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特開2023-25804監視装置、料金所装置、監視システム、監視方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025804
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】監視装置、料金所装置、監視システム、監視方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230216BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20230216BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230216BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G07B15/00 Z
G08B25/04 C
G08G1/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131167
(22)【出願日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利恵
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】今村 晋輔
【テーマコード(参考)】
3E127
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA16
3E127BA50
3E127CA12
3E127CA37
3E127CA56
5C087AA02
5C087AA19
5C087BB18
5C087DD02
5C087DD08
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG10
5C087GG12
5C087GG70
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181EE07
5H181EE10
5H181EE15
5H181MC17
5H181MC24
5H181MC25
(57)【要約】
【課題】インシデント情報を料金所間で共有し、料金所それぞれにおいてインシデントに対応する処理を速やかに実施できる監視装置を提供する。
【解決手段】監視装置は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成する作成部と、前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信する配信部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成する作成部と、
前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信する配信部と、
を備える監視装置。
【請求項2】
前記料金所装置から、前記料金所を通過する車両の車両特定情報を含む車両情報、または、前記料金所に設置された機器の状態を示す機器情報を受信する受信部を備え、
前記作成部は、前記車両情報または前記機器情報に基づいて前記インシデント情報を作成する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記車両情報は、前記料金所において前記車両によるインシデントが検出された場合に、当該インシデントに対応するインシデント種別情報を含み、
前記機器情報は、前記料金所に設置された前記機器に異常となるインシデントが発生した場合、当該インシデントに対応するインシデント種別情報を含み、
前記作成部は、複数のインシデント種別情報それぞれに対応する処理が予め設定された設定テーブルを参照して、前記車両情報または前記機器情報に含まれる前記インシデント種別情報に対応する処理を指定する指示情報を含む前記インシデント情報を作成する、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記インシデント情報は、前記料金所に応じて異なる指示情報を含む、
請求項3に記載の監視装置。
【請求項5】
前記作成部は、監視員によるインシデント種別情報の入力を受け付けて、前記インシデント情報を作成する、
請求項1から4の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項6】
前記配信部は、前記インシデントが解消した場合に、当該インシデントに関連する前記インシデント情報の除外を指示するインシデント除外情報を前記料金所の前記料金所装置に配信する、
請求項1から5の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項7】
料金所に設置された料金所装置であって、
監視装置から配信されたインシデント情報を自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、
前記インシデント情報に応じた処理を実施するインシデント処理部と、
を備える料金所装置。
【請求項8】
前記インシデント処理部は、インシデント種別情報と、処理内容とを関連付けた設定テーブルを参照して、前記インシデント情報に含まれる前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する、
請求項7に記載の料金所装置。
【請求項9】
前記インシデント処理部は、前記インシデント情報に実施すべき処理の内容を指定する指示情報が含まれている場合、当該指示情報に指定された処理を実施する、
請求項7または8に記載の料金所装置。
【請求項10】
前記料金所に到来した車両の車両特定情報を取得する車両情報取得部と、
前記料金所の識別情報と、前記車両特定情報とを含む車両情報を前記監視装置に送信する送信部と、
を備える請求項7から9の何れか一項に記載の料金所装置。
【請求項11】
前記料金所に設置された機器の異常の有無を検出する機器異常検出部を備え、
前記送信部は、前記機器の異常が検出された場合に、前記料金所の識別情報と、前記機器の異常の有無を示す情報とを含む機器情報を前記監視装置に送信する、
請求項10に記載の料金所装置。
【請求項12】
前記インシデント処理部は、前記車両情報取得部が取得した前記車両特定情報に紐づく前記インシデント情報が前記記録媒体に記録されている場合に、前記処理を実行する、
請求項10または11に記載の料金所装置。
【請求項13】
請求項1から6の何れか一項に記載の監視装置と、
請求項7から12の何れか一項に記載の料金所装置と、
を備える監視システム。
【請求項14】
インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成するステップと、
前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信するステップと、
を有する監視方法。
【請求項15】
監視装置のコンピュータに、
インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成するステップと、
前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置、料金所装置、監視システム、監視方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路で生じた事故等のインシデントの発生を通知する手段として、たとえば特許文献1には、事故等の発生が検出された場合に、街路灯を警戒色で点灯して、付近を走行する車両に通知する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-87883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、有料道路では、機器の故障や、天候、災害、事故等に起因する通行止めなどにより、料金所が一時的に閉鎖される場合がある。このとき、付近の車両に通知するだけではなく、有料道路の各料金所にどこでどのようなインシデントが発生したか(以下、「インシデント情報」とも記載する。)を伝達しなければならない。しかしながら、従来の有料道路のシステムでは、料金所等の収受員がインシデントを発見した場合に、電話等で他の料金所にインシデント情報を伝達するマニュアルオペレーションでの対応が行われている。このような対応は、収受員の作業負荷が大きく、また、インシデントの影響を受ける全ての料金所にインシデント情報を速やかに伝達することが困難であった。このため、各料金所におけるインシデントの対処が遅延する可能性があった。
