(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025639
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】セラミックコーティングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C23C 24/04 20060101AFI20230215BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20230215BHJP
B05B 7/22 20060101ALI20230215BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20230215BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
C23C24/04
H05H1/24
B05B7/22
B05C13/02
B05C11/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174116
(22)【出願日】2021-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105115
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520333664
【氏名又は名称】リ,チャン フン
【氏名又は名称原語表記】LEE,Chang Hoon
【住所又は居所原語表記】1403-ho,304-dong,36,Baengnyeonsan-ro,Eunpyeong-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,チャン フン
【テーマコード(参考)】
2G084
4F033
4F042
4K044
【Fターム(参考)】
2G084AA04
2G084AA06
2G084CC23
2G084CC34
2G084DD01
2G084FF02
2G084GG18
2G084GG29
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
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4F033QB13Y
4F033QD02
4F033QD03
4F033QD14
4F033QG06
4F033QG14
4F033QG19
4F033QG20
4F042AA02
4F042AA06
4F042AA07
4F042AB03
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA25
4F042DF07
4F042DH09
4F042ED03
4K044BA11
4K044BB01
4K044CA23
4K044CA24
4K044CA27
4K044CA29
4K044CA71
(57)【要約】
【課題】本開示は、セラミックコーティングシステム及び方法に関し、より詳しくは、大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステム及び方法に関するものである。
【解決手段】本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムは、内部が真空に維持されるように構成された真空チャンバ、真空チャンバ内に配置され、基板を固定支持する支持部、プラズマ放電により活性種を生成し、少なくとも一部が真空チャンバ内において基板の方を向くように配置されたノズル部を含むプラズマ発生装置、及び、ノズル部の一側にセラミックパーティクルを移送させるパーティクル提供装置を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムにおいて、
内部が真空に維持されるように構成された真空チャンバ、
前記真空チャンバ内に配置され、基板を固定支持する支持部、
プラズマ放電により活性種を生成し、少なくとも一部が前記真空チャンバ内において前記基板の方に向くように配置されたノズル部を含むプラズマ発生装置、及び、
前記ノズル部の一端側にセラミックパーティクルを移送させるパーティクル提供装置を含むことを特徴とする、セラミックコーティングシステム。
【請求項2】
前記セラミックパーティクルの表面は、前記ノズル部において前記活性種を含むプラズマガスにより焼結され、
前記プラズマガスが前記ノズル部を通して前記真空チャンバ内に噴射されることにより、表面が焼結された前記セラミックパーティクルが前記基板に蒸着されることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項3】
前記セラミックパーティクルは、エアロゾルデポジションによる蒸着に使用されるセラミックパーティクルであることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項4】
前記パーティクル提供装置は、
一端側が前記ノズル部と連結され、他端側から注入されたキャリアガスを用いて、前記セラミックパーティクルを前記ノズル部に移動させるように構成された通路部、及び、 内側に前記セラミックパーティクルを収容し、前記セラミックパーティクルを前記通路部に提供するように構成された収容部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項5】
前記支持部は、一端側で前記基板を固定支持するロボットアームを含み、
前記ロボットアームは、前記ノズル部と前記基板との間の距離を調節するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項6】
前記真空チャンバ内の前記セラミックパーティクルの噴射速度を測定するように構成された速度測定センサ、及び、
前記速度測定センサが測定した前記噴射速度に基づき、前記プラズマ発生装置の駆動強度を制御する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項7】
