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特開2023-2584アニーリング材料およびアニーリング材料を用いて光起電力素子をアニールするための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002584
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】アニーリング材料およびアニーリング材料を用いて光起電力素子をアニールするための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/073 20120101AFI20221227BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20221227BHJP
   B05D 1/28 20060101ALI20221227BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20221227BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20221227BHJP
   C01G 11/00 20060101ALI20221227BHJP
   C01B 19/04 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H01L31/06 420
H01L31/04 420
B05D1/28
B05D7/24 301E
B05D7/00 K
C01G11/00
C01B19/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159353
(22)【出願日】2022-10-03
(62)【分割の表示】P 2020547214の分割
【原出願日】2019-03-12
(31)【優先権主張番号】62/642,192
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510328032
【氏名又は名称】ファースト・ソーラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ブルベイカー,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】キング,ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】ミリロン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ノーマン,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】タンブッシュ,ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アニーリングゲル、およびアニーリングゲルを用いて吸収体層をアニールする方法に関する。
【解決手段】吸収体層をアニールするための方法であって、吸収体層の表面を、ゲルとして提供されるアニーリング材料と接触させることを含む。アニーリング材料は、塩化カドミウムおよび増粘剤を含む。アニーリング材料のゲルの粘度は、5ミリパスカル秒以上である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体層をアニールする方法であって、
吸収体層の表面を、ゲルとして提供されるアニーリング材料と接触させること、ここで
吸収体層がカドミウムおよびテルルを含み、
アニーリング材料が塩化カドミウムおよび増粘剤を含み、
アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である、
ならびに、
吸収体層を、吸収体層の表面と接するアニーリング材料と共にアニールすること
を含む、方法。
【請求項2】
材料センサーを用いて、アニーリング材料のゲルを測定すること、
材料センサーに通信接続された1つまたは複数のプロセッサーに信号を伝達すること、ここで信号がアニーリング材料のゲルの粘度を示す、ならびに
1つまたは複数のプロセッサーを用いて、アニーリング材料のゲルの密度を自動的に決定すること、ここでアニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である場合、吸収体層の表面が接触する、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
材料センサーが音さ発振器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
吸収体層の表面を、アニーリング材料のゲルでロール塗布することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
吸収体層の表面が、適用ローラーと直接接触する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
吸収体層からのアニーリング材料のゲルのオーバーフローを捕捉すること、ならびに
捕捉されたアニーリング材料のゲルを適用ローラーへ再循環すること
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
吸収体層をアニールすることの前に、アニーリング材料のゲルを加熱することによって、アニーリング材料のゲルをアニーリング材料の膜へ変換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ゲルが、30℃以上~60℃以下の温度に加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
アニーリング材料の膜の適用量が、0.15mg/cm以上である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
混合温度でアニーリング材料の溶液を混合することと、
吸収体層の表面がアニーリング材料のゲルと接触する前に、アニーリング材料の溶液をアニーリング材料のゲルへ変換すること、ここで
アニーリング材料のゲルが適用温度にあり、かつ
適用温度が混合温度未満である、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上であ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
吸収体層をアニールしながら、吸収体層を還元環境に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
吸収体層が350℃~650℃の間の温度で、5分~60分の間アニールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
増粘剤がメチルセルロースである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
増粘剤がプロピレングリコールを含み、アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対プロピレングリコールの比率が、重量で0.1:1以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
塩化カドミウムおよび増粘剤を含むアニーリング材料のゲルであって、アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である、ゲル。
【請求項19】
部分的に形成された光起電力素子であって、
カドミウムおよびテルルを含む吸収体層、ならびに
吸収体層の表面に直接接するアニーリング材料の膜、ここで
アニーリング材料の膜の適用量が0.15mg/cm以上であり、
アニーリング材料の膜が塩化カドミウムおよび増粘剤を含み、
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で0.1:1以上である、
を含む、光起電力素子。
【請求項20】
材料センサーが音さ発振器を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項21】
吸収体層の表面を、アニーリング材料のゲルでロール塗布することを含む、請求項1、2および20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
