(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025596
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】撮影計画支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230215BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20230215BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230215BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06Q10/06 302
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130937
(22)【出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】521352521
【氏名又は名称】株式会社スローネ
(74)【代理人】
【識別番号】100135149
【弁理士】
【氏名又は名称】岡沢 理華
(72)【発明者】
【氏名】結城 崇史
(72)【発明者】
【氏名】張 玉蛍
(72)【発明者】
【氏名】長田 健吾
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049AA13
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】
台本内容を、台本を表現するのに適した構造にしてデータベースに登録し、シーンごとに提示することにより効率的な台本提示を実現し、撮影計画に関するサポートを行うことができる撮影計画支援システムを提供する。
【解決手段】
一以上の端末装置を含んで構成され、撮影計画業務を支援する撮影計画支援システムにおいて、台本テキストデータを、シーン識別情報に基づいて、シーンごとに、ト書きテキストデータ及び/又は台詞情報を対応付けて撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる記憶制御手段と、撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された台本テキストデータに基づく台本内容を、シーン識別情報に基づいてシーンごとに端末装置に表示する表示処理手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の端末装置を含んで構成され、撮影計画業務を支援する撮影計画支援システムにおいて、
複数のシーンから構成され、
各前記シーンは、当該シーンを示すシーン識別情報と、
台詞テキストデータと当該台詞を担当する登場人物を示す人物情報を含む台詞情報、又は、ト書きテキストデータ、のうち少なくともいずれか一方と、を含む台本内容を示す台本テキストデータを、撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる記憶制御手段であって、前記台本テキストデータを、前記シーン識別情報に基づいて、前記シーンごとに、前記ト書きテキストデータ及び/又は前記台詞情報を対応付けて前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる前記記憶制御手段と、
前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記シーン識別情報に基づいて前記シーンごとに前記端末装置に表示する表示処理手段と、
を有することを特徴とする撮影計画支援システム。
【請求項2】
前記台本テキストデータのうち、台詞箇所を示す台詞箇所識別情報が存在するテキスト行と同一行であって当該台詞箇所識別情報の直前の全テキストを、前記人物情報と判定し、かつ、前記台本テキストデータのうち、前記台詞箇所識別情報より指示される箇所のテキストを台詞テキストデータと判定する台詞判定手段を有し、
前記記憶制御手段は、前記台詞判定手段により判定された前記人物情報と前記台詞テキストデータを対応付けて、前記シーンごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させることを特徴とする請求項1に記載の撮影計画支援システム。
【請求項3】
前記台本テキストデータのうち、台詞箇所を示す台詞箇所識別情報が存在しないテキスト行を前記ト書きテキストデータと判定するト書き判定手段を有し、
前記記憶制御手段は、前記ト書き判定手段により判定された前記ト書きテキストデータを、前記シーンごとに、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮影計画支援システム。
【請求項4】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、台本内容の表示を所望する前記シーンの選択を受け付ける第一シーン選択受付手段を有し、
前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、前記第一シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンの前記シーン識別情報に対応付けて記憶された、前記ト書きテキストデータ及び/又は前記台詞情報を前記端末装置に表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の撮影計画支援システム。
【請求項5】
前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに含まれる前記シーン識別情報と前記人物情報に基づいて、台詞を担当する登場人物を示す前記人物情報を前記シーンごとに前記端末装置にリスト表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮影計画支援システム。
【請求項6】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、スケジュールの登録又は編集を所望する前記シーンの選択を受け付ける第二シーン選択受付手段を有し、
前記第二シーン選択受付手段により受け付けた一の前記シーンに対して、撮影場所、撮影日、撮影時間帯、撮影環境、撮影時期の少なくともいずれかのスケジュール情報の登録又は編集を受け付けるスケジュール情報登録/編集受付手段を有し、
前記記憶制御手段は、前記スケジュール情報登録/編集受付手段により受け付けた登録後又は編集後の前記スケジュール情報を、前記第二シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンのシーン識別情報に対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、
前記表示制御手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づいて台本内容を前記端末装置に表示する際、前記登録後又は編集後のスケジュール情報を、前記シーンごとに対応付けて表示することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の撮影計画支援システム。
【請求項7】
新たな前記ト書きテキストデータ、又は/及び、新たな前記台詞情報から構成される新たなシーンの追加を受け付けるシーン追加受付手段を有し、
前記記憶制御手段は、前記シーン追加受付手段により受け付けた前記新たなト書きテキストデータ、又は/及び、前記新たな台詞情報に対し、新たなシーン識別情報を付与して、当該新たなシーン識別情報と対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の撮影計画支援システム。
【請求項8】
前記シーン追加受付手段は、複数の前記新たなシーンの追加を受け付け、
前記記憶制御手段は、前記シーン追加受付手段により受け付けた前記複数の新たなシーンのそれぞれに対し、新たなシーン識別情報を付与して、当該新たなシーン識別情報と対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させることを特徴とする請求項7のいずれか一項に記載の撮影計画支援システム。
【請求項9】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、新たな前記ト書きテキストデータ、又は、新たな台詞情報の追加を所望する前記シーンの選択を受け付ける第三シーン選択受付手段を有し、
前記三シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンに対し、前記新たなト書きテキストデータ、又は、前記新たな台詞情報の追加を受け付けるト書き/セリフ追加受付手段を有し、
前記記憶制御手段は、前記ト書き/セリフ追加受付手段により受け付けた前記新たなト書きテキストデータ、又は、前記新たな台詞情報を、前記三シーン選択受付手段により選択された前記シーンのシーン識別情報に対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の撮影計画支援システム。
【請求項10】
前記記憶制御手段は、前記台本テキストデータを、一以上の前記シーンの組により構成される一以上のエピソードごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、
前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、一の前記エピソードの選択を受け付けるエピソード選択受付手段を有し、
前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記エピソード選択受付手段により受け付けた前記エピソードを構成する前記シーンごとに前記端末装置に表示することを特徴とする請求項1乃至請求項9に記載の撮影計画支援システム。
【請求項11】
前記記憶制御手段は、前記台本テキストデータを、一以上の前記エピソードの組により構成される作品ごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、
