(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025977
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】コンクリートブロック及びコンクリートブロックの設置方法
(51)【国際特許分類】
E04C 1/39 20060101AFI20230216BHJP
E04H 17/22 20060101ALI20230216BHJP
E04C 1/00 20060101ALI20230216BHJP
E01F 15/04 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
E04C1/39 108
E04C1/39 112
E04H17/22
E04C1/00 Z
E01F15/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131480
(22)【出願日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】391060085
【氏名又は名称】株式会社武井工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100153442
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 真季
(72)【発明者】
【氏名】佐山 高志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 政博
【テーマコード(参考)】
2D101
2E142
【Fターム(参考)】
2D101CA06
2D101DA02
2D101EA05
2D101FA01
2D101FA11
2D101FA32
2D101FA34
2E142AA01
2E142CC03
2E142EE01
2E142HH03
2E142HH13
2E142JJ05
2E142JJ08
(57)【要約】
【課題】 簡単に美観を損なうことなく施工できると共に、フェンスが強風を受けても基礎ブロックそのものが抜けてフェンスが倒壊したり、基礎ブロックそのものが破損してフェンスが倒壊してしまうことを極力防止することを目的とする。
【解決手段】 歩道と車道の境界や敷地などの境界に所定の根入れ深さで敷設する境界ブロックと、フェンスの支柱が差し込まれる支柱用穴を形成した基礎ブロックとを一体に成形し、設置される前記支柱間に対応した長さを有する矩形状のコンクリートブロックにおいて、支柱用穴は楕円形であって、下方に向けてテーパー状に形成されていると共に、支柱用穴外周のコンクリート内には、穴を囲うように鉄筋が配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道と車道の境界や敷地などの境界に所定の根入れ深さで敷設する境界ブロックと、フェンスの支柱が差し込まれる支柱用穴を形成した基礎ブロックとを一体に成形し、設置される前記支柱間に対応した長さを有する矩形状のコンクリートブロックにおいて、
支柱用穴は楕円形であって、下方に向けてテーパー状に形成されていると共に、支柱用穴外周のコンクリート内には、穴を囲うように鉄筋が配置されていることを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項2】
フェンスの高さに対する根入れ深さの比を0.16以上としたことを特徴とする請求項1記載のコンクリートブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道と車道の境界及び敷地等の境界に敷設すると共に、フェンス等を支持するコンクリートブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のコンクリートブロックは、歩道と車道との境界等に使用する境界ブロックの他に、フェンスやガードパイプ等の支柱を設置する基礎ブロックとが必要であった。ブロック設置に際しては、この支柱用の基礎ブロックは境界ブロック同士の間に設置したり、境界ブロックの横に設置することで対応していた。
【0003】
しかしながら、基礎ブロックは支柱を支持することが目的であるため、境界ブロックとはサイズが異なっており、例えば、境界ブロック同士の間に設置する場合、位置決めや目地詰めの施工の手間がかかる問題があった。また、境界ブロックの横に設置する場合、基礎ブロックは敷地内に所定間隔で位置するため基礎ブロック間にデッドスペースができるという問題があった。
【0004】
これらの問題に対して、例えば特許文献1には、コンクリート境界ブロックと支柱建て込み専用ブロックを一体化させ、コンパクトにして連続性を高め、強度の増大と作業及び製品の経費の軽減を図るため、コンクリート境界ブロックの長さをフェンス等の標準スパンに合致させ、目地モルタルを含む長さ50cm等及びその倍数にし、ブロックの中央に支柱建て込み用穴を製造時より穿穴する支柱基礎を併用したコンクリート境界ブロックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この特許文献1に開示されている支柱基礎を併用したコンクリート境界ブロックでは、穿穴したブロック(基礎ブロック)と穿穴していないブロック(境界ブロック)を組み合わせフェンス等支柱の建て込み間隔に合致させているため、二種類のブロックが多数混在することとなり、この多数のコンクリートブロック天端を揃えるのに手間がかかるという問題があった。
