(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025635
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】温度制御発振装置
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03B5/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159626
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】17/398,867
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506413591
【氏名又は名称】台灣晶技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 萬霖
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA02
5J079BA43
5J079CA04
5J079CA12
5J079CB01
5J079HA02
5J079HA07
5J079HA25
5J079HA28
5J079HA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能低下を回避し、極小化を達成し、製造コストを抑える温度制御発振装置を提供する。
【解決手段】温度制御発振装置は支持基材、実装接着剤部、IC、少なくとも1つの導電媒体、温度センサー、水晶振動子パッケージ及びヒーターを含む。実装接着剤部は支持基材上に形成される。ICは実装接着剤部上に形成される。導電媒体及び温度センサーはIC上に形成される。水晶振動子パッケージは導電媒体上に形成される。水晶振動子パッケージは第1水晶基板、第2水晶基板及び第3水晶基板を含む。ヒーターは水晶振動子パッケージ上又はIC上に形成される。ICと水晶振動子パッケージの間には基材が配置されない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基材と、
前記支持基材上に形成される実装接着剤部と、
前記実装接着剤部に形成される集積回路(IC)と、
前記IC上に形成される少なくとも1つの導電媒体及び温度センサーと、
前記少なくとも1つの導電媒体上に形成される水晶振動子パッケージであって、
前記少なくとも1つの導電媒体上に形成される第1水晶基板と、
境界領域及び共振領域を有する第2水晶基板であって、前記境界領域が前記共振領域を囲むとともに前記共振領域に接続し、前記共振領域の厚さが前記境界領域の厚さより薄い第2水晶基板と、
前記第2水晶基板の前記境界領域上に形成される第3水晶基板と、
を備える水晶振動子パッケージと、
前記水晶振動子パッケージ上又は前記IC上に形成されるヒーターと、
を含み、前記ICと前記水晶振動子パッケージの間には基材が配置されない、温度制御発振装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの導電媒体は導電性接着剤を含有し、前記IC上には第1導電パッドが設けられ、前記少なくとも1つの導電媒体及び前記第1導電パッドは前記ICの異なる領域に配置され、前記第3水晶基板上には第2導電パッドが設けられ、前記第2導電パッドと前記第1導電パッドは導電ワイヤーを介して電気的に相互接続される、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの導電媒体は導電パッドを含む、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項4】
前記支持基材の底面に形成されるボンディング端子をさらに含む、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項5】
前記支持基材上に形成されるカバーをさらに含み、前記カバーは前記実装接着剤部、前記少なくとも1つの導電媒体、前記IC、前記水晶振動子パッケージ、前記温度センサー及び前記ヒーターを遮蔽する、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項6】
前記水晶振動子パッケージは、前記第1水晶基板と前記少なくとも1つの導電媒体の間に形成される第4水晶基板をさらに備える、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項7】
前記ヒーターは前記第3水晶基板上に形成される、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項8】
前記ヒーターは前記水晶振動子パッケージに埋設される、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項9】
前記水晶振動子パッケージと統合される受動部品をさらに含む、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項10】
前記ヒーターは、前記第1水晶基板と前記少なくとも1つの導電媒体の間に埋設される、又は、前記少なくとも1つの導電媒体と前記ICの間に埋設される、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項11】
前記支持基材、前記実装接着剤部、前記IC、前記少なくとも1つの導電媒体、前記水晶振動子パッケージ、前記温度センサー及び前記ヒーターを覆う封止剤部をさらに含む、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項12】
前記支持基材は水晶基材である、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項13】
前記支持基材はリードフレームである、請求項1に記載の温度制御発振装置。
【請求項14】