【0005】
本開示は、インシデント情報を料金所間で共有し、料金所それぞれにおいてインシデントに対応する処理を速やかに実施できる監視装置、料金所装置、監視システム、監視方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、監視装置は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成する作成部と、前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信する配信部と、を備える。
【0007】
また、本開示の一態様によれば、料金所に設置された料金所装置は、監視装置から配信されたインシデント情報を自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、前記インシデント情報に応じた処理を実施するインシデント処理部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様によれば、監視システムは、上述の監視装置と、上述の料金所装置と、を備える。
【0009】
また、本開示の一態様によれば、監視方法は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成するステップと、前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信するステップと、を有する。
【0010】
また、本開示の一態様によれば、プログラムは、監視装置のコンピュータに、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成するステップと、前記インシデント情報を、前記インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置に配信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上述の各態様によれば、インシデント情報を料金所間で共有し、料金所それぞれにおいてインシデントに対応する処理を速やかに実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る監視システムの全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る監視装置の機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る料金所装置の機能構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る料金所通知情報の例を示す第1の図である。
図5】第1の実施形態に係る料金所通知情報の例を示す第2の図である。
図6】第1の実施形態に係るインシデント情報の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る全インシデント情報テーブルの例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る設定テーブルの例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る監視装置の処理フローを示す図である。
図10】第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第1の図である。
図11】第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第1の図である。
図12】第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第2の図である。
図13】第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第2の図である。
図14】第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第3の図である。
図15】第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る監視システムについて、図を参照しながら説明する。
【0014】
(料金収受システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る監視システムの全体構成を示す図である。
図1に示す監視システム9は、有料道路Uの料金所等において発生したインシデントに関する情報を料金所間で共通し、各料金所においてインシデントに対する処理を実施させるためのものである。
【0015】
インシデントとは、たとえば、料金所に設置された各種機器の故障や、天候、事故等に伴う通行止めなどであって、料金所において一部または全ての車線を閉鎖するといった対処が求められる事象である。また、インシデントとは、不正通行車両(軸重オーバー、違法改造等)が検出された場合に、当該不正通行車両に対する取り締まり(通報、割増料金の課金等)といった対処が求められる事象であってもよい。
【0016】
有料道路Uの構成について説明する。
図1に示すように、有料道路Uは、本線LM上に入口料金所G2、出口料金所G3、および、本線料金所G4を有する。本実施形態に係る有料道路Uは、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標))を利用して通行料金の収受処理を行っている。電子式料金収受システムは、料金所の各車線(レーン)に設置された無線通信装置と、車両に搭載された車載器とが無線通信を行うことで、走行中の車両に対し自動的に料金収受処理(決済処理)を行うことを可能とする。なお、他の実施形態では、有料道路Uの各料金所には収受員が駐在し、収受員が料金所に到来した車両の搭乗者(利用者)から通行料金を収受する態様であってもよい。
【0017】
入口料金所G2には一般道路から有料道路Uに進入しようとする車両が到来する。車両は、流入車線L2を走行して入口料金所G2に到来し、入口料金所G2の通過後、有料道路Uを走行する。なお、図示を省略しているが、入口料金所G2の各車線には、到来した車両Aの車載器Cとの間で無線通信を行うための無線通信装置や、車両Aの特徴(車軸数等)の検出結果に基づいてその車種区分を特定可能な車種判別装置などが設けられている。
【0018】
また、出口料金所G3には有料道路Uから一般道路に退出しようとする車両が到来する。車両は、有料道路Uを走行して出口料金所G3に到来し、出口料金所G3の通過後、流出車線L3を走行して一般道路に戻る。出口料金所G3の各車線には、到来した車両に対し無線通信による課金処理を行う無線通信装置、徴収された課金額を即時通知するための路側表示器などが設けられている。
【0019】
本線料金所G4は、本線LM上に設けられた料金所であり、集約料金所ともいう。本線料金所G4では、有料道路Uの本線LMを走行する車両が通過する。なお、本線料金所G4の各車線には、入口料金所G2と同様の無線通信装置、車種判別装置などが設けられている。
【0020】
有料道路Uには入口FF車線L2Fが設けられている。入口FF車線L2Fは、FF(フリーフロー)車線であり、料金所ゲートが設けられていない流入車線である。なお、入口FF車線L2Fの路側には無線通信装置は設けられているが、車種判別装置は設けられていない。
