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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002564
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】車両隊列のためのギャップ測定
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221227BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221227BHJP
   B60W 30/165 20200101ALI20221227BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20221227BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/16 E
G08G1/09 H
B60W30/165
G01S13/931
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022155699
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2019523642の分割
【原出願日】2017-10-26
(31)【優先権主張番号】PCT/US2016/060167
(32)【優先日】2016-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/590,715
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/590,803
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518064248
【氏名又は名称】ぺロトン テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】オースティン ビー シュー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン エム エーリエン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ピレインズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エル ジェイコブス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ピー スウィックス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一組の距離測定シーンにおいて特定の車両(例えば、プラトーンパートナー)の後部を識別するための、および/またはそのような車両の後部を追跡するための様々な方法、コントローラ、およびアルゴリズムを提供する。
【解決手段】隊列走行などの一組の距離測定シーンにおいて特定の車両(例えば、プラトーンパートナー)の後部を識別するために、レーダー、LIDAR、カメラベースの距離測定ユニット等を含む様々な異なる距離測定技術を使用し、異なる車両から得られたセンサデータを融合する。検出されたレーダーシーンと、例えば、先行車両の予測状態(例えば、位置、速度等)の推定値におけるホストおよびパートナー車両のそれぞれのGPS位置、車輪速度、および慣性測定値等の他の利用可能な車両状態情報との両方を利用し、パートナー車両の位置の最新の推定値を決定する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の車両の距離測定ユニットから受信したシーンを使用して第1の車両の後部の位置
を識別する方法であって、
a)前記第2の車両に対する前記第1の車両の位置を推定するステップと、
b)各対象物ポイントが検出された対象物に対応している、一組のゼロ以上の検出され
た対象物ポイントを含むシーンのサンプルを前記第2の車両の距離測定ユニットから受信
するステップと、
c)前記一組の受信した検出された対象物ポイント内の第1の車両ポイント候補を識別
するステップと、
d)前記第1の車両の推定位置から検出された対象物までの距離に基づいて前記第1の
車両ポイント候補を分類するステップと、
e)前記分類された第1の車両ポイント候補が、複数の連続する距離測定ユニットのシ
ーンサンプルからの候補を含むように、ステップ(a)~(d)を複数回繰り返すステッ
プと、
f)少なくとも部分的に前記第1の車両ポイント候補の分類に基づいて、前記第1の車
両の後部の位置を識別するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記距離測定ユニットはレーダーユニットであり、前記シーンはレーダーシーンであり
、前記シーンサンプルはレーダーシーンサンプルであり、前記対象物ポイントはレーダー
対象物ポイントであり、前記第1の車両ポイント候補は第1の車両のレーダーポイント候
補である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記第1の車両の推定位置の周囲のバウンディングボックスを識別するステップ
を含み、前記バウンディングボックス内に配置されていない前記一組の受信した検出され
た対象物ポイント内の対象物ポイントは、第1の車両ポイント候補と見なされない、請求
項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記バウンディングボックスは、前記第1の車両の最大予想サイズを超える領域を画定
する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、前記第2の車両に対する前記第1の車両の速度を推定するステップを含み、前記
推定された相対速度は関連速度不確定性を有し、前記推定速度の速度不確定性の範囲内に
ない、相対速度で移動する、検出された対象物に対応する前記一組の検出されたレーダー
対象物ポイント内のレーダー対象物ポイントは、前記第1の車両レーダーポイント候補と
見なされない、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の車両の識別された後部、または前記第1の車両の識別された後部に少なくと
も部分的に基づいて決定される有効車両長を、前記第2の車両の制御に使用する、請求項
2に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)~(c)が少なくとも10ヘルツのサンプルレートで繰り返される、請
求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の車両レーダーポイント候補を分類するステップは、ヒストグラムを前記第1
の車両レーダーポイント候補で埋めるステップを含み、前記ヒストグラムは複数のビンを
含み、各ビンは、前記第1の車両の推定位置に対する長手方向距離範囲を表す、請求項2
に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の車両の後部の識別を、前記ヒストグラムが少なくとも所定数の第1の車両レ
ーダーポイント候補を含んだ後にのみ行う、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
更に、クラスタリングアルゴリズムを前記第1の車両レーダーポイント候補に適用して
、第1の車両レーダーポイント候補のうちの1つ以上のクラスタを識別するステップを含
む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記クラスタリングアルゴリズムは、修正平均シフトアルゴリズムである、請求項10
に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の車両の最も近くに位置する前記クラスタは、前記第1の車両の後部を表すよ
うに選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも所定の閾値パーセンテージまたは所定数の第1の車両レーダーポイント候補
を含む、前記第2の車両に最も近い位置にあるクラスタを、前記第1の車両の後部を表す
ように選択する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記所定の閾値パーセンテージは、前記ヒストグラムにおける第1の車両レーダーポイ
ント候補のうちの少なくとも10%である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定数の第1の車両レーダーポイント候補数は、少なくとも40である、請求項1
3に記載の方法。
【請求項16】
更に、前記識別された車両の後部に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の車両の有
効長を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の車両の位置を推定するためにカルマンフィルタリングを使用する、請求項1
に記載の方法。
【請求項18】
更に、前記ヒストグラムまたは前記ヒストグラムから導出された平均シフトクラスタの
特性を、標的のパートナー車両を表す既知のデータセットと比較して、前記第1の車両が
標的のパートナー車両であるか否かを検証するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
更に、前記ヒストグラムまたは前記ヒストグラムから導出された平均シフトクラスタの
特性を、前記第1の車両の後部が前記レーダーユニットの視野内にないが、前記第1の車
両の一部が前記レーダーユニットの視野内にあるときに受信したレーダーシーンと比較し
て、前記第1の車両の現在の相対位置を決定するのを助けるステップを含む、請求項8に
記載の方法。
【請求項20】
前記第1および第2の車両は、トラックである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の車両は、トラクタ-トレーラトラックである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
更に、前記第2の車両に対する前記第1の車両の速度を推定するステップを含み、前記
推定された相対速度は関連する速度不確定性を有し、前記推定速度の速度不確定性の範囲
内にない相対速度で移動する、検出された対象物に対応する前記一組の検出された対象物
ポイントは、第1の車両ポイント候補と見なされない、請求項1~3または5~21のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の車両の識別された後部、または前記第1の車両の識別された後部に少なくと
も部分的に基づいて決定される有効車両長を前記第2の車両の制御に使用する、請求項1
~4または6~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(a)~(c)が少なくとも10ヘルツのサンプルレートで繰り返される、請
求項1~5または7~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の車両ポイント候補を分類するステップは、ヒストグラムに前記第1の車両ポ
イント候補を埋めるステップを含み、前記ヒストグラムは複数のビンを含み、各ビンは前
記第1の車両の推定位置に対する長手方向距離範囲を表す、請求項1~6または8~24
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の車両の後部の識別を、前記ヒストグラムが少なくとも所定数の第1の車両ポ
イント候補を含んだ後にのみ行う、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
更に、クラスタリングアルゴリズムを前記第1の車両ポイント候補に適用して、前記第
1の車両ポイント候補のうちの1つ以上のクラスタを識別するステップを含む、請求項2
5または26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の車両の最も近くに位置する前記クラスタは、前記第1の車両の後部を表すよ
うに選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも所定の閾値パーセンテージまたは所定数の第1の車両レーダーポイント候補
を含む前記第2の車両に最も近い位置にある前記クラスタは、前記第1の車両の後部を表
すように選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記所定の閾値パーセンテージは、前記ヒストグラムにおける第1の車両レーダーポイ
ント候補のうちの少なくとも10%である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記所定数の第1の車両レーダーポイント候補数は、少なくとも40である、請求項2
9に記載の方法。
【請求項32】
更に、前記識別された車両の後部に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の車両の有
効長を決定するステップを含む、請求項1~14および16~31のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項33】
前記第1の車両の位置を推定するためにカルマンフィルタリングを使用する、請求項1
~15および17~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
更に、前記ヒストグラムまたは前記ヒストグラムから導出された平均シフトクラスタの
特性を、標的のパートナー車両を表す既知のデータセットと比較して、前記第1の車両が
標的のパートナー車両であるか否かを検証するステップを含む、請求項25~33のいず
れか一項に記載の方法。
【請求項35】
更に、前記ヒストグラムまたは前記ヒストグラムから導出された平均シフトクラスタの
特性を、前記第1の車両の後部が前記距離測定ユニットの視野内にないが、前記第1の車
両の一部が前記距離測定ユニットの視野内にあるときに受信したシーンと比較して、前記
第1の車両の現在の相対位置を決定するのを助けるステップを含む、請求項25~34の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1および第2の車両は、トラックである、請求項1~35のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項37】
後続車両に搭載された距離測定ユニットを使用して特定の先行車両を追跡する方法であ
って、
(a)前記距離測定ユニットから、一組のゼロ以上の対象物ポイントを含む現在のサン
プルを取得するステップと、
(b)前記現在のサンプルに対応しており、関連する状態不確定性を有し、かつ前記現
在のサンプルからの何れの情報も考慮に入れない前記先行車両の状態の現在の推定値を取
得するステップと、
(c)どの対象物ポイントが前記状態不確定性内の前記先行車両の推定状態と一致する
か否かを判定するステップと、
(d)前記対象物ポイントのうちの少なくとも1つが前記状態不確定性の範囲内で前記
先行車両の推定状態と一致する場合、前記先行車両の測定状態として前記先行車両の推定
状態に最も一致する適合する対象物ポイントを選択し、前記先行車両の測定状態を、順次
に次のサンプルに対応する、前記先行車両の状態の順次に次の推定値の決定に使用するス
テップと、
ステップ(a)~(d)を複数回繰り返すことによって、前記先行車両を追跡するステ
ップと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記現在の状態推定値は複数の状態パラメータを含み、前記状態パラメータは、前記後
続車両に対する前記先行車両の位置を示す位置パラメータと、前記後続車両に対する前記
先行車両の速度を示す速度パラメータとを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
更に、前記先行車両と前記後続車両との間に所望のギャップを維持するように前記後続
車両を少なくとも部分的に自動制御するステップを含み、選択された対象物ポイントはそ
れぞれ、前記距離測定ユニットから関連する長手方向距離を有しており、前記関連する長
手方向距離は、前記距離測定ユニットから先行車両の後部までの現在測定された長手方向
距離として所望のギャップを維持する役割を果たすギャップコントローラによって処理さ
れる、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
各サンプルはそれぞれの前記対象物ポイントの位置を示しており、
前記先行車両の状態の現在の各推定値は、前記先行車両の位置の現在の推定値を含み、
かつ、関連する位置不確定性を有しており、
選択された適合する前記対象物ポイントは、前記位置の不確定性の範囲内で前記先行車
両の推定位置と一致しなければならない、請求項37記載の方法。
【請求項41】
前記先行車両の位置の現在の推定値は、前記先行車両の後部の現在の位置を推定する、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記先行車両の推定位置は、前記後続車両に対する相対位置である、請求項40に記載
の方法。
【請求項43】
各サンプルは、前記各対象物ポイントの相対速度も示しており、
前記先行車両の状態の各現在の推定値は、更に、前記先行車両の相対速度の現在の推定
値を含み、かつ関連する速度不確定性を有しており、
選択された適合する前記対象物ポイントは、(i)前記位置不確定性の範囲内の前記先
行車両の推定位置と一致し、かつ、(ii)前記速度不確定性の範囲内の前記先行車両の
推定速度と一致しなければならない、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