吸収体層の表面が適用ローラーと直接接触する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
吸収体層からのアニーリング材料のゲルのオーバーフローを捕捉すること、ならびに
捕捉されたアニーリング材料のゲルを適用ローラーへ再循環すること
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
吸収体層をアニールすることの前に、アニーリング材料のゲルを加熱することによって、アニーリング材料のゲルをアニーリング材料の膜へ変換することを含む、請求項1、2および20から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ゲルが30℃以上~60℃以下の温度に加熱される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
アニーリング材料の膜の適用量が0.15mg/cm以上である、請求項1、2、24および25のいずれかに記載の方法または請求項19に記載の部分的に形成された光起電力素子。
【請求項27】
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、請求項1、2および24から26のいずれかに記載の方法または請求項19または26
に記載の部分的に形成された光起電力素子。
【請求項28】
アニーリング材料の溶液を混合温度で混合すること、ならびに
吸収体層の表面がアニーリング材料のゲルと接する前に、アニーリング材料の溶液をアニーリング材料のゲルへ変換すること、ここで
アニーリング材料のゲルが適用温度にあり、
適用温度が混合温度未満である、
を含む、請求項1、2および20から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、請求項1、2および20から28のいずれかに記載の方法または請求項18に記載のゲル。
【請求項30】
吸収体層をアニールしながら、吸収体層を還元環境に曝露することを含む、請求項1、2および20から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
吸収体層が350℃~650℃の間の温度で、5分~60分の間アニールされる、請求項1、2および20から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
増粘剤がメチルセルロースである、請求項1、2および24から31のいずれかに記載の方法、請求項19、26および27のいずれかに記載の部分的に形成された光起電力素子または請求項18または29に記載のゲル。
【請求項33】
増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1、2および24から31のいずれかに記載の方法、請求項19、26および27のいずれかに記載の部分的に形成された光起電力素子または請求項18または29に記載のゲル。
【請求項34】
増粘剤がプロピレングリコールを含み、アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対プロピレングリコールの比率が、重量で0.1:1以上である、請求項1、2および24から31のいずれかに記載の方法または請求項18または29に記載のゲル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書は、一般に、アニーリング材料およびアニーリング材料を使用して吸収体層をアニールするための方法、より詳細には、ゲルとして適用されたアニーリング材料を使用して吸収体層をアニールする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]光起電力素子は、光起電力効果を示す半導体材料を使用して光を電気に変換することによって、電力を発生させる。半導体材料をアニールして、ドーパントを活性化し、多結晶半導体材料を再結晶化させ、半導体材料の粒子の大きさを増加させることができる。塩化カドミウム系溶液は、半導体材料、例えば、カドミウムおよびテルルを含む半導体材料などに、適用され得る。しかしながら、溶液の噴霧適用は、霧化に起因して、含有することが困難である場合がある。さらに、溶液は、適用にすら資することがない可能性があり、これは欠陥形成につながるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]したがって、代替的な、アニーリング材料および吸収体層をアニールするための別の方法への需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本明細書で提供される実施形態は、光起電力素子に第V族ドーパントをドープする方法に関する。本明細書に記載される実施形態によって提供される、これらおよび追加の特徴は、図とともに以下の詳細な記述を考慮して、より完全に理解されるであろう。
【0005】
[0005]図で説明される実施形態は、事実上例示的および代表的であり、特許請求の範囲によって規定される主題を制限することを意図していない。例示的実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される以下の図と併せて読むと理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、光起電力素子を模式的に示す図である。
図2】[0007]本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、基板を模式的に示す図である。
図3】[0008]本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、光起電力素子を模式的に示す図である。
図4】[0009]本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、部分的に形成された光起電力素子を模式的に示す図である。
図5】本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、部分的に形成された光起電力素子を模式的に示す図である。
図6】[0010]本明細書で示され記載される1つまたは複数の実施形態による、吸収体層に第V族ドーパントをドープする、溶液に基づく方法を実施する方法を模式的に示す図である。
図7】方法260は、プロセス262およびプロセス264を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0011]光から電力を発生させる光起電力素子の実施形態が、本明細書に記載される。光起電力素子は、一般に半導体材料から形成された吸収体層を含む。吸収体層は、吸収体層に、例えば、ヒ素またはリンのような第V族ドーパントをドープするように構成された、1つまたは複数の処理工程に供され得る。吸収体層に第V族ドーパントをドープする方法の様々な実施形態を、本明細書により詳細に記載する。
【0008】
[0012]ここで図1を参照すると、光起電力素子100の実施形態が模式的に描かれている。光起電力素子100は、受光し、光を電気的信号に変換するように構成され得る、例えば、光子が光から吸収され、光起電力効果を介して電気的信号に変換され得る。したがって、光起電力素子100は、例えば、太陽のような光源に曝露されるように構成されたエネルギー面102を規定することができる。光起電力素子102は、エネルギー面102からオフセットされる反対面104も規定することができる。「光」という用語は、電磁スペクトルの様々な波長、例えば、限定されるものではないが、電磁スペクトルの紫外線(UV)、赤外線(IR)、および可視部での波長を指すことができることに留意されたい。光起電力素子100は、エネルギー面102と反対面104の間に配置された、複数の層を含み得る。本明細書で使用する場合、「層」という用語は、表面上に提供される材料の厚みを指す。各層は、表面のすべてまたはいずれかの部分を覆うことができる。
【0009】
[0013]光起電力素子100は、光の光起電力素子100への透過を促進するように構成された、基板110を含み得る。基板110は、光起電力素子100のエネルギー面102に配置され得る。図1および2をまとめて参照すると、基板110は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面112、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面114を有することができる。材料の1つもしくは複数の層は、基板110の第1の表面112と第2の表面114の間に、配置され得る。
