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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025694
(43)【公開日】2023-02-22
(54)【発明の名称】腎交感神経焼灼術のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230215BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
A61B18/14
A61M25/00 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022126919
(22)【出願日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】63/231,639
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/866,160
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK12
4C160KK36
4C160KK57
4C160KK70
4C160MM33
4C267AA05
4C267BB02
4C267CC08
(57)【要約】
【課題】カテーテルを提供すること。
【解決手段】ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する、挿入プローブからなるカテーテル。カテーテルはまた、挿入プローブの遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、挿入プローブの遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブを有する。複数の電極は、弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成されている。挿入チューブのためのその他の形状もまた、提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記内腔が、前記ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
【請求項9】
前記螺旋形状の外径が5mmである、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
【請求項11】
前記線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記内腔が、前記ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【請求項20】
前記螺旋形状の外径が5mmである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【請求項22】
前記線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月10日に出願された米国特許仮出願第63/231,639号の利益を主張するものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般に、腎交感神経焼灼術に関し、具体的には、電気エネルギーを使用して行われるアブレーションによる除神経術に関する。
【背景技術】
【0003】
腎交感神経焼灼術は、腎動脈の壁内の神経がアブレーションされ、抵抗性高血圧症の治療として使用され得るプロセスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
組織のアブレーションは、組織を過熱することによって組織の細胞を破壊する、高周波(RF)電気エネルギーを使用して実行されてもよい。RFアブレーション、壊死からの細胞死は、それ自体の酵素の作用による細胞の破壊をもたらす。
【0005】
あるいは、不可逆電気穿孔法(IRE)を使用して、組織をアブレーションしてもよい。IREは、強い電界の短パルスを印加して細胞膜内に永久的、それゆえ致死的なナノ細孔を作製し、したがって、細胞恒常性(内部の物理的条件及び化学的条件)を崩壊させる組織アブレーション技術である。IREに続く細胞死は、細胞消滅(プログラム細胞死)から生じ、壊死に由来しない。IREは一般に、正確さ、並びに細胞外マトリックス、血流、及び神経の保全が重要な領域における腫瘍のアブレーションで使用される。
【0006】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】アブレーションシステムを図解したものである。
図2A】カテーテルの弾性チューブのそれぞれの概略図である。
