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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026006
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】マルチコプターシステム
(51)【国際特許分類】
   B64F 3/02 20060101AFI20230216BHJP
   B64C 3/56 20060101ALI20230216BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20230216BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B64F3/02
B64C3/56
B64C27/08
B64D27/24
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131556
(22)【出願日】2021-08-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】栗原 元夫
(72)【発明者】
【氏名】親川 健
(72)【発明者】
【氏名】西澤 幸康
(57)【要約】
【課題】マルチコプターのペイロードを増加させる。
【解決手段】マルチコプターシステムは、マルチコプターと、操作側装置と、中継装置と、前記操作側装置と前記中継装置とを有線接続する第一ケーブルと、前記中継装置と前記マルチコプターとを有線接続する第二ケーブルと、を備える。前記操作側装置は、前記マルチコプターの操作信号を作成する操作器と、電源と、を有する。前記第一ケーブルは、前記操作信号を前記中継装置に伝達可能な操作信号線と、前記電源からの電力を前記中継装置に送電可能な電力線と、を有する。前記中継装置は、前記操作信号に応じて複数の前記モータ毎に供給する駆動電力特性を定める演算器と、前記電源からの電力を用いて、複数の前記モータ毎の駆動電力を発生する電力分配器と、を有する。前記第二ケーブルは、前記電力分配器からの駆動電力を複数の前記モータに送電可能な駆動電力線を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコプターと、
操作側装置と、
中継装置と、
前記操作側装置と前記中継装置とを有線接続する第一ケーブルと、
前記中継装置と前記マルチコプターとを有線接続する第二ケーブルと、
を備え、
前記マルチコプターは、
胴体と、
複数のロータと、
複数の前記ロータ毎に設けられ、前記ロータを回転させることが可能なモータと、
複数の前記モータ毎に設けられ、前記胴体に取り付けられて前記モータを支持するアームと、
を有し、
前記操作側装置は、前記マルチコプターの操作信号を作成する操作器と、複数の前記モータを駆動可能な電力を発生できる電源と、を有し、
前記第一ケーブルは、前記操作信号を前記中継装置に伝達可能な操作信号線と、前記電源からの電力を前記中継装置に送電可能な電力線と、を有し、
前記中継装置は、前記操作信号を受けて、前記操作信号が示す内容に応じて複数の前記モータ毎に供給する駆動電力特性を定める演算器と、前記電源からの電力を用いて、前記演算器が定めた複数の前記モータ毎の前記駆動電力特性に応じた複数の前記モータ毎の駆動電力を発生する電力分配器と、を有し、
前記第二ケーブルは、前記電力分配器からの複数の前記モータ毎の駆動電力を複数の前記モータのうちで対応するモータに送電可能な駆動電力線を有する、
マルチコプターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記第一ケーブルは、操作側端と中継側端とを有し、
前記中継側端は、前記中継装置に接続され、
前記操作側装置は、前記操作側端が接続され、前記第一ケーブルを巻き取ることが可能な操作側巻き取り機構を有する、
マルチコプターシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記中継装置は、前記中継装置が取り付けられる被取付部と前記中継装置との相対位置関係を検知可能な被取付部位置検知器を有し、
前記第一ケーブルは、前記被取付部位置検知器が検知した情報である被取付部位置情報を前記操作側装置に伝達可能な位置情報信号線を有し、
前記操作側巻き取り機構は、前記被取付部位置情報に応じて前記第一ケーブルの長さ及び/又は前記第一ケーブルにかかる張力を調整可能である、
マルチコプターシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のマルチコプターシステムにおいて、
保持装置をさらに備え、
前記保持装置は、前記被取付部に接触可能な接触端と、前記接触端と前記被取付部との接触圧が高まる方向に前記接触端を押す押圧部材と、を有する、
マルチコプターシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記第二ケーブルは、中継側端とマルチコプター側端とを有し、
前記マルチコプター側端は、前記マルチコプターに接続され、
前記中継装置は、前記中継側端が接続され、前記第二ケーブルを巻き取ることが可能な中継側巻き取り機構を有する、
マルチコプターシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記マルチコプターは、前記マルチコプターの運動状況を検知できる運動状況検知器を有し、
前記第二ケーブルは、前記運動状況検知器が取得した運動状況の情報である運動情報を前記中継装置に伝達可能な運動情報信号線を有し、
前記演算器は、前記操作信号及び前記運動情報が示す内容に応じて複数の前記モータ毎の駆動電力特性を定める、
マルチコプターシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記マルチコプターは、飛行空間内の位置を検知可能な空間内位置検知器を有し、
前記第二ケーブルは、前記空間内位置検知器が検知した情報である空間内位置情報を前記中継装置に伝達可能な空間内位置情報信号線を有し、
前記演算器は、前記操作信号及び前記空間内位置情報が示す内容に応じて複数の前記モータ毎の駆動電力特性を定める、
マルチコプターシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記中継装置は、前記胴体と分離及び接続可能なケーシングを有する、
マルチコプターシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記中継装置は、外部からの指示で変位する駆動端を有するアーム駆動機構を有し、
前記マルチコプターは、
複数の前記アーム毎に設けられ、前記アームを前記胴体に対して揺動可能に接続するアーム接続部と、
複数の前記アームのそれぞれを揺動動作させることができる揺動機構と、
複数の前記アームの揺動動作を拘束可能な揺動拘束機構と、
を有し、
前記胴体は、互に背合わせの関係にある上面と下面とを有し、
前記上面と前記下面とが並ぶ方向が前記マルチコプターにおける上下方向を成し、
前記アーム接続部は、複数の前記ロータ毎の回転軸が前記上下方向に延び且つ複数の前記ロータが互いに接触不能な飛行可能状態と、複数の前記モータ相互間の距離が前記飛行可能状態のときより短くなっている折り畳み状態との間で、複数の前記アームが前記胴体に対して揺動可能に複数の前記アームを前記胴体に接続し、