前記支持基材上に形成される封止剤部をさらに含み、前記封止剤部は前記実装接着剤部、前記IC、前記少なくとも1つの導電媒体、前記水晶振動子パッケージ、前記温度センサー及び前記ヒーターを覆う、請求項13に記載の温度制御発振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発振装置に関し、特に、温度制御発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、システムインテグレーションの潮流に沿って、最近では様々な電子システムにクロックコンポーネントが搭載されており、半導体パッケージングの技術分野では、センシングエレメントを備えたクロックコンポーネントを電子システムに組み込むことがテクノロジーの主流になっている。水晶振動子の圧電素子を発振器とすると精度や安定性に優れるため、現在の慣行では、性能のために水晶振動子が多く採用されている。国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)によれば、水晶振動子の圧電素子には、パッケージ水晶発振器(SPXO:Simple Packaged Crystal Oscillators)、電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)、温度補償水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)及び恒温槽型水晶発振器(OCXO:Oven Controlled Crystal Oscillator)という4つのカテゴリーがある。しかし、IC産業の急速な発展に伴い、電子製品は多機能化、高性能化、軽量化の方向にあると考えられている。したがって、パッケージングにおける半導体ICチップの高集積化や小型化の要求に応じるためには、明らかに既存の技術では不十分である。
【0003】
一般的に、半導体圧電素子の小型化に伴い、水晶振動子と集積回路はそれぞれセラミック材料でパッケージ化され、その後の電気的接続は現在の既存技術を引き続き用いて実行されている。しかし、水晶振動子は底面の基材層との接触が減少し、既存のパッケージ構造では、底面の基材層の表面に空洞ができ、その空洞を利用して水晶振動子を収容するのが一般的である。空洞内では、水晶振動子が接着剤によりセラミック基材に接着される。ところが、この接着剤の経年劣化により、水晶振動子の性能が低下してしまう。また、セラミックパッケージ構造は、複数積層したセラミック層を含み、これらのセラミック層の位置を互いに合わせるのは難しい。これらのセラミック層が精密に位置合わせされないと、水晶振動子の性能が低下し、セラミックパッケージ全体が最小化されない。セラミック層を精密に位置合わせするためには、製造コストを上げる必要がある。
【0004】
上述した従来技術の問題を解決するために、本発明は温度制御発振装置を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能低下を回避し、極小化を達成し、製造コストを抑える温度制御発振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において提供される温度制御発振装置は支持基材、実装接着剤部、集積回路(IC)、少なくとも1つの導電媒体、温度センサー、水晶振動子パッケージ及びヒーターを含む。実装接着剤部は支持基材上に形成される。ICは実装接着剤部上に形成される。導電媒体及び温度センサーはIC上に形成される。水晶振動子パッケージは導電媒体上に形成される。水晶振動子パッケージは第1水晶基板、第2水晶基板及び第3水晶基板を含む。第1水晶基板は導電媒体上に形成される。第2水晶基板は境界領域及び共振領域を有する。境界領域は共振領域を囲むとともに共振領域に接続する。共振領域の厚さは境界領域の厚さより薄い。第3水晶基板は第2水晶基板の境界領域上に形成される。ヒーターは水晶振動子パッケージ上又はIC上に形成される。ICと水晶振動子パッケージの間には基材が配置されない。
【0007】
本発明の一実施形態において、導電媒体は導電性接着剤を含有する。IC上には第1導電パッドが設けられる。導電媒体及び第1導電パッドはICの異なる領域に配置される。第3水晶基板上には第2導電パッドが設けられる。第2導電パッドと第1導電パッドは導電ワイヤーを介して電気的に相互接続される。
【0008】
本発明の一実施形態において、導電媒体は導電パッドを含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、温度制御発振装置は、支持基材の底面に形成されるボンディング端子をさらに含む。
【0010】
本発明の一実施形態において、温度制御発振装置は、支持基材上に形成されるカバーをさらに含み、このカバーは実装接着剤部、少なくとも1つの導電媒体、IC、水晶振動子パッケージ、温度センサー及びヒーターを遮蔽する。
【0011】
本発明の一実施形態において、水晶振動子パッケージは、第1水晶基板と少なくとも1つの導電媒体の間に形成される第4水晶基板をさらに備える。
【0012】
本発明の一実施形態において、ヒーターは第3水晶基板上に形成される。
【0013】
本発明の一実施形態において、ヒーターは水晶振動子パッケージに埋設される。
【0014】
本発明の一実施形態において、温度制御発振装置は、水晶振動子パッケージと統合される受動部品をさらに含む。
【0015】
本発明の一実施形態において、ヒーターは、第1水晶基板と導電媒体の間に埋設される、又は、導電媒体とICの間に埋設される。
【0016】
本発明の一実施形態において、温度制御発振装置は、支持基材、実装接着剤部、IC、導電媒体、水晶振動子パッケージ、温度センサー及びヒーターを覆う封止剤部をさらに含む。
【0017】
本発明の一実施形態において、支持基材は水晶基材である。
【0018】
本発明の一実施形態において、支持基材はリードフレームである。
【0019】
本発明の一実施形態において、温度制御発振装置は、支持基材上に形成される封止剤部をさらに含み、封止剤部は実装接着剤部、IC、導電媒体、水晶振動子パッケージ、温度センサー及びヒーターを覆う。
【発明の効果】
【0020】
つまり、温度制御発振装置は、IC上に水晶振動子パッケージが積層し、水晶振動子パッケージは三層に積層した水晶基板を含む。したがって、温度制御発振装置により、接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能低下を回避し、極小化を達成し、製造コストを抑えることができる。
【0021】
