(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025530
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】酸素センサユニット及び給湯制御システム
(51)【国際特許分類】
F23N 5/24 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
F23N5/24 113
F23N5/24 107Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130832
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】福田 悠太
【テーマコード(参考)】
3K003
【Fターム(参考)】
3K003TA01
3K003TA06
3K003TB07
3K003XA05
3K003XB01
3K003XC03
(57)【要約】
【課題】酸素濃度の検出用の回路部に異常抵抗が生じた場合にその影響を抑えて給湯設備における燃焼の適正化に寄与することができる酸素センサユニットを提供する。
【解決手段】ガス給湯器に付属のセンサユニット40には、A/Fセンサ50のセンサ素子51及び酸素濃度を示す検出信号をセンサ素子51からセンサ基板60のCPU61へ伝達する素子ラインSLを含む検出回路部SCと、センサ素子51を加熱可能なヒータ抵抗52及びセンサ制御基板60に設けられた電力供給部65からヒータ抵抗52に電力を供給するヒータラインHLを含む加熱回路部HCとが設けられている。CPU61は、素子ラインSLから取得した制御パラメータに応じてヒータ抵抗52に電力を供給することでセンサ素子51の温度調整を行う。また、CPU61はヒータラインHLから取得したヒータ抵抗52の温度に相関のある監視パラメータに基づいて検出回路部SCの異常を監視する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス給湯器に適用され、当該ガス給湯器から排出されたガスの酸素濃度を検出する酸素センサと当該酸素センサが接続されるセンサ制御基板とを有し、検出した前記酸素濃度を前記ガス給湯器の給湯制御装置へ出力可能な酸素センサユニットであって、
前記酸素センサのセンサ素子と、前記センサ素子から出力された前記酸素濃度を示す検出信号を前記センサ制御基板の制御部へ伝達する信号伝達経路とを含む検出回路部と、
前記センサ素子に併設され当該センサ素子を加熱可能なヒータ抵抗と、前記センサ制御基板に設けられた電力供給部から前記ヒータ抵抗に電力を供給する電力供給経路とを含む加熱回路部と、
前記信号伝達経路を介して前記センサ素子の抵抗値又は当該抵抗値に相関のある相関値を制御パラメータとして取得する制御パラメータ取得部と、
前記制御パラメータ取得部により取得された前記制御パラメータに応じて前記電力供給部から前記ヒータ抵抗に電力を供給することにより前記センサ素子の温度が所定温度となるように制御する温度制御部と、
前記ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値を監視パラメータとして取得する監視パラメータ取得部と、
前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータに基づいて前記検出回路部の異常を監視する異常監視部と
を備えている酸素センサユニット。
【請求項2】
前記異常監視部は、前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータから前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する算出部を有し、当該算出部により算出された現在の抵抗値から前記検出回路部に前記センサ素子の温度が前記所定温度を超える要因となる前記異常が発生していないかを監視する請求項1に記載の酸素センサユニット。
【請求項3】
前記加熱回路部は、
前記センサ制御基板に設けられたグランドと、
前記ヒータ抵抗と前記グランドとの間に設けられたプルダウン抵抗と
を有し、
前記監視パラメータ取得部は、前記ヒータ抵抗と前記プルダウン抵抗との接続点の電圧値を前記監視パラメータとして取得し、
前記異常監視部は、前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータと、前記電力供給部の電圧値と、前記プルダウン抵抗の抵抗値とに基づいて、前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する算出部を有している請求項1に記載の酸素センサユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載された酸素センサユニットと、当該酸素センサユニットから出力された前記酸素濃度の検出結果に基づいて前記ガス給湯器の燃焼制御を行う燃焼制御装置とを備えている給湯制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素センサユニット、酸素センサユニットを有する給湯制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯設備には、ガス給湯器から排出された燃焼ガスの酸素濃度をA/Fセンサ等の酸素センサによって検出しその検出結果に基づいてガスの供給量等を調節することにより、燃焼の適正化が図られているものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した酸素センサについては、検出機能を正しく発揮させる上でセンサ素子の温度を適正温度(例えば750°C)となるように昇温させる必要がある。本願の発明者は、センサ素子の温度と抵抗値との関係、具体的には温度が高くなることで抵抗値が小さくなるという性質に着目し、センサ素子の抵抗値(推定値)に基づいてヒータをON/OFFすることでセンサ素子の温度調整を行う構成を考案した。この抵抗値は、例えばセンサ素子が配設された回路部(検出回路部)を流れる電流の電流値や電圧値から推定される。
【0005】
但し、このような構成においては、仮に上記回路部を形成している配線の潰れやコネクタの接続不良によって当該回路部に異常抵抗が生じた場合に、その異常抵抗を含んだ抵抗値に基づいて上記温度調整が行われることで以下の不都合が生じ得る。すなわち、異常抵抗によってセンサ素子の実際の温度よりも低い温度を想定して加熱されることで、センサ素子が上述した適正温度を超えて昇温され得る。異常抵抗が大きくなれば実際の温度と想定される温度との乖離が大きくなり適正温度の超過も顕著となる。このような状況が続くことは、センサ素子の劣化が進んだり当該センサ素子が損傷したりする要因となり、燃焼の適正化を図る上で妨げになる。
【0006】
