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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025517
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】シャッター収納部の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130812
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正博
(57)【要約】
【課題】シャッター収納部に上げ下げ代のためのスペースが不要となり、シャッター収納部を設置しやすくできるシャッター収納部の取付構造を提供する。
【解決手段】シャッターカーテンを巻回自在に収納するシャッター収納部15を建物の外壁17に固定するシャッター収納部の取付構造であって、外壁17表面に左右一対となって固定され、それぞれ屈曲部56を有する係止爪55と、シャッター収納部15の外壁17に対向する背板部47に形成され係止爪55が挿入される一対の進入穴部57と、を備え、係止爪55は、進入穴部57に挿入されてシャッター収納部15が外壁17に沿う水平方向にスライドされることにより、屈曲部56が進入穴部57の一部に形成される係止部65に配置されて、屈曲部56にて係止部65を支持する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンを巻回自在に収納するシャッター収納部を建物の外壁に固定するシャッター収納部の取付構造であって、
前記外壁の表面に少なくとも左右一対となって固定され、それぞれ屈曲部を有する係止爪と、
前記シャッター収納部の前記外壁に対向する背板部に形成され、前記係止爪が挿入される少なくとも一対の進入穴部と、
を備え、
前記係止爪は、前記進入穴部に挿入されて前記シャッター収納部が前記外壁に沿う水平方向にスライドされることにより、前記屈曲部が前記進入穴部の一部に形成される係止部に配置されて、前記屈曲部にて前記係止部を支持することを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記係止爪は、上向きに突出して形成され、
前記進入穴部には、一方の辺部の下端から前記進入穴部から離反する水平方向に連通し前記背板部に形成される爪受入溝を具備しており、
前記係止爪は、前記進入穴部に挿入されて前記シャッター収納部が前記外壁に沿う水平方向にスライドされることにより前記爪受入溝に前記屈曲部が配置されて、前記辺部に連接され前記爪受入溝の上縁に形成される係止部を支持することを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記背板部には前記係止部を挟む左右両側に前記進入穴部が形成され、左右両側の前記進入穴部は、前記爪受入溝により連結されていることを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記シャッター収納部には前記背板部に直交する側板部が設けられ、
前記側板部は、外方より前記係止爪が視認可能となる確認穴を備えることを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【請求項5】
請求項4に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記シャッター収納部には、前記確認穴とともに前記側板部を覆う化粧カバーが取り付けられることを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記係止爪が設けられ前記外壁に固定される基板を具備しており、
前記シャッター収納部からは前記シャッター収納部に収容された電装部品に導通するケーブルが導出され、
前記基板には前記外壁に穿設される導入穴に連通し前記ケーブルを挿通する貫通穴が穿設され、
前記貫通穴は、挿通した前記ケーブルと貫通穴内周との間に配置されて前記ケーブルを貫通穴中央部に支持するとともに前記貫通穴内周と前記ケーブルとの間の隙間を狭めるパッキンを備えることを特徴とするシャッター収納部の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター収納部の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば建物の窓部などの開口部を覆うシャッター装置として窓シヤッターが知られている。特許文献1に開示されるシャッターボックス付きサッシは、シャッターボックスの屋内側面を、建屋開口部に固定した取付金具の係止片に係止する。特許文献2に開示されるシャッター装置の取付け構造は、柱の間に設けた基枠に固定される支持部材に被掛止部を形成し、この被掛止部に、収納ケースの背部に形成した掛止部を掛止する。特許文献3に開示される後付けシャッターの取付構造は、外壁材に固定される垂直プレート片から上方へ延出した爪片に、シャッターボックスの背面側の上端部を引っ掛け、この垂直プレート片の下支え片に挿通したビスを、シャッターボックスにねじ込んで本固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-88453号公報