【0010】
[0014]基板110は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面122、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面124を有する透明層120を含み得る。いくつかの実施形態では、透明層120の第2の表面124は、基板110の第2の表面114を形成し得る。透明層120は、例えば、ガラスのような、実質的に透明な材料から形成することができる。好適なガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、または低減された鉄含有量を備えるいずれかのガラスが挙げられる。透明層120は、いくつかの実施形態では、約250nm~約950nmを含む、いずれの好適な透過率をも有し得る。透明層120は、例えば、一実施形態での約50%超、別の実施形態での約60%超、なお別の実施形態での約70%超、さらなる実施形態での約80%超、またはさらにさらなる実施形態での約85%超、を含む、いずれかの好適な透過パーセントを有し得る。一実施形態では、透明層120は、約90%の透過パーセントを備えるガラスから形成され得る。任意に、基板110は、透明層120の第1の表面122に適用された被膜126を含み得る。被膜126は、光と相互作用する、または基板110の耐久性を改善するように構成されることができ、例えば、限定されるものではないが、反射防止被膜、防汚被膜、またはこれらの組合せであり得る。
【0011】
[0015]図1を再度参照すると、光起電力素子100は、劣化または剥離をもたらすおそれのある、基板110からの汚染物質(例えば、ナトリウム)の拡散を軽減するように構成された、バリア層130を含むことができる。バリア層130は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面132、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面134を有することができる。いくつかの実施形態では、バリア層130は、基板110に隣接して提供され得る。例えばバリア層130の第1の表面132は、基板100の第2の表面114上に提供され得る。本明細書で使用する場合、「隣接して」という言いまわしは、層の少なくとも一部の間に介在する材料を伴わないで2つの層が接触して配置されることを意味する。
【0012】
[0016]一般に、バリア層130は、実質的に透明であり、熱的に安定であり、低減されたピンホール数を備え、高いナトリウム遮断性能および良好な接着性を有することができる。あるいはまたはさらに、バリア層130は、光に色抑制を加えるように構成され得る。バリア層130は、限定されるものではないが、酸化スズ、二酸化ケイ素、アルミニウムドープ酸化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸化アルミニウムを含む、好適な材料の1つもしくは複数の層を含み得る。バリア層130は、例えば、一実施形態での約500Å超、別の実施形態での約750Å超、またはさらなる実施形態での約1200Å未満を含む、第1の表面132および第2の表面134によって境界をつけられた、任意の好適な厚みを有し得る。
【0013】
[0017]図1をさらに参照すると、光起電力素子100は、光起電力素子100によって発生させた電荷キャリアを輸送するための電気的接触を提供するように構成された、透明な導電性酸化物(TCO)層140を含むことができる。TCO層140は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面142、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面144を有し得る。いくつかの実施形態では、TCO層140は、バリア層130に隣接して提供され得る。例えば、TCO層140の第1の表面142は、バリア層130の第2の表面134上に提供され得る。一般に、TCO層140は、実質的に透明で広いバンドギャップを有するn型半導体材料の1つまたは複数の層から形成され得る。特に、広いバンドギャップは、光の光子のエネルギーと比較してより大きなエネルギー値を有することができ、望ましくない光の吸収を軽減することができる。TCO層140は、限定されるものではないが、二酸化スズ、ドープ二酸化スズ(例えば、F-SnO)、酸化インジウムスズ、またはスズ酸カドミウムを含む、好適な材料の1つまたは複数の層を含み得る。
【0014】
[0018]光起電力素子100は、TCO層140と任意の隣接する半導体層の間に絶縁層を提供するように構成された、バッファ層150を含み得る。バッファ層150は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面152、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面154を有し得る。いくつかの実施形態では、バッファ層150は、TCO層140に隣接して提供され得る。例えば、バッファ層150の第1の表面152は、TCO層140の第2の表面144上に提供され得る。バッファ層140は、限定されるものではないが、真正二酸化スズ、酸化マグネシウム亜鉛(例えばZn1-xMgO)、二酸化ケイ素(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛スズ、酸化亜鉛、スズケイ素酸化物、またはこれらの任意の組合せを含む、TCO層140より高い抵抗率を有する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、バッファ層140の材料は、隣接する半導体層(例えば、吸収体)のバンドギャップと実質的に一致するように構成され得る。バッファ層150は、第1の表面152と第2の表面154の間に、例えば、一実施形態での約100Å超、別の実施形態での約100Å~約800Åの間、またはさらなる実施形態での約150Å~約600Åの間を含む、任意の好適な厚みを有し得る。
【0015】
[0019]図1を再度参照すると、光起電力素子100は、別の層と協働し、光起電力素子100内のpn接合を形成するように構成された、吸収体層160を含み得る。したがって、吸収された光の光子は電子正孔対を解放し、キャリア流を発生させることができ、電力を生み出すことができる。吸収体層160は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面162、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面164を有することができる。吸収体層160の厚みは、第1の表面162と第2の表面164の間で規定され得る。吸収体層160の厚みは、約0.5μm~約10μmの間、例えば、一実施形態では約1μm~約7μmの間など、または別の実施形態では約2μm~約5μmの間であり得る。
【0016】
[0020]本明細書に記載される実施形態によれば、吸収体層160は、過剰の正の電荷キャリア、すなわち、正孔またはアクセプタを有する、p型半導体材料から形成され得る。吸収体層160は、任意の好適なp型半導体材料、例えば、第II~VI族半導体を含み得る。具体例としては、限定されるものではないが、カドミウム、テルル、セレン、またはこれらの任意の組合せを含む、半導体材料が挙げられる。好適な例としては、限定されるものではないが、テルル化カドミウム、カドミウム、セレン、およびテルルの三元化合物(例えば、CdSeTe1-x)、またはカドミウム、セレン、およびテルルを含む四元化合物が挙げられる。吸収体層160がセレンおよびカドミウムを含む実施形態では、セレンの原子パーセントは約0原子パーセントより大きく、約20原子パーセント未満であり得る。吸収体層160がテルルおよびカドミウムを含む実施形態では、テルルの原子パーセントは約30原子パーセントより大きく、約50原子パーセント未満であり得る。本明細書に記載される原子パーセントは、吸収体層160の全体の代表であり、吸収体層160内の特定の位置での材料の原子パーセントは、吸収体層160の全体的な組成と比較して、厚みとともに変動し得ることに留意されたい。テルル、セレン、または両方の濃度は、吸収体層160の厚みを通して変動し得ることに留意されたい。例えば、吸収体層160がカドミウム、セレン、およびテルルの三元化合物(CdSeTe1-x)を含む場合、xは、吸収体層160の第1の表面162からの距離とともに、吸収体層160内で変動し得る。いくつかの実施形態では、xの値は、吸収体層160の第1の表面162からの距離とともに、吸収体層160内で減少し得る。
