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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025644
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20230215BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20230215BHJP
   E06B 7/02 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
F24F7/013 102B
F24F7/013 101F
F24F7/06 C
E06B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022041211
(22)【出願日】2022-03-16
(62)【分割の表示】P 2021130932の分割
【原出願日】2021-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】518070618
【氏名又は名称】株式会社レブセル
(71)【出願人】
【識別番号】594159445
【氏名又は名称】南開工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】山本 健二
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英和
【テーマコード(参考)】
2E036
3L058
【Fターム(参考)】
2E036JA03
2E036JB01
2E036JB02
2E036JC02
2E036MA01
2E036MA05
3L058BF05
(57)【要約】
【課題】居室の床面のスペースが小さい場合でも配置することが可能で、かつ、室外側で取り付け作業を行うことが困難な居室に対しても配置可能な排気装置を提供する。
【解決手段】排気装置100は、室内から室外に排気する排気装置100であって、室内と室外とを隔てる窓200の窓枠210に固定される板部材10と、排気ユニット30が収容される収容ボックス20と、排気ユニット30とを含む。板部材10は、開口部11を有する。排気ユニット30は、開口部11を介して排気する。また、収容ボックス20は、排気ユニット30が室内側から着脱可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内と室外とを隔てる窓の窓枠に固定される板部材であって、開口部を有する板部材と、
前記板部材に固定される排気ユニット配置部材と、
前記排気ユニット配置部材に配置される排気ユニットであって、前記開口部を介して前記室内から前記室外に排気する排気ユニットと、を備え、
前記排気ユニット配置部材は、前記排気ユニットが前記室内側から着脱可能に構成されており、
前記排気ユニットは、前記室内から前記室外に排気して当該室内を陰圧化する陰圧化装置を含み、
前記陰圧化装置は、
筐体と、
前記筐体内に配置され、前記室内から前記室外に排気するファンと、
前記筐体内において、前記ファンよりも前記室外側に配置されたフィルタと、
前記筐体の前記室内側の面から前記室内に向かって突出する一対の把持部と、を含み、
前記一対の把持部を把持して引き抜くことで前記陰圧化装置を前記排気ユニット配置部材から取り外せる、排気装置。
【請求項2】
前記排気ユニット配置部材は、
前記開口部の縁部の少なくとも一部に沿って配置された支持部であって、前記排気ユニットを支持する支持部と、
前記支持部と前記排気ユニットとを着脱可能に固定する固定部材と、を含む、請求項1に記載の排気装置。
【請求項3】
前記開口部は、正面視で矩形状を有し、
前記支持部は、前記開口部の縁部のうちの下辺、左辺、及び右辺の各々に沿って配置されている、請求項2に記載の排気装置。
【請求項4】
前記排気ユニット配置部材は、前記窓の額縁部又は床面に配置され、前記排気ユニットを下方から支持する下方支持部材を、さらに含む、請求項2または3に記載の排気装置。
【請求項5】
前記排気ユニット配置部材は、前記排気ユニットが内部でスライド可能な筒状部分を含む、請求項1に記載の排気装置。
【請求項6】
前記筒状部分の内側面と前記排気ユニットとの間に配置されたシール部材を、さらに備える、請求項5に記載の排気装置。
【請求項7】