前記基板上に蒸着された前記セラミックパーティクルの厚さを測定するように構成された厚さ測定センサ、及び、
前記厚さ測定センサが測定した前記セラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、前記プラズマ発生装置及び前記パーティクル提供装置の駆動の可否を制御する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項8】
大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法において、
ノズル部を含むプラズマ発生装置により、放電ガスをプラズマ放電させて活性種を生成するステップ、
パーティクル提供装置により、セラミックパーティクルを真空チャンバ内に形成された前記ノズル部の一端側に注入するステップ、
前記ノズル部において前記活性種により前記セラミックパーティクルの表面が焼結されるステップ、及び、
表面が焼結された前記セラミックパーティクルを前記ノズル部を通して噴射させて、前記真空チャンバ内の基板を蒸着コーティングさせるステップを含むことを特徴とする、セラミックコーティング方法。
【請求項9】
一端側で前記基板を固定支持する支持部により、前記ノズル部と前記基板との間の距離を調節するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のセラミックコーティング方法。
【請求項10】
速度測定センサにより、前記真空チャンバ内の前記セラミックパーティクルの噴射速度を測定するステップ、
厚さ測定センサにより、前記基板上に蒸着された前記セラミックパーティクルの厚さを測定するステップ、
制御器により、前記速度測定センサが測定した前記噴射速度に基づき、前記プラズマ発生装置の駆動強度を制御するステップ、及び、
前記制御器により、前記厚さ測定センサが測定した前記セラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、前記プラズマ発生装置及び前記パーティクル提供装置の駆動の可否を制御するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のセラミックコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セラミックコーティングシステム及び方法に関し、より詳しくは、大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、電子や中性粒子などのイオン化されたガスであって、プラズマガスの一部分は高いエネルギーを持つため、物質の表面を変化させることができる。すなわち、プラズマは、他の材料の表面と直接的に反応したり、弾性衝突により反応したりできる。プラズマ発生装置は、主に圧縮された空気又は窒素ガスが高周波数や高電圧の電荷と交差してプラズマを発生するように構成されたチューブを含む。
【0003】
最近、低圧又は真空のプラズマの代わりに、大気圧プラズマ装置を用いる場合が増加しつつある。大気圧プラズマ装置の場合、低温工程において多様な材料及び基板に適用でき、真空容器や真空排気装置が不要であるため、処理速度が速くて経済的である。また、大気圧プラズマを用いた蒸着法の場合、付着力が良くて蒸着温度が低くなるため、従来の表面処理工程、半導体工程及びディスプレイ工程において、高温加熱による変形や変性が低減できるという長所を活用することで、比較的多様な産業で使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0788505号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書で開示される実施例等は、大気圧プラズマ発生装置を用いて、セラミックパーティクル(ceramic particle)の表面を焼結処理できるセラミックコーティングシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムは、内部が真空に維持されるように構成された真空チャンバ、真空チャンバ内に配置され、基板を固定支持する支持部、プラズマ放電により活性種を生成し、少なくとも一部が真空チャンバ内において基板の方を向くように配置されたノズル部を含むプラズマ発生装置、及び、ノズル部の一端側にセラミックパーティクルを移送させるパーティクル提供装置を含む。
【0007】
一実施例によれば、セラミックパーティクルの表面は、ノズル部において活性種を含むプラズマガスにより焼結され、プラズマガスがノズル部を通して真空チャンバ内に噴射されることにより、表面が焼結されたセラミックパーティクルが基板に蒸着される。
【0008】
一実施例によれば、セラミックパーティクルは、エアロゾルデポジション(AD:Aerosol Deposition)蒸着に使用されるセラミックパーティクルである。
【0009】
一実施例によれば、パーティクル提供装置は、一端側がノズル部と連結され、他端側から注入されたキャリアガス(carrier gas)を用いて、セラミックパーティクルをノズル部に移動させるように構成された通路部、及び、内側にセラミックパーティクルを収容し、セラミックパーティクルを通路部に提供するように構成された収容部を含む。
【0010】
一実施例によれば、支持部は、一端側で基板を固定支持するロボットアームを含み、ロボットアームは、ノズル部と基板との間の距離を調節するように構成される。
【0011】
一実施例によれば、セラミックコーティングシステムは、真空チャンバ内のセラミックパーティクルの噴射速度を測定するように構成された速度測定センサ、及び、速度測定センサが測定した噴射速度に基づき、プラズマ発生装置の駆動強度を制御する制御器をさらに含む。
【0012】
一実施例によれば、セラミックコーティングシステムは、基板上に蒸着されたセラミックパーティクルの厚さを測定するように構成された厚さ測定センサ、及び、厚さ測定センサが測定したセラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、プラズマ発生装置及びパーティクル提供装置の駆動の可否を制御する制御器をさらに含む。