図2B】カテーテルの弾性チューブのそれぞれの概略図である。
図2C】カテーテルの弾性チューブのそれぞれの概略図である。
図2D】カテーテルの弾性チューブのそれぞれの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概論
効果的であるために、IRE(不可逆電気穿孔法)様式及びRF(高周波)アブレーション様式の両方は、電気エネルギーを伝達するために使用される電極が、伝達によって損傷しないように構成されていることを必要とする。本開示の実施例は、電極を比較的大きく形成することによって、また同様に、電極が過熱しないように、電極内の灌注チャネルを使用して電極を灌注することによって、これを達成する。電極は、典型的には8フレンチに等しいおおよその周囲を有する可撓性の弾性チューブ上に形成され、これによって、電極への導電性ワイヤ及び潅注チャネルは、チューブ内に位置付けられてもよい。その電極を有する弾性チューブは、腎交感神経焼灼術を実行するために使用されるカテーテルの挿入プローブの遠位端部から遠位に延在するように構成されている。いくつかの実施例では、アブレーション用に構成された電極はまた、電極及び/又は生体内の弾性チューブの配置を追跡するための追跡システムの一部として動作してもよい。いくつかの実施例では、弾性チューブは、追跡専用の、例えば、生体内での追跡のための追跡システムの一部として動作するための専用の1つ以上の電極を含む。
【0009】
腎交感神経焼灼術は、腎動脈に、又は代替的に腎静脈内に弾性チューブを位置決めすることによって実行される。腎動脈へのアクセスは大腿動脈を介し、最初に、外科医が除神経術を実行して、シース出口が腎動脈の開口部に置かれるまで、大腿動脈を通してシースを並進させる。外科医は、シースによって拘束された形態でカテーテルの弾性チューブをシースを通して並進させて、チューブがシースから出る場合にその非拘束形態へと拡張する。本開示では、その非拘束形態の弾性チューブの形状は、その上に作用する唯一の外力が重力である場合のチューブの形状であると想定される。
【0010】
典型的には、弾性チューブは、シース内にある間により狭く細長い形状を有するように拘束される。弾性チューブがシースから抜き出された際に、それは、その拘束された形状からその動作可能な形状へと移行するように曲がり、収縮する。本明細書で定義されるような弾性チューブの動作可能な形状は、シースを通って押し出された後の、体腔内の弾性チューブの形状である。本明細書で定義されるような弾性チューブの拘束された形状は、シース内の弾性チューブの形状である。
【0011】
本発明者らは、いくつかの事前定義された形状のうちの1つにおいて非拘束弾性チューブを形成することが、それがシースから出て腎動脈の蛇行経路を通って前進する際に、弾性チューブの動きを制御することを容易にすることを見出した。したがって、本開示の実施例は、非拘束弾性チューブを以下の事前定義された形状のうちの1つへと形成する。
・平面状の二次元形状。
・1つの完全な螺旋である渦巻状の螺旋。
・単一の比較的直線状のワイヤ。
【0012】
これらの形状のうちの1つにおいて拘束されていない弾性チューブを形成することにより、弾性チューブの拘束形状と非拘束形状との間の形状における変化がないか、又は変化が非常に少ないため、シースから出る際のチューブの遠位先端部の動きを制御することが可能になる。これは、先行技術のシステムとは対照的であり、カテーテルがシースを出る際のカテーテルの遠位端部の形状の変化によって、遠位端部の動きを制御することが困難になる。
【0013】
本発明者らは、遠位端部をシースから押し出し、血管の蛇行経路内へと押し込むように試みる場合に、遠位端部がその拘束形状からその動作形状へと移行する際に、それ自体で回転し得ることを見出した。遠位先端部が折り畳まれる、及び/又はそれ自体へと回転すると、制御された様式で遠位先端部を血管を通して前進させることが不可能ではないにしても、困難となり得る。本発明者らは、遠位先端部が長い3D螺旋形状などの非拘束形状を有する場合に、これが多くの場合発生することを見出した。本発明者らは、遠位先端部のより平坦な幾何学的形状を使用することに基づいて、このような発生が回避又は低減され得ることを見出した。本発明者らは、本明細書に記載されるように、より平坦及び/又はより簡略化された構成を使用することによって、医師が、例えば、シースから出現する際に血管などの体腔を通る遠位先端部の動きのより良好な制御を有し得ることを見出した。
【0014】
システムの説明
以下の説明において、図面中の同様の要素は、同様の数字により識別され、同様の要素は、必要に応じて識別用の数字に文字を添えることにより、区別される。
【0015】