前記揺動機構は、前記駆動端に接触可能で、前記駆動端に接触しているときに前記駆動端の変位に伴って変位する駆動受け端と、複数の前記アーム毎に接続され、前記駆動受け端の変位に伴って変位して、前記飛行可能状態及び前記折り畳み状態を実現可能に、前記アームを揺動させるアーム操作端と、を有し、
前記揺動拘束機構は、前記駆動端の変位に応じて、前記飛行可能状態を維持できるよう複数の前記アームの揺動を拘束する一方で、複数の前記アームの拘束を解除できるよう、構成されている、
マルチコプターシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のマルチコプターシステムにおいて、
前記折り畳み状態では、複数の前記ロータ毎の前記回転軸は、前記上下方向よりも前記上下方向に垂直な方向の成分が多くなる方向に延びる、
マルチコプターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチコプターを備えるマルチコプターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチコプターは、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、胴体と、複数のロータと、複数のロータ毎に設けられているモータと、複数の前記モータ毎に設けられているアームと、を備える。アームの先端部にはモータが取り付けられ、アームの基端部は胴体に固定されている。胴体は、モータ等を駆動させるためのバッテリーと、モータに供給する駆動電力等を制御するコントローラ等と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-051545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチコプターは、様々な目的で用いられる。このため、マルチコプターには、その使用目的に応じて、カメラや複数のセンサ等の検出機器等を搭載する必要がある。
【0005】
本開示は、ペイロードを増加させることができるマルチコプターシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための一態様としてのマルチコプターシステムは、
マルチコプターと、操作側装置と、中継装置と、前記操作側装置と前記中継装置とを有線接続する第一ケーブルと、前記中継装置と前記マルチコプターとを有線接続する第二ケーブルと、を備える。前記マルチコプターは、胴体と、複数のロータと、複数の前記ロータ毎に設けられ、前記ロータを回転させることが可能なモータと、複数の前記モータ毎に設けられ、前記胴体に取り付けられて前記モータを支持するアームと、を有する。前記操作側装置は、前記マルチコプターの操作信号を作成する操作器と、複数の前記モータを駆動可能な電力を発生できる電源と、を有する。前記第一ケーブルは、前記操作信号を前記中継装置に伝達可能な操作信号線と、前記電源からの電力を前記中継装置に送電可能な電力線と、を有する。前記中継装置は、前記操作信号を受けて、前記操作信号が示す内容に応じて複数の前記モータ毎に供給する駆動電力特性を定める演算器と、前記電源からの電力を用いて、前記演算器が定めた複数の前記モータ毎の前記駆動電力特性に応じた複数の前記モータ毎の駆動電力を発生する電力分配器と、を有する。前記第二ケーブルは、前記電力分配器からの複数の前記モータ毎の駆動電力を複数の前記モータのうちで対応するモータに送電可能な駆動電力線を有する。
【0007】
本態様では、マルチコプターが有する複数のモータを駆動するために必要な電源が操作側装置に設けられている。また、本態様では、この電源からの電力を用いて複数のモータ毎に駆動電力を供給する電力分配器、及び、この電力分配器に対して複数のモータ毎の電力特性を指示する演算器が中継装置20に設けられている。よって、本態様では、電源、電力分配器、及び演算器をマルチコプターに搭載する必要がなくなる。このため、本態様では、マルチコプターのペイロードを増加させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様では、マルチコプターのペイロードを増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムの機能構成を主として示す概念図である。
図2】本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムの機械構成、及び、マルチコプターの飛行可能状態を示す概念図である。
図3】本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムの機械構成、及び、マルチコプターを飛行空間に入れる前の状態を示す概念図である。
図4】本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムの機械構成、及び、マルチコプターの折り畳み状態を示す概念図である。
図5】本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムの機械構成、及び、マルチコプターが飛行可能状態から折り畳み状態に変形する過程の状態とマルチコプターが折り畳み状態から飛行可能状態に変形する過程の状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係るマルチコプターシステムの一実施形態、さらに、一実施形態に対する複数の変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
「実施形態」
本開示に係る一実施形態におけるマルチコプターシステムについて、図1図5を参照して説明する。
【0012】
マルチコプターシステムは、図1及び図2に示すように、操作側装置10と、中継装置20と、マルチコプター50と、第一ケーブル80と、第二ケーブル90と、を備える。このマルチコプターシステムは、マルチコプター50の飛行空間Sfが、狭隘空間Snを経て、操作側装置10が位置している操作空間Soにつながっている場合に好適なシステムである。このような場合としては、例えば、マルチコプター50の飛行空間Sfが容器内の空間であり、狭隘空間Snが容器の入口であり、操作側装置10が配置される空間が容器外の空間である場合である。この他、マルチコプター50の飛行空間Sfが地震等で倒壊した建物内の空間であり、狭隘空間Snがこの建物の窓等であり、操作側装置10が配置される空間がこの建物外の空間である場合である。
【0013】
マルチコプター50は、胴体51と、複数のロータ55と、複数のロータ55毎に設けられているモータ56と、複数のモータ56毎に設けられているアーム57と、複数のアーム57毎に設けられているアーム接続部60と、複数のアーム57のそれぞれを揺動動作させることができる揺動機構61と、複数のアーム57の揺動動作を拘束可能な揺動拘束機構66と、中継装置20と接続するためのマルチコプター側接続部69と、マルチコプター50の運動状況を検知可能な運動状況検知器71と、飛行空間Sf内でのマルチコプター50の位置を検知可能な空間内位置検知器72と、を有する。さらに、マルチコプター50の胴体51には、検出機器等の環境情報取得器73が設けられている。揺動機構61、揺動拘束機構66、マルチコプター側接続部69、運動状況検知器71、空間内位置検知器72、及び、環境情報取得器73は、いずれも、胴体51に設けられている。
【0014】
