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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025461
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】制御システムおよび端末器
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20230215BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20230215BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20230215BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/18
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130722
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 忠司
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA28
3K273QA39
3K273RA16
3K273SA04
3K273SA35
3K273SA42
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上できる制御システムおよび端末器を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る制御システムは、負荷と電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第1リレーと、前記負荷と前記電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第2リレーと、コントローラと、前記コントローラからの伝送信号に応じて、前記第1リレーまたは前記第2リレーを制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1リレーの開閉回数が予め定められた第1限度値以下のとき前記伝送信号に応じて前記第1リレーを開閉させ、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えると、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷と電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第1リレーと、
前記負荷と前記電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第2リレーと、
コントローラと、
前記コントローラからの伝送信号に応じて、前記第1リレーまたは前記第2リレーを制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記第1リレーの開閉回数が予め定められた第1限度値以下のとき前記伝送信号に応じて前記第1リレーを開閉させ、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えると、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替えることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記負荷は、前記電源の第1端子と第1配線で接続され、前記電源の第2端子と第2配線で接続され、
前記第1リレーと前記第2リレーは、共に前記第1配線上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第2リレーの開閉回数が予め定められた第2限度値を超えると、前記伝送信号を受信しても前記第1リレーと前記第2リレーを開閉させないことを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
表示部を備え、
前記制御回路は、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えたことを前記表示部により外部に通知することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
表示部を備え、
前記制御回路は、前記第2リレーの開閉回数が予め定められた第2限度値を超えたことを前記表示部により外部に通知することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記負荷は照明器具であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
照度センサを備え、
前記制御回路は、前記照明器具への給電を遮断するように前記第1リレーを制御した状態で、前記照明器具が点灯状態であることを前記照度センサが検出した場合、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替えることを特徴とする請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
負荷と電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第1リレーと、
前記負荷と前記電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第2リレーと、
前記第1リレーの開閉回数が予め定められた第1限度値以下のときコントローラからの伝送信号に応じて前記第1リレーを開閉させ、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えると、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替える制御回路と、