なお、回路部に異常抵抗が生じた場合には当該異常抵抗が生じている箇所を酸素センサごと交換することで適正な燃焼が可能とはなるものの、酸素センサの交換が必要になった場合には、配線やコネクタ等の異常抵抗が発生している箇所のみを修理する場合と比較して、給湯設備の修理の費用や手間が大幅に増えることとなる。このように、検出回路部に異常抵抗が生じた場合にその影響を抑えて修理の費用や手間を抑える上でも酸素濃度の検出に係る構成には未だ改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、酸素濃度の検出用の回路部に異常抵抗が生じた場合にその影響を抑えて給湯設備における燃焼の適正化に寄与することができる酸素センサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0009】
手段1.ガス給湯器に適用され、当該ガス給湯器から排出されたガスの酸素濃度を検出する酸素センサと当該酸素センサが接続されるセンサ制御基板とを有し、検出した前記酸素濃度を前記ガス給湯器の給湯制御装置へ出力可能な酸素センサユニットであって、
前記酸素センサのセンサ素子と、前記センサ素子から出力された前記酸素濃度を示す検出信号を前記センサ制御基板の制御部へ伝達する信号伝達経路とを含む検出回路部と、
前記センサ素子に併設され当該センサ素子を加熱可能なヒータ抵抗と、前記センサ制御基板に設けられた電力供給部から前記ヒータ抵抗に電力を供給する電力供給経路とを含む加熱回路部と、
前記信号伝達経路を介して前記センサ素子の抵抗値又は当該抵抗値に相関のある相関値を制御パラメータとして取得する制御パラメータ取得部と、
前記制御パラメータ取得部により取得された前記制御パラメータに応じて前記電力供給部から前記ヒータ抵抗に電力を供給することにより前記センサ素子の温度が所定温度となるように制御する温度制御部と、
前記ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値を監視パラメータとして取得する監視パラメータ取得部と、
前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータに基づいて前記検出回路部の異常を監視する異常監視部と
を備えている酸素センサユニット。
【0010】
本手段に示す温度制御部は、センサ素子の抵抗値又は当該抵抗値に相関のある相関値である制御パラメータに応じて、電力供給部からヒータ抵抗に電力を供給することによりセンサ素子の温度が所定温度(例えば750°C)となるように温度を調整する。このため、センサ素子の温度を制御する際には、ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値である監視パラメータを取得する必要はない。
【0011】
しかし、信号伝達経路を介して制御パラメータを取得する構成においては、仮に信号伝達経路を形成している配線の潰れやコネクタの接続不良によって信号伝達経路に異常抵抗が生じた場合に、その異常抵抗の影響を受けた制御パラメータに基づいて温度調整が行われることで以下の不都合が生じ得る。すなわち、異常抵抗によってセンサ素子の実際の温度よりも低い温度を想定して加熱されることで、センサ素子が所定温度を超えて昇温され得る。そして、温度制御部は、このような異常が生じていることを検知することができない。
【0012】
この点、本手段に示す酸素センサユニットによれば、センサ素子の温度制御に本来必要のない監視パラメータを敢えて取得し、取得した監視パラメータに基づいて検出回路部(詳しくは所定区間)の異常を監視している。例えばセンサ素子が所定温度を超えて昇温されている場合には、そのような状況であることを速やかに発見できるため、その旨をユーザに報知したり、センサ素子の過熱を規制したりするといった対応が可能となる。これにより、センサ素子が使用継続を困難とするダメージを受けることを抑制できる。これは、検出回路部に生じた異常抵抗の影響を抑えて給湯設備の修理の費用や手間を軽減する上で好ましい。また、酸素センサユニットが過度に昇温されることで、本来の酸素濃度を超えた酸素濃度となっているかのような誤検出の結果が出力される機会が減ることとなり、当該誤検出に起因したガス給湯器における燃焼効率の悪化等を好適に抑制できる。
【0013】
手段2.手段1に記載された酸素センサユニットと、当該酸素センサユニットから出力された前記酸素濃度の検出結果に基づいて前記ガス給湯器の燃焼制御を行う燃焼制御装置とを備えている給湯制御システム。
【0014】
本手段に示す給湯制御システムによれば、仮に酸素センサユニットの検出回路部にて異常抵抗が発生した場合であっても、当該異常抵抗の影響によってガス給湯器の燃焼効率が低下したり排ガスの清浄度が低下したりするといった不都合を好適に抑制できる。また、検出回路部にて異常抵抗が発生した場合に酸素センサユニットの交換が必要になることを抑制できる。これは、給湯制御システム(給湯設備)の修理の費用や手間を軽減する上で好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】A/Fセンサ及びその周辺を示す
図1の部分拡大図。
【
図3】センサユニットの電気的構成を示すブロック図。
【
図4】センサ基板のCPUにて実行される温度調整処理を示すフローチャート。
【
図5】センサ素子の抵抗値とセンサ素子の温度との関係を示す概略図。
【
図8】センサ基板のCPUにて実行される異常監視処理を示すフローチャート。
【
図9】ヒータ抵抗の抵抗値の推定に係る構成を示す概略図。
【
図10】ヒータ抵抗の抵抗値と温度との関係を示す概略図。
【
図11】異常抵抗が発生した場合の給湯設備の挙動を例示したタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は住宅等の建物に設置された給湯設備として具現化している。
【0017】
図1に示すように、給湯設備10は、貯湯式のガス給湯器11と、当該ガス給湯器11の給湯制御を行う給湯制御装置12とを有してなる。ガス給湯器11には、湯を蓄える貯湯タンク21が設けられている。貯湯タンク21には当該貯湯タンク21の内部を上下に仕切る仕切りが設けられており、この仕切りよりも下側が燃焼室24、上側が貯湯室25となるように構成されている。貯湯室25の下部には、給水管22が接続されており、この給水管22を通じて水道から水が供給される。貯湯室25の上部には風呂等の蛇口と当該貯湯室25とを繋ぐ給湯管23が接続されており、この給湯管23を通じて湯が供給される。
【0018】
燃焼室24には吸気管31が接続されており、この吸気管31には送風機32が配設されている。送風機32は給湯制御装置12による駆動制御の対象となっており、当該給湯制御装置12からの駆動信号に基づいて動作する。送風機32が動作することで外部の空気が吸気管31を通じて燃焼室24に供給される。吸気管31の途中位置にはガス供給管33のノズルが接続されている。ガス供給管33には制御弁が設けられており、この制御弁が給湯制御装置12によって駆動制御されることで吸気管31へのガスの供給量が調整される構成となっている。
【0019】
燃焼室24には、吸気管31を通じて燃焼室24に供給されたガスと空気との混合気体である燃焼用空気を燃焼させるバーナ34と点火プラグ35とが設けられている。燃焼室24にて生成された燃焼ガスは、燃焼室24に接続された排気管39(排気通路)を通じて燃焼室24から排出される。排気管39は、貯湯室25内を通過するようにして配設されており、当該貯湯室25内に蓄えらえた水と接している。燃焼ガスが排気管39を通じて排出される過程で、当該排気管39を介して燃焼ガスと水との間で熱交換が行われる。この熱交換によって貯湯タンク21内の水が温められ、湯が生成される。