ここで、本開示の一実施形態による、アブレーションシステム20を図解したものである図1を参照する。簡潔化及び明瞭化のため、以下の説明では、別途記載のない限り、本明細書では医療従事者と想定されるシステム20のユーザ22によって医療処置が実行されるものと想定し、ユーザは、本明細書では同様にプローブ24と称されるカテーテル24を、患者28の左又は右の大腿静脈内へと挿入する。プローブ24は、中央ルーメン25を画定する管状要素である。ユーザ22はまた、本明細書では操作者22とも称される。処置は、患者の腎動脈34における神経の腎交感神経焼灼術を含むと想定され、本処置では、プローブは、プローブの遠位端部から遠位に延在する弾性チューブが腎動脈に到達するまで、最初に患者内へと挿入される。以下でより詳細に記載するように、本開示は、本明細書中以下において弾性チューブ32と一般に称される弾性チューブの異なる実施例を提供し、明瞭化のために、弾性チューブの異なる実施例は、弾性チューブ32A、32B、32C、...と称される。
【0016】
本発明の実施例では、弾性チューブ32は、約1mm~約3mmの範囲の外径を有してもよい。開示される実施例では、範囲は、約1.5mm~約3mmである。
【0017】
典型的には、カテーテル弾性チューブ32の挿入を容易にするために、管状シース70(以下の図2A~2Dに関してより詳細に記載される)は、最初に大腿動脈内へと挿入され、シースは、シースの遠位端部が腎動脈に近接するまで、動脈内に並進される。次に、上記のように、カテーテル24をシース内へと挿入する。
【0018】
システム20は、電磁追跡モジュール36及び/又は電流追跡モジュール37、並びに潅注モジュール47と通信する処理ユニット(PU)42を備えるシステムプロセッサ40によって、制御されてもよい。PU42はまた、IRE(不可逆電気穿孔法)発生器39及び/又はRF(高周波)発生器43と通信する。モジュール及び発生器の機能は、以下により詳細に記載されている。PU42もまたメモリ44と通信する。プロセッサ40は、典型的にはコンソール46に載置されており、コンソール46は、典型的には、マウス又はトラックボールなどの位置決定装置を含む操作制御部38を備え、操作者22は、この操作制御部38を使用してプロセッサと相互作用する。プロセッサは、メモリ44に記憶されたソフトウェアを使用してシステム20を動作させ、プロセッサ40によって実行される動作の結果は、ディスプレイ48上でオペレータに提示される。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク上で、プロセッサ40に電子形態でダウンロードされてもよく、代替的に若しくは追加的に、ソフトウェアは、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的な有形媒体で提供されてもよい、及び/又は保存されてもよい。
【0019】
腎動脈34を含むマッピング領域30内の弾性チューブ32の経路を追跡するために、本開示の実施例は、電流系の追跡システム21及び電磁系の追跡システム23のうちの少なくとも1つを使用する。両方のシステムについて、以下に記載する。
【0020】
追跡システム21は、米国特許第8,456,182号(Bar-Talら)に記載されたものと類似の電流測定追跡システムを含み、その開示は参照により本明細書に組み込まれている。Biosense-Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されるCarto(登録商標)システムもまた、電流測定追跡システムを使用する。電流測定追跡システムは、電流追跡モジュール37の制御を受ける。以下でより詳細に記載するように、弾性チューブ32は、複数の電極50を有し、追跡システム21において、モジュール37は、追跡される電極50に電流を注入する。電流は、動脈34に近接して患者28の皮膚上に配置され、本明細書ではパッチとも称される、複数の、一般に類似したパッチ電極77によって受信され、かつモジュールに伝達されて戻される。
【0021】
本明細書に記載されるパッチ電極77用の導電性ケーブルは、電極のそれぞれに対して存在するが、明瞭化のために、図中では、ケーブルは電極の一部に対してのみ示されている。所与の弾性チューブ電極50と皮膚パッチ77との間の電流は、とりわけ、パッチからの電極の異なる距離故に、電極の配置に従って変化し、これによって、所与の弾性チューブ電極と異なるパッチとの間で異なるインピーダンスを発生させる。モジュール37は、パッチに接続されたそれぞれのチャネル上の異なるパッチ77によって受信された異なる電流を測定し、また異なる電流から所与の弾性チューブ電極の配置の指標を発生させるように、構成されていてもよい。
【0022】