前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、一の前記作品の選択を受け付ける作品選択受付手段を有し、
前記表示手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記作品選択受付手段により受け付けた前記作品を構成する前記エピソードであって、当該エピソードを構成する前記シーンごとに前記端末装置に表示することを特徴とする請求項10に記載の撮影計画支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映画、テレビドラマ等のテレビ番組、インターネットコンテンツ等を撮影する際の撮影計画を立てる業務のサポートを行う撮影計画支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映画、テレビドラマ等のテレビ番組、インターネットコンテンツ等の撮影には、演者のスケジュール調整、撮影場所の手配、撮影機器の準備、小道具の準備、衣装の準備、撮影用セットの準備、駐車場の確保など、膨大な準備が必要である。例えば、テレビドラマ等には必ず台本というものが存在し、これら台本は、あらかじめ複数印刷され、演者及びスタッフ等に配布される。演者は台本を見て台詞を覚え、スタッフは台本に記載されている内容読み、各シーンの内容に応じて撮影計画を立てていく。
【0003】
一方、撮影が行われた番組の編集に関しては、例えば特許文献1のように、分類・蓄積された各種の番組情報を抜き出し、並べ替えて編集を行うことができる番組情報管理編集システムが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スタッフが行う撮影計画の一例として、例えば、撮影を野外で行うシーンの場合にはロケ等の準備が必要となる。シーンごとに登場する登場人物を把握し、登場人物と演者(キャスト)に応じた準備(衣装、履物、かつら、小道具等)を行う。さらに、登場人物を演じる演者(キャスト)によっては特別な準備が必要な場合もある。
効率よく撮影を進めるために、例えば、撮影場所と登場人物が同一であれば、連続していないシーン(例えば、オープニングシーンとエンディングシーン)であっても、撮影を同日又は同じ時間帯に一緒に撮影してしまう等の工夫も求められる。
【0006】
また、撮影中に台本内容が変更された場合には、当該台本が変更された箇所のページを複数印刷し、再び演者及びスタッフ等に配布されることになる。そして、スタッフは変更後の台本に従って、撮影が滞りなく、かつ、無駄なく効率的に行われるよう、再度、計画の立て直しを行わなければならない。このように、スタッフが行わなければならない撮影計画業務は、膨大な作業量と時間とを要していた。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、台本内容を、台本を表現するのに適した構造にしてデータベースに登録し、シーンごとに台本内容を提示することにより効率的な台本提示を実現し、撮影計画を立てる多くのスタッフが抱えていた問題点を解決して撮影計画に関するサポートを行うことができる撮影計画支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮影計画支援システムは、一以上の端末装置を含んで構成され、撮影計画業務を支援する撮影計画支援システムにおいて、複数のシーンから構成され、各前記シーンは、当該シーンを示すシーン識別情報と、台詞テキストデータと当該台詞を担当する登場人物を示す人物情報を含む台詞情報、又は、ト書きテキストデータ、のうち少なくともいずれか一方と、を含む台本内容を示す台本テキストデータを、撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる記憶制御手段であって、前記台本テキストデータを、前記シーン識別情報に基づいて、前記シーンごとに、前記ト書きテキストデータ及び/又は前記台詞情報を対応付けて前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる前記記憶制御手段と、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記シーン識別情報に基づいて前記シーンごとに前記端末装置に表示する表示処理手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記台本テキストデータのうち、台詞箇所を示す台詞箇所識別情報が存在するテキスト行と同一行であって当該台詞箇所識別情報の直前の全テキストを、前記人物情報と判定し、かつ、前記台本テキストデータのうち、前記台詞箇所識別情報より指示される箇所のテキストを台詞テキストデータと判定する台詞判定手段を有し、前記記憶制御手段は、前記台詞判定手段により判定された前記人物情報と前記台詞テキストデータを対応付けて、前記シーンごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させるよう構成してもよい。
【0010】
前記台本テキストデータのうち、台詞箇所を示す台詞箇所識別情報が存在しないテキスト行を前記ト書きテキストデータと判定するト書き判定手段を有し、前記記憶制御手段は、前記ト書き判定手段により判定された前記ト書きテキストデータを、前記シーンごとに、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させるよう構成してもよい。
【0011】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、台本内容の表示を所望する前記シーンの選択を受け付ける第一シーン選択受付手段を有し、前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、前記第一シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンの前記シーン識別情報に対応付けて記憶された、前記ト書きテキストデータ及び/又は前記台詞情報を前記端末装置に表示するよう構成してもよい。
【0012】
前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに含まれる前記シーン識別情報と前記人物情報に基づいて、台詞を担当する登場人物を示す前記人物情報を前記シーンごとに前記端末装置にリスト表示するよう構成してもよい。
【0013】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、スケジュールの登録又は編集を所望する前記シーンの選択を受け付ける第二シーン選択受付手段を有し、前記第二シーン選択受付手段により受け付けた一の前記シーンに対して、撮影場所、撮影日、撮影時間帯、撮影環境、撮影時期の少なくともいずれかのスケジュール情報の登録又は編集を受け付けるスケジュール情報登録/編集受付手段を有し、前記記憶制御手段は、前記スケジュール情報登録/編集受付手段により受け付けた登録後又は編集後の前記スケジュール情報を、前記第二シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンのシーン識別情報に対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、前記表示制御手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づいて台本内容を前記端末装置に表示する際、前記登録後又は編集後のスケジュール情報を、前記シーンごとに対応付けて表示するよう構成してもよい。
【0014】
新たな前記ト書きテキストデータ、又は/及び、新たな前記台詞情報から構成される新たなシーンの追加を受け付けるシーン追加受付手段を有し、前記記憶制御手段は、前記シーン追加受付手段により受け付けた前記新たなト書きテキストデータ、又は/及び、前記新たな台詞情報に対し、新たなシーン識別情報を付与して、当該新たなシーン識別情報と対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させるよう構成してもよい。
【0015】
前記シーン追加受付手段は、複数の前記新たなシーンの追加を受け付け、前記記憶制御手段は、前記シーン追加受付手段により受け付けた前記複数の新たなシーンのそれぞれに対し、新たなシーン識別情報を付与して、当該新たなシーン識別情報と対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させるよう構成してもよい。
【0016】
前記端末装置に表示した前記複数のシーンから、新たな前記ト書きテキストデータ、又は、新たな台詞情報の追加を所望する前記シーンの選択を受け付ける第三シーン選択受付手段を有し、前記三シーン選択受付手段により受け付けた前記シーンに対し、前記新たなト書きテキストデータ、又は、前記新たな台詞情報の追加を受け付けるト書き/セリフ追加受付手段を有し、前記記憶制御手段は、前記ト書き/セリフ追加受付手段により受け付けた前記新たなト書きテキストデータ、又は、前記新たな台詞情報を、前記三シーン選択受付手段により選択された前記シーンのシーン識別情報に対応付けて、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させるよう構成してもよい。
【0017】
前記記憶制御手段は、前記台本テキストデータを、一以上の前記シーンの組により構成される一以上のエピソードごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、一の前記エピソードの選択を受け付けるエピソード選択受付手段を有し、前記表示処理手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記エピソード選択受付手段により受け付けた前記エピソードを構成する前記シーンごとに前記端末装置に表示するよう構成してもよい。
【0018】