胴体51は、図2に示すように、互に背合わせの関係にある上面51uと下面51dとを有する。この上面51uと下面51dとが並ぶ方向が、このマルチコプター50における上下方向Daである。また、下面51dに対して上面51uが位置する側は、このマルチコプター50における上側であり、その反対側がこのマルチコプター50における下側である。また、上下方向Daに垂直な方向は、このマルチコプター50における水平方向Dbである。なお、ここでは、マルチコプター50が傾いている場合でも、上面51uと下面51dとが並ぶ方向がこのマルチコプター50における上下方向Daであり、この上下方向Daに垂直な方向がこのマルチコプター50における水平方向Dbである。この胴体51には、この胴体51を上下方向Daに貫通するスライドシャフト挿通孔52と、このスライドシャフト挿通孔52の内周面から水平方向Dbに延びる爪収納穴53とが形成されている。
【0015】
複数のモータ56の回転軸は、複数のロータ55のうちのいずれか一のロータ55の回転軸に機械的に接続されている。このため、モータ56の回転により、ロータ55が回転する。
【0016】
複数のアーム57は、いずれも、アーム部58と揺動力受け部59とを有する。アーム部58は、長手方向を有する。アーム部58は、長手方向の一方側である先端部58tと長手方向の他方側である基端部58bとを有する。アーム部58の先端部58tには、モータ56が取り付けられている。アーム部58の基端部58bは、アーム接続部60であるアーム接続ピンにより胴体51に接続されている。アーム57は、このアーム接続部60により、飛行可能状態と折り畳み状態との間で、胴体51に対して揺動可能に接続されている。ここで、飛行可能状態とは、図2に示すように、アーム部58の長手方向が水平方向Dbに延びて、複数のロータ55毎の回転軸が上下方向Daに延び、且つ複数のロータ55が互いに接触不能な状態である。また、折り畳み状態とは、図4に示すように、アーム部58の長手方向が上下方向Daに延びて、複数のロータ55毎の回転軸が水平方向Dbに延び、且つ、複数のモータ56相互間の距離が飛行可能状態のときより短くなっている状態である。
【0017】
揺動機構61は、飛行可能状態及び折り畳み状態を実現可能に、複数のアーム57を揺動する。この揺動機構61は、胴体51に対して相対的に上下方向Daに移動可能なスライド部材62を有する。このスライド部材62は、スライドシャフト63と、スライドシャフト63の一方の端部からスライドシャフト63に対して放射方向に延びる複数のスライドアーム64と、を有する。スライドシャフト63の他方の端部は、駆動受け端63dを成す。スライドアーム64は、複数のアーム57毎に存在する。各スライドアーム64の端部は、アーム操作端64mを成す。スライドシャフト63は、胴体51のスライドシャフト挿通孔52に挿通されている。よって、このスライドシャフト63は、上下方向Daに延びている。スライドアーム64は、胴体51の下側に位置している。複数のスライドアーム64毎のアーム操作端64mは、複数のアーム57毎の揺動力受け部59に接している。
【0018】
揺動拘束機構66は、飛行可能状態を維持できるよう複数のアーム57の揺動を拘束する。この揺動拘束機構66は、胴体51の爪収納穴53に対して出没可能に配置されている爪67と、爪収納穴53内に配置されて爪67を爪収納穴53から押し出す側に押し付けるバネ68と、を有する。
【0019】
マルチコプター側接続部69は、磁性を有する金属で形成されている。このマルチコプター側接続部69は、胴体51の上面51uに設けられている。
【0020】
運動状況検知器71は、マルチコプター50の姿勢を検知するためのジャイロセンサや、マルチコプター50の各種方向への加速度を検知するための加速度センサ等を有する。この運動状況検知器71は、慣性計測センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)と呼ばれることがある。
【0021】
空間内位置検知器72は、飛行空間内の位置を検知するための装置である。空間内位置検知器72は、例えば、カメラや、飛行空間Sfの境界を形成する壁面及び飛行空間Sf内の物体との距離を検知する距離計等を有する。なお、この空間内位置検知器72は、さらに、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)信号を受信可能なGNSS信号受信機を有してもよい。なお、飛行空間Sf内において、GNSS信号を受信可能な場合には、空間内位置検知器72は、このGNSS信号受信機のみでもよい。
【0022】
環境情報取得器73は、飛行空間Sf内の環境情報を取得するための装置である。環境情報取得器73は、例えば、飛行空間Sf内を撮像するカメラ、飛行空間Sf内の温度を検知する温度計、飛行空間Sf内の特定ガス濃度を検知する濃度計等を有する。
【0023】
第一ケーブル80は、操作側装置10と中継装置20とを有線接続するケーブルである。この第一ケーブル80は、電力線82と、操作信号線83と、位置情報信号線84と、環境情報信号線85と、これらを覆うシース81と、を有する。シース81は、操作側端81aと中継側端81bとを有する。
【0024】
第二ケーブル90は、中継装置20とマルチコプター50とを有線接続するケーブルである。この第二ケーブル90は、複数の駆動電力線92と、運動情報信号線93と、空間内位置情報信号線94と、環境情報信号線95と、これらを覆うシース91と、を有する。シース91は、中継側端91aとマルチコプター側端91bとを有する。
【0025】
中継装置20は、マルチコプター50を飛行空間Sf内で飛行される際、狭隘空間Sn内に配置される。この中継装置20は、中継側巻き取り機構27と、アーム駆動機構31と、中継側接続部34と、操作側装置10との間で信号を送受信可能な通信機41と、演算器42,12と、電力分配器44と、被取付部位置検知器45と、これらを覆うケーシング21と、保持装置35と、を有する。
【0026】
中継側巻き取り機構27は、図2に示すように、巻き取りドラム27aと、テンション維持部材27bと、ドラム回転軸27cと、ドラム回転モータ27dと、クラッチ27eと、を有する。巻き取りドラム27aには、第二ケーブル90が巻き付くことができる。巻き取りドラム27aには、第二ケーブル90の中継側端91aが接続されている。第二ケーブル90のマルチコプター側端91bは、マルチコプター50の胴体51に接続されている。テンション維持部材27bは、常に第二ケーブル90に一定以上のテンションがかかるよう、第二ケーブル90が巻き取りドラム27aに巻き付く側に、巻き取りドラム27aに対して回転力を作用させる。このテンション維持部材27bは、例えば、巻きバネである。クラッチ27eは、ドラム回転モータ27dの回転力がドラム回転軸27cに伝わる接続状態と、ドラム回転モータ27dの回転力がドラム回転軸27cに伝わらない切り離し状態とに、ドラム回転モータ27dとドラム回転軸27cとの接続状態を変える。
【0027】
アーム駆動機構31は、マルチコプター50の揺動機構61及び揺動拘束機構66を動作させる。このアーム駆動機構31は、アクチュエータケーシング33と、このアクチュエータケーシング33に対して出没可能なアクチュエータロッド32と、を有するリニアアクチュエータである。アクチュエータロッド32の先端部は、駆動端32dを成す。駆動端32dは、揺動機構61の駆動受け端63d及び揺動拘束機構66の爪67に接触可能である。アクチュエータケーシング33は、アクチュエータロッド32の駆動端32dがケーシング21から突出可能に、ケーシング21内に固定されている。
【0028】
中継側接続部34は、例えば、電磁石である。この中継側接続部34は、マルチコプター側接続部69に磁気的に結合可能である。