特定のサンプル内のどの対象物ポイントも、前記状態不確定性の範囲内の前記先行車両
の推定状態と一致しない場合、順次に次の前記先行車両の状態の推定値に対して前記状態
不確定性を増加させる、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記推定状態は複数の状態パラメータを含み、前記状態パラメータは位置パラメータ、
速度パラメータおよび向きパラメータを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
更に、前記先行車両および後続車両の検出されたGNSS位置に少なくとも部分的に基
づいて、全球測位衛星システム(GNSS)位置更新を定期的に受信するステップと、
GNSS位置更新を受信するたびに、そのようなGNSS位置更新に基づいて前記先行
車両の推定状態および状態不確定性を更新するステップと、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
更に、前記先行車両および後続車両の検出された車輪速度に少なくとも部分的に基づい
て、車両速度の更新を定期的に受信するステップと、
車両速度の更新を受信するたびに、そのような車両速度の更新に基づいて、前記先行車
両の推定状態および状態不確定性を更新するステップと、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
ステップ(a)~(d)が少なくとも10ヘルツのサンプルレートで繰り返される、請
求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記先行車両の状態および関連する状態の不確定性を推定するためにカルマンフィルタ
リングを使用する、請求項37に記載の方法。
【請求項50】
前記先行車両の推定状態は、前記先行車両の後部の推定位置を含み、前記選択された適
合する対象物ポイントは、前記先行車両の後部の相対位置の測定値と見なされる、請求項
37に記載の方法。
【請求項51】
前記後続車両上のコントローラは、前記先行車両を表すポイントクラスタのプロファイ
ルを維持し、前記選択された適合するポイントは前記ポイントクラスタのうちの1つに対
応する、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
前記先行車両および後続車両がプラトーンに関与するトラックである、請求項37に記
載の方法。
【請求項53】
前記距離測定ユニットがレーダーユニットである、請求項37に記載の方法。
【請求項54】
更に、前記先行車両と前記後続車両との間に所望のギャップを維持するように前記後続
車両を少なくとも部分的に自動的に制御するステップを含み、選択された各対象物ポイン
トは前記距離測定ユニットから関連する長手方向距離を有しており、前記関連する長手方
向距離は、前記距離測定ユニットから前記先行車両の後部までの現在測定された長手方向
距離として所望のギャップを維持する役割を果たすギャップコントローラによって処理さ
れる、請求項37または38に記載の方法。
【請求項55】
各サンプルは前記対象物ポイントのそれぞれの位置を示し、
前記先行車両の状態の現在の各推定値は、前記先行車両の位置の現在の推定値を含み、
かつ関連する位置不確定性を有しており、
選択された適合する前記対象物ポイントは、前記位置不確定性の範囲内の前記先行車両
の推定位置に一致しなければならない、請求項37~39または46~54のいずれか一
項に記載の方法。
【請求項56】
前記先行車両の位置の現在の推定値により、前記先行車両の後部の現在の位置を推定す
る、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記先行車両の推定位置は、前記後続車両に対する相対位置である、請求項55に記載
の方法。
【請求項58】
各サンプルは、前記対象物ポイントのそれぞれの相対速度も示しており、
前記先行車両の状態の各現在の推定値は、更に、前記先行車両の相対速度の現在の推定
値を含み、かつ関連する速度不確定性を有しており、
選択された適合する前記対象物ポイントは、(i)前記位置不確定性の範囲内の前記先
行車両の推定位置と一致し、かつ、(ii)前記速度不確定性の範囲内の前記先行車両の
推定速度と一致しなければならない、請求項55~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
特定のサンプル内のどの対象物ポイントも、前記状態不確定性の範囲内の前記先行車両
の前記推定状態と一致しない場合、順次に次の前記先行車両の状態の推定値に対して前記
状態不確定性を増加させる、請求項37~39または46~58のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項60】
前記推定状態は複数の状態パラメータを含み、前記状態パラメータは位置パラメータ、
速度パラメータおよび向きパラメータを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
更に、前記先行車両および後続車両の検出されたGNSS位置に少なくとも部分的に基
づいて、全球測位衛星システム(GNSS)位置更新を定期的に受信するステップと、
GNSS位置更新を受信するたびに、そのようなGNSS位置更新に基づいて前記先行
車両の推定状態および状態不確定性を更新するステップと、
を含む、請求項37~39または47~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
更に、前記先行車両および後続車両の検出された車輪速度に少なくとも部分的に基づい
て、車両速度の更新を定期的に受信するステップと、
車両速度の更新を受信するたびに、そのような車両速度の更新に基づいて、前記先行車
両の推定状態および状態不確定性を更新するステップと、
を含む、請求項37~39、46、または48~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
ステップ(a)~(d)が少なくとも10ヘルツのサンプルレートで繰り返される、請
求項37~39または54~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記先行車両の状態および関連する状態の不確実性を推定するためにカルマンフィルタ
リングを使用する、請求項37~39または54~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記先行車両の推定状態は、前記先行車両の後部の推定位置を含み、前記選択された適
合する対象物ポイントは、前記先行車両の後部の相対位置の測定値と見なされる、請求項
37~39または54~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記後続車両上のコントローラは、前記先行車両を表すポイントクラスタのプロファイ
ルを維持し、前記選択された適合するポイントは前記ポイントクラスタのうちの1つに対
応する、請求項37~39または54~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記先行車両および後続車両がプラトーンに関与するトラックである、請求項37~3
9または54~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記距離測定ユニットがレーダーユニットである、請求項37~39または54~67
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
後続車両に搭載されたレーダーユニットを使用して特定の先行車両を追跡する方法であ
って、
(a)各レーダー対象物ポイントが前記レーダーユニットに対するそのようなレーダー
対象物ポイントの相対位置を示す、一組のゼロ以上のレーダー対象物ポイントを含む現在
のレーダーサンプルを、前記レーダーユニットから取得するステップと、
(b)前記現在のレーダーサンプルに対応する先行車両の状態の現在の推定値であって
、関連する状態不確定性を有しており、かつ前記レーダーユニットに対する前記先行車両
の後部の位置の現在の推定値を含み、前記先行車両の後部の位置の現在の推定値は、前記
状態不確定性の少なくとも一部である関連する位置不確定性を有する、前記先行車両の状
態の現在の推定値を取得するステップと、
(c)いずれかの前記レーダー対象物ポイントが前記状態不確定性の範囲内の前記先行車
両の推定状態と一致するか否かを決定するステップであって、前記状態不確定性の範囲内
で前記先行車両の推定状態を一致させるために、一致するレーダー対象物ポイントが前記
位置不確定性の範囲内の前記先行車両の後部の推定位置に一致しなければならないステッ
プと、
(d)前記レーダー対象物ポイントのうちの少なくとも1つが前記状態不確定性の範囲内
で前記先行車両の推定状態と一致する場合、前記先行車両の測定状態として前記先行車両
の推定状態に最も一致する適合するレーダー対象物ポイントを選択し、前記先行車両の測
定状態を、順次に次のレーダーサンプルに対応する前記先行車両の状態の順次に次の推定
値の決定に使用するステップと、
ステップ(a)~(d)を複数回繰り返すステップと、
前記先行車両および後続車両の検出されたGNSS位置に少なくとも部分的に基づいて
、定期的に車両の全球測位衛星システム(GNSS)位置の更新を受信するステップと、
車両GNSS位置更新を受信するたびに、そのような車両GNSS位置更新に基づいて
、前記先行車両の推定状態および状態不確定性を更新するステップと、
前記先行車両および後続車両の検出された車輪速度に少なくとも部分的に基づいて車両
速度の更新を定期的に受信するステップと、
車両速度の更新を受信するたびに、そのような車両速度の更新に基づいて前記先行車両
の推定状態および状態の不確定性を更新するステップと、
前記先行車両の測定状態の態様に少なくとも部分的に基づいて、前記先行車両と後続車
両との間に所望のギャップを維持するように前記後続車両を少なくとも部分的に自動制御
するステップと、
を含む、方法。
【請求項70】
各レーダーサンプルは、前記各レーダー対象物ポイントの相対速度も示しており、
前記先行車両の状態の各現在の推定値は、更に、前記先行車両の相対速度の現在の推定
値を含み、かつ関連する速度の不確定性を有しており、
選択された適合する前記レーダー対象物ポイントは、(i)前記位置不確定性の範囲内
の前記先行車両の推定位置と一致し、かつ、(ii)前記速度不確定性の範囲内の前記先
行車両の推定速度と一致しなければならない、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
特定のレーダーサンプル内のどのレーダー対象物ポイントも、前記位置不確定性の範囲
内で前記先行車両の前記推定位置と一致しない場合、順次に次の前記先行車両の位置の推
定値に対して前記位置不確定性を増加させ、
特定のレーダーサンプル内のどのレーダー対象物ポイントも、速度不確定性の範囲内で
前記先行車両の推定速度と一致しない場合、順次に次の前記先行車両の位置の推定値に対
して前記速度不確定性を増加させる、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記先行車両の推定状態は、前記先行車両の後部の推定位置を含み、前記選択された適
合するレーダー対象物ポイントは、前記先行車両の後部の相対位置の測定値と見なされる
、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
第1の車両において、第1および第2の車両が運転している間に第1のセンサを使用し
て第2の車両に関する情報を感知するステップと、
前記第1の車両において前記第2の車両から前記第2の車両に関する情報を受信するス
テップと、
受信した第2の車両情報を利用して、前記第2の車両に関して検知された情報が前記第
2の車両の有効な測定値であるか否かを判定するのを助けるステップと、
前記第2の車両に関して検知された情報の態様に少なくとも部分的に基づいて、前記第
1の車両を少なくとも部分的に自動制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項74】
前記第1の車両において前記第2の車両から受信される情報は、
専用短距離通信(DSRC)プロトコルIEEE802.11pと、
CB無線チャネルと、
1つ以上のGMRSバンドと、
1つ以上のFRSバンドと、
からなる群から選択される無線周波数通信リンクを介して受信される、請求項73に記載
の方法。
【請求項75】
前記第1のセンサは、少なくとも前記第2の車両までの距離を測定する、請求項73に
記載の方法。
【請求項76】
前記第1のセンサはレーダーユニットであり、前記検知された情報は前記第2の車両の
相対位置および相対速度を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記第1のセンサは、
LIDARユニット、
ソナーユニット、
飛行時間距離センサ、
前記第2の車両上のビーコンから送信された信号を受信するように構成されたセンサ、
カメラ、および
ステレオカメラユニット、
からなる群から選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記受信した第2の車両の情報は、前記第2の車両の現在位置または相対位置を示す、
請求項73に記載の方法。
【請求項79】
前記受信された第2の車両の情報は、前記第2の車両の現在位置の全球測位衛星システ
ム(GNSS)位置測定値を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記受信された第2の車両情報は、更に、前記第2の車両の速度または相対速度を示す
速度情報を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記受信された第2の車両情報は、更に、加速度、向き、ステアリング角、ヨーレート
、チルト、傾斜、または横移動のうちの少なくとも1つに関する指示を含む、請求項80
に記載の方法。
【請求項82】
前記受信した第2の車両情報は、前記第2の車両の予測状態である、請求項1に記載の
方法。
【請求項83】
前記予測状態は、前記第2の車両の予測位置、予測速度、予測加速度、予測向き、予測
ヨーレート、予測チルト、予測傾斜、および予測される横移動のうちの少なくとも1つを
含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記第2の車両の状態を推定するために前記受信した第2の車両の情報を使用する、請
求項1に記載の方法。
【請求項85】
前記第2の車両の状態の推定値を使用して、前記第2の車両の前記測定された状態を検
証するのを助ける、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第2の車両の状態の前記推定値は、オブザーバアルゴリズムを使用して生成される
、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記受信した第2の車両情報を使用して、前記第2の車両の状態を推定するカルマンフ
ィルタまたは粒子フィルタを更新する、請求項73~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記受信された第2の車両情報は、
前記第2の車両がブレーキライト、ハザードライトまたは方向指示器のうちの少なくと
も1つを作動させたかまたは作動させるとの表示、
前記第2の車両がブレーキまたはリターダを作動させたかまたは作動させるとの表示、
計画された操作、または、
前記第2の車両が車線を変更したかまたは変更するとの表示、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項89】
前記受信した第2の車両情報は、前記第1の車両からのそのような情報の要求に応答し
て受信される、請求項73に記載の方法。
【請求項90】
更に、前記第1の車両において、前記第2の車両以外の外部情報源から、前記第2の車
両に関する第2の情報を受信するステップと、
前記受信された第2の情報を利用して、前記第2の車両に関して検知された情報が前記
第2の車両の有効な測定値であるか否かを判定するのを助けるステップと、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項91】
更に、前記第2の車両に関する情報を第3の車両に送信して、前記第3の車両の少なく
とも部分的な自動制御を容易にするのを助けるステップを含む、請求項73に記載の方法
【請求項92】
前記検知された情報は、前記第2の車両の状態を感知する、請求項73に記載の方法。
【請求項93】
更に、前記第2の車両の状態に関する情報を前記第1の車両に送信するステップを含む
、請求項73に記載の方法。
【請求項94】
更に、前記第2の車両の視覚特性、および
前記第2の車両のレーダーシグネチャ
からなる群から選択される前記第2の車両の観測可能な特性の表示を前記第2の車両から
受信するステップを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項95】
第1の車両において、前記第1および第2の車両の運転中に、第1のセンサを使用して
第2の車両までの距離および前記車両の相対速度に関する情報を検知するステップと、
前記第1の車両において、通信リンクを介して、前記第2の車両から前記第2の車両に
関する情報を受信するステップと、
前記第1のセンサデータおよび前記受信された第2の車両情報を利用して、アクチュエ
ータコマンドのセットを決定するステップと、
前記アクチュエータコマンドに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の車両内のアク
チュエータを少なくとも部分的に自動制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項96】
前記第1の車両内のアクチュエータを少なくとも部分的に自動制御する前記ステップは