【0017】
[0021]本明細書で提供される実施形態によれば、吸収体層160の内のドーパントは、所望の電荷キャリア濃度に活性化され得る。いくつかの実施形態では、吸収体層160は、第V族ドーパント、例えば、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ウンウンペンチウム(Uup)、またはこれらの組合せなどでドープされ得る。吸収体層160内のドーパントの全適用量は、制御することができる。いくつかの実施形態では、吸収体層160の中央領域166での第V族ドーパントの原子濃度は、約1×1016cm-3より大きく、例えば、一実施形態では約1×1017cm-3~約5×1020cm-3の間、別の実施形態では約3×1017cm-3~約1×1019cm-3の間、またはさらなる実施形態では約5×1017cm-3~約5×1018cm-3の間などであり得る。中央領域166は、吸収体層160の50%中間であり、吸収体層160の第1の表面162および第2の表面164のそれぞれから、吸収体層160の厚みの25%だけオフセットされている。あるいはまたはさらに、第V族ドーパントの濃度プロファイルは、吸収体層160の厚みを通して変動し得る。特に、第V族ドーパントの量は、吸収体層160の第2の表面164からの距離とともに変動し得る。
【0018】
[0022]図1をさらに参照すると、pn接合は、吸収体層160を、過剰の負電荷キャリア、すなわち、電子またはドナーを有する光起電力素子100の一部に十分接近して提供することによって、形成され得る。いくつかの実施形態では、吸収体層160は、n型半導体材料に隣接して提供され得る。あるいは、1つまたは複数の介在層が、吸収体層160とn型半導体材料の間に提供され得る。いくつかの実施形態では、吸収体層160はバッファ層150に隣接して提供され得る。例えば、吸収体層160の第1の表面162は、バッファ層150の第2の表面154上に提供され得る。
【0019】
[0023]ここで図3を参照すると、いくつかの実施形態では、光起電力素子200は、n型半導体材料を含む窓層170を含むことができる。窓層170は別にして、光起電力素子200は、光起電力素子100(図1)と実質的に類似した層構造を有し得る。吸収体層160は、窓層170に隣接して形成され得る。窓層170は、光起電力素子200の
エネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面172、および光起電力素子200の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面174を有することができる。いくつかの実施形態では、窓層170は、吸収体層160とTCO層140の間に配置され得る。一実施形態では、窓層170は、吸収体層160とバッファ層150の間に配置され得る。窓層170は、例えば、硫化カドミウム、硫化亜鉛、カドミウム亜鉛硫化物、酸化マグネシウム亜鉛、またはこれらの任意の組合せを含む、任意の好適な材料を含み得る。
【0020】
[0024]図1を再度参照すると、光起電力素子100は、ドーパントの望ましくない変更を軽減し、吸収体層160に電気的接触を提供するように構成された、バックコンタクト層180を含むことができる。バックコンタクト層180は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面182、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面184を有し得る。バックコンタクト層180の厚みは、第1の表面182と第2の表面184の間に規定され得る。バックコンタクト層180の厚みは、約5nm~約200nmの間、例えば、一実施形態では約10nm~約50nmの間などであり得る。
【0021】
[0025]いくつかの実施形態では、バックコンタクト層180は、吸収体層160に隣接して提供され得る。例えば、バックコンタクト層180の第1の表面182は、吸収体層160の第2の表面164上に提供され得る。いくつかの実施形態では、バックコンタクト層180は、第I、II、VI族からの材料の二元または三元組合せ、例えば、亜鉛、銅、カドミウムおよびテルルを様々な組成で含有する、1つまたは複数の層などを含むことができる。さらなる例示的な材料としては、限定されるものではないが、ドーパント(例えば、テルル化銅)でドープされたテルル化亜鉛、またはテルル化銅で合金化されたテルル化亜鉛が挙げられる。
【0022】
[0026]光起電力素子100は、吸収体層160との電気的接触を提供するように構成された導電性層190を含むことができる。導電性層190は、光起電力素子100のエネルギー面102に実質的に向かい合う第1の表面192、および光起電力素子100の反対面104に実質的に向かい合う第2の表面194を有することができる。いくつかの実施形態では、導電性層190は、バックコンタクト層180に隣接して提供され得る。例えば、導電性層190の第1の表面192は、バックコンタクト層180の第2の表面184上に提供され得る。導電性層190は、いずれかの好適な導電性材料、例えば、窒素含有金属、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、パラジウム、クロム、モリブデン、金、またはこれに類するものの1つまたは複数の層などを含むことができる。窒素含有金属層の好適な例としては、窒化アルミニウム、窒化ニッケル、窒化チタン、窒化タングステン、窒化セレン、窒化タンタル、または窒化バナジウムを挙げることができる。
【0023】
[0027]光起電力素子100は、基板110と協働して光起電力素子100のハウジングを形成するように構成された、バック支持体196を含み得る。バック支持体196は、光起電力素子100の反対面102に配置することができる。例えば、バック支持体196は、導電性層190に隣接して形成され得る。バック支持体196は、例えば、ガラス(例えば、ソーダ石灰ガラス)を含む、いずれかの好適な材料を含み得る。
【0024】
[0028]図1および3をまとめて参照すると、光起電力素子100、200の製造は、一般に、限定されるものではないが、スパッタリング、噴霧、蒸発、分子線蒸着(molecular beam deposition)、熱分解、近接昇華(closed space sublimation)(CSS)、パルスレーザ堆積(PLD)、化学蒸着(CVD)、電気化学堆積(ECD)、原子層堆積(ALD)、または蒸気輸送堆積(VTD)を含む、1つまたは複数のプロセスを通して、機能的な層または層前駆体を、層の「積層体」に順次配置するステップを含む。いったん、層が形成されると、次の処理プロセスを通して、層の物理的特性を変更することが望ましい可能性がある。
【0025】
[0029]図4および5をまとめて参照すると、アニーリング材料210の層は、部分的に形成された素子の吸収体層160の第1の表面162または第2の表面164へ適用され得る。例えば、部分的に形成された光起電力素子212は、層積層体214に隣接する吸収体層160を含み得る。層積層体214は、吸収体層160とエネルギー面102の間に配置された、光起電力素子100、200(図1および3)の層の1つまたは複数を含み得る。あるいは、部分的に形成された光起電力素子216は、層積層体218に隣接する吸収体層160を含み得る。層積層体218は、光起電力素子100、200(図1および3)の層の1つまたは複数を、吸収体層160と反対面104の間に含み得る。
【0026】
[0030]本明細書で提供される実施形態によれば、アニーリング材料210は、塩化カドミウム(CdCl)および増粘剤を含むゲルとして提供され得る。増粘剤は、ゲルの粘度を制御するように構成され得る。例えば、塩化カドミウム(CdCl)および増粘剤を使用して形成されたゲルは、約5ミリパスカル秒(mPa・s)以上、例えば、一実施形態での約5ミリパスカル秒(mPa・s)以上~約250ミリパスカル秒以下(mPa・s)、または別の実施形態において、約10ミリパスカル秒(mPa・s)以上~約25ミリパスカル秒以下(mPa・s)などの粘度を有することがある。好適な増粘剤としては、限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コーンスターチ、タピオカスターチ、グアーガム、プロピレングリコール、または同等のアルカリ含有量を備えるいずれかの他の材料が挙げられる。
【0027】