【特許文献2】特開2006-283328号公報
【特許文献3】特開2010-101089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シャッター収納部の取り付けは、先に、取付金具を建物の外壁に取り付けて、その取付金具にシャッター収納部を引っ掛けて仮固定した後、ビス等で本固定するのが一般的であるが、取付金具に引っ掛ける際に上げ下げを行うため、シャッター収納部の上方に上げ下げ分のスペース(上げ下げ代)が必要となり、納まり上の制約が増える問題があった。シャッター収納部の取付位置は、建物の外壁であることから、取付位置の上方に軒や庇などが近接していると、上へ持ち上げるスペースがなく、取付施工が不可能という不具合が発生した。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、シャッター収納部に上げ下げ代のためのスペースが不要となり、シャッター収納部を外壁へ設置しやすくできるシャッター収納部の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のシャッター収納部の取付構造は、シャッターカーテン13を巻回自在に収納するシャッター収納部15を建物の外壁17に固定するシャッター収納部の取付構造であって、
前記外壁17の表面に少なくとも左右一対となって固定され、それぞれ屈曲部56を有する係止爪55と、
前記シャッター収納部15の前記外壁17に対向する背板部47に形成され、前記係止爪55が挿入される少なくとも一対の進入穴部57と、
を備え、
前記係止爪55は、前記進入穴部57に挿入されて前記シャッター収納部15が前記外壁17に沿う水平方向にスライドされることにより、前記屈曲部56が前記進入穴部57の一部に形成される係止部65に配置されて、前記屈曲部56にて前記係止部65を支持することを特徴とする。
【0007】
このシャッター収納部の取付構造では、建物の外壁17に、左右一対の基板45が固定され、それぞれの基板45には、表面に、屈曲部56を有する係止爪55が設けられている。シャッター収納部15には、係止爪55が挿入される少なくとも一対の進入穴部57が背板部47に形成される。
進入穴部57には、その一部に係止部65が形成される。
シャッター収納部15は、外壁17に取り付ける際、先ず、外壁17に固定した左右一対の基板45に設けられる係止爪55に、背板部47の一対の進入穴部57を挿入する。シャッター収納部15は、係止爪55を背板部47の進入穴部57に挿入することで、屈曲部56を介して突出した係止爪55が、背板部47よりもシャッター収納部15の内側に配置される。
シャッター収納部15は、係止爪55が進入穴部57に挿入された状態で、外壁17に沿う水平方向にスライドされると、係止爪55の基端である屈曲部56が係止部65に配置される。つまり、係止爪55は、係止部65の裏側に係止し、背板部47が外壁17から離反する方向の移動を規制する。これにより、シャッター収納部15は、係止部65が係止爪55に係止して、外壁17への仮固定が完了する。
このシャッター収納部の取付構造では、外壁17に固定した基板45から突出する係止爪55に、シャッター収納部15の進入穴部57を、外壁17に垂直な方向、つまり外壁17の正面から挿入する。そして、進入穴部57に係止爪55を挿入したシャッター収納部15は、そのまま水平方向に移動して、係止爪55を係止部65に係止できる。つまり、シャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15を係止爪55に係止するために、シャッター収納部15を上げ下げする必要がなくなる。上方に持ち上げる必要がないので、軒や軒天井、庇が迫っているような場所であってもシャッター収納部15を取り付けることができる。
【0008】
本発明の請求項2記載のシャッター収納部の取付構造は、請求項1に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記係止爪55は、上向きに突出して形成され、
前記進入穴部57には、一方の辺部63の下端から前記進入穴部57から離反する水平方向に連通し前記背板部47に形成される爪受入溝61を具備しており、
前記係止爪55は、前記進入穴部57に挿入されて前記シャッター収納部15が前記外壁17に沿う水平方向にスライドされることにより前記爪受入溝61に前記屈曲部56が配置されて、前記辺部63に連接され前記爪受入溝61の上縁に形成される係止部65を支持することを特徴とする。
【0009】
このシャッター収納部の取付構造では、進入穴部57に、爪受入溝61が形成されている。爪受入溝61は、進入穴部57における一方の辺部63の下端から、進入穴部57から離反する水平方向に連通し背板部47を切り込んで形成されている。そして、進入穴部57の一方の辺部63に連接され爪受入溝61の上縁に形成される部分が係止部65となる。