電磁追跡システム23は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,690,963号(Ben-Haimら)に記載されるもの、及びCarto(登録商標)システムで使用されているものに類似している。電磁追跡システムは、電磁追跡モジュール36の制御を受ける。電磁追跡システムは複数の磁場発生器を備え、本明細書では3セットの発生器66を備えるように想定され、各セットが3つの直交コイルを備えており、これにより、複数の発生器は合計9つのコイルを備える。発生器66は、患者28の真下の周知の配置に設置され、周知の配置は、発生器の基準系を定義している。モジュール36は、とりわけ、発生器によって発生した交流磁場の振幅及び周波数を制御する。
【0023】
交流磁場は、弾性チューブ32内に位置するセンサ51(以下の図2A図2Dに関して記載されている)と相互作用し、これにより、センサ内に交流電極電位を発生させ、この電極電位が追跡モジュール36によって信号として受信される。モジュールは、処理ユニット42と共に、受信した信号を分析し、分析から、定義された基準系における弾性チューブdのコイルの位置、すなわち、配置及び方向を決定することができる。
【0024】
典型的には、システムの一方又は両方による追跡は、例えば、弾性チューブを表すアイコンを、腎動脈34及びその周囲のマップ49へと組み込むことによって、並びにアイコンがたどる経路に組み込むことによって、ディスプレイ48上に視覚的に提示されてもよい。明瞭化のために、以下の説明では、電磁追跡システム23のみが使用されると想定されるが、システム23及びシステム21の両方が使用される場合、又はシステム21のみが使用される場合には、変更すべき点を変更して説明を修正適合させてもよい。
【0025】
プローブ24上の電極50にアブレーションエネルギーを提供するために、PU42はまた、高周波(RF)発生器43及び/又は不可逆電気穿孔法(IRE)発生器39を使用する。RF発生器43は、約100kHzの次数の周波数で最大約100Wの交流電力を供給するように構成されている。RF電力は、壊死によって電力を受け取る組織を破壊するように、ユーザ22によって選択された個々の電極50に供給される。発生器43に類似の発生器は、Biosense-WebsterのCarto(登録商標)システムで提供される。
【0026】
IRE発生器39は、最大約1MHzの周波数、及び最大約2kVのパルス振幅、及び最大約20Aの電流でのパルスで交流電力を供給するように構成されている。パルスは、典型的には、ユーザ22によってアクセスされる事前設定されたプロトコルに従ってPU42によって選択される、電極50に供給される。パルスは、パルスの列のバースト-最大100個のパルスのセットを含む列、及び最大100個の列を含むバーストで供給される。バーストが構成され、バーストを受信する電極が選択され、これによって、電極に近接する組織は細胞消滅によって破壊される。発生器39と類似のIRE発生器の発明を実施するための形態は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第16/701,989号、発明の名称「Pulse Generator for Irreversible Electroporation」に提供されている。
【0027】
電極50は灌注され、PU42は、灌注モジュール47を使用して灌注速度を制御し、電極内の温度センサからの信号を制御する。速度は、電極50がアブレーションエネルギーを伝達する間に効果的に冷却されるように設定され、典型的には、60mL/分の水準であるが、速度はこの速度よりも速いか又は遅くてもよい。
【0028】
図2A図2Dは、本開示の実施例による、弾性チューブ32A、32B、32C、32Dのそれぞれの概略図である。図のそれぞれは、シース70から出現した後の弾性チューブ32を示し、各図において、弾性チューブは、x軸がシースの出口の対称軸と同一直線上にあるxyzデカルト軸のセット上に描かれている。図2A及び図2Bでは、シース70内のプローブ24及びその内側ルーメン25が概略的に示されている。
【0029】
上記の手順で述べたように、所与の弾性チューブ32がシース70から出現すると、それは腎動脈に入るが、これは、典型的には、弾性チューブの形状を拘束する。図は、シースの外側の弾性チューブ32を非拘束状態で示すことが理解されよう。
【0030】
以下に記載される弾性チューブのそれぞれの全長は、約5cmであるが、全長は、この値よりも長いか又は短くてもよい。
【0031】
図2Aは、ポリウレタン若しくはポリアミドなどのプラスチック、又はニチノールから形成された2つ以上の区分74を含むように成形された可撓性チューブ76を備える弾性チューブ32Aを示す。弾性チューブ32Aの近位終端部32ATは、プローブ24の遠位端部73に固定的に連結され、区分74は、弾性チューブdが1つの一体要素であるように一緒に接合され、二次元平面にある単一の線形構成要素を形成する。区分が一緒に接合される領域、すなわち、弾性チューブの「屈曲部」は湾曲していてもよい。図に示すように、弾性チューブ32Aはxy平面内にあり、x軸及びy軸は紙の平面にあり、z軸は紙に直交する。x軸は、上記のように、シース70の出口の対称軸と同一直線上にあり、この対称軸はまた、遠位端部73におけるプローブ24の長手方向軸に対応すると想定される。開示された実施例では、区分74は、x軸と約45°の角度を作るが、この角度は、45°より大きいか又は小さくてもよい。いくつかの実施例では、区分74は、図に示されるように、弾性チューブ32Aがx軸に対して対称であり、x軸に直交して測定されたピークからピークまでの距離dが約2mm~約6mmの範囲であるように、配置されてもよい。