を備えることを特徴とする端末器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システムおよび端末器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リレーである開閉部により照明器具を消灯状態または点灯状態とする照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4273282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなリレー開閉器は、機械的にスイッチの切り離しを行うことによって、給電状態、遮断状態を切り替える。このため、切り替え時にリレー接点間でアークが発生するおそれがあった。このアークにより、リレー接点が磨耗してリレー開閉器が過熱状態となり、リレー開閉器の寿命が短くなる可能性がある。また、リレー開閉器が焼損する可能性があった。特にリレー開閉器を連続動作させた場合に、リレー開閉器が過熱状態となり易くなる。
【0005】
一方で、アークによる磨耗が生じ難いリレー接点を用いたリレー開閉器が存在する。しかし、このようなリレー開閉器は一般に高価である。このため、2つのリレー開閉器の一方のみに、アーク対策が施された高価なリレー開閉器を用いることがある。しかしながら、一般的なリレー開閉器もアーク対策が施されたリレー開閉器も、リレー接点の開閉速度は一般にほぼ同じである。また、リレー接点の動作は機械的な動作である。このため、リレー開閉器の開閉速度には一般にばらつきが多い。よって、2つのリレー開閉器を同時にオフにしようとしても、どちらのリレー開閉器のリレー接点が先に断状態になるかは特定し難いことが想定される。このとき、高価なリレー開閉器よりも一般的なリレー開閉器が先に断状態になると、上述の課題が解決せず、リレー開閉器が過熱状態となるおそれがあった。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、信頼性を向上できる制御システムおよび端末器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る制御システムは、負荷と電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第1リレーと、前記負荷と前記電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第2リレーと、コントローラと、前記コントローラからの伝送信号に応じて、前記第1リレーまたは前記第2リレーを制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1リレーの開閉回数が予め定められた第1限度値以下のとき前記伝送信号に応じて前記第1リレーを開閉させ、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えると、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替える。
【0008】
本開示に係る端末器は、負荷と電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第1リレーと、前記負荷と前記電源との間に接続され、開閉によって前記電源から前記負荷への給電の有無を切り替える第2リレーと、前記第1リレーの開閉回数が予め定められた第1限度値以下のときコントローラからの伝送信号に応じて前記第1リレーを開閉させ、前記第1リレーの開閉回数が前記第1限度値を超えると、前記伝送信号に応じて開閉させるリレーを前記第1リレーから前記第2リレーに切り替える制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る制御システムおよび端末器では、第1リレーの開閉回数が第1限度値を超えると、開閉するリレーが第1リレーから第2リレーに切り替わる。従って、信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る片切の端末器を備えた照明制御システムのブロック図である。
図2】実施の形態1に係る両切の端末器を備えた照明制御システムのブロック図である。
図3】実施の形態1に係る端末器の斜視図である。
図4】実施の形態1に係る端末器の平面図である。
図5】片切の端末器の接続状態を説明する図である。
図6】両切の端末器の接続状態を説明する図である。
図7】実施の形態1に係る片切の端末器の内部の構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態1に係る両切の端末器の内部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係る制御システムおよび端末器について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る片切の端末器83を備えた照明制御システム100のブロック図である。図2は、実施の形態1に係る両切の端末器84を備えた照明制御システム200のブロック図である。照明制御システム100、200は、管理PC90と、管理装置81と、照明コントローラ82と、片切の端末器83または両切の端末器84と、照度センサ86と、複数台の照明器具85とを備える。
【0013】
照度センサ86は調光コントローラとも呼ばれる。管理装置81は、例えばマイクロコンピュータから構成される。管理装置81は、照明コントローラ82からの情報により、照明制御システム全体の状態監視および設定を行う。照明制御システム100、200のユーザーインターフェースとして、管理PC90が設けられる。
【0014】
照明コントローラ82は、通信線8を介して、端末器83または端末器84、照度センサ86、図示しない壁スイッチ、各種センサ等と通信を行う。照明コントローラ82が送信および受信する伝送信号には、アドレスデータおよび制御データが含まれる。管理PC90、管理装置81および照明コントローラ82は、有線または無線の通信網であるLAN(Local Area Network)1で接続されている。
【0015】