シャッター収納部15は、外壁17に取り付ける際、先ず、外壁17に固定した左右一対の基板45に設けられる係止爪55に、背板部47の一対の進入穴部57を挿入する。シャッター収納部15は、係止爪55を背板部47の進入穴部57に挿入することで、上側に向かって突出した係止爪55が、背板部47よりもシャッター収納部15の内側に配置される。
シャッター収納部15は、係止爪55が進入穴部57に挿入された状態で、外壁17に沿う水平方向にスライドされると、係止爪55の基端である屈曲部56が爪受入溝61に入る。つまり、係止爪55は、屈曲部56が爪受入溝61に配置されることにより、係止部65の裏側に係止し、背板部47が外壁17から離反する方向の移動を規制する。これにより、シャッター収納部15は、係止部65が係止爪55に係止して、外壁17への仮固定が完了する。
このシャッター収納部の取付構造では、外壁17に固定した基板45から突出する係止爪55に、シャッター収納部15の進入穴部57を、外壁17に垂直な方向、つまり外壁17の正面から挿入する。そして、進入穴部57に係止爪55を挿入したシャッター収納部15は、そのまま水平方向に移動して、係止爪55を係止部65に係止できる。つまり、シャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15を係止爪55に係止するために、シャッター収納部15を上げ下げする必要がなくなる。上方に持ち上げる必要がないので、軒や軒天井、庇が迫っているような場所であってもシャッター収納部15を取り付けることができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のシャッター収納部の取付構造は、請求項2に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記背板部47には前記係止部65を挟む左右両側に前記進入穴部57が形成され、左右両側の前記進入穴部57は、前記爪受入溝61により連結されていることを特徴とする。
【0011】
このシャッター収納部の取付構造では、係止部65を挟む左右両側に、進入穴部57が設けられる。左右両側の進入穴部57は、爪受入溝61により連結されている。
このシャッター収納部15では、正面視で左側の進入穴部57に係止爪55を挿入した場合、シャッター収納部15が左側にスライドされ、係止爪55に係止部65が係止して、仮固定される。反対に、正面視で右側の進入穴部57に係止爪55を挿入した場合、シャッター収納部15が右側にスライドされ、係止爪55に係止部65が係止して、仮固定される。これにより、シャッター収納部の取付構造は、シャッター収納部15を左右どちらにスライドしても取り付けることができるようになる。
【0012】
本発明の請求項4記載のシャッター収納部の取付構造は、請求項1~3のいずれか1つに記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記シャッター収納部15には前記背板部47に直交する側板部33が設けられ、
前記側板部33は、外方より前記係止爪55が視認可能となる確認穴67を備えることを特徴とする。
【0013】
このシャッター収納部の取付構造では、係止爪55に進入穴部57を挿入して、シャッター収納部15をスライドし、係止爪55を係止部65に係止した仮固定状態を、側板部33に穿設した確認穴67を通して、側板部33の外側から視認することができる。
これにより、作業者は、係止部65が、係止爪55に係止しているか否かを目視で確認できる。そのため、不完全な仮係止状態となったまま本固定作業に移行することを防止できる。
【0014】
本発明の請求項5記載のシャッター収納部の取付構造は、請求項4に記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記シャッター収納部15には、前記確認穴67とともに前記側板部33を覆う化粧カバー35が取り付けられることを特徴とする。
【0015】
このシャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15の両側に設けられている側板部33に、化粧カバー35が取り付けられる。化粧カバー35は、側板部33を上方、正面、下方及び側方より覆うことにより、側板部33に穿設されている確認穴67も同時に覆い隠すことができる。
これにより、シャッター収納部の取付構造は、シャッター収納部15の見栄えを良くできる。これに加え、外部からシャッター収納部15の内部へ通じる確認穴67を覆うことができるので、確認穴67からの雨水等の浸入も防止できる。
【0016】
本発明の請求項6記載のシャッター収納部の取付構造は、請求項1~5のいずれか1つに記載のシャッター収納部の取付構造であって、
前記係止爪55が設けられ前記外壁17に固定される基板45を具備しており、
前記シャッター収納部15からは前記シャッター収納部15に収容された電装部品に導通するケーブル85が導出され、
前記基板45には前記外壁17に穿設される導入穴に連通し前記ケーブル85を挿通する貫通穴が穿設され、