【0029】
保持装置35は、複数の接触端36と、複数の接触端36毎に設けられている押圧部材37と、を有する。各接触端36は、ケーシング21の外部に配置され、中継装置20が狭隘空間Sn内に配置されているときに、狭隘空間Snを画定する狭隘空間形成面Pnに接触可能である。各押圧部材37は、ケーシング21の外面に取り付けられ、接触端36をケーシング21から遠ざかる向きに押すバネ等である。例えば、狭隘空間Snが円柱状である場合、ケーシング21の形状も円柱状にする。押圧部材37と接触端36との組は、円柱状のケーシング21の外周面に取り付けられ、接触端36は、押圧部材37により、円柱の中心から遠ざかる向きに押される。なお、保持装置35は、中継装置20のケーシング21を狭隘空間Sn内に保持できる構造であれば、如何なる構造であってもよく、例えば、ボルト等の連結具を含む構造であてもよい。また、保持装置35は、ケーシング21内に収納可能で、中継装置20を実際に狭隘空間Sn内に配置する際に、保持装置35の接触端36がケーシング21から突出するようにしてもよい。
【0030】
中継装置20の通信機41は、第一ケーブル80を介して、操作側装置10と有線通信可能である。中継装置20の演算器42は、各種演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUのワークエリアであるメモリ等を有する。この演算器42は、操作側装置10からの各種操作信号等に応じて、複数の電気機器毎の駆動電力特性等を求める。複数の電気機器としては、被取付部位置検知器45、アーム駆動機構31、中継側巻き取り機構27のドラム回転モータ27d及びクラッチ27e、マルチコプター50に設けられている空間内位置検知器72、運動状況検知器71、複数のモータ56等がある。
【0031】
電力分配器44は、演算器42が求めた複数の電気機器毎の駆動電力特性に応じて、操作側装置10からの電力を用いて、複数の電気機器毎の特性に合った駆動電力を発生する。
【0032】
被取付部位置検知器45は、中継装置20が取り付けられる被取付部Pnと中継装置20との相対位置関係を検知することができる。ここでの被取付部Pnとは、狭隘空間Snを画定する狭隘空間形成面Pnである。被取付部位置検知器45は、この狭隘空間形成面Pnの縁の位置を検知することができる。この被取付部位置検知器45は、例えば、距離センサである。
【0033】
第二ケーブル90の複数の駆動電力線92のそれぞれは、中継装置20の電力分配器44とマルチコプター50に設けられている複数の電気機器のうちのいずれかとを電気的に接続する。第二ケーブル90の運動情報信号線93は、マルチコプター50に設けられている運動状況検知器71と中継装置20の演算器42とを電気的に接続する。第二ケーブル90の空間内位置情報信号線94は、マルチコプター50に設けられている空間内位置検知器72と中継装置20の演算器42とを電気的に接続する。第二ケーブル90の環境情報信号線95は、マルチコプター50に設けられている環境情報取得器73と中継装置20の通信機41とを電気的に接続する。
【0034】
操作側装置10は、中継装置20との間で信号を送受信可能な通信機11と、演算器12と、操作器13と、電力分配器14と、モニタ15と、電源16と、操作側巻き取り機構17と、を有する。
【0035】
操作側装置10の通信機11は、第一ケーブル80を介して、中継装置20の通信機41と有線通信可能である。操作側装置10の演算器12は、各種演算を実行するCPUと、このCPUのワークエリアであるメモリ等を有する。この演算器12は、電力分配器14に対して、操作側装置10が有する複数の電気機器毎に駆動電力の供給を指示する。複数の電気機器としては、モニタ15、操作側巻き取り機構17のドラム回転モータ17d及びクラッチ17e等がある。
【0036】
操作器13は、マルチコプター50の操作者が操作可能な操作端13aを有する。モニタ15は、マルチコプター50に設けられている環境情報取得器73が取得した飛行空間Sf内の環境情報等を表示可能である。
【0037】
電力分配器14は、操作側装置10の演算器12から駆動電力の供給指示に従って、電源16からの電力を用いて操作側装置10が有する複数の電気機器毎の特性に合った駆動電力を発生する。
【0038】
操作側巻き取り機構17は、図2に示すように、巻き取りドラム17aと、ドラム回転軸17cと、ドラム回転モータ17dと、クラッチ17eと、を有する。巻き取りドラム17aには、第一ケーブル80が巻き付くことができる。巻き取りドラム17aには、第一ケーブル80の操作側端81aが接続されている。第一ケーブル80の中継側端81bは、中継装置20のケーシング21に接続されている。クラッチ17eは、ドラム回転モータ17dの回転力がドラム回転軸17cに伝わる接続状態と、ドラム回転モータ17dの回転力がドラム回転軸17cに伝わらない切り離し状態とに、ドラム回転モータ17dとドラム回転軸17cとの接続状態を変える。
【0039】
第一ケーブル80の電力線82は、電源16と中継装置20の電力分配器,44とを電気的に接続する。第一ケーブル80の操作信号線83、位置情報信号線84、及び環境情報信号線85は、いずれも、操作側装置10の通信機11と中継装置20の通信機41とを電気的に接続する。
【0040】
次に、本実施形態のマルチコプターシステムの取り扱い方、及び動作について説明する。
【0041】
まず、図3に示すように、マルチコプター50を、操作空間Soから狭隘空間Snを経て、飛行空間Sf内に入れる。マルチコプター50を飛行空間Sf内に入れる前、マルチコプター50は、中継装置20に接続されている。具体的には、中継側接続部34とマルチコプター側接続部69とが磁気結合している。マルチコプター50の複数のアーム57は、折り畳み状態である。マルチコプター50の揺動機構61におけるスライドシャフト63は、胴体51の上面51uから上側に突出している。マルチコプター50の揺動拘束機構66における爪67は、爪収納穴53内に収まっている。これは、スライドシャフト挿通孔52内のうち、爪収納穴53に連通している部分に、スライドシャフト63が存在しているため、爪67が、スライドシャフト挿通孔52内に突出できないからである。中継装置20に設けられているアーム駆動機構31のアクチュエータロッド32は、中継装置20のケーシング21内に収まっている。中継側巻き取り機構27のクラッチ27eは、接続状態である。保持装置35における複数の接触端36は、いずれも、それぞれの押圧部材37により押されて、ケーシング21から最も離れた位置に位置している。
【0042】
次に、操作者は、操作端13aを操作して、操作器13にマルチコプターシステムを設置可能状態にするよう操作側装置10に指示する。操作器13がこの指示を受けると、電源16からの電力が操作側装置10の電力分配器14及び中継装置20の電力分配器44に供給される。なお、電源16から中継装置20の電力分配器44への電力は、第一ケーブル80の電力線82を介して供給される。操作側装置10の電力分配器14は、操作側巻き取り機構17のクラッチ17eに駆動電力を供給して、このクラッチ17eを切り離し状態にする。この結果、ドラム回転モータ17dの回転力が巻き取りドラム17aに伝わらなくなり、巻き取りドラム17aは、ドラム回転モータ17dの回転に関わらず、回転できるようになる。また、中継装置20の電力分配器44は、被取付部位置検知器45に駆動電力を供給する。この結果、被取付部位置検知器45は、中継装置20と被取付部Pnとの相対位置関係を検知可能になる。具体的に、被取付部位置検知器45が、中継装置20から被取付部Pnである狭隘空間形成面Pnの縁までの距離を検知可能になる。