、前記第2の車両への一定の追従距離を維持する、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記第1の車両において、前記第2の車両から受信する前記ステップは、
専用短距離通信(DSRC)プロトコルIEEE 802.1lp、
CB無線チャンネル、
GMRSバンド、および
FRSバンド
からなる群から選択される無線周波数通信リンクを使用して実行される、請求項95に記
載の方法。
【請求項98】
前記第1のセンサはレーダーユニットであり、前記検知された情報は前記第2の車両の
相対位置および相対速度を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記第1の車両および前記第2の車両がトラックである、請求項73~99のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項100】
請求項1~99のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたコントローラ
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2017年5月9日に出願された米国特許出願第15/590715号およ
び米国特許出願第15/590803号、並びに2016年11月2日に出願された国際
出願PCT/US2016/060167号の優先権を主張するものであり、その全体が
参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、自動制御または部分自動制御を使用して、車両が互いに安全に近接
して連なることを可能にするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、自動運転車および半自動運転車の分野において著しい進歩が見られた。車両自動
化のうちの1つのセグメントは、車両を安全で効率的かつ便利な方法で近接して連ならせ
ることを可能にする車両隊列システムに関する。他の車両のすぐ後ろに連なることは、燃
料を節約する上で大きな利点をもたらし得るが、ドライバーによって手動で行われる場合
には一般的には安全とは言えない。車両隊列システムのうちの1つのタイプは、時折、第
2の、かつ潜在的に追加の車両が安全に先行車両に近接して連なるように自動的または半
自動的に制御される車両プラトーンシステムと呼ばれる。
【0004】
車両のプラトーンおよび隊列システムでは、車両間の距離を理解することは非常に重要
な制御パラメータとなり、複数の異なる独立したメカニズムを使用して、車両間の距離を
決定することができる。これには、レーダーシステム、車両間の絶対または相対位置デー
タ(例えば、GPSや他のGNSSデータ)の送信、LIDARシステム、カメラ等が含
まれ得る。プラトーンタイプの用途でレーダーを使用するときに発生する課題として、パ
ートナー車両を潜在的に曖昧な一連のレーダー反射から信頼可能に識別し、絶えず変化す
る条件下で追跡なければならない点が挙げられる。本出願は、プラトーン、隊列、および
他の自動的または半自動的運転用途に非常に適している車両レーダーデータに基づいて、
特定の車両を識別および追跡するための技術を説明する。
【発明の概要】
【0005】
一組の距離測定シーンにおいて特定の車両(例えば、プラトーンパートナー)の後部を
識別するための、および/またはそのような車両の後部を追跡するための様々な方法、コ
ントローラ、およびアルゴリズムが記載されている。記載された技術は、レーダー、LI
DAR、ソナーユニットまたは任意の他の飛行時間距離測定センサ、カメラベースの距離
測定ユニット等を含む様々な異なる距離測定技術と共に使用することができる。
【0006】
一態様では、レーダー(またはその他の距離測定)シーンを受信し、それらが表すそれ
ぞれの検出された対象物の相対位置、および、いくつかの状況ではそのような検出された
対象物の相対速度を、第1の車両に対する推定位置(および相対速度)と比較することに
よって、第1の車両ポイント候補を少なくとも部分的に識別する。第1の車両ポイント候
補は、第1の車両の推定位置から検出された対象物までのそれらの各距離に基づいて分類
される。分類された第1の車両ポイント候補が複数の連続したサンプルからの候補を含む
ように、分類は多数のサンプルについて繰り返される。次に、第1の車両の後部は、第1
の車両ポイント候補の分類の少なくとも一部に基づいて識別される。続いて、識別された
第1の車両の後部、または第1の車両の識別された後部に少なくとも部分的に基づいて決
定される有効車両長を、第2の車両の制御に使用することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の車両の推定位置の周囲に概念的にバウンディングボッ
クスが適用され、バウンディングボックス内に配置されていない測定システム対象物ポイ
ントは、第1の車両ポイント候補とは見なされない。いくつかの実施形態では、バウンデ
ィングボックスは、第1の車両の最大予想サイズを超える領域を画定する。
【0008】
いくつかの実施形態では、車両の相対速度が関連する速度不確定性と共に推定される。
そのような実施形態では、推定速度の速度不確定性の範囲内にない相対速度で移動してい
る、検出された対象物ポイントの集合体のうちの対象物ポイントは、第1の車両ポイント
候補とは見なされない。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の車両ポイント候補を分類するステップは、ヒストグラ
ムを第1の車両ポイント候補で埋めるステップを含む。ヒストグラムは複数のビンを含み
、各ビンは第1の車両の推定位置に対する長手方向の距離範囲を表す。そのような実施形
態では、ヒストグラムが少なくとも所定数の第1の車両ポイント候補を含んだ後に、第1
の車両の後部の識別を行うことができる。いくつかの実施形態では、クラスタリングアル
ゴリズム(例えば、修正平均シフトアルゴリズム等)を第1の車両ポイント候補に適用し
て、第1の車両ポイント候補の1つ以上のクラスタを識別する。そのような実施形態では
、少なくとも所定の閾値パーセンテージまたは所定数の第1の車両レーダーポイント候補
を含む、第2の車両に最も近い位置にあるクラスタを選択することで、第1の車両の後部
を表すことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の車両の位置を推定するためにカルマンフィルタリング
が使用される。
【0011】
別の態様では、後続車両に搭載された距離測定ユニットを使用して特定の先行車両を追
跡する方法が説明されている。この実施形態では、現在のレーダー(または他の距離測定
)サンプルは、レーダー(または他の距離測定)ユニットから取得される。現在の距離測
定サンプルは、ゼロ以上の対象物ポイントの集合体を含む。並行して、現在のサンプルに
対応する先行車両の状態の現在の推定値が取得される。現在の状態推定値は、位置パラメ
ータ(先行車両の現在の相対位置等)、速度パラメータ(先行車両の現在の相対速度等)
、および/または他の位置および/または方位関連パラメータを含み得る(ただし、これ
らに限定されない)1つ以上の状態パラメータを含む。
【0012】
先行車両の状態の現在の推定値は、関連する状態不確定性を有し、現在の距離測定サン
プルからのいずれの情報も考慮に入れない。状態不確定性の範囲内で、対象物ポイントの
いずれかが先行車両の推定状態と一致するか否かに関して判定される。一致する場合、先
行車両の推定状態に最も一致する適合する対象物ポイントが先行車両の測定された状態と
して選択される。次に、先行車両のその測定された状態が、順次に次のサンプルに対応す
る先行車両の状態の順次に次の推定値の決定に使用される。以上のステップを複数回繰り
返すことにより、先行車両を追跡する。先行車両の測定された状態は、車両の一方または
両方の制御において、例えば車両のプラトーンまたは隊列システムの状況の中で、先行車
両と後続車両との間の所望のギャップを維持するための後続車両の少なくとも部分的な自
動制御において使用され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、各サンプルは、各対象物ポイントについて、そのような対象
物ポイントに対応する(距離測定ユニットに対する)検出された物体の位置を示す。先行
車両の状態の現在の各推定値は、先行車両の(相対)位置の現在の推定値を含み、関連す
る位置の不確定性を有している。有効な測定と見なされるためには、選択された適合する
対象物ポイントは、位置不確定性の範囲内で先行車両の推定位置と一致していなければな
らない。いくつかの実施態様では、先行車両の現在の推定位置により、先行車両の後部の
現在位置を推定する。
【0014】
いくつかの実装形態では、各サンプルは、各対象物ポイントについて、そのような対象
物ポイントに対応する(距離測定ユニットに対する)検出された対象物の相対速度を示す
。先行車両の状態の現在の各推定値は、先行車両の相対速度の現在の推定値を含み、関連
する速度不確定性を有する。有効な測定値と見なされるためには、選択された適合する対
象物ポイントが速度不確定性の範囲内で先行車両の推定された相対速度と一致しなければ
ならない。
【0015】
いくつかの実施形態では、特定の距離測定サンプル内のレーダー対象物ポイントのいず
れも状態不確定性の範囲内の先行車両の推定状態と一致しない場合、順次に次の先行車両
の状態の推定について状態不確定性が増加する。
【0016】
いくつかの実施形態では、全球測位衛星システム(GNSS)位置更新は、少なくとも
部分的に先行車両および後続車両の検出されたGNSS位置に基づいて定期的に受信され
る。車両GNSS位置更新が受信されるたびに、そのような位置更新に基づいて、先行車
両の推定状態および状態不確定性が更新される。
【0017】
いくつかの実施形態では、車両速度の更新は、少なくとも部分的に先行車両および後続
車両の検出された車輪速度に基づいて定期的に受信される。車両速度の更新が受信される
たびに、そのような先行車両の速度の更新に基づいて、先行車両の推定状態および状態不
確定性が更新される。
【0018】
別の態様では、特定の車両の少なくとも部分的な自動制御に使用するために、異なる車
両から得られたセンサデータを融合するための様々な方法、コントローラ、およびアルゴ
リズムが記載されている。記載された技術は、プラトーン、隊列、および他の接続された
運転用途を含む様々な異なる車両制御用途と共に使用するのに非常に適している。
【0019】
一態様では、第2の車両に関する情報は、第1の車両および第2の車両が運転している
間に、第1の車両上の第1のセンサを使用して、第1の車両にて検知される。第2の車両
に関する情報も第2の車両から第1の車両によって受信される。受信された第2の車両に
関する情報を利用することで、第2の車両に関して検知された情報が第2の車両の有効な
測定値であるか否かを判定するのを助ける。続いて、第1の車両は、第2の車両に関して
検知された情報の態様に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも部分的に自動制御され
る。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のセンサは第2の車両までの距離を測定する。いくつか
の実装形態では、第1のセンサは、第1の車両に対する第2の車両の速度も検出する。異
なる実施形態では、第1のセンサは、レーダーユニット、LIDARユニット、ソナーユ
ニット、飛行時間距離センサ、第2の車両上のビーコンから送信された信号を受信するよ
うに構成されたセンサ、カメラ、およびステレオカメラユニットのいずれかとすることが
できる。
【0021】
いくつかの実施形態では、受信された第2の車両情報は、第2の車両の現在位置の全球
測位衛星システム(GNSS)位置測定、第2の車両の速度または相対速度を示す速度情
報(例えば車輪速度等)、および第2の車両の加速度、向き、ステアリング角、ヨーレー
ト、チルト、傾斜または横移動のうちの少なくとも1つの表示のうち、1つ以上を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、受信した第2の車両情報は、第2の車両の予測状態を含む。
予測状態は、任意に、第2の車両の予測位置、予測速度、予測加速度、予測向き、予測ヨ
ーレート、予測チルト、予測傾斜、および予測横移動のうちの1つ以上を含み得る。
【0023】
記載された手法は、トラクタ-トレーラトラックプラトーン用途を含む車両プラトーン
および/または車両隊列システムでの使用に非常に適している。
【0024】
本発明およびその利点は、添付の図面と併せて、以下の説明を参照することによって最
もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】代表的なプラトーン制御アーキテクチャのブロック図である。
図2】レーダーユニットの出力に基づいてプラトーンパートナーの有効長を決定する方法を示すフローチャートである。
図3】パートナー車両の予想位置に対するバウンディングボックスの性質を示す概略図である。
図4A】先行トラックの真後ろに連なる後続トラックに関連するレーダーユニットによって識別され得る例示的なレーダー対象物ポイントを示す概略図である。
図4B図4Aの先行トラック全体がレーダーユニットの視野内にない状況を示す概略図である。
図4C図4Aの先行トラックに関連するバウンディングボックスが完全にレーダーユニットの視野内にない状況を示す概略図である。
図4D】先行トラックが後続トラックとは異なる車線内にあるが、そのバウンディングボックス全体がレーダーユニットの視野内にある状況を示す概略図である。
図5図5Aは、トラクタ-トレーラリグに連なる際に検出され得るパートナー車両レーダーポイント候補の第1の代表的な集合体の(縦方向および横方向の)相対位置を示すグラフである。図5Bは、図5Aに示す検出されたパートナー車両レーダーポイント候補の長手方向距離を表すヒストグラムである。図5Cは、図5Bに表されるヒストグラムポイントの平均シフト中心を示すプロットである。図5Dは、トラクタ-トレーラリグに連なる際に検出され得る第2の(拡大された)パートナー車両レーダーポイント候補の集合体の(縦方向および横方向の)相対位置を示すグラフである。図5Eは、図5Dに示す検出されたパートナー車両レーダーポイント候補の長手方向距離を表すヒストグラムである。図5Fは、図5Eに表されるヒストグラムポイントの平均シフト中心を示すプロットである。
図6】受信したレーダーシーンを解釈するために車両コントローラによって使用されるのに適したレーダーシーンプロセッサの概略ブロック図である。
図7】いずれかの特定のレーダーシーンがパートナー車両の後部の位置を報告しているか否かを判定し、図6の推定値を更新する方法を示すフローチャートである。
図8】いくつかの実施形態での使用に適したカルマンフィルタ状態配列および共分散行列を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面において、同様の参照番号は同様の構造的要素を示すために使用される場合がある
。図中の描写は概略的であり、縮尺通りではないこともまた理解すべきである。
【0027】
本出願人は、第2の、そして潜在的に更なる車両を安全に先行車両に近接して連なるよ
うに自動的または半自動的に制御する様々な車両プラトーンシステムを提案してきた。例
えば、特許文献1~特許文献10は、後続車両が指定された先行車両に近接して連なるよ
うに少なくとも部分的に自動制御される様々な車両プラトーンシステムを記載している。
これらの以前の出願はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
プラトーンの目的の1つは、通常、プラトーン車両間の所望の長手方向距離を維持する
ことであり、これは本明細書ではしばしば「所望のギャップ」と呼ばれる。即ち、後続車
両(例えば、後続トラック)が特定の車両(例えば、先行トラック)に対して指定された
ギャップを維持することが望ましい。プラトーンに関与する車両は通常、プラトーンを開
始し、様々な異なる運転条件の下でギャップを維持し、必要に応じてプラトーンを適切に
解消するのに適した高度な制御システムを有する。
【0029】
車両のプラトーンを実施するのに適した制御システムのアーキテクチャおよび設計は、
大きく異なり得る。例えば、図1は、トラクタ-トレーラトラックのプラトーンに使用す
るのに適した車両制御アーキテクチャを図式的に示す。図示の実施形態では、プラトーン
コントローラ110は、トラクタおよび/または1つ以上のトレーラ上の複数のセンサ1
30または他の接続ユニットからの入力を受信し、複数のアクチュエータおよびアクチュ
エータコントローラ150が、トラクタのパワートレインおよび他の車両システムの動作
を制御するように構成されている。アクチュエータインタフェース(図示せず)を設ける
ことで、プラトーンコントローラ110とアクチュエータコントローラ150との間の通
信を容易にすることができる。プラトーンコントローラ110は、プラトーンパートナー
との通信を調整する車両間通信コントローラ170と、ネットワークオペレーションセン
ター(NOC)との通信を調整するNOC通信コントローラ180とも相互作用する。車
両はまた、車両に関する既知の情報を含む構成ファイルを選択していることが好ましい。
【0030】
プラトーンコントローラ110の機能構成要素の一部は、ギャップレギュレータ112
、質量推定器114、レーダートラッカー116、およびブレーキヘルスモニタ118を
含む。多くの用途では、プラトーンコントローラ110は、同様に様々な他の構成要素を
含む。
【0031】
プラトーンコントローラ110によって利用されるセンサの一部は、GNSS(GPS
)ユニット131、車輪速度センサ132、慣性計測装置134、レーダーユニット13
7、LIDARユニット138、カメラ139、アクセルペダル位置センサ141、ステ
アリング車輪位置センサ142、ブレーキペダル位置センサ143、および様々な加速度
計を含み得る。もちろん、これら全てのセンサをプラトーンに関与する全車両で利用でき