前記貫通穴は、挿通した前記ケーブル85と貫通穴内周との間に配置されて前記ケーブル85を貫通穴中央部に支持するとともに前記貫通穴内周と前記ケーブル85との間の隙間を狭めるパッキン77を備えることを特徴とする。
【0017】
このシャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15から、ケーブル85が導出されている。ケーブル85は、シャッター収納部15に収容されている電装部品に導通接続されている。シャッター収納部15を外壁17に仮固定するための係止爪55を備えた基板45は、このケーブル85を挿通するための貫通穴を備える。
基板45は、貫通穴と、外壁17に穿設されたケーブル85の導入穴とが連通する位置となるよう外壁17に固定される。貫通穴は、ケーブル85を貫通穴中央部に支持するパッキン77を備える。パッキン77は、貫通穴内周とケーブル85との間の隙間を狭める複数の可撓片81を有する。パッキン77は、円環状のパッキン本体部79の内穴が、円周方向に近接する複数の扇形状の可撓片81によりほぼ塞がれている。それぞれの可撓片81は、放射方向のスリット83により独立して弾性変形可能となる。
パッキン77を通過したケーブル85は、可撓片81を弾性変形させることにより、スリット83に挟まれた状態で保持される。これにより、貫通穴に通されたケーブル85は、パッキン77により貫通穴中央部に支持され、かつ貫通穴内周との間の隙間が可撓片81によって狭められることになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項1記載のシャッター収納部の取付構造によれば、シャッター収納部に上げ下げ代のためのスペースが不要となり、すなわち、上方に持ち上げる必要がないので、軒や軒天井、庇が迫っているような場所であってもシャッター収納部を取り付けることができ、シャッター収納部を外壁へ設置しやすくできる。
【0019】
本発明に係る請求項2記載のシャッター収納部の取付構造によれば、シャッター収納部を水平方向にスライドさせることで係止爪が爪受入溝へ入り、この爪受入溝に屈曲部を配置できて、屈曲部が係止部を支持することが可能となり、係止部の裏側に係止し、背板部が外壁から離反する方向の移動を規制する。
【0020】
本発明に係る請求項3記載のシャッター収納部の取付構造によれば、シャッター収納部のいずれか一方の側板部に、壁など他の部材が近接してスライド不能である場合であっても、シャッター収納部をいずれか他方へスライドして、シャッター収納部を仮固定することができる。
【0021】
本発明に係る請求項4記載のシャッター収納部の取付構造によれば、係止爪と係止部の係止状態を確認穴を通して外部から視認でき、仮固定不良を防止して、施工の安全性を向上させることができる。
【0022】
本発明に係る請求項5記載のシャッター収納部の取付構造によれば、確認穴が覆われることにより、シャッター収納部の見栄えをよくできるとともに、防水性を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る請求項6記載のシャッター収納部の取付構造によれば、壁に穿設したケーブル用の導入穴の塞ぎ工事、例えばシーリング施工を省略でき、シャッター収納部の取付施工を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】シャッター収納部の取付構造を備える窓用シャッター装置の外観斜視図である。
図2】シャッター収納部の取付構造の分解斜視図である。
図3】基板と背板部との要部分解斜視図である。
図4】進入穴部と係止爪との係止過程を(a)~(c)で示した説明図である。
図5】側板部に設けられた確認穴を示す要部拡大斜視図である。
図6】化粧カバーが側板部に取り付けられる前のシャッター収納部の分解斜視図である。
図7】パッキンを備える貫通穴の設けられた基板を表す要部拡大斜視図である。
図8】シャッター収納部に接続されたケーブルがパッキンに通された要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、シャッター収納部の取付構造を備える窓用シャッター装置11の外観斜視図である。
本実施形態に係るシャッター収納部の取付構造は、シャッターカーテン13を巻回自在に収納するシャッター収納部15を、建物の外壁17に固定する取付構造である。シャッター収納部の取付構造は、例えば建物の窓用シャッター装置11に好適に用いることができる。
【0026】
窓用シャッター装置11は、住宅の窓部を構成するサッシ窓19の外側に取り付けられる。住宅の外壁17には、開口部21が設けられる。この開口部21には、サッシ窓19が取り付けられる。窓用シャッター装置11は、シャッターカーテン13を有する。シャッターカーテン13は、外壁17の外側で昇降してサッシ窓19を覆う。シャッターカーテン13は、アルミ製やスチール製のスラット23を複数連結して構成される。
【0027】