本発明の技術内容、特徴および達成される効果をより理解しやすくするために、添付の図面と併せて実施形態について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図5a】本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
【
図5b】本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
【
図5c】本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
【
図5d】本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
【
図5e】本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
【
図6】本発明の第5の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図7】本発明の第6の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図8】本発明の第7の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図9】本発明の第8の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図10】本発明の第9の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図11】本発明の第10の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図12】本発明の第11の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【
図13】本発明の第12の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、関連する図を参照して以下にさらに説明する。図面及び明細書においては、可能な限り、同じ符号で同一又は同様の部材を示す。図面においては、簡潔性及び利便性のため、形状及び厚さが拡大表示されることがある。本説明は、特に、本発明による方法及び装置の一部を形成する要素、又は本発明による方法及び装置とより直接的に協働する要素に関する。特に図中で表示されていない、或いは明細書に記載されていない素子は、当業者が知る形態であると解釈できる。本発明の内容を理解すれば、様々な変更や修正は当業者にとって明白になる。
【0024】
特に説明がない限り、いくつかの条件句或いは助詞、例えば「できる(can)」、「可能性がある(could)」、「かもしれない(might)」、或いは「してもよい、ことがある(may)」等は、通常は本発明の実施形態を表現するが、不要な可能性もある特徴、部材或いは工程と解釈してもよい。その他の実施形態において、これらの特徴、部材、或いは工程は不要な場合もある。
【0025】
文中における「一つの実施形態」又は「一実施形態」という記述は少なくとも1つの実施形態内において関連する特定の素子、構造又は特徴のことを指す。したがって、文中において多くの箇所にある「一つの実施形態」又は「一実施形態」といった複数の記述は必ずしも同一実施形態に対するものではない。
【0026】
明細書及び特許請求の範囲において特定の構成要素を指すために特定の用語が使用されるが、構成要素を異なる名称により称している場合があることを当業者は理解されよう。本開示は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素を区別することは、意図していない。本明細書及び特許請求の範囲における「含む、備える(comprising)の用語は、オープンエンド形式(open-ended)で用いられるものであり、つまり、挙げられたものに限定されないことを意図している。また、「結合される」、「結合する」及び「結合している」等の語句は、いかなる直接的及び間接的な接続も含まれる。したがって、本開示中に第1装置が第2装置に結合されるという記載がある場合、当該第1装置は、電気的接続、ワイヤレス通信、光学的通信又はその他の信号的接続を介して、その他の媒介装置又は接続手段を伴い/伴わず、当該第2装置に、直接的又は間接的に接続されることがあることを示す。
【0027】
特に、以下に記載される実施例は例示にすぎない。当業者であれば、発明の教示を維持しつつ装置及び方法に対する多くの修正や変更がなされることは容易に分かるであろう。したがって、以下の開示内容は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるはずである。特許出願及び特許請求の範囲全体において明確な説明がない限り、「1つ」及び「前記」はその素子又は構成要素の「1つまたは少なくとも1つ」の意味を含む。さらに、特許出願及び特許請求の範囲全体において、文脈に応じて複数を明らかに除外できる場合を除き、単数の物品は、複数の素子又は構成要素の記載も含む。本特許請求の範囲及び明細書で使用されている各用語の意味は、その意味の注釈が追加されていない限り、当業者に知られている通常の意味について言及している。発明を説明するために使用されるいくつかの用語は、発明に関する実務者に案内するために論じられる。本明細書におけるすべての例は、発明の請求範囲を限定するものではない。
【0028】
温度制御発振装置について以下に説明する。温度制御発振装置は、半導体プロセスを用いてウエハーレベルの水晶振動子パッケージを作製し、このウエハーレベルの水晶振動子パッケージを集積回路に積層することで、接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能低下を防ぎ、極小化を実現し、そして製造コストを削減することができる。
【0029】
図1は本発明の第1の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第1の実施形態を以下に紹介するので、