【0020】
排気管39は貯湯タンク21の天井部から上方に突出しており、この突出部分に排気管39の出口が形成されている。排気管39(詳しくは出口付近)には、排気管39を通過する燃焼ガスの酸素濃度を検出するA/Fセンサ50(「酸素センサ」に相当)が配設されている。A/Fセンサ50は当該A/Fセンサ50用の制御基板であるセンサ基板60とともにセンサユニット40を構築している。センサ基板60については、後述する配線によりA/Fセンサ50に接続(有線接続)されており、排気管39から離れた位置、すなわちガス給湯器11の排熱の影響範囲外となる位置に配置されている。
【0021】
センサ基板60は上記給湯制御装置12に接続されており、給湯制御装置12ではセンサユニット40(センサ基板60)から入力される酸素濃度の検出情報(検出信号)に基づいてガスの噴射量等を制御する。具体的には、空燃比が予め設定された値(理論空燃比)となるようにしてフィードバック制御を行う。これにより、ガス給湯器11の燃焼効率の向上が図られている。
【0022】
ここで、
図2(
図1の部分拡大図)を参照して、A/Fセンサ50の構造について説明する。A/Fセンサ50は、ジルコニアからなるセンサ素子51と当該センサ素子51を収容するハウジング53とを有してなり、ハウジング53が排気管39の内部に突出するようにして当該排気管39に固定されている。ハウジング53には複数の貫通孔が形成されており、それら貫通孔を通じてハウジング53内に流入した燃焼ガスはセンサ素子51へ案内される構成となっている。
【0023】
A/Fセンサ50の検出性能を正しく発揮させる上ではセンサ素子51を適正な温度(以下、基準温度という)、本実施形態において750°Cとする必要がある。つまり、A/Fセンサ50の検出結果の確からしさを向上させて燃焼の適正化を図るには、センサ素子51を上記基準温度まで昇温させる必要がある。このような事情に配慮して、A/Fセンサ50にはセンサ素子51を昇温させるための電気式のヒータとしてヒータ抵抗52(例えばセラミックヒータ)が設けられている。
【0024】
ヒータ抵抗52はセンサ素子51に接しており、ヒータ抵抗52の熱がセンサ素子51に伝わることで当該センサ素子51が加熱される。ヒータ抵抗52については、上記センサ基板60(
図1参照)に接続されており、当該センサ基板60(後述するCPU)によって電力が供給される通電状態(ヒータON)と電力が供給されない非通電状態(ヒータOFF)とに切替可能となっている。
【0025】
次に、
図3のブロック図を参照して、センサユニット40の電気的構成について説明する。
【0026】
センサユニット40には、燃焼ガスの酸素濃度を検出する検出回路SCと、ヒータ抵抗52の温度制御を行う加熱回路HCとが設けられている。それら検出回路SC及び加熱回路HCは何れもA/Fセンサ50とセンサ基板60とに跨るように形成されており、センサ基板60には検出回路SCからの情報に基づいて加熱回路HCを制御する制御部としてのCPU61が設けられている。
【0027】
検出回路SCは、A/Fセンサ50のセンサ素子51と、センサ素子51からの検出信号をセンサ基板60に実装されたASIC62を介してCPU61に伝達する信号伝達経路である素子ラインSLとで構成されている。本実施形態に示すセンサ素子51には、燃焼ガスの酸素濃度に応じた起電力が生じる。ASIC62は、センサ素子51を流れる電流の電流値及び電圧値を各々取得し、取得した電流値及び電圧値をCPU61へ出力する。
【0028】
CPU61では、ASIC62から取得した電流値及び電圧値のうち少なくとも一方(本実施形態においては電圧値)に基づいて酸素濃度を特定(推定)する。なお、本実施形態においては、センサ素子51の電圧値については、酸素濃度が低くなると大きくなり、酸素濃度が高くなると小さくなる。CPU61は特定した酸素濃度を示す情報を酸素濃度の検出情報として給湯制御装置12に送信する。給湯制御装置12では、受信した検出情報に基づいてガス給湯器11の燃焼制御(フィードバック制御)を行う。
【0029】
また、CPU61では、ASIC62から取得した電流値及び電圧値を用いてセンサ素子51の抵抗値を算出(推定)する。センサ素子51の抵抗値については、センサ素子51の温度と相関がある。具体的には、センサ素子51の温度が低くなることでセンサ素子51の抵抗が大きくなり、センサ素子51の温度が高くなることでセンサ素子51の抵抗が小さくなる(
図3参照)。CPU61は算出した抵抗値に基づいてヒータ抵抗52の通電制御(通電状態/非通電状態の切り替え)を行う。
【0030】
なお、本実施形態では、ASIC62からCPU61へセンサ素子51の電流値及び電圧値を出力する構成としたが、これに限定されるものではない。ASIC62にて抵抗値を算出し、算出した抵抗値をCPU61に出力する構成としてもよい。
【0031】
加熱回路HCは、A/Fセンサ50のヒータ抵抗52と、センサ基板60に設けられた電力供給部65からヒータ抵抗52に電力を供給する電力供給経路であるヒータラインHLとを含む。ヒータラインHLにおいて、ヒータ抵抗52とグランド69との間にはN型のMOSFET66が配設されている。MOSFET66のドレイン側にヒータ抵抗52が接続され、ソース側にプルダウン抵抗67を介してグランド69が接続されている。MOSFET66のゲートにはCPU61が接続されており、CPU61は算出したセンサ素子51の抵抗値に基づいてゲートをON/OFFする。これにより、ヒータ抵抗52が通電状態/非通電状態に切り替わる。
【0032】
ここで、
図4を参照して、CPU61によるヒータ抵抗52(センサ素子51)の温度制御用の処理(温度制御処理)について説明する。温度制御処理は、CPU61において定期処理の一環として実行される処理である。
【0033】
温度調整処理においては先ずステップS101にて、センサ素子51を流れる現在の電流の電流値及び電圧値を素子ラインSLから、詳しくはASIC62から取得する。取得した電流値及び電圧値はCPU61に付属のメモリに記憶される。続くステップS102では、それら電流値及び電圧値に基づいてセンサ素子51の抵抗値を算出する。
【0034】
なお、この抵抗値には配線71の抵抗値やコネクタ72の抵抗値も含まれる。但し、配線71に潰れが発生していない場合の配線71の抵抗値や接触不良が生じていない場合のコネクタ72の抵抗値についてはセンサ素子51の抵抗値よりも小さく、実質的に無視できる程度である。
【0035】
続くステップS103では、算出した現在の抵抗値が基準抵抗値よりも大きいか否かを判定する。具体的には、センサ素子51の温度が上述した基準温度(750°C)である場合の当該センサ素子51の抵抗値(例えば38Ω)がCPU61に付属のメモリに基準抵抗値として記憶されている。現在の抵抗値が基準抵抗値よりも大きい場合には、センサ素子51の温度が基準温度に達していないと想定される。この場合には、ステップS103にて肯定判定をし、ステップS104に進む。ステップS104では、加熱回路HCを用いてセンサ素子51を加熱している最中であるかを判定する。ステップS104にて肯定判定をした場合にはそのまま本温度調整処理を終了する。ステップS104にて否定判定をした場合にはステップS105にてヒータ抵抗52を通電状態(ヒータON)とした後、本温度調整処理を終了する。
