(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023025992
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】運動補助具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/10 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
A63B23/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131524
(22)【出願日】2021-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】506009567
【氏名又は名称】株式会社アニメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一正
(57)【要約】
【課題】地面を踏み込む力を効果的に強化する。
【解決手段】運動補助具は、指が係止する指係止部と、前記指係止部に繋がる板部とを具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指が係止する指係止部と、
前記指係止部に繋がる板部と
を具備する運動補助具。
【請求項2】
前記指係止部に係止した指に繋がる生体部が前記板部上に載るよう前記板部が構成されている
請求項1の運動補助具。
【請求項3】
前記生体部は足裏の人差し指の付け根近傍である
請求項2の運動補助具。
【請求項4】
前記板部は、前記板部上面の略中央部が凸状である
請求項1~請求項3いずれかの運動補助具。
【請求項5】
前記板部は、前記板部下面の略中央部が凹状である
請求項1~請求項4いずれかの運動補助具。
【請求項6】
前記指係止部は筒形状部を有する
請求項1~請求項5いずれかの運動補助具。
【請求項7】
前記指係止部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる
請求項1~請求項6いずれかの運動補助具。
【請求項8】
前記板部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる
請求項1~請求項7いずれかの運動補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スポーツでは地面を強く踏み込む力が重要である。地面を踏み込むことにより生じる反発力(地面反力)を効率よく使うことでパフォーマンスが大きく向上する。
【0003】
例えば、特許文献1には、足底筋群を鍛える足裏トレーニング用品が開示されている。
特許文献1の足裏トレーニング用品は、足底筋群を鍛えるためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トレーニングのための様々な用具(例えば、特許文献1)が考案されている。しかし、地面を踏み込む力を効果的に強化することを目的とした運動補助具は未だ提案されていない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、地面を踏み込む力を効果的に強化するのに役立つ用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、指が係止する指係止部と、前記指係止部に繋がる板部とを具備する運動補助具を提案する。
【0008】
本発明は、前記運動補助具であって、前記指係止部に係止した指に繋がる生体部が前記板部上に載るよう前記板部が構成されている運動補助具を提案する。
【0009】
本発明は、前記運動補助具であって、前記生体部は足裏の人差し指の付け根近傍である運動補助具を提案する。
【0010】
本発明は、前記運動補助具であって、前記板部上面の略中央部が凸状である運動補助具を提案する。
【0011】
本発明は、前記運動補助具であって、前記板部は、前記板部下面の略中央部が凹状である運動補助具を提案する。
【0012】
本発明は、前記運動補助具であって、前記指係止部は筒形状部を有する運動補助具を提案する。
【0013】
本発明は、前記運動補助具であって、前記指係止部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる運動補助具を提案する。
【0014】
本発明は、前記運動補助具であって、前記板部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる運動補助具を提案する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の運動補助具を装着することにより、利用者は、足のどの部分に力を入れれば地面を踏み込む力を強化することができるかを明確に知ることができる。これにより、地面を踏み込む力を強化する効果的なトレーニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図8】本発明の第1実施形態の使用方法を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の発明は、運動補助具である。前記運動補助具は、指が係止する指係止部と、前記係止部に繋がる板部と、を具備する。前記板部は、前記指係止部に係止した指に繋がる生体部が載るよう構成されている。
【0018】
前記生体部は、足裏の人差し指の付け根近傍である。地面を踏み込む力を強化するためには、足裏の人差し指の付け根近傍(中足骨頭部あたり)に力を入れるトレーニングを行うことが重要である。その理由は、足裏の人差し指の付け根近傍に力を入れると、足指全体、母指球及び小指球にも同時に力が入るからである。足裏の人差し指の付け根近傍に注力しながら地面を踏むと、踏む力を逃さずに地面をしっかり押すことができる。
しかし、足裏の人差し指の付け根近傍に力を入れるよう指示されても、一般人がそれを実際に体現するのは難しく、上手くできなかった。本運動補助具を足に装着した状態で地面を踏むと、足裏全体が地面からの反発力を受けるが、足裏の人差し指の付け根部分については、前記板部が圧着した状態で地面からの反発力を受ける。このとき、足裏の人差し指の付け根近傍の感覚は、足裏の他の領域とは異なる、より押圧された感覚となる。これにより、利用者は、地面を踏み込む力を強化するために注力すべき足裏の領域を感覚的に明確に知ることができる。
【0019】
前記板部は、前記板部上面の略中央部が凸状である。前記板部上面の略中央部が凸状であることにより、生体部がさらに押し上げられるため、利用者は地面を踏み込む力を強化するために注力すべき生体部の領域をより明確に知ることができる。