前記板部材のうちの前記室外側の面に固定されるフード部材であって、前記室外から前記室内に向かって視て、前記排気ユニットの少なくとも一部と重なる位置に配置されたフード部材を、さらに備える、請求項1~6のいずれか1に記載の排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内から室外に排気する排気装置が知られている。例えば、特許文献1には、感染対策用室の室内を陰圧化する陰圧化装置が開示されている。この陰圧化装置の筐体は、窓の一部に設けられた開口部において、室外に突出した状態で配置されている。また、病室の外壁面に、ブラケットが配置されている。そして、陰圧化装置の筐体のうちの室外に突出した部分は、ブラケットに固定されている。そして、陰圧化装置は、開口部を介して、室内の空気を排出する。この結果、室内が減圧され陰圧になる。これにより、感染症患者が室内に居る場合でも、病原体により汚染させた空気が室外に漏れ出るのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-164147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているような従来の陰圧化装置(排気装置)の筐体は、窓の一部に配置されるので、感染対策用室の床面のスペースが小さい場合でも、排気装置を設置することができる。しかしながら、上記特許文献1に記載の陰圧化装置の構成では、陰圧化装置の筐体を窓の一部に配置するために、病室の外壁面にブラケットを配置し、当該ブラケットに筐体を固定する必要がある。このため、窓が2階以上の高さに配置されている場合など、室外側で取り付け作業を行うことが困難な感染対策用室では、陰圧化装置(排気装置)を配置することができないという問題点がある。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、居室の床面のスペースが小さい場合でも配置することが可能で、かつ、室外側で取り付け作業を行うことが困難な居室に対しても配置可能な排気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、以下に開示する、本開示の一の態様に係る排気装置は、室内と室外とを隔てる窓の窓枠に固定される板部材であって、開口部を有する板部材と、前記板部材に固定される排気ユニット配置部材と、前記排気ユニット配置部材に配置される排気ユニットであって、前記開口部を介して前記室内から前記室外に排気する排気ユニットと、を備え、前記排気ユニット配置部材は、前記排気ユニットが前記室内側から着脱可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様の構成によれば、居室の床面のスペースが小さい場合でも配置することが可能で、かつ、室外側で取り付け作業を行うことが困難な居室に対しても配置可能な排気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態における排気装置100の構成を模式的に示す斜視図である。
図2A図2Aは、第1実施形態における排気装置100の断面図である。
図2B図2Bは、第1実施形態における排気ユニット30の着脱を説明するための断面図である。
図3図3は、第1実施形態における排気装置100を室内から室外に向かって見た図である。
図4図4は、第1実施形態における排気装置100を室外から室内に向かって見た図である。
図5図5は、第2実施形態における排気装置400の構成を模式的に示す斜視図である。
図6A図6Aは、第2実施形態における排気装置400の断面図である。
図6B図6Bは、第2実施形態における排気ユニット430の着脱を説明するための断面図である。
図7図7は、第2実施形態における排気装置400を室内から室外に向かって見た図である。
図8図8は、第1実施形態及び第2実施形態の変形例による排気装置300の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における排気装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図2Aは、排気装置100の断面図である。図2Bは、排気ユニット30の取り外しを説明するための断面図である。図3は、排気装置100を室内から室外に向かって見た図である。図4は、排気装置100を室外から室内に向かって見た図である。
【0011】
図1に示すように、排気装置100は、例えば、医療施設の居室又は医療施設の病室の窓200に配置される。排気装置100は、これに限られないが、例えば、新型コロナウイルス(COVID-19)等を含む感染症の患者が利用する居室又は病室に配置することができる。そして、排気装置100は、居室又は病室内から窓200を介して室外に排気することにより、居室又は病室内の気圧を下げて、陰圧室化する陰圧化装置である。以下、居室又は病室を、「陰圧室R」として説明する。窓200は、陰圧室Rと陰圧室Rよりも外とを隔てる窓である。第1実施形態では、陰圧室Rの外を、屋外として説明するが、陰圧室Rの外は、施設内の廊下であってもよいし、別の居室(陰圧室Rでない居室)であってもよい。
【0012】