【0043】
そして、操作者は、図4に示すように、マルチコプター50及び中継装置20が以上の状態のまま、中継装置20が接続されているマルチコプター50を、前述したように、狭隘空間Snを経て飛行空間Sf内に入れる。この過程で、保持装置35における複数の接触端36は、狭隘空間形成面Pnに接して、中継装置20のケーシング21に近づく側に移動する。この結果、接触端36には、押圧部材37により、ケーシング21から遠ざかる向きの力が作用して、接触端36と狭隘空間形成面Pnとの間の接触圧が高まる。また、被取付部位置検知器45は、中継装置20から被取付部Pnである狭隘空間形成面Pnの縁までの距離を検知し、これを被取付部位置情報として出力する。この被取付部位置情報は、中継装置20の通信機41、第一ケーブル80の位置情報信号線84、及び操作側装置10の通信機11を介して、操作側装置10の演算器12に送られる。操作側装置10の演算器12は、この被取付部位置情報が示す距離が予め定められた距離になったか否かを判断する。操作側装置10の演算器12は、この距離が予め定められた距離になったと判断すると、操作側装置10の電力分配器14から供給されていたクラッチ17eへの駆動電力を断ち、このクラッチ17eを接続状態にする。その後、この演算器12からの指示で操作側装置10の電力分配器14は、操作側巻き取り機構17のドラム回転モータ17dに駆動電力を供給し、ドラム回転モータ17dを巻き取り側に回転させる。この結果、第一ケーブル80が巻き取りドラム17aに巻き付き始め、第一ケーブル80の弛みがなくなり、ドラム回転モータ17dへの電力負荷が急激に大きくなると、操作側装置10の電力分配器14から供給されていたドラム回転モータ17dへ駆動電力が断たれる。この結果、巻き取りドラム17aの回転が停止し、第一ケーブル80は、一定のテンションがかかった状態に維持される。
【0044】
以上で、中継装置20の狭隘空間Snへの設置、及びこの中継装置20に接続されているマルチコプター50の飛行空間Sfへの配置が完了する。この際、中継装置20のケーシング21は、狭隘空間Snに対して、水平方向の位置が保持装置35により維持され、鉛直方向の位置が操作側巻き取り機構17により維持されている。
【0045】
中継装置20が狭隘空間Sn内に設置され且つマルチコプター50が飛行空間Sf内に配置されると、操作者は、操作器13を操作して、マルチコプター50の複数のアーム57が飛行可能状態になるよう操作側装置10に指示する。この指示内容を示す操作信号は、操作側装置10から、第一ケーブル80の操作信号線83及び中継装置20の通信機41を介して、中継装置20の演算器42に送られる。演算器42は、この操作信号を受けると、中継装置20の電力分配器44にアーム駆動機構31へ駆動電力を供給させる。この結果、図5に示すように、アーム駆動機構31が有するアクチュエータロッド32の駆動端32dがケーシング21から突出して、マルチコプター50のスライド部材62における駆動受け端63dに接して、このスライド部材62を下側に押す。アクチュエータロッド32によりスライド部材62が押されて、このスライド部材62が下側に移動すると、スライド部材62における複数のスライドアーム64毎のアーム操作端64mがアーム57の揺動力受け部59を押す。この結果、複数のアーム57は、アーム接続部60を中心として、揺動し始め、折り畳み状態から飛行可能状態に近づく。
【0046】
アクチュエータロッド32の駆動端32d、及びマルチコプター50のスライド部材62における駆動受け端63dのそれぞれが、爪67の下縁よりも、下に位置する過程で、複数のアーム57は、飛行可能状態になる。さらに、アクチュエータロッド32の駆動端32d、及びマルチコプター50のスライド部材62における駆動受け端63dのそれぞれが、爪67の下縁よりも、下に位置すると、アクチュエータロッド32が上側にゆっくりと移動し始める。この過程で、爪収納穴53内に収まっていた爪67が、バネ68に押されて、駆動端32dと駆動受け端63dとの間に入り込み、図2に示すように、駆動受け端63dが爪67の下縁に接するようになる。この結果、アクチュエータロッド32が上側に移動しても、スライド部材62は、爪67の存在より、移動できなくなる。つまり、マルチコプター50が飛行可能状態を維持できるよう、複数のアーム57の揺動が拘束される。
【0047】
マルチコプター50が飛行可能状態になると、中継装置20の演算器42は、中継装置20の電力分配器44に中継側巻き取り機構27のクラッチ27eへ駆動電力を供給させ、このクラッチ27eを切り離し状態する。この結果、ドラム回転モータ27dの回転力が巻き取りドラム27aに伝わらなくなり、巻き取りドラム27aは、ドラム回転モータ27dの回転に関わらず、回転できるようになる。但し、この巻き取りドラム27aには、テンション維持部材27bから、第二ケーブル90が巻き取りドラム27aに巻き付く側に回転力が作用している。
【0048】
マルチコプター50が飛行可能状態になると、例えば、操作側装置10のモニタ15にその旨が表示される。操作者は、マルチコプター50が飛行するよう、操作器13を操作する。この操作による操作信号は、操作側装置10から、第一ケーブル80の操作信号線83及び中継装置20の通信機41を介して、中継装置20の演算器42に送られる。演算器42は、この操作信号が示す内容に応じて複数のモータ56毎に供給する駆動電力特性を定め、複数のモータ56毎の駆動電力特性を中継装置20の電力分配器44に送る。この電力分配器44は、演算器42が定めた複数のモータ56毎の駆動電力特性に応じた複数のモータ56毎の駆動電力を発生する。複数のモータ56毎の駆動電力のそれぞれは、中継装置20の電力分配器44から、第二ケーブル90の駆動電力線92を介して、複数のモータ56のうちの対応するモータ56に供給される。この結果、マルチコプター50の各ロータ55が回転する。また、この操作信号を受けた中継装置20の演算器42は、中継装置20の電力分配器44に対して、運動状況検知器71及び空間内位置検知器72に駆動させるよう指示する。この電力分配器44は、演算器42からの指示に従って、運動状況検知器71の駆動電力特性に応じた駆動電力を運動状況検知器71に供給すると共に、空間内位置検知器72の駆動電力特性に応じた駆動電力を空間内位置検知器72に供給する。この結果、運動状況検知器71がマルチコプター50の運動状況を検知し始め、空間内位置検知器72が飛行空間Sf内の位置を検知し始める。さらに、この操作信号を受けた中継装置20の演算器42は、中継装置20の電力分配器44に対して、電磁石である中継側接続部34への電力供給を断つよう指示する。この結果、中継側接続部34とマルチコプター側接続部69との磁気結合が解除されて、マルチコプター50は、中継装置20から離れて、飛行空間Sf内を飛行する。
【0049】