シャッターカーテン13は、複数のスラット23が、隣接する長手方向に沿う両端縁同士を係合することにより、巻回可能な面状に連結構成される。シャッターカーテン13は、操り出し方向の先端に、座板25が取り付けられる。座板25は、シャッターカーテン13が下降した際、下枠27に着座する。シャッターカーテン13は、サッシ窓19を挟んで左右一対で設けられるガイドレール29により昇降が案内される。ガイドレール29は、シャッターカーテン13の昇降方向に延在し、シャッターカーテン13のそれぞれの側部を表裏面から挟んで案内する。一対のガイドレール29のそれぞれは、サッシ窓19を挟む左右で外壁17に取り付けられた一対の外枠31の内側に固定される。
【0028】
一対の外枠31は、シャッターカーテン13の昇降方向に延在し、下端同士が下枠27により連結される。この一対の外枠31は、上端部側で、シャッター収納部15の荷重を支持する。シャッター収納部15は、サッシ窓19の間口方向に延在する略直方体形状で形成される。シャッター収納部15の長手方向両端の側板部33には、外枠31よりも若干外側に突出して位置し、化粧カバー35が取り付けられる。
【0029】
図2は、シャッター収納部の取付構造の分解斜視図である。
一対の外枠31の上端部には、ガイドレール29におけるシャッターカーテン13の呑み込み口が開口する。この呑み込み口は、外枠31の上端部にシャッター収納部15が載置されることにより、シャッター収納部15の側板部33に形成されたガイドレール接続部37に係合する。一対の外枠31の上端部は、ガイドレール29と外壁17との間に配置される上枠39により連結固定される。上枠39は、所謂まぐさである。上枠39は、下枠27と平行に延在し、延在方向に直交する断面が水平板41と垂直板43とによって略L字形状となる。上枠39は、水平板41の左右両端が外枠31の上端部に固定されるとともに、垂直板43が外壁17に固定される。
【0030】
外壁17には、一対の外枠31の上方に、基板45が固定される。本実施形態において、基板45は、上下に長い矩形状で形成される。基板45は、シャッター収納部15の上下方向の高さとほぼ一致する上下長を有する。一方、シャッター収納部15には、外壁17に対向する面に、背板部47が設けられる。背板部47は、それぞれの基板45に対応するように、シャッター収納部15の長手方向両側に離間して設けられている。つまり、シャッター収納部15は、左右両側の背板部47の間が開放されている。この開放部分は、シャッター収納部15が外壁17に取り付けられることにより、外壁面により塞がれる。
【0031】
基板45には、例えば4つの基板固定穴49が上下方向に離間して配置される。基板45は、これら基板固定穴49にビスなどの固定部材51が挿入されて、外壁17、好ましくは柱などの構造躯体59に固定される。本実施形態では、基板固定穴49は、4つのうち最上部の1つが、上述した化粧カバーの固定用として使用される。
【0032】
シャッター収納部15の上面後端には、外壁17に沿って垂直上方向に起立する上縁固定部53が、シャッター収納部15の長手方向に渡って形成される。この上縁固定部53は、シャッター収納部15が外壁17に本固定される際に使用される。
【0033】
左右それぞれの基板45の表面には、屈曲部56を介し上向きに突出する係止爪55が形成される。係止爪55は、シャッター収納部15を外壁面に仮固定する際に使用される。また、基板45に対向する背板部47には、係止爪55が外壁17に垂直な方向から挿入される、すなわち係止爪55を外壁17の正面から挿入可能とする少なくとも一対の進入穴部57が形成される。つまり、進入穴部57の大きさは、係止爪55に対して上下左右に十分なスペースを確保した状態で挿入可能な大きさで形成される。
【0034】
図3は、基板45と背板部47との要部分解斜視図である。
基板45は、外壁材を支持する柱などの躯体59に固定される。また、基板45は、外枠31の上端部に当接することにより、基板45が受ける荷重を外枠31に支持してもよい。本実施形態において、外枠31の表面に形成される係止爪55は、上下に2つが設けられる。従って、左右一対の基板45には、左右一対の係止爪55が、上下二段で合計4つが設けられる。なお、係止爪55の数はこれに限定されない。
【0035】
ところで、進入穴部57の形成される背板部47には、爪受入溝61が形成される。本実施形態では、進入穴部57は、上記したように係止爪55を挿入可能な大きさの四角形に形成されており、爪受入溝61は、進入穴部57の垂直な一方の辺部63の下端から進入穴部57から離反する水平方向に背板部47を切り込んでスリット状に形成される。本実施形態では、進入穴部57の辺部63と、爪受入溝61の上縁とが直交するように連接され、爪受入溝61の上縁部分が係止爪55の係止する係止部65となる。すなわち、係止爪55は、進入穴部57に挿入された後、シャッター収納部15が外壁17に沿う水平方向(左右方向)にスライドされることにより、爪受入溝61に配置されて係止部65を支持する。
【0036】
なお、爪受入溝61は、進入穴部57の下辺からの高さ方向の幅(スリット間隔幅)が、係止爪55の起立高さと同等以上、すなわち係止爪55を正面から挿入可能とする高さとなるように形成してもよい。このような変形例に係る爪受入溝61とすれば、従来と同様に、上げ下げにより、係止爪55に係止部65を引っ掛けることも可能にすることができる。
