記憶媒体に予め組み込まれて提供される。
釣銭機100、プリンタ200、集計装置300で実行される情報処理を実行するための制御プログラムは、ROMやその他の不揮発性記憶媒体に予め組み込まれて提供される。また、釣銭機100、プリンタ200、集計装置300で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体(例えば、CD-ROM)に記録し提供することも可能である。
また、釣銭機100、プリンタ200、集計装置300で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供または配布するように構成してもよい。
【0091】
〔効果〕
本実施形態によれば、POSシステムから出力されるレシート用データから、必要な取引情報を抽出するので、各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせた複雑な開発を必要とせず、POSシステムから売上に係る各種の情報を取得し、これを活用することが可能となる。また、取引情報を利用して店舗内の売上や現金運用を管理するシステムを、POSシステムから独立したシステムとして構築できる。
本実施形態によれば、POSシステムとの間にプリンタを配置し、釣銭機とを切り離したことにより、釣銭機の運用がPOSシステムに支配されず、釣銭機の機能を有効活用できる。また、店舗内のシステムに不具合が発生した場合には、発生した不具合がPOSシステムに起因するものか、釣銭機に起因するものかを明確に切り分けて対応できるようになる。
【0092】
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、POSシステム50と通信可能に接続された店舗資金管理システム1であって、POSシステムから、取引のレシートを印字するためのレシート用データ510を取得するレシート用データ取得手段(データ抽出部224)と、レシート用データから取引に係る取引情報を抽出する情報抽出手段(データ抽出部224)と、取引を識別する取引識別情報(取引ID)と取引情報とを関連付けて管理する資金管理手段(テーブル管理部226)と、を備えることを特徴とする。
【0093】
POSシステムを構成するPOSレジスタ52は、取引内容の詳細が示されたレシートを作成するためのレシート用データを出力する。レシート用データには、POSレジスタを識別するレジNo.(レジスタ識別情報)、購入した商品の商品名・価格・購入点数、商品代金の合計、税金額を含めた請求金額の合計(レシートの合計金額)、決済方法に係る情報等が含まれる。
資金管理に必要な情報がレシート用データに含まれる場合に、POSシステムとの接続環境を各POSシステムに対応させて開発して必要な情報をPOSシステムから取得するよりは、レシート用データから必要な情報を抽出する方が容易である。
本態様によれば、POSシステムから出力されるレシート用データから、必要な取引情報(レシートの合計金額等)を抽出するので、各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせた複雑な開発を必要とせず、POSシステムから売上に係る各種の情報を取得し、これを活用することが可能となる。また、取引情報を利用して店舗内の売上や現金運用を管理するシステムを、POSシステムから独立したシステムとして拡張して構築できる。
【0094】
<第二の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1において、情報抽出手段(データ抽出部224)は、取引情報としてレシート用データ510から決済種別に係る情報(決済種別情報518)を抽出し、資金管理手段(テーブル管理部226)は、取引識別情報(取引ID)と決済種別とを関連付けて管理することを特徴とする。
ここで、決済種別に係る情報とは、現金決済と電子決済の別、電子決済の場合はその種類、に係る情報のことである。
本態様によれば、各決済手段における取引の内容をレシート用データから取得できるので、各決済手段による取引の内容を即日に確認可能となる。また、各決済手段による売上情報を警備会社システムと連携することが可能となり、警備会社は各決済手段による売上金を早期に立て替えて、店舗が指定する銀行口座に送金することが可能となる。従って、店舗は運転資金を早期に取得できる。
【0095】
<第三の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1において、情報抽出手段(データ抽出部224)は、取引情報としてレシート用データ510から取引金額に係る情報を抽出し、資金管理手段(テーブル管理部226)は、取引識別情報(取引ID)と取引金額に係る情報(金額情報517)とを関連付けて管理することを特徴とする。
本態様によれば、取引金額に係る情報をレシート用データから取得できるので、全ての取引における取引金額(即ち、売上金の総額)をリアルタイムに確認可能となり、店舗内現金管理が可能となる。
【0096】
<第四の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1において、情報抽出手段(データ抽出部224)は、レシート用データ510から決済種別に係る情報(決済種別情報518)と取引金額に係る情報(金額情報517)とを抽出し、抽出された決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機100に対して、取引金額について現金決済処理を実行するようにリクエストする釣銭機データ処理手段(釣銭機データ処理部225)を備えることを特徴とする。
本態様によれば、釣銭機について、各POSシステムのソフトウェア仕様に合わせて動作させるための複雑な開発を必要とせず、レシート用データに基づいて釣銭機を動作させることができる。
【0097】