端末器83、84は、制御システム用端末器であり、リレー端末器またはリレー内蔵端末器とも呼ばれる。照明コントローラ82に対して、端末器83は1台、端末器84は2台並列に接続されている。各照明制御システムに設けられる端末器の数は1台以上であれば良い。
【0016】
端末器83、84には、照明器具85が接続されている。負荷である照明器具85は、電源10の第1端子と第1配線10aで接続され、電源10の第2端子と第2配線10bで接続される。電源10は例えば交流100~250Vの負荷用電源である。
【0017】
照明制御システム100において、片切の端末器83は第1配線10a側に接続されている。第2配線10bは照明器具85に接続される。端末器83は、内蔵するリレーによって、第1配線10aの導通、遮断を切り替え、照明器具85をオン、オフさせる。
【0018】
照明制御システム200において、両切の端末器84は、第1配線10aおよび第2配線10bに接続される。端末器84は、内蔵するリレーによって、第1配線10aおよび第2配線10bの導通、遮断を切り替え、照明器具85をオン、オフさせる。
【0019】
照度センサ86は、照明器具85に隣接して設置されている。照度センサ86は、照明器具85からの光4aの床面反射光4bを検出する。これにより照度センサ86は、照明器具85周辺の明るさのレベルを検出する。照度センサ86が検出した情報は、照明コントローラ82に伝えられる。これにより、照明コントローラ82は、照明器具85が点灯しているか消灯しているか判別できる。
【0020】
各々の端末器83、84には、固有のアドレスが割り当てられ、設定されている。端末器83、84は設定されたアドレスにより識別される。端末器83、84は、通信線8を介して照明コントローラ82が発信する伝送信号を受信する。端末器83、84は、後述するようにマイコン63を有する。マイコン63は、伝送信号に含まれるアドレスデータと端末器に設定された固有アドレスとを比較する。マイコン63が、伝送信号のアドレスデータと自身に設定された固有アドレスとが一致したと判別した場合、端末器は伝送信号に含まれる制御データに応じてリレーを制御する。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る端末器83、84の斜視図である。図4は、実施の形態1に係る端末器83、84の平面図である。端末器83、84は上ケース71と下ケース72を備える。上ケース71と下ケース72は、基板を収納するケースである。基板は、例えば、制御基板と主基板を含む。制御基板は、伝送信号が入力される低電圧基板である。制御基板には他の機器との通信およびリレーの制御のための回路が形成される。主基板には、複数のリレーが設けられる。
【0022】
上ケース71は、通信線8および負荷を接続するための端子金具75a、75bを保持する。端末器83、84は、それぞれ端子金具75aを4個備える。また、端末器83、84は、それぞれ端子金具75bを8個備える。端子金具75aは、上ケース71の長手方向の一方の端部に並ぶ。端子金具75bは、上ケース71の長手方向の他方の端部に並ぶ。
【0023】
端子金具75aは端末器83、84の入力端子に相当する。端末器83、84は、照明コントローラ82からの伝送信号を、端子金具75aを介して受信する。端子金具75bは、端末器83、84が有するリレーの出力端子に相当する。端子金具75bには、電源10と負荷が直列に接続される。端子金具75bには高電圧が印加される。安全性を確保するため、端子金具75bは保護カバー76で覆われる。
【0024】
上ケース71は、長手方向の中央部に上面部73を備える。上面部73には、図示しない名板が貼付される。上ケース71において、上面部73と端子金具75aに挟まれる箇所に凹部が形成される。凹部には操作面74が設けられる。操作面74からは、アドレス設定部77のスイッチ操作部が突出する。スイッチ操作部はディップスイッチである。制御基板に設けられたアドレス設定部77を設定することにより、端末器83、84に固有アドレスを設定できる。
【0025】
図5は、片切の端末器83の接続状態を説明する図である。なお、図5において、後述する予備リレーは省略されている。端末器83は、通信線8と接続される端子を2個備える。また、端末器83は、負荷側の端子51~58を備える。端末器83は、片切りの回路を4つ備えている。端末器83には負荷11、13、15、17が接続される。負荷11、13、15、17は例えば照明器具85である。端末器83は、負荷11、13、15、17への出力を独立に制御できる。
【0026】
端末器83の通信線8用の端子には、渡り配線で通信線8が接続される。また、負荷側の端子51は負荷11の一方の端子に接続され、端子52は第1配線10aに接続される。負荷11の他方の端子は第2配線10bに接続される。端子51は負荷11の一方の端子に電力を供給する端子である。また、端子52は電源10の第1配線10aから電力の供給を受ける端子である。
【0027】
同様に、端子53は負荷13の一方の端子に接続され、端子54は第1配線10aに接続される。負荷13の他方の端子は第2配線10bに接続される。端子55は負荷15の一方の端子に接続され、端子56は第1配線10aに接続される。負荷15の他方の端子は第2配線10bに接続される。端子57は負荷17の一方の端子に接続され、端子58は第1配線10aに接続される。負荷17の他方の端子は第2配線10bに接続される。
【0028】
端子51と端子52間には、リレー41が設けられる。端子53と端子54間には、リレー42が設けられる。端子55と端子56間には、リレー43が設けられる。端子57と端子58間には、リレー44が設けられる。リレー41~44は独立して開閉する。リレー41~44は機械式リレーである。リレー41~リレー44の各々は、負荷11、13、15、17側に設けられた接点と、接点を開閉するためのコイルを備える。コイルが通電されると接点が閉じる。コイルへの通電が遮断されると接点が開く。
【0029】
図6は、両切の端末器84の接続状態を説明する図である。なお、図6において、後述する予備リレーは省略されている。端末器84は、通信線8と接続される端子を2個備える。また、端末器84は、負荷側の端子31~38を備える。端末器84は、両切りの回路を2つ備えている。端末器84には負荷12、14が接続される。負荷12、14は例えば照明器具85である。端末器84は、負荷12、14への出力を独立に制御できる。