前記記憶制御手段は、前記台本テキストデータを、一以上の前記エピソードの組により構成される作品ごとに前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶し、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータのうち、一の前記作品の選択を受け付ける作品選択受付手段を有し、前記表示手段は、前記撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された前記台本テキストデータに基づく台本内容を、前記作品選択受付手段により受け付けた前記作品を構成する前記エピソードであって、当該エピソードを構成する前記シーンごとに前記端末装置に表示するよう構成してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の撮影計画支援システムによれば、台本内容を、台本を表現するのに適した構造にしてデータベースに登録することにより、シーンごとに台本内容を簡単に表示することができる。特に、撮影計画立てるスタッフの作業効率を向上させることが可能になる。また、シーンごとにデータベースに登録することにより、シーン単位で、或いは、ト書き/セリフ単位で、編集/登録が可能になるため、台本内容の変更にも柔軟に対応することができる。更に、シーンごとに登場人物をリスト表示させることができるため、衣装・小道具の準備や、役者世話係のスタッフ等に特に有用である。さらに、シーンごとに、撮影のスケジュール情報を編集可能に登録することができるため、台本内容と合わせてスケジュール情報の確認を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態における撮影計画支援システムSの構成例を示す概略図である。
【
図2】プロジェクトサーバ1の構成を示すブロック図である。
【
図3】撮影計画プロジェクトDBの一例を示す図である。
【
図4】「エピソード」情報の構造の一例を示す図である。
【
図6】台本テキストデータ100の一例を示す図である。
【
図7】ログイン後の端末装置2Aの表示画面の一例を示す図である。
【
図8】作品情報の入力枠31の一例を示す図である。
【
図9】端末装置2Aの表示画面の一例を示す図である。
【
図10】端末装置2Aの表示画面の一例を示す図である。
【
図11】エピソード情報の入力枠36の一例を示す図である。
【
図12】端末装置2Aの表示画面の一例を示す図である。
【
図13】端末装置2Aの表示画面の一例を示す図である。
【
図14】台本テキストデータ100の入力枠39の一例を示す図である。
【
図15】台本テキストデータ100の入力枠39の一例を示す図である。
【
図17】台本テキストデータ100と登場人物のリスト表示の一例を示す図である。
【
図18】台本内容表示箇所40の要部拡大図である。
【
図19】選択されたシーン110の台本内容の展開表示の一例を示す図である。
【
図20】登場人物リスト表示箇所41の要部拡大図である。
【
図21】シーン追加の入力枠43の一例を示す図である。
【
図22】ト書き/セリフ追加の入力枠51の一例を示す図である。
【
図23】ト書き/セリフ追加後の、台本内容の展開表示の一例を示す図である。
【
図24】ト書き/セリフ編集の入力枠60の一例を示す図である。
【
図25】スケジュール登録/編集の入力枠76の一例を示す図である。
【
図26】スケジュール情報の登録/編集を行った後の台本内容のシーン110ごとの表示例の一例である。
【
図27】撮影計画プロジェクトDBに記憶される演者に関する詳細な情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その効果を奏する限りにおいて種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。また、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするために、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0022】
本発明の実施の形態を説明する。なお、ここではテレビドラマの台本内容を示す台本テキストデータを撮影計画プロジェクトデータベースに蓄積管理し、及び当該データベースに記憶された台本内容(台本テキストデータ)をシーンごとに効率的に提示して撮影計画に関するサポートを行うことができる撮影計画支援システムについて説明する。
【0023】
本実施形態における撮影計画支援システムSは、一以上の端末装置2A乃至2Fを含んで構成され、撮影計画業務を支援する撮影計画支援システムSである。複数のシーン110から構成され、各シーン110は、当該シーンを示すシーン識別情報と、「台詞テキストデータ105と当該台詞を担当する登場人物を示す人物情報106を含む台詞情報」、又は、「ト書きテキストデータ107」、のうち少なくともいずれか一方と、を含む台本内容を示す台本テキストデータ100を、撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる記憶制御手段であって、台本テキストデータ100を、シーン識別情報に基づいて、シーン110ごとに、ト書きテキストデータ107及び/又は台詞情報を対応付けて撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる記憶制御手段と、撮影計画プロジェクトデータベースに記憶された台本テキストデータ100に基づく台本内容を、シーン識別情報に基づいてシーン110ごとに端末装置2A乃至2Fに表示する表示処理手段と、を有する。
【0024】
図1は、本実施形態における撮影計画支援システムSの構成例を示す概略図である。
プロジェクトサーバ1と、ネットワーク100を介してプロジェクトサーバ1と情報の授受を可能に接続された端末装置2A乃至2Fにより構成される。
端末装置2A乃至2Fは、撮影計画支援システムS内に複数存在し、ネットワーク100を通じてプロジェクトサーバ1にアクセス可能な、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータで構成されている。
端末装置2A乃至2Fを操作するユーザは、台本内容を確認することが必要な、すなわち、従来であれば印刷され配布された台本を参照していた各スタッフ、演者、監督、関係者等である。
【0025】
例えば、衣装担当スタッフが端末装置2Aを操作して、プロジェクトサーバ1にアクセスし、撮影計画プロジェクトDBに記憶された台本内容を参照して、撮影に参加する演者(キャスト)が演じる登場人物の情報を確認する。また、台本内容の編集権を有する台本係が端末装置2Bを操作して、プロジェクトサーバ1にアクセスし、撮影計画プロジェクトDBに記憶された台本内容を編集・更新する。さらに、撮影計画を立てる担当スタッフが端末装置2Cを操作して、プロジェクトサーバ1にアクセスし、撮影計画プロジェクトDBに記憶された台本内容に対してスケジュール情報を入力する。
【0026】
図2はプロジェクトサーバ1の構成を示すブロック図である。
プロジェクトサーバ1は、当該撮影計画支援システムSを運営するシステム提供事業者が備える装置である。プロジェクトサーバ1は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory),各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)又はハードディスクドライブ等から構成されたコンピュータとしての制御部11、ハードディスクドライブ等を備える記憶部12、モニタ等の表示画面を備える表示部13、撮影計画支援システムSを運営する事業者からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス、操作パネル(タッチパネルを含む)等)14、各種ネットワーク(LAN(Local Area Network)を含む)を介して端末装置2A乃至2Fなどと通信を行うための通信部15を備えて構成されている。各構成部材はバスを介して相互に接続されている。
制御部11は、例えば、プロセッサがメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)等を含んでよい。
【0027】
記憶部12は、撮影計画プロジェクトDB、ユーザデータベース(以下、「ユーザDB」と言う。)等を記憶し、各データベースに後述する各種情報を格納している。なお、制御部11の各手段及び各機能は、ROM等に記憶されたプログラムに従って実行されているが、それぞれ独立した機器にて構成してもよく、クラウドコンピューティングによって構成してもよい。また、記憶部12は、クラウドサービスによって構成されてもよい。また、プロジェクトサーバ1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で端末装置2A乃至2Fに提供されてもよい。
【0028】
制御部11は、他の部材と協動して本発明の記憶制御手段、表示処理手段、承認処理手段、台詞判定手段、ト書き判定手段、第一シーン選択受付手段、第二シーン選択受付手段、第三シーン選択受付手段、シーン追加受付手段、ト書き/セリフ追加受付手段、スケジュール情報登録/編集受付手段、エピソード選択受付手段、作品選択受付手段として機能する。
【0029】
例えば、制御部11は、表示処理手段として機能し、端末装置2A乃至2Fの表示画面において表示するための各種の画面を表示処理し、ネットワーク100を通じて端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにて当該画面が表示される。なお、以下の説明において、端末装置2A乃至2Fが撮影計画支援システムSにログイン後に、端末装置2A乃至2Fに表示される表示画面は、プロジェクトサーバ1の制御部11が表示処理手段として表示処理を行った画面である。
【0030】
ユーザDBには、撮影計画支援システムSにアクセス可能なユーザの情報が格納されている。例えば、ユーザ個人を一意に特定するユーザ識別情報の一例としてのユーザIDとパスワードに対応付けてユーザ情報(氏名、所属先、連絡先等)が記憶されている。ユーザは、各端末装置2A乃至2Fから、プロジェクトサーバ1にアクセスして、ユーザIDとパスワードにより撮影計画支援システムSにログインし、当該システムSを利用する。