【0021】
次に、監視システム9について説明する。
図1に示すように、監視システム9は、監視装置1と、料金所装置2とを備えている。
【0022】
監視装置1は、広域通信網を介して有料道路Uの各料金所やFF車線に設置された料金所装置2と通信可能に接続されており、各料金所装置2から逐次受信する料金所通知情報に基づいて、インシデント情報を作成する。そして、監視装置1は、インシデント情報を各料金所装置2に向けて配信する。料金所通知情報およびインシデント情報の詳細については後述する。
なお、監視装置1は、電子式料金収受システムにおける中央課金処理装置であってもよい。中央課金処理装置は、各料金所装置2から各料金所を通過した車両に関する車両情報を収集して、有料道路Uを走行する全車両に関する情報を各料金所装置2に配信する。そうすると、料金所装置2は、配信された車両情報を参照して、車両に対する課金処理を実施する。
【0023】
料金所装置2は、料金所に到来した車両に関する車両情報、または、料金所に設置された各種機器(無線通信装置、車種判別装置等)に関する機器情報を含む料金所通知情報を監視装置1に送信する。
また、料金所装置2は、監視装置1から配信されたインシデント情報をローカルの(自装置内の)記録媒体に保存している。料金所装置2は、インシデント情報を参照して、インシデントに対応する処理を実施する。
【0024】
なお、本実施形態に係る料金所装置は、各料金所に設置される課金処理装置(入口課金処理装置2A、出口課金処理装置2B、本線課金処理装置2C、入口FF課金処理装置2D)である。入口課金処理装置2A、出口課金処理装置2B、本線課金処理装置2Cは、それぞれ、入口料金所G2、出口料金所G3、本線料金所G4に設置される。これら料金所に複数の車線が存在する場合、課金処理装置は、その車線ごとに設置される。また、入口FF課金処理装置2Dは、入口FF車線L2F上に設置される。
課金処理装置は、料金所の車線を通過する車両に対し、通行料金の課金に係る各種処理を行う。たとえば、課金処理装置は、無線通信装置を通じて車載器Cから取得した車両特定情報(たとえば、車載器ID)と、車種判別装置が判別した車種区分情報とを含む車両情報(料金所通知情報)を生成して、監視装置1に送信する。車両情報の詳細については後述する。なお、車種判別装置が設置されていない場所(たとえば、出口料金所G3および入口FF車線L2F)では、課金処理装置が送信する車両情報には、車種判別装置によって判別される車種区分情報が含まれない。
【0025】
(監視装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る監視装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、監視装置1は、CPU10と、メモリ11と、通信インタフェース12と、入出力インタフェース13と、記録媒体14とを備えている。
【0026】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU10の機能については後述する。
メモリ11は、いわゆる主記憶装置であって、CPU10の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース12は、広域通信網を介して各課金処理装置と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
入出力インタフェース13は、表示装置15、入力装置16等の機器と接続するための接続インタフェースである。表示装置15は、液晶ディスプレイ等のモニタである。入力装置16は、キーボード、マウス等の入力機器である。なお、表示装置15および入力装置16は、タッチパネルのように一体に形成された機器であってもよい。
記録媒体14は、いわゆる補助記憶装置であって、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体14には全インシデント情報テーブルT1と、インシデント情報の作成時に参照される設定テーブルT2が記録される。
【0027】
次に、監視装置1のCPU10の機能について説明する。
【0028】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、受信部101、作成部102、および配信部103としての機能を発揮する。
【0029】
受信部101は、各料金所装置2から料金所通知情報を受信する。料金所通知情報は、料金所を通過した車両に関する車両情報、または料金所に設置された機器に関する機器情報を含む。
【0030】
作成部102は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報を作成する。作成部102は、監視員が入力装置16を通じて入力した情報に基づいて、インシデント情報を作成する。
【0031】
たとえば、監視員は、表示装置15に表示された料金所の監視カメラ(後述)の映像等を確認して車両Aの不正通行などのインシデントを発見した場合や、事故や天候に伴う通行止め等のインシデントを発見または予測した場合に、監視装置1の入力装置16を通じて、インシデントを報告する操作(インシデント種別情報等の入力操作)を行う。
これにより、監視装置1は、車種判別装置26のセンサ機器などで自動的に検出することが困難なインシデント(たとえば、改造車両の不正通行、料金所の機器に衝突するなどして損傷を与えた車両の通行、通行止め等)を監視員の操作を通じて検出して、インシデント情報を作成することができる。
【0032】
なお、作成部102は、各料金所装置2から受信した車両情報または機器情報にインシデント種別情報が含まれている場合に、自動的に当該インシデント種別情報を含むインシデント情報を作成してもよい。
【0033】
また、作成部102は、インシデント情報を集約した全インシデント情報テーブルT1の作成および更新を行う。作成部102は、全インシデント情報テーブルT1に記録されたインシデントが解消した場合に、当該インシデントに関するインシデント情報を全インシデント情報テーブルT1から除外する。
【0034】
配信部103は、作成部102によって作成されたインシデント情報を各料金所装置2に配信する。また、配信部103は、作成部102が全インシデント情報テーブルT1からインシデント情報を除外した場合に、当該インシデント情報の除外を指示するインシデント除外情報を各料金所装置2に配信する。
【0035】
(料金所装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る料金所装置の機能構成を示す図である。
図3に示すように、料金所装置2は、CPU20と、メモリ21と、通信インタフェース22と、路側機器インタフェース23と、記録媒体24とを備えている。
【0036】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU20の機能については後述する。
メモリ21は、CPU20の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース22は、広域通信網を介して監視装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース23は、料金所の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置25、車種判別装置26、監視カメラ27、案内表示装置28)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体24は、料金所装置2内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体24には、監視装置1から配信されたインシデント情報が記録される。
【0037】
次に、料金所装置2に接続される路側機器(無線通信装置25、車種判別装置26、監視カメラ27、案内表示装置28)について説明する。
【0038】