【0030】
端末器84の通信線8用の端子には、渡り配線で通信線8が接続される。また、負荷側の端子31は負荷12の一方の端子に接続され、端子33は負荷12の他方の端子に接続される。端子31は負荷12の一方の端子に電力を供給する端子である。端子33は負荷12の他方の端子に電力を供給する端子である。同様に、端子35は負荷14の一方の端子に接続され、端子37は負荷14の他方の端子に接続される。
【0031】
端子32、36は第1配線10aに接続され、端子34、38は第2配線10bに接続される。端子32、36は、電源10の第1配線10aから電力の供給を受ける端子である。端子34、38は、電源10の第2配線10bから電力の供給を受ける端子である。
【0032】
端子31と端子32間には、リレー21が設けられる。端子33と端子34間には、リレー22が設けられる。端子35と端子36間には、リレー23が設けられる。端子37と端子38間には、リレー24が設けられる。リレー21、22は連動して開閉する。リレー23、24は連動して開閉する。リレー21~24は機械式リレーである。リレー21~24は、負荷12、14側に設けられた接点と、接点を開閉するためのコイルを備える。コイルが通電されると、接点が閉じる。コイルへの通電が遮断されると、接点が開く。
【0033】
図7は、実施の形態1に係る片切の端末器83の内部の構成を示すブロック図である。図7では照明コントローラ82に2つの端末器83が接続される例が示されている。また、図7では便宜上、負荷11、13、15、17のうち負荷11、13のみが示され、リレー41~44のうちリレー41、42のみが示されている。
【0034】
端末器83は、負荷11と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷11への給電の有無を切り替えるリレー41を備える。端末器83は、負荷13と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷13への給電の有無を切り替えるリレー42を備える。また、端末器83は、負荷11と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷11への給電の有無を切り替える予備リレー141を備える。また、端末器83は、負荷13と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷13への給電の有無を切り替える予備リレー142を備える。
【0035】
リレー41と予備リレー141は、共に第1配線10a上に設けられる。リレー42と予備リレー142は、共に第1配線10a上に設けられる。
【0036】
図示はしないが、リレー43、44にも、それぞれ対応する予備リレーが設けられる。以下ではリレー41、42および予備リレー141、142の制御について説明するが、リレー43、44およびその予備リレーの制御についても同様である。
【0037】
端末器83は、制御回路として、通信給電回路60、DC/DC回路61、マイコン63および駆動回路64~67を備える。通信給電回路60は、照明コントローラ82から通信線8を介して電力の供給を受け、リレー41、42および予備リレー141、142を駆動させる電力を生成する。また、通信給電回路60は、伝送信号の制御データをマイコン63に伝える。
【0038】
DC/DC回路61は、通信給電回路60から供給された電圧を降圧し、マイコン63の動作電圧を生成する。マイコン63は、照明コントローラ82が発信する伝送信号を通信給電回路60経由で受信し、駆動回路64~67に、リレー41、42および予備リレー141、142を制御するための制御信号を送信する。このように、本実施の形態の制御回路は、照明コントローラ82からの伝送信号に応じて、リレー41、42または予備リレー141、142を制御する。
【0039】
マイコン63は、プロセッサとメモリを有する。メモリは例えば不揮発性メモリである。マイコン63は、照明コントローラ82が発信する伝送信号を受信した回数をメモリに一定時間ごとに記憶する。伝送信号を受信した回数は、リレーを開閉した回数に対応する。さらに、マイコン63のメモリには、リレー41、42の開閉回数の予め定められた第1限度値が設定されている。第1限度値の設定は、例えば管理PC90から行う。第1限度値は、リレー41、42について別の値であっても良い。
【0040】
端末器83は表示部を備える。表示部は例えばLED62である。LED62は、端末器83の状態をマイコン63からの信号に応じて表示する。LED62は、例えばリレー41、42または予備リレー141、142の接点が閉状態の場合に点灯する。
【0041】
駆動回路64~67は、マイコン63からの制御信号に応じて、リレー41、42または予備リレー141、142を開閉させる。リレー41、42または予備リレー141、142を動作させる事により、負荷11、13を点灯または消灯させることができる。
【0042】
マイコン63は、リレー41の開閉回数が第1限度値以下のとき、伝送信号に応じてリレー41を開閉させる。マイコン63は、リレー41の開閉回数が第1限度値を超えると、伝送信号に応じて開閉させるリレーを、リレー41から予備リレー141に切り替える。つまり、リレー41の開閉回数が第1限度値以下の時、伝送信号に応じてリレー41が開閉し予備リレー141は開閉しない。また、リレー41の開閉回数が第1限度値を超えると、伝送信号に応じて予備リレー141が開閉しリレー41は開閉しない。リレー42、予備リレー142についても同様である。
【0043】
また、マイコン63は、制御するリレーが切り替わったことをLED62に表示させる。つまりマイコン63は、リレー41またはリレー42の開閉回数が第1限度値を超えたことをLED62により外部に通知する。
【0044】
図8は、実施の形態1に係る両切の端末器84の内部の構成を示すブロック図である。図8は、端末器83が端末器84に置き換わった点が図7と異なる。図8では便宜上、負荷12、14のうち負荷12のみが示され、リレー21~24のうちリレー21、22のみが示されている。
【0045】