従来、一般的には、陰圧室として設計されていない居室又は病室を、排気装置を用いて陰圧室化する場合、居室又は病室の壁に排気ダクトを配置するための孔を開ける工事を行う必要があった。これに対して、第1実施形態の排気装置100は、窓200の窓枠210に着脱可能に構成されている。これにより、陰圧室として設計されていない居室または病室であっても、窓200の窓枠210に排気装置100を取り付ければ、居室又は病室を陰圧室Rに容易に変更することができる。また、陰圧室Rを通常の気圧を有する居室又は病室に戻す(原状回復する)際には、第1実施形態では、排気装置100を窓枠210から室内に向かって取り外せばよいので、原状回復が容易である。
【0013】
[陰圧化装置の各部の構成]
図1に示すように、排気装置100は、装置支持部1と、装置支持部1に配置された排気ユニット30と、フード部材40と、窓枠固定部材50とを備える。
【0014】
装置支持部1は、板部材10と、収容ボックス20とを含む。板部材10は、これに限られないが、アルミニウムと樹脂材料とを含むアルミ樹脂複合板(アルポリ)から構成されている。収容ボックス20は、排気ユニット30が配置される排気ユニット配置部材である。また、板部材10は、窓200の窓枠210に固定されている。窓枠210は、サッシであり、排気装置100の板部材10が配置されない場合には、当該サッシには、窓ガラスが配置される。また、板部材10は、平板である。このため、平板の板部材10の寸法を、窓枠210の寸法に合わせて、切断又は継ぎ足しを行って調節すれば、どのような寸法の窓枠210にも、排気装置100を配置することが可能となる。また、窓枠210がレール(図示省略)上に配置されている場合には、窓枠に一般的な窓ガラスが配置されている場合と同様に、排気装置100と窓枠210とを共に、レール上で移動させることが可能である。
【0015】
また、第1実施形態では、板部材10は、窓枠固定部材50により窓枠210に着脱可能に固定されている。窓枠固定部材50は、ビス51、ブラケット52及びゴム部材53(グレチャン)を含む。ゴム部材53は、窓枠210と板部材10との隙間に配置される。ゴム部材53が窓枠210と板部材10との隙間に配置されることにより、板部材10が窓枠210に固定される。また、ブラケット52は、板部材10と窓枠210とに跨って配置される。そして、ブラケット52と板部材10とがビス51により固定され、ブラケット52と窓枠210とがビス51により固定されることにより、窓枠210と板部材10とが固定される。すなわち、ビス51及びブラケット52は、板部材10を窓枠210に固定するための補強部材である。また、排気装置100を窓枠210から取り外す場合は、ビス51をブラケット52から取り外し、ゴム部材53を取り外せば、板部材10を窓枠210から室内側に取り外すことが可能になる。
【0016】
また、板部材10には、例えば、上下方向の中央部でかつ左右方向の中央部に、開口部11が設けられている。なお、図中のZ1方向を上方向とし、Z2方向を下方向とし、X1方向を、室外から室内に向かう方向とし、X2方向を、室内から室外に向かう方向とする。そして、X1方向に見て、右方向をY1方向とし、左方向をY2方向とする。
【0017】
図2Aに示すように、収容ボックス20は、板部材10の室内側の面10aに固定されている。また、フード部材40は、板部材10の室外側の面10bに固定されている。収容ボックス20とフード部材40とは、板部材10を室内と室外の両側から挟むように配置されている。収容ボックス20は、筒状部分21と、筒状部分21の板部材10側の端部から外方に突出するフランジ22とを含む。筒状部分21は、板部材10の開口部11に接続された室外側開口21aと、室内側開口21bとを有する。また、図3に示すように、筒状部分21は、室内から室外に向かって視て、矩形状を有する。また、図2Aに示すように、フード部材40は、筒状部分41と筒状部分41の板部材10側の端部から外方に突出するフランジ42とを含む。筒状部分41は、板部材10の開口部11に接続された室内側開口41aと、室外側開口41bとを含む。
【0018】
図3に示すように、フランジ22は、筒状部分21から上下方向及び左右方向(4方向)の各々に突出するように形成されている。図4に示すように、フランジ42は、筒状部分41から上下方向及び左右方向(4方向)の各々に突出するように形成されている。また、フランジ22と板部材10との間、及びフランジ42と板部材10との間の各々には、コーキング剤により、隙間が塞がれている。これにより、板部材10と、収容ボックス
20及びフード部材40との隙間から空気が漏れ出るのを防止することができる。
【0019】
図3に示すように、収容ボックス20のフランジ22から、板部材10を貫通して、フード部材40のフランジ42に亘って配置されるボルトと、ボルトと係合するナットからなる締結部材10cにより、収容ボックス20とフード部材40と板部材10とが固定されている。
【0020】