【0013】
本開示の他の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法は、ノズル部を含むプラズマ発生装置により、放電ガスをプラズマ放電させて活性種を生成するステップ、パーティクル提供装置により、セラミックパーティクルを真空チャンバ内に形成されたノズル部の一端側に注入するステップ、ノズル部において活性種によりセラミックパーティクルの表面が焼結されるステップ、及び、表面が焼結されたセラミックパーティクルをノズル部を通して噴射させて、真空チャンバ内の基板を蒸着コーティングさせるステップを含む。
【0014】
一実施例によれば、セラミックコーティング方法は、一端側で基板を固定支持する支持部により、ノズル部と基板との間の距離を調節するステップをさらに含む。
【0015】
一実施例によれば、セラミックコーティング方法は、速度測定センサにより、真空チャンバ内のセラミックパーティクルの噴射速度を測定するステップ、厚さ測定センサにより、基板上に蒸着されたセラミックパーティクルの厚さを測定するステップ、制御器により、速度測定センサが測定した噴射速度に基づき、プラズマ発生装置の駆動強度を制御するステップ、及び、制御器により、厚さ測定センサが測定したセラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、プラズマ発生装置及びパーティクル提供装置の駆動の可否を制御するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示の多様な実施例によれば、本開示のセラミックコーティングシステムを用いる場合、セラミックパーティクルがノズル部で瞬間的に超高温のプラズマに露出されることにより、一般のセラミックパーティクルより直径がさらに大きい球状の焼結状態に変化し得る。このとき、焼結されたセラミックパーティクルをAD蒸着コーティングに用いることで、迅速かつ均一に蒸着レイヤーを形成でき、既存のADコーティングより基板に蒸着されるセラミックパーティクルのロス(loss)率を低減して、生産性の増大及び費用の節減が図ることができる。
【0017】
また、本開示の多様な実施例によれば、ロボットアームによりノズル部及び基板間の距離が調節できるので、基板にセラミックパーティクルを容易に蒸着させることができる。
【0018】
また、本開示の多様な実施例によれば、低真空状態においてプラズマ発生装置が駆動される場合、セラミックパーティクルを容易に焼結させることができる。
【0019】
また、本開示の多様な実施例によれば、速度測定センサを用いて、セラミックパーティクルの移動速度が基準値以下であるか否かをリアルタイムで確認できるので、セラミックパーティクルの蒸着ロス率を低減することができる。
【0020】
また、本開示の多様な実施例によれば、厚さ測定センサを用いて、セラミックパーティクルのコーティング厚さが基準値以上であるか否かをリアルタイムで確認できる。
【0021】
本開示の効果は、これに制限されず、言及されない他の効果等は、請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムを示す概略図である。
【
図2】本開示の他の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムを示す概略図である。
【
図3】本開示の一実施例に係るプラズマ発生装置及びパーティクル提供装置を概略的に示す正面図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の他の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明では、本開示の要旨を不要にぼやかす恐れがある場合、公知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0024】
添付図面において、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が付与される。また、以下の実施例の説明において、同一又は対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図してはならない。
【0025】
本開示で使用される用語について簡略に説明し、開示の実施例について具体的に説明する。本明細書で使用される用語は、本開示での機能を考慮しつつ、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは関連分野に従事する技術者の意図又は判例、新技術の出現などにより変化し得る。また、特定の場合は出願人が任意で選定した用語もあり得るが、これらの意味は当該発明の説明の部分において詳細に記載する。よって、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持つ意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0026】
本開示において、文脈上において明確に特定しない限り、単数の表現は複数の表現を含み、複数の表現は単数の表現を含むことができる。
【0027】
本開示において、ある部分がある構成要素を「含む」とすれば、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むこともできることを意味する。
【0028】
本開示において、図面の上方はその図面に示す構成の「上部」又は「上側」、その下方は「下部」又は「下側」と称することができる。また、図面において示す構成の上部及び下部間、或いは、上部及び下部を除いた残りの部分は「側部」又は「側面」と称することができる。このような「上部」や「上側」などのような相対的な位置を示す用語は、図面に示す構成ら間の関係を説明するために使用でき、本開示はそのような用語により限定されるものではない。
【0029】