[0031]本明細書で提供される実施形態によれば、アニーリング材料210内での塩化カドミウム(CdCl)対増粘剤の比率は、ゲル形態の重量ベースで、1:1以上、例えば、一実施形態での約1:1以上~約160:1以下、別の実施形態での約10:1以上~約30:1以下などであり得る。他の実施形態、例えば、限定されるものではないが、プロピレングリコールを含む増粘剤では、アニーリング材料210内での塩化カドミウム(CdCl)対増粘剤の比率は、ゲル形態の重量ベースで、約0.1:1以上、例えば、一実施形態での約0.1:1以上~約2.5:1以下などであり得る。
【0028】
[0032]ここで図6を参照すると、アニーリング材料210を、部分的に形成された光起電力素子212に適用するためのシステム220が、模式的に描かれている。システム220は、部分的に形成された光起電力素子212上に、ゲルの実質的に均一な被膜を適用するように構成された、ロール塗布装置222を含んでもよい。本例は、部分的に形成された光起電力素子212に関して提供されているが、システム220は、部分的に形成された光起電力素子216にゲルを適用するために使用できることに留意されたい。ロール塗布装置222は、部分的に形成された光起電力素子212が運搬の方向226に沿って動かされるときに、アニーリング材料210を部分的に形成された光起電力素子212に移すための適用ローラー224を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ロール塗布装置222は、ドクターローラー228および逆圧ローラー230をさらに含んでもよい。アニーリング材料210を保持するための溜め(reservoir)は、ドクターローラー228および適用ローラー224によって境界づけられてもよい。溜め229には、保持タンク232を介してアニーリング材料が供給され得る。例えば、保持タンク232は、1つまたは複数のポンプ234と協働して、アニーリング材料210を、流路を介して溜め229へ動かすことができる。
【0029】
[0033]適用ローラー224に対するドクターローラー228の圧力、間隔、または両方は、適用ローラー224に移されるアニーリング材料210の量を制御することができる。ドクターローラー228および適用ローラー224の表面は、平滑または粗剛、および軟質または硬質であり得る。ドクターローラー228および適用ローラー224の表面は、同一である必要はない。例えば、ドクターローラー228は柔軟かつ粗剛であり得、一方、適用ローラー224は硬質かつ平滑であり得る。或いは、適用ローラー224は柔軟かつ粗剛であり得、一方、ドクターローラー228は硬質かつ平滑であり得る。逆圧ローラー230は、部分的に形成された光起電力素子212を(例えば、エネルギー側102(図1)から)支持し、部分的に形成された光起電力素子212を、運搬の方向226に沿って動かすように構成されてもよい。
【0030】
[0034]本明細書で提供される実施形態によれば、ロール塗布装置222は、部分的に形成された光起電力素子212からのアニーリング材料210のオーバーフローを、再循環させるように構成されてもよい。特に、ロール塗布装置222は、部分的に形成された光起電力素子212に近接して位置するコレクター236を含み得る。いくつかの実施形態では、コレクター236は、適用ローラー224の下に位置し、部分的に形成された光起電力素子212と呼応した大きさに合わされて、部分的に形成された光起電力素子212の端部から、アニーリング材料210のオーバーフローを受け取ることができる。コレクター236によって捕らえられたアニーリング材料210のオーバーフローは、再循環され得る。例えば、1つまたは複数のポンプ234は、流路を介して、アニーリング材料210を貯蔵タンク232に動かすことができる。
【0031】
[0035]図6をさらに参照すると、システム220は、アニーリング材料210の密度を検出するための材料センサー240を含んでもよい。いくつかの実施形態では、材料センサー240は、アニーリング材料210に直接接触し得る。例えば、材料センサー240は、適用ローラー224に近接して、例えば、溜め229に、またはアニーリング材料210の流路に沿って配置することができる。或いはまたはさらに、材料センサー240は、ロール塗布装置222のいずれかの地点、例えば、限定されるものではないが、流路、コレクター236、貯蔵タンク232、またはこれらのいずれかの組合せで配置され得る。材料センサー240は、アニーリング材料210の物理量を測定し、かつ検出された量を、アニーリング材料210の粘度または密度を表す信号に転換する、いずれかのデバイスを含んでもよい。「信号」という用語は、媒体を通して移動することができる(例えば、電気的、光学的、磁性的、または電磁的)波形、例えば、DC、AC、正弦波、三角波、方形波等を意味し得ることに留意されたい。材料センサー240の好適な例としては、粘度計、音さ発振器、共振器、またはこれに類するものが挙げられる。
【0032】
[0036]本明細書で提供される実施形態によれば、システム220は、部分的に形成された光起電力素子212に適用されたアニーリング材料210の厚さを検出するための計測センサー(metrology sensor)241を含んでもよい。いくつかの実施形態では、計測センサー241は、アニーリング材料の寸法を変えることなく、アニーリング材料210の寸法を測定するように構成されることがある。例えば、計測センサー241は、ロール塗布装置222に近接して配置されることがあり、ロール塗布装置222による適用の際に、アニーリング材料210の非接触測定をするように構成される。計測センサー241は、アニーリング材料210の物理量を測定し、かつ検出された量を、アニーリング材料210の寸法を示す信号に転換する、いずれかのデバイスを含んでもよい。したがって、計測センサーは、光度測定、放射測定、またはこれに類するもののために構成された供給源および検出器を含み得る。
【0033】
[0037]システム220は、部分的に形成された光起電力素子212を、運搬の方向226に沿って動かすように構成された、運搬システム242を含んでもよい。一般に、運搬システム242は、支持要素、例えば、ローラー、ベルトまたはこれに類するものなどを含み得る。さらに、運搬システム242は、支持要素の動作を制御するように構成された、1つまたは複数の作動装置を含んでもよい。支持要素は、1つまたは複数の作動装置からの力を、部分的に形成された光起電力素子212に伝達するように、構成され得る。したがって、支持要素および1つまたは複数の作動装置は、部分的に形成された光起電力素子212の望ましい動作を引き起こすように、協働することができる。
【0034】
[0038]図4、5および6をまとめて参照すると、システム220は、アニーリング材料210をゲルから膜に変換するように構成された、膜誘導ヒーター244を含み得る。膜誘導ヒーター244は、ロール塗布装置222の後に、運搬の方向226に沿って配置され得る。膜誘導ヒーター244は、約85℃以上、例えば、一実施形態では約90℃以上~約200℃以下、または別の実施形態では約100℃以上~約150℃以下などの温度を有する、区域または環境を提供することによって、アニーリング材料210を加熱するように構成された、比較的低温のヒーターであり得る。したがって、部分的に形成された光起電力素子212、216は、25℃を超える温度、例えば、一実施形態での約30℃以上~約60℃以下などに加熱され得る。膜誘導ヒーター244としては、いずれかの加熱手段、例えば、限定されるものではないが、放射赤外線、電気、燃料を燃焼させた対流、強制空気(forced air)、またはこれらの組合せを挙げることができる。
【0035】
[0039]いくつかの実施形態では、システム220は、圧力および温度が制御された環境を提供し、アニーリング材料210を使用する吸収体層160のアニーリングを促進するように構成された、処理チャンバー246を含んでもよい。一般に、処理チャンバー246は、膜誘導ヒーター244およびロール塗布装置222の後に、運搬の方向226に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、膜誘導ヒーター244は省略され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、処理チャンバー246は、低真空圧力(約25トル~約760トルの間)、例えば、一実施形態での約200トル~約800トルなどの範囲を有する、制御された圧力環境を維持するように構成され得る。或いは、処理チャンバー246は、周囲圧力より大きい、すなわち、約760トルより大きい圧力を維持するように構成され得る。一般に、環境の成分ガスの分圧は、制御され得る。例えば、いくつかの実施形態では、いずれかの不活性ガスおよび還元ガスの分圧は制御され得る。本明細書で使用する場合、還元ガスは、吸収体層160のドーパントよりもエネルギー的に酸化により有利になり得る、すなわち、還元ガスの酸化反応が、ドーパントよりも、より多くの負のギブス自由エネルギー変化(ΔG)を有し得る。さらに、処理チャンバー246は、約350℃~約650℃の間のアニーリング温度を維持するように構成され得る。