【0032】
開示された実施例では、センサ51は、単一軸センサ(SAS)、二軸センサ(DAS)、又は三軸センサ(TAS)を備えてもよく、弾性チューブ32Aの遠位終端部上に形成される。あるいは、センサ51は、チューブの長さに沿って配置されてもよい。センサ51の可能な配置、すなわち、弾性チューブの遠位終端部での配置、又はチューブの長さに沿った配置は、本明細書に記載される弾性チューブ32のその他の実施例に適用される。
【0033】
センサからのワイヤは、プロセッサ40に連結され、これによって、電流追跡モジュール37は、センサ内で発生した電流を使用して、弾性チューブ32Aの遠位終端部の配置を提供することができる。代替的に又は追加的に、弾性チューブ32Aは、上述のように、電極50とパッチ77との間の電流によって追跡されてもよい。
【0034】
各電極50は、所与の区分74に載置され、典型的には白金イリジウム又は金から形成された電極は、IRE発生器39及び/又はRF発生器43から腎動脈の組織へとアブレーション電流を伝達するように構成されている。コールアウト80は、電極50及び区分74の構造を示す概略断面図であり、コールアウトは、全ての管状区分74が内側ルーメン84を画定することを示している。区分74が一緒に接合されるため、ルーメン84は、全ての区分内、すなわちチューブ76内に連続的なルーメンを形成することが理解されよう。
【0035】
電極50のうちの1つ以上は、灌注モジュール47に連結された温度センサ86を有する。PU42及びモジュール47は、センサ86からの信号を使用して、電極50への灌注流を制御する。
【0036】
各所与の電極50は、円筒対称性を有するように形成される。開示された、例示された実施例では、電極50は、長手方向に延在する孔を有する楕円形の外殻88を有し、電極は、管状区分74の周囲に固定されている。外殻88の外側楕円形表面は、非外傷性でありつつ(シリンダと比較して)電極の表面領域を増加させる。外殻88とチューブ74の外側表面との間には、一般に環状容積90があり、チャネル94は容積90をルーメン84に接続する。
【0037】
各電極内には、外殻88を貫通する複数の灌注穴92がある。その結果、灌注モジュール47によって提供される灌注流体は、体積90に入るようにルーメン25、ルーメン84、及びチャネル94を横断することができ、そこからそれぞれの穴92を通して、弾性チューブの全ての電極50を灌注及び冷却する。このような冷却がない場合、IRE発生器39又はRF発生器43からの電流によっていずれかの電極50が不可逆的に損傷され得ることが、理解されよう。
【0038】
上記のように、IRE発生器からの電流は、20Aの次数であってもよく、それらは、最大約2kVの電位で電極50に送達される。結果として、各電極50は、ルーメン35を横断する絶縁ケーブル96によって、プロセッサ40(したがってIRE発生器及びRF発生器)に流電接続される。
【0039】
図2Bは、複数の2つ以上の曲線状の可撓性管状区分104を備える弾性チューブ32Bを示す。以下に記載する差異を除き、弾性チューブ32Bの動作は弾性チューブ32A(図2A)の動作と一般に類似しており、両方の弾性チューブにおいて同じ参照番号によって示される要素は、構造及び動作が一般に類似している。したがって、コールアウト80、及びコールアウトに関して上述した電極50に関する上記の記載は、弾性チューブ32Bに関する本明細書の記載に適用される。弾性チューブ32Bの近位終端部32BTは、プローブ24の遠位端部73に固定的に連結されている。
【0040】
図に示すように、弾性チューブ32Bは、一緒に接合される2つ以上の湾曲した可撓性管状区分104を備え、これによって、弾性チューブ32Aについては、弾性チューブ32Bは1つの一体要素であり、二次元平面にある単一の線形構成要素を形成する。弾性チューブ32Bの単一の線形構成要素は、実質的に弾性チューブ32Aについて上述したような複数の電極50を備え、弾性チューブ32Bもまた、電極のためのケーブルを含むルーメンを備え、同様に、電極用の灌注流体のためのチャネルを提供することが理解されるであろう。
【0041】
上記のように、弾性チューブ32A及び32Bの両方は、二次元平面内にあり、図からは、弾性チューブは、約2mm~約6mmのピークからピークまでの値を有する単一の蛇行構成要素であることが理解されるであろう。図の軸のセットを使用すると、弾性チューブの形状の表現は以下のとおりである。