本開示において、一つの構造物の内部空間に向かう方向を「内側」、開放された外部空間に突出された方向を「外側」と称することができる。このような「内側」や「外側」などのような相対的な用語は、図面に示す構成ら間の関係を説明するために使用でき、本開示はそのような用語により限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、「A及び/又はB」の記載は、A又はB、或いは、A及びBを意味する。
【0031】
本願明細書において、ある部分が他の部分と連結されているとすれば、これは、直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の構成を挟んで連結されている場合も含む。
【0032】
開示の実施例の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面に基づいて後述する実施例を参照すれば明確になる。しかしながら、本開示は、以下で開示される実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で具現され得る。但し、本実施例は、本開示が完全になるようにし、本開示が通常の技術者に発明のカテゴリを正確に認識させるために提供されるだけである。
【0033】
図1は、本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置130を用いたセラミックコーティングシステム100を示す概略図である。
【0034】
図1に示すように、セラミックコーティングシステム100は、真空チャンバ110、支持部170、プラズマ発生装置130及びパーティクル提供装置140を含むことができる。
【0035】
真空チャンバ110は、真空ポンプ120により内部が真空に維持される装置であり得る。このとき、真空ポンプ120は、真空チャンバ110の一方側に形成され、真空チャンバ110内の空気を吸入することにより、真空チャンバ110の内部が実質的に真空状態を維持するように構成できる。真空チャンバ110の内部は、基板160等がセラミックパーティクル150又はセラミックパウダー(ceramic powder)(以下、「セラミックパーティクル」と通称する)でコーティングされる空間とすることができる。一実施例において、真空チャンバ110は、固定の位置に設置されたり、特定の係止装備などにより脱着自在に構成されたりできる。
【0036】
真空チャンバ110の内部には、基板160を固定支持する支持部170が配置され得る。一実施例において、支持部170は、一端で基板160を固定支持するロボットアーム172を含むことができる。ロボットアーム172は、ノズル部132及び基板160間の距離(L)や角度等を調節するために、立体的に移動可能であるように構成できる。例えば、ロボットアーム172は、基板160にセラミックパーティクル150が容易に蒸着コーティングされるように、2軸ロボットアームを用いて距離(L)を調節できる。他の例において、ロボットアーム172は、基板160を真空チャンバ110内の任意の位置に移動させることができる。
【0037】
プラズマ発生装置130は、放電ガスをプラズマ放電させて活性種を生成し、活性種を含むプラズマガスを噴射させる装置であり得る。一実施例において、プラズマ発生装置130は、大気圧プラズマ発生装置であり得る。一実施例において、プラズマ発生装置130は、ノズル部132を含むことができる。ノズル部132は、プラズマガス及びセラミックパーティクル150が真空チャンバ110内に噴射される噴射口を含むことができる。一実施例において、ノズル部132の少なくとも一部は、真空チャンバ110内において基板160の方を向くように配置され得る。したがって、プラズマ発生装置130から噴射されるプラズマガス及びセラミックパーティクル150は、基板160の方に噴射されることができる。
【0038】
パーティクル提供装置140は、キャリアガスを用いて、ノズル部132の一端側にセラミックパーティクル150を移送させる装置であり得る。具体的には、パーティクル提供装置140の一端は、真空チャンバ110内においてノズル部132と連結されることで、キャリアガス及びセラミックパーティクル150をノズル部132内に移送させることができる。このとき、セラミックパーティクル150は、AD(Aerosol Deposition)蒸着法に適合するように、凝集された(aggregated)形態とすることができる。また、セラミックパーティクル150は、AD蒸着法に使用されるパーティクルであり得る。例えば、セラミックパーティクル150は、シリコンパーティクル又は酸化イットリウム(Y
2O
3)パーティクルとすることができる。パーティクル提供装置140の下部構成に関する詳細は、
図3を参照して説明する。
【0039】
一実施例によれば、プラズマ発生装置130によって生成された活性種を含むプラズマガスにより、ノズル部132に移送されたセラミックパーティクルの表面が焼結されることができる。具体的には、ノズル部132の一端側に流入する放電ガスのプラズマ放電により活性種が生成され、ノズル部132の他端側に流入するセラミックパーティクルの表面は活性種により焼結されることができる。一実施例において、プラズマ発生装置130が大気圧状態ではなく低真空状態で駆動される場合、セラミックパーティクルの焼結が容易になり得る。例えば、一般の大気圧状態におけるプラズマビームの長さが20mm程度であれば、低真空状態におけるプラズマビームの長さは40mm~60mm程度と、非常に長く噴射されるので、セラミックパーティクルは容易に焼結されることができる。
【0040】
一実施例において、プラズマガスがノズル部132を通して真空チャンバ110内に噴射されることで、表面が焼結されたセラミックパーティクル150は基板160に蒸着されることができる。これにより、基板160の一方の面は、セラミックパーティクル150により蒸着コーティングされることができる。従来の凝集されたセラミックパーティクルを真空状態でAD蒸着法を用いてコーティングする場合、基板に蒸着されるパーティクルのロス(loss)率が非常に高いという問題点が存在した。しかしながら、本開示のセラミックコーティングシステム100を用いる場合、セラミックパーティクルがノズル部132から瞬間的に超高温のプラズマに曝露されることで、一般のセラミックパーティクルより直径がさらに大きい球状の焼結状態に変化し得る。このとき、焼結されたセラミックパーティクル150をAD蒸着コーティングに用いることで、迅速かつ均一に蒸着層を形成でき、既存のADコーティングより基板160に蒸着されるセラミックパーティクル150のロス率が低減されて、生産性の向上及び費用の削減を図ることができる。