るわけではなく、これら全てのセンサが特定の実施形態において必要とされるわけでもな
い。他の実施形態では、プラトーンコントローラによって、付加的または代替的に、(現
存している、または後に開発される、または商業的に展開されている)様々な他のセンサ
を利用することができる。本明細書に記載の主な実施形態では、GPS位置データが使用
される。しかしながら、GPSは、現在利用可能な全球測位衛星システム(GNSS)の
うちの1つにすぎない。それ故、GPSシステムの代わりに、またはGPSシステムに加
えて、任意の他のGNSSシステムまたは他の適切な位置検出システムからのデータを使
用することができることを理解すべきである。
【0032】
車輪速度センサ132、レーダーユニット137、アクセルペダル位置センサ141、
ステアリング車輪位置センサ142、ブレーキペダル位置センサ143、および加速度計
144を含む、記載したセンサの(全てではないが)多くは、セミトレーラを引っ張るの
に使用されるより新規なトラック(トラクタ)上の比較的標準的な装置である。しかしな
がら、GNSSユニット131およびLIDARユニット138(使用される場合)のよ
うな他のものは、現在そのようなトラクタ上の標準装備ではないか、または特定の車両上
に存在し得ない場合があり、プラトーンをサポートするのに役立てるために必要に応じて
、または所望に応じて搭載され得る。
【0033】
プラトーンコントローラが少なくとも部分的に指示する車両アクチュエータコントロー
ラ150の一部は、トルク要求コントローラ152(ECUまたはパワートレインコント
ローラに統合されてもよい)、変速機コントローラ154、ブレーキコントローラ156
およびクラッチコントローラ158を含む。
【0034】
車両間の通信は、任意の適切なチャネルを介して指向することができ、車両間通信コン
トローラ170によって調整され得る。例えば、車両間通信用に開発された、双方向の短
距離から中距離無線通信技術である専用短距離通信(DSRC)プロトコル(例えば、I
EEE802.11pプロトコル)が上手く機能する。当然ながら、DSRCリンクに加
えて、またはその代わりに、他の通信プロトコルおよびチャネルを使用することができる
。例えば、車両間通信は、付加的または代替的に、CB無線チャネル、1つ以上のGMR
Sバンド、および1つ以上のFRSバンドまたは、任意の適切な通信プロトコルを使用す
る、任意の他の現存する、または後に開発される通信チャネルを介して送信され得る。
【0035】
車両間でやり取りされる特定の情報は、プラトーンコントローラのニーズに基づいて大
きく異なり得る。様々な実施形態では、送信される情報は、要求された/命令されたエン
ジントルク、要求された/命令されたブレーキ減速等のプラトーンコントローラによって
生成される現在のコマンドを含むことができる。これらの態様がプラトーンコントローラ
によって制御されるとき、情報にはステアリングコマンド、ギアコマンド等も含まれ得る
。対応する情報は、これらのコマンドがパートナー車両上のプラトーンコントローラまた
は他の自動もしくは半自動コントローラ(例えば、アダプティブクルーズコントロールシ
ステム(ACC)または衝突緩和システム(CMS))によって、または他のあるいはよ
り伝統的な機構を介して(例えば、ドライバーの入力(例えば、アクセルペダル位置、ブ
レーキ位置、ステアリングホイール位置等)に応答して)生成されたか否かに関わらず、
パートナー車両から受信される。
【0036】
多くの実施形態では、プラトーンコントローラに提供されるトラクタセンサ情報の大部
分または全部もまたプラトーンパートナーに送信され、対応する情報がプラトーンパート
ナーから受信される故に、各車両のプラトーンコントローラはパートナー車両が何をして
いるかに関する正確なモデルを作成することができる。プラトーンコントローラに関連す
る任意の車両構成情報を含む、プラトーンコントローラに提供される任意の他の関連情報
についても同じことが当てはまる。送信される特定の情報は、プラトーンコントローラ、
各車両で利用可能なセンサおよびアクチュエータ、並びに各車両が自身に関して有し得る
特定の知識の要件に基づいて大きく異なり得ることを理解されたい。
【0037】
車両間で送信される情報は、意図された将来の行動に関する情報も含み得る。例えば、
先行車両が丘に接近していることを認知している場合、近い将来にそのトルク要求を増大
させる(または下り坂の状況ではそのトルク要求を減少させる)ことが予想され、この情
報は、プラトーンコントローラによって適宜使用するために後続車両に伝えられる。もち
ろん、将来のトルクまたはブレーキ要求を予測するために使用することができる多様な他
の情報が存在しており、その情報を様々な異なる形式で伝達することができる。いくつか
の実施形態では、予想される事象自体の性質(例えば、丘、またはカーブもしくは出口の
接近等)をそのような事象の予想されるタイミングと共に示すことができる。他の実施形
態では、予想されるトルクおよび/または他の制御パラメータ等の予想される制御コマン
ド、並びにそのような変更が予想されるタイミングに関して、意図される将来の動作を報
告することができる。もちろん、プラトーン制御に関連する可能性がある様々な種類の予
想されるイベントがある。
【0038】
車両とNOCとの間の通信は、セルラーネットワーク、様々なWi-Fiネットワーク
、衛星通信ネットワーク、および/または必要に応じて様々な他のネットワーク等の多様
な異なるネットワークを介して送信することができる。NOCとの通信は、NOC通信コ
ントローラ180によって調整されてもよい。NOCに送信される、および/またはNO
Cから受信される情報は、全体的なシステム設計に基づいて大きく異なり得る。一部の状
況では、NOCは、標的ギャップ公差等の特定の制御パラメータを提供し得る。これらの
制御パラメータまたは制約は、制限速度、道路/地形の性質(例えば、丘陵対平坦、曲が
り対直線等)、気象条件、交通状況または道路条件等、NOCで知られている要因に基づ
いてもよい。他の状況では、NOCはそのような情報をプラトーンコントローラに提供す
ることができる。NOCはまた、その構成情報および重量、トレーラ長等の現在の動作状
態に関する任意の既知の関連情報を含む、パートナー車両に関する情報を提供することも
できる。
【0039】
レーダートラッキング
プラトーンに関与する車両は通常、近くの物体を検出するために使用される1つ以上の
レーダーシステムを有する。レーダーシステムは物体間の距離を決定するのに非常に優れ
ている傾向がある故、レーダーユニットによって報告される分離距離は車両間のギャップ
を制御するのに極めて有用である。従って、一旦プラトーンパートナーを特定すると、レ
ーダーシステムの出力に照らして、その特定のパートナー車両を見つけることが重要であ
る。即ち、レーダーユニットによって識別される可能性がある様々な異なる対象物のうち
のどれが(存在する場合)標的パートナーに一致するかを決定することが重要である。
【0040】
予備的には、プラトーンパートナーは、レーダーユニットによって検出された最も近い
車両または後続トラックの真正面にある車両と常に相関するわけではないことを理解され
たい。このケースを引き起こし得る様々な異なるシナリオがある。例えば、プラトーンが
最初に設置されるとき、パートナーは遠すぎるためにホスト車両のレーダーユニットの視
野に入らない場合がある。パートナーがレーダーユニットを視認するようになると、その
パートナーをレーダーユニットの視野内の他の対象物と識別し区別することが重要になる
。以下の説明は、レーダーユニットがパートナー車両を効果的に追跡する(時に、パート
ナーへの「ロッキング」とも称される)ことができるように、レーダーユニットによって
検出され得る他の対象物から指定されたパートナーを識別し区別するのに特に適した技術
を説明する。
【0041】
更に、運転の過程で、隣を通行する隣接する車線において、プラトーンを通過するか、
またはプラトーンに追い越される交通があり、ギャップコントローラが間違った車両から
のギャップを維持しようと試みないように、レーダーユニットがプラトーンパートナーを
通過する車両と区別し続けることができることが重要である。別の例では、先行トラック
が車線を変更する可能性があり、この時点では、先行トラックは後続車両の真正面にない
可能性がある故、レーダーユニットによって報告されるプラトーンパートナー間の距離が
、最も近い車両や、偶発的に後続トラックの真正面にいる車両ではなく、プラトーンパー
トナーと関連付けられることが重要である。レーダーユニットがプラトーンパートナーを
「視認する」ことができない場合もある。これは、プラトーンパートナー間で侵入者が侵
入したか、または先行車両が後続車両のレーダーユニットの視野から外れるように操縦さ
れたか、またはレーダー信号との干渉等に起因し得る。
【0042】
プラトーン制御の目的のために、車両の後部が車両の報告された位置に対してどこにあ
るかを理解することも重要である。詳述すると、パートナー車両の位置は、一般に、ホス
ト車両に送信されるGPSベースの位置情報から分かる。しかしながら、GPSシステム
は、通常、例えばGPS信号を受信するアンテナの位置等、トラクタ上の位置を報告する
。また、検出されたGPS位置は、GPSアンテナから既知の距離である車両上の基準位
置に変換され、その基準位置が車両の報告されたGPS位置として機能する。選択された
特定の基準位置は、制御システムの好みに基づいて可変である。例えば、いくつかのトラ
クタトレーラトラックのプラトーンの実施形態では、基準位置はトラクタの後方車軸の中
心であり得る。
【0043】
報告されたGPS位置と車両の物理的な後部との間の差異は、プラトーン制御にとって
重要であり得る。従って、報告された車両位置と実際の車両の後部との間の距離を知るこ
とが重要となる場合が多い。これは、本明細書では時に「有効車両長」と呼ばれる。有効
車両長は、報告されたGPS位置が、典型的にはキャブ(トラクタ)のどこかにあり、報
告されたGPS位置からトレーラの後部までの距離がかなり長い、トラクタトレーラトラ
ックの状況では、特に重要である。例えば、12~18メートル程度のトレーラ長は米国
では一般的であるが、より短くてもより長くてもよい(ダブルまたはトリプルトレーラの
場合には実際にははるかに長い)。報告されたGPS位置から車両の後部までの距離はま
た、報告されたGPS位置からトレーラの前部までの長手方向の距離および/または荷重
に関連する任意の延長部も考慮に入れなければならない。トラック輸送業界では、任意の
特定のトラクタが様々な異なるトレーラを引っ張る場合があり、トラクタとトレーラとの
間の取り付け点がトラクタ上で調節可能である故に、有効車両長は分からない場合が多い
ことを理解すべきである。
【0044】
プラトーンパートナーのレーダーフィックスの確立
上記の説明から明白であるように、プラトーンタイプの用途でレーダーを使用する際に
生じる課題は、最初にパートナー車両をレーダーシステムの出力に照らして発見し識別し
た後に、絶えず変化する条件下で確実に追跡しなければならない点が挙げられる。トラッ
ク輸送業界等の用途では、少なくとも先行車両の有効長を決定することも望ましい。
【0045】
一般的な路上走行車のオートメーションシステムで使用される市販のレーダーユニット
は、通常、指定されたフィールド内で検出された任意の対象物の存在を示すデータと共に
、こうした対象物の相対位置および速度を出力する。従って、運転中に、そのようなレー
ダーユニットは、その動作フィールド内の様々な対象物の存在を検出する場合がある。検
出された対象物は、ホスト車両の真正面に位置する任意の車両、プラトーンを通過するか
、プラトーンに追い越されるか、またはプラトーンに並走する可能性がある隣接車線の車
両、道路内の障害物、標識、木、および道路脇のその他の物体等の静止物体等を含み得る
。多くの異なる種類の対象物が検出され得るが、レーダーユニット自体は典型的には検出
された物体のアイデンティティまたは性質を知らないかまたは伝えない。むしろ、レーダ
ーユニットは、単にその操作範囲内のあらゆる知覚される物体の相対位置および運動を報
告するだけである。従って、レーダーユニットの出力に関連してパートナー車両を識別し
追跡するためには、レーダーユニットの出力を解釈するロジックが、パートナー車両がそ
の視野内にあるか否かにかかわらず、パートナー車両がレーダーユニットの視野に関連し
て想定される場所を正確に把握し維持することが有用である。これは、プラトーンシステ
ムが、車両の位置を決定するのを助けるために使用することができる複数の独立したメカ
ニズムを有することが好ましい故に、パートナーを識別するための明示的なメカニズムが
提供されていない場合でも可能である。
【0046】
プラトーンパートナーが識別されると、通信リンクがプラトーン車両間に確立されるこ
とが好ましい。通信は、DSRCリンク、セルラーリンク等の1つ以上の無線リンクを介
して確立することができる。一旦2つの車両間で通信が確立されると、それらはそれぞれ
自身に関するデータ、即ちそれらの現在位置および操作状況に関して送受信を開始する。
潜在的なプラトーンパートナーを識別し、プラトーンおよび適切な通信リンクを確立する
ために使用されるプロセスは、大きく異なり得る。例えば、本出願人によって以前に出願
された特許文献1、特許文献2、特許文献8、特許文献9、および特許文献10に、いく
つかの代表的な技術が記載されており、これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込
まれる。
【0047】
一旦プラトーンパートナーが識別されると、プラトーンコントローラ110はレーダー
システム制御ロジックにパートナー車両の発見を試みるように要求する。より具体的には
、後続車両のレーダートラッカー116は、そのデータをギャップ制御に使用することが
できるように、レーダーユニットの出力に照らして先行車両の後部を発見してから追跡す
る必要がある。次に、図2を参照して、プラトーンパートナーにレーダーフィックスを確
立するのに特に適した方法を説明する。レーダーフィックスを確立する一態様として、G
PS位置情報をレーダーシステム出力に相関させることができるように、パートナーの長
さを決定することが挙げられる。
【0048】
プロセスが開始すると、レーダートラッカーの制御ロジックは、パートナー車両の現在
の相対位置の推定値を決定、受信または要求し、図2のステップ203で表されるように
、パートナー車両の相対位置が入手可能になると、パートナー車両の相対位置に関する更
新を読み取り、または定期的に受信する。相対位置に加えて、推定情報は、任意に、車両
の相対速度、車両の相対方位等、様々な追加の位置関連情報を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、レーダートラッカーの制御ロジックは、ホスト車両とパート
ナー車両との両方からの様々なセンサ入力に基づいて、パートナー車両の現在の相対位置
、速度、および向き(方位)を推定するように構成される。上述したように、プラトーン
パートナーはお互いに通信しており、プラトーン中には、プラトーンパートナーはそれら
の現在位置および稼働状態に関して絶えず更新される情報を含む、それら自身に関する広
範な情報をやり取りする。例えば、レーダユニットデータを解釈するのに役立ち得る位置
関連情報の一部は、パートナー車両のGPS位置、車輪速度、向き/方位(車両が向いて
いる方向)、ヨーレート(車両の回転速度を示す)、ピッチ、ロール、および(上記のい
ずれかの方向の長手方向かつ角度的な)加速度/減速度等の情報を含み得る。動作関連情
報はまた、現在のトルク要求、ブレーキ入力、ギア等のような対象となる様々な他の情報
も含み得る。車両に関する情報は、車両の製造元およびモデル、その長さ(知られている
場合)、その装備、推定重量等の情報を含み得る。これらおよび/または他の利用可能な
情報のいずれも位置関連推定に使用することができる。例として、1つの特定の位置推定
器が図6および図7に関連して以下に説明されている。
【0050】
特定の推定器が説明されているが、推定されたパートナー車両位置の関連情報は、任意
の適切な情報源から得ることができ、推定はレーダートラッカー制御ロジック自体によっ
て行われる必要はないことを理解されたい。更に、位置および動作情報は車両間で両方向
に送信されることが好ましいが、ホスト車両がパートナー車両に関して必要な情報を取得
することができる限り、それは必須ではない。
【0051】
現在地関連情報は非常に頻繁に更新される。更新の実際の頻度は、更新される情報の性
質および情報を提供する通信リンクまたは車両システムの性質に基づいて大きく異なり得
るが、DSRCリンクを介して受信されるGPS位置や車輪速度等の項目の更新頻度は、
例えば50Hzのように、10~500Hz程度の周波数で上手く機能し、他の実施形態
では、より遅い更新頻度およびはるかに速い更新頻度が必要に応じて使用されてもよい。
更に、位置関連情報の定期的な更新が望ましいが、それらが同期的にまたは一定の間隔で
受信される必要はない。
【0052】
レーダーシステムがパートナー車両の位置を突き止めようと試みるとき、パートナー車
両はレーダーユニットの視野内にあってもなくてもよいことを理解されたい。しかしなが
ら、ホスト車両の位置とパートナー車両の位置との両方は、少なくとも受信されたGPS
データに基づいて一般に認識されている故に、合理的な確実性でそれらの分離を推定する
ことは容易である。GPS位置信号はかなり優れている傾向があるが、報告される位置は
幾分かずれている可能性がある故、報告された位置を絶対に確実な情報として扱うのでは
なく、何らかの報告されたGPS位置を幾分か不確実な推定値として扱う方が良いことを
理解すべきである。パートナー車両位置を推定するのに適したいくつかの特定のアルゴリ
ズムに関する更なる詳細を、以下で更に詳述する。車両オートメーション用途に使用され
る市販のGPSセンサからのGPS位置の読み取りは、少なくとも4つのGPS衛星まで
見通すことができる場合、実際の道路状況において約2~3メートル以内で正確になる傾
向がある。しかしながら、当然のことながら、一部のGPSセンサは一般により正確であ