y=f(x)、z=c (1)
式中、f(x)はxの関数であり(チューブ32A及び32Bについては異なる)、
cは一定である。(図において、z=0である。)
【0042】
図2Cは、複数の2つ以上の曲線状の可撓性管状区分124を備える弾性チューブ32Cを示す。以下に記載する差異を除き、弾性チューブ32Cの動作は弾性チューブ32A及び32Bの動作と一般に類似しており、異なる弾性チューブにおいて同じ参照番号によって示される要素は、構造及び動作が一般に類似している。コールアウト80、及びコールアウトに関して上述した電極50に関する上記の記載は、弾性チューブ32Cに関する本明細書の記載に適用される。弾性チューブ32Cの近位終端部32CTは、プローブ24の遠位端部73に固定的に連結されている。
【0043】
弾性チューブ32A及び32Bについては、弾性チューブ32Cは、1つの一体要素である単一の線形構成要素として形成される。しかしながら、弾性チューブ32A及び32Bとは対照的に、弾性チューブ32Cは、二次元平面にあることはない。むしろ、弾性チューブ32Cは、三次元螺旋構造128として形成される。本明細書でx軸であると想定される螺旋構造128の対称軸は、シース70の出口の対称軸と同一直線上にあり、この対称軸はまた、遠位端部73におけるプローブ24の長手方向軸に対応すると想定される。
【0044】
更に、螺旋構造128は、1つの単一の螺旋であるように形成される。いくつかの実施例では、螺旋構造128の外径dは、約5mmであるが、その他の実施例は、異なる外径を有してもよい。
【0045】
螺旋構造128は、実質的に弾性チューブ32A及び32Bについて上述したように、複数の電極50を備える。
【0046】
上記のように、螺旋構造128は、1つの単一の螺旋であるため、例えば、一実施例は、半分の螺旋を含んでもよく、別の実施例は、螺旋の3分の2を含んでもよい。
【0047】
図2Cでは、螺旋構造128がxyzデカルト軸のセット上に描かれており、螺旋構造のx軸は上で定義されており、y軸及びz軸は互いに直交しており、またx軸に直交している。これらの軸を使用すると、弾性チューブ32Cの形状の表現は、以下のとおりである。
y=a・cos(t)、z=a・sin(t)、x=t、0<t≦2π (2)
式中、tは、x軸に対する弾性チューブ32Cの配置を定義するパラメータであり、aは、式によって定義される螺旋構造の半径である。(直径d=5mm、a=2.5mmの場合)
【0048】
図2Dは、単一のプラスチック可撓性の管状要素140として形成された弾性チューブ32Dを示す。以下に記載する差異を除き、弾性チューブ32Dの動作は弾性チューブ32A、32B、32Cの動作と一般に類似しており、弾性チューブにおいて同じ参照番号によって示される要素は、構造及び動作が一般に類似している。したがって、コールアウト80、及びコールアウトに関して上述した電極50に関する上記の記載は、弾性チューブ32Dに関する本明細書の記載に適用される。弾性チューブ32Dの近位終端部32DTは、プローブ24の遠位端部73に固定的に連結されている。
【0049】
弾性チューブ32A、32B、及び32Cについては、複数の電極50は、要素140の周囲に固定され、要素は、ケーブル及び灌注を電極に提供する内側ルーメンを有する。しかしながら、弾性チューブ32A、32B、及び32Cとは対照的に、弾性チューブ32Dは、二次元でも三次元でもない単一の構成要素を備えるが、実質的に一次元であり、一般に一直線の形態である。
【0050】
図2Dでは、弾性チューブ32Dは、xyzデカルト軸のセット上に描かれており、チューブのx軸は、遠位端部73でプローブ24の長手方向軸と同一直線上にあり、y軸及びz軸はx軸に直交しており、また互いに直交している。図2Dの軸を使用すると、弾性チューブ32Dの形状の表現は、以下のとおりである。
x=t、y=z=0 (3)
式中、tは、x軸上の配置に対応するパラメータである。
【0051】
チューブ32について上述したように、いくつかの実施例の要素140では、すなわち、チューブ32Dは、約1mm~約3mmの範囲の外径を有する。開示された実施例では、外径は、約1.5mm~約3mmの範囲である。
【0052】
再び図1を参照すると、腎交感神経焼灼術は、患者の腎動脈又は腎静脈に上述の弾性チューブ32の1つを位置決めすることによって、患者28に実装されてもよい。選択された弾性チューブがそのように位置付けられると、IRE発生器39及び/又はRF発生器43が作動されて、アブレーションエネルギーを弾性チューブの選択された電極50に供給する。エネルギーは、選択された電極50と患者28の皮膚上の1つ以上の電極との間で、単極様式で供給されてもよい。代替的に又は追加的に、エネルギーは、電極50の1つ以上の選択された対の間に、双極様式で供給されてもよい。典型的には、IREアブレーションの場合、単極動作用の電極、又は双極動作用の選択された電極対は、IREアブレーションの効率を改善するために順次に選択される。後続の電極選択は、上記で引用された米国特許出願第16/701,989号に記載されている。