図1を参照されたい。温度制御発振装置1は支持基材10、実装接着剤部11、IC12、少なくとも1つの導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15及びヒーター16を含む。明確性と利便性のために、第1の実施形態では、1つの導電媒体13を例示する。導電媒体13は、導電性接着剤で実施してもよく、また、支持基材10は水晶基材で実施してもよいが、本発明はこれに限定されない。実装接着剤部11は支持基材10上に形成される。IC12は実装接着剤部11上に形成される。導電媒体13及び温度センサー14はIC12上に形成される。水晶振動子パッケージ15は導電媒体13上に形成される。水晶振動子パッケージ15は第1水晶基板150、第2水晶基板151及び第3水晶基板152を含む。第1水晶基板150は導電媒体13上に形成される。第2水晶基板151は境界領域1510及び共振領域1511を有する。境界領域1510は共振領域1511を囲むとともに共振領域1511に接続する。共振領域1511の厚さは境界領域1510の厚さより薄い。第3水晶基板152は第2水晶基板151の境界領域1510上に形成される。ヒーター16は水晶振動子パッケージ15上又はIC12上に形成される。IC12により水晶振動子パッケージ15の温度を容易に制御できるように、IC12と水晶振動子パッケージ15の間には基材を配置しない。水晶振動子パッケージ15は、半導体プロセスを用いて製造されており、これにより接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能低下を回避し、極小化を実現し、製造コストを削減する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、IC12上には第1導電パッド17が設けられる。導電媒体13、温度センサー14及び第1導電パッド17はIC12の異なる領域に配置される。第3水晶基板152上には第2導電パッド18が設けられる。第2導電パッド18と第1導電パッド17は導電ワイヤーを介して電気的に相互接続される。支持基材10上には第3導電パッド19が設けられてもよい。第3導電パッド19と第1導電パッド17は導電ワイヤーを介して電気的に相互接続される。また、温度制御発振装置1は、ボンディング端子20、受動部品21及びカバー22をさらに含んでもよい。ボンディング端子20は支持基材10の底面に形成される。受動部品21は水晶振動子パッケージ15と統合される。カバー22は、支持基材10上に形成され、実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第2導電パッド18、第3導電パッド19及び受動部品21を遮蔽する。
【0031】
図2は本発明の第2の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第2の実施形態を以下に紹介するので、
図2を参照されたい。第2の実施形態では、導電媒体13が第1の実施形態とは異なる。第2の実施形態では、導電媒体13を導電パッドで実施する形態を例示する。結果として、水晶振動子パッケージ15は導電媒体13を介してIC12に電気的に接続される。第1の実施形態と比較すると、第2の実施形態では水晶振動子パッケージ15上の第2導電パッドが欠如している。
【0032】
図3は本発明の第3の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第3の実施形態を以下に紹介するので、
図3を参照されたい。第3の実施形態では、水晶振動子パッケージ15が第1の実施形態とは異なる。第3実施形態の水晶振動子パッケージ15は、第1水晶基板150と導電媒体13の間に形成される第4水晶基板153をさらに含んでもよい。
【0033】
図4は本発明の第4の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第4の実施形態を以下に紹介するので、
図4を参照されたい。第4の実施形態では、水晶振動子パッケージ15が第2の実施形態とは異なる。第4実施形態の水晶振動子パッケージ15は、第1水晶基板150と導電媒体13の間に形成される第4水晶基板153をさらに含んでもよい。
【0034】
図5aから
図5eは本発明の異なる実施形態における水晶振動子パッケージ、IC、少なくとも1つの導電媒体及びヒーターを示す図である。
図1から
図4が示すように、前述の実施形態では、ヒーター16は第3水晶基板152上に形成されているが、本発明はこれに限定されない。
図5aから
図5eを参照すると、ヒーター16は水晶振動子パッケージ15に埋設されている。
図5aでは、ヒーター16は第2水晶基板151と第3水晶基板152の間に埋設されている。
図5bでは、ヒーター16は第2水晶基板151と第1水晶基板150の間に埋設されている。
図5cでは、ヒーター16は第1水晶基板150と導電媒体13の間に埋設されている。
図5dでは、ヒーター16は導電媒体13とIC12の間に埋設されている。
図5eでは、ヒーター16は第4水晶基板153と第1水晶基板150の間に埋設されている。
【0035】
図6は本発明の第5の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第5の実施形態を以下に紹介するので、
図6を参照されたい。第5の実施形態では、カバーが第1の実施形態とは異なる。第1実施形態のカバーは第5の実施形態の封止剤部23により代替される。第5の実施形態では、封止剤部23が支持基材10、実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第2導電パッド18、第3導電パッド19及び受動部品21を覆う。
【0036】
図7は本発明の第6の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第6の実施形態を以下に紹介するので、
図7を参照されたい。第6の実施形態では、カバーが第2の実施形態とは異なる。では、第2の実施形態のカバーは第6の実施形態の封止剤部23により代替される。第6の実施形態では、封止剤部23が支持基材10、実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第3導電パッド19及び受動部品21を覆う。
【0037】
図8は本発明の第7の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第7の実施形態を以下に紹介するので、