【0036】
ステップS103の説明に戻り、センサ素子51の抵抗値が基準抵抗値以下となっている場合には、センサ素子51の温度が基準温度に達していると想定される。この場合には、ステップS103にて否定判定をしてステップS106に進む。ステップS106では、加熱回路HCを用いてセンサ素子51を加熱している最中であるかを判定する。ステップS106にて否定判定をした場合にはそのまま本温度調整処理を終了する。ステップS106にて肯定判定をした場合にはステップS107にてヒータ抵抗52を非通電状態(ヒータOFF)とした後、本温度調整処理を終了する。
【0037】
このように、本実施形態では、センサ素子51の温度に相関のある当該センサ素子51の抵抗値に基づいてヒータ抵抗52を通電状態/非通電状態とする。具体的には、センサ素子51の温度が基準温度に達していない場合にはヒータ抵抗52を通電状態とすることでセンサ素子51を加熱し、センサ素子51の温度が基準温度を超えている場合にはヒータ抵抗52を非通電状態とすることでセンサ素子51の温度を下げる。これにより、センサ素子51の温度が基準温度に保たれることとなる(
図5参照)。
【0038】
ここで、本実施形態に示すセンサユニット40については、A/Fセンサ50とセンサ基板60とが配線71,75を介して接続されてなる。これらの配線71,75によってセンサ基板60を排気管39の熱の影響が及ぶ範囲外、詳しくはガス給湯器11の熱の影響が及ぶ範囲外にセンサ基板60を配置可能な構成を実現している。しかしながら、このような構成では、
図6に示すように、検出回路SCの素子ラインSLを形成している配線71に潰れが生じたり、コネクタ72に接触不良が生じたりすることで素子ラインSLに異常抵抗が発生し得る。上述した温度調整においては、取得した電圧値及び電流値からセンサ素子51の抵抗値を算出(推定)しているが、この抵抗値に上記異常抵抗の抵抗値が含まれることで以下の不都合が生じる。
【0039】
すなわち、
図7に示すように、算出した抵抗値に異常抵抗の抵抗値が含まれることにより、CPU61はセンサ素子51の抵抗値が本来の抵抗値よりも大きいと誤認し得る。このようにして、実際の温度よりも低く誤認することで、センサ素子51が上述した基準温度を超えて昇温され得る。特に、センサ素子51については、温度が上昇することで抵抗が大きく低下するため、異常抵抗の影響が顕著となる。そして、異常抵抗が大きくなれば実際の温度と想定される温度との乖離が大きくなり基準温度の超過も顕著となる。このような状況が続くことは、センサ素子51の劣化が進んだり当該センサ素子51が損傷したりする要因となり、燃焼の適正化を図る上で妨げになる。
【0040】
検出回路SCに異常抵抗が生じた場合には異常抵抗が生じている箇所を含めてセンサ素子51ごと交換すること、すなわちA/Fセンサ50をまるごと交換することで適正な燃焼が可能とはなるものの、このような交換が必要になった場合には、配線71やコネクタ72等の異常抵抗が発生している箇所のみを修理する場合と比較して、給湯設備10の修理の費用や手間が大幅に増えることとなる。本実施形態では、検出回路SCに異常抵抗が生じた場合にその影響を抑えて修理の費用や手間を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、検出回路SCの異常(異常抵抗の発生)を監視して、当該異常が発生した場合には速やかな修理を促すことにより、センサ素子51が使用継続を困難とするダメージを受けることを抑制していることを特徴の1つとしている。以下、
図8のフローチャートを参照して、CPU61による異常監視用の処理(異常監視処理)について説明する。異常監視処理は、CPU61において定期処理の一環として実行される処理であり、後述する異常停止信号の出力中やセンサ停止中はスキップされる。
【0041】
異常監視処理においては先ず、ステップS201にてセンサ素子51の抵抗値(推定値)を確認する。具体的には上記ステップS102にて算出された抵抗値をメモリから読み出す。続くステップS202ではセンサ素子51に高温異常(許容上限を超える温度となる異常)が発生しているかを判定する。具体的には、読み出した抵抗値が設定下限X1よりも小さくなっているか否かを判定する。設定下限X1は、センサ素子51の温度が許容上限である780°Cとなった場合の抵抗値、具体的には30Ωである。例えば、加熱回路HCのMOSFET66が故障する等して、センサ素子51が過剰に昇温される状態となっている場合にはステップS202にて肯定判定される。
【0042】
ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS203に進み、上記メモリに設けられている高温側エラーカウンタC1を更新(具体的には1加算)する。高温側エラーカウンタC1は許容上限よりも高い温度となった回数を記憶するカウンタである。続くステップS204では、高温側エラーカウンタC1の値が閾値Mを超えているか否かを判定する。
【0043】
高温側エラーカウンタC1の値が閾値Mを超えている場合には、ステップS205に進み、給湯制御装置12に第1種異常停止信号を出力する。給湯制御装置12はこの第1種異常停止信号を受信した場合に、当該給湯制御装置12の表示画面等にセンサユニット40に故障が発生している旨のメッセージを表示する。例えば「センサ故障 センサを交換して下さい」の文字が表示される。また、ガス給湯器11の燃焼制御を、センサユニット40からの酸素濃度の情報を用いたフィードバック制御から、当該情報を用いないオープン制御に切り替える。オープン制御にて燃焼制御を行うことで、給湯設備10が使用不可となって当該給湯設備10の利便性が低下することを回避している。
【0044】
その後、ステップS206ではセンサユニット40を停止させて本異常監視処理を終了する。これにより、センサ素子51の加熱及び酸素濃度の検出が中止されることとなる。
【0045】
ステップS202の説明に戻り、当該ステップS202にて否定判定をした場合、すなわちセンサ素子51の抵抗値が設定下限X1以上となっている場合にはステップS207に進む。続くステップS207ではセンサ素子51に低温異常(許容下限を下回る温度となる異常)が発生しているかを判定する。具体的には、読み出した抵抗値が設定上限X2よりも大きくなっているか否かを判定する。設定上限X2は、センサ素子51の温度が660°Cとなった場合の抵抗値、具体的には90Ωである。例えば、加熱回路HCが故障する等して、センサ素子51が十分に昇温されない状態となっている場合にはステップS207にて肯定判定される。
【0046】
ステップS207にて肯定判定をした場合には、ステップS208に進み、上記メモリに設けられている低温側エラーカウンタC2を更新(具体的には1加算)する。低温側エラーカウンタC2は、許容下限よりも低い温度となった回数を記憶するカウンタである。続くステップS209では、低温側エラーカウンタC2の値が閾値Nを超えているか否かを判定する。
【0047】
低温側エラーカウンタC2の値が閾値Nを超えている場合には、ステップS205にて給湯制御装置12に第1種異常停止信号を出力し、ステップS206にてセンサユニット40を停止させて本異常監視処理を終了する。
【0048】