【0041】
図2は、本開示の他の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置130を用いたセラミックコーティングシステム200を示す概略図である。
図2に開示された構成のうち、
図1と対応する構成については説明を省略する。
【0042】
図2に示すように、セラミックコーティングシステム200は、真空チャンバ110、真空ポンプ120、プラズマ発生装置130、パーティクル提供装置140、支持部170、速度測定センサ210、厚さ測定センサ220及び制御器230を含むことができる。セラミックコーティングシステム200において、速度測定センサ210及び/又は厚さ測定センサ220から信号を受信した制御器230が、プラズマ発生装置130及び/又はパーティクル提供装置140を制御することにより、ノズル部132から基板160に移動するセラミックパーティクル150の速度と、基板160上のセラミックパーティクル150の蒸着の厚さとを調節できる。一実施例において、制御器230は、マイクロプロセッサを含む制御部とすることができる。
【0043】
一実施例において、速度測定センサ210は、真空チャンバ110内に設置できる。速度測定センサ210は、真空チャンバ110内において、ノズル部132から基板160の方に移動するセラミックパーティクル150の移動速度を測定するように構成できる。例えば、速度測定センサ210は、セラミックパーティクル150の移動速度に応じて電気的な信号を出力できる電気抵抗式又は電気容量式の速度測定センサを含むことができるが、これに限定されるものではない。速度測定センサ210は、基板160上におけるセラミックパーティクル150の蒸着ロス率を低減するために、セラミックパーティクル150の移動速度が基準値以下であるか否かをリアルタイムで確認する役割を果たすことができる。速度測定センサ210は、セラミックパーティクル150の移動速度に応じて決定される電気的な信号を制御器230に伝達できる。
【0044】
一実施例において、厚さ測定センサ220は、真空チャンバ110内に設置できる。真空チャンバ110内に設置された厚さ測定センサ220は、基板160上のセラミックパーティクル150の蒸着の厚さを測定するように構成できる。例えば、厚さ測定センサ220は、セラミックパーティクル150の蒸着の厚さに応じて電気伝導度が変化して電気的な信号を出力できる光学センサ、或いは、セラミックパーティクル150の蒸着膜を撮影してその厚さを測定できるイメージセンサ及び/又はイメージ信号処理器を含むことができるが、これに限定されるものではない。厚さ測定センサ220は、基板160上に蒸着されたセラミックパーティクル150のコーティング厚さが基準値以上であるか否かをリアルタイムで確認する役割を果たすことができる。厚さ測定センサ220は、基板160上に蒸着されたセラミックパーティクル150の厚さに応じて決定される電気的な信号を制御器230に伝達できる。
【0045】
制御器230は、速度測定センサ210及び/又は厚さ測定センサ220から転送される電気的な信号を受信して、セラミックパーティクル150の移動速度及び/又は基板160上に蒸着されたセラミックパーティクル150の厚さが、基準値以上であるか基準値以下であるかを決定できる。このように決定されるセラミックパーティクル150の移動速度又は蒸着の厚さに応じて、制御器230は、プラズマ発生装置130及び/又はパーティクル提供装置140の駆動の可否、時間及び強度などを制御できる。例えば、制御器230は、速度測定センサ210の電気的な信号に基づき、セラミックパーティクル150の移動速度が基準値(例えば、音速又は亜音速)以下であると決定する場合、プラズマ発生装置130の駆動強度を上向調整できる。また、制御器230は、厚さ測定センサ220の電気的な信号に基づき、基板160上のセラミックパーティクル150の蒸着厚さが基準値以上であると決定する場合、プラズマ発生装置130及び/又はパーティクル提供装置140の駆動を中止させることができる。以上で説明したように、制御器230によるプラズマ発生装置130及び/又はパーティクル提供装置140の動作制御により、基板160上に蒸着コーティングされるセラミックパーティクル150のロス率を著しく減少させ、セラミックコーティングの速度を増加させることができる。
【0046】
図3は、本開示の一実施例に係るプラズマ発生装置310及びパーティクル提供装置340を概略的に示す正面図である。
図3に示すプラズマ発生装置310及びパーティクル提供装置340は、
図1及び
図2に示すセラミックコーティングシステム100、200のプラズマ発生装置130及びパーティクル提供装置140として使用され得る。
【0047】
一実施例において、プラズマ発生装置310は、大気圧プラズマ発生装置であり得る。このとき、プラズマ発生装置310は、通常、常温/常圧の環境において駆動できるように、ジェネレーター(generator)、高電圧変圧器及びプラズマ放電を発生させる電極等を含むことができる。具体的には、プラズマ発生装置310は、プラズマが噴射されるノズル部330、一端側がノズル部330に脱着可能であり、他端側に作動ガス(又は、放電ガスやプラズマガス)が供給されるガス供給管(図示せず)、及び、高電圧変圧器(図示せず)に連結されるケーブルなどが脱着可能な本体部320を含むことができる。
【0048】
一実施例において、高電圧変圧器により発生した高周波高電圧は、本体部320内に設置された電極等に印加され、印加された電圧により電極間に電気アーク形態の高周波放電が発生し得る。このように、本体部320内に電気アークが発生した状態において、作動ガスが電気アークと接触してプラズマ状態に変換され得る。本体部320で生成されたプラズマビームは、ノズル部330の噴射口を通して噴射できる。このとき、作動ガスは、セラミックパーティクルの特性によって1つ以上のガスが単独で又は混合して使用され得る。例えば、作動ガスは、窒素、アルゴン、酸素、水素、ヘリウム、フッ素のうちの何れか一つ又は複数の組合せであり得る。