マルチコプター50の飛行中、中継装置20の演算器42には、マルチコプター50の飛行に関する操作信号、マルチコプター50の運動状況の情報である運動状況情報、及び、マルチコプター50の飛行空間Sf内での位置に関する情報である空間内位置情報が入力する。マルチコプター50の飛行に関する操作信号は、操作側装置10から第一ケーブル80の操作信号線83及び中継装置20の通信機41を介して、中継装置20の演算器42に入力する。運動状況情報は、マルチコプター50の運動状況検知器71から第二ケーブル90の運動情報信号線93を介して、中継装置20の演算器42に入力する。空間内位置情報は、マルチコプター50の空間内位置検知器72から第二ケーブル90の空間内位置情報信号線94を介して、中継装置20の演算器42に入力する。演算器42は、マルチコプター50の飛行に関する操作信号、運動状況情報、及び空間内位置情報に応じて、複数のモータ56毎に供給する駆動電力特性を定め、複数のモータ56毎の駆動電力特性を中継装置20の電力分配器44に送る。この電力分配器44は、演算器42が定めた複数のモータ56毎の駆動電力特性に応じた複数のモータ56毎の駆動電力を発生し、複数のモータ56毎の回転数を制御する。従って、中継装置20の電力分配器44は、マルチコプター50の複数のモータ56毎の回転数を制御するESC(Electric Speed Controller)として役目を担う。
【0050】
マルチコプター50の飛行中、巻き取りドラム27aに巻き付いている第二ケーブル90は、マルチコプター50と中継装置20との間の距離に応じて、巻き取りドラム27aから解かれる。但し、巻き取りドラム27aには、前述したように、テンション維持部材27bから、第二ケーブル90が巻き取りドラム27aに巻き付く側に回転力が作用しているため、第二ケーブル90には一定のテンションがかかり、第二ケーブル90は弛まない。
【0051】
操作者は、飛行空間Sf内の環境情報を得たい場合、操作者が、操作器13を操作して、環境情報取得器73を駆動させるよう、操作側装置10に指示する。この指示内容を示す操作信号は、操作側装置10から、第一ケーブル80の操作信号線83、及び中継装置20の通信機41を介して、中継装置20の演算器42に送られる。演算器42は、この操作信号を受けると、中継装置20の電力分配器44に対して、環境情報取得器73に駆動させるよう指示する。この電力分配器44は、演算器42からの指示に従って、環境情報取得器73の駆動電力特性に応じた駆動電力を、第二ケーブル90の駆動電力線を介して、環境情報取得器73に供給する。この結果、マルチコプター50に搭載されている環境情報取得器73が駆動し始め、この環境情報取得器73が飛行空間Sf内の環境情報を取得し始める。この環境情報は、第二ケーブル90の環境情報信号線95、中継装置20の通信機41、第一ケーブル80の環境情報信号線85、操作側装置10の通信機11を介して、操作側装置10の演算器12に入力する。演算器12は、この環境情報を表示可能なデータに変更して、このデータをモニタ15に送る。モニタ15は、このデータを表示する。
【0052】
マルチコプター50を回収する際には、操作者が、操作器13を操作して、マルチコプター50を回収する旨を操作側装置10に指示する。この指示内容を示す操作信号は、操作側装置10から、第一ケーブル80の操作信号線83、及び中継装置20の通信機41を介して、中継装置20の演算器42に送られる。演算器42は、この操作信号を受けると、中継装置20の電力分配器44に中継側巻き取り機構27のクラッチ27eへの電力供給を断たせ、このクラッチ27eを接続状態にする。さらに、演算器42は、中継装置20の電力分配器44に中継側巻き取り機構27のドラム回転モータ27dへ駆動電力を供給させ、このドラム回転モータ27dを駆動させる。この結果、ドラム回転モータ27dが駆動して、巻き取りドラム27aが回転する。この結果、第二ケーブル90が巻き取りドラム27aに巻き付き始め、マルチコプター50が中継装置20に近づく。マルチコプター側接続部69と中継側接続部34とが接触して、巻き取りドラム27aが回転できなくなり、ドラム回転モータ27dへの電力負荷が急激に大きくなると、中継装置20の演算器42は、中継装置20の電力分配器44に対して、電磁石である中継側接続部34へ電力供給するよう指示すると共に、ドラム回転モータ27dへの電力供給を断つよう指示する。この結果、中継側接続部34とマルチコプター側接続部69とが磁気結合すると共に、ドラム回転モータ27dが停止する。
【0053】
中継装置20の演算器42は、その後、中継装置20の電力分配器44に対して、マルチコプター50の複数のモータ56への電力供給を断つよう指示する。この結果、中継装置20の電力分配器44から複数のモータ56への駆動電力の供給が断たれ、全てのロータ55が停止する。
【0054】
中継装置20の演算器42は、さらにその後、中継装置20の電力分配器44にアーム駆動機構31へ駆動電力を供給させる。この結果、アーム駆動機構31が有するアクチュエータロッド32の駆動端32dがケーシング21から突出し、飛行可能状態であるマルチコプター50のスライド部材62における駆動受け端63dに接して、このスライド部材62を下側に押して、このスライド部材62を僅かに下側に移動させる。この過程で、爪67は、図5に示すように、アクチュエータロッド32に押されて、爪収納穴53内に収まる。さらに、アクチュエータロッド32の駆動端32d、及びマルチコプター50のスライド部材62における駆動受け端63dのそれぞれが、爪67の下縁よりも、下に位置すると、アクチュエータロッド32が上側に急に移動する。この過程で、飛行可能状態であるマルチコプター50のモータ56等にかかる重力により、複数のアーム57がアーム接続部60を中心として、揺動し、飛行可能状態からから折り畳み状態になる(図4参照)。さらに、この過程で、スライド部材62が急に上昇して、爪67は爪収納穴53に収まった状態を維持する。
【0055】
マルチコプター50が中継装置20に接続され、且つマルチコプター50が折り畳み状態になると、操作者は、中継装置20及びマルチコプター50を操作空間Soに戻す。
【0056】
以上のように、本実施形態では、マルチコプター50が有する複数のモータ56を駆動するために必要な電源16が操作側装置10に設けられている。また、本実施形態では、この電源16からの電力を用いて複数のモータ56毎に駆動電力を供給する電力分配器44、及び、この電力分配器44に対して複数のモータ56毎の電力特性を指示する演算器42が中継装置20に設けられている。よって、本実施形態では、電源16、電力分配器44、及び演算器42をマルチコプター50に搭載する必要がなくなる。このため、本実施形態では、マルチコプター50のペイロードを増加させることができる上に、マルチコプター50の小型化及び軽量化を図ることができる。このように、マルチコプター50の小型化及び軽量化、さらにマルチコプター50のペイロード増加は、相対的に小型のマルチコプターに有効である。
【0057】
また、本実施形態のマルチコプター50は、飛行可能状態と折り畳み状態とに変形可能である。このため、飛行可能状態のままではマルチコプター50を狭隘空間Snに通すことができない場合でも、マルチコプター50を折り畳み状態にすることで、マルチコプター50を狭隘空間Snに通すことができる。よって、本実施形態によれば、飛行可能状態におけるマルチコプター50のサイズが狭隘空間Snのサイズに応じたサイズである必要がなく、マルチコプター50のペイロードの制限を緩和することができる。
【0058】
また、本実施形態のマルチコプターシステムでは、操作側装置10と中継装置20との間で有線にてデータの送受信が可能であり、中継装置20とマルチコプターと間でも有線にてデータの送受信が可能である。このため、送信側からデータが送信されてから、受信側がこのデータを認識して、このデータに基づく処理が完了するまでの時間、つまりタイムラグを短くすることができる。
【0059】
「変形例」
以上の実施形態のマルチコプター50は、飛行可能状態と折り畳み状態とに変形可能である。しかしながら、狭隘空間Snにマルチコプターを通す必要がない場合には、マルチコプターは、飛行可能状態と折り畳み状態とに変形できなくてもよい。