また、図2Aに示すように、収容ボックス20内には、排気ユニット30が配置されている。収容ボックス20は、図2Bに示すように、排気ユニット30が着脱可能に構成されている。具体的には、収容ボックス20の筒状部分21の内側に、排気ユニット30が配置されており、筒状部分21の内部で排気ユニット30がX1方向又はX2方向にスライド移動可能に構成されている。図2Aに示すように、筒状部分21の内側面21cと、排気ユニット30の筐体31との間に配置されたシール部材23により、排気ユニット30が保持されている。また、筐体31の室内側の側面31aには、把持部31bが設けられている。これにより、図2Bに示すように、ユーザ又は作業者が、室内側開口21bから、収容ボックス20の筒状部分21内の排気ユニット30の把持部31bを把持して、陰圧室R内側に引き抜く(X1方向にスライド移動させる)ことにより、陰圧室R内に、排気ユニット30を取り出すことができる。そして、排気ユニット30内のフィルタ32を交換した後、筒状部分21の内部に排気ユニット30を挿入する(X2方向にスライド移動させる)ことにより、フィルタ32が交換された後の排気ユニット30を収容ボックス20内に取り付けることができる。また、上記のように、陰圧室R内側から、排気ユニット30を交換することができるので、室外に足場がない窓200の窓枠210に排気装置100が配置された場合でも、室内側から排気ユニット30を交換することができる。
【0021】
シール部材23は、通気性のない弾性部材(例えば、ゴムパッキン)により構成されている。これにより、筒状部分21の内側面21cと排気ユニット30との間から、空気が漏れ出るのを防止することができる。この結果、陰圧室R内に汚染された空気がある場合でも、汚染された空気が室外に漏れ出るのを防止することができる。
【0022】
排気ユニット30は、筐体31とフィルタ32とファン33とプレフィルタ34とを含む。筐体31は、例えば、金属製の箱状に形成されており、当該筐体31の内部に、フィルタ32とファン33とが配置されている。フィルタ32は、例えば、HEPAフィルタを含む。ファン33は、電力により回転することによって、陰圧室R内から陰圧室R外に向かって空気を流し、陰圧室R内の気圧を低下させる。プレフィルタ34は、ファン33側に、異物や埃等が侵入するのを防止する。なお、排気ユニット30は、ファン33に代えて、空気を圧縮して排出するコンプレッサーが設けられていてもよい。ファン33よりも室内側にフィルタ32が設けられていてもよい。
【0023】
図4に示すように、フード部材40の筒状部分41は、室外から室内に向かって視て、排気ユニット30の少なくとも一部と重なる位置に配置された導風壁部41cを含む。図2Aに示すように、導風壁部41cは、上下方向に対して傾斜して配置されている。室内側開口41aから排出された空気が導風壁部41cに当たることにより、空気(風)が下方に案内される。そして、室外側開口41bから、排出された空気が下方に排出される。また、室外側開口41bには、網部材41dが配置されている。網部材41dは、フード部材40内に、異物が混入するのを防止する。
【0024】
[第2実施形態]
次に、図5図7を参照して、第2実施形態による排気装置400の構成について説明する。図5は、第2実施形態における排気装置400の構成を模式的に示す斜視図である。図6Aは、第2実施形態における排気装置400の断面図である。図6Bは、第2実施
形態における排気ユニット430の取り外しを説明するための断面図である。図7は、第2実施形態における排気装置400を室内から室外に向かって見た図である。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
図5に示すように、第2実施形態による排気装置400は、排気ユニット配置部材420と、排気ユニット430と、を備える。排気ユニット配置部材420は、左側支持部421と、右側支持部422と、下側支持部423とを含む。図6Aに示すように、左側支持部421及び右側支持部422は、それぞれ、板部材10に対向する部分420aと、排気ユニット430の筐体431に対向する部分420bとを含む。左側支持部421及び右側支持部422は、部分420a及び420bにより、L字状の断面を有する。また、下側支持部423は、左側支持部421及び右側支持部422と同様に、L字状の断面を有する。なお、「左」及び「右」とは、室内から室外に向かって排気装置400を見た場合の「左」及び「右」を意味するものとして記載している。
【0026】
また、部分420aと板部材10とは、ビス又はリベット等の複数の締結部材410cにより固定されている。また、部分420bと筐体431とは、固定部材424により固定されている。固定部材424は、例えば、キャッチクリップ(パッチン錠、又は尾錠)である。これにより、ユーザは、手でキャッチクリップを閉じた状態(図6A参照)にすれば、左側支持部421及び右側支持部422と排気ユニット430とが固定された状態にすることができ、手でキャッチクリップを開いた状態(図6B参照)にすれば、左側支持部421及び右側支持部422から排気ユニット430が解放された状態にすることができる。これにより、図6Bに示すように、固定部材424を解除した状態で、ユーザが把持部31bを把持しながら、排気ユニット430を室内側(X1方向)に移動させることができる。また、排気ユニット430を室内側からX2方向に移動させた後、固定部材424(キャッチクリップ)を閉じることにより、排気ユニット430を容易に排気ユニット配置部材420の左側支持部421及び右側支持部422に配置することができる。