【0031】
具体的には、ユーザは、端末装置2A乃至2Fからプロジェクトサーバ1へアクセスすると、プロジェクトサーバ1は、ユーザIDとパスワードの入力を促す入力用の画面を表示処理して、アクセスのあった端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作することにより、当該入力枠にログインIDとパスワードを入力すると、入力されたログインIDとパスワードの組がプロジェクトサーバ1に送信される。プロジェクトサーバ1の制御手段11は、端末装置2A乃至2Fから送信されたログインID及びパスワードの組に基づいて、ユーザDBを参照しログインの可否を判定する。端末装置2A乃至2Fは、ログインが可とされた場合のみ撮影計画支援システムSを利用できる。
【0032】
さらに、各ユーザIDに承認情報を対応付けてユーザDBに記憶してもよい。台本の参照、登場人物の参照、スケジュールの参照、更に、例えば、台本テキストデータ100の追加、台詞の追加、シーンの追加等の各作業について、ユーザIDごとに承認/非承認の別を、承認情報として対応づけてユーザDBに記憶しておく。ユーザが撮影計画支援システムSにログイン後、例えば、端末装置2A乃至2Fから、いずれかの作業の要求(後述する各種の作業、各種要求)を受けると、制御手段11は、承認処理手段として機能し、要求を受けた作業について、ユーザDBを参照して「承認」又は「非承認」を判定する。そして、「承認」の場合のみ当該作業を許可するよう構成するよう構成してもよい。これによれば、ユーザごとにそれぞれ適した権限を付与することができる。なお、ユーザ個人ごとにユーザIDとパスワードの組を付与して対応付ける構成に限定されるものではない。例えば、ユーザの所属先単位(会社単位等、特定のグループ単位)で一のユーザIDとパスワードの組を付与し、対応付けて記憶してもよい。
【0033】
撮影計画プロジェクトDBには、作品ごとに台本内容である台本テキストデータが記憶されている。
図3は、撮影計画プロジェクトDBの一例である。なお、台本テキストデータの記憶の手順については後に詳述する。
図3の例では、作品情報には、当該作品を撮影する際の「スケジュール」情報、当該作品に登場する「登場人物」の情報(演者の情報を含む)、及び少なくとも一以上の「エピソード」情報(「第〇話」等)が記憶されている。作品情報には固有の「タイトル」(「B物語」等)と「カテゴリ」(「Aドラマシリーズ」等)が付与されている。なお、「登場人物」には、ナレーション(語り)を含んでもよい。
【0034】
「エピソード」情報(「第〇話」等)には、当該「エピソード」に登場する「登場人物」情報と少なくとも一以上の「シーン」情報が記憶されている。
図4は、撮影計画プロジェクトDB中の「エピソード」情報の構造の一例である。「シーン」情報には、当該シーン中の台本内容が記憶されている。具体的には、ト書きテキストデータ107、台詞情報としての台詞テキストデータ105及び人物情報106、テロップ、設定時間、撮影場所、撮影日、撮影時間等が対応付けて記憶されている。人物情報106とは、対応付けて記憶されている台詞テキストデータ105を担当する、すなわち当該台詞を話す登場人物の情報である。
【0035】
なお、「シーン」情報には、「ト書きテキストデータ107」と「台詞テキストデータ105及び人物情報106」の両方が記憶されている場合、「ト書きテキストデータ107」のみが記憶されている場合、「台詞テキストデータ105及び人物情報106」のみが記憶されている場合がある。
以下、台本内容を示す台本テキストデータを撮影計画プロジェクトDBへ記憶させる手順について説明する。
【0036】
<1 台本テキストデータ100の作成>
台本テキストデータ100を作成する。
図5は、元台本90の一例である。元台本90は、例えば、脚本家等によって用意されるものであり、各種文書作成プログラムを使用して作成された文書ファイルの他、縦書き作文用紙等を含む手書きの原稿等である。最初に当該元台本90を編集して、プロジェクトサーバ1の記憶部12の撮影計画プロジェクトDBへ記憶させるための台本テキストデータを作成する。
【0037】
元台本90は、以下の形式で作成されていることが多い。
・一以上のシーンから構成されたエピソード単位(「第〇話」等)で記載されている。
・シーンごとに記載されており、各シーンの始まりにはシーン名が記載されている。
・台詞箇所は、例えば、鉤カッコ(「」)等台詞であることを指示するための台詞箇所識別情報がある。
・台詞の前には台詞を担当する登場人物名が記載されている。
・台詞箇所識別情報がなければト書きである。
なお、元台本90が上記形式に沿っていない箇所がある場合には、上記形式に沿うよう修正し、台本テキストデータ100を作成する。
この形式を利用して、元台本90に対し、シーンの区切りごとに、「シーン識別情報」を付与するだけで、シーンごとに表示するための台本テキストデータ100を作成することが可能になる。
【0038】
元台本90のシーンの区切りごとに、シーン識別情報を付与して、台本テキストデータ100を作成する。
図6は作成された台本テキストデータ100の一例である。本実施形態では、シーン識別情報としての識別字101「SceneStart」とシーン番号102の組を付与する。シーン番号102はシーンの順に番号を付与する。
以上の手順で、複数のシーン110から構成される台本テキストデータ100が作成される。
【0039】
シーン110は、シーン識別情報としての「識別字101とシーン番号102」を含む。さらに、シーン110は、ト書きテキストデータ107又は台詞情報の少なくともいずれか一方を含む。台詞情報には、台詞テキストデータ105と当該台詞を担当する登場人物を示す人物情報106を含み、さらに、台詞箇所を指示するための台詞箇所識別情報104の一例としての鉤カッコを含んで構成される。
例えば、シーン番号102「1」が付与されたシーン110は、ト書きテキストデータ107を含み、シーン番号102「3」が付与されたシーン110は、ト書きテキストデータ107と台詞情報(台詞テキストデータ105と当該台詞を担当する登場人物を示す人物情報106)を含む。
【0040】
さらに、本実施形態の
図6の例による各シーン110は、シーン名103を含む。例えば、シーン番号102「1」が付与されたシーン110は、シーン名103「外景」を含み、シーン番号102「3」が付与されたシーン110は、シーン名103「K子の家・前の道」を含む。
【0041】
以上の手順で、台本内容を示す台本テキストデータ100が作成される。例えば、端末装置2A乃至2Fの制御部(不図示)又はプロジェクトサーバ1の制御部11により台本テキストデータ100を作成すればよい。他のコンピュータ等を使用して台本テキストデータ100を作成してもよい。
【0042】
<2 撮影計画プロジェクトDBへの台本テキストデータ100の登録>
次に、作成された台本テキストデータ100を撮影計画プロジェクトDBに登録(記憶)する手順について説明する。ここでは、ユーザが端末装置2Aを操作して台本テキストデータ100を撮影計画プロジェクトDBに登録する場合について説明する。
【0043】
ユーザの操作により端末装置2Aからプロジェクトサーバ1にログインすると、先ず、
図7に示す表示画面が表示される。なお、本システムSは、撮影計画支援のためのシステムであるが、台本内容(台本テキストデータ)を提示して撮影計画立案を支援するシステムのため、
図7に一例として示した表示画面には便宜上「台本システム」と表示している。
【0044】
ユーザの操作により端末装置2Aの表示画面上で「作品を追加」ボタン30をクリック(選択)することにより、
図8に示す作品情報のタイトル及びカテゴリの入力枠31が表示される。具体的には、端末装置2Aからプロジェクトサーバ1に対して作品の追加要求が送信され、これを受けたプロジェクトサーバ1は、表示処理手段として機能し、作品情報のタイトル及びカテゴリの入力用の画面を表示処理して要求元の端末装置2Aに送信し、端末装置2Aにおいて当該画面が表示される。
【0045】
ユーザは端末装置2Aを操作して入力枠31に作品情報のタイトル及びカテゴリを入力する。
図8は、タイトル「特許物語」、カテゴリ「知的財産権ドラマシリーズ」が入力された例である。そして、保存ボタン32をクリック(選択)すると、入力枠31に入力された作品情報のタイトル及びカテゴリがプロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。なお、閉じるボタン33をクリック(選択)すると、入力枠31に入力された作品情報が削除されて入力前の状態に戻る。
【0046】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2Aからネットワーク100及び通信部15を介して作品情報のタイトル及びカテゴリを受信すると、撮影計画プロジェクトDBに受信した作品情報のタイトル及びカテゴリが記憶される。
【0047】
図9は、上述した作品追加の動作を2回行い、2つの作品情報のタイトル及びカテゴリが撮影計画プロジェクトDBに記憶された後の端末装置2Aの表示画面の表示例である。
図7乃至
図9で説明した手順で、撮影計画プロジェクトDBに複数の作品情報のタイトル及びカテゴリを追加することができる。なお、タイトルのみ、又は、カテゴリのみでも登録できる。
【0048】
次に、作品情報を選択し、エピソードの話数とタイトルを登録する。ユーザの操作により、端末装置2Aの表示画面に表示された作品情報のタイトル及びカテゴリの選択ボタン34のうち、いずれかの選択ボタン34がクリック(選択)されると、エピソードの話数とタイトルを登録するためのエピソード追加画面が、端末装置2の表示画面に表示される。
図10は、
図9においてカテゴリ「知的財産権ドラマシリーズ」、タイトル「特許物語」が選択された場合の表示画面の一例である。
【0049】
図10において、端末装置2を操作するユーザがエピソード追加ボタン35をクリック(選択)することにより、