【0036】
[0040]本明細書で記載する実施形態によれば、システム220は、システム220の機能的構成要素のいずれかに通信接続された、1つまたは複数のプロセッサー250を含むことができ、これは図6に両矢印線(double arrowed line)として概略的に描かれている。例えば、1つまたは複数のプロセッサー250は、ロール塗布装置222、材料センサー240、計測センサー241、運搬システム242、膜誘導ヒーター244、および処理チャンバー246のうちの少なくとも1つに、通信接続され得る。本明細書で使用する場合、プロセッサーは、機械可読指示を実行することができる、いずれかのデバイスであり得る。したがって、各1つまたは複数のプロセッサー250は、コントローラー、集積回路、マイクロチップ、コンピューター、または他の演算手段であり得る。1つまたは複数のプロセッサー250は、ロジックまたはソフトウェアを実行し、システム220の機能を制御する機能を実施するように、構成され得る。さらに、1つまたは複数のプロセッサー250は、記憶装置252に通信接続することができ、これは、ロジックおよび/または、1つまたは複数のプロセッサー250によって受理された入力を保存することができる。本明細書で記載する記憶装置252は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、ハードドライブ、または機械可読指示を保存するいずれかの手段であり得る。
【0037】
[0041]本開示の実施形態は、機械可読指示、または、機械可読指示へコンパイルもしくはアッセンブルされ、かつ機械可読媒体上に保存され得る、いずれかの世代(例えば、1
GL、2GL、3GL、4GLもしくは5GL)のいずれかのプログラミング言語、例えば、プロセッサーによって直接実行され得る機械言語、もしくはアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどで記載されたアルゴリズムを含む、ロジックを含む。或いは、ロジックまたはアルゴリズムは、ハードウェア記述言語(HDL)、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンフィギュレーションまたはアプリケーションスペシフィックインテグレーティドサーキット(ASIC)を介して実装されるロジック、およびそれらの同等物で、記載され得る。したがって、ロジックは、予めプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェアおよびソフトウェアの構成要素の組合せとして、いずれかの従来のコンピュータープログラミング言語で実装され得る。1つまたは複数のプロセッサー250によって実行される場合に、システム220が、部分的に形成された光起電力素子212を自動的に移動させ、ロール塗布装置222、運搬システム242、膜誘導ヒーター244、および処理チャンバー246を制御するように作用するように、ロジックは構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサー250は、材料センサー240、計測センサー、または両方から信号を受け取ることができる。したがって、1つまたは複数のプロセッサー250は、望ましい適用量を達成するために、ロール塗布装置222のパラメーター、例えば、限定されるものではないが、適用ローラー224とドクターローラー228の間の間隔、適用ローラー224とドクターローラー228の間の圧力、適用ローラー224と部分的に形成された光起電力素子212の間の間隔、適用ローラー224と部分的に形成された光起電力素子212の間の圧力、または部分的に形成された光起電力素子212の適用ローラー224に対する速度などを、自動的に調節することができる。
【0038】
[0042]ここで図7を参照すると、ゲルとして提供されるアニーリング材料210を用いて、アニールする方法260が描かれている。図4、5、6および7をまとめて参照すると、方法260は、吸収体層160をアニーリング材料210と接触させるためのプロセス262を含み得る。いくつかの実施形態では、アニーリング材料210は、吸収体層160の第1の表面162または第2の表面164に、ゲルとして適用され得る。特に、アニーリング材料210は、ロール塗布装置222を使用して、吸収体層160上にロール塗布され得る。例えば、アニーリング材料210は、直接ロールされ得る、すなわち、適用ローラー224と吸収体層160の間で、1つの連続層において直接接触し得る。上で留意したように、アニーリング材料210のゲルの粘度は制御され得る。アニーリング材料210を吸収体層160上に直接ロールすることは、大気中の不純物に対する吸収体層の第2の表面164または第1の表面162の感受性を、噴霧適用と比較して低減することができると考えられる。
【0039】
[0043]いくつかの実施形態では、アニーリング材料210は、吸収体層160上にゲルとしてロール塗布される前に、ゲルに変換される溶液へ混合され得る。例えば、塩化カドミウム(CdCl)および増粘剤は、水と一緒に混合して溶液を形成することができる。いくつかの実施形態では、塩化カドミウム(CdCl)および増粘剤は、混合物を水に加えて溶液を形成する前に、乾燥した形態で混合することができる。或いは、塩化カドミウム(CdCl)および増粘剤は、混ぜ合わせて溶液を形成する前に、水に加えることもできる。いくつかの実施形態では、アニーリング材料210の溶液は、アニーリング材料210のゲルの適用温度より高い混合温度で混合することがあり、すなわち、溶液の温度は適用中のゲルの温度より高くなり得る。いくつかの実施形態では、混合温度対適用温度は、少なくとも2:1の比率を有することがある。
【0040】
[0044]さらに、アニーリング材料210の密度は、望ましい範囲内で維持され得る。具体的には、アニーリング材料210は、材料センサー240を使用して測定され得る。測定は、アニーリング材料が適用に所望される範囲内の密度を有するかどうか、自動的に決
定するように使用され得る。密度が許容できる場合、アニーリング材料は吸収体層160に適用され得る。密度が望ましい範囲の外であれば、アニーリング材料210のロール塗布は中止され得る。いくつかの実施形態では、密度が望ましい範囲内で測定される場合のみ、ゲルは適用される。或いはまたはさらに、アニーリング材料の適用量は、材料センサー240および計測センサー241によって提供される信号を使用して、自動的に制御される場合もある。理論に束縛されるものではないが、ゲルとしてのアニーリング材料210の適用は、液体に基づく適用と比較して、塩化カドミウム(CdCl)の封じ込め(containment)を改善することができると考えられる。さらに、アニーリング材料210の密度を望ましい範囲内に維持することによって、アニーリング材料210の平均適用量の均一性および移動効率を改善することができる。
【0041】
[0045]図4、5、6および7をまとめて参照すると、方法260は、吸収体層160を処理チャンバー246でアニールするためのプロセス264を含み得る。一般に、アニーリングは、吸収体層160の再結晶化を促進するのに十分な時間および十分な温度にわたって、吸収体層160(例えば、多結晶半導体材料)を加熱することを含む。例えば、吸収体層160は、約350℃~約650℃の間の温度で約5分~約60分の間、例えば、一実施形態では、約400℃~約600℃の範囲の温度で約10分~約55分の期間、処理され得る。吸収体層160の再結晶化に加えて、塩化カドミウム(CdCl)の存在および吸収体層160中への塩素の拡散は、吸収体層160での粒子成長、すなわち、吸収体層160の粒子の大きさの増加をもたらすことができる。
【0042】