【0027】
図7に示すように、左側支持部421は、矩形状の開口部11の縁部のうちの左辺11aに沿って配置されている。また、右側支持部422は、矩形状の開口部11の縁部のうちの右辺11bに沿って配置されている。また、下側支持部423は、矩形状の開口部11の縁部のうちの下辺11cに沿って配置されている。なお、図7では、排気ユニット430の図示を省略している。
【0028】
図5に示すように、排気ユニット配置部材420は、下方支持部材460と、カバー部材461とを含む。下方支持部材460は、窓200の額縁部220に下端460aが配置され、排気ユニット430を下方から支持する。例えば、下方支持部材460は、枠形状を有する。そして、下方支持部材460の上端460bが排気ユニット430の筐体431に接触し、下端460aが額縁部220に接触する。下方支持部材460は、上下方向の各々に力を加えるバネ部材、又は、上下方向の各々に力を加えるジャッキを含んでいてもよい。これにより、下方支持部材460は、突っ張り棒のように筐体431と額縁部220とを押圧する。この結果、排気ユニット430の重量が大きい場合でも、下方支持部材460により、排気ユニット430による荷重を板部材10だけでなく額縁部220に分散させることができる。この結果、排気ユニット430の荷重によって板部材10が変形することを防止することができる。また、カバー部材461は、室内から見て、下方支持部材460を覆うように配置される。
【0029】
第2実施形態の構成によっても、板部材10に配置される排気ユニット配置部材420に排気ユニット430が配置されるので、居室の床面のスペースが小さい場合でも排気装置400を設置することができる。そして、排気ユニット配置部材420は、排気ユニット430が室内側から着脱可能に構成されているので、室外側で取り付け作業を行うこと
が困難な居室に対しても排気装置400を配置することができる。その他の構成及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0030】
[変形例]
以上、上述した実施形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0031】
(1)上記第1及び第2実施形態では、排気装置を陰圧化装置として構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、排気装置を室内の換気を目的として換気装置として構成してもよい。
【0032】
(2)上記第1及び第2実施形態では、陰圧化装置にフード部材を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、図8に示す変形例による排気装置300のように、フード部材が設けられていなくてもよい。例えば、室外が、屋外(野外)でない場合(施設内の場合)には、雨や砂埃等が飛来しないので、フード部材は必ずしも必要ではない。
【0033】
(3)上記第1及び第2実施形態では、図2Aに示すように、排気ユニットを室内から室外に亘って配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、排気ユニットの全体が、室内又は室外の一方に配置されていてもよい。
【0034】
(4)上記第1実施形態では、収容ボックスを排気ユニットが内部でスライド可能に構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、排気ユニットが収容ボックスにビス等の締結部材により固定されていてもよい。
【0035】
(5)上記第2実施形態では、排気ユニットと支持部とが固定部材(キャッチクリップ)により固定される例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、排気ユニットと支持部とがビス等の締結部材により固定されていてもよい。
【0036】
(6)上記第1及び第2実施形態では、板部材として、アルミ樹脂複合板を用いる例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、板部材として、木製の板、樹脂板、又は金属板を用いることもできる。
【0037】
(7)上記第2実施形態では、下方支持部材を窓の額縁部と排気ユニットとの間に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、窓の額縁部が小さい場合には、下方支持部材を床面と排気ユニットとの間に配置してもよい。
【0038】