【0007】
また、基礎ブロックと境界ブロックとは各々の両端面を突き合わせてモルタルで一部が接続しているだけであるため、フェンスにかかる風圧はほぼ基礎ブロック部分で受けることとなり、根入れ深さ、即ち、基礎ブロックの地中部分が浅いと強風で基礎ブロックが抜けてフェンスが倒壊してしまう恐れがある。
【0008】
更に、基礎ブロックは単純にコンクリートのみで形成されているため、やはりフェンスにかかる風圧が大きいと、フェンスを支える支柱に過剰な力が加わり、基礎ブロックが破損してフェンスが倒壊する恐れもあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、美観を損なうことなく簡単に施工できると共に、フェンスが強風を受けても基礎ブロックそのものが抜けてフェンスが倒壊したり、基礎ブロックそのものが破損してフェンスが倒壊してしまうことを極力防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1にかかるコンクリートブロックは、
歩道と車道の境界や敷地などの境界に所定の根入れ深さで敷設する境界ブロックと、フェンスの支柱が差し込まれる支柱用穴を形成した基礎ブロックとを一体に成形し、設置される前記支柱間に対応した長さを有する矩形状のコンクリートブロックにおいて、
支柱用穴は楕円形であって、下方に向けてテーパー状に形成されていると共に、支柱用穴外周のコンクリート内には、穴を囲うように鉄筋が配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2にかかるコンクリートブロックは、
請求項1において、フェンスの高さに対する根入れ深さの比を0.16以上としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンクリートブロックは、歩道と車道の境界や敷地などの境界に所定の根入れ深さで敷設する境界ブロックと、フェンスの支柱が差し込まれる支柱用穴を形成した基礎ブロックとを一体に成形し、設置される前記支柱間に対応した長さを有する矩形状であるため、設置するコンクリートブロックの数を減らすことができるため、簡単に美観を損なうことなく施工できる。
【0013】
また、コンクリートブロックは、歩道と車道の境界や敷地などの境界に強風に耐えうる所定の根入れ深さで敷設しているため、フェンスが強風を受けてもブロックそのものが抜けてフェンスが倒壊してしまうことを極力防止できる。
【0014】
更に、支柱用穴は楕円形であって、下方に向けてテーパー状に形成されていると共に、支柱用穴外周のコンクリート内に穴を囲うよう鉄筋を配置しているため、強風により支柱にかかる力でブロックの支柱用穴周辺が破損し、フェンスが倒壊してしまうということを極力防止することができる。
【0015】
更にまた、本発明のコンクリートブロックは、フェンスの高さに対する根入れ深さの比を0.16以上としたことにより、フェンスが強風を受けてもブロックそのものが抜けてフェンスが倒壊してしまうことを極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明のコンクリートブロックを利用した目隠しフェンスの設置状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は本発明のコンクリートブロックを利用したワイヤーフェンスの設置状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの正面図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの平面図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの側面図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す正面図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す平面図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す右側面図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例1の上下に貫通している支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す左側面図である。
【
図10】
図10は本発明のコンクリートブロックに支柱を設置した状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12は本発明のコンクリートブロックと地盤面とをほぼ同じ高さとした設置状態を示す側面図である。
【
図13】
図13は本発明のコンクリートブロックの上部を所定寸法立ち上げた設置状態を示す側面図である。
【
図14】
図14は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの正面図である。
【
図15】
図15は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの平面図である。