[0046]任意に、吸収体層160をアニールする前に、アニーリング材料210は、実質的に連続的な膜へ乾燥させることができる。例えば、アニーリング材料210を膜誘導ヒーター244によって加熱して、ゲルから膜へ変換することができる。いくつかの実施形態では、増粘剤は、アニーリング材料210と一緒に結合し、アニーリング材料210を吸収体層160と結合するように作用し得る。したがって、より粉っぽい塩化カドミウム(CdCl)層をむしろ生成する可能性のある、増粘剤を使用しない適用と比較して、膜形成は、塩化カドミウム(CdCl)の封じ込めをさらに強化することができる。いくつかの実施形態では、アニーリング材料210の膜での塩化カドミウム(CdCl)対増粘剤の比率は、重量ベースで、0.1:1以上、例えば、一実施形態での約1:1以上~約160:1以下、別の実施形態での約10:1以上~約30:1以下などであり得る。
【0043】
[0047]そのうえ、アニーリング材料210の膜の適用量は、すなわち、材料センサー240、計測センサー241、または両方によって提供される信号に基づいて、ロール塗布装置222の構成要素を調節することによって、制御することができる。アニーリング材料210の膜の適用量に対する望ましい範囲は、約0.15mg/cm以上、例えば、一実施形態での約0.16mg/cm以上~約1.20mg/cm以下、別の実施形態での約0.175mg/cm以上~約0.5mg/cm以下、またはさらなる実施形態での約0.175mg/cm以上~約0.25mg/cm以下などがあり得る。
【0044】
[0048]ここで、本明細書で提供される実施形態が、アニーリングゲル、およびアニーリングゲルを用いて吸収体層をアニールする方法に関することを、理解すべきである。アニーリングゲルは、別法の塩化カドミウム(CdCl)材料と比較して、全体的なアニーリングプロセスを改善するために使用され得る。例えば、アニーリングゲルは、噴霧溶液と比較して、塩化カドミウム(CdCl)の単位体積当たりで、約25%多い吸収体の表面積を覆うことができる。さらに、本明細書で記載するアニーリングゲルに基づく方法は、アニーリング材料の実質的により均一な層を、吸収体層の表面上に形成することができる。溶液として噴霧されたアニーリング材料の層の厚さと比較して、ゲルとしてロール塗布されたアニーリング材料の層の厚さの変動係数(CV)の約35%の改善を、試験が実証した。そのうえ、本明細書で記載するゲルに基づく方法を使用して、アニーリング材料は、塩化カドミウム(CdCl)による層の、より大きな被覆面積(coverage)を実証した。特に、噴霧された溶液の表面画像は、10μmスケールで表示された、ロール塗布されたゲルの比較試料より、100μmスケールで表示された、より少ない塩化カドミウム(CdCl)被覆面積(塩化カドミウム(CdCl)に対応する画素のパーセント)を実証した。したがって、より低い分解能画像(100μmスケール)は、より高い分解能画像(10μmスケール)より、イメージ要素当たりより多くの空隙を捕捉しており、これは、噴霧された溶液に関して、ロール塗布されたゲルと比較して、より多くかつより大きな空隙に対応している。
【0045】
[0049]本開示の実施形態によれば、吸収体層をアニールする方法は、吸収体層の表面をゲルとして提供されるアニーリング材料と接触させるステップを含み得る。吸収体層は、カドミウムおよびテルルを含み得る。アニーリング材料は、塩化カドミウムおよび増粘剤を含み得る。アニーリング材料のゲルの粘度は、5ミリパスカル秒以上であり得る。方法は、吸収体層を、吸収体層の表面と接するアニーリング材料を用いて、アニールするステップを含んでもよい。
【0046】
[0050]いくつかの実施形態では、アニーリング材料のゲルは、塩化カドミウムおよび増粘剤をみ得る。アニーリング材料のゲルの粘度は、5ミリパスカル秒以上であり得る。
[0051]本明細書で提供される実施形態によれば、部分的に形成された光起電力素子は、吸収体層およびアニーリング材料の膜を含み得る。吸収体層は、カドミウムおよびテルルを含んでもよい。アニーリング材料の膜は、吸収体層の表面と直接接してもよい。アニーリング材料の膜の適用量は、0.15mg/cm以上であり得る。アニーリング材料の膜は、塩化カドミウムおよび増粘剤を含んでもよい。アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率は、重量で、0.1:1以上であり得る。
【0047】
[0052]「実質的に」および「約」という用語は、いずれの定量的比較、値、測定、または他の表現に起因し得る、不確実性の固有の度合を表すために、本明細書で利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、課題の主題の基本機能に変化をもたらすことなく、明示された基準から定量的表現が変動し得る度合を表すためにも、本明細書で利用される。
【0048】
[0053]本明細書で特定の実施形態が説明され、記載されてきたが、権利を主張する主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変化および変更が行なわれ得ることを理解すべきである。そのうえ、権利を主張する主題の様々な態様が本明細書に記載されてきたが、こうした態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付された特許請求の範囲が、権利を主張する主題の範囲内にある、こうした変化および変更をすべて包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力素子のための改善された吸収体層を製造する方法であって、
層積層体上に吸収体層を提供すること、ここで前記吸収体層の第1の表面が前記積層体に隣接している、
ゲルとして提供されるアニーリング材料の被覆を前記吸収体層の第2の表面に適用すること、ここで
前記吸収体層がカドミウムおよびテルルを含み、
前記アニーリング材料が塩化カドミウムおよび増粘剤を含み、
前記アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である、
ならびに、
前記吸収体層を、前記吸収体層の前記第2の表面と接する前記アニーリング材料と共に加熱することによって、前記吸収体層を処理すること、これにより前記吸収体層は再結晶し、そして塩素が前記アニーリング材料から前記吸収体層内へ拡散する
を含む、方法。
【請求項2】
前記アニーリング材料中の、前記塩化カドミウム:前記増粘剤の重量比は0.1:1以上、160:1以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸収体層に適用された前記アニーリング材料のゲルを乾燥させることにより、前記吸収体層の第2の表面上に、単位面積当たりの密度が0.15mg/cm~1.20mg/cmで適用されている膜を形成することを含み、
前記吸収体層を処理することが、前記吸収体層を、前記吸収体層の前記第2の表面と接触した前記膜と共に、350℃~650℃の範囲のアニーリング温度で5分~60分間、加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記膜の適用量が0.175mg/cm~0.5mg/cmである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アニーリング材料中にイオウ源が含まれていない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
材料センサーを用いて、前記アニーリング材料の前記ゲルを測定すること、
前記材料センサーに通信接続された1つまたは複数のプロセッサーに信号を伝達すること、ここで前記信号が前記アニーリング材料のゲルの粘度を示す、ならびに
前記1つまたは複数のプロセッサーを用いて、前記アニーリング材料のゲルの密度を自動的に決定すること、ここで前記アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である場合、吸収体層の表面が接触する、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アニーリング材料のゲルが、10ミリパスカル秒以上で、250ミリパスカル秒以下の粘度を有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記吸収体層の第2表面を適用ローラーと接触させること、
前記吸収体層からの前記アニーリング材料のゲルのオーバーフローを捕捉すること、ならびに
捕捉された前記アニーリング材料のゲルを前記適用ローラーへ再循環すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記吸収体層に適用された前記アニーリング材料のゲルを乾燥させることが、前記ゲルを30℃以上~60℃以下の温度に加熱することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記アニーリング材料の膜中の前記塩化カドミウム:前記増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、請求項1~9に記載の方法。