【0053】
本発明者らは、本開示の実施例によって達成される腎交感神経焼灼術が、本明細書に記載されるように、IREエネルギー及び/又はRFエネルギーを弾性チューブに適用して神経の神経節を死滅させ得ることである、と考える。すなわち、完全な神経を死滅させるのではなく、本開示の実施例は神経の神経節を死滅させるだけである。
【0054】
上記記載は、電極50の形状が楕円形であると想定したものである。しかしながら、本開示の範囲は、上述の楕円形以外の円筒対称性を有する形状、例えば、環状形状又は円筒形状を有する電極を含み、当業者は、このような代替形状のために、変更すべき点を変更して記載を修正することができることが、理解されよう。
【0055】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する用語「約」又は「およそ」とは、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において記載されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」とは、記載された値の±10%の値の範囲を意味してもよく、例えば、「約90%」とは、81%~99%の値の範囲を意味してもよい。
【実施例0056】
実施例1.カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)と、
挿入プローブの遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、挿入プローブの遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブ(32A、32B)と、
弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極(50)と、を備える、カテーテル。
【0057】
実施例2.弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、実施例1に記載のカテーテル。
【0058】
実施例3.弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、実施例1に記載のカテーテル。
【0059】
実施例4.平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、実施例1に記載のカテーテル。
【0060】
実施例5.アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、実施例1に記載のカテーテル。
【0061】
実施例6.アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、実施例1に記載のカテーテル。
【0062】
実施例7.内腔が、ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、実施例1に記載のカテーテル。
【0063】
実施例8.カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)と、
挿入プローブの遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び挿入プローブの遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブ(32C)と、
弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極(50)と、を備える、カテーテル。
【0064】
実施例9.螺旋形状の外径が5mmである、実施例8に記載のカテーテル。
【0065】
実施例10.カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)と、
挿入プローブの遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、挿入プローブの遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブ(32D)と、
弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
【0066】
実施例11.線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、実施例10に記載のカテーテル。
【0067】
実施例12.