【
図16】
図16は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの側面図である。
【
図17】
図17は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す正面図である。
【
図18】
図18は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す平面図である。
【
図19】
図19は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す右側面図である。
【
図20】
図20は本発明の実施例2の貫通していない支柱用穴を有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す左側面図である。
【
図21】
図21は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの正面図である。
【
図22】
図22は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの平面図である。
【
図23】
図23は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの側面図である。
【
図24】
図24は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す正面図である。
【
図25】
図25は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す平面図である。
【
図26】
図26は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックの鉄筋配置状態を示す側面図である。
【
図27】
図27は側面に1つの突起を設けた本発明のコンクリートブロックの側面図である。
【
図28】
図28は側面に2つの突起を設けた本発明のコンクリートブロックの側面図である。
【
図29】
図29は側面に4つの突起を設けた本発明のコンクリートブロックの側面図である。
【
図30】
図30は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックを端部に用いた状態を示す斜視図である。
【
図31】
図31は本発明の実施例3の貫通している支柱用穴を両端部に有するコンクリートブロックを調整用として用いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のコンクリートブロック1は、歩道と車道の境界や敷地などの境界に所定の根入れ深さDfで敷設する境界ブロック2の機能と、
図1の目隠しフェンス4や防音フェンス、
図2のメッシュフェンス5等の支柱6が差し込まれる支柱用穴7を形成した基礎ブロック3の機能を有する一体成形のブロックである。
【0018】
このコンクリートブロック1は、設置される前記支柱間、即ち目隠しフェンス4やメッシュフェンス5の一枚のフェンス幅FWに対応した長さを有すると共に、矩形状をしている。
【0019】
また、このコンクリートブロック1に形成された前記支柱用穴7は、楕円形であって、下方に向けてテーパー状に形成されており、この支柱用穴7外周のコンクリート内には、穴7を囲うように鉄筋8が配置されている。
【0020】
更に、目隠しフェンス4やメッシュフェンス5のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を0.16以上としている。このような本発明のコンクリートブロック1について、以下に図面を参照して実施例を詳述する。
【実施例0021】
実施例1のコンクリートブロック1は、
図1乃至
図13に示す如く、境界ブロック2と、目隠しフェンス4や防音フェンス、或いはメッシュフェンス5の支柱6が差し込まれる支柱用穴7を形成した基礎ブロック3とを一体に成形してなるものである。そして、
図10に示す如く、設置される前記支柱6間に対応した長さを有するものである。また、
図3乃至
図7に示す如く、本実施例1において前記支柱用穴7はコンクリートブロック1の端部に一箇所だけ穿設されている。
【0022】
ここで、本発明においては、コンクリートブロック1の長さと支柱6間、即ち目隠しフェンス4、メッシュフェンス5の幅FWとをほぼ同じ長さとしており、一般的に目隠しやメッシュフェンス4、5等の支柱6の間隔は2000mm又は3000mmが標準的なサイズとなっているため、コンクリートブロック1の長さも設置するフェンス4、5等の大きさに合わせて2000mm又は3000mmとしている。以下、本実施例1では、フェンス幅FW2000mmサイズの目隠しフェンス4、メッシュフェンス5及び長さ2000mmサイズのコンクリートブロック1を例として説明する。なお、コンクリートブロック1の基礎幅は風圧に応じて200mm~300mmの範囲で変更可能としており、基礎高Hは目隠しフェンス4、メッシュフェンス5の大きさに対応して変更している。そして、特に基礎高Hが600mm以上のコンクリートブロック1の基礎幅は240mm~260mmが好ましく、施工上の妥当性から250mmを採用した。
【0023】
また、
図3乃至