【0037】
本実施形態において、背板部47には、係止部65を挟む左右両側に、2つの進入穴部57が形成される。左右両側の進入穴部57は、爪受入溝61により連結されている。つまり、本実施形態において、一対の進入穴部57と、この一対の進入穴部57の間に設けられる係止部65とは、係止部65が中央部で垂下した正面視で凹字形状となる。この凹字形状は、それぞれの係止爪55に対応して、合計4箇所形成される。
【0038】
図4は、進入穴部57と係止爪55との係止過程を(a)~(c)で示した説明図である。
シャッター収納部の取付構造では、例えば正面視で右側の進入穴部57に係止爪55を挿入(図4(a)参照)した場合、シャッター収納部15が右側にスライド(図4(b)矢線)される。シャッター収納部15が右側にスライドされると、係止部65が係止爪55の裏側、つまり基板45の表面と係止爪55との間に入り込む。これにより、シャッター収納部15は、係止爪55に係止部65が係止して(図4(c)参照)、仮固定、すなわち荷重の一部が支持されることになる。本実施形態では、このシャッター収納部15のスライド動作により、4つの係止爪55に、4箇所の係止部65が同時に係止することになり、これら4つの係止爪55にてシャッター収納部15が支持されることになる。
【0039】
図5は、側板部33に設けられた確認穴67を示す要部拡大斜視図である。
シャッター収納部15には、背板部47に直交する側板部33が設けられる。この側板部33は、外方より係止爪55が視認可能となる確認穴67を備えている。従って、側板部33には、基板45に設けられている上下一対の係止爪55のそれぞれに対応して、上下一対の確認穴67が設けられている。確認穴67は、例えば四角形で形成することができる。確認穴67の形状は、これに限定されない。例えば確認穴67は、円形、長円形、楕円形の他、四角形以外の多角形であってもよい。
【0040】
図6は、化粧カバー35が側板部33に取り付けられる前のシャッター収納部分解斜視図である。
シャッター収納部15には、確認穴67とともに側板部33を覆う化粧カバー35が取り付けられる。化粧カバー35は、例えば可撓性を有する樹脂素材などからなり、側板部33を上方、正面、下方及び側方より覆うことにより、側板部33に穿設されている確認穴67も同時に覆い隠すことができる。化粧カバー35は、外壁17と対向する縁部分に、外壁17と平行な鍔部69を有する。化粧カバー35は、この鍔部69に穿設される上下2つのカバー固定穴71に挿通されたビス51が、基板固定穴49と、外枠31の折曲部73に設けられた外枠固定穴75とに固定されて側板部33を覆う。
【0041】
なお、シャッター収納部15は、側板部33に、化粧カバー35が取り付けられる際には、上縁固定部53もビス51により外壁17に本固定される。
【0042】
図7は、パッキン77を備える貫通穴(不図示)の設けられた基板45を表す要部拡大斜視図である。
シャッター収納部の取付構造は、基板45に、パッキン77を備える貫通穴が設けられていてもよい。パッキン77は、例えば下側の係止爪55の内側に配置され、この位置は外壁17に穿設される導入穴と連通する位置とされる。パッキン77は、例えばゴム等の弾性材により一体成形される。パッキン77は、円環状のパッキン本体部79の内穴が、円周方向に近接する複数の扇形状の可撓片81によりほぼ塞がれている。それぞれの可撓片81は、放射方向のスリット83により独立して弾性変形可能となる。
【0043】
図8は、シャッター収納部15に接続されたケーブル85がパッキン77に通された要部分解斜視図である。
シャッター収納部15には、シャッターカーテン13を開閉するためのモータを備えた開閉機や、各種センサ、センサやコントローラからの信号を受けて開閉機を駆動制御する制御装置等の電装部品が収容されている。これら電装部品に接続される信号線や電源線は、ケーブル85となってシャッター収納部15から導出される。
【0044】
シャッター収納部15から導出されたケーブル85は、基板45の貫通穴に通されて、建物に引き込まれる。この際、ケーブル85は、貫通穴に取り付けられたパッキン77を通過し、各可撓片81が弾性変形することにより、貫通穴中央部に支持される。また、パッキン77は、貫通穴内周とケーブル85との間の隙間を狭める。
【0045】
貫通穴に挿通されるケーブル85は、主に100V電源線(断面は長円形で幅約13mm×厚さ約6.5mm程度)や信号線(断面φ6.5mm程度)を各1本程度となる。外壁17にあける導入穴の穴径は、ケーブル85を通す際の作業性を考慮してφ30mm程度とすることが多い。このため、パッキン77が設けられない状態であると、虫や小動物の侵入が可能となる。基板45の貫通穴は、パッキン77を備えることにより、導入穴径を狭め隙間を狭めることができ、虫や鳥などの小動物の侵入を防ぎ、壁内への風の吹き込みを軽減することができるようになる。また、外壁17に穿設される導入穴の穴縁部分の成形が粗い場合、例えばバリなどがある場合に、パッキン77が介在することで、このバリとケーブル85との接触を防ぎ、ケーブル85を建物側に引き込みやすくするとともに、ケーブル85の損傷を抑制することも可能となる。