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)を提供することと、
弾性チューブ(32A、32B)を、挿入プローブの遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、弾性チューブが、挿入プローブの遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極(50)を、弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【0068】
実施例13.弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、実施例12に記載の方法。
【0069】
実施例14.弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、実施例12に記載の方法。
【0070】
実施例15.平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、実施例12に記載の方法。
【0071】
実施例16.アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、実施例12に記載の方法。
【0072】
実施例17.アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、実施例12に記載の方法。
【0073】
実施例18.内腔が、ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、実施例12に記載の方法。
【0074】
実施例19.
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)を提供することと、
弾性チューブ(32C)を、挿入プローブの遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、弾性チューブが、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び挿入プローブの遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極(50)を、弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【0075】
実施例20.螺旋形状の外径が5mmである、実施例19に記載の方法。
【0076】
実施例21.
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブ(24)を提供することと、
弾性チューブ(32D)を、挿入プローブの遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、弾性チューブが、挿入プローブの遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーをヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
【0077】
実施例22.線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、実施例21に記載の方法。
【0078】
上述の実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で具体的に図示及び記載されるものに限定されない点が、理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上記の種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形形態及び修正を含む。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
(2) 前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0080】
(6) 前記アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記内腔が、前記ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
(9) 前記螺旋形状の外径が5mmである、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) カテーテルであって、
ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブと、
前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在し、非拘束状態である場合に、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブと、
前記弾性チューブに固定的に取り付けられ、アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された、複数の電極と、を備える、カテーテル。
【0081】
(11) 前記線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸を含む平面内に含まれる平面蛇行形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
(13) 前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の直線状要素を備える、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記弾性チューブが、単一の線形構成要素として一緒に連結された複数の曲線状要素を備える、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記平面蛇行形状が、2mm~6mmのピークからピークまでの値を有する、実施態様12に記載の方法。
【0082】
(16) 前記アブレーションエネルギーが、不可逆電気穿孔法(IRE)発生器によって提供されるIREエネルギーを含む、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記アブレーションエネルギーが、IRE発生器によって提供される高周波(RF)エネルギーを含む、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記内腔が、前記ヒト被検者の腎動脈及び腎静脈のうちの1つである、実施態様12に記載の方法。
(19) ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、1つの単一の螺旋を有する螺旋形状及び前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
(20) 前記螺旋形状の外径が5mmである、実施態様19に記載の方法。
【0083】
(21) ヒト被検者の内腔へと挿入するように構成された遠位端部を有する挿入プローブを提供することと、
弾性チューブを、前記挿入プローブの前記遠位端部から遠位に延在させることであって、非拘束状態である場合に、前記弾性チューブが、前記挿入プローブの前記遠位端部の長手方向軸と同一直線上にある軸を有する線形形状を有する、弾性チューブを延在させることと、
アブレーションエネルギーを前記ヒト被検者に伝達するように構成された複数の電極を、前記弾性チューブに固定的に取り付けることと、を含む、方法。
(22) 前記線形形状の外径が、1mm~3mmの範囲である、実施態様21に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
【外国語明細書】