なお、図示は省略するが、高温側エラーカウンタC1及び低温側エラーカウンタC2については、センサ素子51の抵抗値が設定下限X1~設定上限X2に含まれている場合に1ずつ減算される。また、上述したセンサ停止時に初期値0となるようにリセットされる。
【0049】
ステップS204,S207,S209の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS210に進む。ステップS210では、ヒータラインHLから電圧値を取得する。具体的には、ヒータ抵抗52とプルダウン抵抗67と接続点の電圧値V1(
図9参照)を取得する。
【0050】
続くステップS211では、ヒータ抵抗52の抵抗値を算出する。具体的には、ステップS210にて取得した電圧値V1と、メモリに記憶されているプルダウン抵抗67の抵抗値R2とに基づいて当該プルダウン抵抗67を流れる電流の電流値I(
図9参照)を算出する。プルダウン抵抗67についてはヒータ抵抗52やガス給湯器11の熱の影響を受けない位置に配置されており、メモリに記憶されているプルダウン抵抗67の抵抗値R2については常温域での抵抗値(例えば平均値や中央値)となっている。
【0051】
次に、取得した電圧値V1と、算出した電流値Iと、メモリに記憶されている電力供給部65の電圧値V0とに基づいて、ヒータ抵抗52の抵抗値R1を算出する。「抵抗値R1=(電圧値V0-電圧値V1)/電流値I」である。
【0052】
その後、ステップS212では、ステップS211にて算出したヒータ抵抗52の抵抗値が設定上限Yを上回っているか否かを判定する。ヒータ抵抗52の抵抗値とヒータ抵抗52の温度(センサ素子51の温度)については相関があり、ヒータ抵抗52の温度が高くなることで当該ヒータ抵抗52の抵抗値が大きくなる(
図10参照)。設定上限Yについては、上記設定下限X1に相当する温度(780°C)よりも高く且つセンサ素子51の耐熱温度(例えば900°C)よりも低い温度に対応した値(例えば6.5Ω)となるように設定されている。
【0053】
ステップS212にて抵抗値が設定上限Y以下であると判定した場合には、そのまま本異常監視処理を終了する。ステップS212にて抵抗値が設定上限Yを上回っていると判定した場合、すなわち異常が発生していると想定される場合には、ステップS213に進む。ステップS213では、給湯制御装置12へ第2種異常停止信号を出力する。給湯制御装置12はこの第2種異常停止信号を受信した場合に、当該給湯制御装置12の表示画面等にセンサユニット40に異常抵抗が発生している旨のメッセージを表示する。例えば「センサの配線を確認して下さい」の文字が表示される。また、ガス給湯器11の燃焼制御を、センサユニット40からの酸素濃度の情報を用いたフィードバック制御から、当該情報を用いないオープン制御に切り替える。
【0054】
その後、ステップS206ではセンサユニット40を停止させて本異常監視処理を終了する。これにより、センサ素子51の加熱及び酸素濃度の検出が中止されることとなる。
【0055】
次に、
図11のタイミングチャートを参照して、上述した異常抵抗が発生した場合の給湯設備10の挙動について例示する。
【0056】
湯沸かしが行われていないt0のタイミングでは、ユーザが配線71を取り外して清掃等のメンテナンス作業を行っている。t1のタイミングでは配線71を戻してはいるものの、コネクタ72とコネクタ63とが正常に接続されず、コネクタ72とコネクタ63との接続箇所に異常抵抗が発生している。
【0057】
メンテナンス作業を終了した後のt2のタイミングではユーザにより湯沸かし操作が行われており、当該操作を契機として湯沸かし(燃焼制御)が開始されるとともにセンサユニット40においてはヒータ抵抗52による加熱が開始されている。なお、湯沸かし開始時からセンサ素子51の昇温が完了するまでの間は、燃焼制御がセンサユニット40からの情報を考慮しないオープン制御として実行される。
【0058】
図11に示す例では、センサユニット40の検出回路SCに異常抵抗が発生しており、センサ素子51の抵抗値が実際の抵抗値よりも高く推定されている。この結果、センサ素子51の推定温度については実際の温度(実温度)よりも低く想定されている。このため、ヒータ抵抗52による加熱を開始した後のt3のタイミングでは、実温度が基準温度に達しているにも関わらず、加熱が継続されている。これにより、実温度は基準温度を超えている。その後のt4のタイミング、具体的には実温度が耐熱温度に達する前のタイミングでは、ヒータ抵抗52の抵抗値が上述した設定上限Yに達している。これを契機として、ヒータ抵抗52による加熱が停止され、給湯設備10では異常報知が実行される。この異常報知では、給湯制御装置12の表示画面にセンサユニット40の配線71の確認を促すメッセージが表示される。なお、この時点では酸素濃度の検出は開始されていないが、酸素濃度の検出が行われている場合には当該検出が不可となるように規制される。この規制については、ユーザによりリセット操作が行われることで解除されることとなる。
【0059】
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
【0060】
素子ラインSLを形成している配線71から電流値や電圧値を制御パラメータとして取得する構成においては、センサ素子51の温度を簡易に推測することができる一方、上述した異常抵抗発生時のダメージへの懸念が強くなる。すなわち、配線71の潰れやコネクタ72の接続不良によって素子ラインSLに異常抵抗が生じた場合に、その異常抵抗の影響を受けた制御パラメータに基づいて温度調整が行われることで、センサ素子51が基準温度を超えて昇温され得る。この点、本実施形態に示したセンサユニット40によれば、センサ素子51の温度制御に本来必要のない監視パラメータを敢えて取得し、取得した監視パラメータに基づいて検出回路SCの異常を監視している。例えばセンサ素子51が基準温度を超えて昇温されている場合には、そのような状況であることを速やかに発見できる。そして、その旨をユーザに報知したり、センサ素子51の過熱を規制したりすることにより、センサ素子51が使用継続を困難とするダメージを受けることを抑制できる。これは、検出回路SCに生じた異常抵抗の影響を抑えて給湯設備10の修理の費用や手間を軽減する上で好ましい。また、センサユニット40(センサ素子51)が過度に昇温されることで、本来の酸素濃度を超えた酸素濃度となっているかのような誤検出の結果が出力される機会が減ることとなり、当該誤検出に起因したガス給湯器における燃焼効率の悪化等を好適に抑制できる。これは、排ガスの清浄度の低下を図る上でも好ましい。
【0061】
本実施形態では、監視パラメータとして加熱回路HCから電圧値を取得し、当該電圧値からヒータ抵抗52の現在の抵抗値を算出する構成とした。このような構成とすれば、ヒータ抵抗52の温度すなわちセンサ素子51の温度を直接計測するための温度計等を追加することなく、基準温度の超過の要因が発生していないかを簡易に監視できる。
【0062】
本実施形態に示したように、センサ基板60に実装されたプルダウン抵抗67とA/Fセンサ50に配設されたヒータ抵抗52との接続点の電圧値を監視パラメータとして取得する構成とすることにより、監視パラメータを取得するための回路を別途設ける必要が無く、センサユニット40の構成の複雑化を好適に抑制できる。
【0063】