<第五の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1は、決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機100から、現金決済の結果に係る情報として、顧客から預かった預かり金の内訳情報と顧客に返却した釣銭の内訳情報とを取得する釣銭機情報取得手段(釣銭機データ処理部225)を備え、資金管理手段(テーブル管理部226)は、取引識別情報(取引ID)に対して、預かり金の内訳情報と釣銭の内訳情報とを関連付けて管理することを特徴とする。
本態様によれば、現金取引が発生するごとの店舗内金銭の金種別の入出金状況をリアルタイムに管理できる。
【0098】
<第六の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1は、釣銭機100から該釣銭機内に存在する金銭を回収する回収処理が実行される際に、回収される金銭の内訳を回収金銭情報として釣銭機から取得する回収金銭情報取得手段(データ処理部324)と、釣銭機に釣銭準備金が補充される補充処理が実行される際に、補充される釣銭準備金の内訳を補充金銭情報として釣銭機から取得する補充金銭情報取得手段(データ処理部324)と、各回収金銭情報と各補充金銭情報とに対して夫々を識別する処理識別情報(処理ID)を関連付けて管理する金銭運用管理手段(データ処理部324)と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、POSシステムの支配を受けることなく、釣銭機の運用を管理でき、店舗内の現金管理が可能となる。
【0099】
<第七の実施態様>
本態様に係る店舗資金管理システム1は、決済種別が現金決済である場合に、金銭を取り扱う釣銭機100から現金決済の結果に係る情報として、顧客から預かった預かり金の総額情報と顧客に返却した釣銭の総額情報とを取得する釣銭機情報処理手段(釣銭機データ処理部225)と、決済種別が電子決済である場合にはレシート用データ511に基づいてレシート531の印字データを生成し、決済種別が現金決済である場合にはレシート用データ512と預かり金の総額情報(預かり金情報521)と釣銭の総額情報(釣銭額情報522)とに基づいてレシート532の印字データを生成する印字データ生成手段(印字データ生成部227)と、を備えることを特徴とする。
本態様においては、電子決済される場合にはPOSシステムから取得したレシート用データに基づきレシートを印字し、現金決済される場合にはレシート用データと釣銭機から取得したデータとに基づいてレシートを印字する。
【0100】
<第八の実施態様>
本態様は、POSシステム50と通信可能に接続された店舗資金管理システム1における資金管理方法であって、POSシステムから、取引のレシートを印字するためのレシート用データ510を取得するレシート用データ取得ステップ(ステップS103)と、レシート用データから取引に係るの取引情報を抽出する情報抽出ステップ(ステップS103)と、取引を識別する取引識別情報(取引ID)と取引情報とを関連付けて管理する資金管理ステップ(ステップS103)と、を実行することを特徴とする
本態様によれば、第一の実施態様と同様の効果を奏する。
【0101】
<第九の実施態様>
本態様に係るプログラムは、コンピュータに、第九の実施態様に記載の資金管理方法を実行させることを特徴とする。
本態様によれば、第一の実施態様と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0102】
1…店舗資金管理システム、10…店舗、11…金庫、12…釣銭機、13…入金機、14…POSシステム、15…決済端末、20…警備会社、21…サーバ、30…電子決済代行会社、31…サーバ、41…銀行口座、50…POSシステム、51…ストアコントローラ、52…POSレジスタ、100…釣銭機、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…二次記憶装置、105…釣銭機構I/F、106…釣銭機構、107…入力I/F、108…入力デバイス、109…出力I/F、110…表示装置、111…プリンタI/F、112…外部I/F、113…バス、121…プリンタI/F部、122…外部I/F部、123…入出金データ処理部(有高算出手段)、124…釣銭機構制御部、125…計数判定部、126…取引演算処理部、127…表示制御部、128…入力受付部、129…記憶部、200…プリンタ、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…二次記憶装置、205…印字機構I/F、206…印字機構、207…POS・I/F、208…釣銭機I/F、209…外部I/F、210…バス、221…POS・I/F部、222…釣銭機I/F部、223…外部I/F部、224…データ抽出部(レシート用データ取得手段、情報抽出手段)、225…釣銭機データ処理部(釣銭機データ処理手段、釣銭機情報取得手段)、226…テーブル管理部(資金管理手段、取引管理手段、運用管理手段)、227…印字データ生成部、228…印字機構制御部、229…記憶部、230…入力受付部、300…集計装置、301…CPU、302…ROM、303…RAM、304…二次記憶装置、305…入力I/F、306…入力デバイス、307…出力I/F、308…表示装置、309…プリンタI/F、310…ネットワークI/F、311…入金機I/F、312…バス、321…プリンタI/F部、322…ネットワークI/F部、323…入金機I/F部、324…データ処理部(回収金銭情報取得手段、補充金銭情報取得手段、処理識別情報付与手段、金銭運用管理手段)、325…表示制御部、326…入力受付部、327…記憶部、401…資金管理サーバ、402…本部端末、510~512…レシート用データ、516…内訳情報、517…金額情報、518…決済種別情報、520…現金決済データ、521…預かり金情報、522…釣銭額情報、530~532…レシート、536…第一の印字データ、537…第二の印字データ
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