図5に示す如く、コンクリートブロック1の長手方向の一方の端面には凸部8が、他方の端面には凹部9がそれぞれ設けられており、凸部8は凹部9に係合可能となっている。
【0024】
10はコンクリートブロック1同士を接続する接続金物であり、
図3乃至
図7に示す如く、金属プレートよりなりばか穴が形成された接続板10Aと、この接続板10Aの両端から延びるフランジとでコ字状に形成されている。コンクリートブロック1同士を接続する場合には、各々のコンクリートブロック1の接続金物10の接続板10Aを向かい合わせて、両方の接続板10Aのばか穴に図示しないボルトを差し込みナットで締めることで両コンクリートブロック1を接続するものである。
【0025】
更に、
図27乃至
図29に示す如く、前記凸部8が設けられている側の面に突起15を設けてもよく、この突起15は前記接続金物10で締め付けた際に製品の本体同士が干渉してしまうことを防止するものである。突起15の配置は小さいサイズのコンクリートブロック1であれば
図27の如く1つでも良いし、大きなサイズのコンクリートブロックであれば
図28、
図29の如く2つや4つ設けても良い。
【0026】
なお、11は施工用インサートであり、コンクリートブロック1を設置する際に、シャベルカーやクレーン車などの建設機械で吊り上げるための図示しないアイボルトなどを取り付けるためのものである。
【0027】
以上の構成にして、本発明の支柱用穴7について詳述する。
図3乃至
図10に示す如く、コンクリートブロック1の端部に穿設されている支柱用穴7は、支柱6の間隔や支柱6の太さなどにブレがあっても調整できるよう、ばか穴とよばれる支柱6よりも大きい楕円形に形成されている。また、本実施例1の支柱用穴7はコンクリートブロック1を貫通しており、上端開口7Aが下端開口7Bよりも大きい楕円となるよう、上から下にかけてテーパー状に傾斜している。
【0028】
前記支柱6をコンクリートブロック1に設置する場合、支柱6を支柱用穴7に差し込みモルタル12を流し込んで固定するが、このテーパー状の傾斜によりモルタル12をスムーズに流し込むことができるため、モルタル12とコンクリートブロック1の間の接着性の向上を図ることができる。
【0029】
また、
図6乃至
図9に示す如く、本発明のコンクリートブロック1内には補強用の鉄筋13がほぼ全体に渡って配置されており、垂直方向に配置する縦筋13Aと、水平方向に配置する横筋13Bとにより構成されている。なお、本実施例1では、前記支柱用穴7の周囲のコンクリートブロック1内には、支柱用穴7を囲むように横筋13Bが複数段配置されて縦筋13Aと接続しカゴ状になっている。更に、支柱用穴7以外のコンクリートブロック1内にも、複数段の横筋13Bと多数の縦筋13Aとが配置され、コンクリートブロック1全体の強度を向上させている。この構成により、強風により支柱6にかかる力でコンクリートブロック1の支柱用穴7周辺が破損し、目隠しフェンス4やメッシュフェンス5が倒壊してしまうということを極力防止することができる。
【0030】
次に、本発明の目隠しフェンス4やメッシュフェンス5のフェンス高さFHと、前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfとの関係について詳述する。なお、コンクリートブロック1の設置は、
図12のように、コンクリートブロック1の基礎高Hと根入れ深さDfとを同じサイズにして、コンクリートブロック天端14が地盤面GLとほぼ同じとなるものと、
図13のようにコンクリートブロック1の基礎高Hを根入れ深さDfより大きいサイズにして、コンクリートブロック天端14が地盤面GLより上に所定寸法(本実施例1では50mm)立ち上げるものとがあり、この立ち上げがあるものでは隣地の雨水の流入を防止できるものである。
【0031】
図11は本発明の目隠しフェンス4のフェンス単体を示し、横長の目隠し板4Aを所定の隙間をあけて上下に複数枚配置してなるもので、縦寸法をフェンス高さFH、横寸法をフェンス幅FWと称する。そして、表1乃至表3に風速ごとの前記目隠しフェンス4のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を示す。
計算条件は以下の通りである。
・コンクリートブロック基礎長:2000mm
・コンクリートブロック基礎幅:200mm
・コンクリートの単位体積重量:24.0kN/m3
・長期の許容鉛直地耐力:98.0kN/m3
・転倒安全率:1.2以上(短期)
【0032】
表1は風速V=30m/sに対応するもので、上段の条件1が
図12の如く、地盤面GLより50mm立ち上がっており、下段の条件2が
図13の如く、地盤面GLとコンクリートブロック天端14がほぼ同じ高さのものである。
【0033】
【0034】
この表1によると、目隠しフェンス4のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を0.16以上とすることで風速V=30m/sに対応可能としている。
【0035】
表2は風速V=36m/sに対応するもので、上段の条件3が
図12の如く、地盤面GLより50mm立ち上がっており、下段の条件4が
図13の如く、地盤面GLとコンクリートブロック天端14がほぼ同じ高さのものである。
【0036】
【0037】