図11に示すエピソード情報のエピソードの話数とタイトルの入力枠36が表示される。具体的には、端末装置2Aからプロジェクトサーバ1に対してエピソードの追加要求が送信され、これを受けたプロジェクトサーバ1は、表示処理手段として機能し、エピソードの話数とタイトルの入力用の画面を表示処理して要求元の端末装置2Aに送信し、端末装置2Aにおいて画面が表示される。ユーザは端末装置2Aを操作して入力枠36にエピソードの話数とタイトルを入力する。
【0050】
図11はエピソード情報として話数「第1話」タイトル「K子とF」が入力された例である。そして、保存ボタン32をクリック(選択)すると、入力枠36に入力されたエピソードの話数とタイトルがプロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。なお、閉じるボタン33をクリック(選択)すると、入力枠36に入力された話数とタイトルが削除されて入力前の状態に戻る。
【0051】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2Aからネットワーク100及び通信部15を介してエピソードの話数とタイトルを受信すると、撮影計画プロジェクトDBに受信したエピソードの話数とタイトルが、作品情報のタイトル及びカテゴリに対応付けて記憶される。本実施形態では、
図9で選択した作品情報のタイトル及びカテゴリに対して、
図11で入力したエピソードの話数とタイトルが対応付けて記憶される(
図12)。
図9乃至
図12で説明した手順で、撮影計画プロジェクトDBに選択した作品情報に対して複数のエピソードの話数とタイトルを追加することができる。
【0052】
次に、エピソードの話数とタイトルを選択して台本内容である台本テキストデータ100を登録する。ユーザの操作により端末装置2Aの表示画面上で台本テキストデータ100を登録する対象のエピソードの話数とタイトルの選択ボタン37がクリック(選択)されると、プロジェクトサーバ1の制御部11の表示処理により端末装置2にシーンの追加を選択するための画面が表示される(
図13)。例えば、ユーザの操作によりシーン一括追加ボタン38をクリック(選択)すると、選択したエピソード情報に対して複数のシーンを含む台本テキストデータ100を一括して追加するためのフォームが、端末装置2の表示画面に表示される。
【0053】
具体的には、端末装置2Aからプロジェクトサーバ1に対してシーン一括追加要求が送信され、これを受けたプロジェクトサーバ1は、表示処理手段として機能し、シーン一括追加用の画面を表示処理して要求元の端末装置2Aに送信し、端末装置2Aにおいて画面が表示される。
図14は、台本テキストデータ100の入力枠39の一例を示す図である。ユーザは端末装置2Aを操作して入力枠39に台本テキストデータ100を入力する。
【0054】
例えば、ユーザが端末装置2Aを操作して、上述した手順で作成した台本テキストデータ100(
図6)であって、
図12で選択したエピソード情報に対する台本テキストデータ100を、当該入力枠39に入力する。具体的には、例えば、台本テキストデータ100(
図6)を開いて、コピー(複製)し、入力枠39にペースト(貼り付け)して入力する(
図15)。
【0055】
そして、保存ボタン32をクリック(選択)すると、入力枠39に入力された台本テキストデータ100がプロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。なお、閉じるボタン33をクリック(選択)すると、入力枠39に入力された台本テキストデータ100が削除されて入力前の状態に戻る。
【0056】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2Aからネットワーク100及び通信部15を介して、選択中のエピソード情報を指定する情報と台本テキストデータ100を受信すると、撮影計画プロジェクトDBに、受信した台本テキストデータ100を指定されたエピソード情報に対応付けて記憶する。エピソード情報を指定する情報とは、例えば、エピソード情報が属する作品情報である。本実施形態では、
図9で選択した作品情報と
図12で選択したエピソード情報に対応付けて台本テキストデータ100を記憶する。
【0057】
この際、プロジェクトサーバ1の制御部11は、記憶制御手段として機能し、台本テキストデータ100を、シーン識別情報に基づいて、シーン110ごとに、ト書きテキストデータ107及び/又は台詞情報を対応付けて撮影計画プロジェクトDBに記憶させる。
【0058】
例えば、制御部11は、台詞判定手段として機能し、台本テキストデータ100のうち、台詞箇所識別情報104が存在するテキスト行と同一行であって当該台詞箇所識別情報104の直前の全テキストを、人物情報106と判定し、台詞箇所識別世情報104により指示されるテキストを台詞テキストデータ105と判定する。そして、シーン識別情報に対応付けて、シーン110ごとに台詞情報としての台詞テキストデータ105と人物情報106を撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる(
図4)。
図4の例では、シーン名103にも対応づけて記憶される。
【0059】
なお、台詞箇所識別情報104により指示されるテキストとは、例えば、本実施形態のように、台詞箇所識別情報104が鉤カッコであれば、鉤カッコで括られた箇所のテキストを示す。台詞箇所識別情報104は鉤カッコに限定されるものではなく、台詞箇所識別世情報104がクオーテーションやダブルクオーテーションである場合には、当該クオーテーションやダブルクオーテーションで括られた箇所のテキストを示す。その他の台詞箇所識別情報104で示される場合には、当該台詞箇所識別情報104にて指示されたテキストを台詞テキストデータ105として判定すればよい。
【0060】
さらに、例えば、制御部11は、ト書き判定手段として機能し、台本テキストデータ100のうち、台詞箇所識別情報104が存在しないテキスト行を、ト書きテキストデータ107と判定する。そして、シーン識別情報に対応付けて、シーン110ごとに、ト書きテキストデータ107を撮影計画プロジェクトデータベースに記憶させる(
図4)。
図4の例では、シーン名103にも対応づけて記憶される。
【0061】
以上説明した手順で、台本内容を示す台本テキストデータ100が、シーン110ごとにプロジェクトサーバ1の記憶部12の撮影計画プロジェクトDBに記憶される。さらに、本実施形態では、台本内容を示す台本テキストデータ100が、作品情報及びエピソード情報に対応付けて、撮影計画プロジェクトDBに記憶される。
【0062】
<3 台本内容の表示>
撮影計画支援システムSに参加するユーザは、端末装置2A乃至2Fを介して撮影計画プロジェクトDBに登録(記憶)された台本内容をシーン110ごとに表示画面に表示させることができる。
ユーザが、端末装置2A乃至2Fから撮影計画支援システムSにログインすると、撮影計画プロジェクトDBに登録済みの台本テキストデータ100の作品情報が表示画面に表示される(
図9)。
【0063】
そしてユーザにより端末装置2A乃至2Fを操作して、表示画面上で、撮影計画プロジェクトDBに登録(記憶)されている作品情報のうち、いずれかの作品情報を選択すると、プロジェクトサーバ1に対し、端末装置2A乃至2Fから選択された作品情報の台本テキストデータ100の表示要求がされる。
【0064】
プロジェクトサーバ1は、台本テキストデータ100の表示要求がされると、プロジェクトサーバ1の制御部11が、作品選択受付手段、エピソード選択受付手段及び表示処理手段として機能する。
先ず、制御部11は、表示要求の対象となる作品情報に対応付けて記憶された全てのエピソード情報を撮影計画プロジェクトDBから抽出し、当該エピソード情報の選択用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信する。そして、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される(
図16)。
【0065】
そしてユーザの操作により端末装置2A乃至2Fの表示画面上でいずれかのエピソード情報の選択ボタン37が選択されると、プロジェクトサーバ1に対し、選択されたエピソード情報の台本内容の表示要求がされる。プロジェクトサーバ1は、台本内容の表示要求がされると、プロジェクトサーバ1の制御部11が表示処理手段として機能し、表示要求の対象となる作品情報のエピソード情報に対する台本テキストデータ100を撮影計画プロジェクトDBから抽出し、当該台本テキストデータ100をシーン110ごとに表示する表示画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信する。そして、端末装置2A乃至2Fにおいて台本テキストデータ100に基づき台本内容がシーン110ごとに表示される。
【0066】
図17は、シーン110ごとに表示する台本テキストデータ100と登場人物のリスト表示の一例を示す図である。なお、登場人物のリスト表示については後に詳述する。
図18は、
図17中破線で示した台本内容表示箇所40の要部拡大図である。
端末装置2A乃至2Fは、表示中の複数のシーン110から、選択したシーン110の台本内容を表示させることができる。例えば、ユーザの操作により端末装置2A乃至2Fの表示画面上で表示を所望するシーンを選択すると、選択したシーンを示すシーン識別情報としてのシーン番号102と共に台本内容表示要求がプロジェクトサーバ1へ送信される。
【0067】
プロジェクトサーバ1の制御部11は、第一シーン選択受付手段として機能し、表示要求がされたシーン110について受信したシーン識別情報に対応付けて記憶された台本内容、すなわち、ト書きテキストデータ107、又は、台詞情報の少なくともいずれか一方、を展開表示するための表示画面を表示処理し、要求元の端末装置2A乃至2Fに送信する。そして、端末装置2A乃至2Fにおいて受信した台本内容が表示される。
【0068】
図19は、選択されたシーン110の台本内容の展開表示の一例を示す図である。同図は、
図18においてシーン識別情報としてのシーン番号102「3」のシーン110(シーン名「P会社・表」)が選択され、撮影計画プロジェクトDBに記憶された台本テキストデータ100のうち、シーン識別情報としてのシーン番号2が「3」に対応付けられたシーン110の台本内容が展開表示された例である。