無線通信装置25は、料金所に到来した車両Aの車載器C(図1)との間でDSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いた無線通信を行い、車載器Cに記録された各種情報(車載器ID、ICカード情報、ナンバープレート情報など)を取得する。車載器Cに記録された各種情報は、その車両を一意に特定可能な車両特定情報である。
【0039】
車種判別装置26は、走行中の車両Aの車種区分を特定可能とする装置である。車種判別装置26は、踏板や車両検知器などのセンサ機器を通じて、車線を通過する車両Aの特徴(車軸数等)を検出し、検出した特徴に基づいて車両の車種区分情報を特定する。また、車種判別装置26は、レーザセンサや重量計などのセンサ機器を通じて、車両Aの特徴(車高、車長、車幅、軸重、総重量等)を検出してもよい。
【0040】
監視カメラ27は、料金所の車線を監視するためのカメラであって、車線を通過する車両Aを撮影する。監視カメラ27が撮影した映像は、監視装置1の表示装置15にリアルタイムで表示される。
【0041】
案内表示装置28は、料金所装置2の制御により、料金所において利用者に情報を通知するための電光掲示板等である。たとえば、案内表示装置28は、料金所装置2によるインシデントに対応する処理の一つとして、利用者に対してインシデントに関する案内情報を表示する。
【0042】
次に、料金所装置2のCPU20の機能について説明する。
【0043】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部201、車両情報取得部202、機器異常検出部203、送信部204、およびインシデント処理部205としての機能を発揮する。
【0044】
記録処理部201は、監視装置1から配信されたインシデント情報D3をローカルの記録媒体24に記録する。また、記録処理部201は、監視装置1からインシデント除外情報が配信された場合に、対応するインシデント情報D3を記録媒体24から削除する。
【0045】
車両情報取得部202は、無線通信装置25および車種判別装置26を通じて、料金所に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報と、車両の車軸数等の検出結果を用いて判別された車種区分情報とが含まれる。
また、車種判別装置26から取得した車両情報には、車両特徴情報(車高、車長、車幅、軸重、総重量等)が更に含まれていてもよい。車両情報取得部202は、車両Aの車両特徴情報の少なくとも一つが有料道路Uに規定された上限値を超過していた場合、当該車両Aが不正通行を行ったと判断してもよい。
なお、車種判別装置26が設置されていない料金所においては、車両情報取得部202が取得する車両情報には、車種区分情報および車両特徴情報は含まれていない。
【0046】
機器異常検出部203は、料金所に設置された各種機器(特に、無線通信装置25、車種判別装置26)の故障などの異常の有無を検出する。
【0047】
送信部204は、料金所通知情報を監視装置1に送信する。料金所通知情報は、料金所を通過する車両Aの車両特定情報を含む車両情報、または、料金所に設置された機器の状態を示す機器情報である。
送信部204は、料金所の車線を通過する車両Aの存在を検出すると、当該車両Aの車両情報を監視装置1に送信する。
なお、車両情報取得部202が車両Aの不正通行(たとえば軸重オーバー等)を検出した場合、送信部204は、不正通行を示すインシデント種別情報を含む車両情報を監視装置1に送信する。
また、送信部204は、機器異常検出部203が機器の異常を検出すると、当該機器の識別情報と、機器異常発生を示すインシデント種別情報とを含む機器情報を監視装置1に送信する。なお、送信部204は、機器異常検出部203が機器の復旧を検出した(異常が検出されなくなった)場合、当該機器の識別情報と、機器復旧を示すインシデント種別情報とを含む機器情報を監視装置1に送信してもよい。
【0048】
インシデント処理部205は、記録媒体24に記録されているインシデント情報D3に応じた処理を実施する。
【0049】
(料金所通知情報の例)
図4は、第1の実施形態に係る料金所通知情報の例を示す第1の図である。
図5は、第1の実施形態に係る料金所通知情報の例を示す第2の図である。
以下、図4図5を参照しながら、各料金所の料金所装置2で逐次取得され、監視装置1に送信される料金所通知情報(車両情報D1、機器情報D2)の内容について詳しく説明する。
【0050】
図4に示すように、車両情報D1には、「車両特定情報」(本実施形態においては「車載器ID」)、「料金所番号」、「車線番号」、「処理日時」、「ICカード情報」、「車種区分情報」、「ナンバープレート情報」、「インシデント種別情報」、「車両画像データ」などが含まれる。
【0051】
料金所装置2の車両情報取得部202が取得する車両情報D1のうち、「車両特定情報(車載器ID)」、「ICカード情報」、「ナンバープレート情報」などは、無線通信装置25による車載器Cとの無線通信を通じて得られる情報である。また、「車種区分情報」は、車種判別装置26を通じて得られる車種区分情報である。「インシデント種別情報」は、料金所装置2が車両Aの不正通行を検出した場合に、「不正通行」を示すインシデント種別情報が入力されている。なお、料金所装置2が不正通行を検出しなかった場合は、「インシデント種別情報」は含まれない。「画像データ」は、車両検知器により車両の存在が検出されている間に、監視カメラ27が撮影した画像データである。監視員は、車両情報D1に含まれる画像データ(過去の映像)を監視装置1の表示装置15に表示して、車両Aの不正通行等のインシデントの有無を確認してもよい。
【0052】
車種判別装置26が設置されていない場所、すなわち、出口料金所G3、入口FF車線L2Fに設置された料金所装置2は、車両情報取得部202は車種区分情報および車両特徴情報を取得することができない。このため、このような場所では、車両情報取得部202が取得する車両情報D1には「車種区分情報」および「インシデント種別情報」が含まれない。なお、入口FF車線L2Fから有料道路Uに進入した車両については、後に本線料金所G4を通過する際に、本線料金所G4の料金所装置2(本線課金処理装置2C)が車種区分情報および車両特徴情報を取得する。したがって、監視装置1は、車両が本線料金所G4を通過したときに、この車両の「車種区分情報」および「インシデント種別情報」を含む車両情報D1を取得することができる。
【0053】
また、図5に示すように、機器情報D2には、「料金所番号」、「車線番号」、「検出日時」、「機器識別情報」、「インシデント種別情報」などが含まれる。「機器識別情報」は、たとえば機器種別(無線通信装置、車種判別装置、踏板等の別)を特定可能な情報である。「料金所番号」、「車線番号」、及び「機器識別情報」の組み合わせにより、その機器を一意に特定することができる。「インシデント種別情報」には、料金所装置2が機器の異常を検出場合に「機器異常発生」を示すインシデント種別情報が入力され、異常からの復旧を検出した場合に機器復旧を示すインシデント種別情報が入力される。
【0054】
(インシデント情報および全インシデント情報テーブルの例)
図6は、第1の実施形態に係るインシデント情報の例を示す図である。
図7は、第1の実施形態に係る全インシデント情報テーブルの例を示す図である。
図8は、第1の実施形態に係る設定テーブルの例を示す図である。
以下、図6図8を参照しながら、監視装置1が作成するインシデント情報D3および全インシデント情報テーブルT1のデータの内容について詳しく説明する。
【0055】
図6に示すように、インシデント情報D3には、「ID」、「料金所番号」、「車線番号」、「発生日時」、「インシデント種別情報」、「機器識別情報」、「車両特定情報」、「指示情報」、「対象料金所番号」などが含まれる。
【0056】
インシデント情報D3に含まれる情報のうち、「料金所番号」、「車線番号」、「発生日時または検出日時」、「機器識別情報」、および「車両特定情報」は、料金所装置2から取得した車両情報D1または機器情報D2に含まれる情報である。「ID」は、インシデント情報D3それぞれに付された識別情報(連番など)であり、作成部102がインシデント情報D3を作成する際に自動的に入力される。「インシデント種別情報」は、監視員がインシデントに応じて入力した情報、または、車両情報D1若しくは機器情報D2に含まれる情報である。