るが、干渉や必要な数量のGPS衛星までの見通しがない領域における操作等の変数によ
り、全てのGPSセンサが常に正確であると保証されるわけではない。
【0053】
一旦パートナー車両の相対位置推定値が認識されると、バウンディングボックスがパー
トナーの推定相対位置の周囲に適用される(図2のステップ206)。バウンディングボ
ックスの目的は、パートナー車両が発見されることが「予想される」領域を画定すること
である。その後、ロジックにより、そのバウンディングボックス内に位置するレーダー検
出対象物を探して、パートナー車両と相関し得る対象物を識別する。バウンディングボッ
クスの概念はいくつかの理由から役に立つ。最初に、GPSユニットは、一般に、トラク
タ-トレーラトラックの場合にはキャブ上にある、GPSユニットのアンテナの位置を報
告することを理解されたい。典型的には、この検出された位置は、次に、トラクタ上の所
定の基準位置に変換され、その変換された位置は報告されたGPS位置として使用される
。従って、トラクタ-トレーラについて報告されたGPS位置は、トレーラの後部のかな
り手前であるが、これは(a)ギャップ制御目的にとって最も重要なポイントであり、か
つ(b)典型的には、後続プラトーンパートナーからのレーダーユニットによって識別さ
れる最も顕著な特徴である。更に、報告されたGPS位置とトレーラの後部との間の距離
は、多くの状況において認識できないであろう。不確実性の理由の1つとして、特定のト
ラクタ(キャブ)を使用して、潜在的に異なる長さを有する様々な異なるトレーラ(また
は他の荷物)を引っ張ることができる点が挙げられる。従って、トラクタ-トレーラの組
合せの有効長は、トリップ毎に、および制御の観点から変化する可能性があり、トリップ
毎に、トラクタ-トレーラの組合せの有効長を手動で入力することをドライバーに頼るこ
とは一般に望ましくない。比較的程度は低いが、両方のプラトーンパートナーの報告され
たGPS位置は、ある程度の不確実性の影響を受ける。
【0054】
使用されるバウンディングボックスの実際のサイズおよび幾何学的形状は変化し得るが
、推定されたGPS位置における不確実性を考慮して、可能なバッファを加えた車両長お
よび車両幅の全範囲を包含するのに十分に大きい領域であることが望ましい。従って、ト
ラック輸送用途の場合、バウンディングボックスの長手方向の長さは、遭遇することが予
想される任意のトラクタ-トレーラの組み合わせよりも長いことが望ましい。例えば、通
常のトラクタトレーラの組み合わせを含む米国の商業用トラック輸送用途は、一般的には
、合計長が23メートルを大幅に超えない。そのような用途では、長さが32メートルか
つ幅が3~4.5メートル程度、例えば幅が3.8メートルのバウンディングボックスが
上手く機能することが判明した。より長いトレーラまたはダブルあるいはトリプルトレー
ラの使用が可能な地域では、トラクタ-トレーラの組み合わせはより長くなる可能性があ
り、それ故により長いバウンディングボックスが適切となり得る。プラトーンパートナー
の実際の長さが認識されている場合は、GPSの位置とトレーラの後部との間の予想され
るずれをより正確に反映するようにバウンディングボックスのサイズを調整することがで
き、これを有効車両長に相関させる。しかしながら、プラトーンパートナーの有効長およ
び幅が「認識されている」と考えられる場合でさえ、GPS推定値の不正確性と、積荷が
車両の報告された長さを超えて延在する特性を含み得るとの可能性とに対応するために、
報告された長さおよび幅より大きいサイズのバウンディングボックスを利用することが依
然として望ましい場合もある。
【0055】
バウンディングボックスは本質的に直線的である必要はないが、バウンディングボック
スは任意の所望の幾何学的形状を包含することができ、および/または長手方向の長さお
よび横方向の幅以外の寸法(例えば、相対速度)を含むことができる。従って、バウンデ
ィングボックスは、任意の所望の方法で定義することができる。
【0056】
2台のトラックからなるプラトーンにおける先行トラック251の周囲に適用された代
表的なバウンディングボックス255が図3に概略的に示されている。図示の実施形態で
は、各トラックは、そのトラクタ(キャブ)上に配置されたGPSユニット258と、キ
ャブの前部に配置されたレーダーユニット260とを有する。バウンディングボックスは
、先行トラック251の長さおよび幅を超えていることが分かる。
【0057】
いくつかの実施形態では、バウンディングボックスはより複雑に定義されてもよい。例
えば、特定の一実施形態では、車両の横方向オフセット(Yoff)および相対速度(V
)の二乗を閾値(Th)と比較することができる。レーダーポイントがバウンディングボ
ックスの縦方向の範囲内であっても、これらの二乗の合計が指定された閾値(Th)を超
えると、レーダーポイントは拒否される。このような試験は、以下に示すように数学的に
表すことができる。
【数1】

この場合、対象物は拒否される。このような手法では、バウンディングボックスは、第3
の軸である速度を有する状態空間マップ内におけるチューブの外観を効果的に有する。そ
のような手法の論理は、検出された対象物の測定された横方向オフセットおよび測定され
た速度の両方が比較的低い確率の一致である場合、検出されたポイントは、これらのパラ
メータのうちの一方がずれているが、他方が想定値に非常に近接している場合よりも一致
する可能性が低い(従って、パートナー車両の後部を識別するという目的のために無視す
るのにより適している)。いくつかの特定のバウンディングボックスを定義する手法のみ
を説明してきたが、他の実施形態では、必要に応じて多種多様な他のバウンディングボッ
クスの定義を使用することができることは明白であるはずである。更に、バウンディング
ボックスの定義は、経時的に変化するように構成されてもよい。例えば、アルゴリズムに
より、どのレーダー対象サンプルポイントがパートナー車両またはパートナー車両の後部
に対応する可能性が高いかについての理解が深まり始めると、バウンディングボックスの
うちの1つ以上の選択された寸法を縮小することができる。
【0058】
一旦バウンディングボックスが確立されると、ロジックにより、バウンディングボック
ス全体が他の車両のレーダーユニットの視野263内にあるか否かを判定する(ステップ
209)。視野263内にない場合、ロジックは、バウンディングボックス全体がレーダ
ーユニットの視野内に入るのを待ち、パートナー車両を識別するためにレーダーシステム
出力を有用に無視する(もちろん、所望の場合、レーダーシステム出力を衝突回避等の他
の目的に使用することもできる)。パートナー車両が任意の特定の時間にレーダーユニッ
トの視界内に、または完全に視界内にない理由には多様な理由がある。最初に、プラトー
ンをサポートするために使用されるレーダーユニットは車両上の様々な異なる場所に配置
することができるが、それらはしばしば比較的狭い視野を有することを理解されたい。例
えば、1つの一般的な手法として、比較的狭い固定ビームを有する前方を向くレーダーユ
ニットをフロントバンパーの中央付近に配置して、車両の前方の対象物を検出する方法が
挙げられる。そのような配置は図3に示されている。同図には、後続トラック252に配
置されたレーダーユニット260の視野263も示されている。
【0059】
前方を向いているレーダーユニットが使用される場合、そのホスト車両の後方または側
方にいかなる車両も認識することができないであろう。パートナー車両がレーダーユニッ
トホストよりも前方にある場合でさえも、プラトーンパートナーが最初に識別された場合
のように、パートナー車両がホストよりもはるかに前方または角を曲がったところにある
場合に、視野から外れる可能性がある。場合によっては、プラトーンパートナーが部分的
にレーダーユニットの視野内にある場合がある。このような場合の一般的な例として、パ
ートナー車両が隣接する車線内にあり、そのトレーラの後部が前方に向けられた狭いレー
ダーユニットによって認識されるのに十分なほど前方に離れていない距離にある場合が挙
げられる。バウンディングボックスの後部がレーダーユニットの視野内にない場合、レー
ダーユニットによって検出されるパートナー車両の最も後方の部分が実際には車両の後部
ではないリスクがある故に、レーダーサンプルを利用することは望ましくないことを理解
されたい。
【0060】
図4A図4Dは、プラトーンを確立するプロセスにある2台のトラックの(多数のう
ちの)少数の可能性のある相対位置を示している。図4Aでは、先行トラック251は後
続トラック252の真正面にあり、そのバウンディングボックス255は後続トラックレ
ーダーユニット260の視野263内に完全に入っている。対照的に、図4Bにおいて、
先行トラック251は、後続トラック252に隣接する車線内にあり、また、全てではな
いが一部の先行トラック251自体(従って、全てのバウンディングボックス255では
ない)は、後続トラックレーダーユニット260の視野263内にある。図4Cでは、先
行トラック251は、後続トラック252に隣接する車線内にあり、バウンディングボッ
クス255全体ではないが、全ての先行トラック251自体が、後続トラックレーダーユ
ニット260の視野263内にある。図4Dでは、先行トラック251は、後続トラック
252に隣接する車線内にあるが、図4Bおよび図4Cとは異なり、先行トラック251
に関連するバウンディングボックス255全体が後続トラックレーダーユニット260の
視野263内にある。バウンディングボックス全体がレーダーユニットの視野内にない場
合(例えば、図4Bまたは図4Cに示すように、または、さもなければ先行車両が不可視
である場合)、パートナー車両識別ロジックは、ステップ209において、バウンディン
グボックス全体がレーダーユニットの視野内に入るのを待つ。
【0061】
バウンディングボックス全体がレーダーユニットの視野内にある場合(例えば、図4A
または図4Dに示すようなシナリオ)、レーダーシステムコントローラロジックは次のレ
ーダーサンプルを取得し(ステップ212)、パートナー車両の位置および自身に対する
速度の現在の推定値を取得する(ステップ215)。路上走行車用途に利用される市販の
短距離レーダーユニットは、一般的には、比較的速いサンプルレートでそれらの検知され
たシーンを出力するように構成されている。各シーンは、一般的には、検出されたゼロ以
上の物体のセット、およびレーダーユニット自体に対するそのような物体の速度を識別す
る。
【0062】
レーダーシステムの性質として、送信された電波が、任意の意図されたターゲットと潜
在的に多種多様な異なるアイテムとの両方を含む電波の経路内のほとんどのものによって
反射され得る点が挙げられる。従って、プラトーンを確立しようとするとき、所望のパー
トナーを表す反射信号を識別し、そのパートナーを他の物体から反射されたノイズと区別
することができるようにすることが重要である。例えば、道路に沿って運転するとき、レ
ーダーユニットは、すぐ前方にある任意の車両や、同じ方向または反対方向に進む通過車
両、高速道路または道路沿いの看板、木、その他の物体等の道路の側方の物体等を含む複
数の異なる車両からの反射を受信し得る。
【0063】
検知されたシーンが受信されると、レーダーシステム制御ロジックは、ステップ218
によって表されるように、識別された物体のいずれかがパートナー車両レーダーポイント
候補であるか否かを決定する。レーダーユニット260によって検知され得る代表的な物
体は、図4A図4DにXによって表されている。パートナー車両レーダーポイント候補
としての資格を得るためには、シーン内で検出された物体は、位置と速度との両方の観点
からバウンディングボックス内になければならない。バウンディングボックスの外側に位
置するレーダー物体は、パートナー車両に対応しない可能性が比較的高い故に、拒絶され
ることが好ましい。例えば、それらは、隣接する車線272、273内の車両、プラトー
ンパートナー間に位置する侵入者(図示せず)、道路274の側方の物体等に対応し得る
。パートナー車両の想定される相対速度にほぼ一致しない物体も、バウンディングボック
スの予想される位置の側面と縦方向および横方向に一致していたとしても、プラトーンパ
ートナーに対応する可能性が低い故に拒否されることが好ましい。例えば、道路の側方に
ある特徴(例えば、道路標識、木や静止車両)、道路内の破片、あるいは道路自体に検出
される特徴(例えば、穴等)のような静止物は、ホスト車両が走行している速度でレーダ
ーユニットに接近しているように見える。商業的に入手可能な多くのレーダーユニットは
、静止物体を自動的に除去し、報告しないことに留意されたい。そのようなレーダーユニ
ットが使用される場合、静止物体はレーダーシーンの一部として識別さえされないだろう
【0064】
報告されたレーダー物体の一部は、ホスト車両と同じ方向に移動しているが、予想され
るパートナーの速度とは異なる相対速度で移動している可能性がある。そのようなレーダ
ー物体がパートナー車両に対応しない可能性が比較的高い故に、これらのタイプのレーダ
ーポイントもまた無視されることが好ましい。
【0065】
定義されたバウンディングボックスの範囲内でパートナーの予想位置および予想速度と
一致するように見える検出されたレーダー物体は全て、パートナー車両レーダーポイント
候補と見なされ、それらが、パートナーの推定位置(例えば、パートナーのGPS位置)
から縦方向に(パートナーの縦軸に沿って)どれだけ離れているかに関連して分類される
。いくつかの実施形態では、この分類のためにヒストグラムが利用される。ヒストグラム
内のビンの数は可変である。計算を容易にするために、バウンディングボックスの長さに
わたって512個のビンを均等に分割すると上手く機能することが判明したが、任意の特
定の用途に応じてより多いまたはより少ないビンを使用することもできる。512個のビ
ンを有する約32メートルのバウンディングボックスを使用する実装形態では、各ビンは
約6cm(2~3インチ)に対応している。より高い解像度が望まれる場合、より多くの
ビンを使用することができる。
【0066】
路上走行車の用途に利用される短距離レーダーユニットが、図4A図4Dのレーダー
ポイント276~279によって表されるように、実際には同一の車両の一部である複数
の異なる「対象物」を識別することは一般的であることが観測されている。これは特にト
ラックにおいて一般的であり、実際、トラクタ-トレーラトラックのレーダーシグネチャ
が2つ以上の物体のように見えることは一般的である。例えば、トレーラの後部、アンダ
ーライドガード、および/またはトレーラまたはトレーラの後部付近に位置する荷物の他
の特徴が、1つ以上の別個の物体(例えば、ポイント276、277)としてレーダー出
力に現れる場合がある。更に、トレーラの更に上方に位置する物体および/またはキャブ
付近にある物体を別々に識別する可能性がある(例えば、ポイント278、279)。例
えば、レーダーがホスト車両の比較的低い位置に取り付けられている場合、トラックの下
部構造に沿ったトランスミッションあるいは他のアイテム、またはトレーラのランディン
グキアまたはトラクタの後部等のトラクタトレーラの他の特徴からの反射を検出し、それ
らのアイテムを別個に検出された「対象物」として識別し得る。従って、どの特定のサン
プルも、パートナー車両のレーダーポイント候補の基準を満たす複数の対象物を識別する
可能性がある(実際には、これは比較的一般的である)。このような状況では、特定のレ
ーダーサンプルに関連した複数の候補がヒストグラムに追加される。
【0067】
サンプルにおいて識別されたパートナー車両レーダーポイント候補をヒストグラムに埋
めた後、ステップ224において、レーダーデータを分析してパートナー車両を識別する
のに十分なサンプルが取得されたか否かに関して判定が行われる。得られなかった場合に
は、ロジックはステップ212に戻り、そこで次のサンプルを取得し、分析を容易にする
のに十分なサンプルが取得されるまでプロセスが繰り返される。バウンディングボックス
が(判定ブロック225からの「いいえ」の分岐によって表されるように、)いずれかの
ポイントでレーダーユニットの視野から部分的に外れた場合、ロジックは、更なるサンプ
ルを取得する前に、バウンディングボックス全体が視野内に入るのを待つステップ209
に戻る。
【0068】
上述したように、路上走行車の用途に利用される市販の短距離レーダーユニットは通常
、比較的速いサンプルレートで検知されたシーンを出力するように構成されている。例え
ば、20~25ヘルツ程度のサンプルレートが一般的であるが、より高いまたはより低い
サンプル周波数を使用してもよい。従って、パートナー車両がレーダーユニットの視野内
にある場合にはヒストグラムは非常に迅速に埋まり、このヒストグラムにより、パートナ
ーのレーダーシグネチャのかなり良好な表示が提供される。
【0069】
図5Aは、前方トラックの予想位置に基づいて基準フレームに置き換えられた98個の
検出されたパートナー車両レーダーポイント候補のセットを示すプロットである。プロッ
トのx軸は、先行トラックの前方の予想位置から検出されたポイントまでの縦方向の距離
を示している。また、y軸は、先行トラックの中心軸に対する検出されたポイントの横方
向オフセットを示している。検出されたポイントの位置には顕著な変動があるが、図示の
サンプルセットでは、ポイントはいくつかの領域に密集している傾向があることが分かる
図5Bは、図5Aのプロットにおいて検出された各パートナー車両レーダーポイント候
補までの縦方向の距離を示すヒストグラムである。縦方向の距離のみを考慮すると、クラ
スタリングは更に顕著になる傾向があることが分かる。
【0070】
ヒストグラムの最も後方に位置する大きなクラスタ290は、一般的には車両の後部に
対応し、(常にではないが)最大のクラスタである場合が多い。更に前方に位置するクラ
スタ292は通常、パートナートラックの他の特徴に対応している。前方の特徴からのレ
ーダー反射はレーダーユニットによって離散的な物体としてより弱くより散発的に識別さ
れる傾向があり、これはヒストグラム内のより小さなクラスタに変換されることが、研究
上示されている。
【0071】