【0060】
揺動機構は、モータ56毎のアームを胴体51に対して揺動させて、マルチコプター50を飛行可能状態と折り畳み状態との間で変形させることができれば、如何なる態様の機構であってもよい。このため、揺動機構は、例えば、1以上のリンク片を含む機構であってもよい。また、アーム駆動機構が、リニアアクチュエータではなく、ロータリーアクチュエータである場合、揺動機構は、このロータリーアクチュエータの回転で回転するカムを有する機構であってもよい。
【0061】
以上のように、揺動機構は、各種態様が考えられるため、揺動拘束機構も各種態様が考えられる。例えば、揺動拘束機構は、ラチェット機構を含む機構であってもよい。
【0062】
以上の実施形態では、操作側装置10の電源16と操作器13とが同一のケーシング内に収まっている。しかしながら、操作側装置10の電源16と操作器13とが同一のケーシング内に収まっている必要はない。このため、例えば、操作器13やモニタ15が一つのケーシング21内に収まり、電源16がこの一つのケーシング21の外部に存在してもよい。
【0063】
以上の実施形態における操作側装置10は、操作端13aを有する。しかしながら、この操作端13aは無くてもよい。この場合、例えば、演算器12若しくは操作器13が操作者の音声に基づいて操作信号を作成してもよい。また、例えば、操作者が予め演算器12に設定したルート、又は演算器12自体が予め定めたルート、さらに、運動状況検知器71及び空間内位置検知器72が検知したデータに基づいて、演算器12若しくは操作器13が操作信号を作成してもよい。
【0064】
第一ケーブル80は、操作信号線83と位置情報信号線84と環境情報信号線85とを有するが、これらの信号線を物理的に存在する三本の信号線で構成する必要はなく、物理的に存在する一本の信号線のみで構成してもよい。また、第二ケーブル90も、複数の信号線を有するが、これらの信号線も物理的に存在する複数の信号線で構成する必要はなく、物理的に存在する一本の信号線のみで構成してもよい。
【0065】
操作側装置10と中継装置20とは、有線接続されている。このため、操作側装置10の通信機11及び中継装置20の通信機41を省略してもよい。
【0066】
「付記」
以上の実施形態及び各変形例におけるマルチコプターシステムは、例えば、以下のように把握される。
【0067】
(1)第一態様におけるマルチコプターシステムは、
マルチコプター50と、操作側装置10と、中継装置20と、前記操作側装置10と前記中継装置20を有線接続する第一ケーブル80と、前記中継装置20と前記マルチコプター50とを有線接続する第二ケーブル90と、を備える。前記マルチコプター50は、胴体51と、複数のロータ55と、複数の前記ロータ55毎に設けられ、前記ロータ55を回転させることが可能なモータ56と、複数の前記モータ56毎に設けられ、前記胴体51に取り付けられて前記モータ56を支持するアーム57と、を有する。前記操作側装置10は、前記マルチコプター50の操作信号を作成する操作器13と、複数の前記モータ56を駆動可能な電力を発生できる電源16と、を有する。前記第一ケーブル80は、前記操作信号を前記中継装置20に伝達可能な操作信号線83と、前記電源16からの電力を前記中継装置20に送電可能な電力線82と、を有する。前記中継装置20は、前記操作信号を受けて、前記操作信号が示す内容に応じて複数の前記モータ56毎に供給する駆動電力特性を定める演算器42と、前記電源16からの電力を用いて、前記演算器42が定めた複数の前記モータ56毎の前記駆動電力特性に応じた複数の前記モータ56毎の駆動電力を発生する電力分配器44と、を有する。前記第二ケーブル90は、前記電力分配器44からの複数の前記モータ56毎の駆動電力を複数の前記モータ56のうちで対応するモータ56に送電可能な駆動電力線92を有する。
【0068】
本態様では、マルチコプター50が有する複数のモータ56を駆動するために必要な電源16が操作側装置10に設けられている。また、本態様では、この電源16からの電力を用いて複数のモータ56毎に駆動電力を供給する電力分配器44、及び、この電力分配器44に対して複数のモータ56毎の電力特性を指示する演算器42が中継装置20に設けられている。よって、本態様では、電源16、電力分配器44、及び演算器42をマルチコプター50に搭載する必要がなくなる。このため、本態様では、マルチコプター50のペイロードを増加させることができる。
【0069】
(2)第二態様におけるマルチコプターシステムは、
第一態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記第一ケーブル80は、操作側端81aと中継側端81bとを有する。前記中継側端81bは、前記中継装置20に接続されている。前記操作側装置10は、前記操作側端81aが接続され、前記第一ケーブル80を巻き取ることが可能な操作側巻き取り機構17を有する。
【0070】
本態様では、操作側巻き取り機構17を駆動させることで、第一ケーブル80に弛みがなくなり、この第一ケーブル80に一定のテンションをかけることができる。
【0071】
(3)第三態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第二態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記中継装置20は、前記中継装置20が取り付けられる被取付部Pnと前記中継装置20との相対位置関係を検知可能な被取付部位置検知器45を有する。前記第一ケーブル80は、前記被取付部位置検知器45が検知した情報である被取付部位置情報を前記操作側装置10に伝達可能な位置情報信号線84を有する。前記操作側巻き取り機構17は、前記被取付部位置情報に応じて前記第一ケーブル80の長さ及び/又は前記第一ケーブル80にかかる張力を調整可能である。
【0072】
本態様では、被取付部位置検知器45が検知した被取付部位置情報に応じて、操作側巻き取り機構17により、第一ケーブル80の長さ及び/又は第一ケーブル80にかかる張力を調整することができる。このため、本態様では、被取付部位置情報が示す被取付部Pnと中継装置20との相対位置が予め定められた相対位置になると、第一ケーブル80の長さ及び/又は第一ケーブル80にかかる張力を調整することで、中継装置20から第一ケーブル80が延びる方向における、被取付部Pnと中継装置20との相対位置を維持することができる。
【0073】
(4)第四態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第三態様におけるマルチコプターシステムにおいて、保持装置35をさらに備える。前記保持装置35は、前記被取付部Pnに接触可能な接触端36と、前記接触端36と前記被取付部Pnとの接触圧が高まる方向に前記接触端36を押す押圧部材37と、を有する。
【0074】
本態様では、接触端36と被取付部Pnとの接触圧が高まる方向における、被取付部Pnと中継装置20との相対位置を維持することができる。
【0075】
(5)第五態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記第二ケーブル90は、中継側端91aとマルチコプター側端91bとを有する。前記マルチコプター側端91bは、前記マルチコプター50に接続されている。前記中継装置20は、前記中継側端91aが接続され、前記第二ケーブル90を巻き取ることが可能な中継側巻き取り機構27を有する。
【0076】
本態様では、マルチコプター50の飛行中における第二ケーブル90の長さを調整することができる。