【0057】
インシデント情報D3に含まれる「指示情報」および「対象料金所番号」は、インシデント種別情報に対応して、どの料金所でどのような処理を実施するかを指定する情報である。「指示情報」および「対象料金所番号」は、監視員により監視装置1の入力装置16を介して手入力されたものである。
【0058】
なお、図8に示す設定テーブルT2において、インシデント種別情報に対応する「指示情報(料金所で実施する処理)」および「対象料金所情報(処理を実施する料金所)」が予め設定されていてもよい。
この場合、監視員が入力したインシデント種別情報に紐づく「指示情報」および「対象料金所情報」が設定テーブルT2から自動的に読み出されて、インシデント情報D3に入力されてもよい。
同様に、車両情報D1および機器情報D2に「インシデント種別情報」が含まれている場合、このインシデント種別情報に紐づく「指示情報」および「対象料金所情報」が設定テーブルT2から自動的に読み出されて、インシデント情報D3に入力されてもよい。
また、設定テーブルT2の「対象料金所情報」は、たとえば、インシデントが検出された料金所(インシデント情報D3の「料金所番号」で特定される料金所)を基準として、「下流側の全ての料金所」、「上流側の全ての入口料金所または入口FF車線」、「下流側のn個の出口料金所」のように指定される。このとき、インシデント情報D3の「対象料金所番号」は、インシデント情報D3の「料金所番号」および設定テーブルT2の「対象料金所情報」に基づいて自動的に設定される。
【0059】
また、図8は、監視装置1の作成部102が作成する全インシデント情報テーブルT1の内容を示している。図8に示すように、全インシデント情報テーブルT1は、監視装置1の作成部102が作成したインシデント情報D3が集約されてなる。
【0060】
(監視装置の処理フロー)
図9は、第1の実施形態に係る監視装置の処理フローを示す図である。
以下、図9を参照しながら、監視装置1が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図9に示す処理フローは、監視装置1により、定期的に(例えば、数秒、数分または数十分に1回の周期等、有料道路上の入口から出口までに見込まれる最短の時間よりも短い周期で)繰り返し実行される。
【0061】
まず、監視装置1の受信部101は、各料金所から料金所通知情報を取得する(ステップS11)。具体的には、受信部101は、各料金所に車両が到来する度に、料金所装置2から車両情報D1(図4)を受信する。また、受信部101は、各料金所で機器異常発生または機器復旧が検出される度に、料金所装置2から機器情報D2(図5)を受信する。
【0062】
次に、監視装置1の作成部102は、インシデントが検出されたか判定する(ステップS12)。
【0063】
たとえば、監視員は、監視装置1の表示装置15を通じて、料金所の監視カメラ27の映像を監視する。監視員は、映像から車両Aの不正通行等を発見した場合や、気象情報などから通行止め(料金所の閉鎖)が必要であると予測した場合などに、監視装置1の入力装置16を通じて、インシデントを報告するための操作(たとえば、インシデント報告ボタンの押下)を行う。
作成部102は、監視員がインシデント報告のための操作を行うと、インシデントを検出したと判定する(ステップS12;YES)。
【0064】
また、作成部102は、料金所装置2から取得した車両情報D1または機器情報D2にイベント識別情報が含まれている場合、インシデントを検出したと判定してもよい(ステップS12;YES)。
【0065】
次に、作成部102は、検出されたインシデントに関するインシデント情報D3を作成する(ステップS13)。
【0066】
監視員がインシデント報告操作を行った場合、監視装置1は、入力装置16を通じて、インシデント種別情報等の入力を受け付ける。そうすると、作成部102は、入力された情報に基づいてインシデント情報D3(図6)を作成する。
たとえば、作成部102は、監視員により選択された料金所通知情報(車両情報D1または機器情報D2)の「料金所番号」と、「車線番号」と、「処理日時」または「検出日時」と、「機器識別情報」または「車両特定情報」とを含むインシデント情報D3を作成する。
また、作成部102は、監視員から入力された「指示情報」および「対象料金所番号」を作成したインシデント情報D3に追加する。なお、監視員は、「指示情報」および「対象料金所番号」に任意の情報を入力してもよいし、設定テーブルT2(図8)からインシデント種別情報に対応するものを選択して入力してもよい。また、作成部102は、監視員がインシデント種別情報を入力すると、設定テーブルT2(図8)から対応する「指示情報」および「対象料金所情報」を自動的に選択して、インシデント情報D3に追加してもよい。
なお、インシデント情報D3の「指示情報」は、対象料金所ごとに異なる内容であってもよい。
【0067】
次に、監視装置1の配信部103は、作成したインシデント情報D3を対象料金所に配信する(ステップS14)。各料金所装置2は、受信したインシデント情報D3を記録媒体24に記録する。
【0068】
また、インシデントが検出されなかった場合(ステップS12;NO)、作成部102はインシデントの解消を検出したか更に判定する(ステップS15)。
【0069】
たとえば、監視員は、監視カメラ27の映像などから、全インシデント情報テーブルT1に記録されたインシデントが解消されたことがわかると、監視装置1の入力装置16を通じて、インシデント解消を報告するための操作(たとえば、インシデント除外ボタンの押下)を行う。
作成部102は、監視員がインシデント解消報告のための操作を行うと、インシデントの解消を検出したと判定する(ステップS15;YES)。
【0070】
また、作成部102は、料金所装置2から取得した車両情報D1または機器情報D2にインシデント解消に関するイベント識別情報が含まれている場合、インシデントの解消を検出したと判定してもよい(ステップS15;YES)。
たとえば、出口料金所G3の料金所装置2から、不正通行車両の通過(有料道路Uからの退出)が検出されたことを示す車両情報D1を受信した場合、当該不正通行車両に関するインシデントが解消したと判定する。また、機器情報D2に機器復旧を示すインシデント種別情報が含まれていた場合、この機器の異常に関するインシデントが解消したと判定する。
【0071】
そうすると、作成部102は、解消が検出されたインシデントに関するインシデント除外情報を作成する(ステップS16)。
【0072】
次に、配信部103は、作成したインシデント除外情報を対象料金所に配信する(ステップS17)。各料金所装置2は、受信したインシデント除外情報に対応するインシデント情報D3を記録媒体24から削除する。たとえば、インシデント除外情報には、対応するインシデント情報D3の「ID」が含まれており、料金所装置2は、インシデント除外情報に含まれるIDに紐づくインシデント情報D3を削除する。
【0073】
なお、インシデントの発生および解消の何れも検出されなかった場合(ステップS12;NO、且つ、ステップS15;NO)、監視装置1はインシデント情報およびインシデント除外情報の作成を行わずに処理を終了する。
【0074】
(料金所装置の処理フロー1)
図10は、第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第1の図である。
図11は、第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第1の図である。
以下、図10図11を参照しながら、監視装置1からインシデント情報またはインシデント除外情報が配信ときに料金所装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図10に示す処理フローは、料金所装置2がインシデント情報またはインシデント除外情報を受信する度に繰り返し実行される。