【0049】
一実施例において、パーティクル提供装置340は、収容部350及び通路部360を含むことができる。収容部350の内側にはセラミックパーティクル354が収容される。一実施例において、収容部350は、内側に形成された振動子352を用いて、セラミックパーティクル354を通路部360に移動させることができる。通路部360の一端側はノズル部330と連結されることができる。通路部360は、通路部360の他端側から注入されたキャリアガスを用いて、セラミックパーティクル354をノズル部330に移動させるように構成できる。このとき、キャリアガスはAr及び/又はN2を含むことができる。一実施例において、通路部360はチューブ又はパイプの形態とすることができる。
【0050】
図4は、本開示の一実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法400を示すフローチャートである。
【0051】
セラミックコーティング方法400は、ロボットアームにより真空チャンバ内のノズル部及び基板間の距離を調節するステップにより開始できる(S410)。一実施例において、
図1を参照すれば、ロボットアーム172は、ノズル部132と基板160との間の距離(L)を調節できる。具体的に、ロボットアーム172は、セラミックパーティクル150を基板160に容易に蒸着するために、ノズル部132と基板160との間の距離(L)を調節するように構成できる。
【0052】
次に、プラズマ発生装置により放電ガスをプラズマ放電させて活性種を生成できる(S420)。一実施例において、
図1及び
図3を参照すれば、プラズマ発生装置130、310に流入した放電ガスをプラズマ放電させることにより活性種が生成できる。プラズマ発生装置130、310により生成された活性種等を含むプラズマガスは、真空チャンバ110内に形成されたノズル部132、330を通して真空チャンバ110内に噴射されることができる。
【0053】
次に、パーティクル提供装置により、通路部に沿って流れるキャリアガスを用いて、収容部に収容されたセラミックパーティクルをノズル部に注入させることができる(S430)。一実施例において、
図1及び
図3を参照すれば、パーティクル提供装置140、340は、ノズル部132、330と連結された通路部360に沿って流れるキャリアガスを用いて、収容部350に収容されたセラミックパーティクルをノズル部132、330に注入させることができる。
【0054】
次に、ノズル部において活性種を含むプラズマガスは、パーティクル提供装置からノズル部に流入するセラミックパーティクルの表面を焼結させることができる(S440)。一実施例において、
図1及び
図3を参照すれば、活性種を含むプラズマガスは、ノズル部132、330に注入される凝集されたセラミックパーティクル150、354の表面を焼結させることができる。
【0055】
表面が焼結されたセラミックパーティクルは、ノズル部から真空チャンバ内の基板の方に噴射されることにより、基板のコーティング処理が行われる(S450)。一実施例において、
図1を参照すれば、プラズマガスにより表面が焼結されたセラミックパーティクル150は、ノズル部132を通して噴射されて基板160上に蒸着され得る。表面が焼結されたセラミックパーティクル150は、焼結されていないセラミックパーティクルに比べて、蒸着ロス率が著しく低いので、基板160はセラミックで容易にコーティングできる。
【0056】
図5は、本開示の他の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法500を示すフローチャートである。
【0057】
セラミックコーティング方法500は、制御器がプラズマ発生装置及び/又はパーティクル提供装置を駆動させるステップにより開始できる(S510)。一実施例において、
図2を参照すれば、制御器230は、セラミックパーティクル150がプラズマガスにより焼結された後で基板160に噴射されるように、プラズマ発生装置130及びパーティクル提供装置140を駆動させることができる。
【0058】
次に、速度測定センサは、ノズル部から噴射されるセラミックパーティクルの速度を検出できる(S520)。一実施例において、
図2を参照すれば、真空チャンバ110内に設置される速度測定センサ210は、ノズル部132から噴射されて基板160に向かうセラミックパーティクル150の速度を測定できる。また、速度測定センサ210は、セラミックパーティクル150の移動速度に応じて決定される電気的な信号を制御器230に伝達できる。
【0059】
制御器は、測定されたセラミックパーティクルの移動速度が基準値以下であるか否かを決定できる(S530)。一実施例において、
図2を参照すれば、制御器230は、速度測定センサ210の電気的な信号に基づき、セラミックパーティクル150の移動速度が基準値以下であるか否かを決定できる。
【0060】
ステップ(S530)において、測定された速度が基準値以下であると決定する場合、制御器は、プラズマ発生装置の駆動強度を上向調整できる(S540)。一実施例において、
図2を参照すれば、制御器230が、速度測定センサ210の電気的な信号に基づき、セラミックパーティクル150の移動速度が基準値以下であると決定する場合、プラズマ発生装置130の駆動強度を上向調整できる。このように、プラズマ発生装置130の駆動強度が上向調整されることにより、セラミックパーティクル150の移動速度が増加して、基板160のセラミックコーティングのロス率を低減することができる。
【0061】
次に、厚さ測定センサが基板に蒸着されたセラミックパーティクルの厚さを測定できる(S550)。一実施例において、
図2を参照すれば、真空チャンバ110内に設置される厚さ測定センサ220は、基板160に蒸着されたセラミックパーティクル150の厚さに応じて決定される電気的な信号を制御器230に伝達できる。
【0062】