プルダウン抵抗67についても抵抗の一種であり、ヒータ抵抗52と同様に温度によって抵抗値が変化し得る。そこで、当該プルダウン抵抗67をセンサ基板60側に配設して、ヒータ抵抗52から離すことにより、ヒータ抵抗52に生じる熱によってプルダウン抵抗67の温度が変化することを回避できる。ヒータ抵抗52の温度変化を抑えることで、プルダウン抵抗67の抵抗値を状況に応じて随時特定するのではなく予め記憶されている値(抵抗値R2)を参照する構成としても、ヒータ抵抗52の抵抗値の算出結果の精度が極端に低下することを抑制できる。これにより、ヒータ抵抗52の抵抗値の算出に係る構成を簡素化できる。
【0064】
メモリに予め記憶されている値(抵抗値R2)を用いてヒータ抵抗52の現在の抵抗値を算出する場合には、センサ基板60が配設されている環境の温度のばらつきが小さいことが好ましい。ここで、本実施形態に示した構成では、A/Fセンサ50とセンサ基板60とは配線71,75を介して接続されており、少なくともプルダウン抵抗67がガス給湯器11の熱の影響範囲外に位置するようにして配置可能となっている。このため、ガス給湯器11の運転状況等によってプルダウン抵抗67の温度が上下することを抑制できる。これは、監視精度の向上を図る上で好ましい構成である。
【0065】
<その他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
【0066】
・上記実施形態では、プルダウン抵抗67の電圧値からヒータ抵抗52の抵抗値を算出し、その算出した抵抗値に基づいて検出回路SCの異常を監視する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ヒータ抵抗52の抵抗値から当該ヒータ抵抗52の温度、すなわちセンサ素子51の温度を推定し、その推定した温度に基づいて検出回路SCの異常を監視する構成としてもよい。また、プルダウン抵抗67の電圧値についてはセンサ素子51の温度と相関がある点に鑑みれば、当該電圧値に基づいて検出回路SCの異常を監視する構成とすることも可能である。
【0067】
・上記実施形態では、ヒータ抵抗52の抵抗値と予め設定されている設定上限Yとを比較することで検出回路SCの異常を把握する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、検出回路SC側でセンサ素子51の温度を推定し且つ加熱回路HC側でヒータ抵抗52(センサ素子51)の温度を推定し、それらの推定結果を比較することで少なくとも一方の回路の異常を把握する構成としてもよい。なお、検出回路SC側の推定結果と比べて加熱回路HC側の推定結果については誤差が大きくなる。そこで、例えば両推定結果の差がそのような誤差を加味した基準範囲を超えている場合には異常が発生していると判定し、基準範囲内の場合には異常が発生していないと判定する構成とするとよい。また、ヒータ抵抗52による加熱を開始してもセンサ素子51の温度が基準温度となるまでにはある程度の時間を要する。この間(昇温中)は、ヒータ抵抗52に遅れてセンサ素子51の温度が上がるため、センサ素子51の温度とヒータ抵抗52の温度とのずれが大きくなり得る。そこで、加熱開始後は予め設定された加熱時間が経過するまで上記比較を規制し、当該加熱時間が経過した後に当該比較を行う構成とすることにより、タイムラグに起因した誤判定を好適に抑制できる。
【0068】
・上記実施形態に示したASIC62にてセンサ素子51の抵抗値を算出し(推定し)、その算出した抵抗値をCPU61へ出力する構成とすることも可能である。
【0069】
・上記実施形態に示した閾値M,Nについては可変値としてもよい。例えば、湯沸かしを開始してからセンサ素子51の温度が基準温度となるまでにはある程度の期間を要する。このような事情に鑑みて、湯沸かし開始してからセンサ素子51の温度が基準温度となるまでの間で設定される閾値M,Nは、センサ素子51の温度が基準温度となった後に設定される閾値M,Nよりも大きくするとよい。
【0070】
また、上述した異常監視処理については、センサ素子51が基準温度まで昇温された後に契機として定期的に実行される構成とし、湯沸かし開始直後は当該異常監視処理が実行されない構成とすることも可能である。
【0071】
・ヒータ抵抗52を流れる電流の電流値や電圧値を計測する計測ラインを上記実施形態に示したヒータラインHLとは別に設けてもよい。
【0072】
・温度計を用いてヒータ抵抗52やセンサ素子51の温度を直接計測し、当該温度を上記監視パラメータとして用いる構成を否定するものではない。
【0073】
・上記実施形態に示した配線71,75におけるA/Fセンサ50側の端部にコネクタを追加し、それら配線71,75をセンサ基板60及びA/Fセンサ50の両方に対して着脱自在に取り付ける構成としてもよい。このような構成とすることで、配線の潰れやコネクタの接触不良等が生じた場合に配線71,75の交換が一層容易となる。
【0074】
・上記実施形態では、排気管39にA/Fセンサ50を配設する一方、センサ基板60を排気管39から外れた位置、詳しくはガス給湯器11の熱が及ぶ範囲(影響範囲)から外れた位置に配置したが、これに限定されるものではない。少なくともプルダウン抵抗67の温度のばらつきが無視できる程度に小さくなるのであれば当該プルダウン抵抗67が上記影響範囲内に位置するようにしてセンサ基板60を配置することも可能である。また、プルダウン抵抗67の温度が大きく変化し得る場合には、当該プルダウン抵抗67の温度と抵抗値との対応関係を予めメモリに記憶しておき、更にプルダウン抵抗67(又は当該プルダウン抵抗67が配置されている環境)の温度を測定し、現在のプルダウン抵抗67の温度に対応した抵抗値に基づいてプルダウン抵抗67の電圧を算出する構成としてもよい。
【0075】
・湯沸かし操作が行われたタイミングで湯沸かしと同時にセンサ素子51の昇温を開始する構成に代えて、湯沸かし操作が行われた場合にはセンサ素子51の昇温を開始し、当該センサ素子51の温度が基準温度に達した際に湯沸かしを開始する構成とすることも可能である。
【0076】
・上記各実施形態では、センサ素子51の基準温度を750°Cとした場合について例示したが、基準温度にある程度の幅を加味し、例えばセンサ素子51の温度が745°C~755°Cの範囲に収まるように温度調整を行う構成とすることも可能である。
【0077】
・上記各実施形態に示したセンサユニット40についてはガソリンエンジン等の内燃機関を有する他の機器(例えば自動車や発電機)に適用することも可能である。
【0078】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上記実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0079】
特徴1.ガス給湯器(ガス給湯器11)に適用され、当該ガス給湯器から排出されたガスの酸素濃度を検出する酸素センサ(A/Fセンサ50)と当該酸素センサが接続されるセンサ制御基板(センサ基板60)とを有し、検出した前記酸素濃度を前記ガス給湯器の給湯制御装置(給湯制御装置12)へ出力可能な酸素センサユニット(センサユニット40)であって、
前記酸素センサのセンサ素子(センサ素子51)と、前記センサ素子から出力された前記酸素濃度を示す検出信号を前記センサ制御基板の制御部(CPU61)へ伝達する信号伝達経路(素子ラインSL)とを含む検出回路部(検出回路SC)と、