【0046】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0047】
本実施形態に係るシャッター収納部の取付構造では、建物の外壁17に、左右一対の基板45が固定される。それぞれの基板45は、表面に、上向きに突出する係止爪55が、上下一対、計4つ設けられている。
【0048】
一方、シャッター収納部15には、係止爪55が外壁17に垂直な方向から挿入される左右及び上下一対で4つの進入穴部57が背板部47に形成される。なお、実際の取付施行では、各進入穴部57を外壁17に垂直な方向、つまり外壁17の正面から各係止爪55に近づけて、進入穴部57の内側に係止爪55を挿入することになる。
【0049】
進入穴部57には、爪受入溝61が連通して形成されている。爪受入溝61は、進入穴部57における一方の辺部63の下端から、進入穴部57から離反する水平方向に背板部47を切り込んで形成されている。つまり、進入穴部57と爪受入溝61とは、正面視で、略L字形状となる。背板部47は、進入穴部57と爪受入溝61とが略L字形状となることにより、進入穴部57の一方の辺部63と爪受入溝61との直交二辺に挟まれる部分から爪受入溝61の上縁の部分が係止部65となる。
【0050】
シャッター収納部15は、外壁17に取り付ける際、先ず、外壁17に固定した左右一対の基板45に設けられる係止爪55に、背板部47の一対の進入穴部57を挿入する。シャッター収納部15は、係止爪55を背板部47の進入穴部57に挿入することで、上側に向かって突出した係止爪55が、背板部47よりもシャッター収納部15の内側に配置される。
【0051】
シャッター収納部15は、係止爪55が進入穴部57に挿入された状態で、外壁17に沿う水平方向にスライドされると、係止爪55の基端である屈曲部56が爪受入溝61に入る。つまり、係止爪55は、屈曲部56が爪受入溝61に配置されることにより、係止部65の裏側に係止し、背板部47が外壁17から離反する方向の移動を規制する。これにより、シャッター収納部15は、係止部65が係止爪55に係止して、外壁17への仮固定が完了する。
【0052】
このシャッター収納部の取付構造では、外壁17に固定した基板45から突出する係止爪55に、シャッター収納部15の進入穴部57を、外壁17に垂直な方向、つまり外壁17の正面から挿入する。そして、進入穴部57に係止爪55を挿入したシャッター収納部15は、そのまま水平方向に移動して、係止爪55を係止部65に係止できる。つまり、シャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15を係止爪55に係止するために、シャッター収納部15を上げ下げする必要がなくなる。上方に持ち上げる必要がないので、軒や軒天井、庇が迫っているような場所であってもシャッター収納部15を取り付けることができる。
【0053】
なお、係止爪55に、シャッター収納部15の係止部65を係止した状態は、シャッター収納部15を係止爪55に仮固定した状態である。この仮固定状態では、シャッター収納部15の荷重が、主に開口部21の両側に固定される一対の外枠31の上端で支持される。このため、係止爪55には、シャッター収納部15の荷重の一部が加わるのみとなる。作業者は、シャッター収納部15が仮固定されることにより、シャッター収納部15を支えずに、両手を使用してシャッター収納部15を外壁17にビス等の固定部材51で本固定することが可能になる。
【0054】
また、このシャッター収納部の取付構造では、係止部65を挟む左右両側に、進入穴部57が設けられる。つまり、背板部47には、左右両側の進入穴部57の間に、係止部65が設けられる構造となっている。左右両側の進入穴部57は、爪受入溝61により連結されている。これら左右両側の進入穴部57と、1つの爪受入溝61とは、凹字形状となって、中央部に係止部65が垂下する。
【0055】
このシャッター収納部15では、正面視で左側の進入穴部57に係止爪55を挿入した場合、シャッター収納部15が左側にスライドされ、係止爪55に係止部65が係止して、仮固定される。反対に、正面視で右側の進入穴部57に係止爪55を挿入した場合、シャッター収納部15が右側にスライドされ、係止爪55に係止部65が係止して、仮固定される。これにより、シャッター収納部の取付構造は、シャッター収納部15を左右どちらにスライドしても取り付けることができるようになる。その結果、シャッター収納部15のいずれか一方の側板部33に、壁などの他の部材が近接してスライド不能である場合であっても、シャッター収納部15をいずれか他方へスライドして、シャッター収納部15を仮固定することができる。
【0056】
また、このシャッター収納部の取付構造では、係止爪55に進入穴部57を挿入して、シャッター収納部15をスライドし、係止爪55を係止部65に係止した仮固定状態を、側板部33に穿設した確認穴67を通して、側板部33の外側から視認することができる。