【0075】
まず、料金所装置2の記録処理部201は、監視装置1から配信されたインシデント情報D3またはインシデント除外情報を受信する(ステップS21)。
【0076】
記録処理部201は、受信した情報がインシデント情報D3である場合(ステップS22;YES)、受信したインシデント情報D3を記録媒体24に記録する(ステップS23)。
【0077】
また、料金所装置2のインシデント処理部205は、インシデント情報D3の指示情報を参照して、すぐに実施すべき処理がある場合、指定された処理を実行する(ステップS24)。
【0078】
記録処理部201は、受信した情報がインシデント除外情報である場合(ステップS22;NO)、対応するインシデント情報D3を記録媒体24から削除する(ステップS25)。
【0079】
また、インシデント処理部205は、削除したインシデント情報D3の指示情報に基づいて実施していた処理がある場合、この処理の実施を終了する(ステップS26)。
【0080】
たとえば、図11に示すように、有料道路Uの一部において通行止めが必要になったとする。そうすると、監視装置1は、監視員の入力操作に基づき、通行止めに関するインシデント情報D3を作成し、対象料金所に配信する。このインシデント情報D3では、以下のように、対象料金所ごとに異なる処理を指定する指示情報が含まれている。
処理A:通行止め区間に含まれる入口料金所G2b、出口料金所G3b、および通行止め区間の上流側の入口料金所G2aにおいて、料金所を閉鎖する処理を実施する。
処理B:通行止め区間よりも上流側の出口料金所G3aにおいて、車両を無料で退出させる処理を実施する。
【0081】
入口料金所G2a、入口料金所G2b、および出口料金所G3bの料金所装置2は、それぞれ、このインシデント情報D3を受信すると(ステップS21、ステップS22;YES)、これを記録媒体24に記録する(ステップS23)。また、インシデント情報D3に含まれる指示情報で指定された処理(処理A)は、常時実施が必要なものである。このため、料金所装置2のインシデント処理部205は、指示情報で指定された料金所の閉鎖処理を実施する(ステップS24)。たとえば、インシデント処理部205は、全ての車線のETCゲートを閉鎖して、案内表示装置28に「通行止め」、「料金所閉鎖」等の案内を表示する処理を行う。
【0082】
一方、出口料金所G3aの料金所装置2は、このインシデント情報D3を受信すると(ステップS22;YES)、これを記録媒体24に記録する(ステップS23)。また、インシデント情報D3に含まれる指示情報で指定された処理(処理B)は、常時実施が必要なものではなく、車両を検知したときに実施すればよい。このため、料金所装置2のインシデント処理部205は、この時点では処理を実施せずに、後述の図12に示す処理フローにしたがい、車両を検知したときに指定された処理を実施する。
【0083】
また、通行止めが解消されると、監視装置1は、監視員の入力操作に基づき、当該通行止めのインシデント除外情報を作成し、対象料金所に配信する。
【0084】
入口料金所G2a、入口料金所G2b、および出口料金所G3bの料金所装置2は、それぞれ、このインシデント除外情報を受信すると(ステップS21、ステップS22;NO)、対応するインシデント情報D3を記録媒体24から削除する(ステップS25)。また、インシデント情報D3の指示情報に基づき実施していた処理(料金所の閉鎖処理)を終了する(ステップS26)。たとえば、インシデント処理部205は、全ての車線のETCゲートを稼働させて、案内表示装置28に「通行可」等の案内を表示する処理を行う。
【0085】
一方、出口料金所G3aの料金所装置2は、このインシデント除外情報を受信すると(ステップS21、ステップS22;NO)、対応するインシデント情報D3を記録媒体24から削除する(ステップS25)。インシデント情報D3の指示情報により実施中の処理がない場合は、料金所装置2は、これで処理を終了する。
【0086】
(料金所装置の処理フロー2)
図12は、第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第2の図である。
図13は、第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第1の図である。
以下、図12図13を参照しながら、料金所に車両が到来したときに料金所装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図12に示す処理フローは、料金所装置2により、車両Aの通行を検知する度に繰り返し実行される。
【0087】
まず、料金所装置2は、料金所の車線を走行する車両を検知する(ステップS31)。
【0088】
次に、料金所装置2の車両情報取得部202は、無線通信装置25および車種判別装置26を通じて、車両の車両特定情報(車載器ID)等を含む車両情報D1を取得する(ステップS32)。このとき、車両情報取得部202は、車種判別装置26から取得した車両特徴情報に基づいて、車両の軸重などが有料道路Uに規定された上限値を超過していることを検出した場合、「不正通行車両」を示すインシデント種別情報を車両情報D1に含めてもよい。
【0089】
次に、料金所装置2は、当該車両に関連するインシデント情報D3が記録媒体24に記録されているか判定する(ステップS33)。
【0090】
車両の車両特定情報に紐づくインシデント情報D3が記録されていない場合(ステップS33;NO)、料金所装置2の送信部204は、この車両の車両情報D1を監視装置1に送信する(ステップS35)。
【0091】
他方、車両の車両特定情報に紐づくインシデント情報D3が記録されている場合(ステップS33;YES)、料金所装置2のインシデント処理部205は、インシデント情報D3の「指示情報」に指定された処理を実行する(ステップS34)。
たとえば、図11の例のように、出口料金所G3aでは、車両を無料で退出させる処理を指定されていたとする。このとき、出口料金所G3aに設置された料金所装置2のインシデント処理部205は、車両Aの課金額を無料にして課金処理を実施する。
その後、料金所装置2の送信部204は、この車両の車両情報D1を監視装置1に送信する(ステップS35)。
【0092】
また、たとえば、図13に示すように、入口料金所G2aにおいて、車両Aを検知したとする(ステップS31)。このとき、入口料金所G2aに設置された料金所装置2の車両情報取得部202は、無線通信装置25および車種判別装置26を通じて、車両Aの車両情報D1を取得する(ステップS32)。
料金所装置2のインシデント処理部205は、車両Aの車両特定情報に紐づくインシデント情報D3が記録されていない場合(ステップS33;NO)、この車両Aの車両情報D1を作成して、監視装置1に送信する(ステップS35)。
【0093】
また、監視員は、監視装置1の表示装置15を介して、入口料金所G2aの監視カメラ27の映像を監視しているとする。監視員は、映像から、入口料金所G2aを通過した車両Aが改造車(不正通行車両)であると判断した場合、監視装置1を通じてインシデント報告操作を行い、当該車両Aに関するインシデント情報D3を作成する。このインシデント情報D3には、車両Aが進入した入口料金所G2aよりも下流側に位置する全ての出口料金所G3(図11の出口料金所G3b、G3c)を対象料金所として、当該車両Aの取締処理の実施を指示する情報が含まれる。このインシデント情報D3は、対象料金所である出口料金所G3b、G3cの料金所装置2に配信される。
【0094】
そして、不正通行車両と判断された車両Aが、出口料金所G3cに到来したとする。出口料金所G3cに設置された料金所装置2は、車両Aを検知すると(ステップS31)、無線通信装置25および車種判別装置26を通じて、この車両Aの車両情報D1を取得する(ステップS32)。また、料金所装置2のインシデント処理部205は、この車両Aの車両特定情報に紐づくインシデント情報D3が記録されているので(ステップS33;YES)、インシデント情報D3の指示情報にしたがい処理を実施する(ステップS34)。この例では、インシデント処理部205は、指示情報で指定された車両Aの取締処理を実施する。取締処理は、たとえば、ETCゲートを閉鎖して車両Aの出口料金所G3cからの退出を規制する、車両Aに対し割増料金を課金する、取締機関に通報する等の処理である。