図8を参照されたい。第7の実施形態では、カバーが第3の実施形態とは異なる。第3の実施形態のカバーは第7の実施形態の封止剤部23により代替される。第7の実施形態では、封止剤部23が支持基材10、実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第2導電パッド18、第3導電パッド19及び受動部品21を覆う。
【0038】
図9は本発明の第8の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第8の実施形態を以下に紹介するので、
図9を参照されたい。第8の実施形態では、カバーが第4の実施形態とは異なる。第4の実施形態のカバーは第8の実施形態の封止剤部23により代替される。第8の実施形態では、封止剤部23が支持基材10、実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第3導電パッド19及び受動部品21を覆う。
【0039】
図10は本発明の第9の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第9の実施形態を以下に紹介するので、
図10を参照されたい。第9の実施形態では、カバー及び支持基材10が第1の実施形態とは異なる。第1の実施形態のカバーは第9の実施形態の封止剤部23により代替される。第9の実施形態では、支持基材10はリードフレームにより実施される。第1の実施形態と比較すると、第9の実施形態では第3導電パッド及びボンディング端子が欠如している。第9の実施形態では、支持基材10上に形成された封止剤部23が実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第2導電パッド18及び受動部品21を覆う。
【0040】
図11は本発明の第10の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第10の実施形態を以下に紹介するので、
図11を参照されたい。第10の実施形態では、カバー及び支持基材10が第2の実施形態とは異なる。第2の実施形態のカバーは第10の実施形態の封止剤部23により代替される。第10の実施形態では、支持基材10はリードフレームにより実施される。第2の実施形態と比較すると、第10の実施形態では第3導電パッド及びボンディング端子が欠如している。第10の実施形態では、支持基材10上に形成された封止剤部23が実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17及び受動部品21を覆う。
【0041】
図12は本発明の第11の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第11の実施形態を以下に紹介するので、
図12を参照されたい。第11の実施形態では、カバー及び支持基材10が第3の実施形態とは異なる。第3の実施形態のカバーは第11の実施形態の封止剤部23により代替される。第11の実施形態では、支持基材10はリードフレームにより実施される。第3の実施形態と比較すると、第11の実施形態では第3導電パッド及びボンディング端子が欠如している。第11の実施形態では、支持基材10上に形成された封止剤部23が実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17、第2導電パッド18及び受動部品21を覆う。
【0042】
図13は本発明の第12の実施形態における温度制御発振装置を示す図である。本発明の第12の実施形態を以下に紹介するので、
図13を参照されたい。第12の実施形態では、カバー及び支持基材10が第4の実施形態とは異なる。第4の実施形態のカバーは第12の実施形態の封止剤部23により代替される。第12の実施形態では、支持基材10はリードフレームにより実施される。第4の実施形態と比較すると、第12の実施形態では第3導電パッド及びボンディング端子が欠如している。第12の実施形態では、支持基材10上に形成された封止剤部23が実装接着剤部11、IC12、導電媒体13、温度センサー14、水晶振動子パッケージ15、ヒーター16、第1導電パッド17及び受動部品21を覆う。第9、第10、第11、及び第12の実施形態では、クアッドフラットリード端子なし(QFN:Quad Flat No-lead)、アドバンストクアッドフラットリード端子なし(aQFN:advanced Quad Flat No-lead)、クアッドフラットパッケージ(QFP:Quad Flat Package)、ロープロファイルクアッドフラットパッケージ(LQFP:Low profile Qquad Flat Packages)/シンクアッドフラットパッケージ(TQFP:Thin Qquad Flat Packages)、プラスチックリードチップキャリアー(PLCC:Plastic Leaded Chip Carrier)、スモールアウトライン(SO:Small Outline)又はプラスチックデュアルインラインパッケージング(PDIP:Plastic Dual-In-line Packaging)のようなリードフレームパッケージを用いることもできる。
【0043】
上述の実施形態によれば、温度制御発振装置は、IC上に水晶振動子パッケージが積層され、水晶振動子パッケージは三層に積層された水晶基板を含む。したがって、温度制御発振装置により、接着剤の経年劣化による水晶振動子の性能の低下を回避し、極小化を達成し、製造コストを抑えることができる。
【0044】
上述の実施形態は本発明を例示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本発明により開示された形状、構造、特徴又は精神に基づく均等な修正や変更は、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 温度制御発振装置
10 支持基材
11 実装接着剤部
12 IC
13 導電媒体
14 温度センサー
15 水晶振動子パッケージ
150 第1水晶基板
151 第2水晶基板
1510 境界領域
1511 共振領域
152 第3水晶基板
153 第4水晶基板
16 ヒーター
17 第1導電パッド
18 第2導電パッド
19 第3導電パッド
20 ボンディング端子
21 受動部品
22 カバー
23 封止剤部