制御器は、セラミックパーティクルの蒸着の厚さが基準値以上であるか否かを決定できる(S560)。一実施例において、
図2を参照すれば、制御器230は、厚さ測定センサ220の電気的な信号に基づき、基板160に蒸着されたセラミックパーティクル150の厚さが基準値以上であるか否かを決定できる。
【0063】
ステップ(S560)において、測定されたセラミックパーティクルの蒸着の厚さが基準値以上であると決定する場合、制御器は、プラズマ発生装置及び/又はパーティクル提供装置の駆動を中止させることができる(S570)。一実施例において、
図2を参照すれば、制御器230は、厚さ測定センサ220の電気的な信号に基づき、基板160に蒸着されたセラミックパーティクル150の蒸着の厚さが基準値以上であると決定する場合、プラズマ発生装置130及び/又はパーティクル提供装置140の駆動を中止させることができる。これにより、基板160に対するセラミックパーティクル150の蒸着コーティングを終了できる。
【0064】
前述した制御器又は制御部の動作は、コンピュータで実行するために、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータブラグラムとして提供され得る。媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを継続的に保存したり、実行又はダウンロードのために一時保存したりするものであり得る。また、媒体は、単一又は多数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段又は保存手段であり得るが、あるコンピュータシステムに直接的に接続される媒体に限定されず、ネットワーク上に分散存在するものであり得る。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、及び、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令語が保存されるように構成されたものが挙げられる。また、他の媒体の例としては、アプリケーションを流通するアプリストアやその他の多様なソフトウェアを供給乃至流通するサイト、サーバなどで管理する記録媒体乃至保存媒体も挙げられる。
【0065】
本開示の制御器又は制御部の動作、方法又は技法は多様な手段により具現できる。例えば、このような技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組合せで具現できる。本願の開示により説明された多様な例示的な論理的ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、若しくは両方の組合せで具現できることを、通常の技術者であれば理解できるはずである。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互の代替を明確に説明するために、多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能的観点から一般的に前述された。そのような機能が、ハードウェアとして具現されるか、若しくは、ソフトウェアとして具現されるかは、特定アプリケーション及び全体システムに付加される設計要求事項によって変化する。通常の技術者は、各々の特定アプリケーションのために多様な方式により説明された機能を具現することもできるが、そのような具現は本開示の範囲から逸脱するものと解釈してはならない。
【0066】
ハードウェアの具現において、技法の遂行に利用されるプロセッシングユニットは、一つ以上のASIC、DSP、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing devices ; DSPD)、プログラム可能な論理デバイス(programmable logic devices ; PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(field programmable gate arrays ; FPGA)、プロセッサ、制御器、マイクロ制御器、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本開示に説明された機能を遂行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、若しくはこれらの組合せ内で具現されることもできる。
【0067】
したがって、本開示の制御器又は制御部と関連して、多様な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路により具現できる。例えば、制御器又は制御部は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAや他のプログラム可能な論理デバイス、離散ゲートやトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、若しくは、本願に説明された機能を遂行するように設計されたもの等の任意の組合せで具現又は遂行されることもできる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代案として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、若しくは状態マシンであり得る。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する一つ以上のマイクロプロセッサ、若しくは任意の他の構成の組合せで具現されることもできる。
【0068】