【請求項11】
前記吸収体層を処理する工程中に、前記吸収体層をアニールしながら、前記吸収体層を還元環境に曝露することを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記吸収体層を処理する工程が、前記吸収体層を350℃~650℃の間の温度で、5分~60分の間アニールすることを含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記増粘剤がメチルセルロースである、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記増粘剤がプロピレングリコールを含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
[0053]本明細書で特定の実施形態が説明され、記載されてきたが、権利を主張する主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変化および変更が行なわれ得ることを理解すべきである。そのうえ、権利を主張する主題の様々な態様が本明細書に記載されてきたが、こうした態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付された特許請求の範囲が、権利を主張する主題の範囲内にある、こうした変化および変更をすべて包含することを意図している。
[発明の態様]
[1]
吸収体層をアニールする方法であって、
吸収体層の表面を、ゲルとして提供されるアニーリング材料と接触させること、ここで
吸収体層がカドミウムおよびテルルを含み、
アニーリング材料が塩化カドミウムおよび増粘剤を含み、
アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である、
ならびに、
吸収体層を、吸収体層の表面と接するアニーリング材料と共にアニールすること
を含む、方法。
[2]
材料センサーを用いて、アニーリング材料のゲルを測定すること、
材料センサーに通信接続された1つまたは複数のプロセッサーに信号を伝達すること、ここで信号がアニーリング材料のゲルの粘度を示す、ならびに
1つまたは複数のプロセッサーを用いて、アニーリング材料のゲルの密度を自動的に決定すること、ここでアニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である場合、吸収体層の表面が接触する、
を含む、1に記載の方法。
[3]
材料センサーが音さ発振器を含む、1に記載の方法。
[4]
吸収体層の表面を、アニーリング材料のゲルでロール塗布することを含む、1に記載の方法。
[5]
吸収体層の表面が、適用ローラーと直接接触する、4に記載の方法。
[6]
吸収体層からのアニーリング材料のゲルのオーバーフローを捕捉すること、ならびに
捕捉されたアニーリング材料のゲルを適用ローラーへ再循環すること
を含む、5に記載の方法。
[7]
吸収体層をアニールすることの前に、アニーリング材料のゲルを加熱することによって、アニーリング材料のゲルをアニーリング材料の膜へ変換することを含む、1に記載の方法。
[8]
ゲルが、30℃以上~60℃以下の温度に加熱される、7に記載の方法。
[9]
アニーリング材料の膜の適用量が、0.15mg/cm以上である、7に記載の方法。
[10]
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、7に記載の方法。
[11]
混合温度でアニーリング材料の溶液を混合することと、
吸収体層の表面がアニーリング材料のゲルと接触する前に、アニーリング材料の溶液をアニーリング材料のゲルへ変換すること、ここで
アニーリング材料のゲルが適用温度にあり、かつ
適用温度が混合温度未満である、
を含む、1に記載の方法。
[12]
アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上であ
る、1に記載の方法。
[13]
吸収体層をアニールしながら、吸収体層を還元環境に曝露することを含む、1に記載の方法。
[14]
吸収体層が350℃~650℃の間の温度で、5分~60分の間アニールされる、1に記載の方法。
[15]
増粘剤がメチルセルロースである、1に記載の方法。
[16]
増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、1に記載の方法。
[17]
増粘剤がプロピレングリコールを含み、アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対プロピレングリコールの比率が、重量で0.1:1以上である、1に記載の方法。
[18]
塩化カドミウムおよび増粘剤を含むアニーリング材料のゲルであって、アニーリング材料のゲルの粘度が5ミリパスカル秒以上である、ゲル。
[19]
部分的に形成された光起電力素子であって、
カドミウムおよびテルルを含む吸収体層、ならびに
吸収体層の表面に直接接するアニーリング材料の膜、ここで
アニーリング材料の膜の適用量が0.15mg/cm以上であり、
アニーリング材料の膜が塩化カドミウムおよび増粘剤を含み、
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で0.1:1以上である、
を含む、光起電力素子。
[20]
材料センサーが音さ発振器を含む、1または2に記載の方法。
[21]
吸収体層の表面を、アニーリング材料のゲルでロール塗布することを含む、1、2および20のいずれかに記載の方法。
[22]
吸収体層の表面が適用ローラーと直接接触する、21に記載の方法。
[23]
吸収体層からのアニーリング材料のゲルのオーバーフローを捕捉すること、ならびに
捕捉されたアニーリング材料のゲルを適用ローラーへ再循環すること
を含む、22に記載の方法。
[24]
吸収体層をアニールすることの前に、アニーリング材料のゲルを加熱することによって、アニーリング材料のゲルをアニーリング材料の膜へ変換することを含む、1、2および20から23のいずれかに記載の方法。
[25]
ゲルが30℃以上~60℃以下の温度に加熱される、24に記載の方法。
[26]
アニーリング材料の膜の適用量が0.15mg/cm以上である、1、2、24および25のいずれかに記載の方法または19に記載の部分的に形成された光起電力素子。
[27]
アニーリング材料の膜中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、1、2および24から26のいずれかに記載の方法または19または26
に記載の部分的に形成された光起電力素子。
[28]
アニーリング材料の溶液を混合温度で混合すること、ならびに
吸収体層の表面がアニーリング材料のゲルと接する前に、アニーリング材料の溶液をアニーリング材料のゲルへ変換すること、ここで
アニーリング材料のゲルが適用温度にあり、
適用温度が混合温度未満である、
を含む、1、2および20から27のいずれかに記載の方法。
[29]
アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対増粘剤の比率が、重量で1:1以上である、1、2および20から28のいずれかに記載の方法または18に記載のゲル。
[30]
吸収体層をアニールしながら、吸収体層を還元環境に曝露することを含む、1、2および20から29のいずれかに記載の方法。
[31]
吸収体層が350℃~650℃の間の温度で、5分~60分の間アニールされる、1、2および20から30のいずれかに記載の方法。
[32]
増粘剤がメチルセルロースである、1、2および24から31のいずれかに記載の方法、19、26および27のいずれかに記載の部分的に形成された光起電力素子または18または29に記載のゲル。
[33]
増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、1、2および24から31のいずれかに記載の方法、19、26および27のいずれかに記載の部分的に形成された光起電力素子または18または29に記載のゲル。
[34]
増粘剤がプロピレングリコールを含み、アニーリング材料のゲル中の塩化カドミウム対プロピレングリコールの比率が、重量で0.1:1以上である、1、2および24から31のいずれかに記載の方法または18または29に記載のゲル。
【外国語明細書】