前記センサ素子に併設され当該センサ素子を加熱可能なヒータ抵抗(ヒータ抵抗52)と、前記センサ制御基板に設けられた電力供給部(電力供給部65)から前記ヒータ抵抗に電力を供給する電力供給経路(ヒータラインHL)とを含む加熱回路部(加熱回路HC)と、
前記信号伝達経路を介して前記センサ素子の抵抗値又は当該抵抗値に相関のある相関値を制御パラメータとして取得する制御パラメータ取得部(CPU61にて検出回路SCから抵抗値と電圧値及び電流値との何れかを取得する機能)と、
前記制御パラメータ取得部により取得された前記制御パラメータに応じて前記電力供給部から前記ヒータ抵抗に電力を供給することにより前記センサ素子の温度が所定温度(基準温度 例えば750°C)となるように制御する温度制御部(CPU61にて温度調整処理を実行する機能)と、
前記ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値を監視パラメータとして取得する監視パラメータ取得部(CPU61にて加熱回路HCから電圧値を取得する機能)と、
前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータに基づいて前記検出回路部の異常を監視する異常監視部(CPU61における監視機能)と
を備えている酸素センサユニット。
【0080】
本特徴に示す温度制御部は、センサ素子の抵抗値又は当該抵抗値に相関のある相関値である制御パラメータに応じて、電力供給部からヒータ抵抗に電力を供給することによりセンサ素子の温度が所定温度(例えば750°C)となるように温度を調整する。このため、センサ素子の温度を制御する際には、ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値である監視パラメータを取得する必要はない。
【0081】
しかし、信号伝達経路を介して制御パラメータを取得する構成においては、仮に信号伝達経路を形成している配線の潰れやコネクタの接続不良によって信号伝達経路に異常抵抗が生じた場合に、その異常抵抗の影響を受けた制御パラメータに基づいて温度調整が行われることで以下の不都合が生じ得る。すなわち、異常抵抗によってセンサ素子の実際の温度よりも低い温度を想定して加熱されることで、センサ素子が所定温度を超えて昇温され得る。そして、温度制御部は、このような異常が生じていることを検知することができない。
【0082】
この点、本特徴に示す酸素センサユニットによれば、センサ素子の温度制御に本来必要のない監視パラメータを敢えて取得し、取得した監視パラメータに基づいて検出回路部の異常を監視している。例えばセンサ素子が所定温度を超えて昇温されている場合には、そのような状況であることを速やかに発見できるため、その旨をユーザに報知したり、センサ素子の過熱を規制したりするといった対応が可能となる。これにより、センサ素子が使用継続を困難とするダメージを受けることを抑制できる。これは、検出回路部に生じた異常抵抗の影響を抑えて給湯設備の修理の費用や手間を軽減する上で好ましい。また、酸素センサユニットが過度に昇温されることで、本来の酸素濃度を超えた酸素濃度となっているかのようにな誤検出の結果が出力される機会が減ることとなり、当該誤検出に起因したガス給湯器における燃焼効率の悪化等を好適に抑制できる。
【0083】
特徴2.前記酸素センサと前記センサ制御基板とは配線(配線71,75)を介して接続されており、
前記配線として、前記検出回路部の前記信号伝達経路を形成する信号伝達用配線(配線71)を有し、
前記制御パラメータ取得部は、前記信号伝達用配線を流れる電流の電流値及び電圧値の少なくとも一方を前記制御パラメータとして取得する特徴1に記載の酸素センサユニット。
【0084】
本特徴に示すように、信号伝達用配線から電流値及び電圧値の少なくとも一方を制御パラメータとして取得する構成においては、センサ素子の温度を簡易に推測することができる一方、特徴1に示した懸念が強くなる。すなわち、信号伝達経路を形成している配線(信号伝達用配線)の潰れやコネクタの接続不良によって信号伝達経路に異常抵抗が生じた場合に、その異常抵抗の影響を受けた制御パラメータに基づいて温度調整が行われることで、センサ素子が所定温度を超えて昇温され得る。そして、上述したように温度制御部は、このような異常が生じていることを検知することができない。これは、センサ素子の劣化や損傷を招く要因になる。このような構成に対して、特徴1に示した技術的思想を適用することにより、温度制御に係る構成の簡素化を図りつつ、センサ素子の過度の温度上昇を抑制して当該センサ素子を好適に保護できる。
【0085】
特徴3.前記異常監視部は、前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータから前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する算出部(CPU61にて抵抗値を算出する機能)を有し、当該算出部により算出された現在の抵抗値から前記検出回路部に前記センサ素子の温度が前記所定温度を超える要因となる前記異常が発生していないかを監視する特徴1又は特徴2に記載の酸素センサユニット。
【0086】
ヒータ抵抗の抵抗値と温度とには相関がある。具体的には、温度が高くなれば抵抗値が大きくなり、温度が低くなれば抵抗値が小さくなる。そこで、本特徴に示すように、監視パラメータからヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出すれば、ヒータ抵抗の温度すなわちセンサ素子の温度を直接計測するための温度計等を追加することなく、所定温度の超過の要因が発生していないかを簡易に監視できる。
【0087】
特徴4.前記加熱回路部は、
前記センサ制御基板に設けられたグランド(グランド69)と、
前記ヒータ抵抗と前記グランドとの間に設けられたプルダウン抵抗(プルダウン抵抗67)と
を有し、
前記監視パラメータ取得部は、前記ヒータ抵抗と前記プルダウン抵抗との接続点の電圧値を前記監視パラメータとして取得し、
前記異常監視部は、前記監視パラメータ取得部により取得された前記監視パラメータと、前記電力供給部の電圧値と、前記プルダウン抵抗の抵抗値とに基づいて、前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する算出部(CPU61にて抵抗値を算出する機能)を有している特徴1又は特徴2に記載の酸素センサユニット。
【0088】
本特徴に示すように、監視パラメータ(ヒータ抵抗とプルダウン抵抗との間の電圧値)と、電力供給部の電圧値と、プルダウン抵抗の抵抗値とに基づいて、ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する構成とすれば、特徴3に示した技術的思想を簡易に具現化できる。
【0089】
特徴5.前記プルダウン抵抗は、前記センサ制御基板に配設されており、
前記算出部は、前記プルダウン抵抗の抵抗値として予め記憶されている抵抗基準値を用いて前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する特徴4に記載の酸素センサユニット。
【0090】