ファームウェア及び/又はソフトウェアの具現において、技法は、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、NVRAM(non-volatile random access memory)、PROM(programmable read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM(electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ、CD(compact disc)、磁気又は光学データストレージデバイスなどのようなコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存された命令として具現できる。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行可能であり得、プロセッサが本開示に説明された機能の特定様態を遂行するようにできる。
【0069】
前述した実施例が一つ以上の独立型コンピュータ装置又はシステムで現在開示された主題の様態を活用するものとして記述しているが、本開示はこれに限定されず、ネットワークや分散コンピューティング環境のような任意のコンピューティング環境によって具現できる。さらには、本開示における主題の様態は複数のプロセッシングチップや装置で具現されることもでき、ストレージは複数の装置に亘って類似に影響を受けることもできる。このような装置は、PC、ネットワークサーバ及び携帯用装置を含むこともできる。
【0070】
本明細書では、本開示が一部の実施例によって説明されたが、本開示の発明が属する技術分野における通常の技術者が理解し得る本開示から逸脱しない範囲内で多様な変形や変更が可能である。また、そのような変形や変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0071】
100 セラミックコーティングシステム
110 真空チャンバ
120 真空ポンプ
130 プラズマ発生装置
140 パーティクル提供装置
150 セラミックパーティクル
160 基板
170 支持部
【手続補正書】
【提出日】2022-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティングシステムにおいて、
内部が真空に維持されるように構成された真空チャンバ、
前記真空チャンバ内に配置され、基板を固定支持する支持部、
プラズマ放電により活性種を生成し、少なくとも一部が前記真空チャンバ内において前記基板の方に向くように配置されたノズル部を含むプラズマ発生装置、及び、
前記ノズル部の一端側にセラミックパーティクルを移送させるパーティクル提供装置を含み、
前記セラミックパーティクルの表面は、前記ノズル部において前記活性種を含むプラズマガスにより焼結され、
前記プラズマガスが前記ノズル部を通して前記真空チャンバ内に噴射されることにより、表面が焼結された前記セラミックパーティクルが前記基板に蒸着され、
前記セラミックパーティクルは、エアロゾルデポジションによる蒸着に使用されるセラミックパーティクルであることを特徴とする、セラミックコーティングシステム。
【請求項2】
前記パーティクル提供装置は、
一端側が前記ノズル部と連結され、他端側から注入されたキャリアガスを用いて、前記セラミックパーティクルを前記ノズル部に移動させるように構成された通路部、及び、 内側に前記セラミックパーティクルを収容し、前記セラミックパーティクルを前記通路部に提供するように構成された収容部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項3】
前記支持部は、一端側で前記基板を固定支持するロボットアームを含み、
前記ロボットアームは、前記ノズル部と前記基板との間の距離を調節するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項4】
前記真空チャンバ内の前記セラミックパーティクルの噴射速度を測定するように構成された速度測定センサ、及び、
前記速度測定センサが測定した前記噴射速度に基づき、前記プラズマ発生装置の駆動強度を制御する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項5】
前記基板上に蒸着された前記セラミックパーティクルの厚さを測定するように構成された厚さ測定センサ、及び、
前記厚さ測定センサが測定した前記セラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、前記プラズマ発生装置及び前記パーティクル提供装置の駆動の可否を制御する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックコーティングシステム。
【請求項6】
大気圧プラズマ発生装置を用いたセラミックコーティング方法において、
ノズル部を含むプラズマ発生装置により、放電ガスをプラズマ放電させて活性種を生成するステップ、
パーティクル提供装置により、セラミックパーティクルを真空チャンバ内に形成された前記ノズル部の一端側に注入するステップ、
前記ノズル部において前記活性種により前記セラミックパーティクルの表面が焼結されるステップ、及び、
表面が焼結された前記セラミックパーティクルを前記ノズル部を通して噴射させて、前記真空チャンバ内の基板を蒸着コーティングさせるステップと、
を含み、
前記セラミックパーティクルは、エアロゾルデポジションによる蒸着に使用されるセラミックパーティクルであることを特徴とする、セラミックコーティング方法。
【請求項7】
一端側で前記基板を固定支持する支持部により、前記ノズル部と前記基板との間の距離を調節するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のセラミックコーティング方法。
【請求項8】
速度測定センサにより、前記真空チャンバ内の前記セラミックパーティクルの噴射速度を測定するステップ、
厚さ測定センサにより、前記基板上に蒸着された前記セラミックパーティクルの厚さを測定するステップ、
制御器により、前記速度測定センサが測定した前記噴射速度に基づき、前記プラズマ発生装置の駆動強度を制御するステップ、及び、
前記制御器により、前記厚さ測定センサが測定した前記セラミックパーティクルの蒸着の厚さに基づき、前記プラズマ発生装置及び前記パーティクル提供装置の駆動の可否を制御するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のセラミックコーティング方法。