端末器84は、負荷12と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷12への給電の有無を切り替えるリレー21、22を備える。また、端末器84は、負荷12と電源10との間に接続され、開閉によって電源10から負荷12への給電の有無を切り替える予備リレー121、122を備える。リレー21と予備リレー121は、共に第1配線10a上に設けられる。リレー22と予備リレー122は、共に第2配線10b上に設けられる。
【0046】
図示はしないが、リレー23、24にも、それぞれ対応する予備リレーが設けられる。以下ではリレー21、22および予備リレー121、122の制御について説明するが、リレー23、24およびその予備リレーの制御についても同様である。
【0047】
通信給電回路60、DC/DC回路61、LED62、マイコン63および駆動回路64~67の動作については、端末器83と同様である。マイコン63のメモリには、リレー21、22の開閉回数の予め定められた第1限度値が設定されている。第1限度値は、リレー21、22と、リレー23、24とで別の値であっても良い。
【0048】
マイコン63は、リレー21、22の開閉回数が第1限度値以下のとき、伝送信号に応じてリレー21、22を開閉させる。マイコン63は、リレー21、22の開閉回数が第1限度値を超えると、伝送信号に応じて開閉させるリレーをリレー21、22から予備リレー121、122に切り替える。
【0049】
一般に、端末器のリレーの故障は接点の溶着による。接点が溶着すると、接点が導通状態に維持される。両切の端末器では、一端側のリレーが故障しても、他端側のリレーが正常に閉開していると、端末器に接続されている照明器具が正常に点灯および消灯する。このため、使用者はリレーの故障に気がつかず、故障したリレーを継続して使用するおそれがあるまた、片切の端末器の場合、リレーが故障すると照明器具は消灯せず点灯したままになる。このため、リレーが継続して使用されることが想定される。リレーが故障した状態での継続した使用により、リレーの接点劣化が更に悪化して、リレー接点の過熱状態が継続するおそれがある。
【0050】
これに対し本実施の形態では、リレーの開閉回数が第1限度値を超えると、開閉するリレーが予備リレーに切り替わる。これにより、リレー21、22、41、42が接点の損傷による劣化等で故障することを抑制できる。つまり、故障前にリレーを予備リレーに切り替えることができる。従って、信頼性を向上できる。また、本実施の形態によれば、リレーの故障による照明器具のオンオフ動作の不具合を回避できるとともに、端末器83、84の故障交換の作業を回避できる。
【0051】
また、本実施の形態では、アーク対策が施された高価なリレーを使用せず、安価なリレーを用いた場合にも、リレー故障による不具合を回避できる。従って、安価で信頼性の高い照明制御システムが得られる。
【0052】
マイコン63のメモリには、予め定められた第2限度値が設定されていても良い。マイコン63は、予備リレー141の開閉回数が予め定められた第2限度値を超えると、伝送信号を受信してもリレー41と予備リレー141を開閉させないものとしても良い。また、マイコン63は、予備リレー141の開閉回数が第2限度値を超えたことをLED62により外部に通知しても良い。
【0053】
これにより、予備リレー141の故障前にリレー制御を停止して、端末器83、84が不具合状態で動作することを抑制できる。また、使用者に製品交換を促すことができる。ここでは、予備リレー141について説明したが、予備リレー142、121、122について第2限度値が設定されても良い。第1限度値および第2限度値は、例えばリレーおよび予備リレーの定格に合わせて設定される。
【0054】
また、マイコン63は、照明器具85への給電を遮断するようにリレー41を制御した状態で、照明器具85が点灯状態であることを照度センサ86が検出した場合、伝送信号に応じて開閉させるリレーをリレー41から予備リレー141に切り替えても良い。ここでは、リレー41について説明したが、リレー42、21、22について同様の制御が行われても良い。このような制御によれば、リレーの故障を検出してリレーを切り替えることができる。
【0055】
同様に、マイコン63は、照明器具85への給電を遮断するように予備リレー141を制御した状態で、照明器具85が点灯状態であることを照度センサ86が検出した場合、予備リレー141の開閉を停止させても良い。つまり、マイコン63は伝送信号を受信してもリレー41と予備リレー141を開閉させないものとしても良い。ここでは、予備リレー141について説明したが、予備リレー142、121、122について同様の制御が行われても良い。
【0056】
本実施の形態では端末器83、84はリレーを有する。つまり、端末器とリレーが一体化されている。これに限らず、端末器とリレーは別個に設けられても良い。また、電源10は交流電源に限らず直流電源でも良い。
【0057】
本実施の形態のリレーおよび予備リレーは、ラッチングリレーであっても良い。ラッチングリレーは、セットコイルへの電圧印加で接点が閉じる。ラッチングリレーは、セットコイルへの電圧印加が無くなっても接点の閉状態を保持する。また、セットコイルへの逆方向への電圧印加、つまりリセットコイルへの電圧印加により接点が開く。
【0058】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0059】
4a 光、4b 床面反射光、8 通信線、10 電源、10a 第1配線、10b 第2配線、11、12、13、14、15、17 負荷、21~24 リレー、31~38 端子、41~44 リレー、51~58 端子、60 通信給電回路、61 DC/DC回路、63 マイコン、64~67 駆動回路、71 上ケース、72 下ケース、73 上面部、74 操作面、75a、75b 端子金具、76 保護カバー、77 アドレス設定部、81 管理装置、82 照明コントローラ、83、84 端末器、85 照明器具、86 照度センサ、100 照明制御システム、121、122 予備リレー、141、142 予備リレー、200 照明制御システム、90 管理PC
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