【0077】
(6)第六態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第一態様から前記第五態様のうちのいずれか一態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記マルチコプター50は、前記マルチコプター50の運動状況を検知できる運動状況検知器71を有する。前記第二ケーブル90は、前記運動状況検知器71が取得した運動状況の情報である運動情報を前記中継装置20に伝達可能な運動情報信号線93を有する。前記演算器42は、前記操作信号及び前記運動情報が示す内容に応じて複数の前記モータ56毎の駆動電力特性を定める。
【0078】
本態様では、マルチコプター50の飛行中における運動状況を安定させることができる。
【0079】
(7)第七態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第一態様から前記第六態様のうちのいずれか一態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記マルチコプター50は、飛行空間Sf内の位置を検知可能な空間内位置検知器72を有する。前記第二ケーブル90は、前記空間内位置検知器72が検知した情報である空間内位置情報を前記中継装置20に伝達可能な空間内位置情報信号線94を有する。前記演算器42は、前記操作信号及び前記空間内位置情報が示す内容に応じて複数の前記モータ56毎の駆動電力特性を定める。
【0080】
本態様では、マルチコプター50を、操作者が意図する飛行空間Sf内の位置に位置させることができる。
【0081】
(8)第八態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第一態様から前記第七態様のうちのいずれか一態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記中継装置20は、前記胴体51と分離及び接続可能なケーシング21を有する。
【0082】
本態様では、マルチコプター50の胴体51が接続されている中継装置20を、マルチコプター50の飛行開始位置の近くに配置することで、マルチコプター50を飛行開始位置に配置することができる。
【0083】
(9)第九態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第八態様においけるマルチコプターシステムにおいて、前記中継装置20は、外部からの指示で変位する駆動端32dを有するアーム駆動機構31を有する。前記マルチコプター50は、複数の前記アーム57毎に設けられ、前記アーム57を前記胴体51に対して揺動可能に接続するアーム接続部60と、複数の前記アーム57のそれぞれを揺動動作させることができる揺動機構61と、複数の前記アーム57の揺動動作を拘束可能な揺動拘束機構66と、を有する。前記胴体51は、互に背合わせの関係にある上面51uと下面51dとを有する。前記上面51uと前記下面51dとが並ぶ方向が前記マルチコプター50における上下方向Daを成す。前記アーム接続部60は、複数の前記ロータ55毎の回転軸が前記上下方向Daに延び且つ複数の前記ロータ55が互いに接触不能な飛行可能状態と、複数の前記モータ56相互間の距離が前記飛行可能状態のときより短くなっている折り畳み状態との間で、複数の前記アーム57が前記胴体51に対して揺動可能に複数の前記アーム57を前記胴体51に接続する。前記揺動機構61は、前記駆動端32dに接触可能で、前記駆動端32dに接触しているときに前記駆動端32dの変位に伴って変位する駆動受け端63dと、複数の前記アーム57毎に接続され、前記駆動受け端63dの変位に伴って変位して、前記飛行可能状態及び前記折り畳み状態を実現可能に、前記アーム57を揺動させるアーム操作端64mと、を有する。前記揺動拘束機構66は、前記駆動端32dの変位に応じて、前記飛行可能状態を維持できるよう複数の前記アーム57の揺動を拘束する一方で、複数の前記アーム57の拘束を解除できるよう、構成されている。
【0084】
マルチコプター50の飛行空間Sfが、狭隘空間Snを経て、操作側装置10が位置している操作空間Soにつながっている場合について説明する。この場合、本態様では、折り畳み状態のマルチコプター50を操作空間Soから、狭隘空間Snを経て、飛行空間Sf内に入れる。マルチコプター50を飛行空間Sf内に入れた後、外部からアーム駆動機構31に駆動端32dの変位を指示する。この結果、アーム駆動機構31の駆動端32dが変位し、この変位に伴って、揺動機構61のアーム操作端64mが変位する。アーム操作端64mが変位すると、複数のアーム57が揺動して、マルチコプター50が飛行可能状態になる。揺動拘束機構66は、この過程で、マルチコプター50を飛行可能状態に拘束する。
【0085】
以上のように、本態様のマルチコプター50は、飛行可能状態と折り畳み状態とに変形可能である。このため、本態様では、飛行可能状態のままではマルチコプター50を狭隘空間Snに通すことができない場合でも、マルチコプター50を折り畳み状態にすることで、マルチコプター50を狭隘空間Snに通すことができる。よって、本態様によれば、飛行可能状態におけるマルチコプター50のサイズが狭隘空間Snのサイズに応じたサイズである必要がなく、マルチコプター50のペイロードの制限を緩和することができる。
【0086】
(10)第十態様におけるマルチコプターシステムは、
前記第九態様におけるマルチコプターシステムにおいて、前記折り畳み状態では、複数の前記ロータ55毎の前記回転軸は、前記上下方向Daよりも前記上下方向Daに垂直な方向の成分が多くなる方向に延びる。
【符号の説明】
【0087】
10:操作側装置
11:通信機
12:演算器
13:操作器
13a:操作端
14:電力分配器
15:モニタ
16:電源
17:操作側巻き取り機構
17a:巻き取りドラム
17c:ドラム回転軸
17d:ドラム回転モータ
17e:クラッチ
20:中継装置
21:ケーシング
27:中継側巻き取り機構
27a:巻き取りドラム
27b:テンション維持部材
27c:ドラム回転軸
27d:ドラム回転モータ
27e:クラッチ
31:アーム駆動機構
32:アクチュエータロッド
32d:駆動端
33:アクチュエータケーシング
34:中継側接続部
35:保持装置
36:接触端
37:押圧部材
41:通信機
42:演算器
44:電力分配器
45:被取付部位置検知器
50:マルチコプター
51:胴体
51u:上面
51d:下面
52:スライドシャフト挿通孔
53:爪収納穴
55:ロータ
56:モータ
57:アーム
58:アーム部
58t:先端部
58b:基端部
59:揺動力受け部
60:アーム接続部
61:揺動機構
62:スライド部材
63:スライドシャフト
63d:駆動受け端
64:スライドアーム
64m:アーム操作端
66:揺動拘束機構
67:爪
68:バネ
69:マルチコプター側接続部
71:運動状況検知器
72:空間内位置検知器
73:環境情報取得器
80:第一ケーブル
81:シース
81a:操作側端
81b:中継側端
82:電力線
83:操作信号線
84:位置情報信号線
85:環境情報信号線
90:第二ケーブル
91:シース
91a:中継側端
91b:マルチコプター側端
92:駆動電力線
93:運動情報信号線
94:空間内位置情報信号線
95:環境情報信号線
Da:上下方向
Db:水平方向
So:操作空間
Sn:狭隘空間
Sf:飛行空間
Pn:狭隘空間形成面(被取付部)
図1
図2
図3
図4
図5