分析をサポートするのに十分なサンプルが得られた場合、ロジックは、判定ブロック2
24から「はい」の分岐をたどり、クラスタリングアルゴリズムがヒストグラムデータに
適用されるステップ227に進む。処理を開始するためのトリガーポイントは、任意の特
定のシステムのニーズに基づいて大きく異なり得る。一般に、パートナー車両を正確に識
別することができるように、ヒストグラムが十分なデータポイントを含むことが望ましい
。いくつかの特定の実施形態では、ヒストグラムは、第1の閾値に相当するサンプル(例
えば、少なくとも3秒に相当するデータまたは60のサンプルに対応するサンプル)から
のデータを含まなければならず、かつ、少なくとも第2の閾値に相当するパートナー車両
レーダーポイント候補(例えば、少なくとも60のパートナー車両レーダーポイント)を
含まなければならない。使用される閾値は、特定の実装のニーズに基づいて可変である。
例えば、いくつかの実施形態においては、少なくとも1~5秒に相当するデータまたは4
0~500ポイントの範囲内の閾値に対応するサンプルが使用され得る。特定の一例では
、少なくとも3秒に相当するデータまたは60個のサンプルおよび60個のパートナー車
両レーダーポイントに対応するサンプルが閾値として使用される。
【0072】
図5Aおよび図5Bに示すデータセットは、最初にパートナー車両の後部の識別を試み
る時点で、即ち、ステップ224からの「はい」の分岐をたどる最初の時点で利用可能で
あるデータセットを表す。
【0073】
一般に、クラスタリングアルゴリズムは、同じポイントを表す可能性が非常に高いデー
タポイントをまとめる。この目的のために、様々な従来のクラスタリングアルゴリズムを
使用することができる。例えば、修正平均シフトアルゴリズムが上手く機能する。図5C
は、図5Bに表されるヒストグラムポイントの平均シフト中心を示すプロットであり、中
心の高さはその中心に関連するポイントの数を示している。この表現により、2つのクラ
スタ290および292が更に劇的に際立っている。
【0074】
次いで、ステップ230において、平均シフトデータを分析して、クラスタのうちの1
つがパートナー車両の後部の所定の基準を満たすか否かを判定する。基準を満たす場合、
そのクラスタは車両の後部に対応するものとして識別される(ステップ233)。各クラ
スタはパートナーの報告されたGPS位置と車両の後部との間の指定距離に対応する故、
車両の有効長はクラスタによって定義される。上述したように、本明細書で使用される用
語「有効車両長」は、報告されたGPS位置と車両の後部との間の距離に対応しており、
これは制御目的のために知るべき重要な距離である。報告された基準位置は車両の前方に
位置していない可能性がある故に、これは通常、車両の実際の長さとは異なることを理解
されたい。
【0075】
いくつかの実装形態では、ヒストグラム内のレーダーポイントの総数の閾値パーセント
を超えるバウンディングボックスの後部の最も近くに位置するクラスタを、プラトーンパ
ートナー車両の後部として識別する。いくつかの実装形態では、最後のサンプル上でクラ
スタ位置が特定の閾値を超えて移動しないことを必要とする更なる制約が使用される。例
えば、一部の用途では、1mm程度の最大移動閾値が上手く機能することが判明した。こ
の手法は、レーダーユニットコントローラが車両の長さについての所定の知識を持たない
場合でさえ、かつ、他の交通の存在に関わらず、トラックの後部に対応するレーダーポイ
ントを非常に確実に識別することが判明した。しかしながら、車両の後部を識別するため
に使用されるヒストグラムの閾値パーセントまたは他の特性は、用途に基づいて可変であ
ることを理解されたい。図5A図5Cに示す実施形態では、クラスタ290は、先行ト
ラックの後部として指定されている。
【0076】
プラトーンに並走する他の交通がレーダーによって検出され得るとしても、記載された
手法は、多数の異なるタイプのフィルタを効果的に適用することで、これらのレーダーポ
イントを非常に確実にフィルタリングすることに特に注目すべきである。プラトーンパー
トナーがいると予測される場所ではない特徴を報告するレーダーポイントは、それらがバ
ウンディングボックス内にないためにフィルタリングされる。予想される相対速度に近い
速度で移動していないレーダーポイントは、それらが発見された場所に関係なくフィルタ
リングされる。クラスタ化されたヒストグラムデータに使用される車両の後部基準は、プ
ラトーンパートナーとほぼ同じ速度でバウンディングボックスのフットプリント内を移動
する他の全ての車両を効果的にフィルタリングする。なぜなら、ビンが十分に小さい故に
、そのような侵入者が、アルゴリズムをだまして侵入者が標的の一部であると思わせるの
に十分な一定のギャップを維持することができる事態は全く起こりそうにないからである
(例えば、侵入者がパートナー車両とほぼ同じ速度で走行していたとしても、バウンディ
ングボックス内にある場合、パートナー車両の位置に対する侵入者の位置は、パートナー
車両の後部の試験に落ちるのに十分に異なるからである)。車両の後部基準は、レーダー
ユニットによって報告されたよりランダムな物体も排除する。
【0077】
選択された平均シフトクラスタによって示される有効車両長は、ギャップコントローラ
およびパートナーの長さに関係する他の任意のコントローラに報告されてもよい。ほとん
どの場合、GPS基準位置とホスト車両の前方との間の距離は認識されており、従って、
レーダーユニットによって決定される有効車両長は、ステップ236で表されるように、
トラックの前方および後方を積極的に示すためにトラックに関する既知の情報と関連して
容易に使用することができる。
【0078】
一部の状況では、平均シフトクラスタのいずれもパートナー車両の後部基準を満たさな
い場合がある。ほとんどの場合、これはパートナー車両が正確に追跡されていないという
リスクがあることを示唆している。そのような場合(判定230から「いいえ」の分岐に
よって示されるように)、パートナー車両が自信を持って識別されたことを示す基準が満
たされるまで、プロセスは追加のサンプルからレーダーポイントを収集し続ける。いくつ
かの実施形態では、システムがパートナー車両の後部を識別するのに問題がある場合、ま
たは車両が停止する等の他の理由がある場合、レーダーポイントが古くなり過ぎた後また
はプロセスが再開した後に任意にレーダーポイントを破棄することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、パートナーの後部識別プロセスは、車両長が決定された後で
さえも実行され続けるか、または定期的に再実行される。ヒストグラムを埋め続けること
にはいくつかの利点がある。多くの場合、最初の長さの決定は、プラトーンパートナーが
比較的遠く(例えば、100フィート超)離れている間に行われる。一旦、パートナー車
両の後部が確実に識別されると、ギャップコントローラがギャップを狭めることによって
車両を互いに接近させる。車両が互いに接近していると、レーダーの読み取りは、車両が
100フィート超離れているときよりも正確であることが多い。更に、状況によっては、
GPS測定値がギャップ制御目的のために比較的遠く離れている可能性があることを考慮
すると、より多くの測定値が車両の相対位置のより良好な統計的表示を与えるだろう。パ
ートナーの後部識別プロセスを実行し続けることによって、これらのより良い測定値を使
用して、パートナー車両の有効長をより正確に決定することができ、これは制御目的にと
って非常に望ましいことである。
【0080】
図5Dは、図5Aに示されるのと同じグラフ上の1700個の検出されたパートナー車
両レーダーポイント候補のセットを示すプロットである。1700個のサンプルポイント
は、図5A図5Cに示す98個のポイントを含んでおり、同じレーダーポイント分類ア
ルゴリズムを実行し続けることによって得られた。図5Eおよび図5Fは、より大きいデ
ータセットについてのヒストグラムおよび平均シフト中心をそれぞれ示している。従って
図5E図5Bに対応し、図5F図5Cに対応している。より大きいデータセットは
先行車両の前方近くに位置する小さいクラスタ293を識別したように見え、より小さい
データセットにおいて識別された一部のより小さいクラスタを効果的に除外したことが分
かる。
【0081】
パートナーの後部識別プロセスを実行し続けることは、同様に他の潜在的な用途も有す
る。例えば、一部のトラックは、トラックが高速道路を走行しているときにトレーラをキ
ャブの近くに引き寄せることができる。従って、比較的まれではあるが、トラックの有効
長がプラトーンの過程で変更されてもよい状況がある。このような変更は、パートナーの
後部識別プロセスを再実行するか、または継続して実行することで自動的に検出すること
ができる。
【0082】
経時的に、ヒストグラムおよび/または平均シフトクラスタはまた、パートナー車両の
レーダーシグネチャの非常に良好な指示を提供する。パートナー車両のこの既知のシグネ
チャは、適切な車両が追跡されていることを検証するための独立したメカニズムとして多
数の異なる方法において使用することができる。例えば、GPSデータが利用不可能にな
るか、または車両間の通信が一定の期間にわたり中断された場合、ヒストグラムを、正し
い車両がレーダーユニットによって追跡されていることを確認するためのチェックとして
使用することができる。先行トラックの後部が後続車両のレーダーの視界内になく、トレ
ーラおよびトラクタの他の部分がレーダーの視界内にある状況では、視認できるトラック
の部分をヒストグラムシグネチャと比較して、トラックの相対位置を決定することができ
、これは、ギャップ制御のための測定値として、または後続車両の自動または半自動制御
の一部として使用することができる。
【0083】
別の例において、レーダー接触が失われた状況では、新しいヒストグラムを適切な時点
で開始することができ、新しいヒストグラムを、プラトーンパートナーを示す記憶された
ヒストグラムと比較することができる。一致するとき、その一致はプラトーンパートナー
とのレーダー接触が再確立されたという独立した良好な証拠となり得る。同様に、プラト
ーンパートナーが依然として追跡されていることを独立して検証する方法として、新たに
作成されたヒストグラムを、プラトーニング中の様々な時点におけるプラトーンパートナ
ーを表す、記憶されたヒストグラムと比較することができる。これは、プラトーンパート
ナーの隣で並走している車両にレーダーユニットが誤って切り替えられてロックされてい
ないことを検証するための優れたセーフティチェックとなり得る。ヒストグラムは、パー
トナー車両のレーダーシグネチャとして保存されてもよく、また、後にその車両とプラト
ーンを組むことを試みる可能性のある他のトラックに共有することもでき、これは、最初
の識別プロセスにおいて役立ち得る。
【0084】
プラトーンパートナーの位置の推定
プラトーンの状況では、プラトーン内の各車両の予想される相対位置、速度、および向
きの正確なモデルを維持することは、そのような情報がプラトーンパートナー間のギャッ
プの正確な制御に非常に役立つ故に有用である。そのようなモデルは、複数の異なる感知
システムからの入力を利用し、また実用的な場合には異なるシステムからの少なくともい
くつかの冗長な情報を含むことが好ましい。異なるシステムから冗長な情報を提供するこ
とは、受信したデータの完全性に関するダブルチェックとして有用であり、またシステム
が正確な情報を伝達することが不可能である場合等の避けられない状況においてはバック
アップメカニズムも提供する。
【0085】
例として、車両間のギャップは、いくつかの異なる技術を使用して決定することができ
る。一般的なアプローチの1つに、レーダーシステムによって検知されたプラトーンパー
トナーまでの距離の使用が挙げられる。レーダーは車両間の距離を非常に正確に測定する
傾向があるが、報告される距離が、実際には他の車両または機能ではなくプラトーンパー
トナーまでの距離であることを確実にすることが重要である。パートナー車両がレーダー
の視野内にない、またはレーダーあるいはレーダー装置が短時間の間にわたり所望の通り
に動作していない場合もある。プラトーンパートナー間の距離を決定する独立した方法と
して、それらのそれぞれのGPSデータを利用する方法が挙げられる。具体的には、車両
間の距離は、車両のそれぞれのGPS位置間から、先行車両の有効長を引いたものと、後
続車両の前部とそのGPS受信機との間のオフセット距離との差であるべきである。GP
Sデータを使用することによる制限として、GPSデータが、GPS受信機がしばらくの
間、停止している車両間の位置または通信リンクを決定するのに十分なGPS衛星の明確
な視野を持たない等の要因により、常に利用可能になるとは限らないという事実が挙げら
れる。GPSデータはまた、GPSデータの正確性は優れてはいるが、ギャップ制御に望
まれるほど正確ではないことが多いという事実によっても根本的に制限される。プラトー
ンパートナー間の距離を測定するための他のシステムには、それぞれ独自の利点および制
限がある。
【0086】
車両間の現在のギャップが認識されている場合、当面の時点で予想されるギャップは、
車両の現在位置、相対速度、およびヨーレート等の要因に基づいて推定することができる
。車両のそれぞれの速度もまた、様々な異なる方法で測定、決定、推定、および/または
予測することができる。例えば、車輪速度センサを用いて、それぞれの車両の現在の速度
を比較的正確に示すことができる。車両の向きに関する認識は、その速度を決定するため
に車両の速度の認識と共に使用することができる。レーダーユニットを使用して、プラト
ーンパートナーの相対速度を測定することができる。トルク要求、車両重量、エンジン特
性、および路面勾配等の他の要因に関する情報を使用して、将来の車両速度を予測するこ
とができる。
【0087】
レーダーシステム制御の文脈では、先行車両が後続車両上のレーダーユニットに対して
どこにあると予想されるかを認識することは、レーダーユニットによって検出された1つ
以上の物体が先行車両の後部に対応するか否かを判定するのに非常に役立ち得る。従って
、いくつかの実施形態では、レーダーシステムコントローラ(またはその決定がレーダー
システムコントローラによって利用され得る他のコントローラ)は、レーダーユニットに
対するパートナー車両の現在位置、方位および相対速度の推定値を維持する位置推定器を
含む。位置/状態推定器612を含む1つの適切なレーダーシーンプロセッサ600が図
6に示されている。
【0088】
図6に示す実施形態では、レーダーシーンプロセッサ600は、ギャップモニタ610
およびパートナー識別器620を含む。ギャップモニタ610は、(パートナー車両の後
部が識別された後に)レーダー測定値に基づいてパートナー車両の後部の位置を追跡し、
パートナー車両の後部に対応するレーダー位置および速度測定値をギャップコントローラ
および/またはレーダーユニットによって行われるそのような測定値に関心のある他の任
意の構成要素に報告するように構成されている。ギャップ監視アルゴリズムの1つの特定
の実施は、図7のフローチャートを参照して以下に説明される。
【0089】
図示の実施形態では、ギャップモニタ610は、ホスト車両に対するパートナー車両の
位置の最新の推定値を決定し、次のレーダーサンプルが取得される時点でのパートナー車
両の予想位置を予測するために使用されるカルマンフィルタ615を有する位置/状態推
定器612を含む。図7に関してより詳細に説明されるように、図示の実施形態では、位
置/状態推定器612は、検出されたレーダーシーンと、例えば、先行車両の予測状態(
例えば、位置、速度等)の推定値におけるホストおよびパートナー車両のそれぞれのGP
S位置、車輪速度、および慣性測定値等の他の利用可能な車両状態情報との両方を利用す
る。続いて、これらの状態推定値は、受信したレーダーシーンを解釈するのに役立つよう
に使用することができる。即ち、パートナー車両がレーダーシーンのコンテキスト内のど
こにいる可能性が高いかの合理的な推定値を有することは、ギャップモニタ600が、一
組の検出された物体を含み得るレーダーシーンからパートナー車両の後部に対応するレー
ダーリターンオブジェクトを適切に識別するのに役立つ。これは、適切に検出されたポイ
ントがギャップ制御において使用されることを確実にするのを助ける。パートナー車両の
後部の位置を正確に示す特定のシーンサンプルにおいて、レーダーによって検出された物
体(該当がある場合)に関してトラッカーが十分な確信を持っていない状況を識別するの
にも役立つ。その結果、ギャップ制御アルゴリズムとの関連で、そのようなサンプルを考
慮に入れない、無視する、またはその他の方法で適切に処理することができる。位置/状
態推定器612における使用に非常に適している1つの特定のカルマンフィルタ設計を、
図8に関連して以下に説明する。
【0090】
パートナー識別器620は、自身の位置/状態推定器622、ヒストグラム624、平
均シフトクラスタ626を生成するクラスタリングアルゴリズム625、およびパートナ
ー長推定器627を含む。パートナー識別器620は、図2に関連して上述したアルゴリ
ズムのようなアルゴリズムを実行することで、パートナー車両の後部を識別する。そのプ
ロセスの一部として、ヒストグラム624を埋める。ヒストグラムは、パートナー識別器
620の一部として概略的に示されているが、ヒストグラムは、単に任意の適切な場所に
物理的に配置され得るデータ構造であり、レーダートラッカー内またはその外側の様々な
他のプロセスおよびコントローラにより利用可能である。パートナー長推定器624は、
ヒストグラムおよび他の利用可能な情報に基づいてパートナー車両の長さ(そのGPS基
準位置に対するその前後を含む)を決定するように構成される。
【0091】
パートナー識別器620内の位置/状態推定器622は、上述の位置/状態推定器61
2と同様に機能し、カルマンフィルタ623も含むことができる。パートナーの識別に使
用される位置状態推定器622と、位置/状態推定器612との間の重大な差異は、どの
レーダーポイントがパートナートラックの後部に対応するのかを識別中に認識されていな