プルダウン抵抗についても抵抗の一種であり、ヒータ抵抗と同様に温度によって抵抗値が変化し得る。そこで、当該プルダウン抵抗をセンサ制御基板側に配設して、ヒータ抵抗から離すことにより、ヒータ抵抗に生じる熱によってプルダウン抵抗の温度が変化することを回避できる。ヒータ抵抗の温度変化を抑えることで、プルダウン抵抗の抵抗値を状況に応じて随時特定するのではなく予め記憶されている抵抗基準値を参照する構成としても、ヒータ抵抗の抵抗値の算出結果の精度が極端に低下することを抑制できる。これにより、ヒータ抵抗の抵抗値の算出に係る構成を簡素化できる。
【0091】
特徴6.前記酸素センサと前記センサ制御基板とは配線(配線71,75)を介して接続されており、少なくとも前記プルダウン抵抗が前記ガス給湯器の熱の影響範囲外に位置するようにして配置可能となっている特徴4又は特徴5に記載の酸素センサユニット。
【0092】
特徴5に示したように予め記憶されている抵抗基準値を用いてヒータ抵抗の現在の抵抗値を算出する場合には、センサ制御基板が配設されている環境の温度のばらつきが小さいことが好ましい。ここで、本特徴に示す構成では、酸素センサとセンサ制御基板とは配線を介して接続されており、少なくともプルダウン抵抗がガス給湯器の熱の影響範囲外に位置するようにして配置可能となっているため、ガス給湯器の運転状況等によってプルダウン抵抗の温度が上下することを抑制できる。これは、監視精度の向上を図る上で好ましい構成である。
【0093】
特徴7.前記異常監視部は、
前記ヒータ抵抗の抵抗値と前記センサ素子の温度との対応関係を示す対応関係情報を記憶する記憶部(CPU61に併設されたメモリ)と、
前記算出部により算出された前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値と前記記憶部に記憶されている前記対応関係情報とに基づいて前記センサ素子の現在の温度を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記センサ素子の現在の温度と予め記憶されている判定基準温度とを対比することにより、前記検出回路部の異常を判定する判定部と
を有している特徴3乃至特徴6のいずれかに記載の酸素センサユニット。
【0094】
本特徴に示すように、ヒータ抵抗の抵抗値からセンサ素子の現在の温度を推定し、その推定温度と予め記憶されている判定基準温度とを対比する構成とすれば、センサ素子の温度が過度に高くなっている場合に、その旨を把握できる。
【0095】
特徴8.前記算出部は、第1算出部であり、
前記異常監視部は、
前記ヒータ抵抗の抵抗値と前記センサ素子の温度との対応関係を示す第1対応関係情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1算出部により算出された前記ヒータ抵抗の現在の抵抗値と前記第1記憶部に記憶されている前記第1対応関係情報とに基づいて前記センサ素子の現在の温度を推定する第1推定部と、
前記センサ素子の抵抗値と前記ヒータ抵抗の温度との対応関係を示す第2対応関係情報を記憶する第2記憶部と、
前記センサ素子の現在の抵抗値と前記第2記憶部に記憶されている前記第2対応関係情報とに基づいて前記センサ素子の現在の温度を推定する第2推定部と、
前記第1推定部の推定結果と前記第2推定部の推定結果とを対比することにより、前記検出回路部の異常を判定する判定部と
を有している特徴3乃至特徴6のいずれか1つに記載の酸素センサユニット。
【0096】
本特徴に示すように、ヒータ抵抗の抵抗値から推定したセンサ素子の温度と、所定区間の抵抗値から推定したセンサ素子の温度とを対比する構成とすれば、異常抵抗によってセンサ素子の温度が本来の温度よりも低く推定された場合に、検出回路部に異常が発生している旨を把握できる。
【0097】
なお、第2推定部によりセンサ素子の現在の温度を推定する場合には、制御パラメータ取得部が取得した制御パラメータである抵抗値を流用してもよいし、制御パラメータである相関値から抵抗値を算出する構成としてもよい。
【0098】
特徴9.前記判定部は、前記ヒータ抵抗による前記センサ素子の加熱が開始されてから予め設定された加熱時間が経過するまで、前記判定を行わない構成となっている特徴8に記載の酸素センサユニット。
【0099】
ヒータ抵抗による加熱を開始してもセンサ素子の温度が所定温度となるまでにはある程度の時間を要する。この間は、センサ素子の温度とヒータ抵抗の温度とのずれが大きくなると想定される。そこで、加熱開始後は予め設定された加熱時間が経過した後に判定が行われる構成とすることにより、誤判定を好適に抑制できる。
【0100】
特徴10.前記異常監視部は、第1異常監視部であり、
前記制御パラメータ取得部により取得された前記制御パラメータに基づいて前記検出回路部の異常を監視する第2異常監視部を備えている特徴1乃至特徴9のいずれか1つに記載の酸素センサユニット。
【0101】
一般に、ヒータ抵抗の温度又は当該温度に相関のある相関値である監視パラメータはばらつきが大きい。そこで、異常監視部に加えて、第2異常監視部を備えることにより、異常抵抗に起因する異常とは異なる検出回路部の異常も監視することができる。
【0102】
特徴11.前記第1異常監視部又は前記第2異常監視部により前記検出回路部に異常が発生していると判定された場合に異常が発生している旨を報知する報知部を有し、
前記報知部は、前記第1異常監視部によって異常が発生していると判定された場合と、前記第2異常監視部によって異常が発生していると判定された場合とを識別可能となるようにして前記報知を行う特徴10に記載の酸素センサユニット。
【0103】
特徴1等に示したように配線やコネクタに異常抵抗が発生している場合には配線やコネクタを修理することで当該異常抵抗を解消できるため酸素センサ自体の交換は不要となる。ここで、第2異常監視手段を併用する場合には、酸素センサ(酸素センサユニット)の交換が必要となる場合もあると想定される。そこで、異常報知を行う場合には、どちらの監視部によって異常が判定されたかを識別可能とすることにより、酸素センサ(酸素センサユニット)の無駄な交換の機会を少なくすることができる。
【0104】
特徴12.特徴1乃至特徴11のいずれか1つに記載された酸素センサユニットと、当該酸素センサユニットから出力された前記酸素濃度の検出結果に基づいて前記ガス給湯器の燃焼制御を行う燃焼制御装置とを備えている給湯制御システム。
【0105】
本特徴に示す給湯制御システムによれば、仮に酸素センサユニットの検出回路部にて異常抵抗が発生した場合であっても、当該異常抵抗の影響によってガス給湯器の燃焼効率が低下したり排ガスの清浄度が低下したりするといった不都合を好適に抑制できる。また、検出回路部にて異常抵抗が発生した場合に酸素センサユニットの交換が必要になることを抑制できる。これは、給湯制御システム(給湯設備)の修理の費用や手間を軽減する上で好ましい。
【符号の説明】
【0106】
10…給湯システム、11…ガス給湯器、12…給湯制御装置、39…排気管、40…センサユニット、50…A/Fセンサ、51…センサ素子、52…ヒータ抵抗、60…センサ基板、61…CPU、65…電力供給部、67…プルダウン抵抗、71,75…配線、72,76…コネクタ、HC…加熱回路、HI…ヒータライン、SC…検出回路、SI…素子ライン、TG…基準温度、Y…設定上限。