【0095】
なお、図12のステップ32において、車両情報取得部202は、車種判別装置26から取得した車両特徴情報に基づいて、軸重オーバー等の不正通行を自動的に検出してもよい。この場合、車両情報D1に不正通行を示すインシデント識別情報が追加されて監視装置1に送信される。監視装置1は、この車両情報D1に基づいて、図13に示すようなインシデント情報D3を自動的に作成して配信するようにしてもよい。
【0096】
(料金所装置の処理フロー3)
図14は、第1の実施形態に係る料金所装置の処理フローを示す第3の図である。
図15は、第1の実施形態に係る料金所装置の機能を説明するための第3の図である。
以下、図12図13を参照しながら、機器異常または機器復旧が検出されたときに料金所装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図14に示す処理フローは、料金所装置2により定期的に繰り返し実行される。
【0097】
まず、料金所装置2の機器異常検出部203は、料金所に設置された機器それぞれの状態を監視する(ステップS41)。
【0098】
機器異常検出部203が機器の異常を検出した場合(ステップS42;YES)、料金所装置2の送信部204は、機器異常発生を示す機器情報D2を監視装置1に送信する(ステップS43)。たとえば、機器異常検出部203は、各機器に対して定期的に信号を出力し、所定時間以上、当該信号に対する応答信号を受信できない場合に、異常を検出する。
【0099】
一方、機器異常検出部が、機器の異常が解消されたことを検出した場合(ステップS42;NO、且つステップS45;YES)、送信部204は、機器復旧を示す機器情報D2を監視装置1に送信する(ステップS46)。たとえば、機器の修理、交換、再起動などを行ったことにより、機器からの応答信号が受信できるようになった場合、機器異常検出部203は、この機器の復旧を検出する。
【0100】
たとえば、図15に示すように、入口料金所G2aに設置された料金所装置2の機器異常検出部203は、車種判別装置26が故障し、入口料金所G2aを通過する車両Aの車種区分情報が取得できなくなったことを検出したとする(ステップS42;YES)。この場合、送信部204は、機器異常発生(車種判別装置の故障)を示す機器情報D2を監視装置1に送信する(ステップS43)。そうすると、監視装置1は、この機器情報D2に基づいて自動的に、または、監視員の入力操作に従って、車種判別装置の故障に関するインシデント情報D3を作成し、対象料金所に配信する。図15の例では、入口料金所G2aよりも下流側の全ての出口料金所G3(G3b、G3c)において、入口料金所G2aを通過した車両を停車させる処理を指定するインシデント情報D3が配信される。
【0101】
また、このインシデント情報D3を受信した出口料金所G3b、G3cの料金所装置2は、図12に示す処理フローにしたがい、入口料金所G2aを通過した車両Aを検知したときに指定された処理を実施する。図13の例では、出口料金所G3cの料金所装置2のインシデント処理部205は、入口料金所G2aを通過した車両Aを検知すると、ETCゲートを閉鎖したままにして車両を停車させる処理を実施する。また、インシデント処理部205は、出口料金所G3cの収受員に対し、車両Aの車種区分情報を目視確認して、課金処理を行うように通知する処理を実施する。収受員は、この通知にしたがい、車両Aの課金処理に係る応対を行う。
なお、車両Aがどの入口料金所G2を通過したかを示す情報(入口料金所番号)は、たとえば車両Aが入口料金所G2を通過する際に車載器Cに書き込まれる。出口料金所G3cにおいて、料金所装置2の車両情報取得部202は、無線通信装置25を通じて車両Aの車載器Cから入口料金所番号を取得する。
また、監視装置1は、入口料金所G2から収集した車両情報D1(通過した入口料金所番号と車両特定情報を含む)を、各出口料金所G3に配信してもよい。この場合、出口料金所G3cの料金所装置2は、車両Aの車載器Cから取得した車両特定情報に紐づく車両情報D1を参照して、この車両Aがどの入口料金所G2を通過したか特定する。
【0102】
(作用、効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る監視装置1は、インシデントが検出された場合に、インシデント種別情報を含むインシデント情報D3を作成し、対象料金所の料金所装置2に配信する。
このようにすることで、監視装置1は、通行止め、不正通行などのインシデントが発生した場合に、これを関係する料金所間で速やかに共有することができる。これにより、各料金所において、このインシデントへの対処を即座に実施させることが可能となる。
【0103】
また、料金所装置2は、監視装置1から配信されたインシデント情報に応じた処理を実施する。
これにより、料金所装置2は、インシデントが発生したときに、当該インシデントへの対処を速やかに実施することができる。
【0104】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態に係る料金所装置2において、インシデント処理部205は、監視装置1から配信されるインシデント情報D3に含まれている指示情報に基づいて処理を実施していたが、これに限られることはない。
他の実施形態では、インシデント処理部205は、インシデント情報D3に含まれるインシデント種別情報に応じた処理を自身で選択して実施するようにしてもよい。この場合、インシデント情報D3の指示情報は省略される。
【0105】
たとえば、各料金所装置2の記録媒体24には、予め設定テーブルT2(図8)が記録されている。インシデント処理部205は、インシデント情報D3に含まれるインシデント種別情報に紐づく指示情報および対象料金所情報を参照して、指示情報の中から自装置が実施すべき処理を選択する。
【0106】
また、第1の実施形態に係る監視装置1は、インシデント情報D3を対象料金所の料金所装置2にのみ配信していたが、これに限られることはない。
他の実施形態では、監視装置1は、インシデント情報D3をすべての料金所の料金所装置2に配信してもよい。このとき、監視装置1は、全インシデント情報テーブルT1、およびその差分情報(追加されたインシデント情報およびインシデント除外情報のリスト)をすべての料金所装置2に配信してもよい。この場合、各料金所装置2のインシデント処理部205は、インシデント情報D3に含まれる対象料金所番号、または、設定テーブルT2の対象料金所情報を参照して、自装置が設置された料金所が対象料金所に該当する場合に、処理を実施する。
【0107】
上述の各実施形態においては、監視装置1および料金所装置2が実行する各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0108】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0109】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0110】
<付記>
各実施形態に記載の監視装置、料金所装置、監視システム、監視方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0111】
(1)第1の態様において、監視装置1は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報D3を作成する作成部102と、インシデント情報D3を、インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置2に配信する配信部103と、を備える。
【0112】