(8)上記第2実施形態では、支持部を、開口部の縁部の下辺、左辺、及び右辺の各々に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。支持部を、下辺、左辺、及び右辺のうちの1つに配置してもよいし、開口部の縁部の上辺にも支持部を配置してもよい。
【0039】
また、上述した排気装置は、以下のように説明することができる。
【0040】
第1の構成に係る排気装置は、室内と室外とを隔てる窓の窓枠に固定される板部材であって、開口部を有する板部材と、板部材に固定される排気ユニット配置部材と、排気ユニット配置部材に配置される排気ユニットであって、開口部を介して室内から室外に排気する排気ユニットと、を備え、排気ユニット配置部材は、排気ユニットが室内側から着脱可能に構成されている(第1の構成)。
【0041】
上記第1の構成によれば、窓枠に固定される板部材に排気ユニット配置部材が配置され、当該排気ユニット配置部材に排気ユニットが配置されるので、居室の床面のスペースが小さい場合でも排気装置を設置することができる。そして、排気ユニット配置部材は、排気ユニットが室内側から着脱可能に構成されているので、室外側で取り付け作業を行うことが困難な居室に対しても排気装置を配置することができる。
【0042】
第1の構成において、排気ユニットは、室内から室外に排気して当該室内を陰圧化する陰圧化装置を含んでもよい(第2の構成)。
【0043】
上記第2の構成によれば、居室の床面のスペースが小さい場合でも配置することが可能で、かつ、室外側で取り付け作業を行うことが困難な居室に対しても配置可能な陰圧化装置を提供することができる。
【0044】
第1または第2の構成において、排気ユニット配置部材は、開口部の縁部の少なくとも一部に沿って配置された支持部であって、排気ユニットを支持する支持部と、排気ユニットとを着脱可能に固定する固定部材と、を含んでもよい(第3の構成)。
【0045】
上記第3の構成によれば、支持部により排気ユニットを開口部の縁部に沿って配置することができるとともに、固定部材により、排気ユニットを支持部に対して容易に着脱することができる。
【0046】
第3の構成において、開口部は、正面視で矩形状を有し、支持部は、開口部の縁部のうちの下辺、左辺、及び右辺の各々に沿って配置されていてもよい(第4の構成)。
【0047】
上記第4の構成によれば、排気ユニットの下側、左側、及び右側の各々を支持部により支持することができる。
【0048】
第3または第4の構成において、排気ユニット配置部材は、窓の額縁部又は床面に配置され、排気ユニットを下方から支持する下方支持部材を、さらに含んでもよい(第5の構成)。
【0049】
上記第5の構成によれば、排気ユニットの重量が大きい場合でも、下方支持部材により、排気ユニットによる荷重を板部材だけでなく額縁部又は床面に分散させることができる。この結果、排気ユニットの荷重によって板部材が変形することを防止することができる。
【0050】
第1または第2の構成において、排気ユニット配置部材は、排気ユニットが内部でスライド可能な筒状部分を含んでもよい(第6の構成)。
【0051】
上記第6の構成によれば、筒状部分に対して排気ユニットをスライド移動させれば、容易に排気ユニットを交換することができる。
【0052】
第6の構成において、排気装置は、筒状部分の内側面と排気ユニットとの間に配置されたシール部材を、さらに備えてもよい(第7の構成)。
【0053】
上記第7の構成によれば、筒状部分の内側面と排気ユニットとの間から、空気が漏れ出るのを防止することができる。この結果、室内に汚染された空気がある場合でも、汚染された空気が室外に漏れ出るのを防止することができる。
【0054】
第1~第7のいずれか1つの構成において、排気装置は、板部材のうちの室外側の面に
固定されるフード部材であって、室外から室内に向かって視て、排気ユニットの少なくとも一部と重なる位置に配置されたフード部材を、さらに備えてもよい(第8の構成)。
【0055】
上記第8の構成によれば、フード部材により、雨や埃等による排気ユニットの汚損を防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
10…板部材、10a…面(室内側の面)、10b…面(室外側の面)、11…開口部、11a…左辺、11b…右辺、11c…下辺、20…収容ボックス、21…筒状部分、21c…内側面(筒状部分の内側面)、23…シール部材、30,330,430…排気ユニット、31,431…筐体、31b…把持部、32…フィルタ、33…ファン、40…フード部材、100,300,400…排気装置、200…窓、210…窓枠、220…額縁部、R…陰圧室、420…排気ユニット配置部材、421…左側支持部、422…右側支持部、423…下側支持部、424…固定部材、460…下方支持部材
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8