【0069】
以上説明したように、本実施形態による撮影計画支援システムSによれば、台本内容を、比較的容易な手順で、かつ、台本を表現するのに適した構造で、撮影計画プロジェクトDBに登録(記憶)させることができる。そして、システムSに含まれる端末装置2A乃至2Fに、台本内容をシーン110ごとに効率的に表示させることが可能になる。ユーザは、端末装置2A乃至2Fを通じて台本内容をシーンごとに確認することができ、撮影計画を立てる際のサポートを行うことができる。
【0070】
<4 登場人物のリスト表示>
さらに、本実施形態では、各シーン110に登場する登場人物を端末装置2A乃至2Fの表示画面上でシーン110ごとにリスト表示可能に構成する。
プロジェクトサーバ1の制御部11が表示処理手段として機能し、台本内容を示す台本テキストデータ100をシーン110ごとに表示する表示画面を表示処理して、表示要求がされた要求元の端末装置2A乃至2Fに送信する際、併せて、当該台本テキストデータ100に含まれるシーン識別情報と人物情報106に基づいて、登場人物の人物情報106を、シーン110ごとにリスト表示する表示画面を表示処理し送信する。そして、端末装置2A乃至2Fの表示画面にてシーン110ごとに登場人物の人物情報106がリスト表示される(
図17)。
【0071】
図20は、
図17中破線で示した登場人物リスト表示箇所41の要部拡大図である。同図では、例えば、シーン識別情報としてのシーン番号102が「3」のシーン110(シーン名「P会社・表」)に登場する登場人物は、「K子」、「語り」、「F」、「I内」、であることが一目でわかる。
以上説明したように、本実施形態では、撮影計画プロジェクトデータベースにシーン110ごとに人物情報106を対応付けて記憶しているため(
図4)、各シーンに登場する登場人物の人物情報106を容易にリスト表示させることができる。これによれば、シーン110ごとに登場人物を一目で把握でき(
図17,
図20)、役者世話係のスタッフや、小道具、衣装等を担当するスタッフ等にとって特に有用である。
【0072】
また、当該リストは表計算ファイル(CSVデータ)として、端末装置2A乃至2F他、その他の装置や記憶手段にダウンロード可能に構成してもよい。
さらに、端末装置2A乃至2Fの表示画面上でいずれかの作品情報が選択され、選択された作品情報の全てのエピソード情報が表示される表示画面において、当該作品に登場する全登場人物の人物情報106を表示されるよう構成してもよい(
図16)。
【0073】
<5 台本テキストデータ100の編集>
さらに、本実施形態では、端末装置2A乃至2Fの表示画面上で台本テキストデータ100の内容を編集可能に構成する。
例えば、端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100がシーン110ごとに表示されている際に(
図17)、表示中のエピソード情報に対して、新たなシーン110、新たなト書きテキストデータ107、新たな台詞情報としての新たな台詞テキストデータ105及び人物情報106を追加することができる。
【0074】
また、端末装置2A乃至2Fの表示画面にいずれかのシーン110の台本内容が表示展開されている際に(
図19)、ト書きテキストデータ107、台詞情報としての台詞テキストデータ105及び人物情報106の編集を行うことができる。
【0075】
<5.1 シーンの追加>
先ず、シーンの追加について説明する。端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100がシーン110ごとに表示されている際に(
図17、
図18)、シーン追加ボタン42をクリック(選択)すると、表示中のエピソード情報に対して、シーン110を新たに追加することができる。具体的には、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して表示画面上で当該シーン追加ボタン42をクリック(選択)すると、表示中のエピソード情報を指定する情報と共に、シーン追加要求がプロジェクトサーバ1に送信される。
【0076】
プロジェクトサーバ1の制御部11は、シーン追加受付手段として機能し、エピソード情報を指定する情報と共にシーン追加要求を受けると、新たなシーン110に相当する新たな台本内容の入力用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。
【0077】
具体的には、シーン識別情報としてのシーン番号102と、新たに追加したいシーン110に相当する台本内容を示す台本テキストデータ100の入力を受け付ける入力枠43が表示される。ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して入力枠43に、新たなシーンのシーン識別番号としてのシーン番号102と新たな台本内容を示す台本テキストデータ100を入力する。なお、新たな台本テキストデータ100は、具体的には、新たなト書きテキストデータ107又は/及び新たな台詞情報(台詞テキストデータ105と人物情報106)を含む。
【0078】
図21は、シーン追加の入力枠43の一例を示す図である。同図は、入力枠43に新たなシーン番号102「8」と、新たな台本テキストデータ100として、新たなト書きテキストデータ107及び新たな台詞情報が入力された場合の例である。
本実施形態では、入力枠43に入力された新たな台本テキストデータ100が、プロジェクトサーバ1に送信され、プロジェクトサーバ1の制御部11の表示処理手段により、略リアルタイムで、シーン追加入力中の端末装置2A乃至2Fの表示画面に展開表示46されるよう構成されている。
【0079】
また、本実施形態では、プロジェクトサーバ1の制御部11が、受信した新たな台本テキストデータ100の最初の行に記載されたテキストを、当該新たなシーン110のシーン名103として判定するよう構成する。そして、シーン名103として判定された内容が、シーンの場所欄47に表示されるよう構成されている。
図21の例では、シーン名103「K子の家・居間」が、シーンの場所欄47に表示される。
そして、保存ボタン44をクリック(選択)すると、シーン追加作業が完了し、閉じるボタン45をクリック(選択)すると、入力枠43に入力された内容が削除されて入力前の状態に戻る。
【0080】
具体的には、プロジェクトサーバ1の制御部11が、シーン追加受付手段として機能し、端末装置2A乃至2Fからネットワーク100及び通信部15を介して、新たなシーンのシーン識別情報としてのシーン番号102と、新たな台本テキストデータ100(新たなト書きテキストデータ107又は/及び新たな台詞情報)を受信して新たなシーン110の追加を受け付けると、プロジェクトサーバ1の制御部11が記憶制御手段として機能し、新たな台本テキストデータ100に、新たなシーンのシーン識別情報としてのシーン番号102に対応付けて新たな台本テキストデータ100を記憶する。具体的には、端末装置2A乃至2Fに表示中の作品情報のエピソード情報に対応付けて、シーン110ごとに記憶する。詳細な記憶制御手順は、上述した台本テキストデータ100を撮影計画プロジェクトDBに記憶させる手順と同様のため説明を省略する。
【0081】
また、端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100がシーン110ごとに表示されている際に(
図17)、シーン一括追加ボタン48をクリック(選択)すると、表示中のエピソード情報に対して、複数のシーン110を一括して追加することができる。具体的には、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して表示画面上で当該シーン一括追加ボタン48をクリック(選択)すると、表示中のエピソード情報を指定する情報と共に、シーン一括追加要求がプロジェクトサーバ1に送信される。プロジェクトサーバ1は、エピソード情報を指定する情報と共に当該シーン一括追加要求を受けると、複数の新たなシーン110を構成する新たな台本内容である台本テキストデータ100の入力用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。例えば、
図14で説明した入力枠39と同様の入力枠が表示される。
【0082】
ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して当該入力枠に、複数の新たなシーン110を構成する新たな台本内容である台本テキストデータ100を入力する。プロジェクトサーバ1が、端末装置2A乃至2Fからネットワーク100及び通信部15を介して、新たな台本テキストデータ100を受信すると、プロジェクトサーバ1の制御部11が記憶制御手段として機能し、撮影計画プロジェクトDBに、受信した新たな台本テキストデータ100を記憶する。具体的には、端末装置2A乃至2Fに表示中の作品情報の、表示中のエピソード情報に対応付けてシーンごとに記憶する。詳細な記憶制御手順は、上述した台本テキストデータ100を撮影計画プロジェクトDBに記憶させる手順と同様のため説明を省略する。
以上説明した手順で、ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して、所望の作品の所望のエピソードに対し、新たなシーン110を追加することができる。
<5.2 ト書き/セリフの追加>
【0083】
さらに、端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100のいずれかのシーン110が表示展開されている際に(
図19)、シーン110ごとに用意されたト書き/セリフ追加ボタン50をクリックすると、展開表示中のシーン110に対して、ト書き/セリフの単位でト書きテキストデータ107又は台詞情報を追加することができる。具体的には、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して表示画面上で当該ト書き/セリフ追加ボタン50をクリック(選択)すると、展開表示中のシーン110のシーン識別情報と共に、ト書き/セリフ追加要求がプロジェクトサーバ1に送信される。プロジェクトサーバ1は、当該ト書き/セリフ追加要求を受けると、新たなト書きテキストデータ107又は新たな台詞情報の入力用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。