【0020】
前記板部は、前記板部下面の略中央部が凹状であってもよい。前記板部下面の略中央部が凹状であることにより、前記生体部により押された前記板部上面の略中央部が下方にへこみ、反発力によって元に戻る際に前記生体部を押し上げる。これにより、利用者は地面を踏み込む力を強化するために注力すべき生体部の領域をより明確に知ることができる。
【0021】
前記指係止部は筒形状部を有する。筒に利用者の指が挿入されることにより、本運動補助具が利用者の生体部に装着される。
前記指係止部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる。前記板部は弾性素材又は軟性素材で構成されてなる。例えば、シリコンゴム等の合成ゴムまたは天然ゴムが挙げられる。又、軟性樹脂が挙げられる。
【0022】
前記板部には、複数の孔が設けられていてもよい。孔の直径は例えば1.0mm~2.0mmが好ましいが、これに限定されない。孔により通気性が高まる。
【0023】
以下、本発明が具体的に説明される。下記実施例は本発明の一実施例に過ぎない。本発明は下記実施例に限定されない。すなわち、本発明の特長が大きく損なわれない変形・応用例も本発明に含まれる。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の運動補助具1は、地面を踏み込む足の力の強化するトレーニングに用いられる。
図1は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の概略図である。
図2は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の平面図である。
図3は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の底面図である。
図4は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の左側面図(右側面図は左側面図と対称)である。
図5は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の正面図である。
図6は、本発明の第1実施形態の運動補助具1の背面図である。
【0025】
運動補助具1は、指が係止する指係止部11を具備する。運動補助具1は板部12を具備する。
【0026】
指係止部11は、筒部112を有する。指係止部11は、指が係止すれば良いので、筒状ではなく、断面略C形状であっても良い。断面略C形状の場合には、指の大きさが多少違った者に対しても、同じサイズの指係止部で対応が可能になる。筒部112に足の指が挿入される。挿入される足の指は、例えば人差し指である。筒部112の口の形状は楕円が好ましい。挿入される指との隙間が生じないようにするためである。筒部112の口の太さは人差し指がちょうど通る程度が好ましい。筒部112の口の横方向の直径は、例えば1.6cm~2.6cmが好ましい。筒部112の口の縦方向の直径は、例えば0.9cm~1.9cmが好ましい。
【0027】
運動補助具1は弾性素材で構成される。例えば、ゴム素材(シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロブレンゴム、アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムまたは天然ゴム)が用いられる。ゴム素材を用いることにより、指係止部11と、指係止部11に挿入された指とが密着する。
【0028】
板部12は、指係止部11に繋がる。板部12は、指係止部11により係止された足の人差し指の付け根近傍が載るよう構成される。板部12は板部上面の略中央部が凸状である。この凸状部分を隆起部121と呼ぶ。隆起部121は、
図7に示すように、周囲よりも盛り上がっている。足の人差し指が指係止部11に係止した状態において、隆起部121は、足の人差し指の付け根近傍がちょうど接するような位置に配置されている。隆起部121より足の人差し指の付け根近傍がさらに押し上げられるため、利用者はトレーニングにおいて注力すべき足裏の領域を感覚的に認識することができる。
運動補助具1はゴム素材で構成されているため、板部12に載置した足が滑るのを防止する。また、ゴム素材であることから、隆起部121により押圧されても足が痛くならない。
【0029】
運動補助具1の使用方法が説明される。
利用者は、指係止部11の筒部112に足の人差し指を挿入する。筒部112へ指の挿入の向きについては、板部12側の筒口から挿入する。筒部112に指が嵌ることで、運動補助具1が足に装着される。
図8(a)は、運動補助具1が装着された足を甲側から見た図である。
図8(b)は、運動補助具1が装着された足を足裏側から見た図である。
利用者は、運動補助具1を装着した上から靴下を履く。靴下が板部12を下から押さえ付けるため、板部12と足裏とがより密着し、板部12がずれることを防ぐ。
【0030】
利用者は、靴下を履いた状態で地面を踏み込む。そうすると、板部12の隆起部121が、人差し指の付け根部分を押圧する。利用者は、押圧された足の領域が注力すべき領域であると感覚的に認識する。そして、利用者は、その領域に力を入れるトレーニングを行う。例えば、利用者が運動補助具1を足に装着した状態で地面に立ち、人差し指の付け根部分に力を入れるトレーニングをしてもよい。また、利用者が運動補助具1を足に装着し、人差し指の付け根部分を意識した状態で、スクワット等の筋力トレーニングを行ってもよい。また、ゴルフのトレーニングの場合、利用者が運動補助具1を足に装着し、人差し指の付け根部分を意識した状態で、クラブをスイングするトレーニングを行ってもよい。これらのトレーニングは一例であり、他の様々なトレーニングに適用できる。
運動補助具1を両足に装着すれば、両足を同時にトレーニングできる。しかし、トレーニングしたい方の足だけに装着してもよい。
【0031】
第1実施形態によれば、板部12の隆起部121が、人差し指の付け根部分を押圧することにより、利用者は、地面を踏み込む力を強化するために注力すべき足の領域を明確に知ることができる。
【0032】
なお、運動補助具1の使用はトレーニングのときに限定されない。利用者は、運動補助具1を足に装着したまま、プレイしてもよい。この場合、利用者は注力すべき足の領域をプレイ中も意識できるため、プレイにおいても人差し指の付け根部分にしっかりと注力することができる。
【0033】
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0034】
1 運動補助具
11 指係止部
111 筒部
12 板部
121 隆起部