い故に、レーダーユニットサンプルを位置/状態推定値の一部として使用することができ
ない。
【0092】
位置/状態推定、パートナー検出、パートナー長推定およびギャップ監視アルゴリズム
は、レーダー追跡専用のレーダー追跡プロセッサ上で実行されてもよく、あるいは他のギ
ャップまたはプラトーン管理タスクを同様に実行するプロセッサ上で実施されてもよい。
それぞれのアルゴリズムは、別個のコンピューティングプロセスとして実装されてもよく
、またはそれらは互いにおよび/または様々なコンピューティングプロセスにおける他の
機能と多様な方法で統合されてもよい。他の実施形態では、記述された機能を実施するた
めにディスクリートまたはプログラマブルロジックを使用することができる。レーダーユ
ニットに対するパートナー車両の後部の位置を追跡し、将来の位置を推定するために、多
種多様なモデルを使用することができることは明白であろう。2つの特定の位置/状態推
定器が図6の一部として概略的に示されており、任意の所与のレーダーサンプル時間にお
ける現在位置を推定するために使用することができる方法が、図7のフローチャートに示
されている。
【0093】
次に図7を参照して、レーダーユニットから受信した情報に部分的に基づいてパートナ
ー車両を追跡し、その将来的な位置を推定する方法を説明する。例示された実施形態では
、後続車両を追跡するため、または並走する車両を互いに追跡するために類似のプロセス
を先行車両によって使用することができるが、後続車両は先行車両の後部の位置を追跡し
ている。説明された方法は、パートナー車両の後部の位置の合理的な推定値があることを
前提としており、これは、図2に関して上述した方法を使用して、または任意の他の適切
な方法で最初に決定することができる。例えば、前方車両の有効長が分かっている場合、
GPS位置データに基づいて、先行車両の後部の相対位置に対する初期推定値を推定する
ことができる。
【0094】
新しいレーダーシーンが受信される都度(ステップ502)、いずれかのレーダー対象
物ポイント(標的)がパートナー車両の後部の予想位置および相対速度と一致するか否か
に関して判定が行われる(ステップ504)。これは、「一致する」ターゲットが実際に
パートナー車両の後部を表す可能性が高いと結論付ける確率的決定であることが好ましい
。一致する標的により、推定位置に関連して不確定要素を定量化するか否かを決定するた
めの1つの方法が挙げられる。レーダー標的ポイントが予想位置の不確定要素の範囲内に
あれば、それは一致と見なすことができる。以下でより詳細に説明されるように、いくつ
かの実施形態では、カルマンフィルタリングが、パートナー車両の後部の位置を推定し、
不確定性を定量化するために使用される。カルマンフィルタリングは、知覚される測定精
度に基づいて不確定性レベルを本質的に調整する故に特に適している。
【0095】
報告されたレーダー標的ポイントのうちの2つ以上が不確定要素(不確定ボールと呼ば
れる場合もある)によって定義される範囲内で推定位置と一致する場合、レーダーシーン
内で識別される最も近いレーダー対象物ポイントは、「一致する」標的として取り扱われ
る。この決定において、「最も近い」一致は、縦方向位置、横方向位置、相対速度等を含
む測定基準の組み合わせに基づいて選択され得る。
【0096】
一致が見つかった場合、レーダートラッカーは、一致した物体までの距離および一致し
た物体の相対速度を、パートナー車両の後部との現在のギャップおよび相対速度としてギ
ャップコントローラ112に送信する(ステップ506)。いくつかの実施形態では、送
信される唯一の情報は、トレーラの後部までの縦方向距離とその相対速度である。これは
、現在利用可能なレーダー装置が一般に距離および相対速度を測定するのに非常に優れて
いる一方で、識別された物体に関する横方向の速度を正確に測定することまたは正確な横
方向の位置情報を提供するにはそれほど良くないためである。しかしながら、使用される
レーダーユニットが、横方向速度、加速度等の標的の他の有用な属性を正確に測定するこ
とができる場合、その情報も任意に送信することができる。
【0097】
一致が見つかると、最も一致したターゲットを使用して、トラックの後部のレーダー追
跡位置および速度推定値も更新する(ステップ508)。次いで、位置および速度の推定
値は、ステップ510において、次のレーダーサンプルについて予想される位置に時間内
に伝播される。即ち、ロジックは、次のレーダーサンプルが予想される時点でトラックの
後部の予想位置を推定する。レーダーサンプルは一定の間隔で提供される故に、これは比
較的簡単な問題であり、次に予想されるサンプルのタイミングを決定するのは容易である
。例えば、レーダーサンプルレートが20Hzの場合、次のサンプルは最後のサンプルの
0.05秒後に発生すると予測することができる。先行車両および後続車両が全く同じ速
度で走行しており、両方の車両が同じ方向に走行している場合、先行車両の後部の「予想
される」位置は、先行車両の後部の最後に検出された位置と全く同じである。しかしなが
ら、一方の車両が他方の車両に対して向きが変更されたか、または僅かに向きが変わって
いる場合、車両は、僅かに異なる速度で、おそらく僅かに異なる向きに走行している場合
が多い。例えば、簡単な例を用いると、後続車両が先行車両よりも速い1.00メートル
/秒の一定速度で先行車両と全く同じ方向に移動している場合、先行車両の後部は、次の
レーダーサンプルが採取された時点で先行車両に5cm近い位置(最後のサンプルが採取
されてから0.05秒後)になることが予想される。単純な三角法を使用して、車両が互
いに僅かに方向転換したかまたは方向転換している場合に、予想位置を決定することがで
きる。当然のことながら、レーダーシステムコントローラによって知られているか、また
はレーダーシステムコントローラによって取得可能な他の任意の数量の関連変数も、推定
を更に改善するための予想位置および速度の計算において考慮することができる。これら
は、(測定または推定された)車両のそれぞれの加速度、2つの車両のそれぞれの進行方
向および/または旋回速度等を含み得る。各車両トルク要求、現在の等級、車両重量等の
速度、加速度または車両の旋回速度に影響を及ぼし得る要因もまた、推定を更に洗練する
ために使用することができる。
【0098】
時間内に位置推定値を伝播することに加えて、不確定性推定値は、以下により詳細に説
明されるように、ブロック512によって表されるように更新される。
【0099】
位置推定値が時間内に伝播され、不確定性推定値が更新された後、プロセスは、次のレ
ーダーシーンサンプルが受信されるステップ502に戻ることによって、図7のフローチ
ャートに表されるように次のサンプルについて繰り返される。時間内に推定位置を伝播す
ることは、先行車両の後部の位置の現在の推定値を利用して、一致が生じるか否かを決定
するステップ504において特に有用である。先行車両の位置の現在の推定値は、経時的
に変化すると予想することができる(確かにそうなるであろう)。続いて、各レーダーサ
ンプルについて、先行車両の後部の位置の現在の最良の推定値を使用することができ、こ
れはパートナー車両が正確に追跡されることを確実にするのを助ける。
【0100】
上記で示唆されたように、プラトーンシステムは、好ましくは、各車両の位置および速
度を追跡するために複数の独立した、または部分的に独立した機構を利用する。例えば、
上述のように、プラトーンコントローラは、プラトーン車両の相対位置を決定するための
独立したメカニズムを提供するGPS位置データにアクセスすることができる。プラトー
ンコントローラはまた、それぞれの速度、従ってプラトーンパートナーの相対速度を決定
するための代替的な機構を提供する車輪速度データにアクセスすることもできる。ホスト
車両に関するそのようなデータは、ホスト車両センサから入手可能である。パートナー車
両のデータは、通信リンク(例えば、DSRCリンク、セルラーリンク、または他の利用
可能な通信方法)を介して利用可能である。
【0101】
図7のボックス520によって表されるように)新しいGPS位置推定値が受信され
るたびに、現在のGPS位置推定値を使用してレーダー追跡位置および速度推定値が更新
され(ステップ523)、ステップ510によって表されるように、その更新位置および
速度推定値は次のレーダーサンプルの予想される受信に間に合うように伝播される。並行
して、(図7のボックス530によって表されるように、)新しい車輪速度推定値が受信
されるたびに、現在の車輪速度推定値を使用して、レーダー追跡位置および速度推定値が
更新され(ステップ533)、その更新された位置および速度推定値は、ステップ510
によって表されるように、次のレーダーサンプルの予想される受信までに時間内に伝播さ
れる。同様に、(ボックス540によって表されるように)ヨーレート、車両方位(方位
)、車両ピッチおよび/または車両ロール等の新しい慣性測定値が受信されるたびに、現
在の慣性測定値を使用してレーダー追跡位置および速度推定値が更新される(ステップ5
42)。
【0102】
GPS位置、車輪速度および慣性測定値は、比較的迅速に更新されることが好ましく、
それはしばしば(必ずしもそうとは限らないが)レーダーサンプルよりもより頻繁である
。一例として、例えば50Hzのような25~500Hzの範囲のGPS更新周波数は、
一般道路のプラトーン制御用途に上手く機能することが判明した。GPS位置、車輪速度
および/または慣性測定値を互いに同じサンプルレートで、またはレーダーユニットと同
じサンプルレートで更新する必要はないが、同様の車輪速度および慣性測定値の更新頻度
も上手く機能することが判明した。
【0103】
図示の実施形態では、レーダーユニット、GPSセンサ、車輪速度センサおよび慣性測
定値からの更新は、それらが受信されたときに非同期的に処理される。必須ではないが、
これは、最新のセンサ入力が、次のレーダーユニットのシーンサンプルが受信された時点
でのプラトーン車両の予想される相対位置および速度の推定に利用されるのを助けるのに
役立つ。これは、レーダーユニットのサンプルごとに車輪速度センサおよびGPSセンサ
情報が更新されるシステムとは対照的である。同期更新も上手く機能する可能性があるが
、非同期更新を使用すると、様々なセンサ入力をレーダーユニットのサンプルレートより
も頻繁に更新できる故に、推定の精度が向上する傾向がある。
【0104】
異なる種類の測定値を互いに同期させる必要はないが、異なるトラック上の同じ種類の
測定値を時間的に同期させることが好ましい。即ち、先行トラック上のGPS位置測定値
は、後部トラック上のGPS位置測定値と時間内に同期している故に、トラックの相対位
置を、時間内に特定の瞬間に決定することができる。同様に、先行トラックの車輪速度測
定値は後続のトラックの車輪速度測定値と時間内に同期している故に、トラックの相対速
度を、時間内に特定の瞬間に決定することができる。様々な慣性測定値もまた、互いに同
期していることが好ましい。
【0105】
GPSが使用され、車両は通信リンクを介して互いに通信する故に、車両間で様々な測
定のタイミングを調整することは比較的簡単であることを理解されたい。公知であるよう
に、GPSシステムは非常に正確なグローバルタイミング信号を提供する。従って、プラ
トーンパートナーに使用されるクロックはGPS信号と同期させることができ、従って、
様々な測定値(例えば、GPS位置測定値、車輪速度測定値、慣性測定値等)は、それぞ
れのトラックで特定の同期時間に発生するように指示することができる。各測定値はまた
、測定値の同期を検証することができるように測定が行われた場合に(または同様のセン
サ測定値が車両間で同期されていない場合に考慮される場合に)示されるタイムスタンプ
を伴ってもよい。
【0106】
時間内に推定された位置の伝播は、受信したレーダーサンプル対象物ポイント(標的)
のいずれかが、パートナー車両の後部の予想される位置と一致するか否かを決定するため
に先行車両の後部の位置の現在の推定値を利用するステップ504において特に有用であ
る。判定504から「いいえ」の分岐によって表されるように、レーダーサンプルターゲ
ットがパートナー車両の後部の予想される位置と一致しない場合があり得ることを理解す
べきである。そのような場合、位置推定値は、コントローラが有する他の情報に基づいて
次のレーダーサンプルについて更新されるように、レーダーシステムコントローラはやは
り時間内に位置推定値を伝播する(ステップ510)。続いて、そのような他の情報は、
現在の推定値を含み、前述したように他のシステム(例えばGPSまたは車輪速度センサ
)からの入力に基づいて更に更新されてもよい。
【0107】
1つ以上の測定値が疑わしいと予想される動作状況があり得る。例えば、車輪が穴の上
を走行したり、または道路で他の異常な荒れに遭遇したりした場合に起こり得るように、
ホスト車両が異常に激しく振られると、レーダーユニットもそれに応じて振られ、その瞬
間に取られたレーダー測定サンプルは、モデルに対して正確および/または有用である可
能性が低くなる。車輪速度および慣性測定センサ等の他のセンサは、同様に、そのような
場合に正確である可能性が低くなる。別の例では、先行トラックが積極的にブレーキをか
けた場合、そのトレーラが通常よりも前後に移動する可能性がより高くなり、これもまた
、このようなブレーキ中に取られたレーダーサンプルが、トレーラの後部の将来の位置を
予測するのに有用ではない可能性が高いことが示唆される。任意の特定のセンサの測定値
を疑わしいものにする事象が発生していることをコントローラが検出するか、または知ら
されると、そのようなセンサからの測定値は、位置推定値において安全に無視することが
できる。そのような状況では、(もしあれば)より信頼性があると思われる他のセンサか
らの入力を使用し続けて、位置モデルを更新し、位置推定値を、次の各サンプルに対して
時間内に伝播し続けることができる。位置推定に関連する不確実性は、無視される各サン
プルと共に僅かに増加すると予想することができ、それは、パートナー車両の後部の予想
位置に適合する標的があるか否かを決定するときに、許容されるパートナー車両の後部の
推定位置からの変動を増加させる効果を有する。
【0108】
上述した位置モデルは、比較的少数の測定されたインプットのセットを利用するという
点で比較的単純である。このインプットは、(1)受信レーダーシーン(検出された物体
の相対位置および相対速度を示す)と、(2)プラトーンパートナーの測定されたGPS
位置(それらの相対位置を決定するために使用することができる)と、(3)プラトーン
パートナーの測定された車輪速度(それらの相対速度を決定するために使用することがで
きる)と、(4)測定されたヨーレートおよび方位と、を含む。他の実施形態では、異な
るまたは追加のタイプのセンサ情報がレーダーコントローラにより利用可能である場合、
位置推定において利用可能な関連情報があればそれを利用するように位置モデルを適合さ
せることができる。例えば、車両のピッチまたはロールが利用可能である場合、位置モデ
ルはそのような測定値を位置推定値に組み込むことができる。トラック上ではGPSアン
テナが地上4メートルを超える場所(例えば14~15フィート)にてキャブ上に配置さ
れる傾向がある故に、ロールは有用であり得る。そのような高さでは、ロール方向への比
較的小さな傾斜でさえも、各車両の報告される位置が著しく変動する可能性がある。ピッ
チも同様の理由から有用であり得る。例えば、15メートルのプラトーン間のギャップで
は、ちょうど±2度のピッチの違いが、対象物の見かけの高さまたは検出された高さにお
いて1メートルの違いをもたらす可能性がある。更なる距離および/またはより大きいピ
ッチ変動では、これらの差は増幅される。プラトーンシステムにおいて使用される多くの
レーダー装置は比較的狭い視野を有する故、これは、ピッチが考慮されない場合に予想さ
れる位置から予想よりも遠い故に、予想される対象が検出されないか、または検出された
対象が無視される結果をもたらし得る。同様に、長手方向および/または角加速度が利用
可能である場合、位置モデルは加速度測定値を位置推定値に組み込むことができる。
【0109】
LIDAR、ソナー、他の飛行時間距離センサ、他の車両から送信された信号を受信す
るように構成されたセンサ、カメラ、ステレオカメラまたは他の適切な技術等を使用して
、車両の相対位置および/または速度および/または方向を比較的正確に測定することが
できる実施形態では、これらの測定値を、GPS、車輪速度および慣性測定値に加えて、
またはその代わりに位置モデルに組み込むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、位置モデルは、トルク要求、ブレーキ信号、および/または
各プラトーンパートナーに関する他の動作情報等の入力を使用して次のレーダーサンプル
の時点で予測位置を更に洗練することによってかなり洗練され得る。
【0111】
主に説明した実施形態では、レーダーサンプル対象物ポイントは、パートナー車両の後
部の推定(予想)位置および相対速度と比較される。他の実施形態では、より多くのまた
はより少ないパラメータを比較して一致を識別することができる。例えば、いくつかの実
施形態では、一致(または不一致)は、位置および速度/速度ではなくパートナー車両の
予想位置のマッチングに基づいてもよい。レーダーユニットが加速度、横方向移動速度等
の他の情報を確実に報告することができる場合、そのような情報も一致識別504の一部
として対応する推定値と比較することができる。
【0112】
記載された手法の重要な利点として、先行車両が別の車線に変更するとき、侵入者がプ
ラトーン車両の間に割り込むとき、または一時的な障害がレーダーユニットにて発生した
場合等、プラトーンパートナーの後部がレーダーユニットの視野外にある場合でさえも、
相対位置および速度推定を確実に継続することができる点が挙げられる。そのような追跡
により、プラトーンパートナーの後部がレーダーユニットの視野に戻ったとき、プラトー
ンパートナーのレーダー識別はより容易に再確立され得る。当業者には理解されるように
、これは、その先行車両が誰であるかにかかわらず、レーダーを利用してホスト車両の直
前の車両までの距離を追跡するだけの適応走行制御システムとは大きく異なる。