このようにすることで、監視装置1は、通行止め、不正通行などのインシデントが発生した場合に、これを関係する料金所間で速やかに共有することができる。これにより、各料金所において、このインシデントへの対処を即座に実施させることが可能となる。
【0113】
(2)第2の態様において、監視装置1は、料金所装置2から、料金所を通過する車両の車両特定情報を含む車両情報D1、または、料金所に設置された機器の状態を示す機器情報D2を受信する受信部101を備え、作成部102は、車両情報D1または機器情報D2に基づいてインシデント情報D3を作成する。
【0114】
このようにすることで、監視装置1は、各料金所から収集した車両情報D1および機器情報D2に含まれる情報を利用して、インシデント情報D3を作成することができる。
【0115】
(3)第3の態様において、車両情報D1は、料金所において車両によるインシデント(不正通行等)が検出された場合に、当該インシデントに対応するインシデント種別情報を含み、機器情報D2は、料金所に設置された機器に異常となるインシデントが発生した場合、当該インシデントに対応するインシデント種別情報を含み、作成部102は、複数のインシデント種別情報それぞれに対応する処理が予め設定された設定テーブルT2を参照して、車両情報D1または機器情報D2に含まれるインシデント種別情報に対応する処理を指定する指示情報を含むインシデント情報D3を作成する。
【0116】
このようにすることで、監視装置1は、車両情報D1および機器情報D2に基づいて、料金所で検出されたインシデントに関するインシデント情報D3を自動的に作成することができる。たとえば、監視装置1は、センサ機器による検出が可能な不正車両(軸重オーバー等)については、監視員による常時監視を要さずに、自動的にインシデント情報D3を作成して各料金所に配信することが可能となる。
【0117】
(4)第4の態様において、インシデント情報D3は、料金所に応じて異なる指示情報を含む。
【0118】
このようにすることで、監視装置1は、料金所が入口料金所であるか、出口料金所であるかなどに応じて、各料金所においてインシデントに対する適切な処理を実施させることができる。
【0119】
(5)第5の態様において、作成部102は、監視員によるインシデント種別情報の入力を受け付けて、インシデント情報D3を作成する。
【0120】
このようにすることで、監視装置1は、たとえば改造車両など、料金所のセンサ機器で自動的に検出することが難しいインシデントについても、監視員から入力された情報に基づいてインシデント情報D3を作成することができる。
【0121】
(6)第6の態様において、配信部103は、インシデントが解消した場合に、当該インシデントに関連するインシデント情報D3の除外を指示するインシデント除外情報を料金所の料金所装置2に配信する。
【0122】
このようにすることで、監視装置1は、各料金所において、解消したインシデントに対する処理を速やかに終了させることができる。
【0123】
(7)第7の態様において、料金所に設置された料金所装置2は、監視装置1から配信されたインシデント情報D3を自装置内の記録媒体24に記録する記録処理部201と、インシデント情報D3に応じた処理を実施するインシデント処理部205と、を備える。
【0124】
このようにすることで、料金所装置2は、インシデント情報D3に基づいて、インシデントに対する処理を自動的且つ速やかに実施することができる。
【0125】
(8)第8の態様において、インシデント処理部205は、インシデント種別情報と、処理内容とを関連付けた設定テーブルT2を参照して、インシデント情報D3に含まれる記インシデント種別情報に対応する処理を実施する。
【0126】
このようにすることで、料金所装置2は、インシデント情報D3に指示情報が含まれていない場合でも、インシデントに対する処理を自動的に選択して実施することができる。
【0127】
(9)第9の態様において、インシデント処理部205は、インシデント情報D3に実施すべき処理の内容を指定する指示情報が含まれている場合、当該指示情報に指定された処理を実施する。
【0128】
このようにすることで、料金所装置2は、インシデント情報D3で指定された処理を実行するのみでよいので、処理の実施までの時間を短縮することができる。また、インシデントによっては、料金所ごとに指示内容を細かく変えなければならない場合がある。このような場合であっても、インシデント情報D3は、監視員の入力操作に基づいて、各料金所に対する様々な指示情報を含むことができる。この結果、料金所装置2は、料金所ごとに異なる対応を柔軟に実施することが可能となる。
【0129】
(10)第10の態様において、料金所装置2は、料金所に到来した車両の車両特定情報を取得する車両情報取得部202と、料金所の識別情報と、車両特定情報とを含む車両情報D1を監視装置1に送信する送信部204と、を備える。
【0130】
このようにすることで、料金所装置2は、料金所を通過する全ての車両に関する車両情報D1を監視装置1に集約することができる。これにより、監視装置1における不正車両など、車両に関するインシデントの監視が容易となる。
また、料金所装置2は、料金所のセンサ機器で不正通行の検出が可能である場合は、当該不正通行を示すインシデント種別情報を含む車両情報D1を監視装置1に送信してもよい。これにより、監視員の常時監視を要さずに、各料金所でインシデントを自動的に検出して、監視装置1に伝達することができる。
【0131】
(11)第11の態様において、料金所装置2は、料金所に設置された機器の異常の有無を検出する機器異常検出部203を備え、送信部204は、機器の異常が検出された場合に、料金所の識別情報と、機器の異常の有無を示す情報とを含む機器情報D2を監視装置1に送信する。
【0132】
このようにすることで、料金所装置2は、料金所の機器に異常が検出された場合には、これを監視装置1に速やかに通知することができる。この結果、この機器の異常に対して他の料金所のサポート(たとえば、図15に示す出口料金所G3における処理)が必要な場合は、サポートを行う料金所間でこの機器異常に関するインシデント情報D3を共有して、適切な対処を行うことが可能となる。
【0133】
(12)第12の態様において、インシデント処理部205は、車両情報取得部202が取得した車両特定情報に紐づくインシデント情報D3が記録媒体24に記録されている場合に、処理を実行する。
【0134】
このようにすることで、料金所装置2は、インシデントに関係する車両が料金所に到来したときに、当該車両に対する処理を実施することができる。たとえば、図13に示すお湯に、料金所装置2は、不正通行を行った車両が出口料金所に到来したときに、この車両取締のための各種処理を自動的、且つ即時的に実施することができる。
【0135】
(13)第13の態様において、監視システム9は、上述の何れか一の態様に係る監視装置1と、上述の何れか一の態様に係る料金所装置2と、を備える。
【0136】
(14)第14の態様において、監視方法は、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報D3を作成するステップと、インシデント情報D3を、インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置2に配信するステップと、を有する。
【0137】
(15)第15の態様において、プログラムは、監視装置1のコンピュータに、インシデントが検出された場合に、当該インシデントの種別を示すインシデント種別情報を含むインシデント情報D3を作成するステップと、インシデント情報D3を、インシデント種別情報に対応する処理を実施する料金所の料金所装置2に配信するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0138】
9 監視システム
1 監視装置
2 料金所装置
2A 入口課金処理装置
2B 出口課金処理装置
2C 本線課金処理装置
2D 入口FF課金処理装置
D1 車両情報
D2 機器情報
D3 インシデント情報
図1
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