確認穴67からは、係止部65を挟んで、外壁17と反対側となる係止部65のシャッター収納部15内側へ係止爪55が位置し、係止状態であることを視認できる。
【0057】
これにより、作業者は、係止部65が、係止爪55にスライド方向で偏りなく係止しているか否かを確認できる。そのため、不完全な仮係止状態となったまま本固定作業に移行することを防止できる。その結果、係止爪55と係止部65の係止状態を確認穴67を通して外部から視認できるので、仮固定不良を防止するとともに、外壁17及び既に取り付けられている外枠31に対するシャッター収納部15の取付位置を確認して、施工の安全性を向上させることができる。
【0058】
また、このシャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15の両側に設けられている側板部33に、化粧カバー35が取り付けられる。化粧カバー35は、側板部33を上方、正面、下方及び側方より覆うことにより、側板部33に穿設されている確認穴67も同時に覆い隠すことができる。
【0059】
これにより、シャッター収納部の取付構造は、シャッター収納部15の見栄えを良くできる。これに加え、外部からシャッター収納部15の内部へ通じる確認穴67を覆うことができるので、確認穴67からの雨水や塵埃、虫等の浸入も防止できる。その結果、確認穴67が覆われることにより、シャッター収納部15の見栄えをよくできるとともに、防水性や異物浸入防止等を向上させることができる。
【0060】
さらに、このシャッター収納部の取付構造では、シャッター収納部15から、ケーブル85が導出されている。ケーブル85は、シャッター収納部15に収容されている電装部品に導通接続されている。シャッター収納部15を外壁17に仮固定するための係止爪55を備えた基板45は、このケーブル85を挿通するための貫通穴を備える。外壁17には、基板45が取り付けられる前に、ケーブル85を建物に引き込むためのケーブル引込み用の導入穴が穿設施工される。基板45は、この導入穴に貫通穴を一致させて外壁17に取り付けられる。
【0061】
この貫通穴は、ケーブル85を貫通穴中央部に支持するパッキン77を備える。パッキン77は、貫通穴内周とケーブル85との間の隙間を狭める複数の可撓片81を有する。パッキン77は、例えばゴム等の弾性材により一体成形される。パッキン77は、円環状のパッキン本体部79の内穴が、複数の可撓片81によりほぼ塞がれている。それぞれの可撓片81は、放射方向のスリット83により独立して弾性変形可能となる。
【0062】
パッキン77を通過したケーブル85は、可撓片81を弾性変形させることにより、スリット83に挟まれたり可撓片81の弾性復元状態で保持される。これにより、貫通穴に通されたケーブル85は、パッキン77により貫通穴中央部に支持され、かつ貫通穴内周との間の隙間が複数の可撓片81によって狭められることになる。その結果、外壁17に穿設した導入穴の塞ぎ工事、例えばシーリング施工を省略でき、シャッター収納部15の取付施工を容易にすることができる。
【0063】
なお、上述した実施形態において、係止爪55の形状を、屈曲部56を介して上向きに突出する形状としたが、この係止爪55の形状は下向きや右向き、左向き、或いは左右の両方向に向くようなT字形状として構成することとしてもよい。
例えば下向きに突出するような係止爪55の場合では、爪受入溝61を、進入穴部57の一方の辺部63の上端から進入穴部57から離反する水平方向に連通させる形状とする。つまり、進入穴部57と爪受入溝61とは、正面視で、逆L字形状となる。背板部47は、進入穴部57と爪受入溝61とが逆L字形状となることにより、進入穴部57の上縁に続く爪受入溝61の上縁部分が係止部65となる。
また、係止爪55が右向き或いは左向きに突出する構成の場合には、上記のような爪受入溝61が不要となり、進入穴部57に係止爪55を挿入させた後に係止爪55の突出方向と同方向、例えば右向きに突出していれば右方向にスライドさせると、進入穴部57の一方の辺部63における上端隅部が係止部65となり、この係止部65が係止爪55の屈曲部56における端縁部に支持される構成となる。
さらに、係止爪55の形状が、屈曲部56を介して左右両方向に突出するT字形状である場合には、係止爪55を進入穴部57に挿入後、左右いずれの方向でもスライド可能となり、進入穴部57の左右の辺部63の各上端隅部をそれぞれ係止部65とすることで、左右のいずれかの方向にて屈曲部56が係止部65を支持することとなる。
【0064】
従って、本実施形態に係るシャッター収納部の取付構造によれば、シャッター収納部15に上げ下げ代のためのスペースが不要となり、シャッター収納部15を外壁17へ設置しやすくできる。
【符号の説明】
【0065】
13…シャッターカーテン
15…シャッター収納部
17…外壁
33…側板部
35…化粧カバー
45…基板
47…背板部
55…係止爪
56…屈曲部
57…進入穴部
61…爪受入溝
63…辺部
65…係止部
67…確認穴
77…パッキン
85…ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8