【0113】
図5に関して上述したヒストグラムおよび/または平均シフトクラスタを別のチェック
として使用して、正しい車両がレーダーユニットによって追跡されていることを検証し、
または、全てではないがトラックの一部がレーダーユニットの視野内にあるとき、基準点
を提供することができることに留意されたい。
【0114】
図7に関して説明された方法の注目すべき特徴は、同じアルゴリズムを使用して、図2
に関連して上述したように、パートナー車両の最初のレーダー識別の間にパートナー車両
の相対位置/加速度を推定することができる。その状況では、レーダートラッカー116
/600は、パートナー車両の後部の位置の良好な推定値を得られないであろう。このよ
うに、判定ポイント504でターゲットはパートナー車両の後部の予想位置と一致しない
故に、測定位置はギャップコントローラに報告されず、レーダーユニットの測定値は、位
置および速度推定値の更新には使用されない。それによって、判定ポイント504から「
いいえ」の分岐に続き、それ故にステップ506および508はスキップされる。しかし
ながら、GPSセンサ131、車輪速度センサ132および慣性測定センサ134を含む
他の利用可能なセンサは全て、それらの各測定値を提供し、これは、パートナー車両の最
初の識別における使用に適した車両の位置の合理的な推定値を提供する。
【0115】
カルマンフィルタ
図7に関して説明した方法は、様々な技術を使用して実施することができる。特に有効
に機能する1つの現在好ましい実施形態は、カルマンフィルタを利用する。本明細書で使
用されるように、語句「カルマンフィルタリング」は、線形二次推定(LQE)、並びに
非線形システムで動作するように設計された拡張カルマンフィルタおよび無香カルマンフ
ィルタ等のLQEの拡張および一般化を包含することを意図している。一般にカルマンフ
ィルタリングに精通している人には理解されるように、カルマンフィルタリングは、長期
にわたり観測されたノイズおよび他の不正確性を含む一連の測定値を使用し、単一の測定
値単独に基づくものよりもより正確である傾向がある未知変数の推定値を生成する。カル
マンフィルタは、システムの推定された状態と推定の分散または不確実性を追跡する。こ
れは、一部の測定における固有の誤差およびいくつかの所望の測定サンプルの時点での潜
在的な利用不能により、ギャップ制御に関連する位置、速度および他の状態情報を推定す
るのに特に適している。
【0116】
カルマンフィルタで使用される状態変数は、使用されるモデルの性質によって大きく異
なり得る。一対のプラトーントラクタ-トレーラトラックを含む、記載された実施形態の
一部における使用に適した1つの特定の状態配列(X)は、以下を含む。
(1)後部トラックの後車軸の中心に対する前部トラックの後車軸の中心の長手方向位
置(x)
(2)後部トラックの後車軸の中心に対する前部トラックの後車軸の中心の横方向位置
(y)
(3)後続トラックの方位に対する前方トラックの方位(χ)
(4)先行車両の速度(v
(5)後続車両の速度(v
【0117】
これは、数学的には以下のように表すことができる。
【数2】
【0118】
次のレーダーサンプル(Xk+1)の時点での推定状態は、前の状態(X)と測定値
の不確定性のレベルを示す共分散行列(P)との関数である。上に表された状態配列(
X)に対応する共分散行列が図8に示されている。一般にカルマンフィルタリングに精通
している者には理解されるように、次のレーダーサンプル(Xk+1)の時点での推定状
態は、状態遷移モデル(A)と前の状態(X)の積に制御入力モデル(B)と任意のモ
デル化された入力(uk-1)との積を加えたものに等しい。これは、数学的には次のよ
うに表すことができる。
【数3】
【0119】
1つの特定の制御入力アレイ(U)は、
(1)前方車両のヨーレート(Ψ1)および
(2)後方車両のヨーレート(Ψ2)を含む。
【0120】
これは、数学的には次のように表すことができる。
【数4】
【0121】
特定の状態およびモデル化された入力アレイが例示されているが、任意の特定の実装に
おいて使用される特定の状態および制御入力変数は、使用される推定モデルの性質に基づ
いて大きく異なり得ることを理解されたい。
【0122】
カルマンフィルタリングは、本明細書で説明される技法において、位置および速度推定
のタイプを有用にするのに特によく適合している。カルマンフィルタリングは特にうまく
機能するが、代替的な実施形態では、粒子フィルタリング等の他の状態/空間推定アルゴ
リズムを使用することができることを理解されたい。
【0123】
カルマンフィルタリングが上手く機能する理由の1つに、GPS測定値、レーダー測定
値、車輪速度測定値および慣性測定値を含むほとんどの測定値が、様々な測定誤差を受け
る傾向がある点が挙げられる。例えば、任意の特定のGPS測定値が1メートル超ずれて
いることは珍しくない。共分散行列(P)は、測定で観察された統計的変動(誤差)を
定量化し、その知識を利用して位置および速度推定の品質を向上させる。
【0124】
他の上方のセンサデータ検証への統合
上述の実施形態では、パートナー車両から受信したパートナー車両の状態に関する情報
はホストによって使用されることで、パートナー車両の特性を測定すると考えられるホス
ト車両上のセンサからのデータが、実際にパートナー車両を表しているかを検証または確
認するのを助ける。例えば、記載されているいくつかの実施形態では、その位置、速度、
向き等に関する先行車両からの情報は、先行車両の予想位置および速度を予測するために
後続車両上のレーダーシーンプロセッサによって使用される。続いて、これらの予測を使
用して、(もしあれば)検出されたレーダー物体のうちどれが先行車両に対応するかを判
定するのを助ける。先行車両から受信された状態情報は、測定値(測定車輪速度等)また
は予測値(予測速度等)であり得、これは、パラメータ(例えば、速度)が変化する状況
においてより信頼性が高くなり得る。
【0125】
パートナー車両から受信した多種多様な他の情報/データを付加的または代替的に使用
して、そのような検証を更に助けることができることを理解されたい。これは、パートナ
ー車両の現在のトルク要求、ブレーキ状態(ファンデーションブレーキ、リターダ、エン
ジンブレーキ、および/または大型トラックに関連するその他のブレーキ装置)、または
ステアリング角度等のその他のパートナー車両の状態情報を含み得る。情報はまた、ウィ
ンカー、ハザードライト、テールライトまたは他のライトが点灯していることの表示等の
状態表示も含むことができる。また、そのレーダーシグネチャ、またはその視覚的外観(
例えば、その色調、識別マーカー、またはホスト車両上のコントローラのうちの1つによ
って容易に識別され得る他の何らかの特徴または特性)等のパートナー車両に関する定性
的な情報も含み得る。また、先行車両が車線を変更しようとしている、次の出口を使用す
る、または次の交差点で曲がる等の意図されるまたは予想される行動に関する情報も含む
ことができる。
【0126】
状況によっては、ホスト車両は、そのような識別を助けるためにパートナー車両に特定
の行動をとるように要求することができる。このような要求の性質は、大きく異なる可能
性があり、例えば、後部トラックが先行トラックに特定のライトの点灯、車線の切り替え
、特定の速度への加速または減速、ホーンを鳴らす等を要求する場合がある。
【0127】
更に、パートナー車両に関する追加の情報もまた、第3の車両、より大きなメッシュの
車両、または他の外部の情報源から取得することができることを理解されたい。例えば、
プラトーンパートナーと並走する第3の車両は、パートナー車両の位置、速度、および/
または他の特性を測定したかもしれず、その情報は別の独立したチェックとして使用する
ことができる。別の例では、両方のプラトーンパートナーと通信しているネットワークオ
ペレーションセンター(NOC)は、意図された経路を認識し、その経路、または必要に
応じてより短期間の方向をホスト車両に通信することができる。他の状況では、パートナ
ー車両からの情報は、第三者の車両、NOC等の仲介者を介して送信されてもよい。この
種のデータのいずれもが有用であり得、一部の情報は車両間の通信が一時的に失われる状
況において特に有用であり得る。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態のみを詳細に説明したが、本発明は、本発明の精神または
範囲から逸脱することなく、他の多くの形態で実施することができることを理解されたい
。本発明は、主として、後続トラックの前方に配置されている前方を向いているレーダー
ユニットと共に一対のトラックプラトーンに関して説明してきたが、しかしながら、同じ
概念が、レーダーユニットが車両上のどこに位置しているか、および/またはレーダーユ
ニットが質問する方向(単数または複数)にかかわらず、任意のタイプの接続された車両
用途において動作しているどのタイプの車両にも適用できることを理解されたい。従って
、例えば、先行車両上の後方を向いているレーダーユニットを使用して、記載されたのと
実質的に同じ方法でレーダーを使用して後続車両を識別および/または追跡することがで
きる。同様に、全方向レーダーが使用される場合、ホスト車両に対するそれらの位置に関
係なく、レーダーを使用して他の車両を識別および/または追跡するために同様の手法を
使用することができる。
【0129】
上記で示唆したように、説明したレーダーベースの車両識別および追跡は、1つ以上の
他の車両の位置および/または速度に関する独立した情報が既知であるかまたはレーダー
データを解釈するユニットに使用可能である任意のタイプの接続された車両用途で使用す
ることができる。従って、例えば、説明された技術は、3台以上の車両を含む輸送システ
ムでの使用に特によく適している。また、記載された技術は、他の特定の車両の意図に関
する知識が重要であると考えられる自動運転車交通流用途での使用に非常によく適合して
いる。実際、これは、自動運転車および接続された車両市場の成長と共に、本発明の重要
な用途となることが予想される。
【0130】
本発明は、主に、運転自動化システムで使用するために設計された市販のレーダーユニ
ットを使用して他の車両を識別し追跡することに関して説明してきた。そのようなユニッ
トは、通常、受信したレーダーエネルギーを分析し、レーダー製造業者に関連があると考
えられる物体を識別するように設計されている。記載された発明はそのようなユニットで
上手く機能するが、それらはそれほど制約されない。むしろ、車両識別プロセスと車両追
跡プロセスとは両者とも、応答をそれほどフィルタリングせず、反射レーダー信号強度を
特定の物体を識別しようとするよりも一般的な方法で報告するレーダーユニットと共に使
用するのに非常に適している。特に、レーダーリターンビニングおよび車両後部の検出の
統計的性質は、強度/位置等の他の形式で提供されるレーダーデータを使用するのに非常
に適している。更に、本発明は、レーダーの周波数範囲内の電磁エネルギーを使用する距
離測定システムに限定されない。むしろ、同じターゲット車両識別および/または追跡技
術を、異なる周波数範囲の電磁エネルギーを利用するLIDAR、音響に基づく距離測定
(例えば、ソナー、超音波等)、または様々な飛行時間ベースの距離測定システム等の他
の電磁エネルギーに基づく距離測定技術と共に容易に使用することができる。記載された
技術はまた、カメラまたはステレオカメラを使用する距離測定技術、センサがパートナー
車両から送信されたビーコン信号を測定するビーコンベースの技術、および/または他の
技術と共に使用され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、プラトーン車両は、レーダーユニットに対して自分自身を識
別するのに適したトランスポンダ等の機構を有することができる。利用可能であれば、そ
のような装置からの情報を使用して、プラトーンパートナーの識別および追跡を更に支援
することができる。
【0132】
従って、本実施形態は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、本発明
は本明細書に与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲および均
等物の範囲内で変更され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0133】
【特許文献1】米国特許出願第13/542622号明細書
【特許文献2】米国特許出願第13/542627号明細書
【特許文献3】米国特許出願第14/292583号明細書
【特許文献4】米国仮特許出願第61/505076号明細書
【特許文献5】米国仮特許出願第62/249898号明細書
【特許文献6】米国仮特許出願第62/343819号明細書
【特許文献7】米国仮特許出願第62/377970号明細書
【特許文献8】国際出願PCT/US2014/030770号明細書
【特許文献9】国際出願PCT/US2016/049143号明細書
【特許文献10】国際出願PCT/US2016/060167号明細書
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両において、第1および第2の車両が運転している間に第1のセンサを使用して第2の車両に関する情報を感知するステップと、
前記第1の車両において前記第2の車両から前記第2の車両に関する情報を受信するステップと、
受信した第2の車両情報を利用して、前記第2の車両に関して検知された情報が前記第2の車両の有効な測定値であるか否かを判定するのを助けるステップと、
前記第2の車両に関して検知された情報の態様に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の車両を少なくとも部分的に自動制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の車両において前記第2の車両から受信される情報は、
専用短距離通信(DSRC)プロトコルIEEE802.11pと、
CB無線チャネルと、
1つ以上のGMRSバンドと、
1つ以上のFRSバンドと、
からなる群から選択される無線周波数通信リンクを介して受信される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のセンサは、少なくとも前記第2の車両までの距離を測定する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセンサはレーダーユニットであり、前記検知された情報は前記第2の車両の相対位置および相対速度を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のセンサは、
LIDARユニット、
ソナーユニット、
飛行時間距離センサ、
前記第2の車両上のビーコンから送信された信号を受信するように構成されたセンサ、
カメラ、および
ステレオカメラユニット、
からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記受信した第2の車両の情報は、前記第2の車両の現在位置または相対位置を示す、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記受信された第2の車両の情報は、前記第2の車両の現在位置の全球測位衛星システム(GNSS)位置測定値を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記受信された第2の車両情報は、更に、前記第2の車両の速度または相対速度を示す速度情報を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記受信された第2の車両情報は、更に、加速度、向き、ステアリング角、ヨーレート、チルト、傾斜、または横移動のうちの少なくとも1つに関する指示を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記受信した第2の車両情報を使用して、前記第2の車両の状態を推定するカルマンフィルタまたは粒子フィルタを更新する、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記受信された第2の車両情報は、
前記第2の車両がブレーキライト、ハザードライトまたは方向指示器のうちの少なくとも1つを作動させたかまたは作動させるとの表示、
前記第2の車両がブレーキまたはリターダを作動させたかまたは作動させるとの表示、
計画された操作、または、
前記第2の車両が車線を変更したかまたは変更するとの表示、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記受信した第2の車両情報は、前記第1の車両からのそのような情報の要求に応答して受信される、請求項に記載の方法。
【請求項13】
更に、前記第1の車両において、前記第2の車両以外の外部情報源から、前記第2の車両に関する第2の情報を受信するステップと、
前記受信された第2の情報を利用して、前記第2の車両に関して検知された情報が前記第2の車両の有効な測定値であるか否かを判定するのを助けるステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
更に、前記第2の車両に関する情報を第3の車両に送信して、前記第3の車両の少なくとも部分的な自動制御を容易にするのを助けるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記検知された情報は、前記第2の車両の状態を感知する、請求項に記載の方法。
【請求項16】
更に、前記第2の車両の状態に関する情報を前記第1の車両に送信するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項17】
更に、前記第2の車両の視覚特性、および
前記第2の車両のレーダーシグネチャ
からなる群から選択される前記第2の車両の観測可能な特性の表示を前記第2の車両から受信するステップを含む、請求項に記載の方法。

【外国語明細書】