図22は、ト書き/セリフ追加の入力枠51の一例を示す図である。
【0084】
具体的には、追加対象であるト書き/セリフの別を入力するための入力欄52と、セリフ追加の場合に当該セリフを担当する人物情報106を入力する入力欄53と、ト書きテキストデータ107又は台詞テキストデータ105を入力するための入力欄54を含む入力枠51が表示される。ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して入力枠51の各入力欄52乃至54に、追加したい内容を入力する。
【0085】
そして、保存ボタン44をクリック(選択)すると、展開表示中のシーン110のシーン識別情報としてのシーン番号102と共に、入力枠51に入力された新たなト書きテキストデータ107又は新たな台詞情報がプロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。閉じるボタン45をクリック(選択)すると、入力前の状態に戻る。
【0086】
図22は、入力枠51に、新たなセリフとして、人物情報106「K子」と台詞テキストデータ105「qqqqq」が入力された場合の例である。
なお、追加対象がセリフである場合、入力欄54に入力されたテキストの全てを台詞テキストデータ105として認識するため、台詞箇所識別情報104の入力は不要である。しかし、プロジェクトサーバ1に送信する際には、台詞テキストデータ105に台詞箇所識別情報104を付与し、台詞箇所識別情報104及び台詞テキストデータ105及び人物情報106を含む台詞情報として送信してもよい。
【0087】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2A乃至2Fからネットワーク100及び通信部15を介して、シーン識別情報としてのシーン番号102と、新たなト書きテキストデータ107又は新たな台詞情報を受信すると、プロジェクトサーバ1の制御部11が記憶制御手段として機能し、撮影計画プロジェクトDBに、受信したシーン番号102に対応付けて、新たなト書きテキストデータ107又は新たな台詞情報を記憶する。具体的には、端末装置2A乃至2Fに表示中の作品情報の、表示中のエピソード情報の、表示展開中のシーン、すなわち、受信したシーン番号102に対応付けて記憶する。
【0088】
なお、プロジェクトサーバ1は、端末装置2A乃至2Fから台詞箇所識別情報104が付与されてない台詞テキストデータ105及び人物情報106が送信された場合には、撮影計画プロジェクトDBに記憶する際に、台詞テキストデータ105に台詞箇所識別情報104を付与して記憶させる。
図23は、ト書き/セリフ追加後の、台本内容の展開表示の一例を示す図であり、具体的には、
図22の台詞情報が追加された後の、端末装置2A乃至2Fの表示画面におけるシーン番号102「3」の台本内容の展開表示例である。
【0089】
以上説明した手順で、ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して、所望の作品の所望のエピソードの所望のシーン110に対し、新たなト書きテキストデータ107又は新たな台詞情報のを追加することができる。
【0090】
<5.3 ト書き/セリフの編集>
また、端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100のいずれかのシーン110が表示展開されている際に(
図19)、ト書きテキストデータ107及び台詞情報を編集することができる。具体的には、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して表示画面上で、編集を所望するト書き又はセリフの編集ボタン55をクリック(選択)すると、展開表示中のシーン110のシーン識別情報と共に、選択されたト書き又はセリフに対する編集要求がプロジェクトサーバ1に送信される。プロジェクトサーバ1は、当該ト書き/セリフ編集要求を受けると、ト書き/セリフ編集用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信し、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。
【0091】
図19に示す台詞情報56が編集される場合を例に説明する。
種類「セリフ」、人物情報106「F」台詞テキストデータ105「qq」の編集ボタン55がクリック(選択)されると、当該種類「セリフ」、人物情報106「F」台詞テキストデータ105「qq」が編集可能な状態で入力済みの入力欄57乃至59を含む入力枠60が表示される。
図24は、ト書き/セリフ編集の入力枠60の一例を示す図である。
ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して当該入力枠60の各入力欄57乃至59を編集する。
【0092】
そして、保存ボタン44をクリック(選択)すると、展開表示中のシーン110のシーン識別情報としてのシーン番号102と共に、入力枠60の各入力欄57乃至59に入力された編集後のト書きテキストデータ107又は台詞情報がプロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。閉じるボタン45をクリック(選択)すると、入力前の状態に戻る。
【0093】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2A乃至2Fからネットワーク100及び通信部15を介して、シーン識別情報としてのシーン番号102と、編集後のト書きテキストデータ107又は台詞情報を受信すると、プロジェクトサーバ1の制御部11が記憶制御手段として機能し、撮影計画プロジェクトDBに、受信したシーン番号102に対応付けて、編集後のト書きテキストデータ107又は台詞情報を記憶する。具体的には、端末装置2A乃至2Fに表示中の作品情報の、表示中のエピソード情報の、表示展開中のシーン、すなわち、受信したシーン番号102に対応付けて記憶する。なお、プロジェクトサーバ1は、端末装置2A乃至2Fから台詞箇所識別情報104が付与されてない台詞テキストデータ105及び人物情報106が送信された場合には、撮影計画プロジェクトDBに記憶する際に、台詞テキストデータ105に台詞箇所識別情報104を付与して記憶させる。
【0094】
以上説明した手順で、ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して、所望の作品の所望のエピソードの所望のシーン110に対し、ト書きテキストデータ107及び台詞情報の編集を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、台本テキストデータ100を、シーンごとにデータベースに登録することにより、シーン単位で、或いは、ト書き/セリフ単位で、編集/登録が可能になるため、台本内容の変更にも柔軟に対応することができる。
【0095】
<6 スケジュールの登録>
さらに、本実施形態では、端末装置2A乃至2Fから、シーン110ごとに撮影のスケジュールの登録/編集を行うことができるよう構成する。端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本テキストデータ100がシーン110ごとに表示されている際に(
図17、
図18)、スケジュール登録/編集を所望するシーンのスケジュール登録/編集ボタン65をクリック(選択)すると、対応するシーン110に対して、撮影場所、撮影日、撮影時間帯、撮影環境、撮影時期の少なくともいずれかのスケジュール情報を登録又は編集することができる。具体的には、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して表示画面上で、スケジュール登録/編集ボタン65をクリック(選択)すると、選択されたシーン110のシーン識別情報としてのシーン番号102と共に、スケジュール情報登録又は編集要求がプロジェクトサーバ1に送信される。
【0096】
プロジェクトサーバ1の制御部11は、第二シーン選択受付手段、スケジュール情報登録/編集受付手段として機能し、先ず、シーン識別情報と共にスケジュール情報の登録又は編集を受け付けると、スケジュール情報入力又は編集用の画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに送信する。そして、端末装置2A乃至2Fにおいて画面が表示される。
【0097】
具体的には、撮影場所、撮影日、撮影時間帯、撮影環境、撮影時期等のスケジュール情報を登録/編集するための入力欄66乃至75を含む入力枠76が表示される。ユーザは端末装置2A乃至2Fを操作して入力枠76の各入力欄66乃至75に、スケジュール情報を入力する。また、既に入力されている場合には、入力済みの各入力欄66乃至75の内容を編集する。なお、入力欄66は、選択したシーン110のシーン識別情報としてのシーン番号102が入力された状態で表示される。当該シーン識別情報としてのシーン番号102も編集可能に構成してもよい。また、本実施形態では、上述した手順によりシーン名103として判定された内容が、「場所」の入力欄69に表示されるよう構成されている。
【0098】
例えば、シーン番号102が「2」のスケジュール登録/編集ボタン65がクリック(選択)されると(
図18)、入力欄66に「2」が、入力欄69に「K子の家・前の道」が入力された状態で入力枠76が表示される。
図25は、スケジュール登録/編集の入力枠76の一例を示す図である。
【0099】
なお、入力枠67の「L/S」とは、例えば、撮影環境の一例である。L(ロケーション:撮影所または放送局の外へ出て自然の景色や町並みを背景に撮影すること。)と、S(スタジオ:主に撮影所)の双方が必要なシーンであることを示すものである。「L/S」の他、「L」(ロケーションのみ)、「S」(スタジオのみ)、「O」(その他)、「OP」(オープンセット:屋外に設けた撮影場所)、「CG」(Computer Graphics)等が選択できるよう構成されている。入力欄68の「時間」は例えば、「早朝、朝、日中、昼、夕方、マジックアワー(空の色が変化する時間帯)」等であり、シーン中の時間帯を指す。