この表2によると、目隠しフェンス4のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を0.2以上とすることで風速V=36m/sに対応可能としている。
【0038】
表3は風速V=46m/sに対応するもので、上段の条件5が
図12の如く、地盤面GLより50mm立ち上がっており、下段の条件6が
図13の如く、地盤面GLとコンクリートブロック天端14がほぼ同じ高さのものである。
【0039】
【0040】
この表3によると、目隠しフェンス4のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を0.29以上とすることで風速V=46m/sに対応可能としている。
【0041】
以上のように、風速V=30m/sを想定した場合、前記目隠しフェンス4のフェンス高さFHに対する前記コンクリートブロック1の根入れ深さDfの比を0.16以上、風速V=36m/sの場合フェンス高さFHに対する根入れ深さDfの比を0.2以上、風速V=46m/sの場合フェンス高さFHに対する根入れ深さDfの比を0.29以上とすることで、目隠しフェンス4が強風を受けてもコンクリートブロック1そのものが抜けフェンス4が倒壊してしまうことを極力防止できる。
【0042】
ここで、根入れ深さDfよっては、大きい風圧のみならず、害獣対策、隣地の樹木の根の侵入を防止できるものである。害獣の一例としてのモグラは300mm程度、ムジナやアナグマなどは500mm程度の深さの穴を掘ることが知られているため、本実施例1の風速V=30m/s用でもフェンス高1500mmクラス以上のコンクリートブロック1であればモグラなどの害獣対策にもなる。
【0043】
以上の構成にして本発明のコンクリートブロック1を施工する場合には、コンクリートブロック1設置箇所に根入れ深さDfに対応する深さの溝をほる。その後、施工用インサート10にアイボルトを取り付け、建設機械で吊り上げて溝内に位置するように設置する。
【0044】
そして、
図1、
図2、
図10に示す如く、必要数のコンクリートブロック1を溝内に設置した後、アイボルトを外し、土で埋め込むこととなる。通常、複数のコンクリートブロック1が必要であるが、第一コンクリートブロック1Aに並べて第二コンクリートブロック1Bを設置する際には、第二コンクリートブロック1Bの側面に形成されている凹部9を、第一コンクリートブロック1Aの側面に形成されている凸部8に合わせることにより位置決めすることができる。
【0045】
この時、
図27乃至
図29に示す突起15が第一コンクリートブロック1Aの側面に形成されているため、第二コンクリートブロック1Bの側面との間に隙間ができ、コンクリートブロック1A、1B本体同士の干渉を防止することができる。
【0046】
また、この状態で複数のコンクリートブロック1A、1B、・・・同士の高さや位置がずれてしまうことを防止するため、コンクリートブロック天端14に設けられている接続金物10の接続板10Aを向かい合わせ、両方の接続板10Aのばか穴に図示しないボルトを差し込みナットで締めることにより固定し、その後接続金物10をモルタルで埋める。
【0047】
従来のコンクリートブロックでは複数のブロックを接続する際に、コンクリートブロック端面にモルタルなどの接着剤を必要としていたが、本実施例1のコンクリートブロック1では前記凹凸部8、9により容易に位置決めができると共に、接続金物10によるコンクリートブロック1同士の固定ができるため、施工の作業性向上を図ることができる。
【0048】
このように、コンクリートブロック1を必要数設置した後、
図10に示す如く、各コンクリートブロック1A、1B・・・の支柱用穴7に支柱6を差し込んだ後モルタル12を流し込む。この際、支柱用穴7は楕円形のばか穴であるため、支柱6の間隔や支柱6の太さなどにブレがあっても容易に調整可能となっている。その後、支柱6に
図11の目隠しフェンス4を取り付けて完成となる。なお、
図2の如く、目隠しフェンス4に代えてメッシュフェンス5にしてもよい。
この、コンクリートブロック1の端部に穿設されている支柱用穴7は、支柱6の間隔や支柱6の太さなどにブレがあっても調整できるよう、ばか穴とよばれる支柱6よりも大きい楕円形に形成されている。また、本実施例2の支柱用穴7はコンクリートブロック1に形成された所定深さの止まり穴で、上端開口7Aが穴の底面7Cよりも大きい楕円となるよう、上から下にかけてテーパー状に傾斜している。なお、図示しないが、底面7Cには雨などの水を抜くための水抜き孔が穿設されている。
これにより、支柱6を差し込む際、支柱6の下端を支柱用穴7の底面7Cが受けて必要以上に支柱6が沈み込むことを防止している。なお、支柱用穴7の深さは約510mmとしており、フェンス高さFHが2000mmであれば、目隠しフェンス4及び支柱6を十分に保持可能な寸法になっている。
そして、実施例1同様、前記支柱用穴7の周囲のコンクリートブロック1内には、支柱用穴7を囲むように横筋13Bが複数段配置されて縦筋13Aと接続しカゴ状になっている。更に、支柱用穴7以外のコンクリートブロック1内にも、多数本の横筋13Bと縦筋13Aとが配置され、コンクリートブロック1全体の強度を向上させている。この構成により、強風により支柱6にかかる力でコンクリートブロック1の支柱用穴7周辺が破損し、目隠しフェンス4やメッシュフェンス5が倒壊してしまうということを極力防止することができる。