【0100】
入力欄70の「時期」とは、作中の時期であり、例えば、時代劇やドキュメンタリーなど作中の時期が明確である作品の場合は「年月日」を入力し、現代劇のように大まかな時期を特定する場合には、「季節」を入力し、ファンタジーやSFなどの場合は「架空の日時」を入力できるよう構成されている。入力欄71の「撮影場所」は実際の撮影場所であり、例えば、〇〇スタジオ、△撮影所等である。入力欄72の「撮影日」は撮影年月日を入力する。入力欄73の「所要時間」は、実際に撮影に要する時間であり、例えば、撮影の準備を整え、役者やスタッフが撮影状況を確認、検討し、実際の演技、撮影を行い、その結果を確認し、監督がそのシーンの撮影完了を告げるまでの一連の所要時間である。また、当該シーンが回想シーンである場合には、入力欄74にチェックをし、当該シーンが再撮影シーンであれば、入力欄75にチェックをする。
【0101】
そして、保存ボタン44をクリック(選択)すると、選択したシーン110のシーン識別情報としてのシーン番号102と共に、各入力欄66乃至75に入力したスケジュール情報が、プロジェクトサーバ1にネットワーク100を介して送信される。閉じるボタン45をクリック(選択)すると、入力前の状態に戻る。
【0102】
プロジェクトサーバ1が、端末装置2A乃至2Fからネットワーク100及び通信部15を介してシーン番号102と、スケジュール情報を受信すると、プロジェクトサーバ1の制御部11が記憶制御手段として機能し、撮影計画プロジェクトDBに、受信したシーン番号102に対応付けて、スケジュール情報を登録(記憶)する。具体的には、端末装置2A乃至2Fに表示中の作品情報の、表示中のエピソード情報の、選択されたシーン番号102に対応付けて記憶する。
【0103】
以上説明した手順で、各シーン110に対してスケジュール情報の登録又は編集を行うことができる。
図26は、シーン110ごとにスケジュール情報の登録/編集を行った後の台本内容のシーン110ごとの表示例の一例である。端末装置2A乃至2Fの表示画面に各シーン110に対して登録後又は編集後のスケジュール情報が対応付けて表示される。このように、シーンごとに、撮影のスケジュール情報を編集可能に登録することができるため、ユーザは、台本内容と合わせてスケジュール情報の確認を容易に行うことができる。
【0104】
また、端末装置2A乃至2Fの表示画面に台本内容がシーン110ごとに表示されている際に、既にスケジュール情報が登録されているシーン110のスケジュール登録/編集ボタン65をクリック(選択)すれば、登録済みのスケジュール情報が入力されている入力枠76が表示され、編集可能に構成することができる。
【0105】
なお、先の説明において、登場人物をシーン110ごとにリスト表示する構成について説明したが、
図20において当該リストに各シーンのスケジュール情報を合わせて表示させるよう構成してもよい。
また、先の説明において、シーン110の追加について説明したが、新たなシーン110の新たなト書きテキストデータ107及び/又は新たな台詞情報を入力する際に、
図21において、併せてスケジュール情報の入力欄を設けて入力可能に構成してもよい(
図21)。
さらに、登録されたスケジュール情報に基づいて、撮影日ごとの「日別スケジュール」に整理して、記憶部12の撮影計画プロジェクトデータベースに「スケジュール」情報に登録(記憶)するよう構成してもよい。そして、当該「スケジュール」情報は、ユーザが端末装置2A乃至2Fから確認することができるよう構成する。
【0106】
<7 応用例>
さらに、
図10乃至
図12等に示すように、作品情報のタイトル及びカテゴリは、端末装置2A乃至2Fの表示画面に表示した編集ボタン80をユーザの操作によりクリック(選択)することで編集可能に構成してもよい。具体的には、端末装置2A乃至2Fから作品情報のタイトル及びカテゴリの編集要求がプロジェクトサーバ1に対してされ、これを受けたプロジェクトサーバ1が、選択された作品情報のタイトル及びカテゴリの編集画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに画面表示する。そして、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作することにより作品情報のタイトル及びカテゴリを編集できるよう構成する。
【0107】
また、削除ボタン81をユーザの操作によりクリック(選択)することで、作品情報を削除することができるよう構成してもよい。具体的には、プロジェクトサーバ1に対して端末装置2A乃至2Fから作品情報の削除要求がされ、これを受けたプロジェクトサーバ1が選択された作品情報を削除する。作品情報の内容、すなわち、作品情報に含まれる全てのエピソード情報に含まれる全ての台本テキストデータ100を削除することができる。
【0108】
なお、削除の前に再度プロジェクトサーバ1から端末装置2A乃至2Fに対し、本当に削除してもよいか、確認する確認画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに画面表示するよう構成してもよい。この場合、例えば、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作して確認画面における例えばOKボタンを押すと、OKメッセージが端末装置2A乃至2Fからプロジェクトサーバ1に送信されるよう構成する。そして、プロジェクトサーバ1は当該OKメッセージを受けた場合にのみ、削除要求された作品情報に含まれる全てのエピソード情報に含まれる全ての台本テキストデータ100を削除することができるよう構成する。
【0109】
また、
図13乃至
図15等に示すように、エピソード情報のエピソードの話数とタイトルは、端末装置2A乃至2Fの表示画面に表示した編集ボタン82をユーザの操作によりクリック(選択)することで編集可能に構成してもよい。具体的には、端末装置2A乃至2Fからエピソード情報のエピソードの話数とタイトルの編集要求がプロジェクトサーバ1に対してされ、これを受けたプロジェクトサーバ1が、エピソード情報のエピソードの話数とタイトルの編集画面を表示処理して要求元の端末装置2A乃至2Fに画面表示する。そして、ユーザが端末装置2A乃至2Fを操作することによりエピソード情報のエピソードの話数とタイトルを編集できるよう構成する。また、削除ボタン83をユーザの操作によりクリック(選択)することで、エピソード情報を全て削除することができるよう構成してもよい。具体的には、プロジェクトサーバ1に対して端末装置2A乃至2Fからエピソード情報の削除要求がされ、これを受けたプロジェクトサーバ1が選択されたエピソード情報を削除する。エピソード情報の内容、すなわち、エピソード情報に含まれる全ての台本テキストデータ100を削除することができる。
【0110】
さらに、
図17乃至
図19、
図23等に示すように、端末装置2A乃至2Fの表示画面に表示した各シーン110に対応付けて用意された「削除ボタン」をユーザの操作によりクリック(選択)することで、シーン110を削除することができるよう構成してもよい。
【0111】
具体的には、ユーザの操作により、端末装置2A乃至2Fから削除を所望するシーン110に対応付けられた「削除ボタン」が選択された場合、プロジェクトサーバ1に対して端末装置2A乃至2Fから当該削除を所望するシーン110のシーン識別情報と共に、削除要求がされる。そして、これを受けたプロジェクトサーバ1がシーン識別情報に基づいて選択されたシーン110を台本テキストデータ100から削除する。
【0112】
同様に、端末装置2A乃至2Fの表示画面にいずれかのシーン110が表示展開されている際に(
図19)、表示されているト書きテキストデータ107及び台詞情報に対応付けて用意された「削除ボタン」をユーザの操作によりクリック(選択)することで、ト書きテキストデータ107及び台詞情報を削除することができるよう構成してもよい。
【0113】
具体的には、ユーザの操作により、端末装置2A乃至2Fからト書きテキストデータ107又は台詞情報に対応付けられた「削除ボタン」が選択された場合、端末装置2A乃至2Fから当該削除を所望するシーン110のシーン識別情報と共に、選択されたト書きテキストデータ107又は台詞情報の削除要求がされる。そして、これを受けたプロジェクトサーバ1がシーン識別情報に基づいて選択されたト書きテキストデータ107又は台詞情報を台本テキストデータ100から削除する。
【0114】
また、プロジェクトサーバ1の記憶部12の撮影計画プロジェクトDBに記憶される「登場人物」の情報には、演者(キャスト)に関する詳細な情報を対応付けて登録してもよい。
図27は、撮影計画プロジェクトDBに記憶される演者に関する詳細な情報の一例である。
例えば、ユーザの操作により、端末装置2A乃至2Fに表示された演者詳細情報の表示を所望する人物情報106をクリック(選択)すると(
図16,
図19,
図20等)、選択された人物情報106が示す登場人物を演じる演者に関する詳細な情報が表示されるよう構成することができる。例えば、プロジェクトサーバ1が人物情報106の選択を受け、制御部11が、選択された人物情報106が示す登場人物を演じる演者に関する詳細な情報を、撮影計画プロジェクトDBから抽出して、選択元の端末装置2A乃至2Fに表示させる。
このような構成は、役者世話係のスタッフや、小道具、衣装等を担当するスタッフにとって特に有用である。
【0115】
本発明の適用範囲は上述した実施形態に限定されることはない。本発明の撮影計画支援システムSが備える各手段をプロジェクトサーバ1が備えた構成としたが、複数の装置が互いにアクセス可能に構成されて成るシステムによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 プロジェクトサーバ
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 入力部
15 通信部
2A乃至2F 端末装置